管継手
【課題】管との接続状態をより安定的に維持し、且つ、管を容易に接続することが可能な管継手を提供する。
【解決手段】管継手10は、環状溝部21を有する略矩形状の管20を、抜け止め可能に接続する。この管継手10は、管20の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、管20の溝部21に嵌着される抜止部材120と、抜止部材120が装着された管20を内挿する受け口111、及び、抜止部材120が係合する被係合部112を有する継手本体110と、を備え、抜止部材120は、溝部21の外面に当接する装着部121と、溝部21の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部122とを有し、装着部121と弾性変形部122とが抜止部材120の同一の辺に併設されてなる
【解決手段】管継手10は、環状溝部21を有する略矩形状の管20を、抜け止め可能に接続する。この管継手10は、管20の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、管20の溝部21に嵌着される抜止部材120と、抜止部材120が装着された管20を内挿する受け口111、及び、抜止部材120が係合する被係合部112を有する継手本体110と、を備え、抜止部材120は、溝部21の外面に当接する装着部121と、溝部21の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部122とを有し、装着部121と弾性変形部122とが抜止部材120の同一の辺に併設されてなる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に配線などを収容して保護する管を接続するのに用いる管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
地中や壁内に配線や配管材(以下、配線等という)を埋設する場合、配線等を保護するのに保護管が用いられている。この管は、埋設現場において適宜相互に接続可能とする必要があり、あるいは、収容された配線等の分岐等のために埋設ボックス(ハンドホール)へ接続可能とする必要があり、これら接続のために管継手が一般的に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、管継手(30)(以下、()内で特許文献1の符号を示す。)が開示されている。この管継手(30)は、管(40)が挿入される受け口(1)を有する継手本体(10)と、管(40)の溝部(蛇腹の谷部)に装着される抜け止め部材(20)とを備える。この抜け止め部材(20)は、ほぼ馬蹄形状をしており、管の外形の一辺に沿うように形成された1つの直線部(12)と、外方に膨らむように湾曲していると共に内方に弾性変形可能に形成された2つの係止部(13)とからなる。そして、直線部(12)の両端部から2つの係止部(13)が延びていると共に、その端部が切り欠き部(11)として開放されている。つまり、抜け止め部材(20)は、直線部(12)としての1辺と、係止部(13)としての2辺とからなる平面視コ字状の帯体である。
【0004】
他方、継手本体(10)の周壁には2つの係止部(13)が係合するための被係合部としての貫通孔(2)が穿設されている。そして、抜け止め部材(20)が装着された状態の管(30)を受け口(1)に挿入すると、係止部(13)が弾性変形し、さらに貫通孔(2)内で弾性復帰することで、各係止部(13)が各貫通孔(2)内にそれぞれ係合されて、管(40)が管継手(30)に抜け止め状態に接続される。すなわち、特許文献1の管継手(30)は、管(40)を抜け止め状態で容易に接続することを可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−309502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の管継手(30)では、特許文献1の図2及び4(c)から明らかなように、抜け止め部材(20)の一辺をなす直線部(12)のみが管(40)に当接し、他の対向する2辺は、その係止部(13)が継手本体(10)の貫通孔(2)縁部に係合しているだけである。この接続状態においては、管(40)に密着しない辺が2辺も存在し、且つ、下端部が開放されているので、管(40)と抜け止め部材(20)との密着力が十分であるとはいえない。つまり、抜け止め部材(20)の直線部(12)以外の2辺(すなわち係止部(13)及び切り欠き部(11)を備えた辺)では、抜け止め部材(20)内周と管(40)溝部外面との間に生じる隙間によって、管(40)と管継手(30)との連結部分ががたつき、接続状態が必ずしも安定していない。また、特許文献1の図7及び8の断面図のように、3辺が管(40A)に対向配置されるが、抜け止め部材(20A)の撓み代が必要なために、やはり、抜け止め部と管とは密着していない。したがって、同様に抜け止め部材(20A)内周と管(40A)溝部外面との間に隙間が生じる。
【0007】
さらに、この接続状態では、継手本体(10)と抜け止め部材(20)との連結強度についても十分であるとはいえない。つまり、継手本体(10)と抜け止め部材(20)とは、対向する2箇所(各辺の係止部(13)と本体の貫通孔(2))で固定されているだけであり、管継手(30)の幅方向及び引き抜き方向に外力が加わった場合、この外力に対抗しきれずに、抜け止め部材(20)が継手本体(10)から外れるおそれがある。したがって、特許文献1の管継手(30)では、管との接続状態を強固に維持する、あるいは、十分な引き抜き強度を発揮することができないおそれがあった。なお、ビス等で管と管継手とを固定することも可能ではあるが、管と管継手との接続作業工程が増え、その分煩雑化する。
【0008】
したがって、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管との接続状態をより安定的に維持し、且つ、管を容易に接続することが可能な管継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の管継手は、環状溝部を有する略矩形状の管を、抜け止め可能に接続するための管継手であって、管の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、管の溝部に嵌着される抜止部材と、抜止部材が装着された管を内挿する受け口、及び、抜止部材が係合する被係合部を有する継手本体と、を備え、抜止部材は、管に形成された溝部の外面に当接する装着部と、溝部の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部とを有し、これら装着部と弾性変形部とが当該抜止部材の同一の辺に併設されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の管継手は、請求項1の管継手において、抜止部材の少なくとも3辺のそれぞれに装着部と弾性変形部とが併設されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の管継手は、請求項1又は2の管継手において、抜止部材は、弾性変形部から外方に突出して被係合部に係合する係合部をさらに有していることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の管継手は、請求項1から3のいずれかの管継手において、装着部と弾性変形部とが抜止部材の各辺にそれぞれ形成されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の管継手は、請求項1から4のいずれかの管継手において、弾性変形部は、抜止部材の隅角部において、隣接する両辺に亘って形成されてなることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の管継手は、請求項1から5のいずれかの管継手において、抜止部材は、帯状であり、当該抜止部材に弾性変形部と装着部とが一体形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の管継手は、請求項1から6のいずれかの管継手において、弾性変形部は、装着部から外方に湾曲して形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の管継手は、請求項1から7のいずれかの管継手において、装着部と弾性変形部とが併設された抜止部材の1辺には、所定幅を有する開放部がさらに形成されており、抜止部材を弾性変形させて開放部の幅を広げることにより、抜止部材を管溝部に装着可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の管継手は、抜止部材の装着部と弾性変形部とが同一の辺に併設されていることを特徴とする。つまり、管の1辺において、抜止部材の弾性変形部と継手本体に設けられた被係合部とが係合することによって、先ず、抜止部材と継手本体とがしっかりと連結される。その抜止部材の装着部が管の溝部外面に当接することにより抜止部材と管外面との間の密着性が確保される。そして、装着部と溝部外面との密着当接関係は、管継手と管との連結の前後を問わずに、当初から保持されるため、従来技術のように撓み代(隙間)が辺全体に存在することはない。すなわち、管継手及び管の各辺では、管と抜止部材と継手本体との間の係合作用及び密着作用が同時に発揮され、接続状態における管と管継手と間のがたつきを抑えることができ、各辺での接続安定性を向上させることができる。
【0018】
請求項2に記載の管継手は、請求項1の管継手の効果に加えて、管の少なくとも3辺において、抜止部材を介して管と継手本体とがしっかりと連結されるので、管の連結方向だけでなく、管の幅方向への外力に対しても、安定的に対抗可能であり、引き抜き強度をより一層高めることができる。したがって、本発明は、管との接続安定性を著しく改善する管継手を提供するものである。
【0019】
請求項3に記載の管継手は、請求項1又は2の管継手の効果に加えて、弾性変形部に突設された係合部と継手本体に設けられた被係合部とが係合することによって、抜止部材と継手本体とをより一層強固に連結することができる。
【0020】
請求項4に記載の管継手は、請求項1から3のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材の各辺に装着部と弾性変形部とがそれぞれ形成されていることにより、管を接続状態により安定して保持することができる。
【0021】
請求項5に記載の管継手は、請求項1から4のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材の弾性変形部は、隣接する辺の角部において、両辺にまたがって形成されていることにより、管に当接する装着部を各辺の中央部に配置できるので、抜止部材と管との密着性をより一層向上させることができる。
【0022】
請求項6に記載の管継手は、請求項1から5のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材を一体成形が可能な簡易な帯状構造としつつ、本発明の管継手における抜止部材の機能を十分に発揮させることができる。
【0023】
請求項7に記載の管継手は、請求項1から6のいずれかの管継手の効果に加えて、弾性変形部が装着部から外方に湾曲して延設されていることにより、弾性変形部が弾性変形するときの負荷を一箇所に集中させることなく湾曲部で分散させることができるため、抜止部材の耐久性を向上させることができる。
【0024】
請求項8に記載の管継手は、請求項1から7のいずれかの管継手の効果に加えて、装着部と弾性変形部とが形成された抜止部材の1辺にさらに開放部が形成されていることにより、抜止部材と継手本体との係合力及び抜止部材と管との密着性を低下させることなく、抜止部材を管の溝部に容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態における、管継手と管とを示す分解斜視図。
【図2】図1の管継手の継手本体を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図。
【図3】図1の管継手の抜止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は係合部の断面図。
【図4】図1の管を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図。
【図5】図1の管継手と管とを接続状態にする手順を示す概略図であり、(a)は管の溝部に抜止部材を装着する工程、(b)は抜止部材が装着された管を継手本体に挿入する工程を示す。
【図6】図1の管継手と管との接続状態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図。
【図7】図6(a)のA−A断面の部分拡大図。
【図8】図6(b)のB−B横断面図。
【図9】本発明の一変形例の管継手の(a)抜止部材、(b)継手本体を示す概略図。
【図10】本発明の一変形例の管継手の抜止部材を示す概略図。
【図11】本発明の一変形例の管継手を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態としての管継手10の分解斜視図である。管継手10は、継手本体110と抜止部材120とからなり、管20を継手本体110の受け口111内に挿入して接続状態を保持することにより、管同士の連通及び管のハンドホールへの接続等の用途に使用される。以下、各部材について説明する。
【0028】
図2(a)〜(c)を参照して、本実施形態の継手本体110を説明する。図2(a)〜(c)に示すとおり、継手本体110は、断面視略矩形状の中空の筒体であり、管20の断面形状に対応する形状を有する矩形状の受け口111をその両端に有する。この継手本体110両端の受け口111近傍の4つの隅角部には、スリット状の貫通孔(被係合部)112が継手本体110の側壁にそれぞれ穿設されている。また、継手本体100の受け口111近傍の内周壁には、雨水等の侵入を防止するための止水材113が貼付されている。この止水材113は、水膨潤性不織布等が用いられ、管継手10と管20との接続状態で、雨水等を吸水して膨張復元し、管20外面及び継手本体110内壁間の空間を密封することにより、高い止水性を発揮する。さらに、受け口111の端縁が切り欠かれ、被掛止片114が形成されている。当該被掛止片114は、管継手10と管20との接続状態を解除する際に利用される。この掛止部113は本願出願人による別の同日出願の発明に係る接続解除具を掛止する機能を有し、具体的には、接続解除具を被掛止片114に掛止し、貫通孔112縁部に係合された係合部123を接続解除具で押圧して貫通孔112から離脱させる。したがって、この被掛止片114は本発明の管継手にとって必須の構成要件ではない。
【0029】
なお、本実施形態の継手本体110は、ポリ塩化ビニル樹脂を成型して形成されているが、本発明は、この材料及び製法に限定されることなく、他の材料及び製法を任意に選択可能である。また、継手本体110は正面視正方形に形成されているが、主要となる4辺を有していればよく、本発明は一実施形態に限定されることはない。つまり、平面視長方形の継手本体、各角を丸く(アール)加工した継手本体、及び、各角を面取加工した継手本体も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0030】
図3(a)〜(c)に、本実施形態の抜止部材120を示す。抜止部材120は平面視略矩形状の帯状体であり、その外周部120aが継手本体110の内周壁形状(寸法)に対応すると共に、その内周部120bが管20の溝部21の外周壁形状(寸法)に対応するように形成されている。また、抜止部材120は所定の幅を有し、幅方向の一端120cと他端120dとからなる。後述するとおり、管継手10と管20とを接続した際、一端120cが継手本体110の延在方向に位置し、他方、他端120dが管20の延在方向に位置する。この抜止部材120の各4辺の同一辺上に、各辺の略中央に位置する直線状の装着部121と、当該装着部121の両端から外方に湾曲するように凸設された内方に弾性変形可能な弾性変形部122とが形成されている。後述するように、管継手10と管20とを接続する際、装着部121は管20の溝部21の外周壁に密着(当接)可能に形成されており、他方、弾性変形部122は、溝部21の外面から離隔すると共に、管20(及び抜止部材120)の挿入時に継手本体110の内周壁によって内方に押圧されるように装着部121から突設されている。
【0031】
当該弾性変形部122は抜止部材120の4つの隅角において各隣接する2辺に亘ってそれぞれ形成されており、各弾性変形部122の略中央(すなわち、抜止部材120の各隅角)には、継手本体110の(4つの)貫通孔112縁部に係合可能な(4つの)係合部123が、各弾性変形部122から外方に突出形成されている。図3(d)に示すとおり、係合部123には、抜止部材120幅方向の一端120cから他端120dにかけて上昇傾斜する傾斜面123aが形成されている。
【0032】
さらに、抜止部材120の1辺(図3(c)における下辺)の装着部121には、開放部124が形成されている。後述するとおり、抜止部材120の帯状体全体を弾性変形させることにより、開放部124の幅を広げて、抜止部材120を管20に装着する。他方、抜止部材120の対向する2辺(図3(c)における左辺及び右辺)の装着部121には、後述の管20の溝部21に形成された位置決め突起21a上に、左右の装着部121が位置するように、管20への抜止部材120の取り付け方向をガイドするための切り欠き121aが抜止部材120の他端120d側に形成されている。
【0033】
なお、本実施形態の抜止部材120は、ポリカーボネートを一体成型することで形成されているが、本発明は、この材料及び製法に限定されることなく、他の材料及び製法を任意に選択可能である。例えば、各構成要素、すなわち、装着部、弾性変形部、係合部を別体として組み付けて構成することも可能である。この場合、弾性変形部のみ弾性変形可能な材料で構成すればよく、他の材料は弾性である必要はない。
【0034】
図4(a)及び(b)に、本実施形態の管継手10が接続される管20を示す。この管20は、角型の可撓性波付管であり、内部に線材又は管材等が配置及び保護することに使用される。また、当該管20の外周に亘って、抜止部材120を装着するのに十分な所定幅の環状溝部21が形成されている。さらに、当該溝部21の左右両側部には、位置決め突起21aが設けられており、管20に対する抜止部材120の装着方向をガイドする機能を有する。
【0035】
なお、本実施形態で使用される管20は、抜止部材120が嵌着される溝部21が特別に形成された波付管であるが、本発明はこれに限定されない。つまり、波付管の蛇腹の凹部のいずれかを溝部として使用することも可能であり、あるいは、波付管でなくとも溝部が少なくとも1箇所でも形成されていれば、本発明の管継手に接続固定することが可能である。また、本実施形態の管20は正面視正方形に形成されているが、主要となる4辺を有していればよく、本発明は一実施形態に限定されることはない。つまり、平面視長方形の管、各角を丸く(アール)加工した管、各角を面取加工した管等も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0036】
次に、図5(a)及び(b)を参照して、本実施形態の管継手10と管20とを接続する方法を説明する。
【0037】
まず、図5(a)に示すとおり、開放部124の幅を広げるように抜止部材120の帯状体全体を弾性変形させた状態で、当該開放部124を介して、抜止部材120を管20の溝部21に嵌着する。このとき、管20の溝部21に形成された位置決め突起21aが、抜止部材120の切り欠き121a内に収容されるように、上方から下方に(矢印の向きに)抜止部材120を溝部21に取り付けるのが好ましい。
【0038】
次に、図5(b)に示すとおり、抜止部材120が装着された状態の管20を、継手本体110の受け口111に矢印の向きに差し込む。管20における抜止部材120を装着した箇所(管20の溝部21)が継手本体110の受け口111内に挿入されると、抜止部材120の各係合部123の傾斜面123aが継手本体110の内周壁に当接して各弾性変形部122が徐々に内方に弾性変形する。さらに管20を継手本体110に対して矢印方向に進行させて、管20の溝部21が継手本体110の貫通孔112の位置まで達すると、内方に弾性変形した各弾性変形部122が外方に弾性復帰すると同時に、抜止部材120の各係合部123が各貫通孔112内に入り込む。そして、当該弾性復帰力により、各係合部123が各貫通孔112縁部に係合した状態でしっかりと保持される。こうして、管継手10と管20とが接続される。
【0039】
なお、係合部123を貫通孔112縁部に係合させる際、開放部124に対向する上側の辺に形成された2つの係合部123から先に貫通孔112に係合させる方が好ましい。つまり、抜止部材120の下側(開放部124側)の辺が左右外側に開くことを防止しつつ、抜止部材120を継手本体110内に挿入することができ、管20への接続が容易になるからである。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、管溝部への抜止部材の取り付け向き、及び、管の継手本体への差し込み方向を任意に選択することができることは言うまでもない。
【0040】
図6(a)及び(b)は、本実施形態の管継手10の両端に管20(20−1及び20−2)が接続された継手構造を示している。管20の左右両側面の位置決め突起21aが抜止部材120の切り欠き121a内に収容されるように、管継手10が一方の管20−1と他方の管20−2とを連通するように左右に連結している。
【0041】
上記接続状態を、図7及び図8を参照して、より詳細に説明する。
【0042】
図7は、図6(a)のA−A断面の部分拡大図であり、係合部123と被係合部(貫通孔112)との係合状態を示す。図6に示すとおり、継手本体110の貫通孔112内に抜止部材120の弾性変形部122に形成された係合部123が侵入して、係合部123が貫通孔112の端縁112a(縁部)に係合することによって、係合部123と貫通孔112縁部との係合状態を形成している。そして、弾性変形部122の弾性復帰力により、貫通孔112の周縁部112bと弾性変形部122外面とが当接している。
【0043】
図8は、図6(b)のB−B横断面図であり、接続状態において、管20の溝部21外周面と抜止部材120の装着部121内面とが当接している。当該装着部121は直線状に形成されており、平面状の管20外面に対して密着配置されている。そして、抜止部材120の弾性変形部122内面と管20の溝部21外面との間に空間を形成するように各弾性変形部122が各装着部121から突出していると共に、当該弾性変形部122外面と継手本体110内壁とが当接しつつ各係合部123が各貫通孔112に係合している。そして、この管20の内部にケーブル等(図示せず)が配線される。
【0044】
以下、本発明の一実施形態の管継手10の作用効果について説明する。
【0045】
本実施形態の管継手10では、抜止部材120の少なくとも3辺において装着部121と弾性変形部122とが同一の辺に形成されている。これにより、管20の1辺において、抜止部材120の弾性変形部122から外方に突出した係合部123と、継手本体110に設けられた被係合部としての貫通孔112の縁部とが係合することによって、継手本体110と抜止部材120とがしっかりと連結される。さらに、装着部121が溝部21外面に当接して抜止部材120と管20外面との間の密着性が高められることによって、両部材はしっかりと連結される。その結果全体として、接続状態での管継手10と管20と間の隙間によって生じる、がたつき、振動等を装着部121及び弾性変形部122で吸収することができる。すなわち、管継手10及び管20の各辺では、管継手10と管20との間の係合作用及び密着作用を同時に発揮することができ、各辺における接続安定性をそれぞれ向上させることができる。そして、管20の少なくとも3辺において、抜止部材120を介して管20と継手本体110とがしっかりと連結されるので、連結方向だけでなく、(それに直交する)幅方向(管断面視における上下左右方向)の外力に対しても、安定的に対抗可能である。したがって、本実施形態の管継手10は、管20との接続安定性を著しく改善する。
【0046】
また、本実施形態の管継手10では、抜止部材120が装着された状態の管20が、継手本体110の受け口111に挿入されるとき、抜止部材120の弾性変形部122が内方に変形し、続いて、当該弾性変形部122が外方に弾性復帰すると同時に係合部123が継手本体110に形成された貫通孔121の縁部に係合することによって、管20が抜け止め状態で接続される。すなわち、管20に抜止部材120を装着し、抜止部材120が装着された管20を、継手本体110の受け口111内に挿入することにより、管継手10と管20とを簡単且つ迅速に接続することができる。
【0047】
さらに、本実施形態の管継手10では、抜止部材120の装着部121に開放部124を設け、装着部121と弾性変形部122とが各辺(4辺)にそれぞれ形成されていることにより、4辺全てにおいて、管継手10と管20とを係合及び密着させることができる。したがって、管継手10と管20との接続状態を、より一層安定的に維持することができる。また、弾性変形部122は、隣接する辺の隅角部において、両辺に亘って形成されていることにより、各辺の中央部において装着部121を管20の溝部21外面に当接させることができるので、抜止部材120と管20との密着性をより一層向上させることができる。
【0048】
そして、本実施形態の抜止部材120は、各部が一体的に形成された帯状体であることにより、簡易な構造で、抜止部材120の機能を発揮することができる。さらに、弾性変形部122が装着部121から外方に湾曲して延設されていることにより、弾性変形部122が押圧されて弾性変形するときの負荷を一箇所に集中させることなく湾曲形状で分散させることができるため、抜止部材120の耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態の抜止部材120では、帯状体全体が屈曲可能な構造を有している一方で、係合部123がそれ自体変形しないように弾性変形部122上に設けられている。従来技術(特許文献1)では、一辺全体が係止部(本発明の係合部に対応)として構成されているため、抜け止め部材と継手本体とを連結するときに、係止部自体を弾性変形させる必要があった。このため、管と管継手との接続及び解除作業を繰り返し行うと、係止部の耐久性が低下するおそれがあった。これに対して、本実施形態の抜止部材120の構成では、継手本体110と抜止部材120とを連結するときに、係合部123そのものを変形させる必要がないため、係合部123自体の耐久性を改善している。
【0050】
本実施形態の管継手10と管20とを離脱させる際、治具などで係合部123を押圧して係合部123を貫通孔112から離脱させる必要がある。図3(d)に示すとおり、本実施形態の抜止部材120の係合部123には、幅方向の一端120cから他端120dにかけて上昇傾斜する傾斜面123aが形成されている。このため、貫通孔112から治具などで傾斜面123aを押圧すると、当該傾斜面123aを介して、管20内方への押圧力が(抜止部材120を装着した)管20の離脱方向の押圧力に部分的に変換される。したがって、当該傾斜面123aにより、管継手10と管20とを離脱させることが容易になる。
【0051】
(変形例1)
一実施形態の管継手10では、継手本体110の各隅角に貫通孔112が形成されていると共に、抜止部材120の各隅角に係合部123(弾性変形部122)が形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9(a)及び(b)は、管継手10Aを構成する継手本体110Aと抜止部材120Aとを示す。抜止部材120Aは、図9(a)に示すとおり、各隅角に隣接する2辺に亘って形成された装着部121Aと、各辺の略中央部に形成された弾性変形部122Aと、当該弾性変形部122Aから外方に突出した係合部123Aと、からなり、1つの隅角に、開放部124Aが形成されている。この抜止部材120Aに対応するように、継手本体110は、図9(b)に示すとおり、各辺の略中央部に穿設された貫通孔112を有する。
【0052】
(変形例2)
また、一実施形態の管継手10では、抜止部材120の各辺において、装着部121と弾性変形部122とが設けられているが、少なくとも抜止部材の一辺に装着部及び弾性変形部が併設されていればよく、本発明は一実施形態に限定されない。例えば、図10(a)の抜止部材120Bは、各辺に設けられた装着部121Bと、3辺に設けられた弾性変形部122Bと、当該弾性変形部122Bから外方に突出した係合部123Bとを備えてなる。他方、図10(b)の抜止部材120Cは、一辺が開放部124Cとして開放しており、残りの3辺にそれぞれ装着部121C、弾性変形部122C及び係合部123Cが設けられている。また、図示しないが、上記実施形態では、開放部が装着部に形成されているが、本発明はこれに限定されることなく、弾性変形部上に形成することも可能である。したがって、上述したとおり、当業者は、本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、抜止部材における装着部、弾性変形部、係合部、及び開放部などの各構成要素を任意に配置できることは言うまでもない。
【0053】
(変形例3)
さらに、一実施形態の管継手10では、管継手10の両端に受け口111及び貫通孔112が形成されているが、本発明は一実施形態に限定されない。例えば、図11に示す管継手10Dの継手本体110Dは、一端側に受け口111D及び貫通孔112Dが形成され、他端側に円筒部が設けられている。なお、この円筒部は、ハンドホールHの丸孔に差し込まれて管材等と接続可能である。
【0054】
(変形例4)
また、一実施形態の管継手10では、係合部123を被係合部としての貫通孔112縁部に係合させているが、係合部123は本発明の必須要件ではない。すなわち、係合部を被係合部に係合させる代わりに、弾性変形部を被係合部に直接的に係合させることにより管継手と管とを連結すること(図示せず)も可能である。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0056】
10 管継手
110 継手本体
111 受け口
112 貫通孔(被係合部)
112a 貫通孔端縁(縁部)
120 抜止部材
121 装着部
122 弾性変形部
123 係合部
124 開放部
20 管
21 溝部
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に配線などを収容して保護する管を接続するのに用いる管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
地中や壁内に配線や配管材(以下、配線等という)を埋設する場合、配線等を保護するのに保護管が用いられている。この管は、埋設現場において適宜相互に接続可能とする必要があり、あるいは、収容された配線等の分岐等のために埋設ボックス(ハンドホール)へ接続可能とする必要があり、これら接続のために管継手が一般的に利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、管継手(30)(以下、()内で特許文献1の符号を示す。)が開示されている。この管継手(30)は、管(40)が挿入される受け口(1)を有する継手本体(10)と、管(40)の溝部(蛇腹の谷部)に装着される抜け止め部材(20)とを備える。この抜け止め部材(20)は、ほぼ馬蹄形状をしており、管の外形の一辺に沿うように形成された1つの直線部(12)と、外方に膨らむように湾曲していると共に内方に弾性変形可能に形成された2つの係止部(13)とからなる。そして、直線部(12)の両端部から2つの係止部(13)が延びていると共に、その端部が切り欠き部(11)として開放されている。つまり、抜け止め部材(20)は、直線部(12)としての1辺と、係止部(13)としての2辺とからなる平面視コ字状の帯体である。
【0004】
他方、継手本体(10)の周壁には2つの係止部(13)が係合するための被係合部としての貫通孔(2)が穿設されている。そして、抜け止め部材(20)が装着された状態の管(30)を受け口(1)に挿入すると、係止部(13)が弾性変形し、さらに貫通孔(2)内で弾性復帰することで、各係止部(13)が各貫通孔(2)内にそれぞれ係合されて、管(40)が管継手(30)に抜け止め状態に接続される。すなわち、特許文献1の管継手(30)は、管(40)を抜け止め状態で容易に接続することを可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−309502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の管継手(30)では、特許文献1の図2及び4(c)から明らかなように、抜け止め部材(20)の一辺をなす直線部(12)のみが管(40)に当接し、他の対向する2辺は、その係止部(13)が継手本体(10)の貫通孔(2)縁部に係合しているだけである。この接続状態においては、管(40)に密着しない辺が2辺も存在し、且つ、下端部が開放されているので、管(40)と抜け止め部材(20)との密着力が十分であるとはいえない。つまり、抜け止め部材(20)の直線部(12)以外の2辺(すなわち係止部(13)及び切り欠き部(11)を備えた辺)では、抜け止め部材(20)内周と管(40)溝部外面との間に生じる隙間によって、管(40)と管継手(30)との連結部分ががたつき、接続状態が必ずしも安定していない。また、特許文献1の図7及び8の断面図のように、3辺が管(40A)に対向配置されるが、抜け止め部材(20A)の撓み代が必要なために、やはり、抜け止め部と管とは密着していない。したがって、同様に抜け止め部材(20A)内周と管(40A)溝部外面との間に隙間が生じる。
【0007】
さらに、この接続状態では、継手本体(10)と抜け止め部材(20)との連結強度についても十分であるとはいえない。つまり、継手本体(10)と抜け止め部材(20)とは、対向する2箇所(各辺の係止部(13)と本体の貫通孔(2))で固定されているだけであり、管継手(30)の幅方向及び引き抜き方向に外力が加わった場合、この外力に対抗しきれずに、抜け止め部材(20)が継手本体(10)から外れるおそれがある。したがって、特許文献1の管継手(30)では、管との接続状態を強固に維持する、あるいは、十分な引き抜き強度を発揮することができないおそれがあった。なお、ビス等で管と管継手とを固定することも可能ではあるが、管と管継手との接続作業工程が増え、その分煩雑化する。
【0008】
したがって、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管との接続状態をより安定的に維持し、且つ、管を容易に接続することが可能な管継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の管継手は、環状溝部を有する略矩形状の管を、抜け止め可能に接続するための管継手であって、管の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、管の溝部に嵌着される抜止部材と、抜止部材が装着された管を内挿する受け口、及び、抜止部材が係合する被係合部を有する継手本体と、を備え、抜止部材は、管に形成された溝部の外面に当接する装着部と、溝部の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部とを有し、これら装着部と弾性変形部とが当該抜止部材の同一の辺に併設されてなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の管継手は、請求項1の管継手において、抜止部材の少なくとも3辺のそれぞれに装着部と弾性変形部とが併設されてなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の管継手は、請求項1又は2の管継手において、抜止部材は、弾性変形部から外方に突出して被係合部に係合する係合部をさらに有していることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の管継手は、請求項1から3のいずれかの管継手において、装着部と弾性変形部とが抜止部材の各辺にそれぞれ形成されてなることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の管継手は、請求項1から4のいずれかの管継手において、弾性変形部は、抜止部材の隅角部において、隣接する両辺に亘って形成されてなることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の管継手は、請求項1から5のいずれかの管継手において、抜止部材は、帯状であり、当該抜止部材に弾性変形部と装着部とが一体形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の管継手は、請求項1から6のいずれかの管継手において、弾性変形部は、装着部から外方に湾曲して形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の管継手は、請求項1から7のいずれかの管継手において、装着部と弾性変形部とが併設された抜止部材の1辺には、所定幅を有する開放部がさらに形成されており、抜止部材を弾性変形させて開放部の幅を広げることにより、抜止部材を管溝部に装着可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、本発明の管継手は、抜止部材の装着部と弾性変形部とが同一の辺に併設されていることを特徴とする。つまり、管の1辺において、抜止部材の弾性変形部と継手本体に設けられた被係合部とが係合することによって、先ず、抜止部材と継手本体とがしっかりと連結される。その抜止部材の装着部が管の溝部外面に当接することにより抜止部材と管外面との間の密着性が確保される。そして、装着部と溝部外面との密着当接関係は、管継手と管との連結の前後を問わずに、当初から保持されるため、従来技術のように撓み代(隙間)が辺全体に存在することはない。すなわち、管継手及び管の各辺では、管と抜止部材と継手本体との間の係合作用及び密着作用が同時に発揮され、接続状態における管と管継手と間のがたつきを抑えることができ、各辺での接続安定性を向上させることができる。
【0018】
請求項2に記載の管継手は、請求項1の管継手の効果に加えて、管の少なくとも3辺において、抜止部材を介して管と継手本体とがしっかりと連結されるので、管の連結方向だけでなく、管の幅方向への外力に対しても、安定的に対抗可能であり、引き抜き強度をより一層高めることができる。したがって、本発明は、管との接続安定性を著しく改善する管継手を提供するものである。
【0019】
請求項3に記載の管継手は、請求項1又は2の管継手の効果に加えて、弾性変形部に突設された係合部と継手本体に設けられた被係合部とが係合することによって、抜止部材と継手本体とをより一層強固に連結することができる。
【0020】
請求項4に記載の管継手は、請求項1から3のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材の各辺に装着部と弾性変形部とがそれぞれ形成されていることにより、管を接続状態により安定して保持することができる。
【0021】
請求項5に記載の管継手は、請求項1から4のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材の弾性変形部は、隣接する辺の角部において、両辺にまたがって形成されていることにより、管に当接する装着部を各辺の中央部に配置できるので、抜止部材と管との密着性をより一層向上させることができる。
【0022】
請求項6に記載の管継手は、請求項1から5のいずれかの管継手の効果に加えて、抜止部材を一体成形が可能な簡易な帯状構造としつつ、本発明の管継手における抜止部材の機能を十分に発揮させることができる。
【0023】
請求項7に記載の管継手は、請求項1から6のいずれかの管継手の効果に加えて、弾性変形部が装着部から外方に湾曲して延設されていることにより、弾性変形部が弾性変形するときの負荷を一箇所に集中させることなく湾曲部で分散させることができるため、抜止部材の耐久性を向上させることができる。
【0024】
請求項8に記載の管継手は、請求項1から7のいずれかの管継手の効果に加えて、装着部と弾性変形部とが形成された抜止部材の1辺にさらに開放部が形成されていることにより、抜止部材と継手本体との係合力及び抜止部材と管との密着性を低下させることなく、抜止部材を管の溝部に容易に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態における、管継手と管とを示す分解斜視図。
【図2】図1の管継手の継手本体を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図。
【図3】図1の管継手の抜止部材を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は係合部の断面図。
【図4】図1の管を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図。
【図5】図1の管継手と管とを接続状態にする手順を示す概略図であり、(a)は管の溝部に抜止部材を装着する工程、(b)は抜止部材が装着された管を継手本体に挿入する工程を示す。
【図6】図1の管継手と管との接続状態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図。
【図7】図6(a)のA−A断面の部分拡大図。
【図8】図6(b)のB−B横断面図。
【図9】本発明の一変形例の管継手の(a)抜止部材、(b)継手本体を示す概略図。
【図10】本発明の一変形例の管継手の抜止部材を示す概略図。
【図11】本発明の一変形例の管継手を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態としての管継手10の分解斜視図である。管継手10は、継手本体110と抜止部材120とからなり、管20を継手本体110の受け口111内に挿入して接続状態を保持することにより、管同士の連通及び管のハンドホールへの接続等の用途に使用される。以下、各部材について説明する。
【0028】
図2(a)〜(c)を参照して、本実施形態の継手本体110を説明する。図2(a)〜(c)に示すとおり、継手本体110は、断面視略矩形状の中空の筒体であり、管20の断面形状に対応する形状を有する矩形状の受け口111をその両端に有する。この継手本体110両端の受け口111近傍の4つの隅角部には、スリット状の貫通孔(被係合部)112が継手本体110の側壁にそれぞれ穿設されている。また、継手本体100の受け口111近傍の内周壁には、雨水等の侵入を防止するための止水材113が貼付されている。この止水材113は、水膨潤性不織布等が用いられ、管継手10と管20との接続状態で、雨水等を吸水して膨張復元し、管20外面及び継手本体110内壁間の空間を密封することにより、高い止水性を発揮する。さらに、受け口111の端縁が切り欠かれ、被掛止片114が形成されている。当該被掛止片114は、管継手10と管20との接続状態を解除する際に利用される。この掛止部113は本願出願人による別の同日出願の発明に係る接続解除具を掛止する機能を有し、具体的には、接続解除具を被掛止片114に掛止し、貫通孔112縁部に係合された係合部123を接続解除具で押圧して貫通孔112から離脱させる。したがって、この被掛止片114は本発明の管継手にとって必須の構成要件ではない。
【0029】
なお、本実施形態の継手本体110は、ポリ塩化ビニル樹脂を成型して形成されているが、本発明は、この材料及び製法に限定されることなく、他の材料及び製法を任意に選択可能である。また、継手本体110は正面視正方形に形成されているが、主要となる4辺を有していればよく、本発明は一実施形態に限定されることはない。つまり、平面視長方形の継手本体、各角を丸く(アール)加工した継手本体、及び、各角を面取加工した継手本体も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0030】
図3(a)〜(c)に、本実施形態の抜止部材120を示す。抜止部材120は平面視略矩形状の帯状体であり、その外周部120aが継手本体110の内周壁形状(寸法)に対応すると共に、その内周部120bが管20の溝部21の外周壁形状(寸法)に対応するように形成されている。また、抜止部材120は所定の幅を有し、幅方向の一端120cと他端120dとからなる。後述するとおり、管継手10と管20とを接続した際、一端120cが継手本体110の延在方向に位置し、他方、他端120dが管20の延在方向に位置する。この抜止部材120の各4辺の同一辺上に、各辺の略中央に位置する直線状の装着部121と、当該装着部121の両端から外方に湾曲するように凸設された内方に弾性変形可能な弾性変形部122とが形成されている。後述するように、管継手10と管20とを接続する際、装着部121は管20の溝部21の外周壁に密着(当接)可能に形成されており、他方、弾性変形部122は、溝部21の外面から離隔すると共に、管20(及び抜止部材120)の挿入時に継手本体110の内周壁によって内方に押圧されるように装着部121から突設されている。
【0031】
当該弾性変形部122は抜止部材120の4つの隅角において各隣接する2辺に亘ってそれぞれ形成されており、各弾性変形部122の略中央(すなわち、抜止部材120の各隅角)には、継手本体110の(4つの)貫通孔112縁部に係合可能な(4つの)係合部123が、各弾性変形部122から外方に突出形成されている。図3(d)に示すとおり、係合部123には、抜止部材120幅方向の一端120cから他端120dにかけて上昇傾斜する傾斜面123aが形成されている。
【0032】
さらに、抜止部材120の1辺(図3(c)における下辺)の装着部121には、開放部124が形成されている。後述するとおり、抜止部材120の帯状体全体を弾性変形させることにより、開放部124の幅を広げて、抜止部材120を管20に装着する。他方、抜止部材120の対向する2辺(図3(c)における左辺及び右辺)の装着部121には、後述の管20の溝部21に形成された位置決め突起21a上に、左右の装着部121が位置するように、管20への抜止部材120の取り付け方向をガイドするための切り欠き121aが抜止部材120の他端120d側に形成されている。
【0033】
なお、本実施形態の抜止部材120は、ポリカーボネートを一体成型することで形成されているが、本発明は、この材料及び製法に限定されることなく、他の材料及び製法を任意に選択可能である。例えば、各構成要素、すなわち、装着部、弾性変形部、係合部を別体として組み付けて構成することも可能である。この場合、弾性変形部のみ弾性変形可能な材料で構成すればよく、他の材料は弾性である必要はない。
【0034】
図4(a)及び(b)に、本実施形態の管継手10が接続される管20を示す。この管20は、角型の可撓性波付管であり、内部に線材又は管材等が配置及び保護することに使用される。また、当該管20の外周に亘って、抜止部材120を装着するのに十分な所定幅の環状溝部21が形成されている。さらに、当該溝部21の左右両側部には、位置決め突起21aが設けられており、管20に対する抜止部材120の装着方向をガイドする機能を有する。
【0035】
なお、本実施形態で使用される管20は、抜止部材120が嵌着される溝部21が特別に形成された波付管であるが、本発明はこれに限定されない。つまり、波付管の蛇腹の凹部のいずれかを溝部として使用することも可能であり、あるいは、波付管でなくとも溝部が少なくとも1箇所でも形成されていれば、本発明の管継手に接続固定することが可能である。また、本実施形態の管20は正面視正方形に形成されているが、主要となる4辺を有していればよく、本発明は一実施形態に限定されることはない。つまり、平面視長方形の管、各角を丸く(アール)加工した管、各角を面取加工した管等も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【0036】
次に、図5(a)及び(b)を参照して、本実施形態の管継手10と管20とを接続する方法を説明する。
【0037】
まず、図5(a)に示すとおり、開放部124の幅を広げるように抜止部材120の帯状体全体を弾性変形させた状態で、当該開放部124を介して、抜止部材120を管20の溝部21に嵌着する。このとき、管20の溝部21に形成された位置決め突起21aが、抜止部材120の切り欠き121a内に収容されるように、上方から下方に(矢印の向きに)抜止部材120を溝部21に取り付けるのが好ましい。
【0038】
次に、図5(b)に示すとおり、抜止部材120が装着された状態の管20を、継手本体110の受け口111に矢印の向きに差し込む。管20における抜止部材120を装着した箇所(管20の溝部21)が継手本体110の受け口111内に挿入されると、抜止部材120の各係合部123の傾斜面123aが継手本体110の内周壁に当接して各弾性変形部122が徐々に内方に弾性変形する。さらに管20を継手本体110に対して矢印方向に進行させて、管20の溝部21が継手本体110の貫通孔112の位置まで達すると、内方に弾性変形した各弾性変形部122が外方に弾性復帰すると同時に、抜止部材120の各係合部123が各貫通孔112内に入り込む。そして、当該弾性復帰力により、各係合部123が各貫通孔112縁部に係合した状態でしっかりと保持される。こうして、管継手10と管20とが接続される。
【0039】
なお、係合部123を貫通孔112縁部に係合させる際、開放部124に対向する上側の辺に形成された2つの係合部123から先に貫通孔112に係合させる方が好ましい。つまり、抜止部材120の下側(開放部124側)の辺が左右外側に開くことを防止しつつ、抜止部材120を継手本体110内に挿入することができ、管20への接続が容易になるからである。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、管溝部への抜止部材の取り付け向き、及び、管の継手本体への差し込み方向を任意に選択することができることは言うまでもない。
【0040】
図6(a)及び(b)は、本実施形態の管継手10の両端に管20(20−1及び20−2)が接続された継手構造を示している。管20の左右両側面の位置決め突起21aが抜止部材120の切り欠き121a内に収容されるように、管継手10が一方の管20−1と他方の管20−2とを連通するように左右に連結している。
【0041】
上記接続状態を、図7及び図8を参照して、より詳細に説明する。
【0042】
図7は、図6(a)のA−A断面の部分拡大図であり、係合部123と被係合部(貫通孔112)との係合状態を示す。図6に示すとおり、継手本体110の貫通孔112内に抜止部材120の弾性変形部122に形成された係合部123が侵入して、係合部123が貫通孔112の端縁112a(縁部)に係合することによって、係合部123と貫通孔112縁部との係合状態を形成している。そして、弾性変形部122の弾性復帰力により、貫通孔112の周縁部112bと弾性変形部122外面とが当接している。
【0043】
図8は、図6(b)のB−B横断面図であり、接続状態において、管20の溝部21外周面と抜止部材120の装着部121内面とが当接している。当該装着部121は直線状に形成されており、平面状の管20外面に対して密着配置されている。そして、抜止部材120の弾性変形部122内面と管20の溝部21外面との間に空間を形成するように各弾性変形部122が各装着部121から突出していると共に、当該弾性変形部122外面と継手本体110内壁とが当接しつつ各係合部123が各貫通孔112に係合している。そして、この管20の内部にケーブル等(図示せず)が配線される。
【0044】
以下、本発明の一実施形態の管継手10の作用効果について説明する。
【0045】
本実施形態の管継手10では、抜止部材120の少なくとも3辺において装着部121と弾性変形部122とが同一の辺に形成されている。これにより、管20の1辺において、抜止部材120の弾性変形部122から外方に突出した係合部123と、継手本体110に設けられた被係合部としての貫通孔112の縁部とが係合することによって、継手本体110と抜止部材120とがしっかりと連結される。さらに、装着部121が溝部21外面に当接して抜止部材120と管20外面との間の密着性が高められることによって、両部材はしっかりと連結される。その結果全体として、接続状態での管継手10と管20と間の隙間によって生じる、がたつき、振動等を装着部121及び弾性変形部122で吸収することができる。すなわち、管継手10及び管20の各辺では、管継手10と管20との間の係合作用及び密着作用を同時に発揮することができ、各辺における接続安定性をそれぞれ向上させることができる。そして、管20の少なくとも3辺において、抜止部材120を介して管20と継手本体110とがしっかりと連結されるので、連結方向だけでなく、(それに直交する)幅方向(管断面視における上下左右方向)の外力に対しても、安定的に対抗可能である。したがって、本実施形態の管継手10は、管20との接続安定性を著しく改善する。
【0046】
また、本実施形態の管継手10では、抜止部材120が装着された状態の管20が、継手本体110の受け口111に挿入されるとき、抜止部材120の弾性変形部122が内方に変形し、続いて、当該弾性変形部122が外方に弾性復帰すると同時に係合部123が継手本体110に形成された貫通孔121の縁部に係合することによって、管20が抜け止め状態で接続される。すなわち、管20に抜止部材120を装着し、抜止部材120が装着された管20を、継手本体110の受け口111内に挿入することにより、管継手10と管20とを簡単且つ迅速に接続することができる。
【0047】
さらに、本実施形態の管継手10では、抜止部材120の装着部121に開放部124を設け、装着部121と弾性変形部122とが各辺(4辺)にそれぞれ形成されていることにより、4辺全てにおいて、管継手10と管20とを係合及び密着させることができる。したがって、管継手10と管20との接続状態を、より一層安定的に維持することができる。また、弾性変形部122は、隣接する辺の隅角部において、両辺に亘って形成されていることにより、各辺の中央部において装着部121を管20の溝部21外面に当接させることができるので、抜止部材120と管20との密着性をより一層向上させることができる。
【0048】
そして、本実施形態の抜止部材120は、各部が一体的に形成された帯状体であることにより、簡易な構造で、抜止部材120の機能を発揮することができる。さらに、弾性変形部122が装着部121から外方に湾曲して延設されていることにより、弾性変形部122が押圧されて弾性変形するときの負荷を一箇所に集中させることなく湾曲形状で分散させることができるため、抜止部材120の耐久性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態の抜止部材120では、帯状体全体が屈曲可能な構造を有している一方で、係合部123がそれ自体変形しないように弾性変形部122上に設けられている。従来技術(特許文献1)では、一辺全体が係止部(本発明の係合部に対応)として構成されているため、抜け止め部材と継手本体とを連結するときに、係止部自体を弾性変形させる必要があった。このため、管と管継手との接続及び解除作業を繰り返し行うと、係止部の耐久性が低下するおそれがあった。これに対して、本実施形態の抜止部材120の構成では、継手本体110と抜止部材120とを連結するときに、係合部123そのものを変形させる必要がないため、係合部123自体の耐久性を改善している。
【0050】
本実施形態の管継手10と管20とを離脱させる際、治具などで係合部123を押圧して係合部123を貫通孔112から離脱させる必要がある。図3(d)に示すとおり、本実施形態の抜止部材120の係合部123には、幅方向の一端120cから他端120dにかけて上昇傾斜する傾斜面123aが形成されている。このため、貫通孔112から治具などで傾斜面123aを押圧すると、当該傾斜面123aを介して、管20内方への押圧力が(抜止部材120を装着した)管20の離脱方向の押圧力に部分的に変換される。したがって、当該傾斜面123aにより、管継手10と管20とを離脱させることが容易になる。
【0051】
(変形例1)
一実施形態の管継手10では、継手本体110の各隅角に貫通孔112が形成されていると共に、抜止部材120の各隅角に係合部123(弾性変形部122)が形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9(a)及び(b)は、管継手10Aを構成する継手本体110Aと抜止部材120Aとを示す。抜止部材120Aは、図9(a)に示すとおり、各隅角に隣接する2辺に亘って形成された装着部121Aと、各辺の略中央部に形成された弾性変形部122Aと、当該弾性変形部122Aから外方に突出した係合部123Aと、からなり、1つの隅角に、開放部124Aが形成されている。この抜止部材120Aに対応するように、継手本体110は、図9(b)に示すとおり、各辺の略中央部に穿設された貫通孔112を有する。
【0052】
(変形例2)
また、一実施形態の管継手10では、抜止部材120の各辺において、装着部121と弾性変形部122とが設けられているが、少なくとも抜止部材の一辺に装着部及び弾性変形部が併設されていればよく、本発明は一実施形態に限定されない。例えば、図10(a)の抜止部材120Bは、各辺に設けられた装着部121Bと、3辺に設けられた弾性変形部122Bと、当該弾性変形部122Bから外方に突出した係合部123Bとを備えてなる。他方、図10(b)の抜止部材120Cは、一辺が開放部124Cとして開放しており、残りの3辺にそれぞれ装着部121C、弾性変形部122C及び係合部123Cが設けられている。また、図示しないが、上記実施形態では、開放部が装着部に形成されているが、本発明はこれに限定されることなく、弾性変形部上に形成することも可能である。したがって、上述したとおり、当業者は、本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、抜止部材における装着部、弾性変形部、係合部、及び開放部などの各構成要素を任意に配置できることは言うまでもない。
【0053】
(変形例3)
さらに、一実施形態の管継手10では、管継手10の両端に受け口111及び貫通孔112が形成されているが、本発明は一実施形態に限定されない。例えば、図11に示す管継手10Dの継手本体110Dは、一端側に受け口111D及び貫通孔112Dが形成され、他端側に円筒部が設けられている。なお、この円筒部は、ハンドホールHの丸孔に差し込まれて管材等と接続可能である。
【0054】
(変形例4)
また、一実施形態の管継手10では、係合部123を被係合部としての貫通孔112縁部に係合させているが、係合部123は本発明の必須要件ではない。すなわち、係合部を被係合部に係合させる代わりに、弾性変形部を被係合部に直接的に係合させることにより管継手と管とを連結すること(図示せず)も可能である。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【符号の説明】
【0056】
10 管継手
110 継手本体
111 受け口
112 貫通孔(被係合部)
112a 貫通孔端縁(縁部)
120 抜止部材
121 装着部
122 弾性変形部
123 係合部
124 開放部
20 管
21 溝部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状溝部を有する略矩形状の管を、抜け止め可能に接続するための管継手であって、
前記管の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、前記管の前記溝部に嵌着される抜止部材と、
前記抜止部材が装着された管を内挿する受け口、及び、前記抜止部材が係合する被係合部を有する継手本体と、を備え、
前記抜止部材は、前記溝部の外面に当接する装着部と、前記溝部の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部とを有し、前記装着部と前記弾性変形部とが前記抜止部材の同一の辺に併設されてなることを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記抜止部材の少なくとも3辺のそれぞれに前記装着部と前記弾性変形部とが併設されてなることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記抜止部材は、前記弾性変形部から外方に突出して前記被係合部に係合する係合部をさらに有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の管継手。
【請求項4】
前記装着部と前記弾性変形部とが前記抜止部材の各辺にそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項5】
前記弾性変形部は、前記抜止部材の隅角部において、隣接する両辺に亘って形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項6】
前記抜止部材は帯状であり、当該抜止部材に前記弾性変形部と前記装着部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項7】
前記弾性変形部は、前記装着部から外方に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項8】
前記装着部と前記弾性変形部とが併設された前記抜止部材の1辺には、所定幅を有する開放部がさらに形成されており、前記抜止部材を弾性変形させて前記開放部の幅を広げることにより、前記抜止部材を前記管溝部に装着可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項1】
環状溝部を有する略矩形状の管を、抜け止め可能に接続するための管継手であって、
前記管の形状に対応する略矩形枠形状に形成され、前記管の前記溝部に嵌着される抜止部材と、
前記抜止部材が装着された管を内挿する受け口、及び、前記抜止部材が係合する被係合部を有する継手本体と、を備え、
前記抜止部材は、前記溝部の外面に当接する装着部と、前記溝部の外面から離隔して突出すると共に内方向に弾性変形可能な弾性変形部とを有し、前記装着部と前記弾性変形部とが前記抜止部材の同一の辺に併設されてなることを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記抜止部材の少なくとも3辺のそれぞれに前記装着部と前記弾性変形部とが併設されてなることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記抜止部材は、前記弾性変形部から外方に突出して前記被係合部に係合する係合部をさらに有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の管継手。
【請求項4】
前記装着部と前記弾性変形部とが前記抜止部材の各辺にそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項5】
前記弾性変形部は、前記抜止部材の隅角部において、隣接する両辺に亘って形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項6】
前記抜止部材は帯状であり、当該抜止部材に前記弾性変形部と前記装着部とが一体形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項7】
前記弾性変形部は、前記装着部から外方に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の管継手。
【請求項8】
前記装着部と前記弾性変形部とが併設された前記抜止部材の1辺には、所定幅を有する開放部がさらに形成されており、前記抜止部材を弾性変形させて前記開放部の幅を広げることにより、前記抜止部材を前記管溝部に装着可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−11329(P2013−11329A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145777(P2011−145777)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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