説明

管理装置、現金処理システム及び管理方法

【課題】現金処理機の保守を効率化し、地域が異なる場合でも同様の保守サービスを提供すること。
【解決手段】両替機51,52と委託会社61〜66との間に管理装置10が介在する。そして、状態監視部21が両替機51及び両替機52と通信して状態を監視し、エラー検知部22が両替機51及び両替機52に発生したエラーを検知する。エラーを検知した場合には、地域判定部23がエラーを生じた現金処理機の一種である両替機の設置された地域を判定し、通知先判定部24がエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社にエラーの発生を通知するかを、エラーの種別及び地域に基づいて判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の地域に設置された複数の現金処理機を管理する管理装置、現金処理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商業店舗などで両替機や入金機などの現金処理機が利用されている。このような現金処理機は、金種の変更や貨幣の管理を自動化できることに加え、現金を安全に管理することができるというメリットがある。
【0003】
両替機は、予め各金種の現金を機内にストックしておき、投入された現金と同額の範囲内で顧客によって選択された金種の現金を排出する。両替機が両替を繰り返すと特定の金種のストックが無くなる場合があるので、定期的に若しくは必要に応じて足りなくなった金種を補充したり、蓄積された金種を回収したりすることが求められる。同様に、入金装置についても定期的に若しくは必要に応じて蓄積された金種を回収して入金可能な状態を維持することが求められる。このような現金の補充や回収を現金集配という。
【0004】
現金処理機に対する現金集配は、警備会社などの委託会社に委託することが一般的である。委託会社による現金集配を効率的に行うため、従来の技術として、現金処理機から委託会社に現金の量を通知し、委託会社側で現金集配の必要性を判断する技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−5347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現金処理機の保守には、現金集配に加えて故障などへの対応がある。現金処理機に対する故障の対応は、現金集配を行う委託会社に委託されるとは限らない。また、委託会社によっては対応可能な故障の内容に制限があり、故障の内容によって複数の委託会社に委託する場合もある。したがって、従来、現金処理機を設置した店舗を有する企業は、複数の委託会社と委託契約をする必要があった。
【0007】
加えて、現金集配や故障対応を行う委託会社は、地域ごとに異なる場合がある。このため、複数の地域にそれぞれ店舗を持ち、各店舗に現金処理機を設置した企業は、各地域について現金集配や故障対応を行う複数の委託会社と委託契約を結ぶこととなる。
【0008】
このように、現金処理機の運用は複数の委託先によって維持されるため、現金処理機を設置した企業と委託先との連携が煩雑になるという問題点があった。また、地域ごとに委託先が異なるため、異なる地域で同一のサービスを受けることが困難な場合があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであって、現金処理機の保守を効率化し、地域が異なる場合でも同様の保守サービスを提供可能な管理装置、現金処理システム及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数の地域に設置された複数の現金処理機を管理する管理装置であって、前記現金処理機の状態を監視する状態監視手段と、前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知手段と、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段と、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知手段が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記現金処理機が設置された地域を判定する地域判定手段をさらに設け、前記通知先判定手段は、前記地域判定手段により判定された地域に基づいて判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記通知先判定手段は、前記現金処理機の種別又は号機に基づいて判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記状態監視手段は、前記現金処理機における現金の量を貨幣の種別ごとに機内在高として監視し、前記エラー検知手段は、出金用貨幣が無くなるエンプティ状態と出金用貨幣が閾値未満となるニアエンプティ状態と入金された貨幣が閾値以上となるニアフル状態と最大まで入金されたフル状態とを在高エラーとして検知することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記通知先判定手段は、前記在高エラーが検知された場合に前記複数の委託会社のうち、現金の回収及び補充を担当する委託会社を通知先とすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記エラー検知手段は、前記現金処理機から前記在高エラーを受信することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記エラー検知手段は、前記機内在高に基づいて前記在高エラーを判定することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記通知先判定手段は、前記エラー検知手段が前記現金処理機の故障を検知した場合には、故障対応を行う委託会社の中から前記故障の内容に基づいて通知先の委託会社を判定することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、前記委託会社とネットワークを介して接続され、前記委託会社からのアクセスを受けて前記エラーに関する情報を通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、現金処理システムであって、複数の地域に設置された複数の現金処理機と、前記現金処理機の状態を監視する状態監視手段と、前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知手段と、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段と、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知手段が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、複数の地域に設置された複数の現金処理機を管理する管理方法であって、前記現金処理機の状態を監視する状態監視工程と、前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知工程と、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段を参照し、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知工程が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数の地域に設置された複数の現金処理機の状態を監視し、エラーを検知した場合には、現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社にエラーの発生を通知するかを、エラーの種別及び現金処理機を特定する情報に基づいて判定するので、現金処理機の保守を効率化し、地域が異なる場合でも同様の保守サービスを提供可能な管理装置、現金処理システム及び管理方法を得ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、現金処理機における現金の量を貨幣の種別ごとに機内在高として監視し、出金用貨幣が無くなるエンプティ状態と出金用貨幣が閾値未満となるニアエンプティ状態と入金された貨幣が閾値以上となるニアフル状態と最大まで入金されたフル状態とを在高エラーとして検知するので、在高エラーを管理装置で検知することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、在高エラーが検知された場合に前記複数の委託会社のうち、現金の回収及び補充を担当する委託会社を通知先とするので、在高エラーを管理装置で検知して委託会社に現金の回収及び補充を行わせることができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、現金処理機から在高エラーを受信するので、現金処理機が検知した在高エラーに基づいて委託会社に現金の回収及び補充を行わせることができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、管理装置が機内在高に基づいて在高エラーを判定するので、管理装置側で定めた閾値に基づいて在高エラーを検知し、委託会社に現金の回収及び補充を行わせることができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、現金処理機の故障を検知した場合には、故障対応を行う委託会社の中から故障の内容に基づいて通知先の委託会社を判定するので、故障内容に応じた委託会社に速やかに通知を行うことができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、委託会社とネットワークを介して接続され、委託会社からのアクセスを受けてエラーに関する情報を通知することとしたので、委託会社に対して現金処理機の状態を通知するアプリケーションサービスプロバイダとしての機能を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本実施例にかかる現金処理システムの構成図である。
【図2】図2は、地域ごとの委託会社の1つが保守の窓口となる構成の説明図である。
【図3】図3は、両替機がエラーに対応する委託会社を選択して通知する構成の説明図である。
【図4】図4は、状態データベース31の具体例の説明図である。
【図5】図5は、地域データベース32の具体例の説明図である。
【図6】図6は、エラー通知区分データ33の具体例の説明図である。
【図7】図7は、通知先データベース34の具体例の説明図である。
【図8】図8は、在高系のエラー検知について説明する説明図である。
【図9】図9は、管理装置10の処理動作を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、委託会社61〜66がアクセスする画面の推移について説明する説明図である
【図11】図11は、在高確認条件指定画面72の具体例を説明する説明図である。
【図12】図12は、在高詳細画面73の具体例について説明する説明図である。
【図13】図13は、未対応の警告や注意がない場合の画面の説明図である。
【図14】図14は、未対応の警告や注意がある場合の画面の説明図である。
【図15】図15は、状態詳細画面76の具体例について説明する説明図である。
【図16】図16は、拠点情報画面75の具体例について説明する説明図である。
【図17】図17は、リモートコマンド画面77の具体例について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る管理装置、現金処理システム及び管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。図1は、本実施例にかかる現金処理システムの構成図である。図1に示したように、現金処理機である両替機51は地域Aの店舗41に設置され、現金処理機である両替機52は地域Bの店舗42に設置されている。店舗41と店舗42は、同一企業40が異なる地域に設けた店舗であるとする。
【0030】
図1に示した例では、現金処理機に対する保守業務を「現金集配」(集配金)と「メンテナンス」と「修理」に分類している。「現金集配」は現金処理機内の現金を所定範囲に保つ保守業務であり、「メンテナンス」は現金処理機に対する定期的な手入れと軽微な故障への対応を行う保守業務であり、「修理」は重大な故障への対応を行う保守業務である。
【0031】
地域Aには、現金集配を行う委託会社61と、メンテナンスを行う委託会社62と、修理を行う委託会社63が存在する。同様に、地域Bには、現金集配を行う委託会社64と、メンテナンスを行う委託会社65と、修理を行う委託会社66とが存在する。なお、委託会社の中には、現金処理機メーカーも含まれており、現金処理機メーカーは、例えば、メンテナンスや修理を行う。
【0032】
そこで、企業40は、店舗41に設置した両替機51に関しては、現金集配について委託会社61に委託し、メンテナンスについて委託会社62に委託し、修理について委託会社63に委託している。同様に、企業40は、店舗42に設置した両替機52に関しては、現金集配について委託会社64に委託し、メンテナンスについて委託会社65に委託し、修理について委託会社66に委託している。
【0033】
また、両替機51及び両替機52は、管理装置10と通信回線経由で接続する。管理装置10は、制御部20と記憶部30を有する。制御部20は、管理装置10を全体制御する制御部であり、一例としてCPU(Central Processing Unit)とメモリによって構成される。また、記憶部30は、一例としてハードディスクなどの記憶媒体によって構成される。
【0034】
制御部20は、本実施例において重要な機能部として状態監視部21と、エラー検知部22と、地域判定部23と、通知先判定部24と、通知部25とを有する。状態監視部21は、両替機51及び両替機52と通信し、両替機51及び両替機52の状態を取得して監視する。状態監視部21は、両替機51及び両替機52の状態を記憶部20に状態データベース31として記憶させ、必要に応じて更新する。
【0035】
エラー検知部22は、両替機51及び両替機52に発生したエラーを検知する。このエラーの検知は、両替機51及び両替機52からエラー発生の通知を受けてもよいし、状態データベース31に保持された両替機51及び両替機52の状態から検知してもよい。
【0036】
地域判定部23は、エラーが発生した現金処理機が設置された地域を判定する。具体的には、地域判定部23は、エラーが発生した現金処理機を特定する情報である現金処理機の設置場所を状態データベース31から取得し、後述する地域データベース32を参照して地域を特定する。
【0037】
通知先判定部24は、エラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社にエラーの発生を通知するかを、エラーの種別及び前記地域に基づいて判定する。具体的には、通知先判定部24は、記憶部30に記憶されたエラー通知区分データ33を参照してエラー区分を決定し、同じく記憶部30に記憶された通知先データベース34を参照して通知先を決定する。
【0038】
通知部25は、委託会社61〜66とネットワークを介して接続され、委託会社61〜66からのアクセスを受けてエラーに関する情報を通知することで、委託会社61〜66に対してアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)としての機能を実現する。また、通知先が決定した場合に通知部25が自律的に委託会社61〜66に対する通知を行うようにしてもよい。
【0039】
記憶部30は、状態データベース31と、地域データベース32と、エラー通知区分データ33と、通知先データベース34とを有する。状態データベース31、地域データベース32、エラー通知区分データ33及び通知先データベース34の具体例については後述する。
【0040】
委託会社61〜66は、管理装置10からの通知を受けて、現金集配、メンテナンス、修理などの保守を行う。このように、両替機51,52と委託会社61〜66との間に管理装置10を介在させることで両替機51,52の監視を一元化できるので、保守作業を効率化できる。また、企業40が地域によって異なる委託会社と契約しても、同様の保守サービスを提供可能することができる。
【0041】
本実施例に対する比較構成を図2及び図3を用いて説明する。図2は、地域ごとの委託会社の1つが保守の窓口となる構成の説明図である。図2に示した構成では、本実施例と同様に、企業40が地域Aの店舗41に両替機51を設置し、地域Bの店舗42に両替機52を設置している。
【0042】
また、両替機51への現金集配を委託会社61が担当し、メンテナンスを委託会社62が担当し、修理を委託会社63が担当している。そして、委託会社61が両替機51の保守の窓口となっている。同様に、両替機52への現金集配を委託会社64が担当し、メンテナンスを委託会社65が担当し、修理を委託会社66が担当している。そして、委託会社66が両替機52の保守の窓口となっている。
【0043】
図2に示した比較構成では、両替機51にエラーが発生した場合には、まず窓口である委託会社61に通知される。委託会社61は、エラーが自社で対応可能な内容であれば対応を実施するが、自社で対応不可能なメンテナンスや修理を要するエラーであれば委託会社62に連絡する。連絡を受けた委託会社62は、自社で対応可能なメンテナンスであれば対応を実施するが、自社で対応不可能な修理を要するエラーであれば委託会社63に連絡し、委託会社63が修理対応を実施することとなる。
【0044】
同様に、両替機52にエラーが発生した場合には、まず窓口である委託会社64に通知される。委託会社64は、エラーが自社で対応可能な内容であれば対応を実施するが、自社で対応不可能なメンテナンスや修理を要するエラーであれば委託会社65に連絡する。連絡を受けた委託会社65は、自社で対応可能なメンテナンスであれば対応を実施するが、自社で対応不可能な修理を要するエラーであれば委託会社66に連絡し、委託会社66が修理対応を実施することとなる。
【0045】
このように、委託会社のいずれかが窓口となる構成では、委託会社間の連絡が発生する分、委託会社の負担が大きくなる。加えて、委託会社間の連絡が必要であるためにメンテナンスや修理までに要する時間が長くなる。
【0046】
図3は、両替機がエラーに対応する委託会社を選択して通知する構成の説明図である。図3に示した構成では、本実施例と同様に、企業40が地域Aの店舗41に両替機51aを設置し、地域Bの店舗42に両替機52aを設置している。
【0047】
また、両替機51aへの現金集配を委託会社61が担当し、メンテナンスを委託会社62が担当し、修理を委託会社63が担当している。同様に、両替機52aへの現金集配を委託会社64が担当し、メンテナンスを委託会社65が担当し、修理を委託会社66が担当している。
【0048】
図3に示した比較構成では、両替機51aにエラーが発生した場合には、両替機51aがエラーの種別を判定し、現金集配が必要であれば委託会社61に通知し、メンテナンスが必要であれば委託会社62に通知し、修理が必要であれば委託会社63に通知する。
【0049】
同様に、両替機52aにエラーが発生した場合には、両替機52aがエラーの種別を判定し、現金集配が必要であれば委託会社64に通知し、メンテナンスが必要であれば委託会社65に通知し、修理が必要であれば委託会社66に通知する。
【0050】
このように、両替機がエラーに対応する委託会社を選択して通知する構成では、両替機自体にエラーの種類を識別する機能と通知先を選択する機能が必要になる。したがって、このような機能を持たない両替機を設置した場合や既に設置している場合には適用できない。
【0051】
図2及び図3に示した比較構成に対して本実施例の構成では、委託会社の負担を抑え、メンテナンスや修理までに要する時間を短縮できる。また、エラーの種類を識別する機能や通知先を選択する機能を持たない安価な両替機を使用してシステムを構築することができ、既に設置している両替機についても管理が可能である。
【0052】
次に、記憶部30が記憶するデータの具体例について説明する。図4は、状態データベース31の具体例の説明図である。図4に示した例では、状態データベース31は、「お客様」と「拠点」と「号機」と「機種」と「入出金データ」と「エラーデータ」の項目を有する。
【0053】
「お客様」の項目は、該当機器が設置されているお客様の番号、名称を値として保持する。図4では、一例として「Cust002:Gショッピングモール」が入力されている。「拠点」の項目は、該当機器が設置されている拠点の番号、名称を示す情報である。図4では、一例として、「Office002:秋葉原店」が入力されている。
【0054】
「号機」の項目は、 該当機器の号機を示す情報であり、図4に示した例では、「2」が入力されている。「機種」の項目は、該当機器の機種名、型式を示す情報であり、図4に示した例では「両替機」が入力されている。
【0055】
「入出金データ」の項目は、該当機器に対する入金、出金の状態を示す情報であり、各金種が該当機器の中にどれだけ格納されているかを示す。各金種が該当機器の中にどれだけ格納されているかを在高という。
【0056】
「エラーデータ」の項目は、該当機器で発生したエラーを示す。具体的には、エラーの内容、発生時刻、対応が済んでいるか否かなどの情報が含まれる。この他、状態データベース31には、該当機器が設置されている拠点の電話番号や、機種のシリアルナンバー及び資産管理番号等の補足説明、該当機器の号機との契約内容などを記憶させても良い。
【0057】
図5は、地域データベース32の具体例の説明図である。図5に示した例では、地域データベース32は、拠点と地域とを対応付けて記憶している。具体的には、拠点「office001 品川店」は地域Aに対応付けられ、拠点「office002 秋葉原店」は地域Aに対応付けられ、拠点「office003 姫路店」は地域Bに対応付けられている。
【0058】
図6は、エラー通知区分データ33の具体例の説明図である。図6に示した例では、エラー通知区分データ33は、「エラー通知区分」と「種別」と「内容」の項目を有する。「エラー通知区分」は、エラーを区分するための識別情報であり、図6に示した例では1から5の区分が規定されている。
【0059】
「種別」は、警告と注意のいずれかの値をとる。エラー通知区分1〜3に対しては警告が指定され、エラー通知区分5〜6には注意が指定されている。「内容」は、エラーの内容を示す情報である。具体的には、エラー通知区分1に対応するエラー内容は「重大なエラー」であり、エラー通知区分2に対応するエラー内容は「軽微なエラー」である。
【0060】
また、エラー通知区分3に対応するエラー内容は「在高系のフル、エンプティ等のエラー状態」であり、エラー通知区分4に対応するエラー内容は「在高系のニアフル、ニアエンプティ等のエラー状態」であり、エラー通知区分5に対応するエラー内容は「管理装置側であらかじめ設定していた各金種の閾値を超えた状態」である。
【0061】
図7は、通知先データベース34の具体例の説明図である。図7に示した例では、通知先データベース34は、地域Aかつエラー通知区分1の場合には委託会社63に通知することを規定している。また、地域Aかつエラー通知区分2の場合には委託会社62に通知することを規定している。そして、地域Aかつエラー通知区分3〜5の場合には委託会社61に通知することを規定している。
【0062】
同様に、通知先データベース34は、地域Bかつエラー通知区分1の場合には委託会社66に通知することを規定している。また、地域Bかつエラー通知区分2の場合には委託会社65に通知することを規定している。そして、地域Bかつエラー通知区分3〜5の場合には委託会社64に通知することを規定している。
【0063】
次に図8を参照し、在高系のエラー検知についてさらに説明する。在高系のエラーは、両替機51,52自体で検知したエラーの通知を受けることもでき、また、管理装置10が状態データベース31の在高のデータを閾値と比較して検知することもできる。
【0064】
図8は、両替機51,52が入金された現金を収納する入金カセットと、出金する現金を用意しておく出金カセットとを個別に有する場合を示している。入金カセットについては、入金された現金が入金カセットの上限に達した時に両替機51,52が在高系エラー「フル」を検知して管理装置10に通知する。また、入金された現金が両替機51,52が保持する閾値を超えた場合に在高系エラー「ニアフル」と判定して管理装置10に通知する。加えて、管理装置10は、状態データベース31の在高のデータを参照し、入金された現金が管理装置10が保持する閾値を超えた場合に在高系エラー「ニアフル」と判定する。
【0065】
出金カセットについては、出金によって出金カセットの中にある現金のストックがなくなった場合に両替機51,52が在高系エラー「エンプティ」を検知して管理装置10に通知する。また、現金のストックが両替機51,52が保持する閾値を下回った場合に在高系エラー「ニアエンプティ」と判定して管理装置10に通知する。加えて、管理装置10は、状態データベース31の在高のデータを参照し、現金のストックが管理装置10が保持する閾値を下回った場合に在高系エラー「ニアエンプティ」と判定する。
【0066】
このように、管理装置10は、在高系のエラー(ニアエンプティ、エンプティ、ニアフル、フル)を検知する閾値を両替機51,52自体が検知する閾値とは別箇に設定可能である。また、閾値を複数設定することもできる。定期的に現金集配を行う場合には、委託会社から出動が必要ない状態でも出動しているケースがあったが、在高系のエラーの閾値を適切に設定することで、状況に応じて必要な場合にのみ出動させることができる。
【0067】
さらに、現金集配を行う委託会社から両替機までの距離などに応じて在高系エラーの判定閾値を調整することで、両替機が検知したニアフルやニアエンプティに基づく現金集配では現金集配に要する時間の間にフルやエンプティとなって両替機が動作できなくなるといった事態を回避できる。
【0068】
次に、管理装置10の処理動作について図9を用いて説明する。図9は、管理装置10の処理動作を説明するフローチャートである。同図に示した処理は、一例として定期的に開始される。処理が開始されると、まず、管理装置10の状態監視部21は、両替機51,52の状態を状態情報として取得し(ステップS101)、記憶部30の状態データベース31を更新する(ステップS102)。
【0069】
エラー検知部22は、両替機51,52にエラーがあるかを判定する(ステップS103)。具体的には、両替機51,52から取得した状態にエラー通知が含まれているか否か及び在高の情報と管理装置10が定める閾値との比較によってエラーの有無を判定する。
【0070】
エラーがある場合(ステップS103;Yes)には、地域判定部23はエラーが発生した装置の拠点情報をキーに地域データベース32を検索し、地域を判定する(ステップS104)。そして、通知先判定部24は、エラー通知区分データ33を参照してエラー区分を決定し、通知先データベース34を参照して通知先を決定する(ステップS105)。
【0071】
このように決定された通知先に通知部25が通知を行って(ステップS106)、管理装置10は処理を終了する。また、エラーがない場合(ステップS103;No)にも、管理装置10は処理を終了する。
【0072】
次に、通知部25が委託会社61〜66に対して提供するアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)機能について説明する。図10は、委託会社61〜66がアクセスする画面の推移について説明する説明図である。
【0073】
通知部25は、アクセスを受けるとまずユーザ認証画面71を提示する。ユーザ認証画面71は、ユーザIDとパスワードの入力を受け付ける。通知部25は、ユーザIDとパスワードの入力によってユーザを識別した場合に在高確認条件指定画面72を提示する。
【0074】
在高確認条件指定画面72は、在高確認を確認する企業と拠点の入力を受け付ける。通知部25は、企業と拠点の入力によって特定した現金処理機について在高詳細画面73を提示する。
【0075】
在高詳細画面73からは、状態一覧画面74と拠点情報画面75と状態詳細画面76とリモートコマンド画面77とに移行できる。また、状態一覧画面74、拠点情報画面75、状態詳細画面76、リモートコマンド画面77からはブラウザの「戻る」操作などによって在高詳細画面73に戻ることができる。
【0076】
各画面の具体例について図11〜図17を参照して説明する。図11は、在高確認条件指定画面72の具体例を説明する説明図である。図11に示したように、在高確認条件指定画面72は、「お客様」及び「拠点」について、検索やプルダウンによる選択を受け付けることができる。図11では、「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択された状態を示している。
【0077】
このように「お客様」及び「拠点」を入力した上で「在高情報を表示」ボタンを操作すると、「Cust002:Gショッピングモール」の「Office002:秋葉原店」に設置された現金処理機の在高詳細が在高詳細画面73に提示される。
【0078】
図12は、在高詳細画面73の具体例について説明する説明図である。図12では、「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択され、002号機の情報を提示していることを示している。
【0079】
また、在高の合計が7418000円であり、入金残高合計が21000であり、出金残高の合計が7397000円であることが示されている。入金カセットの詳細として、1万円札が0枚、5千円札が1枚、2千円札が0枚、千円札が16枚入金されている。各金種は、投入可能な数の1%未満となっている。
【0080】
出金カセットの詳細として、5千円札が382枚で1910000円分残っており、これは5千円札のストックの最大数の約19%である。千円札が4948枚で4948000円分残っており、これは千円札のストックの最大数の約100%である。500円硬貨は200枚、1000000円分残っており、これは、500円硬貨のストックの最大数の約25%である。
【0081】
100円硬貨は1000枚、1000000円分残っており、これは、100円硬貨のストックの最大数の約83%である。500円硬貨の20枚包装は4枚、40000円分残っており、これは、500円硬貨の20枚包装に対するストックの最大数の約9%である。
【0082】
100円硬貨の50枚包装は20枚、100000円分残っており、これは、100円硬貨の50枚包装に対するストックの最大数の約0%である。50円硬貨の50枚包装は40枚、100000円分残っており、これは、50円硬貨の50枚包装に対するストックの最大数の約5%である。10円硬貨の50枚包装は198枚、99000円分残っており、これは、10円硬貨の50枚包装に対するストックの最大数の約0%である。このように、在高系のエラーが発生していない場合でも現金集配を委託されている委託会社は、現金処理機の在高を確認する事ができるため、その現金処理機に対して、いつ現金集配に行けば良いのか、いくら現金集配を行えば良いのか等を把握することができる。なお、確認した在高に対して所定の計算式を用いる事で、いつ現金集配に行けば良いのか、いくら現金集配を行えば良いかを予測できるようにしても良い。
【0083】
図13及び図14は、状態一覧画面74の具体例である。具体的には、「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択され、処理状態として未対応の警告と未対応の注意があるものを検索した場合の状態一覧画面74であり、図13は未対応の警告や注意がない場合の画面の説明図、図14は未対応の警告や注意がある場合の画面の説明図である。
【0084】
図13では、検索結果として「該当する障害情報は存在しません」とのメッセージが表示されている。一方、図14では、未対応の警告情報として「日時 12/09 10:57」、「お客様 Cust002:Gショッピングモール」、「拠点 Office002:秋葉原店」、「号機 002」、「機種 両替機」、「エラーコード/内容 1201/前扉Openエラー」が表示されている。なお、「エラーコード/内容 1201/前扉Openエラー」には状態詳細画面76へのリンクが埋め込まれている。
【0085】
図15は、状態詳細画面76の具体例について説明する説明図である。「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択され、「002」号機の情報を提示している。また、危機状態は「正常」であり、連絡先が「03−1234−9876」であり、備考として「正常系機器」であること、契約内容が「契約」状態であることを示している。
【0086】
そして、エラーの発生内容については、障害状態が処理済みであること、発生時の機器状態が「異常」であること、障害発生時刻が「2010/12/09 10:57:40」であること、エラー内容が「1201:前扉Openエラー」であることを示している。加えて、集計情報として、準備金、入金繰越し、前日残、補充金などの情報を示している。
【0087】
図16は、拠点情報画面75の具体例について説明する説明図である。「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択されている。そして、選択された場所に設置している現金処理機が「「002」号機であり、機種が「両替機」であり、状態が「正常」であることを示している。
【0088】
加えて、エラーコード/内容として「エラーはありません(直近の取引情報を表示)」とのメッセージを提示し、このメッセージに状態詳細画面76へのリンクを埋め込んでいる。また、在高詳細画面73へのリンクも提示している。
【0089】
図17は、リモートコマンド画面77の具体例について説明する説明図である。図15と同様に、「お客様」として「Cust002:Gショッピングモール」が選択され、「拠点」として「Office002:秋葉原店」が選択され、「002」号機の情報を提示している。また、危機状態は「正常」であり、連絡先が「03−1234−9876」であり、備考として「正常系機器」であること、契約内容が「契約」状態であることを示している。
【0090】
加えて、図17に示したリモートコマンド画面77は、リモートコマンドの選択を受け付けるプルダウンボタンと、選択したリモートコマンドを実行する実行ボタンとを備えている。このプルダウンボタンが選択されると、例えば、「リセット」、「カード排除」、「出金」、「データクリア」、「自動精査」、「電源OFF」、「開局」、「閉局」、などが選択可能となる。
【0091】
「リセット」コマンドは、現金処理機から紙幣を出金する際に出金途中で詰まってしまった紙幣がメンテナンスを行う保守員などに取り除かれた後などに選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて「リセット」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通知部25を介して「リセット」コマンドを現金処理機へ送信する。「リセット」コマンドを受信した現金処理機は、機内に保有しているユニットである紙幣の金種などを識別するための識別部や紙幣を搬送するための搬送部などをチェックし、各部の状態を正常な状態へ戻す。
【0092】
「カード排除」コマンドは、例えば、顧客が取引を行うために現金処理機に挿入したキャッシュカードなどを機外へ強制的に排出する際に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて「カード排除」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「カード排除」コマンドを現金処理機に送信する。「カード排除」コマンドを受信した現金処理機は、機内に取り込んでいるキャッシュカードなどを強制的に機外へ排出させる。
【0093】
「出金」コマンドは、管理装置10で指定した金額と金種の現金を強制的に現金処理機から出金させる場合に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、出金する金額と金種を含む「出金」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「出金」コマンドを現金処理機へ送信する。「出金」コマンドを受信した現金処理機は、受信した「出金」コマンドに基づいて、機内に収納されている現金の中から出金額分の現金を出金する。
【0094】
「データクリア」コマンドは、現金処理機内の現金を回収し、翌日分の現金即ち準備金を装填する回収・装填を行う際に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、「データクリア」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「データクリア」コマンドを現金処理機に送信する。「データクリア」コマンドを受信した現金処理機は現金処理機自身が記憶している在高、入金残高および出金残高などのデータを初期化する。
【0095】
「自動精査」コマンドは現金処理機内の在高がわからなくなってしまった場合に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、「自動精査」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「自動精査」コマンドを現金処理機に送信する。「自動精査」コマンドを受信した現金処理機は、出金用カセット及び入金用カセット内にそれぞれ収納されている現金を再計数し、その再計数した結果を現金処理機自身が記憶している各カセットの在高のデータとして更新する。
【0096】
「電源OFF」コマンドは、例えば、現金処理機の電源の切り忘れなどがあった場合に自動的に電源をOFF状態にする際に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、「電源OFF」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「電源OFF」コマンドを現金処理機に送信する。「電源OFF」コマンドを受信した現金処理機は、現金処理機自身の電源をOFF状態にする。
【0097】
「開局」コマンドは、顧客との取引を可能な状態即ち取扱中の状態に自動的に移行させる際に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、「開局」コマンドが選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「開局」コマンドを現金処理機に送信する。「開局」コマンドを受信した現金処理機は、顧客との取引可能な「取扱中」の状態に移行する。
【0098】
「閉局」コマンドは、顧客との取引を禁止する状態即ち顧客との取引を禁止する休止中の状態に自動的に移行させる際に選択されるものである。そして、リモートコマンド画面にて、「閉局」が選択され、実行ボタンが選択されると、管理装置10は通信部25を介して「閉局」コマンドを現金処理機に送信する。「閉局」コマンドを受信した現金処理機は、顧客との取引を禁止する「休止中」の状態に移行する。
【0099】
また、リモートコマンド画面にはエラーが発生した際に現金処理機の表示部で表示している障害復旧用の画面を管理装置10の画面に表示することができる。こうすることで、委託会社側の担当者が、例えば店舗内の従業員に対して電話で指示をしながらエラー解除作業を実施することができる。
【0100】
さらに、リモートコマンドを管理装置10から現金処理機へ送信し、現金処理機は受信したリモートコマンドに応じて、各種の動作を行うため、人を介在させることなく解除可能な軽微なエラーであれば、現場に駆けつけることなく、エラー解除の対応を行うことができる。
【0101】
このように、リモートコマンドを実施可能とすることで、発生したエラーによっては現金処理機の設置場所まで出向くことなく遠隔操作でエラーを解消することが可能となる。
【0102】
また、管理装置10は現金処理機が記憶している準備金や補充金に関する金額データを修正することができるようにしても良い。即ち現金集配を委託された委託会社の担当者が現金処理機に現金を補充する際に担当者が手入力した補充金の金額データや現金処理機に装填される準備金の金額データなどの現金処理機自身が記憶しているデータを管理装置10にて修正することができる。
【0103】
さらには、管理装置10から現金処理機の各種設定、例えば、カセットに収納されている現金の金種や新紙幣や流通紙幣などの券種を変更したり画面表示のレイアウトを変更できるようにしても良い。
【0104】
上述してきたように、本実施例では、現金処理機である両替機51,52と委託会社61〜66との間に管理装置10が介在する。そして、状態監視部21が両替機51及び両替機52と通信して状態を監視し、エラー検知部22が両替機51及び両替機52に発生したエラーを検知する。エラーを検知した場合には、地域判定部23がエラーを生じた現金処理機の設置された地域を判定し、通知先判定部24がエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社にエラーの発生を通知するかを、エラーの種別及び地域に基づいて判定する。
【0105】
このため、異なる地域に設置された両替機51,52の監視を一元化し、保守作業を効率化できる。また、企業40が地域によって異なる委託会社と契約しても、同様の保守サービスを提供可能することができる。また、委託会社の負担を抑え、メンテナンスや修理までに要する時間を短縮でき、エラーの種類を識別する機能や通知先を選択する機能を持たない安価な両替機を使用してシステムを構築することができる。
【0106】
さらに、委託会社を途中変更する場合でも、ルータなどの設備変更、IPアドレスなどの設定変更などで対応でき、変更作業が容易である。委託会社に対してASPとして動作し、専用の機器などを用意することなくインターネットブラウザ経由でエラー通知を行うことができ、リモートメンテナンスも可能となる。
【0107】
また、上述してきた実施例では、両替機を例に説明したが、これに限定されるわけではなく、入金機、出金機、入出金機など各種の現金処理機に適用することができる。
【0108】
さらに、上述してきた実施例では、地域とエラー種別に基づいて通知先を判定する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、予め記憶された現金処理機を特定する情報である店舗識別情報(店舗ID)や現金処理機固有の識別情報(ID)とエラー種別によって通知先を判定するようにしても良い。即ち、通知先データベースで店舗ID又は現金処理機固有のIDと、エラー種別と、通知先とを対応づけて予め記憶しておき、エラー検知部がエラーを検知した場合に、通知判定部はエラーの種別及び記憶部に記憶されている店舗ID又は現金処理機固有のIDによって通知先を判定するようにしても良い。
【0109】
さらに、通知先データベースに現金処理機の種別や現金処理機の号機を予め記憶させておき、通知判定部は現金処理機の種別や現金処理機の号機を加味して通知先を判定し、通知される委託会社が異なるようにしても良い。また、在高系のエラーの場合には、現金処理機から回収すべき回収金額や、現金処理機へ装填する装填金額によって、通知先を判定するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0110】
以上のように、本発明に係る管理装置、現金処理システム及び管理方法は、現金処理機の管理に有用であり、特に、複数の地域に配置された現金処理機の管理に適している。
【符号の説明】
【0111】
10 管理装置
20 制御部
21 状態監視部
22 エラー検知部
23 地域判定部
24 通知先判定部
25 通知部
30 記憶部
31 状態データベース
32 地域データベース
33 エラー通知区分データ
34 通知先データベース34
40 企業
41〜42 店舗
51〜52 両替機
61〜66 委託会社
71 ユーザ認証画面
72 在高確認条件指定画面
73 在高詳細画面
74 状態一覧画面
75 拠点情報画面
76 状態詳細画面
77 リモートコマンド画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地域に設置された複数の現金処理機を管理する管理装置であって、
前記現金処理機の状態を監視する状態監視手段と、
前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知手段と、
前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段と、
前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知手段が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記現金処理機が設置された地域を判定する地域判定手段をさらに設け、
前記通知先判定手段は、前記地域判定手段により判定された地域に基づいて判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記通知先判定手段は、前記現金処理機の種別又は号機に基づいて判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記状態監視手段は、前記現金処理機における現金の量を貨幣の種別ごとに機内在高として監視し、前記エラー検知手段は、出金用貨幣が無くなるエンプティ状態と出金用貨幣が閾値未満となるニアエンプティ状態と入金された貨幣が閾値以上となるニアフル状態と最大まで入金されたフル状態とを在高エラーとして検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項5】
前記通知先判定手段は、前記在高エラーが検知された場合に前記複数の委託会社のうち、現金の回収及び補充を担当する委託会社を通知先とすることを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
前記エラー検知手段は、前記現金処理機から前記在高エラーを受信することを特徴とする請求項4又は5に記載の管理装置。
【請求項7】
前記エラー検知手段は、前記機内在高に基づいて前記在高エラーを判定することを特徴とする請求項4,5または6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記通知先判定手段は、前記エラー検知手段が前記現金処理機の故障を検知した場合には、故障対応を行う委託会社の中から前記故障の内容に基づいて通知先の委託会社を判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項9】
前記委託会社とネットワークを介して接続され、前記委託会社からのアクセスを受けて前記エラーに関する情報を通知する通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の管理装置。
【請求項10】
複数の地域に設置された複数の現金処理機と、
前記現金処理機の状態を監視する状態監視手段と、
前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知手段と、
前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段と、
前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知手段が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定手段と
を備えたことを特徴とする現金処理システム。
【請求項11】
複数の地域に設置された複数の現金処理機を管理する管理方法であって、
前記現金処理機の状態を監視する状態監視工程と、
前記現金処理機におけるエラーを検知するエラー検知工程と、
前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社と前記エラーの種別と前記現金処理機を特定する情報とを対応づけて記憶する記憶手段を参照し、前記現金処理機のエラーに対処する複数の委託会社のうち、いずれの委託会社に前記エラーの発生を通知するかを、前記エラー検知工程が検知したエラーの種別及び前記現金処理機を特定する情報に基づいて判定する通知先判定工程と
を含んだことを特徴とする管理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−198787(P2012−198787A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62837(P2011−62837)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】