説明

粉体移動装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】表面移動部材へ静電的に移動しない粉体も表面移動部材へ移動させることができ、粉体担持体や表面移動部材の磨耗を抑制することができ、かつ、装置の大型化を抑制することができる粉体移動装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム1上の転写残トナーTが、クリーニングニップへ搬送されると、クリーニング電界により、感光体ドラム上の負極性トナーが、EAベルト91へ静電的に移動して、感光体ドラム1から除去される。また、クリーニング電界の影響で、電気粘着効果が発現し、EAベルト表面の粘着性が増加する。これにより、感光体ドラム上の正極性トナー、紙粉、トナーから脱落したシリカなどのトナー添加がEAベルト91に付着して、感光体ドラム1から除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体移動装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真式の画像形成装置では、粉体担持体たる感光体などの像担持体について、転写紙や中間転写体へトナー像を転写した後の表面に付着した不必要な粉体たる転写残トナーはクリーニング装置によって除去している。
このクリーニング装置のクリーニング部材として、構成を簡単にでき、クリーニング性能も優れていることから、短冊形状のクリーニングブレードを用いたものがよく知られている。このクリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどの短冊形状の弾性体で構成されている。そして、クリーニングブレードの基端を支持部材で支持して先端稜線部を像担持体の周面に押し当て、像担持体上に残留するトナーをせき止めて掻き落とし除去する。
【0003】
また、近年の高画質化の要求に応えるべく、重合法等により形成された小粒径で球形に近いトナー(以下、重合トナー)を用いた画像形成装置が知られている。この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて転写効率が高いなどの特徴があり、上記要求に応えることが可能である。しかし、重合トナーは、クリーニングブレードを用いて像担持体表面から除去しようとしても十分に除去することが困難であり、クリーニング不良が発生してしまうという問題を有している。これは、小粒径で且つ球形度に優れた重合トナーが、ブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けるからである。かかるすり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧力を高めてクリーニング能力を高める必要がある。
【0004】
しかしながら、クリーニングブレードの当接圧力を高めると、像担持体とクリーニングブレードとの摩擦力が高まり、クリーニングブレードがめくれたり、先端部の摩耗が速くなったりして、長期に渡って使用できず、高頻度での交換が必要となる。このように従来のゴムブレード方式では、近年の環境負荷低減、および低コスト化の要求水準に達することが困難な状況となった。
【0005】
一方、小粒径化、球形化の進んだトナーを良好に除去する方法として、表面移動部材に像担持体上の転写残トナーを静電的に移動させる粉体移動装置を用いて、クリーニングする方式がある(例えば、特許文献1)。これは、像担持体に当接する導電性の表面移動部材としてのブラシローラにトナーの正規帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)の電圧を印加して、静電的にトナーをブラシローラに移動させ、像担持体上から除去するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
像担持体表面には、トナーから脱落した添加剤(シリカ)や紙粉なども付着する。これら添加剤や紙粉などは、負極性に帯電していないため、ブラシローラへ静電的移動せず、像担持体から除去できない。また、転写残トナーは、転写部での電荷注入により、正規帯電極性と逆極性(正極性)に帯電した逆帯電トナーが生じ、この逆帯電トナーは、ブラシローラへ静電的に移動しないため、除去することができない。
【0007】
このため、従来では、上記ブラシローラへ静電的に移動しない粉体(紙粉、トナー添加剤、逆帯電トナー)を除去するために、ブラシローラの像担持体への当接圧を強くしたり、ブラシローラよりも像担持体移動方向下流にブレードなどを当接させたりして、これら静電移動しない粉体を掻き取ることで除去していた。
【0008】
しかしながら、ブラシローラの像担持体への当接圧を強くして、ブラシローラへ静電的に移動しない粉体を掻き取って除去する場合、表面移動部材たるブラシローラおよび像担持体が早期に磨耗してしまうという課題があった。また、ブラシローラよりも像担持体移動方向下流にブレードなどを当接させて、ブラシローラへ静電的に移動しない粉体を掻き取って除去する場合も、ブレードを像担持体に強い当接圧で当接させる必要があるため、ブレードや像担持体が早期に磨耗してしまうという課題があった。また、ブラシローラよりも像担持体移動方向下流にブラシローラへ静電的に移動しない粉体を除去する手段を別に設けることになるため、装置が大型化するという課題もある。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、表面移動部材へ静電的に移動しない粉体も表面移動部材へ移動させることができ、粉体担持体や表面移動部材の磨耗を抑制することができ、かつ、装置の大型化を抑制することができる粉体移動装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動部材を備え、上記表面移動部材を上記粉体担持体に当接させ、粉体担持体上の粉体を表面移動部材へ移動させる粉体移動装置において、上記表面移動部材として、少なくとも表面が、電気レオロジー粒子を分散して電気粘着効果を生じさせる電気粘着ゲルからなる電気粘着性部材を用い、上記表面移動部材に電圧を印加して、上記表面移動部材と上記粉体担持体との当接部に電界を形成する電界形成手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の粉体移動装置において、上記電気レオロジー粒子を、ゲル中に35Wt%以上、90Wt%以下含有させたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の粉体移動装置において、上記表面移動部材の表面移動速度と、上記粉体担持体の表面移動速度とを異ならせたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの粉体移動装置において、上記粉体担持体は、トナー像を担持する像担持体であり、上記電界形成手段は、上記表面移動部材に、トナーの正規帯電極性と逆極性の電圧を印加したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、像担持体上に形成されたトナー像を該像担持体上から最終的に記録材上へ転写することで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、転写後に上記像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするためのクリーニング装置として、請求項1乃至4いずれかの粉体移動装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、像担持体上に形成されたトナー像を該像担持体上から最終的に記録材上へ転写することで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に構成され、上記像担持担持体と、転写後に上記像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするためのクリーニング装置とを備えたプロセスカートリッジにおいて、上記クリーニング装置として、請求項1乃至4いずれかの粉体移動装置を用いることを特徴とするものである。
【0011】
上記電気粘着効果とは、電界を印加することにより材料表面の粘着性が変化する現象を言う。具体的には、電界を印加することによってゲル中の電気レオロジー粒子が分極し、粒子同士が引き合い、それに伴いゲルが隆起することによって、材料表面の粘着性が変化するのである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当接部に形成される電界によって、粉体担持体上の表面移動部材への印加電圧と逆極性の粉体が、表面移動部材へ静電的に移動する。また、表面移動部材として、少なくともの表面が、電気レオロジー粒子を分散して電気粘着効果を生じさせる電気粘着ゲルからなる電気粘着性部材用いたので、表面移動部材と粉体担持体との当接部に形成された電界によって、電気粘着効果が発現する。電気粘着効果が発現すると、上述したように、ゲルが隆起して表面移動部材の表面の粘着性が増加する。その結果、粉体担持体の粉体が、表面移動部材の粘着力により付着し、表面移動部材へ移動する。これにより、静電的に表面移動部材へ移動しない粉体も表面移動部材へ移動させることができる。その結果、表面移動部材へ静電的に移動しない粉体を粉体担持体から除去する手段を、表面移動部材よりも下流側に設ける必要がなくなり、装置の大型化を抑制することができる。
また、電気粘着ゲルが粉体担持体上の粉体と接触すれば、粘着力により粉体が電気粘着ゲルに付着する。よって、表面移動部材と粉体担持体との当接圧が、表面移動部材へ静電的に移動しない粉体を、掻き取って粉体担持体から除去するものに比べて、弱くても表面移動部材へ静電的に移動しない粉体を、粉体担持体から除去することができる。よって、表面移動部材へ静電的に移動しない粉体を、掻き取って粉体担持体から除去するものに比べて、表面移動部材や粉体担持体の磨耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。
【図2】同プリンタのクリーニング装置と感光体ドラムと示す概略構成図。
【図3】(a)は、図2のD1位置の拡大断面図であり、(b)は、図2のD2位置の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態(以下、実施形態1と呼ぶ)について説明する。
まず、実施形態1に係るプリンタ全体の構成及び動作について説明する。
図1は、実施形態1に係るプリンタ全体の概略構成図である。このプリンタは、図中矢印Aの方向に回転する像担持体であり粉体担持体である感光体ドラム1を備えている。この感光体ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電装置7と、潜像形成手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写装置5、クリーニング手段としてのクリーニング装置9が配置されている。また、転写装置5により転写が行われる転写領域に対して、紙などの記録材Pが搬送される記録材搬送方向(図中矢印Bの方向)の下流側には、記録材P上のトナー像を定着させる定着手段としての定着装置6が配置されている。
【0015】
帯電装置7は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電するものである。この帯電装置7は、帯電部材を感光体ドラム1の表面に接触させ、又は感光体ドラム1の表面と微小な空隙を空けて配置し、これに帯電バイアスを印加することによって感光体ドラム1表面を所望の極性及び所望の電位に一様帯電する。この帯電部材としては、例えば弾性体からなる帯電ローラや、ワイヤー電極とグリッド電極を用いたスコロトロン帯電器などを用いることができる。なお、帯電装置7としては、このような構成に限らず、広く公知のものを利用することができる。
【0016】
露光装置3は、帯電装置7によって帯電された感光体ドラム1の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成するものである。この露光装置3は、例えば、発光素子としてLD(Laser Diode)あるいはLED(Light Emitting Diode)を使用し、一様に帯電された感光体ドラム1表面に対して画像データに基づく光を照射することにより、その感光体ドラム1表面に静電潜像を形成する。なお、露光装置3としては、このような構成に限らず、広く公知のものを利用することができる。
【0017】
現像装置4は、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像を行うものである。この現像装置4は、固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラを内部に有する現像剤剤担持体としての現像ローラ4aを備えている。この現像ローラ4aは、表面に現像剤を担持しながら回転することによって、現像剤を感光体ドラム1と対向する現像領域へ搬送する。実施形態1では、現像剤としてトナーとキャリアからなる二成分現像剤を用い、マグネットローラの磁力により現像領域でキャリアを穂立ちさせてブラシ状にして現像を行う磁気ブラシ現像方式を採用している。なお、現像剤としては、キャリアを用いずにトナーのみからなる一成分現像剤を用いてもよい。上記現像ローラ4aには、現像バイアス電源から現像バイアスが印加される。これにより、現像領域において、現像ローラ4a表面の電位と感光体ドラム1表面の静電潜像部分における電位との間に電位差が生じ、この電位差によって形成される現像電界の作用を受けて、現像剤中のトナーが静電潜像へ付着する。これにより、感光体ドラム1上の静電潜像がトナー像になる。なお、現像装置4としては、このような構成に限らず、広く公知のものを利用することができる。
【0018】
転写装置5は、感光体ドラム1上のトナー像を、図中矢印Bの方向に搬送されてくる記録材P上へ転写するものである。この転写装置5は、転写ローラ等の転写部材を感光体ドラム1の表面に所定の押圧力で接触させ、その転写部材と感光体ドラム1との間に転写ニップを形成する。そして、この転写ニップで記録材Pを挟み込んだ状態で、転写バイアス電源からトナーとは逆極性の転写バイアスを転写部材に印加することによって形成される転写電界により、感光体ドラム1表面上のトナー像を記録材P上へ転写させる。なお、転写部材としては、例えば弾性体からなる転写ローラや転写ベルト、あるいは、ワイヤー電極とグリッド電極を用いたスコロトロン帯電器などを用いることができる。なお、転写装置5としては、このような構成に限らず、広く公知のものを利用することができる。このようにしてトナー像が転写された記録材Pは、定着装置6へ搬送され、ここでトナー像が定着された後、機外へ排出される。
【0019】
クリーニング装置9は、転写されずに感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーを感光体ドラム1の表面から除去するものである。感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング装置内部へ落下し、図示しないトナー搬送機構により廃トナーとして図示しない廃トナーボトルへ搬送され、ここに蓄えられる。このようにして廃トナーボトルに蓄えられた廃トナーは、サービスマンなどにより回収される。なお、クリーニング装置9の内部に落下した転写残トナーを、リサイクルトナーとして現像装置4などに搬送し、再度現像に使用するようにしてもよい。
【0020】
次に、プリンタにおける画像形成動作を説明する。図示しない操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電装置7、現像ローラ4aにそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、露光装置3などにもそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータ(不図示)により感光体ドラム1が図中矢印A方向に回転駆動される。
【0021】
感光体ドラム1が図中矢印A方向に回転すると、まず感光体ドラム表面が、帯電装置7によって所定の電位に帯電される。そして、露光装置3から画像信号に対応した光が感光体ドラム1上に照射され、光が照射された部分の感光体ドラム1上が除電され静電潜像が形成される。
【0022】
静電潜像の形成された感光体ドラム1は、現像装置4との対向部で現像ローラ4a上に形成された現像剤の磁気ブラシで感光体ドラム1表面を摺擦される。このとき、現像ローラ4a上の負帯電トナーは、現像ローラ4aに印加された所定の現像バイアスによって、静電潜像側に移動しトナー像化、つまり現像される。このように、本実施形態では、感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によって、負極性に帯電されたトナーにより反転現像される。本実施形態では、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いた例について説明したが、これに限るものではない。
【0023】
感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、図示しない給紙部から不図示のレジストローラ対のニップ部を経て、感光体ドラム1と転写装置5との間に形成される転写領域に給紙される記録材Pに転写される。このとき、記録材は不図示のレジストローラ対のニップ部で画像先端と同期を取り供給される。また、記録材への転写時には、所定の転写バイアスが印加される。トナー像が転写された記録材は感光体ドラム1から分離され、定着装置6へ搬送される。そして、定着装置6を通過する事により、熱と圧力の作用でトナー像が記録材上に定着されて、記録材は機外に排出される。
【0024】
一方、転写後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置9で転写後の残留トナーが除去された後、除電ランプ(不図示)で除電される。
【0025】
また、本プリンタにおいては、感光体ドラム1と、プロセス手段として帯電装置7、現像装置4、クリーニング装置9などが枠体に収められており、プロセスカートリッジ10として装置本体から一体的に着脱可能となっている。なお、本実施形態では、プロセスカートリッジ10としての感光体ドラム1とプロセス手段とを一体的に交換するようになっているが、感光体ドラム1、帯電装置7、現像装置4、クリーニング装置9のような単位で新しいものと交換するような構成でもよい。
【0026】
次に、本実施形態の特徴点であるクリーニング装置9について説明する。
図2は、クリーニング装置9と感光体ドラム1と示す概略構成図である。
粉体移動装置としてのクリーニング装置9は、張架ローラ92、93に張架された電気粘着ベルト(以下、EA(Electro-Adhesive)ベルトという)91、回収ローラ94、掻き取りブレード95などを有している。表面移動部材としてのEAベルト91は、感光体ドラム1に当接して、クリーニングニップを形成している。クリーニングニップの近傍には、不図示の櫛歯電極が配置されており、櫛歯電極には、電圧印加手段として電源装置96から正極性の電圧が印加されている。感光体ドラム1は、アースされており、これにより、クリーニングニップにクリーニング電界が形成される。回収ローラ94は、EAベルト91の張架ローラ92に巻き付いた箇所に当接しており、不図示の電源装置から正極性の電圧が印加されている。掻き取りブレード95は、回収ローラ94に当接して、回収ローラ94に付着したトナーを掻き落とす。張架ローラ92、93のいずれかは、不図示の駆動モータから駆動力が伝達されて、EAベルト91を回転駆動させる駆動ローラとして機能している。
【0027】
図3(a)は、図2のD1位置の拡大断面図であり、(b)は、図2のD2位置の拡大断面図である。
図3に示すように、EAベルト91は、樹脂やゴムなどの基材ベルト表面に電気粘着ゲルを厚み200〜1000μmでコーティングしたもので、電気粘着ゲルは、電気レオロジー粒子901(以下、ER粒子という)が分散された液状の電気絶縁性媒体902をゲル骨格に保持したものである。液状電気絶縁性媒体902は、シリコーンオイル、塩化ジフェニル、トランスオイルなどの液状電気絶縁性媒体が挙げられ、特に、電気絶縁性、物理的・化学的安定性、難燃性などに優れるシリコーンオイルが好適である。電気絶縁性媒体902の粘度は25℃において1〜10万mm/s、特に、5〜1,000mm/sが好ましい。
【0028】
液状電気絶縁性媒体中に分散したER粒子901としては、シリカゲル、セルロース、でんぷん、ポリスチレン系イオン交換樹脂のように粒子の表面に液体を吸着保存する固体粒子やカーボン粒子などが挙げられる。特に、好ましいのは、例えば、特開2001−26793号公報に記載されているような、有機高分子化合物の芯材と電気半導性無機物粒子の表層とからなる複合型粒子である。
【0029】
電気粘着ゲル中のER粒子901の含有量は、35〜90Wt%が好ましい。ER粒子901の含有量が、35wt%未満の場合、ゲル成分が多くなるため、電界の有無に関わらず電気粘着ゲル表面の粘着性が高い状態となり、電気粘着ゲル表面に付着したトナーを除去するのが困難となってしまう。一方、90wt%を越える場合は、ER粒子901の量が多くなるため、電界を掛けても電気粘着ゲル表面のゲル成分の増加量が少なく、十分な電気粘着効果が得られず、粘着性が十分に高まらない。
【0030】
ER粒子を含有した電気絶縁媒体を保持するゲル骨格としては、電気絶縁性のものが好ましく、ハイドロジェンシリコーンおよび不飽和基化合物のヒドロシリル化反応によって得られるポリシロキサン架橋体などを用いることができる。
【0031】
感光体ドラム1上の粉体としての転写残トナーTが、クリーニングニップへ搬送されると、クリーニング電界により、感光体ドラム上のトナーの正規帯電極性に帯電した負極性トナーが、EAベルト91へ静電的に移動して、感光体ドラム1から除去される。また、クリーニング電界の影響で、電気粘着効果が発現する。具体的に説明すると、クリーニング電界の影響により、電気絶縁性媒体902に分散したER粒子901が分極し、互いに引き付け合う。その結果、ゲル状表面のER粒子901が、内部へ移動し、表面付近のゲルが隆起する。これにより、クリーニングニップで、EAベルト表面の粘度が低下し、粘着性が増加するのである。このように、クリーニングニップで、EAベルト91の粘着性が増加することにより、感光体ドラム上のトナーの正規帯電極性と逆極性に帯電した正極性トナーが、EAベルト91に付着して、感光体ドラム1から除去される。また、感光体ドラム1には、トナーから脱落したシリカなどのトナー添加剤や紙粉などが付着するが、これら付着物もEAベルト91の粘着力により、EAベルト91に付着して、感光体ドラム1から除去される。
【0032】
EAベルト表面に印加する電圧値Vは、100V<V<3000V、より好ましくは、500≦V≦1500Vである。100V以下だと、十分なER粒子901の移動が起きず、クリーニングニップでEAベルト91表面の粘性が十分に低下しない。一方、3000V以上だと、リークが発生し、EAベルト91が破壊されてしまう。また、印加電圧は、電気粘着ゲルの厚みに応じて適正値がある。これは電場としても定義でき、0.5kV/mm以上10.0kV/mm未満、より好ましくは1.5kV/mm以上7.5kV/mm以下となるよう、印加電圧を設定することで、より高い電気粘着効果を得ることが可能となる。
【0033】
また、電気粘着ゲルの厚みは、上述したように200μm以上、好ましくは200μm以上1,000μm以下である。電気粘着ゲルの厚みが200μmより薄いと、ER粒子901に対しての電気粘着ゲルの厚みが充分でなくなるため、ER粒子901の分散状態が悪化する。その結果、電気粘着ゲルの強度が低下し、粉体担持体たる感光体ドラム1との速度差を持たせたニップにおける耐久性が確保できない。また、電気粘着ゲルが1,000μmより厚くなると肉厚や表面粗さの精度を高くすることが困難となるため感光体ドラム1とのニップが不均一となりやすい他、材料コスト、および電圧印加のための電源コストが嵩むなど、実用的ではなくなる。
【0034】
このように、本実施形態においては、クリーニングニップにおいて、負極性トナーを静電的に感光体ドラム1からEAベルト91へ移動させるとともに、正極性トナー、トナー添加剤や紙粉も感光体ドラム1からEAベルト91へ移動させることができる。よって、正極性トナー、トナー添加剤や紙粉を感光体ドラム1から除去する手段をクリーニングニップよりも感光体移動方向下流側に設ける必要がなく、装置の大型化や、部品点数の増大を抑制することができる。また、EAベルト91の粘着力により、正極性トナーやトナー添加剤を感光体ドラム1から除去するので、従来のように、正極性トナー、トナー添加や紙粉を感光体ドラム1から掻き取ることで、除去する場合に比べて、弱い当接圧でも、正極性トナーやトナー添加剤を感光体ドラム1から除去することができる。よって、正極性トナー、トナー添加や紙粉を感光体ドラム1から掻き取ることで、除去する場合に比べて、感光体ドラム1、EAベルト91の磨耗を抑制することができる。
【0035】
EAベルト91に付着した、正極性および負極性の転写残トナー、トナー添加物及び紙粉などの付着物は、回収ローラ94との当接部へ搬送される。回収ローラ94に正極性の電圧を印加し、張架ローラ92をアースすることにより、回収ローラ94とEAベルト91との間に回収電界が形成される。この回収電界により、EAベルト91上の負極性トナーが、回収ローラ94へ静電的に移動し、EAベルト91から回収される。回収ローラ94に付着した負極性トナーは、掻き取りブレード95により掻き取られ、回収ローラ94から除去される。このように、回収ローラ94でEAベルト上の負極性トナーを静電的に除去することで、EAベルト91にブレードを当接して、EAベルト上の付着物を掻き取ることで除去する場合に比べて、EAベルト91の磨耗を抑制することができる。
【0036】
一方、回収ローラ94に付着しなかったEAベルト91上の正極性トナー、トナー添加物や紙粉などは、回収ローラ94との当接部を通過した後、自重でEAベルト91から落下し、EAベルト91から除去される。これは、回収ローラ94との当接部を抜けたEAベルト91は、電界の影響がなくなるため、内部へ移動したER粒子901が再び表面付近へ移動するため、表面の粘度が増し、粘着性が低下する。その結果、EAベルト91に付着した正極性トナー、トナー添加物や紙粉が、EAベルト91から自重で落下するのである。なお、EAベルト91に多少トナーなどが残っていても、クリーニングニップでは、EAベルト91の粘着性が増加しているため、EAベルト91に残留したトナーなどが感光体ドラム1に再付着することはない。また、回収ローラ94と掻き取りブレード95とをなくして、負極性トナーも自重で落下させて、EAベルト91から除去してもよい。
【0037】
また、紙詰まりが生じた場合、クリーニングニップに記録材に転写されていない未転写のトナー像が入力される場合がある。この未転写のトナー像は、複数のトナー層となっている場合がある。このとき、クリーニングニップにおける感光体ドラム1の表面速度とEAベルト91の表面速度とが同じ速度の場合、上層のトナーは、EAベルト91により良好に除去することできるが、下層のトナーをEAベルト91で除去することができない。よって、EAベルト91の表面速度と感光体ドラム1の表面速度とを異ならせることが好ましい。EAベルト91の表面速度と感光体ドラム1の表面速度とを異ならせることにより、感光体ドラム上の複数層のトナーを良好に除去することができる。
【0038】
また、本実施形態においては、表面移動部材として、EAベルト91を用いたが、表層が電気粘着ゲルからなるEAロールを用いてもよい。EAロールの構成としては、金属、樹脂、ゴムなどの芯体の表面に櫛歯電極を配置する。その上に電気粘着ゲルを200〜1,000μmの厚さで形成することで、EAロールを得ることができる。櫛歯電極に電圧を印加すると、アースされた感光体ドラムとの当接部で電界が形成されることで、感光体ドラム状の負極性トナーが静電的にEAロール表面へ移動する。また、アースされた感光体ドラムとの当接部で電界が形成されることで、電気粘着効果が発現し、EAロール表面の粘着性が増加して、逆帯電トナーや紙粉など、静電的にEAロールへ移動しない粉体が、EAロールに吸着する。
【0039】
また、本実施形態では、EAベルト91に正極性の電圧を印加して、感光体ドラム上の負極性トナーを静電的にEAベルト91へ移動させているが、EAベルト91に負極性の電圧を印加して、感光体ドラム上の正極性トナーを静電的にEAベルト91へ移動させてもよい。この場合は、負極性トナーが、電気粘着効果により粘着性が増したEAベルトの粘着力により感光体ドラムから除去される。
【0040】
次に、本発明者らが行った検証実験について説明する。
検証実験は、プリンターのプロセスカートリッジを模した単体試験機によって行った。
【0041】
[電気粘着ゲルの作製]
アクリル粒子の表面に導電性酸化スズ・酸化チタン等をコーティングしたER粒子50g、粘度100cStのジメチルシリコーンオイル34g、ハイドロゲンシリコーンとアセチレンを混合した不飽和化合粒16g、白金触媒少量を混合して、電気粘着ゲルを作製した。
【0042】
[EAロールの作製]
SUSロールの表面に櫛歯電極を配し、その表面に電気粘着ゲルを均一な厚さとなるよう塗布する。これを100℃の電気炉に2時間投入し硬化させる。取り出して余熱除去後、残留オイル成分を除去し、性状が安定するまで3日間、通常環境にて放置し、EAロールを完成させた。
【0043】
[EAベルトの作製]
PIベルトの基材に電気粘着ゲルを均一な厚さとなるよう塗布し、実施例1と同様にしてEAベルトを作製した。
【0044】
[実施例1]
電気粘着ゲルを300μmの厚みに形成した上記EAローラを、クリーニング部材として単体試験機に取り付け、櫛歯電極に1000Vの電圧を印加しながら、感光体ドラム1の回転速度に対し95%の速度で回転させつつ感光体に当接させた。
[実施例2]
上記EAローラを、電気粘着ゲルを300μmの厚みに形成したEAベルトにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例3]
櫛歯電極への印加電圧を500Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例4]
櫛歯電極への印加電圧を1,500Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例5]
電気粘着ゲルの厚みを200μm、櫛歯電極への印加電圧を500Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例6]
電気粘着ゲルの厚みを200μmにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例7]
電気粘着ゲルの厚みを200μm、櫛歯電極への印加電圧を1,500Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例8]
電気粘着ゲルの厚みを500μm、櫛歯電極への印加電圧を750Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例9]
電気粘着ゲルの厚みを500μm、櫛歯電極への印加電圧を1,500Vにした以外は、実施例1と同じである。
[実施例10]
電気粘着ゲルの厚みを1,000μm、櫛歯電極への印加電圧を500Vにした以外は、実施例1と同じである。
【0045】
[比較例1]
ウレタンゴムからなる板状のクリーニングブレード(東洋ゴム工業製 T7050材質)をクリーニング部材として単体試験機に取り付け、感光体に当接させた。
[比較例2]
導電性繊維ブラシを備えたクリーニングブラシローラをクリーニング部材として単体試験機に取り付け、500Vの電圧を印加しながら、感光体ドラム1の回転速度に対し95%の速度で回転させつつ感光体に当接させた。
[比較例3]
櫛歯電極への印加電圧を100Vにした以外は、実施例1と同じである。
[比較例4]
櫛歯電極への印加電圧を3000Vにした以外は、実施例1と同じである。
[比較例5]
電気粘着ゲルの厚みを2,000μm、櫛歯電極への印加電圧を2,000Vにした以外は、実施例1と同じである。
[比較例6]
電気粘着ゲルの厚みを100μm、櫛歯電極への印加電圧を500Vにした以外は、実施例1と同じである。
【0046】
検証実験は、実験室環境:21[℃]・65[%RH]で、以下の項目を評価した。
[評価項目]
・クリーニング率
・クリーニング部材の磨耗率
【0047】
クリーニング率は、粒径4μmの転写残トナーをクリーニングさせたときのクリーニング率を測定した。クリーニング率は感光体上のクリーニングニップを通過したクリーニング残トナーを「すり抜けキャッチャー」で回収して、算出した。転写残トナーを、クリーニングせずにキャッチャーに付いたトナー量をw、クリーニング装置でクリーニングした後にキャッチャーに付いたトナー量をwとを測定する。そして、クリーニング率:(w−w)/w(%)を算出した。キャッチャーに付着したトナーが少量の場合は、KEYENCE VH−100によるキャッチャー表面観察により、トナー量を測定する。キャッチャーに付着したトナーが多量の場合は、キャッチャーの秤量によって測定する。
【0048】
磨耗率は、使用前のクリーニング部材と、1時間空回した後のクリーニング部材とを比較して算出した。具体的には、摩耗率は使用前後のクリーニング部材厚みの測定結果から算出する。クリーニング部材をセットした時点の厚みtμm、1時間空回した後の厚さtμmを測定する。そして、磨耗率:(t−t)/t(%)を算出する。
【0049】
【表1】

【0050】
クリーニング部材として、クリーニングブレードを用いた比較例1は、クリーニング率が98%であり、わずかではあるが、クリーニング不良が生じた。これは、トナーが4μmと小粒径のため、ブレードに堰き止められたトナーの一部が、ブレードと感光体ドラムとの間に形成される僅かな隙間をすり抜けたためと考えられる。また、比較例1においては、磨耗率が15%となっており、ブレードが大きく磨耗していた。これは、良好なクリーニング性を得るためブレードと感光体ドラムとの当接圧を高めているため、ブレードが大きく磨耗したと考えられる。
【0051】
クリーニング部材として、クリーニングブラシローラを用いた比較例2は、良好なクリーニング性は、得られたが、磨耗が確認された。これは、クリーニングブラシローラで逆帯電トナーなどを掻き取るために、感光体ドラムとの当接圧を高めているため、クリーニングブラシが大きく磨耗したと考えられる。
【0052】
一方、EAローラやEAベルトをクリーニング部材として用いた実施例は、良好なクリーニング性が得られ、磨耗も確認されなかった。電気粘着ゲルを用いることにより、逆帯電トナーなどを電気粘着ゲルの粘着力により除去するので、比較例2のように、掻き取って除去する場合に比べて、感光体との当接圧が弱くても、逆帯電トナーなどを電気粘着ゲルに吸着させて除去することができる。これにより、良好なクリーニング性を確保しつつ磨耗を抑制することができた。
【0053】
また、印加電圧を100Vにした比較例3においては、クリーニング電界が十分でないため、感光体上の負極性トナーが、静電的にEAロールに移動しなかった。また、電気粘着効果も発現しなかったため、粘着性が増加せず、逆帯電トナーもEAローラに付着しなかったので、クリーニング率10%と、悪い結果となってしまった。また、印加電圧を3000Vにした比較例4においては、電気粘着ゲルがリーク破壊を起こしてしまった。
【0054】
また、電気粘着ゲルの厚みを2000μmにした比較例5においては、電気粘着ゲルの厚みが厚すぎたため、ニップが不均一となり、感光体ドラムとの間に隙間を有する箇所や、当接圧が高くなりすぎる箇所などが生じ、クリーニング性が85%となり、また、EAローラが磨耗してしまったと考えられる。また、電気粘着ゲルの厚みを100μmにした比較例6においては、電気粘着ゲルの厚みが薄すぎたため、十分な耐久性が得られず、EAローラが大きく磨耗してしまったと考えられる。
【0055】
以上、本実施形態の粉体移動装置たるクリーニング装置によれば、表面移動部材として、表面が電気粘着効果を発現する電気粘着ゲルからなる電気粘着性部材としてのEAベルトを用い、EAベルトに電圧を印加して、EAベルトと粉体担持体たる感光体ドラムとの当接部に電界を形成する電界形成手段(櫛歯電極と電源96)を備えている。EAベルトと感光体ドラムとの当接部の電界の影響で、感光体ドラムのEAベルトへの印加電圧の極性と逆極性の粉体たるトナーが、静電的に移動する。また、EAベルトと感光体ドラムとの当接部の電界の影響で、電気粘着効果が発現し、EAベルト表面の粘着性が増加する。これにより、感光体ドラムのEAベルトへの印加電圧の極性と同極性のトナーや、帯電していない粉体(紙粉やトナー添加剤)が、EAベルトの粘着力により感光体から移動する。これにより、感光体ドラム上の粉体を、粉体の帯電極性に関係なく、EAベルトへ移動させることができ、良好なクリーニング性を得ることができる。また、感光体ドラム1のEAベルト91へ静電的に移動しない粉体を除去する部材を別に設ける必要がなくなり、装置の大型化を抑制でき、また、部品点数の増加を抑制することができ、低コスト化を図ることができる。また、また、感光体ドラム1のEAベルト91へ静電的に移動しない粉体を掻き取って除去する場合に比べて、感光体や表面移動部材の磨耗を抑制することができる。
【0056】
また、電気レオロジー粒子(ER粒子)902を、ゲル中に35Wt%以上、90Wt%以下含有させることにより、クリーニング電界が形成されているときのみ、粘着性を増加させることができる。
【0057】
また、EAベルトの表面移動速度と、感光体の表面移動速度とを異ならせることで、感光体表面の層状に形成されたトナーをEAベルトにより良好に除去することができる。
【0058】
また、EAベルトに、トナーの正規帯電極性と逆極性の電圧を印加することによって、感光体上の正規帯電極性に帯電したトナーを静電的にEAベルトへ移動させることができる。
【0059】
また、EAベルトへの印加電圧をVとしたとき、100V<V<3000Vの関係を満たすことで、感光体ドラム上のトナーをEAベルトへ良好に移動させることができ、かつ、EAベルトがリーク破壊するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1:感光体ドラム
9:クリーニング装置
10:プロセスカートリッジ
91:EAベルト
94:回収ローラ
95:掻き取りブレード
96:電源装置
901:ER粒子
902:電気絶縁性媒体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【特許文献1】特開2002−351279号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面移動部材を備え、上記表面移動部材を上記粉体担持体に当接させ、粉体担持体上の粉体を表面移動部材へ移動させる粉体移動装置において、
上記表面移動部材として、少なくとも表面が、電気レオロジー粒子を分散して電気粘着効果を生じさせる電気粘着ゲルからなる電気粘着性部材を用い、
上記表面移動部材に電圧を印加して、上記表面移動部材と上記粉体担持体との当接部に電界を形成する電界形成手段を備えたことを特徴とする粉体移動装置。
【請求項2】
請求項1の粉体移動装置において、
上記電気レオロジー粒子を、ゲル中に35Wt%以上、90Wt%以下含有させたことを特徴とする粉体移動装置。
【請求項3】
請求項1または2の粉体移動装置において、
上記表面移動部材の表面移動速度と、上記粉体担持体の表面移動速度とを異ならせたことを特徴とする粉体移動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの粉体移動装置において、
上記粉体担持体は、トナー像を担持する像担持体であり、
上記電界形成手段は、上記表面移動部材に、トナーの正規帯電極性と逆極性の電圧を印加したことを特徴とする粉体移動装置。
【請求項5】
像担持体上に形成されたトナー像を該像担持体上から最終的に記録材上へ転写することで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
転写後に上記像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするためのクリーニング装置として、請求項1乃至4いずれかの粉体移動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
像担持体上に形成されたトナー像を該像担持体上から最終的に記録材上へ転写することで、該記録材上に画像を形成する画像形成装置に着脱自在に構成され、上記像担持担持体と、転写後に上記像担持体上に残留した転写残トナーをクリーニングするためのクリーニング装置とを備えたプロセスカートリッジにおいて、
上記クリーニング装置として、請求項1乃至4いずれかの粉体移動装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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