説明

管理機

【課題】容易に畝底から畝上へ、または、圃場から畦上等に乗り上げることが可能となる管理機を提供する。
【解決手段】車輪30・30に対して前後一側に耕耘装置40を配置し、前記前後他側にエンジン12を配置し、ハンドル52をエンジン12上方に振替可能に構成し、前記前後他側に走行補助具60を配置した管理機1であって、走行補助具60は、エンジン12を載置する支持フレーム11に基部側が回動自在に支持され、先端側が側面視そり状に形成されて前記前後他側に突出される接地部材と、接地部材と支持フレーム11の間に介装されて接地部材が下方に回動するように付勢する付勢部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の作業装置を機体に装着して、耕耘作業や畝立て等の農作業を行うための歩行型管理機(以下「管理機」と称する)の技術は種々知られている(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−341901号公報
【特許文献2】特開平7−33051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、当該管理機において、ハンドルをエンジン上方となる位置まで回動して振り替えて、耕耘装置側を前方として、作業終了後に圃場端で回行する時に、ハンドルを下方に押し下げて耕耘装置を持ち上げると、耕耘装置側の方がエンジン側よりも重いために、機体の重量バランスが悪くなって走行時に機体がふらつく場合がある。このため、揚土作業が終了して畝底から畝上へ脱出することが困難な場合がある。
【0005】
例えば、葱栽培では、葱の生育度合に応じて土を畝の上に盛る揚土作業を数回行うため、畝底と畝上との高低差が大きく、また、葱栽培の畝溝の幅は他の作物を栽培するものと比べて比較的狭い。そして、この作業に用いられる管理機の車輪は、一輪のみ備えられる構成、または、そのトレッド幅が狭い構成となっており、全体として左右方向の幅が狭い構成となっている。
そして、当該管理機によって当該畝底から畝上へ脱出する場合には、そのハンドルを下方に下げて機体の前部を上方に傾斜させて、走行しながら畝上へ上がる。この際、機体の前部に配置される耕耘装置が圃場から浮いた状態、即ち、左右方向の幅が狭い車輪のみが圃場(地表面)に接地した状態で、高低差の大きい傾斜面を走行するため、機体のバランスが悪くなり易く、当該畝底から畝上への脱出が困難な場合が多い。
また、管理機のエンジンの下方にスタンドを設けて、エンジン側が下方へ所定角度以上下がらないようにする技術も特許文献2により公知となっているが、このスタンドは車輪側へ回動可能として収納できるように構成され、格納時等で使用するものであり、畝上等へ乗り上げる時に使用するものではない。
【0006】
本発明は以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、容易に畝底から畝上へ、または、圃場から畦上等に乗り上げることが可能となる管理機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、車輪に対して前後一側に耕耘装置を配置し、前記前後他側に原動機を配置し、ハンドルを原動機上方に振替可能に構成し、前記前後他側に走行補助具を配置した管理機であって、前記走行補助具は、前記原動機を載置する支持フレームに基部側が回動自在に支持され、先端側が側面視そり状に形成されて前記前後他側に突出される接地部材と、該接地部材と前記支持フレームの間に介装されて前記接地部材が下方に回動するように付勢する付勢部材とを備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記付勢部材の両端部の係止部は、前記接地部材の回動支点を挟んでその両側に配置され、前記接地部材の接地点と前記車輪の接地点を結ぶ線と接地線との角度が、設定角度未満では前記接地部材は下方に付勢され、前記設定角度以上では接地部材は上方に付勢されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記設定角度は、前記支持フレームの先端と前記車輪の接地点を結ぶ線と接地線とのなす離床角よりも若干小さく設定されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、揚土作業等で耕耘装置を持ち上げた状態で管理機を畝上や畦上乗り上げる際に、車輪と接地部材とが接地して管理機を支えるため、機体を安定させることができ、容易に畝底から畝上へ、または、圃場から畦上等に乗り上げることが可能となる。
【0013】
請求項2においては、畝または畦上へ乗り上げるまでの設定角度までハンドルを下方へ押し下げた状態では、接地部材は機体を安定させるように下方に付勢され、畝または畦上へ乗り上げた時に、設定角度以上となるまでハンドルを押し下げることで、自動的に接地部材は上方へ持ち上げられて、次の畝間の作業や路上走行等で邪魔とならない位置に保持できる。
【0014】
請求項3においては、耕耘装置を持ち上げることができる最大角となる離床角までは、接地部材により下方へ付勢されて機体を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る管理機の全体的な構成を示した側面図。
【図2】本発明の実施形態に係る管理機の拡大側面図。
【図3】本発明の実施形態に係る管理機の拡大背面図。
【図4】本発明の実施形態に係る管理機の拡大側面図。
【図5】本発明の実施形態に係る管理機のその機体前部が上方に傾斜している状態を示した側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を、図1から図5を用いて説明する。なお、図1における矢印F方向を前方として説明する。
【0017】
管理機1は、本発明の実施形態に係る歩行型管理機である。
管理機1は、各種の作業装置を機体に装着して、耕耘作業あるいは中耕除草等の農作業を行うものである。管理機1には、作業装置の一例としてロータリ式の耕耘装置40が装着される。
【0018】
管理機1は、図1に示すように、支持フレーム11、エンジン12、伝動ケース14、ミッションケース20、車輪30・30、耕耘装置40、及び操作部50、走行補助具60、等を具備する。
車輪30・30に対して前後一側に耕耘装置40は配置される。前記前後他側にエンジン12は配置される。ハンドル52はエンジン12の上方に配置される。前記前後他側に走行補助具60は配置される。
【0019】
支持フレーム11は背面視略逆U字状に板材が折り曲げ形成され、前端がミッションケース20の後面に固設される。原動機となるエンジン12は、支持フレーム11の後部上に搭載固定される。エンジン12からの動力は、伝動ケース14内のプーリ、ベルトを介してミッションケース20内の変速機構に伝達され、さらに、変速機構で変速された後に車軸31及び耕耘装置40へ伝達可能とされる。
【0020】
車輪30・30は、車軸31に固定される。車軸31は、ミッションケース20の下部に支持され、左右側方に突出される。
耕耘装置40は、車輪30・30の前方に配置され、ミッションケース20前部にヒッチを介して取付けられる。耕耘装置40は、駆動ケース、耕耘軸44、耕耘爪42、耕耘カバー45、等を備える。駆動ケースはヒッチの後部に上下方向に設けられ、チェーン等により動力を伝達するものであり、駆動ケースの上部側面に入力軸を突出し、前記ミッションケース20の側面より突出したPTO軸から作業伝動ケース内の伝動機構を介して動力を伝達できるようにしている。
耕耘軸44は前記駆動ケースの下部より左右側方へ突出され、該耕耘軸44の外周面には耕耘爪42・42・・・が植設される。エンジン12からの動力がミッションケース20、作業伝動ケース、駆動ケース内の伝動機構を介して耕耘軸44に伝達されて、耕耘軸44が耕耘爪42・42と一体的に回転することにより、走行中の圃場を耕耘する。耕耘カバー45は、耕耘爪42・42・・・の軌跡の略上半部を、上方から被覆するように配置される。
【0021】
操作部50はハンドル基部51、ハンドル52、及び各種の操作具を備える。ハンドル基部51はミッションケース20の上に水平方向に回動可能(振替可能)に設けられる。ハンドル基部51の上にはハンドル52が取付けられる。ハンドル52は後上方に延出され、その後端部には左右の把持部52L・52Rが形成される。把持部52L・52Rは、操向操作を行うときに作業者が手で握る部分であり、エンジン12の後上方に配置される。把持部52L・52Rの近傍には、各種の操作具が配置される。
【0022】
走行補助具60は、管理機1の後部を下方から支持するようにして、安定して走行できるように補助するものである。走行補助具60は、車輪30・30の後方に位置するように支持フレーム11の後部に取付けられるとともに、後下方に突出させて上下方向に回動可能に構成される。
【0023】
走行補助具60は、使用位置(走行補助具60の接地部材64を接地させて使用する位置)では、先端が地表面に接地するような位置に配置される(図2参照)。このように走行補助具60は、耕耘装置40を持ち上げて走行する時に車輪30・30とともに地表面に接地することにより、接地する箇所を増加して、走行安定性を向上させるものである。
走行補助具60は、不使用位置(走行補助具60の接地部材64を接地させず使用しない位置)では、先端が地表面に接地しないように上方に回動した位置に配置される(図4参照)。
【0024】
また、走行補助具60は、図2または図3に示すように、接地部材64と、付勢部材66と、を備える。
【0025】
接地部材64は、基部側が支持フレーム11に上下回動自在に取付けられ、先端が側面視そり状に形成されて後下方に突出される。
接地部材64は、左右のアーム64a・64aとそり体64bから構成され、左右のアーム64a・64aは、略長方形の板状の部材で、背面視略クランク状に形成される。
【0026】
アーム64a・64aは、その一端部側のアーム64a・64a間の幅が狭く、他端部側のアーム64a・64a間の幅が広くなるように、左右対称にそれぞれ配置される。また、当該アーム64a・64aの一端部間の幅は、支持フレーム11の左右の側板よりも外内側に配置できる幅としている。但し、アーム64a・64aは支持フレーム11の内側に配置する構成とすることも可能である。
アーム64a・64aの一端部には、ピン孔64c・64cが左右方向に貫通して形成される。
【0027】
前記ピン孔64c・64cと一致するように、前記支持フレーム11の側板の前部には取付け孔11a・11aが開口されている。そして、当該アーム64a・64aのピン孔64c・64cと支持フレーム11の取付け孔11a・11aとに回転軸となるピン62・62を貫挿する。
ここで、支持フレーム11の取付け孔11a・11aは、車輪30・30の後上方に位置するように左右方向に貫通して形成されるとともに、支持フレーム11の左右それぞれに形成される。
このようにして、アーム64a・64aは、支持フレーム11に取付けられるとともに、上下方向に回動可能に構成される。
【0028】
アーム64a・64aの他端部には、そり体64bの一端が固定して取付けられる。
また、アーム64a・64aの他端部には、第一棒材63が取付けられる。
第一棒材63は、棒状の部材であり、付勢部材66の一端部が係止される。第一棒材63は、アーム64a・64aの他端部間の前面に横設される。但し、付勢部材66の一端はそり体64bに係止する構成であってもよい。
【0029】
そり体64bは、使用位置で先端側が地表面に接地する部材である。
そり体64bは、棒状部材を正面視略四角形状に、側面視略「J」字状に折り曲げ形成し、一端(上端)が前記アーム64a・64aの他端(下端)に固設され、他端が後方へ延設されるものである。こうして接地部材64の接地点ができるだけ後方位置となることで、接地部材64の接地点と車輪30・30との位置の間隔が長くなり、走行安定性を向上できる。また、そり体64bの左右幅は、左右の車輪30・30の内側の幅と略同じ長さとしている。こうして、そり体64bが接地している時には、管理機1が左右方向へ倒れることを防止するようにしている。
【0030】
そり体64bは、前端と後端が上方を向き後下部が湾曲する側面視そり状に形成されることで、湾曲部を地表面に接地させた状態で走行しても、接地部材64が地表面の凹凸や根等に引っ掛かることがなく、走行時に支障がないように構成している。
そり体64bは、後端が圃場から斜め上後方に向かって延出する。このため走行補助具が使用位置であっても、そり体64bの後端の左右方向に延びる棒状の部分は、圃場から浮き上がった状態となり、管理機1の操縦者は、当該部分を足で踏み易く、また把持し易くなっている。したがって、その走行補助具60の接地部材64における圃場側の端部を踏み込んで使用位置として機体のバランスを安定させることができ、また、これを把持して持ち上げて使用位置から不使用位置への操作を容易にすることができる。
なお、そり体64bは板材を折り曲げ形成して構成することも可能である。
【0031】
走行補助具60の付勢部材66は、走行補助具60の接地部材64と支持フレーム11の間に介装されて、接地部材64を下方または上方へ付勢する部材であり、コイルスプリングで構成される。付勢部材66の両端には係止部66a・66bが形成され、該係止部66a・66bは接地部材64の回動支点となるピン62・62を挟んでその両側に位置するように配設される。
付勢部材66の一端部の係止部66aは、前記接地部材64に設けられた第一棒材63に係止され、その付勢部材66の他端部の係止部66bは、支持フレーム11に設けられた第二棒材65に係止される。こうして、付勢部材66は、使用位置では接地部材64が下方に回動するように付勢し、不使用位置では上方に回動するように付勢する。そして、付勢部材66の付勢力は、ハンドル52を押し下げて耕耘装置40を持ち上げられる強さとしている。
【0032】
第二棒材65は、棒状の部材であり、支持フレーム11の左右側板に設けた軸孔11b・11b間に横架される。
前記軸孔11b・11bは、支持フレーム11の左右それぞれに、左右方向に貫通して形成される。軸孔11b・11bは、前下りに傾斜した長孔に形成される。軸孔11b・11bは、車輪30・30の後上方であって、前記取付け孔11a・11aより前方に位置するように形成される。
【0033】
このような構成において、走行補助具60が使用位置では、付勢部材66により第一棒材63と第二棒材65が互いに接近するように付勢することで、接地部材64は図2において反時計方向に回転され、最大回転時は、そり体64bの一端が支持フレーム11の下端と当接して回動が規制される。こうして、接地部材64は、後下方に突出した位置とされる。そして、耕耘装置40の下端が地表面に接地している状態では、そり体64bの下端も接地した状態となっている。当然車輪30も接地している。
一方、第二棒材65は、下方に引っ張られるため、支持フレーム11の軸孔11b・11bにおける前下方側の端部に位置する。
【0034】
この状態から、接地部材64を後上方へ回動して、図4に示すように、第一棒材63とピン62と第二棒材65とが一直線(X1)上に位置すると、即ち、接地部材64の接地点P1と車輪30・30の接地点P2を結ぶ線Y1と、車輪30・30の接地点P2と耕耘装置40下端の接地点P3(図1参照)を結ぶ線(接地線Zとする)とのなす角度θ1が、設定角度θ0となると、第二棒材65は、軸孔11b・11bの傾斜により軸孔11b・11b内を後上方へ摺動し、後上方側端部へ移動する。すると、付勢部材66は接地部材64の回動支点となるピン62よりも上方に位置し、即ち、支点越えとなって、接地部材64は付勢部材66の付勢力により上方へ回動し、そり体64bの上側に左右方向に設けた杆部分が支持フレーム11の先端(後端)P4の下端と当接し回動が規制されて、その位置で保持される。つまり、走行補助具60の不使用位置となる。
なお、前記設定角度θ0は図4に示すように、支持フレーム11の先端P4と車輪30・30の接地点P2を結ぶ線Y2と接地線Zとのなす角度(離床角とする)θ2よりも若干小さい角度なるように設定されている。
【0035】
また、この不使用位置から接地部材64を付勢部材66の付勢力に抗して下方(反時計まわり)へ回動して、図2に示すように、第一棒材63とピン62と第二棒材65とが一直線(X2)上に位置すると、第二棒材65は、軸孔11b・11bの傾斜により軸孔11b・11b内を前下方へ摺動し、前下方側端部へ移動する。すると、付勢部材66は接地部材64の回動支点となるピン62よりも下方に位置し、即ち、支点越えとなって、接地部材64は付勢部材66の付勢力により下方へ回動するようになる。
このように、付勢部材66の本機側の係止部となる第二棒材65を支持する軸孔11bを長孔として、回動支点となるピン62に対して略接線方向(前下り傾斜)となるように設けることで、支点越えするときの位置を回動方向によって変更することができる。つまり、接地部材64が不使用位置から使用位置側へ回動して、支点越えとなる接地部材64の位置(X2)は、接地部材64が使用位置から不使用位置側へ回動して、支点越えとなる接地部材64の位置(X1)よりも下方となるようにしている。
このように構成することで、接地部材64の使用位置での作動範囲を拡大でき、不使用位置では、意図せず当接して下方へ多少回動されても不使用位置を保持することができる。つまり、不使用位置の範囲を大きくすることができるのである。
【0036】
次に、揚土作業から管理機1を畝上に乗り上げる場合について説明する。
揚土作業時において、圃場端に至ると、耕耘装置40の作動を停止して、ハンドル52の把持部52L・52Rを把持してこれを下方に押し下げて、耕耘装置40を持ち上げる。そして、走行補助具60の接地部材64を設定角度θ0よりも小さくなるように下方へ回動すると、付勢部材66の付勢力により接地部材64は地表面を押圧するように付勢する。この状態で管理機1を前進させて畝上へ乗り上げる時、管理機1は接地部材64と車輪30が地表面に接地しているため機体を安定させることができる(図5参照)。
そして、前畝上に上がり旋回を行う時に、接地部材64が旋回の邪魔となるので、このときには、ハンドル52を押し下げてX1位置よりも下げることにより、接地部材64は支点越えとなって、上方に回動する(図4参照)。
【0037】
以上のように構成された管理機1では、図5に示す如く、その機体の前部が上方へ傾斜する際に、走行補助具60が、圃場に接地しながら後方に回動する。即ち、走行補助具60は、機体の進行方向と反対側(後方)に回動する。
この際においても、管理機1の走行補助具60の接地部材64は、これのアーム64a・64aの一端部より後方に配置され、走行補助具60の使用位置でその接地部材64が機体の後下方に配置されるとともに圃場に接地する。即ち、管理機1の機体の前部が上方へ傾斜する際においても、走行補助具60は、その使用位置で前記機体を後下方から支持するようにして機体の走行を補助する。
【0038】
以上のように管理機1は、車輪30・30に対して前後他側(耕耘装置40と反対側)に走行補助具60を配置し、走行補助具60は、エンジン12を載置する支持フレーム11に基部側が回動自在に支持され先端側が側面視そり状に形成されて前後他側に突出される接地部材64と、接地部材64と支持フレーム11の間に介装されて接地部材64が下方に回動するように付勢する付勢部材66とを備える。
したがって、管理機1によれば、揚土作業等で耕耘装置40を持ち上げた状態で管理機1を畝上や畦上に乗り上げる際に、車輪30・30と接地部材64とが接地して管理機1を支えるため、機体を安定させることができ、容易に畝底から畝上へ、または、圃場から畦上等に乗り上げることが可能となる。
【0039】
付勢部材66の両端部の係止部66a・66bは、接地部材64の回動支点を挟んでその両側に配置され、接地部材64の接地点P1と車輪30・30の接地点P2を結ぶ線Y1と接地線Zとの角度が、設定角度θ0未満では接地部材64は下方に付勢され、設定角度θ0以上では接地部材64は上方に付勢される。
したがって、管理機1によれば、畝または畦上へ乗り上げるまでの設定角度θ0までハンドル52を下方へ押し下げた状態では、接地部材64は機体を安定させるように下方に付勢され、畝または畦上へ乗り上げた時に、設定角度θ0以上となるまでハンドル52を押し下げることで、自動的に接地部材64は上方へ持ち上げられて、次の畝間の作業や路上走行等で邪魔とならない位置に保持できる。
【0040】
前記設定角度θ0は、支持フレーム11の先端P4と車輪30・30の接地点P2を結ぶ線Y2と接地線Zとのなす離床角よりも若干小さく設定される。
したがって、管理機1によれば、耕耘装置40を持ち上げることができる最大角となる離床角までは、接地部材64により下方へ付勢されて機体を安定させることができる。
【0041】
さらに管理機1の走行補助具60は、これの使用位置では、下方(圃場側)に付勢されるように構成されるため、管理機1の走行を停止させた状態で走行補助具60を使用位置にした場合には、管理機1を自立させるためのスタンドとして走行補助具60を用いることもできる。
【0042】
管理機1の走行補助具60は、ハンドル52の把持部52L・52Rを把持してこれを下方に押し下げた場合に走行補助具60が後方に回動するように構成される。このため、管理機1では、当該ハンドル52を下方に押し下げることにより、これの走行補助具60が破損してしまうことを抑制している。
【符号の説明】
【0043】
1 管理機
11 支持フレーム
12 エンジン
30 車輪
40 耕耘装置
52 ハンドル
60 走行補助具
64 接地部材
64a アーム
64b そり体
66 付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪に対して前後一側に耕耘装置を配置し、前記前後他側に原動機を配置し、ハンドルを原動機上方に振替可能に構成し、前記前後他側に走行補助具を配置した管理機であって、
前記走行補助具は、
前記原動機を載置する支持フレームに基部側が回動自在に支持され、先端側が側面視そり状に形成されて前記前後他側に突出される接地部材と、
該接地部材と前記支持フレームの間に介装されて前記接地部材が下方に回動するように付勢する付勢部材とを備える、管理機。
【請求項2】
前記付勢部材の両端部の係止部は、前記接地部材の回動支点を挟んでその両側に配置され、前記接地部材の接地点と前記車輪の接地点を結ぶ線と接地線との角度が、設定角度未満では前記接地部材は下方に付勢され、前記設定角度以上では接地部材は上方に付勢される請求項1に記載の管理機。
【請求項3】
前記設定角度は、前記支持フレームの先端と前記車輪の接地点を結ぶ線と接地線とのなす離床角よりも若干小さく設定される請求項2に記載の管理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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