籾摺米選別装置
【課題】 揺動選別盤による摺出米の揺動選別においては、玄米や籾が揺動によって流動しているため、例え、この選別部に照明具を設けて点灯しても、これら玄米と籾との混合状態を識別することが難しい。
【解決手段】 籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設ける。
【解決手段】 籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
籾摺機の揺動選別盤における玄米と混合米との選別部において、玄米と混合米との間の選別状態を監視し易くし、仕切板による仕切調節を行い易くする。
【背景技術】
【0002】
揺動選別盤を有する選別ケースの上側面に窓板を設け、この窓板の裏面にミラーフィルムを設けて、開閉角度を調節可能に設け、この選別ケース内には揺動選別盤の揺動と同期して点滅する照明ランプを設ける技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001ー246274号公報(第2頁、第3頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
揺動選別盤による摺出米の揺動選別においては、玄米や籾が揺動によって流動しているため、例え、この選別部に照明具を設けて点灯しても、これら玄米と籾との混合状態を識別することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設けたことを特徴とする籾摺米選別装置の構成とする。籾摺装置で脱ぷされた籾出米は、この揺動選別盤1の上面を揺動選別されながら透明板3の上面を経て選別排出口2へ選別排出される。この揺動選別盤1は傾斜面に形成されて、供給される摺出米を玄米と籾とに揺動比重選別しながら、玄米を揺上げ側へ移動し、籾を揺下げ側へ移動して、これら玄米は選別排出口2の玄米排出域Aへ、玄米と籾の混合された混合米は混合米排出域Bへ、又籾は籾排出域Cへ各々選別して流下排出される。このとき作業者がこれら選別状態を見るときは、前記照明ランプ4を点灯する。この照明ランプ4の点灯によって、透明板3の下側から上側へ向けて照明が透過されて、この透明板3上面を選別排出口2へ流動する玄米や、籾を下側から照射透過させる。このとき玄米はこの透過照明を透過し易く、吸収して略半透明の状態としての視覚を受け、籾は透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。この結果、玄米の流れる状態、位置は見え難くなり、籾の流れる状態のみの識別を判然と行うことができる。従って、既に、これら玄米と混合米との流動境界位置が適正に決められているか、どうかの判定を容易に行うことができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記透明板3を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ4を赤色照明可能に設けたことを特徴とする。前記のように揺動選別盤1によって揺動選別されて透明板3上面に流出される摺出米は、この下方の照明ランプ4による照明の透過を受けるが、この透明板3が赤色系の材質から構成されていたり、又は照明ランプ4が赤色照明である等によって、赤色照明を透過させることにより、玄米はこの赤色照明の吸収性が良く、前記半透明の状態を良好に維持する。又、籾はこの赤色の吸収性はなくこの透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記照明ランプ4は、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側と、籾排出域C側とに光源5を設けて、これらの間の混合米排出域Bの仕切板6部側へ向けて投光して照明することを特徴とする。選別排出口2の両側部側に位置する玄米排出域Aや、籾排出域C側部の光源5から、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明し、透明板3の下側から上側へ向けて透過照射するものであるから、この照明ランプ4の長手方向の両端間にわたる発光面の発光強度を安定させることができ、全長にわたって均一な透過照明を行わせることができる。しかも、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側端や、籾排出域C側端等は、光源5からの直接の投光照明を行わせないようにして、仕切板6の位置する玄米と混合米との流域境界部における透明板3に透明照明を集中させることによって、この仕切板6位置の玄米、籾の選別仕切位置を明確に判別させることができる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記透明板3の透過照明領域Pを仕切板6の略調節領域上部に設定することを特徴とする。前記照明ランプ4によって透明板3の下側から上側へ照射される透過照明によって、この透明板3上面を流れる籾の有、無を判別させるものであるから、この透明板3上面の透過照明領域Pを、識別に必要な仕切板6の略調節領域部に限定することによって、この選別排出口2の両端部等の玄米や、籾等の一部の選別排出状況を見せないで、選別識別を容易に、的確に行わせる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明は、摺出選別米の流出される透明板3の下側から上側へ向けて照射される透過照明によって、この透明板3の上面の玄米と籾とを識別させるものであるから、構成が簡単であり、玄米の存在を半透明状態に消して見え難くし、籾を黒くして、玄米、籾の選別状態を認識し易くすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、透明板3上の透過照明を赤色系にすることによって、この透明板2上面を流動される玄米の赤色光の吸収性を良好にして、玄米の透明性をよくし、籾の透光性は少く暗くし、籾を黒く的確に視認することが容易である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、透明板3の下側で照明する照明ランプ4は、選別排出口2の両端側に光源5を有して、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明して、透明板3の上側へ向けて透過照明するものであるから、照明ランプ4全長にわたり照明発光強度を均一に維持させ、安定させることができる。しかも、混合米と玄米との選別位置を仕切る仕切板6部の位置を集中透過照明することができ、籾の選別視認を容易に行わせることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記のよう透明板3に透過照明領域Pを、仕切板6の略調節領域部に設定することによって、透明板3上面の玄米と籾との流出の選別境界部分のみを集中的に注視することができ、視認性を高めることができ、的確で、正確な識別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】籾摺機の摺出米揺動選別装置の斜視図。
【図2】その選別排出口部の側面図。
【図3】その透過照明部の正面図と、一部の平面図、側面図。
【図4】その選別カバーの透視窓部の斜視図と、この一部の平面図。
【図5】透明板の透過照明による玄米と、籾との分光反射スペクトルグラフ。
【図6】透過照明を面発光部材形態とする場合の平面図と、分解平面図、及び揺動選別盤部の斜視図。
【図7】揺動選別盤上面の照明点灯状態を示す斜視図。
【図8】照明ランプの電源回路図。
【図9】間歇照明回路図。
【図10】摺出米の認識図。
【図11】点灯周波数変更装置を設けた間歇照明回路図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面に基づいて、箱形の選別フレーム7の内側に多段枚数の揺動選別盤1を吊架して、モータの駆動によって揺動する。この揺動選別盤1は上面に凹凸を多数形成し、三次元的に傾斜させ、前後長手方向に対して横方向に、適宜の上下傾斜角度を有して往復揺動する。この各段の揺動選別盤1の前端側に選別排出口2を形成し、後端側に籾摺装置によって摺出されて摺出米を供給する摺出米供給口8を設ける。前端部の選別排出口2は、略揺動選別盤1の横幅方向の一杯にわたる形態とし、この一側端部にはこの選別排出口2が揺動選別盤1の横側端部にわたって形成される形態としている。そして、この前端部の混合米の選別排出される選別排出口2には、最上段の揺動選別盤1の前端面と同一面上に形成の透明板3を構成して、揺動選別盤1と一体的に揺動する形態である。この透明板3を介してのぞむ選別排出口2の中間部には玄米排出域Aと、混合米排出域Bとの間の選別仕切位置を仕切る仕切板6を設け、この横側端部の選別排出口2は選別された籾を排出させる籾排出域Cとして設定する。このような選別排出口2の外周を覆う排出口ケース9を設けている。
【0015】
前記揺動選別盤1を揺動することにより、各摺出米供給口8から供給される摺出米は、揺動選別盤1上面を前側の選別排出口2側へ流動する間に、揺上側へ移動されると比重の大きい玄米と、揺下側へ浮上流動される比重の軽い籾と、これらの間の玄米と籾との混合した状態の混合米とに選別分流されて、玄米は玄米排出域Aへ流下し、混合米は混合米排出域Bへ流下し、籾は籾排出域Cへ流下して各々所定の籾摺、選別処理工程へ搬送処理される。このうち玄米排出域Aと混合米排出域Bとの間の選別仕切位置に仕切板6を移動調節するため、前記排出口ケース9の前面にハンドル10を設けて、このハンドル10を横方向へ移動調節することによって玄米と混合米との間の選別仕切位置を決めることができる。
【0016】
籾摺装置は、前記選別フレーム7の上方に搭載された形態にあって、この籾摺装置で摺出される摺出米を風選選別により籾殻を除去した摺出米(玄米と籾との混合した場合米)を、各揺動選別盤1の摺出米供給口8から供給する。
【0017】
ここにおいて、この揺動選別装置は、籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設ける。籾摺装置で脱ぷされた籾出米は、この揺動選別盤1の上面を揺動選別されながら透明板3の上面を経て選別排出口2へ選別排出される。この揺動選別盤1は傾斜面に形成されて、供給される摺出米を玄米と籾とに揺動比重選別しながら、玄米を揺上げ側へ移動し、籾を揺下げ側へ移動して、これら玄米は選別排出口2の玄米排出域Aへ、玄米と籾の混合された混合米は混合米排出域Bへ、又籾は排出域Cへ各々選別して流下排出される。このとき作業者がこれら選別状態を見るときは、前記照明ランプ4を点灯する。この照明ランプ4の点灯によって、透明板3の下側から上側へ向けて照明が透過されて、この透明板3上面を選別排出口2へ流動する玄米や、籾を下側から照射透過させる。このとき玄米はこの透過照明を透過し易く、吸収して略半透明の状態としての視覚を受け、籾は透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。この結果、玄米の流れる状態、位置は見え難くなり、籾の流れる状態のみの識別を判然と行うことができる。従って、既に、これら玄米と混合米との流動境界位置が適正に決められているか、どうかの判定を容易に行うことがでる。
【0018】
又、前記透明板3を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ4を赤色照明可能に設ける。前記のように揺動選別盤1によって揺動選別されて透明板3上面に流出される摺出米は、この下方の照明ランプ4による照明の透過を受けるが、この透明板3が赤色系の材質から構成されていたり、又は照明ランプ4が赤色照明である等によって、赤色照明を透過させることにより、玄米はこの赤色照明の吸収性が良く、前記半透明の状態を良好に維持する。又、籾はこの赤色の吸収性がないため、この透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。
【0019】
又、前記照明ランプ4は、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側と、籾排出域C側とに光源5を設けて、これらの間の混合米排出域Bの仕切板6部側へ向けて投光して照明する。選別排出口2の両側部側に位置する玄米排出域Aや、籾排出域C側部の光源5から、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明し、透明板3の下側から上側へ向けて透過照射するものであるから、この照明ランプ4の長手方向の両端間にわたる発光面の発光強度を安定させることができ、全長にわたって均一な透過照明を行わせることができる。しかも、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側端や、籾排出域C側端等は、光源5からの直接の投光照明を行わせないようにして、仕切板6の位置する玄米と混合米との流域境界部における透明板3に透明照明を集中させることによって、この仕切板6位置の玄米、籾の選別仕切位置を的確に判別させることができる。
【0020】
又、前記透明板3の透過照明領域Pを仕切板6の略調節領域上部に設定する。前記照明ランプ4によって透明板3の下側から上側へ照射される透過照明によって、この透明板3上面を流れる籾の有、無を判別させるものであるから、この透明板上面の透過照明領域Pを、識別に必要な仕切板6の略調節領域部に限定することによって、この選別排出口2の両端部等の玄米や、籾等の一部の選別排出状況を見せないで、選別識別を容易に、的確に行わせる。
【0021】
前記透明板3は、選別排出口2の玄米排出域Aと混合米排出域Bとの間の選別仕切位置を中心として、この左右両側部の適宜幅域にわたる長さに設定し、これら玄米や混合米の流出を受けて、選別排出口2へ落下排出させる適宜の幅に設定する。この透明板3は、前記最上段に位置する揺動選別板1の前端縁部にのみ前側へ突出延長させる形態に設ける。下段の揺動選別盤1には設定しないで、この最上段揺動選別盤1面上を流下する玄米や、混合米等の選別仕切位置を見て下段部の各揺動選別盤1の選別状態を同じ状態として判定する。又、この透明板3は、照明ランプ4の上側を覆うように一体的構成することも可能である。
【0022】
前記照明ランプ4は、透明板3の左右横端部にブラケット11を有し、このブラケット11の下側に光源5としてLEDを取付け、この光源5を左右両側部から相互に相対向する側へ向けて投光することによって、透明板3の下側から上側面に向けて透過照明する。この照明ランプ4は、ガラス管13の両端の投光管12を、ブラケット11部に固定するようにセットボルト14で取付け、光源5によるガラス管13への投光によって照明を発光する蛍光灯形態に構成している。この照明ランプ4の上側を覆う形態に透明板3を設け、揺動選別盤2上面から流下される玄米や混合米等をこの透明板3で受けて流下させる。
【0023】
前記揺動選別盤1の上面を流下する摺出米は、揺動の揺上げ側に玄米が移動し、揺下げ側に籾が移動して、これら玄米層と籾層との間に混合米層が形成されて、各選別層の境界部に沿って選別ラインLa、Lbを形成する。前記仕切板6は、この玄米層と混合米層との間の選別ラインLa部に位置させて、透明板3上面から選別排出口2へ排出落下される玄米、籾の仕切選別を行い、玄米に籾が混入しないように玄米選別を行うものである。この仕切板6はハンドル10を排出口ケース9の調節穴15に沿って横方向へ移動調節することによって玄米と、混合米との選別仕切位置を仕切ることができる。この排出口ケース9の仕切板6の調節域には、透明カバー16を形成して、排出口内部を透視し易く構成している。又、前記選別フレーム7の上側部には、揺動選別盤1の上面、乃至選別排出口2の上面に対向して覆う選別カバー17を設け、この選別カバー17の選別排出口2部上に透明窓18を形成して、作業者がこれら最上側の揺動選別盤1面や、選別排出口2部を透視できる構成としている。
【0024】
前記透明ランプ4による透過照明は、赤色系照明である場合がより有効である。玄米は赤色の吸収性が良好で、玄米を透光することによりこの玄米の姿が見難くなる。又、籾は、赤色を吸収しないため、籾の姿が黒く見えて、籾の判別が容易となる。図5は籾と玄米の分光反射スペクトルを示すグラフであるが、玄米と籾では、照明波長Mが可視光線領域Maであっても、近い赤外線領域Mbであっても、赤色照明の吸光度Pが相異して、玄米による赤色照明の吸光度Pが高い場合A、Bが多い。このような赤色照明を発光するために、前記光源5を赤色ランプ等や、赤外線ランプ等を使用したり、透明板3を赤色に構成したり、透明板3の下面、又は上面に赤フィルムを敷設する等によって、この透明板3を透過する照明を赤色として、この上面を流下する玄米や籾を赤色照明する形態とすることができる。
【0025】
前記透過照明4は、図6のように透明材のガラス板や、樹脂板等からなる面発光部材20を用いて透明板3とし、一側端部に設ける光源5からの面発光部材20の方向に沿う投光によって、この面発光部材20から透過照明を照射させて、この面発光部材20の上面を流れる玄米や籾の判別を行わせる形態としている。21は光源5部を覆うホルダーである。このような面発光部材20による透過照明によって、玄米や籾等の透過明度が明度グラフGとして記録化することができ、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等を検出して選別することができる。又、この玄米層内に籾Cが混入しているときは、明度が局部的に低下G1するめ、籾の混入を知ることができる。
【0026】
前記揺動選別盤1上方の選別カバー17内には照明ランプ19を設けて、この照明ランプ19の点灯によって、揺動選別盤1面上の摺出米を反射照明によって見易くする。又、この反射照明用の照明ランプ19と、前記選別排出口2部の透明板3下側の照明ランプ4とを、切替スイッチ22によって切替点灯する構成とすることも可能である。透明板3上面を流下する玄米や籾の透過照明中に照明ランプ19による反射照明を行うと、籾と玄米との透過光量差が小さくなり、籾の識別性が低下するため、揺動選別盤1面全体を見たい場合は、この照明ランプ19を点灯させて反射照明させると共に、照明ランプ4を消灯して、下方からの照明を消して見易くする。又、透明板3上面の籾の混入状態を見たいときは、照明ランプ4を消灯して透過照明させると共に、照明ランプ19を消灯する。これによって、両照明ランプ4、19を同時に点灯することがないようにして、的確、容易な照明を行わせるものである。
【0027】
前記選別カバー17には透明窓18を設け、排出口ケース9には透明カバー16を設けるが、これらの透明窓18、又は透明カバー16の一部に拡大レンズを設けて、仕切板6の調節される透明板3上面の仕切位置を見易くすることができる。又、透明板3上面の籾を透過照明によって識別させる場合に、反射光が存在すると、籾の視認性が低下し易い。このため、前記透明窓18、又は透明カバー16等に、マジックミラー、又はマジックミラー機能を有するマジックミラーフィルム等の貼付して、透過照明ランプ4からの照明のみを透過させて、揺動選別盤1上面や、選別排出口2部等の視認環境をよくして、明るい環境においても、籾の視認性を低下させないようにすることができる。
【0028】
又、前記透過用照明ランプ4の電源として、AC電源(例えば、コントローラ30用の電源)、又は、コントローラ30内のDC電源を電源とすることができる(図8)。制御用コントローラを有する籾摺機は、コンセント31のAC200Vを降圧してコントローラ30電源として用いる。そこで、この二次側の交流電圧(DC12V)32を用いるもので、発光装置用の電源基板等が不要となり、低コスト化を図ることができる。
【0029】
図9、図10において、26は発振部、27はLED照明で、間歇照明回路28を構成する。
搖動選別盤1の搖動周期(例えば、60HZ)に対して、このよう同選別盤1上面の摺出米の搖動周期は短く(例えば、この略半分の30HZ)なるため、前記透明板3の下側で点灯する照明ランプ4の間歇点滅点灯を、この摺出米の搖動周期(30HZ)で行わせるように構成して、摺出米を静止に近い状態で認識できるため、搖動選別盤1上面の籾の分布を確認し易くなる。このため、玄米Aは半透明として認識し難く、籾Cは黒色を呈して認識し易くなり、籾の選別仕切位置を視認し易くなる。
【0030】
又、図11においては、前記間歇照明回路28に、点灯周波数変更装置29を設けたものである。摺出米の搖動周期は、搖動選別盤1上の摺出米の量や、品種、水分値等によって変化するため、これらに応じて透過照明ランプ4の点灯周波数を任意に変更することが出きるため、籾の視認性を良好に維持できる。又、前記点灯周波数と共に、点灯時間をも変更する形態とすることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 揺動選別盤
2 選別排出口
3 透明板
4 照明ランプ
5 光源
6 仕切板
A 玄米排出域
B 混合米排出域
C 籾排出域
【技術分野】
【0001】
籾摺機の揺動選別盤における玄米と混合米との選別部において、玄米と混合米との間の選別状態を監視し易くし、仕切板による仕切調節を行い易くする。
【背景技術】
【0002】
揺動選別盤を有する選別ケースの上側面に窓板を設け、この窓板の裏面にミラーフィルムを設けて、開閉角度を調節可能に設け、この選別ケース内には揺動選別盤の揺動と同期して点滅する照明ランプを設ける技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001ー246274号公報(第2頁、第3頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
揺動選別盤による摺出米の揺動選別においては、玄米や籾が揺動によって流動しているため、例え、この選別部に照明具を設けて点灯しても、これら玄米と籾との混合状態を識別することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設けたことを特徴とする籾摺米選別装置の構成とする。籾摺装置で脱ぷされた籾出米は、この揺動選別盤1の上面を揺動選別されながら透明板3の上面を経て選別排出口2へ選別排出される。この揺動選別盤1は傾斜面に形成されて、供給される摺出米を玄米と籾とに揺動比重選別しながら、玄米を揺上げ側へ移動し、籾を揺下げ側へ移動して、これら玄米は選別排出口2の玄米排出域Aへ、玄米と籾の混合された混合米は混合米排出域Bへ、又籾は籾排出域Cへ各々選別して流下排出される。このとき作業者がこれら選別状態を見るときは、前記照明ランプ4を点灯する。この照明ランプ4の点灯によって、透明板3の下側から上側へ向けて照明が透過されて、この透明板3上面を選別排出口2へ流動する玄米や、籾を下側から照射透過させる。このとき玄米はこの透過照明を透過し易く、吸収して略半透明の状態としての視覚を受け、籾は透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。この結果、玄米の流れる状態、位置は見え難くなり、籾の流れる状態のみの識別を判然と行うことができる。従って、既に、これら玄米と混合米との流動境界位置が適正に決められているか、どうかの判定を容易に行うことができる。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記透明板3を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ4を赤色照明可能に設けたことを特徴とする。前記のように揺動選別盤1によって揺動選別されて透明板3上面に流出される摺出米は、この下方の照明ランプ4による照明の透過を受けるが、この透明板3が赤色系の材質から構成されていたり、又は照明ランプ4が赤色照明である等によって、赤色照明を透過させることにより、玄米はこの赤色照明の吸収性が良く、前記半透明の状態を良好に維持する。又、籾はこの赤色の吸収性はなくこの透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記照明ランプ4は、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側と、籾排出域C側とに光源5を設けて、これらの間の混合米排出域Bの仕切板6部側へ向けて投光して照明することを特徴とする。選別排出口2の両側部側に位置する玄米排出域Aや、籾排出域C側部の光源5から、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明し、透明板3の下側から上側へ向けて透過照射するものであるから、この照明ランプ4の長手方向の両端間にわたる発光面の発光強度を安定させることができ、全長にわたって均一な透過照明を行わせることができる。しかも、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側端や、籾排出域C側端等は、光源5からの直接の投光照明を行わせないようにして、仕切板6の位置する玄米と混合米との流域境界部における透明板3に透明照明を集中させることによって、この仕切板6位置の玄米、籾の選別仕切位置を明確に判別させることができる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、前記透明板3の透過照明領域Pを仕切板6の略調節領域上部に設定することを特徴とする。前記照明ランプ4によって透明板3の下側から上側へ照射される透過照明によって、この透明板3上面を流れる籾の有、無を判別させるものであるから、この透明板3上面の透過照明領域Pを、識別に必要な仕切板6の略調節領域部に限定することによって、この選別排出口2の両端部等の玄米や、籾等の一部の選別排出状況を見せないで、選別識別を容易に、的確に行わせる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明は、摺出選別米の流出される透明板3の下側から上側へ向けて照射される透過照明によって、この透明板3の上面の玄米と籾とを識別させるものであるから、構成が簡単であり、玄米の存在を半透明状態に消して見え難くし、籾を黒くして、玄米、籾の選別状態を認識し易くすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、透明板3上の透過照明を赤色系にすることによって、この透明板2上面を流動される玄米の赤色光の吸収性を良好にして、玄米の透明性をよくし、籾の透光性は少く暗くし、籾を黒く的確に視認することが容易である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、透明板3の下側で照明する照明ランプ4は、選別排出口2の両端側に光源5を有して、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明して、透明板3の上側へ向けて透過照明するものであるから、照明ランプ4全長にわたり照明発光強度を均一に維持させ、安定させることができる。しかも、混合米と玄米との選別位置を仕切る仕切板6部の位置を集中透過照明することができ、籾の選別視認を容易に行わせることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記のよう透明板3に透過照明領域Pを、仕切板6の略調節領域部に設定することによって、透明板3上面の玄米と籾との流出の選別境界部分のみを集中的に注視することができ、視認性を高めることができ、的確で、正確な識別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】籾摺機の摺出米揺動選別装置の斜視図。
【図2】その選別排出口部の側面図。
【図3】その透過照明部の正面図と、一部の平面図、側面図。
【図4】その選別カバーの透視窓部の斜視図と、この一部の平面図。
【図5】透明板の透過照明による玄米と、籾との分光反射スペクトルグラフ。
【図6】透過照明を面発光部材形態とする場合の平面図と、分解平面図、及び揺動選別盤部の斜視図。
【図7】揺動選別盤上面の照明点灯状態を示す斜視図。
【図8】照明ランプの電源回路図。
【図9】間歇照明回路図。
【図10】摺出米の認識図。
【図11】点灯周波数変更装置を設けた間歇照明回路図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面に基づいて、箱形の選別フレーム7の内側に多段枚数の揺動選別盤1を吊架して、モータの駆動によって揺動する。この揺動選別盤1は上面に凹凸を多数形成し、三次元的に傾斜させ、前後長手方向に対して横方向に、適宜の上下傾斜角度を有して往復揺動する。この各段の揺動選別盤1の前端側に選別排出口2を形成し、後端側に籾摺装置によって摺出されて摺出米を供給する摺出米供給口8を設ける。前端部の選別排出口2は、略揺動選別盤1の横幅方向の一杯にわたる形態とし、この一側端部にはこの選別排出口2が揺動選別盤1の横側端部にわたって形成される形態としている。そして、この前端部の混合米の選別排出される選別排出口2には、最上段の揺動選別盤1の前端面と同一面上に形成の透明板3を構成して、揺動選別盤1と一体的に揺動する形態である。この透明板3を介してのぞむ選別排出口2の中間部には玄米排出域Aと、混合米排出域Bとの間の選別仕切位置を仕切る仕切板6を設け、この横側端部の選別排出口2は選別された籾を排出させる籾排出域Cとして設定する。このような選別排出口2の外周を覆う排出口ケース9を設けている。
【0015】
前記揺動選別盤1を揺動することにより、各摺出米供給口8から供給される摺出米は、揺動選別盤1上面を前側の選別排出口2側へ流動する間に、揺上側へ移動されると比重の大きい玄米と、揺下側へ浮上流動される比重の軽い籾と、これらの間の玄米と籾との混合した状態の混合米とに選別分流されて、玄米は玄米排出域Aへ流下し、混合米は混合米排出域Bへ流下し、籾は籾排出域Cへ流下して各々所定の籾摺、選別処理工程へ搬送処理される。このうち玄米排出域Aと混合米排出域Bとの間の選別仕切位置に仕切板6を移動調節するため、前記排出口ケース9の前面にハンドル10を設けて、このハンドル10を横方向へ移動調節することによって玄米と混合米との間の選別仕切位置を決めることができる。
【0016】
籾摺装置は、前記選別フレーム7の上方に搭載された形態にあって、この籾摺装置で摺出される摺出米を風選選別により籾殻を除去した摺出米(玄米と籾との混合した場合米)を、各揺動選別盤1の摺出米供給口8から供給する。
【0017】
ここにおいて、この揺動選別装置は、籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤1の側辺部に沿って、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等の選別排出口2を形成し、この選別排出口2部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板3を設け、この透明板3の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ4を設ける。籾摺装置で脱ぷされた籾出米は、この揺動選別盤1の上面を揺動選別されながら透明板3の上面を経て選別排出口2へ選別排出される。この揺動選別盤1は傾斜面に形成されて、供給される摺出米を玄米と籾とに揺動比重選別しながら、玄米を揺上げ側へ移動し、籾を揺下げ側へ移動して、これら玄米は選別排出口2の玄米排出域Aへ、玄米と籾の混合された混合米は混合米排出域Bへ、又籾は排出域Cへ各々選別して流下排出される。このとき作業者がこれら選別状態を見るときは、前記照明ランプ4を点灯する。この照明ランプ4の点灯によって、透明板3の下側から上側へ向けて照明が透過されて、この透明板3上面を選別排出口2へ流動する玄米や、籾を下側から照射透過させる。このとき玄米はこの透過照明を透過し易く、吸収して略半透明の状態としての視覚を受け、籾は透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。この結果、玄米の流れる状態、位置は見え難くなり、籾の流れる状態のみの識別を判然と行うことができる。従って、既に、これら玄米と混合米との流動境界位置が適正に決められているか、どうかの判定を容易に行うことがでる。
【0018】
又、前記透明板3を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ4を赤色照明可能に設ける。前記のように揺動選別盤1によって揺動選別されて透明板3上面に流出される摺出米は、この下方の照明ランプ4による照明の透過を受けるが、この透明板3が赤色系の材質から構成されていたり、又は照明ランプ4が赤色照明である等によって、赤色照明を透過させることにより、玄米はこの赤色照明の吸収性が良く、前記半透明の状態を良好に維持する。又、籾はこの赤色の吸収性がないため、この透過照明を通し難いため暗く略黒色の状態としての視覚を受ける。
【0019】
又、前記照明ランプ4は、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側と、籾排出域C側とに光源5を設けて、これらの間の混合米排出域Bの仕切板6部側へ向けて投光して照明する。選別排出口2の両側部側に位置する玄米排出域Aや、籾排出域C側部の光源5から、これらの間の混合米排出域B側へ向けて投光することによって照明し、透明板3の下側から上側へ向けて透過照射するものであるから、この照明ランプ4の長手方向の両端間にわたる発光面の発光強度を安定させることができ、全長にわたって均一な透過照明を行わせることができる。しかも、選別排出口2の両端部の玄米排出域A側端や、籾排出域C側端等は、光源5からの直接の投光照明を行わせないようにして、仕切板6の位置する玄米と混合米との流域境界部における透明板3に透明照明を集中させることによって、この仕切板6位置の玄米、籾の選別仕切位置を的確に判別させることができる。
【0020】
又、前記透明板3の透過照明領域Pを仕切板6の略調節領域上部に設定する。前記照明ランプ4によって透明板3の下側から上側へ照射される透過照明によって、この透明板3上面を流れる籾の有、無を判別させるものであるから、この透明板上面の透過照明領域Pを、識別に必要な仕切板6の略調節領域部に限定することによって、この選別排出口2の両端部等の玄米や、籾等の一部の選別排出状況を見せないで、選別識別を容易に、的確に行わせる。
【0021】
前記透明板3は、選別排出口2の玄米排出域Aと混合米排出域Bとの間の選別仕切位置を中心として、この左右両側部の適宜幅域にわたる長さに設定し、これら玄米や混合米の流出を受けて、選別排出口2へ落下排出させる適宜の幅に設定する。この透明板3は、前記最上段に位置する揺動選別板1の前端縁部にのみ前側へ突出延長させる形態に設ける。下段の揺動選別盤1には設定しないで、この最上段揺動選別盤1面上を流下する玄米や、混合米等の選別仕切位置を見て下段部の各揺動選別盤1の選別状態を同じ状態として判定する。又、この透明板3は、照明ランプ4の上側を覆うように一体的構成することも可能である。
【0022】
前記照明ランプ4は、透明板3の左右横端部にブラケット11を有し、このブラケット11の下側に光源5としてLEDを取付け、この光源5を左右両側部から相互に相対向する側へ向けて投光することによって、透明板3の下側から上側面に向けて透過照明する。この照明ランプ4は、ガラス管13の両端の投光管12を、ブラケット11部に固定するようにセットボルト14で取付け、光源5によるガラス管13への投光によって照明を発光する蛍光灯形態に構成している。この照明ランプ4の上側を覆う形態に透明板3を設け、揺動選別盤2上面から流下される玄米や混合米等をこの透明板3で受けて流下させる。
【0023】
前記揺動選別盤1の上面を流下する摺出米は、揺動の揺上げ側に玄米が移動し、揺下げ側に籾が移動して、これら玄米層と籾層との間に混合米層が形成されて、各選別層の境界部に沿って選別ラインLa、Lbを形成する。前記仕切板6は、この玄米層と混合米層との間の選別ラインLa部に位置させて、透明板3上面から選別排出口2へ排出落下される玄米、籾の仕切選別を行い、玄米に籾が混入しないように玄米選別を行うものである。この仕切板6はハンドル10を排出口ケース9の調節穴15に沿って横方向へ移動調節することによって玄米と、混合米との選別仕切位置を仕切ることができる。この排出口ケース9の仕切板6の調節域には、透明カバー16を形成して、排出口内部を透視し易く構成している。又、前記選別フレーム7の上側部には、揺動選別盤1の上面、乃至選別排出口2の上面に対向して覆う選別カバー17を設け、この選別カバー17の選別排出口2部上に透明窓18を形成して、作業者がこれら最上側の揺動選別盤1面や、選別排出口2部を透視できる構成としている。
【0024】
前記透明ランプ4による透過照明は、赤色系照明である場合がより有効である。玄米は赤色の吸収性が良好で、玄米を透光することによりこの玄米の姿が見難くなる。又、籾は、赤色を吸収しないため、籾の姿が黒く見えて、籾の判別が容易となる。図5は籾と玄米の分光反射スペクトルを示すグラフであるが、玄米と籾では、照明波長Mが可視光線領域Maであっても、近い赤外線領域Mbであっても、赤色照明の吸光度Pが相異して、玄米による赤色照明の吸光度Pが高い場合A、Bが多い。このような赤色照明を発光するために、前記光源5を赤色ランプ等や、赤外線ランプ等を使用したり、透明板3を赤色に構成したり、透明板3の下面、又は上面に赤フィルムを敷設する等によって、この透明板3を透過する照明を赤色として、この上面を流下する玄米や籾を赤色照明する形態とすることができる。
【0025】
前記透過照明4は、図6のように透明材のガラス板や、樹脂板等からなる面発光部材20を用いて透明板3とし、一側端部に設ける光源5からの面発光部材20の方向に沿う投光によって、この面発光部材20から透過照明を照射させて、この面発光部材20の上面を流れる玄米や籾の判別を行わせる形態としている。21は光源5部を覆うホルダーである。このような面発光部材20による透過照明によって、玄米や籾等の透過明度が明度グラフGとして記録化することができ、玄米排出域A、混合米排出域B、及び籾排出域C等を検出して選別することができる。又、この玄米層内に籾Cが混入しているときは、明度が局部的に低下G1するめ、籾の混入を知ることができる。
【0026】
前記揺動選別盤1上方の選別カバー17内には照明ランプ19を設けて、この照明ランプ19の点灯によって、揺動選別盤1面上の摺出米を反射照明によって見易くする。又、この反射照明用の照明ランプ19と、前記選別排出口2部の透明板3下側の照明ランプ4とを、切替スイッチ22によって切替点灯する構成とすることも可能である。透明板3上面を流下する玄米や籾の透過照明中に照明ランプ19による反射照明を行うと、籾と玄米との透過光量差が小さくなり、籾の識別性が低下するため、揺動選別盤1面全体を見たい場合は、この照明ランプ19を点灯させて反射照明させると共に、照明ランプ4を消灯して、下方からの照明を消して見易くする。又、透明板3上面の籾の混入状態を見たいときは、照明ランプ4を消灯して透過照明させると共に、照明ランプ19を消灯する。これによって、両照明ランプ4、19を同時に点灯することがないようにして、的確、容易な照明を行わせるものである。
【0027】
前記選別カバー17には透明窓18を設け、排出口ケース9には透明カバー16を設けるが、これらの透明窓18、又は透明カバー16の一部に拡大レンズを設けて、仕切板6の調節される透明板3上面の仕切位置を見易くすることができる。又、透明板3上面の籾を透過照明によって識別させる場合に、反射光が存在すると、籾の視認性が低下し易い。このため、前記透明窓18、又は透明カバー16等に、マジックミラー、又はマジックミラー機能を有するマジックミラーフィルム等の貼付して、透過照明ランプ4からの照明のみを透過させて、揺動選別盤1上面や、選別排出口2部等の視認環境をよくして、明るい環境においても、籾の視認性を低下させないようにすることができる。
【0028】
又、前記透過用照明ランプ4の電源として、AC電源(例えば、コントローラ30用の電源)、又は、コントローラ30内のDC電源を電源とすることができる(図8)。制御用コントローラを有する籾摺機は、コンセント31のAC200Vを降圧してコントローラ30電源として用いる。そこで、この二次側の交流電圧(DC12V)32を用いるもので、発光装置用の電源基板等が不要となり、低コスト化を図ることができる。
【0029】
図9、図10において、26は発振部、27はLED照明で、間歇照明回路28を構成する。
搖動選別盤1の搖動周期(例えば、60HZ)に対して、このよう同選別盤1上面の摺出米の搖動周期は短く(例えば、この略半分の30HZ)なるため、前記透明板3の下側で点灯する照明ランプ4の間歇点滅点灯を、この摺出米の搖動周期(30HZ)で行わせるように構成して、摺出米を静止に近い状態で認識できるため、搖動選別盤1上面の籾の分布を確認し易くなる。このため、玄米Aは半透明として認識し難く、籾Cは黒色を呈して認識し易くなり、籾の選別仕切位置を視認し易くなる。
【0030】
又、図11においては、前記間歇照明回路28に、点灯周波数変更装置29を設けたものである。摺出米の搖動周期は、搖動選別盤1上の摺出米の量や、品種、水分値等によって変化するため、これらに応じて透過照明ランプ4の点灯周波数を任意に変更することが出きるため、籾の視認性を良好に維持できる。又、前記点灯周波数と共に、点灯時間をも変更する形態とすることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 揺動選別盤
2 選別排出口
3 透明板
4 照明ランプ
5 光源
6 仕切板
A 玄米排出域
B 混合米排出域
C 籾排出域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤(1)の側辺部に沿って、玄米排出域(A)、混合米排出域(B)、及び籾排出域(C)等の選別排出口(2)を形成し、この選別排出口(2)部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板(3)を設け、この透明板(3)の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ(4)を設けたことを特徴とする籾摺米選別装置。
【請求項2】
前記透明板(3)を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ(4)を赤色照明可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の籾摺米選別装置。
【請求項3】
前記照明ランプ(4)は、選別排出口(2)の両端部の玄米排出域(A)側と、籾排出域(C)側とに光源(5)を設けて、これらの間の混合米排出域(B)の仕切板(6)部側へ向けて投光して照明することを特徴とする請求項1、又は2に記載の籾摺米選別装置。
【請求項4】
前記透明板(3)の透過照明領域(P)を仕切板(6)の略調節領域上部に設定することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の籾摺米選別装置。
【請求項1】
籾摺装置で摺出された摺出米を受けて揺動選別する揺動選別盤(1)の側辺部に沿って、玄米排出域(A)、混合米排出域(B)、及び籾排出域(C)等の選別排出口(2)を形成し、この選別排出口(2)部には、透明材からなり前記混合米を受けて流出案内する透明板(3)を設け、この透明板(3)の下側から上側へ向けて透過照明する照明ランプ(4)を設けたことを特徴とする籾摺米選別装置。
【請求項2】
前記透明板(3)を赤色系照明の透過可能に設け、又は、照明ランプ(4)を赤色照明可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載の籾摺米選別装置。
【請求項3】
前記照明ランプ(4)は、選別排出口(2)の両端部の玄米排出域(A)側と、籾排出域(C)側とに光源(5)を設けて、これらの間の混合米排出域(B)の仕切板(6)部側へ向けて投光して照明することを特徴とする請求項1、又は2に記載の籾摺米選別装置。
【請求項4】
前記透明板(3)の透過照明領域(P)を仕切板(6)の略調節領域上部に設定することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の籾摺米選別装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−11113(P2011−11113A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155300(P2009−155300)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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