説明

粉粒物用容器

【課題】煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止できる粉粒物用容器を提供する。
【解決手段】上部が開口し、内部が収納空間とされた容器本体3と、該容器本体の開口部4を塞ぐ蓋体2とを備え、容器本体3の側壁部32は、その周方向の一部領域の上部に、側壁上部22の下端から収納空間側へ延出する段差壁部24と、段差壁部24から垂下して底壁部34に連設する側壁下部36とを備え、段差壁部24の収納空間側への突出端部に立設されたガイド壁部26と、側壁上部22と、段差壁部24との間に、計量具収納部20が形成された粉粒物用容器1において、段差壁部24は、側壁部32の周方向に傾斜し、計量具収納部20には、段差壁部24の下端の位置に、計量具収納部20と内容物収納部30とを連通する連通部40が形成されていることよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒物用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料用洗濯洗剤や自動食器洗浄機用洗剤等の粉粒物を収納する粉粒物用容器としては、計量スプーン等の計量具を付属させた箱状の容器が知られている。
箱状の容器の使用方法は、まず蓋を開け、付属の計量スプーンで粉粒物を掬い取って計量し、計量した粉粒物を洗濯機や自動食器洗浄機等に投入するものである。箱型の容器では、計量スプーンを容器内に入れて保管するため、内容物に埋没したり、繰り返し使用しているうちに計量スプーンの持ち手に内容物が付着し、この付着した内容物により手指が汚染されるという問題がある。
【0003】
従来、こうした問題に対し、スプーン入れを洗剤収納箱の側面で上縁に吊り下げた粉末洗剤用スプーンの収納具が提案されている(例えば、特許文献1)。この発明によれば、スプーンは、内容物を収納する空間から隔離して収納されるため、内容物に埋没したり、持ち手に内容物が付着したりしにくくなる。
また、例えば、容器内にスプーンを装着する構造を備えた容器が提案されている。
特許文献2には、スプーンの柄を係止するための係止部を設けた計量スプーン付き容器が提案されている。
特許文献3には、容器蓋裏にスプーンを着脱可能に装着した調味料収納容器が提案されている。
特許文献4には、容器の相対する側壁部の上部にスプーン載置部を設け、スプーンを橋渡しするようにして収納したスプーン付き容器が提案されている。
特許文献5には、容器本体の開口部に、対向する両側壁にわたってすり切り部が架設され、すり切り部とすり切り部から空間を置いて対向するフランジ部とにスプーンを掛け渡してスプーンを収納する調味料収納容器が提案されている。
特許文献2〜5の発明によれば、計量スプーンの持ち手が内容物に埋没し、持ち手に内容物が付着することの防止が図られている。
特許文献6には、開口部と食品収容部との間に段部が設けられ、該段部に凹部を形成して喫食具収納部とし、閉蓋した時に喫食具に接触又は近接して喫食具が喫食具収容部から外部に移動するのを防止する係合部を有する包装用容器が提案されている。特許文献6の発明によれば、包装容器内で、内容物による喫食具の汚染の防止が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3016931号公報
【特許文献2】特開2006−335378号公報
【特許文献3】特開2007−137510号公報
【特許文献4】特許第3756508号公報
【特許文献5】特許第4226727号公報
【特許文献6】登録実用新案第3134311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、スプーン収納具が洗剤収納箱と別体で構成されているため、スプーン収納具が洗剤収納箱から脱落しないように容器を取り扱う必要がある。加えて、計量スプーンに付着した内容物は、スプーン収納具に持ち込まれ、スプーン収納具内で固結するという問題がある。さらに、スプーン収納具を洗剤収納箱に組み込む必要があり、生産効率が悪い。
特許文献2〜5の発明では、容器内に計量具を収納するため、容器の取り扱いが容易であるものの、これらの容器への計量具の収納方法は、使用者にとって操作自体に神経を使わせるため煩雑であるという問題がある。さらに、特許文献2、5の発明では、容器自体を重ね合わせることができず、流通過程や製造工程において、空容器を収納するための広い保管スペースが必要となる。
また、特許文献6の発明は、衣料用洗濯洗剤等の容器のように、計量する計量具の収納と取り出しを繰り返し行うことを想定していない。従って、この発明を衣料用洗濯洗剤等の容器に適用すると、計量スプーンに付着した内容物が喫食具収容部に持ち込まれ、持ち込まれた内容物により計量スプーンの持ち手が汚染されるという問題がある。
そこで、本発明は、煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止できる粉粒物用容器を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粉粒物用容器は、底壁部及び該底壁部の周縁に立設された側壁部とを備え、上部が開口し、内部が収納空間とされた容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記側壁部は、その周方向の一部領域の上部に、該側壁部の側壁上部の下端から前記収納空間側へ延出する段差壁部と、この段差壁部から下方に垂下して前記底壁部に連設する側壁下部とを備え、前記収納空間の前記段差壁部より下方が内容物収納部とされ、前記段差壁部の前記収納空間側への突出端部に立設されたガイド壁部と、前記側壁上部と、前記段差壁部との間に、計量具を収納する計量具収納部が形成された粉粒物用容器において、前記段差壁部は、前記側壁部の周方向に傾斜し、前記計量具収納部には、前記段差壁部の下端の位置に、前記計量具収納部と前記内容物収納部とを連通する連通部が形成されていることを特徴とする。
前記容器本体は、前記開口部と内底面との距離方向に直交する断面が多角形とされ、前記段差壁部は、前記多角形の任意の一辺を形成する側壁部に形成されていることが好ましい。前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部から他方の端部に向かうに従い、前記底壁部に近づくように傾斜してもよく、前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部と他方の端部との中間から、前記一方の端部及び前記他方の端部に向かうに従い、底壁部に近づくように傾斜していてもよく、前記一方の端部は、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部と離間していてもよい。
前記連通部は、前記ガイド壁部に形成された切欠きであってもよく、前記連通部は、前記段差壁部における前記側壁部の周方向の端部と、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部との離間により形成された空隙であってもよく、前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容器本体の側壁部は、その周方向の一部領域の上部に、該側壁部の側壁上部の下端から収納空間側へ延出する段差壁部と、この段差壁部から下方に垂下して底壁部に連設する側壁下部とを備え、前記収納空間の前記段差壁部より下方が内容物収納部とされ、前記段差壁部の前記収納空間側への突出端部に立設されたガイド壁部と、前記側壁上部と、前記段差壁部との間に、計量具を収納する計量具収納部が形成され、前記段差壁部は、前記側壁部の周方向に傾斜し、前記計量具収納部には、前記段差壁部の下端の位置に、前記計量具収納部と前記内容物収納部とを連通する連通部が形成されているため、煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止できる。
本発明によれば、前記開口部と内底面との距離方向に直交する断面が多角形とされ、前記段差壁部は、前記多角形の任意の一辺を形成する側壁部に形成されているため、煩雑な操作を伴わず、内容物への計量具の埋没と、内容物による計量具の持ち手の汚染とを防止できる。
本発明によれば、前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部から他方の端部に向かうに従い、前記底壁部に近づくように傾斜しているため、計量具収納部に浸入した内容物を容易に排出できる。
本発明によれば、前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部と他方の端部との中間から、前記一方の端部及び前記他方の端部に向かうに従い、底壁部に近づくように傾斜しているため、計量具収納部に浸入した内容物を容易に排出でき、かつ計量具の取り出しが容易である。
本発明によれば、前記一方の端部は、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部と離間しているため、計量具の取り出しが容易である。
本発明によれば、前記連通部は、前記ガイド壁部に形成された切欠きとされているため、計量具収納部に浸入した内容物を容易に排出できる。
本発明によれば、前記連通部は、前記段差壁部における前記側壁部の周方向の端部と、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部との離間により形成された空隙であるため、計量具収納部に浸入した内容物をより容易に排出できる。
本発明によれば、前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能であるため、流通・保管における省スペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)本発明の第一の実施形態にかかる粉粒物用容器の斜視図である。(b)(a)の容器本体のX1−X1断面図である。
【図2】(a)図1の容器本体の平面図である。(b)図1の容器本体の左側面図である。(c)図1の容器本体の正面図である。(d)図1の容器本体の右側面図である。(e)図1の容器本体の底面図である。
【図3】図1(a)の粉粒物用容器のX2−X2断面図である。
【図4】(a)本発明の第二の実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の背面側からの斜視図である。(b)(a)の容器本体の正面側からの斜視図である。
【図5】図4(a)の容器本体のY1−Y1断面図である。
【図6】(a)本発明の第三の実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の背面側からの斜視図である。(b)(a)の容器本体の正面側からの斜視図である。
【図7】(a)本発明の第四の実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の背面側からの斜視図である。(b)(a)の容器本体の正面側からの斜視図である。
【図8】(a)本発明の第五の実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の背面側からの斜視図である。(b)(a)の容器本体の正面側からの斜視図である。
【図9】(a)本発明の第六の実施形態にかかる粉粒物用容器の容器本体の背面側からの斜視図である。(b)(a)の容器本体の正面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる粉粒物用容器について、図1〜2を用いて説明する。図1(a)に示すように、粉粒物用容器1は、容器本体3と、容器本体3の開口部4を塞ぐ蓋体2とを備えるものである。
【0010】
容器本体3は、平面視長方形の底壁部34と、底壁部34の周縁に立設された側壁部32とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体3は、開口部4と内底面35との距離方向に直交する断面が長方形、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
図1〜2に示すように、容器本体3は、対向する側壁部32同士が、開口部4から内底面35に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0011】
側壁部32は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部32の上部(開口部4側)が側壁上部22とされ、側壁上部22の下端から収納空間側に延設された段差壁部24と、段差壁部24の収納空間側の端部(突出端部)から内底面35方向(下方)に垂下して底壁部34に連設された側壁下部36とを備えるものである。段差壁部24は、長手方向の一方の端部(第一の端部)24aと他方の端部(第二の端部)24bとが、開口部4の短手を形成する側壁部32に連設され、第一の端部24aから第二の端部24bに向かうに従い、底壁部34に近づくように傾斜するものとされている。
【0012】
段差壁部24の収納空間側の端部には、ガイド壁部26が上方に向かって立設され、ガイド壁部26には、第二の端部24bの位置に切欠き状の連通部40が形成されている。
図1(a)、(b)、図2(c)に示すように、ガイド壁部26は、その上端26aが、第一の端部24aを起点とし、内底面35と略平行かつ側壁上部22と略平行に延びるものとされている。即ち、ガイド壁部26は、段差壁部24の第一の端部24a側から第二の端部24b側に向かうに従い、その高さが高くなる形状とされている。
【0013】
こうして、容器本体3内部(収納空間)には、ガイド壁部26と段差壁部24と側壁上部22とで囲われた領域により、計量スプーン等の計量具を収納する計量具収納部20が形成され、収納空間内の段差壁部24の下方に内容物収納部30が形成されている。
【0014】
容器本体3は、側壁上部22、側壁下部36及び段差壁部24を含む側壁部32と、底壁部34と、ガイド壁部26とが一体成形されたものである。
容器本体3の材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックが挙げられる。
【0015】
容器本体3における開口部4から内底面35までの距離、即ち深さD1は、容器本体3に求める容量等を勘案して決定できる。
開口部4から第一の端部24aまでの距離L1は、長すぎると計量具収納部20に収納された計量具を取り出しにくくなり、収納する計量具の形状が大きく制限される。従って、距離L1は、収納する計量具の形状等を勘案し、できるだけ短くすることが好ましい。
段差壁部24の第二の端部24bから内底面35までの距離L2は、短すぎると内容物の収納量が少なくなり、長すぎると段差壁部24の傾斜が不十分となる。従って、距離L2は、容器本体3の容量と、段差壁部24の傾斜角度とを勘案して決定することが好ましい。
【0016】
段差壁部24の上面の傾斜に沿った傾斜線P1と、水平線O1とのなす角度θ1で表される段差壁部24の傾斜角度は、例えば、5〜30°が好ましく、10〜20°がより好ましい。5°未満であると、計量具収納部20に持ち込まれた内容物が、第二の端部24bに向かって流動しにくくなり、30°超であると、内容物収納部30の容量を確保するために、容器本体3全体が過大となる。
【0017】
蓋体2は、平面視長方形の平板状の天壁部12と、天壁部12の周縁から垂下された周壁部14とを備え、周壁部14が開口部4の外側に嵌合するものである。
蓋体2の材質は、容器本体3の材質と同様である。
【0018】
粉粒物用容器1の製造方法は、例えば、蓋体2と、容器本体3とを個別に射出成形し、容器本体3に蓋体2を取り付ける方法が挙げられる。
容器本体3の成形は、容器本体3の形状に対応するコアプレートとキャビティプレートよりなる金型を用い、前記金型内に容器本体3を構成する樹脂を射出して成形するものが挙げられる。
【0019】
次に、本実施形態の粉粒物用容器1の使用態様について、図3を用いて説明する。
図3は、図1(a)の粉粒物用容器1のX2−X2断面図であり、計量具収納部20に計量具60を収納した状態を説明するものである。
図3に示すように、計量具60は、器状の計量部62と、この計量部62に延設された長尺状の持ち手64とを備えるものであり、計量部62により内容物を掬い取りつつ計量する、いわゆる計量スプーンである。
【0020】
まず、容器入りの粉粒物製品を製造するに当たり、粉粒物用容器1を流通・保管する際には、蓋体2と容器本体3とを個別に流通・保管する。容器本体3の流通・保管に当たっては、容器本体3の底壁部34側を、他の容器本体3の開口部4に嵌入して重ね合わせる。このように重ね合わせることで、容器本体3の流通・保管に当たり、保管場所の省スペース化が図れる。
【0021】
次いで、内容物収納部30に内容物を収納する。内容物としては、粉粒物であれば特に限定されず、衣料用洗濯洗剤、自動食器洗浄用洗剤等の粉粒状洗剤、粉粒状の調味料等が挙げられる。次いで、計量具60を段差壁部24上に載置して計量具収納部20に収納した後、蓋体2で開口部4を閉じ、容器入りの粉粒物製品とする。なお、蓋体2を閉じた状態を、以下「常態」という。
【0022】
容器入り粉粒物製品は、常態にて、流通される。流通の際、容器入りの粉粒物製品は、落下や振動により、内容物収納部30内の内容物が、ガイド壁部26を乗り越えて、計量具収納部20内に浸入する場合がある。この際、段差壁部24が傾斜しているため、計量具収納部20内に浸入した内容物は、第二の端部24bに向かって流動し、連通部40から内容物収納部30に排出される。さらに、容器入りの粉粒物製品に、輸送による振動が加わると、計量具収納部20内に浸入した内容物の流動が促進される。このように、流通中において、内容物が計量具収納部20に堆積するのを防止でき、計量具60の持ち手64に内容物が接触したままにならない。
【0023】
内容物を使用する際には、蓋体2を開け、計量具収納部20から計量具60を取り出す。次いで、取り出した計量具60により、内容物収納部30内の内容物を掬い取って計量する。内容物を計量した後、計量具60を計量具収納部20に収納し、蓋体2を閉じることで常態とし、内容物と計量具60とが粉粒物用容器1に収納された容器入りの粉粒物製品として保管できる。
計量具収納部20に収納した計量具60の姿勢は、持ち手64の先端66を第一の端部24a側、計量部62を第二の端部24b側とされるのが好ましい。
内容物を計量具60で計量すると、少なくとも計量部62に内容物が付着する。この計量部62に付着した内容物は、計量具60を計量具収納部20に収納する際に、計量具収納部20に持ち込まれる。計量具収納部20に持ち込まれた内容物は、段差壁部24の傾斜に従い、第二の端部24bに向かって流動し、連通部40から内容物収納部30に排出される。従って、計量具60を上述の姿勢で収納することで、持ち手64に内容物が付着するのを良好に防止できる。
【0024】
上述のように、本実施形態によれば、容器本体の内部に計量具収納部が形成されているため、取り扱いの仕方によって計量具収納部が脱落することがない。加えて、容器本体内の段差壁部の下方が内容物収納部とされているため、計量具収納部に計量具を置くという簡単な操作で、計量具を容器内に収納し、かつ計量具が内容物に埋没するのを防止できる。さらに、段差壁部の収納空間側への突出端部にガイド壁部が立設されているため、内容物収納部内の内容物が容易に計量具収納部内に侵入するのを抑制できる。
【0025】
本実施形態によれば、計量具収納部を形成する段差壁部が傾斜し、かつこの傾斜の下端に連通部が形成されているため、計量具収納部内に侵入した内容物を計量具収納部内に堆積させることなく、内容物収納部に排出できる。このように、本実施形態の粉粒物用容器は、計量具収納部内、特に計量具の持ち手付近での内容物の滞留を防止し、計量具の持ち手への内容物の付着を抑制できる。
【0026】
本実施形態によれば、容器本体は、計量具収納部が収納空間の外方に迫り出した形状とされ、かつ対向する側壁部同士が、開口部から内底面に向かうに従い、近づく形状とされている。このため、容器本体は、その内面形状がその外面形状を嵌入可能となり、容器本体同士を重ね合わせることができ、保管・流通時の省スペース化を図れる。
さらに、側壁上部、側壁下部及び段差壁部を含む側壁部と、底壁部と、ガイド壁部とを射出成形等により一体に成形できるため、容易に容器本体を製造できる。
【0027】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係る粉粒物用容器は、容器本体と、容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えるものである。第二の実施形態に係る粉粒物用容器について、以下に図4を用いて説明する。図4(a)、(b)においては、蓋体の図示が省略されている。
図4(a)、(b)に示すように、容器本体103は、平面視略L字形の底壁部134と、底壁部134の周縁に立設された側壁部132とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体103は、開口部4と内底面135との距離方向に直交する断面が略L字形の多角形で、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
容器本体103は、対向する側壁部132同士が、開口部4から内底面135に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0028】
側壁部132は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部132の上部の一部が側壁上部122とされ、側壁上部122の下端から収納空間側に延設された段差壁部124と、段差壁部124の突出端部から下方に垂下して底壁部134に連設された側壁下部136とを備えるものである。段差壁部124は、長手方向の一方の端部(第一の端部)124aが、開口部4の短手を形成する側壁部132aと離間され、第二の端部124bが、開口部4の短手を形成する側壁部132bに連設されたものである。また、段差壁部124は、第一の端部124aから第二の端部124bに向かうに従い、底壁部134に近づくように傾斜するものである。
【0029】
段差壁部124の突出端部には、ガイド壁部126が上方に向かって立設され、ガイド壁部126には、第二の端部124bの位置に切欠き状の連通部40が形成されている。
ガイド壁部126は、その上端126aが、第一の端部124aと第二の端部124bとの中間を起点とし、第二の端部124bに向かって内底面135と略平行かつ側壁上部122と略平行に延びるものとされている。
【0030】
こうして、容器本体103内部(収納空間)には、ガイド壁部126と段差壁部124と側壁上部122とで囲われた領域により、計量スプーン等の計量具を収納する計量具収納部120が形成され、収納空間内の段差壁部124の下方に内容物収納部130が形成されている。
【0031】
第一の端部124aと側壁部132aとの距離は、長すぎると計量具を安定して収納できず、短すぎると、収納した計量具の持ち手が第一の端部124aの先方に十分な長さで突出せず、計量具の取り出しを容易にすることができない。従って、第一の端部124aと側壁部132aとの距離は、収納する計量具の大きさ等を勘案して決定できる。
【0032】
容器本体103の材質は、第一の実施形態における容器本体3の材質と同じである。
容器本体103は、容器本体3と同様にして製造できる。
【0033】
本実施形態の粉粒物用容器に用いられる蓋体は、第一の実施形態の蓋体2と同様である。
【0034】
本実施形態によれば、容器本体内に収納されている計量具を容易に取り出すことができる。この点について、図5を用いて説明する。図5は、図4(a)のY1−Y1断面図であり、計量具収納部120に計量具60を収納した状態を示すものである。
図5に示すように、計量具60は、計量部62を第二の端部124b側にし、持ち手64の先端66を第一の端部124aの先方に突出させた姿勢で、計量具収納部120に収納されている。このように、第一の端部124aと側壁部132aとが離間しているため、先端66側の持ち手64の下方に空間が形成され、計量具収納部120に収納された計量具60の持ち手64を、容易に把持することができる。加えて、容器本体103の開口部4の面積を、容器本体3の開口部4の面積と略同等としても、容器本体103の内容物収納部130の容積を容器本体3の内容物収納部30の容積より大きいものとすることができる。
【0035】
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態に係る粉粒物用容器は、容器本体と容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えるものである。第三の実施形態に係る粉粒物用容器について、以下に図6を用いて説明する。図6(a)、(b)においては、蓋体の図示が省略されている。
図6(a)、(b)に示すように、容器本体203は、平面視コ字形の底壁部234と、底壁部234の周縁に立設された側壁部232とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体203は、開口部4と内底面235との距離方向に直交する断面がコ字形で、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
容器本体203は、対向する側壁部232同士が、開口部4から内底面235に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0036】
側壁部232は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部232の上部の一部が側壁上部222とされ、側壁上部222の下端から収納空間側に延設された段差壁部224と、段差壁部224の突出端部から下方に垂下して底壁部234に連設された側壁下部236とを備えるものである。段差壁部224は、長手方向の一方の端部(第一の端部)224aが、開口部4の短手を形成する側壁部232aと離間され、第二の端部224bが、開口部4の短手を形成する側壁部232bと離間されたものである。また、段差壁部224は、第一の端部224aから第二の端部224bに向かうに従い、底壁部234に近づくように傾斜するものである。そして、第二の端部224bと側壁部232bとが離間して形成された空隙により連通部240が形成されている。
【0037】
段差壁部224の突出端部には、ガイド壁部226が上方に向かって立設されている。
ガイド壁部226は、その上端226aが、第一の端部224aと第二の端部224bとの中間を起点とし、第二の端部224bに向かって内底面235と略平行かつ側壁上部222と略平行に延びるものとされている。
【0038】
こうして、容器本体203内部(収納空間)には、ガイド壁部226と段差壁部224と側壁上部222とで囲われた領域により、計量スプーン等の計量具を収納する計量具収納部220が形成され、収納空間内の段差壁部224の下方に内容物収納部230が形成されている。そして、容器本体203は、その正面側の側壁部232に、正面視略台形の側壁凹部210が形成されたものとされている(図6(b))。
【0039】
第一の端部224aと側壁部232aとの距離は、第二の実施形態における第一の端部124aと側壁部132aとの距離と同様である。
第二の端部224bと側壁部232bとの距離は、長すぎると計量具を安定して収納できず、短すぎると連通部240の機能が不十分となり、計量具収納部220に浸入した内容物を円滑に内容物収納部230に排出できない。従って、第二の端部224bと側壁部232bとの距離は、収納する計量具の大きさや、内容物の粒子径等を勘案して決定できる。
【0040】
容器本体203の材質は、第一の実施形態における容器本体3の材質と同じである。
容器本体203は、容器本体3と同様にして製造できる。
【0041】
本実施形態の粉粒物用容器に用いられる蓋体は、第一の実施形態の蓋体2と同様である。
【0042】
本実施形態によれば、連通部が、第二の端部と側壁部との離間により形成された空隙により形成されているため、ガイド壁部に形成された切欠きを連通部とした場合よりも、計量具収納部に浸入した内容物を円滑に排出できる。
【0043】
第一の実施形態の容器本体は、計量具収納部が収納空間の外方に迫り出した形状であるため、その重心が、段差壁部を備える側壁部側に偏っている。このため、内容物の収納量が少なくなると、容器本体を静置した際にその姿勢が不安定となるおそれがある。
本実施形態の粉粒物用容器は、底壁部が、側壁凹部を挟んだ位置に迫り出しているため、内容物の収納量が少なくなった場合でも、安定して静置させることができる。
【0044】
(第四の実施形態)
本発明の第四の実施形態に係る粉粒物用容器は、容器本体と容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えるものである。第四の実施形態に係る粉粒物用容器について、以下に図7を用いて説明する。図7(a)、(b)においては、蓋体の図示が省略されている。
図7(a)、(b)に示すように、容器本体303は、平面視長方形の底壁部334と、底壁部334の周縁に立設された側壁部332とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体303は、開口部4と内底面335との距離方向に直交する断面が長方形、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
容器本体303は、対向する側壁部332同士が、開口部4から内底面335に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0045】
側壁部332は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部332の上部が側壁上部322とされ、側壁上部322の下端から収納空間側に延設された段差壁部324と、段差壁部324の突出端部から下方に垂下して底壁部334に連設された側壁下部336とを備えるものである。段差壁部324は、長手方向の一方の端部(第一の端部)324aと、他方の端部(第二の端部)324bとが、開口部の短手を形成する側壁部332に連設されている。また、段差壁部324は、第一の端部324aと第二の端部324bとの中間に頂部325が形成され、この頂部325から第一の端部324a及び第二の端部324bに向かうに従い、底壁部334に近づくように傾斜するものとされている。
【0046】
段差壁部324の突出端部には、ガイド壁部326が上方に向かって立設され、ガイド壁部326には、第二の端部324bの位置に切欠き状の連通部40が形成されている。
ガイド壁部326は、その上端326aが、頂部325と第二の端部324bとの中間を起点とし、第二の端部324bに向かって内底面335と略平行かつ側壁上部322と略平行に延びるものとされている。
【0047】
こうして、容器本体303内部(収納空間)には、ガイド壁部326と段差壁部324と側壁上部322とで囲われた領域により、計量スプーン等の計量具を収納する計量具収納部320が形成され、収納空間内の段差壁部324の下方に内容物収納部330が形成されている。
【0048】
頂部325と第一の端部324aとの距離は、第二の実施形態における第一の端部124aと側壁部132aとの距離と同様である。
頂部325と第二の端部324bとの距離は、長すぎると、頂部325と第一の端部324aとの距離を十分に確保できず、短すぎると計量具の収納状態が不安定となる。従って、頂部325と第二の端部324bとの距離は、収納する計量具の大きさ等を勘案して決定できる。
【0049】
容器本体303の材質は、第一の実施形態における容器本体3の材質と同じである。
容器本体303は、容器本体3と同様にして製造できる。
【0050】
本実施形態の粉粒物用容器に用いられる蓋体は、第一の実施形態の蓋体2と同様である。
【0051】
本実施形態によれば、段差壁部が、頂部から第一の端部にかけて傾斜しているため、計量具収納部に収納した計量具を取り出しやすくすることができる。
【0052】
(第五の実施形態)
本発明の第五の実施形態に係る粉粒物用容器は、容器本体と容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えるものである。第五の実施形態に係る粉粒物用容器について、以下に図8を用いて説明する。図8(a)、(b)においては、蓋体の図示が省略されている。
図8(a)、(b)に示すように、容器本体403は、平面視長方形の底壁部434と、底壁部434の周縁に立設された側壁部432とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体403は、開口部4と内底面435との距離方向に直交する断面が長方形、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
容器本体403は、対向する側壁部432同士が、開口部4から内底面435に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0053】
側壁部432は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部432の上部が側壁上部422とされ、側壁上部422の下端から収納空間側に延設された段差壁部424と、段差壁部424の突出端部から下方に垂下して底壁部434に連設された側壁下部436とを備えるものである。段差壁部424は、長手方向の一方の端部(第一の端部)424aと、他方の端部(第二の端部)424bとが、開口部の短手を形成する側壁部432に連設されている。また、段差壁部424は、第一の端部424aと第二の端部424bとの中間に頂部425が形成され、この頂部425から第一の端部424a及び第二の端部424bに向かうに従い、底壁部434に近づくように傾斜するものとされている。本実施形態において、頂部425は、第一の端部424aと第二の端部424bとの距離を略二分する位置に形成されたものである。
【0054】
段差壁部424の突出端部には、頂部425と第一の端部424aとの間に第一のガイド壁部426が立設されると共に、頂部425と第二の端部424bとの間に第二のガイド壁部428が立設されている。第一のガイド壁部426には、第一の端部424aの位置に切欠き状の第一の連通部440が形成され、第二のガイド壁部428には、第二の端部424bの位置に切欠き状の第二の連通部441が形成されている。
第一のガイド壁部426は、その上端426aが、頂部425と第一の端部424aとの中間を起点とし、第一の端部424aに向かって内底面435と略平行かつ側壁上部422と略平行に延びるものとされている。第二のガイド壁部428は、その上端428aが、頂部425と第二の端部424bとの中間を起点とし、第二の端部424bに向かって内底面435と略平行かつ側壁上部422と略平行に延びるものとされている。
【0055】
こうして、容器本体403内部(収納空間)には、第一のガイド壁部426と段差壁部424と側壁上部422とで囲われた領域により、第一の計量具収納部420が形成され、第二のガイド壁部428と段差壁部424と側壁上部422とで囲われた領域により、第二の計量具収納部421が形成されている。また、収納空間内の段差壁部424の下方に内容物収納部430が形成されている。
【0056】
容器本体403の材質は、第一の実施形態における容器本体3の材質と同じである。
容器本体403は、容器本体3と同様にして製造できる。
【0057】
本実施形態の粉粒物用容器に用いられる蓋体は、第一の実施形態の蓋体2と同様である。
【0058】
本実施形態によれば、計量具収納部が頂部に対し線対称の2箇所に形成されているため、右手又は左手のいずれで操作しても、容易に計量具を計量具収納部に収納したり、計量具収納部から取り出すことができる。
【0059】
(第六の実施形態)
本発明の第六の実施形態に係る粉粒物用容器は、容器本体と容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備えるものである。第六の実施形態に係る粉粒物用容器について、以下に図9を用いて説明する。図9(a)、(b)においては、蓋体の図示が省略されている。
図9(a)、(b)に示すように、容器本体503は、平面視コ字形の底壁部534と、底壁部534の周縁に立設された側壁部532とを備え、上部が開口部4とされ、内部が収納空間とされたものである。即ち、容器本体503は、開口部4と内底面535との距離方向に直交する断面がコ字形、かつ開口部4の平面視形状が長方形である、略直方形の筐体である。
容器本体503は、対向する側壁部532同士が、開口部4から内底面535に向かい漸次近づくものとされ、その内面形状が外面形状を嵌入可能とされたものである。
【0060】
側壁部532は、開口部4の長手の一辺を形成する側壁部532の上部の一部が側壁上部522とされ、側壁上部522の下端から収納空間側に延設された段差壁部524と、段差壁部524の突出端部から下方に垂下して底壁部534に連設された側壁下部536とを備えるものである。
段差壁部524は、第一の端部524aと第二の端部524bとの中間に頂部525が形成され、この頂部525から第一の端部524a及び第二の端部524bに向かうに従い、底壁部534に近づくように傾斜するものとされている。本実施形態において、頂部525は、第一の端部524aと第二の端部524bとの距離を略二分する位置に形成されたものである。
【0061】
段差壁部524は、長手方向の一方の端部(第一の端部)524aが、開口部4の短手を形成する側壁部532aと離間され、第二の端部524bが、開口部4の短手を形成する側壁部532bと離間されたものである。そして、第一の端部524aと側壁部532aとが離間して形成された空隙により第一の連通部540が形成され、第二の端部524bと側壁部532bとが離間して形成された空隙により第二の連通部541が形成されている。
【0062】
段差壁部524の突出端部には、頂部525と第一の端部524aとの間に第一のガイド壁部526が立設されると共に、頂部525と第二の端部524bとの間に第二のガイド壁部528が立設されている。
第一のガイド壁部526は、その上端526aが、頂部525を起点とし、第一の端部524aに向かって内底面535と略平行かつ側壁上部522と略平行に延びるものとされている。第二のガイド壁部528は、その上端528aが、頂部525を起点とし、第二の端部524bに向かって内底面535と略平行かつ側壁上部522と略平行に延びるものとされている。
【0063】
こうして、容器本体503内部(収納空間)には、第一のガイド壁部526と段差壁部524と側壁上部522とで囲われた領域により、第一の計量具収納部520が形成され、第二のガイド壁部528と段差壁部524と側壁上部522とで囲われた領域により、第二の計量具収納部521が形成されている。また、収納空間内の段差壁部524の下方に内容物収納部530が形成されている。そして、容器本体503は、その正面側の側壁部532に、頂点512を上方とし、正面視略五角形の側壁凹部510が形成されたものとされている(図9(b))。頂点512は、段差壁部524の外側面に形成され、頂部525の位置に対応するものである。
【0064】
容器本体503の材質は、第一の実施形態における容器本体3の材質と同じである。
容器本体503は、容器本体3と同様にして製造できる。
【0065】
本実施形態の粉粒物用容器に用いられる蓋体は、第一の実施形態の蓋体2と同様である。
【0066】
本実施形態によれば、計量具収納部が頂部に対し線対称の2箇所に形成されているため、右手又は左手のいずれで操作しても、容易に計量具を計量具収納部に収納したり、計量具収納部から取り出すことができる。加えて、底壁部が、側壁凹部を挟んだ位置に迫り出しているため、内容物の収納量が少なくなった場合でも、安定して静置させることができる。
【0067】
(その他の実施形態)
本発明の粉粒物用容器は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第六の実施形態では、容器本体の形状が略直方形とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、開口部と内底面との距離方向に直交する断面が、平面視真円形、平面視楕円形等の円筒状とされていてもよいし、平面視三角形、平面視五角形等の直方形以外の多角筒状とされていてもよい。また、内容物収納部における開口部と内底面との距離方向に直交する断面の形状と、開口部の平面視形状とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0068】
第一〜第六の実施形態では、容器本体は、その内面形状が、その外面形状を嵌入可能なものとされているが、本発明はこれに限定されず、容器本体の内面形状が、容器本体の該面形状を嵌入できないものであってもよい。
ただし、容器本体の流通・保管時の省スペース化を図る観点から、容器本体の内面形状は、容器本体の外面形状を嵌入可能なものであることが好ましい。
【0069】
第一〜第六の実施形態では、段差壁部が、開口部の長手を形成する1つの側壁部のみに形成されているが、本発明はこれに限定されず、段差壁部は、開口部の短手を形成する1つの側壁部の形成されていてもよいし、開口部の長手を形成する側壁部及び短手を形成する側壁部の両方に形成されていてもよい。
【0070】
第一〜第六の実施形態では、ガイド壁部は、その上端が開口部より下方に位置するものとされているが、本発明はこれに限定されず、ガイド壁部の上端が開口部と略同等の高さとされていてもよいし、開口部より上方に位置するものとされていてもよい。
【0071】
第一〜第六の実施形態では、ガイド壁部の上端が、底壁部及び側壁上部に略平行とされているが、本発明はこれに限定されず、ガイド壁部の上端が傾斜していてもよい。
【0072】
第一〜第六の実施形態では、蓋体が、容器本体から脱離するものとされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、蓋体は、ヒンジ等により開閉可能に容器本体に蝶着されたものであってもよい。
また、例えば、第一、第四又は第五の実施形態の蓋体には、この蓋体を閉じた際に、ガイド壁部の上部に当接する凸条等、計量具収納部を内容物収納部から隔離する閉止部が設けられていてもよい。閉止部を形成することで、容器入りの粉粒物製品の流通・保管時に、内容物収納部から計量具収納部に内容物が浸入するのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0073】
1 粉粒物用容器
2 蓋体
3、103、203、303、403、503 容器本体
4 開口部
20、120、220、320 計量具収納部
22、122、222、322、422、522 側壁上部
24、124、224、324、424、524 段差壁部
24a、124a、224a、324a、424a、524a 第一の端部
24b、124b、224b、324b、424b、524b 第二の端部
26、126、226、326 ガイド壁部
30、130、230、330、430、530 内容物収納部
32、132、132a、132b、232、232a、232b、332、432、532、532a、532b 側壁部
34、134、234、334、434、534 底壁部
35、135、235、335、435、535 内底面
36、136、236、336、436、536 側壁下部
40、240 連通部
60 計量具
420、520 第一の計量具収納部
421、521 第二の計量具収納部
426、526 第一のガイド壁部
428、528 第二のガイド壁部
440、540 第一の連通部
441、541 第二の連通部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁部及び該底壁部の周縁に立設された側壁部とを備え、上部が開口し、内部が収納空間とされた容器本体と、該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを備え、前記側壁部は、その周方向の一部領域の上部に、該側壁部の側壁上部の下端から前記収納空間側へ延出する段差壁部と、この段差壁部から下方に垂下して前記底壁部に連設する側壁下部とを備え、前記収納空間の前記段差壁部より下方が内容物収納部とされ、前記段差壁部の前記収納空間側への突出端部に立設されたガイド壁部と、前記側壁上部と、前記段差壁部との間に、計量具を収納する計量具収納部が形成された粉粒物用容器において、
前記段差壁部は、前記側壁部の周方向に傾斜し、
前記計量具収納部には、前記段差壁部の下端の位置に、前記計量具収納部と前記内容物収納部とを連通する連通部が形成されていることを特徴とする粉粒物用容器。
【請求項2】
前記容器本体は、前記開口部と内底面との距離方向に直交する断面が多角形とされ、
前記段差壁部は、前記多角形の任意の一辺を形成する側壁部に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の粉粒物用容器。
【請求項3】
前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部から他方の端部に向かうに従い、前記底壁部に近づくように傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載の粉粒物用容器。
【請求項4】
前記段差壁部は、前記側壁部の周方向の一方の端部と他方の端部との中間から、前記一方の端部及び前記他方の端部に向かうに従い、底壁部に近づくように傾斜していることを特徴とする、請求項2に記載の粉粒物用容器。
【請求項5】
前記一方の端部は、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部と離間していることを特徴とする、請求項3又は4に記載の粉粒物用容器。
【請求項6】
前記連通部は、前記ガイド壁部に形成された切欠きであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。
【請求項7】
前記連通部は、前記段差壁部における前記側壁部の周方向の端部と、前記任意の一辺に隣接する他の辺を形成する側壁部との離間により形成された空隙であることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。
【請求項8】
前記容器本体の内面形状は、前記容器本体の外面形状を嵌入可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉粒物用容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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