説明

管継手保護カバー、及び管継手保護構造

【課題】サイズや形状などが異なる各種の管継手を一種類のカバー体によって保護することができる。
【解決手段】管継手保護カバー10では、中空状に形成されたカバー体14の内部には、ストレート型、L字型、T字型などの各種の管継手を収容することができる。また、カバー体14に形成された複数の開口20、22、24の周縁部には、連結手段が設けられており、この連結手段は、一のカバー体14と他のカバー体14とを、両者の開口を対向させた状態で連結可能とされている。したがって、例えば、一のカバー体14の内部に収容された管継手と、他のカバー体14の内部に収容された管継手とを、上記開口を介して連結することができる。これにより、例えば、複数の管継手が連結されて構成された長尺なヘッダー76等を複数のカバー体14によって保護することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配管を連結するための管継手を保護する管継手保護カバー、及びこの管継手保護カバーを用いた管継手保護構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に埋設された配管の継手部分を腐食から保護する保護カバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−35879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の如き保護カバーは、特定の管継手(例えば、T字型の管継手)を1つだけ収容するようにサイズや形状が設定されている。このため、サイズや形状が異なる各種の管継手に対応するためには、保護カバーの種類を多くしなければならない。また、例えば複数の管継手を連結してヘッダーとして用いる場合、上述の如き保護カバーではヘッダーの全体を収容することができないため、保護カバーの外側に露出したヘッダーの一部が土に触れることになり、衛生上好ましくない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、サイズや形状などが異なる各種の管継手を一種類のカバー本体によって保護することができる管継手保護カバー及びこの管継手保護カバーを用いた管継手保護構造を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係る管継手保護カバーは、複数の配管を連結するための管継手を内部に設けられた中空部へ収容可能とされる共に、前記中空部へ連通される複数の開口が形成されたカバー本体と、前記カバー本体に設けられ、一の前記カバー本体と他の前記カバー本体とを、前記開口を対向させた状態で連結する連結手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体の内部に設けられた中空部に管継手を収容することができる。しかも、カバー本体に設けられた連結手段は、一のカバー本体と他のカバー本体とを、開口を対向させた状態で連結する。したがって、例えば、一のカバー本体の内部に収容された管継手と、他のカバー本体の内部に収容された管継手とを、開口を介して連結することができる。このように、連結された複数のカバー本体によって管継手を保護することができるため、サイズや形状などが異なる各種の管継手を一種類のカバー本体によって保護することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1に記載の管継手保護カバーにおいて、前記連結手段は、前記開口の周縁部に設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体は、開口の周縁部に設けられた連結手段によって他のカバー本体に連結される。このように、連結手段が開口の周縁部に設けられているため、例えば雄ねじと雌ねじの螺合構造や、雄雌の嵌め込み式の構造などを採用することができ、連結手段の構成を簡単なものにすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1又は請求項2に記載の管継手保護カバーにおいて、前記カバー本体は、直方体形状に形成され、前記複数の開口は、前記カバー本体の異なる面に形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体が直方体形状に形成されており、複数の開口がカバー本体の異なる面に形成されている。このため、複数のカバー本体が各々の開口を対向させた状態で連結される際に、これらのカバー本体を整然と連結することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の管継手保護カバーにおいて、前記カバー本体に設けられ、一の前記カバー本体と他の前記カバー本体との連結部をシールする止水手段を有することを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の管継手保護カバーでは、一のカバー本体と他のカバー本体との連結部が止水手段によってシールされる。したがって、これらのカバー本体が土中に埋設された状態で、土中に含まれる液体(水、油など)が前記連結部を介して各カバー本体の内部に浸入することを防止できる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の管継手保護カバーにおいて、前記開口を閉止可能な閉止キャップを有することを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体の複数の開口のうち使用しない開口を閉止キャップによって閉止することができる。これにより、使用しない開口を介してカバー本体の内部に異物(液体など)が浸入することを防止できる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項5に記載の管継手保護カバーにおいて、前記閉止キャップは、前記配管を挿入可能な配管挿入部を有することを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体の開口を閉止する閉止キャップに配管を挿入可能な配管挿入部が設けられている。このため、配管が挿入される開口を介してカバー本体の内部に異物が侵入することを抑制できる。
【0018】
請求項7に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の管継手保護カバーにおいて、前記開口に回転自在に装着されて前記開口を閉止すると共に、回転中心と異なる位置に前記配管を挿入可能な配管挿入部が設けられた回転キャップを有することを特徴としている。
【0019】
請求項7に記載の管継手保護カバーでは、カバー本体の開口を閉止する回転キャップに配管を挿入可能な配管挿入部が設けられている。このため、配管が挿入された開口を介してカバー本体の内部に異物が侵入することを抑制できる。しかも、回転キャップの配管挿入部は、回転キャップの回転中心とは異なる位置に設けられている。したがって、カバー本体内部の管継手と配管挿入部に挿入された配管とに位置ズレが生じている場合などには、回転キャップをカバー本体に対して回転させることで、管継手と配管の相対位置を調整することができ、上記位置ズレを解消することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項6又は請求項7に記載の管継手保護カバーにおいて、前記配管挿入部には、挿入された前記配管の外周面に密着して前記配管と前記配管挿入部との間をシールする止水部材が設けられていることを特徴としている。
【0021】
請求項8に記載の管継手保護カバーでは、配管と配管挿入部との間が止水部材によってシールされる。このため、土中に含まれる液体などが配管と配管挿入部との間からカバー本体の内部に侵入することを防止できる。
【0022】
請求項9に記載の発明に係る管継手保護カバーは、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の管継手保護カバーにおいて、前記カバー本体には、開閉可能な点検口が設けられていることを特徴としている。
【0023】
請求項9に記載の管継手保護カバーでは、開閉可能な点検口を介してカバー本体内部の管継手などを確認することができる。したがって、管継手などのメンテナンスを容易なものにすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明に係る管継手保護構造は、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の管継手保護カバーを複数備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項10に記載の管継手保護構造では、複数の管継手保護カバーのカバー本体を互いに連結させることができるため、サイズや形状などが異なる各種の管継手を一種類のカバー本体によって保護することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係る管継手保護カバー及び管継手保護構造では、サイズや形状などが異なる各種の管継手を一種類のカバー本体によって保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る管継手保護カバーの斜視図である。
【図2】図1に示される管継手保護カバーの断面図である。
【図3】図1の一部を拡大した断面図である。
【図4】図1の一部を拡大した断面図である。
【図5】図1の一部を拡大した断面図である。
【図6】管継手保護カバーのカバー本体の内部にL字型の管継手が収容された状態を説明するための断面図である。
【図7】管継手保護カバーのカバー本体の内部にT字型の管継手が収容された状態を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る管継手保護構造を示す斜視図である。
【図9】複数のカバー本体が直線状に連結された状態を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る管継手保護構造を示す斜視図である。
【図11】複数のカバー本体がL字状に連結された状態を説明するための断面図である。
【図12】カバー本体の連結部を示す断面図である。
【図13】カバー本体の連結部の第1変形例を示す断面図である。
【図14】カバー本体の連結部の第2変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る管継手保護カバーの斜視図である。
【図16】図15に示される管継手保護カバーの回転キャップの装着構造を説明するための断面図である。
【図17】回転キャップの装着構造の変形例を示す断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る管継手保護カバーの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1の実施形態>
以下、図1〜図12を参照して本発明の第1の実施形態に係る管継手保護カバー10及びこの管継手保護カバー10を用いた管継手保護構造12について説明する。なお、本第1実施形態に係る管継手保護構造12は、以下に説明する管継手保護カバー10を複数備えた構成になっている。
【0029】
(管継手保護カバー10)
図1及び図2に示されるように、管継手保護カバー10は、カバー本体14を備えている。カバー本体14は、合成樹脂材料等によって中空の直方体状に形成されたものであり、ストレート型、L字型、T字型などの各種の形状の管継手を、内部の中空部15に収容できるように大きさが設定されている。なお、図2では概略的に記載してあるが、カバー本体14の内部には、配管P1と配管P2を接続可能なストレート型の管継手17が収容されている。
【0030】
図1に示されるように、カバー本体14の正面壁14Aには、矩形の点検口16(図8及び図10では図示省略)が形成されており、この点検口16を介してカバー本体14の内部を確認できるようになっている。この点検口16は、正面壁14Aに対して着脱可能とされた蓋体18によって閉止されており、蓋体18と正面壁14Aとの間はゴム材等からなる図示しないパッキンによってシールされている。なお、その他の実施形態としては、蓋体18が正面壁14Aに対してヒンジなどを介して回動可能に連結された構成にしてもよい。
【0031】
一方、カバー本体14の上面壁14B、右面壁14C、及び左面壁14Dには、それぞれ円形の開口20、22、24(貫通孔)が形成されている。これらの開口20、22、24はカバー本体14の内部(中空部15)に連通している。したがって、これらの開口20、22、24を介してカバー本体14の内部に各種の管継手を挿入できるようになっている。
【0032】
各開口20、22、24の周縁部には、それぞれカバー本体14の外側へ向けて突出する筒状の接続部26、28、30が設けられており、これらの接続部26、28、30には、それぞれ略円盤状の閉止キャップ32、34、36が接続(装着)される構成になっている。これにより、各開口20、22、24が、閉止キャップ32、34、36によって閉止される。
【0033】
図2及び図3に示されるように、上面壁14Bの接続部26に接続される閉止キャップ32の内周部には、雌ねじ32Aが形成されている。また、接続部26の外周部には、雄ねじ26A(連結手段)が形成されており、この雄ねじ26Aが雌ねじ32Aに螺合することで、閉止キャップ32が接続部26に接続されるようになっている。
【0034】
また、閉止キャップ32の開口側の端部には、嵌挿溝38が形成されており、この嵌挿溝38にはOリング40が嵌め込まれている。このOリング40は、閉止キャップ32が接続部26に装着された状態で上面壁14Bに密着する。これにより、閉止キャップ32とカバー本体14との間がシールされる。
【0035】
一方、図2及び図4に示されるように、右面壁14Cの接続部28に接続される閉止キャップ34の内周部には、閉止キャップ32の雌ねじ32Aと同様の雌ねじ34Aが形成されている。また、接続部28の外周部には、接続部26の雄ねじ26Aと同様の雄ねじ28A(連結手段)が形成されており、この雄ねじ28Aが雌ねじ34Aに螺合することで、閉止キャップ34が接続部28に接続されるようになっている。なお、上述の如く雌ねじ32Aと雌ねじ34Aとが同様の構成とされ、雄ねじ26Aと雄ねじ28Aとが同様の構成とされているため、閉止キャップ32を右面壁14Cに装着し、閉止キャップ34を上面壁14Bに装着することもできるようになっている。
【0036】
図2に示されるように、閉止キャップ34の中央部には、配管P1を挿入可能な円筒状の配管挿入部42が設けられている。この配管挿入部42の内周部には、周溝44が形成されており、この周溝44にはOリング46が嵌め込まれている。このOリング46は、配管挿入部42に挿入された配管P1の外周面に密着するようになっており、これにより、配管挿入部42と配管P1との間がシールされる。
【0037】
また、図4に示されるように、閉止キャップ34の開口側の端部には、嵌挿溝48が形成されており、この嵌挿溝48にはOリング50が嵌め込まれている。このOリング50は、閉止キャップ34が接続部28に装着された状態で右面壁14Cに密着する。これにより、閉止キャップ34とカバー本体14との間がシールされる。
【0038】
一方、図5に示されるように、左面壁14Dの接続部30に接続される閉止キャップ36の内周部には、凹部54が形成されており、接続部30の外周部には、この凹部54に嵌合する凸部56が形成されている。これにより、閉止キャップ36が接続部30に接続されるようになっている。
【0039】
この閉止キャップ36の中央部には、図2に示されるように、配管P2を挿入可能な円筒状の配管挿入部58が設けられている。この配管挿入部58の内周部には、周溝60が形成されており、この周溝60にはOリング62が嵌め込まれている。このOリング62は、配管挿入部58に挿入された配管P2の外周面に密着するようになっており、これにより、配管挿入部58と配管P2との間がシールされる。
【0040】
また、図5に示されるように、閉止キャップ36の開口側の端部には、嵌挿溝64が形成されており、この嵌挿溝64にはOリング66が嵌め込まれている。このOリング66は、閉止キャップ36が接続部30に装着された状態で左面壁14Dに密着する。これにより、閉止キャップ36とカバー本体14との間がシールされる。
【0041】
さらに、図5に示されるように、左面壁14Dに設けられた接続部30の内周部には、雌ねじ30A(連結手段)が形成されている。この雌ねじ30Aは、前述した雄ねじ26A及び雄ねじ28Aに螺合可能な形状に形成されている。さらに、接続部30の先端部には、嵌挿溝68が形成されており、この嵌挿溝68にはOリング70(止水手段)が嵌め込まれている。このOリング70は、接続部30の先端面から僅かに突出している。
【0042】
次に、本第1実施形態の作用について説明する。
上記構成の管継手保護カバー10では、ストレート型の管継手17をカバー本体14の内部に収容して保護する場合には、図2に示されるように、配管挿入部が設けられていない閉止キャップ32を上面壁14Bの接続部26に装着して開口20を閉止する。そして、配管挿入部42が設けられた閉止キャップ34を右面壁14Cの接続部28に装着するとともに、配管挿入部58が設けられた閉止キャップ36を左面壁14Dの接続部30に装着する。これにより、配管挿入部42に挿入された配管P1と、配管挿入部58に挿入された配管P2とをストレート型の管継手17によって接続することができる。
【0043】
一方、L字型の管継手72をカバー本体14の内部に収容して保護する場合には、図6に示されるように、配管挿入部が設けられていない閉止キャップ32を右面壁14Cの接続部28に装着して開口22を閉止する。そして、配管挿入部42が設けられた閉止キャップ34を上面壁14Bの接続部26に装着するとともに、配管挿入部58が設けられた閉止キャップ36を左面壁14Dの接続部30に装着する。これにより、配管挿入部42に挿入された配管P1と、配管挿入部58に挿入された配管P2とをL字型の管継手72によって接続することができる。
【0044】
また一方、T字型の管継手74をカバー本体14の内部に収容して保護する場合には、図7に示されるように、配管挿入部42が設けられた閉止キャップ34を2つ用いればよい。この場合、配管挿入部42が設けられた2つの閉止キャップ34を上面壁14Bの接続部26と右面壁14Cの接続部28にそれぞれ装着するとともに、配管挿入部58が設けられた閉止キャップ36を左面壁14Dの接続部30に装着する。これにより、2つの閉止キャップ34の配管挿入部42に挿入された2本の配管P1と、配管挿入部58に挿入された配管P2とをT字型の管継手74によって接続することができる。
【0045】
このように、本実施形態に係る管継手保護カバー10では、各種の管継手をカバー本体14の内部に収容して保護することができる。したがって、管継手が管継手保護カバー10と共に土中に埋設された場合に、当該管継手が土中からの掘り返し時などの衝撃で傷付くことを防止できる。
【0046】
しかも、この管継手保護カバー10では、配管挿入部42と配管P1との間がOリング46によってシールされるとともに、配管挿入部58と配管P2との間がOリング62によってシールされる。このため、管継手保護カバー10が土中に埋設された状態で、土中に含まれる液体(水、油など)が配管挿入部42、58を介してカバー本体14の内部に侵入することを防止できる。また、閉止キャップ32、34、36によって開口20、22、24を介したカバー本体14内部への異物の侵入を防止できると共に、閉止キャップ32、34、36とカバー本体14との間が、Oリング40、50、66(図3〜図5参照)によってシールされるため、閉止キャップ32、34、36とカバー本体14との間からカバー本体14の内部に液体が侵入することを防止できる。
【0047】
また、この管継手保護カバー10では、配管P1、P2がOリング46、62の適度な保持力によって保持されるため、配管P1、P2などに曲げ荷重が作用した場合やカバー本体14内部で宙吊り状態の管継手が振動したような場合でも、配管P1、P2及び管継手に過度の負荷が掛かることを抑制できる。これにより、配管P1、P2及び管継手の破損を防止することができる。
【0048】
また、カバー本体14には、開閉可能な点検口16が設けられているため、カバー本体14から閉止キャップ32、34、36を取り外して管継手保護カバー10を分解しなくても、カバー本体14内部の管継手の状態などを確認することができる。したがって、管継手のメンテナンスを容易なものにすることができる。
【0049】
さらに、本実施形態に係る管継手保護カバー10では、カバー本体14の雌ねじ30Aを、他のカバー本体14の雄ねじ26A又は雄ねじ28Aに螺合させることで、カバー本体14同士を連結することができる。したがって、本実施形態に係る管継手保護構造12(図8〜図10参照)のように複数の管継手保護カバー10を用いることで、様々な形状に連結されたカバー本体14の連結体(管継手保護カバー)を形成することができる。
【0050】
例えば、図8及び図9に示されるように、雌ねじ30Aと雄ねじ28Aの螺合により複数のカバー本体14を直線状に連結すれば、各カバー体14の内部が開口22、24を介して連通する。これにより、長尺な管継手保護カバー75を形成することができるため、ヘッダー76のように長尺な管継手を当該管継手保護カバー75の内部に収容して保護することができる。したがって、ヘッダー76が土中に埋設される場合でも、掘り返し時の衝撃や土中に含まれる液体などからヘッダー76を保護することができる(なお、図9ではヘッダー76を概略的に記載してある)。
【0051】
また、図10及び図11に示されるように、複数のカバー本体14をL字状に連結してL字状の管継手保護カバー78を形成することもできる。また、必要に応じて各カバー本体14の開口20、22、24を閉止キャップ32、34、36により閉止することもできる。このように、本実施形態では、複数のカバー本体14によって構成される管継手保護カバーの形状を自由自在に変更することができるため、土中に埋設される各種の管継手を一種類のカバー本体14で保護することができる。
【0052】
しかも、本実施形態では、カバー本体14が直方体形状に形成されており、複数の開口20、22、24がカバー本体14の異なる面に形成されている。したがって、複数のカバー本体14が各々の開口を対向させた状態で連結される際に、これらのカバー本体14を整然と連結することができる。
また、図12に示されるように、一のカバー本体14の接続部30に設けられたOリング70が他のカバー本体14に密着することで、これらのカバー本体14の連結部がシールされる。したがって、土中に含まれる液体などがカバー本体14同士の連結部から各カバー本体14の内部に侵入することを防止できる。
【0053】
なお、上記第1実施形態では、カバー本体14の連結手段が雄ねじ26A、28Aと雌ねじ30Aによって構成された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、連結手段の構成は適宜変更することができる。例えば、図13に示されるように、嵌め込み式の連結手段を採用してもよい。この構成の場合、一方のカバー本体14の接続部28が、他方のカバー本体14の接続部30の内側に嵌合すると共に、接続部28の外周部に設けられた凸部80が、接続部30の内周部に設けられた凹部82に嵌合することで2つのカバー本体14が連結される。この構成の場合でも、接続部30に設けられたOリング70によって2つのカバー本体14の間をシールすることができる。
【0054】
また、図14に示されるような連結手段を採用することも可能である。この構成では、一方のカバー本体14の接続部28が、他方のカバー本体14の接続部30の内側に嵌合すると共に、接続部28の外周部に形成された周溝83に嵌め込まれたOリング84が、接続部30の内周部に設けられた周溝85に嵌合することで2つのカバー本体14が連結される。この構成の場合、連結手段を構成するOリング84によって2つのカバー本体14の間がシールされる。すなわち、1つのOリング84が連結手段と止水手段の2つの機能を兼ね備えるため、構成の簡素化を図ることができる。なお、Oリング84が接続部30の周溝85に嵌め込まれる(装着される)構成にしてもよい。また、何れか一方の周溝が省略された構成にしてもよい。
【0055】
また、上記第1実施形態では、連結手段としての雄ねじ26A、28A及び雌ねじ30Aが、それぞれカバー本体14の開口20、22、24の周縁部に設けられた構成にしたが、本発明はこれに限らず、例えばカバー本体14の外壁(正面壁14A、上面壁14Bなど)に連結手段としてのフックを取り付け、当該フックを他のカバー本体14に引っ掛けることで、これらのカバー本体14を連結する構成にしてもよい。
【0056】
また、上記第1実施形態では、カバー本体14に3つの円形の開口20、22、24が形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、カバー本体に形成される開口の数や形状は適宜変更することができる。
【0057】
また、上記第1実施形態では、カバー本体14の接続部30の先端部に設けられたOリング70が止水手段とされた構成にしたが、本発明はこれに限らず、止水手段の構成は適宜変更することができる。例えばカバー本体14の接続部30の先端部に取り付けたゴム製のパッキンを止水手段とする構成にしてもよい。
【0058】
また、上記第1実施形態では、配管挿入部42、58に設けられたOリング46、62が止水部材として適用された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、止水部材は配管挿入部と配管との間をシールすることができるものであればよく、適宜変更することができる。例えば、ゴム製のパッキンや変形ゴムリング等を止水部材として適用する構成にしてもよい。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1の実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
【0060】
<第2の実施の形態>
図15には、本発明の第2の実施形態に係る管継手保護カバー90の斜視図が示されている。この管継手保護カバー90は、前記第1実施形態に係る管継手保護カバー10と基本的に同様の構成とされている。但し、この管継手保護カバー90のカバー本体14では、前記第1実施形態に係る接続部26が省略されており、上面壁14Bの開口20には、円板状の回転キャップ92が装着されている。
【0061】
図16に示されるように、回転キャップ92の外周部には、凸部94が形成されており、この凸部94は、開口20の内周部に形成された凹部96に嵌合している。これにより、回転キャップ92は、カバー本体14に対して回転可能に装着されている。なお、回転キャップ92は、カバー本体14に対してワンタッチで装着可能とされている。また、回転キャップ92の外周部と開口20の内周部との間には、ゴム等からなるシール材98が介在しており、このシール材98によって回転キャップ92と開口20との間がシールされている。なお、その他の実施形態では、図17に示されるような構成にしてもよい。この構成では、開口20の内周部に周溝104が形成されると共に、回転キャップ92の外周部に周溝106が形成されており、これらの周溝の一方に嵌め込まれたOリング108が他方の周溝に嵌合することで、回転キャップ92がカバー本体14に対して回転可能に装着されている。この構成の場合も、回転キャップ92をカバー本体14に対してワンタッチで装着することができると共に、Oリング108によって回転キャップ92と開口20との間をシールすることができる。
【0062】
一方、図15に示されるように、回転キャップ92の上面の外周側(回転キャップ92の回転中心と異なる位置)には、配管P1を挿入可能な配管挿入部100が設けられている。この配管挿入部100は、前記第1の実施形態に係る配管挿入部38と基本的に同様の構成とされている。
【0063】
この実施形態では、回転キャップ92をカバー本体14に対して回転させることで(図15の矢印R参照)、カバー本体14に対する配管挿入部100の位置を変更することができる。したがって、図15に示されるように、カバー本体14の内部に長尺なL字状の管継手102が収容される場合などに、配管挿入部100に挿入された配管P1と管継手102との相対位置を調整することができ、両者の位置ズレを解消することができる。したがって、サイズ毎に微妙に異なる管継手の寸法に対応することができる。
【0064】
なお、図18に示されるように、配管挿入部100が上面壁14Bの長手方向一端側(ここでは右面壁14C側)に設けられた構成にしてもよい。この場合でもカバー本体14の内部に収容された長尺なL字型の管継手102に対して配管P1を接続することができ、サイズ毎に微妙に異なる管継手の寸法に対応することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 管継手保護カバー
12 管継手保護構造
14 カバー本体
15 中空部
16 点検口
20、22、24 開口
26A 雄ねじ(連結手段)
28A 雄ねじ(連結手段)
30A 雌ねじ(連結手段)
32、34、36 閉止キャップ
42 配管挿入部
46 Oリング(止水部材)
58 配管挿入部
62 Oリング(止水部材)
70 Oリング(止水手段)
92 回転キャップ
100 配管挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配管を連結するための管継手を内部に設けられた中空部へ収容可能とされる共に、前記中空部へ連通される複数の開口が形成されたカバー本体と、
前記カバー本体に設けられ、一の前記カバー本体と他の前記カバー本体とを、前記開口を対向させた状態で連結する連結手段と、
を備えた管継手保護カバー。
【請求項2】
前記連結手段は、前記開口の周縁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の管継手保護カバー。
【請求項3】
前記カバー本体は、直方体形状に形成され、前記複数の開口は、前記カバー本体の異なる面に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手保護カバー。
【請求項4】
前記カバー本体に設けられ、一の前記カバー本体と他の前記カバー本体との連結部をシールする止水手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項5】
前記開口を閉止可能な閉止キャップを有することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項6】
前記閉止キャップは、前記配管を挿入可能な配管挿入部を有することを特徴とする請求項5に記載の管継手保護カバー。
【請求項7】
前記開口に回転自在に装着されて前記開口を閉止すると共に、回転中心と異なる位置に前記配管を挿入可能な配管挿入部が設けられた回転キャップを有することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項8】
前記配管挿入部には、挿入された前記配管の外周面に密着して前記配管と前記配管挿入部との間をシールする止水部材が設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の管継手保護カバー。
【請求項9】
前記カバー本体には、開閉可能な点検口が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の管継手保護カバー。
【請求項10】
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の管継手保護カバーを複数備えたことを特徴とする管継手保護構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−203553(P2010−203553A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51231(P2009−51231)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】