説明

米を利用した豆腐の製造方法

【課題】米を利用した豆腐の製造方法に関し、米が含まれている豆腐によって消費者の健康増進を図り、より質の良い高品質の豆腐を製造方法を提供する。
【解決手段】豆腐1箱の量を基準にして約5kgの総重量対比65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米をふやかす。ふやかした豆と炒めた米を混合した状態で紛砕機に投入して微細な状態に挽き、粉砕された豆と炒めた米の混合物に泡を抑制する消泡剤15gと水60gを投入して均等に混合する。混合された材料をろ過器に通過させておからをろ過した後、ここで残った炒めた米/豆乳を80〜99℃の熱を加えて煮る。加熱された炒めた米/豆乳に凝固剤である塩化マグネシウム42gを投入すると同時に、塩または竹塩14g及び水45gを投入して混合した状態で凝固させる。凝固した炒めた米/豆乳を直径約3〜4cm程度の大きさになるようにつぶし、圧着させる工程を経て米を利用した豆腐を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐を製造する方法に関するものである。特に、本発明は、豆腐を製造する過程中に炒めた米を粉砕投入したり、炒めた米の濃縮液を投入することによって、消費者の多様な好みを満足させるようにした、米を利用した豆腐の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、豆腐は、豆から製造される食品で、伝統的な製造方法では、豆を水に入れて十分にふやかした後、ふやかした豆をひき臼やミキサーなどで挽いて、おからをろ過し、ろ過された豆乳を十分に煮て、煮上がった豆乳に適量のにがりを添加及び混合するなどの工程を経て製造する。
【0003】
そして、前記のように製造される豆腐の場合、その凝固程度に応じて、おぼろ豆腐、きぬごし豆腐、もめん豆腐などに分類されて販売され、これらの豆腐によって消費者が多様な料理を調理することができる。
【0004】
一方、最近では、豆腐の味と香りをより多様化させる努力が進められているが、前記豆腐を純粋な豆のみで製造するのでなく、消費者の好みに合う各種添加物を投入して、消費者の選択の幅を広げている。
【0005】
前記豆腐に入れる添加物として、ヨモギ、果汁、肉骨汁、貝汁、ネギ、ニンニク、ショウガ汁、イワシ、野菜、海老、ワタリガニ、キノコ、唐辛子などが使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような添加物を投入して豆腐を製造する場合、その添加物の臭いによって消費者に拒否感を与えることがある。
【0007】
また、最近では、消費者の健康に対する関心が高まっているが、これに見合う豆腐を探すのが難しいのが実情である。
【0008】
そこで、本発明は、従来の豆腐が有する短所を解消するために提案されたもので、豆腐を製造する過程中に炒めた米を粉砕投入したり、炒めた米の濃縮液を投入することによって、使用者の健康増進を図りながら、消費者の多様な好みを満足させる、米を利用した豆腐の製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明は、豆腐1箱の量を基準にして約5kgの総重量対比65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米をでふやかすが、豆の場合には8〜12時間程度ふやかし、炒めた米の場合には2時間程度ふやかす。
【0010】
ふやかした豆と炒めた米を混合した状態で紛砕機に投入して微細な状態に挽き、粉砕された豆と炒めた米の混合物に泡を抑制する消泡剤15gと水60gを投入して均等に混合する。
【0011】
前記のように混合された材料をろ過器に通過させておからをろ過した後、ここで残った炒めた米/豆乳を80〜99℃の熱を加えて煮る。
【0012】
加熱された炒めた米/豆乳に凝固剤である塩化マグネシウム42gを投入すると同時に、塩または竹塩14g及び水45gを投入して混合した状態で凝固させる。
【0013】
凝固した炒めた米/豆乳を直径約3〜4cm程度の大きさになるようにつぶし、このように破砕された米豆腐を圧着させる工程を経て、米を利用した豆腐を製造する。
【0014】
また、前記炒めた米は、玄米、黒米、及び白米のうちのいずれかを炒めて製造する。
【0015】
また、前記ろ過及び加熱工程や凝固工程及び破砕工程のうちのいずれかの工程に炒めた米を予め粉砕した炒めた米粉600gまたは炒めた米の濃縮液600gのうちのいずれかを投入する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による米を利用した豆腐の製造方法によれば、米が含まれた豆腐によって消費者の健康増進を図り、より質の良い高品質の豆腐を製造することによって消費者の多様な好みを満足させ、農家の米の消費量を増大させて農家の農業収入にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による米を利用した豆腐の製造過程を示した流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様な相異した形態で実現することができ、ここで説明する実施例に限られない。
【0019】
ここで使用される専門用語は、単に特定の実施例を言及するためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される単数形態は、文章が明確にこれと反対の意味を示さない限り、複数形態も含む。明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、定数、段階、動作、要素、及び/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、定数、段階、動作、要素、成分、及び/または群の存在や付加を除外するわけではない。
【0020】
特に定義してはいないが、ここで使用される技術用語及び科学用語を含む全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が一般に理解する意味と同一な意味を有する。通常使用される辞書に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有すると追加解釈され、定義されない限り、理想的であったり非常に公式的な意味に解釈されない。
【0021】
斜視図を参照して説明された本発明の実施例は、本発明の理想的な実施例を具体的に示す。その結果、図解の多様な変形、例えば、製造方法及び/または仕様の変形が予想される。したがって、実施例は、図示した領域の特定の形態に限定されず、例えば、製造による形態の変形も含む。例えば、扁平であると図示されたり説明された領域は、一般に凸凹であったり/凸凹で非線形の特性を有することもある。また、鋭い角度を有すると示された部分は、ラウンドになることもある。したがって、図面に示された領域は、もともと大まかなものに過ぎず、これらの形態は、領域の正確な形態を図示するように意図されたものではなく、本発明の範囲を限定するために意図されたものではない。
【0022】
本発明による米を利用した豆腐の製造過程を図1を参照して説明すると、豆腐1箱の量を基準にして約5kgの総重量対比65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米をふやかすが、豆の場合には8〜12時間程度ふやかし、炒めた米の場合には2時間程度ふやかす。
【0023】
ふやかした豆と炒めた米を混合した状態で紛砕機に投入して微細な状態に粉砕し、粉砕された豆と炒めた米の混合物に泡を抑制する消泡剤15gと水60gを投入して均等に混合する。
【0024】
前記のように混合された材料をろ過器に通過させておからをろ過した後、ここで残った炒めた米/豆乳を80〜99℃の熱を加えて煮る。
【0025】
加熱された炒めた米/豆乳に凝固剤である塩化マグネシウム42gを投入すると同時に、塩または竹塩14g及び水45gを投入して混合した状態で凝固させる。
【0026】
凝固した炒めた米/豆乳を直径約3〜4cm程度の大きさになるようにつぶし、このように破砕された米豆腐を圧着させる工程を経て、米を利用した豆腐を製造する。
【0027】
ここで、前記工程を経て製造される豆腐の特徴は、米を含んでいることにあり、ふやかした豆と炒めた米を微細な粉末に挽いて消泡剤を混合してろ過し、ろ過された炒めた米/豆乳に塩化マグネシウムを投入して炒めた米/豆乳を凝固させることによって製造される。
【0028】
また、前記豆腐の製造過程で使用される炒めた米は、玄米、黒米、及び白米のうちのいずれかを炒めたものである。
【0029】
そして、前記豆腐を製造する時に、炒めた米の代わりに微細に粉砕された炒めた米粉600gまたは炒めた米の濃縮液600gのうちのいずれかを投入することができるが、豆腐を製造する時に経るろ過及び加熱工程や凝固工程及び破砕工程のうちのいずれかの工程に一定の分量の炒めた米粉または炒めた米の濃縮液を投入することにまた他の特徴がある。
【0030】
一方、前記のように米が含まれた豆腐を製造する過程を各工程別により詳しく説明する。
【0031】
豆及び炒めた米をふやかす工程;豆腐1箱の量を基準にして約5kgの総重量対比65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米をふやかし、豆の場合には8〜12時間程度ふやかし、前記炒めた米の場合には2時間程度ふやかす工程である。
【0032】
粉砕工程;前記豆及び炒めた米をふやかす工程によってふやかされた豆と炒めた米を混合した状態で紛砕機に投入して微細な状態に粉砕する工程である。
【0033】
混合工程;粉砕された豆と炒めた米の混合物に泡を抑制する消泡剤15gと水60gを投入して均等に混合する工程で、特に、前記消泡剤は、食品添加剤の一種で、混合時に泡を抑制する役割を果たす。
【0034】
ろ過及び加熱工程;前記のように混合された材料をろ過器に通過させておからをろ過し、ここで残った炒めた米/豆乳を約80〜99℃の熱を加えて煮る工程である。
【0035】
凝固工程;加熱された炒めた米/豆乳に凝固剤である塩化マグネシウム42gを投入し、塩または竹塩のうちのいずれかを選択して14g投入し、これと共に水45gを投入して、全て混合した状態で凝固させる工程である。
【0036】
破砕工程;凝固した炒めた米/豆乳を直径約3〜4cm程度の大きさになるようにつぶす工程である。
【0037】
圧着工程;前記破砕工程を経て破砕された米豆腐を豆腐型箱に入れた後、圧着器を利用して圧着させることによって豆腐の形状を形成する工程である。
【0038】
ここで、前記のように製造される豆腐に添加される添加物の量は、豆腐1箱(5kg)を基準にした量であって、65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米を含む米豆腐に対する比率である。
【0039】
そして、前記米豆腐に使用される炒めた米は、玄米、黒米、または一般米などを選択して炒めて使用し、選択された炒めた米の材料に応じて米豆腐の味や色を多様にすることができる。
【0040】
また、前記豆腐の製造過程で、炒めた米粉600gまたは炒めた米の濃縮液(60%以上濃縮)600gのうちのいずれかを投入する場合、その味の淡泊さや深さに応じてろ過及び加熱工程や凝固工程及び破砕工程のうちのいずれかの工程に投入するが、好ましくは、主に破砕工程を行いながら炒めた米粉または炒めた米の濃縮液を投入するのが効果的である。
【0041】
したがって、前記のように炒めた米を最適な状態で豆腐に含ませることによって、消費者により独特な味と香りを有する豆腐を提供することができる。
【0042】
前記では、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することができ、これもまた本発明の範囲に属するのは当然のことである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐1箱の量を基準にして約5kgの総重量対比65〜70wt%の豆と30〜35wt%の炒めた米をでふやかすが、豆の場合には8〜12時間程度ふやかすと同時に、炒めた米の場合には2時間程度ふやかす豆及び炒めた米をふやかす工程;と、
ふやかした豆と炒めた米を混合した状態で紛砕機に投入して微細な状態に挽く粉砕工程;と、
粉砕された豆と炒めた米の混合物に泡を抑制する消泡剤15gと水60gを投入して均等に混合する混合工程;と、
前記のように混合された材料をろ過器に通過させておからをろ過した後、ここで残った炒めた米/豆乳を80〜99℃の熱を加えて煮るろ過及び加熱工程;と、
加熱された炒めた米/豆乳に凝固剤である塩化マグネシウム42gを投入すると同時に、塩または竹塩14g及び水45gを投入して混合した状態で凝固させる凝固工程;と、
凝固した炒めた米/豆乳を直径約3〜4cm程度の大きさになるようにつぶす破砕工程;と破砕された米豆腐を豆腐型箱に入れた後、圧着器を利用して圧着させる圧着工程;とを順次に経る、米を利用した豆腐の製造方法。
【請求項2】
前記炒めた米は、玄米、黒米、及び白米のうちのいずれかを炒めたものであることを特徴とする、請求項1に記載の米を利用した豆腐の製造方法。
【請求項3】
前記ろ過及び加熱工程や凝固工程及び破砕工程のうちのいずれかの工程に炒めた米を予め粉砕した炒めた米粉600gまたは炒めた米の濃縮液600gのうちのいずれかを投入することを特徴とする、請求項1または2に記載の米を利用した豆腐の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−41514(P2011−41514A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191876(P2009−191876)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(509236933)
【Fターム(参考)】