説明

粉末または流体のディスペンサ装置に用いられるインジケータ

粉末または流体用のディスペンサ装置のためのインジケータであって、インジケータシステムを有し、前記インジケータシステムは、視界窓(60)を備えたカバー(1)と、軸を中心に回転する第1のインジケータ部材(2)であって、第1のインジケータ手段(120,121,125)を有する前記第1のインジケータ部材(2)と、軸を中心に回転する第2のインジケータ部材(5)であって、第2のインジケータ手段(50)を有する前記第2のインジケータ部材(5)と、そして、前記第1および第2のインジケータ部材(2,5)を相互接続させる相互接続部材(3)であって、その相互接続の様態は、予め決められた駆動回数に達するまでの初期の間は前記2つのインジケータ部材(2,5)のうち一方が有するインジケータ手段(120,121;50)が前記視界窓(60)に見えており、当該予め決められた駆動回数より後は、前記2つのインジケータ部材(2,5)のうち他方が有するインジケータ手段(50;120,121)が前記視界窓(60)に見えるというものである、という前記相互接続部材(3)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインジケータ、より具体的には流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータに関し、これは、前記装置の貯蔵器から投与されたドーズの数または未投与のドーズの数をユーザに示すためのものである。
【背景技術】
【0002】
こうしたインジケータ(例えばドーズカウンタの場合もありうる)の使用は従来技術でも公知である。こうした装置に関して問題が生じるのは、定量噴霧式吸入器(MDI:Metered Dose Inhaler)の型のディスペンサ装置と共に用いられる場合である(MDI型の装置とは、流体または粉末および推進ガスを格納した貯蔵器と、前記貯蔵器に設置された定量弁とを有するエアロゾル型の装置である)。具体的には、まずカウンタの寸法に関する問題がある。通常、こうしたMDI型装置はドーズ数が大きく(例えば200ドーズ)、カウンタまたはインジケータの寸法を可能な限り小さくすること、そして、ユーザが投与済みドーズ数または未投与ドーズ数を正確に読み取れるようにすることを同時に目指す。このことが重要となるのは、高齢者や子供で、数字が非常に小さいと読み取りにおける困難が大きくなる、という人たちが使用する薬剤の場合である。円形の(すなわち、回転部材を有する)型のインジケータまたはカウンタがすでに提案されており、こうしたシステムであれば、小型であること、という条件は満たすことができる。しかしながら、大きな数のドーズをカウントするのに適したものにしようとすれば、それらは一般に製造が複雑となり、動作中に前記カウンタから横方向または縦方向にはみ出してしまうようなインジケータ部材を使用する必要が生じる。そうすると、装置の貯蔵器の底面部に当該カウンタを固定することは不可能である。加えて、カウンタを貯蔵器の側面に設置する場合は、通常、カウンタの動作中に部材を収容できるようにする目的で、比較的広いギャップを設ける必要がある。
【0003】
さらに、既存のカウンタやインジケータは、投与済みドーズ数または未投与ドーズ数を最初から最後まで一定の同じやり方でカウントする。しかし残念ながら、ドーズカウンタの必須の機能は、ユーザの手に空の装置がそれと知らされないまま残る、という事態を回避することである。そのため、特に重要なのは、残りの最後の数ドーズ分のカウントということになる。これによって、装置の製品寿命の終わりが近いことがユーザに通知されるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題の生じないインジケータ(特にドーズカウンタ)を提供することを目的とする。
さらに具体的に言えば、本発明は以下の特徴を有するインジケータを提供することを目的とする。すなわち、単純かつ小型であることにより製造および組立が安価であること、動作に確実性および信頼性があること、そして、対象の粉末または流体用ディスペンサ装置の種類に関わりなく貯蔵器の特に底面または側面に配置できること、である。
【0005】
また、本発明は、投与済みドーズ数または未投与ドーズ数を漸進的に示すものであって、装置が製品寿命の終わりに近づいたタイミングでは特に明瞭な形でユーザに通知する、というインジケータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明が提供するのは、粉末または流体用のディスペンサ装置のためのインジケータであって、インジケータシステムを有し、前記インジケータシステムは、視界窓を備えたカバーと、軸を中心に回転する第1のインジケータ部材であって、第1のインジケータ手段を有する前記第1のインジケータ部材と、軸を中心に回転する第2のインジケータ部材であって、第2のインジケータ手段を有する前記第2のインジケータ部材と、そして、前記第1および第2のインジケータ部材を相互接続させる相互接続部材であって、その相互接続の様態は、予め決められた駆動回数に達するまでの初期の間は前記2つのインジケータ部材のうち一方が有するインジケータ手段が前記視界窓に見えており、当該予め決められた駆動回数より後は、前記2つのインジケータ部材のうち他方が有するインジケータ手段が前記視界窓に見えるというものである、という前記相互接続部材と、を有する、という前記インジケータである。
【発明の効果】
【0007】
また、前記相互接続部材は、具体的には並進移動の形で、前記第1および第2のインジケータ部材の間で移動可能であること、とするのが効果的である。
また、前記第1および第2のインジケータ部材は回転ディスクであり、前記相互接続部材は、並進方向のガイドを実現するためのガイド手段の中に収容される薄いプレートであること、とするのが効果的である。
【0008】
また、第1の変形例では、前記ガイド手段は、前記第1および第2のインジケータ部材の間に配置されたガイドディスクによって形成されていること、とする。
また、第2の変形例では、前記ガイド手段はカバーによって形成されていること、とする。
また、前記相互接続部材は、第1のインジケータ部材と協働する1つ以上の第1の突起と、第2のインジケータ部材と協働する1つ以上の第2の突起とを有すること、とするのが効果的である。
【0009】
また、前記第1の突起は、第1のインジケータ部材に設けられたスロット、グルーブまたはレールと協働し、そして、前記第2の突起は、第2のインジケータ部材に設けられたガイドスロット、ガイドグルーブまたはガイドレールと協働すること、とするのが効果的である。
また、第2のインジケータ部材の前記ガイドグルーブは、中心かららせん状に近い形で延びた第1の部分と、前記第2のインジケータ部材の周縁部において円形に近い形で延びた第2の部分とを有し、前記インジケータ部材を回転させると、前記相互接続部材は並進の形で移動し、当該並進移動の最後で、前記第2の突起はガイドグルーブの前記円形の第2の部分と協働する状態になること、とするのが効果的である。
【0010】
また、相互接続部材が何らかの形で移動することにより第1のインジケータ部材が回転させられること、とするのが効果的である。
また、前記第1のインジケータ部材の回転方向において、前記第1のインジケータ部材は第1のインジケータ手段を有し、その後に窓が続くこと、とするのが効果的である。
また、前記第2のインジケータ部材は、具体的には数字および/または記号の形で、第2のインジケータ手段を有すること、とするのが効果的である。
【0011】
また、前記第2のインジケータ手段は前記第2のインジケータ部材の周縁に配置されていること、とするのが効果的である。
また、初期状態では、第1のインジケータ部材の前記第1のインジケータ手段がカバーの前記視界窓に見えており、この初期状態は、窓とカバーの視界窓との位置がそろって第2のインジケータ部材の第2のインジケータ手段が前記2つの窓を通して見える状態になるのに充分なだけ前記第1のインジケータ部材が回転するまでの間であること、とするのが効果的である。
【0012】
また、前記カバーと前記第1のインジケータ部材とは第2のインジケータ部材の中心軸方向ピンに設置されており、前記相互接続部材は前記ピンを通す長手開口部を有すること、とするのが効果的である。
また、駆動のたびに前記第2のインジケータ部材を回転させるように作られたアクチュエータ手段を更に有すること、とするのが効果的である。
【0013】
本発明はさらに、粉末または流体用のディスペンサ装置であって、貯蔵器と、前記貯蔵器上に組み付けられたポンプまたは弁などのディスペンサ部材とを有し、上で述べたようなインジケータを有する、という前記装置を提供する。
また、第1の実施の形態では、前記インジケータは、貯蔵器のうち前記ディスペンサ部材から遠い方にある下側壁に留められていること、とする。
【0014】
また、第2の実施の形態では、前記インジケータは前記貯蔵器の側面に配置されていること、とする。
本発明に関する他の特徴および効果は、添付図面を参照しながら、非限定的な例として示す以下の詳細な説明を読めばさらに明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1乃至4を参照する。これら図面は本発明のインジケータに関わる特定の実施の形態を示す。当然のことながら、この実施の形態は単に具体例として示すものであり、本発明を限定するものではない。おおまかな形として、インジケータは視界窓60を備えたカバー1を有し、その内部にいくつかの部材が収容されている。これら部材については、以下の部分でさらに詳細に説明する。まず、インジケータを駆動するためのアクチュエータ手段が設けられているが、当該アクチュエータ手段はどんな種類でもよい。本発明はアクチュエータ手段の種類、形状や機能には関わりがない。図に示す実施の形態でのアクチュエータ手段は、2つの弾性タブ7、8を備えたドライブ部材6を有し、これらタブは、以下の部分で説明するように、インジケータの一部を回転させるように作られている。当然のことながら、他のドライブやアクチュエータ手段を考えることもできる。
【0016】
以下、図8、9を短く参照する。これら図面が示すのは、本発明のインジケータを組み入れた粉末または流体用のディスペンサ装置に関する2つの異なる実施の形態である。図8の実施の形態における装置は、ディスペンサ部材100が組み付けられた貯蔵器10を有し、インジケータは前記貯蔵器10のうち前記ディスペンサ部材100から離れた底面壁に配置されている。図9におけるインジケータは前記貯蔵器10の側面に配置されている。従って、留意すべき点として、本発明のインジケータの場合、所望の位置(貯蔵器10の底面部を含む)に単純なやり方でインジケータを非常に容易に配置することができ、それが貯蔵器本体の周の外にはみ出ることがない。ここでも、インジケータについて別の位置を考えることができる。図8、9は一例として示したにすぎない。
【0017】
以下の説明では、インジケータのインジケータシステムについて詳細な形で述べるが、粉末または流体用ディスペンサ装置の他の構成部材の詳細には立ち入らない。
ここで再び図1乃至4を参照する。インジケータは第1のインジケータ部材2と第2のインジケータ部材5とを有し、第1のインジケータ部材は第1のインジケータ手段120、121を、第2のインジケータ部材は第2のインジケータ手段50を有する。
【0018】
さらに詳細を言えば、第1のインジケータ部材2は、中心に穴127を有し、ユーザに識別可能な2つのセクタ120、121を備える、という回転ディスクの形で作ることができる。一例として、セクタ120、121を別々の色とすることが可能だが、ユーザの目に見えて識別可能であるなら、それ以外のインジケータ手段を考えることもできる。前記第1のインジケータ部材2の回転方向において、第1のインジケータ手段120、121の後に窓125が続いている。さらに、インジケータ部材2は、以下に説明するような機能を有したレール、グルーブまたはスロット126も有している。
【0019】
また、第2のインジケータ部材5も、効果的な構成として回転ディスクの形で作られており、その一方の側には、インジケータのアクチュエータ手段と協働する歯のセット9を有している。そうして、インジケータが組み付けられた流体ディスペンサ装置が駆動されるたびに、ドライブ手段が、歯のセット9と協働する形で第2のインジケータ部材5を回転させる。第2のインジケータ部材5は、その反対側に第2のインジケータ手段50を有し、当該手段50は、図に示す実施の形態では、50から0へと進む数字によって形成されている。効果的な構成として、数字は、前記第2のインジケータ部材5の周縁に沿って配置されているが、その理由は後で述べる。前記第2のインジケータ部材5はさらに、中心軸ピン157と、ガイドグルーブ、ガードスロットまたはガイドレール158の形で作られたプロフィールとを有する。ガイドグルーブ158は、好ましい構成として2つの部分に分かれている。第1の部分は前記第2のインジケータ部材5の中心から螺旋状に延びており、ほぼ円形の第2の部分につながっている。そして当該第2の部分は前記第2のインジケータ部材5の周縁に近いところを延びている。
【0020】
前記第1、第2のインジケータ部材2、5の間には相互接続部材3が配置されている。相互接続部材3は、好ましい構成として、ガイド手段149内に収容される薄いプレートの形に作られている。当該ガイド手段は並進方向でのガイドを実現するものであり、これによって、相互接続部材3は、前記第1、第2のインジケータ部材2、5の回転軸に対して垂直となる方向に、並進の形で移動させられることになる。効果的な構成として、並進方向のガイドを実現するガイド手段149は、図1乃至4に示すように、前記第1、第2のインジケータ部材2、5の間に挟まれたガイドディスクに形成することができる。この構成において、ガイドディスク4はさらに、視界窓145、ならびに中心穴147、そして、ほぼ径方向に延びた開口部144を有する。当該開口部144は、前記相互接続部材3の移動を可能にするように作られている。変形例では、並進方向のガイドを実現するガイド手段149を、カバー1に直接的に形成することも考えられる。
【0021】
本発明において、相互接続部材3は前記第1および第2のインジケータ部材2、5を以下のような形で相互接続させている。すなわち、予め決められた駆動回数に達するまでの初期の間は、第1のインジケータ部材2が有するインジケータ手段120、121が視界窓60に見え、当該予め決められた駆動回数の後は、カバー1の同視界窓60に見えるのは第2のインジケータ部材5が有するインジケータ手段50となる、という形である。言うまでもなく、変形例として、第1および第2のインジケータ部材2、5の立場を逆転させてもよい。その場合、第2のインジケータ部材5が有するインジケータ手段が最初に見えて、その後に第1のインジケータ部材2が有するインジケータ手段が続く。
【0022】
図に示す実施の形態における相互接続部材3は、第1のインジケータ部材2に設けられたスロット126と協働する第1の突起130を有する。加えて、相互接続部材3は、図3に見られるように、第1の突起130とは反対の側に配置された第2の突起131も有しており、当該第2の突起131は第2のインジケータ部材5のガイドグルーブ158と協働する。図面に示す実施の形態では、第2の突起131はガイドディスク4の径方向開口部144を通る。図4は、図1乃至3のインジケータを組立後の状態で示している。留意すべき点として、インジケータ部材2およびカバー1は、第2のインジケータ部材5の中心軸方向ピン157上に設置され、当該ピンは第1のインジケータ部材2の中心穴127を通過して、カバー1の底面部に設けられた止まり穴107に収まる。相互接続部材3は、ピン157を通すことのできる長手開口部136を有し、これにより前記相互接続部材は、中心ピン157を基準に並進の形でスライド移動することができる。加えて、ガイドディスク4を使用する場合は、前記ガイドディスクも、その中心穴147を通す形で前記中心ピン157を中心に組み立てられる。
【0023】
インジケータが組み付けられた時点では、相互接続部材3の一方の側にある第1の突起130は、第1のインジケータ部材2のスロット126の中に配置されている。また、相互接続部材3の第2の突起131は第2のインジケータ部材5の前記ガイドグルーブ158に配置されており、その位置は、前記グルーブ158のうち中心から螺旋状に延びた第1の部分の端である。ユーザがインジケータを駆動する際、第2のインジケータ部材5は、中心ピン157と平行な(より具体的に言えば「一致する」)軸を中心に回転する。この回転運動によって、相互接続部材3は並進の形で移動させられるが、それは、第2の突起131が第2のインジケータ部材5のグルーブ158の螺旋部分に収容されていたことの結果であり、相互接続部材3がガイド手段149と協働して並進方向へのガイドを実現したことの結果である。相互接続部材3のこうした並進移動によって、第1のインジケータ部材2は回転させられるが、それは、相互接続部材3の第1の突起130と第1のインジケータ部材2のスロット126との間の協働の結果である。次いで、図5乃至7を参照する。見て取れるように、図5には、インジケータの初回使用前の時点でユーザの目に見えるディスプレイの状態が示されている。カバー1の視界窓60に見えているのは、第1のインジケータ部材2に設けられた第1のセクタ120である。ユーザがインジケータを駆動する際、第1のインジケータ部材2は、第2のインジケータ部材5の中心のピン157を中心に、前記カバー1に対して回転する。これを図6に示しているが、同図には、ディスペンサに格納されたドーズの約半分が投与済みとなった後の段階でユーザの目に見えるディスプレイの状態が示してある。相互接続部材3の第2の突起131がガイドグルーブ158の円形部分に達すると、第2のインジケータ部材がそれ以上回転しても、相互接続部材3がそれ以上並進移動させられることはない。前記相互接続部材はその最終位置に達したことになる。この瞬間から後の駆動において、相互接続部材がそれ以上運動することはない。これと同時に、第1の突起130は、両セクタ120、121を完全に通過する位置まで第1のインジケータ部材2を移動させて、窓125をカバー1の視界窓60とそろう位置にまで運んでいる。そのため、この時点から、インジケータ手段50(本例の場合は数字)は窓60、125を通してユーザに見える状態となり、図7に示すような見え方となる。効果的な構成として、第1のインジケータ部材2を明るい色(例:赤)にすること、そして、第1のインジケータ部材の窓125の径方向の寸法をカバー1の視界窓60の径方向の寸法よりも小さくすること、が考えられる。この構成では、第2のインジケータ部材5の数字50が視界窓60に現れた時点で、当該数字と第1のインジケータ部材2の赤い面との組み合わせにより、警戒域(残り数ドーズ分しか使用できない状態)に入ったことがユーザに示される。加えて、もう投与すべきものがないことを示す数字「0」に近づいたところでは、数字が刻まれている第2のインジケータ部材5の表面を(例えば明るい色を付けるなどの形で)変化させて、よりいっそうユーザの注意を引く、という形も可能である。そうすると、表示はユーザにとって特に信頼性が高く、視覚的なものになる。第1のインジケータ部材2の第1のインジケータ手段120、121の表示から、第2のインジケータ部材5の第2のインジケータ手段50の表示への遷移は速やかに行われるが、これは、第1のインジケータ部材2のスロット126に設けられた角度による。この構造では、3、4回の駆動において、窓125全体とカバー1の視界窓60との位置が合った状態となる。一方、セクタ120、121における第1のインジケータ部材2の角回転は非常にゆっくりと行われる(ここでの場合、装置に最初に格納されているのが200ドーズであれば、150を超えるドーズ数にわたる)。さらに広い話をすれば、第1のインジケータ部材2の第2のインジケータ部材5に対する回転特性は、スロット126の形状によって予め決定される。この形状は必要に応じて所望のものとすることができる。よって、本発明のインジケータの表示特性は、非常に簡単に調節または変更することができる。
【0024】
本発明の効果としては、相互接続部材3が存在するにもかかわらずインジケータの外形寸法は変化しない、という点があり、前記インジケータの径は貯蔵器の径にほぼ等しいものとできるので、底面壁への組み付けを容易に行うことができる。相互接続部材3は2つのインジケータ部材2、5の間をスライド移動するが、横方向に見てインジケータ部材の外周の線を越えることはない。
【0025】
当然のことながら、これまでに説明した各種部材については、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱しない形で変形を施すことが可能であろう。具体的には、ガイドレール、ガイドグルーブまたはガイドスロット126、158の形状を異なったものにすることが可能であろう。また同様に、上記とは異なる色、記号、文字や、他の何らかのインジケータ手段を代わりに用いることも可能であろう。さらに、望ましいのであれば、第1のインジケータ部材2に2つ以上の窓を持たせて、第2のインジケータ部材5に設けられた複数のインジケータ手段を表示する、ということも可能であろう。最後に、上でも述べたとおり、ガイドディスク4は必須ではない。そして、相互接続部材3には、第1のインジケータ部材2を貫通する突起を持たせ、当該突起をカバー1に形成された適当なガイド手段と協働させることができる、という形にすることが可能であろう。
【0026】
添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱しない形で、他の変形例や変更を考えることも可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に関わる特定の実施の形態を構成するインジケータを示す概斜視分解図である。
【図2】図1と同様の図であり、さらに具体的には、インジケータのインジケータシステムを上から見て示す図である。
【図3】図2と同様の図であり、下側から見た図である。
【図4】図2、3に示す装置の組み立て後の状態を示す図である。
【図5】装置の使用の開始段階においてユーザの目に見える表示の状態を示す概平面図である。
【図6】装置の使用の中間段階においてユーザの目に見える表示の状態を示す概平面図である。
【図7】装置の使用の終わり近くの段階においてユーザの目に見える表示の状態を示す概平面図である。
【図8】本発明の、第1の実施の形態を構成するインジケータを含んだ流体ディスペンサ装置の非常に概略的な断面図である。
【図9】図8に示すのと同様の図であり、第2の実施の形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末または流体用のディスペンサ装置のためのインジケータであって、
インジケータシステムを有し、特徴となるのは、前記インジケータシステムが、
・視界窓(60)を備えたカバー(1)と、
・軸を中心に回転する第1のインジケータ部材(2)であって、第1のインジケータ手段(120,121,125)を有する前記第1のインジケータ部材(2)と、
・軸を中心に回転する第2のインジケータ部材(5)であって、第2のインジケータ手段(50)を有する前記第2のインジケータ部材(5)と、そして、
・前記第1および第2のインジケータ部材(2,5)を相互接続させる相互接続部材(3)であって、その相互接続の様態は、予め決められた駆動回数に達するまでの初期の間は前記2つのインジケータ部材(2,5)のうち一方が有するインジケータ手段(120,121;50)が前記視界窓(60)に見えており、当該予め決められた駆動回数より後は、前記2つのインジケータ部材(2,5)のうち他方が有するインジケータ手段(50;120,121)が前記視界窓(60)に見えるというものである、という前記相互接続部材(3)と、を有することである、
という前記インジケータ。
【請求項2】
前記相互接続部材(3)は、具体的には並進移動の形で、前記第1および第2のインジケータ部材(2,5)の間で移動可能であること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記第1および第2のインジケータ部材(2,5)は回転ディスクであり、前記相互接続部材(3)は、並進方向のガイドを実現するためのガイド手段(149)の中に収容される薄いプレートであること、
を特徴とする請求項1または2に記載のインジケータ。
【請求項4】
前記ガイド手段(149)は、前記第1および第2のインジケータ部材(2,5)の間に配置されたガイドディスク(4)によって形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項5】
前記ガイド手段はカバー(1)によって形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載のインジケータ。
【請求項6】
前記相互接続部材(3)は、第1のインジケータ部材(2)と協働する1つ以上の第1の突起(130)と、第2のインジケータ部材(5)と協働する1つ以上の第2の突起(131)とを有すること、
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項7】
前記第1の突起(130)は、第1のインジケータ部材(2)に設けられたスロット、グルーブまたはレール(126)と協働し、そして、前記第2の突起(131)は、第2のインジケータ部材(5)に設けられたガイドスロット、ガイドグルーブまたはガイドレール(126)と協働すること、
を特徴とする請求項6に記載のインジケータ。
【請求項8】
第2のインジケータ部材(5)の前記ガイドグルーブ(158)は、中心かららせん状に近い形で延びた第1の部分と、前記第2のインジケータ部材(5)の周縁部において円形に近い形で延びた第2の部分とを有し、
前記インジケータ部材(5)を回転させると、前記相互接続部材(3)は並進の形で移動し、当該並進移動の最後で、前記第2の突起(131)はガイドグルーブ(158)の前記円形の第2の部分と協働する状態になること、
を特徴とする請求項7に記載のインジケータ。
【請求項9】
相互接続部材(3)が何らかの形で移動することにより第1のインジケータ部材(2)が回転させられること、
を特徴とする請求項8に記載のインジケータ。
【請求項10】
前記第1のインジケータ部材(2)の回転方向において、前記第1のインジケータ部材(2)は第1のインジケータ手段(120,121)を有し、その後に窓(125)が続くこと、
を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項11】
前記第2のインジケータ部材(5)は、具体的には数字および/または記号の形で、第2のインジケータ手段(50)を有すること、
を特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項12】
前記第2のインジケータ手段(50)は前記第2のインジケータ部材(5)の周縁に配置されていること、
を特徴とする請求項11に記載のインジケータ。
【請求項13】
初期状態では、第1のインジケータ部材(2)の前記第1のインジケータ手段(120,121)がカバー(1)の前記視界窓(60)に見えており、この初期状態は、窓(125)とカバー(1)の視界窓(60)との位置がそろって第2のインジケータ部材(5)の第2のインジケータ手段(50)が前記2つの窓(125,60)を通して見える状態になるのに充分なだけ前記第1のインジケータ部材(2)が回転するまでの間であること、
を特徴とする請求項10および11または12に記載のインジケータ。
【請求項14】
前記カバー(1)と前記第1のインジケータ部材(2)とは第2のインジケータ部材(5)の中心軸方向ピン(157)に設置されており、前記相互接続部材(3)は前記ピン(157)を通す長手開口部(136)を有すること、
を特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項15】
駆動のたびに前記第2のインジケータ部材(5)を回転させるように作られたアクチュエータ手段、を更に有すること、
を特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項16】
粉末または流体用のディスペンサ装置であって、
貯蔵器(10)と、前記貯蔵器上に組み付けられたポンプまたは弁などのディスペンサ部材(100)とを有し、
特徴となるのは、請求項1乃至15のいずれかに記載のインジケータを有することである、
という前記装置。
【請求項17】
前記インジケータは、貯蔵器(10)のうち前記ディスペンサ部材(100)から遠い方にある下側壁に留められていること、
を特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記インジケータは前記貯蔵器(10)の側面に配置されていること、
を特徴とする請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−534401(P2007−534401A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510089(P2007−510089)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050277
【国際公開番号】WO2005/111927
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】