説明

節水具

【課題】給水路の継ぎ目に板部材を挟み込んで節水を行う際のガタツキを防止でき、さらには少ない種類の材料で節水率をきめ細かく設定できるようにする。
【解決手段】給水路2をその継ぎ目22にて仕切る1枚または積層した板部材部5と、その軸線上の一面側への結合部から軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚6を備え、1枚の板部材7〜12は、節水穴21を有し、積層した板部材7〜12と板部材7a、13〜15どうしは、節水穴21を有したものどうし、または節水穴21を有したものと有しないものとによって給水路2の通路面積に対する総通水面積率を異ならせ、複数の弾性脚6は、給水路2の継ぎ目22の一方側の通路23に先端側から圧入されて、板部材部5が前記一方側の通路23の端部の端面23aに当接した位置に安定させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は節水具に関し、詳しくは給水路の途中に設けられて給水の流水量を制限して節水する節水具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の節水具として、給水路の継ぎ目に取付けられて、給水路を上流側と下流側とに仕切る板部材と、この板部材に軸線まわりに回転できるように組み合わされた本体ブロックとを備え、それらの相対回位置の違いによって、板部材の節水穴と本体ブロックの連通穴ないしは連通路との連通数が異なって、給水路の通路面積に対する総通水面積率を変更できるようにしたものが既に知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0003】
これらの節水具は、シャワーヘッドとホースとの継ぎ目や、蛇口栓と首振りパイプとの継ぎ目などにユーザでも簡単に装着して用い、設定した総通水面積率に応じた給水の流水量を制限して節水が図れる。
【特許文献1】特許第3542439号公報
【特許文献2】特許第3673563号公報
【特許文献3】特開2004−176524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、給水路の継ぎ目は多くの場合印籠嵌めのネジ締め構造を持って形成され、上流側の通路下流側の通路との間にできる隙間に節水具の板部材を挟み込んで保持するのが一般的である。しかし、この隙間の幅は一定寸法に管理されないために、上流側の通路と下流側の通路とが限度一杯までネジ締めして継がれても、板部材との間に遊びができ、水圧は板部材を下流側の通路に押し付けるがその反動や供給水の乱れなどによってガタツキを生じて異音を発生することがときとしてある。また、ブロック体はボリュームのある成形品となり、連通穴や連通路は成形しやすくし、また通水抵抗を小さくするため大きく設けられるので、穴を多く空けられず、板部材との相対回転によって連通し合う数の種類が限られる。このため、節水率をユーザの希望に合わせてきめ細かく設定するには多種類の節水具が必要になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、給水路の継ぎ目に板部材を挟み込んで節水を行う際のガタツキを防止できる節水具を提供することにあり、さらには少ない種類の板部材で節水率をきめ細かく設定できる節水具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するために、本発明の節水具は、給水路の継ぎ目に設けられて給水路を上流側と下流側とに仕切る1枚または複数枚積層した板部材部と、この1枚または複数枚積層した板部材部とその軸線上の一面側で互いに結合されてその結合位置から前方へ前記軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚とを備え、1枚の板部材は、前記給水路の通路面積を狭める節水穴を有し、積層した板部材どうしは、節水穴を有したものどうし、または節水穴を有したものと有しないものとの組み合わせによって前記給水路の通路面積に対する総通水面積率を異ならせるようにしてあり、複数の弾性脚は、前記給水路の継ぎ目の一方側の通路に先端側から軸線まわりへの広がりの弾性的な圧縮を受けて圧入されて、板部材部が前記一方側の通路の端部の端面またはその奥側の環状段部に当接した位置に安定させるようにしたことを特徴としている。
【0007】
このような構成では、板部材部が少なくとも1枚の板部材を有して、この板部材への軸線上での結合部から前方へ軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚の、給水路における継ぎ目の一方側通路への、広がりを圧縮されながらの圧入を伴い、板部材部を一方側の通路の端面ないしはその奥の環状段部に当接させることにより、板部材部が下流側の通路端面ないしはその奥の環状段部に遊びなく当てがわれるのと同時に、給水路の一方側の通路に圧入されている複数の弾性脚が前記圧入時に受ける圧縮による弾性復元力によって一方側の通路の内面に圧接して強い摩擦力を発揮し、また弾性脚が金属で先端が鋭利なエッジを有している場合の食い込みによる引っ掛かりなども場合により得られるので、他方側の通路と一方側の通路との継ぎ目部内側の隙間幅が板部材部の厚みよりも大きい場合でも、板部材部が水圧に対する反動や流水の乱れによってガタつくのを防止することができる。
【0008】
さらに、板部材部の板部材が1枚である場合は、それに有した通水抵抗の小さな節水穴による総開口面積の給水通路の通路断面積に対する割合が総通水面積率となって、100%未満に設定することで、設定に応じた率での節水ができる。1枚の板部材の使い分けできめ細かに節水率を変えるには多種類の板部材が必要である。しかし、板部材部は、積層する板部材どうしを、節水穴を有したものどうし、または節水穴を有したものと有しないものとの組み合わせによって前記給水路の通路面積に対する総通水面積率を異ならせることにより、薄く穴空けも容易な板部材の積層数および積層する板部材の種類との組み合わせによって、板部材の種類を少なくして総通水面積をきめ細かく設定することができるし、板部材は節水穴のないものや少ない単純なものも含み、穴空けも簡単であるので金属製ないしは合成樹脂製などとする弾性脚と併せ安価に製作できる。
【0009】
また、一方側の通路は、給水方向下流側の通路であるものとすることができる。
【0010】
このような構成では、板部材部に対する流水の動圧が、弾性脚を挿入している下流側の通路の端面またはその奥の環状段部に板部材部を押し付ける向きに働くので、給水通路の継ぎ目における板部材部のガタツキがさらに抑えられる。
【0011】
また、複数枚積層した板部材の節水穴のあるものどうしは、一方の節水穴に対する他方の節水穴なし部分の重なりと節水穴どうしの重なりとによる、一方の節水穴全体に対する塞がり率の違いによって総通水面積が異なるようにされ、節水穴のあるものとないものとは、一方の節水穴に対する他方の重なりによる塞がり率の違いによって総通水面積が異なるようにされるものとすることができる。
【0012】
このような構成では、板部材部は、節水穴のある板部材どうしの大きさや輪郭の異なり、節水穴の配置の異なりによって、節水穴のある板部材の節水穴の大きさや配置の違い、および節水穴のある板部材に対する節水穴のない板部材の小さい程度および輪郭形状の違いによって、より少ない種類の板部材どうしでより多くの通水面積率を設定することができる。
【0013】
また、継ぎ目の上流側の通路の段部との間で板部材部を下流側の通路の端面または環状段部に圧接させるばねを備えているものとすることができる。
【0014】
このような構成では、板部材部の流水中での安定性をさらに高められるし、給水路の継ぎ目内側の上流側の通路と下流側の通路との間に隙間が形成されない場合でも、下流側の通路の端面または環状断面に対して安定させられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の節水具によれば、板部材部は少なくとも1枚の板部材を有して、これに結合した弾性脚の、給水路の継ぎ目の一方側通路への圧入を伴い、板部材を一方側の通路の端面ないし環状段部に当接させるだけでその当接状態に安定させられ、給水通路の継ぎ目の隙間幅が大きい場合や隙間がない場合でも、板部材が水圧に対する反動や流水の乱れによってガタつくのを防止することができる。また、1枚の板部材に有した節水穴の総開口面積の給水通路の通路断面積に対する割合を100%未満に設定してそれに応じた率での節水ができるし、積層する板部材どうしを、節水穴を有したものどうし、または節水穴を有したものと有しないものとの組み合わせによって、それらの大きさや輪郭形状の違いも含めて、板部材の種類を少なくして総通水面積をきめ細かく設定することができる。さらに、板部材部は節水穴のないか少ない単純なものを含み、穴空けも簡単であるので金属製ないしは合成樹脂製などとする弾性脚と併せ安価に製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る節水具について図1〜図16を参照しながら説明する。本実施の形態は、例えば、図1、図2に示すジャワーヘッド1への給水路2や図3に示す蛇口栓31から首振り部32への給水路2、図4に示すようなフラッシュバルブ3への給水路2などの継ぎ目22に節水具20を設けて節水を行う。節水具20は図1、図3に示すように、上流側と下流側とに仕切る1枚または複数枚積層した板部材部5と、この1枚または複数枚積層した板部材部1とその軸線上の一面側で互いに結合されてその結合位置から前方へ前記軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚6とを備えている。板部材部1を1枚で構成する場合、図15に示す板部材7、8、9、10や図16に示す板部材11、12のように、給水路2を上流側と下流側とに仕切る大きさを有した上で、それら給水路2の通路面積に対する通水面積を狭める節水穴21を有したものとする。図15に示す板部材7、8、9、10は、図 1、図 2に示すシャワーヘッド1への給水路2の途中を仕切る場合に対応した外径を持ち、図16に示す板部材11、12は図4に示すフラッシュバルブ3への給水路の途中を仕切る場合に対応した外径を持っている。これに対し、積層した板部材部5とする場合は、図15に示すような板部材7、13の組、板部材8、13の組、板部材9、13の組、板部材10、13の組、図 16に示すような板部材12、13の組、板部材12、14の組、板部材7a、12、13の組、板部材7a、12、14の組、板部材7a、12、15の組のように、節水穴21を有したものどうし、または節水穴21を有したものと有しないものとの組み合せによって、給水路2の通路面積に対する総通水面積率を異ならせるようにする。一方、複数の弾性脚6は、給水路2の図1、図2、図3、図4に示すような各種継ぎ目22の一方側の通路23に、図1、図3に示すように先端側から軸線まわりへの広がりの弾性的な圧縮を受けて圧入されて、板部材部5が一方側の通路23の端部の端面23aまたはその奥側の環状段部に当接した位置に安定させるようにしている。
【0017】
このように、板部材部5が、図15に示すような板部材7、8、9、10や図16に示す板部材11、12の少なくとも1枚を有して、この板部材部5への軸線上での結合部24から前方へ軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚6の、図1、図3に示すように給水路2における継ぎ目22の一方側通路23への、広がりを圧縮されながらの圧入を伴い、板部材部5を一方側の通路23の端面23aないしはその奥の環状段部に当接させることにより、板部材部5が一方側の通路端面23aないしはその奥の環状段部に遊びなく当てがわれるのと同時に、給水路2、4の一方側の通路23に圧入されている複数の弾性脚6が前記圧入時に受ける圧縮による弾性復元力によって一方側の通路23の内面に圧接して強い摩擦力を発揮し、また弾性脚6が金属で先端が鋭利なエッジを有している場合の食い込みによる引っ掛かりなども場合により得られるので、他方側の通路25と一方側の通路23との継ぎ目22の隙間24の幅Bが板部材部5の厚みよりも大きい場合でも、板部材部1が水圧に対する反動や流水の乱れによってガタつくのを防止することができる。前記のような鋭いエッジは弾性脚6を突出方向に向かって脚幅が広がる図示例のような末広がりな形状にするのが好適である。
【0018】
さらに、板部材部5が1枚で構成する場合は、それに有した節水穴21による総開口面積の給水通路2、4における通路断面積に対する割合が総通水面積率となり、これを100%未満に設定することで、設定に応じた率での節水ができる。この場合、図15に示すような板部材7、8、9、10や図16に示す板部材11、12などの1枚での使い分けできめ細かに節水率を変えるには多種類必要となる。しかし、図15に示すような積層した板部材7、13の組、板部材8、13の組、板部材9、13の組、板部材10、13の組、図16に示すような板部材12、13の組、板部材12、14の組、板部材7、12、13の組、板部材7、12、14の組、板部材7、12、15の組のように、節水穴21を有したものどうし、または節水穴21を有したものと有しないものとの組み合わせによって、給水路2、4の通路面積に対する総通水面積率を異ならせることにより、薄く穴空けも容易な板部材部5の積層数および積層するものの種類の組み合わせによって、積層し合うものの種類数を少なくして総通水面積をきめ細かく設定することができるし、板部材部5は節水穴21のないワッシャタイプや節水穴21の少ない単純なものも含むし、穴空けも簡単であるので金属製ないしは合成樹脂製などとする弾性脚6と併せ安価に製作できる。
【0019】
因みに、図1、図2に示す給水路2に用いる図15に示す各例の板部材部5により得られる節水率の変化を示せば、図示するグラフの通りであり、図15に示すような2mm径とした節水穴21の数の違いを持った4枚の板部材7、8、9、10の単枚での使い分けと、それらより小さいものとして積層しそれらの節水穴21を図示するように異なって塞ぐ節水穴21のない1枚の板部材13の組み合わせ使用と、によって、ほぼ直線状に変化する8通りの節水率が実現している。
【0020】
また、図4に示す給水路4に用いる図 に示す各例の板部材部5により得られる節水率の変化を示せば、図示するグラフの通りであり、図16に示す6mm径、5.5mm径、5.0mm径と大きさの異なる節水穴21を4個もった3種類の板部材11と、2mm径の節水穴21を図 に示す板部材7の節水穴21と同じ6個の配設とその外まわり域にさらに12個配設した板部材12との単枚での使い分け、この板部材12に、節水穴21のない図 に示す板部材13と、この板部材13よりもやや大きな節水穴21のない板部材14とを使い分けての組み合わせ、さらに、これら板部材12、13、14の組合わせに、板部材12の中央部の6つの節水穴21と同じ配列で連通し合う6つの節水穴21を持つとともに、板部材12の外まわりに12個配設した節水穴21の内側半部を塞ぐ外周部7a1を持った板部材7aのさらなる組み合わせと、によって、やや直線状に変化する8通りの節水率が実現している。
【0021】
ここに、複数枚積層した板部材部5の節水穴21のあるものどうしは、図16に示す板部材12と7aとの組み合わせ例が示すように、一方の節水穴21に対する他方の節水穴なし部分である外周部7a1の重なりと節水穴21どうしの重なりとによる、一方の節水穴21全体に対する塞がり率の違いによって総通水面積が異なるようにされ、節水穴21のあるものとないものとは、図15に示す板部材7、13の組み合わせ例、板部材一8、13の組み合わせ例、板部材9、13の組み合わせ例、板部材10、13の組み合わせ例、図16に示す板部材12、13の組み合わせ例、板部材12、14の組み合わせ例、板部材7a、12と、板部材13との組み合わせ例、板部材7a、12と、板部材14との組み合わせ例、板部材7a、12と、板部材15との組み合わせ例が示すように、一方の節水穴21に対する節水穴21を持たない他方の重なりによる塞がり率の違いによって総通水面積が異なるものとされるので、節水穴21のある板部材12,7aどうしの大きさや輪郭の異なり、節水穴21の配置の異なりによって、一方の節水穴21のある板部材7、8、9、10、11、12、7aに対する他方の節水穴のない板部材13、14、15の小さい程度および輪郭形状の違いによって、より少ない種類の板部材どうしでより多くの通水面積率を設定することができる。
【0022】
ところで、以上のような節水具20は、図1に示す例では給水路2のホース33とシャワーヘッド1との継ぎ目22に設け、図2に指す例では給水路2のシャワーヘッド1とホース33との間に接続する手元操作用のストップシャワーアダプター35とホース33との継ぎ目22に設け、図3に示す例では蛇口栓31と首振りパイプ32との継ぎ目22に設け、図4に示す例ではフラッシュバルブ3と下流接続パイプ34との継ぎ目22に設けてある。なお、節水具20はシャワーヘッド1への給水路2ではホース33と図示しない元栓側との継ぎ目に設けることもでき、この場合節水具20による流水量制限により生じる上流側の昇圧負荷がホース31に働かない利点がある。しかし、これに限られることはなく節水具は、各種給水路2の途中に設けて有効である。
【0023】
いずれにしても、節水具は、図1、図2、図3、図4に図示するように、一方側の通路23は、給水方向下流側の通路とすれば、板部材部5に対する流水の動圧が、弾性脚6を挿入している下流側の通路23の端面23aまたはその奥の環状段部に板部材部5を押し付ける向きに働くので、給水通路2、4の継ぎ目22における板部材部5のガタツキがさらに抑えられる。
【0024】
また、図4に示す例では、特に、継ぎ目22の上流側の通路25の段部26との間で板部材部5を下流側の通路23の端面23aまたは環状段部に圧接させるばね27を備えたものとしている。これにより、板部材部5の流水中での安定性をさらに高められるし、給水路4の継ぎ目22が図示例のように上流側の通路25と下流側の通路23との間に隙間24が形成されない場合でも、下流側の通路の端面または環状断面に対して安定させられる。
【0025】
図1に示す例、図2に示す例、図3に示す例は、図15に示す板部材9、13の組み合わせによる板部材部5を持つ節水具を使用しており、図5、図6に示すように板部材部5および弾性脚6共に金属製としてある。板部材9、13は中央に結合穴41を持ち、弾性脚6は基板部6aから3本が延びるように板金加工されたもので基板部6aの中央に結合穴42を持ち、それら結合穴41、42に通したボルト43とこれに螺合したナット44とを用いた締結によって互いに結合され一体化されている。このような板部材部5と弾性脚6との結合は、図15、図16に示す単板タイプ、複数の積層タイプのいずれにも同様に適用できる。図7、図8に示す例では、ボルト、ナットによる締結に代えて、リベット45によるカシメによって板部材部5と弾性脚6とを結合しており、ボルト、ナットによる場合に万一にも生じる緩みを阻止しやすい。
【0026】
図9、図10に示す例は、図15に示す板部材7、13の組み合わせによる板部材部5を持つ節水具を使用しており、図9、図10に示すように板部材部5を金属製、弾性脚6を基部6bまわりに一体成形した樹脂製とし、板部材7、13および基部6bの中央に設けた締結穴41、42に通したボルト43とこれに螺合したナットお44とを用いた締結によって互いに結合され一体化している。図3の例はこの樹脂タイプの節水具を用いている。よび締結穴共に金属製としてある。板部材9、13は中央に結合穴41を持ち、弾性脚6は基板部6aから3本が延びるように板金加工されたもので基板部6aに結合穴42を持ち、それら結合穴41、42に通したボルト43とナット44とを用いた締結によって互いに結合され一体化されている。図11、図12に示す例では、ボルト、ナットに代えて、基部6aの中央から弾性脚6とは反対の側に突出するように一体成形した結合軸6cを板部材7、13の締結穴41に通して、締結軸6cの突出端を加熱で押圧して潰すカシメによって互いを結合している。
【0027】
図13、図14に示す例は、図 に示す板部材7a、12、14の組み合わせに補助ワッシャ51、補助ナット52を追加して用い、金属製の弾性脚6とボルト43、ナット44、補助ナット52による締結にて結合し一体化しており、節水穴21の具体的な通水制限状態が見られる。
【0028】
最後に、単枚で使い分けられる板部材7、8、9、10、11、12に対して積層するように使い分けられる板部材13、14、15の径が小さいことにより、それら積層によっても板部材部5の隙間24への挟み込部の厚みが変化しないので、隙間24の幅よBりも厚くなってネジの締め代が所定量得られなくなるような問題を回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の節水具は、給水路の途中に、その継ぎ目を利用して装着して、給水路の通路断面関に対する通水面積を制限した節水ができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る節水具をシャワーヘッドとホースとの継ぎ目に設けた例を示す要部を断面して見た側面図である。
【図2】節水具をホースとストップシャワーアダプターとの継ぎ目に設けた例を示す分解斜視図である。
【図3】節水具を蛇口栓と首振りパイプとの継ぎ目に設けた例を示す要部を断面して見た側面図である。
【図4】節水具そフラッシュバルブと下流接続パイプとの継ぎ目に設けた例を示す断面図である。
【図5】節水具の1つの例を示す斜視図である。
【図6】図5の節水具の断面図である。
【図7】図5の節水具の変形例を示す斜視図である。
【図8】図7の節水具の断面図である。
【図9】節水具の別の例を示す斜視図である。
【図10】図9の節水具の断面図である。
【図11】図9の節水具の変形例を示す斜視図である。
【図12】図11の節水具の断面図である。
【図13】節水具の他の例を示す斜視図である。
【図14】図13の節水具の断面図である。
【図15】シャワーヘッドへの給水路に用いる節水具の8通りの節水を行う板部材部例とそれらによる節水率との関係を示すグラフである。
【図16】フラッシュバルブからの給水路に用いる節水具の8通りの節水を行う板部材部例とそれらによる節水率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 シャワーヘッド
2 給水路
3 フラッシュバルブ
5 板部材部
6 弾性脚
6a 基板
6b 基部
6c 結合軸
7〜15 板部材
20 節水具
21 節水穴
22 継ぎ目
23、25 通路
23a 端面
24 隙間
26 段部
27 ばね
31 蛇口栓
32 首振りパイプ
33 ホース
34 下流接続パイプ
35 ストップシャワーアダプター
41、42 結合穴
43 ボルト
44 ナット
45 リベット
51 補助ワッシャ
52 補助ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水路の継ぎ目に設けられて給水路を上流側と下流側とに仕切る1枚または複数枚積層した板部材部と、この1枚または複数枚積層した板部材部とその軸線上の一面側で互いに結合されてその結合位置から前方へ前記軸線まわりに広がって延びる複数の弾性脚とを備え、1枚の板部材は、前記給水路の通路面積を狭める節水穴を有し、積層した板部材どうしは、節水穴を有したものどうし、または節水穴を有したものと有しないものとの組み合わせによって前記給水路の通路面積に対する総通水面積率を異ならせるようにしてあり、複数の弾性脚は、前記給水路の継ぎ目の一方側の通路に先端側から軸線まわりへの広がりの弾性的な圧縮を受けて圧入されて、板部材部が前記一方側の通路の端部の端面またはその奥側の環状段部に当接した位置に安定させるようにしたことを特徴とする節水具。
【請求項2】
一方側の通路は、給水方向下流側の通路である請求項1に記載の節水具。
【請求項3】
複数枚積層した板部材の節水穴のあるものどうしは、一方の節水穴に対する他方の節水穴なし部分の重なりと節水穴どうしの重なりとによる、一方の節水穴全体に対する塞がり率の違いによって総通水面積が異なるようにされ、節水穴のあるものとないものとは、一方の節水穴に対する他方の重なりによる塞がり率の違いによって総通水面積が異なるようにされる請求項1または2に記載の節水具。
【請求項4】
板部材は金属製であり、弾性脚は金属製または合成樹脂製である請求項1〜3のいずれか1項に記載の節水具。
【請求項5】
継ぎ目の上流側の通路の段部との間で板部材部を下流側の通路の端面または環状段部に圧接させるばねを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の節水具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−102942(P2009−102942A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277798(P2007−277798)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(595033872)旭物産株式会社 (2)
【出願人】(396013307)エコシス株式会社 (3)
【Fターム(参考)】