粉末流量の制御装置及び制御方法
【課題】パッケージ充填処理における粉末の流量を制御することによる、粉末の流動性の制御。
【解決手段】粉末で容器を充填する装置(100)による。当該装置(100)は、粉末医薬製剤(115)を収容するホッパー(105)を具備し、該ホッパーは、出口(120)を有する。ホッパー内、又は、上、又は、近くに、振動可能膜(135)が、ホッパー内の粉末から離れて配置され、該振動膜は、ホッパー内の粉末を流動化することができる。振動可能膜の制御下で出口を通って流れる粉末は、容器(175)に流入し、或いは、容器へ輸送するための輸送チャンバー(125)に流入する。
【解決手段】粉末で容器を充填する装置(100)による。当該装置(100)は、粉末医薬製剤(115)を収容するホッパー(105)を具備し、該ホッパーは、出口(120)を有する。ホッパー内、又は、上、又は、近くに、振動可能膜(135)が、ホッパー内の粉末から離れて配置され、該振動膜は、ホッパー内の粉末を流動化することができる。振動可能膜の制御下で出口を通って流れる粉末は、容器(175)に流入し、或いは、容器へ輸送するための輸送チャンバー(125)に流入する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パッケージ充填処理における粉末の流量を制御することにより、粉末の流動性を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
患者への効果的な治療に対する必要性が、医薬製剤を患者にデリバリーする多様な技術の開発をもたらしてきた。1つの従来の技術としては、ピルやカプセルなどの形態で医薬製剤を経口的にデリバリーする技術がある。患者の気道に医薬製剤をデリバリーするためにエアロゾル化された医薬製剤を患者が経口又は経鼻で吸入する吸入ドラッグデリバリーが、デリバリーの効果的な方法であると証明されている。1つの吸入技術では、医薬製剤は、患者の肺の奥深くにデリバリーされ、そこで、医薬製剤は血流へと吸収される。また、別の吸入技術では、医薬製剤は、気道中の目標領域へとデリバリーされ、該目標領域に局所的な治療を提供する。また、乾燥粉末医薬製剤をエアロゾル化する装置を含む多くのタイプの吸入装置がある。
【0003】
使用者が利用し易いように、医薬製剤はパッケージングされることが多い。例えば、一般的に、ブリスター又はブリスターパックと呼ばれる複層パッケージの層間に、一回投与量の医薬製剤又は一回投与量の一部の医薬製剤が貯蔵される。典型的には、下側の層に凹部が形成され、この凹部内に医薬製剤が配置され、この凹部内に医薬製剤を保持するために、上記下側の層の上に上側の層が、これら層を加熱することによって及び/又は加圧することによってシールされる。或いは、嚥下用のカプセル又は医薬製剤をエアロゾル化するカプセル内に、一回投与量の医薬製剤が貯蔵される。また、ボトルやバイアルなどのその他のパッケージも、医薬製剤を貯蔵するために使用される。
【0004】
ところで、医薬製剤でパッケージを効率的に満たすことは難しいことが多い。例えば、粉末充填処理中に粉末を十分に流動化すること、及び/又は、粉末の流動性を一貫したものに維持することは難しい。粉末が十分に制御されていないと、パッケージは一貫して充填されない。例えば、充填量がパッケージ間で異なり、このために、単位投与量のパッケージとして患者にデリバリーされる投与量に悪影響を及ぼしたり、或いは、複数回投与量のパッケージにパッケージングされる投与量が多過ぎたり少な過ぎたりしてしまう。さらに、充填処理中に粉末の流量が一貫しないことから、パッケージ内の粉末の充填特性が様々なものになってしまうことがある。
【0005】
従って、粉末の流量、特に、粉末医薬製剤の流量を制御できることが望まれている。特に、パッケージが医薬製剤で効果的に且つ一貫して充填されるように、粉末医薬製剤の流量を制御できることが望まれている。また、医薬製剤に対する悪影響を少なくするように医薬製剤の流量を制御することが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
要約
本発明は、こうした要求を満足させるものである。また、本発明の1つの態様では、ホッパーからの粉末の流量が改良された形で制御される。
【0007】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバー充填装置は、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーを具備する。また、この装置は、ホッパー内の媒体を攪拌すると共に該媒体の攪拌を上記出口を通る粉末の流量を制御するのに十分な程度とすることができる攪拌部材を具備する。チャンバーは、上記出口を通って該チャンバーに流入する粉末により充填される。
【0008】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバー充填装置は、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーを具備する。また、この装置は、ホッパー内、又は、上、又は近くに配置されると共に該ホッパー内の粉末から離れて配置され、該ホッパー内の粉末を流動化できる振動可能部材を具備する。チャンバーは、上記出口を通ってチャンバー内に流入する粉末で充填される。
【0009】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバーを充填する方法は、ホッパー内に医薬製剤の粉末を提供する工程と、該ホッパー内の媒体を攪拌して粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバーに送る工程とを具備する。
【0010】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバーを充填する方法は、医薬製剤の粉末を提供する工程と、該粉末から離れて配置された部材を振動させて該粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバーに送る工程とを具備する。
【0011】
また、本発明のさらに別の態様では、医薬パッケージは、容器を提供する工程と、粉末から離れて配置された流動化部材により流動化された粉末医薬製剤で上記容器を充填する工程と、上記容器をシールして粉末医薬製剤を上記容器内に保持する工程とを具備する過程により作られる。
【0012】
図面
以下の記載、特許請求の範囲、及び本発明の特徴の例を示す添付の図面を参照すれば、本発明の特徴、態様、及び利点を良好に理解できるであろう。しかしながら、本発明において、各特徴は、一般的な形で使用されるものであって、特定の図面に関連してのみ使用されるものではなく、本発明は、これら特徴の組合せを含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の粉末充填装置の略側面断面図である。
【図2】図2A〜図2Cは、本発明の粉末充填装置を使用して充填される様々な容器の略側面断面図である。
【図3】図3は、粉末充填装置の別の実施形態の略側面断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、粉末充填装置の動きを示した略側面断面図である。
【図5】図5は、粉末充填装置の別の実施形態の略側面断面図である。
【図6】図6A及び図6Bは、粉末充填処理中にある図5の粉末充填装置の略側面断面図である。
【図7】図7は、多チャンバー型粉末充填装置の略正面断面図である。
【図8】図8A及び図8Bは、多チャンバー型粉末充填装置の別の実施形態の略正面断面図である。
【図9】図9は、粉末充填装置の実施形態の内部を示す略切断図である。
【図10】図10は、大量粉末コンテナを備えた粉末充填装置の略側面断面図である。
【図11】図11は、大量粉末コンテナを備えた粉末充填装置のより詳細な略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
記載
本発明は、例えば、パッケージ充填処理中に粉末の流量を制御することにより、粉末の流量を制御することに関する。この処理を粉末医薬製剤のパッケージングとの関連で説明するが、本発明は、別の処理にも使用可能であって、本明細書に記載する例に制限されるものではない。
【0015】
図1に、本発明の粉末充填装置100が概略的に示されている。粉末充填装置100は、粉末医薬製剤などの粉末115を収容することができるリザーバー110を備えたホッパー105を有する。ホッパー105は、適切な大きさであって且つ形状であり、流動化した粉末が流れる出口120を有する。この出口120の近くにチャンバー125が配置され、このため、出口120を通って流れる粉末は、チャンバー125内に流入して該チャンバー125を充填する。
【0016】
ホッパー105内、又は、ホッパー上、又は、ホッパー近くに、粉末流動化装置130が配置される。粉末流動化装置130は、ホッパー105内に攪拌を提供する攪拌部材135を有する。1つの実施形態では、攪拌部材135は、作動装置140により作動せしめられて、ホッパー105内に攪拌をもたらし、ホッパー105内の粉末115の流量を制御する。例えば、攪拌部材135は、ホッパー105内の空気又はその他のガスといった媒体145を攪拌し、この攪拌された媒体145が粉末115を流動化させる。従って、攪拌部材135の少なくとも一部は、媒体145によって粉末115から離れて配置されている。
【0017】
粉末流動化装置130は、ホッパー105内での粉末充填処理を制御するために使用される。1つの実施形態では、粉末流動化装置130は、連続的に又は短い間隔の周期で作動して、粉末115を常に流動化された状態に保つ。この実施形態では、粉末115は、ホッパー105が空になるまで、又はチャンバー125が充填されるまで、出口120を通って流れる。別の実施形態では、粉末流動化装置130は、粉末115の流れのタイミングを制御すると共に、或いは、それに代えて、ホッパー105の出口120を通ってチャンバー125内に流入する粉末115の量を制御する。例えば、ホッパー105の出口120は、十分に小さいので、攪拌されていない粉末115は、出口120を通って流れないか、或いは、出口120を通って連続的には流れない。粉末115をチャンバー125内に流入させることが要求されたとき、作動装置140が攪拌部材135によって媒体145を攪拌させ、それにより、粉末115を流動化し、粉末115が出口120を通ってチャンバー125内に流入することができるようにする。チャンバー125が十分に充填されたとき、作動装置140は、攪拌を停止するか、或いは、攪拌度合いを弱め、それにより、出口120を通って流れる粉末115の量を低減し、例えば、出口120を通る粉末の流れを止める。
【0018】
1つの実施形態では、粉末流動化装置130は、ホッパー105内に攪拌を提供し、該攪拌は振動150を含む。攪拌部材135は、ホッパー105内、又は、上、又は、近くに振動可能な物体、例えば、膜155を有し、該膜155は、作動装置140により駆動されると、振動して振動を作り出すことができる。振動膜155は、媒体145を攪拌する。例えば、膜155が下方へ動くと、その直ぐ正面にある媒体145の部分が圧縮され、圧力が僅かながら上昇し、次いで、膜がその静止位置を越えて戻ると、圧力が低下する。こうした処理が続くことにより、膜155からは、圧力が交互に高くなったり低くなったりする1つ以上の波が放射される。該波は、粉末115に接触し、その結果生じる衝撃は、粉末115を少なくとも一時的に流動化するのに十分なものである。
【0019】
振動150の振動数は、特定の粉末115を流動化することができるように及び/又は特定の充填処理に最も適するように選択される。或る特定の実施形態では、振動150は、可聴域内のものとされる。また、別の実施形態では、オペレータの不快感を和らげるために、膜155は、非可聴域の振動数で振動するものとされる。こうした振動は、望ましい形で粉末115を流動化し或いは粉末115の流量を制御するものであれば、如何なる振動数であっても、また、複数の振動数であってもよい。例えば、図1に示されている実施形態では、膜155は、約10Hz〜約1000Hz、より好ましくは、約90Hz〜約500Hz、より好ましくは、約100Hz〜約200Hz、そして、最も好ましくは、約120Hzの振動数を含む1つ以上の振動数で振動する。また、或る実施形態では、振動数は選択可能なものとされる。ホッパー105内に共鳴を引き起こすものとして実験や分析を通して決定される振動数といった、例えば、特定の構成及び/又は粉末に対する特に望ましい振動数が実験やモデル化を通して選択される。
【0020】
チャンバー125は、出口120を通ってホッパー105から流れてくる粉末を受け取ることができるようにホッパー105の出口120に対応して配置可能な開口160を有する。例えば、図1に示されている実施形態のような実施形態では、ホッパー105とチャンバー125を有し或いは支持している部材165との間に余分な量の粉末115が捕らわれることを防止するために、チャンバー125の開口160は、実質的に出口120と同じ形であって且つ同じ大きさである。図1の実施形態で示されているように、ホッパー105は、出口120に向かって収束する流路を粉末115に与えるために、互いに向かって収束する側壁170を有する。上記収束する流路は、ホッパー105の収容可能容積を増大することができる。また、別の実施形態として、チャンバー開口160の大きさと出口120の大きさとが、異なっていてもよい。例えば、正確に制御された量の粉末115で比較的大きなチャンバーを充填することが所望されている場合、又は、出口120の下にチャンバー125を正確に配置する機構を提供することが所望されていない場合には、出口120が開口160よりも小さくてもよい。或いは、ホッパー105を使用して様々な大きさのチャンバー125を充填することが所望されている場合、又は、ホッパー105と部材165との間の空間への粉末115の消失が重大な事項ではない場合には、開口160が出口120よりも小さくてもよい。
【0021】
チャンバー125は、容器175内にあり、該容器は、粉末115を貯蔵するために使用される。例えば、容器175は、粉末医薬製剤を貯蔵するために使用される主要なパッケージ又は補助的なパッケージの形態をしている。或る実施形態では、容器175は、複層パッケージを有し、一般的には、ブリスター又はブリスターパックと呼ばれ、そして、チャンバー125は、この複層パッケージ内にある。図2Aに示されているように、粉末115は、ホッパー105から複層パッケージの下層185の凹部180へと流れる。全体が本明細書に援用される米国特許第5,865,012号、及び、2002年11月20日に出願された米国特許出願第10/301,820号に記載されているように、例えば、両層を加熱及び/又は加圧することによって下層185上に上層(図示せず)がシールされ、凹部180内に粉末が保持される。また、或る実施形態では、複層パッケージは、例えば、アルミニウムを含む層といった金属含有層からなる下層、及び/又は、金属含有層からなる上層を有する。これら金属含有層は、そこを相当な量の湿気が通過してしまうことを防止するために、十分厚い。例えば、金属含有層は、約10μm〜約100μm、より好ましくは、約20μm〜約80μmである。下層及び上層は、例えば、約1μm〜約20μmのラッカー層といったシール剤の層によって互いに密着される。また、別の実施形態では、容器175は、例えば、嚥下用のカプセル又は医薬製剤をエアロゾル化するカプセルといったカプセルを有し、このカプセル内にチャンバー125がある。図2Bに示されているように、カプセルの第一部分190は、ホッパーの出口120を通って流れる粉末を受け取るように配置される。充填後、第一部分190上に、第二部分(図示せず)が配置されて、カプセルの形を形成して該カプセル内に粉末を収容する。これは、全体が本明細書に援用される米国特許4,247,066号、米国特許 4,864,876号、米国特許6,357,490号、及び、2000年2月17日に開示されたPCT出願WO00/07572号に記載されている。また、別の実施形態では、図2Cに示されているように、ボトル又はバイアルなどのコンテナ195内にチャンバー125がある。例えば、この実施形態では、コンテナ195は、全体が本明細書に援用される米国特許4,524,769号に記載されているコンテナのように、複数回の投与量の粉末医薬製剤を収容するために使用される。
【0022】
また、別の実施形態では、チャンバー125は、粉末を運搬する輸送チャンバー200であり、該輸送チャンバーは、ホッパー115から当該輸送チャンバー200へと流れる粉末をパッケージ175内のチャンバーなどの別のチャンバーへと輸送する。例えば、図3に示されているように、輸送チャンバー200は、可動部材205内に設けられる。図3に示されるように、輸送チャンバー200は、充填位置において、ホッパー115から粉末を受け取る。次いで、該輸送チャンバー200を可動部材205がパッケージ175の近くへと運搬する。ここで、少なくとも輸送チャンバー200の中身の少なくとも一部が、パッケージ175へと移される。輸送チャンバー200は、所定量の粉末を収容する大きさとされる。例えば、輸送チャンバー200は、規定投与量の粉末医薬製剤を集める大きさとされ、そして、正確な規定投与量が、パッケージ175へと輸送される。また、輸送チャンバー200内の余分な粉末を掻き落とすために,ドクターブレード210が設けられていてもよい。
【0023】
図4A及び図4Bに示されている実施形態では、粉末輸送補助機構215が設けられている。1つの実施形態では、粉末輸送補助機構215は、輸送チャンバー200に連通する通路220を有する。通路220は、輸送チャンバー200が図4Aに示されている粉末収集位置にあるときに、吸引源に接続可能となる。こうして、粉末115を輸送チャンバー200内への収集を補助するために、吸引225が輸送チャンバー200にもたらされる。粉末115が通路220内に吸入されることを防止する、輸送チャンバー200内にフィルター230が設けられる。該フィルターは、例えば、約0.10μm〜約0.65μm、最も好ましくは、約0.65μmの直径を有する複数の孔を有する。通路220は、輸送チャンバー200が図4Bに示されている粉末排出位置に移動したときに、通路220内に圧力235を生成して輸送チャンバー200内の粉末を容器175へ排出せしめるために、加圧ガス源に接続可能となる。粉末輸送補助機構の例は、全体が本明細書に援用される米国特許5,826,633号に記載されている。
【0024】
粉末充填装置100は、有利な粉末充填処理を提供する。その利点の1つは、ホッパー105内の粉末とその他の物体とが物理的に接触する量を低減することである。こうした接触の低減は、粉末医薬製剤が望ましくない状態となることを防止するのに有用である。例えば、過度の物理的な接触は、幾つかの状況下で、以下の状況、すなわち、凝集形成、静電気的相互作用の増加、変性、及び、エアロゾル性能の低減の1つ又は1つ以上を引き起こす可能性がある。こうした望ましくない効果は、高価で且つ煩雑な方法で防止され或いは補われてきたが、直接的な物理的接触の量を低減すれば、特に単純化された有用な代替物が提供されることになる。
【0025】
別の実施形態では、粉末充填装置100は、上述したタイプの粉末流動化装置130を、追加の粉末流動化部材と組み合わせて有する。例えば、図5に示されるように、粉末充填装置は、第二の粉末流動化装置240を有する。第二粉末流動化装置240は、粉末流動化部材250と作動装置255とを有し、該作動装置は、ホッパー105内の粉末115を流動化するように粉末流動化部材250を駆動する。例えば、粉末流動化部材250は、粉末115に直接接触する部材であり、そして、該流動化部材250の動きにより、粉末115が流動化される。図示されている実施形態では、粉末流動化部材250は、敷き詰められている粉末115へと下方に延びるロッド260を有する。また、保持アーム265がホッパー105内でロッド260を保持する。作動装置255は、アーム265を駆動することによってロッド260を駆動するように接続されるか、或いは、例えば、ロッド260とアーム265との間に接続されるようにしてロッド260に直接接続される。こうした粉末の流動化は、全体が本明細書に援用される米国特許6,182,723号に記載されている。作動装置240によってロッド260が振動せしめられる。例えば、図5に示されるように、ロッドは、出口120の近くに配置可能な末端を有し、作動装置240は、ロッドを上下動270させて粉末を流動化し、粉末を出口120を介してチャンバー125に流入させる。特定の実施形態では、ロッド260は、圧電モーターなどのモーターに取り付けられて、約1000Hz〜約180,000Hz、好ましくは、約10,000Hz〜40,000Hz、最も好ましくは、約15,000Hz〜約25,000Hzの振動数で振動せしめられる。これに加えて、或いは、これに代えて、ロッド260が、別の方向、例えば、横方向又は回転方向に振動せしめられたり動かされたりしてもよい。また、別の実施形態として、上記追加の粉末流動化部材が、スターラー又はその他の流動化機構を有していてもよい。
【0026】
粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とは、協力して働いて、或いは、単独で働いて、ホッパー105内の粉末115を流動化する。図5に示されている例では、粉末流動化装置130が第二粉末流動化装置240と同時に作動されて、媒体145中に振動150が生成されると同時に粉末115が直接振動270せしめられる。或る種の粉末にとって、こうした組み合わされた作用は、優れた流動化の可能性を与える。また、別の実施形態として、粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とが、異なるタイミングで作動されたり、或いは、互いに補う形で作動されたりしてもよい。図6A及び6Bに示されている例では、粉末流動化装置130は、第二粉末流動化装置240の作用を補う役目をする。図6Aに示されるように、或る種の粉末にとって、ロッド260の振動は、チャンバー125を充填するのには十分であるが、ロッド260に近い領域に1つ以上の空隙275を形成してしまう。空隙275が形成された後は、ロッド260の振動は、流動化の可能性をほとんど持たなくなってしまう。そこで、空隙275を埋めるために、粉末流動化装置130が、図6Bに示されているように作動される。ここでの媒体145の攪拌は、粉末115を再びロッド260に接触させ、その結果、ロッド260が再び振動せしめられたときに粉末115を流動化することができるのに十分なものである。粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240は、出口120を通して複数のチャンバー125を充填する間、粉末115を連続流動化状態に維持するように連続的に稼動する。或いは、粉末115が流動化されることが所望されるときのみ粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240を稼動するものとし、出口120の大きさを、こうした流動化装置が稼動されていないときに実質的に粉末が出口120を通って流れないような大きさとしておいてもよい。
【0027】
図7に示されるように、或る実施形態では、粉末充填装置100は、複数のチャンバー125を同時に充填するように構成される。この実施形態では、ホッパー105が複数、例えば、2、3、4、又はそれ以上の出口120を有する。粉末流動化装置130は、出口120の全てに渡ってホッパー105内の粉末115を流動化するように配置される。図7に示される実施形態では、出口120を通って流れた粉末は、この実施形態では回転可能な部材である可動部材205内の輸送チャンバー200に流入する。輸送チャンバー200が充填されると、可動部材205は、図示されている充填位置から、輸送チャンバー200が各容器175上に配置される排出位置へと回転される。容器175は、プラットフォーム300により支持されている。容器175を図7に示されている位置へと運搬し、そして、プラットフォーム300は、可動部材205に対して移動可能であって、図7に示されている位置に容器を移動させたり、これら容器の充填後、輸送チャンバー200がその充填位置へ戻されるときに容器175を取り除いたりすることができる。そして、所望の数の容器が充填されるまで、こうした処理が続けられる。なお、別の実施形態として、プラットフォーム300が、容器を受け取るための開口を備えた割出し可能な可動プレートであってもよい。また、さらに別の実施形態として、プラットフォーム300が、ローラーシステム上のベルトであってもよい。
【0028】
図8A及び8Bは、同時に複数のチャンバー120を充填でき、流動化装置130及び第二流動化装置240を有する粉末充填装置100の実施形態を示している。図8Aの実施形態では、第二粉末流動化装置240は、上下方向270に振動せしめられるロッド260を有する。さらに、ロッド260を各開口を横切るように水平方向310に平行移動することができる機構が設けられている。典型的な平行移動機構は、上述したように本明細書に援用される前述の米国特許6,182,712号に記載されている。図8Bの実施形態では、複数の振動ロッド260が設けられている。例えば、ロッド260は、それぞれ、出口120に対応せしめられている。
【0029】
図8Aに示されている実施形態に従った粉末充填装置の実施形態の詳細を示す図が、図9に示されている。この実施形態において、粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とは、複数の出口を通るホッパー内の粉末の流量を制御するために使用される。第二粉末流動化装置のロッド260は、該ロッド260を上下に振動させる圧電作動装置又はモーター320に連結されている。アーム265内には、ホッパー105を横切るようにロッド260を平行移動310させるネジ式駆動装置のような機構が設けられる。粉末充填装置100内の所望の状態を維持するために、第一囲い325と第二囲い330とが提供されている。例えば、粉末医薬製剤などの或る種の粉末にとっては、清潔な環境や滅菌された環境を維持することが望まれる。特に、相当な量の湿気に晒されたときに変化を被る粉末を充填するときには、囲い内において、或る相対湿度を維持することも望まれる。囲いの1つ又はそれ以上は、例えば、医用品質ステンレススチール、工業性ポリマー、PVCなどからなる。或る実施形態として、第二囲い内に、複数の粉末流動化装置130を設けてもよい。これは、非常に大型のホッパー105が使用される場合に有利である。また、囲い325を貫通する入口335は、大量の粉末をホッパー105に導入することを可能とする。
【0030】
粉末流動化装置130の少なくとも一部は、第二囲い330内に収容される。或る実施形態では、膜155は、慣用のオーディオスピーカーからのスピーカーコーンの一部である。このスピーカーは、増幅器を介して出力・振動数範囲をスピーカーに提供できる関数発生器に接続される。スピーカーコーンが振動すると、流動化音が生成される。スピーカーコーンは、例えば、3インチウーファー、4インチウーファー、6.5インチウーファーなどを有する。別の実施形態として、粉末流動化装置がスピーカーコーンから離れて配置された膜を有し、スピーカーコーンが振動したときにこの膜が振動せしめられるようになっていてもよい。この構造は、ホッパー105内の制御された環境、すなわち、スピーカーが第二囲い330内に完全に収容されていてホッパー105に直接晒されていないという環境を維持する点で有用である。
【0031】
これに加えて、或いは、これに代えて、大量粉末コンテナ360内に収容されている大量の粉末355を流動化するために、大量粉末流動化装置350が設けられてもよい。図10に示されるように、大量粉末コンテナ360は、ホッパー105に粉末を供給するために使用される。この実施形態において、大量粉末コンテナ360は、入口335に連通してホッパー105へと繋がる出口365を有する。大量粉末流動化装置350は、上述したような膜370と作動装置375とを有し、大量の粉末355を流動化して出口365を介してホッパー105に流入させることが要求されたときに作動される。この作動は、概ねホッパー105の1つ以上の出口120を通って流れる粉末の流量で少量ずつの粉末が連続してホッパー105に供給されるように連続的なものとする。しかしながら、この作動は、断続的なものでもよい。或る実施形態では、大量粉末流動化装置350は、ホッパー105内の粉末レベルが所定レベル以下になったときに作動される。なお、この作動に手動での作動が含まれていてもよいし、或いは、自動的に再充填できるように容量性センサのようなレベルセンサが設けられてもよい。また、入口335の近くに、ゲート又はバルブが設けられてもよい。
【0032】
図9及び10の実施形態の特徴を備えた粉末充填装置100が、図11に示されている。この実施形態では、大量粉末コンテナ360の粉末をホッパー105に選択的に導入するために、バルブ380が設けられている。この実施形態では、バルブ380は、ホッパー105内に敷き詰められた粉末115のレベルが所定レベル以下になったときに開弁せしめられる。また、敷き詰められた粉末のレベルは、該敷き詰められた粉末のレベルが上記所定レベル以下になったときに信号を発生するように動作可能に配置された容量センサ385によって検出される。この信号は、バルブ380の開閉を制御するコントローラに提供される。これに代えて、或いは、これに加えて、レーザーセンサを使用してもよい。また、図示されている実施形態においても、大量粉末流動化装置350の少なくとも一部に対し、第二囲い390が設けられている。
【0033】
粉末充填装置100は、改良された形で粉末を容器に充填するために作製されたものである。この粉末充填装置100は、特に、微細乾燥粉末を単位投与量容器に充填するのに効果的である。例えば、表1は、従来の粉末充填機を使用した場合と本発明の粉末充填装置100を使用した場合とにおける微細乾燥粉末医薬製剤である粉末Aの充填についての比較を示している。従来の粉末充填機は、米国特許6,182,712号に記載されているものである。また、この比較には、図4A及び図4Bに示されている輸送チャンバーを備えた図11に示されている粉末充填装置100が使用された。表において、Nは充填された容器の数を表し、SDは標準偏差を表し、RSDは相対標準偏差を表す。示されるように、5回の独立した試行の各々において、従来のシステムは、粉末充填装置100の充填一貫性に匹敵することができない。事実、従来のシステムを使用したときの最良の試行においてさえ、充填範囲は、本発明の粉末充填装置100を使用したときに比べて二倍以上の範囲であった。
【0034】
【表1】
【0035】
本発明の粉末充填装置100は、様々な粉末を充填する一般的な順応性を示した。図4A及び4Bに示されている輸送チャンバーを備えた図11に示された粉末充填装置100を異なる粉末での比較のために使用し、その結果を表2に示した。6つの異なる粉末を単位投与量容器に充填した。これら粉末の大きさ、組成、活性薬剤、賦形剤、及び、性質は様々であった。しかしながら、データから分かるように、各粉末に関し、非常に一貫性のある充填が達成された。また、各粉末に対し、非常に低いRSDが達成された。さらに、粉末充填装置100は、容器に少量の投与量を一貫して充填することも多量の投与量を一貫して充填することもできることを示した。
【0036】
【表2】
【0037】
大量粉末流動化装置350の作動を制御するため及び/又は粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240の作動を制御するために、コンピュータコントローラが設けられる。このコントローラは、粉末充填装置100全体の駆動を制御する。また、コントローラは、1つの制御装置であっても、互いに接続された複数の制御装置であっても、パッケージ装置100の様々な要素に接続された複数の制御装置でもよい。
【0038】
或る実施形態では、コントローラは、集積回路を含む電気回路を備えた電子ハードウェアであって、粉末充填装置100の作動又は制御に適しているものを有する。一般的に、コントローラは、データ入力を受け、アルゴリズムを実行し、有用な出力信号を発生するようになっており、1つ以上のセンサ及びその他のデバイス要素からのデータ信号を検出し且つ粉末充填装置100における処理を監視し或いは制御するために使用される。しかしながら、コントローラが、単に、これらタスクの1つを行うようになっていてもよい。1つの実施形態では、コントローラは、(i)メモリシステムに接続される中央演算処理装置(CPU)と周辺制御装置と有するコンピュータと、(ii)粉末充填装置100の特定の要素を作動し或いは特定の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASICs)と、(iii)適切な支持回路を備えた1つ以上のコントローラインターフェースボードとのうちの1つ又は1つ以上を有する。典型的なCPUには、PowerPC(商標)、Pentium(登録商標)、及び、その他の同様なプロッセッサが含まれる。ASICsは、例えば、粉末充填装置100からのデータやその他の情報といった特定のタスクの検索、及び/又は、特定のデバイス要素の作動用に設計され、そして、予めプログラミングされる。典型的な支持回路は、例えば、コプロセッサ、クロック回路、キャッシュ、電源、及び、CPUに接続されるその他の公知の構成要素を含む。例えば、CPUは、当該技術分野で公知のランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び、その他の記憶装置に連動して動作することが多い。RAMは、処理の実行中、本発明のソフトウェア実行を記憶するために使用可能である。本発明のプログラム及びサブルーチンは、典型的には、大容量記憶装置内に記憶され、CPUにより実行されるときに、RAMで一時記憶を呼び起こされる。
【0039】
本発明のソフトウェア実行・コンピュータプログラムコード製品は、例えば、EPROMのようなメモリ装置に記憶され、コントローラによる実行中、RAMへと呼ばれる。コンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C''、パスカル、又は、ネイティブアセンブリ(native assembly)のような慣用のコンピュータによる読込可能なプログラミング言語で作成される。適切なプログラムコードは、慣用のテキストエディタを使用して、単一のファイル又は複数のファイルに書き込まれ、そして、例えば、コンピュータシステムのメモリのようなコンピュータが使用可能な媒体に記憶され或いは具現化される。書き込まれたコードテキストが、高レベル言語であるなら、該コードは、予めコンパイルされたウィンドウズ(登録商標)ライブラリルーチンのオブジェクトコードと結合されるコンパイラーコードに対してコンパイルされる。結合されそしてコンパイルされたオブジェクトコードを実行するために、システムの使用者は、オブジェクトコードを呼び出し、コンピュータシステムにメモリ内のコードを読み込み、コンピュータプログラムで同定されるタスクを行わせる。
【0040】
1つの実施形態として、コントローラが、粉末充填装置100上又は内に収容される十分に小さく低電力消費のマイクロプロセッサ又はASICを備えていてもよい。例えば、ローカルマイクロプロセッサとして使用される適切なマイクロプロセッサは、モトローラ社製のMC68HC711E9、マイクロチップ社製のPIC16C74、及び、インテル社製の82930AXを含む。マイクロプロセッサは、1つのマイクロプロセッサチップ、複数のプロセッサ、及び/又は、コプロセッサチップ、及び/又は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)性能を有することができる。
【0041】
或る特定の有用な実施では、粉末充填装置100は、粉末医薬製剤で、医薬容器、例えば、ブリスター、カプセル、バイアル、ボトルなどを充填するために使用される。例えば、粉末充填装置100は、使用者による吸入のために医薬製剤をエアロゾル化する容器に乾燥粉末吸入可能医薬製剤を充填するのに特に有利であると証明されている。例えば、米国特許5,785,049号、米国特許5,415,162号、米国特許出願09/583,312号に記載されているように、粉末状であるとき、粉末は、最初の段階では、該粉末のエアロゾル化前に開封される密閉パッケージ内に貯蔵されている。或いは、米国特許第4,995,385号、米国特許第3,991,761号、米国特許第6,230,707号、及び、PCT公開WO97/27892号に記載されているように、粉末は、エアロゾル化装置に挿入する前、挿入している間、又は、挿入した後に開封可能なカプセル内に収容されている。また、バルク、ブリスター、カプセルなどの形態では、粉末は、米国特許第5,458,135号、米国特許第5,785,049号、及び、米国特許第6,257,233号に記載されているような加圧空気のような活性要素、又は、2000年4月24日に出願された発明の名称が「エアロゾル化装置及び方法」である米国特許出願第09/556,262号、及び、PCT公開WO00/72904号に記載されているような高圧ガスのような活性要素によってエアロゾル化される。或いは、前記米国特許出願第09/583,312号及び米国特許第4,995,385号に記載されているように、粉末は、使用者の吸入に応答してエアロゾル化される。上で挙げた文献は全てその全体が本明細書に援用される。
【0042】
医薬製剤は、活性薬剤を含みうる。本明細書中に記載される活性薬剤は、薬剤、薬、化合物、物質又はその混合物の組成物を含み、薬理効果、しばしば有益な効果を提供する。該活性薬剤は、食品、栄養補助食品、栄養素、薬剤、ワクチン、ビタミン、及び別の有益な試薬を含む。本明細書中に使用されるとき、これらの用語は、いずれの生理又は医薬的に活性な物質であって、患者において局在性又は全身性効果を生じさせるいずれかの物質を含む。本明細書中に記載される医薬製剤中に取り込まれる活性薬剤は、無機又は有機化合物であることがあり、非限定的に、末梢神経、アドレナリン作動性受容体、コリン作動性受容体、骨格筋、心臓血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経効果器接合部位、内分泌及びホルモン系、免疫系、生殖系、骨格系、肺系、局所ホルモン系、消化器系及び排泄系、ヒスタミン系、及び中枢神経系に作用する薬剤を含む。適切な活性薬剤は、例えば催眠薬、及び鎮静薬、精神賦活剤、精神安定剤、呼吸薬剤、抗痙攣薬、筋弛緩剤、抗パーキンソン剤(ドーパミン・アンタゴニスト)、鎮痛薬、抗炎症薬、抗不安薬(抗不安薬)、食欲抑制剤、抗偏頭痛剤、筋収縮剤(muscle contractants)、抗感染症剤(抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、ワクチン)、抗関節炎剤、抗マラリア剤、制吐薬、抗てんかん薬(anepileptics)、気管支拡張薬、サイトカイン、成長因子、抗癌剤、抗血栓剤、降圧剤、心臓血管薬剤、不整脈治療剤、抗酸化剤(antioxicants)、抗喘息剤、ホルモン薬剤、例えば避妊薬、交感神経模倣薬、利尿薬、脂質制御薬、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝血剤、腫瘍剤、抗悪性腫瘍薬、低血糖薬、栄養性薬剤及び栄養補助剤、成長栄養補助剤、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診断薬剤、及び対照薬剤(Contrasting Agents)を含む。該活性薬剤は、吸入により投与されるとき、局所的に又は全身的に作用しうる。
【0043】
活性薬剤は、多くの構造クラスのうちの一つに分類されうる。非限定的に低分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖、ステロイド、生理効果を誘発できるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含む。
【0044】
本発明での使用に適した活性薬剤の例は、非限定的に1以上のカルシトニン、アンホテリシンB、エリスロポエチン(EPO)、因子VIII、因子IX、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、α-1タンパク質分解酵素阻害薬、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン1受容体、インターロイキン2、インターロイキン1受容体拮抗物質、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、因子IX、インスリン、プロインスリン、インスリンアナログ(例えば、米国特許第5,922,675号において記載されるモノ-アシル化インスリン、該文献はその全てを本明細書中に援用される)、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、ソマトスタチン・アナログ、例えばオクトレオチド、バソプレッシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン(insulintropin)、マクロファージ・コロニー刺激因子(M-CSF)、神経成長因子(NGF)、組織成長因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドチモシンα1、IIb/IIIa阻害剤、α-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維症膜貫通制御因子(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌性/透過性増加タンパク質(BPI)、抗-CMV抗体、13-シス・レチノイン酸、マクロライド、例えばエリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン(davercin)、アジスロマイシン、フルリスロマイシン(flurithromycin)、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン(spiromycin)、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、及びアジスロマイシン、及びスウィノライドA(swinolideA);フルオロキノロン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン(alatrofloxacin)、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン(temafloxacin)、ペフロキサシン(pefloxacin)、アミフロキサシン(amifloxacin)、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イロキサシン(irloxacin)、パズフロキサシン、クリナフロキサシン(clinafloxacin)、及びシタフロキサシン、アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、及びストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン(rampolanin)、ミデプラニン(mideplanin)、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート(colistimethate)、ポリミキシン類、例えば、ポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム系抗生物質;ペニシリン系抗生物質、例えば、ペネシリナーゼ感受性薬剤、例えばペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリナーゼ-抵抗性薬剤、例えばメチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン(floxacillin)、ナフシリン;グラム陰性微生物活性薬剤、例えばアンピシリン、アモキシシリン、及びヘタシリン、シリン、及びガルアンピシリン(galampicillin);抗シュードモナス菌ペニシリン系抗生物質、例えばカルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、及びピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セファラドリン(cephradrine)、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン(cephaloglycin)、セフロキシム、セフォラニド(ceforanide)、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル(cephacetrile)、セフェピム、セフィキシム、セフォニィド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、及びモキサラクタム、モノバクタム、例えばアズトレオナム;並びにカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、ペンタミジン・イソチオウエート(isethiouate)、アルブテロール硫酸塩、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ベクロメタゾン・ジプレピオネート(diprepionate)、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニド・アセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウム・ブロミド、フルニソリド、クロモリンナトリウム、エルゴタミン酒石酸塩、及びそれらの適用可能な、アナログ、アゴニスト、アンタゴニスト、阻害剤、及び医薬として許容される上記塩形態を含みうる。ペプチド及びタンパク質に関して、該発明は、合成、未変性、グリコシル化、非グリコシル化、ペジレート化(Pegylated)形態、及び生物的に活性な断片及びそのアナログを包含することを意図される。
【0045】
本発明において使用される活性薬剤は、核酸、例えば、裸の核酸分子、ベクター、ウイルス粒子付随、プラスミドDNA若しくはRNA、又は別の核酸構成物であって、細胞に形質移入若しくは形質導入するために適した、つまり、アンチセンスを含む遺伝子治療に適しているタイプの核酸構成物をさらに含む。さらに、活性薬剤は、ワクチンとしての使用に適した弱毒化生ワクチン若しくは死滅ウイルスを含みうる。別の有用な薬剤は、Physician's Desk Reference (最新版)に挙げられる薬剤である。
【0046】
医薬製剤における活性薬剤の量は、所望の結果の達成を目的とする単位投与量あたりの活性薬剤の治療有効量をデリバリーするために必要な量である。実際、その量は、特定の薬剤、その活性、治療される病気の重篤度、患者の人種、投与必要量、及び所望の治療効果に依存して広く変化するだろう。組成物は、一般的にどちらにしろ重量にして約1%〜約99%の活性薬剤、典型的には重量にして約2%〜約95%の活性薬剤、そしてより典型的には、重量にして約5%〜85%の活性薬剤を含むだろうし、そして組成物中に含まれる添加剤の相対量に依存するだろう。本発明の組成物は、特に0.001mg/日〜100mg/日、好ましくは0.01mg/日〜75mg/日、そしてより好ましくは0.10mg/日〜50mg/日の投与量でデリバリーされる活性薬剤に特に有用である。なお、本明細書に記載した製剤に1以上の活性薬剤が組み入れられてもよく、また、「薬剤」という用語の使用が、2以上のそうした薬剤の使用を排除するものではない。
【0047】
医薬製剤は、医薬として許容される賦形剤又は担体であって、有意な有害毒性効果を患者に、及び特に患者の肺に与えることなく肺に取り込まれうるものを含みうる。活性薬剤に加えて、医薬製剤は、場合により、肺投与に適した1以上の医薬賦形剤を含む。該賦形剤は、存在する場合、重量にして約0.01%〜約95%、好ましくは、約0.5%〜約80%、より好ましくは、約1%〜約60%の範囲の量で組成物中に一般的に存在する。好ましくは、そうした賦形剤は、一部は、活性薬剤組成物の特徴を改良するために、例えば、より効率的でかつ再現性のある活性薬剤のデリバリーを提供することにより、粉末の取り扱い性質、例えば流動性及び一貫性を改良することにより、及び/又は単位投与量の充填若しくは製造を促進することにより、役に立つ。特に、賦形剤材料は、活性薬剤の物理的及び化学的安定性をさらに改良するため、残存性の湿気量を最小化しかつ湿気の取り込みを妨げるため、そして粒子の大きさ、凝集の程度、粒子表面の性質、例えばしわなど、吸入の容易さ、及び粒子を肺に標的する事を高めるために、機能することが多い。1以上の賦形剤は、製剤における活性薬剤の濃度を低減することが望まれるとき、充填剤として役立つように提供されうる。
【0048】
本医薬製剤中に有用な医薬賦形剤及び添加剤は、非限定的にアミノ酸、ペプチド、タンパク質、非生体ポリマー、生体ポリマー、炭水化物、例えば糖、糖誘導体、例えばアルジトール、アルドン酸、エステル化糖、及び糖ポリマーを含みうる。これらは、単独で又は組み合わせて存在しうる。適切な賦形剤は、WO 96/32096に提供される賦形剤である。該文献は、その全てを本明細書中に援用される。該賦形剤は、約35℃以上の、好ましくは、約40℃以上の、より好ましくは、45℃以上の、最も好ましくは、約55℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0049】
典型的なタンパク質賦形剤は、アルブミン、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、組換ヒト・アルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビン、などを含む。緩衝能力において機能する適切なアミノ酸(本発明のジロイシル-ペプチドを除く)は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファン、などを含む。分散剤として機能するアミノ酸及びポリペプチドが好ましい。このカテゴリーに分類されるアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、及びプロリンを含む。分散能力を高めるペプチド賦形剤は、1以上の疎水性アミノ酸要素、例えば、上記の疎水性アミノ酸を含む、二量体、三量体、四量体、及び五量体を含む。
【0050】
本発明中の使用に適した炭水化物賦形剤は、例えば、単糖、例えばフルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなど;二糖類、例えばラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなど;多糖類、例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、スターチなど;並びにアルジトール、例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシル・ソルビトール、ミオイノシトールなどを含む。
【0051】
医薬製剤はまた、緩衝液又はpH調節薬剤を含む。典型的には、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩衝液は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の有機酸塩、トリス、トロメタミンの塩酸塩、或いはリン酸緩衝液を含む。
【0052】
医薬製剤はまた、ポリマー性賦形剤/添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン、誘導体化セルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、フィコール(ポリマー性糖)、ヒドロキシエチルスターチ、デキストレート(例えば、シクロデキストリン、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、ポリエチレン・グリコール、及びペクチンを含む。
【0053】
医薬製剤は、さらに香味剤、味覚遮蔽剤、無機塩(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、ポリソルベート、例えば「TWEEN20」及び「TWEEN80」)、ソルビタン・エステル、脂質(例えば、リン脂質、例えばレシチン及び別のホスファチジル・コリン、ホスファチジルエタノールアミン)、脂肪酸及び脂肪エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛、及び他のそうした適したカチオン)を含みうる。本発明に従った組成物中の使用のために適した別の医薬賦形剤及び/又は添加剤は、"Remington: The Science &Practice of Pharmacy", l9th ed., Williams & Williams, (1995), and in the "Physician's Desk Reference", 52nd ed., Medical Economics, Montvale, NJ (1998)に収載される。両文献はその全てを本明細書中に援用される。
【0054】
本発明の粉末は、概して、多分散なものである(すなわち、粒子サイズに幅がある)ことから、「質量中央径」、すなわち、「MMD」は、平均粒子サイズの測定値である。幾つかの一般的に採用されている技術が平均粒子サイズを計測するために使用されているが、本明細書で報告するMMD値は、遠心沈降法によって求められたものである。「空気力学的質量中央径」、すなわち、「MMAD」は、分散粒子の空力学的サイズの計測値である。この空気力学的質量中央径は、エアロゾル化された粉末をその沈降挙動の観点で表現するために使用されるものであって、一般的に、空気中で粒子と同じ沈降速度を有する単位密度球の直径である。また、この空気力学的質量中央径は、粒子の形状、密度、及び、物理的な粒子サイズを含むものである。本明細書で使用されるとき、MMADは、カスケードインパクターによって求められるエアロゾル化粉末の空力学的粒子サイズ分布の中間点又は中央点を指す。
【0055】
1つの実施形態では、本発明に使用される粉末製剤は、肺胞へと浸透することができるように選択された粒子サイズを有する乾燥粉末、すなわち、好ましくは、直径が10μm、好ましくは、7.5μm未満、最も好ましくは、5μm未満、通常、0.1μm〜5μmの範囲内の質量中央径(MMD)を有する乾燥粉末を含む。そして、これら粉末の運搬投与効率(DDE)は、30%より大きく、より好ましくは、40%より大きく、より好ましくは、50%より大きく、最も好ましくは、60%より大きく、エアロゾル粒子サイズ分布は、約1.0〜5.0μmの空気力学的質量中央径(MMAD)、通常、1.5〜4.5μmのMMAD、好ましくは、1.5μm〜4.0μmのMMADである。これら乾燥粉末は、重量で約10%未満、通常、重量で約5%未満、好ましくは、重量で3%未満の湿気量を有する。こうした粉末は、全体が本明細書に援用されるWO95/24183、WO96/32149、WO99/16419、及び、WO99/16422に記載されている。
【0056】
以上、特定の好適な実施形態に関連して本発明を非常に詳細に説明したが、その他の実施形態も可能であり、本明細書を読み、図面を見れば、当業者には、示した実施形態の代替物、置換物、及び、等価物は明らかであろう。例えば、相対的な動きを実行するために、目的に適うように、要素間の相対的な位置を変えることもできる。また、本明細書で説明した様々な実施形態の様々な特徴を様々な形で組み合わせ、本発明の別の実施形態を提供することもできる。さらに、特定の用語は、説明を明瞭なものとするために用いられたものであって、本発明を限定することを目的とするものではない。例えば、本明細書において、「上」「下」や「第一」「第二」などの用語を逆に使用してもよい。すなわち、添付の特許請求の範囲は、本明細書中に含まれる好適な実施形態に限定されるべきものではなく、本発明の本来の精神および範囲内に含まれる全ての代替物、置換物、及び、等価物を含むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パッケージ充填処理における粉末の流量を制御することにより、粉末の流動性を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
患者への効果的な治療に対する必要性が、医薬製剤を患者にデリバリーする多様な技術の開発をもたらしてきた。1つの従来の技術としては、ピルやカプセルなどの形態で医薬製剤を経口的にデリバリーする技術がある。患者の気道に医薬製剤をデリバリーするためにエアロゾル化された医薬製剤を患者が経口又は経鼻で吸入する吸入ドラッグデリバリーが、デリバリーの効果的な方法であると証明されている。1つの吸入技術では、医薬製剤は、患者の肺の奥深くにデリバリーされ、そこで、医薬製剤は血流へと吸収される。また、別の吸入技術では、医薬製剤は、気道中の目標領域へとデリバリーされ、該目標領域に局所的な治療を提供する。また、乾燥粉末医薬製剤をエアロゾル化する装置を含む多くのタイプの吸入装置がある。
【0003】
使用者が利用し易いように、医薬製剤はパッケージングされることが多い。例えば、一般的に、ブリスター又はブリスターパックと呼ばれる複層パッケージの層間に、一回投与量の医薬製剤又は一回投与量の一部の医薬製剤が貯蔵される。典型的には、下側の層に凹部が形成され、この凹部内に医薬製剤が配置され、この凹部内に医薬製剤を保持するために、上記下側の層の上に上側の層が、これら層を加熱することによって及び/又は加圧することによってシールされる。或いは、嚥下用のカプセル又は医薬製剤をエアロゾル化するカプセル内に、一回投与量の医薬製剤が貯蔵される。また、ボトルやバイアルなどのその他のパッケージも、医薬製剤を貯蔵するために使用される。
【0004】
ところで、医薬製剤でパッケージを効率的に満たすことは難しいことが多い。例えば、粉末充填処理中に粉末を十分に流動化すること、及び/又は、粉末の流動性を一貫したものに維持することは難しい。粉末が十分に制御されていないと、パッケージは一貫して充填されない。例えば、充填量がパッケージ間で異なり、このために、単位投与量のパッケージとして患者にデリバリーされる投与量に悪影響を及ぼしたり、或いは、複数回投与量のパッケージにパッケージングされる投与量が多過ぎたり少な過ぎたりしてしまう。さらに、充填処理中に粉末の流量が一貫しないことから、パッケージ内の粉末の充填特性が様々なものになってしまうことがある。
【0005】
従って、粉末の流量、特に、粉末医薬製剤の流量を制御できることが望まれている。特に、パッケージが医薬製剤で効果的に且つ一貫して充填されるように、粉末医薬製剤の流量を制御できることが望まれている。また、医薬製剤に対する悪影響を少なくするように医薬製剤の流量を制御することが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
要約
本発明は、こうした要求を満足させるものである。また、本発明の1つの態様では、ホッパーからの粉末の流量が改良された形で制御される。
【0007】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバー充填装置は、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーを具備する。また、この装置は、ホッパー内の媒体を攪拌すると共に該媒体の攪拌を上記出口を通る粉末の流量を制御するのに十分な程度とすることができる攪拌部材を具備する。チャンバーは、上記出口を通って該チャンバーに流入する粉末により充填される。
【0008】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバー充填装置は、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーを具備する。また、この装置は、ホッパー内、又は、上、又は近くに配置されると共に該ホッパー内の粉末から離れて配置され、該ホッパー内の粉末を流動化できる振動可能部材を具備する。チャンバーは、上記出口を通ってチャンバー内に流入する粉末で充填される。
【0009】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバーを充填する方法は、ホッパー内に医薬製剤の粉末を提供する工程と、該ホッパー内の媒体を攪拌して粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバーに送る工程とを具備する。
【0010】
また、本発明のさらに別の態様では、チャンバーを充填する方法は、医薬製剤の粉末を提供する工程と、該粉末から離れて配置された部材を振動させて該粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバーに送る工程とを具備する。
【0011】
また、本発明のさらに別の態様では、医薬パッケージは、容器を提供する工程と、粉末から離れて配置された流動化部材により流動化された粉末医薬製剤で上記容器を充填する工程と、上記容器をシールして粉末医薬製剤を上記容器内に保持する工程とを具備する過程により作られる。
【0012】
図面
以下の記載、特許請求の範囲、及び本発明の特徴の例を示す添付の図面を参照すれば、本発明の特徴、態様、及び利点を良好に理解できるであろう。しかしながら、本発明において、各特徴は、一般的な形で使用されるものであって、特定の図面に関連してのみ使用されるものではなく、本発明は、これら特徴の組合せを含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の粉末充填装置の略側面断面図である。
【図2】図2A〜図2Cは、本発明の粉末充填装置を使用して充填される様々な容器の略側面断面図である。
【図3】図3は、粉末充填装置の別の実施形態の略側面断面図である。
【図4】図4A及び図4Bは、粉末充填装置の動きを示した略側面断面図である。
【図5】図5は、粉末充填装置の別の実施形態の略側面断面図である。
【図6】図6A及び図6Bは、粉末充填処理中にある図5の粉末充填装置の略側面断面図である。
【図7】図7は、多チャンバー型粉末充填装置の略正面断面図である。
【図8】図8A及び図8Bは、多チャンバー型粉末充填装置の別の実施形態の略正面断面図である。
【図9】図9は、粉末充填装置の実施形態の内部を示す略切断図である。
【図10】図10は、大量粉末コンテナを備えた粉末充填装置の略側面断面図である。
【図11】図11は、大量粉末コンテナを備えた粉末充填装置のより詳細な略側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
記載
本発明は、例えば、パッケージ充填処理中に粉末の流量を制御することにより、粉末の流量を制御することに関する。この処理を粉末医薬製剤のパッケージングとの関連で説明するが、本発明は、別の処理にも使用可能であって、本明細書に記載する例に制限されるものではない。
【0015】
図1に、本発明の粉末充填装置100が概略的に示されている。粉末充填装置100は、粉末医薬製剤などの粉末115を収容することができるリザーバー110を備えたホッパー105を有する。ホッパー105は、適切な大きさであって且つ形状であり、流動化した粉末が流れる出口120を有する。この出口120の近くにチャンバー125が配置され、このため、出口120を通って流れる粉末は、チャンバー125内に流入して該チャンバー125を充填する。
【0016】
ホッパー105内、又は、ホッパー上、又は、ホッパー近くに、粉末流動化装置130が配置される。粉末流動化装置130は、ホッパー105内に攪拌を提供する攪拌部材135を有する。1つの実施形態では、攪拌部材135は、作動装置140により作動せしめられて、ホッパー105内に攪拌をもたらし、ホッパー105内の粉末115の流量を制御する。例えば、攪拌部材135は、ホッパー105内の空気又はその他のガスといった媒体145を攪拌し、この攪拌された媒体145が粉末115を流動化させる。従って、攪拌部材135の少なくとも一部は、媒体145によって粉末115から離れて配置されている。
【0017】
粉末流動化装置130は、ホッパー105内での粉末充填処理を制御するために使用される。1つの実施形態では、粉末流動化装置130は、連続的に又は短い間隔の周期で作動して、粉末115を常に流動化された状態に保つ。この実施形態では、粉末115は、ホッパー105が空になるまで、又はチャンバー125が充填されるまで、出口120を通って流れる。別の実施形態では、粉末流動化装置130は、粉末115の流れのタイミングを制御すると共に、或いは、それに代えて、ホッパー105の出口120を通ってチャンバー125内に流入する粉末115の量を制御する。例えば、ホッパー105の出口120は、十分に小さいので、攪拌されていない粉末115は、出口120を通って流れないか、或いは、出口120を通って連続的には流れない。粉末115をチャンバー125内に流入させることが要求されたとき、作動装置140が攪拌部材135によって媒体145を攪拌させ、それにより、粉末115を流動化し、粉末115が出口120を通ってチャンバー125内に流入することができるようにする。チャンバー125が十分に充填されたとき、作動装置140は、攪拌を停止するか、或いは、攪拌度合いを弱め、それにより、出口120を通って流れる粉末115の量を低減し、例えば、出口120を通る粉末の流れを止める。
【0018】
1つの実施形態では、粉末流動化装置130は、ホッパー105内に攪拌を提供し、該攪拌は振動150を含む。攪拌部材135は、ホッパー105内、又は、上、又は、近くに振動可能な物体、例えば、膜155を有し、該膜155は、作動装置140により駆動されると、振動して振動を作り出すことができる。振動膜155は、媒体145を攪拌する。例えば、膜155が下方へ動くと、その直ぐ正面にある媒体145の部分が圧縮され、圧力が僅かながら上昇し、次いで、膜がその静止位置を越えて戻ると、圧力が低下する。こうした処理が続くことにより、膜155からは、圧力が交互に高くなったり低くなったりする1つ以上の波が放射される。該波は、粉末115に接触し、その結果生じる衝撃は、粉末115を少なくとも一時的に流動化するのに十分なものである。
【0019】
振動150の振動数は、特定の粉末115を流動化することができるように及び/又は特定の充填処理に最も適するように選択される。或る特定の実施形態では、振動150は、可聴域内のものとされる。また、別の実施形態では、オペレータの不快感を和らげるために、膜155は、非可聴域の振動数で振動するものとされる。こうした振動は、望ましい形で粉末115を流動化し或いは粉末115の流量を制御するものであれば、如何なる振動数であっても、また、複数の振動数であってもよい。例えば、図1に示されている実施形態では、膜155は、約10Hz〜約1000Hz、より好ましくは、約90Hz〜約500Hz、より好ましくは、約100Hz〜約200Hz、そして、最も好ましくは、約120Hzの振動数を含む1つ以上の振動数で振動する。また、或る実施形態では、振動数は選択可能なものとされる。ホッパー105内に共鳴を引き起こすものとして実験や分析を通して決定される振動数といった、例えば、特定の構成及び/又は粉末に対する特に望ましい振動数が実験やモデル化を通して選択される。
【0020】
チャンバー125は、出口120を通ってホッパー105から流れてくる粉末を受け取ることができるようにホッパー105の出口120に対応して配置可能な開口160を有する。例えば、図1に示されている実施形態のような実施形態では、ホッパー105とチャンバー125を有し或いは支持している部材165との間に余分な量の粉末115が捕らわれることを防止するために、チャンバー125の開口160は、実質的に出口120と同じ形であって且つ同じ大きさである。図1の実施形態で示されているように、ホッパー105は、出口120に向かって収束する流路を粉末115に与えるために、互いに向かって収束する側壁170を有する。上記収束する流路は、ホッパー105の収容可能容積を増大することができる。また、別の実施形態として、チャンバー開口160の大きさと出口120の大きさとが、異なっていてもよい。例えば、正確に制御された量の粉末115で比較的大きなチャンバーを充填することが所望されている場合、又は、出口120の下にチャンバー125を正確に配置する機構を提供することが所望されていない場合には、出口120が開口160よりも小さくてもよい。或いは、ホッパー105を使用して様々な大きさのチャンバー125を充填することが所望されている場合、又は、ホッパー105と部材165との間の空間への粉末115の消失が重大な事項ではない場合には、開口160が出口120よりも小さくてもよい。
【0021】
チャンバー125は、容器175内にあり、該容器は、粉末115を貯蔵するために使用される。例えば、容器175は、粉末医薬製剤を貯蔵するために使用される主要なパッケージ又は補助的なパッケージの形態をしている。或る実施形態では、容器175は、複層パッケージを有し、一般的には、ブリスター又はブリスターパックと呼ばれ、そして、チャンバー125は、この複層パッケージ内にある。図2Aに示されているように、粉末115は、ホッパー105から複層パッケージの下層185の凹部180へと流れる。全体が本明細書に援用される米国特許第5,865,012号、及び、2002年11月20日に出願された米国特許出願第10/301,820号に記載されているように、例えば、両層を加熱及び/又は加圧することによって下層185上に上層(図示せず)がシールされ、凹部180内に粉末が保持される。また、或る実施形態では、複層パッケージは、例えば、アルミニウムを含む層といった金属含有層からなる下層、及び/又は、金属含有層からなる上層を有する。これら金属含有層は、そこを相当な量の湿気が通過してしまうことを防止するために、十分厚い。例えば、金属含有層は、約10μm〜約100μm、より好ましくは、約20μm〜約80μmである。下層及び上層は、例えば、約1μm〜約20μmのラッカー層といったシール剤の層によって互いに密着される。また、別の実施形態では、容器175は、例えば、嚥下用のカプセル又は医薬製剤をエアロゾル化するカプセルといったカプセルを有し、このカプセル内にチャンバー125がある。図2Bに示されているように、カプセルの第一部分190は、ホッパーの出口120を通って流れる粉末を受け取るように配置される。充填後、第一部分190上に、第二部分(図示せず)が配置されて、カプセルの形を形成して該カプセル内に粉末を収容する。これは、全体が本明細書に援用される米国特許4,247,066号、米国特許 4,864,876号、米国特許6,357,490号、及び、2000年2月17日に開示されたPCT出願WO00/07572号に記載されている。また、別の実施形態では、図2Cに示されているように、ボトル又はバイアルなどのコンテナ195内にチャンバー125がある。例えば、この実施形態では、コンテナ195は、全体が本明細書に援用される米国特許4,524,769号に記載されているコンテナのように、複数回の投与量の粉末医薬製剤を収容するために使用される。
【0022】
また、別の実施形態では、チャンバー125は、粉末を運搬する輸送チャンバー200であり、該輸送チャンバーは、ホッパー115から当該輸送チャンバー200へと流れる粉末をパッケージ175内のチャンバーなどの別のチャンバーへと輸送する。例えば、図3に示されているように、輸送チャンバー200は、可動部材205内に設けられる。図3に示されるように、輸送チャンバー200は、充填位置において、ホッパー115から粉末を受け取る。次いで、該輸送チャンバー200を可動部材205がパッケージ175の近くへと運搬する。ここで、少なくとも輸送チャンバー200の中身の少なくとも一部が、パッケージ175へと移される。輸送チャンバー200は、所定量の粉末を収容する大きさとされる。例えば、輸送チャンバー200は、規定投与量の粉末医薬製剤を集める大きさとされ、そして、正確な規定投与量が、パッケージ175へと輸送される。また、輸送チャンバー200内の余分な粉末を掻き落とすために,ドクターブレード210が設けられていてもよい。
【0023】
図4A及び図4Bに示されている実施形態では、粉末輸送補助機構215が設けられている。1つの実施形態では、粉末輸送補助機構215は、輸送チャンバー200に連通する通路220を有する。通路220は、輸送チャンバー200が図4Aに示されている粉末収集位置にあるときに、吸引源に接続可能となる。こうして、粉末115を輸送チャンバー200内への収集を補助するために、吸引225が輸送チャンバー200にもたらされる。粉末115が通路220内に吸入されることを防止する、輸送チャンバー200内にフィルター230が設けられる。該フィルターは、例えば、約0.10μm〜約0.65μm、最も好ましくは、約0.65μmの直径を有する複数の孔を有する。通路220は、輸送チャンバー200が図4Bに示されている粉末排出位置に移動したときに、通路220内に圧力235を生成して輸送チャンバー200内の粉末を容器175へ排出せしめるために、加圧ガス源に接続可能となる。粉末輸送補助機構の例は、全体が本明細書に援用される米国特許5,826,633号に記載されている。
【0024】
粉末充填装置100は、有利な粉末充填処理を提供する。その利点の1つは、ホッパー105内の粉末とその他の物体とが物理的に接触する量を低減することである。こうした接触の低減は、粉末医薬製剤が望ましくない状態となることを防止するのに有用である。例えば、過度の物理的な接触は、幾つかの状況下で、以下の状況、すなわち、凝集形成、静電気的相互作用の増加、変性、及び、エアロゾル性能の低減の1つ又は1つ以上を引き起こす可能性がある。こうした望ましくない効果は、高価で且つ煩雑な方法で防止され或いは補われてきたが、直接的な物理的接触の量を低減すれば、特に単純化された有用な代替物が提供されることになる。
【0025】
別の実施形態では、粉末充填装置100は、上述したタイプの粉末流動化装置130を、追加の粉末流動化部材と組み合わせて有する。例えば、図5に示されるように、粉末充填装置は、第二の粉末流動化装置240を有する。第二粉末流動化装置240は、粉末流動化部材250と作動装置255とを有し、該作動装置は、ホッパー105内の粉末115を流動化するように粉末流動化部材250を駆動する。例えば、粉末流動化部材250は、粉末115に直接接触する部材であり、そして、該流動化部材250の動きにより、粉末115が流動化される。図示されている実施形態では、粉末流動化部材250は、敷き詰められている粉末115へと下方に延びるロッド260を有する。また、保持アーム265がホッパー105内でロッド260を保持する。作動装置255は、アーム265を駆動することによってロッド260を駆動するように接続されるか、或いは、例えば、ロッド260とアーム265との間に接続されるようにしてロッド260に直接接続される。こうした粉末の流動化は、全体が本明細書に援用される米国特許6,182,723号に記載されている。作動装置240によってロッド260が振動せしめられる。例えば、図5に示されるように、ロッドは、出口120の近くに配置可能な末端を有し、作動装置240は、ロッドを上下動270させて粉末を流動化し、粉末を出口120を介してチャンバー125に流入させる。特定の実施形態では、ロッド260は、圧電モーターなどのモーターに取り付けられて、約1000Hz〜約180,000Hz、好ましくは、約10,000Hz〜40,000Hz、最も好ましくは、約15,000Hz〜約25,000Hzの振動数で振動せしめられる。これに加えて、或いは、これに代えて、ロッド260が、別の方向、例えば、横方向又は回転方向に振動せしめられたり動かされたりしてもよい。また、別の実施形態として、上記追加の粉末流動化部材が、スターラー又はその他の流動化機構を有していてもよい。
【0026】
粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とは、協力して働いて、或いは、単独で働いて、ホッパー105内の粉末115を流動化する。図5に示されている例では、粉末流動化装置130が第二粉末流動化装置240と同時に作動されて、媒体145中に振動150が生成されると同時に粉末115が直接振動270せしめられる。或る種の粉末にとって、こうした組み合わされた作用は、優れた流動化の可能性を与える。また、別の実施形態として、粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とが、異なるタイミングで作動されたり、或いは、互いに補う形で作動されたりしてもよい。図6A及び6Bに示されている例では、粉末流動化装置130は、第二粉末流動化装置240の作用を補う役目をする。図6Aに示されるように、或る種の粉末にとって、ロッド260の振動は、チャンバー125を充填するのには十分であるが、ロッド260に近い領域に1つ以上の空隙275を形成してしまう。空隙275が形成された後は、ロッド260の振動は、流動化の可能性をほとんど持たなくなってしまう。そこで、空隙275を埋めるために、粉末流動化装置130が、図6Bに示されているように作動される。ここでの媒体145の攪拌は、粉末115を再びロッド260に接触させ、その結果、ロッド260が再び振動せしめられたときに粉末115を流動化することができるのに十分なものである。粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240は、出口120を通して複数のチャンバー125を充填する間、粉末115を連続流動化状態に維持するように連続的に稼動する。或いは、粉末115が流動化されることが所望されるときのみ粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240を稼動するものとし、出口120の大きさを、こうした流動化装置が稼動されていないときに実質的に粉末が出口120を通って流れないような大きさとしておいてもよい。
【0027】
図7に示されるように、或る実施形態では、粉末充填装置100は、複数のチャンバー125を同時に充填するように構成される。この実施形態では、ホッパー105が複数、例えば、2、3、4、又はそれ以上の出口120を有する。粉末流動化装置130は、出口120の全てに渡ってホッパー105内の粉末115を流動化するように配置される。図7に示される実施形態では、出口120を通って流れた粉末は、この実施形態では回転可能な部材である可動部材205内の輸送チャンバー200に流入する。輸送チャンバー200が充填されると、可動部材205は、図示されている充填位置から、輸送チャンバー200が各容器175上に配置される排出位置へと回転される。容器175は、プラットフォーム300により支持されている。容器175を図7に示されている位置へと運搬し、そして、プラットフォーム300は、可動部材205に対して移動可能であって、図7に示されている位置に容器を移動させたり、これら容器の充填後、輸送チャンバー200がその充填位置へ戻されるときに容器175を取り除いたりすることができる。そして、所望の数の容器が充填されるまで、こうした処理が続けられる。なお、別の実施形態として、プラットフォーム300が、容器を受け取るための開口を備えた割出し可能な可動プレートであってもよい。また、さらに別の実施形態として、プラットフォーム300が、ローラーシステム上のベルトであってもよい。
【0028】
図8A及び8Bは、同時に複数のチャンバー120を充填でき、流動化装置130及び第二流動化装置240を有する粉末充填装置100の実施形態を示している。図8Aの実施形態では、第二粉末流動化装置240は、上下方向270に振動せしめられるロッド260を有する。さらに、ロッド260を各開口を横切るように水平方向310に平行移動することができる機構が設けられている。典型的な平行移動機構は、上述したように本明細書に援用される前述の米国特許6,182,712号に記載されている。図8Bの実施形態では、複数の振動ロッド260が設けられている。例えば、ロッド260は、それぞれ、出口120に対応せしめられている。
【0029】
図8Aに示されている実施形態に従った粉末充填装置の実施形態の詳細を示す図が、図9に示されている。この実施形態において、粉末流動化装置130と第二粉末流動化装置240とは、複数の出口を通るホッパー内の粉末の流量を制御するために使用される。第二粉末流動化装置のロッド260は、該ロッド260を上下に振動させる圧電作動装置又はモーター320に連結されている。アーム265内には、ホッパー105を横切るようにロッド260を平行移動310させるネジ式駆動装置のような機構が設けられる。粉末充填装置100内の所望の状態を維持するために、第一囲い325と第二囲い330とが提供されている。例えば、粉末医薬製剤などの或る種の粉末にとっては、清潔な環境や滅菌された環境を維持することが望まれる。特に、相当な量の湿気に晒されたときに変化を被る粉末を充填するときには、囲い内において、或る相対湿度を維持することも望まれる。囲いの1つ又はそれ以上は、例えば、医用品質ステンレススチール、工業性ポリマー、PVCなどからなる。或る実施形態として、第二囲い内に、複数の粉末流動化装置130を設けてもよい。これは、非常に大型のホッパー105が使用される場合に有利である。また、囲い325を貫通する入口335は、大量の粉末をホッパー105に導入することを可能とする。
【0030】
粉末流動化装置130の少なくとも一部は、第二囲い330内に収容される。或る実施形態では、膜155は、慣用のオーディオスピーカーからのスピーカーコーンの一部である。このスピーカーは、増幅器を介して出力・振動数範囲をスピーカーに提供できる関数発生器に接続される。スピーカーコーンが振動すると、流動化音が生成される。スピーカーコーンは、例えば、3インチウーファー、4インチウーファー、6.5インチウーファーなどを有する。別の実施形態として、粉末流動化装置がスピーカーコーンから離れて配置された膜を有し、スピーカーコーンが振動したときにこの膜が振動せしめられるようになっていてもよい。この構造は、ホッパー105内の制御された環境、すなわち、スピーカーが第二囲い330内に完全に収容されていてホッパー105に直接晒されていないという環境を維持する点で有用である。
【0031】
これに加えて、或いは、これに代えて、大量粉末コンテナ360内に収容されている大量の粉末355を流動化するために、大量粉末流動化装置350が設けられてもよい。図10に示されるように、大量粉末コンテナ360は、ホッパー105に粉末を供給するために使用される。この実施形態において、大量粉末コンテナ360は、入口335に連通してホッパー105へと繋がる出口365を有する。大量粉末流動化装置350は、上述したような膜370と作動装置375とを有し、大量の粉末355を流動化して出口365を介してホッパー105に流入させることが要求されたときに作動される。この作動は、概ねホッパー105の1つ以上の出口120を通って流れる粉末の流量で少量ずつの粉末が連続してホッパー105に供給されるように連続的なものとする。しかしながら、この作動は、断続的なものでもよい。或る実施形態では、大量粉末流動化装置350は、ホッパー105内の粉末レベルが所定レベル以下になったときに作動される。なお、この作動に手動での作動が含まれていてもよいし、或いは、自動的に再充填できるように容量性センサのようなレベルセンサが設けられてもよい。また、入口335の近くに、ゲート又はバルブが設けられてもよい。
【0032】
図9及び10の実施形態の特徴を備えた粉末充填装置100が、図11に示されている。この実施形態では、大量粉末コンテナ360の粉末をホッパー105に選択的に導入するために、バルブ380が設けられている。この実施形態では、バルブ380は、ホッパー105内に敷き詰められた粉末115のレベルが所定レベル以下になったときに開弁せしめられる。また、敷き詰められた粉末のレベルは、該敷き詰められた粉末のレベルが上記所定レベル以下になったときに信号を発生するように動作可能に配置された容量センサ385によって検出される。この信号は、バルブ380の開閉を制御するコントローラに提供される。これに代えて、或いは、これに加えて、レーザーセンサを使用してもよい。また、図示されている実施形態においても、大量粉末流動化装置350の少なくとも一部に対し、第二囲い390が設けられている。
【0033】
粉末充填装置100は、改良された形で粉末を容器に充填するために作製されたものである。この粉末充填装置100は、特に、微細乾燥粉末を単位投与量容器に充填するのに効果的である。例えば、表1は、従来の粉末充填機を使用した場合と本発明の粉末充填装置100を使用した場合とにおける微細乾燥粉末医薬製剤である粉末Aの充填についての比較を示している。従来の粉末充填機は、米国特許6,182,712号に記載されているものである。また、この比較には、図4A及び図4Bに示されている輸送チャンバーを備えた図11に示されている粉末充填装置100が使用された。表において、Nは充填された容器の数を表し、SDは標準偏差を表し、RSDは相対標準偏差を表す。示されるように、5回の独立した試行の各々において、従来のシステムは、粉末充填装置100の充填一貫性に匹敵することができない。事実、従来のシステムを使用したときの最良の試行においてさえ、充填範囲は、本発明の粉末充填装置100を使用したときに比べて二倍以上の範囲であった。
【0034】
【表1】
【0035】
本発明の粉末充填装置100は、様々な粉末を充填する一般的な順応性を示した。図4A及び4Bに示されている輸送チャンバーを備えた図11に示された粉末充填装置100を異なる粉末での比較のために使用し、その結果を表2に示した。6つの異なる粉末を単位投与量容器に充填した。これら粉末の大きさ、組成、活性薬剤、賦形剤、及び、性質は様々であった。しかしながら、データから分かるように、各粉末に関し、非常に一貫性のある充填が達成された。また、各粉末に対し、非常に低いRSDが達成された。さらに、粉末充填装置100は、容器に少量の投与量を一貫して充填することも多量の投与量を一貫して充填することもできることを示した。
【0036】
【表2】
【0037】
大量粉末流動化装置350の作動を制御するため及び/又は粉末流動化装置130及び/又は第二粉末流動化装置240の作動を制御するために、コンピュータコントローラが設けられる。このコントローラは、粉末充填装置100全体の駆動を制御する。また、コントローラは、1つの制御装置であっても、互いに接続された複数の制御装置であっても、パッケージ装置100の様々な要素に接続された複数の制御装置でもよい。
【0038】
或る実施形態では、コントローラは、集積回路を含む電気回路を備えた電子ハードウェアであって、粉末充填装置100の作動又は制御に適しているものを有する。一般的に、コントローラは、データ入力を受け、アルゴリズムを実行し、有用な出力信号を発生するようになっており、1つ以上のセンサ及びその他のデバイス要素からのデータ信号を検出し且つ粉末充填装置100における処理を監視し或いは制御するために使用される。しかしながら、コントローラが、単に、これらタスクの1つを行うようになっていてもよい。1つの実施形態では、コントローラは、(i)メモリシステムに接続される中央演算処理装置(CPU)と周辺制御装置と有するコンピュータと、(ii)粉末充填装置100の特定の要素を作動し或いは特定の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASICs)と、(iii)適切な支持回路を備えた1つ以上のコントローラインターフェースボードとのうちの1つ又は1つ以上を有する。典型的なCPUには、PowerPC(商標)、Pentium(登録商標)、及び、その他の同様なプロッセッサが含まれる。ASICsは、例えば、粉末充填装置100からのデータやその他の情報といった特定のタスクの検索、及び/又は、特定のデバイス要素の作動用に設計され、そして、予めプログラミングされる。典型的な支持回路は、例えば、コプロセッサ、クロック回路、キャッシュ、電源、及び、CPUに接続されるその他の公知の構成要素を含む。例えば、CPUは、当該技術分野で公知のランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び、その他の記憶装置に連動して動作することが多い。RAMは、処理の実行中、本発明のソフトウェア実行を記憶するために使用可能である。本発明のプログラム及びサブルーチンは、典型的には、大容量記憶装置内に記憶され、CPUにより実行されるときに、RAMで一時記憶を呼び起こされる。
【0039】
本発明のソフトウェア実行・コンピュータプログラムコード製品は、例えば、EPROMのようなメモリ装置に記憶され、コントローラによる実行中、RAMへと呼ばれる。コンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C''、パスカル、又は、ネイティブアセンブリ(native assembly)のような慣用のコンピュータによる読込可能なプログラミング言語で作成される。適切なプログラムコードは、慣用のテキストエディタを使用して、単一のファイル又は複数のファイルに書き込まれ、そして、例えば、コンピュータシステムのメモリのようなコンピュータが使用可能な媒体に記憶され或いは具現化される。書き込まれたコードテキストが、高レベル言語であるなら、該コードは、予めコンパイルされたウィンドウズ(登録商標)ライブラリルーチンのオブジェクトコードと結合されるコンパイラーコードに対してコンパイルされる。結合されそしてコンパイルされたオブジェクトコードを実行するために、システムの使用者は、オブジェクトコードを呼び出し、コンピュータシステムにメモリ内のコードを読み込み、コンピュータプログラムで同定されるタスクを行わせる。
【0040】
1つの実施形態として、コントローラが、粉末充填装置100上又は内に収容される十分に小さく低電力消費のマイクロプロセッサ又はASICを備えていてもよい。例えば、ローカルマイクロプロセッサとして使用される適切なマイクロプロセッサは、モトローラ社製のMC68HC711E9、マイクロチップ社製のPIC16C74、及び、インテル社製の82930AXを含む。マイクロプロセッサは、1つのマイクロプロセッサチップ、複数のプロセッサ、及び/又は、コプロセッサチップ、及び/又は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)性能を有することができる。
【0041】
或る特定の有用な実施では、粉末充填装置100は、粉末医薬製剤で、医薬容器、例えば、ブリスター、カプセル、バイアル、ボトルなどを充填するために使用される。例えば、粉末充填装置100は、使用者による吸入のために医薬製剤をエアロゾル化する容器に乾燥粉末吸入可能医薬製剤を充填するのに特に有利であると証明されている。例えば、米国特許5,785,049号、米国特許5,415,162号、米国特許出願09/583,312号に記載されているように、粉末状であるとき、粉末は、最初の段階では、該粉末のエアロゾル化前に開封される密閉パッケージ内に貯蔵されている。或いは、米国特許第4,995,385号、米国特許第3,991,761号、米国特許第6,230,707号、及び、PCT公開WO97/27892号に記載されているように、粉末は、エアロゾル化装置に挿入する前、挿入している間、又は、挿入した後に開封可能なカプセル内に収容されている。また、バルク、ブリスター、カプセルなどの形態では、粉末は、米国特許第5,458,135号、米国特許第5,785,049号、及び、米国特許第6,257,233号に記載されているような加圧空気のような活性要素、又は、2000年4月24日に出願された発明の名称が「エアロゾル化装置及び方法」である米国特許出願第09/556,262号、及び、PCT公開WO00/72904号に記載されているような高圧ガスのような活性要素によってエアロゾル化される。或いは、前記米国特許出願第09/583,312号及び米国特許第4,995,385号に記載されているように、粉末は、使用者の吸入に応答してエアロゾル化される。上で挙げた文献は全てその全体が本明細書に援用される。
【0042】
医薬製剤は、活性薬剤を含みうる。本明細書中に記載される活性薬剤は、薬剤、薬、化合物、物質又はその混合物の組成物を含み、薬理効果、しばしば有益な効果を提供する。該活性薬剤は、食品、栄養補助食品、栄養素、薬剤、ワクチン、ビタミン、及び別の有益な試薬を含む。本明細書中に使用されるとき、これらの用語は、いずれの生理又は医薬的に活性な物質であって、患者において局在性又は全身性効果を生じさせるいずれかの物質を含む。本明細書中に記載される医薬製剤中に取り込まれる活性薬剤は、無機又は有機化合物であることがあり、非限定的に、末梢神経、アドレナリン作動性受容体、コリン作動性受容体、骨格筋、心臓血管系、平滑筋、血液循環系、シナプス部位、神経効果器接合部位、内分泌及びホルモン系、免疫系、生殖系、骨格系、肺系、局所ホルモン系、消化器系及び排泄系、ヒスタミン系、及び中枢神経系に作用する薬剤を含む。適切な活性薬剤は、例えば催眠薬、及び鎮静薬、精神賦活剤、精神安定剤、呼吸薬剤、抗痙攣薬、筋弛緩剤、抗パーキンソン剤(ドーパミン・アンタゴニスト)、鎮痛薬、抗炎症薬、抗不安薬(抗不安薬)、食欲抑制剤、抗偏頭痛剤、筋収縮剤(muscle contractants)、抗感染症剤(抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、ワクチン)、抗関節炎剤、抗マラリア剤、制吐薬、抗てんかん薬(anepileptics)、気管支拡張薬、サイトカイン、成長因子、抗癌剤、抗血栓剤、降圧剤、心臓血管薬剤、不整脈治療剤、抗酸化剤(antioxicants)、抗喘息剤、ホルモン薬剤、例えば避妊薬、交感神経模倣薬、利尿薬、脂質制御薬、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝血剤、腫瘍剤、抗悪性腫瘍薬、低血糖薬、栄養性薬剤及び栄養補助剤、成長栄養補助剤、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診断薬剤、及び対照薬剤(Contrasting Agents)を含む。該活性薬剤は、吸入により投与されるとき、局所的に又は全身的に作用しうる。
【0043】
活性薬剤は、多くの構造クラスのうちの一つに分類されうる。非限定的に低分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖、ステロイド、生理効果を誘発できるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含む。
【0044】
本発明での使用に適した活性薬剤の例は、非限定的に1以上のカルシトニン、アンホテリシンB、エリスロポエチン(EPO)、因子VIII、因子IX、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、α-1タンパク質分解酵素阻害薬、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン1受容体、インターロイキン2、インターロイキン1受容体拮抗物質、インターロイキン3、インターロイキン4、インターロイキン6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、因子IX、インスリン、プロインスリン、インスリンアナログ(例えば、米国特許第5,922,675号において記載されるモノ-アシル化インスリン、該文献はその全てを本明細書中に援用される)、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、ソマトスタチン・アナログ、例えばオクトレオチド、バソプレッシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン(insulintropin)、マクロファージ・コロニー刺激因子(M-CSF)、神経成長因子(NGF)、組織成長因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドチモシンα1、IIb/IIIa阻害剤、α-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維症膜貫通制御因子(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌性/透過性増加タンパク質(BPI)、抗-CMV抗体、13-シス・レチノイン酸、マクロライド、例えばエリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン(davercin)、アジスロマイシン、フルリスロマイシン(flurithromycin)、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン(spiromycin)、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、及びアジスロマイシン、及びスウィノライドA(swinolideA);フルオロキノロン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン(alatrofloxacin)、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン(temafloxacin)、ペフロキサシン(pefloxacin)、アミフロキサシン(amifloxacin)、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イロキサシン(irloxacin)、パズフロキサシン、クリナフロキサシン(clinafloxacin)、及びシタフロキサシン、アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、及びストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン(rampolanin)、ミデプラニン(mideplanin)、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート(colistimethate)、ポリミキシン類、例えば、ポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム系抗生物質;ペニシリン系抗生物質、例えば、ペネシリナーゼ感受性薬剤、例えばペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリナーゼ-抵抗性薬剤、例えばメチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン(floxacillin)、ナフシリン;グラム陰性微生物活性薬剤、例えばアンピシリン、アモキシシリン、及びヘタシリン、シリン、及びガルアンピシリン(galampicillin);抗シュードモナス菌ペニシリン系抗生物質、例えばカルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、及びピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セファラドリン(cephradrine)、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン(cephaloglycin)、セフロキシム、セフォラニド(ceforanide)、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル(cephacetrile)、セフェピム、セフィキシム、セフォニィド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、及びモキサラクタム、モノバクタム、例えばアズトレオナム;並びにカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、ペンタミジン・イソチオウエート(isethiouate)、アルブテロール硫酸塩、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ベクロメタゾン・ジプレピオネート(diprepionate)、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニド・アセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウム・ブロミド、フルニソリド、クロモリンナトリウム、エルゴタミン酒石酸塩、及びそれらの適用可能な、アナログ、アゴニスト、アンタゴニスト、阻害剤、及び医薬として許容される上記塩形態を含みうる。ペプチド及びタンパク質に関して、該発明は、合成、未変性、グリコシル化、非グリコシル化、ペジレート化(Pegylated)形態、及び生物的に活性な断片及びそのアナログを包含することを意図される。
【0045】
本発明において使用される活性薬剤は、核酸、例えば、裸の核酸分子、ベクター、ウイルス粒子付随、プラスミドDNA若しくはRNA、又は別の核酸構成物であって、細胞に形質移入若しくは形質導入するために適した、つまり、アンチセンスを含む遺伝子治療に適しているタイプの核酸構成物をさらに含む。さらに、活性薬剤は、ワクチンとしての使用に適した弱毒化生ワクチン若しくは死滅ウイルスを含みうる。別の有用な薬剤は、Physician's Desk Reference (最新版)に挙げられる薬剤である。
【0046】
医薬製剤における活性薬剤の量は、所望の結果の達成を目的とする単位投与量あたりの活性薬剤の治療有効量をデリバリーするために必要な量である。実際、その量は、特定の薬剤、その活性、治療される病気の重篤度、患者の人種、投与必要量、及び所望の治療効果に依存して広く変化するだろう。組成物は、一般的にどちらにしろ重量にして約1%〜約99%の活性薬剤、典型的には重量にして約2%〜約95%の活性薬剤、そしてより典型的には、重量にして約5%〜85%の活性薬剤を含むだろうし、そして組成物中に含まれる添加剤の相対量に依存するだろう。本発明の組成物は、特に0.001mg/日〜100mg/日、好ましくは0.01mg/日〜75mg/日、そしてより好ましくは0.10mg/日〜50mg/日の投与量でデリバリーされる活性薬剤に特に有用である。なお、本明細書に記載した製剤に1以上の活性薬剤が組み入れられてもよく、また、「薬剤」という用語の使用が、2以上のそうした薬剤の使用を排除するものではない。
【0047】
医薬製剤は、医薬として許容される賦形剤又は担体であって、有意な有害毒性効果を患者に、及び特に患者の肺に与えることなく肺に取り込まれうるものを含みうる。活性薬剤に加えて、医薬製剤は、場合により、肺投与に適した1以上の医薬賦形剤を含む。該賦形剤は、存在する場合、重量にして約0.01%〜約95%、好ましくは、約0.5%〜約80%、より好ましくは、約1%〜約60%の範囲の量で組成物中に一般的に存在する。好ましくは、そうした賦形剤は、一部は、活性薬剤組成物の特徴を改良するために、例えば、より効率的でかつ再現性のある活性薬剤のデリバリーを提供することにより、粉末の取り扱い性質、例えば流動性及び一貫性を改良することにより、及び/又は単位投与量の充填若しくは製造を促進することにより、役に立つ。特に、賦形剤材料は、活性薬剤の物理的及び化学的安定性をさらに改良するため、残存性の湿気量を最小化しかつ湿気の取り込みを妨げるため、そして粒子の大きさ、凝集の程度、粒子表面の性質、例えばしわなど、吸入の容易さ、及び粒子を肺に標的する事を高めるために、機能することが多い。1以上の賦形剤は、製剤における活性薬剤の濃度を低減することが望まれるとき、充填剤として役立つように提供されうる。
【0048】
本医薬製剤中に有用な医薬賦形剤及び添加剤は、非限定的にアミノ酸、ペプチド、タンパク質、非生体ポリマー、生体ポリマー、炭水化物、例えば糖、糖誘導体、例えばアルジトール、アルドン酸、エステル化糖、及び糖ポリマーを含みうる。これらは、単独で又は組み合わせて存在しうる。適切な賦形剤は、WO 96/32096に提供される賦形剤である。該文献は、その全てを本明細書中に援用される。該賦形剤は、約35℃以上の、好ましくは、約40℃以上の、より好ましくは、45℃以上の、最も好ましくは、約55℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0049】
典型的なタンパク質賦形剤は、アルブミン、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、組換ヒト・アルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビン、などを含む。緩衝能力において機能する適切なアミノ酸(本発明のジロイシル-ペプチドを除く)は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファン、などを含む。分散剤として機能するアミノ酸及びポリペプチドが好ましい。このカテゴリーに分類されるアミノ酸は、疎水性アミノ酸、例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、及びプロリンを含む。分散能力を高めるペプチド賦形剤は、1以上の疎水性アミノ酸要素、例えば、上記の疎水性アミノ酸を含む、二量体、三量体、四量体、及び五量体を含む。
【0050】
本発明中の使用に適した炭水化物賦形剤は、例えば、単糖、例えばフルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなど;二糖類、例えばラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなど;多糖類、例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、スターチなど;並びにアルジトール、例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシル・ソルビトール、ミオイノシトールなどを含む。
【0051】
医薬製剤はまた、緩衝液又はpH調節薬剤を含む。典型的には、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩衝液は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の有機酸塩、トリス、トロメタミンの塩酸塩、或いはリン酸緩衝液を含む。
【0052】
医薬製剤はまた、ポリマー性賦形剤/添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン、誘導体化セルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、フィコール(ポリマー性糖)、ヒドロキシエチルスターチ、デキストレート(例えば、シクロデキストリン、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)、ポリエチレン・グリコール、及びペクチンを含む。
【0053】
医薬製剤は、さらに香味剤、味覚遮蔽剤、無機塩(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、ポリソルベート、例えば「TWEEN20」及び「TWEEN80」)、ソルビタン・エステル、脂質(例えば、リン脂質、例えばレシチン及び別のホスファチジル・コリン、ホスファチジルエタノールアミン)、脂肪酸及び脂肪エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛、及び他のそうした適したカチオン)を含みうる。本発明に従った組成物中の使用のために適した別の医薬賦形剤及び/又は添加剤は、"Remington: The Science &Practice of Pharmacy", l9th ed., Williams & Williams, (1995), and in the "Physician's Desk Reference", 52nd ed., Medical Economics, Montvale, NJ (1998)に収載される。両文献はその全てを本明細書中に援用される。
【0054】
本発明の粉末は、概して、多分散なものである(すなわち、粒子サイズに幅がある)ことから、「質量中央径」、すなわち、「MMD」は、平均粒子サイズの測定値である。幾つかの一般的に採用されている技術が平均粒子サイズを計測するために使用されているが、本明細書で報告するMMD値は、遠心沈降法によって求められたものである。「空気力学的質量中央径」、すなわち、「MMAD」は、分散粒子の空力学的サイズの計測値である。この空気力学的質量中央径は、エアロゾル化された粉末をその沈降挙動の観点で表現するために使用されるものであって、一般的に、空気中で粒子と同じ沈降速度を有する単位密度球の直径である。また、この空気力学的質量中央径は、粒子の形状、密度、及び、物理的な粒子サイズを含むものである。本明細書で使用されるとき、MMADは、カスケードインパクターによって求められるエアロゾル化粉末の空力学的粒子サイズ分布の中間点又は中央点を指す。
【0055】
1つの実施形態では、本発明に使用される粉末製剤は、肺胞へと浸透することができるように選択された粒子サイズを有する乾燥粉末、すなわち、好ましくは、直径が10μm、好ましくは、7.5μm未満、最も好ましくは、5μm未満、通常、0.1μm〜5μmの範囲内の質量中央径(MMD)を有する乾燥粉末を含む。そして、これら粉末の運搬投与効率(DDE)は、30%より大きく、より好ましくは、40%より大きく、より好ましくは、50%より大きく、最も好ましくは、60%より大きく、エアロゾル粒子サイズ分布は、約1.0〜5.0μmの空気力学的質量中央径(MMAD)、通常、1.5〜4.5μmのMMAD、好ましくは、1.5μm〜4.0μmのMMADである。これら乾燥粉末は、重量で約10%未満、通常、重量で約5%未満、好ましくは、重量で3%未満の湿気量を有する。こうした粉末は、全体が本明細書に援用されるWO95/24183、WO96/32149、WO99/16419、及び、WO99/16422に記載されている。
【0056】
以上、特定の好適な実施形態に関連して本発明を非常に詳細に説明したが、その他の実施形態も可能であり、本明細書を読み、図面を見れば、当業者には、示した実施形態の代替物、置換物、及び、等価物は明らかであろう。例えば、相対的な動きを実行するために、目的に適うように、要素間の相対的な位置を変えることもできる。また、本明細書で説明した様々な実施形態の様々な特徴を様々な形で組み合わせ、本発明の別の実施形態を提供することもできる。さらに、特定の用語は、説明を明瞭なものとするために用いられたものであって、本発明を限定することを目的とするものではない。例えば、本明細書において、「上」「下」や「第一」「第二」などの用語を逆に使用してもよい。すなわち、添付の特許請求の範囲は、本明細書中に含まれる好適な実施形態に限定されるべきものではなく、本発明の本来の精神および範囲内に含まれる全ての代替物、置換物、及び、等価物を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーを充填するための装置であって、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーと、該ホッパー内の媒体を攪拌すると共に該媒体の攪拌を上記出口を通る粉末の流量を制御するのに十分な程度とすることができる攪拌部材とを具備し、上記チャンバーが上記出口を通って該チャンバーに流入する粉末により充填される装置。
【請求項2】
前記媒体がガスである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記媒体が空気である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記攪拌部材が前記ホッパー内に振動を生成することができる振動可能な部材である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記振動可能部材が膜からなる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記膜が前記粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記膜がコンテナ内に共鳴を引き起こすために選択された振動数で振動する請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記振動可能部材が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動する請求項1に記載の装置。
【請求項9】
粉末振動部材をさらに具備する請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記粉末振動部材が前記粉末と接触して振動する部材を有する請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記粉末振動部材が長手軸線を有し、該粉末振動部材が該長手軸線に平行な方向に振動する請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記チャンバーが容器内のチャンバーである請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記容器がブリスターパックである請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記容器がカプセルである請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記チャンバーが前記粉末を容器へと輸送する請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバーが計量チャンバーである請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記チャンバーが回転可能な部材内にある請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記回転可能な部材が粉末受取位置と粉末排出位置との間で回転可能である請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ホッパーが側壁を備えた囲いを有する請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ホッパーがカバーを有し、前記振動可能部材が該カバーの近くに膜を有する請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ホッパーがカバーを有し、該カバーが前記振動可能部材を有する請求項19に記載の装置。
【請求項22】
チャンバーを充填するための装置であって、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーと、該ホッパー内、又は、上、又は、近くに配置されると共に該ホッパー内の粉末から離れて配置され、該ホッパー内の粉末を流動化できる振動可能部材とを具備し、上記チャンバーが上記出口を通って該チャンバー内に流入する粉末で充填される装置。
【請求項23】
前記振動可能部材が膜からなる請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記膜が前記粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項23に記載の装置。
【請求項25】
第二の振動可能部材をさらに具備する請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記第二振動可能部材が前記粉末と接触する部材を有する請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第二振動可能部材が長手軸線を有し、該第二振動可能部材が該長手軸線に平行な方向に振動する請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記チャンバーが容器を有する請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記チャンバーが容器に粉末を輸送する請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記チャンバーが計量チャンバーである請求項29に記載の装置。
【請求項31】
チャンバー充填方法であって、ホッパー内に医薬製剤の粉末を提供する工程と、該ホッパー内の媒体を攪拌して上記粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通して上記チャンバーに送る工程とを具備する方法。
【請求項32】
前記媒体がガスである請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記媒体が空気である請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記媒体中に振動を生成することによって該媒体を攪拌する工程を具備する請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記振動が膜を振動することによって生成される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
粉末が前記出口を通過するように前記膜が粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記膜が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動せしめられる請求項36に記載の方法。
【請求項38】
粉末と接触する部材を振動させる工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記チャンバーが容器を有し、当該方法が該容器をシールする工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記チャンバーから容器へと粉末を輸送する工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記チャンバーを粉末受取位置から粉末排出位置へと回転する工程を具備する請求項31に記載の方法。
【請求項42】
チャンバーを充填する方法であって、医薬製剤の粉末を提供する工程と、前記粉末から離れて配置された部材を振動させて該粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバー内に送る工程とを具備する方法。
【請求項43】
前記部材が膜である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
粉末が前記出口を通過するように前記膜が粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記粉末が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動せしめられる請求項42に記載の方法。
【請求項46】
粉末と接触する第二部材を振動させる工程をさらに具備する請求項42に記載の方法。
【請求項47】
容器を提供する工程と、粉末から離れて配置された流動化部材により流動化された粉末医薬製剤で上記容器を充填する工程と、上記容器をシールして粉末医薬製剤を上記容器内に保持する工程とを具備する過程によって作製される医薬パッケージ。
【請求項48】
前記容器がブリスターパッケージである請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項49】
前記ブリスターパッケージが凹部を備えた下層を有する請求項48に記載の医薬パッケージ。
【請求項50】
前記ブリスターパッケージが前記下層上にシール可能な上層を有する請求項49に記載の医薬パッケージ。
【請求項51】
前記層のうち少なくとも1つが金属を含む請求項50に記載の医薬パッケージ。
【請求項52】
前記層の両方が金属を含む請求項50に記載の医薬パッケージ。
【請求項53】
前記容器が少なくともカプセルの一部である請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項54】
前記容器が少なくともバイアルの一部である請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項55】
前記容器がボトルである請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項56】
前記容器を充填する前に計量チャンバー内の粉末を計量する工程をさらに具備する過程により作られる請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項57】
前記計量チャンバーを回転する工程をさらに具備する過程により作られる請求項56に記載の医薬パッケージ。
【請求項58】
粉末と接触する振動部材によって粉末医薬製剤をも流動化する処理によって作製される請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項1】
チャンバーを充填するための装置であって、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーと、該ホッパー内の媒体を攪拌すると共に該媒体の攪拌を上記出口を通る粉末の流量を制御するのに十分な程度とすることができる攪拌部材とを具備し、上記チャンバーが上記出口を通って該チャンバーに流入する粉末により充填される装置。
【請求項2】
前記媒体がガスである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記媒体が空気である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記攪拌部材が前記ホッパー内に振動を生成することができる振動可能な部材である請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記振動可能部材が膜からなる請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記膜が前記粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記膜がコンテナ内に共鳴を引き起こすために選択された振動数で振動する請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記振動可能部材が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動する請求項1に記載の装置。
【請求項9】
粉末振動部材をさらに具備する請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記粉末振動部材が前記粉末と接触して振動する部材を有する請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記粉末振動部材が長手軸線を有し、該粉末振動部材が該長手軸線に平行な方向に振動する請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記チャンバーが容器内のチャンバーである請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記容器がブリスターパックである請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記容器がカプセルである請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記チャンバーが前記粉末を容器へと輸送する請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバーが計量チャンバーである請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記チャンバーが回転可能な部材内にある請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記回転可能な部材が粉末受取位置と粉末排出位置との間で回転可能である請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ホッパーが側壁を備えた囲いを有する請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記ホッパーがカバーを有し、前記振動可能部材が該カバーの近くに膜を有する請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ホッパーがカバーを有し、該カバーが前記振動可能部材を有する請求項19に記載の装置。
【請求項22】
チャンバーを充填するための装置であって、粉末医薬製剤を収容すると共に出口を有するホッパーと、該ホッパー内、又は、上、又は、近くに配置されると共に該ホッパー内の粉末から離れて配置され、該ホッパー内の粉末を流動化できる振動可能部材とを具備し、上記チャンバーが上記出口を通って該チャンバー内に流入する粉末で充填される装置。
【請求項23】
前記振動可能部材が膜からなる請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記膜が前記粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項23に記載の装置。
【請求項25】
第二の振動可能部材をさらに具備する請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記第二振動可能部材が前記粉末と接触する部材を有する請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第二振動可能部材が長手軸線を有し、該第二振動可能部材が該長手軸線に平行な方向に振動する請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記チャンバーが容器を有する請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記チャンバーが容器に粉末を輸送する請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記チャンバーが計量チャンバーである請求項29に記載の装置。
【請求項31】
チャンバー充填方法であって、ホッパー内に医薬製剤の粉末を提供する工程と、該ホッパー内の媒体を攪拌して上記粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通して上記チャンバーに送る工程とを具備する方法。
【請求項32】
前記媒体がガスである請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記媒体が空気である請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記媒体中に振動を生成することによって該媒体を攪拌する工程を具備する請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記振動が膜を振動することによって生成される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
粉末が前記出口を通過するように前記膜が粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記膜が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動せしめられる請求項36に記載の方法。
【請求項38】
粉末と接触する部材を振動させる工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記チャンバーが容器を有し、当該方法が該容器をシールする工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記チャンバーから容器へと粉末を輸送する工程をさらに具備する請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記チャンバーを粉末受取位置から粉末排出位置へと回転する工程を具備する請求項31に記載の方法。
【請求項42】
チャンバーを充填する方法であって、医薬製剤の粉末を提供する工程と、前記粉末から離れて配置された部材を振動させて該粉末を流動化する工程と、該粉末を出口を通してチャンバー内に送る工程とを具備する方法。
【請求項43】
前記部材が膜である請求項42に記載の方法。
【請求項44】
粉末が前記出口を通過するように前記膜が粉末を流動化するために選択された振動数で振動する請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記粉末が約10Hz〜約1000Hzの振動数で振動せしめられる請求項42に記載の方法。
【請求項46】
粉末と接触する第二部材を振動させる工程をさらに具備する請求項42に記載の方法。
【請求項47】
容器を提供する工程と、粉末から離れて配置された流動化部材により流動化された粉末医薬製剤で上記容器を充填する工程と、上記容器をシールして粉末医薬製剤を上記容器内に保持する工程とを具備する過程によって作製される医薬パッケージ。
【請求項48】
前記容器がブリスターパッケージである請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項49】
前記ブリスターパッケージが凹部を備えた下層を有する請求項48に記載の医薬パッケージ。
【請求項50】
前記ブリスターパッケージが前記下層上にシール可能な上層を有する請求項49に記載の医薬パッケージ。
【請求項51】
前記層のうち少なくとも1つが金属を含む請求項50に記載の医薬パッケージ。
【請求項52】
前記層の両方が金属を含む請求項50に記載の医薬パッケージ。
【請求項53】
前記容器が少なくともカプセルの一部である請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項54】
前記容器が少なくともバイアルの一部である請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項55】
前記容器がボトルである請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項56】
前記容器を充填する前に計量チャンバー内の粉末を計量する工程をさらに具備する過程により作られる請求項47に記載の医薬パッケージ。
【請求項57】
前記計量チャンバーを回転する工程をさらに具備する過程により作られる請求項56に記載の医薬パッケージ。
【請求項58】
粉末と接触する振動部材によって粉末医薬製剤をも流動化する処理によって作製される請求項47に記載の医薬パッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−100345(P2010−100345A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25475(P2010−25475)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2004−517982(P2004−517982)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(597148884)ネクター セラピューティクス (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【分割の表示】特願2004−517982(P2004−517982)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(597148884)ネクター セラピューティクス (30)
【Fターム(参考)】
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