説明

簡易水素ガス発生方法及びその装置

【課題】持ち運びに便利で、極めて容易に水素ガスを発生させ、かつ当該水素ガスの発生量及び発生時間を調整でき、抗酸化剤としての水素ガスの吸引、水素ガス浴等を安全にかつ容易に実現できる。
【解決手段】金属又は合金粉末にソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウム粉末の1つ又は複数を加えた水素ガス発生組成物を、透水性の袋1に収納し、これを水中固定具3に入れ、この水中固定具3を容器4の底部に固定し、この容器4内に水を入れると、上記組成物と水との反応で水素ガスを前記水中に発生させる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、抗酸化剤としての水素ガスを安全かつ簡便に発生させる方法及びこれに使用する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に活性酸素種又はフリーラジカルと呼ばれる反応性分子の存在が、老化、がん、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、発作、ウイルス感染、肺の異常、腸の病気及び神経退行疾患を含む多くの人間の健康上の異常の原因の一つとなっており、老化と健康の悪化につながることが現在では広く認められている。これらの分子は、生理的な反応での通常の副産物であり、酸素の代謝、例えば、細胞呼吸、あるいは免疫系機能及び代謝に不可欠な非常に多くの酵素反応によって生産される。
【0003】
最も一般的な活性酸素種の中にはスーパーオキシドラジカル、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、過酸化水素があげられ、広義の意味では、一酸化窒素、ペルオキシナイトライト、及びアルコキシルラジカルや脂質ペルオキシルラジカル等の脂質ラジカルが含まれる。スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、一酸化窒素、脂質ペルオキシルラジカル、アルコキシルラジカルなどの脂質ラジカルなどはフリーラジカル分子種である。
【0004】
フリーラジカル分子は生命有機体に対して核酸、タンパク質、脂質などのすべての生物分子の構造的損傷の原因となる酸化毒性を持っている。この分子の損傷は酵素反応の異常、脂質膜の変性といった細胞の異常を誘起し、細胞を傷つける。このように、フリーラジカル分子は酸化力が強く、この酸化力による傷害は一般的に酸化ストレスと呼ばれている。このような酸化ストレスの蓄積により個体レベルでは神経学的障害、内分泌不安定、アレルギーの増加、血管内皮破壊等の原因となることがある。酸化ストレスは、細胞における過剰な活性酸素種又はフリーラジカルの持つ強力な酸化能によって引き起こされる。
【0005】
酸化ストレス等の有毒な影響から防護するには、抗酸化剤とよばれるものがある。生体内におけるフリーラジカル分子及びそれらと関連した副産物は、酸化防止剤によって中和され、害の少ない生産物に変換される場合がある。このような酸化防止剤は酵素、必須栄養素、非常に多くの内生物質又は食品化合物であることもある。従って、人間の生体内にはフリーラジカル分子に対するいくつかの天然の抑制物が保持されている。
【0006】
しかしながら、生体内にフリーラジカル抑制物があるにも関わらず、個体は現実には、フリーラジカルによって多くの障害を受けている。従って、フリーラジカル分子による酸化防止のための栄養的補充を含む作用が人において老化の進行を遅らせ、健康増進、疾病の予防に役立つことが明らかである。
【0007】
このようにフリーラジカル分子は酸化力が強く、生体に対して酸化ストレスを与えることが知られており、従来から酸化ストレスの防止にはポリフェノール類、ビタミン類などが有効であるとされている。しかし、ビタミンCは水溶性であり、ビタミンEは脂溶性であることから両者とも細胞の内部まで容易に到達することができない。従って、細胞の内外に広く浸透することができる抗酸化物質が求められているのが現状である。
【0008】
また、フリーラジカルは有害であるだけでなく、生体に必要不可欠な役割を果たしており、例えば、侵入した細胞の殺傷作用、免疫機能、癌に対する防御機能、血管の新生、神経伝達などがある。それらは、スーパーオキシド、過酸化水素、一酸化窒素によるものである。従って、ヒドロキシルラジカル、ベルオキシナイトライト、脂質ペルオキシルラジカルといった反応性が高く、細胞障害性の高いフリーラジカル種等のみを選択的に除去できる物質を見出すことができれば、酸化ストレスの防御に安全に用いることができる。
【0009】
上述のように、従来からフリーラジカルや活性酸素を消去するための薬剤として抗酸化ビタミンをはじめとする抗酸化物質が健康増進に利用されているが、これらの薬剤は必ずしも細胞の内部まで容易に到達することができるわけではない。また、還元性水を飲用する場合、その水は還元性が維持されたまま細胞の内外へ広く浸透できない恐れがあり、生体の構造と成分は複雑で、均一ではないので、容易にその作用効果を予測することはできない。
【0010】
この様な中、気体状態の水素分子が、細胞障害性の高い活性酸素種であるヒドロキシルラジカルを選択的に還元して細胞を有効に保護し、一方、生理学的に重要な役割をもつ他の活性酸素種とは反応しないことが明らかになった。
【0011】
そこで、水素ガスの発生装置が開発されている。水素ガスの発生方法としては、水を電気分解する方法、金属と酸を反応させる方法、水素化金属に水を反応させる方法、メチルアルコール又は天然ガスを水蒸気で改質する方法、水素吸蔵合金、活性炭、カーボンナノチューブ、リチウムー窒素系材料等の水素貯蔵材料から水素を放出させる方法等、各種の方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、水素を発生させるために大量のエネルギーを必要とすることや、使用原料に対する水素発生量が少ないこと、大規模な設備を必要とすること等の欠点がある。また、金属とアルカリ水溶液との反応により水素ガスを発生させる水素ガス発生装置としては、特許文献1、特許文献2及び特許文献3のものがある。
【0012】
【特許文献1】特開2004−210591号公報
【特許文献2】特開2005−206459号公報
【特許文献2】特開2007−320792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、これらの特許文献1〜3のものは、いずれも反応容器内にアルカリ水溶液及び金属を投入して混合した状態で前記反応容器を密閉し、アルカリ水溶液と金属とが化学反応により水素ガスを発生させるもので、反応容器は高圧に耐えるものでなければならず、持ち運びにも不便である。
また、一方、水素ガスはその濃度によっては容易に爆発する恐れがあり、取り扱いには極めて注意を要する。
【0014】
この発明はこのような従来技術を考慮したものであって、持ち運びに便利で、極めて容易に水素ガスを発生させ、かつ当該水素ガスの発生量および時間を調整でき、抗酸化剤としての水素ガスの吸引、水素ガス浴等を安全にかつ容易に実現できる簡易式水素ガス発生方法及びその装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで、請求項1の発明は、金属又は合金粉末にソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウム粉末の1つまたは複数を加えた水素ガス発生組成物を、透水性の袋又は小容器に収納し、これを大容器に入れた水又は温水中に沈めて、上記組成物と水との反応で水素ガスを前記水又は温水の液中に発生させる方法とした。
【0016】
また、請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記水素ガス発生組成物の金属又は合金粉末が、アルミニウム又は亜鉛である、水素ガス発生方法とした。
【0017】
また、請求項3の発明は、金属又は合金粉末にソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウム粉末の1つまたは複数を加えた水素ガス発生組成物が、透水性の袋又は小容器に収納され、この袋又は小容器が、大容器に入れた水又は温水中に没している水素ガス発生装置とした。
【0018】
また、請求項4の発明は、前記請求項3の発明において、前記水素ガス発生組成物の金属又は合金粉末が、アルミニウム又は亜鉛である、水素ガス発生装置とした。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜4の各発明によれば、水素ガス発生組成物は、水と反応して水素ガスを発生する。そして、この水素ガスは水より比重が軽いため、水又は温水中を泡として上昇し、水面から空中へ放出される。従って、前記大容器をテーブル等の上に置き、使用者がその前で座っていると、大容器が使用者の顔の下に位置し、大容器の水面から放出される水素ガスを吸うことができる。また、前記大容器が浴槽である場合もあり、その場合は、入浴中、浴槽の湯面から水素ガスが空中に放出され、当該浴槽のある浴室中に水素ガスが分散し、入浴者は自然と水素ガスを吸うこととなり、水素ガス浴が出来る。いずれの場合も、使用者は自然の呼吸において抗酸化剤である水素ガスを摂取することとなり、摂取しやすく、活性酸素種であるヒドロキシラジカルを還元して細胞を容易に保護することができる。
【0020】
また、この発明では、前記水素ガス発生組成物は、透水性の袋又は小容器に入れており、運搬や取り扱いが極めて容易かつ安全である。しかも、水素ガスの濃度や発生量も、これらの金属又は合金粉末やソーダ石灰粉末等の量を調整することにより、容易に調整できる。また、前記水素ガス発生組成物は水と接すると反応し、この反応により熱が生じる。しかし、これらの反応を水中又は温水中で行わせるため、これらを使用者が万一触っても、前記熱による火傷等の危険がほとんどない。また、前記反応を水中で行うため、水面で反応させるより、反応が激しくなく、長時間にわたって反応し、それだけ長く水素ガスが発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
この発明における水素ガス発生組成物は、アルミニウム粉末、亜鉛粉末等の金属又は合金粉末と、ソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウムの1つ又は複数を加えたもので、水と接すると化学反応により、水素ガスが発生するものである。この水素ガス発生組成物を、不織布等の透水性の袋、小容器に入れて使用する。従って、取り扱いが極めて容易かつ安全で、持ち運びにも便利である。この水素ガス発生組成物の入った袋又は小容器を、水又は温水を入れた大容器に入れ、水中に浸けると、前記水素ガス発生組成物が水と反応し、一定時間にわたって当該大容器の水面から水素ガスが発生する。この発生した水素ガスを、自然な呼吸で体内に吸い込むものである。この場合、予めこの水素ガス発生組成物の入った袋又は小容器を大容器の底に取り付け、後から水又は温水を注入してもよい。
【実施例1】
【0022】
この発明の実施例1を説明する。まず、実施例1の水素ガス発生組成物は、
(1)前記水素ガス発生組成物の質量当たり、平均粒径が75μm〜150μmの粉体酸化カルシウムを30%超〜40%以下、及び(2)(イ)粒径45μm passが70.0〜80.0%、粒径45〜75μmが20.0〜30.0%の粒度分布を有する粉体アルミニウムと、(ロ)粒径45μm passが60〜70%、粒径45μmが20〜30%、粒径63μmが7〜10%、粒径75μmが1.0〜2.0%の粒度分布を有す粉体アルミニウムとの質量混合比が1:2の混合アルミニウムを60%以上〜70%未満含むものに、(3)硫酸カルシウム、硫酸第1鉄、塩化マグネシウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムから成る群から選択された少なくとも1種類の無機塩化合物を助剤として前記水素ガス発生組成物の総質量に対して、5〜20%の範囲で添加したものである。
【0023】
この場合、酸化カルシウムと混合アルミニウムが水と接触した場合、下記の反応式(1)に従って、まず、水酸化カルシウム(Ca(OH))を生成する。
CaO+HO=Ca(OH) (1)
【0024】
一方、アルミニウム粉末は、下記の式(2)に従って水酸化カルシウムと急激に反応して、アルミン酸カルシウムと水素を発生する。
2Al+Ca(OH)+2HO=CaO・Al+3H↑ (2)
【0025】
また、前記水素ガス発生組成物は、図1に示すように、透水性の不織布、和紙、合成紙等の袋1に充填し、さらにアルミ箔等の非透水性の袋2に包装して、粉体酸化カルシウム等が空気中の水分を吸収して反応するのを防止する。従って、水又は温水に浸ける場合は、前記非透水性の袋から不織布等の袋を取り出して使用する。これは、透水性の容器に前記水素ガス発生組成物を入れる場合も同様である。
【0026】
また、この実施例1では、前記袋1を水中に浸けるため、図2に示すように、水中固定具3を設けた。この水中固定具3は、前記袋1を収納する収納スペース3a及びこの収納スペース3aの開口部を塞ぎ、収納スペースに水を導入させる窓3cを有する開閉扉3b、さらに、合成樹脂からなる吸盤3dを有している。使用に当たっては、前記袋1を収納スペース3aに入れて開閉扉3bを閉じ、図3に示すように、この水中固定具3の吸盤3dを容器4の底部内面に吸着させ、水5を当該容器4に満たす。これにより水中固定具3の窓3cから収納スペース3a内に水5が入り、前記袋1内の水素ガス発生組成物が水と接触して反応し、水素ガスを泡状に発生させる。使用者はこの容器4の開口部に顔を近づけると、水面から発散する水素ガスを吸引することが出来る。その際、水中固定具3は吸盤3dにより容器4の底部内面に固定され、袋1は水中に保持される。
【0027】
また、水素ガス浴をする場合は、図4に示すように、浴槽6内にお湯7を溜め、入浴する際、前記袋1を入れた水中固定具3を浴槽6の底部に、吸盤3dにより吸着させて固定する。これにより、水中固定具3の窓3cから収納スペース3a内にお湯7が入り、前記袋1内の水素ガス発生組成物がお湯7と接触して反応し、水素ガスを泡状に発生させる。そしてこの浴槽6がある浴室(図示省略)に水素ガスが放出される。これにより入浴者は入浴中に水素ガスを自然に吸引する。このように、入浴中、例えば、30分間前記水素ガス発生組成物が水と反応して水素ガスを発生させることができる。
【0028】
前記水素ガス発生組成物を入れた袋1を直接前記水5又はお湯7に入れると、水素ガスが発生し、それが袋1内に充満しながら水素ガスは外部に拡散する。その際、水面に浮かんだ状態となり、反応としては水面に接触している水素ガス発生組成物の下側から化学反応に必要な水を吸い上げ、空気接触面表面より水蒸気に随伴し水素ガスを発生させる。このような場合、水蒸気を含む気体は化学反応後急速に発生し、約10〜15分経過後、目視による水蒸気の発生は見られなくなる。
【0029】
これは、発生した水素ガスは比重が軽く、拡散しやすいガスであるため、発生した気体は直ちに上方へと移動してしまう。人間の呼吸量は平均400ml/回(93ml/sec)と言われているが、吸引目的で発生させた水素ガスが単位時間当たりに集中して発生してしまうと、そのほとんどが吸引されず、空気中上方に拡散してしまう。理想的には、水素が一定量継続的に発生し、自然呼吸により吸引するか、若しくは水素飽和状態(2%が良いとされている)となっている室内で水素ガスを自然呼吸にて吸引できる状態が望ましいが、後者では、空調設備による水素ガス(この場合は水素ボンベ)の濃度調整が必要となり、大掛かりとなる。簡単、安全に水素ガスを吸引に利用できることを目的とするこの発明には反する。
【0030】
そこで、前記袋1を水中に入れてこれを保持した場合と、水面で反応させた場合とを比較する実験をした。
【0031】
実験は以下の要領でおこなった。
図5に示すように、満量10リットル容量のポリタンク11に、止水弁を2箇所加工したものを用意し、ポリタンク11内に水を約8リットル入れ、その密閉されたポリタンク11の内部にて水素ガス発生組成物を水と反応させ気体を発生させる。通常、水素は水上置換法にて気体を捕集するが、本実験では増加した気体の容積相当量の水の排出量にて気体発生量と同等とみなした。なお、気体が発生し充満時のポリタンク11の膨張における誤差ならびにその際の水への圧力による排出への影響は考慮しないものとする。測定法は、下部排出止水弁より排出された水を大型の容器12で受け、その容器12ごと計量器13にて容量(g)を測定する。
【0032】
図6は、前記の実験装置において、水素ガス発生組成物を水中に沈めた場合と、水面に浮かべた場合とを比較した、単位時間当たりの水素ガス発生量を示す。なお、横軸は経過時間、縦軸は発生量を示す。検体の水素ガス発生組成物は、粉体アルミニウムを67%、粉体酸化カルシュウムを33%に対し、助剤として炭酸ナトリウムを10重量%加え、これを不織布から成る袋に詰めた。
【0033】
この実験の結果、前記袋を水中に配置した場合は、初期の急激な水素発生が抑えられ、約20分経過後水素の単位時間当たり発生量がおおよそ70ml/minと安定した状態で発生している。一方、前記袋を水面に浮かべた場合は、初期に急激に水素が発生し、約20分経過後の水素の単位時間当たり発生量がおおよそ50ml/min未満となりその後さらに激減している。
【0034】
前記水素ガス発生組成物は、上記実施例1のもに限らない。他の水素ガス発生組成物として、40〜60重量%のアルミニウム粉末と、10〜40重量%の消石灰粉末と、10〜40重量%の生石灰粉末を含むものがある。
【0035】
また、他の水素ガス発生組成物として、当該水素ガス発生組成物の重量当たり、100メッシュ(−150μm90%以下)乃至200メッシュ(−75μm95%以上)の粉体生石灰が15乃至30%、及び−330メッシュ(−45μm)が40乃至60%、+330メッシュ(+45μm)が15乃至30%、+235メッシュ(+63μm)が15%>、+200メッシュ(+75μm)が10%>の粒度分布を有する粉体アルミニウム70乃至85%から成るものがある。
【0036】
また、他の水素ガス発生組成物として、平均粒径が40〜60μmで、粒度分布が、−330メッシュ(−45μm)が35〜60%、+330メッシュ(+45μm)が15〜30%、+235メッシュ(+63μm)が5〜15%>、+200メッシュ(+75μm)が10〜20%、+140メッシュ(+106μm)が7%>、+100メッシュ(+150μm)が1%>、+70メッシュ(+212μm)が0%の粉体アルミニウム23.3gと、粉体酸化カルシュウム11.7gを混合して総質量35gとしたものがある。
【0037】
なお、上記実施例1では、水素ガス発生組成物を透水性の袋1に入れ、保管時は、非透水性の袋2に入れておき、使用時に前記袋2から取り出して、水中固定具3に入れて使用しているが、これに限らず、前記水素ガス発生組成物を、粉体がこぼれず、かつ外部の水や温水と内部の水素ガス発生組成物が接触可能な容器に入れて使用することもできる。また、前記水中固定具3もこの構成に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施例1の透水性の袋と非透水性の袋の斜視図である。
【図2】この発明の実施例1の水中固定具の斜視図で、(A)図は開閉蓋を閉じたところ、 (B)は開閉蓋を開けたところを示す。
【図3】この発明の実施例1を容器に使用した斜視図である。
【図4】この発明の実施例1を浴槽に使用した斜視図である。
【図5】この発明の実施例1の実験装置を示す説明図である。
【図6】この発明の実施例1の水素ガス発生組成物を水中に沈めた場合と、水面に浮かべた場合とを比較した、単位時間当たりの水素ガス発生量を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0039】
1 透水性の袋 2 非透水性の袋
3 水中固定具 4 容器
5 水 6 浴槽
7 お湯


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属又は合金粉末にソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウム粉末の1つ又は複数を加えた水素ガス発生組成物を、透水性の袋又は小容器に収納し、これを大容器に入れた水又は温水中に沈めて、上記組成物と水との反応で水素ガスを前記水又は温水の液中に発生させることを特徴とする、簡易水素ガス発生方法。
【請求項2】
前記水素ガス発生組成物の金属又は合金粉末が、アルミニウム又は亜鉛であることを特徴とする、請求項1に記載の簡易水素ガス発生方法。
【請求項3】
金属又は合金粉末にソーダ石灰粉末、酸化カルシウム粉末、水酸化カルシウム粉末の1つ又は複数を加えた水素ガス発生組成物が、透水性の袋又は小容器に収納され、この袋又は小容器が、大容器に入れた水又は温水中に没していることを特徴とする、簡易水素ガス発生装置。
【請求項4】
前記水素ガス発生組成物の金属又は合金粉末が、アルミニウム又は亜鉛であることを特徴とする、請求項3に記載の簡易水素ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−11968(P2011−11968A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160176(P2009−160176)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(504442735)株式会社パル・コーポレーション (7)