説明

簡易型フィルタ装置

分離膜を試験するための処理原液の流路は最も単純な直線型(いわゆるインラインタイプ)であり、構成が最も簡単でありながら、濾過しようとする分離膜が流路に対してほぼ垂直に装着されるので、濾過効率がよく、この分離膜の膜性能を試験するための膜の着脱容易にかつ迅速に交換することができるフィルタ装置を提供することを課題とする。 一方の側に吐出口13を他方の側に分離膜を載置する開口部2を有するボウル1と、原液を濾過する前記分離膜と、この分離膜を前記ボウル1に固定する、原液又は濾液を通過させる開孔を有するフィルタプレート5と、このフィルタプレート5を一側から押圧して濾過液の漏れを防止する凸状押圧部23を一方の側に有し他方の側に原液の供給口15を有するヘッド3と、前記ヘッド3を前記ボウル1に対して前記押圧状態に締着する手段、例えば前記ヘッド3と前記ボウル1に設けた互いに螺合する雌雄ねじ19、21又は別個のロッキングナット33、とを有する簡易型フィルタ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体からゲルやその他の粒状物等の濾過、分離、又は精製を行うフィルタとして、又、そのフィルタに使用される濾過膜、分離膜、又は精製膜(以下「分離膜」と称する)の膜性能を簡単に試験することができるフィルタ装置に関するものである。
【0002】
本発明のフィルタ装置は研究開発用の少量濾過、レジスト開発、薬剤開発、あるいはビール製造や製薬、半導体製造でのフォトレジスト溶液の浄化等、その他の分野で広く使用可能である。
【背景技術】
【0003】
少量の供給原液の濾過、分離、精製を行うフィルタ装置に対する需要は多い。又、処理原液に対する最適の分離膜を決定するためには、実際に分離膜を用いて処理すべき原液を処理することにより、その分離膜の膜性能を評価する必要がある。少量の処理原液に対する濾過、分離、精製を行うフィルタ装置は使用又は最適の分離膜を決定する評価試験に際しては、数多くの分離膜が使用されるが、従来の簡易型フィルタ装置では、一度に1枚の分離膜しか使用あるいは試験できず、1枚以上の任意の組合せにより分離膜を使用又は評価をする必要のある場合には複数のフィルタ装置を直列に使用したり、種類ごとに交換して1枚ずつ分離膜を試験し、得られた結果を総合的に評価する必要があった。従って、こうした場合には分離膜の組み込みや交換に手間を要し、全体の作業時間や評価時間も長く掛っていた。
【0004】
従来から複数の分離膜を同時に試験することができるものが提案されており、このような複数枚の分離膜を一度に試験できる分離膜試験装置としては、例えば、特開平11−137973号公報に示すようなものがある。
【0005】
同公報に記載の分離膜試験装置は、円筒形で偏平な4つのセルを備えることで、複数枚の分離膜を一度に試験できるようになっている。このセルは、縦に積み重ねた形態をなし、各セルの間に第1〜第3の異なる種類の分離膜が各1枚ずつ装着される。処理原液はこれらの各分離膜に並列に供給され、第1〜第3の3枚の分離膜の膜性能を一度に行うことができるというものである。しかし、この装置も分離膜を複数枚直列に使用する場合の評価はできないという問題がある。又、複数の分離膜を直列に使用する場合にはフィルタ装置を複数直列に使用する必要があった。
【0006】
【特許文献1】特開平11−137973号公報
【特許文献2】特開2002−046651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特開平11−137973号公報に示された従来の装置の場合には、周辺のケーシングや接続の様子が開示されていないので不明ではあるが、これらの一般的な構成を考慮すると構成が複雑であり小型化が困難であり、更に処理液は並列に処理するということで、同種の又は異種の複数の膜を同時に複数試験することはできるが、直列に配置される同種の膜又は異種の膜を複数枚使用して濾過の精度を上げようとする場合に、それらの総合的な効果を見ることができなかった。
【0008】
又、上記の従来例の欠点を改良した発明が特開2002−046651号公報に開示されている。しかし、同発明によれば装着された分離膜を交換する場合において、分離膜の交換や分解を比較的容易にかつ迅速に行えるようになるが、構造が複雑であり複数の膜の交換にはかなりの時間、例えば装置にセットする段取りの時間等が掛り、膜1枚の場合には却って時間が掛るという問題が生じている。又、直列に配置される同一又は種類の異なった複数の分離膜による総合的な効果を評価することはできず、又、直列にしたものについて評価し、あるいは直列に使用する場合には複数の別個のフィルタ装置を用いる必要があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構成でありながら膜の試験や少量の濾過が必要な場合には簡単に濾過ができ、一種以上の分離膜であっても複雑な組立や部品の追加等がなく簡単に組み込めて試験が容易にできるばかりでなく、分離膜の交換や分解も容易かつ迅速に行える分離膜用の簡易型のフィルタ装置を提供することを目的としている。本発明は特に、直列に配置される同一又は種類の異なった複数の分離膜による総合的な効果を評価することもできるフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成としている。
(1)本発明は、一方の側に吐出口を他方の側に前記吐出口に連通した開口部を有するボウルと、原液を濾過する分離膜を保持又は固着した、原液又は濾液を通過させる開孔を有するフィルタプレートであって前記ボウルの前記開口部に収容された少なくとも1枚のフィルタプレートと、このフィルタプレートを一側から押圧して濾過液の漏れを防止する突状押圧部を一方の側に有し他方の側に原液の供給口を有するヘッドと、前記ヘッドを前記ボウルへ向けて押圧する手段とからなる簡易型フィルタ装置を提供する。
【0011】
(2)好ましい形態では、前記(1)において、前記ボウル及び前記ヘッドに、雌ネジ又は雄ネジを設けて前記ボウル及び前記ヘッドを互いに螺合させ、ボウルとヘッドを互いに回転させることにより組み立てと気密・液密封止を実行できる。
【0012】
(3)他の好ましい形態では、前記(1)又は(2)において、前記分離膜を保持又は固着したフィルタプレートとを複数枚重畳させ、同一又は異なった種類の複数の分離膜を使用した濾過、分離、又は精製、あるいは評価試験が可能となる。
【0013】
(4)別の形態では、一方の側に吐出口を他方の側に前記吐出口に連通した開口部を有するボウルと、原液を濾過する分離膜を保持又は固着した、原液又は濾液を通過させる開孔を有するフィルタプレートであって前記ボウルの前記開口部に収容された少なくとも1枚のフィルタプレートと、このフィルタプレートを一側から押圧して濾過液の漏れを防止する突状押圧部を一方の側に有し他方の側に原液の供給口を有するヘッドと、前記ヘッドを前記ボウルに向けてそれらの軸線方向に押圧するロッキングナットとからなる簡易型フィルタ装置を提供する。
【0014】
(5)他の好ましい形態では、前記(4)において、前記ボウル及びロック部材に互いに螺合するネジ部を設け、それらを互いに螺合させ、回転させることにより装置の組み立て及び軸線方向の押圧を可能にする。
【0015】
(6)他の好ましい形態では、前記(4)又は(5)において、前記分離膜を有するフィルタプレートを複数枚重ねて載置し、同種の複数の分離膜、又は異なった種類の分離膜の使用を可能にする。
【0016】
(7)他の好ましい形態では、ねじ締めの作用を容易にするために上記(2)の場合にはボウルの外面及びヘッドの外面に板状突起を設けて手掛け又は工具掛けとして使用することができる。
【0017】
(8)又、(5)の場合にはボウルの外面に板状突起を設けて手掛け又は工具掛けとして使用することができる。
【0018】
(9)又、前記(4)又は(5)の場合には、ロッキングナットがその周部の3個所に手掛けハンドルを設けることができる。
【0019】
(10)更に前記(1)又は(4)の場合には、前記フィルタプレートが底面に一定の高さの円周突起を有しており、一方前記ボウルの前記開口部の内底には前記円周突起を受容する円周溝を有し、前記フィルタプレートを前記ボウルに対して押圧することにより封止を行うことができる。
【0020】
(11)更に前記(1)又は(4)において、下面側に少なくとも1本の同心突起、好ましくは複数(実施例では3本)を備える押えリングが、前記少なくとも1つのフィルタプレートの上面に配置され、前記フィルタプレートの上面側には全周に延びる平坦面が設けられ、前記押えリングの前記同心突起が前記フィルタプレートの前記平坦面に押圧されて封止を行うようになっている。
【0021】
(12)更に前記(11)において、前記押えリングはその上面側に平坦面を有し、この平坦面にはその上側に配置されるフィルタプレートの下面側に設けられた一定高さの円周突起が押圧されて封止されるか、又は前記ヘッドの突状押圧部がOリングを介して押圧されて封止されている。
【0022】
又、押えリングはその上面の前記平坦面を取り囲む周縁部を有し、フィルタプレートはその上面の前記平坦面を取り囲む周縁部を有し、押えリングがフィルタプレートの凹部に収容されたとき前記周縁部同志が互いに融着されるようになっている。これによりフィルタプレートと押えリングの結合一体化が可能となり、フィルタハウジングへの装脱が容易になる。
【0023】
(13)更に前記(1)又は(4)において、前記フィルタプレートの外周には指掛けタブが設けられ、それに対応して前記ボウルには前記指掛けタブの案内溝が設けられている。
【発明の効果】
【0024】
以上の構成から明らかなように、上記(1)の発明によれば、処理原液の流路は最も単純な直線型(いわゆるインラインタイプ)であり、構成が最も簡単でありながら、濾過しようとする分離膜が流路に対してほぼ垂直に装着されるので、濾過効率がよく、この分離膜の膜性能を試験するための膜の着脱が容易でかつ迅速に交換することができる。
【0025】
通常のフィルタはそれ自体で腰が弱くて洗浄はできないが、レジスト開発、薬剤開発等の実仕様ではカートリッジフィルタをいろいろな薬液で洗浄したものを使っている。本発明で仕様する分離膜を溶着等により支持したフィルタプレートは、使用後に取り出して洗浄し、再使用することが可能となる。
【0026】
又、上記(2)に記載の発明によれば、ボウルとヘッドとは、ネジ部の締付け力により強固に封止されるので、濾過液の漏れや混ざりが防止でき、分離膜の交換や分解を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0027】
又、上記(3)に記載の発明によれば、複数膜の試験が容易にできるので複数の膜による分離の様子や効果を簡単に確認することができ、又、分離膜の交換や分解・組立も容易にかつ迅速に行うことができる。いいかえれば、一種類の複数の分離膜や多種類の複数の分離膜であっても、容易に組み込むことができるので、極めて容易に分離膜の試験や組合せを変えての試験もすることができる。
【0028】
又、上記(4)に記載の発明によれば、ロック部材の追加により、フィルタとボウル及びヘッドとの封止がより効果的になされるので、能率的な濾過をすることができる。フィルタの交換に際しての脱着やその容易さについては、前記他の発明と同様である。
【0029】
又、上記(5)に記載の発明によれば、ロック部材はより具体的には、ロッキングナットとしており、フィルタとボウル及びヘッドとの封止が通常のネジにより効果的になされるので、確実に締付けられ効果的な濾過をすることができる。フィルタの交換に際しての脱着やその容易さについては、前記他の発明と同様である。
【0030】
又、上記(6)に記載の発明によれば、上記(4)又は(5)において、前記フィルタプレートを複数枚重畳させることにより、従来大型で多段にすることが必要であった濾過フィルタを簡単な構成とすることができて、濾過の順序等も容易に変更が可能となる等、より効果的な濾過をすることができる。フィルタの交換に際しての脱着やその容易さについては、前記他の発明と同様である。従って、本発明によれば複数膜による濾過で試験やそれ以外の濾過であって、小容量を必要とする時には簡便に適用することができる。
【0031】
上記(7)の好ましい形態では、上記(2)の場合にはボウルの外面及びヘッドの外面に板状突起を設けて手掛け又は工具掛けとして使用することができ、ねじ締めの作業が容易になる。
【0032】
上記(8)の形態では、ボウルの外面に板状突起を設けて手掛け又は工具掛けとして使用することができる。
【0033】
上記(9)の形態のように、ロッキングナットの周部の3個所に手掛けハンドルを設けると、更にヘッドの着脱が容易となる。
【0034】
上記(10)の形態では、前記フィルタプレートが底面に一定の高さの円周突起を有しており、一方前記ボウルの前記開口部の内底には前記円周突起を受容する円周溝を有し、前記フィルタプレートを前ボウルに対して押圧することにより、Oリングをいちいち使用しなくても充分な封止を行うことができ、作業性が上がり又、低コストになる。
【0035】
上記(11)の形態では、下面側に少なくとも1本、好ましくは複数本の同心突起を備える押えリングが、前記少なくとも1つのフィルタプレートの上面に配置され、前記フィルタプレートの上面側には全周に延びる平坦面が設けられ、前記押えリングの前記同心突起が前記フィルタプレートの前記平坦面に押圧されて封止を行うようになっている。このため、フィルタプレートに融着できない分離膜を含む複合分離膜を使用する場合にも、押えリングを利用して封止が可能となり、いちいちOリングを使用しなくても分離膜周部の充分な封止を行うことができ、作業性が上がり又、低コストになる。
【0036】
上記(12)の形態では、前記押えリングはその上面側に平坦面を有し、この平坦面にはその上側に配置されるフィルタプレートの下面側に設けられた一定高さの円周突起が押圧されて封止されるので、複数個のフィルタプレートをOリングを使用しないで重畳させることが可能となる。(但し最上部に使用される押えリングの場合には前記ヘッドの突状押圧部がOリングを介して押圧されて封止される)。
【0037】
又、押えリングはその上面の前記平坦面を取り囲む周縁部を有し、フィルタプレートはその上面の前記平坦面を取り囲む周縁部を有し、押えリングがフィルタプレートの凹部に収容されたとき前記周縁部同志が互いに融着されるようになっているので、フィルタプレートとの融着ができない分離膜でも、フィルタプレートと押えリングの結合一体化により封止保持することが可能となる。
【0038】
上記(13)の形態では、更に前記(1)又は(4)において、前記フィルタプレートの外周には指掛けタブが設けられ、それに対応して前記ボウルには前記指掛けタブの案内溝が設けられているが、上記のような封止手段によって原液や濾液への流通路とその外側の空間は隔離されるので、外部からの汚染の心配なしに作業性を向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下好ましい実施例を参照して本発明を詳しく説明するが、使用する材質は従来から知られているこの種の材料が使用できる。
【0040】
分離膜としてはPTFE、PE、PFA、PVDF、PSE等の任意の微細孔分離膜が挙げられる。
【0041】
分離膜を支持又は溶着するフィルタプレート(ホルダ)としてはPP、PE、PFA等の任意の樹脂材料が挙げられる。
【0042】
ハウジングとして従来公知の剛性のあるプラスチック材料又は金属が使用できる。
【実施例1】
【0043】
図1〜図7を参照して本発明の第1の実施例による簡易型フィルタ装置を説明する。なお図の上下関係は説明の都合であり反転しても良いし、横にしても良いし、原液の供給口と濾液の吐出口が反転しても良い。
【0044】
図1〜6、及び図2の部分拡大図である図7を参照すると、フィルタ装置は、下面に濾液の吐出口13を上面に開口部2(又は凹所)を有するボウル1(又はカップ)と、この開口部2に挿入されて開口部底部に支持された1枚以上のフィルタプレート5と、フィルタプレート5の周部を気密及び液密に封止するためにフィルタプレート5の周部を開口部底部に向けて押圧する円環状の凸状押圧部23を備え且つ原液の供給口15を有するヘッド3とから構成されている。後で述べるようにフィルタプレート5には分離膜25(図5又は図6)が支持される。
【0045】
ボウル1の開口部2は円筒状内壁7と、底部を有し、底部は下に向けて緩く漏斗状に収斂して吐出口13に延びる中央部分とフィルタプレート5の周部を支持する環状の平坦な周辺部とを有する。この周辺部には封止用の弾性Oリング16を受ける円周溝が設けられている。図2に示すようにボウル1の円筒状内壁7の上側部分には雌ねじ21が形成され、ヘッド3の外周面に施された雄ねじ19と螺合している。更に、円筒状内壁7の直径を挟んだ対向部分には、フィルタプレート5のタブ17、17を受け入れる垂直な案内溝(縦溝)18、18が形成されている。図3に示すようにボウル1の下面には板状突起9が形成され、ヘッド3をボウル1に締着したり外したりする場合の手掛け又は工具掛けとして役立つ。
【0046】
ヘッド3は円筒形の外周部にボウル1の雌ねじ21に螺合する雄ねじ19を有している。供給口15の内端部は拡張してフィルタプレート5の濾過面に連通する空間43を形成しており、空間43を囲む壁は上記のようにフィルタプレート5の周部を気密及び液密に封止するためにフィルタプレート5の周部を開口部底部に向けて押圧する円環状の凸状押圧部23を構成している。凸状押圧部23の底面は水平面であり、Oリングを介して後述のフィルタプレート5を押圧して所定の封止を行う。ヘッド3の上端面にはねじ締めの際に手掛け(又は工具掛け)となる板状突起11が形成されている。
【0047】
図5又は図6に示すように、フィルタプレート5は多数の孔27を有する。フィルタプレート5には凹入部31を設け、その面に分離膜25(仮想線で示した)を保持させる。この場合には分離膜25は熱溶着によりフィルタプレート5の面に固着させるとよい。凹入部31は複数のフィルタプレートを使用する場合に分離膜25への分配流路を形成する。更に凹入部31の面には多数の孔27から放射状又は網目状に多数の溝26を形成して実効濾過面積を増大する。フィルタプレート5の周部には周溝29を設け、そこに封止用のOリング20を収容する。これにより、図2のように1枚以上のフィルタプレート5同志の外周部及びそれらとヘッドの凸状押圧部23とを互いに封着することができる。
【0048】
フィルタプレート5の直径を挟む2個所にはタブ17、17が形成されており、ボウル1の案内溝18に嵌合するようになっている。これにフィルタプレート5は所定の位置に配置されるだけでなく、ヘッド3を締め込む際に回転を阻止される。
【0049】
濾過、分離又は精製作業又は濾過膜の評価測定に先立ち、ボウル1の開口部2の底面周溝にOリング16を嵌め、次いで周溝29にOリング20を嵌めた一枚又は複数枚のフィルタプレート5を、タブ17と縦溝18を利用して整列させ、ボウル1の開口部2に落とし込む。次いでヘッド3の外周の雄ねじ19をボウル1の雌ねじ21に螺合させ、板状突起11を手又は工具を使って回してヘッド3をボウル1の開口部2内へ締め込む。これによりヘッド3の凸状押圧部23がフィルタプレート5の周部を押圧して各部材間のOリング16、20により液密及び気密な封止が得られる。このとき図2のように複数枚のフィルタプレート5を組み込むこともできるし、図4のように単一のフィルタプレート5を組み込むこともできる。このように、本発明のフィルタ装置は、目的に応じて単数又は複数枚のフィルタプレート5を組み込むことができる融通性に富む構造を有する。
【0050】
なおこの実施例によるフィルタ装置は構造が単純であるので製造コストが低い利点があるが、ヘッド3の凸状押圧部23とOリング20の間に摩擦摺動が起きるので、ねじ締めを注意深く行う必要がある点で若干不便である。次の実施例でこれを改良する。
【実施例2】
【0051】
次に図8〜図14を参照して本発明の第2の実施例を説明する。この実施例は上記実施例のフィルタ装置よりも複雑であるが、気密性及び液密性が容易に得られる利点を有する。これらの図においても実施例1のフィルタ装置に対応する部材は同一の参照符号を使用する。
【0052】
この実施例によるフィルタ装置は、下面に濾液の吐出口13を上面に開口部又は凹所2を有するボウル1と、この開口部2に挿入されて開口部底部に支持された1枚以上のフィルタプレート5と、フィルタプレート5の周部を気密及び液密に封止するためにフィルタプレート5の周部を開口部底部に向けて押圧する円環状の凸状押圧部23を備え且つ原液の供給口15を有するヘッド3と、ヘッド3をボウル1に対して固定するためのロッキングナット33から構成されている。
【0053】
フィルタプレート5は実施例1のそれと同様な構造を有するので以下では必要な限度でのみ言及する。一方、ボウル1はこの例では円筒状内壁に雌ねじを具備しないし、ヘッド3はこの例では外周面に雄ねじを具備しない。
【0054】
図9、図10及び図9の円内拡大図12を参照するに、ボウル1の開口部2は円筒状内壁7と、下に向けて緩く漏斗状に収斂して吐出口13に延びる中央部分と、フィルタプレート5の周部を支持する環状の平坦な周辺部とを有する。周辺部には封止用の弾性Oリング16を受ける円周溝が設けられている。図9に示すようにボウル1の円筒状外周面の上側部分には雄ねじ37が形成され、ロッキングナット33の内周面に施された雌ねじ35と螺合している。更に、円筒状内壁7の直径を挟んだ対向部分には、フィルタプレート5のタブ17、17(図5参照)を受け入れる垂直な案内溝18、18が図2の場合と同様に形成されている。ボウル1の下面には板状突起9が形成され、ヘッド3をボウル1に締着しあるいは外す場合の手掛け又は工具掛けとして役立つ。
【0055】
図9、図13及び図14を参照すると、ヘッド3の供給口15の内端部は拡張してフィルタプレート5の濾過面に連通する空間43を形成している。空間の周壁は上に述べたようにフィルタプレート5の周部をOリング20を介して開口部2の底部に向けて押圧する円環状の凸状押圧部23を構成する。ヘッド3の直径はボウル1の円筒状内壁7の直径よりわずかに小さく、ヘッド3が嵌合できるようになっている。又、ヘッド3の外周には、その回転を防止するため、ボウル1の縦溝18、18に嵌合するタブ45、45が設けられている。ヘッド3の上面外周部にはロッキングナット33の作用部39に接して締め付け力を受ける肩部41が形成されている。このためフィルタプレート5はヘッド3の凸状押圧部23から垂直方向(フィルタ装置の軸線方向)の締め付け力を受けることができる。
【0056】
フィルタプレート5の構造は実施例1に関して図5及び図6に関連して説明したものと同様である。
【0057】
次に図8及び図9を参照すると、ロッキングナット33は、ヘッド3の肩部41に衝接する作用部39を有する環状平板部と内周面に雌ねじ35を形成した円筒状外周壁とを有する。雌ねじ35はボウル1の外周面の雄ねじ37と螺合している。ナット33の作用部39は手掛け又は工具掛けとするために多角形に形成されている。
【0058】
濾過又は分離作業又は濾過膜の評価測定に先立ち、ボウル1の開口部2の底面の周溝にOリング16を嵌め、次いで周溝29にOリング20を嵌めた一枚又は複数枚のフィルタプレート5を、タブ17と縦溝18を利用して整列させ、ボウル1の開口部2に落とし込む。次いでタブ45を縦溝18に合わせた状態でヘッド3をボウル1の開口部2に挿入する。ついでロッキングナット33をヘッド3の上に被せ、ロッキングナットの雌ねじ35をボウル1の雄ねじ37に螺合させて手又は工具を使用して回転させることによりねじ込む。これにより作用部39及び肩部41を介して締め付け力が凸状押圧部23を介してフィルタプレート5のヘッドの周部に加えられ、Oリング16、20によりフィルタプレート5の周部が液密に封止される。この例でも、図9のように複数枚のフィルタプレート5を組み込むこともできるし、図11のように単一のフィルタプレート5を組み込むこともできる。このように、本発明のフィルタ装置は、目的に応じて単数又は複数枚のフィルタプレート5を組み込むことができる融通性に富む構造を有する。
【実施例3】
【0059】
次に図15〜図23を参照して本発明の第3の実施例を説明する。この実施例は図8〜図14に関連して説明した実施例2に類似しているが、フィルタプレートのシール部の構造、フィルタプレートの指掛けの構造、及びロッキングクナットの構造が異なる。これらの図においても実施例2のフィルタ装置に対応する部材は同一の参照符号を使用する。
【0060】
図15はこの実施例のフィルタ装置の斜視図であり、図16は図15の線XVI−XVIに沿った断面図である。この実施例によるフィルタ装置は、開口部又は凹所2及び濾液の吐出口13を有するボウル1と、この開口部2に挿入されて開口部底部に支持された1枚以上のフィルタプレート5と、フィルタプレート5の上面又はそこに配置された濾過膜を押えるための押えリング55と、押えリング55の周部を気密及び液密に封止するために押えリング55の周部を凹所2の底部に向けて押圧する円筒状又は円環状の凸状押圧部23を備え且つ原液の供給口15を有するヘッド3と、ヘッド3をボウル1に対して固定するためのロッキングナット33から構成されている。なおこの例では原液中の気泡、溶存ガスを引き出すガスベント51が設けられている。
【0061】
図16において、ボウル1の開口部2は円筒状内壁7と、下に向けて緩く漏斗状に収斂して吐出口13に延びる中央部分と、フィルタプレート5の周部を支持する環状の平坦な周辺部とを有する。周辺部には封止用の円周溝57が設けられている。この溝にはフィルタプレート5の底面から突出する逆三角形断面の円周突起59(図18参照)が嵌り込んで封着を行う。ボウル1の円筒状外周面の上側部分には雄ねじ37が形成され、ロッキングナット33の内周面に施された雌ねじ35と螺合している。更に、円筒状内壁7の一部にはフィルタプレート5の指掛けタブ63(図17〜19参照)を受け入れる垂直な案内溝65が設けられている。後述するフィルタプレート5の構造により、指掛けタブ63は原液及び濾液の通路から隔離されるので、指掛けタブ63が存在しても濾液の汚染は生じない。従って、このモデルによるとフィルタプレート5の組み込み及び交換が容易になる。各フィルタプレート5には図17〜19に示した方向タブ67が設けられ、対応してボウル1の内壁7に縦溝(図示せず)が図2の場合と同様に形成されている。このためフィルタプレート5は上下の向きが常に正しく設定できる。
【0062】
図16のように、ヘッド3の供給口15の内端部は拡張してフィルタプレート5の濾過面に連通する空間43を形成している。空間の周壁は上に述べたように押えリング55を介してフィルタプレート5の周部を押さえるOリング20による開口部2の底部に向けて押圧する円環状の凸状押圧部23を構成する。ヘッド3の直径はボウル1の円筒状内壁7の直径よりわずかに小さく、ヘッド3の下側部が嵌合できるようになっている。ヘッド3の上面外周部にはロッキングナット33の作用部39に接して締め付け力を受ける肩部41が形成されている。このためフィルタプレート5と押えリング55はヘッド3の凸状押圧部23から垂直方向(フィルタ装置の軸線方向)の締め付け力を受けることができる。
【0063】
ロッキングナット33は、ヘッド3の肩部41に衝接する作用部39を有する環状平板部と内周面に雌ねじ35を形成した円筒状外周壁とを有する。雌ねじ35はボウル1の外周面の雄ねじ37と螺合している。図15のように、ロッキングナット33はその外周部の互いに等角度に離間した3個所にハンドル53を有することによりロッキングナット33の締着と取り外しを容易にしている。ボウル1の周部にも同様なハンドル61を設ける。適当な回り止めを有する場合にはボウル1にハンドル61を設けなくても良い。
【0064】
ヘッド3とロッキングナット33は互いに相対回転しうる。このため、ヘッド3をフィルタプレート5及び押えリング55上にOリング20を介して載せたのち、ロッキングナット33を締め付けると、ヘッド3が押えリング55に摩擦係止した状態でロッキングナット33のみが回転するので、ヘッド3とフィルタプレート5と押えリング55の間の封止手段の滑りが防止され、確実な封止力が得られる。
【0065】
この実施例3のフィルタプレート5は、図17(平面図)、図18(図17のXVIII−XVIII断面図)及び図19(底面図)に示す。フィルタプレート5は凹入部を有し、凹入部の内底には平坦な保持面31が設けられ、保持面31の周部には無孔の平坦面が形成されている。保持面31には少なくとも一枚の分離膜(図では鎖線で示した2枚の分離膜25,25’)が保持される。分離膜25、25’の保持には、フィルタプレート5の凹入部に押えリング55を挿入し、その外周部の底面から突出する封止用同心状突起75により分離膜の周部を保持面31の周部の平坦面に押しあてる。フィルタプレート5は図23に関連して説明するように、リング55の周縁部79とフィルタプレートの周縁部70とは互いに溶着される。このためには両部材5と55は同じ熱可塑性材料から製作する。
【0066】
もしも分離膜25,25’の一方又は両方がフィルタプレート5と熱融着性の場合には分離膜はフィルタプレート5との熱融着しても良い。例えば熱溶着性のポリエチレン製分離膜と熱溶着できないフッ素樹脂製分離膜とを組み合わせる等の場合には、例えばポリエチレン分離膜25をフィルタプレート5に融着し、フッ素樹脂分離膜25’は単にその上に置き、その周辺部を押さえリング55によりフィルタプレート5の保持面31の平坦な周部に押しつける。
【0067】
フィルタプレート5の上面は格子状に形成され、凹入部の面31には格子間に網目状に連絡した多数の溝26を形成して実効濾過面積を増大する。又、下面側には溝26に出てくる濾液を集める一様に分布した多数の孔27を有する。凹入部は複数のフィルタプレートを使用する場合に分離膜25への分配流路を形成する。
【0068】
既に述べたように、フィルタプレート5の外周部底面には逆三角形状の円周突起59が突出している。円周突起59は全周にわたり同じ高さであり、その先端は同一の平面内にある。円周突起59はボウル1に形成した円周溝57よりも広幅で且つ嵌合時に円周溝27の底に達しないような高さに形成することにより、円周突起59と溝57の内外側壁上縁との間に弾性変形による封着が可能になるようにする。
【0069】
フィルタプレート5には更に既に述べたように手掛けタブ63と方向タブ67が形成されており、指掛けタブ63はボウル1の案内溝18に嵌合し、方向タブ67は対応した方向規制溝に嵌合するようになっている。これによりフィルタプレート5の着脱が容易になり、フィルタプレート5は表裏が正しく装着でき、更に、ヘッド3を締め込む際に回転することがない。
【0070】
フィルタプレート5は更に凹入部に保持面31を取り囲む平坦な段部69を有する。この段部は以下で述べる押えリング55の周部底面81を受けて押えリングを保持するとともに、押えリングの弾性封着部77の座屈を防ぐ役目もする。フィルタプレート5の周縁部70はその内側に嵌合される押えリング55の周縁部79を受け入れ、互いに融着されるようになっている。
【0071】
この実施例3の押えリング55は、図20(平面図)及び図21(図20のXXI−XXI断面図)に示されている。
【0072】
押えリング55には上面側に平坦面71が形成され、底面に突出する3本(一般には複数)の逆三角状の同心状突起75よりなる封止部を有する弾性封着部77が形成され、そして上下面は開口73により連通されて液体分配通路を構成している。3本の突起の先端は同一の平面内にある。平坦面71はOリング20(図16)の封止面となり、あるいは他のフィルタプレート5の円周突起59に対する封止面となる。
【0073】
押えリング55は上方に突出する周縁部79を有し、押えリング55が分離膜25、25’を介在してフィルタプレート5の凹部に挿入されたときにフィルタプレート5の周縁部70とほぼ同じ高さに並ぶ。押えリング55の外周はフィルタプレート5の周縁部70の内周面に嵌合する外径の突縁83を有する。このため押えリング55の周縁部79とフィルタプレート5の周縁部70との間には溶融樹脂の流入できる隙間ができる。この状態でホットプレートをこれらの周縁部の上に当てて加圧下に加熱すると両周縁は溶融してこの隙間に流入し、両者は互いに強固に融着すると共に分離膜を強く保持する。
【0074】
押えリング55の平らな周部底面81はフィルタプレート5に設けられた平らな段部69と係合して両部材5と55を固定関係に保持し、又、同時に同心状突起75を有する弾性封着部77の座屈を防ぐ。
【0075】
この実施例ではフィルタプレート5、分離膜25、25’及び押えリング55は予め一体化された部品として構成される。
【0076】
図23はフィルタプレート5に分離膜25、25’を保持させ、これを押えリング55により押え、両部材5と55を互いに熱融着して一体に形成してフィルタプレートユニットを構成した状態を示す。
【0077】
既に説明したように、フィルタプレート5の凹入部に押えリング55を挿入し、その外周部の底面から突出する封止用同心状突起75により分離膜の周部を保持面31の周部の平坦面に押し当てる。又、フィルタプレート5の段部69は押えリング55の周部底面81を支持する。フィルタプレート5の凹入部に挿入した押えリング55の周縁部79とフィルタプレートの周縁部70の内周面との間には、押えリングの周りの突縁83のために隙間があるので、周縁部79と周縁部70の上からホットプレートを当てて押圧すると、周縁部70と79は溶融して押しつぶされて融着し、又、溶融した樹脂はこれら周縁部70と79の間の隙間に流れ、図23に示したように平坦化した溶着部Wを形成する。この平坦化した溶着部Wの上面は平坦面71にほぼ一致する。
【0078】
図22は実施例3のフィルタ装置において二枚以上のフィルタプレート5が使用される場合を示す。この例では二枚のフィルタプレート5と二個の押えリング55が使用されており、フィルタプレート5、5間の封止は、下側の押えリング55の平坦面71に、上側のフィルタプレート5の底面の円周突起59が当接し、ロッキングナット33の締着力により封止力を行うようになっている。
【0079】
濾過又は分離作業又は濾過膜の評価測定に先立ち、分離膜25及び/又は25’は図23のようにフィルタプレート5と押えリング55に組み込まれて一体のフィルタプレートユニットに形成されているものとする。
【0080】
ついで、指掛けタブ63と垂直な案内溝65及び方向タブ67を利用して、フィルタプレート5をボウル1の開口部2の底面に落とし込む。これによりフィルタプレート5底面の円周突起59がボウル1の円周溝57に嵌合して封止する。必要なら更に別のフィルタプレート5と押えリング55を同様に装着する。これにより、上側のフィルタプレート5の円周突起59が下側の押えリング55の平坦面71に当接する。最後にヘッド3をロッキングナット33と共にボウル1に載せ、ヘッド3の下端部をボウル1の開口部2に挿入し、ロッキングナット33の雌ねじ35をボウル1の雄ねじ37に螺合させ、ハンドル53、場合により更にハンドル61を利用し手又は工具でロッキングナット33を回転させることによりねじ込む。これにより作用部39及び肩部41を介して締め付け力が凸状押圧部23を介してフィルタプレート5のヘッドの周部に加えられ、Oリング20、弾性封着部77の3本の同心状突起75、円周突起59及び円周溝57によりフィルタプレート5の周部が液密に封止される。これにより原液及び濾液の流路は、案内溝65等から完全に隔離される。なお、図16のように単一のフィルタプレート5を組み込むこともできるし、図22のように複数枚のフィルタプレート5を組み込むこともできる。このように、本発明のフィルタ装置は、目的に応じて単数又は複数枚のフィルタプレート5を組み込むことができる融通性に富む構造を有する。
【0081】
以上のように、本発明によると、分離膜を試験するための処理原液の流路は最も単純な直線型(いわゆるインラインタイプ)であり、構成が最も簡単でありながら、濾過しようとする分離膜が流路に対してほぼ垂直に装着されるので、濾過効率がよく、この分離膜の膜性能を試験するための膜の着脱が容易でかつ迅速に交換することができるフィルタ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
[図1]本発明の実施例1によるフィルタ装置の平面図である。
[図2]同フィルタ装置の断面図である。
[図3]同フィルタ装置の底面図である。
[図4]同フィルタ装置の1つの使用形態を示す断面図である。
[図5]本発明の2つの実施例に共通なフィルタプレートの平面図である。
[図6]図5のフィルタプレートのVI−VI断面図である。
[図7]図2のフィルタ装置の部分拡大図である。
[図8]本発明の実施例2によるフィルタ装置の平面図である。
[図9]同フィルタ装置の断面図である。
[図10]同フィルタ装置の底面図である。
[図11]同フィルタ装置の1つの使用形態を示す断面図である。
[図12]同フィルタ装置の部分拡大図である。
[図13]同フィルタ装置のヘッド単体の平面図である。
[図14]同フィルタ装置のヘッド単体の断面図である。
[図15]本発明の実施例3によるフィルタ装置の斜視図である。
[図16]同フィルタ装置のXVI−XVI断面図である。
[図17]同フィルタ装置に使用するフィルタプレートの平面図である。
[図18]図17のフィルタプレートのXVIII−XVIII断面図である。
[図19]同フィルタプレートの底面図である。
[図20]押えリングの平面図である。
[図21]図20の押えリングのXXI−XXI断面図である。
[図22]実施例3のフィルタ装置において二枚のフィルタプレート5が使用される図16と同様な断面図である。
[図23]フィルタプレートと分離膜と押えリングとを一体に形成したフィルタプレートユニットを示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ボウル
2 開口部
3 ヘッド
5 フィルタプレート
7 円筒状内壁
9 板状突起
11 板状突起
13 濾液の吐出口
15 原液の供給口
16 Oリング
17 タブ
18 案内溝
19 雄ねじ
20 Oリング
21 雌ねじ
23 凸状押圧部
25 分離膜
26 溝
27 多数の孔
29 周溝
31 保持面
33 ロッキングナット
35 雌ねじ
37 雄ねじ
39 作用部
41 肩部
43 空間
45 タブ
51 ガスベント口
53 ハンドル
55 押えリング
57 円周溝
59 円周突起
61 ハンドル
63 指掛けタブ
65 案内溝
67 方向タブ
69 段部
70 周縁部
71 平坦面
75 同心状突起
77 弾性封着部
79 周縁部
81 周部底面
83 突縁
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側に吐出口を他方の側に前記吐出口に連通した開口部を有するボウルと、原液を濾過する分離膜を保持又は固着した、原液又は濾液を通過させる開孔を有するフィルタプレートであって前記ボウルの前記開口部に収容された少なくとも1枚のフィルタプレートと、このフィルタプレートを一側から押圧して濾過液の漏れを防止する突状押圧部を一方の側に有し他方の側に原液の供給口を有するヘッドと、前記ヘッドを前記ボウルへ向けて押圧する手段とからなるフィルタ装置。
【請求項2】
前記押圧する手段は前記ボウル及び前記ヘッドに形成された互いに螺合する雌ネジ及び雄ネジであり、これらを相互に回転させることにより前記押圧を行うようにした請求項1記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記分離膜を保持又は固着したフィルタプレートは複数枚重ねて載置した請求項1又は2記載のフィルタ装置。
【請求項4】
一方の側に吐出口を他方の側に前記吐出口に連通した開口部を有するボウルと、原液を濾過する分離膜を保持又は固着した、原液又は濾液を通過させる開孔を有するフィルタプレートであって前記ボウルの前記開口部に収容された少なくとも1枚のフィルタプレートと、このフィルタプレートを一側から押圧して濾過液の漏れを防止する突状押圧部を一方の側に有し他方の側に原液の供給口を有するヘッドと、前記ヘッドを前記ボウルに向けてそれらの軸線方向に押圧するロッキングナットとからなるフィルタ装置。
【請求項5】
前記ボウル及び前記ロッキングナットに互いに螺合するネジ部を設け、それらを互いに回転させることにより前記ヘッドを前記ボウルに向けて押圧する請求項4記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記分離膜を保持又は固着したフィルタプレートを複数枚重ねて載置した請求項4又は5記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記ボウルの前記一方の側の外面に手掛け用の板状突起を設けた請求項2又は5記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記ヘッドの前記他方の側の外面に手掛け用の板状突起を設けた請求項2記載のフィルタ装置。
【請求項9】
ロッキングナットがその周部の3個所に手掛けハンドルを有する請求項4又は5記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記フィルタプレートが底面に一定の高さの円周突起を有しており、一方前記ボウルの前記開口部の内底には前記円周突起を受容する円周溝を有し、前記フィルタプレートを前ボウルに対して押圧することにより封止を行う請求項1又は4に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
下面側に少なくとも1本の同心突起を備える押えリングが、前記少なくとも1つのフィルタプレートの上面に配置され、前記フィルタプレートの上面側には全周に延びる第1の平坦面が設けられ、前記押えリングの前記同心突起が前記フィルタプレートの前記第1の平坦面に押圧されて封止を行うようになっている、請求項1又は4に記載のフィルタ装置。
【請求項12】
前記押えリングはその上面側に第2の平坦面を有し、この第2の平坦面にはその上側に配置されるフィルタプレートの下面側に設けられた一定高さの円周突起が押圧されて封止されるか、又は前記ヘッドの突状押圧部がOリングを介して押圧されて封止されている請求項11のフィルタ装置。
【請求項13】
前記フィルタプレートの外周には指掛けタブが設けられ、それに対応して前記ボウルには前記指掛けタブの案内溝が設けられている請求項1又は4に記載のフィルタ装置。
【請求項14】
前記フィルタプレートは前記第1の平坦面を取り囲む第1の周縁部を有し、前記押えリングは前記第2の平坦面を取り囲む第2の周縁部を有し、前記押えリングが前記フィルタプレートの凹入部に収容されたとき、前記第1及び第2の周縁部同志が互いに融着されるように構成されている、請求項11又は12に記載のフィルタ装置。

【国際公開番号】WO2005/014148
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【発行日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512975(P2005−512975)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011372
【国際出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(502247293)マイクロリス・コーポレイシヨン (6)
【Fターム(参考)】