説明

管継手保護カバー、及び管継手保護構造

【課題】管継手を保護するとともに、十分な防水性能を確保する管継手保護カバーを提供すること。
【解決手段】中央分割パーツ32、第1分割パーツ34、及び第2分割パーツ36を連結して構成され且つ管継手12を内部に収容可能なカバー本体31と、配管を挿入可能で且つ各分割パーツに夫々設けられる配管挿入部42、44、46と、各配管挿入部に設けられ、挿入された配管の外周面に密着して配管と配管挿入部との間をシールするOリング52、54、56と、を管継手保護カバー30が備えることで、内部に収容された管継手12を保護することができるとともに、十分な防水性能を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配管を連結するための管継手を保護する管継手保護カバー及び、この管継手保護カバーを用いた管継手保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、水道管を住宅などに引き込む際には、土中に埋設された配管(例えば、塩ビ管など)を地上まで立ち上げ、屋内用の配管(例えば、ポリブテン管など)と管継手を介して連結している。しかし、状況によっては、塩ビ管とポリブテン管とを土中で連結する必要がある。この場合には、管継手が土中に埋設されることになるため、土中の水分、油などによって、管継手が劣化する虞がある。このため、管継手、及び管継手と配管との接続部分に防水テープを巻き付けて防水対策としていることがある。しかし、防水テープでは、水分の浸入を完全に防ぐことができず、さらに、掘り返し時などに管継手や、管継手と配管との接続部分が傷付くことも想定される。
【0003】
これに対して、特許文献1では、土中埋設用地管に覆われた配管同士を連結した継手を、上下に2分割可能な保護カバーを用いて保護している。この保護カバーは、上カバー本体と下カバー本体との接合部分、及び土中埋設用地管と各カバー本体との間にシール材を介在させて、保護カバー内への水分の浸入を防いでいる。
【特許文献1】実願平7−35879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の保護カバーでは、土中埋設用地管を挿入する部分が上下に分割されている、すなわちシール材も上下に分割されているため、この分割部分においてシール材によるシール性が十分に確保できない、つまり、十分な防水性能を確保できない問題があった。
【0005】
以上のことから、本発明は、管継手を保護するとともに、十分な防水性能を確保する管継手保護カバー及び、この管継手保護カバーを用いた管継手保護構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の管継手保護カバーは、複数の分割体を連結して構成され、複数の配管を連結するための管継手を内部に収容可能なカバー本体と、前記分割体に設けられ、前記配管を挿入可能な配管挿入部と、前記配管挿入部に設けられ、挿入された前記配管の外周面に密着して前記配管と前記配管挿入部との間をシールする止水部材と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の管継手保護カバーでは、管継手が、複数の分割体を連結して構成された本体カバーの内部に収容される。これにより、管継手が本体カバーによって保護される。結果、掘り返し時などの衝撃で管継手が傷付くことが防止される。
【0008】
また、管継手には、配管挿入部に挿入された配管が接続される。挿入された配管の外周面には止水部材が密着して配管と配管挿入部との間がシールされる。これにより、外部から本体カバー内に流体(水、油など)が浸入するのが防止される。
【0009】
さらに、本発明の管継手保護カバーでは、配管挿入部が各分割体に少なくとも1つ設けられ、本体カバーが複数の分割体を連結して構成(形成)されるため、従来のように、配管挿入部分が分割されることがない。つまり、本発明の管継手保護カバーは、従来のものよりも防水性能に優れる。
【0010】
請求項2に記載の管継手保護カバーは、請求項1に記載の管継手保護カバーであって、前記分割体の外周面に前記配管を覆う配管保護カバーを係止するための係止部が設けられることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の管継手保護カバーでは、配管を覆って保護する配管保護カバーが、分割体の外周面に設けられた係止部に係止される。これにより、掘り返し時などの衝撃で配管保護カバーとカバー本体との間の隙間が大きくなることが防止され、配管及び管継手が衝撃から効果的に保護される。
【0012】
請求項3に記載の管継手保護カバーは、請求項1又は請求項2に記載の管継手保護カバーであって、前記分割体同士の連結が、一方の前記分割体に設けられた雄ねじと、他方の前記分割体に設けられた雌ねじとの螺合によってなされることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の管継手保護カバーでは、一方の分割体に設けられた雄ねじを、他方の分割体に設けられた雌ねじに螺合することで、分割体同士が連結される。これにより、カバー本体の分割(分解)又は組み立て作業が簡単なものとなる。
【0014】
請求項4に記載の管継手保護カバーは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の管継手保護カバーであって、前記配管挿入部を閉塞可能な蓋体を備えることを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の管継手保護カバーでは、配管接続部が蓋体によって閉塞される。これにより、例えば、本体カバーの複数の配管接続部のうち何れかが不要になった場合に、不要になった配管接続部を蓋体で閉塞すれば、不要になった配管接続部分からの流体の浸入が防止される。
【0016】
請求項5に記載の管継手保護カバーは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の管継手保護カバーであって、前記カバー本体の外周面が連続した曲面であることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体の外周面に作用する圧力が分散される。これにより、埋設時の土圧、掘り返し時の圧力や衝撃がカバー本体の外周面に作用しても効果的に分散される。結果、カバー本体の損傷が防止される。
【0018】
請求項6に記載の管継手保護カバーは、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の管継手保護カバーであって、前記分割体は透明材料又は半透明材料で構成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の管継手保護カバーでは、分割体、すなわちカバー本体を透明材料又は半透明材料で構成することにより、管継手の状態、及び管継手と配管との接続状態を目視できるため、メンテナンス性を向上できる。
【0020】
請求項7に記載の管継手保護構造は、複数の配管が連結された管継手と、前記管継手を内部に収容した請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の管継手保護カバーと、を備えることを特徴としている。
【0021】
請求項7に記載の管継手保護構造では、複数の配管が連結された管継手が管継手保護カバーの内部に収容されて保護されるとともに、管継手保護カバー内への流体の浸入が防止されるため、管継手の傷付き及び劣化が防止される。
【0022】
請求項8に記載の管継手保護構造は、前記管継手と前記管継手保護カバーとの間に衝撃吸収材を配置することを特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の管継手保護構造では、衝撃吸収材が、管継手と管継手保護カバーとの間に配置される。これにより、掘り返し時などに、衝撃が管継手保護カバーに加えられても、管継手と管継手保護カバーとの間に配置された衝撃吸収材によって吸収され、管継手や、管継手保護カバー内の配管が傷付くことが防止される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明の管継手保護カバーによれば、管継手を保護することができるとともに、十分な防水性能を確保することができる。また、本発明の管継手保護構造によれば、衝撃による管継手の傷付き、及び流体の浸入による管継手の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の管継手保護カバー、及びこの管継手保護カバーを用いた継手保護構造の第1の実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態の管継手保護カバー30を用いて保護する管継手12、及びこの管継手12によって連結される配管について詳細に説明する。なお、本実施形態の管継手保護構造10は、管継手保護カバー30及び管継手12によって構成される。
【0026】
(管継手、配管)
図1には、管継手保護カバー30に覆われて保護された管継手12が破線にて示されている。この管継手12は、一方の配管P1と他方の配管P2とを連結する、ストレート型の継手である。本実施形態では、配管P1を塩ビ管、配管P2をポリブテン管に設定しているため、管継手12は異径管継手となっている。これは、塩ビ管及びポリブテン管は、呼び径が同じでも、外径及び内径が夫々異なるためである。また、配管P1及び配管P2は土中に埋設されるため、夫々可撓性を有する蛇腹上の配管保護カバー21、22によって覆われている。なお、本実施形態では、配管P1を塩ビ管、配管P2をポリブテン管としているが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、配管P1及び配管P2は、従来公知の材質のものを使用することができる。また、本実施形態では、管継手12を呼び径が同じ塩ビ管及びポリブテン管を連結する構成としたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、同種、同呼び径の配管同士を連結する構成としてもよく、同種だが呼び径が異なる配管同士を連結する構成としてもよい。つまり、複数の配管を連結することができれば、従来公知の何れの継手を用いてもよい。
【0027】
(管継手保護カバー)
図1に示されるように、管継手保護カバー30は、3つの分割体を連結して構成(形成)されたカバー本体31を備えている。このカバー本体31は、内部に管継手12を収容できるように大きさが設定されている。なお、本実施形態では、カバー本体31を構成する3つの分割体のうち、中央に位置する略円筒状の分割体を中央分割パーツ32、中央分割パーツ32の配管P1側に連結される略円筒状の分割体を第1分割パーツ34、中央分割パーツ32の配管P2側に連結される略円筒状の分割体を第2分割パーツ36としている。これらの分割パーツは、夫々雄ねじと雌ねじとの螺合によって連結されている。この雄ねじと雌ねじによる連結は、本実施形態では、図2に示されるように、中央分割パーツ32の軸方向の両端部に設けられた雄ねじ32Aに、第1分割パーツ34の軸方向の中央分割パーツ32側の端部に設けられた雌ねじ34A及び、第2分割パーツ36の軸方向の中央分割パーツ32側の端部に設けられた雌ねじ36Aが夫々螺合されることでなされている。なお、その他の実施形態では、中央分割パーツ32に雌ねじが形成され、第1分割パーツ34及び第2分割パーツ36に雄ねじが形成されて各分割パーツが連結される構成でもよく、中央分割パーツ32に雄ねじと雌ねじとが形成され、第1分割パーツ34及び第2分割パーツには中央分割パーツに形成された雄ねじ又は雌ねじに対応した雌ねじ又は雄ねじが形成されて各分割パーツが連結される構成でもよい。
【0028】
図1及び図3〜図5に示されるように、第1分割パーツ34の雌ねじ34Aと軸方向反対側の端部は、配管P1を挿入可能な配管挿入部44とされている。この配管挿入部44の内周面には環状の嵌挿溝45が設けられ、この嵌挿溝45には、止水部材としての環状のOリング54が嵌挿されている。このOリング54の内径は、配管P1の外径よりも小さく設定されており、配管P1がOリング54の内側を挿通すると、Oリング54の内周面が配管P1の外周面に密着して、配管挿入部44と配管P1との間がシールされる。
【0029】
同様に、第2分割パーツ36の雌ねじ36Aと軸方向反対側の端部は、配管P2を挿入可能な配管挿入部46とされている。この配管挿入部46の内周面には環状の嵌挿溝47が設けられ、この嵌挿溝47には、止水部材としての環状のOリング56が嵌挿されている。このOリング56の内径は、配管P2の外径よりも小さく設定されており、配管P2がOリング56の内側を挿通すると、Oリング56の内周面が配管P2の外周面に密着して、配管挿入部46と配管P2との間がシールされる。
【0030】
また、図1に閉めされるように、中央分割パーツ32には、軸方向と直交する方向に配管P2を挿入可能な筒状の配管挿入部42が形成されている。この配管挿入部42の内周面には環状の嵌挿溝43が設けられ、この嵌挿溝43には、止水部材としての環状のOリング52が嵌挿されている。このOリング52の内径は、配管P2の外径よりも小さく設定されており、配管P2がOリング52の内側を挿通すると、Oリング52の内周面が配管P2の外周面に密着して、配管挿入部46と配管P2との間がシールされる。なお、本実施形態では、ストレート型の管継手12を用いるため、中央分割パーツ32の配管挿入部42は、不要とされ、蓋体としてのキャップ50によって閉塞されている。このキャップ50は、弾性変形可能なゴムで形成され、配管挿入部42に挿入される部分の外周面が配管挿入部42の内周面に密着する大きさに設定されている。なお、キャップ50のその他の構成としては、配管挿入部42に挿入される部分にOリングを設け、Oリングの外周面と配管挿入部42の内周面とを密着させて配管挿入部42を閉塞する構成でもよく、配管挿入部42に挿入される部分に雄ねじ又は雌ねじを形成し、配管挿入部42の内周面に雌ねじ又は雄ねじを形成し、これらを螺合させることで配管挿入部42を閉塞する構成でもよい。また、キャップ50を円柱状体として、外周面をOリング52に密着させて配管挿入部42を閉塞させる構成としてもよい。
【0031】
また、各配管挿入部の外周面には、各配管挿入部の周方向に間隔を開けて係止部としての突起62,64,66が夫々設けられている。図3に示されるように、配管挿入部44に設けられた突起64は、配管P1の蛇腹状配管保護カバー21の内側の凹部に嵌め込める(引掛けられる)ようになっている。同様に、配管挿入部46に設けられた突起66は、配管P2の蛇腹状配管保護カバー22の内側の凹部に嵌め込める(引掛けられる)ようになっている。なお、本実施形態ではキャップ50によって閉塞される配管挿入部42にも突起62が設けられており、この突起62は、配管P2の蛇腹状配管保護カバー22の内側の凹部に嵌め込める(引掛けられる)ようになっている。
【0032】
また、3つの分割パーツを連結した状態において、カバー本体31の外周面が連続した曲面となるように、各分割パーツの外周面の形状が設定されている。さらに、各分割パーツの連結作業時に、捩じ込み完了が判別できる目印兼ねじの緩みを防止可能な係合突起部70及びこの係合突起部70に係合する被係合突起部72が各分割パーツに形成されている。
【0033】
(施工手順)
次に、管継手保護カバー30を用いて管継手12を覆って保護する際の施工手順について説明する。まず、管継手保護カバー30を各分割パーツに(分割)分解する。次に、土中に埋設されている配管P1を第1分割パーツ34の配管挿入部44に挿入し、配管P1を覆う蛇腹状の配管保護カバー22の内側の凹部に突起64を嵌め込む(引っ掛ける)。これにより、Oリング54の内周面が配管P1の外周面に密着し、配管挿入部44と配管P1との間がシールされるとともに、配管保護カバー21が突起64に引っ掛かるため、衝撃などが配管保護カバー21又は管継手保護カバー30に加えられても、配管保護カバー21と管継手保護カバー30との連結が維持される。
【0034】
次に、配管P1を管継手12に接続する。そして、管継手12を内部に収容するように中央分割パーツ32の雄ねじ32Aを第1分割パーツ34の雌ねじ34Aに螺合させて、これらの分割パーツを連結する。
そして、土中に埋設されている、又は土中に埋設前の配管P2を第2分割パーツ36の配管挿入部46に挿入し、配管P2を覆う蛇腹状の配管保護カバー22の内側の凹部に突起66を嵌め込む(引っ掛ける)。これにより、Oリング56の内周面が配管P2の外周面に密着し、配管挿入部46と配管P2との間がシールされるとともに、配管保護カバー22が突起66に引っ掛かるため、衝撃などが配管保護カバー22又は管継手保護カバー30に加えられても、配管保護カバー22と管継手保護カバー30との連結が維持される。
【0035】
その後、配管P2を管継手12に接続し、第2分割パーツ36の雌ねじ36Aを中央分割パーツ32の雄ねじ32Aに螺合させて、これらの分割パーツを連結する。これにより、管継手12が管継手保護カバー30の内部に収容されて保護される。なお、キャップ50は、管継手保護カバー30を組み立てる前、組み立て中、組み立て後の何れのタイミングで取り付けてもよいものとする。
【0036】
以上、管継手12が管継手保護カバーによって保護されるため、掘り返し時などの衝撃で管継手12が傷付くことが防止される。なお、管継手保護カバー30内に収容される配管P1及び配管P2の夫々の一部分も管継手保護カバーによって保護される。また、配管P1が挿入される配管挿入部44、及び配管P2が挿入される配管挿入部46には夫々Oリング54、Oリング56が設けられているため、外部(土中)から管継手保護カバー30内へ配管挿入部44、配管挿入部46を通って流体(水、油など)が浸入することが防止される。
【0037】
結果、管継手保護カバー30は、管継手12を保護することができるとともに、十分な防水性能を確保することができる。そして、管継手保護カバーを用いた管継手保護構造10は、衝撃による管継手12の傷付き、及び流体の浸入による管継手12の劣化を防止することができる。
【0038】
また、衝撃などが加えられても、突起64及び突起66によって、配管保護カバー21及び配管保護カバー22と管継手保護カバー30との連結が維持されるため、配管P1、配管P2及び管継手12が傷付くことが防止される。さらに、本実施形態では、各分割パーツの連結が雄ねじと雌ねじの螺合によってなされるため、カバー本体31の分割(分解)又は組み立て作業が簡単なものとなる。
【0039】
そして、本実施形態では、使用しない配管挿入部42をキャップ50で閉塞しているため、配管挿入部42からの流体の浸入が防止される。また、カバー本体31の外周面が連続した曲面であることから、この外周面に圧力(衝撃)が作用しても圧力が効果的に分散されて、カバー本体31、すなわち管継手保護カバー30の損傷が防止される。
【0040】
また、本実施形態では、管継手保護カバー30を用いてストレート型の管継手12を保護したが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、図6に示されるように、管継手保護カバー30がT字型の管継手82(配管P1を1本、配管P2を2本接続可能な継手)を保護してもよい。この場合には、第1実施形態のように配管挿入部42をキャップ50で閉塞せずに、配管挿入部42に配管P2を挿入して管継手82に接続し、他の配管P1、P2を夫々配管挿入部44、46に挿入して管継手82に接続することで、管継手82を介して、配管P1、及び配管P2を連結することができる。もちろん、第1実施形態と同様に、管継手保護カバー30は、内部への流体の浸入を防止することができる。
【0041】
さらに、L字型の管継手(配管P1を1本、配管P2を1本接続可能な継手)を管継手保護カバー30で保護する場合には、配管挿入部46をキャップ50で閉塞し、配管P2を配管挿入部42に挿入してL字型の管継手に接続し、配管P1を配管挿入部44に挿入してL字型の管継手に接続することで、L字型の管継手を介して、配管P1、及び配管P2を連結することができる。もちろん、第1実施形態と同様に、管継手保護カバー30は、内部への流体の浸入を防止することができる。
【0042】
従って、本発明の管継手保護カバー30は、管継手の形状(ストレート型、L型、T字型)に応じて、使用しない配管挿入部をキャップ50で閉塞することで、多種の管継手に対応させることができる。これにより、現場などで、管継手の形状が急遽変更になっても、現場にて即時対応可能となり、工期短縮に繋げることができる。
【0043】
また、例えば、配管P1同士を連結するストレート型の管継手を本発明の管継手保護カバーで保護する場合には、中央分割パーツ32の軸方向の両側に第1分割パーツ34を連結して本体カバーを構成することで、配管P1同士を連結するストレート型の管継手に対応させることができる。
【0044】
さらに、第1実施形態では、3つの分割パーツを連結してカバー本体31を構成したが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、図7に示されるように、第1分割パーツと中央分割パーツとが一体的に形成された第3分割パーツ38と第2分割パーツ36とを連結してカバー本体39を構成してもよい。この場合には、カバー本体の部品点数を減らすことができる。
【0045】
また、第1実施形態では、3つの分割パーツを連結してカバー本体31を構成したが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、中央分割パーツに対応する分割パーツが複数用いられてもよいものとする。この場合には、本発明の管継手保護構造を、複数に分岐する管継手(例えば、配管ヘッダーなど)にも対応させることができる。
【0046】
上述の実施形態では、例えば、管継手12と管継手保護カバー30との間が中空とされたが、本発明はこの構成に限定される必要はなく、管継手12と管継手保護カバー30との間に衝撃を吸収する衝撃吸収材(例えば、ゴム片、スポンジなどのクッション材)が配置(収容)されてもよいものとする。この場合には、掘り返し時の衝撃が管継手保護カバー30に加えられても、衝撃吸収材が衝撃を吸収するため、管継手12や、管継手保護カバー30内の配管P1及びP2が傷付くことが防止される。
【0047】
また、カバー本体31を透明又は半透明の樹脂材料にて構成してもよい。なお、このときのカバー本体31の透明度(光透過度)は、カバー本体31を透して管継手12や、配管P1、P2が視認できるレベルであることが望ましい。カバー本体31に透明又は半透明の樹脂材料を用いた場合には、管継手12の状態や、管継手12と配管P1及び配管P2との接続状態を視認することができるため、メンテナンス性が向上する。
【0048】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態の配管保護構造を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の管継手保護カバーの連結部分のねじ構造を示す断面図である。
【図3】管継手保護カバーに配管カバーが装着された状態を示す断面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】本発明の配管保護構造の変形例である。
【図7】本発明の管継手保護カバーの変形例である。
【符号の説明】
【0050】
10 管継手保護構造
12、82 管継手
21 配管保護カバー
22 管保護カバー
30 管継手保護カバー
31 カバー本体
32 中央分割パーツ(分割体)
34 分割パーツ(分割体)
36 分割パーツ(分割体)
38 分割パーツ(分割体)
42、44、46 配管挿入部
50 キャップ(蓋体)
52、54、56 Oリング(止水部材)
62、64、66 突起(係止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分割体を連結して構成され、複数の配管を連結するための管継手を内部に収容可能なカバー本体と、
前記分割体に設けられ、前記配管を挿入可能な配管挿入部と、
前記配管挿入部に設けられ、挿入された前記配管の外周面に密着して前記配管と前記配管挿入部との間をシールする止水部材と、
を備えることを特徴とする管継手保護カバー。
【請求項2】
前記分割体の外周面に前記配管を覆う配管保護カバーを係止するための係止部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の管継手保護カバー。
【請求項3】
前記分割体同士の連結が、一方の前記分割体に設けられた雄ねじと、他方の前記分割体に設けられた雌ねじとの螺合によってなされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手保護カバー。
【請求項4】
前記配管挿入部を閉塞可能な蓋体を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項5】
前記カバー本体の外周面が連続した曲面であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項6】
前記分割体は透明材料又は半透明材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項7】
複数の配管が連結された管継手と、
前記管継手を内部に収容した請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の管継手保護カバーと、
を備えることを特徴とする管継手保護構造。
【請求項8】
前記管継手と前記管継手保護カバーとの間に衝撃吸収材を配置することを特徴とする管継手保護構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−257544(P2009−257544A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109965(P2008−109965)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】