説明

粉体処理装置及び画像形成装置

【課題】トナー収容器32Yを取り外す際におけるRFIDタグの故障発生を抑える。
【解決手段】トナー収容器32Yを装着位置に係止するための係止位置と、係止を解除する解除位置との間で移動可能な固定解除レバー76Yと、固定解除レバー76Yについて係止位置にあるか否かを検知するレバー位置センサ79Yとを設けるとともに、レバー位置センサ79Yが固定解除レバー76Yについて係止位置にあることを検知している状態から検知しない状態に変化したことに基づいて、トナー収容器32Yの電子基板321Y1fのRFIDタグに対する読込処理及び書込処理を強制停止させる処理を実施するように、制御部と読み書き装置791Yとの組合せからなるデータ読み書き手段を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を収容している粉体収容器に対して駆動力を伝達して粉体収容器内からの粉体の排出を促す粉体処理装置、及びこれを用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、粉体収容器たるトナーカートリッジ内に収容されているトナーを現像装置内に補給する粉体処理装置としてのトナー補給装置を備えている。そして、このトナー補給装置は、トナーを収容するトナーカートリッジをスライド移動可能に受けるカートリッジ受部、トナーカートリッジを駆動するためのモータ、トナー搬送手段などを有している。作業者はトナーカートリッジをトナー補給装置のカートリッジ受部の上でスライドさせることで、装着位置まで移動させたり、装着位置から引き出したりする。トナー補給装置は、装着位置にあるトナーカートリッジに対して駆動力を伝達してトナーカートリッジを回転させることで、トナーカートリッジ内からのトナーの排出を促しながら、排出されてくるトナーを現像装置内に補給する。
【0003】
トナーカートリッジには、カートリッジ内に収容されているトナーの製造年月日のデータを記憶している情報記憶手段たる無線タグが設けられている。また、トナー補給装置には、その無線タグに対して無線通信を行いながら、前記データを読み込んだり、画像形成装置内での稼働時間のデータを書き込んだりする無線読み書き手段が設けられている。トナー補給装置は、新たなトナーカートリッジが装着されると、現在の日付と、そのトナーカートリッジの無線タグに記憶されているトナーの製造年月日とに基づいて、カートリッジ内のトナーについて製造から現時点に至るまでの経過時間を算出する。そして、その算出結果に応じた時間だけ、カートリッジ内のトナーを撹拌部材によって初期撹拌してから、現像装置に補給する。かかる構成においては、初期撹拌時間を不要に長くすることなく、放置によって流動性や帯電量を低下させているトナーをその低下量に見合った時間だけ初期撹拌する。これにより、流動性や帯電量を低下させたままのトナーを現像に使用することによる画質低下を回避することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この画像形成装置においては、トナー補給装置からトナーカートリッジを取り外す際に、トナーカートリッジの無線タグを故障させてしまうおそれがあった。具体的には、トナーカートリッジを取り外す際に、トナー補給装置が無線タグに対して読込処理や書込処理を実行中であるにもかかわらず、取り外しによってトナー補給装置と無線タグとの通信を急に断ってしまうことで、無線タグの故障を引き起こすおそれがあった。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような粉体処理装置や画像形成装置を提供することである。即ち、粉体収容器を取り外す際における無線タグ等の情報記憶手段の故障発生を抑えることができる粉体処理装置等である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、粉体を収容する粉体収容器が装着される装着部と、前記装着部に対する前記粉体収容器の着脱操作の際に、前記粉体収容器を装置筺体外部から前記装着部における所定の装着位置に向けて案内したり、その逆に前記装着位置から装置筺体外部に向けて案内したりする案内路と、前記装着位置にある前記粉体収容器に対して駆動力を付与して前記粉体収容器内からの粉体の排出を促す駆動手段と、前記装着位置にある前記粉体収容器の情報記憶手段に対してデータの読込処理及び書込処理を実施するデータ読み書き手段とを有する粉体処理装置において、前記粉体収容器を前記装着位置に係止するための係止位置と、係止を解除する解除位置との間で移動可能な係止部材と、前記係止部材について係止位置にあるか否かを検知する係止検知手段とを設けるとともに、前記係止検知手段が前記係止部材について係止位置にあることを検知している状態から検知しない状態に変化したことに基づいて、前記読込処理及び書込処理を強制停止させる処理を実施するように、前記データ読み書き手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の粉体処理装置において、前記情報記憶手段として、近距離無線通信可能な集積回路からなるものを用いるとともに、前記データ読み書き手段として、前記集積回路との近距離無線通信を行う通信部を具備するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の粉体処理装置において、前記情報記憶手段として、有線通信によって前記データ読み書き手段と通信するものを用いるとともに、前記装着位置にある前記粉体収容器の情報記憶手段に対して電気接点を介して前記データ読み書き手段を電気的に接続する接続手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の粉体処理装置において、前記情報記憶手段として、外部に露出する電極パッドを具備するものを用いるとともに、前記接続手段として、前記情報記憶手段の電極パッドに対応する電極パッドを具備し、且つ自らの電極パッドと前記情報記憶手段の電気パッドとの接触による電気接点を介して前記データ読み書き手段を前記情報記憶手段に電気的に接続するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の粉体処理装置において、前記情報記憶手段として、自らの電極パッドの表面上に導電性弾性体が固定されたものを用いるか、あるいは、前記接続手段として、自らの電極パッドの表面上に導線性弾性体が固定されたものを用い、前記導電性弾性体を介して、前記情報記憶手段の電極パッドと前記情報記憶手段の電極パッドとを密着させて前記電気接点を形成するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至5の何れかの粉体処理装置において、前記案内路内に粉体収容器着脱方向に移動可能に配設され、前記データ読み書き手段における少なくとも前記通信部を保持しながら、あるいは、前記接続手段を保持しながら、前記案内路内で粉体収容器着脱方向に移動する保持移動手段を設け、前記案内路内で前記粉体収容器を前記保持移動手段に密着させながら、前記保持移動手段を前記粉体収容器に追従させて着脱方向に移動させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の粉体処理装置において、前記係止位置にある前記粉体収容器を前記案内路に向けて付勢する付勢手段を設け、前記係止部材が前記係止位置から解除位置に移動したことに伴って、前記粉体収容器及び前記保持移動手段を前記付勢手段による付勢力で前記係止位置から前記案内路内に向けて押し出すようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの粉体処理装置において、前記装着部、前記案内路、前記駆動手段、前記係止部材、及び前記係止検知手段の組合せを複数設けるとともに、それら装着部にそれぞれ装着された複数の前記粉体収容器について、前記装着位置にあるか否かの検知処理、前記読込処理、及び前記書込処理をそれぞれ個別に実施するように、前記データ読み書き手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、粉体たるトナーを収容しているトナー収容器からの粉体の排出を促す粉体処理装置たるトナー処理装置と、前記トナー収容器から補給されたトナーを用いてトナー像を作像する作像手段とを有する画像形成装置において、前記トナー処理装置として、請求項1乃至8の何れかの粉体処理装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明において、作業者は、粉体収容器を粉体処理装置の装着部から取り外すのに先立って、その取り外しを可能にするために係止部材を係止位置から解除位置に移動させる。すると、係止検知手段からの出力に基づいてその移動を検知した読み書き手段が、粉体収容器の情報記憶手段に対する読込処理や書込処理を強制停止させるための処理を開始する。この時点から、実際に読込処理や書込処理を停止させるまでには、僅かなタイムラグがあるが、作業者が係止部材を解除位置に移動させてから、粉体収容器を装着部から取り外して読み書き手段と情報記憶手段との通信を断つまでにもある程度のタイムラグがある。一般に前者のタイムラグは後者のタイムラグよりも短いので、殆どの場合には、後者のタイムラグの間に、情報記憶手段に対する読込処理や書込処理を完了することが可能である。このように、粉体収容器を粉体処理装置から取り外す際に、読込処理や書込処理を行っている最中の情報記憶手段と読み書き手段との通信を断ってしまうことが殆どなくなるので、情報記憶手段の故障の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのY用の作像部を示す拡大構成図。
【図3】同プリンタのトナー補給装置を示す拡大構成図。
【図4】同プリンタの容器収納部をY用のトナー収容器とともに示す斜視図。
【図5】同プリンタのトナー収容器駆動部のY用駆動手段を示す斜視図。
【図6】同容器収納部と、これに装着されようとしているY用のトナー収容器とを示す拡大構成図。
【図7】同容器収納部と、これに装着された同トナー収容器とを示す拡大構成図。
【図8】同容器収納部のトナー収容器固定部を示す拡大斜視図。
【図9】固定解除レバーを係止位置に移動させている状態の、下前ケースのY用キャップ保持部を示す拡大斜視図。
【図10】固定解除レバーを解除位置で係止している状態の、下前ケースのY用キャップ保持部を示す拡大斜視図。
【図11】Y用の固定解除レバーを示す拡大斜視図。
【図12】係止位置に移動した状態の固定解除レバーと、トナー収容器のキャップ部とを示す正面図。
【図13】解除位置に係止された固定解除レバーと、トナー収容器のキャップ部とを示す正面図。
【図14】容器収納部への装着過程が第1期(初期)である状態のトナー収容器の頭部と、固定解除レバーとを重力方向の下方から示す平面図。
【図15】容器収納部への装着過程が第2期である状態のトナー収容器の頭部と、固定解除レバーとを重力方向の下方から示す平面図。
【図16】容器収納部への装着過程が第3期である状態のトナー収容器の頭部と、固定解除レバーとを重力方向の下方から示す平面図。
【図17】容器収納部への装着過程が第4期(完了期)である状態のトナー収容器の頭部と、固定解除レバーとを重力方向の下方から示す平面図。
【図18】レバー位置センサと、係止位置にある状態の固定解除レバーとを示す斜視図。
【図19】レバー位置センサと、係止位置にある状態の固定解除レバーとを示す正面図。
【図20】レバー位置センサと、解除位置にある状態の固定解除レバーとを示す斜視図。
【図21】レバー位置センサと、解除位置にある状態の固定解除レバーとを示す正面図。
【図22】トナー収容器固定部を示す拡大正面図。
【図23】Y用のトナー収容器を頭部側(キャップ部側)から示す拡大斜視図。
【図24】Y用のトナー収容器を後端側から示す拡大斜視図。
【図25】Y用のトナー収容器のボトル部を示す拡大斜視図。
【図26】キャップ部を先端側から示す拡大斜視図。
【図27】キャップ部を後端側から示す拡大斜視図。
【図28】キャップ部を正面側、後方側、上方、下方、側面側からそれぞれ示す図。
【図29】キャップ部の分解斜視図。
【図30】キャップ部の把持部本体を、図29の矢印Aから示す拡大斜視図。
【図31】トナー収容器の頭部を示す縦断面図。
【図32】Y用のトナー収容器のキャップ部を示す正面図。
【図33】M用のトナー収容器のキャップ部を示す正面図。
【図34】C用のトナー収容器のキャップ部を示す正面図。
【図35】K用のトナー収容器のキャップ部を示す正面図。
【図36】装着過程の第1期(初期)にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図。
【図37】装着過程の第2期にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図。
【図38】装着過程の第3期にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図。
【図39】装着過程の第4期(完了期)にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図。
【図40】容器収納部に設けられたY用のノズル、爪部材および固定解除レバーの位置関係を示す斜視図。
【図41】同位置関係を側面図。
【図42】図8に示したトナー収容器固定部におけるY用の保持移動部材を示す拡大斜視図。
【図43】容器未装着時の位置にある同保持移動部材を示す側面図。
【図44】容器装着時の位置にある同保持移動部材を示す側面図。
【図45】同トナー収容器を同保持移動部材とともに示す部分拡大縦断面図。
【図46】実施形態に係るプリンタの制御部によって実施される動作可能フラグ設定処理の処理フローを示すフローチャート。
【図47】第2変形例に係るプリンタのY用のトナー収容器の先端部を拡大して示す拡大斜視図。
【図48】同トナー収容器に搭載されたICチップを示す拡大斜視図。
【図49】同プリンタにおけるY用の移動保持部材やその周囲構成を拡大して示す拡大斜視図。
【図50】同移動保持部材に搭載された接続基板を拡大して示す拡大斜視図。
【図51】同接続基板の電極パッドと、同ICチップの電極パッドとの密着状態を示す拡大側面図。
【図52】具体例に係るプリンタのY用の移動保持部材に搭載された接続基板を示す拡大断面図。
【図53】同接続基板の電極パッドと、これに対応するICチップの電極パッドとを拡大して示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
【0010】
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタの筐体100の上面には、容器収納部31が設けられている。そして、この容器収納部31には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色のトナーを収容するトナー収容器32Y,M,C,Kが着脱自在(交換自在)にセットされている。
【0011】
実施形態に係るプリンタは、Y,M,C,Kの各色に対応した4つの作像部3Y,M,C,Kを備えている。作像部3Y,M,C,Kは、筐体100に対して着脱可能に構成されている。作像部3Y,M,C,Kの上方には、それぞれ、図示しないY,M,C,K用のトナー補給装置が配設されている。トナー収容器32Y,M,C,Kに収容された粉体としてのトナーは、Y,M,C,K用のトナー補給装置によって、作像部3Y,M,C,Kの現像装置5Y,M,C,Kに補給される。
【0012】
図2は、Y用の作像部3Yを示す拡大構成図である。同図において、Y用の作像部3Yは、ドラム状の感光体1Yの周りに、帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、図示しない除電部等を有している。これらの装置により、感光体1Y上で、作像プロセス(帯電工程、潜像書込工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体1Y上にYトナー像が形成される。
【0013】
なお、M、C、K用の作像部3M,C,Kは、使用するトナーの色が異なる点の他は、Y用の作像部3Yとほぼ同様の構成になっている。以下、Y用の作像部3Yを例にして、作像部の動作を説明する。
【0014】
感光体1Yは、図示しない駆動モータによって図中の反時計周り方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。一様に帯電した感光体1Yの表面は、光書込装置7(図1参照)から発せられたレーザー光Lによる光走査が施されることで、露光箇所の電位を減衰させて静電潜像を担持する(潜像書込工程)。
【0015】
感光体1Yの表面に担持されたY用の静電潜像は、感光体1Yの表面移動に伴って現像装置5Yに対向する現像領域に搬送され、そこで現像されてYトナー像になる(現像工程)。その後、感光体1Yの表面は、中間転写ベルト8に接触する1次転写ニップに進入する。この一次転写ニップでは、中間転写ベルト8のループ内側に配設された1次転写バイアスローラ9Yが中間転写ベルト8を感光体1Yに向けて押圧している。そして、1次転写バイアスローラ9Yには、図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、1次転写ニップにおいては、感光体1Y上のYトナー像を感光体1Y側から中間転写ベルト8側に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。1次転写ニップに進入した感光体1Yの表面上のYトナー像は、1次転写電界やニップ圧の作用により、中間転写ベルト8のおもて面に1次転写される(1次転写工程)。このとき、感光体1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0016】
中間転写ベルト8にYトナー像を1次転写した後の感光体1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、その表面上の未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に掻き取られる(クリーニング工程)。その後、図示しない除電部との対向位置に達して、この位置で残留電位が除去される。以上のようにして、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、M、C、K用の作像部3M、3C、3Kでも、Y用の作像部3Yと同様に行われる。具体的には、先に示した図1において、作像部3M、3C、3Kの上方に配設された光書込装置7は、画像情報に基づいて光源からレーザー光Lを発して、そのレーザー光Lの進路を回転駆動しているポリゴンミラーによる反射で主走査方向に偏向せしめる。そして、このように偏向せしめているレーザー光Lを感光体1M,C,Kに到達させることで、感光体1M,C,Kを光走査する。この光走査によって感光体1M,C,K上にそれぞれ形成された静電潜像は、M,C,Kトナーによって現像されてM,C,Kトナー像になる。
【0018】
作像部3Y,M,C,Kの下方に配設された中間転写ユニット6は、中間転写ベルト8の他、Y,M,C,K用の1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、2次転写バックアップローラ10、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部などを有している。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、何れか1つのローラ部材の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。
【0019】
中間転写ベルト8のループ内側に配設された1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、感光体1Y,M,C,Kと、中間転写ベルト8のおもて面とが当接するY,M,C,K要の1次転写ニップが形成されている。それら1次転写ニップにおいては、1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kに対してそれぞれ1次転写バイアスが印加されていることで、トナーを感光体側からローラ側に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。中間転写ベルト8は、図中時計回り方向に無端移動するのに伴って、Y,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面にY,M,C,Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8のおもて面には、4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0020】
4色重ね合わせトナー像をおもて面に担持した中間転写ベルト8は、2次転写ローラ11との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ10が、2次転写ローラ11との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色重ね合わせトナー像は、この2次転写ニップ内に送り込まれた記録紙P上に一括2次転写されてフルカラートナー像になる。このとき、中間転写ベルト8には、記録紙Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0021】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト8は、図示しない中間転写クリーニング部の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。以上のようにして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0022】
なお、2次転写ニップ内に送り込まれる記録紙Pは、筺体100の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ13や搬送ローラ14、レジストローラ対15等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部12には、記録紙Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ13が図中反時計周り方向に回転駆動されることによって、一番上の記録紙Pが給紙部12から排出され、搬送ローラ対14のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対15まで搬送された記録紙Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対15のローラニップの位置で一旦停止される。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対15が回転駆動されて、記録紙Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録紙P上に、所望のカラー画像が転写される。
【0023】
2次転写ニップを通過した記録紙Pは、定着部19内に送り込まれる。そして、定着ローラ17及び加圧ローラ18による熱と圧力とにより、表面に転写されたフルカラー画像が定着せしめられる。その後、排紙ローラ対16のローラ間を経て、装置外へと排出され、スタック部20上にスタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0024】
図2において、現像装置5Yは、感光体1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤搬送路53Y、54Y、55Y内に配設された供給スクリュウ56Y、回収スクリュウ57Yおよび攪拌スクリュウ58Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ、等を有している。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットローラや、これを内包した状態で回転する筒状の現像スリーブなどを具備している。現像装置5Yの現像剤搬送路53Y、54Y、55Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。攪拌搬送路55Yの上方に形成された開口59Yを介してトナー収容器32Yに収容されたトナーが補給される。
【0025】
また、現像装置5Yは、現像ローラ51Yに供給される現像剤を収容する供給搬送路53Yを現像ローラ51Yに対向する位置に有する。供給搬送路53Yは、現像剤を供給しながら現像ローラ51Yの軸線方向に沿って図2の奥方向に現像剤を搬送する供給搬送部材としての供給スクリュウ56Yを備えている。 そして、現像ローラ51Yの供給スクリュウ56Yとの対向部から表面移動方向下流側には、現像ローラ51Yに供給された現像剤を現像に適した厚さに規制する現像剤規制手段としてのドクターブレード52Yを備えている。
【0026】
現像ローラ51Yの感光体1Yとの対向部である現像領域よりも表面移動方向下流側では、現像領域を通過し、現像ローラ51Yの表面から離脱した現像済みの現像剤を回収する回収搬送路54Yが現像ローラ51Yと対向している。回収搬送路54Yは、回収した回収現像剤を現像ローラ51Yの軸線方向に沿って供給スクリュウ56Yと同方向に搬送する回収搬送部材として、軸線方向に平行に配置されたらせん状の回収スクリュウ57Yを備えている。供給スクリュウ56Yを備えた供給搬送路53Yは現像ローラ51Yの横方向に、回収スクリュウ57Yを備えた回収搬送路54Yは現像ローラ51Yの下方に並設されている。
【0027】
上述した現像スリーブ内部にあるマグネットローラは、その周方向において磁力が殆どない箇所を具備している。現像スリーブ表面に担持された現像剤は、スリーブの回転に伴って前述の箇所との対向位置にくると、スリーブ表面から離脱する。なお、マグネットローラにおいて、磁力が殆どない箇所の代わりに、反発磁界が形成される箇所を設け、その箇所でスリーブ表面上の現像剤を離脱させるようにしてもよい。
【0028】
現像装置5Yは、供給搬送路53Yの下方で回収搬送路54Yに並列して現像剤を撹拌搬送する攪拌搬送路55Yを有している。この攪拌搬送路55Yは、現像ローラ51Yの軸線方向に沿って現像剤を攪拌しながら供給スクリュウ56Yとは逆方向である図中手前側に搬送する攪拌搬送部材として、軸線方向に平行に配置された、らせん状の攪拌スクリュウ58Yを備えている。
【0029】
供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとは、仕切り部材としての第一仕切り壁501によって仕切られている。第一仕切り壁501の供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとを仕切る箇所は図中手前側と奥側との両端は開口部となっており、供給搬送路53Yと攪拌搬送路55Yとが連通している。
【0030】
なお、供給搬送路53Yと回収搬送路54Yとも第一仕切り壁501によって仕切られているが、第一仕切り壁501の供給搬送路53Yと回収搬送路54Yとを仕切る箇所には開口部が設けられていない。また、攪拌搬送路55Yと回収搬送路54Yとは仕切り部材としての第二仕切り壁502によって仕切られている。第二仕切り壁502は、図中奥側が開口部となっており、攪拌搬送路55Yと回収搬送路54Yとが連通している。
【0031】
図2において、現像ローラ51Yの現像スリーブは、時計回り方向(矢印方向)に回転する。そして、マグネットローラによって形成される磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、現像スリーブの回転に伴って移動する。なお、現像装置5Y内の現像剤のトナー濃度は、所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー収容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置60Yを介して攪拌搬送路55Y内に補給される。このときのトナー補給装置の動作については、後に詳述する。
【0032】
攪拌搬送路55Y内に補給されたトナーは、攪拌スクリュウ58Yによって、現像剤とともに混合・攪拌されながら、攪拌搬送路55Y内を図中手前側に向かって搬送される。攪拌スクリュウ58Yの搬送方向下流端まで搬送された現像剤は、攪拌スクリュウ58Yの搬送方向下流側であり供給スクリュウ54Yの搬送方向上流側に形成された第一仕切り壁501の開口部を介して供給搬送路53Yに供給される。
【0033】
攪拌搬送路55Yから現像剤の供給を受けた供給搬送路53Yでは、供給スクリュウ56Yが現像剤を現像ローラ51Yに供給しながら回転軸線方向に搬送する。そして、現像ローラ51Yに供給されなかった現像剤や、現像ローラ51Yの表面から供給搬送路53Yに戻された現像剤は、供給搬送路53Yの搬送方向下流端まで搬送されると、第一仕切り壁501の開口部を通って攪拌搬送路55Yに進入する。
【0034】
一方、現像ローラ51Yに供給された現像剤は、図2中の矢印の方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤は、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体1Yとの対向位置(現像領域である)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体1Y上に形成された潜像にトナーが転移する。その後、現像ローラ51Y上の現像剤は、現像ローラ51Yから分離・離脱して、回収搬送路54Yに受け渡される。現像ローラ51Yから回収搬送路54Yに受け渡され、回収スクリュウ57Yによって回収搬送路54Yの搬送方向下流端まで搬送された現像剤は第二仕切り壁502の開口部を通って攪拌搬送路58Yに進入する。
【0035】
攪拌搬送路55Y内では、現像剤が前述のようにして適宜補給されたトナーとともに攪拌スクリュウ58Yによって、混合・攪拌されながら、攪拌搬送路55Y内を図中手前側に向かって搬送される。そして、第一仕切り壁501の図示しない開口部を通って供給搬送路53Yに進入する。攪拌搬送路55Yの下方には、図示しない透磁率センサからなるトナー濃度検知センサが配設されており、これによる検知結果に基づいて駆動を制御されるトナー補給装置60Yは、トナー収容器32Y内のトナーを撹拌搬送路55Y内に供給する。
【0036】
先に示した図1において、容器収納部31に装着されたトナー収容器32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれY,M,C,K用のトナー補給装置によって現像装置5Y,M,C,K内に適宜補給される。4つのトナー補給装置は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。
【0037】
図3は、Y用のトナー補給装置60Yを示す拡大構成図である。Y用のトナー収容器32Yは、トナーを収容しているボトル部32Y2と、ボトル部32Y2の頭部に係合してボトル部32Y2を回転可能に保持するキャップ部32Y1とを有している。Y用のトナー収容器32Yが容器収納部31に装着されると、その装着動作に連動して、キャップ部32Y1の穴部32Y1bに容器収納部31のY用のノズル72Yが挿入される。このとき、トナー収容器32Yの開閉部材としての口栓部材32Y3は、ノズル72Yと爪部材75Yとに挟まれた状態で、トナー排出口32Y1a(粉体排出口)を開放する。これにより、トナー排出口32Y1aとノズル72Yに設けられたトナー受入口(粉体受入口)とが連通し、トナー収容器32Yのボトル部32Y2(粉体収容部)内に収容されたYトナーが、トナー排出口32Y1aを介して、ノズル72Y内に搬送される。
【0038】
一方、ノズル72Yの他端は、トナー補給経路としてのチューブ69Yの一端が接続されている。チューブ69Yは、耐トナー性に優れたフレキシブルな材料からなり、その他端がトナー補給装置60Yのスクリュウポンプ61Y(吸引ポンプ)に接続されている。チューブ69Yは、その内径が4〜10[mm]になるように形成されている。チューブ69Yの材料としては、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等のゴム材料や、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂材料を用いることができる。このようなフレキシブルなチューブ69Yを用いることで、トナー補給経路のレイアウトの自由度が増して、画像形成装置が小型化される。
【0039】
スクリュウポンプ61Yは、吸引型一軸偏心スクリュウポンプからなり、ロータ65Y、ステータ62Y、吸引口63Y、ユニバーサルジョイント64Y、モータ66Y、等を具備している。ロータ65Y、ステータ62Y、ユニバーサルジョイント64Y等は、図示しないケース内に収納されている。ステータ62Yは、ゴム等の弾性材料からなる雌ねじ状部材であって、その内部にはダブルピッチの螺旋溝が形成されている。ロータ65Yは、金属等の剛性材料からなる螺旋状にねじれて形成された雄ねじ状部材であって、ステータ62Y内に回動自在に嵌挿されている。ロータ65Yの一端は、ユニバーサルジョイント64Yを介して、モータ66Yに連結されている。
【0040】
スクリュウポンプ61Yは、モータ66Yによってステータ62Y内のロータ65Yを所定方向に回転駆動させることで、吸引口63Yに吸引力を発生させる(チューブ69Y内の空気を送出してチューブ69Y内に負圧を発生させる。)。これにより、トナー収容器32Y内のYトナーが空気とともにチューブ69Yを介して吸引口63Yに吸引される。吸引口63Yまで吸引されたYトナーは、ステータ62Yとロータ65Yとの隙間に送入されて、ロータ65Yの回転に沿って他端側に送出されて、トナー搬送パイプ68Yを介して現像装置5Y内に補給される(図3中の破線矢印方向の移動である。)。なお、現像装置5Yに補給されるYトナーを一時的に収容するホッパを、スクリュウポンプ61Yと現像装置5Yとの間に設置してもよい。
【0041】
トナー収容器32Yのボトル部32Y2は、略円筒状の形状に形成され、その内周面には螺旋状の突起32Y2aが設けられている(外周面側から見ると螺旋状の溝となっている。)。ボトル部32Yaが筐体100に設けられた後述するトナー収容器駆動部によって図中矢印方向に回転駆動されると、螺旋状の突起32Y2aがボトル部32Y2内に収容されているYトナーをキャップ部32Y1内のスペース(トナー貯留部32Y1k)に向けて送り出す。なお、先に示した図1において、トナー収容器32Y,M,C,Kは、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんど消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。
【0042】
図4は、容器収納部31をY用のトナー収容器32Yとともに示す斜視図である。粉体収容器収納部である容器収納部31は、トナー収容器固定部70、トナー収容器ガイド部80、トナー収容器駆動部90等を具備している。各色のトナー収容器は、トナー収容器固定部70の開口を通じてトナー収容器ガイド部80上に装着される。同図においては、各色のトナー収容器のうち、Y用のトナー収容器32Yが容器収納部31に装着される状態を示している。
【0043】
図5は、トナー収容器駆動部90のY用駆動手段を示す斜視図である。トナー収容器駆動部90は、図示のY用駆動手段の他、これと同様の構成の図示しないM用駆動手段、C用駆動手段、及びK用駆動手段も有している。トナー収容器駆動部90のY用駆動手段は、駆動カップリング91Y、駆動モータ92Y、スプリング93Y、軸94Y等を具備している。駆動カップリング91Yは、ボトル部32Y2の底部に形成された駆動入力部32Y2b(図20を参照)に係合するよう配設されている。駆動カップリング91Yと駆動モータ92Yとは、軸94Y及びこれに設けられたギヤ95Yを介して連結しており、駆動モータ92Yの駆動力が軸94Y及びギヤ95Yを介して駆動カップリング91Yに伝達される。そして、その駆動力が、駆動カップリング91Yに係合したトナー収容器32Yのボトル部32Y2に伝わって、ボトル部32Y2を回転せしめる。軸94Yにはスプリング93Yが巻かれており、駆動カップリング91Yをトナー収容器32Yに向けて付勢している。
【0044】
図6は、容器収納部31と、これに装着されようとしているY用のトナー収容器32Yとを示す拡大構成図である。また、図7は、容器収納部31と、これに装着されたY用のトナー収容器32Yとを示す拡大構成図である。これらの図において、駆動カップリング91Yは、トナー収容器32Yの着脱方向と平行の方向にスライド移動可能に設けられており、スプリング93Yによって、トナー収容器32Yに向けて付勢されている。トナー収容器32Yが図6の矢印の方向に移動せしめられて容器収納部31に装着されると、駆動カップリング91Yは、駆動入力部32Y2bと係合しながら、トナー収容器32Yに押されて装着方向奥側(図中矢印下流側)へと移動する。この際、スプリング93Yの反発力により、トナー収容器32Yを装着方向手前側(矢印上流側)に向けて押し返す。
【0045】
トナー収容器32Yが容器収納部31から脱離される際には、まず、容器収納部31によるトナー収容器32Yの保持が解除される。すると、スプリング93による付勢力によって、トナー収容器32Yが離脱する方向(図7の左方向)へ移動する。これにより、トナー収容器32Yが案内路としてのトナー収容器挿入口71Yから飛び出す格好(ポップアップ動作)になるので、ユーザーは把持部32Y1cを把持して容易にトナー収容器32Yを容器収納部31から取り出すことが可能になる。
【0046】
図8は、容器収納部31のトナー収容器固定部70を示す拡大斜視図である。トナー収容器固定部70は、各色のトナー収容器のキャップ部をそれぞれ非回転で保持するものであり、上前ケース701と、下前ケース702とを有している。そして、上前ケース701や、下前ケース702には、トナー収容器挿入口71Y,M,C,K、トナー収容器のトナー排出口を閉鎖する方向に口栓部材を付勢する爪部材75Y,M,C,K、トナー収容器を容器収納部31へ固定/解除する固定解除レバー76Y,M,C,K、位置決め部材78Y,M,C,K、保持移動部材790Y,M,C,K等が設けられている。なお、図3に示したノズル72Yは、保持移動部材790Yの中に収容されている。M,C,Kについても同様に、ノズルは保持移動部材の中に収容されている。
【0047】
図9は、固定解除レバー76Yを係止位置に移動させている状態の、下前ケース702のY用キャップ保持部を示す拡大斜視図である。また、図10は、固定解除レバー76Yを解除位置で係止している状態の、下前ケース702のY用キャップ保持部を示す拡大斜視図である。これらの図において、下前ケース702のY用キャップ保持部には、Y用のトナー収容器のキャップ部の装着動作に連動してキャップ部の位置決めを行う位置決め部材78Yが設けられている。位置決め部材78Yは、図示しないY用のトナー収容器の着脱方向に沿って延設された凸部であり、ノズル72Yの中心軸を通る鉛直線を中心として左右対称に設けられている。
【0048】
下前ケース702には、水平方向であって、且つトナー収容器の着脱方向に沿って延在するノズル72Yが配設されている。ノズル72Yの上部には、粉体受入口としてのトナー受入口72aYが、開口面が上を向くように設けられている。
【0049】
下前ケース702の底部には、Y用のトナー収容器の着脱動作に連動してY用のトナー収容器のキャップ部のトナー排出口を閉鎖する方向に口栓部材を付勢するための爪部材75Yが設けられている。爪部材75Yは、回転支軸を中心にして図中矢印方向に回動可能に下前ケース702に保持されている。そして、板バネ77Yにより、図示しないトナー収容器のキャップ部の着脱を妨げない位置から口栓部材に係合する位置に突出方向に付勢されている。つまり、爪部材75Yは下方から上方へ付勢されている。
【0050】
また、下前ケース702のY用キャップ保持部の図中手前側端部付近には、図示しないトナー収容器をトナー収容器固定部(70)に固定したり、固定を解除したりするための固定解除レバー76Yが設けられている。この固定解除レバー76Yは、図9に示すように爪部材75Yの上方の係止位置で停止していることで、図示しないYトナー収容器のキャップ部を下前ケース702のY用キャップ保持部に固定する。また、図10に示すように、爪部材75Yの上方から待避する解除位置で係止されることで、図示しないYトナー収容器のキャップ部のY用キャップ保持部に対する固定を解除したりする。
【0051】
図11は、Y用の固定解除レバー76Yを示す拡大斜視図である。同図において、固定解除レバー76Yは、図示しないトナー収容器のキャップ部を固定・保持するための爪部76Ya、レバー部76Yb、リブ76Ycなどを具備している。先に図9に示したように、固定解除レバー76Yは、水平方向であって、且つトナー収容器の着脱方向に対して略直交する方向に往復移動可能に設けられている。そして、スプリング(図12の76Yd)により、トナー収容器挿入口に向けて付勢されている。図10に示すように、ユーザーが固定解除レバー76Yのレバー部76bに指を引っ掛けて、固定解除レバー76Yをスプリングによる付勢方向に抗する方向(図10の矢印の方向)にスライドさせて図19の解除位置まで移動させることができる。
【0052】
図12は、係止位置に移動している固定解除レバー76Yと、トナー収容器のキャップ部31Y1とを示す正面図である。また、図13は、解除位置に係止された固定解除レバー76Yと、トナー収容器のキャップ部32Y1とを示す正面図である。図12に示すように、係止位置に移動した状態の固定解除レバー76Yは、キャップ部32Y1に係合してキャップ部32Y1をY用キャップ保持部に係止する。また、図13に示すように、解除位置に移動した状態の固定解除レバー76Yは、キャップ部32Y1との係合を解かれるとともに、トナー収容器が容器収納部(31)から引き抜かれる際のトナー収容器の移動軌道上から待避して、キャップ部32Y1のY用キャップ保持部の係止を解除する。
【0053】
図14は、容器収納部への装着過程が第1期(初期)である状態のトナー収容器32Yの頭部と、固定解除レバー76Yとを重力方向の下方から示す平面図である。また、図15は、容器収納部への装着過程が第2期である状態のトナー収容器32の頭部と、固定解除レバー76Yとを重力方向の下方から示す平面図である。また、図16は、容器収納部への装着過程が第3期である状態のトナー収容器32の頭部と、固定解除レバー76Yとを重力方向の下方から示す平面図である。また、図17は、容器収納部への装着過程が第4期(完了期)である状態のトナー収容器32の頭部と、固定解除レバー76Yとを重力方向の下方から示す平面図である。これらの図において、矢印X方向は、トナー収容器32Yを容器収納部(31)に装着する際の装着方向を示している。図14に示すように、トナー収容器32Yの容器収納部(31)への装着が開始されると、固定解除レバー76Yの爪部76Yaの傾斜面76Ya1が、トナー収容器32Yのトナー排出部32Y1dと当接する。この状態でトナー収容器32Yが更に装着方向に押し込まれると、図15に示すように、固定解除レバー76Yは、トナー排出部32Y1dの後端エッジ上で自らの傾斜面76Ya1を滑動させながら、スプリング76Ydによる付勢方向に抗する方向(同図矢印方向)にスライド移動する。この状態からトナー収容器32Yが更に装着方向に押し込まれると、図16に示すように、固定解除レバー76Yは更にスプリング76Ydに抗する方向にスライド移動して、自らの爪部76aの先端をトナー排出部32Y1dの側面に接触させるようになる。トナー収容器32Yが容器収納部(31)に完全に装着されると、図17に示すように、トナー収容器32Yのトナー排出部32Y1dは、固定解除レバー76Yよりも装着方向奥側(図17の下側)へと移動する。すると、トナー排出部32Y1dとの当接により押動されていた固定解除レバー76Yは、トナー排出部32Y1dによる押動から開放され、スプリング76dの付勢力によって矢印Zの方向に移動し、トナー挿入口から突出した位置(装着位置)へ戻る。トナー収容器32Yは、上述のトナー収容器駆動部90の駆動カップリング91Yと、固定解除レバー76Yとに狭持されることで、その着脱方向において固定・保持される。
【0054】
図18は、レバー位置センサ79Yと、係止位置にある状態の固定解除レバー76Yとを示す斜視図である。また、図19は、レバー位置センサ79Yと、係止位置にある状態の固定解除レバー76Yとを示す正面図である。これらの図に示されるレバー位置センサ79Yは、図8に示したトナー収容器固定部70に保持されている。そして、自らの発光素子から発した光を、発光素子と所定の間隙を介して対向している自らの受光素子で受光することができる。固定解除レバー76Yが係止位置にあるときには、図18や図19に示したように、レバー位置センサ79Yの発光素子と受光素子との間に、固定解除レバー76のリブ76Ycが介在する。これにより、発光素子からの光がリブ76Ycで遮られて受光素子まで届かなくなる。すると、これにより、レバー位置センサ79Yは固定解除レバー76について係止位置に移動したことを検知して、検知信号を出力する(出力オン)。
【0055】
図20は、レバー位置センサ79Yと、解除位置にある状態の固定解除レバー76Yとを示す斜視図である。また、図21は、レバー位置センサ79Yと、解除位置にある状態の固定解除レバー76Yとを示す正面図である。固定解除レバー76Yが解除位置に移動すると、それらの図に示すように、固定解除レバー76Yのリブ76Ycが、レバー位置センサ79Yの発光素子と受光素子との間から待避する。これにより、発光素子からの光が受光素子まで届くようになることで、レバー位置センサ79Yは固定解除レバー76が係止位置から待避したことを検知して、検知信号を出力しなくなる(出力オフ)。
【0056】
レバー位置センサ79Yとして透過型光センサからなるものを用いた例について説明したが、反射型光センサからなるものを用いてもよい。また、本実施形態では、固定解除レバー76Yに設けたリブ76Ycによる遮光の有無によって固定解除レバー76Yについて係止位置にあるか否かを検知するようにしているが、他の方法による検知を行ってもよい。例えば、固定解除レバー76Yの移動に連動して移動するレバーとは別体の部材の位置変化を利用して、固定解除レバー76Yについて係止位置にあるか否かを検知するようにしてもよい。
【0057】
先に示した図12において、トナー収容器32Yの固定を解除する場合には、まず、固定解除レバー76Yのレバー部76Ybに指を掛けて、スプリング76dによる付勢方向とは反対の方向(図12の矢印方向)へ固定解除レバー76をスライドさせる。そして、固定解除レバー76Yの爪部76Yaをキャップ部32Y1に係合させない解除位置まで移動させることで、トナー収容器32Yの固定状態を解除する。トナー収容器32Yは、先に図6に示したように、トナー収容器駆動部90の駆動カップリング91Yによって付勢されているために、図8に示したトナー収容器固定部70のトナー収容器挿入口71Yから飛び出す。すると、固定解除レバー76Yの爪部76Yaの先端が、先に図16に示したように、トナー収容器32Yのトナー排出部32Y1dの側面に当接するようになるので、固定解除レバー76の係止位置への戻り移動が阻止される(解除位置が維持される。)。その後、操作者は、把持部32Y1cを把持してトナー収容器32Yを離脱方向(矢印Xとは反対の方向)へ移動させて引き抜くと、爪部76Yaとトナー排出部32Y1dとの当接状態が解除され、固定解除レバー76がスプリング76dの付勢力によって係止位置へ戻る。但し、このとき、容器収納部(31)にY用のトナー収容器は装着されていないので、固定解除レバー76は係止位置にあるものの、トナー収容器を容器収納部に固定する状態にはならない。
【0058】
先に示した図1において、筺体100の図中手前側に設けられた図示しない本体扉を開放すると、容器収納部31が露呈される。詳しくは、筺体100の本体扉を開放すると、図22に示すように、容器収納部のトナー収容器固定部70が外部に露呈する。容器収納部に何れの色のトナー収容器も装着されていない場合には、図示のように、トナー収容器固定部70に設けられた4つのトナー収容器挿入口71Y,C,M,Kが操作者に向けて開口した状態になる。操作者は、それら4つのトナー収容器挿入口71Y,C,M,Kを通じて、Y,M,C,K用のトナー収容器を装着したり取り出したりする。なお、トナー収容器挿入口71Y,C,M,Kの形状は色ごとに異なっている。また、Y,C,M,K用のトナー収容器のキャップ部の形状は、それぞれに対応するトナー収容器挿入口71Y,C,M,Kに係合し得るものになっている。これにより、異なる色のトナー収容器を装着してしまうという誤装着の発生が回避される。
【0059】
図23は、Y用のトナー収容器32Yを頭部側(キャップ部側)から示す拡大斜視図である。また、図24は、Y用のトナー収容器32Yを後端側から示す拡大斜視図である。トナー収容器32Yは、トナーを収容している筒状のボトル部32Y2と、これの頭部に係合してボトル部32Y2を回転可能に保持するキャップ部32Y1とを有している。キャップ部32Y1には、法線方向に突出する突起部32Y1eが形成されている。一方、先に図22に示したトナー収容器挿入口71Y,C,M,Kには、第1案内溝71Y1、71C1、71M1、71K1が形成されている。図23に示したY用のトナー収容器32Yの突起部32Y1eは、それら4つの第1案内溝のうち、Y用の第1案内溝71M1に対してのみ係合することが可能になっている。同様にして、図示しないC,M,K用のトナー収容器に形成された突起部は、それぞれ自らに対応する第1案内溝に対してのみ係合することが可能になっている。
【0060】
図25は、Y用のトナー収容器のボトル部32Y2を示す拡大斜視図である。ボトル部32Y2は、頭部(筐体100に対する装着方向からみて手前側端部)に開口部32Y2cを有している。ボトル部32Y2の内壁には螺旋状の突起32Y2aが形成されている。さらに、ボトル部32Y2は、底部(筐体100に対する装着方向からみて奥側端部)に筐体100の駆動カップリング(91Y)と係合する駆動入力部(図24の32Y2b)を有している。そして、駆動カップリング(91Y)から駆動力を受けて所定方向に回転するのに伴って、内部に収容しているトナーを開口部32Y2cに向けて搬送する。すると、ボトル部32Y2内のYトナーが、開口部32Y2cから排出される。排出されたYトナーは、図24に示すように、ボトル部32Y2の頭部に係合しているキャップ部32Y1内に受け入れられる。そして、キャップ部32Y1のトナー貯留部に貯留されたる。
【0061】
ボトル部32Yの2つの駆動入力部32Y2bは、ボトル部32Y2の回転中心軸を基準として180度の分配角の関係になるように配設されている。これに対し、筐体の駆動カップリング(91Y)の爪部材を3つ以上として、それらの爪部材に係合するように駆動入力部32Y2bを3つ以上形成して、それらの駆動入力部32Y2bをボトル部32Y2の回転中心軸を基準として等しい分配角で配設することもできる。その場合には、トナー収容器32Yを回転駆動する際のトルク変動を軽減することができるが、駆動入力部32Y2b(爪部材)の本数が増える分だけトナー収容器32Yの装着操作時に駆動入力部32Y2bと爪部材とが干渉する確率が増えてしまう。したがって、駆動入力部32Y2b(爪部材)の本数は、トルク変動によるトナー収容器32Yからのトナー排出性の良否と、駆動入力部32Y2b材と爪部材との干渉によるトナー収容器32Yのセット性の良否と、を総合的に判断して設定する必要がある。
【0062】
図26は、キャップ部32Y1を先端側から示す拡大斜視図である。また、図27は、キャップ部32Y1を後端側から示す拡大斜視図である。キャップ部32Y1は、容器収納部(31)に対する装着操作によって容器収納部のトナー収容器固定部(70)に固定保持される。固定された状態のキャップ部32Y1は、ボトル部32Y2を回転可能に保持する。
【0063】
キャップ部32Y1には、色識別用突起部材32Y1e(突起部)、把持部32Y1c、トナー排出部32Y1d等が設けられている。また、キャップ部32Y1のトナー排出部32Y1dの両側側面には、容器収納部31の位置決め部材78が係合する係合部としての第一溝部32Y1gが設けられている。
【0064】
図28は、キャップ部32Y1を正面側、後方側、上方、下方、側面側からそれぞれ示す図である。キャップ部32Y1の第一溝部32Y1gは、相対向する2つの水平面32Y1ga、32Y1gbと、それら水平面の間に設けられた鉛直面32Y1gcとが、容器着脱方向に延在するように形成されている。キャップ部32Y1は、ボトル部32Y2の回転には連動せずに、溝部32Y1gが位置決め部材78に係合した状態で容器収納部31のトナー収容器固定部70に固定保持される。
【0065】
図29は、キャップ部32Y1の分解斜視図である。キャップ部32Y1は、キャップ部本体32Y10、把持部本体32Y20、ノズル挿入部32Y30等を具備している。図30は、把持部本体32Y20を、図29の矢印Aから示す拡大斜視図である。キャップ部本体32Y10と把持部本体32Y20とは、把持部本体32Y20の一部がキャップ部本体32Y10に覆われるようにして嵌合させしめられ、把持部本体32Y20のリブ部32Y20bを接着面として接着又は溶着されている。また、把持部本体32Y20の鉛直方向下部には、窪みが形成されており、この窪みの中に、ノズル挿入部32Y30が嵌合せしめられている。
【0066】
図29に示すように、キャップ部本体32Y10の外周面上には、電子基板32Y1f、色識別用突起部材32Y1e(突起部)等が備えられている。また、把持部本体32Y20は、円筒形状部から着脱方向に突出した把持部32Y1cと、円筒形状部の下方に配設されたトナー排出部32Y1dが備えられている。また、図30に示すように、円筒形状部内には、トナーを一時的に貯留するトナー貯留部32Y1k(空洞)と、トナー貯留部32Y1kとトナー排出部32Y1dとを連通させる円柱空間32Y1pが設けられている。把持部本体32Y20のトナー排出部32Y1dは、第一溝部32Y1g、被圧接部32Y1h、ノズル挿入口32Y1j等から構成されている。また、ノズル挿入口32Y1jを囲むように、シール材32Y20cが備えられている。シール材32Y20cは、トナー収容器32Yが容器収納部31Yに装着された際、ノズル72とノズル挿入口32Y1jとの間からのトナー漏れを防止することができる。また、シール材32Y20cは、トナー収容器32Yが容器収納部31Y内をスライドして完全に装着された際の衝撃を吸収する機能をも有する。つまり、キャップ部32Y1とボトル部32Y2とのシール性は、キャップ部32Y1の把持部本体32Y20に貼着されたシール材32Y20aによって確保されている。ボトル部32Y2の開口部32Y2cがキャップ部32Y1のシール材32Y20aに食い込み摺動することによって、双方の部材の間からトナーが漏出する不具合が抑止される。
【0067】
図29において、ノズル挿入部32Y30は、口栓部材32Y3を収納する穴部32Y1b、穴部32Y1bの上方面に形成されている。そして、トナー貯留部32Y1kと穴部32Y1bとを連通するトナー排出口32Y1a、トナー貯留部32Y1kの下部に形成された円柱空間32Y1p内に嵌め込まれ、トナー貯留部32Y1kとトナー排出口32Y1aとの間で排出トナーの経路を形成するトナー排出経路32Y30aなどを有している。ノズル挿入部32Y30が、把持部本体32Y20のトナー排出部32Y1dに設けられた窪みに嵌合したときに、穴部32Y1bは、トナー排出部32Y1dのノズル挿入口32Y1jと連通するように構成されている。
【0068】
穴部32Y1b内には円柱形状と、その端部に対称に突出した板状の突出部からなる口栓部材32Y3とが収納されている。口栓部材32Y3は、穴部32Y1b内を移動することにより、トナー排出口32Y1aの開放、閉鎖をおこなう。口栓部材32Y3のトナー収容器装着方向からみて手前側端部には、円柱中心軸に垂直の方向であって水平に延在する突出部が設けられている。この突出部に容器収納部31の爪部材75が係合することで、トナー収容器32Yの離脱動作に連動して、爪部材75が、口栓部材32Y3をトナー排出口32Y1aの閉鎖する方向に付勢し、移動させる。
【0069】
ノズル挿入部32Y30には、口栓部材32Y3に対してトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向へ付勢する付勢部材としてのスプリング32Y30bを設けても良い。スプリング32Y30bも、その付勢力によって、トナー収容器32Yが離脱する際に、口栓部材32Y3をトナー排出口32Y1aの閉鎖する方向に移動させる機能を有する。スプリング32Y30bは、口栓部材32Y3がトナー排出口32Y1aを閉鎖する方向へ移動する際の初期動作を加速させることができるため、トナー排出口32Y1aからのトナー漏れを低減させることができる点で好ましい。口栓部材32Y3と爪部材75との係合、又は、スプリング32Y30bによる付勢のいずれかであれば、口栓部材32Y3をトナー排出口32Y1aの閉鎖する方向へ移動させることができるが、両機能を有していることにより、確実にトナー収容器離脱時のトナー排出口32Y1aからのトナー漏れを低減させることができる。なお、本実施形態では、爪部材75およびスプリング32Y30bの両方を設けた構成を例にして説明する。
【0070】
図30において、ノズル挿入口32Y1jの横には、電子基板32Y1fが固定されている。この電子基板32Y1fには、図示しない情報記憶手段としてのRFIDタグ(近距離無線ICチップ)が搭載されており、その中に、トナー収容器の製造番号、リサイクル回数、ロット番号、トナー色、筐体100の使用履歴、トナー残量(あるいは使用時間)等の各種情報を格納している。
【0071】
図31は、トナー収容器32Yの頭部を示す縦断面図である。同図において、穴部32Y1bには、トナー収容器32Yの着脱動作に連動してトナー排出口32Y1aを開閉する開閉部材としての口栓部材32Y3が設けられている。口栓部材32Y3の両端には、口栓部材32Y3と穴部32Y1bとの隙間からのトナー漏れを抑止するためのOリング32Y30d、32Y30eが設置されている。さらに、トナー排出経路32Y30aの周面部には、把持部本体32Y20とノズル挿入部32Y30との隙間からのトナー漏れを抑止するためのOリング32Y30cが設置されている。また、穴部32Y1bの端部であって、筺体100への装着方向からみて奥側(図31の右側)は、ノズル挿入口32Y1jと連通している。ノズル挿入口32Y1jには、容器収納部31への装着動作に連動して、ノズル(図6の72Y)が挿入される。
【0072】
先に示した図29において、キャップ部32Y1の底面には、プリンタの筺体側に固定された爪部材(図3の75)が係合して、口栓部材32Y3が相対的に移動するための第二溝部32Y1iが設けられている。さらには、キャップ部32Y1の底面には、第二溝部32Y1iと直線上に並ぶように(トナー収容器装着方向からみて重なるように)配置された第三溝部32Y1qが形成されている。そして、第二溝部32Y1iと第三溝部32Y1qとの間には、容器収納部31の爪部材75と滑動して、トナー収容器32Yの装着を妨げないように爪部材75を下方側に押し下げるための滑動面32Y1rが設けられている。滑動面32Y1rの第三溝部32Y1q側の縁は、爪部材75をスムーズに押し下げるための傾斜面を有している。
【0073】
先に示した図26において、キャップ部32Y1の装着方向から見て手前側には、トナー収容器32Yの着脱作業をおこなう際にユーザーが把持するための把持部32Y1cが設けられている。把持部32Y1cは、キャップ部32Y1上のノズル挿入口32Y1jが設けられた面とは反対側の面に、トナー収容器32Yの離脱する方向に突出するように形成されている。このように構成することで、ユーザーが把持部32Y1cを把持する際に、トナーが付着する傾向のあるノズル挿入口32Y1jに触れてしまうことを抑制することができる。
【0074】
図32は、Y用のトナー収容器のキャップ部32Y1を示す正面図である。また、図33は、M用のトナー収容器のキャップ部32M1を示す正面図である。また、図34は、C用のトナー収容器のキャップ部32C1を示す正面図である。また、図35は、K用のトナー収容器のキャップ部32K1を示す正面図である。各色のキャップ部に設けられたカラー識別用突起部材32Y1e(突起部)、32M1e、32C1e、32K1eは、先に図22に示したトナー収容器挿入口71Y,C,M,Kの第一案内溝にのみ係合するようになっている。
【0075】
図31に示したトナー排出口32Y1aの縁の奥側が、色識別用突起部材32Y1eの奥側端部よりも、手前側に配置されている。このように配置することで、誤って異なる色のトナー収容器32Yが容器収納部31Yに挿入された場合であっても、色識別用突起部材32Y1eとトナー収容器挿入口71Yとの干渉により、色識別用突起部材32Y1eの装着方向奥側端部までしかトナー収容器32Yが挿入されることがなくなる。よって、ノズル72の挿入によってトナー排出口32Y1aが開放されることがない。したがって、トナー排出口32Y1aからのトナー漏出によって、容器収納部内にトナーが落下したり、トナー収容器収容器を異なる色のトナーで汚したりすることを防ぐことができる。
【0076】
被圧接部32Y1hは、トナー収容器32Yが容器収納部31Yに装着された状態において、容器収納部31Yの固定解除レバー76の爪部76aに圧接されて、容器収納部31Yに保持されるように構成されている。すなわち、駆動カップリング91によって付勢されるトナー収容器32Yが、固定解除レバー76に保持されて、着脱方向に関して固定される際、被圧接部32Y1hは、固定解除レバー76に圧接される位置に配設されている。
【0077】
先に示した図26において、被圧接部32Y1hは、キャップ部32Y1における着脱方向に対する垂直な平面32Y1nから、離脱する方向へ突出する2つの突出部材(リブ)で構成されている。被圧接部32Y1hは、駆動カップリング91による奥側から手前側への付勢力によって、固定解除レバー76に圧接され、その2つの突出部材の頂点でトナー収容器32Yの着脱方向に関する位置決め精度を向上させる。
【0078】
平面32Y1nの、被圧接部32Y1h形成面とは反対の位置(裏側)には、着脱方向と平行な方向、すなわち被圧接部32Y1hの突出方向と平行な方向に延在した摺接部32Y1m(リブ)が設けられている。摺接部32Y1mは、トナー収容器32Yが容器収納部31Yに着脱される際に、トナー固定解除レバー76と摺接して、固定解除レバー76の解除位置(トナー収容器の着脱を妨げない位置)の姿勢を保持するものである。また、摺接部32Y1mは、被圧接部32Y1hが形成される平面32Y1の強度を確保する機能も有している。また、摺接部32Y1mとしての2つのリブのうち、上側のリブは、容器収納部31Yの位置決め部材78と係合する第一溝部32Y1gを形成する水平面32Y1gbとして構成されている。
【0079】
図36は、装着過程の第1期(初期)にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図である。また、図37は、装着過程の第2期にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図である。また、図38は、装着過程の第3期にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図である。また、図39は、装着過程の第4期(完了期)にある状態のトナー収容器の頭部をその周囲構成とともに示す縦断面図である。これらの図において、矢印X方向は、トナー収容器32Yが容器収納部(31)に装着される方向を示している。図40は、容器収納部31に設けられたノズル72Y、爪部材75Yおよび固定解除レバー76Yの位置関係を示す斜視図である。また、図41は、同位置関係を示す側面図である。図41においては、トナー収容器32Yは左側から右側に向かって移動し、装着されることになる。
【0080】
トナー収容器32Yを容器収納部(31)に装着する場合は、まず、プリンタ筐体の前面(図1の紙面手前側)に設けられた本体扉を開放して容器収納部(31)を露出させる。その後、ユーザーは把持部32Y1cを把持しながら、トナー収容器32Yを容器収納部31内に向けて押し込む。すなわち、装着方向手前側からみて、キャップ部32Y1がボトル部32Y2に対して手前になるように、ボトル部32Y2(又は、トナー収容器32Y)の長手方向に沿って、トナー収容器32Yが容器収納部に装着される。このとき、摺接部としてのリブ32Y1mのトナー収容器32Y装着方向に対して奥側端部が、固定解除レバー76Yの爪部傾斜面76a1と当接する。固定解除レバー76Yの傾斜面76Ya1は、挿入方向に進むほどトナー収容器側に迫り出すように傾斜している。トナー収容器32Yの装着が進むと、固定解除レバー76は、リブ32Y1mの奥側端部に押動されて、トナー収容器の装着を妨げない位置(解除位置)へ移動する。解除位置に押動された固定解除レバー76Yの先端部とリブ32Y1mとが摺接しながら、トナー収容器32Yの装着が進むと、爪部材75Yが図36に示すようにトナー収容器32Yの底面に設けられた第三溝部32Y1qに入り込む。このとき、キャップ部32Y1の第一溝部32Y1gと、容器収納部31Yの位置決め部材78Yとが係合し、位置決めが開始される。
【0081】
トナー収容器32Yの装着が進むと、容器収納部31Yの爪部材75Yが、図37に示すように、キャップ部32Y1の滑動面32Y1rまで突き当たる。すると、爪部材75Yは、滑動面32Y1rの縁に設けられた傾斜面によって、下方に押し下げられ、キャップ部32Y1の装着を妨げない位置(退避位置)に移動する。そして、爪部材75Yが下方に押し下げられた状態で滑動面32Y1r上を滑動しながら、トナー収容器32Yの装着が進む。
【0082】
その後、さらにトナー収容器32Yの装着が進み、爪部材75が第二溝部32Y1iまで達すると、図38に示すように、第二溝部32Y1i内に入り込むように、口栓部材32Y3に係合する位置に突出する(回転支軸75aを中心とした回転である。)。爪部材75Yは滑動面32Y1rからの押動から開放されて、板バネ77Yによって上方に押し上げられる。このとき、口栓部材32Y3の装着方向奥側端部は、ノズル72Yと当接する位置まで達し、口栓部材32Y3は、ノズル72Yと爪部材75Yとによって狭持されて、容器収納部31Yにおける位置が固定された状態となる。
【0083】
そして、トナー収容器32Yがさらに装着方向(矢印X方向)に移動すると、図39に示すように、第一溝部32Y1gと位置決め部材78Yとが係合した状態で、ノズル72Yがノズル挿入口32Y1jから挿入され、口栓部材32Y3は穴部32Y1b内を相対的に移動し、トナー排出口32Y1aの開放が行われる。そして、口栓部材32Y3がトナー排出口32Y1aを完全に開放し、ノズル72Yのトナー受入口72aYとトナー排出口32Y1aとが連通する位置までノズル72Yが挿入されるとともに、解除位置に移動してリブ32Y1m上を摺動していた固定解除レバー76Yは、リブ32Y1mの装着方向手前側端部まで達し、リブ32Y1mによる押動から開放されて、スプリング76Ydによる付勢力によって、係止位置に移動する(図12の状態)。以上により、トナー収容器32Yの装着動作が完了する。
【0084】
トナー収容器32Yを筺体100の容器収納部31Yから取出(離脱)する場合には、これまで説明した装着時の手順とは逆の手順で操作が行われる。具体的には、まず、固定解除レバー76が解除位置に移動される。そして、容器収納部31Yの駆動カップリング91Yからの付勢力により、トナー収容器32Yは離脱方向に押動される(図39の左方向への移動である。)。同時に、スプリング32Y30bによる付勢力と、係合した爪部材75Yからの付勢とにより、口栓部材32Y3が穴部32Y1b内を移動してトナー排出口32Y1aの閉鎖が行われる。このとき、固定解除レバー76Yは、解除位置を維持したままでキャップ部32Y1のリブ32Y1m上を摺動することとなり、係止位置(トナー収容器の離脱を妨げる位置)へ移動することはない。その後、図39の状態からトナー収容器32Yがさらに離脱方向(矢印Xとは反対の方向である。)に移動すると、キャップ部32Y1の離脱を妨げない位置に爪部材75Yが押し下げられる(図37の状態)。さらにトナー収容器32Yが離脱方向に移動すると、爪部材75Yは滑動面32Y1rによる押動から開放されて、板バネ77Yによって、上方に押し上げられ、第三溝部32Y1qに入り込む(図36の状態)。そして、キャップ部32Y1が完全に離脱されると、固定解除レバー76Yは、リブ32Y1mによる押動から開放されて、スプリング76Ydによって係止位置に戻る。
【0085】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
本プリンタにおいては、Y,C,M,K用のトナー収容器のうち、いずれか一つのトナー収容器を着脱(交換)する際に、他のトナー収容器のトナー補給動作が停止しないように構成されている。つまり、Y,C,M,Kのトナー収容器を回転駆動するためのY,C,M,K用の駆動モータ(92Y,C,M,K)は、それぞれ独立駆動が可能であり、着脱されるトナー収容器以外の、容器収納部(31)に装着されているトナー収容器は、それぞれ専用の駆動モータからの駆動力を受けている。プリンタ筺体の前面に設けられた本体扉を開放すると、容器収納部(31)にセットされた各色のトナー収容器が露呈することになるが、トナー収容器は、回転するボトル部がキャップ部よりも奥側に位置している。トナー収容器固定部70のトナー収容器挿入口からボトル部が露出していないため、着脱しないトナー収容器が駆動を受けていても、作業者が回転するボトル部に触れてしまうことはない。
【0086】
しかしながら、着脱しようとするトナー収容器に、万が一、その作業時に駆動部からの駆動が伝わってしまった場合に、ユーザーが回転するボトル部に触れてしまうおそれがある。そこで、本プリンタにおいては、トナー収容器交換の際に、交換を要しないトナー収容器のトナー補給動作を止めずに容器交換が可能であって、交換するトナー収容器の回転駆動を確実に停止させることが可能な構成となっている。
【0087】
図18〜図21を用いて説明したように、トナー収容器固定部70には、固定解除レバー76Yの位置を検知するレバー位置センサ79Yが配設されている。Y,C,M,Kについても、同様のレバー位置センサが設けられている。レバー位置センサ79Yの出力状態に応じて、トナー収容器の回転駆動の入切を制御する。また、同出力状態に応じて、電子基板32Y1fの近距離無線通信可能な集積回路たるRFID(Radio Frequency IDentification)タグに対するデータの読込処理や書込処理のオンオフを制御する。
【0088】
レバー位置センサ79Yの出力がオンの状態、即ち、図18や図19に示した状態のときには、制御部は、必要に応じて駆動モータ92Yを回転駆動する。しかし、レバー位置センサ79Yの出力がオフの状態、即ち、図20や図21に示した状態のときには、駆動モータ92Yの駆動が必要である場合であっても、駆動モータ92Yを強制的に停止させる。更に詳しく説明すると、トナー収容器32Yが容器収納部に装着されているときには、固定解除レバー76Yが係止位置に配置されて、トナー収容器32Yを固定・保持している。このとき、レバー位置センサ79Yは固定解除レバー76Yの位置を検出し、出力をONにしている。また、トナー収容器32Yが容器収納部31から引き抜かれた後には、固定解除レバー76Yが係止位置に向けてスプリングによって付勢されていることで、係止位置に移動する。このとき、駆動モータ92Yを回転駆動してしまうと、低負荷によって駆動モータ92Yに過電流を流してしまうおそれがある。そこで、固定解除レバー76Yが係止位置に移動している場合であっても、トナー収容器32Yの容器収納部31への装着が検知されない場合には、制御部は駆動モータ92を駆動しないようになっている。係止検知手段たるレバー位置センサ79Yによって固定解除レバー76Yについて係止位置に移動していることが検知され、且つ、容器検知手段によってトナー収容器32Yの装着が検知されていることが検知されている場合にのみ、必要に応じて駆動モータ92Yを駆動するのである。
【0089】
なお、本プリンタにおいては、トナー収容器32Yの電子基板32Y1fとの近距離通信を行う後述の通信部を、容器検知手段として機能させている。そして、電子基板32Y1fとの通信の可否を、トナー収容器32Yの有無として検知している。電子基板32Y1fとの通信とは異なる方法によってトナー収容器32Yの装着を検知するものを用いてもよい。例えば、特許文献1に記載のような装着検知スイッチを用いてもよい。また、本プリンタにおいては、制御部と、後述する読み書き装置791との組合せが、RFIDタグに対して読込処理や書込処理を行うデータ読み書き手段として機能している。
【0090】
トナー収容器32Yの取り外し操作の際に、固定解除レバー76Yが解除位置にスライドされると、レバー位置センサ79Yの出力はオフになる。制御部は、トナー収容器32Yを検知しているとき(電子基板との通信が可能なとき)であっても、レバー位置センサ79Yの出力がオフになった場合には、駆動モータ92Yの駆動を強制停止させる。また、電子基板32Y1fにおけるRFIDタグに対するデータの読込処理や書込処理も強制停止させる。これにより、トナー収容器32Yが容器収納部31から引き抜かれ始めるのに先立って、駆動モータ92Yの駆動を停止させることができる。
【0091】
かかる構成においては、トナー収容器32Yを装着位置にセットし且つ係止した時点で、トナー収容器32Yを回転させるための駆動モータ92Yの駆動を開始するので、たとえ開閉ドアをしっかりと閉めずにそのまま放置したとしても、不要なダウンタイムは発生しない。たとえ開閉ドアを開けていても、交換対象ではないトナー収容器については装着位置にセットしたまま回転駆動を続けることができるので、不要なダウンタイムを発生させることがない。よって、不要なタウンタイムの発生を抑えることができる。更には、トナー収容器32Yが容器収納部31から引き抜かれ始めるのに先立って、RFIDタグに対するデータの読み書きを停止させることで、読み書き中に急に通信を断ち切ってしまうという事態の発生を抑えることができる。
【0092】
また、本プリンタでは、トナー収容器32Yのセット時に、トナー収容器32Yを装着位置まで移動させる直前のタイミングで、そのトナー収容器32YのRFIDとの通信が可能になったとしても、駆動モータ92Yを直ちに駆動させない。その後、作業者がトナー収容器32Yを装着位置まで移動させてから固定解除レバー76Yを係止位置に移動させ、更に、その移動を係止検知手段たるレバー位置センサ79Yに検知させるようになるのを待ってから、駆動モータ92Yの駆動を開始する。RFIDに対するデータの読み書きも同様に、固定解除レバー76Yの係止位置への移動を待ってから開始する。更に、トナー収容器32Yを取り外す際には、その取り外しに先立って、取り外しを可能にするために固定解除レバー76Yを係止位置から解除位置に移動させ、その移動がレバー位置センサ79Yに検知された場合に、駆動モータ92Yの駆動を直ちに停止させる。RFIDタグに対するデータの読み書きも同様のタイミングで対しさせる。かかる構成では、トナー収容器32Yのセット時にトナー収容器32Yを装着位置まで移動させる前に駆動モータ92Yの駆動を開始してしまったり、トナー収容器32の取り外し時に、駆動モータ92Yを駆動したままトナー収容器32Yを取り外して駆動モータ92Yに過電流を流してしまったりすることがなくなる。よって、駆動モータ92Yを不適切なタイミングで駆動してしまうことによる駆動モータ92Y、駆動カップリング91Y、及び駆動入力部32Y2bの破損の発生を回避することができる。
【0093】
図42は、図8に示したトナー収容器固定部70におけるY用の保持移動部材790Yを示す拡大斜視図である。この保持移動部材790Yは、図9や図10に示したように、トナー収容器固定部における下前ケースのY用キャップ保持部において、トナー収容器の着脱方向にスライド移動可能に設けられている。図10に示したように、図示しないY用のトナー収容器がY用キャップ保持部における装着位置にセットされた状態では、付勢手段たるコイルバネ799Yの付勢力に逆らって、トナー収容器挿入方向の奥側にスライド移動した位置で停止している。
【0094】
図42において、Y用の保持移動部材790Yは、Y用の読み書き装置791Yを保持している。この読み書き装置791Yは、図24や図30などに示したY用のトナー収容器のキャップ部32Y1に固定された電子基板32Y1fのRFIDタグに対してデータの読込処理や書込処理を行うものであり、図示しない制御部からの指令に基づいてそれらの処理を実行する。このY用の読み書き装置791Yは、本体部と通信部791Yaとを具備している。本体部は、Y用の保持移動部材790Yの上面に保持されている。これに対し、RFIDとの近距離無線通信を行うための通信部791Yaは、保持移動部材790Yの前側面に保持されており、本体部とは電線を介して電気的に接続されている。
【0095】
Y用のトナー収容器32Y(図24参照)がトナー収容器固定部70(図8参照)のYキャップ保持部に装着される際、トナー収容器32Yのキャップ部32Y1における下側の出っ張りが、Y用の保持移動部材790Yの前側面に突き当たる。そして、作業者のトナー収容器挿入操作に伴って、トナー収容器32Yのキャップ部32Y1がY用の保持移動部材790Yを押しながら、装着位置に向けてスライド移動する。これにより、Y用の保持移動部材790Yは、図9や図43に示す容器未装着時の位置から、コイルバネ799Yの付勢力に逆らって収容器挿入方向にスライド移動して、図10や図44に示す容器装着時の位置に到達する。この際、図10に示したように、自らの前側面に設けられているノズル貫通用開口792Yに、ノズル72Yを貫通させて、ノズル72Yの先端を外部に向けて露出させる。露出したノズル72Yは、図24に示したキャップ部32Y1のノズル挿入口32Y1j内に進入する。
【0096】
図45に示すように、トナー収容器32YがY用キャップ保持部の装着位置にセットされた状態では、トナー収容器32Yのキャップ部32Y1に固定された電子基板32Y1fと、Y用の保持移動部材790Yに保持されている通信部791Yaとが密着して、両者間での近距離無線通信が可能になる。この状態で、図10に示した固定解除レバー76Yが図示の解除位置から図9に示した係止位置に移動せしめられてトナー収容器32Yが装着位置に係止されると、レバー位置センサ79Yが固定解除レバー76Yを検知する。この検知信号に基づいて、制御部は必要に応じて電子基板32Y1fのRFIDに対してデータを読み書きするための指令を、読み書き装置791Yに送る。
【0097】
図45に示したように、トナー収容器32Yが装着位置に係止されている状態では、トナー収容器32Yが保持移動部材790Yを介して、コイルバネ799Yによって取り外し方向に向けて付勢されている。但し、固定解除レバー76Yが係止位置にあるときには、装着位置に係止された状態を維持する。この状態から、作業者により、固定解除レバー76Yが解除位置に移動されると、それまで固定解除レバー76Yに突き当たっていたトナー収容器32Yが、コイルバネ799Yの付勢力によって取り外し方向に押されて、図8に示したトナー収容器挿入口71Yから飛び出す。作業者は、トナー収容器挿入口71Yから飛び出したトナー収容器32Yのキャップ部32Y1を容易に把持して、トナー収容器32YをYキャップ保持部から容易に引き抜くことができる。
【0098】
このように、トナー収容器32Yの取り外し操作性を向上させる狙いから、固定解除レバー76Yを係止位置から解除位置に移動させると同時に、コイルバネ799Yによる付勢力でトナー収容器32Yをトナー収容器挿入口71Yから飛び出させる構成を採用していると、次のようなおそれがでてくる。即ち、制御部がレバー位置センサ79Yから送られてくるレバー検知信号を受信しなくなったことに基づいて、読み書き装置791Yに対して読込処理や書込処理の中止信号を送信してから、電子基板32Y1fのRFIDタグに対する読込処理や書込処理が実際に中止されるまでに、0.2〜0.3秒程度のタイムラグが発生する。一方、固定解除レバー76Yが解除位置に移動された瞬間にトナー収容器32Yが勢い良くトナー収容器挿入口71Yから飛び出す際に、前述のタイムラグよりも短いタイミングでトナー収容器32Yの電子基板32Y1fと、保持移動部材790Yに保持されている通信部791Yaとが離間して、読み書き装置791YとRFIDタグとの通信が不能になってしまうおそれがでてくる。
【0099】
そこで、実施形態に係るプリンタにおいては、読み書き装置791Yを保持した保持移動部材790Yを、案内路としてのYキャップ保持部内で、キャップ部32Y1に密着させながら、キャップ部32Y1に追従させて着脱方向に移動させるようにしている。かかる構成では、固定解除レバー76Yが解除された瞬間に、トナー収容器32Yのみならず、保持移動部材790Yもコイルバネ799Yの付勢力によって収容器取り出し方向に移動させることで、その瞬間から、電子基板32Y1fと通信部791Yaとが離間するまでの間に、ある程度のタイムラグを設ける。これにより、前記瞬間から、RFIDタグに対する読込処理や書込処理を実際に中止するまでに必要な時間だけ、読み書き装置791YとRFIDタグとの通信を可能にして、中止前に通信を断ってしまうという事態の発生を回避することができる。
【0100】
図46は、実施形態に係るプリンタの制御部によって実施される動作可能フラグ設定処理の処理フローを示すフローチャートである。この制御部は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを具備しており、ROMに記憶しているプログラムに基づいて、各機器の駆動を制御するものである。かかる制御部によって実施される動作可能フラグ設定処理は、プリンタのメインスイッチがONになっているときに、繰り返し実行されるものであり、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ個別に実施される。そして、まず始めに、レバー位置センサからの出力と(ステップ1:以下、ステップをSと記す)、トナー収容器の装着検知の有無(S2)とが判断される。そして、レバー位置センサからの出力がONで、且つ、トナー収容器の装着が検知されている場合にのみ(S1でY且つS2でY)、動作可能フラグがONに設定される(S3)。それ以外の場合には、動作可能フラグがOFFに設定される(S4)。
【0101】
各色の読み書き装置(例えば791Y)は、制御部からの指令に基づいてRFIDタグに対する読込処理や書込処理を行っている最中には、常に上述した動作可能フラグについて、ONになっていることを監視する。そして、動作可能フラグがONからOFFに変化した際には、実施中の読込処理や書込処理を直ちに強制停止させる。動作可能フラグについてONからOFFに変化したことを検知してから、読込処理や書込処理を実際に停止するまでの間には、0.2〜0.3秒程度のタイムラグがある。この間、例えばY用のトナー収容器32Yであれば、トナー収容器32Yのキャップ部32Y1がコイルバネ799Yの付勢力によって収容器取り出し方向に勢い良くスライド移動しながら、保持移動部材790Yも同方向にスライド移動することで、キャップ部32Y1の電子基板32Y1fと、保持移動部材790Y上の通信部791Yaとの密着状態が維持される。これにより、読込処理や書込処理を強制停止するまでの間、読み書き装置791YとRFIDタグとの通信状態を維持することができる。
【0102】
次に、第1変形例に係るプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第1変形例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
第1変形例に係るプリンタの各色のトナー収容器(例えば32Y)は、収容器の製造番号、リサイクル回数、ロット番号、トナー色、筐体100の使用履歴、トナー残量等の各種情報を記憶する情報記憶手段として、有線通信によって読み書きが行われるものを用いている。この情報記憶手段に対してデータを読み書きする読み書き装置は、実施形態に係るプリンタとは異なり、近距離無線通信を行うための通信部を具備していない。その代わりに、読み書き装置からの電線を外部に繋ぐための接続手段たるコネクタを具備している。このコネクタは、前記通信部と同様に、保持移動部材(例えば790Y)の前側面に保持されている。
【0103】
一方、トナー収容器のキャップ部(例えば32Y1)は、情報記憶手段からの電線を外部に繋ぐための接続手段たるコネクタを具備している。このコネクタは、実施形態に係るプリンタの電子基板(例えば32Y1f)と同じ位置に設けられている。トナー収容器がキャップ保持部の装着位置にセットされると、トナー収容器のキャップ部のコネクタと、保持移動部材の前側面のコネクタとが係合して電気接点を形成する。この電気接点を介して、情報記憶手段と読み書き装置との通信が可能になる。実施形態に係るプリンタと同様に、固定解除レバーが解除位置に移動されると、コイルバネの付勢力によってトナー収容器が取り出し方向に勢い良くスライド移動するが、これに追従して、保持移動部材もスライド移動するので、2つのコネクタの係合が解かれるまでに、ある程度のタイムラグが発生する。このタイムラグにより、読込処理や書込処理を強制停止するまでの時間を稼ぐことができる。
【0104】
次に、第2変形例に係るプリンタについて説明する。第2変形例に係るプリンタの各色のトナー収容器(例えば32Y)も、第1変形例に係るプリンタと同様に、情報記憶手段として、有線通信によって情報の読み書きが行われるものを用いている。第1変形例に係るプリンタと異なる点は、情報記憶手段と読み書き装置とを電気的に接続する接続手段の構成である。各色のうち、Yを例にして説明すると、Y用のトナー収容器(32Y)のは、図47に示すように、電子基板32Y1fとして、情報記憶手段たるICチップ32Y1f−1を有するものを搭載している。そして、ICチップ32Y1f−1は、図48に示すように、外部に露出する3つの電極パッド32Y1f−1aを具備している。
【0105】
一方、保持移動部材790Yは、読み書き装置791Yとして、図49に示すように、無線通信を行う通信部の代わりに、接続手段たる接続基板791Ybを具備するものを備えている。この接続基板791Ybは、図50に示すように、3つの電極パッド791Yb−1を具備しており、これらは、図48に示したICチップ32Y1f−1の3つの電極パッド32Y1f−1aにそれぞれ個別に対応している。接続基板791Ybの電極パッド32Y1f−1aと、ICチップ32Y1f−1の電極パッド32Y1f−1aとは、互いに同じ大きさ(縦6mm×横2mm×厚さ1mm)になっており、それぞれ短辺方向において1.5mmの間隙を介して3つ並んでいる。
【0106】
Y用のトナー収容器(32Y)がトナー収容器固定部(70)のYキャップ保持部に装着されると、図51に示すように、保持移動部材(790Y)の接続基板791Ybにおける3つの電極パッド791Yb−1が、トナー収容器(32Y)のICチップ32Y1f−1における3つの電極パッド32Y1f−1aに密着して電気接点を形成する。これにより、読み書き装置の本体部が、電気接点を介してICチップ(32Y1f−1に電気的に接続される。
【0107】
かかる構成では、コネクタ同士を係合させることなく電気接点を形成する。これにより、コネクタの抜き差しによる負荷抵抗を発生させることなく、トナー収容器をスムーズに着脱することができる。
【0108】
次に、第2変形例に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した具体例のプリンタについて説明する。
第2変形例に係るプリンタにおいて、トナー収容器(32Y)を取り外すために、コイルバネ(799Y)の付勢力によってトナー収容器(32Y)と保持移動部材(790Y)とを容器取り出し方向に勢い良くスライド移動させるときに、スライド移動路の微妙な凹凸や異物付着などがあると、トナー収容器(32Y)や保持移動部材(790Y)をがたつかせてしまうことがある。本発明者らの実験によれば、このようなガタツキが発生した場合、接続基板791Ybの電極パッド791Yb−1と、ICチップ32Y1f−1の電極パッド32Y1f−1aとに密着不良による導通不良が生じて、両者間での通信に支障をきたることがあった。
【0109】
そこで、具体例のプリンタにおいては、かかる通信不良の発生を抑えるために、接続基板の電極パッド791Yb−1の表面に、導電性スポンジを貼り付けている。
図52は、第2変形例に係るプリンタのY用の保持移動部材に搭載された接続基板791Ybを示す断面図である。同図において、接続基板791Ybに形成された電極パッド791Yb−1の表面には、導電性両面テープ791Yb−2が貼り付けられており、更にこの導電性両面テープ791Yb−2の表面には導電性スポンジ791Yb−3が貼り付けられている。接続基板791Ybの電極パッド791Yb−1は、図53に示すように、その表面上に貼り付けられた導電性両面テープ791Yb−2と導電性スポンジ791Yb−3とを介して、トナー収容器のICチップ32Y1f−1の電極パッド32Y1f−1aに密着せしめられる。そして、導電性スポンジ791Yb−3が厚み方向に自在に変形することで、接続基板791Ybと、トナー収容器の電子基板32Y1fとの距離が多少変動したとしても、ICチップ32Y1f−1の電極パッド32Y1f−1aと、接続基板791Ybの電極パッド791Yb−1との導通状態が良好に維持される。
【0110】
本発明者らは、具体例に係るプリンタにおいて、コイルバネ(799Y)の付勢力によってトナー収容器(32Y)と保持移動部材(790Y)とを容器取り出し方向に勢い良くスライド移動させるときに、トナー収容器(32Y)や保持移動部材(790Y)を意図的にがたつかせる実験を行った。すると、トナー収容器や保持移動部材を大きくがたつかせても、接続基板791Ybの電極パッド791Yb−1と、ICチップ32Y1f−1の電極パッド32Y1f−1aとを良好に導通させて、ICチップ32Y1f−1と読み書き装置791Yとの通信を良好に確保することができた。
【0111】
なお、具体例に係るプリンタにおいては、導電性弾性体として、導電性スポンジ導電性スポンジ791Yb−3を用いたが、無数の導電性起毛からなる導電性ブラシを用いてもよい。また、導電性弾性体を導電性両面テープによって電極パッドの表面上に固定したが、導電性接着剤などによって固定してもよい。また、電電性弾性体を接続基板791Ybの電極パッド791Yb−1の表面上に固定する代わりに、ICチップの電極パッドの表面上に固定してもよい。
【符号の説明】
【0112】
3Y,C,M,K:作像部(作像手段)
31:容器収納部(装着部)
32Y,C,M,K:トナー収容器(粉体収容器)
71Y,C,M,K:トナー収容器挿入口(案内路)
76Y:固定解除レバー(係止部材)
79Y:レバー位置センサ(係止検知手段)
91Y:駆動カップリング(駆動手段の一部)
92Y,C,M,K:駆動モータ(駆動手段の一部)
790Y:保持移動部材(保持移動手段)
799Y:コイルバネ(付勢手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0113】
【特許文献1】特開2009−288274号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を収容する粉体収容器が装着される装着部と、前記装着部に対する前記粉体収容器の着脱操作の際に、前記粉体収容器を装置筺体外部から前記装着部における所定の装着位置に向けて案内したり、その逆に前記装着位置から装置筺体外部に向けて案内したりする案内路と、前記装着位置にある前記粉体収容器に対して駆動力を付与して前記粉体収容器内からの粉体の排出を促す駆動手段と、前記装着位置にある前記粉体収容器の情報記憶手段に対してデータの読込処理及び書込処理を実施するデータ読み書き手段とを有する粉体処理装置において、
前記粉体収容器を前記装着位置に係止するための係止位置と、係止を解除する解除位置との間で移動可能な係止部材と、
前記係止部材について係止位置にあるか否かを検知する係止検知手段とを設けるとともに、
前記係止検知手段が前記係止部材について係止位置にあることを検知している状態から検知しない状態に変化したことに基づいて、前記読込処理及び書込処理を強制停止させる処理を実施するように、前記データ読み書き手段を構成したことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項2】
請求項1の粉体処理装置において、
前記情報記憶手段として、近距離無線通信可能な集積回路からなるものを用いるとともに、
前記データ読み書き手段として、前記集積回路との近距離無線通信を行う通信部を具備するものを用いたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項3】
請求項1の粉体処理装置において、
前記情報記憶手段として、有線通信によって前記データ読み書き手段と通信するものを用いるとともに、
前記装着位置にある前記粉体収容器の情報記憶手段に対して電気接点を介して前記データ読み書き手段を電気的に接続する接続手段を設けたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項4】
請求項3の粉体処理装置において、
前記情報記憶手段として、外部に露出する電極パッドを具備するものを用いるとともに、
前記接続手段として、前記情報記憶手段の電極パッドに対応する電極パッドを具備し、且つ自らの電極パッドと前記情報記憶手段の電気パッドとの接触による電気接点を介して前記データ読み書き手段を前記情報記憶手段に電気的に接続するものを用いたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項5】
請求項4の粉体処理装置において、
前記情報記憶手段として、自らの電極パッドの表面上に導電性弾性体が固定されたものを用いるか、あるいは、前記接続手段として、自らの電極パッドの表面上に導線性弾性体が固定されたものを用い、
前記導電性弾性体を介して、前記情報記憶手段の電極パッドと前記情報記憶手段の電極パッドとを密着させて前記電気接点を形成するようにしたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れかの粉体処理装置において、
前記案内路内に粉体収容器着脱方向に移動可能に配設され、前記データ読み書き手段における少なくとも前記通信部を保持しながら、あるいは、前記接続手段を保持しながら、前記案内路内で粉体収容器着脱方向に移動する保持移動手段を設け、前記案内路内で前記粉体収容器を前記保持移動手段に密着させながら、前記保持移動手段を前記粉体収容器に追従させて着脱方向に移動させるようにしたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項7】
請求項6の粉体処理装置において、
前記係止位置にある前記粉体収容器を前記案内路に向けて付勢する付勢手段を設け、前記係止部材が前記係止位置から解除位置に移動したことに伴って、前記粉体収容器及び前記保持移動手段を前記付勢手段による付勢力で前記係止位置から前記案内路内に向けて押し出すようにしたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかの粉体処理装置において、
前記装着部、前記案内路、前記駆動手段、前記係止部材、及び前記係止検知手段の組合せを複数設けるとともに、それら装着部にそれぞれ装着された複数の前記粉体収容器について、前記装着位置にあるか否かの検知処理、前記読込処理、及び前記書込処理をそれぞれ個別に実施するように、前記データ読み書き手段を構成したことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項9】
粉体たるトナーを収容しているトナー収容器からの粉体の排出を促す粉体処理装置たるトナー処理装置と、前記トナー収容器から補給されたトナーを用いてトナー像を作像する作像手段とを有する画像形成装置において、
前記トナー処理装置として、請求項1乃至8の何れかの粉体処理装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【公開番号】特開2012−118493(P2012−118493A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96787(P2011−96787)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】