説明

箸保管ファイル

【課題】多種類の箸を纏めて系統的に保管可能にすると共に、任意の箸を取り出し可能にする箸保管ファイルを提供すること。
【解決手段】外装カバー1を構成する表表紙1aと裏表紙1bとの間に複数枚の台紙5を着脱可能に綴じ込むと共に、これら台紙5に箸袋6を着脱自在に取り付けてある。また、台紙5及び/又は箸袋6にメモ欄8が印刷されるか、又はメモ欄8の印刷されたシールが貼り付けられるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は箸保管ファイルに関し、さらに詳しくは、多数の箸を纏めて保管可能にすると共に、任意の箸を取り出し可能にする箸保管ファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
箸は和食において食物を捕捉して口に運ぶ手段として使用される。一般の家庭においては、箸は各人毎に所有が定められ、そのため各人毎に使用する箸の大きさ、素材などのデザインが互いに異なったものが使用されるのが普通である。洋食のナイフやフォークでは使用する人が特定されないため、上記箸の使い方は和食に特有の慣習といえる。
【0003】
また、このように使用される箸は消耗品であるため、使用の過程で古くなると新しいものに買い換えられていく。また、入学、卒業、誕生日など特別な行事や祝い事などの際に新しいものを買い足したり、或いは贈与を受けたりすることがある。このような箸の特徴から、箸に愛着をもち、また種々の嗜好を求めたりする傾向が一部の人々にある。そのため、自分が使用した箸について、その使用歴を記念に残しておきたいとか、或いは特別な行事や祝い事などの際に買い求めたり、贈与を受けたものなどを系統的に保存しておきたいどの要望がある。
【0004】
しかし、従来は、使用中の保管する箸箱については種々の提案があるものの(例えば、特許文献1、2等)、多くの箸を系統的に保存や保管する手段が存在していなかった。そのため、多くの場合は買い換え時に古い箸が捨てられてしまうことが多く、また、残す場合であっても、保管場所が買い換えの都度異なるなどすることにより、やがて散逸してしまうなどしていた。
【特許文献1】特開平11−318764号公報
【特許文献2】特開平2004−113494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、多種類の箸を纏めて保管可能にすると共に、それらの中から任意の箸を取り出すことを可能にする箸保管ファイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の箸保管ファイルは、外装カバーを構成する表表紙と裏表紙との間に複数枚の台紙を着脱可能に綴じ込むと共に、これら台紙に箸袋を着脱自在に取り付け、かつ前記台紙又は箸袋にメモ欄を印刷するか、又はメモ欄を印刷したラベルを貼り付けるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の箸保管ファイルは、外装カバーの表表紙と裏表紙との間に複数枚の台紙を綴じ込むと共に、それらの台紙に箸袋を着脱自在に取り付けるようにし、かつメモ欄を設けるようにしたので、多種類の箸をメモ欄の記録と共に系統的に纏めて保管若しくは保存することができる。また、各箸袋が着脱可能であるので、保管中の多種類の箸の中から任意の箸を自由に選択して取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態からなる箸保管ファイルを、分解した状態にして示した斜視図である。
【0009】
図に示す箸保管ファイルは、外装カバー1が表表紙1aと裏表紙1bから構成され、その表表紙1aと裏表紙1bの間に複数枚の台紙5が着脱自在に綴じ込まれている。外装カバー1の内側には、裏表紙1bの一方の縁部にパイプ状の一対の雌型止金2、2が固定され、この雌型止金2、2に押え金4が雄型止金3,3を介して着脱自在に係止されるようになっている。また、台紙5には片方の縁部に一対の綴じ穴5a、5aが設けられ、この綴じ穴5a、5aを介して雌型止金2、2に順次差し込まれ、複数枚が積層された台紙5の上方に突出した雌型止金2、2に押え金4を係止させることにより綴じ込まれる。このように綴じ込まれた台紙5は、押え金4の脱着により一部又は全部を取り外したり、再度挿入したりすることができる。
【0010】
また、台紙5にはメモ欄8が複数箇所に印刷されており、そのメモ欄8に対応して、図2及び図3(A)〜(C)に例示するような箸袋6が脱着自在に取り付けられるようになっている。箸袋6には箸7が挿入され保管されるようになっている。ここで、メモ欄8は図示のように台紙5にではなく、箸袋6に印刷してもよく、或いは台紙5と箸袋6の両方に印刷してもよい。また、上記のように台紙5や箸袋6に直接印刷しないで、メモ欄が印刷されたシールを貼り付けるようにしてもよい。また、購入時の箸には、包装袋などに箸の説明書や栞などが入っていることがあるが、箸袋6には、このような説明書、栞などを一緒に挿入することもできる。
【0011】
本発明の箸保管ファイルは、上記のような構成されているため、例えば、幼少時からの箸の使用過程で新しいものに買い換えるとき、古くなったものを順次保存する手段として、入学、卒業、誕生日などの特別な行事や祝い事などの際に新しく買い足したり、或いは贈与されたりしたときの保存用の手段として、木製や竹製の箸について、その木質は竹質ごとにシリーズとして収集するときの手段として、或いはそれを贈答用に利用する場合の手段としてなど、系統的な纏めを行えるように多様な使い方をすることができる。また、メモ欄8は、これら保存や収集の際に記録や説明用として使用することができる。
【0012】
本発明において、箸袋6は、透明な樹脂フィルムにより構成するのがよい。図2及び図3(A)〜(C)は、その一例を示すもので、透明な樹脂フィルムを2枚重ねにして封筒状に周囲の3辺を封止し、1辺を開口部として開口するように形成されている。その開口部には折り返し蓋6aを付設するように形成されている。この封筒状の箸袋6において、折り返し蓋6aの表面側の端部には両面接着テープ9が貼り付けられている。また、箸袋6の背面側には、幅方向中央部に、上記開口部に相当する位置から下方に向けて別の両面接着テ−プ10貼り付けられ、さらにその下端部に別の両面接着テ−プ11が幅方向全体に貼り付けられている。
【0013】
上記のように箸袋6が透明な樹脂フィルムで構成されていることにより、その中に収納した箸7を容易に視認することができる。樹脂フィルムの色としては、無色透明が好ましいが、着色された半透明なものであってもよい。
【0014】
折り返し蓋6aは、箸保管ファイルを持ち運びするとき、箸袋6に収納した箸7が脱落しないようにするために有効である。折り返し蓋6aの係止は、端部の両面接着テープ9から離型紙9aを剥離し、図2に示す矢印方向に折り返して箸袋6の本体に接着させることにより行うことができ、また剥離により係止を解くことができる。
【0015】
箸袋6の裏面側の両面接着テープ10と11は、離型紙10a及び11aを剥離することにより、箸袋6を台紙5に着脱可能に貼着する。2種類の両面接着テープ10、11のうち、両面接着テープ10の方は、箸袋6の背面の幅方向中央部に限定して貼り付けられているので、箸袋6に箸7を収納するとき両側端部を台紙5から浮き上がらせて、開口部を円筒状に広げやすくするため、箸7の出し入れを容易にする。
【0016】
本発明に使用する箸袋としては、図3に例示したものに限定されるものではなく、図4(A),(B)に例示するようにしたものであってもよい。図5は、図4の箸袋6に箸7を挿入したときの状態を示す。
【0017】
図4の箸袋6が、図3の箸袋と相違する構成は次の通りである。
第1の相違部分は、箸7を出し入れする開口部の両端に円弧状の切欠き12,12を設け、開口部両端に集中する応力を緩和するようにしたことである。箸7を出し入れするときは、箸袋6の開口部が広げられるので開口部両端に応力が集中し、その両端部に亀裂を発生しやすくなる。しかし、切欠き12を設けていることにより、上記応力集中は緩和され、開口部両端における亀裂発生を抑制し、箸袋の耐久性を向上する。
【0018】
第2の相違部分は、折り返し蓋6aの端部6bを二つ折りにし、両面接着テープ9の接着剤の一部を利用して貼り合わせていることである。この端部6bの二つ折り重ねにより、厚さ方向断面が円弧状に丸められてエッジeを形成している。そのため、図5のように箸袋6に箸7を収納した状態から折り返し蓋6aを開けるとき、その丸みをもったエッジeに指を掛けることにより、折り返し蓋6aを容易に開けることができる。
【0019】
1枚当たりの台紙5に対する箸袋6の取り付け数としては、台紙5の大きさにもよるが、A4版の大きさであれば、片面当たり2〜3個にすることができる。また、箸袋6の取り付けは台紙5の片面だけにしてもよいが、表裏両面に取り付けるようにしてもよい。
【0020】
台紙5の表裏両面に箸袋6を取り付ける場合には、表側に対する取付け位置と裏側に対する取り付け位置とを互いにオフセットさせることが好ましい。図6(A),(B)は、その一例を示したもので、台紙5の表側には箸袋6の取り付け位置13が3列設けられ(図6(A)参照)、これに対して裏側には箸袋6の取り付け位置13が2列設けられている(図6(B)参照)。このようにオフセットした関係にすることにより、箸袋6の取り付け位置が互いに重ならないため、箸7を収納した箸袋6の重なりによる嵩張りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態からなる箸保管ファイルを分解した状態にして示す斜視図である。
【図2】本発明に使用される箸袋を箸と共に示す斜視図である。
【図3】本発明に使用される箸袋の一例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるX−X矢視断面図、(C)は背面図である。
【図4】本発明に使用される箸袋の他の実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるY−Y矢視断面図である。
【図5】図4の箸袋に箸を収納したときの縦断面図である。
【図6】本発明に使用される台紙の一例を示し、(A)は平面図、(B)は背面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 外装カバー
1a 表表紙
1b 裏表紙
2 雌型止金 3 雄型止金
4 押え金
5 台紙
6 箸袋
6a 折り返し蓋
7 箸
8 メモ欄
9、10、11 両面接着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装カバーを構成する表表紙と裏表紙との間に複数枚の台紙を着脱可能に綴じ込むと共に、これら台紙に箸袋を着脱自在に取り付け、かつ前記台紙及び/又は箸袋にメモ欄を印刷するか、又はメモ欄が印刷されたシールを貼り付けるようにした箸保管ファイル。
【請求項2】
前記箸袋を透明な樹脂フィルムにより封筒状に形成すると共に、その開口部に折り返し蓋を付設し、該箸袋の背面を両面接着テープを介して前記台紙に着脱自在にした請求項1に記載の箸保管ファイル。
【請求項3】
透明な樹脂フィルムにより封筒状に形成すると共に、その開口部に折り返し蓋を付設し、該箸袋の背面の幅方向中央部に両面接着テープを貼着した請求項1又は2に記載の箸保管ファイル用の箸袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−209613(P2007−209613A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34215(P2006−34215)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(390010526)コミー株式会社 (10)
【Fターム(参考)】