説明

簡易建物

【課題】 外観が良く且つ施工が容易な簡易建物を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる簡易建物1において、柱3a、3bには柱の前面を覆う柱カバー17が取付けてあり、柱カバー17の上端17aは桁5の前面に配置してあり、桁5は上向きに開口した雨樋25と、パネル受け27を有し、パネル押え11の前側端部11aにはねじ挿通孔が形成してあり、キャップ8は、柱3a、3bと垂木7の間で、垂木7及びパネル押えの前側端部11aと、桁5とに被せてあり、キャップ8の後側端部8bがパネル押え11のねじ挿通孔に挿通したねじ33で垂木7に固定してあり、キャップ8の前面側端部8aは桁5の前面で柱カバー17の上端に係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラス等の簡易建物に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、図10に示すように、柱101に、雨樋103を有する桁105を架設してあり、垂木107を桁105に固定すると共に、パネル押え109を桁105に固定した簡易建物111が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】第182頁「三協立山アルミ ウォールエクステリア カタログ 2011→2012」 第1版 業務用 三協立山アルミ株式会社 2011年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の簡易建物111では、屋根の輪郭を形成するパネル押え109と、柱101の前面との輪郭とが連続していない為、外観に劣るという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、外観が良く且つ施工が容易な簡易建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、柱と、桁と、垂木と、垂木間に配置したパネルと、キャップとを備え、柱には柱の前面を覆う柱カバーが取付けてあり、柱カバーの上端は桁の前面に配置してあり、桁は上向きに開口した雨樋と、パネル受けを有し、垂木はパネル押えを有し、パネル押えの前側端部にはねじ挿通孔が形成してあり、キャップは、柱と垂木の間で、垂木及びパネル押えの前側端部と、桁とに被せてあり、キャップの後側端部がパネル押えのねじ挿通孔に挿通したねじで垂木に固定してあり、キャップの前面側端部は桁の前面で柱カバーの上端に係合していることを特徴とする簡易建物である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、パネル押えと、キャップと、柱カバーとで連続した輪郭を形成しているので、外観が良い。
柱の前面に柱カバーを取付け、キャップの後側端部を、パネル押えのねじ挿通孔に挿通したねじで垂木に固定することでキャップを容易に固定でき、しかもキャップの前側端部は柱カバーの上端に係合するので、柱カバーを桁に取付けなくても柱カバーの上端を固定できるから、施工が容易にできる。
柱の前面に取付けた柱カバーの上端をキャップの前側端部に係合しているので、柱カバーの反りや反りによる外れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態にかかる簡易建物の図であり、図9に示す簡易建物をA−A位置で切断して示す断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる簡易建物の平面図である。
【図3】本実施の形態にかかる簡易建物の正面図である。
【図4】図1に示すB−B断面図である。
【図5】図1に示すC−C断面図である。
【図6】図2に示すD−D断面図である。
【図7】図6に示すE−E断面図である。
【図8】図3に示すF−F断面図である。
【図9】本実施の形態にかかる簡易建物の概略を示す斜視図である。
【図10】従来技術にかかる簡易建物を図1と同じ位置で切断して示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面の図1〜図9を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図9に示すように、本実施の形態に係る簡易建物1はテラスであり、柱3a、3bと、柱3a、3bの上端部に架設された桁5と、垂木7と、垂木7、7間に配置したパネル13と、キャップ8とを備えている。柱3a、3bは、テラス1の左右両端側に位置する柱3aと、左右両端の柱3a、3a間に位置する柱3bである。
【0010】
図5に示すように、垂木7、7間の対向する側面には取付金具37、37が固定してあり、図2に示すように、中桟9の左右両端の上部には切除部39が形成してあり、図1に示すように、中桟9の中空を上下に仕切る中壁9aに取付金具37の突出部37aを重ねて上から止めるねじ41で固定してある。
図1及び図5に示すように、垂木7の上にはパネル押さえ11が設けてあり、垂木7、7間に配置したパネル13をパネル押さえ11で押えてあり、パネル押え11は垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定している。
【0011】
柱3a、3bの各々には、前面を覆う柱カバー17が取付けてあり、柱カバー17の上端17aは桁5の前面に配置してある。
左右両側端に配置してある柱3aは、図6及び図7に示すように、内部に縦樋19を収納する中空21が形成してあり、前面に前側に突設する係止突起23を有する係止部材26がねじ固定されている。係止突起23は係止部材26の上下に亘って長く形成されている。
柱カバー17には、係止突起23に係止する被係止部24が形成してあり、柱3aの係止突起23に係止してある。
左右端の柱3aの間に位置する柱3bにも、図4に示すように、前面に係止突起23が形成されているが、柱3bには縦樋19が収納されていない点が柱3aと異なっている。
各柱カバー17は、柱3a、3bの係止突起23に各々係止してあるが、桁5の前面には係止部がなく、桁5には係止されていない。
【0012】
図1に示すように、桁5は上向きに開口した雨樋(横樋)25と、雨樋25の後側にパネル受け27が設けてあり、パネル受け27の前側に前側パネル押え31がねじで固定してあり、パネル受け27で受けたパネルの前端を前側パネル押さえ31で押えている。
垂木7に設けたパネル押え11は、前側端部11aを桁5の雨樋25側に突出してあり、垂木7のパネル押え取付部14はその前端部14aを桁5の後面5aよりも前側に突出して配置されている。パネル押え11の前端部11aにはねじ挿通孔が形成されている。
【0013】
キャップ8は、柱3a、3bの位置に対応して設けてあり、柱3a、3bと垂木7の間で、桁5に被せてある。キャップ8の後端部8bは、パネル押え取付部14の前端部14a及びパネル押え11の前側端部11aを覆っており、ねじ33をキャップ8の後端部とパネル押え11の前端部11aのねじ挿通孔に挿通して、垂木7のパネル押え取付部14の前端部14aにねじ固定してある。
キャップ8の前側端部8aには、図1及び図8に示すように、下方に突設する突設部35が設けてあり、前側端部8aは、柱カバー17の上端17aの外周面に係合し、突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入している。
【0014】
次に、本実施の形態にかかる簡易建物1の施工、作用効果について、説明する。
柱3を立設して、柱3に桁5を架設し、躯体側に設けた垂木掛け34と桁5と間に垂木7を取付ける。隣合う垂木7、7間に横桟9を取付け、垂木7のパネル受け27と、パネル押え11とでパネル13を固定する。
一方、柱3a、3bの前面に設けた係止突起23に柱カバー17の被係止部24を係止して柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付ける。
柱カバー17の上端17aは、桁5の前面で上端に配置する。柱カバー17は柱3a、3bの前面にのみ係止してあるが、桁5には係止されていない。
垂木7のパネル押え取付部14及びパネル押え11を桁5の後面よりも前側に突設して配置し、パネル13の前側端13aを桁5のパネル受け27とパネル押え11の前側端部11aで挟むとともに、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端に被せて係合する。
キャップ8の後端部は、ねじ33を上から挿入してパネル押え11に形成したねじ挿通孔に挿通して垂木7のパネル押さえ取付部14に固定する。キャップ8の前側端部8aは柱カバー17の上端17aの外周面を覆い、突設部35を柱カバー17の内部に挿入する。
【0015】
本実施の形態によれば、図1に示すように、簡易建物1は、パネル押え11と、キャップ8と、柱カバー17とで連続した輪郭を形成しているので、外観が良い。
柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付け、キャップ8の後側端部8bをパネル押え11のねじ挿通孔に挿通したねじ33で垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定することでキャップ8を垂木7に容易に固定でき、しかもキャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合するので、柱カバー17を桁5に取付けなくても柱カバー17の上端17aを固定できるから、施工が容易にできる。
キャップ8の前側端部8aに設けた突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入するので、柱カバー17の上端17aの潰れや変形を防止できる。
柱3a、3bの前面に取付けた柱カバー17の上端17aをキャップ8の前側端部8aに係合しているので、柱カバー17の反りや反りによる外れを防止できる。
垂木7の前側端は桁5の後面5aに当接してあり、パネル押え取付部14の前端部14aのみを桁5の後面5aよりも前側に配置してキャップ8をねじ33で固定しているので、柱カバー17の上端17aは桁5の前面のみを覆うだけでキャップ8と連続した輪郭を形成できるから、柱3a、3bから上方に突設する柱カバー17の寸法を小さくできる。したがって、柱カバー17は柱3a、3bに取付けていない部分の寸法が小さいからキャップ8との係合のみでも安定に取付けできる。
キャップ8を止めているねじ33を外すだけでキャップ8を容易に外すことができ、キャップ8が簡単に外せるから、桁5の雨樋25の清掃が容易にできる。
また、ねじ33を外してキャップ8を外すことにより、柱カバー17は容易に外すことができるので、柱3aに収納された縦樋19の清掃も容易にできる。
端部柱3aに係止部材26を止めているねじは、柱カバー17で隠すのでそのねじが外部から見えないから、外観が良い。
中間柱3bには、係止突起23が設けてあり、同じ形状の係止突起23を設けた係止部材26を端部柱3aに取付けているので、中間柱3bと端部柱3aとで同種の柱カバー17を共用できるから、部品種類を少なくできる。
【0016】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、本発明の簡易建物1はテラスに限らず、カーポート等でも良い。
【符号の説明】
【0017】
1 簡易建物
3a、3b 柱
5 桁
7 垂木
14 パネル押え取付部
8 キャップ
11 パネル押え
17 柱カバー
27 パネル受け
33 ねじ
35 突設部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と、桁と、垂木と、垂木間に配置したパネルと、キャップとを備え、柱には柱の前面を覆う柱カバーが取付けてあり、柱カバーの上端は桁の前面に配置してあり、桁は上向きに開口した雨樋と、パネル受けを有し、垂木はパネル押えを有し、パネル押えの前側端部にはねじ挿通孔が形成してあり、キャップは、柱と垂木の間で、垂木及びパネル押えの前側端部と、桁とに被せてあり、キャップの後側端部がパネル押えのねじ挿通孔に挿通したねじで垂木に固定してあり、キャップの前面側端部は桁の前面で柱カバーの上端に係合していることを特徴とする簡易建物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−79548(P2013−79548A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220987(P2011−220987)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)