説明

粉体と液体との連続混練装置

【課題】粉体と液体との混練製品の歩留まりが良く、しかも量産に適し、製造コストを低減することができ、操作ないし取扱いの簡便な粉体と液体との連続混練装置を提供する。
【解決手段】内部に回転駆動軸に軸支した回転混練盤12を収納配置してなる混練室14を設け、この混練室の上部中央に前記回転混練盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給する粉体供給筒を連通接続し、前記混練室内へ液体を供給する手段を設け、前記混練室14において前記回転混練盤12により粉体と液体との均質な混練を行うように構成した粉体と液体との連続混練装置10において、前記回転混練盤12の上面側と前記混練室のカバー部材24の内面側との間において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板32と固定板34とからなる剪断混練部材30を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を加湿、スラリー化、懸濁化あるいは乳化させるために、粉体と液体とを連続的に混合して混練する装置に係り、特に粉体と液体との混合に際して、液体の温度条件等により粉体の一部が液体に対して未溶解状態を発生することなく、常に円滑にして適正な粉体と液体との連続的な混練を効率良く達成することができる粉体と液体との連続混練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、化学、薬品、プラスチック、電子、食品、窯業、機械、金属等の産業分野において、各種素材の成形もしくは加工に際して、粉体を取扱うことが不可欠である。このような、粉体の取扱いに際しては、その分散、定量供給、成型、工程間輸送等の生産技術上の主要工程において、それぞれ必要な機器ないし装置として、粉体と液体との連続混合装置が知られている。
【0003】
従来において、この種の粉体と液体との連続混合装置ないし連続混練装置として、粉体を加湿、スラリー化、懸濁化あるいは乳化させる場合において、粉体と液体とを連続的に混合ないし混練して定量供給することができる、粉体と液体との連続混練装置等が種々提案され、実用化されている。
【0004】
本出願人は、先に、粉体と液体との連続混合装置として、基盤で覆われた混合室内で回転している回転混合盤に、連続的に定量供給される粉体に対して、複数の噴射ノズルから液体を噴射させ、前記回転混合盤に設けられこの回転混合盤の回転に伴って前記噴射ノズル口を横切るように配置された複数の上面スクレーパと、前記回転混合盤に設けられ前記混合室の内壁に沿って旋回する側面スクレーパおよび排出翼とにより、攪拌混合して粉体を少量の液体であっても均一に加湿するように構成した、粉体を均一に加湿するための連続混合方法およびその装置を開発し、特許を取得した(特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、前記特許文献1に記載の粉体を均一に加湿するための連続混合装置は、粉体供給筒から定量的に連続供給される粉体は、混合室内で高速回転している回転混合盤により飛散して、薄膜状態に展開される。この粉体に対して、対称的に配置された噴射ノズルからは、液体が噴霧状となって混合室内に噴射される。この場合、回転混合盤においては、その上面に設けられた上面スクレーパおよび側面スクレーパが設けられているため、これらの攪拌効果と、前記上面スクレーパが前記噴射ノズル口を横切ることにより、薄膜状態で展開している粉体に、噴霧状液体が均一に分散混合して、所定の湿り気が与えられる。そして、この湿り気が与えられた粉体は、回転混合盤の下面に設けられた混合・排出翼体および側面スクレーパにより排出口から連続的に排出されるように構成されている。
【0006】
また、従来において、連続的に供給される粉体を加湿混練するに際しては、粉体を如何に均一に加湿し、かつ如何なる混練系統を通過させるかはきわめて重要であると共に極めて困難な問題でもあることであり、粉体を十分に混練するための一般的な手段としては、加湿手段と混練手段とを分離したものであって、混練手段としては複数の混練装置で繰り返し混練するものであった。この場合、前述のように混練を繰り返す手段では、複数の混練装置を必要とし、装置間における材料の移送速度がばらついたり品質が悪化したりするために、これらを防止するための設備費の増大が余儀なくされる等の難点がある。
【0007】
そこで、本出願人は、先に、連続的に定量供給される粉体に対して、その粉体の粒子状態(一次粒子の状態)で均一に加湿することができ、このようにして粒子を膨潤させた状態で集約して混練系に送り、混練系では混練系通過時間を可及的に長くして通過剪断力で十分に混練することができる、粉体をスラリー化するための連続混練方法およびその装置を開発し、特許を取得した(特許文献2参照)。
【0008】
すなわち、前記特許文献2に記載の粉体をスラリー化するための連続混練装置は、基盤で覆われた混合室と、定量供給装置等に接続され、粉体を連続的に定量供給する供給筒と、該供給筒から供給される粉体を飛散展開させるために混合室内に配置された回転混合盤と、飛散展開された粉体に対して主液体を環状溢流膜として流下させるために混合室上部中央に配置された逆円錐型の溢流筒と、前記飛散展開された粉体に対して更に添加剤等の微量液体を噴射するための複数の噴射ノズルと、前記回転混合盤に設けられていて該回転混合盤の回転に伴って前記噴射ノズル口を横切るように配置された複数の上面スクレーパと、前記回転混合盤に設けられていて前記混合室の内壁に沿って旋回する側面スクレーパと、粉体を中央に集約するために前記混合室の底面に配置された集約翼と、前記混合室の次段に設けられた混練室と、前記混合室から供給される加湿された粉体を遠心方向に展開させるために混練室内に配置された回転混練盤と、混練室の上壁に固定された固定混練ピンと、前記回転混練盤に植設された可動混練ピンと、混練された粉体を排出口に排出するために前記回転混練盤に設けられた混練型掻出翼とを備えた構成からなる。
【0009】
さらに、本出願人は、前記特許文献2に記載の連続混練装置の改良案として、上下複数段の混練室を設けて、これらの混練室内に配置した回転混練盤の高速回転に際し、軸振れを防止することができると共に、各回転混練盤の結合部における粉体と液体との混練およびその移送ないし流動化を円滑にかつ効率よく達成するための構成を簡略化しかつコンパクト化することができ、製造コストを低減し得るばかりでなく、メンテナンスや運転に要するコストの低減も容易に達成することができる粉体・液体連続混練装置を開発し、特許を取得した(特許文献3参照)。
【0010】
すなわち、前記特許文献3に記載の粉体・液体連続混練装置は、粉体を連続的に定量供給する粉体供給筒の開口部を囲繞するように液体を環状溢流膜として流下させるオーバーフローコーンを設け、このオーバーフローコーンを第1の基盤上に支持すると共に、この第1の基盤の下方に前記オーバーフローコーンと同心的に上部胴を囲繞配置して第1の混練室を形成し、前記上部胴を第2の基盤上に支持すると共に、この第2の基盤の下方に前記上部胴と同心的かつ上部胴の直径より大径にしてその一側部に排出口を設けた下部胴を囲繞配置して第2の混練室を形成し、前記第1の混練室および第2の混練室内に粉体と液体との混練およびその移送を行うための混練ピンおよびスクレーパをそれぞれ取付けた第1の回転混練盤と第2の回転混練盤とを収納配置してこれらの回転混練盤を回転駆動軸に同軸結合し、前記第1の混練室において液体と混練された粉体を第1の回転混練盤の外周縁部より、第2の混練室内の第2の回転混練盤上の混練領域へ直接導入するように構成配置した構成からなる。
【0011】
前述した特許文献1〜3にそれぞれ記載の粉体と液体との連続混合ないし混練装置においては、混合ないし混練室の上方に設けた溢流筒ないしオーバーフローコーンにおいて、液体を環状溢流膜として流下させることによって、粉体との混合ないし混練を行うように構成されている。そこで、本出願人は、粉体と液体とを連続的に供給し、回転混合盤により粉体と液体との均一な混合流体を得るに際して、混合室内における混合物の付着や発熱を防止すると共に混合ないし混合物の品質の変化を防止し、混合室の製造ないしメンテナンスを容易化して、装置の長期間に亘る連続運転を可能にし、しかも設備コストの低減を達成することができる粉体と液体と連続混合装置を開発し、特許を取得した(特許文献4参照)。
【0012】
すなわち、前記特許文献4に記載の粉体と液体との連続混合装置は、内部に回転混合盤を収納配置した混合室を設け、この混合室の上部中央に回転混合盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を介して粉体供給筒を連通接続し、前記混合室における粉体供給口の外周上面をカバー部材により蓋被すると共に、このカバー部材に混合室内へ液体を供給するための液体噴射ノズルを設け、前記混合室内に粉体と液体とを連続的に供給して、前記回転混合盤により粉体と液体との均一な混合流体を得るように構成し、前記混合室は、回転混合盤を囲繞する内部周面を直管状に形成した胴部と、内部底面を水平面状に形成した底板とから構成し、その外周の一部に混合流体の排出口を設け、そして前記混合室の内部周面および内部底面からなる内面部をそれぞれ被覆すると共に、この被覆される周面部と底面部との境界部分をそのほぼ全周に亘ってテーパ状に隆起させた形状に形成し、さらに前記混合室の排出口と対応する位置に排出口を設けてなる、非金属材料で構成した非金属製スリーブを、交換可能に装着した構成からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特公昭63−43127号公報
【特許文献2】特公昭63−45611号公報
【特許文献3】特許第3835734号公報
【特許文献4】特許第4091462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかるに、例えば糊粉材系の添加剤と顆粒状の塩を含む食品混合粉に対し、冷水を添加して均質な混練を行う場合において、前述した従来の特許文献1ないし特許文献4に記載の構成からなる粉体と液体との連続混合ないし混練装置を使用した場合、顆粒状の塩が水に溶け難く、未溶解物が残る傾向にあることが判明した。
【0015】
そこで、本発明者等は、鋭意研究並びに試作を重ねた結果、前記特許文献4に記載される粉体と液体との連続混合装置をベースとして、混練室内に設けた回転混練盤の上面側に、その外周側に沿って所定幅としその上面を一定方向にローレット状の切削加工を施した回転環状板を配置し、この回転環状板に対向するように、混練室のカバー部材の内面側に前記回転環状板のローレットと交差する方向にローレット状の切削加工を施した固定環状板を設けた構成とすることにより、前記回転混練盤の上面における混合粉体と液体との混練物が、その回転により生じる遠心力で前記ローレット状に切削加工された回転環状板と固定環状板との間を通過する際に、前記混合粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与して、未溶解物の残留を解消することができることを突き止めた。
【0016】
なお、前記構成において、混合粉体に対する液体の供給手段としては、前述したノズル方式に代えて、混練室の上方に給液管を配置して混合粉体が供給落下する中心部に指向して液体をスプレー方式やノズル方式で供給するように構成したり、あるいは混練室の上部中央に回転混練盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口の外周にオーバーフローコーンを設けて、オーバーフローコーンによる環状溢流膜として流下させるように構成したりする、従来公知の液体供給手段を採用することができる。
【0017】
なお、前記構成においては、回転混練盤は単体からなる単一混合室からなる構成であるが、特許文献3に記載される粉体・液体連続混練装置のように、上下2段に回転混練盤を設けて第1の混練室と第2の混練室とを配置した構成とすることもできる。この場合、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、ローレット状の切削加工を施した回転環状板と、固定環状板とを設けた構成とすることにより、前記第1の混練室において第1の回転混練盤の作用により得られた混合粉体と液体との混練物が、第2の混練室の第2の回転混練盤に導入され、前記回転環状板と固定環状板との間を通過する際に、前記混合粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与して、未溶解物の残留を解消することができることを突き止めた。
【0018】
そして、この場合においても、混合粉体に対する液体の供給手段としては、前述したように、第1の混練室の上方に給液管を配置して混合粉体が供給落下する中心部に指向して液体をスプレー方式やノズル方式で供給するように構成したり、あるいは第1の混練室の上部中央に、第1の回転混練盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を囲繞するようにオーバーフローコーンを設けて、オーバーフローコーンによる環状溢流膜として流下させるように構成したりする、従来公知の液体供給手段を採用することができる。
【0019】
また、連続混練装置の代案として、前記特許文献4に記載される粉体と液体との連続混合装置をベースとして、混練室内に設けた回転混練盤の上面側にその外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転環状板を配置し、この回転環状板に対向するように、混合室のカバー部材の内面側に前記回転環状板の環状段部と嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部を形成した固定環状板を設けた構成とすることにより、前記回転混合盤の上面における混合粉体と液体との混練物が、その回転により生じる遠心力で前記回転環状板と固定環状板との隙間(ラビリンス)を通過する際に、前記混合粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与して、未溶解物の残留を解消することができることを突き止めた。
【0020】
さらに、連続混練装置の代案として、前記特許文献3に記載される粉体・液体連続混練装置をベースとして、第1の混練室と第2の混練室とにそれぞれ配置される第1の回転混練盤と第2の回転混練盤とを軸支する垂直に起立する回転駆動軸に対し、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、第1の混練室側には前記回転駆動軸に軸支した開口率40〜50%のパンチングメタルからなる回転多孔板を配置し、この回転多孔板に対向するように、第2の混練室側には混練室ケーシング内に固定した前記と同様に開口率40〜50%のパンチングメタルからなる固定多孔板を設けた構成とし、前記第1の混練室の上部中央から第1の混練室へ混合粉体を供給し、液体を例えばオーバーフローコーンにより環状溢流膜として流下させながら前記混合粉体と混練するように構成することにより、第1の混練室から第2の混練室へ移行する前記混合粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与して、未溶解物の残留を解消することができることを突き止めた。
【0021】
従って、本発明の目的は、所要の粉体に対し所要の目的のために必要な成分を所要の液体と共に添加する際に、前記粉体に必要な成分を均質に分散するように添加混練することができると共に、粉体と液体との混練製品の歩留まりが良く、しかも量産に適し、製造コストを低減することができる、操作ないし取扱いの簡便な粉体と液体との連続混練装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の粉体と液体との連続混練装置は、内部に回転駆動軸に軸支した回転混練盤を収納配置してなる混練室を設け、この混練室の上部中央に前記回転混練盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を介して粉体供給筒を連通接続し、前記混練室における粉体供給口の外周上面をカバー部材により蓋被すると共に、このカバー部材に対し前記混練室内へ液体を供給する手段を設け、前記混練室において前記回転混練盤により粉体と液体との均質な混練を行うように構成した粉体と液体との連続混練装置において、
前記回転混練盤の上面側と前記混練室のカバー部材の内面側との間において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材を設けたことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項2に記載の粉体と液体との連続混練装置において、前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工を施した回転環状板を配置し、前記回転環状板に対向するように前記混練室のカバー部材の内面側において、前記回転環状板のローレットと交差する方向にローレット状の切削加工を施した固定環状板を固定配置した構成とすることを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項3に記載の粉体と液体との連続混練装置において、前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転円板を配置し、前記回転円板に対向するように前記混練室のカバー部材の内面側において、前記回転円板の環状段部と嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部を形成した固定円板を固定配置した構成とすることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項4に記載の粉体と液体との連続混練装置は、上部胴の内部に回転駆動軸に軸支した第1の回転混練盤を収納配置してなる第1の混練室を設け、この第1の混練室の上部中央に粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を介して粉体供給筒を連通接続し、前記上部胴における粉体供給口の外周上面をカバー部材により蓋被し、前記上部胴の下方にその一側部に排出口を設けた下部胴を接続配置し、この下部胴の内部に前記回転駆動軸に軸支した第2の回転混練盤を収納配置してなる第2の混練室を設け、前記カバー部材に対し前記第1の混練室内へ液体を供給する手段を設け、前記第1の混練室において粉体と液体とを混練し、得られた混練物を前記第1の回転混練盤の外周縁部より第2の混練室内の第2の回転混練盤上の混練領域へ導入するよう構成した粉体と液体との連続混練装置において、
前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材を設けたことを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項5に記載の粉体と液体との連続混練装置において、前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第2の回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工を施した回転環状板を配置し、前記回転環状板に対向するように前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、前記回転環状板のローレットと交差する方向にローレット状の切削加工を施した固定環状板を固定配置した構成とすることを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項6に記載の粉体と液体との連続混練装置において、前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第2の回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転円板を配置し、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、前記回転円板の環状段部と嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部を形成した固定円板を固定配置した構成とすることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項7に記載の粉体と液体との連続混練装置において、前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部に配置され、前記第1の混練室側において、前記回転駆動軸に軸支した開口率40〜50%のパンチングメタルからなる回転多孔円板を配置し、前記回転多孔円板に対向するように前記第2の混練室側において、前記と同様に開口率40〜50%のパンチングメタルからなる固定多孔円板を固定配置した構成とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の請求項1および請求項4に記載の粉体と液体との連続混練装置によれば、所要の粉体に対し所要の目的のために必要な成分を所要の液体と共に添加する際に、前記粉体に必要な成分を均質に分散するように添加混練することができると共に、粉体と液体との混練製品の歩留まりが良く、しかも量産に適し、製造コストの低減を容易に達成することができる、粉体と液体との連続混練装置を得ることができる。
【0030】
本発明の請求項2および請求項5に記載の粉体と液体との連続混練装置によれば、剪断混練部材としてローレット状の切削加工を施した回転環状板と固定環状板との組合せを使用することにより、種々の粉体に対し特定の目的のために必要な成分を所要の液体と共に添加する際に、極めて効率良く、前記粉体に必要な成分を均質に分散するように添加混練することができる。
【0031】
本発明の請求項3および請求項6に記載の粉体と液体との連続混練装置によれば、剪断混練部材として半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転円板と固定円板との組合せを使用することによっても、前記と同様に、所要の粉体に対し特定の目的のために必要な成分を所要の液体と共に添加する際に、前記粉体に必要な成分を均質に分散するように添加混練することができる。
【0032】
本発明の請求項7に記載の粉体と液体との連続混練装置によれば、剪断混練部材として比較的簡単な構成のパンチングメタルからなる回転多孔円板と固定多孔円板との組合せを使用することにより、所要の粉体に対し特定の目的のために必要な成分を所要の液体と共に添加する際に、前記粉体に必要な成分を均質に分散するように添加混練することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る粉体と液体との連続混練装置の基本的な構成例を示す概略断面側面図である。
【図2】図1に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置の変形例を示す概略断面側面図である。
【図3】本発明に係る粉体と液体との連続混練装置に設ける剪断混練部材の第1の実施例を示すものであって、図1に示す連続混練装置の構成例に適用する場合の要部断面図である。
【図4】本発明に係る粉体と液体との連続混練装置に設ける剪断混練部材の第1の実施例を示すものであって、図2に示す連続混練装置の構成例に適用する場合の要部断面図である。
【図5】図3および図4における剪断混練部材の回転環状板を示すものであって、(a)は回転環状板の要部平面図、(b)は回転環状板の中央縦断面図である。
【図6】図3および図4における剪断混練部材の固定環状板を示すものであって、(a)は固定環状板の中央縦断面図、(b)は固定環状板の要部底面図である。
【図7】本発明に係る粉体と液体との連続混合装置に設ける剪断混練部材の第2の実施例を示すものであって、図1に示す連続混練装置の構成例に適用する場合の要部断面図である。
【図8】図7における剪断混練部材の回転円板を示すものであって、(a)は回転円板の要部平面図、(b)は回転円板の中央縦断面図である。
【図9】図7における剪断混練部材の固定円板を示すものであって、(a)は固定円板の中央縦断面図、(b)は固定円板の要部底面図である。
【図10】本発明に係る粉体と液体との連続混合装置に設ける剪断混練部材の第3の実施例を示すものであって、図2に示す連続混練装置の構成例に適用する場合の要部断面図である。
【図11】図10における剪断混練部材の回転多孔円板(固定多孔円板)の要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、本発明に係る粉体と液体との連続混練装置の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明に係る粉体と液体との連続混練装置の基本的な構成例を示すものである。すなわち、図1に示す構成例において、粉体と液体との連続混練装置10は、内部に回転混練盤12を配置した混練室14を備える。この混練室14は、前記回転混練盤12を囲繞するように配置した直管状の胴部16と、一部に粉体と液体との混練物を排出するための排出口17を設けた水平面状の底板18とから構成されている。また、前記底板18の中心部には、前記回転混練盤12を軸支する回転駆動軸20が挿通配置されている。なお、前記回転駆動軸20は、従来公知の外部駆動源(図示せず)と適宜結合されて回転駆動するように構成されている。
【0036】
前記混練室14の上部には、前記回転混練盤12の中心部に粉体を連続供給するための粉体供給口22が設けられ、この粉体供給口22を介して従来公知の粉体供給筒(図示せず)に接続配置されると共に、前記粉体供給口22の外周はカバー部材24によって蓋被されている。このカバー部材24の一部には、前記粉体供給口22に対して対称的な位置に、一対の液体噴射ノズル26、26が設けられている。また、前記回転混練盤12の下面側には、側面スクレーパ28と掻出羽根29とが、それぞれ放射状に構成配置されている。なお、前記混練室14に対する液体の供給手段として、粉体供給口22を囲繞するようにオーバーフローコーンを設けて、このオーバーフローコーンによる環状溢流膜として液体を流下させるように構成したものを、さらに付設することもできる。
【0037】
しかるに、本発明においては、前記図1に示す構成例において、前記回転混練盤12の上面側と前記混練室14のカバー部材24の内面側との間において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対抗面に形成した回転板32と固定板34とからなる剪断混練部材30を設けたことを特徴とするものである。
【0038】
図2は、前述した図1に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置の基本的な構成例の変形例を示すものである。すなわち、図2に示す粉体と液体との連続混練装置10′構成例においては、前記図1に示す構成例において、混練室14の上方に、前記回転混練盤12を囲繞するように配置した直管状の胴部16より若干小径に形成した延長胴部15を接続配置して、拡張混練室13を設けたものである。この場合、前記拡張混練室13の内部まで回転駆動軸20を延長し、この延長した回転駆動軸20に第1の回転混練盤11を軸支して、前記拡張混練室13を第1の混練室とすると共に、その下方の前記混練室14を第2の混練室14′とし、また回転混練盤12を第2の回転混練盤12′として、従来公知の2段式混練装置を構成する。なお、その他の構成は、前記図1に示す構成例と基本的に同じであり、同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、図2において、参照符号21は、第1の回転混練盤11に設けた混練ピンを示す。
【0039】
さらに、図2に示す構成例においては、前記拡張混練室(第1の混練室)13の上部中央から前記拡張混練室(第1の混練室)13へ粉体を供給し、これに対する液体は、前記拡張混練室(第1の混練室)13の上方に給液管26′を配置し、粉体が供給落下する中心部に指向して液体をスプレー方式やノズル方式で供給するように構成する、従来公知の液体供給手段を採用することができる。なお、液体の供給手段としては、液体をオーバーフローコーンにより環状溢流膜として流下させながら前記粉体と混練するように構成する、従来公知の液体供給手段を採用することもできる。
【0040】
そして、前記図2に示す粉体と液体との連続混練装置10′においては、前記第1の混練13と、その下方に配置された前記第2の混練室14′との境界部において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板32と固定板34とからなる剪断混練部材30を設けたことを特徴とするものである。
【0041】
次に、前述した図1および図2に示す粉体と液体との連続混練装置10、10′の構成例において、それぞれ設けられる前記剪断混練部材30の具体的な実施例について、それぞれ説明する。
【実施例1】
【0042】
図3ないし図6は、本発明に係る粉体と液体との連続混練装置における前記剪断混練部材30の第1の実施例を示すものである。図3および図4に示す本実施例に係る剪断混練部材30Aは、前述した本発明に係る粉体と液体との連続混練装置において、図1に示す構成例および図2に示す構成例に、それぞれ適用することができる。
【0043】
すなわち、図1に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置10の構成例において、本実施例の剪断混練部材30Aは、回転混練盤12の上面側において、図5の(a)および(b)に示すように、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工33aを施した回転環状板32Aを配置し、前記回転環状板32Aに対向するように混練室14のカバー部材24の内面側において、図6の(a)および(b)に示すように、前記回転環状板32Aのローレットと交差する方向にローレット状の切削加工33aを施した固定環状板34Aを固定配置した構成とすることができる(図3参照)。なお、図5および図6において、参照符号35は、前記回転環状板32Aおよび固定環状板34Aを所定の位置に固定配置するため、それぞれねじを取付けるように設定したねじ取付孔を示すものである。
【0044】
このように構成された本実施例の剪断混練部材30Aを備えた粉体と液体との連続混練装置10は、回転混練盤12の上面中心部に連続的に供給される粉体が、回転混練盤12の回転駆動により遠心方向に移送される際に液体と混合されて、前記剪断混練部材30Aの回転環状板32Aと固定環状板34Aとの間を通過することによって、前記回転環状板32Aと固定環状板34Aに設けられたローレット状の切削加工33a面によって、粉体と液体との混練物に対し適正な剪断作用が付与されて、均質な混練物を容易に得ることができる。
【0045】
また、図2に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置10′の構成例において、本実施例の剪断混練部材30Aは、第2の混練室14′の第2の回転混練盤12′の上面側において、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工33aを施した回転環状板32Aを配置し、前記回転環状板32Aに対向するように第1の混練室13と第2の混練室14の境界部において、前記回転環状板32Aのローレットと交差する方向にローレット状の切削加工33aを施した固定環状板34Aを固定配置した構成としたものである(図4参照)。
【0046】
このように構成された本実施例の剪断混練部材30Aを備えた粉体と液体との連続混練装置10′は、第1の混練室13の第1の回転混練盤11の上面中心部に、粉体が連続的に供給されると共に、従来公知の液体供給手段(図示せず)により液体が供給されて、前記第1の回転混練盤11の回転駆動により粉体と液体とが混練され、次いでこの粉体と液体との混練物が、第1の混練室13と第2の混練室14′の境界部に設けられた前記剪断混練部材30Aの回転環状板32Aと固定環状板34Aとの間を通過することによって、前記回転環状板32Aと固定環状板34Aに設けられたローレット状の切削加工33a面によって、粉体と液体との混練物に対し適正な剪断作用が付与されて、均質な混練物を容易に得ることができる。
【実施例2】
【0047】
図7ないし図9は、本発明に係る粉体と液体との連続混練装置における前記剪断混練部材30の第2の実施例を示すものである。図7に示す本実施例に係る剪断混練部材30Cは、前述した本発明に係る粉体と液体との連続混合装置において、前記第1の実施例と同様に、図1に示す構成例および図2に示す構成例に、それぞれ適用することができる。
【0048】
すなわち、図1に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置10の構成例において、本実施例の剪断混練部材30Bは、回転混練盤12の上面側において、図8の(a)および(b)に示すように、その外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部33bを形成した回転円板32Bを配置し、前記回転円板32Bに対向するように前記混練室14のカバー部材24の内面側において、図9の(a)および(b)に示すように、前記回転円板32Bの環状段部33bと嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部33cを形成した固定円板34Bを固定配置した構成としたものである(図7参照)。なお、図8および図9において、参照符号35は、前記回転円板32Bおよび固定円板34Bを所定の位置に固定配置するため、それぞれねじを取付けるように設定したねじ取付孔を示すものである。
【0049】
このように構成された本実施例の剪断混練部材30Bを備えた粉体と液体との連続混練装置10は、回転混練盤12の上面中心部に連続的に供給される粉体が、回転混練盤12の回転駆動により遠心方向に移送される際に液体と混合されて、前記剪断混練部材30Bの回転円板32Bと固定円板34Bとの間を通過することによって、前記回転円板32Bと固定円板34Bに設けられた環状段部33bと環状凹部33cとの嵌合する隙間(ラビリンス)によって、粉体と液体との混練物に対し適正な剪断作用が付与されて、均質な混練物を容易に得ることができる。
【0050】
なお、図7に示す本実施例に係る剪断混練部材30Bは、図示しないが、前述した図4に示す第1の実施例の剪断混練部材30Aと同様に、図2に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置10′の構成例においても適用することができ、前記と同様に粉体と液体との混練物に対し適正な剪断作用が付与されて、均質な混練物を容易に得ることができる。
【実施例3】
【0051】
図10および図11は、本発明に係る粉体と液体との連続混練装置における前記剪断混練部材30の第3の実施例を示すものである。図10に示す本実施例に係る剪断混練部材30Cは、前述した本発明に係る粉体と液体との連続混練装置において、図2に示す構成例に好適に適用することができる。
【0052】
すなわち、図2に示す本発明に係る粉体と液体との連続混練装置10′の構成例において、本実施例の剪断混練部材30Cは、第1の混練室13と第2の混練室14′との境界部に配置され、第1の混練室13側において、図11に示すように、回転駆動軸20に軸支した開口率40〜50%のパンチングメタル33dからなる回転多孔円板32Cを配置し、前記回転多孔円板32Cに対向するように第2の混練室14′側において、図11に示すように、前記と同様に開口率40〜50%のパンチングメタル33dからなる固定多孔円板34Cを固定配置した構成としたものである(図10参照)。なお、図10において、参照符号27は、第2の回転混練盤12′上に設けた混練ピンを示す。
【0053】
このように構成された本実施例の剪断混練部材30Cを備えた粉体と液体との連続混練装置10′は、第1の混練室13の第1の回転混練盤11の上面中心部に、粉体が連続的に供給されると共に、従来公知の液体供給手段(図示せず)により液体が供給されて、前記第1の回転混練盤11の回転駆動により粉体と液体とが混練され、次いでこの粉体と液体との混練物が、第1の混練室13と第2の混練室14′との境界部に設けられた前記剪断混練部材30Cの回転多孔円板32Cと固定多孔円板34Cとの間を通過することによって、前記回転多孔円板32Cと固定多孔円板34Cのパンチングメタル33d面によって、粉体と液体との混練物に対し適正な剪断作用が付与されて、均質な混練物を容易に得ることができる。
【0054】
次に、前記構成からなる粉体と液体との連続混練装置を使用して粉体と液体とを連続的に混練する試作例について説明する。但し、本発明はこれらの試作例のみに限定されるものではない。
【0055】
(試作例1:食品用ミックス粉に塩分を添加する流動化混練物の製造)
混合造粒室12の頂部において、噴射ノズル26から64cc/minの清水(常温)を連続的に噴射すると共に、粉体供給口22より3.63Kg/minの食品用ミックス粉と塩分の混合物を供給した。同時に、混練室14の底部において、回転混練盤12を3000rpmで回転させながら、図3に示す第1の実施例の剪断混練部材30Aを通過させて流動化混練物を製造した。この結果、塩分が入ることによって溶けにくくなる食品用ミックス粉が、ダマにならず均質に流動化した混練物を、約100%に近い高い歩留まりで製造することができた。
【0056】
(試作例2:石英粉を使用する流動化材料の製造)
第1の混練室11の頂部において、噴射ノズルから40l/h清水を連続的に噴射すると共に、粉体供給口から50Kg/hの石英粉を供給した。同時に、第2の混練室14の底部において、第2の回転混練盤12を1500rpmで回転させながら、図4に示す第1の実施例の剪断混練部材30Aを通過させて石英粉流動化材料を連続的に製造した。この結果、完全に流動化して安定した石英粉溶解液を、約100%に近い高い歩留まりで製造することができると共に、次工程への輸送が飛躍的に向上した。
【0057】
以上、本発明の好適な実施例についてそれぞれ説明したが、本発明の要部である剪断混練部材に関し、その構成部材としての回転板および固定板に形成する溝部の構成について、実施例として説明したローレット状の切削加工、ラビリンスを形成する段部と凹部凸の組合せおよびパンチングメタルに限定されることなく、各種粉体と液体との混練物に対して剪断混練作用を有する構造であれば、種々の構成を採用することができるばかりでなく、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0058】
10、10′ 粉体と液体との連続混練装置
11 第1の回転混練盤
12 回転混練盤
12′ 第2の回転混練盤
13 拡張混練室(第1の混練室)
14 混練室
14′ 第2の混練室
15 延長胴部
16 胴部
17 排出口
18 底板
20 回転駆動軸
21 混練ピン
22 粉体供給口
24 カバー部材
26 液体噴射ノズル
26′ 給液管
27 混練ピン
28 側面スクレーパ
29 掻出羽根
30、30A、30B、30C 剪断混練部材
32 回転板
32A 回転環状板
32B 回転円板
32C 回転多孔円板
33a ローレット状の切削加工
33b 環状段部
33c 環状凹部
33d パンチングメタル
34 固定板
34A 固定環状板
34B 固定円板
34C 固定多孔円板
35 ねじ取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に回転駆動軸に軸支した回転混練盤を収納配置してなる混練室を設け、この混練室の上部中央に前記回転混練盤の中心部に指向して粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を介して粉体供給筒を連通接続し、前記混練室における粉体供給口の外周上面をカバー部材により蓋被すると共に、このカバー部材に対し前記混練室内へ液体を供給する手段を設け、前記混練室において前記回転混練盤により粉体と液体との均質な混練を行うように構成した粉体と液体との連続混練装置において、
前記回転混練盤の上面側と前記混練室のカバー部材の内面側との間において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材を設けたことを特徴とする粉体と液体との連続混練装置。
【請求項2】
前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工を施した回転環状板を配置し、前記回転環状板に対向するように前記混練室のカバー部材の内面側において、前記回転環状板のローレットと交差する方向にローレット状の切削加工を施した固定環状板を固定配置した構成とすることを特徴とする請求項1記載の粉体と液体との連続混練装置。
【請求項3】
前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転円板を配置し、前記回転円板に対向するように前記混練室のカバー部材の内面側において、前記回転円板の環状段部と嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部を形成した固定円板を固定配置した構成とすることを特徴とする請求項1記載の粉体と液体との連続混練装置。
【請求項4】
上部胴の内部に回転駆動軸に軸支した第1の回転混練盤を収納配置してなる第1の混練室を設け、この第1の混練室の上部中央に粉体を定量的に連続供給するように開口した粉体供給口を介して粉体供給筒を連通接続し、前記上部胴における粉体供給口の外周上面をカバー部材により蓋被し、前記上部胴の下方にその一側部に排出口を設けた下部胴を接続配置し、この下部胴の内部に前記回転駆動軸に軸支した第2の回転混練盤を収納配置してなる第2の混練室を設け、前記カバー部材に対し前記第1の混練室内へ液体を供給する手段を設け、前記第1の混練室において粉体と液体とを混練し、得られた混練物を前記第1の回転混練盤の外周縁部より第2の混練室内の第2の回転混練盤上の混練領域へ導入するよう構成した粉体と液体との連続混練装置において、
前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、遠心方向に通過する粉体と液体との混練物に対し剪断作用を付与する溝部をそれぞれ対向面に形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材を設けたことを特徴とする粉体と液体との連続混練装置。
【請求項5】
前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第2の回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅でその上面を一定方向にローレット状の切削加工を施した回転環状板を配置し、前記回転環状板に対向するように前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、前記回転環状板のローレットと交差する方向にローレット状の切削加工を施した固定環状板を固定配置した構成とすることを特徴とする請求項4記載の粉体と液体との連続混練装置。
【請求項6】
前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第2の回転混練盤の上面側において、その外周側に沿って所定幅としその上面を半径方向外方に順次段階的にその高さと幅が低く狭くなるように環状段部を形成した回転円板を配置し、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部において、前記回転円板の環状段部と嵌合して所要の隙間(ラビリンス)を有するように環状凹部を形成した固定円板を固定配置した構成とすることを特徴とする請求項4記載の粉体と液体との連続混練装置。
【請求項7】
前記溝部を形成した回転板と固定板とからなる剪断混練部材は、前記第1の混練室と第2の混練室との境界部に配置され、前記第1の混練室側において、前記回転駆動軸に軸支した開口率40〜50%のパンチングメタルからなる回転多孔円板を配置し、前記回転多孔円板に対向するように前記第2の混練室側において、前記と同様に開口率40〜50%のパンチングメタルからなる固定多孔円板を固定配置した構成とすることを特徴とする請求項4記載の粉体と液体との連続混練装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−67780(P2011−67780A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222022(P2009−222022)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(591250008)株式会社粉研パウテックス (6)
【Fターム(参考)】