説明

簡易ゲーム作成装置

【課題】簡易ゲーム作成装置を提供する。
【解決手段】携帯電話端末のユーザに対して、携帯電話端末を介した各ゲーム画像を構成する素材画像の入力を要求する手段、ユーザに対して、携帯電話端末を介した素材画像に使用するテキストデータの入力を要求する手段、入力された素材画像に、入力されたテキストデータを配置する手段、入力された素材画像にサウンドデータを関連付けるサウンドデータ関連付け手段、ユーザからの、携帯電話端末を介した指令に基づいて、選択肢画像を生成し素材画像上に、それら選択肢画像を構成する複数の選択肢が選択自在なるように配置する手段、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話端末をデータ入力装置として使用して、通信回線を介してユーザが簡単にアドベンチャーゲームなどのゲームを作成することが出来る、簡易ゲーム作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アドベンチャーゲームを作成する装置は、専用のソフトウエアがロードされたコンピュータを使用した、いずれも所謂プロ用のものであって、職業的にアドベンチャーゲーム作成する者を対象としたものであった。こうしたゲーム作成装置としては、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−207035
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした装置では、変化に富んだアドベンチャーゲームを作成することが出来るものの、極めて高価であり、その操作にファイル処理や画像合成などの専門的な知識を必要とし、そうした知識がない一般的な人々が遊びとして使用するには、全く不適当なものであった。
【0005】
最近、一般のゲームプレイヤの間では、自分の気に入った又は、自分で作成した写真、画像、音、台詞(テキスト)などを用いて、自分のイメージにあったアドベンチャーゲームを作成してみたいといった要望が顕在化してきている。そこで、携帯電話端末をデータ入力端末として使用して、当該携帯電話端末を操作することで、通信回線を介してゲーム作成装置を構成する所定のコンピュータにアクセスし、当該ゲーム作成装置上でユーザがアドベンチャーゲームを作成するように構成する方法が考えられる。
【0006】
しかし、アドベンチャーゲームの作成に必要な知識のほとんど無い人間が、アドベンチャーゲームを作るには、アドベンチャーゲームを構成する画像の作成や音と画像の合成、更には、アドベンチャーゲームにおいて必須の要素であるストーリの分岐などの作業を、携帯電話端末により簡単に行えることが必須要件である。従って、簡単な操作で、画像の作成や音と画像の合成、更には、ストーリの分岐などの作業を行ってアドベンチャーゲームを作成することの出来る、簡易ゲーム作成装置の開発が必要であった。
【0007】
そこで、本発明は、携帯電話端末を用いて、簡単な操作で通信回線などの通信ネットワークを介してゲーム作成装置上で簡単にアドベンチャーゲーム等のゲームを作成することのできる、簡易ゲーム作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明男第1の観点は、複数のゲーム画像(PC)をプレーヤの携帯電話端末(20)に対して通信ネットワーク(19)を介して順次ダウンロードして当該携帯電話端末のディスプレイ(20a)上に表示させて、ストーリを展開することの出来るゲームを、作成する装置(1)であって、
ユーザが使用する携帯電話端末(20A)からのゲーム作成開始指令を受けて前記ゲームを構成する各ゲーム画像(PC)の作成処理を開始する作成開始手段(2)、
該ユーザが使用する携帯電話端末から通信ネットワーク(19)を介して、前記各ゲーム画像を構成する素材画像(MP)の入力を要求する素材画像入力要求手段(10)、
前記ユーザが使用する携帯電話端末から、前記素材画像に使用するテキストデータ(TD)の入力を要求するテキストデータ入力要求手段(10)、
入力された前記素材画像に、入力された前記テキストデータを配置するテキスト配置手段(10)、
入力された前記素材画像に、前記ユーザが使用する携帯電話端末から通信ネットワークを介して入力されたサウンドデータを関連付けるサウンドデータ関連付け手段(10)、
前記ユーザが使用する携帯電話端末から通信ネットワークを介して、前記素材画像上に選択肢(CH)を生成するように指令された場合に、前記ユーザが使用する携帯電話端末から入力されたデータから、対応する選択肢画像(CP)を生成し前記素材画像上に、それら選択肢画像を構成する複数の選択肢が選択自在なるように配置する選択肢配置手段(10)及び、
単一の符号(♪)からなるサウンドデータの呼び出しを指令するサウンドデータ呼び出しコマンド及び、単一の符号(→)からなる選択肢の生成を指令する分岐生成コマンドを、前記ユーザが使用する携帯電話端末から送られてくるデータから抽出するコマンド抽出部(9)、
を有し、
更に、前記サウンドデータ関連付け手段は、前記コマンド抽出部が抽出したサウンドデータ呼び出しコマンド(♪)に続くファイル名(ドーン、ドンなど)から、該ファイル名に対応した前記サウンドデータをメモリ(13)から読み出して前記素材画像(MP)に関連づけ、
前記選択肢配置手段は、前記コマンド抽出部が抽出した分岐生成コマンド(→)に引き続いて入力されたテキストデータ(TD)に基づいて前記選択肢画像(CP)を生成する、
ことを特徴して構成される。
【0009】
本発明の第2の観点は、前記ユーザが使用する携帯電話端末から通信ネットワーク(19)を介して入力される、前記入力された素材画像に対して別の画像(OP)を合成するように指令する、画像合成コマンドを受け付ける画像合成指令受付手段(10)及び、
前記入力された素材画像上に別の画像(OP)を合成するように指令された場合に、前記ユーザが使用する携帯電話端末から入力された合成すべき画像の呼び出しコマンド(♀)から、対応する画像データをメモリ(13)から呼び出し、前記素材画像と該呼び出した画像を合成する画像合成手段(10)を有し、
前記コマンド抽出部は、更に、単一の符号からなる、合成すべき画像の呼び出しを指令する画像呼び出しコマンド(♀)を抽出することが出来、
前記画像合成手段は、更に、前記コマンド抽出部が抽出した画像呼び出しコマンドに続くファイル名(エリカなど)から、該ファイル名に対応した前記画像データを前記メモリから読み出す、
ことを特徴して構成される。
【発明の効果】
【0010】
第1の観点によれば、携帯電話端末(20A)から、単一の符号からなるサウンドデータ呼び出しコマンドに引き続いてファイル名を又は、単一の符号からなる分岐生成コマンドに引き続いてテキストデータを、通信ネットワーク(19)を介して簡易ゲーム作成装置(1)に送るだけで、簡単にサウンド又は選択肢を有するアドベンチャーゲームなどのゲームを作成することができる。
【0011】
第2の観点によれば、携帯電話端末(20A)から、単一の符号からなる画像呼び出しコマンドに引き続いてファイル名を、通信ネットワーク(19)を介して簡易ゲーム作成装置(1)に送るだけで、簡単に画像合成されたゲーム画像を有するアドベンチャーゲームなどのゲームを作成することができる。
【0012】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明が適用される簡易アドベンチャーゲーム作成装置の一例を示す制御ブロック図。
【図2】図2は、符号コマンドテーブルの一例を示す図。
【図3】図3は、画像とテキスト及び音の合成例を示す図。
【図4】図4は、選択肢画面を作成する際の画像合成例を示す図。
【図5】図5は、画像とテキストの合成例を示す図。
【図6】図6は、分岐マップの表示例を示す図である。
【図7】図7は、ゲーム画像を作成する際の制御態様の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0015】
請求項に示された簡易ゲーム作成装置である簡易アドベンチャーゲーム作成装置1は、図1に示すように、主制御部2を有しており、主制御部2には、バス線3を介して通信制御部5,ユーザID管理部6,画像生成部7,コマンド抽出部9,ストーリ管理部10,ユーザデータ管理部11,ストーリ分岐管理部12,請求項に示されたメモリを構成する記憶部13,ゲーム登録部15及びゲーム配信管理部16などを有している。通信制御部5には、通信ネットワーク19を介して多数の携帯電話端末20A、20B、20C……が接続自在となっており、通信制御部5は、通信ネットワーク19を介して、携帯電話端末20A、20B、20C……との間でアドベンチャーゲームを作成する際に必要なデータを遣り取りすることが出来る。
【0016】
図1に示す簡易アドベンチャーゲーム作成装置1は、実際にはコンピュータが、図示しないハードディスク等のメモリ手段に格納された所定のアドベンチャーゲーム作成プログラムを読み出して、実行することで、図示しないCPUやメモリが、マルチタスクにより時分割的に動作し、図1に示す各ブロックに示された機能を実行してゆくこととなる。しかし、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1を、各ブロックに対応したハードウエアで構成することも可能であり、また各ブロックを各ブロックに分散的に設けられたCPU又はMPUにより制御するように構成することも可能である。
【0017】
簡易アドベンチャーゲーム作成装置1は、以上のような構成を有するので、例えば携帯電話端末20Aを所有したユーザが、アドベンチャーゲームを作成する際には、まず携帯電話端末20Aで通信ネットワーク19を介して簡易アドベンチャーゲーム作成装置1にアクセスし、携帯電話端末20Aと簡易アドベンチャーゲーム作成装置1を接続状態とする。次に、ユーザは、携帯電話端末20Aから、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に自己のユーザIDを入力する。簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の通信制御部5は入力されたユーザIDを、ユーザID管理部6に出力し、ユーザID管理部6では、記憶部13に格納されたユーザIDと、入力されたユーザIDを照合して、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1にアクセスしてきたユーザが、ログイン資格を有するメンバであるか否かを判定する。こうした、ログイン資格の判定動作は、既に公知のことなので、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0018】
ユーザが簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に正規にログインしたところで、ユーザは、携帯電話端末20Aを操作して、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して、アドベンチャーゲームの作成開始指令を出力する。これを受けて、作成開始手段を構成する簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の主制御部2は、請求項に示された素材画像入力要求手段、テキストデータ入力要求手段、テキスト配置手段、選択肢配置手段及び画像合成手段を構成するストーリ管理部10に対してアドベンチャーゲームの作成管理を開始するように指令する。これを受けて、ストーリ管理部10は、ユーザデータ管理部11に対して作成開始指令を出力したユーザについて、既に作成途中のアドベンチャーゲームのデータが記憶部13に格納されているか否かを演算判定させる。
【0019】
作成途中のアドベンチャーゲームのデータが記憶部13に格納されているものと、ユーザデータ管理部11が演算判定した場合には、ストーリ管理部10は記憶部13を構成するハードディスク等の大容量記憶媒体に格納された当該ユーザが作成中のアドベンチャーゲームのデータを格納したゲームファイルを読み出し、記憶部13を構成するRAMなどのソリッドメモリに格納する。また、作成途中のアドベンチャーゲームのデータが記憶部13に格納されていない場合には、ストーリ管理部10は、ユーザが新規にアドベンチャーゲームを作成するものと判定して、新たなゲームファイルを記憶部13を構成するRAMなどのソリッドメモリに作成する。
【0020】
次に、ユーザは携帯電話端末20Aを操作して、アドベンチャーゲームの作成作業に入るが、アドベンチャーゲームは、基本的に複数の2次元ゲーム画像PCから構成されており、それら画像を一枚づつ所定の順番でプレーヤに、各携帯電話端末20A、20B、20C……のディスプレイ20aを介して提示してゆくことで、ストーリ(シナリオ)が進行してゆく。また、その際には、各ゲーム画像PCには、図3(b)に示すように、テキストデータTDが必要に応じて表示され、また、当該ゲーム画像PCに付随するサウンドデータ(もし有る場合には)も、各携帯電話端末20A、20B、20C……のスピーカやイヤホンなどのサウンド出力手段を介して出力され、シナリオが展開されてゆく。従って、アドベンチャーゲームの作成作業は、そうした各ゲーム画像PC及び当該ゲーム画像PCに付属するテキストデータTDやサウンドデータを各ゲーム画像PC毎に作成することが主な作業となる。
【0021】
ストーリ管理部10は、図7のステップS1に示すように、ゲームの作成開始を指令したユーザに関するゲームファイルを参照して、すでに作成中のアドベンチャーゲームが有る場合には、次に作成すべきゲーム画像PCのページを演算判定し、また、新規にアドベンチャーゲームを作成する場合には、アドベンチャーゲームの最初のページを、例えば001ページとして演算決定する。ストーリ管理部10は、通信制御部5を介して携帯電話端末20Aに対して、ユーザがこれから作成すべきアドベンチャーゲームの画像ページを通知し、例えば、「これから001ページのゲーム画像を作成します」などの表示をディスプレイ20a上で行わせる。
【0022】
次いで、ストーリ管理部10は、図7のステップS2に入り、ステップS1で通知した画像ページに関する素材画像の入力を行うようにユーザを促す。これは、携帯電話端末20Aのディスプレイ20aに、「001ページで使用する素材画像を入力して下さい」などの表示を行うことで行う。素材画像の入力を行うように求められたユーザは、現在作成しようと思っている画像ページに使用する画像を、選択して素材画像MPとして簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に当該素材画像MPのデータを出力するが、素材画像MPとしては、ユーザが当該携帯電話端末20Aで撮影した写真画像や、携帯電話端末20Aのメモリに格納された各種のイラストなど自由に選択して、素材画像MPとして使用することが出来る。また、携帯電話端末20Aから簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の記憶部13に格納されている素材画像ファイルを閲覧して、その中から、適宜な素材画像MPを選択して、画像ページに使用する素材画像MPとすることも当然可能である。
【0023】
ユーザが素材画像MPを選択して、ストーリ管理部10に当該素材画像MPのデータを送ると、ストーリ管理部10は、当該携帯電話端末20Aから送られてきた素材画像MPのデータを画像生成部7内の適宜なメモリに格納して、画像生成部7に対してゲーム画像PCの生成を指令する(図7のステップS3)。なお、ユーザが簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に格納された素材画像ファイルより素材画像MPを選択した場合には、ストーリ管理部10は、当該選択された素材画像MPのデータを記憶部13から読み出して、前述した画像生成部7のメモリに出力する(図7のステップS3)。
【0024】
次に、ストーリ管理部10は、図7のステップS31に入り、ステップ2で入力した素材画像MPに対して別の素材画像MPを合成する画像合成を行なうか否かを入力するように、携帯電話端末20Aに対して通知する。図3の場合には、画像合成を行なわないので、ユーザは携帯電話端末20Aから画像合成行なわない旨のコマンドを入力し、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して通知する。
【0025】
すると、ストーリ管理部10は、次に、図7のステップS4に入り、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して送った素材画像MPに使用する、テキストデータの入力をユーザに対して求める。これは、携帯電話端末20Aのディスプレイ20aに、「001ページで使用するテキストデータを入力して下さい」などの表示を行うことで行う。この際、ストーリ管理部10は、画像生成部7を介して、ユーザの携帯電話端末20Aに対して当該携帯電話端末20Aのディスプレイ20a上に、例えば図3(a)に示すように、ユーザがゲーム画像PCで使用することを指示した素材画像MPを表示させた状態にしておく。ユーザが、図7のステップS2で簡易アドベンチャーゲーム作成装置1内の素材画像MPを選択した場合には、当該素材画像MPのデータを携帯電話端末20Aにダウンロードして、ディスプレイ20a上に表示する。
【0026】
ユーザは、ディスプレイ20a上に表示される素材画像MPを見ながら、ゲーム画像PCで素材画像MPと共に表示しようとするテキストデータTDを、携帯電話端末20Aのキーボードなどの入力部を操作することで入力する。この際、ユーザは、ディスプレイ20a上に表示された素材画像MP上で、図3(a)に示すように、カーソルCSを移動させて、テキストデータTDを表示すべき位置を指定し、その指定された位置で、テキストデータTDの入力を行う。ユーザが指定したカーソル位置情報は、テキストデータTDと共に簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の画像生成部7に出力され、請求項に示されたテキスト配置手段を構成する画像生成部7では、図3(b)に示すように、素材画像MP上のユーザが指定したカーソル位置から入力されたテキストデータTDに対応するテキスト(TXT)を配置する(図7のステップS5)。素材画像MPに配置されたテキストデータTDは、画像生成部7により通信制御部5を介して携帯電話端末20Aのディスプレイ20a上にも素材画像MPと共に表示される。なお、このテキストデータTDの素材画像MPに対する入力及び表示手法に関しては、公知の多様な方法を用いることが可能である。
【0027】
こうして、テキストデータTDの素材画像MPへの配置が完了する。この状態で、ストーリ管理部10は、画像生成部7を介して、ユーザの携帯電話端末20Aに対して当該携帯電話端末20Aのディスプレイ20a上に、例えば図3(b)に示すように、ユーザがゲーム画像PCで使用することを指示した素材画像MP及びテキストTXTを表示させた状態にしておく。なお、図中右上の数字は、ゲーム画像PCのページPGを示す表示である。
【0028】
この時点でユーザが、テキストTXTが配置された素材画像MPで使用するサウンドデータの入力を行う場合には、現在作成しようと思っている画像ページPCに使用するサウンドデータSDを、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の記憶部13に格納されたサウンド素材ファイルから指定する。
【0029】
サウンド素材ファイルにはアドベンチャーゲームで使用することの出来るサウンド素材がそれぞれ適宜なファイル名を付された形で多数格納されているので、ユーザはそれらサウンド素材を選択して、携帯電話端末20A側にダウンロードして視聴することで、自分が使用したいサウンド素材を自由に選択することが出来る。
【0030】
このサウンドデータSDの指定は、使用したいサウンドデータSDが格納されたファイル名を指定することで行なわれる。この場合、ユーザは、携帯電話端末20Aの入力部を操作して、図3(a)に示すように、サウンド呼び出しコマンドである「♪」の符号を入力し、これから入力するデータが、サウンドデータの指定コマンドであることを定義する。ユーザは、サウンド呼び出しコマンド「♪」に続いて、使用するサウンドデータが格納されたファイルのファイル名を入力する。図3(a)の場合、ユーザは2種類のサウンドデータ、即ちファイル名が「ドーン」のサウンドデータとファイル名が「ドン」のサウンドデータを入力したこととなる。
【0031】
ユーザは、サウンド素材をその使用する順番にそれぞれ呼び出しコマンド「♪」を付した形でファイル名と共に携帯電話端末20Aの入力部を介して入力する。図3(a)の場合、ファイル名が「ドーン」のサウンドデータを2回使用し、次いでファイル名が「ドン」のサウンドデータを2回使用することを指示した、「♪ドーン♪ドーン♪ドン♪ドン」といったコマンドラインCLとなっている。こうして、ユーザはコマンドラインCL「♪ドーン♪ドーン♪ドン♪ドン」を簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して出力して、ゲーム画像PCで使用するサウンドデータSDを指定する。
【0032】
ところで、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1側では、主制御部2がコマンド抽出部9を介して、携帯電話端末20Aから送られて来るデータを常に監視しており、それらデータ中に簡易アドベンチャーゲーム作成装置1でコマンドとして使用することの出来る符号のデータが含まれていないかをチェックしている。即ち、コマンド抽出部9では、例えば、図2に示すように、符号コマンドテーブルTBLを図示しないメモリに格納しており、符号コマンドテーブルTBLには、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1で使用可能な、一文字の符号から構成される符号コマンドSCと、それぞれの符号コマンドが意味する演算処理の内容が格納されている。例えば図2の場合、符号コマンド「♪」は、「サウンドデータの呼び出し」を指令するコマンドであり、符号コマンド「→」は、「分岐生成」を指令するコマンドであり(後述する)、符号コマンド「♀」は、「オプション画像呼び出し」を指令するコマンドであり(後述する)、符号コマンド「〒」は、「分岐マップの呼び出し」を指令するコマンド(後述する)である。なお、この符号コマンドSCは、携帯電話端末20Aに予め格納されている任意の符号に割り当てることが可能である。また、このように、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対するコマンドを、携帯電話端末20Aで使用可能な単一の符号に割り当てた形で使用することで、ユーザは、複雑なコマンドを入力する手間が省け、アドベンチャーゲームのゲーム画像PCを簡単かつ短時間に作ることが出来る。
【0033】
主制御部2はコマンド抽出部9を介して、携帯電話端末20Aから送られてくるデータ中に、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1で使用されている符号コマンドSCが有った場合には、当符号コマンドSCを抽出して、符号コマンドテーブルTBLを参照して、符号コマンドSCに対応するコマンド内容が携帯電話端末20A側から指令されたものと解釈して、各符号コマンドSCに定義されたコマンドを実行する。
【0034】
図3(a)に示す場合には、「♪ドーン♪ドーン♪ドン♪ドン」といったデータが簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に入力された時点で、コマンド抽出部9が符号コマンド「♪」を抽出して、サウンドデータの呼び出しコマンドが入力されたことを判定し(ステップS51)、主制御部2は当該符号コマンド「♪」の後に続くファイル名から、ファイル名「ドーン」及び「ドン」のサウンドデータSDの呼び出しが携帯電話端末20A側から指令されているものと判定する。
【0035】
主制御部2は、ステップS6に入り、ストーリ管理部10に対して、ユーザが携帯電話端末20Aから入力したコマンドラインCLに基づいて、ファイル名「ドーン」及び「ドン」のサウンドデータSDを記憶部13から読み出し取得すると共に、画像生成部7で生成されたテキストデータTDの配置され素材画像MPに対して、前記ファイル名「ドーン」及び「ドン」のサウンドデータSDを関連付ける処理を行なう。この際、ストーリ管理部10は、携帯電話端末20Aから入力されたサウンドデータSDのコマンドラインCLに示されたサウンド呼び出し指令の配列順にその再生順序を演算決定し、その演算決定された再生順序も素材画像MPに対して関連づけする処理を行なう。これにより、即ち、図3(a)の場合、テキストデータTDの配置され素材画像MPが携帯電話端末20A、20B、20C……のディスプレイ20a上に表示された場合に、当該携帯電話端末20A、20B、20C……の図示しない音声出力手段からは、最初にファイル名「ドーン」のサウンドデータが2回再生され、次にファイル名「ドン」のサウンドデータが2回再生されることとなる。なお、ユーザがサウンドデータSDの入力を行わない、即ち、当該ページのゲーム画像PCでは、サウンドの出力を行わない場合には、ストーリ管理部10は、ステップS51から後述するステップS8にジャンプする。
【0036】
ストーリ管理部10は、テキストデータTDの配置され素材画像MPに、サウンドデータSDが関連付けられたところで、図7のステップS7に入り、当該サウンドデータSDが関連付けられた素材画像MPを、ゲーム画像PCとして、記憶部13に格納する。
【0037】
次に、ストーリ管理部10は、図7のステップS8に入り、ゲーム画像PC中、従って素材画像MP上に選択肢を配置作成するためのコマンドがユーザから入力されているか否かを判定する。図3の場合には、既にゲーム画像PCが完成しているので、ユーザは選択肢を作成することはなく、従って、選択肢作成コマンドを入力することはない。
【0038】
ストーリ管理部10は、次に、図7のステップS9に入り、ユーザに対して次のゲーム画像ページを作成するか否かを問い合わせる。ユーザが引き続き次のゲーム画像ページを作成するとのコマンドを携帯電話端末20Aを介して簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対し入力した場合には、ステップS1に戻り、ストーリ管理部10は、次に作成すべきゲーム画像PCのページを演算判定しユーザに通知する。また、ゲーム画像PCの作成を止める場合には、ユーザはゲーム画像ページの作成を中止する旨のコマンドを簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して出力する。すると、ストーリ管理部10は、ユーザによるアドベンチャーゲームの作成作業が終了したものと判断して、今回ユーザが新たに作成したゲーム画像PCを、記憶部13の当該ユーザに対応する領域に、作成途中のアドベンチャーゲームのデータとして格納して、アドベンチャーゲームの作成処理を終了する。
【0039】
ステップS9でユーザが引き続き、ゲーム画像PCを作成する旨のコマンドを簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力した場合には、ストーリ管理部10は既に述べたようにステップS1に戻り、前述と同様に、次の画像ページ、即ち002ページの作成を開始する処理を行う。
【0040】
こうして、ユーザが図4に示すように、002ページPGのゲーム画像PCの作成を開始した場合、図7に示した手順で、ユーザは素材画像MPやテキストデータTDの入力を行ってゆくことでゲーム画像PCを作成してゆくが、ここでは、既に図7を用いて説明した部分については、その詳細な説明は省略する。図4の場合、ユーザは、ゲーム画像PC中に、ゲーム画像PCに表示されたカップを選択するための選択肢を作成することから、図7のステップS4,S5での「僕は友達からカップをもらうことにした」とのテキストデータTDの入力の後、選択肢の作成を指令するコマンドを携帯電話端末20Aから簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力する。
【0041】
この際、ストーリ管理部10は、画像生成部7を介して、ユーザの携帯電話端末20Aに対して当該携帯電話端末20Aのディスプレイ20a上に、例えば図4(b)に示すように、ユーザがゲーム画像PCで使用することを指示した素材画像MP及びテキストTXTを表示させた状態にしておく。なお、図中右上の数字は、ゲーム画像PCのページPGを示す表示である。
【0042】
ユーザは、図4(a)に示すように、分岐生成コマンド「→」に引き続いて、分岐としてゲーム画像PCに表示すべきテキストデータTDを携帯電話端末20Aの入力部を操作して入力し、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に通信ネットワーク19を介して出力する。図4(a)の場合、ユーザは、ゲーム画像PC中に表示されたの二つのカップのいずれかを選択させる選択肢を作成するために、
「→左のカップ
→右のカップ」
なるテキストデータTDを選択肢データとして入力する。
【0043】
ユーザの携帯電話端末20Aから分岐生成コマンドSC及び分岐に使用するテキストデータTDが入力されると、コマンド抽出部9が、符号コマンドテーブルTBLを参照してユーザが携帯電話端末20Aから入力されたデータから、符号コマンド「→」を抽出し、主制御部2に通知する。主制御部2は、符号コマンド「→」から、ユーザが分岐生成コマンドを入力したものと判断し(ステップS8)、該分岐生成コマンドSCに続くテキストデータTDから、「左のカップ」及び「右のカップ」からなる選択肢CH(選択肢CHは二つ以上いくつでもよい)を作成することが指令されているものと判定する。
【0044】
主制御部2は、ストーリ管理部10に対して、ユーザが携帯電話端末20Aから入力したテキストデータTDに基づいて、画像生成部7で生成された(ステップS5)テキストデータTD「僕は友達からカップをもらうことにした」が配置された素材画像MP上に、図4(b)に示すように、二つの符号コマンドに対応した選択肢画像CPを生成配置するように指令する。このストーリ管理部10により配置された選択肢画像CPは、各携帯電話端末20上で、表示された複数の選択肢から任意の選択肢CHを選択可能なように、携帯電話端末20の入力部から操作可能な、選択マークMKが両選択肢CHの間を移動位置決め自在に、従って、選択自在に配置表示されている。これにより、図4(b)に示す複数の選択肢CHが表示されたゲーム画像PCが作成される。
【0045】
このように選択肢CHが表示されたゲーム画像PCが作成されると、主制御部2は、図1のストーリ分岐管理部12に対して、分岐マップMAPを作成するように指令する。ストーリ分岐管理部12は記憶部13に格納された当該ユーザに対応した作成途中のアドベンチャーゲームのデータ及び今回作成された選択肢画像CPが配置されたゲーム画像PCに基づいて、例えば、選択肢画像CPが配置されたゲーム画像PCのページPG及び、その選択肢画像CPに示された選択肢CHなどに基づいて、たとえば図6に示すように、ゲームの選択肢CHによる分岐を図形で示した分岐マップMAPを生成し、記憶部13の当該ユーザに対応する領域に格納する。分岐マップMAPは、図6に示すように、図4の002ページで「左のカップ」及び「右のカップ」の選択肢CHにより分岐するストーリ状態がゲーム画像PCのページPGを示す番号で示されており、図6の場合には、「左のカップ」を選択した場合には、003ページPGのゲーム画像PCにストーリが分岐し、「右のカップ」を選択した場合には、004ページPGのゲーム画像PCにストーリが分岐することを、図形により表示している。
【0046】
この分岐マップMAPをユーザが参照するには、ユーザの携帯電話端末20Aから簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して符号コマンドSCである分岐マップ呼び出しコマンド「〒」を簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力する。すると、コマンド抽出部9が、符号コマンドテーブルTBLを参照して、ユーザの携帯電話端末20Aから分岐マップMAPの呼び出し要請が来ていることを主制御部2に対して通知する。主制御部2は、ストーリ分岐管理部12に対して記憶部13から当該分岐マップMAPを読み出して、携帯電話端末20Aに対してダウンロードするように指令し、当該ダウンロードされた分岐マップMAPはディスプレイ20aに、図6に示すように表示される。従って、ユーザはアドベンチャーゲームを作成中の任意の時点で、現在作成中のアドベンチャーゲームの分岐状態を視覚的に確認することが出来、ゲームの作成作業を容易に行うことが出来る。
【0047】
なお、ユーザが現在作成中のゲーム画像PCが有る場合には、作成中のゲーム画像PCのページPGのデータに基づいて、図6のハッチング(003ページPG参照)で示すように、ディスプレイ20a上で対応するページPG部分のフラッシュ表示や、他のページ表示とは異なる態様で表示されるので、ユーザが現在自分が作成しているゲーム画像PCのアドベンチャーゲーム全体での位置を容易に確認することが出来、分岐状態の認識を誤って、構想とは異なるゲーム画像PCを作成してしまうような事態の発生を未然に防止することが出来る。
【0048】
なお、分岐マップ呼び出しコマンド「〒」は、当該符号コマンドを直接、携帯電話端末20Aの入力部を操作することで入力する方式の他に、携帯端末20Aのディスプレイ20a上に表示された特定のアイコンボタン(「マップ表示」などと表示されている)や入力部の特定の操作キーを押下することで、携帯端末20A側で分岐マップ呼び出しコマンド「〒」が自動生成されて簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して出力されるように構成することも当然可能である。
【0049】
こうして、ユーザによって選択肢CHを有するゲーム画像PCが作成されると、ストーリ管理部10は、図7のステップS9に戻り、ユーザに対して次のゲーム画像ページを作成するか否かを問い合わせる。ユーザが引き続き次のゲーム画像ページを作成するとのコマンドを携帯電話端末20Aを介して簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対し入力した場合には、ステップS1に戻り、ストーリ管理部10は、次に作成すべきゲーム画像PCのページを演算判定しユーザに通知する。また、ゲーム画像PCの作成を止める場合には、ユーザはゲーム画像ページの作成を中止する旨のコマンドを簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して出力する。すると、ストーリ管理部10は、ユーザによるアドベンチャーゲームの作成作業が終了したものと判断して、今回ユーザが新たに作成したゲーム画像PCを、記憶部13の当該ユーザに対応する領域に、作成途中のアドベンチャーゲームのデータとして格納して、アドベンチャーゲームの作成処理を終了する。
【0050】
ステップS9でユーザが引き続き、ゲーム画像PCを作成する旨のコマンドを簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力した場合には、ストーリ管理部10は既に述べたようにステップS1に戻り、前述と同様に、次の画像ページの作成を開始する処理を行う。この場合、002ページは選択肢画像CPが配置されたゲーム画像PCであるから、ストーリ管理部10は、002ページの選択肢画像CPの図中上方の選択肢CHに関する、即ちアドベンチャーゲームのプレーヤが002ページの選択肢画像CPの図中上方の選択肢CHである「左のカップ」を選択した際に、次に携帯電話端末20のディスプレイ20aに表示されるべきゲーム画像PCである、003ページPGの作成を開始する処理を行う。
【0051】
こうして、ユーザが図5に示すように、003ページのゲーム画像PCの作成を開始した場合、図7に示した手順で、ユーザは素材画像MPやテキストデータTDの入力を行ってゆくことでゲーム画像PCを作成してゆくが、ここでは、既に図7を用いて説明した部分については、その詳細な説明は省略する。図5の場合、ユーザは、二つの画像を合成してゲーム画像PCを作成することから、既に入力された素材画像MPに対して、請求項に示された「別の画像」である、別のオプション画像を合成するための、画像合成コマンドを、携帯電話端末20Aから簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力する。
【0052】
すると、ストーリ管理部10は、当該入力された画像合成コマンドを受付け、図7のステップS31からS2に戻り、再度、素材画像MPの入力をユーザに対して求める。既に003頁のゲーム画像PCについては、ステップS2で、図5(a)に示すように素材画像MPの選択は終了しているので、ストーリ管理部10は当該素画像MPと合成するオプション画像がユーザの携帯電話端末20Aから入力されるものと判断する。なお、図7のステップS2及びS3の「素材画像MP」を、ここでは「オプション画像OP」と読み替えるものとする。
【0053】
ユーザは、図5(a)に示すように、符号コマンドSCとして、オプション画像呼び出しコマンドである「♀」の符号を入力し、これから入力するデータが、オプション画像の指定コマンドであることを定義する。ユーザは、オプション画像呼び出しコマンド「♀」に続いて、使用するオプション画像が格納されたファイルのファイル名を入力する。図5(a)の場合、ファイル名が「エリカ」のオプション画像データである。
【0054】
オプション画像呼び出しコマンド「♀」とファイル名「エリカ」をユーザが携帯電話端末20Aから簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力すると、コマンド抽出部9がオプション画像呼び出しコマンド「♀」を抽出し、その後に続くファイル名「エリカ」を、主制御部2に通知する。主制御部2は、ストーリ管理部10に対して、ファイル名「エリカ」に対応するオプション画像OPを既に選択された素材画像MPと合成処理するように指令する。これを受けて、ストーリ管理部10は、記憶部13からファイル名「エリカ」に対応するオプション画像OPの画像データを読み出し、図5(b)に示すように、素材画像MPと合成し、ゲーム画像PCを作成する。なお、オプション画像OPとしては、予め簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の記憶部13に用意された全てのユーザが利用できる画像データを指定してもいいし、ユーザが自分で作成し、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に登録したユーザ独自の画像データを指定して使用しても良い。こうして、ゲーム画像PCが合成されると、ストーリ管理部10はステップS31で、更に画像合成を行うかを問い、行わない場合には、ステップS4以下に入り、既に述べたように、テキストデータTDやサウンドデータの入力処理を行って、ゲーム画像PCを完成させる。
【0055】
なお、オプション画像呼び出しコマンド「♀」は、当該符号コマンドを直接、携帯電話端末20Aの入力部を操作することで入力する方式の他に、携帯端末20Aのディスプレイ20a上に表示された特定のアイコンボタン(「画像合成」などと表示されている)や入力部の特定の操作キーを押下することで、携帯端末20A側でオプション画像呼び出しコマンド「♀」が自動生成されて簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に対して出力されるように構成することも当然可能である。
【0056】
こうして、ユーザが携帯電話端末20Aを操作して、順次ゲーム画像PCを作成し、ストーリ管理部10はユーザが作成したゲーム画像PCを、ページ順に、また、ストーリに選択肢CHが有る場合には、分岐管理部12により演算された分岐態様に従って管理し、記憶部13の当該ユーザに対応した領域に格納してゆく。こうしてユーザは携帯電話端末20Aを操作しながら、簡単な手順で、自分が考えたアドベンチャーゲームを作成することが出来る。
【0057】
アドベンチャーゲームが完成したものとユーザが判断した場合には、ユーザはゲーム完成通知を携帯電話端末20Aを介して簡易アドベンチャーゲーム作成装置1に出力し、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1の主制御部2は、それを受けて記憶部13に格納された完成状態のアドベンチャーゲームを、ゲーム登録部15に登録し、ゲーム配信管理部16を介して当該完成したアドベンチャーゲームを、通信ネットワーク19を介して、簡易アドベンチャーゲーム作成装置1と接続可能な多数の携帯電話端末20に対してアクセス可能に解放する。
【0058】
この状態で、一般の携帯電話端末20を持ったプレーヤは、通信ネットワーク19を介して簡易アドベンチャーゲーム作成装置1にアクセスし、ゲーム登録部15に登録された当該アドベンチャーゲームのダウンロードを要求する。すると、ゲーム配信管理部16は当該ダウンロードが要求されたアドベンチャーゲームを、記憶部13から読み出して、該アドベンチャーゲームを構成するゲーム画像PCを当該携帯電話端末20B又は20Cに順次、ダウンロードする。
【0059】
アドベンチャーゲームを一般のプレーヤがプレイする場合には、ストーリ管理部10により、当該プレーヤの携帯電話端末20B、20Cなどに対して、ゲーム画像PCを、そのページPG順に1枚ずつダウンロードして当該携帯電話端末20B又は20Cのディスプレイ20a上に表示する。プレーヤ側では、ディスプレイ20a上に表示されたゲーム画像PCを見て、該ゲーム画像PCに示されているテキストデータTDを読む。また、その際、当該ゲーム画像PCに関連付けられたサウンドデータSDも同時にストーリ管理部10により当該携帯電話端末20B又は20Cに対してダウンロードされるので、プレーヤは自分の携帯電話端末20B又は20Cに表示されるゲーム画像PC及びスピーカやイヤホンなどから再生されるサウンドデータSDにより、図3(b)又は図5(b)に示すように、臨場感溢れるゲーム画像PCを楽しむことが出来る。
【0060】
更に、選択肢CHを有するゲーム画像PCが、図4(b)に示すようにディスプレイ20a上に表示されるので、プレーヤは違和感なく、選択肢画像CP上で選択マークMKを操作することで自分の意に添った選択肢CHを選択することが出来る。なお、プレーヤが選択した選択肢CHに応じて、ストーリ分岐管理部12は、その後に表示すべきゲーム画像PCを演算決定して、ストーリ管理部10に通知し、ストーリ管理部10は、その通知に応じて、適切なページPGのゲーム画像PCを記憶部13から読み出して、プレーヤの携帯電話端末20B又は20Cにダウンロードすることができる。
【符号の説明】
【0061】
1……簡易アドベンチャーゲーム作成装置(簡易ゲーム作成装置)
7……画像生成部(テキスト配置手段)
9……コマンド抽出部
10……ストーリ管理部(素材画像入力要求手段、テキストデータ入力要求手段、テキスト配置手段、選択肢配置手段、画像合成指令受付手段、画像合成手段)
13……記憶部(メモリ)
19……通信ネットワーク
20、20A、20B、20C……携帯電話端末
20a……ディスプレイ
CP……選択肢画像
MP……素材画像
OP……オプション画像(別の画像)
PC……ゲーム画像
TD……テキストデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム画像をプレーヤの携帯電話端末に対して通信ネットワークを介して順次ダウンロードして当該携帯電話端末のディスプレイ上に表示させて、ストーリを展開することの出来るゲームを、作成する装置であって、
前記携帯電話端末のユーザに対して、前記携帯電話端末を介した前記各ゲーム画像を構成する素材画像の入力を要求する素材画像入力要求手段、
前記ユーザに対して、前記携帯電話端末を介した前記素材画像に使用するテキストデータの入力を要求するテキストデータ入力要求手段、
入力された前記素材画像に、入力された前記テキストデータを配置するテキスト配置手段、
入力された前記素材画像にサウンドデータを関連付けるサウンドデータ関連付け手段、
前記ユーザからの、前記携帯電話端末を介した指令に基づいて、選択肢画像を生成し前記素材画像上に、それら選択肢画像を構成する複数の選択肢が選択自在なるように配置する選択肢配置手段、
を有することを特徴して構成した簡易ゲーム作成装置。
【請求項2】
前記、簡易ゲーム作成装置は、
更に、サウンドデータの呼び出しを指令するサウンドデータ呼び出しコマンド及び、選択肢の生成を指令する分岐生成コマンドを、前記ユーザが使用する前記携帯電話端末から送られてくるデータから抽出するコマンド抽出部を有し、
前記サウンドデータ関連付け手段は、前記コマンド抽出部が抽出したサウンドデータ呼び出しコマンドに基づいて、該コマンドで呼びされた前記サウンドデータをメモリから読み出して前記素材画像に関連づけ、
前記選択肢配置手段は、前記コマンド抽出部が抽出した分岐生成コマンドに基づいて、該分岐生成コマンドに対応する選択肢の前記選択肢画像を生成する、
ことを特徴して構成した、請求項1記載の簡易ゲーム作成装置。
【請求項3】
前記入力された素材画像に対して別の画像を合成するように指令する、画像合成コマンドを、前記ユーザからの、前記携帯電話端末を介して受け付ける画像合成指令受付手段及び、
前記入力された素材画像上に別の画像を合成するように指令された場合に、対応する画像データをメモリから呼び出し、前記素材画像と該呼び出した画像を合成する画像合成手段を有する、
ことを特徴して構成した、請求項1記載の簡易ゲーム作成装置。
【請求項4】
合成すべき画像の呼び出しを指令する画像呼び出しコマンドを、前記ユーザが使用する前記携帯電話端末から送られてくるデータから抽出するコマンド抽出部を有し、
前記画像合成手段は、更に、前記コマンド抽出部が抽出した画像呼び出しコマンドに基づいて、該コマンドで呼びされた前記画像データを前記メモリから読み出す、
ことを特徴して構成した請求項3記載の簡易ゲーム作成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−101115(P2012−101115A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−9777(P2012−9777)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【分割の表示】特願2009−95699(P2009−95699)の分割
【原出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】