管理装置
【課題】遊技店における遊技機管理に有用な管理装置を提供する。
【解決手段】遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする。
【解決手段】遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に販売された設備を管理する管理装置に関し、特に遊技機又はその周辺機器からの信号に関する不具合の検出等を可能にする管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各遊技機毎に使用される遊技媒体の収支を管理して、各遊技機毎に異常の発生を監視することを目的とした管理システムがある。例えば、各遊技機毎に、玉貸装置、玉補給装置を設けるとともに、貸玉計数器、アウト玉計数器、補給玉計数器、景品交換玉計数器を設け、各遊技機をそれぞれ制御するコントロールユニットに、各計数器における計数値を演算するための演算手段と、演算結果に基づいて各遊技機における異常発生の有無を判断するための判断手段を設けたものが知られている(例えば、特許文献1。)。
【0003】
また、アウトメータの異常に対処することを目的とするパチンコ機管理装置がある。例えば、アウトメータからアウト信号が入力したときは、タイマをスタートし、次のアウト信号が入力したときに、タイムアップしているかを判断する管理装置であって、タイマがカウントアップしている場合はアウトメータが正常であると判断してタイマをリスタートし、タイマがカウントアップしていない場合はアウトメータが異常であると判断して報知を行うものが知られている(例えば、特許文献2。)。
【0004】
また、信号線の切断や未接続といった不具合だけでなく、誤接続等も検出することを目的とした遊技台信号管理装置がある。例えば、主制御部が、パチンコ台からの各種信号(入賞信号や大当たり信号等)の発生回数をカウントし、パチンコ台の特性に基づき予測される各種信号の発生予測データとカウントされた各種信号の発生状況とを対比して各種信号の発生状況の異常を判断する遊技台信号管理装置であって、その判断情報に基づいて、信号線の未接続又は断線、或いは誤接続についての推論情報を生成し、判断情報及び推論情報をLCD表示部やランプ表示部に出力して係員に知らせるものが知られている(例えば、特許文献3。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−128504号公報
【特許文献2】特開2004−223129号公報
【特許文献3】特開平10−328391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技者に貸球として貸し出された球の総計と、遊技機が遊技者に賞球として供与した球の総計とを全て合算した値Xは、遊技店から遊技者に供与された球の数の全てとなる。また、遊技者が景品交換や貯球のために計数器へ持ち込んだ球の総計と、遊技機が遊技者から回収した球(発射球)の総計とを全て合算した値Yは、遊技者から遊技店に供与された球の数の全てとなる。そして、一日の営業が終了した時点で、このXとYの値が等しくなるのが理想であるが、現実には遊技中に床にこぼれてしまった球や、遊技装置の裏側の補球流路やアウトタンク等からこぼれてしまった球等があり、この球の数はX又はYの何れか一方だけにしか計数されないので、必ずしもXとYとの値は一致しない。
【0007】
このXとYの値の差は一般に誤差球といわれる。この誤差球は、遊技店の稼動に比例して、毎日一定比率の誤差球が発生することが経験則上知られている。従って、一日の営業が終了した時点で予め予想されていた数の誤差球が発生しても、営業管理上はほとんど支障がない。
【0008】
しかしながら、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生すると、誤った遊技情報を収集してしまい、誤った遊技情報を元に誤差球を計数してしまう場合がある。この場合、遊技店の営業管理が不正確になってしまうので、故障の発生した遊技機を発見して修理する必要があったが、遊技店には多数の遊技機が設置されており、その中から故障した遊技機を発見するには容易ではなかった。
【0009】
また、遊技装置に対して、遊技店が想定していないような不正な操作が行われた場合には、遊技装置の制御装置が賞球としてカウントした球と不正な操作を行った遊技者が獲得した球とが一致しない可能性がある。
【0010】
そこで、特許文献に記載の従来技術のようにすることが考えられるが、これらの従来技術では異常箇所を特定したり、信号線の接触不良など潜伏しやすい異常原因を発見したりすることは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、遊技店の営業成績において異常原因となった遊技機や周辺設備を特定する作業を支援し、遊技成績に数値として現れにくく従来の技術では発見困難だった潜伏傾向の異常原因を特定することで、遊技店における遊技機管理に有用な管理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記情報出力手段は、前記異常がある遊技装置に関する情報と、異常の原因を示す情報とをリスト形式で出力することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記複数の遊技情報には、遊技者に貸し出した遊技媒体を示す貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体を示す計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体を示す使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を示す獲得累積値を含み、前記異常遊技装置抽出手段は、前記貸出累積値及び前記獲得累積値の合算値と、前記使用累積値及び前記計数累積値の合算値との相関関係に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技装置から収集した複数の遊技情報を集計した遊技装置成績データに異常がある遊技装置に関する情報を出力するので、遊技店における遊技装置の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が異常の度合いによって順位付けして提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の情報収集端末装置に設けられたマイクロプロセッサの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の遊技装置の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の遊技機の遊技制御装置を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態の遊技店成績DBの一例の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の遊技装置成績DB及び機種成績情報DBに含まれるデータの一例の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の遊技装置調整情報DBに含まれる調整情報の一例の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態の誤差球監視処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態の遊技店成績DBの一例の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
【0019】
遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)1及び中継装置(ルータ)2が接続されている。遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成されている。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
【0020】
遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技装置4から遊技情報を収集して、各遊技機4a(図4)の動作状態を監視する。また、遊技装置4から収集した遊技情報を、データベース(DB)に格納する。また、遊技媒体計数装置5から収集した精算球数を、データベースに格納する。
【0021】
中継装置2は、遊技場内の島設備毎に設けられており、当該島設備に設置された各情報収集端末装置3からの情報を中継して、当該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継装置2は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置してもよい。
【0022】
情報収集端末装置3には、遊技装置4が接続されている。情報収集端末装置3は、遊技装置4から遊技信号を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、遊技装置4から出力される回収信号又は賞球信号に基づいて算出されるアウト球数又はセーフ球数の累積値等)を生成する。そして、当該累積値に基づいて遊技装置4の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場内部管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
【0023】
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前及び午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、1週間)に渡るものとしてもよい。
【0024】
なお、複数(例えば、2台)の遊技装置4に対して1台の情報収集端末装置3を接続する構成でもよい。
【0025】
遊技装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機4aに球貸ユニット4b、補給数計数装置4c、回収数計数装置4d及び会員端末4e等の周辺装置が付加されて構成されている(図4)。なお、遊技機4aから、後述する賞球信号及び球貸信号を出力するように構成した場合は、補給数計数装置4cを設ける必要はない。遊技機4aは遊技制御装置400を中心とする各種制御装置を備え、特図変動表示ゲームを実行する。
【0026】
また、内部ネットワークには、遊技媒体計数装置5が接続されている。遊技媒体計数装置5は、遊技装置4によって遊技者に払い出された遊技媒体の数を計数する装置である。計数された精算球数は、遊技場内部管理装置1に送られる。
【0027】
本実施の形態では、情報収集端末装置3からの情報を中継する中継装置2を島設備毎に設けたが、中継装置2を設けることなく、情報収集端末装置3を内部ネットワークに直接接続するように構成してもよい。また、情報収集端末装置3の代わりにリモートIOを置き、中継装置2の代わりに複数の遊技装置4に対応する情報収集端末装置3を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技管理システムにも対応することができる。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0029】
遊技場内部管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)104が設けられている。
【0030】
RAM103は、各種データ(例えば、遊技店成績データ、遊技装置成績データ、機種成績情報データ及び遊技装置調整情報データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。従って、後述するHDD104に格納された各種のデータベースの値が、RAM103に記憶される場合もある。
【0031】
これらのCPU101、ROM102、RAM103及びHDD104は、バス105によって接続されている。バス105は、CPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
【0032】
CPU101は、ROM102に格納されているプログラムを読み込んで、それぞれのプログラムに規定された処理を実行する。これによって、遊技場内部管理装置1が、遊技店成績異常検出手段601、異常遊技装置抽出手段602、情報出力手段603及び期間設定手段604(図6)として機能する。
【0033】
HDD104は、単位遊技情報を格納する。単位遊技情報とは、アウト球数、セーフ球数、特賞回数などの遊技情報を、遊技装置毎かつ営業日毎に集計して記憶したデータであり、遊技場内部管理装置1で行われる演算処理の基本となるデータである。この単位遊技情報を遊技店全体で集計すれば、遊技店における終日の遊技情報(例えば、遊技店全体の売上等)を算出することができる。また、この単位遊技情報を機種別に集計すれば、機種毎の遊技情報(例えば、特定機種の大当り回数等)を算出することができる。また、営業日毎に集計すれば、営業日毎の遊技情報(例えば、○月○日の稼動率等)を算出することができる。従って、単位遊技情報だけを保持しておけば、演算によって他の遊技情報が自在に算出できるようになっている。
【0034】
また、HDD104は、各種のデータベース(遊技店成績DB501、遊技装置成績DB502、機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504(図6))を格納する。前述したように、これらのデータベースの値は、RAM103に格納される場合もあるので、HDD104及びRAM103によって、遊技店成績記憶手段、遊技装置成績記憶手段及び異常判定情報記憶手段が構成される。
【0035】
また、バス105には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106、I/Oポート107及び外部ネットワーク通信ポート108が接続されている。
【0036】
ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。
【0037】
I/Oポート107には、遊技装置4から収集したデータや、遊技場内部管理装置1の稼動状態を表示するディスプレイや、遊技機4aにおける特賞発生を報知するスピーカによって構成される出力装置109が接続される。また、I/Oポート107には、遊技場内部管理装置1の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)110が接続される。
【0038】
外部ネットワーク通信ポート108は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられた外部ネットワークと接続されている。よって、遊技場内部管理装置1は、外部ネットワークに接続された遊技場外部の機器と通信をすることができる。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3に設けられたマイクロプロセッサ300の構成を示すブロック図である。
【0040】
情報収集端末装置3は、マイクロプロセッサ300、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられている。
【0041】
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307が接続されている。
【0042】
RAM305は、各種データ(例えば、通常時データ又は特賞中データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
【0043】
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技機4aの台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶している。
【0044】
EEPROM306のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM307には、遊技信号の収集に用いられるプログラムが記憶されている。
【0045】
また、コモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308及びI/Oポート309が接続されている。
【0046】
ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して中継装置2が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場内部管理装置1と信号(データ信号、指令信号)を送受信する。
【0047】
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されている。この外部入出力端子には、遊技機4aから出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、周辺装置(補給数計数装置4c及び回収数計数装置4d)から出力される補給信号及び回収球信号等の遊技信号(図4)が入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号は、通信ポート310と、遊技機4aの遊技制御装置400に備えられた遊技用マイクロコンピュータ401とで直接通信することで受信することもできる。
【0048】
通信ポート310は、遊技機4aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ401の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート310は、遊技機4aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続されている。
【0049】
プロセッサには、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵されている。
【0050】
遊技装置4から情報収集端末装置3に遊技信号が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技装置4の稼動状態を判定する。遊技情報の累積値は、RAM305に一定期間記憶され、例えば営業日の終了時に、当該累積値を、情報収集端末装置3がネットワーク通信ポート308から出力して、遊技場内部管理装置1に送信する。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態の遊技装置4の説明図である。
【0052】
遊技装置4は、遊技機4a、球貸ユニット4b、補給数計数装置(補給数計数手段)4c及び回収数計数装置(回収数計数手段)4dより構成される。
【0053】
遊技機(パチンコ遊技機)4aの前面枠11は、本体枠(外枠)12にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられる。前面枠11には、裏面に取り付けられた収納フレームに遊技盤14が収装される。遊技盤14の表面には、ガイドレール15で囲われた略円形状の遊技領域16が形成される。
【0054】
遊技領域16には、可変表示装置17が設けられるセンターケース18がほぼ中央に配置される。可変表示装置17は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示画面が構成される。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(装飾図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中及び右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示又はエンディング表示等)が表示される。
【0055】
可変表示装置17の左右上方及び前面枠11の左右上方には、装飾用ランプやLED等からなる装飾装置19が設けられる。装飾装置19は、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機4aの状態に応じて発光する。
【0056】
センターケース18の左右には、それぞれ方向転換部材20及び一般入賞口21が配置される。また、センターケース18の直下には、普通変動入賞装置(普通電動役物)22を備えた始動入賞口23が設けられる。始動入賞口23は、通常は、閉鎖した普通変動入賞装置22によって、遊技球の入賞可能性が狭められている。
【0057】
始動入賞口23の直下には特別変動入賞装置(大入賞口)24Bが設けられ、特別変動入賞装置24Bの直下には特別変動入賞装置24Aが設けられる。また、始動入賞口23の左右には、普通図柄始動ゲート25が設けられる。
【0058】
特別変動入賞装置24Aの左側には、特図変動表示ゲームの特別図柄の変動表示及び特別図柄入賞記憶数を表示する特図表示器26が設けられる。特図表示器26には、特図表示部26A及び特図記憶表示部26Bが設けられる。また、特別変動入賞装置24Aの右側には、普図変動表示ゲームが実行され、又は、普通図柄入賞記憶数を表示する普図表示器27が設けられる。普図表示器27には、普図表示部27A及び普図記憶表示部27Bが設けられる。
【0059】
遊技機4aでは、打球発射装置(図示省略)から遊技領域16に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域16内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材20によって転動方向を変えながら遊技領域16を流下する。そして、一般入賞口21、始動入賞口23又は特別変動入賞装置24A、24Bに入賞するか、遊技領域16の最下部に設けられたアウト口28から排出される。
【0060】
一般入賞口21への遊技球の入賞は、これらの一般入賞口21に備えられた入賞口センサ54.1又は54.2(図5)によって検出される。
【0061】
始動入賞口23への遊技球の入賞は、特図始動入賞口センサ51(図5)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特図記憶表示部26Bに表示される。遊技制御装置400は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特図表示部26Aにて特図変動表示ゲームを行う。
【0062】
始動入賞口23へ遊技球の入賞があると、可変表示装置17では、前述した数字等で構成される装飾図柄(識別情報)が順に変動表示して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、可変表示装置17では、特図表示部26Aの表示に対応する装飾図柄の変動表示が行われる。特図表示部26Aは、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に通知する役割を有し、可変表示装置17は、興趣向上のために多様な表示を演出する役割を有する。
【0063】
始動入賞口23への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当り値であるとき)には大当り遊技状態となり、表示図柄が特定の結果態様を導出する。具体的には、特図表示部26Aは、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、可変表示装置17は、三つの装飾図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。
【0064】
このとき、特別変動入賞装置24Aが、大入賞口ソレノイド55A(図5)への通電によって、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置24Aが所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。なお、本実施の形態では、特別変動入賞装置24Bは作動しない。
【0065】
この特別変動入賞装置24Aが開状態に変換されてから所定の時間後に閉状態に変換されるまでの動作を開放動作といい、当該一回の開放動作を1ラウンドとする。そして、一回の大当り遊技状態で、複数ラウンドの開放動作が実行される。なお、一回の大当り遊技状態で実行される開放動作のラウンド数(作動回数)は、必ずしも一定ではない。つまり、抽出された特別図柄乱数カウンタ値によって、異なったラウンド数(本実施の形態では、5ラウンド又は15ラウンドの何れかが選択される。)の開放動作が実行される。
【0066】
特別変動入賞装置24A又は24Bへの遊技球の入賞は、カウントセンサ52.1又は52.2(図5)によって検出される。
【0067】
普通図柄始動ゲート25への遊技球の通過は、普図始動ゲートセンサ53(図5)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普図記憶表示部27Bに表示される。
【0068】
普通図柄始動ゲート25を遊技球が通過すると、遊技制御装置400は普通図柄入賞記憶に基づいて普図表示器27で普図変動表示ゲームが開始される。すなわち、普通図柄始動ゲート25への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当り値であるときには)には当り状態となり、普図表示部27Aに表示される普通図柄が当り図柄で停止する。
【0069】
このとき、始動入賞口23の上部に設けられた普通変動入賞装置22は、普通電動役物ソレノイド22A(図5)への通電によって、始動入賞口23への入口が所定の時間だけ拡開するように変換される。普通変動入賞装置22がこのように変換されることによって、始動入賞口23への遊技球の入賞可能性が高められる。
【0070】
前面枠11の下部の開閉パネル29には、遊技球を打球発射装置に供給する上皿30が配設される。また、前面枠11の下部の固定パネル31には、下皿32及び打球発射装置の操作部33等が配設される。
【0071】
一般入賞口21、始動入賞口23及び特別変動入賞装置24A又は24Bに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、遊技機4a内部に設けられた払出ユニット(図示省略)から上皿30又は下皿32に排出される。
【0072】
上皿30の外面には、遊技機4aに隣接して設けられる球貸ユニット4bの操作パネル34が形成される。操作パネル34には、プリペイドカードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、遊技球の貸出を指令する球貸スイッチ35、及び、プリペイドカードの返却を指令するカード返却スイッチ36が設けられる。
【0073】
球貸ユニット4bは、中央にプリペイドカード挿入口37が設けられる。遊技者が券売機で購入したプリペイドカードをプリペイドカード挿入口37に挿入すると、当該プリペイドカードが保有する有価価値に相当する度数が、カード残高表示部に表示される。そして、球貸スイッチ35の操作により遊技者から遊技球の貸出要求があると、相当する数の遊技球が上皿30に排出される。
【0074】
また、カード返却スイッチ36の操作により遊技者からプリペイドカードの返却要求があると、プリペイドカードに残度数高があれば、プリペイドカード挿入口37からプリペイドカードが排出される。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、球貸ユニット4b内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
【0075】
会員端末4eは、表示装置38、操作部39及びカード読取部40を備えている。
【0076】
表示装置38は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示部が構成される。表示装置38には、過去の稼動状況(大当り遊技回数やスタート回数等)、各会員の遊技履歴、及び、遊技場から遊技者に通知される情報等が表示される。
【0077】
操作部39は、表示装置38の表示内容を切り替える操作スイッチ等によって構成される。なお、操作部39を表示装置38と一体に設けたタッチパネルで構成してもよい。
【0078】
カード読取部40で遊技者が保有する会員カードが読み取られると、会員端末4eに備えられたカードリーダ/ライタによって、読み取られた会員カードから会員IDが特定される。会員IDは、会員端末4eから遊技場内部管理装置1へ出力され、会員である遊技者の個人情報が読み出される。
【0079】
次に、遊技装置4が出力する遊技信号について説明する。
【0080】
遊技機4aに設けられた盤用外部情報56(図5)から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300のI/Oポート309には、遊技信号が入力される。
【0081】
遊技機4aは、始動入賞口23に遊技球が入賞すると、その入賞毎に「始動入賞信号」を遊技信号として出力する。また、この遊技球の入賞によって特図変動表示ゲーム(補助遊技)が開始すると、特図変動表示ゲームが開始される毎に「スタート信号」を遊技信号として出力する。
【0082】
また、遊技機4aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りのときは、大当り遊技状態(特別遊技状態)中だけオンになるパルス信号である「特賞信号」を遊技信号として出力する。その結果、遊技機4aで一回の大当り遊技状態が発生する毎に、1パルスのパルス信号が情報収集端末装置3に出力される。
【0083】
また、遊技機4aは、一般入賞口21、始動入賞口23又は大入賞口24A、24Bに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、払出ユニットから上皿30に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。
【0084】
また、遊技機4aは、大当り遊技状態が確変図柄による大当りのときは、当該大当り遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態)中に、「確変信号」を遊技信号として出力する。
【0085】
また、遊技機4aから出力される遊技信号には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報56から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
【0086】
また、遊技機4aは、遊技機4aに固有の情報として遊技用マイクロコンピュータ401が備えるチップID、遊技機4aのメーカを特定するメーカコード、遊技機4aの機種を特定する機種コード及びプログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)を機種特定情報として出力する。
【0087】
なお、遊技信号を、遊技用マイクロコンピュータ401から情報収集端末装置3の通信ポート310に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿することで、盤用外部情報56から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値等)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
【0088】
球貸ユニット4bは、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技信号として出力する。
【0089】
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、これらの信号に対応する遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。また、遊技情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信してもよい。この累積値は、例えば、所定時間経過毎、大当り遊技状態発生等のイベント時、遊技場内部管理装置1からのポーリングの応答時、又は、遊技場の営業終了後に送信される。
【0090】
また、遊技機4aが設置される島設備には、遊技機4a(球貸ユニット4bから貸球が排出される場合は、遊技機4a及び球貸ユニット4b)に遊技球を補給する補給路と、遊技機4aからアウト球を回収する回収路とを備えた補給回収機構が設けられる。
【0091】
補給数計数装置4cは、遊技機4aに補給された球数を計数する。回収数計数装置4dは、遊技機4aから回収されたアウト球数、つまり、遊技者が遊技機4aの遊技領域に発射した球数を計数する。補給数計数装置4cは補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。回収数計数装置4dはアウト球の計数結果であって、遊技者が遊技に使用した遊技球の数を示す「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。なお、補給数計数装置4c及び回収数計数手段4dは、遊技機4aに設けてもよい。
【0092】
この補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dは、情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dから出力される遊技信号に対応する遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。
【0093】
具体的には、情報収集端末装置3は、遊技装置から送信された回収信号の総数をアウト球数とし、遊技装置から送信された賞球信号の総数をセーフ球数とし、遊技装置から送信された始動入賞信号の総数を始動入賞数とし、遊技装置から送信された特賞信号の総数を特賞回数として計数する。また、情報収集端末装置3は、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した回収信号の総数を特賞外アウト球数とし、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した賞球信号の総数を特賞外セーフ球数とし、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した始動入賞信号の総数を特賞外始動入賞数として計数し、遊技装置の成績データとして遊技装置の状態に応じたデータに区分けして成績データとして集計する。また、特賞状態や確変状態における回収信号、賞球信号、始動入賞数なども必要に応じて区分して集計する。なお、情報収集端末装置3は、回収信号、補給信号及び球貸信号を遊技機4aから直接収集してもよい。
【0094】
図5は、本発明の実施の形態の遊技機4aの遊技制御装置400を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
【0095】
遊技制御装置400は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ401、入力インターフェース402、出力インターフェース403から構成されている。
【0096】
遊技用マイクロコンピュータ401には外部通信端子404が設けられている。外部通信端子404は、遊技用マイクロコンピュータ401に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子404に検査装置や遊技場内部管理装置1を接続することで、遊技場内部管理装置1が遊技機4aを識別することができる。
【0097】
遊技用マイクロコンピュータ401は、入力インターフェース402を介しての各種検出装置(特図始動入賞口センサ51、カウントセンサ52.1、52.2、普図始動ゲートセンサ53及び入賞口センサ54.1、54.2)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
【0098】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して遊技領域16に設けられた特図表示器26(特図表示部26A、特図記憶表示部26B)及び普図表示器27(普図表示部27A、普図記憶表示部27B)に各種情報を出力する。
【0099】
特図表示部26Aには、特図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、特図記憶表示部26Bには、特別図柄入賞記憶数表示を出力する。
【0100】
普図表示部27Aには、普図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、普図記憶表示部27Bには、普通図柄入賞記憶数表示を出力する。
【0101】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して、各従属制御装置(排出制御装置410及び表示制御装置420)、普通電動役物ソレノイド22A、大入賞口ソレノイド55A及び55B等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0102】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、盤用外部情報56を介して、遊技場内部管理装置1に遊技機4aに関する情報を出力する。
【0103】
排出制御装置410は、遊技制御装置400からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、球貸ユニット4bからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0104】
遊技制御装置400から表示制御装置420には、表示制御指令信号として特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当りコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
【0105】
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されていない状態である。特別遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果として大当りが発生し、特別遊技(大当り遊技)が実行されている状態である。
【0106】
特図変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、特図変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、特図変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当りコマンドは、特別遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示、特別遊技状態中のラウンド間表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
【0107】
表示制御装置420は、これらのコマンドによって、遊技制御装置400が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
【0108】
音制御装置430は、表示制御装置420からの音制御指令信号に基づいて、遊技機4aに設けられたスピーカ57から出力される効果音を制御する。
【0109】
装飾制御装置440は、表示制御装置420からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠11に設けられたLED又は装飾用ランプ等の装飾装置19を制御する。
【0110】
表示制御装置420には出力インターフェースが設けられている。出力インターフェースには可変表示装置17が接続されており、出力インターフェースを介して可変表示装置17に信号を出力する。
【0111】
可変表示装置17は、表示制御装置420からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
【0112】
遊技機4aの電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置400等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置400は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置400等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報や遊技制御情報)等をバックアップする。
【0113】
なお、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420とは別個に設けたが、音制御装置430や装飾制御装置440を表示制御装置420に含めて、音制御装置430及び/又は装飾制御装置440を表示制御装置420と一体に構成してもよい。また、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420に接続せずに、遊技制御装置400に直接接続するように構成してもよい。
【0114】
図6は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1の機能ブロック図である。
【0115】
遊技場内部管理装置1は、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することによって、遊技店成績異常検出手段601、異常遊技装置抽出手段602、情報出力手段603及び期間設定手段604として機能する。また、HDD104は、各種のデータベース(遊技店成績DB501、遊技装置成績DB502、機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504)を格納する。
【0116】
遊技店成績異常検出手段601は、遊技店成績DB501に格納されているデータを参照して誤差球を算出し、誤差球に異常が発生しているか否かを判定する。
【0117】
異常遊技装置検出手段は、遊技店成績異常検出手段が誤差球に異常が発生していると判定したときに、遊技装置成績DB502に格納されているデータ及び異常判定情報(機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504に格納されているデータ)501を参照して、遊技成績に異常の可能性がある遊技装置を抽出する。また、期間設定手段604によって設定された期間情報から、参照するデータの期間を限定して、遊技成績の異常を抽出することもできる。
【0118】
情報出力手段603は、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータに、遊技成績に異常の可能性がある遊技装置の情報を出力する。また、遊技装置の情報だけでなく、遊技装置の出力する遊技信号のうち、どの信号が異常の原因となっているかを示す情報を出力してもよい。また、異常が発生している遊技装置を、異常の度合いによって順位付けして、この順に付けされた情報をリスト形式で表示してもよい。また、異常が発生している状態を、異常の発生順に時系列によって表示してもよい。なお、情報出力手段603は、遊技場内部管理装置1に接続されている出力装置109によって情報を出力するが、この出力装置109は、前述のようにディスプレイ装置であってもよいし、プリンタ装置等から帳票形式で出力することによって情報を出力してもよい。
【0119】
遊技店成績DB501は、遊技店に備えられている全ての遊技装置4の遊技情報及び遊技媒体計数装置5の計数情報に基づいた遊技店成績データを格納するデータベースである。
【0120】
遊技装置4に接続された情報収集端末装置3は、遊技装置のアウト球数、遊技装置のセーフ球数及び遊技装置の貸球数を集計して、営業日終了時にこれらの集計結果を遊技場内部管理装置1に送信する。また、遊技媒体計数装置5は、その営業日の全ての精算球数の累積値を遊技場内部管理装置1に送信する。
【0121】
遊技場内部管理装置1は、これらの取得した情報を、前述した単位遊技情報としてHDD104(図2参照)に格納し、さらに、その営業日の最終結果となる、全ての遊技装置のアウト球数の累積値(使用累積値)、全て遊技装置のセーフ球数の累積値(獲得累積値)、全ての遊技装置の貸球数の累積値(貸出累積値)、及び全ての遊技媒体計数装置の精算球数の累積値(計数累積値)を算出して、遊技店成績データとして遊技店成績DB501に格納する。
【0122】
なお、アウト球数は、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の使用数の累積値である。アウト球数は、遊技装置4のアウトタンク4dから送信された回収信号によって計数される。セーフ球数は、入賞等によって遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体の獲得数の累積値である。セーフ球数は、遊技装置から送信された賞球信号によって計数される。貸球数は、遊技場において遊技者に貸し出した遊技媒体の貸出数の累計値である。貸球数は、遊技装置4の球貸装置4bから送信された球貸信号によって計数される。精算球数は、景品交換や貯球を行うために、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を、計数手段である遊技媒体計測装置5によって計数した結果の累積値であり、遊技媒体計数装置5からの信号によって計数される。
【0123】
なお、遊技店成績DB501は、全ての遊技装置の累積値となるアウト球数、セーフ球数及び貸球数を、常時格納していなくてもよい。例えば、前述した単位遊技情報となるアウト球数、セーフ球数及び貸球数のデータを常時格納しておき、必要に応じてこれらのデータを集計することにより、遊技店成績DB501をその都度生成するようにしてもよい。つまり、遊技場内部管理装置1が遊技店成績DB501に含まれるデータを必要とするときに、単位遊技情報に基づいて、全ての遊技装置の値を加算した累積値を算出するようにしてもよい。
【0124】
また、後述するように、遊技店成績異常検出手段601が、誤差球数(遊技店成績DB501から取得したアウト球数と貸球数とを加算した値Aと、遊技店成績DB501から取得したセーフ球数と精算数とを加算した値Bとを算出し、これらの値AとBとの差分の値)及び誤差球率(誤差球数をアウト球数で除算した値)を算出して、算出された値を異常の判定に利用する。そこで、遊技場内部管理装置1が、営業日終了時にこれら誤差球数及び誤差球率を算出して、遊技店成績DB501に格納しておいてもよい。
【0125】
図7は、本発明の実施の形態の遊技店成績DB501の一例の説明図であり、図8は、遊技装置成績DB502及び機種成績情報DB503に含まれるデータの一例の説明図である。
【0126】
遊技店成績DB501は、全ての遊技装置のアウト球数の累積値、全ての遊技装置のセーフ球数の累積値、全ての遊技装置の貸球数の累積値、及び全ての遊技媒体計数装置5の精算球数の累積値を、遊技店の過去の営業日毎に格納している。また、各営業日について、誤差球数及び誤差球率(アウト球数に対する誤差球数の割合)が格納されている。誤差球については、図10で後述する。なお、図7には、営業日として「2003年3月1日〜2003年3月7日」の期間に関する例を示している。
【0127】
遊技装置成績DB502は、遊技店に備えられている遊技装置4毎の遊技情報に基づいた遊技装置成績データを格納するデータベースである。
【0128】
遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3から受信した、遊技装置毎の特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数を、前述した単位遊技情報としてHDD104(図2参照)に格納する。さらに、この単位遊技情報を、指定された集計期間において遊技装置毎に集計することにより遊技装置成績データを算出し、遊技装置成績DB502に格納する。
【0129】
なお、特賞回数は、遊技装置から送信された特賞信号の総数である。始動入賞数は、遊技装置から送信された始動入賞信号の総数である。特賞外アウト球数は、アウト球数のうち、特賞時、確変時及び時短時のアウト球数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した回収信号の数に相当する。同様に、特賞外セーフ球数は、セーフ球数のうち、特賞時、確変時及び時短時のセーフ球数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した賞球信号の数に相当する。また、特賞外始動入賞数は、始動入賞数のうち、特賞時、確変時及び時短時の始動入賞数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した始動入賞信号の数に相当する。
【0130】
また、後述するように、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出して、算出された値を異常の判定に利用する。これらのベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率は、遊技装置成績DB502に常時格納しておいてもよいが、遊技場内部管理装置1が、その都度(営業日終了時等に)、前述した単位遊技情報に基づいて算出を行い、遊技装置成績DB502に格納するようにしてもよい。
【0131】
機種成績情報DB503は、遊技装置の機種毎に集計された機種成績データを格納するデータベースである。
【0132】
機種成績データは、前述した単位遊技情報を、同一機種に属する遊技機同士で集計したデータである。つまり、遊技装置成績DB502の遊技装置成績データを、同一機種に属するもの同士で集計したデータに相当する。そのため、遊技店に備えられた同一機種に属する全ての遊技装置が同じ釘調整をされているという前提があれば、機種成績データは、機種毎の特性を示す情報であると見なすことができる。この機種成績データは、遊技店に備えられる遊技装置の機種毎に集計された特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数を含む。これらのデータは、その機種について、当該機種に属する遊技装置4の遊技情報の合計値及び平均値を算出して、これを機種成績データとして機種成績情報DB503に格納する。
【0133】
例えば、遊技場内部管理装置1が、前述した単位遊技情報(または、遊技装置成績DB502)から指定された期間(例えば、1週間)分の遊技装置成績データを取得して、取得した遊技装置成績データを、機種毎に、平均値を算出する。この算出された平均値を機種成績データとして機種成績情報DB503に格納する。なお、前述したベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率も、機種毎に算出して機種成績情報DB503に格納しておく。これらのベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率は、機種装置成績DB503に常時格納しておいてもよいが、遊技場内部管理装置1が、その都度(営業日終了時等に)、単位遊技情報を用いて算出し、機種装置成績DB503に格納するようにしてもよい。
【0134】
なお、当該機種の平均的な機種成績データを予め実験的又は統計的に求めておき、この求めたデータを機種成績情報DB503に予め格納しておいてもよい。
【0135】
なお、図8(a)の例は、集計期間を「2003年3月1日〜2003年3月6日」として、機種名が「乙」となる各遊技装置毎に算出した遊技装置成績データが格納された、遊技装置成績DBを示す。
【0136】
また、図8(b)の例は、集計期間を「2003年3月1日〜2003年3月6日」として、機種名が「乙」となる機種の機種成績データが格納された機種装置DBを示す。
【0137】
遊技場内部管理装置1の異常遊技装置抽出手段602は、この遊技成績データのベース値、1分間あたりの入賞数(分当たり入賞数)及び特賞外セーフ率の偏差値を算出して、算出された偏差値が、機種成績データのベース球数、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率から大きく外れた値である場合は、その遊技装置に異常があるものとして抽出する。なお、図8の例は、大きく外れた値はなく、異常の原因と思われる遊技装置は抽出されない。
【0138】
遊技装置調整情報DB504は、遊技装置毎に、その遊技装置に対して実施した調整情報を格納するデータベースである。
【0139】
調整情報は、該当する遊技装置に対して実施した調整(例えば、入賞数や出球数が変わるような釘調整や、大当り確率が変わるような設定変更など)を、どの遊技装置に対して、いつ実施したかを示す情報、及び、その調整によって影響されるのはどの遊技情報であるかを示す情報を格納する。これらの調整によって、遊技者が遊技中に獲得できる賞球の数の期待値(単位アウト球数当たりに発生するセーフ球数)が決定される。
【0140】
図9は、遊技装置調整情報DB504に含まれる調整情報一例の説明図である。
【0141】
調整情報は、その調整を適用した日(調整を実施した直後の営業日)、調整を適用した台番号、調整箇所及びその調整によって影響が表れるデータを示す情報を含む。
【0142】
図9の例では、台番号「168」の遊技装置に対して「始動入賞」に関する調整を実行し、この調整が「2月28日」から適用されたことが示されている。また、この調整によって特賞外セーフ数を特賞外始動入賞数で除算した特賞外セーフ率に影響が表れることが示されている。
【0143】
なお、図9の例では、影響が表れるデータとして、ベース球数、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率を示しているが、遊技成績データ(特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数)や、遊技装置等からの遊技信号(回収信号、賞球信号、球貸信号又は精算球数信号)を、影響が表れるデータとして示してもよい。
【0144】
なお、これらの調整情報は、遊技装置にて調整作業を行う度に、遊技店の係員が遊技場内部管理装置1の入力装置110(図2参照)を使用して入力する。
【0145】
図10は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1で実行される誤差球監視処理のフローチャートである。
【0146】
まず、誤差球数(誤差値)について説明する。従来の技術において説明したように、遊技者に貸球として貸し出された球の総計と、遊技装置が遊技者に賞球として供与した球の総計とを全て合算した値Xと、遊技者が景品交換や貯球のために計数器へ持ち込んだ球の総計と、遊技装置が遊技者から回収した球(発射球)の総計とを全て合算した値Yと、は、必ずしも一致しない。このXとYの値の差を誤差球数と呼ぶ。
【0147】
なお、遊技店の稼動に比例して、毎日一定比率の誤差球数が発生することが経験則上知られており、一日の営業が終了した時点で予め予想されていた誤差球数が発生しても営業管理上はほとんど支障がない。しかしながら、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生すると、誤った遊技情報を収集することになって、想定範囲を外れた誤差球数が発生する。
【0148】
例えば、ある遊技装置の信号系統に異常が発生した場合は、その遊技装置の信号系統に異常が発生したときから継続して(日単位でデータを集計している場合は、二日異常連続して)誤差球の値に異常が生ずる。
【0149】
また、遊技装置に対して不正な操作が行われた場合には、その不正な操作が行われたとき(日単位でデータを集計している場合は、一日だけ)誤差球の値に異常が生ずる。
【0150】
そこで、本実施の形態は、以下のような処理によって誤差球数を算出し、算出された誤差球数が想定範囲であるか否かを判定し、誤差球数が想定範囲から外れる場合には、遊技装置から取得したデータの正当性を判定することによって、誤差球の異常の要因となった遊技装置に関する情報を、迅速に取得することが可能となる。
【0151】
遊技場内部管理装置1は、遊技店の営業時間終了後に、例えばオペレータによる指示によって本フローチャートに示す処理を開始する。
【0152】
まず、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績異常検出手段601は、営業時間内に停電が発生したか否かを判定する(ステップS101)営業時間内に停電が発生していた場合は、遊技店成績DB501のアウト球数の累積値を補正する(ステップS102)。
【0153】
停電が発生した場合は、遊技装置の遊技盤上に残っていた遊技球がそのまま落下してアウト口より排出されるが、排出されたときに回収球数計数装置4dの信号は、情報収集端末3が停電による停止状態のため計数できずこの遊技球は計測されない。そのため、停電が発生したときに遊技盤上に残っていた遊技球の数(予め定められた定数N個:実際は数個である)が誤差となってしまう。そのため、この誤差を解消すべく、停電が発生したときに稼働している遊技装置の台数と、定数N個とを掛け合わせた値を、遊技店成績DB501のアウト球数の累積値に加算して補正する。なお、停電の発生は、遊技場内部管理装置1が再起動した回数や、遊技場内部管理装置1に接続された他の装置、(例えばUPS(無停電電源装置))からの信号によって検出することができる。なお、Nは平均的な値のため、実際は実数で与えられる。
【0154】
次に、遊技店成績異常検出手段601は、当該営業日での誤差球数を算出する。誤差球数の算出は、遊技店成績DB501から取得したアウト球数累積値と貸球数累積値とを加算した値Aと、遊技店成績DB501から取得したセーフ球数累積値と精算数累積値とを加算した値Bとを算出し、これらの値AとBとの差分を算出する。この差分が誤差球数である(ステップS103)。
【0155】
次に、遊技店成績異常検出手段601は、遊技店成績DB501から取得したアウト球数累積値と算出した誤差球数とに基づいて、誤差球に異常があるか否かを判定する(ステップS104)。
【0156】
誤差球の異常は、その日の遊技装置全体の稼働率、すなわちその日の遊技店全体のアウト球数累積値に依存する。稼働率が高ければ誤差球数は増え、稼働率が低ければ誤差球数の数も小さい。そこで、アウト球数累積値に対して許容される誤差球の数を予め設定しておき、この設定値を超えた誤差球が発生しているときに、誤差球の異常があると検出する。本願発明の実施の形態では、例えば、アウト球数累積値1万あたりの誤差球数が所定の個数以上である場合に、誤差球の異常があると判定する。所定の個数は、例えば3個とする。
【0157】
次に、誤差球に異常があるか否かによって処理を分岐する(ステップS105)。誤差球に異常があると判定した場合は、ステップS106に進む。誤差球に異常がないと判定した場合は、その営業日には異常はないと判断して、誤差球監視処理を終了する。
【0158】
誤差球に異常があると判定した場合は、異常遊技装置抽出手段602は、機種成績情報DB503に格納されているデータを参照して、異常が発生している遊技装置を抽出する(ステップS106)。
【0159】
具体的には、まず、異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報から所定の集計期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した遊技装置成績データを、遊技装置成績DB502に格納する。なお、所定の集計期間とは、当該営業日のことである。
【0160】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出する。
【0161】
さらに、各機種毎に、前述した単位遊技情報から所定の集計期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した機種成績データを、機種成績DB503に格納する。この場合の所定の集計期間も当該営業日とする。
【0162】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数のそれぞれについて、機種全体での合計を算出する。そして、各々の合計を、当該機種に属する遊技装置の数で除算した平均値を算出する。そして、算出された平均値を、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率として機種成績DB503に格納する。
【0163】
次に、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値について、機種平均値(すなわち、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率)から大きく外れているものがあるかを判定する。機種平均値から大きく外れているものがある場合は、その遊技装置を異常として抽出する。
【0164】
具体的には、遊技装置の台番号毎に算出した遊技装置成績データから、機種平均値に基づいた偏差値を算出し、この偏差値が所定の範囲内とならない場合に、遊技装置成績データが機種平均値から大きく外れているものと判定して、異常な遊技装置を抽出する。例えば、後述する図11に示すように、「※」によって示されるベース値及び分当たり入賞数が機種平均値から大きく外れているので、この「※」によって示される「108」番台の遊技装置が異常な遊技装置として抽出される。
【0165】
なお、異常である遊技装置の抽出は、偏差値ではなく、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値と、機種平均値とを比較して、予め設定された閾値以上異なっているときに異常と判定してもよい。
【0166】
なお、本願発明の実施の形態では、中心が「0」となる偏差値を用いているので、偏差値の絶対値が大きくなるほど、機種平均値から大きく離れているものと見なされる。
【0167】
次に、情報出力手段603は、異常遊技装置抽出手段602によって異常として抽出された遊技装置の一覧を表示装置109に表示する(ステップS107)。
【0168】
このとき、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータは、異常として抽出された遊技装置の一覧を見て、集計期間を変更して異常抽出処理を再試行するか否かを決定し、入力装置110を介して入力する。
【0169】
オペレータが再試行することを決定した場合は、期間設定手段604は、オペレータが設定した期間情報を取得して、異常遊技抽出手段に期間情報を渡す(ステップS109)。そして、ステップS106に戻り、取得した期間情報に基づいて、異常の発生した遊技機の抽出処理を再度実行する。ただし、前述の集計期間を、当該営業日から、ステップS109でオペレータが設定した期間に置き換えて、ステップS106の処理を実行する。
【0170】
オペレータが再試行しないことを決定した場合は、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置調整情報DB504を参照して、異常が発生している遊技装置を抽出する(ステップS110)。
【0171】
具体的には、まず、異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報からデータを抽出して、過去の営業日毎の遊技装置成績データを算出し、遊技装置成績DB502に格納する(後述の図14参照)。
【0172】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、過去の営業日毎の、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)が、各遊技装置に対応してそれぞれ算出される。
【0173】
次に、遊技装置成績DB502に格納されている、営業日毎のベース値、分当たり入賞数、及び特賞外セーフ球数の中から、前回営業日よりも大きく値が変化しているものを抽出する。大きく変化しているか否かの判定は、前回営業日のデータ(または、前回営業日から所定日数遡った期間における日平均データ)との変化の割合が所定範囲に収まっているか否かで行う。
【0174】
このとき、大きく変化しているデータがある場合には、遊技装置調整情報DB504に格納されている調整情報との照合を行い、調整の影響でデータが変化しているものと見なされる場合は、抽出から除外する。調整の影響とは関係なくデータが変化していると見なされる場合は、抽出から除外しない。さらに、抽出から除外されないデータを有する遊技装置をリストアップしておく。
【0175】
ここで、調整の影響について説明する。図9に示す遊技装置調整情報DB504には、遊技装置の調整を施したことによりデータが変化することが予想される「調整適用日」と、調整が施された遊技装置を特定する「台番号」と、調整の結果として変化する恐れのあるデータの項目を示す「データへの影響」とが変化が格納されている。つまり、前回営業日よりも大きく値が変化しているデータと「調整適用日」及び「台番号」とが一致し、且つ「データへの影響」により変化の恐れが示される(「○」によって示されている)データである場合には、調整の影響でデータが変化しているものと見なすことができる。反対に、前回営業日よりも大きく値が変化しているデータと、「調整適用日」又は「台番号」とが一致しない場合、または、「データへの影響」により変化の恐れが示されない(「×」となっている)データである場合には、調整の影響でデータが変化しているものと見なされない。
【0176】
ここで、調整の影響に関係なくデータが変化している遊技装置を抽出する様子を、図14を用いて説明する。図14は、異常遊技装置抽出手段602によって、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報からデータを抽出して算出した、過去の営業日毎の遊技装置成績データが、遊技装置成績DB502に格納されている様子を示す。
【0177】
図14(a)は、台番号「151」の遊技装置の遊技装置成績データである。この遊技装置は、3月7日のベース値及び分当たり入賞数が、前日よりも大きく変化しているが、図9に示す調整情報において、「3月7日に151番台のベース値及び分当たり入賞数」が変化することを示しているので、このデータの変化には異常が認められない。従って、151番台の遊技装置は異常とならない。
【0178】
図14(b)は、台番号「152」の遊技装置の遊技装置成績データである。この遊技装置は、「※」によって示された3月7日のベース値及び特賞外セーフ率が前日よりも大きく変化しており、図9に示す調整情報においても、これらのデータが前日よりも大きく変化することは示されていない。従って、このデータの変化には異常が認められ、152番台の遊技装置は異常であるとして、リストアップされる。
【0179】
次に、情報出力手段603は、異常遊技装置抽出手段602によってリストアップ(抽出)された遊技装置の一覧を表示装置109に表示する(ステップS111)。その後、処理を終了する。
【0180】
以上のような処理によって、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績DB501及び遊技装置成績DB502を用いて、遊技成績に異常が発生した遊技装置を抽出することができる。
【0181】
次に、図7乃至図11を参照して、具体的な例を説明する。
【0182】
図7は、前述したように、遊技店成績DB501の一例であり、3月1日〜3月7日の各営業日毎に、遊技店における全ての遊技装置のアウト球数、全ての遊技装置のセーフ球数、全ての遊技装置の貸球数、及び、精算球数を示す。また、誤差球数と誤差球率とを含んでいる。これら各データは遊技店成績DB501に常時格納されているデータでもよいし、必要に応じて前述の単位遊技情報から取得したデータを加工したものでもよい。
【0183】
図10のステップS104で前述したように、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績異常検出手段601は、この遊技店成績DB501から取得した情報(アウト球数及び誤差球数)に基づいて、誤差球に異常があるか否かを判定する。本実施の形態では、遊技店成績異常検出手段601は、アウト球数1万あたり3個以上の誤差球数があった場合は、誤差球の異常と判定する。
【0184】
ここで、図7を参照する。図7の例は、遊技店成績データベースに含まれるデータのうち、営業日3月1日乃至3月7日の遊技店成績のデータを示す。
【0185】
ここで、各営業日の値に着目する。3月1日〜3月6日の遊技店成績データは、その何れも、アウト球数1万あたりの誤差球数は3個未満であるため、遊技店成績異常検出手段601は異常を検出しない。
【0186】
一方、3月7日のデータに着目すると、誤差球数が「5807」であり、アウト球数1万あたりの誤差球数が約6.1個となっている。従って、遊技店成績異常検出手段601は、3月7日のデータは誤差球異常があると判定する。
【0187】
次に図8を参照する。図8(a)の例は、遊技装置成績DB502の一例であり、「2003年3月1日〜2003年3月6日」となる期間を設定して、機種名「乙」に属する各遊技装置それぞれに対応して、集計された遊技装置成績データが格納されている。また、図8(b)の例は、機種成績DB503の一例であり、「2003年3月1日〜2003年3月6日」となる期間を設定して、機種「乙」に関して集計された機種成績データが格納されている。
【0188】
異常遊技装置抽出手段602は、前述した単位遊技情報から、異常遊技装置を抽出する期間に含まれているデータを抜き出して、遊技装置の台番号毎の遊技情報を生成し、遊技装置成績DB502に格納する。また、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出して、遊技装置成績DB502に格納する。
【0189】
さらに、異常遊技装置抽出手段602は、各機種毎に、前述した単位遊技情報から、異常遊技装置を抽出する期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した機種成績データを、機種成績DB503に格納する。
【0190】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数のそれぞれについて、機種全体での合計を算出する。そして、各々の合計を、当該機種に属する遊技装置の数で除算した平均値を算出する。そして、算出された平均値を、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率として機種成績情報DB503に格納する。
【0191】
異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎のベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率と、算出された機種平均値とを用いて、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれに関する偏差値を算出する。そして、算出された偏差値に基づいて、各遊技装置の中から異常があるものを抽出する。
【0192】
図8に示した例では、各遊技装置毎のベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率は、機種平均値に対して大きく外れた値はなく、偏差値の異常も判定しない。従って、「2003年3月1日〜2003年3月6日」の期間においては、異常の遊技装置は検出されない。
【0193】
図11は、異常遊技装置抽出手段602によって用いられる遊技装置成績DB502及び機種成績DBから集計されたデータの一例の説明図であり、異常のある遊技装置が含まれている例である。
【0194】
図11(a)の例は、遊技装置成績DB502の一例であり、「2003年3月7日」において、機種名「乙」に属する各遊技装置それぞれに対応して、集計された遊技装置成績データが格納されている。また、図8(b)の例は、機種成績DB503の一例であり、「2003年3月7日」にいて、機種「乙」に関して集計された機種成績データが格納されている。
【0195】
図11(a)では、遊技装置の台番号「108」のベース値が、平均値「20.42」から大きく外れた値となっており、この値に基づいて算出される偏差値も他の値から大きく外れる。また、遊技装置の台番号「108」の分当たり入賞数が、平均値「6.17」から大きく外れた値となっており、この値に基づいて算出される偏差値も他の値から大きく外れる。従って、異常遊技装置抽出手段602は、この遊技装置「108」を異常として抽出する。
【0196】
なお、異常遊技装置抽出手段602によって抽出された遊技装置を、情報出力手段603によって出力する態様には、様々な態様が考えられる。単に、異常を検出した遊技装置の台番号を一覧表示するだけでもよいが、異常原因の除去作業に有用な情報を、さらに出力することも考えられる。
【0197】
例えば、第2の実施形態として、異常な遊技装置を一覧表示すると同時に、当該遊技装置に関して異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を、さらに出力することも考えられる。
【0198】
図12(a)は、遊技場内部管理装置1の情報出力手段603によって出力される、異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を説明するための図である。図12(a)は、遊技装置から出力される各遊技信号の信号名と、その信号名によって値に影響が発生するデータ(「○」によって示されている)との対応を示している。
【0199】
例えば、ベース値に異常がある場合は、その遊技装置から送信された回収信号、賞球信号又は特賞信号に何らかの異常がある可能性があることが示されている。同様に、分当たり入賞数に異常がある場合は、その遊技装置から送信された回収信号又は始動入賞信号に何らかの異常がある可能性が示されている。同様に、特賞外セーフ率に異常がある場合は、その遊技装置から送信された賞球信号、始動入賞信号又は特賞信号に何らかの異常がある可能性が示されている。
【0200】
本実施形態では、異常遊技装置抽出手段602によって異常な遊技装置を抽出する際に異常を示した異常データが、ベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率の何れであるのかを記憶しておく。そして、情報出力手段603によって異常な遊技装置の一覧を出力する際に、異常データが生成される基になった遊技信号を合わせて示すように出力を行う。
【0201】
例えば、図11のように、ベース値及び分当たり入賞数が異常データであることに基づいて、108番台の遊技装置が異常な遊技装置として抽出された場合には、ベース値及び分当たり入賞数の双方が生成される基になった遊技信号は、回収信号と特賞信号であるので、「108番台に異常があると思われます。特に回収信号と特賞信号と調べてください」というようなメッセージを出力する。
【0202】
または、「108番台に異常があると思われます。ベース値と分当たり入賞数に異常がありましたので関連する遊技信号を調べてください」というようなメッセージを出力してもよい。このようなメッセージであっても、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータは、情報出力手段603によって出力された異常の内容と、この図12(a)の情報とを比較して、異常が発生した状況をより具体的に知ることができるからである。
【0203】
なお、本実施形態では、ベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率の何れが異常データとなったかによって、異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を出力しているが、他のデータを用いてもよい。この場合のデータは、遊技装置から出力される遊技信号を複数種類用いて生成されるデータ(複合的遊技装置成績データ)であることが好ましい。
【0204】
次に、遊技装置の異常原因の除去作業に有用な情報の出力としての、第3の実施形態を示す。
【0205】
異常遊技装置抽出手段602によって抽出された遊技装置は、遊技装置成績データが機種平均値よりも大きく乖離しているという要因で抽出される。そのため、時折、正常な遊技装置が、異常な遊技装置として抽出される恐れがあるが、疑わしい遊技装置であることは確かであるので、抽出された遊技装置に関しては点検を行う必要がある。本実施形態では、異常な遊技装置として抽出された遊技装置をランク付けして出力する。これによって、点検を行うべき遊技装置の優先順位が示され、異常原因の早期発見が期待される。
【0206】
図12(b)は、遊技装置成績データのベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値について、偏差値が大きい順に遊技装置をランク付けした情報である。
【0207】
前述のように、各遊技装置は、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率のそれぞれについて、偏差値を算出する。情報出力手段603は、この偏差が大きい順に遊技装置の台番号を並べ替えたデータとして表示する。
【0208】
このような表示によって、オペレータは、どの遊技装置がどれだけの異常であるかを把握することができる。また、異常として抽出された遊技装置のほか、異常とまではいえないまでもある程度の偏差値のズレが発生している遊技装置の傾向を知ることができる。そのため、遊技店の係員が、遊技装置の点検箇所の優先順位を認識することができるようになり、異常原因の早期発見に繋がる。
【0209】
次に、遊技装置の異常原因の除去作業に有用な情報の出力としての、第4の実施形態を示す。
【0210】
異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置成績データが機種平均値よりも大きく乖離しているという要因で、異常な遊技装置を抽出する。遊技装置成績データが機種平均値よりも乖離する原因としては、遊技信号等の異常が考えられるが、不正な遊技方法にて遊技装置で遊技を行った可能性も否定できない。本実施形態では、遊技装置成績データに異常が発生した原因が、遊技信号等の異常であるのか、不正な遊技であるのかを区別するための情報を出力する。
【0211】
図13は、遊技場内部管理装置1の情報出力手段603によって出力される情報の一例の説明図であり、さらに、各遊技装置の偏差値を、営業日毎に推移を示す情報である。
【0212】
図13に示した例は、遊技装置のベース値の偏差について、4月1日〜4月8日の期間のデータの推移を示すものある。
【0213】
図13(a)は、異常として抽出されない遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置は、大きく外れた偏差値がなく、異常として抽出されない。
【0214】
図13(b)は、誤差球の異常が発生したために異常として抽出された遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置の場合、4月1日乃至4月3日の偏差値は大きく外れた値がなく、異常として抽出されない。しかし、4月5日の偏差値は大きく外れた値となっており、異常であると抽出される。さらにこの偏差値の異常は、4月5日から4月8日まで継続している。このような場合は、当該遊技装置の出力する遊技信号の異常等が発生したことによって誤差球の異常が発生したと推測することができる。
【0215】
図13(c)は、不正行為があったために異常として検出された遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置の場合、4月4日の偏差値のみが大きく外れた値となっている。このような場合は、該当する営業日において、当該遊技装置に何らかの不正行為があったと推測することができる。
【0216】
つまり、遊技信号の異常等が発生した場合には、遊技装置成績データの異常が長期に渡って継続するのに対し、不正な遊技方法にて遊技を行った場合には、遊技装置成績データの異常が一時的に発生しても次の日からは元に戻るようなデータが示される。遊技店の係員は、遊技信号の異常等が原因であれば、遊技装置の信号系統を点検するという対策を取り、不正遊技が原因であれば、不正行為が行われないように監視するという対策を取ることができる。従って、本実施形態では、遊技装置成績データに異常が発生した原因が、遊技信号等の異常であるのか、不正な遊技であるのかを区別して、適切な対策を取ることができる。
【0217】
なお、本願においては、遊技機又はその周辺機器からの信号に関する不具合の検出等を可能にする管理装置に関して、前述の特許文献1から特許文献3における以下の課題を解決することも意図している。
【0218】
特許文献1に記載の従来技術のように、遊技店に設置された遊技機の各々に計数器を設けることにより、遊技機毎に誤差球を計数することができるようになり、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生した場合に、遊技機を特定できるようになる。しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、遊技機の各々に景品交換玉計数器を設置する必要があるので、設置コストが掛かりすぎるという問題があった。
【0219】
また、特許文献2に記載の従来技術のように、アウトメータの計数異常を監視する機能を設ければ、異常の発生したアウトメータを特定することはできる。しかしながら、アウトメータから管理装置までの信号線に異常があった場合には、異常個所を特定できないという問題があった。
【0220】
また、特許文献3に記載の従来技術のように、パチンコ台の特性に基づいて予測されるデータと、実際にカウントされたデータとの整合を監視することにより、当該データに関わる信号線の異常を監視して、信号線の断線や接続ミスなどを発見することはできる。しかしながら、特許文献3に記載の従来技術では、信号線の断線や接続ミスなどの発見しやすい異常ならばともかく、信号線の接触不良など潜伏しやすい異常原因を発見することは困難であると考えられる。
【0221】
そこで、遊技店の営業成績において極端な誤差球が発生した場合に、その異常原因となった遊技機や周辺設備を特定する作業を支援し、遊技成績に数値として現れにくく従来の技術では発見不能だった潜伏傾向の異常原因を特定することで、遊技店における遊技機管理に有用な管理装置を提供することを目的とした発明を開示する。その代表的なものとして、次のものを列記する。
【0222】
(1)遊技店に設置された遊技装置から収集した情報に基づいて遊技装置を管理する管理装置であって、遊技店における、遊技装置で用いられる遊技媒体に関わる累積値を含む遊技店成績データを記憶する遊技店成績記憶手段と、遊技装置毎の遊技成績に関する遊技装置成績情報を記憶する遊技装置成績記憶手段と、遊技成績の異常の有無を判定するための判定情報を記憶する異常判定情報記憶手段と、遊技店成績記憶手段に記憶された遊技店成績情報に含まれる二以上の累積値の相関関係の異常の有無を判定する遊技店成績異常判定手段と、遊技店成績異常判定手段によって各累積値の相関関係に異常があると判定された場合に、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出する異常遊技装置抽出手段と、異常遊技装置抽出手段によって抽出された遊技装置に関する情報を出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする管理装置。
【0223】
(2)前記遊技店成績データは、前記遊技店における、遊技者に貸し出した遊技媒体の総数である貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体の総数である計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の総数である使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体の総数である獲得累積値、の少なくとも二つを含むことを特徴とする(1)に記載の管理装置。
【0224】
(3)相関関係は、貸出累積値及び獲得累積値の合算値と、使用累積値及び計数累積値の合算値との差である誤差値を含み、遊技店成績異常判定手段は、使用累積値に対する誤差値の割合が所定範囲外である場合に、相関関係に異常があると判定することを特徴とする(2)に記載の管理装置。
【0225】
(4)遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報は、同一の機種に属する遊技装置毎の遊技成績を含み、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、同一の機種に属する遊技装置の遊技成績を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された、判定情報に含まれる機種毎の遊技成績との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(1)から(3)の何れか一つに記載の管理装置。
【0226】
(5)遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技成績情報のうち、異常遊技装置抽出手段による比較の対象とする期間を設定する期間設定手段を備え、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、同一の機種に属する遊技装置の遊技成績のうち、設定された期間に限定された遊技成績を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績のうち、設定された期間に限定された遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報のうち、設定された期間に限定された遊技成績との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(4)に記載の管理装置。
【0227】
(6)遊技装置は、遊技において遊技者に獲得させる遊技媒体の数の期待値を調整可能であり、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、遊技装置に対して実行した調整に関する情報である調整情報を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報に含まれる調整情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(1)から(3)の何れか一つに記載の管理装置。
【0228】
(7)遊技装置は、一又は複数の信号線を用いて、信号線のそれぞれに対応する信号を出力し、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技成績は、何れの信号に基づいて算出されたかを示す複合的遊技成績情報を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出し、情報出力手段は、複合的遊技成績情報に基づいて、抽出された遊技装置の遊技情報を算出する基となった信号線を特定可能な情報を出力することを特徴とする(1)から(6)の何れか一つに記載の管理装置。
【0229】
(1)の発明によれば、遊技店における遊技装置で行われる遊技に用いられる遊技媒体に関わる累積値の相関関係の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【0230】
(2)の発明によれば、遊技店における貸出累積値、計数累積値、使用累積値、又は、獲得累積値の各々の相関関係の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【0231】
(3)の発明によれば、遊技装置の稼動が多い場合に増加するこぼれ玉等の量を考慮して、誤差玉が適正量であるか否かを判定するので、遊技装置の稼動や遊技装置の台数などの影響を誤差値から排除して、精度の高い異常判定ができる。
【0232】
(4)の発明によれば、遊技装置の機種毎の固有の要素と、遊技装置成績データとを比較して異常を判定するので、異常判定のための条件が、機種に固有な要素として自動的に生成されることになる。そのため、異常判定のための人為的な作業をほとんど必要とせずに、潜伏している異常要因を発見することができる。
【0233】
(5)の発明によれば、遊技装置成績データの異常の有無の判定の比較対象となる遊技装置成績データの期間を自在に設定できるので、データ数の少なさにより発生する誤差を補正することができる。
【0234】
(6)の発明によれば、調整が行われていない期間において変化するはずのない遊技装置成績データの情報を用いて、遊技装置の異常を検出するので、潜伏している異常要因を早期に発見することができる。
【0235】
(7)の発明によれば、複合的遊技装置成績データの異常があった場合に、その異常の原因となった遊技信号の種類を知ることができ、異常原因の除去作業に有用な情報を得ることができる。
【0236】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0237】
1 遊技場内部管理装置
2 中継端末装置
3 情報収集端末装置
4 遊技装置
4a 遊技機
4b 球貸ユニット
4c 補給数計数装置
4d アウトタンク
5 遊技媒体計測装置
601 遊技店成績異常検出手段
602 異常遊技装置抽出手段
603 情報出力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に販売された設備を管理する管理装置に関し、特に遊技機又はその周辺機器からの信号に関する不具合の検出等を可能にする管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各遊技機毎に使用される遊技媒体の収支を管理して、各遊技機毎に異常の発生を監視することを目的とした管理システムがある。例えば、各遊技機毎に、玉貸装置、玉補給装置を設けるとともに、貸玉計数器、アウト玉計数器、補給玉計数器、景品交換玉計数器を設け、各遊技機をそれぞれ制御するコントロールユニットに、各計数器における計数値を演算するための演算手段と、演算結果に基づいて各遊技機における異常発生の有無を判断するための判断手段を設けたものが知られている(例えば、特許文献1。)。
【0003】
また、アウトメータの異常に対処することを目的とするパチンコ機管理装置がある。例えば、アウトメータからアウト信号が入力したときは、タイマをスタートし、次のアウト信号が入力したときに、タイムアップしているかを判断する管理装置であって、タイマがカウントアップしている場合はアウトメータが正常であると判断してタイマをリスタートし、タイマがカウントアップしていない場合はアウトメータが異常であると判断して報知を行うものが知られている(例えば、特許文献2。)。
【0004】
また、信号線の切断や未接続といった不具合だけでなく、誤接続等も検出することを目的とした遊技台信号管理装置がある。例えば、主制御部が、パチンコ台からの各種信号(入賞信号や大当たり信号等)の発生回数をカウントし、パチンコ台の特性に基づき予測される各種信号の発生予測データとカウントされた各種信号の発生状況とを対比して各種信号の発生状況の異常を判断する遊技台信号管理装置であって、その判断情報に基づいて、信号線の未接続又は断線、或いは誤接続についての推論情報を生成し、判断情報及び推論情報をLCD表示部やランプ表示部に出力して係員に知らせるものが知られている(例えば、特許文献3。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−128504号公報
【特許文献2】特開2004−223129号公報
【特許文献3】特開平10−328391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技者に貸球として貸し出された球の総計と、遊技機が遊技者に賞球として供与した球の総計とを全て合算した値Xは、遊技店から遊技者に供与された球の数の全てとなる。また、遊技者が景品交換や貯球のために計数器へ持ち込んだ球の総計と、遊技機が遊技者から回収した球(発射球)の総計とを全て合算した値Yは、遊技者から遊技店に供与された球の数の全てとなる。そして、一日の営業が終了した時点で、このXとYの値が等しくなるのが理想であるが、現実には遊技中に床にこぼれてしまった球や、遊技装置の裏側の補球流路やアウトタンク等からこぼれてしまった球等があり、この球の数はX又はYの何れか一方だけにしか計数されないので、必ずしもXとYとの値は一致しない。
【0007】
このXとYの値の差は一般に誤差球といわれる。この誤差球は、遊技店の稼動に比例して、毎日一定比率の誤差球が発生することが経験則上知られている。従って、一日の営業が終了した時点で予め予想されていた数の誤差球が発生しても、営業管理上はほとんど支障がない。
【0008】
しかしながら、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生すると、誤った遊技情報を収集してしまい、誤った遊技情報を元に誤差球を計数してしまう場合がある。この場合、遊技店の営業管理が不正確になってしまうので、故障の発生した遊技機を発見して修理する必要があったが、遊技店には多数の遊技機が設置されており、その中から故障した遊技機を発見するには容易ではなかった。
【0009】
また、遊技装置に対して、遊技店が想定していないような不正な操作が行われた場合には、遊技装置の制御装置が賞球としてカウントした球と不正な操作を行った遊技者が獲得した球とが一致しない可能性がある。
【0010】
そこで、特許文献に記載の従来技術のようにすることが考えられるが、これらの従来技術では異常箇所を特定したり、信号線の接触不良など潜伏しやすい異常原因を発見したりすることは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、遊技店の営業成績において異常原因となった遊技機や周辺設備を特定する作業を支援し、遊技成績に数値として現れにくく従来の技術では発見困難だった潜伏傾向の異常原因を特定することで、遊技店における遊技機管理に有用な管理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、前記情報出力手段は、前記異常がある遊技装置に関する情報と、異常の原因を示す情報とをリスト形式で出力することを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記複数の遊技情報には、遊技者に貸し出した遊技媒体を示す貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体を示す計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体を示す使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を示す獲得累積値を含み、前記異常遊技装置抽出手段は、前記貸出累積値及び前記獲得累積値の合算値と、前記使用累積値及び前記計数累積値の合算値との相関関係に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技装置から収集した複数の遊技情報を集計した遊技装置成績データに異常がある遊技装置に関する情報を出力するので、遊技店における遊技装置の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が異常の度合いによって順位付けして提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の情報収集端末装置に設けられたマイクロプロセッサの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の遊技装置の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の遊技機の遊技制御装置を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態の遊技店成績DBの一例の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態の遊技装置成績DB及び機種成績情報DBに含まれるデータの一例の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態の遊技装置調整情報DBに含まれる調整情報の一例の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態の誤差球監視処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態の遊技店成績DBの一例の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【図13】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【図14】本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置の情報出力手段によって出力される情報の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
【0019】
遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)1及び中継装置(ルータ)2が接続されている。遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成されている。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
【0020】
遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技装置4から遊技情報を収集して、各遊技機4a(図4)の動作状態を監視する。また、遊技装置4から収集した遊技情報を、データベース(DB)に格納する。また、遊技媒体計数装置5から収集した精算球数を、データベースに格納する。
【0021】
中継装置2は、遊技場内の島設備毎に設けられており、当該島設備に設置された各情報収集端末装置3からの情報を中継して、当該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継装置2は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置してもよい。
【0022】
情報収集端末装置3には、遊技装置4が接続されている。情報収集端末装置3は、遊技装置4から遊技信号を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、遊技装置4から出力される回収信号又は賞球信号に基づいて算出されるアウト球数又はセーフ球数の累積値等)を生成する。そして、当該累積値に基づいて遊技装置4の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場内部管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
【0023】
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前及び午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、1週間)に渡るものとしてもよい。
【0024】
なお、複数(例えば、2台)の遊技装置4に対して1台の情報収集端末装置3を接続する構成でもよい。
【0025】
遊技装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機4aに球貸ユニット4b、補給数計数装置4c、回収数計数装置4d及び会員端末4e等の周辺装置が付加されて構成されている(図4)。なお、遊技機4aから、後述する賞球信号及び球貸信号を出力するように構成した場合は、補給数計数装置4cを設ける必要はない。遊技機4aは遊技制御装置400を中心とする各種制御装置を備え、特図変動表示ゲームを実行する。
【0026】
また、内部ネットワークには、遊技媒体計数装置5が接続されている。遊技媒体計数装置5は、遊技装置4によって遊技者に払い出された遊技媒体の数を計数する装置である。計数された精算球数は、遊技場内部管理装置1に送られる。
【0027】
本実施の形態では、情報収集端末装置3からの情報を中継する中継装置2を島設備毎に設けたが、中継装置2を設けることなく、情報収集端末装置3を内部ネットワークに直接接続するように構成してもよい。また、情報収集端末装置3の代わりにリモートIOを置き、中継装置2の代わりに複数の遊技装置4に対応する情報収集端末装置3を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技管理システムにも対応することができる。
【0028】
図2は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0029】
遊技場内部管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)104が設けられている。
【0030】
RAM103は、各種データ(例えば、遊技店成績データ、遊技装置成績データ、機種成績情報データ及び遊技装置調整情報データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。従って、後述するHDD104に格納された各種のデータベースの値が、RAM103に記憶される場合もある。
【0031】
これらのCPU101、ROM102、RAM103及びHDD104は、バス105によって接続されている。バス105は、CPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
【0032】
CPU101は、ROM102に格納されているプログラムを読み込んで、それぞれのプログラムに規定された処理を実行する。これによって、遊技場内部管理装置1が、遊技店成績異常検出手段601、異常遊技装置抽出手段602、情報出力手段603及び期間設定手段604(図6)として機能する。
【0033】
HDD104は、単位遊技情報を格納する。単位遊技情報とは、アウト球数、セーフ球数、特賞回数などの遊技情報を、遊技装置毎かつ営業日毎に集計して記憶したデータであり、遊技場内部管理装置1で行われる演算処理の基本となるデータである。この単位遊技情報を遊技店全体で集計すれば、遊技店における終日の遊技情報(例えば、遊技店全体の売上等)を算出することができる。また、この単位遊技情報を機種別に集計すれば、機種毎の遊技情報(例えば、特定機種の大当り回数等)を算出することができる。また、営業日毎に集計すれば、営業日毎の遊技情報(例えば、○月○日の稼動率等)を算出することができる。従って、単位遊技情報だけを保持しておけば、演算によって他の遊技情報が自在に算出できるようになっている。
【0034】
また、HDD104は、各種のデータベース(遊技店成績DB501、遊技装置成績DB502、機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504(図6))を格納する。前述したように、これらのデータベースの値は、RAM103に格納される場合もあるので、HDD104及びRAM103によって、遊技店成績記憶手段、遊技装置成績記憶手段及び異常判定情報記憶手段が構成される。
【0035】
また、バス105には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106、I/Oポート107及び外部ネットワーク通信ポート108が接続されている。
【0036】
ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。
【0037】
I/Oポート107には、遊技装置4から収集したデータや、遊技場内部管理装置1の稼動状態を表示するディスプレイや、遊技機4aにおける特賞発生を報知するスピーカによって構成される出力装置109が接続される。また、I/Oポート107には、遊技場内部管理装置1の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)110が接続される。
【0038】
外部ネットワーク通信ポート108は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられた外部ネットワークと接続されている。よって、遊技場内部管理装置1は、外部ネットワークに接続された遊技場外部の機器と通信をすることができる。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3に設けられたマイクロプロセッサ300の構成を示すブロック図である。
【0040】
情報収集端末装置3は、マイクロプロセッサ300、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられている。
【0041】
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307が接続されている。
【0042】
RAM305は、各種データ(例えば、通常時データ又は特賞中データ等)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
【0043】
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技機4aの台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶している。
【0044】
EEPROM306のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM307には、遊技信号の収集に用いられるプログラムが記憶されている。
【0045】
また、コモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308及びI/Oポート309が接続されている。
【0046】
ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して中継装置2が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場内部管理装置1と信号(データ信号、指令信号)を送受信する。
【0047】
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されている。この外部入出力端子には、遊技機4aから出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、周辺装置(補給数計数装置4c及び回収数計数装置4d)から出力される補給信号及び回収球信号等の遊技信号(図4)が入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号は、通信ポート310と、遊技機4aの遊技制御装置400に備えられた遊技用マイクロコンピュータ401とで直接通信することで受信することもできる。
【0048】
通信ポート310は、遊技機4aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ401の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート310は、遊技機4aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続されている。
【0049】
プロセッサには、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵されている。
【0050】
遊技装置4から情報収集端末装置3に遊技信号が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技装置4の稼動状態を判定する。遊技情報の累積値は、RAM305に一定期間記憶され、例えば営業日の終了時に、当該累積値を、情報収集端末装置3がネットワーク通信ポート308から出力して、遊技場内部管理装置1に送信する。
【0051】
図4は、本発明の実施の形態の遊技装置4の説明図である。
【0052】
遊技装置4は、遊技機4a、球貸ユニット4b、補給数計数装置(補給数計数手段)4c及び回収数計数装置(回収数計数手段)4dより構成される。
【0053】
遊技機(パチンコ遊技機)4aの前面枠11は、本体枠(外枠)12にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられる。前面枠11には、裏面に取り付けられた収納フレームに遊技盤14が収装される。遊技盤14の表面には、ガイドレール15で囲われた略円形状の遊技領域16が形成される。
【0054】
遊技領域16には、可変表示装置17が設けられるセンターケース18がほぼ中央に配置される。可変表示装置17は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示画面が構成される。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(装飾図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中及び右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示又はエンディング表示等)が表示される。
【0055】
可変表示装置17の左右上方及び前面枠11の左右上方には、装飾用ランプやLED等からなる装飾装置19が設けられる。装飾装置19は、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機4aの状態に応じて発光する。
【0056】
センターケース18の左右には、それぞれ方向転換部材20及び一般入賞口21が配置される。また、センターケース18の直下には、普通変動入賞装置(普通電動役物)22を備えた始動入賞口23が設けられる。始動入賞口23は、通常は、閉鎖した普通変動入賞装置22によって、遊技球の入賞可能性が狭められている。
【0057】
始動入賞口23の直下には特別変動入賞装置(大入賞口)24Bが設けられ、特別変動入賞装置24Bの直下には特別変動入賞装置24Aが設けられる。また、始動入賞口23の左右には、普通図柄始動ゲート25が設けられる。
【0058】
特別変動入賞装置24Aの左側には、特図変動表示ゲームの特別図柄の変動表示及び特別図柄入賞記憶数を表示する特図表示器26が設けられる。特図表示器26には、特図表示部26A及び特図記憶表示部26Bが設けられる。また、特別変動入賞装置24Aの右側には、普図変動表示ゲームが実行され、又は、普通図柄入賞記憶数を表示する普図表示器27が設けられる。普図表示器27には、普図表示部27A及び普図記憶表示部27Bが設けられる。
【0059】
遊技機4aでは、打球発射装置(図示省略)から遊技領域16に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域16内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材20によって転動方向を変えながら遊技領域16を流下する。そして、一般入賞口21、始動入賞口23又は特別変動入賞装置24A、24Bに入賞するか、遊技領域16の最下部に設けられたアウト口28から排出される。
【0060】
一般入賞口21への遊技球の入賞は、これらの一般入賞口21に備えられた入賞口センサ54.1又は54.2(図5)によって検出される。
【0061】
始動入賞口23への遊技球の入賞は、特図始動入賞口センサ51(図5)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特図記憶表示部26Bに表示される。遊技制御装置400は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特図表示部26Aにて特図変動表示ゲームを行う。
【0062】
始動入賞口23へ遊技球の入賞があると、可変表示装置17では、前述した数字等で構成される装飾図柄(識別情報)が順に変動表示して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、可変表示装置17では、特図表示部26Aの表示に対応する装飾図柄の変動表示が行われる。特図表示部26Aは、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に通知する役割を有し、可変表示装置17は、興趣向上のために多様な表示を演出する役割を有する。
【0063】
始動入賞口23への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当り値であるとき)には大当り遊技状態となり、表示図柄が特定の結果態様を導出する。具体的には、特図表示部26Aは、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、可変表示装置17は、三つの装飾図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。
【0064】
このとき、特別変動入賞装置24Aが、大入賞口ソレノイド55A(図5)への通電によって、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置24Aが所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。なお、本実施の形態では、特別変動入賞装置24Bは作動しない。
【0065】
この特別変動入賞装置24Aが開状態に変換されてから所定の時間後に閉状態に変換されるまでの動作を開放動作といい、当該一回の開放動作を1ラウンドとする。そして、一回の大当り遊技状態で、複数ラウンドの開放動作が実行される。なお、一回の大当り遊技状態で実行される開放動作のラウンド数(作動回数)は、必ずしも一定ではない。つまり、抽出された特別図柄乱数カウンタ値によって、異なったラウンド数(本実施の形態では、5ラウンド又は15ラウンドの何れかが選択される。)の開放動作が実行される。
【0066】
特別変動入賞装置24A又は24Bへの遊技球の入賞は、カウントセンサ52.1又は52.2(図5)によって検出される。
【0067】
普通図柄始動ゲート25への遊技球の通過は、普図始動ゲートセンサ53(図5)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普図記憶表示部27Bに表示される。
【0068】
普通図柄始動ゲート25を遊技球が通過すると、遊技制御装置400は普通図柄入賞記憶に基づいて普図表示器27で普図変動表示ゲームが開始される。すなわち、普通図柄始動ゲート25への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当り値であるときには)には当り状態となり、普図表示部27Aに表示される普通図柄が当り図柄で停止する。
【0069】
このとき、始動入賞口23の上部に設けられた普通変動入賞装置22は、普通電動役物ソレノイド22A(図5)への通電によって、始動入賞口23への入口が所定の時間だけ拡開するように変換される。普通変動入賞装置22がこのように変換されることによって、始動入賞口23への遊技球の入賞可能性が高められる。
【0070】
前面枠11の下部の開閉パネル29には、遊技球を打球発射装置に供給する上皿30が配設される。また、前面枠11の下部の固定パネル31には、下皿32及び打球発射装置の操作部33等が配設される。
【0071】
一般入賞口21、始動入賞口23及び特別変動入賞装置24A又は24Bに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、遊技機4a内部に設けられた払出ユニット(図示省略)から上皿30又は下皿32に排出される。
【0072】
上皿30の外面には、遊技機4aに隣接して設けられる球貸ユニット4bの操作パネル34が形成される。操作パネル34には、プリペイドカードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、遊技球の貸出を指令する球貸スイッチ35、及び、プリペイドカードの返却を指令するカード返却スイッチ36が設けられる。
【0073】
球貸ユニット4bは、中央にプリペイドカード挿入口37が設けられる。遊技者が券売機で購入したプリペイドカードをプリペイドカード挿入口37に挿入すると、当該プリペイドカードが保有する有価価値に相当する度数が、カード残高表示部に表示される。そして、球貸スイッチ35の操作により遊技者から遊技球の貸出要求があると、相当する数の遊技球が上皿30に排出される。
【0074】
また、カード返却スイッチ36の操作により遊技者からプリペイドカードの返却要求があると、プリペイドカードに残度数高があれば、プリペイドカード挿入口37からプリペイドカードが排出される。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、球貸ユニット4b内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
【0075】
会員端末4eは、表示装置38、操作部39及びカード読取部40を備えている。
【0076】
表示装置38は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示部が構成される。表示装置38には、過去の稼動状況(大当り遊技回数やスタート回数等)、各会員の遊技履歴、及び、遊技場から遊技者に通知される情報等が表示される。
【0077】
操作部39は、表示装置38の表示内容を切り替える操作スイッチ等によって構成される。なお、操作部39を表示装置38と一体に設けたタッチパネルで構成してもよい。
【0078】
カード読取部40で遊技者が保有する会員カードが読み取られると、会員端末4eに備えられたカードリーダ/ライタによって、読み取られた会員カードから会員IDが特定される。会員IDは、会員端末4eから遊技場内部管理装置1へ出力され、会員である遊技者の個人情報が読み出される。
【0079】
次に、遊技装置4が出力する遊技信号について説明する。
【0080】
遊技機4aに設けられた盤用外部情報56(図5)から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300のI/Oポート309には、遊技信号が入力される。
【0081】
遊技機4aは、始動入賞口23に遊技球が入賞すると、その入賞毎に「始動入賞信号」を遊技信号として出力する。また、この遊技球の入賞によって特図変動表示ゲーム(補助遊技)が開始すると、特図変動表示ゲームが開始される毎に「スタート信号」を遊技信号として出力する。
【0082】
また、遊技機4aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りのときは、大当り遊技状態(特別遊技状態)中だけオンになるパルス信号である「特賞信号」を遊技信号として出力する。その結果、遊技機4aで一回の大当り遊技状態が発生する毎に、1パルスのパルス信号が情報収集端末装置3に出力される。
【0083】
また、遊技機4aは、一般入賞口21、始動入賞口23又は大入賞口24A、24Bに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、払出ユニットから上皿30に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。
【0084】
また、遊技機4aは、大当り遊技状態が確変図柄による大当りのときは、当該大当り遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態)中に、「確変信号」を遊技信号として出力する。
【0085】
また、遊技機4aから出力される遊技信号には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報56から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
【0086】
また、遊技機4aは、遊技機4aに固有の情報として遊技用マイクロコンピュータ401が備えるチップID、遊技機4aのメーカを特定するメーカコード、遊技機4aの機種を特定する機種コード及びプログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)を機種特定情報として出力する。
【0087】
なお、遊技信号を、遊技用マイクロコンピュータ401から情報収集端末装置3の通信ポート310に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿することで、盤用外部情報56から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値等)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
【0088】
球貸ユニット4bは、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技信号として出力する。
【0089】
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、これらの信号に対応する遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。また、遊技情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信してもよい。この累積値は、例えば、所定時間経過毎、大当り遊技状態発生等のイベント時、遊技場内部管理装置1からのポーリングの応答時、又は、遊技場の営業終了後に送信される。
【0090】
また、遊技機4aが設置される島設備には、遊技機4a(球貸ユニット4bから貸球が排出される場合は、遊技機4a及び球貸ユニット4b)に遊技球を補給する補給路と、遊技機4aからアウト球を回収する回収路とを備えた補給回収機構が設けられる。
【0091】
補給数計数装置4cは、遊技機4aに補給された球数を計数する。回収数計数装置4dは、遊技機4aから回収されたアウト球数、つまり、遊技者が遊技機4aの遊技領域に発射した球数を計数する。補給数計数装置4cは補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。回収数計数装置4dはアウト球の計数結果であって、遊技者が遊技に使用した遊技球の数を示す「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技信号として出力する。なお、補給数計数装置4c及び回収数計数手段4dは、遊技機4aに設けてもよい。
【0092】
この補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dは、情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dから出力される遊技信号に対応する遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。
【0093】
具体的には、情報収集端末装置3は、遊技装置から送信された回収信号の総数をアウト球数とし、遊技装置から送信された賞球信号の総数をセーフ球数とし、遊技装置から送信された始動入賞信号の総数を始動入賞数とし、遊技装置から送信された特賞信号の総数を特賞回数として計数する。また、情報収集端末装置3は、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した回収信号の総数を特賞外アウト球数とし、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した賞球信号の総数を特賞外セーフ球数とし、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した始動入賞信号の総数を特賞外始動入賞数として計数し、遊技装置の成績データとして遊技装置の状態に応じたデータに区分けして成績データとして集計する。また、特賞状態や確変状態における回収信号、賞球信号、始動入賞数なども必要に応じて区分して集計する。なお、情報収集端末装置3は、回収信号、補給信号及び球貸信号を遊技機4aから直接収集してもよい。
【0094】
図5は、本発明の実施の形態の遊技機4aの遊技制御装置400を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
【0095】
遊技制御装置400は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ401、入力インターフェース402、出力インターフェース403から構成されている。
【0096】
遊技用マイクロコンピュータ401には外部通信端子404が設けられている。外部通信端子404は、遊技用マイクロコンピュータ401に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子404に検査装置や遊技場内部管理装置1を接続することで、遊技場内部管理装置1が遊技機4aを識別することができる。
【0097】
遊技用マイクロコンピュータ401は、入力インターフェース402を介しての各種検出装置(特図始動入賞口センサ51、カウントセンサ52.1、52.2、普図始動ゲートセンサ53及び入賞口センサ54.1、54.2)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
【0098】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して遊技領域16に設けられた特図表示器26(特図表示部26A、特図記憶表示部26B)及び普図表示器27(普図表示部27A、普図記憶表示部27B)に各種情報を出力する。
【0099】
特図表示部26Aには、特図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、特図記憶表示部26Bには、特別図柄入賞記憶数表示を出力する。
【0100】
普図表示部27Aには、普図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、普図記憶表示部27Bには、普通図柄入賞記憶数表示を出力する。
【0101】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して、各従属制御装置(排出制御装置410及び表示制御装置420)、普通電動役物ソレノイド22A、大入賞口ソレノイド55A及び55B等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
【0102】
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、盤用外部情報56を介して、遊技場内部管理装置1に遊技機4aに関する情報を出力する。
【0103】
排出制御装置410は、遊技制御装置400からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、球貸ユニット4bからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
【0104】
遊技制御装置400から表示制御装置420には、表示制御指令信号として特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当りコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
【0105】
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されていない状態である。特別遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果として大当りが発生し、特別遊技(大当り遊技)が実行されている状態である。
【0106】
特図変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、特図変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、特図変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当りコマンドは、特別遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示、特別遊技状態中のラウンド間表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
【0107】
表示制御装置420は、これらのコマンドによって、遊技制御装置400が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
【0108】
音制御装置430は、表示制御装置420からの音制御指令信号に基づいて、遊技機4aに設けられたスピーカ57から出力される効果音を制御する。
【0109】
装飾制御装置440は、表示制御装置420からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠11に設けられたLED又は装飾用ランプ等の装飾装置19を制御する。
【0110】
表示制御装置420には出力インターフェースが設けられている。出力インターフェースには可変表示装置17が接続されており、出力インターフェースを介して可変表示装置17に信号を出力する。
【0111】
可変表示装置17は、表示制御装置420からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
【0112】
遊技機4aの電源装置(図示省略)は、電源回路のほかに、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置400等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置400は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置400等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報や遊技制御情報)等をバックアップする。
【0113】
なお、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420とは別個に設けたが、音制御装置430や装飾制御装置440を表示制御装置420に含めて、音制御装置430及び/又は装飾制御装置440を表示制御装置420と一体に構成してもよい。また、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420に接続せずに、遊技制御装置400に直接接続するように構成してもよい。
【0114】
図6は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1の機能ブロック図である。
【0115】
遊技場内部管理装置1は、CPU101がROM102に格納されたプログラムを実行することによって、遊技店成績異常検出手段601、異常遊技装置抽出手段602、情報出力手段603及び期間設定手段604として機能する。また、HDD104は、各種のデータベース(遊技店成績DB501、遊技装置成績DB502、機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504)を格納する。
【0116】
遊技店成績異常検出手段601は、遊技店成績DB501に格納されているデータを参照して誤差球を算出し、誤差球に異常が発生しているか否かを判定する。
【0117】
異常遊技装置検出手段は、遊技店成績異常検出手段が誤差球に異常が発生していると判定したときに、遊技装置成績DB502に格納されているデータ及び異常判定情報(機種成績情報DB503及び遊技装置調整情報DB504に格納されているデータ)501を参照して、遊技成績に異常の可能性がある遊技装置を抽出する。また、期間設定手段604によって設定された期間情報から、参照するデータの期間を限定して、遊技成績の異常を抽出することもできる。
【0118】
情報出力手段603は、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータに、遊技成績に異常の可能性がある遊技装置の情報を出力する。また、遊技装置の情報だけでなく、遊技装置の出力する遊技信号のうち、どの信号が異常の原因となっているかを示す情報を出力してもよい。また、異常が発生している遊技装置を、異常の度合いによって順位付けして、この順に付けされた情報をリスト形式で表示してもよい。また、異常が発生している状態を、異常の発生順に時系列によって表示してもよい。なお、情報出力手段603は、遊技場内部管理装置1に接続されている出力装置109によって情報を出力するが、この出力装置109は、前述のようにディスプレイ装置であってもよいし、プリンタ装置等から帳票形式で出力することによって情報を出力してもよい。
【0119】
遊技店成績DB501は、遊技店に備えられている全ての遊技装置4の遊技情報及び遊技媒体計数装置5の計数情報に基づいた遊技店成績データを格納するデータベースである。
【0120】
遊技装置4に接続された情報収集端末装置3は、遊技装置のアウト球数、遊技装置のセーフ球数及び遊技装置の貸球数を集計して、営業日終了時にこれらの集計結果を遊技場内部管理装置1に送信する。また、遊技媒体計数装置5は、その営業日の全ての精算球数の累積値を遊技場内部管理装置1に送信する。
【0121】
遊技場内部管理装置1は、これらの取得した情報を、前述した単位遊技情報としてHDD104(図2参照)に格納し、さらに、その営業日の最終結果となる、全ての遊技装置のアウト球数の累積値(使用累積値)、全て遊技装置のセーフ球数の累積値(獲得累積値)、全ての遊技装置の貸球数の累積値(貸出累積値)、及び全ての遊技媒体計数装置の精算球数の累積値(計数累積値)を算出して、遊技店成績データとして遊技店成績DB501に格納する。
【0122】
なお、アウト球数は、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の使用数の累積値である。アウト球数は、遊技装置4のアウトタンク4dから送信された回収信号によって計数される。セーフ球数は、入賞等によって遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体の獲得数の累積値である。セーフ球数は、遊技装置から送信された賞球信号によって計数される。貸球数は、遊技場において遊技者に貸し出した遊技媒体の貸出数の累計値である。貸球数は、遊技装置4の球貸装置4bから送信された球貸信号によって計数される。精算球数は、景品交換や貯球を行うために、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を、計数手段である遊技媒体計測装置5によって計数した結果の累積値であり、遊技媒体計数装置5からの信号によって計数される。
【0123】
なお、遊技店成績DB501は、全ての遊技装置の累積値となるアウト球数、セーフ球数及び貸球数を、常時格納していなくてもよい。例えば、前述した単位遊技情報となるアウト球数、セーフ球数及び貸球数のデータを常時格納しておき、必要に応じてこれらのデータを集計することにより、遊技店成績DB501をその都度生成するようにしてもよい。つまり、遊技場内部管理装置1が遊技店成績DB501に含まれるデータを必要とするときに、単位遊技情報に基づいて、全ての遊技装置の値を加算した累積値を算出するようにしてもよい。
【0124】
また、後述するように、遊技店成績異常検出手段601が、誤差球数(遊技店成績DB501から取得したアウト球数と貸球数とを加算した値Aと、遊技店成績DB501から取得したセーフ球数と精算数とを加算した値Bとを算出し、これらの値AとBとの差分の値)及び誤差球率(誤差球数をアウト球数で除算した値)を算出して、算出された値を異常の判定に利用する。そこで、遊技場内部管理装置1が、営業日終了時にこれら誤差球数及び誤差球率を算出して、遊技店成績DB501に格納しておいてもよい。
【0125】
図7は、本発明の実施の形態の遊技店成績DB501の一例の説明図であり、図8は、遊技装置成績DB502及び機種成績情報DB503に含まれるデータの一例の説明図である。
【0126】
遊技店成績DB501は、全ての遊技装置のアウト球数の累積値、全ての遊技装置のセーフ球数の累積値、全ての遊技装置の貸球数の累積値、及び全ての遊技媒体計数装置5の精算球数の累積値を、遊技店の過去の営業日毎に格納している。また、各営業日について、誤差球数及び誤差球率(アウト球数に対する誤差球数の割合)が格納されている。誤差球については、図10で後述する。なお、図7には、営業日として「2003年3月1日〜2003年3月7日」の期間に関する例を示している。
【0127】
遊技装置成績DB502は、遊技店に備えられている遊技装置4毎の遊技情報に基づいた遊技装置成績データを格納するデータベースである。
【0128】
遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3から受信した、遊技装置毎の特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数を、前述した単位遊技情報としてHDD104(図2参照)に格納する。さらに、この単位遊技情報を、指定された集計期間において遊技装置毎に集計することにより遊技装置成績データを算出し、遊技装置成績DB502に格納する。
【0129】
なお、特賞回数は、遊技装置から送信された特賞信号の総数である。始動入賞数は、遊技装置から送信された始動入賞信号の総数である。特賞外アウト球数は、アウト球数のうち、特賞時、確変時及び時短時のアウト球数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した回収信号の数に相当する。同様に、特賞外セーフ球数は、セーフ球数のうち、特賞時、確変時及び時短時のセーフ球数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した賞球信号の数に相当する。また、特賞外始動入賞数は、始動入賞数のうち、特賞時、確変時及び時短時の始動入賞数を除いた数であり、本実施の形態では、特賞信号及び確変信号が何れもオフとなっている状態で収集した始動入賞信号の数に相当する。
【0130】
また、後述するように、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出して、算出された値を異常の判定に利用する。これらのベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率は、遊技装置成績DB502に常時格納しておいてもよいが、遊技場内部管理装置1が、その都度(営業日終了時等に)、前述した単位遊技情報に基づいて算出を行い、遊技装置成績DB502に格納するようにしてもよい。
【0131】
機種成績情報DB503は、遊技装置の機種毎に集計された機種成績データを格納するデータベースである。
【0132】
機種成績データは、前述した単位遊技情報を、同一機種に属する遊技機同士で集計したデータである。つまり、遊技装置成績DB502の遊技装置成績データを、同一機種に属するもの同士で集計したデータに相当する。そのため、遊技店に備えられた同一機種に属する全ての遊技装置が同じ釘調整をされているという前提があれば、機種成績データは、機種毎の特性を示す情報であると見なすことができる。この機種成績データは、遊技店に備えられる遊技装置の機種毎に集計された特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数を含む。これらのデータは、その機種について、当該機種に属する遊技装置4の遊技情報の合計値及び平均値を算出して、これを機種成績データとして機種成績情報DB503に格納する。
【0133】
例えば、遊技場内部管理装置1が、前述した単位遊技情報(または、遊技装置成績DB502)から指定された期間(例えば、1週間)分の遊技装置成績データを取得して、取得した遊技装置成績データを、機種毎に、平均値を算出する。この算出された平均値を機種成績データとして機種成績情報DB503に格納する。なお、前述したベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率も、機種毎に算出して機種成績情報DB503に格納しておく。これらのベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率は、機種装置成績DB503に常時格納しておいてもよいが、遊技場内部管理装置1が、その都度(営業日終了時等に)、単位遊技情報を用いて算出し、機種装置成績DB503に格納するようにしてもよい。
【0134】
なお、当該機種の平均的な機種成績データを予め実験的又は統計的に求めておき、この求めたデータを機種成績情報DB503に予め格納しておいてもよい。
【0135】
なお、図8(a)の例は、集計期間を「2003年3月1日〜2003年3月6日」として、機種名が「乙」となる各遊技装置毎に算出した遊技装置成績データが格納された、遊技装置成績DBを示す。
【0136】
また、図8(b)の例は、集計期間を「2003年3月1日〜2003年3月6日」として、機種名が「乙」となる機種の機種成績データが格納された機種装置DBを示す。
【0137】
遊技場内部管理装置1の異常遊技装置抽出手段602は、この遊技成績データのベース値、1分間あたりの入賞数(分当たり入賞数)及び特賞外セーフ率の偏差値を算出して、算出された偏差値が、機種成績データのベース球数、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率から大きく外れた値である場合は、その遊技装置に異常があるものとして抽出する。なお、図8の例は、大きく外れた値はなく、異常の原因と思われる遊技装置は抽出されない。
【0138】
遊技装置調整情報DB504は、遊技装置毎に、その遊技装置に対して実施した調整情報を格納するデータベースである。
【0139】
調整情報は、該当する遊技装置に対して実施した調整(例えば、入賞数や出球数が変わるような釘調整や、大当り確率が変わるような設定変更など)を、どの遊技装置に対して、いつ実施したかを示す情報、及び、その調整によって影響されるのはどの遊技情報であるかを示す情報を格納する。これらの調整によって、遊技者が遊技中に獲得できる賞球の数の期待値(単位アウト球数当たりに発生するセーフ球数)が決定される。
【0140】
図9は、遊技装置調整情報DB504に含まれる調整情報一例の説明図である。
【0141】
調整情報は、その調整を適用した日(調整を実施した直後の営業日)、調整を適用した台番号、調整箇所及びその調整によって影響が表れるデータを示す情報を含む。
【0142】
図9の例では、台番号「168」の遊技装置に対して「始動入賞」に関する調整を実行し、この調整が「2月28日」から適用されたことが示されている。また、この調整によって特賞外セーフ数を特賞外始動入賞数で除算した特賞外セーフ率に影響が表れることが示されている。
【0143】
なお、図9の例では、影響が表れるデータとして、ベース球数、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率を示しているが、遊技成績データ(特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数)や、遊技装置等からの遊技信号(回収信号、賞球信号、球貸信号又は精算球数信号)を、影響が表れるデータとして示してもよい。
【0144】
なお、これらの調整情報は、遊技装置にて調整作業を行う度に、遊技店の係員が遊技場内部管理装置1の入力装置110(図2参照)を使用して入力する。
【0145】
図10は、本発明の実施の形態の遊技場内部管理装置1で実行される誤差球監視処理のフローチャートである。
【0146】
まず、誤差球数(誤差値)について説明する。従来の技術において説明したように、遊技者に貸球として貸し出された球の総計と、遊技装置が遊技者に賞球として供与した球の総計とを全て合算した値Xと、遊技者が景品交換や貯球のために計数器へ持ち込んだ球の総計と、遊技装置が遊技者から回収した球(発射球)の総計とを全て合算した値Yと、は、必ずしも一致しない。このXとYの値の差を誤差球数と呼ぶ。
【0147】
なお、遊技店の稼動に比例して、毎日一定比率の誤差球数が発生することが経験則上知られており、一日の営業が終了した時点で予め予想されていた誤差球数が発生しても営業管理上はほとんど支障がない。しかしながら、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生すると、誤った遊技情報を収集することになって、想定範囲を外れた誤差球数が発生する。
【0148】
例えば、ある遊技装置の信号系統に異常が発生した場合は、その遊技装置の信号系統に異常が発生したときから継続して(日単位でデータを集計している場合は、二日異常連続して)誤差球の値に異常が生ずる。
【0149】
また、遊技装置に対して不正な操作が行われた場合には、その不正な操作が行われたとき(日単位でデータを集計している場合は、一日だけ)誤差球の値に異常が生ずる。
【0150】
そこで、本実施の形態は、以下のような処理によって誤差球数を算出し、算出された誤差球数が想定範囲であるか否かを判定し、誤差球数が想定範囲から外れる場合には、遊技装置から取得したデータの正当性を判定することによって、誤差球の異常の要因となった遊技装置に関する情報を、迅速に取得することが可能となる。
【0151】
遊技場内部管理装置1は、遊技店の営業時間終了後に、例えばオペレータによる指示によって本フローチャートに示す処理を開始する。
【0152】
まず、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績異常検出手段601は、営業時間内に停電が発生したか否かを判定する(ステップS101)営業時間内に停電が発生していた場合は、遊技店成績DB501のアウト球数の累積値を補正する(ステップS102)。
【0153】
停電が発生した場合は、遊技装置の遊技盤上に残っていた遊技球がそのまま落下してアウト口より排出されるが、排出されたときに回収球数計数装置4dの信号は、情報収集端末3が停電による停止状態のため計数できずこの遊技球は計測されない。そのため、停電が発生したときに遊技盤上に残っていた遊技球の数(予め定められた定数N個:実際は数個である)が誤差となってしまう。そのため、この誤差を解消すべく、停電が発生したときに稼働している遊技装置の台数と、定数N個とを掛け合わせた値を、遊技店成績DB501のアウト球数の累積値に加算して補正する。なお、停電の発生は、遊技場内部管理装置1が再起動した回数や、遊技場内部管理装置1に接続された他の装置、(例えばUPS(無停電電源装置))からの信号によって検出することができる。なお、Nは平均的な値のため、実際は実数で与えられる。
【0154】
次に、遊技店成績異常検出手段601は、当該営業日での誤差球数を算出する。誤差球数の算出は、遊技店成績DB501から取得したアウト球数累積値と貸球数累積値とを加算した値Aと、遊技店成績DB501から取得したセーフ球数累積値と精算数累積値とを加算した値Bとを算出し、これらの値AとBとの差分を算出する。この差分が誤差球数である(ステップS103)。
【0155】
次に、遊技店成績異常検出手段601は、遊技店成績DB501から取得したアウト球数累積値と算出した誤差球数とに基づいて、誤差球に異常があるか否かを判定する(ステップS104)。
【0156】
誤差球の異常は、その日の遊技装置全体の稼働率、すなわちその日の遊技店全体のアウト球数累積値に依存する。稼働率が高ければ誤差球数は増え、稼働率が低ければ誤差球数の数も小さい。そこで、アウト球数累積値に対して許容される誤差球の数を予め設定しておき、この設定値を超えた誤差球が発生しているときに、誤差球の異常があると検出する。本願発明の実施の形態では、例えば、アウト球数累積値1万あたりの誤差球数が所定の個数以上である場合に、誤差球の異常があると判定する。所定の個数は、例えば3個とする。
【0157】
次に、誤差球に異常があるか否かによって処理を分岐する(ステップS105)。誤差球に異常があると判定した場合は、ステップS106に進む。誤差球に異常がないと判定した場合は、その営業日には異常はないと判断して、誤差球監視処理を終了する。
【0158】
誤差球に異常があると判定した場合は、異常遊技装置抽出手段602は、機種成績情報DB503に格納されているデータを参照して、異常が発生している遊技装置を抽出する(ステップS106)。
【0159】
具体的には、まず、異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報から所定の集計期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した遊技装置成績データを、遊技装置成績DB502に格納する。なお、所定の集計期間とは、当該営業日のことである。
【0160】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出する。
【0161】
さらに、各機種毎に、前述した単位遊技情報から所定の集計期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した機種成績データを、機種成績DB503に格納する。この場合の所定の集計期間も当該営業日とする。
【0162】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数のそれぞれについて、機種全体での合計を算出する。そして、各々の合計を、当該機種に属する遊技装置の数で除算した平均値を算出する。そして、算出された平均値を、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率として機種成績DB503に格納する。
【0163】
次に、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値について、機種平均値(すなわち、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率)から大きく外れているものがあるかを判定する。機種平均値から大きく外れているものがある場合は、その遊技装置を異常として抽出する。
【0164】
具体的には、遊技装置の台番号毎に算出した遊技装置成績データから、機種平均値に基づいた偏差値を算出し、この偏差値が所定の範囲内とならない場合に、遊技装置成績データが機種平均値から大きく外れているものと判定して、異常な遊技装置を抽出する。例えば、後述する図11に示すように、「※」によって示されるベース値及び分当たり入賞数が機種平均値から大きく外れているので、この「※」によって示される「108」番台の遊技装置が異常な遊技装置として抽出される。
【0165】
なお、異常である遊技装置の抽出は、偏差値ではなく、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値と、機種平均値とを比較して、予め設定された閾値以上異なっているときに異常と判定してもよい。
【0166】
なお、本願発明の実施の形態では、中心が「0」となる偏差値を用いているので、偏差値の絶対値が大きくなるほど、機種平均値から大きく離れているものと見なされる。
【0167】
次に、情報出力手段603は、異常遊技装置抽出手段602によって異常として抽出された遊技装置の一覧を表示装置109に表示する(ステップS107)。
【0168】
このとき、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータは、異常として抽出された遊技装置の一覧を見て、集計期間を変更して異常抽出処理を再試行するか否かを決定し、入力装置110を介して入力する。
【0169】
オペレータが再試行することを決定した場合は、期間設定手段604は、オペレータが設定した期間情報を取得して、異常遊技抽出手段に期間情報を渡す(ステップS109)。そして、ステップS106に戻り、取得した期間情報に基づいて、異常の発生した遊技機の抽出処理を再度実行する。ただし、前述の集計期間を、当該営業日から、ステップS109でオペレータが設定した期間に置き換えて、ステップS106の処理を実行する。
【0170】
オペレータが再試行しないことを決定した場合は、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置調整情報DB504を参照して、異常が発生している遊技装置を抽出する(ステップS110)。
【0171】
具体的には、まず、異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報からデータを抽出して、過去の営業日毎の遊技装置成績データを算出し、遊技装置成績DB502に格納する(後述の図14参照)。
【0172】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、過去の営業日毎の、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)が、各遊技装置に対応してそれぞれ算出される。
【0173】
次に、遊技装置成績DB502に格納されている、営業日毎のベース値、分当たり入賞数、及び特賞外セーフ球数の中から、前回営業日よりも大きく値が変化しているものを抽出する。大きく変化しているか否かの判定は、前回営業日のデータ(または、前回営業日から所定日数遡った期間における日平均データ)との変化の割合が所定範囲に収まっているか否かで行う。
【0174】
このとき、大きく変化しているデータがある場合には、遊技装置調整情報DB504に格納されている調整情報との照合を行い、調整の影響でデータが変化しているものと見なされる場合は、抽出から除外する。調整の影響とは関係なくデータが変化していると見なされる場合は、抽出から除外しない。さらに、抽出から除外されないデータを有する遊技装置をリストアップしておく。
【0175】
ここで、調整の影響について説明する。図9に示す遊技装置調整情報DB504には、遊技装置の調整を施したことによりデータが変化することが予想される「調整適用日」と、調整が施された遊技装置を特定する「台番号」と、調整の結果として変化する恐れのあるデータの項目を示す「データへの影響」とが変化が格納されている。つまり、前回営業日よりも大きく値が変化しているデータと「調整適用日」及び「台番号」とが一致し、且つ「データへの影響」により変化の恐れが示される(「○」によって示されている)データである場合には、調整の影響でデータが変化しているものと見なすことができる。反対に、前回営業日よりも大きく値が変化しているデータと、「調整適用日」又は「台番号」とが一致しない場合、または、「データへの影響」により変化の恐れが示されない(「×」となっている)データである場合には、調整の影響でデータが変化しているものと見なされない。
【0176】
ここで、調整の影響に関係なくデータが変化している遊技装置を抽出する様子を、図14を用いて説明する。図14は、異常遊技装置抽出手段602によって、各遊技装置毎に、前述した単位遊技情報からデータを抽出して算出した、過去の営業日毎の遊技装置成績データが、遊技装置成績DB502に格納されている様子を示す。
【0177】
図14(a)は、台番号「151」の遊技装置の遊技装置成績データである。この遊技装置は、3月7日のベース値及び分当たり入賞数が、前日よりも大きく変化しているが、図9に示す調整情報において、「3月7日に151番台のベース値及び分当たり入賞数」が変化することを示しているので、このデータの変化には異常が認められない。従って、151番台の遊技装置は異常とならない。
【0178】
図14(b)は、台番号「152」の遊技装置の遊技装置成績データである。この遊技装置は、「※」によって示された3月7日のベース値及び特賞外セーフ率が前日よりも大きく変化しており、図9に示す調整情報においても、これらのデータが前日よりも大きく変化することは示されていない。従って、このデータの変化には異常が認められ、152番台の遊技装置は異常であるとして、リストアップされる。
【0179】
次に、情報出力手段603は、異常遊技装置抽出手段602によってリストアップ(抽出)された遊技装置の一覧を表示装置109に表示する(ステップS111)。その後、処理を終了する。
【0180】
以上のような処理によって、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績DB501及び遊技装置成績DB502を用いて、遊技成績に異常が発生した遊技装置を抽出することができる。
【0181】
次に、図7乃至図11を参照して、具体的な例を説明する。
【0182】
図7は、前述したように、遊技店成績DB501の一例であり、3月1日〜3月7日の各営業日毎に、遊技店における全ての遊技装置のアウト球数、全ての遊技装置のセーフ球数、全ての遊技装置の貸球数、及び、精算球数を示す。また、誤差球数と誤差球率とを含んでいる。これら各データは遊技店成績DB501に常時格納されているデータでもよいし、必要に応じて前述の単位遊技情報から取得したデータを加工したものでもよい。
【0183】
図10のステップS104で前述したように、遊技場内部管理装置1において、遊技店成績異常検出手段601は、この遊技店成績DB501から取得した情報(アウト球数及び誤差球数)に基づいて、誤差球に異常があるか否かを判定する。本実施の形態では、遊技店成績異常検出手段601は、アウト球数1万あたり3個以上の誤差球数があった場合は、誤差球の異常と判定する。
【0184】
ここで、図7を参照する。図7の例は、遊技店成績データベースに含まれるデータのうち、営業日3月1日乃至3月7日の遊技店成績のデータを示す。
【0185】
ここで、各営業日の値に着目する。3月1日〜3月6日の遊技店成績データは、その何れも、アウト球数1万あたりの誤差球数は3個未満であるため、遊技店成績異常検出手段601は異常を検出しない。
【0186】
一方、3月7日のデータに着目すると、誤差球数が「5807」であり、アウト球数1万あたりの誤差球数が約6.1個となっている。従って、遊技店成績異常検出手段601は、3月7日のデータは誤差球異常があると判定する。
【0187】
次に図8を参照する。図8(a)の例は、遊技装置成績DB502の一例であり、「2003年3月1日〜2003年3月6日」となる期間を設定して、機種名「乙」に属する各遊技装置それぞれに対応して、集計された遊技装置成績データが格納されている。また、図8(b)の例は、機種成績DB503の一例であり、「2003年3月1日〜2003年3月6日」となる期間を設定して、機種「乙」に関して集計された機種成績データが格納されている。
【0188】
異常遊技装置抽出手段602は、前述した単位遊技情報から、異常遊技装置を抽出する期間に含まれているデータを抜き出して、遊技装置の台番号毎の遊技情報を生成し、遊技装置成績DB502に格納する。また、異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置の台番号毎に、特賞外セーフ球数を特賞外アウト球数で除算した値(ベース値)、始動入賞球数を、アウト球数に100を乗算した値で除算した値(分当たり入賞数)、特賞外セーフ球数を特賞外始動球数で除算した値(特賞外セーフ率)、をそれぞれ算出して、遊技装置成績DB502に格納する。
【0189】
さらに、異常遊技装置抽出手段602は、各機種毎に、前述した単位遊技情報から、異常遊技装置を抽出する期間に相当するデータを抽出し、抽出したデータを集計して算出した機種成績データを、機種成績DB503に格納する。
【0190】
このとき、異常遊技装置抽出手段602は、特賞回数、アウト球数、特賞外アウト球数、セーフ球数、特賞外セーフ球数、始動入賞数及び特賞外始動入賞数のそれぞれについて、機種全体での合計を算出する。そして、各々の合計を、当該機種に属する遊技装置の数で除算した平均値を算出する。そして、算出された平均値を、機種成績データとなるベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率として機種成績情報DB503に格納する。
【0191】
異常遊技装置抽出手段602は、各遊技装置毎のベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率と、算出された機種平均値とを用いて、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれに関する偏差値を算出する。そして、算出された偏差値に基づいて、各遊技装置の中から異常があるものを抽出する。
【0192】
図8に示した例では、各遊技装置毎のベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率は、機種平均値に対して大きく外れた値はなく、偏差値の異常も判定しない。従って、「2003年3月1日〜2003年3月6日」の期間においては、異常の遊技装置は検出されない。
【0193】
図11は、異常遊技装置抽出手段602によって用いられる遊技装置成績DB502及び機種成績DBから集計されたデータの一例の説明図であり、異常のある遊技装置が含まれている例である。
【0194】
図11(a)の例は、遊技装置成績DB502の一例であり、「2003年3月7日」において、機種名「乙」に属する各遊技装置それぞれに対応して、集計された遊技装置成績データが格納されている。また、図8(b)の例は、機種成績DB503の一例であり、「2003年3月7日」にいて、機種「乙」に関して集計された機種成績データが格納されている。
【0195】
図11(a)では、遊技装置の台番号「108」のベース値が、平均値「20.42」から大きく外れた値となっており、この値に基づいて算出される偏差値も他の値から大きく外れる。また、遊技装置の台番号「108」の分当たり入賞数が、平均値「6.17」から大きく外れた値となっており、この値に基づいて算出される偏差値も他の値から大きく外れる。従って、異常遊技装置抽出手段602は、この遊技装置「108」を異常として抽出する。
【0196】
なお、異常遊技装置抽出手段602によって抽出された遊技装置を、情報出力手段603によって出力する態様には、様々な態様が考えられる。単に、異常を検出した遊技装置の台番号を一覧表示するだけでもよいが、異常原因の除去作業に有用な情報を、さらに出力することも考えられる。
【0197】
例えば、第2の実施形態として、異常な遊技装置を一覧表示すると同時に、当該遊技装置に関して異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を、さらに出力することも考えられる。
【0198】
図12(a)は、遊技場内部管理装置1の情報出力手段603によって出力される、異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を説明するための図である。図12(a)は、遊技装置から出力される各遊技信号の信号名と、その信号名によって値に影響が発生するデータ(「○」によって示されている)との対応を示している。
【0199】
例えば、ベース値に異常がある場合は、その遊技装置から送信された回収信号、賞球信号又は特賞信号に何らかの異常がある可能性があることが示されている。同様に、分当たり入賞数に異常がある場合は、その遊技装置から送信された回収信号又は始動入賞信号に何らかの異常がある可能性が示されている。同様に、特賞外セーフ率に異常がある場合は、その遊技装置から送信された賞球信号、始動入賞信号又は特賞信号に何らかの異常がある可能性が示されている。
【0200】
本実施形態では、異常遊技装置抽出手段602によって異常な遊技装置を抽出する際に異常を示した異常データが、ベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率の何れであるのかを記憶しておく。そして、情報出力手段603によって異常な遊技装置の一覧を出力する際に、異常データが生成される基になった遊技信号を合わせて示すように出力を行う。
【0201】
例えば、図11のように、ベース値及び分当たり入賞数が異常データであることに基づいて、108番台の遊技装置が異常な遊技装置として抽出された場合には、ベース値及び分当たり入賞数の双方が生成される基になった遊技信号は、回収信号と特賞信号であるので、「108番台に異常があると思われます。特に回収信号と特賞信号と調べてください」というようなメッセージを出力する。
【0202】
または、「108番台に異常があると思われます。ベース値と分当たり入賞数に異常がありましたので関連する遊技信号を調べてください」というようなメッセージを出力してもよい。このようなメッセージであっても、遊技場内部管理装置1を操作するオペレータは、情報出力手段603によって出力された異常の内容と、この図12(a)の情報とを比較して、異常が発生した状況をより具体的に知ることができるからである。
【0203】
なお、本実施形態では、ベース値、分当たり入賞数、特賞外セーフ率の何れが異常データとなったかによって、異常の可能性がある遊技信号を絞り込むための情報を出力しているが、他のデータを用いてもよい。この場合のデータは、遊技装置から出力される遊技信号を複数種類用いて生成されるデータ(複合的遊技装置成績データ)であることが好ましい。
【0204】
次に、遊技装置の異常原因の除去作業に有用な情報の出力としての、第3の実施形態を示す。
【0205】
異常遊技装置抽出手段602によって抽出された遊技装置は、遊技装置成績データが機種平均値よりも大きく乖離しているという要因で抽出される。そのため、時折、正常な遊技装置が、異常な遊技装置として抽出される恐れがあるが、疑わしい遊技装置であることは確かであるので、抽出された遊技装置に関しては点検を行う必要がある。本実施形態では、異常な遊技装置として抽出された遊技装置をランク付けして出力する。これによって、点検を行うべき遊技装置の優先順位が示され、異常原因の早期発見が期待される。
【0206】
図12(b)は、遊技装置成績データのベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率それぞれの値について、偏差値が大きい順に遊技装置をランク付けした情報である。
【0207】
前述のように、各遊技装置は、ベース値、分当たり入賞数及び特賞外セーフ率のそれぞれについて、偏差値を算出する。情報出力手段603は、この偏差が大きい順に遊技装置の台番号を並べ替えたデータとして表示する。
【0208】
このような表示によって、オペレータは、どの遊技装置がどれだけの異常であるかを把握することができる。また、異常として抽出された遊技装置のほか、異常とまではいえないまでもある程度の偏差値のズレが発生している遊技装置の傾向を知ることができる。そのため、遊技店の係員が、遊技装置の点検箇所の優先順位を認識することができるようになり、異常原因の早期発見に繋がる。
【0209】
次に、遊技装置の異常原因の除去作業に有用な情報の出力としての、第4の実施形態を示す。
【0210】
異常遊技装置抽出手段602は、遊技装置成績データが機種平均値よりも大きく乖離しているという要因で、異常な遊技装置を抽出する。遊技装置成績データが機種平均値よりも乖離する原因としては、遊技信号等の異常が考えられるが、不正な遊技方法にて遊技装置で遊技を行った可能性も否定できない。本実施形態では、遊技装置成績データに異常が発生した原因が、遊技信号等の異常であるのか、不正な遊技であるのかを区別するための情報を出力する。
【0211】
図13は、遊技場内部管理装置1の情報出力手段603によって出力される情報の一例の説明図であり、さらに、各遊技装置の偏差値を、営業日毎に推移を示す情報である。
【0212】
図13に示した例は、遊技装置のベース値の偏差について、4月1日〜4月8日の期間のデータの推移を示すものある。
【0213】
図13(a)は、異常として抽出されない遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置は、大きく外れた偏差値がなく、異常として抽出されない。
【0214】
図13(b)は、誤差球の異常が発生したために異常として抽出された遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置の場合、4月1日乃至4月3日の偏差値は大きく外れた値がなく、異常として抽出されない。しかし、4月5日の偏差値は大きく外れた値となっており、異常であると抽出される。さらにこの偏差値の異常は、4月5日から4月8日まで継続している。このような場合は、当該遊技装置の出力する遊技信号の異常等が発生したことによって誤差球の異常が発生したと推測することができる。
【0215】
図13(c)は、不正行為があったために異常として検出された遊技装置の偏差値の推移を示す。この遊技装置の場合、4月4日の偏差値のみが大きく外れた値となっている。このような場合は、該当する営業日において、当該遊技装置に何らかの不正行為があったと推測することができる。
【0216】
つまり、遊技信号の異常等が発生した場合には、遊技装置成績データの異常が長期に渡って継続するのに対し、不正な遊技方法にて遊技を行った場合には、遊技装置成績データの異常が一時的に発生しても次の日からは元に戻るようなデータが示される。遊技店の係員は、遊技信号の異常等が原因であれば、遊技装置の信号系統を点検するという対策を取り、不正遊技が原因であれば、不正行為が行われないように監視するという対策を取ることができる。従って、本実施形態では、遊技装置成績データに異常が発生した原因が、遊技信号等の異常であるのか、不正な遊技であるのかを区別して、適切な対策を取ることができる。
【0217】
なお、本願においては、遊技機又はその周辺機器からの信号に関する不具合の検出等を可能にする管理装置に関して、前述の特許文献1から特許文献3における以下の課題を解決することも意図している。
【0218】
特許文献1に記載の従来技術のように、遊技店に設置された遊技機の各々に計数器を設けることにより、遊技機毎に誤差球を計数することができるようになり、遊技機からの情報通信の信号系統に故障が発生した場合に、遊技機を特定できるようになる。しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、遊技機の各々に景品交換玉計数器を設置する必要があるので、設置コストが掛かりすぎるという問題があった。
【0219】
また、特許文献2に記載の従来技術のように、アウトメータの計数異常を監視する機能を設ければ、異常の発生したアウトメータを特定することはできる。しかしながら、アウトメータから管理装置までの信号線に異常があった場合には、異常個所を特定できないという問題があった。
【0220】
また、特許文献3に記載の従来技術のように、パチンコ台の特性に基づいて予測されるデータと、実際にカウントされたデータとの整合を監視することにより、当該データに関わる信号線の異常を監視して、信号線の断線や接続ミスなどを発見することはできる。しかしながら、特許文献3に記載の従来技術では、信号線の断線や接続ミスなどの発見しやすい異常ならばともかく、信号線の接触不良など潜伏しやすい異常原因を発見することは困難であると考えられる。
【0221】
そこで、遊技店の営業成績において極端な誤差球が発生した場合に、その異常原因となった遊技機や周辺設備を特定する作業を支援し、遊技成績に数値として現れにくく従来の技術では発見不能だった潜伏傾向の異常原因を特定することで、遊技店における遊技機管理に有用な管理装置を提供することを目的とした発明を開示する。その代表的なものとして、次のものを列記する。
【0222】
(1)遊技店に設置された遊技装置から収集した情報に基づいて遊技装置を管理する管理装置であって、遊技店における、遊技装置で用いられる遊技媒体に関わる累積値を含む遊技店成績データを記憶する遊技店成績記憶手段と、遊技装置毎の遊技成績に関する遊技装置成績情報を記憶する遊技装置成績記憶手段と、遊技成績の異常の有無を判定するための判定情報を記憶する異常判定情報記憶手段と、遊技店成績記憶手段に記憶された遊技店成績情報に含まれる二以上の累積値の相関関係の異常の有無を判定する遊技店成績異常判定手段と、遊技店成績異常判定手段によって各累積値の相関関係に異常があると判定された場合に、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出する異常遊技装置抽出手段と、異常遊技装置抽出手段によって抽出された遊技装置に関する情報を出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする管理装置。
【0223】
(2)前記遊技店成績データは、前記遊技店における、遊技者に貸し出した遊技媒体の総数である貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体の総数である計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体の総数である使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体の総数である獲得累積値、の少なくとも二つを含むことを特徴とする(1)に記載の管理装置。
【0224】
(3)相関関係は、貸出累積値及び獲得累積値の合算値と、使用累積値及び計数累積値の合算値との差である誤差値を含み、遊技店成績異常判定手段は、使用累積値に対する誤差値の割合が所定範囲外である場合に、相関関係に異常があると判定することを特徴とする(2)に記載の管理装置。
【0225】
(4)遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報は、同一の機種に属する遊技装置毎の遊技成績を含み、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、同一の機種に属する遊技装置の遊技成績を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された、判定情報に含まれる機種毎の遊技成績との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(1)から(3)の何れか一つに記載の管理装置。
【0226】
(5)遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技成績情報のうち、異常遊技装置抽出手段による比較の対象とする期間を設定する期間設定手段を備え、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、同一の機種に属する遊技装置の遊技成績のうち、設定された期間に限定された遊技成績を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績のうち、設定された期間に限定された遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報のうち、設定された期間に限定された遊技成績との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(4)に記載の管理装置。
【0227】
(6)遊技装置は、遊技において遊技者に獲得させる遊技媒体の数の期待値を調整可能であり、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報は、遊技装置に対して実行した調整に関する情報である調整情報を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された機種に属する遊技装置毎の遊技装置成績情報に含まれる遊技成績と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報に含まれる調整情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする(1)から(3)の何れか一つに記載の管理装置。
【0228】
(7)遊技装置は、一又は複数の信号線を用いて、信号線のそれぞれに対応する信号を出力し、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技成績は、何れの信号に基づいて算出されたかを示す複合的遊技成績情報を含み、異常遊技装置抽出手段は、遊技装置成績記憶手段に記憶された遊技装置成績情報と、異常判定情報記憶手段に記憶された判定情報との比較の結果に基づいて、遊技成績に異常がある遊技装置を抽出し、情報出力手段は、複合的遊技成績情報に基づいて、抽出された遊技装置の遊技情報を算出する基となった信号線を特定可能な情報を出力することを特徴とする(1)から(6)の何れか一つに記載の管理装置。
【0229】
(1)の発明によれば、遊技店における遊技装置で行われる遊技に用いられる遊技媒体に関わる累積値の相関関係の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【0230】
(2)の発明によれば、遊技店における貸出累積値、計数累積値、使用累積値、又は、獲得累積値の各々の相関関係の異常を早期に発見することができる。さらに、その異常の要因となった遊技装置を特定するための情報が提供されるので、遊技装置を適切に管理することができる。
【0231】
(3)の発明によれば、遊技装置の稼動が多い場合に増加するこぼれ玉等の量を考慮して、誤差玉が適正量であるか否かを判定するので、遊技装置の稼動や遊技装置の台数などの影響を誤差値から排除して、精度の高い異常判定ができる。
【0232】
(4)の発明によれば、遊技装置の機種毎の固有の要素と、遊技装置成績データとを比較して異常を判定するので、異常判定のための条件が、機種に固有な要素として自動的に生成されることになる。そのため、異常判定のための人為的な作業をほとんど必要とせずに、潜伏している異常要因を発見することができる。
【0233】
(5)の発明によれば、遊技装置成績データの異常の有無の判定の比較対象となる遊技装置成績データの期間を自在に設定できるので、データ数の少なさにより発生する誤差を補正することができる。
【0234】
(6)の発明によれば、調整が行われていない期間において変化するはずのない遊技装置成績データの情報を用いて、遊技装置の異常を検出するので、潜伏している異常要因を早期に発見することができる。
【0235】
(7)の発明によれば、複合的遊技装置成績データの異常があった場合に、その異常の原因となった遊技信号の種類を知ることができ、異常原因の除去作業に有用な情報を得ることができる。
【0236】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0237】
1 遊技場内部管理装置
2 中継端末装置
3 情報収集端末装置
4 遊技装置
4a 遊技機
4b 球貸ユニット
4c 補給数計数装置
4d アウトタンク
5 遊技媒体計測装置
601 遊技店成績異常検出手段
602 異常遊技装置抽出手段
603 情報出力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、
前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、
前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、
前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、
前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記異常がある遊技装置に関する情報と、異常の原因を示す情報とをリスト形式で出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記複数の遊技情報には、遊技者に貸し出した遊技媒体を示す貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体を示す計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体を示す使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を示す獲得累積値を含み、
前記異常遊技装置抽出手段は、前記貸出累積値及び前記獲得累積値の合算値と、前記使用累積値及び前記計数累積値の合算値との相関関係に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理装置。
【請求項1】
遊技店に設置された複数の遊技装置からそれぞれ収集した複数の遊技情報に基づいて遊技装置を管理することが可能な管理装置であって、
前記複数の遊技情報を遊技装置毎に集計した遊技装置成績データを各遊技装置に対応させて記憶することが可能な遊技装置成績記憶手段と、
前記遊技装置成績記憶手段に記憶された前記遊技装置成績データに異常がある遊技装置を抽出することが可能な異常遊技装置抽出手段と、
前記異常遊技装置抽出手段によって抽出された前記異常がある遊技装置に関する情報を出力することが可能な情報出力手段と、を備え、
前記情報出力手段は、前記異常遊技装置抽出手段によって前記異常がある遊技装置が複数抽出された場合に、当該複数の遊技装置に関する情報を異常の度合いによって順位付けして出力することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記異常がある遊技装置に関する情報と、異常の原因を示す情報とをリスト形式で出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記複数の遊技情報には、遊技者に貸し出した遊技媒体を示す貸出累積値、遊技者が計数手段によって計数した遊技媒体を示す計数累積値、遊技者が遊技に使用した遊技媒体を示す使用累積値、及び、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技媒体を示す獲得累積値を含み、
前記異常遊技装置抽出手段は、前記貸出累積値及び前記獲得累積値の合算値と、前記使用累積値及び前記計数累積値の合算値との相関関係に異常がある遊技装置を抽出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−176323(P2012−176323A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−140429(P2012−140429)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【分割の表示】特願2006−258769(P2006−258769)の分割
【原出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(390025601)株式会社西陣 (107)
【出願人】(598044464)株式会社ピーエーネット技術研究所 (51)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【分割の表示】特願2006−258769(P2006−258769)の分割
【原出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(390025601)株式会社西陣 (107)
【出願人】(598044464)株式会社ピーエーネット技術研究所 (51)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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