管理装置、棚札端末および電子棚札システム
【課題】新たに装置を設けることなく、また、棚札端末が設置される様々な温度環境に対応して、低消費電力で表示品質を保つことができる電子棚札システムを提供する。
【解決手段】メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが接続される電子棚札システムの管理装置であって、棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、現在温度と、ヒーターによる加熱によって、現在温度から表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、棚札端末にデータを送信する送信部と、棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、記憶部から読み出してから、待機時間が経過した後に、送信部から棚札端末へ、棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有する。
【解決手段】メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが接続される電子棚札システムの管理装置であって、棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、現在温度と、ヒーターによる加熱によって、現在温度から表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、棚札端末にデータを送信する送信部と、棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、記憶部から読み出してから、待機時間が経過した後に、送信部から棚札端末へ、棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札システムの棚札端末における温度制御を行う管理装置、棚札端末および電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において、商品の情報を表示する棚札端末は、店舗内の商品が陳列される棚に、商品毎に設置される。店舗では、商品の移動や入れ替え等が頻繁に行われるため、棚札端末は、移動可能に設置される必要があり、このため、電池駆動のものが大半である。
また、店舗内における取扱商品の種類は多数であるため、各商品に棚札端末を設置する場合、大量の棚札端末が必要となる。
一般に、棚札端末は、商品の情報を表示する表示手段や、商品の情報を外部のサーバ等から取得するための通信手段を有している。これら手段は、棚札端末内部に設けられた電池からの電力で動作するため、棚札端末には、低消費電力での動作が求められている。
【0003】
ところで、棚札端末は、冷凍された商品を陳列する冷凍ケース内にも設置される。冷凍ケース内に棚札端末を設置する場合、棚札端末の表示手段の温度が表示手段の動作可能温度範囲を逸脱すると、表示品質が低下し、表示すべき商品の情報を正常に表示できなくなるという問題がある。
そこで、棚札端末の表示手段の表示品質を保つために、表示手段自身の温度を制御する技術(例えば、特許文献1参照)や、外部雰囲気の温度を制御することで、棚札端末自身の温度を制御して表示手段の表示品質を維持するものがある(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−106524号公報
【特許文献2】特開2008−48868号公報
【特許文献3】特開2005−202251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献に記載の表示手段や棚札端末は、その表示品質を維持する期間、温度制御を行い続ける必要がある。このような温度制御を、内蔵する電池からの電力を利用して行う場合、棚札端末としての長時間の動作が困難になる。
そこで、電源供給ラインに接続して電源を供給することも考えられるが、棚札端末を大量に、フレキシブルに店舗内に設置することが困難となる。すなわち、棚のレイアウトを変更したり、商品の入れ替えを行う際には、電源供給ラインの接続のし直しが必要となるため、手間がかかる。また、電池駆動であれば不必要である電源供給ラインが棚に設置されることとなるため、棚の外観が損なわれる恐れもある。
また、棚札端末の外部雰囲気の温度制御をする場合、加熱・冷却した空気が周囲に拡散するため、温度制御に必要以上に電力が消費される。
【0006】
ところで、商品近傍は、通常、商品にとって最適な温度となっている。そのため、棚札端末の温度制御のために外部雰囲気の温度を制御しようとすると、商品に対する最適な温度制御を行うことが困難になる。
さらに、棚札端末の外部に温度制御装置を設置する場合、商品陳列箇所に新たに装置を設置することとなる。そのため、商品陳列の外観を損ねる可能性があり、また、新たに設ける装置の体積分、商品が陳列出来なくなる可能性もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、冷凍ケース近傍に新たに装置を設けることなく、また、棚札端末が設置される様々な温度環境に対応して、低消費電力で表示品質を保つことができる管理装置、棚札端末および電子棚札システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記棚札端末にデータを送信する送信部と、前記棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、前記記憶部から読み出してから前記待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の管理装置において、前記記憶部は、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す設置情報を、前記棚札端末のそれぞれについて記憶し、前記制御部は、前記記憶部から設置情報を読み出し、待機時間が必要な棚札端末に対する前記画像データの送信を待機する間に、待機時間が不要な棚札端末に対する画像データを前記送信部に送信させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置からデータを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記棚札端末の温度の送信要求を受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ前記温度センサーの測定結果を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記棚札端末から受信する受信部と、前記棚札端末にデータを送信する送信部と、前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置からデータを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記棚札端末の待機時間の送信要求を受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部に前記管理装置へ前記待機時間を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置から画像データを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データを受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末に表示させる画像データを棚札端末に送信する送信部と、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する受信部と、前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる、表示確認コマンドを送信させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置から画像データを受信する受信部と、前記画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末に表示させる画像データを、棚札端末に送信する第1の送信部と、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する第1の受信部と、前記棚札端末から受信した待機時間が経過した後に、前記第1の送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる表示確認コマンドを送信させる第1の制御部とを有し、前記棚札端末は、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記待機時間とが対応付けられた温度制御情報を記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する第2の送信部と、前記管理装置から画像データを受信する第2の受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応付けられた待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ、読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる第2の制御部と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末へ、前記棚札端末の温度情報の送信指示を含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段と、前記温度調整コマンドに対する応答に含まれる前記棚札端末の温度情報に基づいて、所定の待機時間後に、前記記憶部にある前記画像データを前記棚札端末に送信する画像データ送信手段とを有し、前記棚札端末は、前記画像データを受信して、前記表示部に表示させる画像データ表示手段と、前記温度調整コマンドを受信し、前記温度センサーでの測定結果として前記棚札端末の温度情報を前記管理装置に送信する温度情報送信手段と、前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記画像データ表示手段が前記画像データを表示した後に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段とを有しており、前記待機時間は、前記ヒーターをオンに制御することによって、前記棚札端末が、現在温度から、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間であり、前記棚札端末もしくは前記管理装置は、前記現在温度と前記待機時間とが対応付けられた温度調整テーブルを有しており、前記画像データ送信手段は、前記棚札端末もしくは前記管理装置から前記温度調整テーブルに基づいた前記待機時間を取得して、前記画像データの送信を待機することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上述の電子棚札システムにおいて、前記温度調整コマンドが、さらに、前記画像データを含み、前記画像データ送信手段が、前記温度調整コマンドに含まれて先に送信されている前記画像データの表示指示を送信することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する第1の記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末へ、前記画像データを含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段を有し、前記棚札端末は、前記棚札端末が、前記ヒーターをオンに制御した後に、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間、または、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な書き換え可能温度を、書き換え可能条件として記憶する第2の記憶部と、前記ヒーターをオンに制御した後に、前記棚札端末が前記書き換え可能条件を満足したか否かを判断する書き換え可能条件確認手段と、前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満足したと判断した場合に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段と、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満たしたと判断した場合に前記画像データを前記表示部に表示させる画像データ表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、この発明によれば、棚札端末の表示部に、表示内容の書き換え時にのみ電力供給を必要とし、表示内容の書き換え後は、その表示内容の表示保持に電力供給を必要としない、メモリ性を有する表示手段を使用することで、棚札端末の温度制御を、表示部の表示内容の書き換え時のみに行うようにした。
具体的には、棚札端末の現在の温度を測定し、測定温度から、予め用意したテーブルを用いて待機時間(前記棚札端末が、自身が有するヒーターを動作させて、表示部が表示内容を書き換えることが可能な温度(動作可能温度範囲)に到達するまでに要する時間)を得る。そして、この待機時間の間だけ棚札端末のヒーターをオンに制御し、待機時間が経過した後に表示部に画像データを表示させ、ヒーターをオフにするようにした。
これにより、棚札端末のヒーターを常時オンにする必要がなくなり、ヒーターは、必要最低限の時間のみ、動作させればよい。よって、棚札端末の低消費電力化を実現しつつ、表示品質を保つことができる。
また、低温環境下に設置される棚札端末であっても低消費電力化が実現できるため、棚札端末は温度制御の実施の是非に関わらず、電池で駆動することができる。従って、冷凍ケースの近傍に特殊な装置や電源供給ラインを新たに設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の電子棚札システムの構成を示したブロック図である。
【図2】棚札端末10の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】ESLサーバ20の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】記憶装置24に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。
【図5】第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図7】記憶部13に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。
【図8】第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図9】第4の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】第5の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明について説明する。図1は、本実施形態の電子棚札システムの構成を示したブロック図である。図示する例では、電子棚札システムは、商品を販売する店舗内に設置されるものであり、棚札端末10と、ESL(Electronic shelf label、電子棚札)サーバ20(管理装置)と、無線中継機30を備えている。ここでは、棚札端末10は、店舗内に複数設置されるが、その一例として棚札端末10−1、10−2が図示されている。また、無線中継機30についても、店舗内に複数設置されるが、その一例として無線中継機30−1、30−2が図示されている。ESLサーバ20と各無線中継機30は、ネットワーク40を介して接続される。各棚札端末10と各無線中継機30は、例えば、近距離無線方式(例えば、IEEE802.15.4)を用いて無線通信を行う。また、各棚札端末10は、無線中継機30と無線通信を行うことにより、無線中継機30を介してESLサーバ20と通信を行う。
【0023】
図2は、棚札端末10の構成を表す機能ブロック図である。
棚札端末10は、制御部11と、表示部12と、記憶部13と、無線通信部14と、温度センサー15と、ヒーター16とを有する。
制御部11は、棚札端末10内の各部を制御する。
表示部12は、例えば、メモリ性を有する液晶素子から構成される液晶表示装置であり、商品の名称、価格など、商品に関する商品情報を表示する。ここで、メモリ性を有する液晶素子は、画像データを表示させる際(表示内容を書き込む際)にのみ、電力を必要とし、一旦、画像データを表示させた後は、電力供給を行わなくても、その表示状態を保持する特性を有した液晶素子である。よって、棚札端末10に、このような液晶素子を使用した液晶表示装置を採用することは、低消費電力化に有効な手段である。
記憶部13は、ROM(Read−Only−Memory)やRAM(Random−Access Memory)等で構成され、棚札端末10の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。
無線通信部14は、無線中継機30と通信を行うことにより、ESLサーバ20とデータの送受信を行う。
温度センサー15は、棚札端末10の温度を検出する。
ヒーター16は、制御部11からの指示に基づいてON、OFFし、ONの間において熱を発生し棚札端末10内に熱を与える。
【0024】
図3は、ESLサーバ20の構成を示す概略ブロック図である。
ESLサーバ20は、制御部21と、有線通信部22と、メモリ23と、記憶装置24とを有する。
制御部21は、ESLサーバ20が備える各部の制御を行う。
有線通信部22は、ネットワーク40を介して各無線中継機30と通信を行うことにより、各棚札端末10と通信を行う。
メモリ23は、ESLサーバ20の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。
記憶装置24は、商品情報、棚札端末情報、後述する温度制御テーブルを記憶する。この商品情報は、商品の名称、価格等を棚札端末10の表示部12に表示させる画像データと、商品を識別する商品識別情報とを含む情報である。棚札端末情報は、棚札端末10を個別に識別する棚札端末識別情報と、棚札端末10の棚札端末のサイズ情報と、棚札端末10が配置された棚を識別する棚識別情報と、商品識別情報とが対応付けられた情報である。温度制御テーブルについては後述する。
【0025】
以下説明する実施形態においては、棚札端末10が表示部12に表示する情報を書き換える際に、棚札端末10の温度が、動作可能温度範囲(表示部12に表示される画像データの書き換え処理を行うことができる温度)になるように、棚札端末10内のヒーター16を、ONまたはOFFに制御する。
【0026】
(1)第1の実施形態
第1の実施形態においては、ESLサーバ20が、棚札端末10の温度が動作可能温度範囲になるまでの時間を考慮し、棚札端末10に対して画像データを送信する場合について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるESLサーバ20の記憶装置24に記憶される、温度制御テーブルの一例を表す図である。これは、動作可能温度範囲が5℃以上である棚札端末10のためのテーブルである。
温度制御テーブルは、現在温度と、待機時間、補正値(L)、補正値(S)とが対応付けされて記憶されている。
現在温度は、棚札端末10の温度センサー15によって測定された温度である。
待機時間は、ヒーターによる加熱によって、現在温度から、表示部12が表示内容を書き換えることが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間である。
【0027】
補正値(L)、補正値(S)は、棚札端末10のサイズや特性に応じて待機時間を補正する値を示す。棚札端末10のサイズが標準サイズよりも大きい場合には、補正値(L)を使用し、棚札端末10のサイズが標準サイズよりも小さい場合には、補正値(S)を使用する。
一般に、棚札端末10のサイズが大きくなるにつれて、ヒーター16にて棚札端末10全体を加熱して、棚札端末10を動作可能温度範囲にまで到達させるのに要する時間は長くなる。よって、補正値(L)は、標準サイズの棚札端末10における待機時間よりも、待機時間を長くするための値である。また、補正値(S)はその逆であり、標準サイズの棚札端末10における待機時間よりも、待機時間を短くするための値である。
【0028】
次に、第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。ここでは、棚札端末10が標準サイズである場合について説明する。
図5は、第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始する(ステップS100)。この外部システムとは、例えば、ESLサーバ20の外部に設けられる店舗内サーバである。また、ESLサーバ20は、バッチ処理により以下の処理を開始してもよい。
外部システムからの画像送信要求があると、ESLサーバ20は、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS101)。この温度調整コマンドとは、棚札端末10内の温度を測定し、その測定結果をESLサーバ20宛に送信させるコマンドである。棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し(ステップS103)、測定結果と棚札端末10を個別に識別する端末識別情報を含む応答信号を、ESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS104)。さらに、棚札端末10の制御部11は、ヒーター16をONにする(ステップS105)。
【0029】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる測定結果を抽出することにより、棚札端末10の現在温度を得て、温度制御テーブルを参照し(ステップS106)、この現在温度に対応する待機時間を読み出す。なお、記憶装置24に記憶された棚札端末情報を参照し、この棚札端末10のサイズ情報が標準サイズでない場合には、サイズに応じた補正値も読み出し、当該補正値を使用して補正した待機時間を算出する。そして、ESLサーバ20の制御部21は、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS107)。
ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が経過したことを検出すると、応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内の画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS108)。
【0030】
棚札端末10がESLサーバ20から画像データを受信するのは待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際には棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS109)、ヒーター16をOFFにし(ステップS110)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS111)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0031】
この実施形態によれば、ESLサーバ20の管理のもとで、棚札端末10が表示内容の書換え処理を正常に行うことができる温度となるように、必要最低限の時間だけ温度制御を行うようにした。これにより、表示内容の書き換えを実施したい時刻に合わせた、低消費電力での表示内容の書換え処理を実現することができる。
また、この実施形態によれば、ESLサーバ20が温度調整コマンドを送信するタイミングを決め、ESLサーバ20で待機時間の管理を行うようにしたので、通信の混雑度を平均化することができ、通信効率を向上させることができる。
【0032】
なお、上述した実施形態において、ESLサーバ20の制御部21が、ステップS108において画像データを送信するようにしたが、温度調整コマンドを送信する際に送信しておき、ステップS108において、画像データを表示させる指示を送信するようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態において、温度制御テーブルに、棚札端末10のサイズに応じて、補正値(L)、補正値(S)が記憶されている例を説明したが、棚札端末10が設置される場所に応じて、補正値を記憶するようにしてもよい。例えば、冷凍ケース内の位置(冷風が直接当たる位置や、直接当たらない位置など)によって、棚札端末10の冷え方が異なるため、その位置に応じて動作可能温度範囲に到達するまでの時間を長く(冷風が直接当たる場合)、あるいは短く(冷風が直接当たらない場合)するような補正値を温度制御テーブルに記憶させてもよい。
【0034】
(2)第2の実施形態
第2の実施形態においては、通常温度の棚に設置された棚札端末10と、冷凍ケース等の低温領域内の棚に設置された棚札端末10とがある場合について説明する。
ここでは、ESLサーバ20の記憶部24は、棚札端末情報の棚札端末識別情報に、さらに、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す低温設置情報を記憶する。待機時間が必要な端末とは、低温領域の棚に設置された棚札端末であり、待機時間が不要な端末とは、常温領域の棚に設置された棚札端末である。その他の機能は、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0035】
次に、第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。
図6は、第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS200)、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS201)。ここで、記憶装置24に記憶された低温設置情報を参照し、待機時間が必要であることを示す低温設置情報が対応付けられた棚札端末10の棚札端末識別情報を読み出し、この棚札端末識別情報を宛先とし、温度調整コマンドを送信する。
【0036】
棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し(ステップS203)、測定結果と自身の端末識別情報を含む応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信し(ステップS204)、ヒーター16をONにする(ステップS205)。
【0037】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる測定結果を抽出することにより、棚札端末10の現在温度を得て、温度制御テーブルを参照し(ステップS206)、この現在温度に対応する待機時間を読み出す。また、棚札端末のサイズ情報を参照し、当該棚札端末10のサイズが標準でない場合には、サイズに応じた補正値も読み出す。そして、ESLサーバ20の制御部21は、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行う。
次に、ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が不要な端末であることを示す低温設置情報が対応づけられた棚札端末識別情報を読み出し、この棚札端末識別情報を宛先にし、画像データを送信する(ステップS207)。ここでは、各棚札端末識別情報に対応する画像データが読み出されて送信される。この画像データの送信が終了すると、ESLサーバ20の制御部21は、カウント値を参照し、待機時間が経過したか否かを判定し、待機時間が経過するまで待機する(ステップS208)。
【0038】
一方、画像データを受信した棚札端末10の制御部11は、受信した画像データを表示部12に表示し、表示結果を表す応答信号をESLサーバ20に無線通信部14によって送信する(ステップS210)。
【0039】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から送信される応答信号を受信した後、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS204において受信した応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内の画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS211)。
【0040】
ヒーター16をONさせていた、低温下にある棚札端末10が、ESLサーバ20から画像データを受信するのは待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際にはこの棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS212)、ヒーター16をOFFにし(ステップS213)、画像データの表示結果を含む応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS214)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0041】
この実施形態によれば、低温設置された棚札端末10の待機時間が経過するまでの時間に、常温設置された棚札端末10に対して画像データを送信しておき、待機時間が経過した後、低温設置された棚札端末10に対して画像データを送信するようにした。これにより、常温設置された棚札端末10と低温設置された棚札端末10とに対し、ある棚札端末10への画像データの送信が終了した後に次の棚札端末10に画像データの送信をする、という連続した送信方法の場合と比較して、全棚札端末10に対して画像データの送信が完了するまでの総時間を短縮することができる。例えば、棚札端末10が設置される台数にもよるが、棚札端末10のうち、最も長い待機時間の棚札端末10の待機時間が経過するまでの時間内において、全棚札端末10に画像データの送信を完了することも可能になる。
【0042】
1000台の棚札端末10が常温設置されており、20台の棚札端末10が冷温設置されている場合を例にとり、説明する。ESLサーバ20が100台の棚札端末10へ画像データを送信し、100台の棚札端末10が受信した画像データに基づいて表示部12の表示内容を書き換えるのに、1分(1台につき0.01分)を要し、冷温設置されている棚札端末10の待機時間が10分を要するとする。この場合、常温設置された1000台の棚札端末10へ画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換えるのに10分(A)、低温設置された20台の棚札端末10が待機時間分加温された後、ESLサーバ20が画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換えるのに10分+0.01×20=10分強(B)、を要することになる。
そのため、常温設置された1000台の棚札端末10の全ての表示内容を書き換えた後に低温設置された20台の棚札端末10を加温させ、表示内容を書き換える場合、(A)+(B)=20分強の時間を要する。
一方、低温設置された20台の棚札端末10を加温させている間に、常温設置された1000台の棚札端末10へ画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換える場合、(B)の10分強という時間の間に(A)の10分を実施し終了させることができ、結果的に(B)の10分強で全棚札端末10の表示内容の書き換えを完了することができる。このように、常温設置の棚札端末10および低温設置の棚札端末10の数量を選ぶことで、非常に効率的に表示内容の書き換え処理を実施することができる。
【0043】
なお、上述した実施形態において、低温設置情報によって、低温設置され、待機時間が必要な棚札端末であるか否かを区別する例を説明したが、棚札端末識別情報を各端末が持つ固有のシリアル番号とし、棚札端末識別情報としてのシリアル番号の範囲を低温設置と常温設置とで分けるようにすることで、シリアル番号の値によって低温設置された棚札端末を把握するようにしてもよい。
【0044】
(3)第3の実施形態
第3の実施形態においては、棚札端末10に温度制御テーブルを設け、棚札端末10からESLサーバ20に対して待機時間を指定する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0045】
図7は、第3の実施形態における棚札端末10の記憶部13に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。温度制御テーブルは、現在温度と待機時間とが対応付けされている。待機時間は、自身の棚札端末10が、ヒーター16で加温することによって、動作可能温度範囲に到達するまでの時間を表す。この温度制御テーブルは、棚札端末10が5℃以上の場合に、動作可能温度範囲である場合のデータである。
【0046】
次に、第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。
図8は、第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS300)、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS301)。棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、記憶部13の温度制御テーブルを参照する(ステップS303)。そして、棚札端末10の制御部11は、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、待機時間と自身の棚札端末識別情報とを含む応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS304)。さらに、棚札端末10の制御部11は、ヒーター16をONにする(ステップS305)。
【0047】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS306)。ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が経過したことを検出すると、応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内のる画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS307)。
【0048】
棚札端末10がESLサーバ20から画像データを受信するのは、待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際には、この棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS308)、ヒーター16をOFFにし(ステップS309)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS310)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0049】
この実施形態によれば、棚札端末10毎に、自身の特性に応じた温度制御テーブルを記憶するようにしたので、棚札端末10の個別の特性に合わせた待機時間を用いることができる。これにより、棚札端末10のハードウェアに由来する動作可能温度範囲のバラツキを吸収することができる。例えば、ヒーター16の特性の温度特性のバラツキや、筐体の保温性のバラツキを吸収することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態において、ESLサーバ20の制御部21が、ステップS307において画像データを送信するようにしたが、温度調整コマンドを送信する際に画像データも送信しておき、ステップS307において、画像データを表示させる指示を送信するようにしてもよい。
【0051】
(4)第4の実施形態
第4の実施形態においては、棚札端末10に温度制御テーブルを設け、棚札端末10自身が待機時間を経過するまで待機する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0052】
この実施形態において、棚札端末10は、図7に示す温度制御テーブルを記憶部13に記憶している。
図9は、第4の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS400)、各棚札端末10に対応した画像データをそれぞれの棚札端末10に送信する(ステップS401)。棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると(ステップS402)、画像データを正常に受信できたことを表す応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS403)。
次に、棚札端末10の制御部11は、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、ヒーター16をONにする(ステップS404)。そして、棚札端末10の制御部11は、記憶部13の温度制御テーブルを参照し、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS405)。
【0053】
棚札端末10は、待機時間が経過した後には、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS402において受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS406)、ヒーター16をOFFにし(ステップS407)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS408)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0054】
この実施形態によれば、ESLサーバ20は、棚札端末10において画像データが表示された後、すぐに表示結果を知ることができる。また、棚札端末10毎に待機時間のバラツキがあっても、ESLサーバ20の制御ソフトウェアに影響することがない。
また、棚札端末10側に新たな機能を設けるだけで済むので、ESLサーバ20については、既存の制御ソフトウェアをそのまま利用することができる。
【0055】
なお、この実施形態において、ステップS408の表示結果を表す応答信号は、表示が行われた後、直ちに送信してもよいし、ESLサーバ20と棚札端末10との間で行われている、一定時間毎の同期信号の送受信時に行うようにしてもよい。
【0056】
また、この第4の実施形態においては、温度制御テーブルを参照して待機時間を読み出して、この待機時間が経過するまで待機する場合について説明したが、棚札端末10内に温度制御テーブルを設けないようにしてもよい。すなわち、棚札端末10は、表示部12に表示する画像データの書き換え処理を行うことができる温度である「書き換え処理温度」を記憶部13に記憶しておく。そして、棚札端末10の制御部11は、ある一定間隔(例えば1秒毎)に温度センサー15によって温度測定を行い、この測定された温度と書き換え処理温度とを比較し、測定された温度が書き換え処理温度以上であると判定した場合に、画像データの表示を行い、ヒーター16をOFFにする。
【0057】
この場合、棚札端末10の記憶部13に書き換え処理温度を予め記憶しておくようにしたので、温度制御テーブルを設ける場合に比べて、記憶部13に記憶しておく情報を削減することができる。また、冷凍ケースからの冷風が棚札端末10に対して直接当たるか否か等の設置状況が予め解らなくても、また、冷風の当たり方に応じた待機時間の補正を行わなくても、書き換え処理温度に到達した時点で、画像データの書き換え処理を行うことができる。
【0058】
(5)第5の実施形態
第5の実施形態においては、第4の実施形態において、表示結果を表す応答信号を、ESLサーバ20からの要求に応じて送信する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第4の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
図10は、第5の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS500)、各棚札端末10に対応した画像データをそれぞれの棚札端末10に送信する(ステップS501)。棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると(ステップS502)、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、ヒーター16をONにする(ステップS503)。そして、棚札端末10の制御部11は、記憶部13の温度制御テーブルを参照し、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS504)。そして、棚札端末10の制御部11は、待機時間を含む応答信号をESLサーバ20に、無線通信部14を介して送信する。ここは、測定結果(測定した温度)も応答信号に含めるようにしてもよい。
棚札端末10は、待機時間が経過した後には、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS502において受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS507)、ヒーター16をOFFにする(ステップS508)。
【0059】
一方、ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から送信された応答信号を受信すると(ステップS509)、応答信号に含まれる待機時間を抽出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、抽出された待機時間が経過するまで待機する(ステップS510)。そして、待機時間が経過すると、ESLサーバ20の制御部21は、表示確認コマンドを棚札端末10に送信する(ステップS511)。
棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から表示確認コマンドを受信すると、表示結果を含む応答信号を生成し、ESLサーバ20に送信する(ステップS512)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0060】
この実施形態によれば、常にESLサーバ20が主局になることから、棚札端末10は、ESLサーバ20から要求があったときのみ動作を行ったり、応答を返したりすればよい。これにより、仕様を単純にすることができる。
【0061】
また、この第5の実施形態においては、棚札端末10が温度制御テーブルを参照して待機時間を読み出して、この待機時間が経過するまで待機する場合について説明したが、棚札端末10内に温度制御テーブルを設けないようにしてもよい。すなわち、棚札端末10は、表示部12に表示する画像データの書き換え処理を自身が行うことができる温度である書き換え処理温度と、画像データの書き換え処理が確実に完了している可能性がある書き換え可能予測時間(例えば600秒など)とを記憶するようにする。そして、棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると、ある一定間隔(例えば1秒毎)で温度センサー15によって温度測定を行い、この測定された温度と書き換え処理温度との比較を開始するとともに、書き換え可能予測時間をESLサーバ20に送信する。そして、棚札端末10の制御部11は、測定された温度が書き換え処理温度以上であると判定した場合に、画像データを表示し、ヒーター16をOFFにする。
【0062】
この場合、書き換え処理温度に到達した場合に、画像データを表示してヒーター16をOFFにするようにしたので、冷凍ケース内の冷風の当たり方や、温度環境の変動が大きい場合にも対応させて、画像データの表示と低消費電力化を図ることができる。例えば、店舗に来店した顧客によって冷凍ケースの扉が開けられて、冷凍ケース内の温度が上昇し、これに伴って棚札端末10の温度が上昇して書き換え処理温度に早く到達した場合や、冷凍ケース内の商品の配置が変わって冷風が直接当たらなくなり、ヒーター16による加熱を行う時間が短縮されて書き換え処理温度に早く到達した場合に、直ちに書き換え処理を行ってヒーター16をOFFにすることができる。
【0063】
なお、上述した第1〜第5の実施形態において、表示結果の応答信号として、正常であったことを表す応答信号を送信する場合について説明したが、正常に行われた場合以外に、エラーが発生したことを表す応答を送信することもできる。例えば、何らかの理由で動作可能温度範囲に到達しておらず正常に表示を行うことができなかった場合、電池の電圧が基準値よりも低い場合、ESLサーバ20から受信した画像データが壊れていた場合などのエラーを表す応答信号を送信することもできる。
【0064】
また、以上説明した第1〜第3の実施形態において、ESLサーバ20が、画像データを棚札端末10に送信して画像データを表示させた後、次に表示させる画像データも送信し、棚札端末10の記憶部13に一時記憶させておく。そして、一時記憶させた画像データを表示させるタイミングよりも前(例えば、温度制御に要する最大の待機時間よりも前)に、棚札端末10の温度を棚札端末10から取得し、取得した温度に基づいて温度テーブルを参照して、棚札端末10に対して温度調整コマンドを送信する時期を決定する。具体的には、棚札端末10の温度が表示内容の書換えに対して適温となる時期が、画像データを表示させるタイミングとほぼ同時期となるように、温度調整コマンドの送信時期を決定する。
そして、その送信時期であることを検出した場合に温度調整コマンドを送信し(ステップS101、S201、S301)、棚札端末10の温度制御を行うと、画像データを表示させるタイミングとほぼ同時に、棚札端末10は表示内容の書換えに適した温度、すなわち動作可能範囲温度となる。
そして、実際に画像データを表示させるタイミングに到達した場合に、画像データの送信(ステップS108、S207、S211、S307)の代わりに、ESLサーバ20から再表示コマンド(表示内容を、一時記憶している画像データに書き換えることを指示するコマンド)を送信し、再表示コマンドを受信した棚札端末10に、記憶部13に一時記憶した画像データを読み出させ表示部12に表示させるようにしてもよい。
これにより、例えば、ある決まった時刻に再表示コマンドを送信することにより、複数の棚札端末10の表示内容を一斉に更新することができる。例えば、タイムセールなど、決まった時間に同じタイミングで表示内容を変更する場合に有効である。
【0065】
また、以上説明した第1〜第5の実施形態において、表示部として、メモリ性を有する液晶素子から構成される液晶表示装置を使用しているため、画像データを表示部13に表示させた後は、温度制御機能(ヒーター16による加熱)および表示機能(表示内容を書き換える機能)への給電を停止することができ、消費電力を低減することができる。
特に電池駆動の場合、ヒーター16によって常時加熱を行うと、電池の消耗が激しいために低温設置を行うことが難しかったが、表示内容を書き換える時にのみヒーター16に電力を供給して加熱を行うようにしたので、電池駆動であっても、ヒーター16を備えた棚札端末10を実現し、冷凍ケース等の低温設置を行うことができる。すなわち、棚札端末10を動作させることができる温度範囲を拡大させることができるため、棚札端末10を、店舗内の様々な温度環境下に設置することが可能となる。なお、外部給電の場合には、省エネになる。
【0066】
また、図2、3における棚札端末10、ESLサーバ20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより第1〜第5の実施形態における、待機時間を考慮した表示制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0067】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1 電子棚札システム
10、10−1、10−2 棚札端末
11、21 制御部
12 表示部
13 記憶部
14 無線通信部
15 温度センサー
16 ヒーター
20 ESLサーバ
22 有線通信部
23 メモリ
24 記憶装置
30、30−1、30−2 無線中継機
40 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札システムの棚札端末における温度制御を行う管理装置、棚札端末および電子棚札システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗において、商品の情報を表示する棚札端末は、店舗内の商品が陳列される棚に、商品毎に設置される。店舗では、商品の移動や入れ替え等が頻繁に行われるため、棚札端末は、移動可能に設置される必要があり、このため、電池駆動のものが大半である。
また、店舗内における取扱商品の種類は多数であるため、各商品に棚札端末を設置する場合、大量の棚札端末が必要となる。
一般に、棚札端末は、商品の情報を表示する表示手段や、商品の情報を外部のサーバ等から取得するための通信手段を有している。これら手段は、棚札端末内部に設けられた電池からの電力で動作するため、棚札端末には、低消費電力での動作が求められている。
【0003】
ところで、棚札端末は、冷凍された商品を陳列する冷凍ケース内にも設置される。冷凍ケース内に棚札端末を設置する場合、棚札端末の表示手段の温度が表示手段の動作可能温度範囲を逸脱すると、表示品質が低下し、表示すべき商品の情報を正常に表示できなくなるという問題がある。
そこで、棚札端末の表示手段の表示品質を保つために、表示手段自身の温度を制御する技術(例えば、特許文献1参照)や、外部雰囲気の温度を制御することで、棚札端末自身の温度を制御して表示手段の表示品質を維持するものがある(特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭58−106524号公報
【特許文献2】特開2008−48868号公報
【特許文献3】特開2005−202251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献に記載の表示手段や棚札端末は、その表示品質を維持する期間、温度制御を行い続ける必要がある。このような温度制御を、内蔵する電池からの電力を利用して行う場合、棚札端末としての長時間の動作が困難になる。
そこで、電源供給ラインに接続して電源を供給することも考えられるが、棚札端末を大量に、フレキシブルに店舗内に設置することが困難となる。すなわち、棚のレイアウトを変更したり、商品の入れ替えを行う際には、電源供給ラインの接続のし直しが必要となるため、手間がかかる。また、電池駆動であれば不必要である電源供給ラインが棚に設置されることとなるため、棚の外観が損なわれる恐れもある。
また、棚札端末の外部雰囲気の温度制御をする場合、加熱・冷却した空気が周囲に拡散するため、温度制御に必要以上に電力が消費される。
【0006】
ところで、商品近傍は、通常、商品にとって最適な温度となっている。そのため、棚札端末の温度制御のために外部雰囲気の温度を制御しようとすると、商品に対する最適な温度制御を行うことが困難になる。
さらに、棚札端末の外部に温度制御装置を設置する場合、商品陳列箇所に新たに装置を設置することとなる。そのため、商品陳列の外観を損ねる可能性があり、また、新たに設ける装置の体積分、商品が陳列出来なくなる可能性もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、冷凍ケース近傍に新たに装置を設けることなく、また、棚札端末が設置される様々な温度環境に対応して、低消費電力で表示品質を保つことができる管理装置、棚札端末および電子棚札システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記棚札端末にデータを送信する送信部と、前記棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、前記記憶部から読み出してから前記待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の管理装置において、前記記憶部は、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す設置情報を、前記棚札端末のそれぞれについて記憶し、前記制御部は、前記記憶部から設置情報を読み出し、待機時間が必要な棚札端末に対する前記画像データの送信を待機する間に、待機時間が不要な棚札端末に対する画像データを前記送信部に送信させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置からデータを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記棚札端末の温度の送信要求を受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ前記温度センサーの測定結果を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記棚札端末から受信する受信部と、前記棚札端末にデータを送信する送信部と、前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置からデータを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記棚札端末の待機時間の送信要求を受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部に前記管理装置へ前記待機時間を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置から画像データを受信する受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データを受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、前記棚札端末に表示させる画像データを棚札端末に送信する送信部と、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する受信部と、前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる、表示確認コマンドを送信させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する送信部と、前記管理装置から画像データを受信する受信部と、前記画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末に表示させる画像データを、棚札端末に送信する第1の送信部と、前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する第1の受信部と、前記棚札端末から受信した待機時間が経過した後に、前記第1の送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる表示確認コマンドを送信させる第1の制御部とを有し、前記棚札端末は、棚札端末の温度を測定する温度センサーと、ヒーターと、現在温度と、前記待機時間とが対応付けられた温度制御情報を記憶する記憶部と、前記管理装置にデータを送信する第2の送信部と、前記管理装置から画像データを受信する第2の受信部と、画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応付けられた待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ、読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる第2の制御部と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末へ、前記棚札端末の温度情報の送信指示を含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段と、前記温度調整コマンドに対する応答に含まれる前記棚札端末の温度情報に基づいて、所定の待機時間後に、前記記憶部にある前記画像データを前記棚札端末に送信する画像データ送信手段とを有し、前記棚札端末は、前記画像データを受信して、前記表示部に表示させる画像データ表示手段と、前記温度調整コマンドを受信し、前記温度センサーでの測定結果として前記棚札端末の温度情報を前記管理装置に送信する温度情報送信手段と、前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記画像データ表示手段が前記画像データを表示した後に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段とを有しており、前記待機時間は、前記ヒーターをオンに制御することによって、前記棚札端末が、現在温度から、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間であり、前記棚札端末もしくは前記管理装置は、前記現在温度と前記待機時間とが対応付けられた温度調整テーブルを有しており、前記画像データ送信手段は、前記棚札端末もしくは前記管理装置から前記温度調整テーブルに基づいた前記待機時間を取得して、前記画像データの送信を待機することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上述の電子棚札システムにおいて、前記温度調整コマンドが、さらに、前記画像データを含み、前記画像データ送信手段が、前記温度調整コマンドに含まれて先に送信されている前記画像データの表示指示を送信することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する第1の記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、前記管理装置は、前記棚札端末へ、前記画像データを含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段を有し、前記棚札端末は、前記棚札端末が、前記ヒーターをオンに制御した後に、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間、または、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な書き換え可能温度を、書き換え可能条件として記憶する第2の記憶部と、前記ヒーターをオンに制御した後に、前記棚札端末が前記書き換え可能条件を満足したか否かを判断する書き換え可能条件確認手段と、前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満足したと判断した場合に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段と、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満たしたと判断した場合に前記画像データを前記表示部に表示させる画像データ表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、この発明によれば、棚札端末の表示部に、表示内容の書き換え時にのみ電力供給を必要とし、表示内容の書き換え後は、その表示内容の表示保持に電力供給を必要としない、メモリ性を有する表示手段を使用することで、棚札端末の温度制御を、表示部の表示内容の書き換え時のみに行うようにした。
具体的には、棚札端末の現在の温度を測定し、測定温度から、予め用意したテーブルを用いて待機時間(前記棚札端末が、自身が有するヒーターを動作させて、表示部が表示内容を書き換えることが可能な温度(動作可能温度範囲)に到達するまでに要する時間)を得る。そして、この待機時間の間だけ棚札端末のヒーターをオンに制御し、待機時間が経過した後に表示部に画像データを表示させ、ヒーターをオフにするようにした。
これにより、棚札端末のヒーターを常時オンにする必要がなくなり、ヒーターは、必要最低限の時間のみ、動作させればよい。よって、棚札端末の低消費電力化を実現しつつ、表示品質を保つことができる。
また、低温環境下に設置される棚札端末であっても低消費電力化が実現できるため、棚札端末は温度制御の実施の是非に関わらず、電池で駆動することができる。従って、冷凍ケースの近傍に特殊な装置や電源供給ラインを新たに設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の電子棚札システムの構成を示したブロック図である。
【図2】棚札端末10の構成を表す機能ブロック図である。
【図3】ESLサーバ20の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】記憶装置24に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。
【図5】第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図7】記憶部13に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。
【図8】第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図9】第4の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】第5の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明について説明する。図1は、本実施形態の電子棚札システムの構成を示したブロック図である。図示する例では、電子棚札システムは、商品を販売する店舗内に設置されるものであり、棚札端末10と、ESL(Electronic shelf label、電子棚札)サーバ20(管理装置)と、無線中継機30を備えている。ここでは、棚札端末10は、店舗内に複数設置されるが、その一例として棚札端末10−1、10−2が図示されている。また、無線中継機30についても、店舗内に複数設置されるが、その一例として無線中継機30−1、30−2が図示されている。ESLサーバ20と各無線中継機30は、ネットワーク40を介して接続される。各棚札端末10と各無線中継機30は、例えば、近距離無線方式(例えば、IEEE802.15.4)を用いて無線通信を行う。また、各棚札端末10は、無線中継機30と無線通信を行うことにより、無線中継機30を介してESLサーバ20と通信を行う。
【0023】
図2は、棚札端末10の構成を表す機能ブロック図である。
棚札端末10は、制御部11と、表示部12と、記憶部13と、無線通信部14と、温度センサー15と、ヒーター16とを有する。
制御部11は、棚札端末10内の各部を制御する。
表示部12は、例えば、メモリ性を有する液晶素子から構成される液晶表示装置であり、商品の名称、価格など、商品に関する商品情報を表示する。ここで、メモリ性を有する液晶素子は、画像データを表示させる際(表示内容を書き込む際)にのみ、電力を必要とし、一旦、画像データを表示させた後は、電力供給を行わなくても、その表示状態を保持する特性を有した液晶素子である。よって、棚札端末10に、このような液晶素子を使用した液晶表示装置を採用することは、低消費電力化に有効な手段である。
記憶部13は、ROM(Read−Only−Memory)やRAM(Random−Access Memory)等で構成され、棚札端末10の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。
無線通信部14は、無線中継機30と通信を行うことにより、ESLサーバ20とデータの送受信を行う。
温度センサー15は、棚札端末10の温度を検出する。
ヒーター16は、制御部11からの指示に基づいてON、OFFし、ONの間において熱を発生し棚札端末10内に熱を与える。
【0024】
図3は、ESLサーバ20の構成を示す概略ブロック図である。
ESLサーバ20は、制御部21と、有線通信部22と、メモリ23と、記憶装置24とを有する。
制御部21は、ESLサーバ20が備える各部の制御を行う。
有線通信部22は、ネットワーク40を介して各無線中継機30と通信を行うことにより、各棚札端末10と通信を行う。
メモリ23は、ESLサーバ20の各部が処理の途中で使用するデータを一時記憶する。
記憶装置24は、商品情報、棚札端末情報、後述する温度制御テーブルを記憶する。この商品情報は、商品の名称、価格等を棚札端末10の表示部12に表示させる画像データと、商品を識別する商品識別情報とを含む情報である。棚札端末情報は、棚札端末10を個別に識別する棚札端末識別情報と、棚札端末10の棚札端末のサイズ情報と、棚札端末10が配置された棚を識別する棚識別情報と、商品識別情報とが対応付けられた情報である。温度制御テーブルについては後述する。
【0025】
以下説明する実施形態においては、棚札端末10が表示部12に表示する情報を書き換える際に、棚札端末10の温度が、動作可能温度範囲(表示部12に表示される画像データの書き換え処理を行うことができる温度)になるように、棚札端末10内のヒーター16を、ONまたはOFFに制御する。
【0026】
(1)第1の実施形態
第1の実施形態においては、ESLサーバ20が、棚札端末10の温度が動作可能温度範囲になるまでの時間を考慮し、棚札端末10に対して画像データを送信する場合について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるESLサーバ20の記憶装置24に記憶される、温度制御テーブルの一例を表す図である。これは、動作可能温度範囲が5℃以上である棚札端末10のためのテーブルである。
温度制御テーブルは、現在温度と、待機時間、補正値(L)、補正値(S)とが対応付けされて記憶されている。
現在温度は、棚札端末10の温度センサー15によって測定された温度である。
待機時間は、ヒーターによる加熱によって、現在温度から、表示部12が表示内容を書き換えることが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間である。
【0027】
補正値(L)、補正値(S)は、棚札端末10のサイズや特性に応じて待機時間を補正する値を示す。棚札端末10のサイズが標準サイズよりも大きい場合には、補正値(L)を使用し、棚札端末10のサイズが標準サイズよりも小さい場合には、補正値(S)を使用する。
一般に、棚札端末10のサイズが大きくなるにつれて、ヒーター16にて棚札端末10全体を加熱して、棚札端末10を動作可能温度範囲にまで到達させるのに要する時間は長くなる。よって、補正値(L)は、標準サイズの棚札端末10における待機時間よりも、待機時間を長くするための値である。また、補正値(S)はその逆であり、標準サイズの棚札端末10における待機時間よりも、待機時間を短くするための値である。
【0028】
次に、第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。ここでは、棚札端末10が標準サイズである場合について説明する。
図5は、第1の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始する(ステップS100)。この外部システムとは、例えば、ESLサーバ20の外部に設けられる店舗内サーバである。また、ESLサーバ20は、バッチ処理により以下の処理を開始してもよい。
外部システムからの画像送信要求があると、ESLサーバ20は、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS101)。この温度調整コマンドとは、棚札端末10内の温度を測定し、その測定結果をESLサーバ20宛に送信させるコマンドである。棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し(ステップS103)、測定結果と棚札端末10を個別に識別する端末識別情報を含む応答信号を、ESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS104)。さらに、棚札端末10の制御部11は、ヒーター16をONにする(ステップS105)。
【0029】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる測定結果を抽出することにより、棚札端末10の現在温度を得て、温度制御テーブルを参照し(ステップS106)、この現在温度に対応する待機時間を読み出す。なお、記憶装置24に記憶された棚札端末情報を参照し、この棚札端末10のサイズ情報が標準サイズでない場合には、サイズに応じた補正値も読み出し、当該補正値を使用して補正した待機時間を算出する。そして、ESLサーバ20の制御部21は、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS107)。
ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が経過したことを検出すると、応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内の画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS108)。
【0030】
棚札端末10がESLサーバ20から画像データを受信するのは待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際には棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS109)、ヒーター16をOFFにし(ステップS110)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS111)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0031】
この実施形態によれば、ESLサーバ20の管理のもとで、棚札端末10が表示内容の書換え処理を正常に行うことができる温度となるように、必要最低限の時間だけ温度制御を行うようにした。これにより、表示内容の書き換えを実施したい時刻に合わせた、低消費電力での表示内容の書換え処理を実現することができる。
また、この実施形態によれば、ESLサーバ20が温度調整コマンドを送信するタイミングを決め、ESLサーバ20で待機時間の管理を行うようにしたので、通信の混雑度を平均化することができ、通信効率を向上させることができる。
【0032】
なお、上述した実施形態において、ESLサーバ20の制御部21が、ステップS108において画像データを送信するようにしたが、温度調整コマンドを送信する際に送信しておき、ステップS108において、画像データを表示させる指示を送信するようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態において、温度制御テーブルに、棚札端末10のサイズに応じて、補正値(L)、補正値(S)が記憶されている例を説明したが、棚札端末10が設置される場所に応じて、補正値を記憶するようにしてもよい。例えば、冷凍ケース内の位置(冷風が直接当たる位置や、直接当たらない位置など)によって、棚札端末10の冷え方が異なるため、その位置に応じて動作可能温度範囲に到達するまでの時間を長く(冷風が直接当たる場合)、あるいは短く(冷風が直接当たらない場合)するような補正値を温度制御テーブルに記憶させてもよい。
【0034】
(2)第2の実施形態
第2の実施形態においては、通常温度の棚に設置された棚札端末10と、冷凍ケース等の低温領域内の棚に設置された棚札端末10とがある場合について説明する。
ここでは、ESLサーバ20の記憶部24は、棚札端末情報の棚札端末識別情報に、さらに、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す低温設置情報を記憶する。待機時間が必要な端末とは、低温領域の棚に設置された棚札端末であり、待機時間が不要な端末とは、常温領域の棚に設置された棚札端末である。その他の機能は、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0035】
次に、第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。
図6は、第2の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS200)、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS201)。ここで、記憶装置24に記憶された低温設置情報を参照し、待機時間が必要であることを示す低温設置情報が対応付けられた棚札端末10の棚札端末識別情報を読み出し、この棚札端末識別情報を宛先とし、温度調整コマンドを送信する。
【0036】
棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し(ステップS203)、測定結果と自身の端末識別情報を含む応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信し(ステップS204)、ヒーター16をONにする(ステップS205)。
【0037】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる測定結果を抽出することにより、棚札端末10の現在温度を得て、温度制御テーブルを参照し(ステップS206)、この現在温度に対応する待機時間を読み出す。また、棚札端末のサイズ情報を参照し、当該棚札端末10のサイズが標準でない場合には、サイズに応じた補正値も読み出す。そして、ESLサーバ20の制御部21は、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行う。
次に、ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が不要な端末であることを示す低温設置情報が対応づけられた棚札端末識別情報を読み出し、この棚札端末識別情報を宛先にし、画像データを送信する(ステップS207)。ここでは、各棚札端末識別情報に対応する画像データが読み出されて送信される。この画像データの送信が終了すると、ESLサーバ20の制御部21は、カウント値を参照し、待機時間が経過したか否かを判定し、待機時間が経過するまで待機する(ステップS208)。
【0038】
一方、画像データを受信した棚札端末10の制御部11は、受信した画像データを表示部12に表示し、表示結果を表す応答信号をESLサーバ20に無線通信部14によって送信する(ステップS210)。
【0039】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から送信される応答信号を受信した後、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS204において受信した応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内の画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS211)。
【0040】
ヒーター16をONさせていた、低温下にある棚札端末10が、ESLサーバ20から画像データを受信するのは待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際にはこの棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS212)、ヒーター16をOFFにし(ステップS213)、画像データの表示結果を含む応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS214)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0041】
この実施形態によれば、低温設置された棚札端末10の待機時間が経過するまでの時間に、常温設置された棚札端末10に対して画像データを送信しておき、待機時間が経過した後、低温設置された棚札端末10に対して画像データを送信するようにした。これにより、常温設置された棚札端末10と低温設置された棚札端末10とに対し、ある棚札端末10への画像データの送信が終了した後に次の棚札端末10に画像データの送信をする、という連続した送信方法の場合と比較して、全棚札端末10に対して画像データの送信が完了するまでの総時間を短縮することができる。例えば、棚札端末10が設置される台数にもよるが、棚札端末10のうち、最も長い待機時間の棚札端末10の待機時間が経過するまでの時間内において、全棚札端末10に画像データの送信を完了することも可能になる。
【0042】
1000台の棚札端末10が常温設置されており、20台の棚札端末10が冷温設置されている場合を例にとり、説明する。ESLサーバ20が100台の棚札端末10へ画像データを送信し、100台の棚札端末10が受信した画像データに基づいて表示部12の表示内容を書き換えるのに、1分(1台につき0.01分)を要し、冷温設置されている棚札端末10の待機時間が10分を要するとする。この場合、常温設置された1000台の棚札端末10へ画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換えるのに10分(A)、低温設置された20台の棚札端末10が待機時間分加温された後、ESLサーバ20が画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換えるのに10分+0.01×20=10分強(B)、を要することになる。
そのため、常温設置された1000台の棚札端末10の全ての表示内容を書き換えた後に低温設置された20台の棚札端末10を加温させ、表示内容を書き換える場合、(A)+(B)=20分強の時間を要する。
一方、低温設置された20台の棚札端末10を加温させている間に、常温設置された1000台の棚札端末10へ画像データを送信し、棚札端末10が表示内容を書き換える場合、(B)の10分強という時間の間に(A)の10分を実施し終了させることができ、結果的に(B)の10分強で全棚札端末10の表示内容の書き換えを完了することができる。このように、常温設置の棚札端末10および低温設置の棚札端末10の数量を選ぶことで、非常に効率的に表示内容の書き換え処理を実施することができる。
【0043】
なお、上述した実施形態において、低温設置情報によって、低温設置され、待機時間が必要な棚札端末であるか否かを区別する例を説明したが、棚札端末識別情報を各端末が持つ固有のシリアル番号とし、棚札端末識別情報としてのシリアル番号の範囲を低温設置と常温設置とで分けるようにすることで、シリアル番号の値によって低温設置された棚札端末を把握するようにしてもよい。
【0044】
(3)第3の実施形態
第3の実施形態においては、棚札端末10に温度制御テーブルを設け、棚札端末10からESLサーバ20に対して待機時間を指定する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0045】
図7は、第3の実施形態における棚札端末10の記憶部13に記憶される温度制御テーブルの一例を表す図である。温度制御テーブルは、現在温度と待機時間とが対応付けされている。待機時間は、自身の棚札端末10が、ヒーター16で加温することによって、動作可能温度範囲に到達するまでの時間を表す。この温度制御テーブルは、棚札端末10が5℃以上の場合に、動作可能温度範囲である場合のデータである。
【0046】
次に、第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明する。
図8は、第3の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS300)、温度調整コマンドを棚札端末10に対し、有線通信部22によって送信する(ステップS301)。棚札端末10の制御部11は、温度調整コマンドをESLサーバ20から受信すると、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、記憶部13の温度制御テーブルを参照する(ステップS303)。そして、棚札端末10の制御部11は、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、待機時間と自身の棚札端末識別情報とを含む応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS304)。さらに、棚札端末10の制御部11は、ヒーター16をONにする(ステップS305)。
【0047】
ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から応答信号を受信すると、受信した応答信号に含まれる待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS306)。ESLサーバ20の制御部21は、待機時間が経過したことを検出すると、応答信号に含まれる棚札端末識別情報に対応する商品情報を記憶装置24から読み出し、この商品情報内のる画像データを、前述の棚札端末識別情報を宛先として送信する(ステップS307)。
【0048】
棚札端末10がESLサーバ20から画像データを受信するのは、待機時間が経過した後であるため、棚札端末10が画像データを受信する際には、この棚札端末10は、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から画像データを受信すると、受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS308)、ヒーター16をOFFにし(ステップS309)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS310)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0049】
この実施形態によれば、棚札端末10毎に、自身の特性に応じた温度制御テーブルを記憶するようにしたので、棚札端末10の個別の特性に合わせた待機時間を用いることができる。これにより、棚札端末10のハードウェアに由来する動作可能温度範囲のバラツキを吸収することができる。例えば、ヒーター16の特性の温度特性のバラツキや、筐体の保温性のバラツキを吸収することができる。
【0050】
なお、上述した実施形態において、ESLサーバ20の制御部21が、ステップS307において画像データを送信するようにしたが、温度調整コマンドを送信する際に画像データも送信しておき、ステップS307において、画像データを表示させる指示を送信するようにしてもよい。
【0051】
(4)第4の実施形態
第4の実施形態においては、棚札端末10に温度制御テーブルを設け、棚札端末10自身が待機時間を経過するまで待機する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第1の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
【0052】
この実施形態において、棚札端末10は、図7に示す温度制御テーブルを記憶部13に記憶している。
図9は、第4の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS400)、各棚札端末10に対応した画像データをそれぞれの棚札端末10に送信する(ステップS401)。棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると(ステップS402)、画像データを正常に受信できたことを表す応答信号をESLサーバ20に無線通信部14を介して送信する(ステップS403)。
次に、棚札端末10の制御部11は、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、ヒーター16をONにする(ステップS404)。そして、棚札端末10の制御部11は、記憶部13の温度制御テーブルを参照し、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS405)。
【0053】
棚札端末10は、待機時間が経過した後には、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS402において受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS406)、ヒーター16をOFFにし(ステップS407)、画像データの表示が正常に完了したことを表す表示結果の応答信号をESLサーバ20に対し、無線通信部14によって送信する(ステップS408)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0054】
この実施形態によれば、ESLサーバ20は、棚札端末10において画像データが表示された後、すぐに表示結果を知ることができる。また、棚札端末10毎に待機時間のバラツキがあっても、ESLサーバ20の制御ソフトウェアに影響することがない。
また、棚札端末10側に新たな機能を設けるだけで済むので、ESLサーバ20については、既存の制御ソフトウェアをそのまま利用することができる。
【0055】
なお、この実施形態において、ステップS408の表示結果を表す応答信号は、表示が行われた後、直ちに送信してもよいし、ESLサーバ20と棚札端末10との間で行われている、一定時間毎の同期信号の送受信時に行うようにしてもよい。
【0056】
また、この第4の実施形態においては、温度制御テーブルを参照して待機時間を読み出して、この待機時間が経過するまで待機する場合について説明したが、棚札端末10内に温度制御テーブルを設けないようにしてもよい。すなわち、棚札端末10は、表示部12に表示する画像データの書き換え処理を行うことができる温度である「書き換え処理温度」を記憶部13に記憶しておく。そして、棚札端末10の制御部11は、ある一定間隔(例えば1秒毎)に温度センサー15によって温度測定を行い、この測定された温度と書き換え処理温度とを比較し、測定された温度が書き換え処理温度以上であると判定した場合に、画像データの表示を行い、ヒーター16をOFFにする。
【0057】
この場合、棚札端末10の記憶部13に書き換え処理温度を予め記憶しておくようにしたので、温度制御テーブルを設ける場合に比べて、記憶部13に記憶しておく情報を削減することができる。また、冷凍ケースからの冷風が棚札端末10に対して直接当たるか否か等の設置状況が予め解らなくても、また、冷風の当たり方に応じた待機時間の補正を行わなくても、書き換え処理温度に到達した時点で、画像データの書き換え処理を行うことができる。
【0058】
(5)第5の実施形態
第5の実施形態においては、第4の実施形態において、表示結果を表す応答信号を、ESLサーバ20からの要求に応じて送信する場合について説明する。ここでは、棚札端末10、ESLサーバ20について、第4の実施形態と基本的には同じであるので同じ機能については説明を省略し、以下、その相違点を説明する。
図10は、第5の実施形態における電子棚札システムの動作を説明するフローチャートである。
ESLサーバ20の制御部21は、外部システムからの画像送信要求の受け付けを開始し(ステップS500)、各棚札端末10に対応した画像データをそれぞれの棚札端末10に送信する(ステップS501)。棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると(ステップS502)、温度センサー15によって棚札端末10内の温度を測定し、ヒーター16をONにする(ステップS503)。そして、棚札端末10の制御部11は、記憶部13の温度制御テーブルを参照し、測定された温度を現在温度として、この現在温度に対応付けられた待機時間を読み出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、読み出した待機時間が経過するまで待機する(ステップS504)。そして、棚札端末10の制御部11は、待機時間を含む応答信号をESLサーバ20に、無線通信部14を介して送信する。ここは、測定結果(測定した温度)も応答信号に含めるようにしてもよい。
棚札端末10は、待機時間が経過した後には、ヒーター16によって動作可能温度範囲の温度となっている。よって、棚札端末10の制御部11は、待機時間が経過したことを検出すると、ステップS502において受信した画像データを表示部12に表示し(ステップS507)、ヒーター16をOFFにする(ステップS508)。
【0059】
一方、ESLサーバ20の制御部21は、棚札端末10から送信された応答信号を受信すると(ステップS509)、応答信号に含まれる待機時間を抽出し、自身の内部に設けられたクロックに基づいてカウントを行い、抽出された待機時間が経過するまで待機する(ステップS510)。そして、待機時間が経過すると、ESLサーバ20の制御部21は、表示確認コマンドを棚札端末10に送信する(ステップS511)。
棚札端末10の制御部11は、ESLサーバ20から表示確認コマンドを受信すると、表示結果を含む応答信号を生成し、ESLサーバ20に送信する(ステップS512)。ESLサーバ20の制御部21は、この応答信号を受信する。
【0060】
この実施形態によれば、常にESLサーバ20が主局になることから、棚札端末10は、ESLサーバ20から要求があったときのみ動作を行ったり、応答を返したりすればよい。これにより、仕様を単純にすることができる。
【0061】
また、この第5の実施形態においては、棚札端末10が温度制御テーブルを参照して待機時間を読み出して、この待機時間が経過するまで待機する場合について説明したが、棚札端末10内に温度制御テーブルを設けないようにしてもよい。すなわち、棚札端末10は、表示部12に表示する画像データの書き換え処理を自身が行うことができる温度である書き換え処理温度と、画像データの書き換え処理が確実に完了している可能性がある書き換え可能予測時間(例えば600秒など)とを記憶するようにする。そして、棚札端末10の制御部11は、画像データをESLサーバ20から受信すると、ある一定間隔(例えば1秒毎)で温度センサー15によって温度測定を行い、この測定された温度と書き換え処理温度との比較を開始するとともに、書き換え可能予測時間をESLサーバ20に送信する。そして、棚札端末10の制御部11は、測定された温度が書き換え処理温度以上であると判定した場合に、画像データを表示し、ヒーター16をOFFにする。
【0062】
この場合、書き換え処理温度に到達した場合に、画像データを表示してヒーター16をOFFにするようにしたので、冷凍ケース内の冷風の当たり方や、温度環境の変動が大きい場合にも対応させて、画像データの表示と低消費電力化を図ることができる。例えば、店舗に来店した顧客によって冷凍ケースの扉が開けられて、冷凍ケース内の温度が上昇し、これに伴って棚札端末10の温度が上昇して書き換え処理温度に早く到達した場合や、冷凍ケース内の商品の配置が変わって冷風が直接当たらなくなり、ヒーター16による加熱を行う時間が短縮されて書き換え処理温度に早く到達した場合に、直ちに書き換え処理を行ってヒーター16をOFFにすることができる。
【0063】
なお、上述した第1〜第5の実施形態において、表示結果の応答信号として、正常であったことを表す応答信号を送信する場合について説明したが、正常に行われた場合以外に、エラーが発生したことを表す応答を送信することもできる。例えば、何らかの理由で動作可能温度範囲に到達しておらず正常に表示を行うことができなかった場合、電池の電圧が基準値よりも低い場合、ESLサーバ20から受信した画像データが壊れていた場合などのエラーを表す応答信号を送信することもできる。
【0064】
また、以上説明した第1〜第3の実施形態において、ESLサーバ20が、画像データを棚札端末10に送信して画像データを表示させた後、次に表示させる画像データも送信し、棚札端末10の記憶部13に一時記憶させておく。そして、一時記憶させた画像データを表示させるタイミングよりも前(例えば、温度制御に要する最大の待機時間よりも前)に、棚札端末10の温度を棚札端末10から取得し、取得した温度に基づいて温度テーブルを参照して、棚札端末10に対して温度調整コマンドを送信する時期を決定する。具体的には、棚札端末10の温度が表示内容の書換えに対して適温となる時期が、画像データを表示させるタイミングとほぼ同時期となるように、温度調整コマンドの送信時期を決定する。
そして、その送信時期であることを検出した場合に温度調整コマンドを送信し(ステップS101、S201、S301)、棚札端末10の温度制御を行うと、画像データを表示させるタイミングとほぼ同時に、棚札端末10は表示内容の書換えに適した温度、すなわち動作可能範囲温度となる。
そして、実際に画像データを表示させるタイミングに到達した場合に、画像データの送信(ステップS108、S207、S211、S307)の代わりに、ESLサーバ20から再表示コマンド(表示内容を、一時記憶している画像データに書き換えることを指示するコマンド)を送信し、再表示コマンドを受信した棚札端末10に、記憶部13に一時記憶した画像データを読み出させ表示部12に表示させるようにしてもよい。
これにより、例えば、ある決まった時刻に再表示コマンドを送信することにより、複数の棚札端末10の表示内容を一斉に更新することができる。例えば、タイムセールなど、決まった時間に同じタイミングで表示内容を変更する場合に有効である。
【0065】
また、以上説明した第1〜第5の実施形態において、表示部として、メモリ性を有する液晶素子から構成される液晶表示装置を使用しているため、画像データを表示部13に表示させた後は、温度制御機能(ヒーター16による加熱)および表示機能(表示内容を書き換える機能)への給電を停止することができ、消費電力を低減することができる。
特に電池駆動の場合、ヒーター16によって常時加熱を行うと、電池の消耗が激しいために低温設置を行うことが難しかったが、表示内容を書き換える時にのみヒーター16に電力を供給して加熱を行うようにしたので、電池駆動であっても、ヒーター16を備えた棚札端末10を実現し、冷凍ケース等の低温設置を行うことができる。すなわち、棚札端末10を動作させることができる温度範囲を拡大させることができるため、棚札端末10を、店舗内の様々な温度環境下に設置することが可能となる。なお、外部給電の場合には、省エネになる。
【0066】
また、図2、3における棚札端末10、ESLサーバ20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより第1〜第5の実施形態における、待機時間を考慮した表示制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0067】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1 電子棚札システム
10、10−1、10−2 棚札端末
11、21 制御部
12 表示部
13 記憶部
14 無線通信部
15 温度センサー
16 ヒーター
20 ESLサーバ
22 有線通信部
23 メモリ
24 記憶装置
30、30−1、30−2 無線中継機
40 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記棚札端末にデータを送信する送信部と、
前記棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、前記記憶部から読み出してから前記待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す設置情報を、前記棚札端末のそれぞれについて記憶し、
前記制御部は、前記記憶部から設置情報を読み出し、待機時間が必要な棚札端末に対する前記画像データの送信を待機する間に、待機時間が不要な棚札端末に対する画像データを前記送信部に送信させる
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置からデータを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記棚札端末の温度の送信要求を受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ前記温度センサーの測定結果を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項4】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記棚札端末から受信する受信部と、
前記棚札端末にデータを送信する送信部と、
前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項5】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置からデータを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記棚札端末の待機時間の送信要求を受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部に前記管理装置へ前記待機時間を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項6】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データを受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項7】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末に表示させる画像データを棚札端末に送信する送信部と、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する受信部と、
前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる、表示確認コマンドを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項8】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する受信部と、
前記画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項9】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末に表示させる画像データを、棚札端末に送信する第1の送信部と、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する第1の受信部と、
前記棚札端末から受信した待機時間が経過した後に、前記第1の送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる表示確認コマンドを送信させる第1の制御部と
を有し、
前記棚札端末は、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記待機時間とが対応付けられた温度制御情報を記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する第2の送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する第2の受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応付けられた待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ、読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる第2の制御部と
を有することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項10】
温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末へ、前記棚札端末の温度情報の送信指示を含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段と、
前記温度調整コマンドに対する応答に含まれる前記棚札端末の温度情報に基づいて、所定の待機時間後に、前記記憶部にある前記画像データを前記棚札端末に送信する画像データ送信手段とを有し、
前記棚札端末は、
前記画像データを受信して、前記表示部に表示させる画像データ表示手段と、
前記温度調整コマンドを受信し、前記温度センサーでの測定結果として前記棚札端末の温度情報を前記管理装置に送信する温度情報送信手段と、
前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記画像データ表示手段が前記画像データを表示した後に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段とを有しており、
前記待機時間は、前記ヒーターをオンに制御することによって、前記棚札端末が、現在温度から、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間であり、
前記棚札端末もしくは前記管理装置は、前記現在温度と前記待機時間とが対応付けられた温度調整テーブルを有しており、
前記画像データ送信手段は、前記棚札端末もしくは前記管理装置から前記温度調整テーブルに基づいた前記待機時間を取得して、前記画像データの送信を待機する、
ことを特徴とする電子棚札システム。
【請求項11】
前記温度調整コマンドが、さらに、前記画像データを含み、
前記画像データ送信手段が、前記温度調整コマンドに含まれて先に送信されている前記画像データの表示指示を送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の電子棚札システム。
【請求項12】
温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する第1の記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末へ、前記画像データを含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段を有し、
前記棚札端末は、
前記棚札端末が、前記ヒーターをオンに制御した後に、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間、または、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な書き換え可能温度を、書き換え可能条件として記憶する第2の記憶部と、
前記ヒーターをオンに制御した後に、前記棚札端末が前記書き換え可能条件を満足したか否かを判断する書き換え可能条件確認手段と、
前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満足したと判断した場合に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段と、
前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満たしたと判断した場合に前記画像データを前記表示部に表示させる画像データ表示手段とを有する
ことを特徴とする電子棚札システム。
【請求項1】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末から、当該棚札端末の温度を表す温度情報を受信する受信部と、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記棚札端末にデータを送信する送信部と、
前記棚札端末から受信した温度情報が示す現在温度に対応した待機時間を、前記記憶部から読み出してから前記待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、待機時間が必要な棚札端末であるか不要な棚札端末であるかを表す設置情報を、前記棚札端末のそれぞれについて記憶し、
前記制御部は、前記記憶部から設置情報を読み出し、待機時間が必要な棚札端末に対する前記画像データの送信を待機する間に、待機時間が不要な棚札端末に対する画像データを前記送信部に送信させる
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置からデータを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記棚札端末の温度の送信要求を受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ前記温度センサーの測定結果を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項4】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記棚札端末から受信する受信部と、
前記棚札端末にデータを送信する送信部と、
前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記棚札端末に表示させる画像データを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項5】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置からデータを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記棚札端末の待機時間の送信要求を受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部に前記管理装置へ前記待機時間を送信させて、前記ヒーターをオンに制御し、前記送信要求の受信の後に前記管理装置から画像データを受信した場合、前記表示部に画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項6】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データを受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させて、前記ヒーターをオフに制御する制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項7】
メモリ性を有する表示部と温度センサーとヒーターとを有する棚札端末と、管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける管理装置であって、
前記棚札端末に表示させる画像データを棚札端末に送信する送信部と、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する受信部と、
前記待機時間を受信してから待機時間が経過した後に、前記送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる、表示確認コマンドを送信させる制御部と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項8】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムにおける棚札端末であって、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記ヒーターによる加熱によって、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する受信部と、
前記画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応した待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる制御部と
を有することを特徴とする棚札端末。
【請求項9】
棚札端末と管理装置とが通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末に表示させる画像データを、棚札端末に送信する第1の送信部と、
前記棚札端末が、前記ヒーターによる加熱によって、現在から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間を、前記画像データの送信後に前記棚札端末から受信する第1の受信部と、
前記棚札端末から受信した待機時間が経過した後に、前記第1の送信部から前記棚札端末へ、前記画像データが前記棚札端末の表示部に正常に表示されたか否かを表す表示結果を前記管理装置へ送信させる表示確認コマンドを送信させる第1の制御部と
を有し、
前記棚札端末は、
棚札端末の温度を測定する温度センサーと、
ヒーターと、
現在温度と、前記待機時間とが対応付けられた温度制御情報を記憶する記憶部と、
前記管理装置にデータを送信する第2の送信部と、
前記管理装置から画像データを受信する第2の受信部と、
画像データを表示する、メモリ性を有する表示部と、
前記管理装置から前記画像データ受信した場合、前記温度センサーで測定した現在温度に対応付けられた待機時間を前記記憶部から読み出し、前記送信部から前記管理装置へ、読み出した待機時間を送信させ、前記ヒーターをオンに制御し、前記待機時間を読み出してから待機時間が経過した後に、前記表示部に前記画像データを表示させ、前記ヒーターをオフに制御し、前記管理装置から表示確認コマンドを受信した場合、前記送信部から前記管理装置へ、前記表示部が前記画像データを正常に表示したか否かを表す表示結果を含む応答信号を送信させる第2の制御部と
を有することを特徴とする電子棚札システム。
【請求項10】
温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末へ、前記棚札端末の温度情報の送信指示を含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段と、
前記温度調整コマンドに対する応答に含まれる前記棚札端末の温度情報に基づいて、所定の待機時間後に、前記記憶部にある前記画像データを前記棚札端末に送信する画像データ送信手段とを有し、
前記棚札端末は、
前記画像データを受信して、前記表示部に表示させる画像データ表示手段と、
前記温度調整コマンドを受信し、前記温度センサーでの測定結果として前記棚札端末の温度情報を前記管理装置に送信する温度情報送信手段と、
前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記画像データ表示手段が前記画像データを表示した後に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段とを有しており、
前記待機時間は、前記ヒーターをオンに制御することによって、前記棚札端末が、現在温度から、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する時間であり、
前記棚札端末もしくは前記管理装置は、前記現在温度と前記待機時間とが対応付けられた温度調整テーブルを有しており、
前記画像データ送信手段は、前記棚札端末もしくは前記管理装置から前記温度調整テーブルに基づいた前記待機時間を取得して、前記画像データの送信を待機する、
ことを特徴とする電子棚札システム。
【請求項11】
前記温度調整コマンドが、さらに、前記画像データを含み、
前記画像データ送信手段が、前記温度調整コマンドに含まれて先に送信されている前記画像データの表示指示を送信する、
ことを特徴とする請求項11に記載の電子棚札システム。
【請求項12】
温度センサーと、ヒーターと、メモリ性を有する表示部とを有する棚札端末と、前記棚札端末に表示させる画像データを記憶する第1の記憶部を有する管理装置とが、通信可能に接続される電子棚札システムであって、
前記管理装置は、
前記棚札端末へ、前記画像データを含む温度調整コマンドを送信する温度調整コマンド送信手段を有し、
前記棚札端末は、
前記棚札端末が、前記ヒーターをオンに制御した後に、現在温度から前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な動作可能温度範囲に到達するまでに要する待機時間、または、前記表示部が表示内容を書き換えて表示することが可能な書き換え可能温度を、書き換え可能条件として記憶する第2の記憶部と、
前記ヒーターをオンに制御した後に、前記棚札端末が前記書き換え可能条件を満足したか否かを判断する書き換え可能条件確認手段と、
前記温度調整コマンドを受信して前記ヒーターをオンに制御するとともに、前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満足したと判断した場合に前記ヒーターをオフに制御する温度調整手段と、
前記書き換え可能条件確認手段が前記書き換え可能条件を満たしたと判断した場合に前記画像データを前記表示部に表示させる画像データ表示手段とを有する
ことを特徴とする電子棚札システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−193933(P2011−193933A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61636(P2010−61636)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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