説明

管用連結装置

本発明は、管に対して締付け力を及ぼすための少なくとも1個の圧力要素(3)を備える管(10)と連結するための連結装置に関し、この連結装置は少なくとも1個の密封機構(12)を備え、管から離れて外側を向いている面では、上述の少なくとも1個の圧力要素が、管から離れる半径方向の配向でお互いに向かって近づく面を備えて実施され、さらに、お互いに連結されることができ、管に対して締付け力を与えるために少なくとも1個の圧力要素の上述面に対して直接的又は間接的に配置されるようになされている支持要素(9、11)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管に対して締付け力を及ぼすための少なくとも1個の圧力要素を備える管用の連結装置に関し、この連結装置は少なくとも1個の密封機構を備え、管から離れて外側を向いている面では、前記少なくとも1個の圧力要素は、管から離れる半径方向の配向でお互いに向かって近づく面を備えて実装され、さらに、お互いに連結され、管に対して締付け力を与えるために少なくとも1個の圧力要素の前記面に対して直接的又は間接的に配置される支持要素を備える。
【背景技術】
【0002】
通例、前記支持要素は支持壁として実装される。しかしながら、線接触をもたらす支持縁部を有する一実施形態も有用である。説明の目的で、これら支持要素は、以降支持壁として実装されるものとする。圧力要素の近づく面は、平ら、凹状又は凸状であってよい。
【0003】
前文による連結装置は、「Patent Abstracts of Japan volume 1998、no.14」及び特開平10−259890号のそれぞれならびに欧州特許出願公開第0794378号明細書から知られている。
【0004】
特開平10−259890号では、密封リングが1個構成の圧力リングに対し直接配置されて用いられ、この圧力リングは、お互いに向かって半径方向の配向で近づく面を有する。
【0005】
欧州特許出願公開第0794378号から知られる連結装置では、ゴム製要素の形で密封機構が、一方の側で圧力要素の間に設けられ、他方の側で締め付けるために支持壁と管の間に設けられる。さらに、従来技術の連結装置の圧力要素は管に面する側面に摩擦増加面を備える。
【0006】
管と従来技術の連結装置の間の連結が引張り力を受けるとき、支持要素がある傾斜で配置され、この結果、それが圧力要素の側面で過度の応力を受けていることが、管に対する圧力要素によって及ぼされる増加した締付け力によって密封機構に前記管に対する密封作用を改善させる。しかしながら、欠点は、圧力要素と、より低い圧力を支える支持要素との間にあり、余分な圧力を支える支持要素の反対側に配置される密封機構の密封作用が悪化することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題と課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、この問題が回避され、以下で説明する利点が得られることができる連結装置を提供することである。
【0008】
別の目的は、本発明が様々なデザインや実施形態の連結装置に適用できることである。例えば、連結装置の中に用いられる少なくとも1個の圧力要素は、管の周りに配置される1個構成のリングである。この目的のための構造は、例えば、米国特許第4886304号明細書から知られている。
【0009】
しかしながら、例えば、国際公開第90/07671号や欧州特許第0690256号明細書から知られるような管の周りにリングをともに形成する複数の圧力要素を用いることが可能である。
【0010】
もちろん、別の可能性は、欧州特許出願公開第0794378号明細書から知られる圧力要素を用いることであり、この圧力要素の特別な構造は、既に実際に従うよう示されている。
【0011】
本発明による連結装置は、少なくとも1個の圧力要素が、セグメントとして実現され、このために少なくとも第1の圧力要素セグメントと第2の圧力要素セグメントを有し、第1の圧力要素セグメントが管に対して近くに配置され、第2の圧力要素セグメントが管に対して遠くに配置され、第1及び第2の圧力要素セグメントが、管の長手方向軸に対して所定の傾斜で互いに当接し協働するように配置される接触面を備え、かつ、密封機構が、ゴム製密封要素として実現され、それが、一方の側で支持要素とセグメント化された圧力要素の間に、及び他方の側で管とセグメント化された圧力要素との間に少なくとも部分的に配置されることとを特徴とする。
【0012】
この本発明による連結装置のこの構造は、連結器と管の間の引張り力がある間、密封機構がすべての点で密封作用を改善することを可能にする。
【0013】
様々なことが、接触面を有する連結装置を実現することによって容易にされ、この接触面の傾斜は、連結器と管の間の引張り力がある間、第1の圧力要素セグメントが管をよりしっかりと締め付け、さらに、連結器と管の間の引張り力が第2の圧力要素セグメントに支持要素に対する増加した力を与えるようになされている。
【0014】
本発明による連結装置の特別の実施態様は、第3の圧力要素セグメントが、その第1の側面に支持要素が接するように設けられ、前記第1の側面の反対側の第2の側面には、第1の圧力要素セグメントと第2の圧力要素セグメントの両方が配置されることを特徴とする。これにより、本発明による連結装置の上述の基本的な実施態様のための有用な代替を提供することができる。
【0015】
この管が引張り力を受けているとき、第2の圧力要素セグメントが第3の圧力要素セグメントに対して増加した力を及ぼすことが望ましい。
【0016】
密封要素に関しては、これが、一方の側で支持要素と第3の圧力要素セグメントの間に、及び他方の側で管と第3の圧力要素セグメントの間に少なくとも部分的に配置されることが望ましい。
【0017】
本発明による連結装置のすべての可能性のある実施態様では、第1の圧力要素セグメントが第2の圧力要素セグメントの移動を制限する突起を有することが望ましい。
【0018】
この突起は、協働する支持壁が少なくとも1個の圧力要素に対して及ぼす力を増加させるために特に有用である。別個の圧力要素セグメントの接触面の傾斜により、この突起がないことは、これら圧力要素セグメントの相互配置が保証されることができないことを意味する。
【0019】
本発明による連結装置の有効性のさらなる改善のためには、第1の圧力要素セグメントが管に面する側で摩擦増加面を備えることがさらに望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以降、本発明による連結装置のいくつかの例示の実施形態によって、また図面を参照して、特許請求の範囲を限定することなく本発明をさらに説明する。
図中の同一の参照符号は同様の部品を指す。
【0021】
ここで図1及び図2の両方を参照して、本発明による連結装置の第1の一般的な実施形態を説明する。
【0022】
連結装置は、管10への挿入端部2を有するスリーブ部1と、管10に対して締付け力を及ぼすための少なくとも1個の圧力要素3とを備える。圧力要素3は、密封機構12、通例ゴムから作製される要素と協働し、管10の周りの密封を実現する。
【0023】
管から離れるように向いている側では、少なくとも1個の圧力要素3が、半径方向で互いに近づく面をさらに備え、それらの面の配向は支持壁9、11の配向に対応する。圧力要素3の近づく面は、平ら、凹状又は凸状であってよい。
【0024】
上述の支持壁9、11は、ボルトとナット要素8を用いて相互に連結され、このボルトとナット要素8が締め付けられることで、支持壁9、11が管10の上で少なくとも1個の圧力要素3を締め付ける。
【0025】
図1と図2の両方は、少なくとも1個の圧力要素3がセグメントとして実現されていることを示す。
【0026】
図1は、少なくとも1個の圧力要素3が、第1の圧力要素セグメント5と第2の圧力要素セグメント4を有し、第1の圧力要素セグメント5が管10の近くに配置され、第2の圧力要素セグメント4が管10に対して遠くに配置される実施形態を示している。
【0027】
図1、図2ではっきりとわかるように、第1と第2の圧力要素セグメント4、5は、互いに当接するように配置され協働する接触面7を備え、この接触面7は管10の長手方向軸14に対して所定の傾斜を有する。
【0028】
図1で、接触面7の傾斜は、管10が矢印Aの方向で引張り力を受けているとき、第1の圧力要素セグメント5が管10をよりしっかりと締め付けるようになされていることを示す。
【0029】
接触面7の傾斜は、管10が矢印Aの方向で前記引張り力を受けているとき、第2の圧力要素セグメント4が支持壁9、11に対して増加した力を及ぼすようにさらになされている。
【0030】
上述のように、密封機構12が、一方の側で支持壁9とセグメント化された圧力要素3の間に、及び他方の側で管10とセグメント化された圧力要素3の間に少なくとも部分的に配置されるゴム製密封要素として設けられることが好ましい。
【0031】
図2は、第3の圧力要素セグメント6を備えて実施される本発明による連結装置の代替の実施形態を示す。この第3の圧力要素6の第1の側面には、支持壁9があり、一方、この第3の圧力要素セグメント6の第1の側面の反対側の第2の側面には、第1の圧力要素セグメント5と第2の圧力要素セグメント4が設けられる。
【0032】
図1を参照して既に説明したように、接触面7の傾斜は、この実施形態でも、管10が矢印Aの方向で引張り力を受けているとき、第1の圧力要素セグメント5が管をよりしっかりと締め付けるようになされている。この場合でもやはり、管10が引張り力を受けているとき、第2の圧力要素セグメント4は、支持壁9、11に対して増加した力を及ぼすが、ここでは部分的には第3の圧力要素セグメント6を介して及ぼす。
【0033】
図2は、第1の圧力要素セグメント5が第2の圧力要素セグメント4の移動を制限する突起15を有する別の好ましい実施形態を示す。
【0034】
図1及び図2の両方では、管10を向いている面に摩擦増加面13を備えるように第1の圧力要素セグメント5が示されている。
【0035】
本発明の構成の中では、連結装置の構造は、添付の特許請求の範囲で明記される本発明の精神から逸脱することなくいくつかの点で様々であってよい。
【0036】
例えば、摩擦増加面13がはめ込み体として実施されてよく、あるいは代替的に、この摩擦増加面13が第1の圧力要素セグメント5の一体部分を形成してもよいことが当業者には完全に明らかであろう。
【0037】
したがって、本発明による連結装置のいくつかの例示の実施形態による上述の説明は、本発明に与えられるべき、添付の特許請求の範囲で明記される保護範囲に関して非限定的であるものとして理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による連結装置の基本的な実施形態を示す図である。
【図2】本発明による連結装置の代替の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管(10)に対して締付け力を及ぼすための少なくとも1個の圧力要素(3)を備えて前記管(10)と連結するための連結装置であって、前記連結装置が少なくとも1個の密封機構(12)を備え、前記管(10)から離れて外側を向いている側で、前記少なくとも1個の圧力要素(3)が、前記管から離れる半径方向で互いに向かって近づく面を備え、さらに、前記管(10)に対して前記締付け力を与えるために前記少なくとも1個の圧力要素(3)の前記面に対して直接的又は間接的に配置され、互いに連結された支持要素(9、11)を備える連結装置において、前記少なくとも1個の圧力要素(3)が、セグメントとして実現され、このため少なくとも第1の圧力要素セグメント(5)と第2の圧力要素セグメント(4)とを有し、前記第1の圧力要素セグメント(5)が前記管(10)に対して近くに配置され、前記第2の圧力要素セグメント(4)が前記管(10)に対して遠くに配置され、前記第1と前記第2の圧力要素セグメント(4、5)が、前記管(10)の長手方向軸(14)に対して所定の傾斜で互いに当接して協働するように配置される接触面(7)を備え、前記密封機構(12)が、ゴム製密封要素として実施され、一方の側で支持要素(9)と前記セグメント化された圧力要素(3)の間に、及び他方の側で前記管(10)と前記セグメント化された圧力要素(3)の間に少なくとも部分的に配置されることとを特徴とする連結装置。
【請求項2】
前記接触面(7)の前記傾斜が、前記連結器と前記管(10)の間に引張り力がある間、前記第1の圧力要素セグメント(5)が前記管をより強固に締め付けることを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記接触面(7)の前記傾斜が、前記連結器と前記管(10)の間に引張り力がある間、前記第2の圧力要素セグメント(4)が前記第2の圧力要素セグメントに前記支持要素(9、11)に増加した力を与えるようになされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結装置。
【請求項4】
第3の圧力要素セグメント(6)が、第1の側面に支持要素(9)が接するように設けられ、前記第1の側面の反対側の第2の側面には、前記第1の圧力要素セグメント(5)と前記第2の圧力要素セグメント(4)の両方が設けられることを特徴とする請求項1から3の一項に記載の連結装置。
【請求項5】
前記ゴム製密封要素(12)が、一方の側で支持要素(9)と前記第3の圧力要素セグメント(6)の間に、及び他方の側で前記管(10)と前記第3の圧力要素セグメント(6)の間に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする請求項4に記載の連結装置。
【請求項6】
前記管(10)が引張り力を受けているとき、前記第2の圧力要素セグメント(4)が前記第3の圧力要素セグメント(6)に対して増加した力を及ぼすことを特徴とする請求項3及び4又は5に記載の連結装置。
【請求項7】
前記第1の圧力要素セグメント(5)が、前記第2の圧力要素セグメント(4)の移動を制限する突起(15)を備えることを特徴とする前記請求項の一項に記載の連結装置。
【請求項8】
前記第1の圧力要素セグメント(5)が、前記管(10)を向いている面に摩擦増加面(13)を備えることを特徴とする前記請求項の一項に記載の連結装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−516131(P2009−516131A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539953(P2008−539953)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050280
【国際公開番号】WO2007/055576
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(597039641)ゲオルグ・フィシャー・ダブリュエイジイエイ・エヌヴィ (1)
【Fターム(参考)】