粒子収集を改善し表面に残る残留物を最小にするポリマー添加物を含むクリーニングシート、及びクリーニングシートを使用するためのクリーニング器具
【課題】清掃面に残る残留物の量を最小にしながら、粒子状物質を表面から収集して保持することを強化するように選択した添加物を含むクリーニングシートを包含するクリーニング器具を提供すること。
【解決手段】添加物は、ワックス、オイル及びこれらの混合物からなる群から選択するのが好ましい。クリーニング器具20は、弾力性底表面を有するモップヘッド22を備え、その一部は、取り外し可能なクリーニングシートと係合する実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有するのが好ましい。
【解決手段】添加物は、ワックス、オイル及びこれらの混合物からなる群から選択するのが好ましい。クリーニング器具20は、弾力性底表面を有するモップヘッド22を備え、その一部は、取り外し可能なクリーニングシートと係合する実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有するのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2000年2月24日にウィルマン(K.W.Willman)他により出願された米国特許仮出願シリアル番号60/184,780の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、特に、ほこり、綿ほこり、毛、砂、食べ物屑、草などの捕捉と除去に適切なクリーニング器具、及びクリーニングシートに関する。
【背景技術】
【0003】
乾燥ほこり型の清掃に不織布シートを使用することは、当技術分野において既知である。かかるシートには典型的に、繊維を接着、交絡、又はその他の力で結合した繊維の複合材を利用する。例えば、米国特許第3,629,047号、第5,144,729号を参照のこと。耐久性のある拭きシートを形成するために、連続長繊維又はネットワーク構造の形態の強化手段を短フィラメントに組み合わせている。例えば、米国特許第4,808,467号、第3,494,821号、第4,144,370号を参照のこと。また、拭きプロセスの厳しさに耐えることができる製品を提供するために、以前の不織シートは上記力の1つ以上により強く結合した繊維を使用してきた。かかるクリーニングシートは、欧州特許出願第EP774,229A2号と第EP777,997A2号に記載され、熱融着線によりベースシートに結合した連続長フィラメントを利用している。耐久性のある材料を得ることはできるも、かかる強力な結合により、その材料の粒子汚れを収集して保持する能力に悪影響を与えることがある。この懸念に取り組む努力の中で、鉱物油からなる添加物が、比較的高いレベルでこのようなクリーニングシートに適用されてきた。しかし、鉱物油添加物は、このようなクリーニングシートにそのように高レベルで適用すると、かかるクリーニングシートで拭いた表面に魅力に欠ける残点を残す傾向があり、消費者に受け入れられない。
【0004】
1997年2月4日にコールラス(Kohlruss)他に発行された米国特許第5,599,550号には、生分解性のワックスを含浸させたダストクロスが記載されている。しかし、コールラスが開示したダストクロスは、天然繊維と比較的高レベルのワックスを利用しており、この2つはそのクロスのほこり吸引特性を減少する原因となっている。
感圧接着剤及び/又は粘着付与材料を含む様々な粘着クロスが開示されてきている。例えば、米国特許第5,198,292号、第3,658,578号、第3,208,093号を参照のこと。しかし、これら粘着クロスは典型的に、比較的高レベルの添加物又はクリーニングシートに特に家庭内表面清掃に使用するクリーニングシートに含ませるのは望ましくない添加物を、又はその両方を含有しており、一方消費者は、クリーニングシートの手触りや滑りなどの面を消費者が受け入れるために重要な点と考えている。
したがって、クリーニングシートの静電特性と滑りを維持すると共に、かかるクリーニングシートで拭いた表面に残る残留物の量を最小にして、ほこりを効果的に収集して保持する性能があるクリーニングシートを開発することが、当業者の願望となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかも、取り外し式クリーニングシートを利用する床モップなどのクリーニング器具は既知であるが、粒子汚れを収集及び/又は捕捉するクリーニングシート表面を最大にしてより良く利用する、クリーニング器具を提供することへのニーズがある。更に又、粒子汚れを収集して保持し、クリーニングシートの静電特性と滑りを維持し、拭いた表面に残る残留物量を最小にする、クリーニングシートと効果的に連携することができるクリーニング器具へのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ほこり、綿ほこり、毛、砂、食べ物屑、草などの粒子状物質を表面から除去して保持する一方、クリーニングシートで拭いた後に残る残留物量を最小にするクリーニングシートに関する。このクリーニングシートは添加物を含んでおり、添加物の型とレベルは、粒子物質を収集して保持するクリーニングシートの性能は向上するが、表面に残る残留物は最小となるように選択される。クリーニングシート上に含有される添加物は、添加物の型にもよるが、清掃面に異なる量の残留物を残すことがある。数多くの添加材料が、本発明のクリーニングシートに組み込むのに適切であり得る。本クリーニングシートに特に有用な本発明の好ましい添加物にはポリマー添加物があり、特に特定のタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比、糸引き値、Tg値、及び/又は分子量などの特定の粘着特性を有するものがある。本発明で任意選択のその他の添加材料には、ワックス、オイル、粉体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。添加材料は、ほこり、綿ほこり、毛などの微細粒子物質と、特に、パン屑、どろ、砂、毛、食物砕片、草刈り屑、マルチなどの家庭内床及び表面に典型的に見られる大粒子物質の収集を改善するために選択される。しかも、添加材料の型と量は、清掃表面を容易に滑るクリーニングシートの性能を維持しながら、クリーニングシートの粒子収集を改善するために注意深く選定する。組み込んだ添加物の結果クリーニングシートが粘つきすぎる場合、クリーニングシートは表面を容易に滑らず消費者が満足しないことになる。
【0007】
本発明は更にクリーニング器具のモップヘッドに関するものであり、モップヘッドが弾力性底表面を有して、その一部は取り外し式クリーニングシートと係合する実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有するのが好ましい。
本発明は更に床モップに関するものであり、手拭きと床モップ拭きの両用の大きさにしたクリーニングシートを受けるように寸法決めしたモップヘッドを有する。
本発明は更にモップヘッド、又はクリーニングシートを含むキットに関するものであり、このシートはモップヘッドと共に使用するとき、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動又は旋回運動をもたらす前述の輪郭の1つを有する底表面を形成する。更に又、そのキットは好ましくはカップリングを含み、カップリングは、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも三つの、相互に角度をなす穴を有する。
本明細書は、本発明を特定して指し示し明白に請求する特許請求の範囲で結論とするも、添付図面と共になされる以下の記述により、更に良く理解されると考える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
I.定義
本明細書で使用する「含む」という用語は、本発明を実施する際、多様な構成要素、成分又はステップを連合して使用できることを意味する。それ故に「含む」という用語は、より限定的な「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」という用語を包含する。
本明細書で使用する用語「水流交絡」は、一般的に材料を作るプロセスを意味し、繊維(例えば、ポリエステル)材料の緩い層をパターン開口部材の上に支持し、個々の繊維を機械的に絡めるに十分大きい水圧差をかけて布を形成する。パターン開口部材は、例えば、織物スクリーン、穿孔金属プレートなどで形成することができる。
本明細書で使用する「Z次元」という用語は、本発明のクリーニングシート、又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z次元は通常、シートの厚さに対応する。
本明細書で使用する「X−Y次元」という用語は、クリーニングシート又はその構成要素の厚さに直交する平面についていう。X及びY次元は通常、シート又はシート構成要素の長さ及び幅にそれぞれ対応する。
【0009】
本明細書で使用する「層」という用語は、クリーニングシートの部材又は構成要素で、主次元がX−Y、すなわち長さと幅に沿うものをいう。「層」という用語は、かならずしも材料の単一の層又はシートに制限されるものではないことを理解いただきたい。したがって層は、必要とする型の材料の何枚かのシート又はウエブの積層体又は組み合わせを含むことができる。したがって「層」という用語は、「積層」及び「層化した」という用語を包含する。
本発明の目的において、クリーニングシートの「上側」層は、清掃表面から比較的遠くにある(すなわち、器具との関係では、使用中に器具ハンドルと比較的より近い)層である。「下側」層という用語は逆に、清掃表面から比較的近くにある(すなわち、器具との関係では、使用中に器具ハンドルと比較的より遠い)クリーニングシートの層を意味する。
本明細書で使用する「合計総合坪量」という用語は、シート全体として見たときの全クリーニングシートの平均坪量についていう。
【0010】
本明細書で使用する全ての百分率、比、及び比例は、他に指定がなければ重量基準である。引用した参照文献は他に記述がなければ、全て本願に参考として組み込んでいる。
本発明のクリーニング器具の好ましい実施形態について、ここから詳細に説明するが、その例は添付図により例示し、添付図において、同じ数字は全ての図で同じ要素を示し、下二桁が同じ要素(例えば、22と122)は類似の要素を示す。
【0011】
II.クリーニング器具
以降において更に詳しく説明するように、本発明の一態様は、そのもっと好ましい形態として、モップヘッドに取り付けた取り外し式クリーニングシートと共に使用するモップを対象とし、モップヘッドが弾力性のある下表面を有して、その一部が取り外し式クリーニングシートと係合する好ましくは実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有する。本発明は、簡素化と明瞭化のために、ここでは床モップに関して説明するが、クリーニングシートを取り外し可能に固定する他の型のモップ及びクリーニング器具と共に使用できることを、理解されるであろう。
図1と2において、本発明により作成した特に好適な床モップ20を示す。床モップ20は、先導縁24と追従縁26(図3)を有する、モップヘッド22を備える。本明細書で使用する「先導縁」という用語は、モップヘッド22の最も遠い縁を指すことを意図し、使用者側から見て離れる方向に前進するときにモップヘッド22を先導する点である。同様に「追従縁」という用語は、モップヘッド22の最も遠い縁を指すことを意図し、使用者側から見て離れる方向に前進するときにモップヘッド22を追従する点である。ほとんどの床モップの場合、先導縁24と追従縁26は図1に示すようにモップ22の長手方向軸28と実質的に平行であり、ここで長手方向軸28はモップヘッド22の長さに沿う軸である。
【0012】
ユニバーサルジョイント30などの旋回可能な継手が、モップ20のハンドル32とモップヘッド22とを連結する。ユニバーサルジョイント30は、2つの回転可能な軸を有し、これによって、ハンドル32が方向36と38へ旋回することができる。ハンドル32は、連結点40でユニバーサルジョイント30と連結、好ましくはねじ方式で連結する。ハンドル32は、一体構造として供給することもでき、あるいは、1つ以上のセクションを、好ましくは3セクション34、36及び38を有することもでき、これらは相互に連結、好ましくはねじ方式で連結し、これにより床モップ20を便利な大きさのカートンに入れて輸送し、後で使用のために組み立てることができる。握り部38は、使用者が床モップ20を掴むのに適切な、弾性で弾力性の部分を備えることができる。モップヘッド22は又、複数の取り付け構造42を有する。取り付け構造42は、図2に示すように、使用中にクリーニングシート44をモップヘッド22の周りに受けて保持するように構成されている。取り付け構造42は、モップヘッド22の隅々に配置するのが好ましいが、この場所は、モップヘッド22の大きさと形に従って変更することができる。取り付け構造42を形成するに好ましい形態は、1999年8月13日にキングリー(Kingry)他を共同発明者として指名して出願された同時継続中の米国特許出願番号09/364,714に記載されており、この特許の主要点を本願に参考として組み込む。床モップ20は、使い捨てクリーニングシート44と組み合わせて使用するのが好ましく、クリーニングシート44はスリット付き取り付け構造42を使用してモップヘッド22に取り外し可能に取り付ける。クリーニングシートは、以降に更に完全に説明するように、織布又は不織布の形態で供給することができる。
【0013】
本発明の一態様によれば、図3と4において、特に好ましいモップヘッド22は、ユニバーサルジョイント30を取り付けたベース46と、ベース46に取り付けた好ましくは接着的に取り付けた弾性パッド48とを含み、モップヘッド22の先導縁24と追従縁26が、弾性パッド48の一部として形成されている。弾性パッド48の底表面50は、図4に示すように、使用中クリーニングシート44と、少なくとも一部で、より好ましくはかなりの部分で係合する。驚くべきことに、約50mm未満の幅53の接触表面52を有する弾性パッド48により、シートのクリーニング性能とシートの使用効率の向上が可能もたらされる(例えば、シートの下表面の使用が増加する)ことが判明した。どの理論にも縛られることは意図しないが、接触表面52の幅53により、モップ20は、どの1回の連続した前進及び/又は後退の清掃動作の間でも、接触表面52の周りを繰り返して「揺動」又は「旋回」又は「回転」することができ、これによって、シートの底表面は揺動動作のために固い清掃表面との係合と非係合を繰り返すので、シート44のより大きな割合の表面積に亘って、ほこりと粒子の収集の増加を実現できると考えられる。その上、接触表面52の周りの旋回は、以降において更に完全に説明するように、モップヘッド22の先導縁24及び/又は追従縁26のギャップ54、並びに下表面の断面輪郭形状によっても、更に援助されていると考えられる。本明細書で使用する「接触表面」という句は、下表面の頂点に接する直線56が接触するモップヘッド22又はクリーニングシート44の下表面の断面輪郭部分を指し、直線56はモップヘッド22の横断方向軸58に実質的に垂直である。モップヘッド又はクリーニングシートの底表面の断面輪郭は、モップヘッド又はクリーニングシートの全長手方向軸に沿って同じであることが望ましいが、接触表面を決定するのにどの断面輪郭でも使用することができる。本明細書での全ての測定は、使用によって変形する前の、モップヘッド及び/又はクリーニングシートの理論的あるいは真の形状と大きさに基づくことを離解されるであろう。本明細書で使用する「頂点」という用語は、モップヘッド22の頂部表面60から最も遠いモップヘッド22又はクリーニングシート44の下表面の部分を指すことを意図する。
【0014】
図5と6を参考に例として明瞭化すると、モップヘッドの接触表面152は、モップの弾性パッド148の曲線底表面150と、モップヘッドの横断方向軸158に実質的に垂直な直線156との、理論的な接点162である。同様に、図6の弾性パッド248の接触表面252は、モップヘッドの横断方向軸258に実質的に垂直な直線256に接触する、弾性パッド248の輪郭の実質的に直線の部分である。これと同じ技法が、モップヘッドに取り付けたクリーニングシートにも適用できる。例えば図7と8に示すように、クリーニングシート344の接触表面352は、クリーニングシート344の曲線底表面350の、モップヘッドの横断方向軸158に実質的に垂直な直線356に接触する、接触点362である。同様に、図7のクリーニングシート444の接触表面452は、クリーニングシート444の底表面輪郭の、モップヘッドの横断方向軸258に実質的に垂直な直線456に接触する、直線部分である。これまでに述べた図5〜8の接触表面は、実質的に滑らかな底表面に関して例示している。しかしながら本発明は、実質的に滑らかではなく、むしろその上に配置された表面構造を有する底表面と共に使用するように適合できることも考慮している。弾性パッド548の底表面上の代表的なピラミッド形表面構造74を、図9と10に示す。これらの例では、モップヘッドの様々な底表面についてこれまで述べてきた接触表面及び寸法及び輪郭は、図10に示すように、表面構造74の突き出し78の先端76に関して、それぞれの先端に接する理論的な底表面550を創造して決定する。次に、直線56を理論的な底表面輪郭550に関連して置いて、表面構造を設けた底表面の接触表面52の幅53を決定する。表面構造は、ランダムとすることも、繰り返しとすることもできる。その他の形の突き出し(例えば、円筒形)を有する表面構造を使用することもできる。
【0015】
再び図4を参照して、接触表面52の幅53は、好ましくは約50mm未満であり、より好ましくは約2〜50mmの間である。最も好ましくは、接触表面52の幅53は、約2〜20mmの間である。接触表面の大きさに加えて、前述の接触表面52の幅53と組み合わせたモップヘッド22及び/又はクリーニングシート44の底表面50の輪郭形状は、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動が達成されるかどうかに影響する。接触表面52の輪郭は、実質的に曲線(例えば、放物線、双曲線、及び他の曲線セグメント)であって、好ましくは凸形状であり、幅53は、前に説明したように理論的な接触点すなわち接点62であり、実質的に直線の接触表面の場合(例えば、図6参照)は、接触表面53の幅は約2〜50mmの間である。
【0016】
接触表面53が実質的に曲線輪郭の場合、図11に示すように、実質的に連続の曲率半径66を有する輪郭を形成して、より純粋な円弧を達成するのが望ましい。曲率半径66は、底表面の両末端70と底表面の接触表面52の接点62を通って一定の半径を有する弧を通すことにより、実質的に曲線の底表面に対して決定することができる。曲率半径66は、好ましくは少なくとも約300mmであり、より好ましくは少なくとも約1000mmである。最も好ましくは、曲率半径は、約300〜1200mmの間である。
【0017】
接触表面52の輪郭の形状(例えば、実質的に曲線又は実質的に直線)と接触表面52の幅53の組み合わせは、モップヘッド22の底表面又はクリーニングシート44の底表面の接触表面52を画定する直線56と、該底表面の両端末点70との間で形成される、ギャップ68と結びつくのが好ましい。言い換えれば、「ギャップ」という用語は、直線56と、モップヘッド22又はクリーニングシート44の底表面の端末点70との間の距離を指すことを意図する。十分なギャップにより、広い範囲の操作条件(例えば、ハンドルとモップヘッド間の操作角度、モップ動作速度、使用者によってかけられる力など)に亘って、モップヘッドが所望の揺動を確実に維持することができる。一般的にはモップヘッド22とクリーニングシート24に対して、端末点70は、図4に示すように先導縁24又は追従縁26により定められる。ギャップ68は、好ましくは少なくとも約1.5mmであり、より好ましくは約2〜10mmの間である。最も好ましくは、ギャップ68は、約2〜5mmの間である。したがって、ギャップ、接触表面の輪郭形状及び接触表面の幅は、変化の程度に相互関係があり、ここに示すように変化させて、モップヘッドのどの単一の連続的な前方向又は後方向の動きの間にでも、前方向及び/又は後方向に動かすときに繰り返し揺動するモップヘッドを有するモップを提供するようにすることができ、この揺動によりクリーニングシート44の清掃性能が有益に改善される。ギャップ68と底表面の曲線輪郭との間の相互作用は、曲率半径66対ギャップ68の比により表すことができ、その比は約0.5〜1000の間であるのが好ましい。より好ましくは、曲率半径66対ギャップ68の比は、約1〜600の間である。最も好ましくは、曲率半径66対ギャップ68の比は、約350〜600の間である。
【0018】
凸形に曲線である底表面を有するモップヘッド22が最も好ましいも、図12で示すものなどの段輪郭を有する底表面も又、直線56で画定される接触表面652の直線部分の幅653が少なくとも2mmであれば、所望の揺動を実現することができることも考慮のうちである。各段73は、壁75に隣接する長手方向に延びる平面部分74を有することが好ましい。複数の段73を設けて、クリーニングシートを使用中に十分に支持するのが好ましいが、単一の段72でも利用可能であることも考慮のうちである。
【0019】
説明してきたように、モップヘッド22の底表面は、使用中にモップヘッドの所望の揺動をもたらす、輪郭形状、輪郭大きさ及びギャップを備えることができる。しかし、クリーニングシートとモップヘッド22の底表面との組み合わせも又、前述のモップヘッド22の揺動をもたらすように適合させることができる。例えば図13を参照すると、複数の段73を有する積み重ね構造76は、実質的に滑らかな平面の底表面を有する弾性パッド748と組み合わせて使用することができ、積み重ね構造76がクリーニングシート44と隣接して配置又は組み込まれて、モップヘッド22の底表面に関して前述したと同じ大きさ及び/又は輪郭特性を有する、クリーニングシートの底表面を形成する。あるいは、クリーニングシート44は、曲線底表面を有する挿入部材を含んで、これによって前述の曲線輪郭の大きさ及び/又は形状の表面特性を有するクリーニングシート底表面を得ることもできる。したがって、モップヘッド22の底表面に関して前述した輪郭形状、大きさ、及びギャップは、クリーニングシート底表面に対して同様に適用できることを理解されるであろう。
【0020】
薄いクリーニングシートが本発明のクリーニング器具と共に使用するのに特に適切であるが、厚いクリーニングシートも使用できることは考慮のうちであり、この場合、厚さにより、モップヘッドの先導縁と追従縁でクリーニングシートの圧縮が可能になる(比較的薄いクリーニングシートの場合に、図7に示すように、モップの底表面の形状に単に沿うだけとは反対に)。この圧縮により、使用中にモップヘッドが揺動するためのギャップを作り出すことができる。クリーニングシートの厚さとモップヘッド22のギャップとの連繋は、図14に示すように、1枚のシートの厚さ対モップヘッド22のギャップ68の距離の比により、特徴づけることができる。本明細書で使用する用語「厚さ」及びその派生語は、ASTMD5729−95に従って、押し付け圧0.1psigで計るときの、クリーニングシートの厚さを指すことを意図する。好ましくは、1枚のシート厚さ対ギャップ距離の比は、約0.01〜0.65の間である。1枚のシートの厚さ対ギャップ距離の比は、更に好ましくは約0.1〜0.6の間であり、最も好ましくは約0.25〜0.6の間である。例えば、厚いシートを曲率半径を有する凸形曲線の底表面のモップヘッドと共に使用する場合、曲率半径対1枚のシートの厚さの比は、好ましくは約0.01〜1800の間であり、より好ましくは約1〜1400の間である。曲率半径対1枚のシートの厚さの比は、最も好ましくは約200〜1000の間である。
【0021】
本発明の更に別の態様により、手拭きと床モップ拭きの両用の大きさにしたクリーニングシートを受ける寸法のモップヘッドを有する床モップをこれから説明する。床モップ20と共に使用するに適切なクリーニングシート(例えば、この後の第3章で更に詳細に説明するものなど)は、様々な型のほこり及びその他の粒子を集めて保持するようになっている。例えば、クリーニングシートは、約1×10−4mmから高さが2mm以上にもなり得るまでの範囲の大きさの粒子を、集めて保持するのに特に好適である。したがって、これらクリーニングシートは、床モップ20などのクリーニング器具で使用するのに加えて、手で表面を拭くのに特に好適であり得る。クリーニング器具の使用者に最大の使用柔軟性をもたらすために、床モップ20のモップヘッド22は、床モップ20と手拭の両方で使用可能なクリーニングシートを、効果的に保持するように寸法決めするのが好ましい。
【0022】
このようなクリーニングシートは、手拭きと床モップの両方の用途において十分に粒子を捕捉できるように、床モップ20での床クリーニングの間並びに手拭きの間にシートを掴むのに十分な表面積と深さがあるように、長さ(すなわち最長寸法)対幅の比が約0.4〜1の間、シート厚さが少なくとも約0.6mmであるのが好ましい。より好ましくは、クリーニングシートの厚さは、約0.6〜5mmの間であり、最も好ましくは、約0.8〜3mmの間である。クリーニングシートは又、好ましくは少なくとも約400mmの長さを有し、より好ましい長さは、約400〜500mmの間である。したがって、モップヘッド22は、長さ(すなわち、モップヘッドの最長寸法)対幅(モップヘッドの最小寸法)の比が約0.3〜1の間であり、したがって、手拭き用クリーニングシートも十分に効果的にモップヘッド22の周りに保持することができる。より好ましくは、モップヘッド22は、少なくとも約400mmの長さを有する。上述の好ましいクリーニングシートとモップヘッドの寸法は、実質的に平らな底表面、又は本明細書で先述した表面構造、大きさ、及び形状を有するモップヘッドなど、様々な型の底表面を有するモップヘッドに結びつけることができる。
【0023】
本発明は更に、説明書一式と関連する上述の手拭シート(すなわち、クリーニングシート)を含む製造物品を包含し、この説明書はパッケージ、ボール箱、又はその他の容器と兼ねることもできる。ここで使用する「関連する」という句により、説明書一式を製造物品の消費者に通知するように、その説明書一式がクリーニングシートそのものに直接印刷されているか、あるいは、小冊子、印刷宣伝物、電子公告媒体、及び/又は口頭連絡を含む別の方法で提示されていることを意味するが、これには限定されない、。その説明書一式は、手拭き用の手拭きシートを使用すること、及び/又はハンドルとモップヘッドを有する床モップなどの、クリーニング器具と共に使用することの説明書を含むのが好ましい。説明書一式は更に、本明細書で先述した構成のモップヘッドを有する床モップで、手拭きクリーニングシートを使用することの説明書を含むことができる。例えば、その説明書により、凸形曲線の底表面のモップヘッドを有する床モップで、クリーニングシートを使用する説明をすることができる。その他の説明書により、床モップの組立てを完成するための、床モップのハンドル部分の組み立て使用法を説明することができる。その他の説明書により、クリーニングシートをモップヘッドに取り付けること、床モップを動かすこと、及び次にクリーニングシートをモップヘッドから取り外すことを、使用者に説明することができる。
【0024】
本発明の更に別の態様では、モップヘッド又はモップヘッドと共に使用するクリーニングシートを含むキットを提供し、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動又は旋回運動をもたらす先述の輪郭の1つを有する底表面を形成する。更にそのキットは、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの相互に角度を持つ穴88を有する、図15に示す特に好ましいカップリング86などの、カップリングを含むのが好ましい。少なくとも1つの穴88は、ハンドル32又はユニバーサルジョイント30の少なくとも一端部を、取り外し可能に受ける。より好ましくは、少なくとも1つの穴88は、ハンドル32の雄ねじと捻じ込み可能に係合する雌ねじ92を有し、一方残った2つの穴88は、ユニバーサルジョイント30の延長部94の端部を受けるのに適している。カップリング86の角度が付いた穴88により、ハンドル32のモップヘッド22に対する向きが再調整可能となる。例えば、ユニバーサルジョイント30の延長部94の長手方向軸は、図16に示すように、第一の向きではハンドル32の長手方向軸と実質的に同一線上にあることがあり、一方第二の向きでは、図17に示すように、ユニバーサルジョイント30の延長部94の長手方向軸は、ハンドル32の長手方向軸と角度をつけることがある。ハンドル32のユニバーサルジョイント30に対する向きの再調整により、壁と天井の境界部など届きにくい区域の清掃に改善した柔軟性提供する。
【0025】
モップヘッド22とユニバーサルジョイント26は、ABS型ポリマー(例えば、アクリロニトリルのターポリマー)、ポリプロピレン、又はその他のプラスチック材料から、射出成形により成形するのが好ましい。弾性パッド48は、ポリウレタンから射出成形で成形するのが好ましい。モップハンドル32は、アルミニウム、プラスチック、又はその他の構造材料から形成することができる。
【0026】
III.クリーニングシート
本発明は、清掃表面に残る残留物の量を最小にして、表面から粒子物質を収集して保持するのを強化するように選択した添加物を含むクリーニングシートを包含する。クリーニングシート上の添加物の型とレベルを注意深く選定しない場合、シートは清掃表面に残留物を残して、消費者に受け入れられない表面の膜と縞を生じることになる。
本発明のクリーニングシートは典型的に、合計総合坪量の、少なくとも約20g/m2、好ましくは少なくとも約40g/m2、より好ましくは少なくとも約60g/m2を有する。本クリーニングシートの合計総合坪量は典型的に、約275g/m2以下、好ましくは約200g/m2以下、より好ましくは約150g/m2以下である。
【0027】
本発明のクリーニングシートは、織布プロセスか不織布プロセスを使用して、あるいは、融けた材料を使用して枠上に特にベルトに置く形成操作により、及び/又は膜上で行なわれる機械的作用/修飾を含む形成操作により、作ることができる。その構造は、所望の特性が明らかにされれば、いずれかの数の方法(例えば、スパンボンド、メルトブローン、樹脂接着、熱接着、エアースルー接着、その他)により作られる。しかし、好ましい構造は不織布であり、特にそれは極めて望ましい開放構造を提供するので、当技術分野で周知の水流交絡及び/又は熱接着で形成した不織布である。したがって、好ましいクリーニングシートとして、本明細書で述べる特性を有する不織布構造がある。本発明の好ましい不織布クリーニングシートを形成するに特に適切な材料としては、例えば天然繊維、並びにポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(登録商標))、及びこれらのブレンドなど、のような合成繊維が挙げられる。同様に有用なのは木綿又はそのブレンドなどの天然繊維であり、様々なセルロース源からの誘導体であるが、これらは好ましくない。本発明のクリーニングシートを作るに好ましい出発材料は合成材料であり、これらはカード式、スパンボンド、メルトブローン、エアレイド、又はその他の構造の形態とすることができる。合成材料又は合成繊維を含むクリーニングシートは、典型的に望ましい静電特性を有しており、好ましい。特に好まれるのはポリエステルであり、特にカード処理したポリエステル繊維である。繊維の親水性又は疎水性の程度は、除去する汚れの型、添加する添加物の型、生分解性、入手可能性、及びこれら考慮事項の組合せなどのいずれかの点から、シートの所望の最終目的に従って最適化する。一般的には、生分解性材料であるほど親水性であるが、より効果的な材料は疎水性となりがちである。
【0028】
クリーニングシートは単一の繊維層から形成することができるが、好ましくは少なくとも2つの層の複合材である。上記のように、本発明の好ましいクリーニングシートは、熱接着クリーニングシート及び/又は水流交絡クリーニングシートなど、様々なクリーニングシート構造を含む。
本クリーニングシートは、添加物を含む。添加物の型とレベルは、クリーニングシートの静電特性を好ましく維持して、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物が最小となり、クリーニングシートが粒子状物質を効果的に収集して保持する性能を有するように選択する。したがって、陽イオン性添加物はクリーニングシートの静電特性を減少することがあるので、添加物は非陽イオン性であるのが好ましい。
【0029】
本発明で有用なクリーニングシートとして、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他が出願し同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349(ケース6664M)、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他が出願し同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,396(ケース6798M)、1996年6月11日にシズノ(Shizuno)他に発行された米国特許第5,525,397号、1997年5月21日に公開された欧州特許第774,229A2号、1997年6月11日に公開された欧州特許第777,997A2号、1997年9月2日に公開された日本特許第09−224,895号、及び1997年12月9日に公開された日本特許第09−313,416号とに記載されるものが挙げられるが、これらに限定するわけではない。またこれら全ての特許を参考として本明細書に組み込む。
【0030】
A.好ましい熱接着クリーニングシート
本発明の好ましい熱接着クリーニングシートは、少なくとも2つの坪量が異なる別個の領域を有するのが好ましい。好ましい実施形態では、本クリーニングシートは、坪量が異なる2つの別個の領域を有して、比較的高坪量の第一の坪量領域と比較的低坪量の第二の坪量領域とを含む。比較的高坪量の第一の領域は、典型的に坪量が少なくとも約80g/m2、好ましくは少なくとも約130g/m2、より好ましくは少なくとも約170g/m2、更により好ましくは少なくとも約200g/m2を有し、典型的に約300g/m2以下、好ましくは約275g/m2以下、より好ましくは約250g/m2以下、更により好ましくは約240g/m2以下である。この比較的高坪量の第一の領域は、図23に示すように、クリーニングシートY次元の中央部に配置するのが好ましい。比較的高坪量の第一の領域は、クリーニングシートの面積の、典型的には少なくとも30%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約45%、更により好ましくはすくなくとも約50%を占める。比較的高坪量の第一の領域は又、クリーニングシートの面積の、典型的には約90%以下、好ましくは約80%以下、より好ましくは約70%以下、更により好ましくは約60%以下を占める。クリーニングシートは又、図23に示すように典型的にはシートの両側部の間に分けられた、比較的低坪量の第二の領域を有するのが好ましく、第二の領域はクリーニング面積の典型的には約70%以下、好ましくは約60%以下、より好ましくは約55%以下、更により好ましくは約50%以下であり、またクリーニングシート面積の典型的には少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、更により好ましくは少なくとも約40%である。本発明の別の態様では、高坪量材料を含む巨視的な坪量領域1つしかない。
【0031】
本クリーニングシートは、図23のクリーニングシートに示すように、又図24の工程に示すように、ブラシ状フィラメントを有するのが好ましい。ブラシ状フィラメントは、特に粒子収集と保持の補助とするために、クリーニングシートに取り付ける。ブラシ状フィラメントは、ポリエステル連続長フィラメントの束で形成するのが好ましい。
本明細書で記述するモップヘッドとハンドルを有する器具で使用するクリーニングシートに関しては、そのクリーニングシートで表面を拭く典型的なクリーニング方法の間に、比較的高坪量の領域がクリーニング表面に接触するように、比較的高坪量の領域をシート上に配設するのが好ましい。比較的低坪量の領域は、比較的低坪量の領域が器具のモップヘッドにある保持手段/把持手段と係合するように、シート上に配設するのが好ましい。
【0032】
好ましい熱接着クリーニングシートの製造プロセス
本発明で有用な熱接着クリーニングシートの製造プロセスを、図24に示す。このプロセスの間、幅210mmで坪量30g/m2を有するポリプロピレンで作られた連続第一ウエブ310が、工程図に示すように、左から右へ連続的に供給される。それと同時に、それぞれが2〜30デニールで、2,000〜100,000本のポリエステル連続フィラメント315の束を含むトウ312が、工程図に示すように、左から右へ供給される。トウ312は、一組のエクスパンドロール311により開かれてすなわち単繊維化して、所望の幅を有する連続第二ウエブを形成し、次に第一ウエブ310の上に乗せられる。第一ウエブ310と第二ウエブ312は、加熱エンボス機313に運ばれ、加熱下で一緒に圧縮されて一体に熱融着され、これにより横方向に延びる熱融着線316が作られて連続複合第三ウエブ314を形成する。熱融着線316は、第三ウエブの長手方向に測定する寸法dによって互いに離れるように形成され、すなわち、第三ウエブ314の長手方向に断続的に配置される。その次に、第二ウエブ312は、各対の隣接する熱融着線316の間で平行に延びる中間線に沿って、第一のカッター317にて切断されて2つになる。次に、第一ウエブ310は、第二のカッター318にて切断されて所望の長さになる。この方法により、個々のクリーニングシート1が、第三のウエブ314から得られる。このプロセスでは、個々のベーシックシート10は第一のウエブ310から得られ、ブラシ状フィラメントは第二のウエブ312から得られ、ブラシ状フィラメントの個々のフィラメント15は連続長繊維315から得られ、留め部16は熱融着線316により形成される。好ましくは、それぞれの熱融着線316は幅2〜10mmを有し、隣接する熱融着線から距離20〜200mmの差で離れている。ブラシ状フィラメント、すなわち第二のウエブ、すなわちこのブラシ状フィラメントを形成する前のトウ312は、本明細書で説明するように、プロセスの適当な段階において、添加物でスプレー又はロール塗布される。第二のカッター318で切断される第一ウエブ310の一部分では、隣接する熱融着線316の各対の間の距離Dは、距離dよりも長い寸法とし、比較的大きな周縁領域7(図19及び20に示すように)を得て、クリーニングシート1をクリーニング器具のモップヘッドに取り付け容易にすることができる。この場合、距離Dにより互いに離される2つの隣接した熱融着線の間にて決まる部分は、必然的に比較的長いブラシ状フィラメントを形成し、これらの長いブラシ上フィラメントを残りのブラシ状フィラメントに揃えた長さに切断する必要がある。図示のプロセスによれば,留め部16から垂れ下がる各フィラメント15の長さは、距離dの1/2から9/10に相当する。必要ならば、隣接する各対の融着線316の間で決まる第一のウエブ310の部分上に供給される第二のウエブ312の長さは、距離dの1/2よりも長いフィラメント15を得るために、距離dよりも長い寸法とすることもできる。
【0033】
本発明により熱接着クリーニングシートを製造するプロセスでは、ベースシート10及びブラシ状フィラメントとして使用される材料の特定の型は、相互に熱融着可能な限り決定的ではない。しかし一般的には、これら構成成分の材料として熱可塑性合成樹脂を使用するのが好ましい更に、熱可塑性合成樹脂で作られる第一のウエブ310及び第二のウエブ312には、レーヨンなどの非熱融着性長繊維を混ぜてもよい。かかる非熱融着性フィラメントは、それぞれの熱融着線316に沿って熱融着された材料に埋め込まれてそこに固定される。更に,連続プラスチックフィルムを、第一のウエブ310としての不織布の替わりに、使用することもできる。
このプロセスにおいて、熱融着可能なフィラメントを含むトウ又はウエブ、及び熱融着性質のベーシックシートは、相互に熱融着の後トウ又はウエブを横断方向に切断して前記クリーニングシートのブラシ状フィラメントを形成するので、ベースシートに植え込まれるブラシ状フィラメントの密度は、単にトウ又はウエブを構成するフィラメントの数を増すことにより、容易に改善することができる。
【0034】
B.好ましい水流交絡クリーニングシート
水流交絡クリーニングシートは、表面から粒子状物質を効果的に収集して保持する性能のために、本発明に特に有用である。特に水流交絡プロセスで作られた不織布クリーニングシートは、極めて効果的である。水流交絡プロセスは、米国特許第3,537,945号によく記載されている。水流交絡プロセスは典型的に、高圧水又は他の液体のジェットで繊維ウエブを処理することを含み、このジェットが、繊維を「交絡」する働きをもつ、すなわち繊維を整列した配置から個々の繊維が互いに様々な角度であって、物理的に絡まっている配置に変えて水流交絡シートを作る。水流交絡布は、例外的に強くて柔軟性があり、又繊維の物理的な結合の間に生じる空隙を含み、この空隙がほこりと粒子の収集と保持を補助するのに極めて効果がある。更に、水流交絡プロセスは、可視開口を有する水流交絡布を生産するように調整することができ、この開口もほこりと粒子の収集と保持を強化する。
【0035】
本発明は、水流交絡クリーニングシートの広範囲の様々な構造を包含する。クリーニングシートは、シートの全域に亘って比較的均一な坪量を有することができ、あるいはクリーニングシートは、異なった坪量の不連続の領域を有することもできる。その上、クリーニングシートは、比較的平らな表面を有してもよく、あるいは巨視的な三次元性を示してもよい。
本水流交絡クリーニングシートの一体性を強めるために、繊維材料と共に配置されるポリマーの網(本明細書では「スクリム」材料と呼ぶ)を含むことが好ましく、例えば水流交絡による接着剤などの熱的手段又は化学的手段による積層を介して配置される。本発明に有用なスクリム材料が、米国特許第4,636,419号に詳細に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み込む。スクリムは押出用成形型で直接形成することができ、又は押出フィルムから繊維化、又はエンボス加工、続いて延伸及び引裂きによって得ることができる。スクリムは、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、それらのコポリマー、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66などから得ることができる。スクリム材料は、種々の市販用製造業者から入手可能である。本発明において有用な好ましいスクリム材料として、ミネソタ州(Minneapolis,MN)のコンウェッド・プラスチックス(Conwed Plastics)より入手可能なポリプロピレン・スクリムがある。
【0036】
本発明に適切な水流交絡クリーニングシートとしては、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349号(ケース6664M)、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,396号(ケース6798M)、及び1996年6月11日にシズノ(Shizuno)他に発行された米国特許第5,525,397号とに記載されるものが挙げられる。
【0037】
i.任意選択の複数坪量
本発明で有用な水流交絡クリーニングシートは、坪量で区別される少なくとも2つの領域を有することができる。特にクリーニングシートは1つ以上の高坪量領域を含むことができ、坪量が約30〜120g/m2(好ましくは、約40〜100g/m2、より好ましくは約50〜90g/m2、更により好ましくは約60〜80g/m2)であり、又1つ以上の低坪量領域を含むことができ、低坪量領域では高坪量領域の坪量の約80%以下の坪量を有する。好ましいクリーニングシートはこの点に関して、連続した高坪量領域と連続した高坪量領域に囲まれた複数の不連続の領域とを含み、不連続の領域はランダムではない繰り返しパターンで配置され、連続領域の坪量の約80%以下の坪量を有する。
【0038】
クリーニングシートの低坪量領域は、高坪量領域の坪量の、好ましくは約60%以下、より好ましくは約40%以下、更により好ましくは約20%以下を有する。クリーニングシートは、総合坪量として約20〜110g/m2、より好ましくは約40〜100g/m2、更により好ましくは約60〜90g/m2を有する。低坪量領域に関しては、かかる領域でも坪量がゼロで巨視的な開口が存在するのではないのが好ましい。これは、よごれがクリーニングシートを完全に通過することが可能となり、そこに保持されないことになるからである。言い換えれば、かかる状況ではシートの捕捉レベルは最適化することができない。
【0039】
連続した高坪量領域が不連続の低坪量領域を囲む実施形態では、クリーニングシートの全表面積の少なくとも約5%は低坪量領域であるのが好ましい。より好ましくはクリーニングシート全表面積の少なくとも約10%、更により好ましくは少なくとも約15%、更により好ましくは少なくとも約20%、更により好ましくは少なくとも約30%は低坪量領域である。不連続の高坪量領域が連続した低坪量領域で囲まれる実施形態では、クリーニングシートの全表面積の少なくとも約5%は不連続の高坪量領域であるのが好ましい。より好ましくはクリーニングシート全表面積の少なくとも約10%、更により好ましくは少なくとも約15%、更により好ましくは少なくとも約20%、更により好ましくは少なくとも約30%は高坪量領域である。
不連続の低坪量領域を囲む連続した高坪量領域を有する好ましい実施形態では、不連続の低坪量領域は、X及びY方向のいずれか又は両方に、千鳥配置又は整列配置とすることができる。好ましくは、高坪量が基本的に連続のネットワークは、不連続の低坪量領域を取り囲むパターン化したネットワークを形成するが、記載のように、小さい遷移領域があってもよい。
【0040】
高坪量領域の坪量と低坪量領域の坪量の中間の坪量を有する小さな遷移領域がある可能性があること、この遷移領域そのものは隣接するいずれかの領域の坪量と異なる坪量を含むことを考慮するほど区域として重要でないことは、当業者にとり明白であろう。かかる遷移領域は、本発明に従い構造を製造するにおいて、既知であり固有の正常な製造上のばらつきの範囲内である。所与の領域(高坪量か低坪量か)内においても、かかる所与の領域が1つの坪量を有すると考えられるとき、通常の予測される坪量変動及びばらつきが起こり得ることも又認識されるであろう。例えば、もし微視的なレベルで繊維間の間隙で坪量を測定したならば、実際はかかる領域の坪量がゼロより大きい場合でも、見かけ上の坪量がゼロになるであろう。再び、かかる変動とばらつきは正常であり、製造プロセスの予測された結果である。
【0041】
図25は、不連続の低坪量領域を囲む連続した高坪量領域を有する、本発明の好ましい不織布シートの一部の写真である。呼称番号はないも、高坪量連続領域が明るい網部として、低坪量領域がより暗い不連続の領域として見られる。図26は,不織布シート3の一部の平面図であり、図25に示すシートのこの態様を更に図示する。特に図26では、不織布シート3は、連続高坪量領域5と不連続低坪量域4を有する。この代表的な図例では、任意選択のスクリム材料は示されていない。低坪量領域4は基本的に同じ大きさで単一のよく画定された形状であるとして示しているが、これら領域は、異なる大きさと形状の粒子の捕捉を促進するために異なる大きさであってもよい。また低坪量領域4の形状が、従って連続高坪量領域5の形状が、構造全体で変化してもよいことを認識するであろう。
【0042】
高坪量領域5と低坪量領域4との少なくとも20%の坪量の差(同一構造3内で)が重要であると考えられ、本開示の目的のために異なった領域を画定する。領域5と4のそれぞれの坪量を数値的に求めるために、したがってこれら領域5と4の間の差を数値的に求めるために、数値的な方法、例えば1994年1月11日にファン(Phan)他に発行された米国特許第5,277,761号にて開示された軟エックス線の画像解析などを利用することができ、この特許を参考として本明細書に組み入れる。この方法は、高坪量領域と低坪量領域が連続/不連続パターンで配置されていない場合にも適用可能である。
低坪量領域と高坪量領域の相関域は、画像解析手法を使って数値的に測定可能であり、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349(ケース6664M)に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み入れる。
【0043】
ii.任意選択の巨視的な三次元性
一実施形態では,クリーニングシートは巨視的に三次元であってもよい。これらのシートは、例えばペーパータオルと対照的に、比較的オープンな構造であるのが好ましい。かかる好ましい一実施形態では、目視的に三次元のクリーニングシートは、第一の表面と第二の表面とを有し、スクリム又は他の収縮性材料を含む。かかる好ましい一実施形態では、クリーニングシートは、第一の外側表面と第二の外側表面を有すると共に収縮性(好ましくはスクリム)材料を含み、少なくとも1つの外側表面の「平均ピーク間距離」は少なくとも1mmであるのが好ましく、その表面の「表面トポグラフィ指数」は約0.01〜5であるのが好ましい。「平均ピーク間距離」と「平均高さ差」の測定方法は、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349号(ケース6664M)にて詳細に記載され、この特許を参考として本明細書に組み入れている。
【0044】
クリーニングシートの構成にかかわらず、少なくとも1つの外側表面の「平均ピーク間距離」は、好ましくは少なくとも約1mmであり、より好ましくは少なくとも約2mmであり、更により好ましくは少なくとも約3mmである。一実施形態では、「平均ピーク間距離」は、約1〜20mmであり、詳しくは約3〜16mmであり、更に詳しくは約4〜12mmである。少なくとも1つの外側表面の「表面トポグラフィ指数」は、好ましくは約0.01〜10であり、好ましくは約0.1〜5であり、より好ましくは約0.2〜3であり、更により好ましくは約0.3〜2である。少なくとも1つの外側表面は、「平均高さ差」が好ましくは少なくとも約0.5mmであり、より好ましくは少なくとも約1mmであり、更により好ましくは少なくとも約1.5mmである。少なくとも1つの外側表面の「平均高さ差」は、典型的には約0.5〜6mmであり、より典型的には約1〜3mmである。
【0045】
C.不規則でない巨視的な三次元特性を有する開口なしクリーニングシート
本願にて好ましいクリーニングシートは、不規則でない巨視的な三次元特性を有する開口なしクリーニングシートをも含む。かかるクリーニングシートは、2000年11月30にウォン(Wong)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/729,626にて詳細に記載され、この特許を参考として本明細書に組み込む。
【0046】
D.その他のクリーニングシート
本発明で有用なその他のクリーニングシートとしては、スパンボンド、メルトブローン、エアレイドなどによるものが挙げられる。
【0047】
IV.添加物
数多くの添加物材料を、本発明のクリーニングシートに適切に組み込むことができる。本クリーニングシートに特に有用な本発明の好ましい添加物には、ポリマー添加物があり、特に、特定のタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比、糸引き値、Tg値、及び/又は分子量などの特定の粘着特性を有するものがある。本発明において任意選択の他の添加物材料としては、ワックス類、オイル類、粉体類、及びこれらの混合物などが挙げられるが、これらには限定されない。添加物材料は、ほこり、綿ほこり、及び毛などの小粒子物質と、特に、パン屑、土、砂、毛、食物砕片、草刈切片、マルチなど、家庭内の床や表面に典型的に見られる大きな粒子物質の収集を改善するために選定する。しかも、添加物材料の型と量は、クリーニングシートが清掃表面を容易に滑る性能を維持しながら、クリーニングシートの粒子収集を改善するよう、注意深く選定する。組み込んだ添加物の結果としてクリーニングシートが粘つき過ぎる場合、クリーニングシートは表面を容易に滑らなくなり、消費者の不満足となる。
【0048】
A.ポリマー添加物
本発明は、様々な受容可能なポリマー添加物とそれらの混合物から選択した、ポリマー添加物を含浸した本クリーニングシートを包含する。適切なポリマー添加物としては、感圧接着剤、粘着性ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものが挙げられるが、これらには限定されない。適切な感圧接着剤は、接着剤ポリマーを含み、任意に、粘着付与樹脂、可塑剤、及び/又は任意構成成分と組み合わせる。適切な粘着性ポリマーとしては、ポリイソブチレンポリマー、N−デシルメタクリレートポリマー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
滑り剤、例えば、天然又は合成の高融点ワックスの水エマルジョン、あるいは天然脂肪酸のエステル又はアミド(例えば、オレアミド、エウラカミド(euracamide)、ステアルアミド、もしくはアンモニウムステアレート)の水エマルジョンなどを、本ポリマー添加物に任意選択として組み込むことができ、それは1993年3月30日にラーナー(Lerner)他へ発行された米国特許第5,198,292号に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み入れる。しかし、好ましい実施形態では、本ポリマー添加物には、基本的に滑り剤を入れない。
【0049】
ポリマー添加物は、ワックス及び/又はオイル型添加物と比較して、更により効果的な粒子収集をもたらす傾向があり、特に、パン屑、土、砂、食物砕片、草刈切片、マルチなど家庭内の床や表面に典型的に見られる大きな粒子状物質に関してその傾向がある。しかし、ポリマー添加物の型と量を注意深く選定していない場合、その結果得られるそのポリマーを含浸したクリーニングシートは粘つき過ぎて、消費者に受け入れられない手触りとなってしまうことがある。更に、ポリマー添加物を注意深く選定していない場合、クリーニングシートは過大な摩擦係数を生じて、クリーニングシートが清掃面を滑らかに滑る性能を減じてしまうこととなる。本クリーニングシートで家庭内の表面を清掃する平均的な消費者にとって、シートの滑りは、感覚的に非常に重要である。
【0050】
1.ポリマー添加物の粘着特性
本ポリマー添加物の粘着特性は、効果的な粒子収集性能と受容可能な表面滑り性能と感覚的な魅力(例えば、手触り)とを有する、クリーニングシートを作り出すために重要である。本ポリマー添加物の粘着特性は、テクスチャー・アナライザーを使用して測定することができる。適切なテクスチャー・アナライザーが、英国サリー ゴダルミング(Godalming,Surrey UK)のステイブルマイクロシステム社(Stable Micro Systems,Ltd.)から、商品名TA.XT2テクスチャー・アナライザーにて購入できる。粘着特性を測定する試験方法(「テクスチャー・アナライザー方法」)を、この後のセクションV.A.に記す図27に、このテスト方法で使用するテクスチャー・アナライザーを示す。
本願で測定する粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力、粘着力、凝集力/粘着力比、糸引き値を含む。本願で好ましいポリマー接着剤は、感圧接着剤及び/又は粘着性ポリマーを含み、受容可能な性能と感覚的魅力を有するクリーニングシートを実現するために、ある種の粘着特性を示す。
【0051】
a.粘着仕事値
本明細書で使用する「粘着仕事値」という用語は、本ポリマー添加物の粘着力と凝集力の両方の総合接着力についていう。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定された範囲内の「粘着仕事値」を有することが好ましい。粘着仕事値が高すぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、粘つきすぎる傾向があり、清掃表面を滑らかに滑らない。反対に、粘着仕事値が低く過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子物質の不充分な収集を示すことになり勝ちである。
粘着仕事値は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法により作られたカーブを示す。グラフで線111と113の間の曲線より下に示される全面積が、試験したポリマー添加物の粘着仕事値に等しい。粘着仕事値は、「力(グラム)×mm」で示す。
【0052】
b.タック値
本明細書で使用する「タック値」という用語は、ポリマー添加物の最大粘着力を指す。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内のタック値を有することが好ましい。「タック値」が高すぎる場合、粘着仕事値も高過ぎる傾向があり、その結果、粘つき過ぎて、清掃表面を滑らかに滑らないクリーニングシートとなる。反対に、タック値が低く過ぎる場合、粘着仕事値も低すぎる傾向があり、その結果、大きい粒子物質の収集が不充分になり勝ちなクリーニングシートとなる。
タック値は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28にテクスチャー・アナライザー方法で作られた曲線を示す。グラフ中の線114で表される最大力は、テストしたポリマー添加物の「タック値」に等しい。タック値は、力(グラム)で示す。
【0053】
c.凝集力/粘着力比
本明細書で使用する「凝集力/粘着力比」という用語は、ポリマー添加物の「凝集力」と「粘着力」の間の比を指す。「凝集力」は、それ自体に結合するポリマー添加物の性能を指す。「粘着力」は、その他の物質、例えばクリーニングシート、大きな粒子状物質などに結合する、ポリマー添加物の性能を指す。凝集力/粘着力比はこの2つの力のバランスに関係する。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内の凝集力/粘着力比を有することが好ましい。凝集力/粘着力比が高過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子の収集が不充分となり勝ちである。反対に、凝集力/接着力比が低過ぎる場合、ポリマー添加物の一部はクリーニングシートから清掃表面に移動する傾向があり、その結果、表面に残る残留物となり、クリーニングシートの滑り特性が劣ったものとなる。
【0054】
凝集力と粘着力は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法により作られたカーブを示す。グラフで最大力以降の曲線の下に示される面積、すなわち線112と113の間で曲線の下の面積は、試験したポリマー添加物の凝集力に等しい。グラフで最大力以前の曲線の下に示される面積、すなわち線111と112の間で曲線の下の面積は、試験したポリマー添加物の粘着力に等しい。凝集力/粘着力比は、単に凝集力を粘着力で割るだけで計算され、無単位比である。
【0055】
d.糸引き値
本明細書で使用する「糸引き値」という用語は、ポリマー添加物の弾性を示す。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内の「糸引き値」を有することが好ましい。「糸引き値」が高すぎる場合、ポリマー添加物は清掃表面に展着する傾向があり、クリーニングシートの滑り性能が減少する。反対に、「糸引き値」が低く過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子物質の収集が不充分になり勝ちである。
「糸引き値」は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法で作られたカーブを示す。グラフ中で線112で示されるテクスチャー・アナライザーのプローブが試験中のポリマー添加物と接触している距離は、そのポリマー添加物の糸引き値に等しい。糸引き値は、ミリメートルの条件で測定される。
【0056】
2.感圧接着剤
本発明で好ましいポリマー添加物として、感圧接着剤がある。本発明で適切な感圧接着剤は、一般に接着剤ポリマーを含み、任意に、粘着付与樹脂、可塑剤、及び/又は任意成分と組み合わせる。感圧接着剤は典型的に、接着剤ポリマー、接着剤コポリマー、又はこれらの混合物を含む。好ましい感圧接着剤は架橋ポリマーを含む。好ましい感圧接着剤は、架橋アクリレートポリマーを含み、基本的に、粘着付与樹脂、可塑剤、滑り剤、又はその他の樹脂を入れない。
【0057】
a.接着剤ポリマー及び/又はコポリマー
本発明のポリマー添加物として適切な感圧接着剤は、好ましくは、接着剤ポリマー、並びに、合成樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリル、ビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、及びポリビニルアルコールのコポリマーを含む。
適切な接着剤ポリマーとしては、ポリスチレン端末ブロック、並びにポリイソプレン、ポリブタジエン、及び/又はポリエチレン−ブチレン中間ブロックを含有するブロックコポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、ポリイソプレン、及びポリエチレンプロピレンなどのポリオレフィン;エチレン−ビニルアセテートコポリマー;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム〔ポリシス−イソプレン〕;ポリアクリル酸、好ましくは2−エチルヘキシルアクリレート及びイソ−オクチルアクリレート(octlyacrylate)、並びにポリメタクリル酸、又はこれらの塩;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。好ましい感圧接着剤は架橋接着剤ポリマーを含む。好ましい感圧接着剤は、架橋アクリレート接着剤ポリマーを含み、基本的に、粘着付与樹脂、可塑剤、滑り剤、又はその他の樹脂を入れない。
【0058】
本発明で有用な接着剤ポリマーは更に、A−B−A三元ブロックコポリマー、A−B二元ブロックコポリマー、A−B−A−B−A−B多元ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー及びそのグラフト型、エチレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、プロピレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、並びにこれらの混合物などの熱可塑性ポリマーを含むことができる。ラジアルブロックコポリマーは、Y−ブロックポリマー及びスターポリマー、並びにその他の形状を含む。本発明で有用なA−B−Aブロックコポリマーには、1979年1月30日にコリンス(Collins)他に発行された米国特許第4,136,699号に記載されるものがあり、この特許を参考として本明細書に組み入れる。例には、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)からKraton(登録商標)Gシリ−ズとして入手可能なポリマー類が含まれる。入手可能な様々なグレードがあり、全て飽和のA−B二元ブロック/A−B−A三元ブロックとエチレン/ブチレン中間ブロックとの混合物であるKraton(登録商標)G−1726、Kraton(登録商標)G−1650、Kraton(登録商標)G−1651、Kraton(登録商標)G−1652、Kraton(登録商標)G−1657;高割合A−B二元ブロック線状スチレン−イソプレン−スチレンポリマーであるKraton(登録商標)D−1112;主としてA−B−A三元ブロック線状スチレン−イソプレン−スチレン・ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D−1107及びKraton(登録商標)D−1111;両者ともシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)から入手可能な、30質量%オイル含有の線状スチレン−イソプレン−スチレン「SIS」ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D4433X,及び高分子量スチレン−ブタジエン(buradiene)−スチレン「SBS」ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D1184;オハイオ州アクロン(Akron,Ohio)のファイアストン(Firestone)から入手可能なA−B−A−B−A−B多元ブロックSBSブロックコポリマーであるStereon(登録商標)840AとStereon(登録商標)841A;ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)のエニケムエラストマー(Enichem Elastomers)より入手可能な線状SISブロックコポリマーであるEuroprene(登録商標)Sol T−193B;両者共エニケムエラストマーから入手可能な、線状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであるEuroprene(登録商標)Sol T−190、及びラジアルSBSブロックコポリマーEuroprene(登録商標)Sol T−163;テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な線状SBSブロックコポリマーVector(登録商標)4461−D;異なる質量%のスチレン端末基を含有する完全結合線状SISブロックコポリマーVector(登録商標)4111、4211及び4411;これもエクソンケミカル社から入手可能な、高度に結合した線状SISブロックコポリマーVector(登録商標)4113;並びに、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のデクスコポリマー(Dexco Polymers)から入手可能なラジアルSISブロックコポリマーDPX−550、DPX−551及びDPX−552を含む。このリストは他を制限するものではなく、様々な感圧接着剤、特にホットメルト感圧接着剤の供給元より入手可能な、数多くのグレードのブロックコポリマーがある。これらポリマーは単独で使用することもでき、あるいはどのような組合せでも使用できる。これらポリマーは、ポリマー組成の中の約5〜90質量%で有用である。
【0059】
その他の接着剤ポリマーとしては、一般的な構成A−B−Aを有する実質的に線状なコポリマーが挙げられ、ここでAブロックは、ポリスチレンとすることができ、Bブロックは、エチレン−ブチレン、エチレン−プロピレン、イソプレン、ブタジエン、又はこれらの混合物とすることができ、好ましくはBブロックはエチレン−ブチレン又はエチレン−プロピレンである。Kraton(登録商標)G−1651などのこの型の接着剤ポリマーには、これも感圧接着剤に使用されている、従来型スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(S−EB−S)ブロックコポリマーの2倍の分子量がある。このポリマーは、典型的には感圧接着剤の約2〜20質量%、好ましくは約5〜20質量%、存在する。
【0060】
その他の接着剤ポリマーとして、高分子量ブロックコポリマーと共に利用できる低分子量ブロックコポリマーが挙げられる。例としては、A−B−A三元ブロックコポリマー、A−B二元ブロックコポリマー、A−B−A−B−A−B多元ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー、及びシェルケミカル(Shell Chemical)のTKG−101及びRP−6912を含むこれらポリマーのグラフト型がある。このようなA−B−Aブロックコポリマーが、コリンス(Collins)他の米国特許第4,136,699号に開示されている。これらブロックコポリマーの一部は、S−EB−Sブロックコポリマーであるシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)よりKraton(登録商標)Gシリーズとして購入可能である。
【0061】
その他の有用な接着剤ポリマーとしては、テキサス州ダラス(Dallas,Tex.)のレクセンプロダクツ社(Rexene Products Co.)より商品名Rextac(登録商標)RT−2280及びRT−2315及びRT2585などで入手可能なアタクチックなポリアルファオレフィンを挙げることができ、これらは様々な量のエチレンと均一な線状又は実質的に線状のエチレン・インターポリマーと少なくとも1つのC2〜C20のアルファオレフィンを有して、更に前記各インターポリマーが約2.5未満の多分散性を有することを特徴としており、その他には、ミシガン州ミッドランド(Midland,Mich.)のダウケミカル社(Dow Chemical Co.)から全て入手可能な、エチレン−ブテン・コポリマーExact(登録商標)5008、エチレン−プロピレン・コポリマーExxpol(登録商標)SLP−0394、エチレン−ヘキセン・コポリマーExact(登録商標)3031などのポリマーが挙げられる。これらポリマーは、Kraton(登録商標)G−1651のようなブロックコポリマーと共に利用する場合は、低濃度で使用して、相分離又は膠質のゲル状組成物を防いで適合性を維持しなければならない。これら濃度は、感圧接着剤の5重量%程度に低くすることができる。
【0062】
本発明の感圧接着剤に有用であり得るその他の接着剤ポリマーとしては、共にデラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のデュポンケミカル社(DuPont Chemical Co.)から入手可能な、14%ビニルアセテート/400メルトインデックス・コポリマーEvax(登録商標)410、及び28%ビニルアセテート/400メルトインデックス・コポリマーEvax(登録商標)210などのエチレンビニルアセテートコポリマー;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能なエチレンビニルアセテートコポリマーEscorene(登録商標)UL7505;オハイオ州シンシナティ(Cincinnati, Ohio)のクオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)U.S.I.ディビジョン(U.S.I.Division)から入手可能なUltrathene(登録商標)UE64904;及びノースカロライナ州シャーロッテ(Charlotte,N.C.)のATポリマーズアンドフィルム社(AT Polymers & Film Co.)から入手可能なAT1850Mなどが挙げられる。エチレン及びメチルアクリレート(メタクリレート並びにアクリレート)のコポリマーも有用であり、エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能なOptema(登録商標)TC−140、XS−93.04及びTC−221;ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,Pa.)のElfアトケムノースアメリカ(Elf Atochem North America)から入手可能なLotryl(登録商標)28 MA 175及び35 MA 05 1000などが挙げられる。エチレンメチルアクリレートコポリマーも、シェブロン(Chevron)から商品名Emac(登録商標)で、クオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)から商品名Acrythene(登録商標)で入手可能である。エチレンとn−ブチルアクリレートのコポリマーも又、本発明の感圧接着剤に有用である。これらは、クオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)からEA80808、EA89821及びEA89822を含む商品名Enathene(登録商標)にて;Elfアトケムノースアメリカ(Elf Atochem North America)から35 BA 900と35 BA 1000を含む商品名Lotryl(登録商標)にて;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)からXW−23.AH及びXW−22を含む商品名Escorene(登録商標)にて入手可能である。これら接着剤ポリマーは、Kraton(登録商標)G−1651などの一部ブロックコポリマーと共に低濃度で使用しなければならない。
【0063】
好ましい実施形態では、感圧接着剤は、アクリル及び/又はメタクリルの酸又はエステル、アミド及びこれらのニトリル誘導体に由来する広い様々なポリマー及びコポリマーから選択される、アクリル接着剤ポリマーである接着剤ポリマーを含む。異なるポリマー及びコポリマーの混合物も使用可能である。これらポリマー及びコポリマーは、約0℃未満のガラス転移点を有して、ポリマーのかたまりは室温で粘着性であるのが好ましい。有用なアクリレートベースの接着剤ポリマーの例としては、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ノニルアクリレート及びブチルアクリレート、並びにこれらのアクリル酸とのコポリマーもしくはターポリマー、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリルを含むホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。例えばイソボルニルアクリレート(例えば、WO95/13,331及びWO95/13,328参照)などの、そのホモポリマーのTgが比較的高い非極性アクリルモノマーを組み込むことも又可能である。
【0064】
その他の接着剤ポリマーとしては、ポリアミド;ポリエステル;ポリビニルアルコール及びそのコポリマー;ポリウレタン;ポリスチレン;ポリエポキシド;ビニルモノマーのグラフトコポリマー及びポリアルキレンオキシドポリマー;並びにフェノール−アルデヒド、尿素−アルデヒド、メラミン−アルデヒドなどのアルデヒドを含有する樹脂が挙げられる。
【0065】
b.任意選択の粘着付与樹脂
適切な感圧接着剤は任意に、感圧接着剤の接着性を改善しタックを導入するために粘着付与樹脂を配合して、本発明で所望の粘着特性を達成することができる。かかる樹脂としては、その他の材料の中でも、(a)天然及び修飾樹脂、(b)ポリテルペン樹脂、(c)フェノール修飾炭化水素樹脂、(d)クマロン−インデン樹脂、(e)脂肪族及び芳香族石油炭化水素樹脂、(f)フタール酸エステル、(g)水素添加炭化水素、水素添加ロジン、及び水素添加ロジンエステルが挙げられる。ホットメルト接着剤の中の粘着付与樹脂として室温では固体であるが適用温度未満で溶けるものが好まれるのは、使用中の周囲温度では過度の流動性を有さないにもかかわらず、これら樹脂が適用の際の粘性を下げて、基質への接着剤の分配と固着を改善するからである。これら樹脂は、好ましくは約35〜200℃の間の融点を有し、より好ましくは約50〜150℃の間の融点を有する。
【0066】
粘着付与樹脂は、ホットメルト感圧接着剤中で使用するのが好ましいが、他の型の感圧接着剤中でも利用することができる。本発明で有用な粘着付与樹脂としては更に、脂肪族、環式脂肪族及び芳香族炭化水素、修飾炭化水素及び水素添加誘導体;テルペン、修飾テルペン及び水素添加誘導体;ロジン、変性ロジン及び水素添加誘導体;並びにこれらの混合物が挙げられる。これらは又、異なったレベルの水素添加で、あるいは通常使用される別の用語では飽和で入手可能である。有用な例としては、テネシー州キングスポート(Kingsport,Tenn.)のイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)からのEastotac(登録商標)H−100、H−115、及びH−130が挙げられ、異なる硬度を有する部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂である。これらは、E等級、R等級、L等級、W等級で入手可能である。これらは、最も少ない水素添加レベルから最も多い水素添加レベルまで、様々なレベルの水素添加を有する。E等級は臭素価15を有し、R等級は臭素価5,L等級は臭素価3,W等級は臭素価1を有する。Eastotac(登録商標)H−142R樹脂も入手可能である。その他の有用な粘着付与樹脂としては、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co)から全て入手可能な、脂肪族炭化水素樹脂1310LC、部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂Escorez(登録商標)5300とEscorez(登録商標)5400,部分水素添加した芳香族修飾石油炭化水素樹脂Escorez(登録商標)5600;オハイオ州アクロン(Akron,Ohio)のグッドイヤーケミカル社(Goodyear Chemical Co.)から入手可能な脂肪族芳香族石油炭化水素樹脂であるWingtack(登録商標)エクストラ;デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del)のハーキュレス(Hercules)から入手可能な部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂であるHercolite(登録商標)2100;及びフロリダ州パナマシティ(Panama City,Fla.)のアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能なd−リモネンから製造されたスチレン化テルペン樹脂であるZonatac(登録商標)105Liteが挙げられる。
【0067】
様々な水素添加レベルで利用可能な多くの型のロジン及び変成ロジンがあり、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジンが含まれる。いくつかの特定変成ロジンには、ウッドロジン及びトール油ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステルが含まれる。購入可能なグレードとしては、アリゾナケミカル社から入手可能なペンタエリスリトールロジンエステルSylvatac(登録商標)1103、ニュージャージー州ワイン(Wayne,N.J.)のユニオンキャンプ(Union Camp)から入手可能なペンタエリスリトールロジンエステルUnitac(登録商標)R−100Lite、アリゾナケミカル社から入手可能なトール油ロジンのグリセロールエステルZonester(登録商標)100、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)から入手可能なペンタエリスリトール変性ウッドロジンPermalyn(登録商標)305,及び入手可能な高度に水素添加されたペンタエリスリトールロジンエステルであるForal(登録商標)105、などが挙げられるがこれには限定されない。Sylvatac(登録商標)R−85は、融点85℃のロジン酸であり、Sylvatac(登録商標)295は、融点95℃のロジン酸であり、両方ともアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能である。Foral(登録商標)AXは、融点75℃の水素添加ロジン酸であり、ハーキュレス社(Hercules Inc.)から入手可能である。Nirez(登録商標)V−2040は、アリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能なフェノール修飾テルペン樹脂である。
【0068】
粘着付与樹脂の利用可能な多くの型と等級が多くの会社から入手可能であり、当業者は、このリストが他を制限するようなものではないことと、利用可能な粘着付与樹脂はここにリストするにはあまりに数が多いことを認識するであろう。様々な端末ブロック樹脂も、本発明の組成物に有用である。これらには、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)にて製造される芳香族炭化水素Endex(登録商標)160、ハーキュレス社にて製造されるアルファメチルスチレン炭化水素Kristalex(登録商標)3100とKristalex5140、及びクマロンインデン樹脂も含まれる。これら粘着付与樹脂は、感圧接着剤において約0重量%〜65重量%のレベルで、好ましくは約10重量%〜65重量%のレベルで有用である。
【0069】
c.任意選択の可塑剤
感圧接着剤は、任意選択で可塑剤を含むことができる。本感圧接着剤で有用な可塑剤としては、鉱物ベース油及び石油ベース油、液体樹脂、液体エラストマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、グリセロールトリヒドロキシオレイン酸エステルなどの官能化オイル及びその他脂肪油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。可塑剤は、例えば熱可塑性物質、ゴム、その他の樹脂を含むものなど、感圧樹脂に添加できる典型的な有機組成物として概略定義され、完成感圧接着剤における押し出し性、可撓性、作業性、及び伸縮性を改善する。周囲温度で流動して、そのブロックコポリマーと適合性のあるどの材料でも有用である。
最も普通に使用される可塑剤は、芳香族含有量が低くて物性がパラフィン性又はナフテン性である、主として炭化水素油であるオイルである。そのオイルは、揮発性が低くて透明であり、色と臭いができるだけ少ないものが好ましい。本発明では、オレフィンオリゴマー、低分子量ポリマー、植物油及びその誘導体、並びに同様な可塑化油の使用も又考慮している。
【0070】
本感圧接着剤で有用な可塑剤の例としては、インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis,Ind.)のカルメットルブリカンツ社(Calumet Lubricants Co.)から入手可能なナフテン石油ベースオイルCalsol(登録商標)5120;ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)のウィトコ社(Witco Corp.)から入手可能なパラフィン鉱物油Kaydol(登録商標)White Mineral Oil;テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な液体ブテンホモポリマーParapol(登録商標)1300;イリノイ州シカゴ(Chicago,Ill.)のアモコ社(Amoco Corp.)から入手可能な液体ブテンホモポリマーIndopol(登録商標)H−300;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な流動点20℃である液体芳香族石油ベース炭化水素樹脂Escorez(登録商標)2520;イリノイ州シカゴ(Chicago,Ill.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)から入手可能な流動点18℃である水素添加液体芳香族炭化水素樹脂Regalrez(登録商標)1018;及びフロリダ州パナマシティ(Panama City,Fla.)のアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能な流動点5℃である変性ロジンエステルの液体樹脂Sylvatac(登録商標)5Nなどが挙げられる。当業者は、どの一般的な500秒又は1200秒ナフテンプロセス油でも、有用であることを認識し得る。可塑剤は、本感圧接着剤の約0重量%〜50重量%で有用である。
【0071】
d.その他の任意成分
本感圧接着剤での望ましい任意構成成分には、希釈剤を含み、例えば、液体ポリブテン又はポリプロピレン、パラフィン及び微結晶ワックスなどの石油ワックス、ポリエチレングリース、水素添加動物、魚及び植物油脂、ナフチオン又はパラフィン鉱物油などの炭化水素油などの鉱物油及び合成ワックスなどがある。
ホットメルト接着剤の希釈剤は周囲温度では個体であり、適用温度以下で溶けるものが好まれるが、これら希釈剤により適用時の粘度が下がり接着剤の基質への配分と固着が改善されるのは、周囲温度での使用中に過度に流動性を有することがないからである。これら樹脂は、好ましくは約35〜200℃の間の融点を有し、より好ましくは約50〜150℃の間の融点を有する。
その他の任意成分としては、安定剤、酸化防止剤、着色剤、及び充填剤が挙げられる。本感圧接着剤中の構成成分とその量は、本発明で所望の接着特性が得られるように選定する。
【0072】
安定剤又は酸化防止剤は又、感圧接着剤中で使用することができる。これら化合物は、熱、光、又は粘着付与樹脂など感圧接着剤の他の構成成分からの残留触媒などにより誘起されて酸素と反応することにより引き起こされる、感圧接着剤の劣化を防止するために添加することができる。かかる酸化防止剤は、ニューヨーク州ホーソン(Hawthorne,N.Y.)のチバ−ガイギーから購入可能であり、Irganox(登録商標)565とIrganox(登録商標)1010とIrganox(登録商標)1076を含み、全てヒンダードフェノール酸化防止剤である。これらは、遊離ラジカル捕集剤として作用する一次酸化防止剤であり、単独で使用してもよく、又はチバ−ガイギーから入手可能なIrgafos(登録商標)168のような亜リン酸塩酸化防止剤などの他の酸化防止剤と組み合わせて使用してもよい。亜リン酸塩酸化防止剤は、二次酸化防止剤とされており、主として過酸化物分解剤として使用され、単独で使用されることは一般ではなく、他の酸化防止剤と組み合わせて使用される。他の利用可能な酸化防止剤として、コネチカット州スタンフォード(Stamford,Conn.)のサイテック社(Cytec Industries)から入手可能なチオエーテル酸化防止剤Cyanox(登録商標)LTDP、ルイジアナ州バトンルージュ(Baton Rouge,La.)のアルベマール(Albemarle)から入手可能なヒンダードフェノール酸化防止剤Ethanox(登録商標)330がある。他の多くの酸化防止剤がそれ自体で使用する、又は他の酸化防止剤と組み合わせて使用するものとして利用可能である。これら化合物は、感圧接着剤に少量を、感圧接着剤の約2重量%までを添加し、感圧接着剤の粘着特性にはほとんど影響しない傾向である。
【0073】
同様に感圧接着剤に添加することができて、接着特性にほとんど影響しない傾向がある他の成分には、一部をいうだけでも、着色顔料、蛍光剤、臭いを隠すいずれかの化合物及び充填剤がある。
任意的な充填剤は、粒子状物質、繊維及び粉体の形態で供給され、あるいは感圧接着剤中の他の構成成分に干渉しないいかなる材料であってもよい。いくつかの例としては、炭酸カルシウム、セラミックス、ガラス、シリカ、石英、雲母、処理粘土、二酸化チタン、窒化ホウ素、黒鉛、カーボンブラック、金属、バリウム、硫酸塩、タルク及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
感圧接着剤の粘着特性
感圧接着剤は、粘着仕事値、タック値、凝集力/粘着力比及び糸引き値などの感圧接着剤の粘着特性に基づいて、本クリーニングシートに組み込むことを目的に選定する。これら粘着特性は、セクションIV.A.1にて記述してあり、セクションV.A.にて後述するテクスチャー・アナライザー方法に従って測定する。
好ましい感圧接着剤は5グラム圧力時の粘着仕事値として、典型的には約130〜1000、好ましくは約160〜750、より好ましくは約250〜650を示す。
感圧接着剤の5グラム圧力時タック値は、一般的には約100〜500、好ましくは約150〜400、より好ましくは約200〜350である。
本感圧接着剤の5グラム圧力時凝集力/粘着力比は、通常は約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約3.0〜6.0である。
本感圧接着剤は5グラム圧力時の糸引き値として、通常約2.5〜12.0、好ましくは約2.5〜8.5、より好ましくは約3.0〜5.0を有する。
【0075】
本発明のクリーニングシートで使用する好ましい感圧接着剤の例としては、フーラー社(H.B.Fuller Company)から商品名HL−1496、HM−1597、HM−1902、HM−1972、HM−2713などで購入可能な一連の感圧接着剤が挙げられるが、これには限定されない。その他の好ましい感圧接着剤としては、ロームアンドハース社(Rohm & Haas Company)から商品名ROBOND PS 75R、ROBOND PS 20、RHOPLEX VS、ACRONOL DS 3432、及びこれらの混合物として入手可能なものが挙げられる。
【0076】
3.粘着性ポリマー
本クリーニングシートに組み入れるポリマー添加物は、粘着性ポリマーとすることもできる。本明細書で使用する「粘着性ポリマー」という用語は、感圧接着剤に典型的に見られるものよりも高いタック値を有するポリマーを指し、例えば、タック値が少なくとも約300、好ましくは少なくとも約350を有するポリマーである(タック値はセクションIV.A.1.bにて、より詳しく前述した)。粘着性ポリマーは又、感圧接着剤組成物に任意成分として含まれることもある。本発明の好ましい一実施形態では、粘着性ポリマーは、それ自体が本発明のクリーニングシートに組み入れるに適切なポリマー添加物である。
本発明のクリーニングシート用のポリマー添加物として使用するに適切な粘着性ポリマーとしては、ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー(ただしアルキル基はC2〜C18、好ましくはC2〜C12)が挙げられるが、これには限定されない。好ましい粘着性ポリマーとして、ポリn−デシルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、及びこれらの混合物がある。本発明でより好ましい粘着性ポリマーは、ポリイソブチレンポリマーである。
【0077】
粘着性ポリマーの粘着特性
粘着性ポリマーは、粘着仕事値、タック値、凝集力/粘着力比、及び糸引き値を含む粘着性ポリマーの粘着特性に基づき、本クリーニングシートのポリマー添加物として組み入れるために選定する。これら粘着特性は、セクションIV.A.1にて前述しており、セクションV.A.で後述するテクスチャーアナライザー方法に従って測定する。粘着性ポリマーに望まれる粘着特性は、ポリマー添加物の型が異なるために、感圧接着剤とは多少異なることもある。
適切な粘着性ポリマーは、5グラム圧粘着仕事値として、典型的に約50〜1000、好ましくは約75〜250,より好ましくは約100〜150を示す。
粘着性ポリマーの5グラム圧タック値は、一般的には約300〜500であり、好ましくは約300〜450、より好ましくは約350〜400である。
典型的な本粘着性ポリマーの5グラム圧凝集力/粘着力比は、約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約3.0〜6.0である。
本粘着性ポリマーは、5グラム圧糸引き値として、通常約0.4〜12.0、好ましくは約0.8〜4、より好ましくは約0.8〜2.0を有する。
【0078】
本発明の粘着性ポリマー添加物は、ガラス転移温度「Tg」として、典型的には少なくとも約−150℃、好ましくは少なくとも約−100℃、より好ましくは少なくとも約−80℃を有する。更に、本粘着性ポリマーは、典型的に約0℃以下のTgを有し、好ましくは約−30℃以下、より好ましくは約−50℃以下を有する。粘着性ポリマーのTgが高すぎる場合、粘着性ポリマーは粘性が高すぎる傾向であり、粘着特性が悪化する。
また本粘着性ポリマーは、少なくとも約1000の分子量を有し、好ましくは少なくとも約2500、より好ましくは少なくとも約50,000を有する。更に本粘着性ポリマーは、典型的に約500,000以下のTgを有し、好ましくは約200,000以下、より好ましくは約150,000以下を有する。粘着性ポリマーの分子量が小さすぎる場合、粘着性ポリマーは粘性が低すぎる傾向であり、受け入れ難いほど低い粘着力及び/又は凝集力になる。逆にポリマー添加物が高すぎる分子量を有する場合、粘着性ポリマーは粘性が高すぎる傾向であり、あるいは固体となる。
【0079】
本発明のクリーニングシートに使用する好ましい粘着性ポリマーの例としては、ポリ(nヘキシルメタクリレート)、P−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ(ラウリルアクリレート)、ポリ(nブチルアクリレート)、ポリイソブチレン(「PIB」)、ポリ(1,4−ブチレンアジパート)、ポリ(nデシルメタクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルアクリレート)、ポリ(nブチルアクリレート)、ポリ(n−デシルメタクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
本発明の別の実施形態では、好ましい感圧接着剤は、低圧下では比較的低いタック値と粘着仕事値を有して手触りと滑りを向上するが、高い圧力では粘着性ポリマーと同様に作用して収集を向上する。これにより、添加物を含有する前記シートを使って床をモップで拭くのはより圧力を要するも、前記ポリマーを含有するシートの取り扱いは基本的に低圧プロセスであることが認識される。
本感圧接着剤は、5グラム圧粘着仕事値として約30〜150、好ましくは約40〜110、より好ましくは約40〜80を示し、15グラム圧粘着仕事値として約50〜1000、好ましくは約75〜250、より好ましくは約100〜150を示す。
【0080】
本感圧接着剤の5グラム圧タック値は、一般的には約50〜600、好ましくは約100〜400、より好ましくは約150〜300であり、15グラム圧タック値は、一般的には約300〜500、好ましくは約300〜450、より好ましくは約350〜400を示す。
典型的な本感圧接着剤の5グラム圧凝集力/粘着力比は、約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約2.0〜6.0であり、15グラム圧凝集力/粘着力比は、典型的には約0.1〜10、好ましくは約0.2〜6.0、より好ましくは約0.2〜4.0を示す。
本感圧接着剤は、5グラム圧及び15グラム圧両方の糸引き値として、通常は約0.4〜12.0、好ましくは約0.8〜4、より好ましくは約0.8から2.0を有する。
好ましい感圧接着剤の例は、フーラー社(H.B.Fuller Company)から入手可能な商品名HL1500にて販売されている。
【0081】
本発明のポリマー添加物は、様々な溶液に溶解又は分散することができ、例えば、水;トルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン、及びテトラヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、及びノナンなどの5〜11炭素原子を含む脂肪族炭化水素;塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、及びペルクロロエチレンなどの塩素化炭化水素、並びにクロロベンゼンなどの塩素化芳香族炭化水素;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
【0082】
本クリーニングシートに含浸するポリマー添加物の量は、受容可能な粒子収集と最小残留物と滑りを示すクリーニングシートを得る上で、別の重要な考慮点である。典型的に本ポリマー添加物は、本クリーニングシートに約10.0g/m2以下、好ましくは約6.0g/m2以下、より好ましくは約4.0g/m2以下、更により好ましくは約2.0g/m2以下のポリマー添加物のレベルで含浸する。クリーニングシートに添加するポリマー添加物の量には、ポリマー添加物を溶解するために使用する溶液の量は含まれないことに注意されたい。ポリマー添加物のレベルが高すぎる場合、クリーニングシートは粘つきが感じられ、その結果、家庭消費者には感覚的に受け入れ難い手触りとなる。ポリマー添加物のレベルが高すぎる場合は又、クリーニングシートは清掃表面を容易に滑らなくなり、表面に残留物を残す傾向となり、その結果、消費者には視覚上受け入れ難い膜及び/又は縞を表面に生じるようになる。また本ポリマー添加物は典型的に、本クリーニングシートに少なくとも約0.1g/m2、好ましくは少なくとも約0.2g/m2、より好ましくは少なくとも約0.4g/m2、更により好ましくは少なくとも約0.6g/m2のポリマー添加物のレベルで含浸する。ポリマー添加物を低すぎるレベルでクリーニングシートに含浸した場合、ポリマー添加物を含有しないクリーニングシートと比較して、粒子収集の著しい改善を示さない傾向となる。
【0083】
好ましい実施形態では、ポリマー添加剤は後述するように、クリーニングシートに区域で添加する。得られたクリーニングシートは次に、例えば図4、5、6に示すような、前述の弾力性パッドを含むモップヘッドを有する前述の床モップなどのクリーニング器具へ取り付けるのが好ましい。
【0084】
B.任意的なワックス及び/又はオイル添加物
本発明のどのクリーニングシートのクリーニング性能も、シートの繊維を処理することにより、特に界面活性剤や潤滑剤を含むシートの汚れ付着性を強化する様々ないずれかの添加物で表面処理することにより、更に強化することができる。かかる添加物を利用するときには、シートの汚れ付着性能を強化するに十分なレベルでクリーニングシートへ添加する。しかし、添加物の型とレベルは、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量が最小になるように選択しなければならない。かかる添加物はシートへの増加レベルとして、好ましくは少なくとも約0.01質量%、より好ましくは少なくとも約0.1質量%、より好ましくは少なくとも約0.5質量%、より好ましくは少なくとも約1質量%、さらにより好ましくは少なくとも約3質量%、さらにより好ましくは少なくとも約4質量%添加する。典型的に増加分レベルは、乾燥クリーニングシートの約0.1〜25重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%、より好ましくは約1〜15重量%、さらにより好ましくは約2〜10重量%、さらにより好ましくは約4〜8重量%、最も好ましくは約4〜6重量%である。添加物のレベルと型は、本クリーニングシートで拭く表面に残る残留物が最小となり、消費者が視覚的に受け入れられる表面が残るように注意深く選択しなければならない。
【0085】
好ましい添加物は、ワックス又はオイル(例えば、鉱物油その他)及びワックスの混合物である。適切なワックスには、種々の型の炭化水素と共に、ある種の脂肪酸エステル(例えば、飽和トリグリセリド)及び脂肪族アルコールが挙げられる。それらは天然資源(すなわち、動物、植物又は鉱物)に由来してもよいし、合成することもできる。これら種々のワックスの混合物も使用することができる。本発明で使用することができる代表的な動物ワックス及び植物ワックスの一部には、蜜蝋、カルナウバ、鯨蝋、ラノリン、セラック蝋、キャンデリラなどが挙げられる。本発明で使用することができる鉱物資源に由来する代表的なワックスには、パラフィン、ワセリン及び微晶性ワックスなどの石油を基にしたワックス、並びに白色セレシン蝋、黄色セレシン蝋、白色地蝋などの化石又は土壌ワックスが挙げられる。本発明で使用することができる代表的な合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスなどのエチレン系ポリマー、「ハロワックス」など塩素化ナフタレン、フィッシャートロプシュ合成によって作られる炭化水素型ワックス、などが挙げられる。その他の好ましい添加物は、ペトロラタムなどワックスと油の混合物として供給される。かかる添加物は単独で使用することもでき、他のワックスとオイルと組み合わせて使用することもできる。
【0086】
好ましい添加物はワックス及び鉱油の混合物であるが、この混合物はクリーニングシートの表面から粒子状物質を収集して保持する能力を強化し、一方クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量を最小限にする。鉱油及びワックスの混合物を利用する場合、構成成分は、油対ワックスの重量比で、好ましくは約1:99〜7:3、より好ましくは約1:99〜3:2、さらにより好ましくは約1:99〜2:3で混合する。特に好ましい実施形態では、油対ワックスの重量比は約1:1であり、添加物は約5質量%の増加レベルとして添加する。好ましい混合物は、鉱油とパラフィンワックスの1:1混合物である。
【0087】
パラフィンワックスなどのワックス単独でも、本クリーニングシートの添加物として利用可能である。ワックスが唯一の添加物である場合、クリーニングシートは合成繊維で構成するのが好ましく、その結果クリーニングシートが依然として静電特性を維持でき、粒子状物質の収集及び保持の増強をもたらす。いずれにしても、クリーニングシートが天然及び/又は合成繊維を含む場合基本的にワックスからなる添加物は、クリーニングシートの追加分レベルとして、典型的には約4重量%以下、好ましくは約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下をクリーニングシートに添加する。これらレベルが好まれるのは、ワックス添加物を更に高いレベルでクリーニングシートに適用すれば、シートの静電特性が典型的に低減し、従ってシートの総合的な性能が低下するからである。
【0088】
鉱物油単独でも、本クリーニングシートの添加物として利用可能である。しかし、鉱物油だけを使用する場合、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物を最小にして、消費者から視覚的に受け入れられる表面を残すために比較的低い追加レベルでなければならない。基本的に鉱油からなる添加物は、クリーニングシートの追加分レベルとして、典型的には約4重量%以下、好ましくは約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下をクリーニングシートへ添加する。
【0089】
これらの低いレベルが特に望ましいのは、添加剤を効果的なレベルで、好ましくはシートの少なくとも1つの孤立した連続領域に実質的に均一な方法で適用する場合である。好ましい低レベルの使用により、特に汚れのシートへの付着を改善する添加物を低いレベルで使用することにより、驚くべきほど良いクリーニング、空気中でのホコリの抑制、及び消費者の好ましい印象特に触覚的印象が得られ、更に香料、害虫制御成分、及び抗カビ剤を含む抗菌剤、並びに多数のその他の有益成分、特に添加物に可溶性又は分散性であるものを組み込み付着する手段が添加剤により得られる。これら利益は単に例示を目的としている。低レベルの添加物は、添加物が処理表面に目に見える残留物を残す虞がある場合に特に望ましい。その結果、選択した添加物の型とレベルは、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量を最小にしながら、クリーニングシートの粒子収集と保持特性を強化するために典型的に重要である。
【0090】
C.任意選択の粉体
本クリーニングシートは又、様々な型の粉体を組み入れることができる。粉体は、クリーニングシートの滑り特性(すなわち、初期滑り値及び/又は使用中滑り値)向上のために、本クリーニングシートに、特にポリマー添加物を含有するものに組み入れが望ましいことがある。本発明で使用に適切な粉体としては、タルク、デンプン、炭酸マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択するものが挙げられるが、これには限定されない。
粉体には、ポリマー添加剤を含有するクリーニングシートの粘つきを低減する、及び/又はクリーニングシート下面にある程度の潤滑性を付与する傾向がある。適切な粉体は典型的には、約0.01〜250ミクロンの粒子径を有する。この範囲の粒子径を有する粉体は、クリーニングシートと清掃中の表面との間の摩擦を減少する補助となる傾向がある。
粉体は、この後セクションIV.Dにて記述するように、ポリマー添加物を区域で好ましくは中心区域で含有するクリーニングシートに適用するのが好ましい。
【0091】
D.添加物のクリーニングシートへの適用
これら添加剤の適用手段は、添加剤の少なくともかなりの部分を、シート構造の「内側」である点に適用するのが好ましい。皮膚、及び/又は処理表面、及び/又は包装容器と接触する添加剤の量が制限されて、そうでなければ他の表面の機能に害を与える又は干渉するかもしれない材料がほとんど悪影響を及ぼさないことは、三次元構造及び/又は多重坪量の特に有利な点である。添加剤が内側構造にあることは、内側構造に付着した汚れが引き続く拭き動作で除去されにくいという点で、利点が非常に大きい。
添加剤は、クリーニングシートの静電特性を著しく減少しないことが好ましい。本発明のクリーニングシートは、粒子状物質、特に微細なホコリ状粒子物質の収集及び保持を促進するために、静電気特性を有することが好ましい。
【0092】
添加物は、種々の適用方法により、本クリーニングシートに適用することができる。かかる方法には、手動ローラー法、機械的ローラー法、細長隙間法、超音波スプレー、圧力スプレー、ポンプスプレー、ディッピングなどが挙げられる。添加物のクリーニングシートへの好ましい適用方法は、超音波スプレーである。添加物は、この方法でクリーニングシート上に均一にスプレーすることができる。
【0093】
添加物のクリーニングシートへの適用の別の好ましい方法は、機械的ローラー法である。クリーニングシートの製造工程の間に、シートは適用する添加物でコーティングした一組のローラーの間を通される。ローラーは、添加物を容れたパン又は液溜の中で回転することにより、添加物でコーティングすることができる。シートがローラーの間を通されると、添加物はローラーからクリーニングシートに移行する。添加物がワックスと鉱油の混合物の場合、特にワックス対鉱油の比が1:1の混合物の場合、添加物を液体状態に維持するために、約32〜98℃、好ましくは約40〜65℃の温度に、添加物を容れたパン又は液溜を加熱するのが好ましい。かかる状況では、ローラーも熱い液体状態添加物の温度に近い温度に加熱するのが好ましい。典型的に添加物混合物とローラーの温度は、添加物混合物の融点よりも少なくとも約5〜10℃高く維持する。
【0094】
本クリーニングシートの小規模製造の場合、添加物は手操作ローラー法でもクリーニングシートに塗布することができ、この方法は手持ちローラーを手に取ること、添加物でローラーをコーティングすること、及びクリーニングシートの表面全体にローラーを転がすことを含む。
同じく重要なことは、本添加剤によりカバーされるクリーニングシート表面の大きさである。クリーニングシートの遊離繊維は、特に水流交絡したクリーニングシート又はブラシ状フィラメントを有するクリーニングシートでは、小粒子収集のために特に重要である。ポリマー添加物は、大粒子収集のために特に重要である。ポリマー添加物は、本クリーニングシート表面域へ、均一に又は不均一に適用することができる。
【0095】
添加物の区域適用
本発明のクリーニングシートに添加物を適用すると、得られたクリーニングシートの粘着性が高すぎ、表面を滑るのが困難となり、消費者に受け入れられないことがある。クリーニングシートの静電特性を保存し、消費者に受け入れられるクリーニングシートの滑り値を維持するために、本ポリマー添加物は、クリーニングシート表面全域にポリマー添加物を均一に分配するのではなく、クリーニングシートの特定区域に適用することができる。別の実施形態では、ポリマー添加物はクリーニングシート全表面に均一に分配し、前述のような粉体及び/又はタルクなどの追加添加物を前記ポリマー添加物の上に、好ましくは特定区域に適用することができる。ここで使用する「区域」という用語は、クリーニングシート表面域の特定の部分を指す。
【0096】
ポリマー添加物は、クリーニングシートに好ましくは区域で適用して、各区域は異なるレベルのポリマー添加物を有し、特に、図1、4、5、及び6に示し前述したクリーニング器具と共にクリーニングシートを使用する場合に、大粒子収集性能とクリーニングシートが表面をなめらかに滑る性能の両方を最適化することができる。
好ましい実施形態では、本クリーニングシートは、中央区域と1つ以上の側区域との、少なくとも2つのポリマー添加物の区域を有する。図29に示すように、中央区域95は、クリーニングシート99の長さを亘るクリーニングシート99の範囲を含む。しかし、中央区域95がクリーニングシートの全長を亘る必要はないことを認識されたい。しかも、中央区域95は、クリーニングシート99の相対的な中心に配置することが好ましいが、このように配置する必要はない。
【0097】
中央区域95の幅は、一般的にクリーニングシート99そのものの幅によりほぼ決まる。また、かかるクリーニングシート99を、図1、4、5、及び6で前述した床モップ20などのクリーニング器具で使用する場合、中央区域95の幅は、床モップ20のモップヘッド22の弾性パッド48の接触表面52の幅によるのが好ましい。この場合中央区域95の幅は、少なくとも接触表面52のおよその幅と同じであり、好ましくは接触表面52の幅よりも大きいことが好ましい。典型的に中央区域95の幅は、クリーニングシート99の全幅の約2.5〜46%、好ましくは約8.7〜35%、より好ましくは約17.4〜23.2%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全幅約8.625インチの幅を有し、中央区域95は、クリーニングシート99の中央に配置されて、約0.25〜4インチの幅を、好ましくは約0.75〜3インチ、より好ましくは約1.5〜2インチの幅を有する。中央区域95の長さは、クリーニングシート99の全長の、典型的には約27〜100%に、好ましくは約54〜97.7%に、より好ましくは約86〜95.4%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全長11インチを有し、中央区域95も長さ11インチを有する。
【0098】
ここに記すクリーニングシートの中央区域に適用するポリマー添加物のレベルは、典型的に約0.02〜1.5g/m2、好ましくは約0.1〜1.0g/m2、より好ましくは約0.25〜0.75g/m2である。中央区域は、ポリマー添加物無しにすることもできる。
本クリーニングシートは中央区域に加えて、1つ以上の側区域などの区域を有することができる。好ましくは、クリーニングシートは2つの側区域を有し、図29に示すように、それぞれが中央区域のそれぞれの側に配置される。側区域96は、通常クリーニングシート99の長さを亘り、中央区域の長さ方向縁97からクリーニングシートの長さ方向縁98までの距離に等しい幅を有する。しかし、側区域96がクリーニングシート99の全長を亘る必要はなく、中央区域の長さ方向縁97からクリーニングシートの長さ方向縁98までの距離に等しい幅を有する必要もないことを認識されたい。
【0099】
側区域96の幅は、一般的にクリーニングシート99そのものの幅によりほぼ決まる。また、かかるクリーニングシート99を、図1、4、5、及び6で前述した、床床モップ20などのクリーニング器具で使用する場合、側区域95の幅は、中央区域の長手方向縁97と、床モップ20のモップヘッド22の上にクリーニングシートが折り込まれる点の長手方向縁98との間の距離によるのが好ましい。この場合中央区域95の幅は、中央区域の長さ方向縁97と、モップヘッド22に取り付けるために、床モップ20のモップヘッド22の上にクリーニングシートが折り込まれる点の長手方向縁との間の、少なくともほぼその距離に等しいのが好ましい。典型的に側区域96の幅は、クリーニングシート99の全幅の約2.5〜46%、好ましくは約5.8〜35%、より好ましくは約11.6〜23.2%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全幅が8.625インチであり、クリーニングシートの中央に配置された中央区域95を有してその幅が約0.25〜4インチ、好ましくは約0.75〜3インチ、より好ましくは約1.5〜2インチであり、又2つの側区域96を有して各側区域96の幅が約0.25〜4インチ、好ましくは約0.5〜3インチ、より好ましくは約1〜2インチである。各側区域96の長さは典型的に、クリーニングシート99の全長の約27〜100%、好ましくは約54〜97.7%、より好ましくは約86〜95.4%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全長が約11インチであり、各側区域96も長さが11インチである。
【0100】
本明細書に記載するクリーニングシートの側区域に適用するポリマー添加物のレベルは、典型的に約0.1〜5.0g/m2、好ましくは約0.5〜3.0g/m2、より好ましくは約1.0〜2.0g/m2である。
中央区域と1つ以上の側区域の両方を有するクリーニングシートは、典型的にポリマー添加物をコート濃度差通常約1〜90%で含有し、好ましくは約10〜60%、より好ましくは約25〜40%であり;ここでコート濃度差は以下の式に従って計算する:
(中央区域における添加物レベル(g/m2))/(側区域における添加物レベル(g/m2))×100%
別の実施形態では,クリーニングシートは、クリーニングシートの少なくとも1つの又は両方の表面に均一に配分したポリマー添加物を有してもよい。この好ましい実施形態では、前述した任意選択の粉体は、クリーニングシートの清掃表面からの大粒子物質の収集性能を維持しながら、クリーニングシートの粘つき感を減少して滑りを改良するために、前述のようにクリーニングシートの中央区域に適用することができる。この実施形態では、粉体は、クリーニングシートの中央区域に、約0.1〜5.0g/m2、好ましくは約0.5〜3.0g/m2、より好ましくは約1.0〜2.0g/m2のレベルで適用する。
【0101】
本添加物を含有する本発明のクリーニングシートは、家庭内表面に、特にセラミックタイル、ビニルタイル、リノリウム、硬質木材床などの台所及び/又は風呂場の床に使用したとき、消費者に受け入れられる粒子収集、膜状況及び/又は縞状況、並びに滑りを示す。
【0102】
本クリーニングシートで表面を清掃するとき、大小両方の粒子状物質を収集する性能を有することが重要である。小粒子物質を測定する試験方法をセクションV.Bにて後述し、大粒子物質を測定する試験方法をセクションV.Cにて後述する。好ましくは、本クリーニングシートは小粒子収集として、最初に表面に存在した小粒子物質少なくとも約35重量%、好ましくは少なくとも約45重量%、より好ましくは少なくとも約55重量%、更により好ましくは少なくとも約60重量%を示す。更に本クリーニングシートは大粒子収集として(大粒子物質汚れは砂である)、最初に表面に存在した大粒子物質の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約30重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、更により好ましくは少なくとも約50重量%を示す。本クリーニングシートは大粒子収集として(大粒子物質汚れはマルチである)、最初に表面に存在した大粒子物質重量の少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、更により好ましくは少なくとも約80%を示す。
【0103】
またクリーニングシートの初期滑り値及び使用中滑り値は、クリーニングシートが清掃表面を滑らかに滑るのを可能にするために最小でなければならない。初期滑り値及び/又は使用中滑り値が高すぎる場合、消費者はクリーニングシートを清掃表面で滑らかに前後に動かすのに困難な時間を過ごすであろう。好ましくは本クリーニングシートは、初期滑り値約3.5以下、好ましくは約2.0以下、より好ましくは約1.5以下、更により好ましくは約1.0以下を有する。好ましくは本クリーニングシートは、使用中滑り値約2.5以下、好ましくは約1.5以下、より好ましくは約1.0以下、更により好ましくは約0.5以下を有する。初期滑り値及び使用中滑り値は、本明細書のセクションV.Dにて後述する試験方法に従って判定する。
【0104】
V.試験方法
A.テクスチャーアナライザー方法
タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値などの粘着特性は、セクションIV.A.3に記述したように次の試験方法に従って測定する。テクスチャーアナライザーを使用して、本明細書に記した所与の添加物の粘着特性を測定する。テクスチャーアナライザーが、英国サリー ゴダルミング(Godalming,Surrey UK)のステイブルマイクロシステム社(Stable Micro Systems,Ltd.)から、商品名TA.XT2テクスチャーアナライザー(Texture Analyser)で購入できる。TA.XT2テクスチャーアナライザーは図27に示され次の機構を組み込んでいる:計器プローブ腕101;静止板102;アクリルプローブ103、これは1.5インチ径アクリルプローブが好ましい;プローブ取り付け具104;サンプル保持器105;滑りスタンド106;変位変換器107;コントロールユニット108;及びパーソナルコンピューター109。パーソナルコンピューター109(例えば、IBM PC)はTA.XT2テクスチャーアナライザーの一部であり、ウインドウズソフトウエア用テクスチャーエクスパート(Texture Expert)を実行する。ウインドウズソフトウエア用テクスチャーエクスパートは、セクションIV.A.3に記述したタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力値比及び糸引き値を自動的に計算する。
【0105】
ポリマー添加剤のサンプルは、TA.XT2テクスチャーアナライザーを使用して以下の手順に従って分析する。サンプルを直径5cmのサンプル保持器の中に深さ1.5〜1.75cmに準備する。サンプルがホットメルトの場合、正規グラム数をサンプル保持器105へ入れ、溶解して冷やす。サンプルが溶液中に溶解されている場合、正規量を固形物%に基づいて計算し、サンプル保持器105へ加えて完全に乾燥する。TA.XT2テクスチャーアナライザーは、使用前に取扱説明書に従って校正する。使用するアクリルプローブ103(例えば、1.5インチ径ドーム型アクリルプローブ)を清掃して、テクスチャーアナライザーのプローブ取り付け具104に確実に取り付ける。TA.XT2テクスチャーアナライザーの設定を以下のレベルに調節する:
前速度:2mm/s
後速度:2mm/s
トリガー:5.0〜20.0グラム
試験時間:5秒
トリガーは、アクリルプローブによってサンプルにかけられる初期押し下げ圧である。サンプル保持器105は、アクリルプローブ103が下降してサンプルに接触し、機械によりスタート点まで再び上げられるまで所定の場所に固く保持する。試験結果のグラフがパーソナルコンピューター109によって作られ、結果をグラフから計算する。
【0106】
B.小粒子収集性能試験
クリーニングシートの表面からの粒子状物質収集性能は、次の試験方法に従って測定する。この試験方法は、次のステップを実行することにより行われる:
1.家庭内表面で典型的に見られる粒子状物質を模擬する汚れを準備する。この試験で使用する汚れは次のものよりなる:真空掃除機汚れ0.50g(すなわち真空掃除機バッグから集めたゴミ)、ふわふわ状の汚れ0.50g(細紛セルロースと真空掃除機汚れを50/50混合で構成)ペットの毛0.02g。
2.次に、ビニル床張り試験表面域(約1.5メートル×21メートル)を、20%イソプロパノール溶液で予洗浄して、ビニル床張り表面を磨いて乾かし、試験のために準備する。表面が乾いた後に、市販のSwiffer(登録商標)器具と清潔なSwiffer(登録商標)シートで表面を拭き、表面の静電荷を標準化する。
3.汚れ(上記)を計量し、次に予洗浄したビニル張り表面域を約1.5メートル×21メートルの試験表面内に、均一に分散する。
4.試験するクリーニングシートを計量し、次にSwiffer(登録商標)器具などの、モップハンドルとパッドを器具に取り付ける。次に、ビニル床張りの表面を以下のパターンで清掃する:床を前後Sパターンで掃く。床幅の最初の3分の2は、左手前側から出発して右2/3側で終るように清掃する。サイクルの中間でモップヘッドを旋回し、先導縁を前から後に変えなければならない(すなわち、反転ステップ)。先導/追従縁を切り替えた後、汚れがシートから落ちるかもしれない。これが生じた場合、モップを落ちた汚れの上に走らせる。次いで、引き続いてSパターンの前後に追従して床を掃く。一旦表面終点に達したら、モップを真っ直ぐ前に押して試験表面の右後隅へ至る。モップヘッドを左に向けて、ベースボードの後を横切って押し続け後の三分の一を清掃する。隅に到達したら、モップヘッドを左に向けて、床張りの長さを横切って押す。表面の終わりに到達したら、モップヘッドを右に向けて、汚れの山を床張りの中間へ運ぶ。この清掃パターンを以下に図示する:
【0107】
【表1】
【0108】
6.ステップ1と2を完了の後、モップヘッドを床から持ち上げて、直接汚れの山の上に注意深く置く。中程度圧力で汚れの山に押し下げて持ち上げる(すなわち、スタンプ)。
7.クリーニングシートを化学てんびんで再計量しシート重量を記録する。
8.次の式を使用してデータを計算し報告する:
シート収集%=(最終シート重量−初期シート重量)/(汚れ重量)×100
試験を3回繰り返して、結果を平均し、「小粒子収集」として報告する。
【0109】
C.大粒子収集性能試験
この試験は、様々な大きさの粒子汚れの収集を個別に測定することを含む。各汚れはプラスチック計量ボートに入れて化学てんびんを使用して計る。様々な大粒子汚れの使用が可能であるが、次の汚れの型と量を使用することができる:
(1)砂1.5g(例えば、「Quikrete」(登録商標)砂)、710μm〜1.19mmに篩い分け;
(2)マルチ1.0g(Ohio Mulch(登録商標)黒ゴールドマルチ)、トレーに広げてフュームフード(fume hood)内で一日、乾燥器で一日乾燥、710μm〜6.3mmに篩い分け;
(3)Froot Loops(登録商標)シリアル0.75g、砕いて2.0〜4.0mmに篩い分け;又は
(4)組合せ汚れ2.0g、砂0.5g、マルチ0.5g、シリアル0.5g、真空掃除機汚れ(すなわち、真空掃除機バッグから集めたゴミ)0.5gで構成。
【0110】
床準備
6フィート×3フィート区分のビニル床張り(例えば、アームストロングシグニア(Armstrong Signia)集積床張り)を、20%イソプロピルアルコール溶液と紙タオルで全表面を拭いて洗浄する。汚れを散布する前に、表面を乾かす。汚れを計量ボートから直接配分することにより、床張りの表面に亘って均一に広げる。適切な重量の1つの型の汚れだけを各試験に対して適用する(前述の組合せ汚れの場合を除く)。各汚れに対する性能を望む場合、個別の試験(複数)を行う。
【0111】
一般手順(ダイアグラム参照)
1.床の試験準備ができたら、試験するシートを自重計量済のガラスビーカーに入れて化学てんびんにのせて計量し、重量を記録する。シートを適切なモップヘッド(ハンドル付き)に取り付け、6フィート×3フィート床の3フィート端部に立ち、モップヘッドを左下隅に置いて開始する。
2.縁Aを先導縁として使って(ダイアグラム参照)モップヘッドを前方へ押し、床の縁に沿って反対端部に到達するまで掃く。
3.停止し、モップを反転することなく右へ約6インチ滑らせ、縁Bを先導縁として使って、モップが出発した床の3フィート端部まで真っ直ぐな線で引き戻す。
4.停止し、モップを右に6インチ滑らせ、床の反対側端部まで真っ直ぐな線で再び前方へ押す。このプロセスを床を横切って5パスできるまで繰り返す。モップは、試験を開始した点に対して床の右上隅で終わらなければならない。
5.モップと床の接触を保ったまま左上隅に立ち、モップを左へ90°回し、モップを左隅に向かって引いて床の周辺部を掃き、隅で回して、床の周辺を回る残りを前方へ押していく。
6.モップ操作の後、シートから落ちるよごれができるだけ少なくなるように、注意してモップを引き上げる。汚れを内側にして注意深くシートを折り、再び計量済ビーカーへ入れて同じ化学てんびんの上で計量する。
7.次の試験を行う前に、床に残った汚れをブラシ又は真空掃除機を使って清掃する。床を20%IPA溶液できれいに拭く。
8.正確な結果を得るために、試験する同じシート又はモップヘッドを使って3〜6回各試験を繰り返し、平均をとる。
【0112】
【表2】
【0113】
計算
大粒子収集は次の式を使って計算する:
シート収集%=(最終シート重量−初期シート重量)/(汚れ重量)×100
この試験方法の結果(3回繰り返しの平均)を、後掲の表2の「大粒子収集」という項目の欄に示す。
【0114】
D.滑り値
次の試験方法を使用して、クリーニングシートが清掃する表面を滑らかに容易に滑る性能を反映する、2つの数値的な等級を導く。初期滑り値と使用中滑り値を、この試験方法に従って測定する。
クリーニングシートの初期滑り値を以下のように測定する。クリーニングシートを、床モップなどのクリーニング器具のモップヘッドに確実に取り付ける。床モップを、20%イソプロピルアルコール溶液と紙タオルで全表面を拭いて洗浄したビニル床張り(例えば、アームストロングシグニア(Armstrong Signia)集積床張り)の、掃き作業を開始する区域に下ろす。掃き作業を開始し、床モップをビニル床張りの表面を横切って前方に押す。次に操作者は、床モップとクリーニングシートが床張り表面を横切る動きに対して抵抗する程度と、床モップを初期出発点から床張り表面を横切って動かすのに必要な作用力とを、数値的に評価する。
【0115】
クリーニングシートの使用中滑り値は以下のように測定する。掃き動作の間、床モップとクリーニングシートが床張りを横切って動くとき、モップの動きに対する抵抗、すなわち抗力があり得る。次に操作者は、モップが床張りの表面を亘って通過するときと、手順の間で掃き動作が始まるときと終わるとき(1つのパスの終わりと次のパスの始まりとして)の、その滑りに対する抵抗の程度を数値的に評価する。
操作者は、以下の等級スケールを滑り値の定量化に使用する。上述した2つの滑り評価のそれぞれについて、そのシート又はコーティングの型に対して与えられる等級がある。スケールは、0〜8の整数又はその中間で与える。以下は、評価に使用する指針である。
【0116】
【表3】
【0117】
以下は、本発明のクリーニングシートとポリマー添加物の非限定な実施例である。
【実施例】
【0118】
実施例IA
この実施例は、本発明の様々なポリマー添加物の粘着特性を示す。各ポリマー添加物の粘着特性は、セクションV.A.にて前述したテクスチャーアナライザー試験方法に従って、圧力(すなわちトリガー)5.0グラムで測定する。測定及び/又は報告する粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値が含まれ、次表1Aにて報告する。
【0119】
【表4】
【0120】
実施例IB
本例は、圧力(すなわちトリガー)を増加したときの感圧接着剤の粘着特性への影響を、フーラー社(H B.Fuller Company)からHL1500の商品名で販売されているものに対して示す。粘着特性は、セクションV.Aにて記述したテクスチャーアナライザー試験方法に従って、表1Bに示すように圧力(すなわちトリガー)を変えながら測定する。測定した粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値が含まれ、表1Bにて報告する。
【0121】
【表5】
【0122】
実施例II
次の「実施例シートA」にて、ポリマー添加物を含有する、本発明の熱接着クリーニングシートを例証する。表2Aと2Bに、ポリマー添加物(表2Aと2Bに記載)を含有する例証クリーニングシートの、大粒子収集性能試験(セクションV.C.にて前述)及び滑り値試験方法(セクションV.D.にて前述)の結果を示し、クリーニングシートは図1、4、5及び6で示し説明した弾性パッドを有するモップヘッドを持つクリーニング器具に取り付ける。表2Aに示す結果の場合、ポリマー添加物を、まず溶液に溶解又は分散し、次に溶液又は分散液を実施例シートAにスプレーして、溶液を蒸発させる。表2Bに示す結果の場合、ポリマー添加物を、ホットメルトスプレーにより実施例シートAに適用する。
【0123】
実施例シートA
本実施例では、図24のダイアグラムに示すようなクリーニングシート製造工程を記述する。この工程の間、幅210mmと坪量30g/m2を有するポリプロピレンで作られた連続第一ウエブ310は、ダイアグラムに見るように、左から右へ連続的に供給される。それと同時に、それぞれが2〜30デニールのポリエステル連続長繊維315の2,000〜100,000本の束を含むトウ312が、ダイアグラムに見るように、左から右へ連続的に供給される。トウ312は、一組のエクスバンドロール311で開かれてすなわち単繊維化され、所望の幅を有する第二の連続ウエブを形成して、その後第一のウエブ310上に配置される。第一のウエブ310と第二のウエブ312は、加熱エンボス機313へ移送され、この装置にて加熱下で共に圧縮されて一体に熱融着され、これにより横方向に延びる熱融着線316が形成されて第三の連続複合ウエブ314となる。熱融着線316は、第三のウエブ上で長手方向に測定した距離dだけ互いに離れるように形成され、すなわち第三のウエブ314上で長手方向に間欠的に配置される。その後第二のウエブ312は、隣り合う熱融着線316の各対の間でこれに平行に延びる中間線に沿って、第一のカッター317により切断されて2つになり、これにより全体構造から外側に延びるブラシ状フィラメントの房を形成する。次に、第一のウエブ310は、第二のカッター318により切断されて、所望の長さになる。このようにして、個々のクリーニングシート1が、第三のウエブ314より得られる。このプロセスでは、個々のベーシックシート10が第一のウエブ310から得られ、ブラシ状フィラメントが第二のウエブ312から得られ、ブラシ状フィラメントの個々のフィラメント15が連続繊維315から得られ、固定部分16が熱融着線316により形成される。好ましくは、熱融着線316のそれぞれは幅2〜10mmを有し、隣接した融着線から20〜200mmの距離dで間隔を置く。ブラシ状フィラメント、すなわち第二のウエブ、すなわちトウ312には、これらのブラシ状フィラメントを形成する前の工程の適当な段階において、表2に記述する本発明のポリマー添加物をコーティングする。第二のカッター318により切断される第一のウエブ310のセクションにおいて、隣接する熱融着線316の各対の間の距離Dを距離dよりも長くして、クリーニングシート1をホルダー2に取り付けることを容易にする、比較的大きな周辺領域7を得ることができる。この場合、距離Dにより互いに間隔を置く2つの隣接熱融着線の間で決まるセクションは、必然的に比較的長いブラシ状フィラメントを形成するので、これらのブラシ状フィラメントは、残りのフィラメントに合う長さに切断しなければならない。図示の工程によれば、固定部分16から垂れる各フィラメント15の長さは距離dの1/2に相当する。必要ならば、隣接する熱融着線316の各対の間で決まる第一のウエブ310のセクションの上に供給される第二のウエブ312の長さは、距離dよりも長く寸法決めして、距離dの半分よりも長いフィラメント15を得るようにすることもできる。
このプロセスから得られるクリーニングシートを、図23に示す。
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明と共に使用するに適切な床モップの斜視図である。
【図2】クリーニングシートをモップヘッドの周りに取り付けて示す、本発明と共に使用するに適切な床モップの斜視図である。
【図3】明瞭化のためにユニバーサルジョイントの上部部分とハンドルの全部を省略した、図1の線3−3から見る床モップの側断面図である。
【図4】図3の床モップの弾性パッドの拡大側断面図である。
【図5】接触表面が接点である、本発明により作成した好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図6】接触表面が実質的に真直である、本発明により作成した別の好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図7】クリーニングシートをパッドに隣接して配置した、図5の弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図8】クリーニングシートをパッドに隣接して配置した、図6の弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図9】弾性パッドの底表面がピラミッド状表面構造を有する、本発明により作成した弾性パッドの側断面図である。
【図10】図9の弾性パッドの表面構造の拡大部分側断面図である。
【図11】曲率半径を示す、図5の好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図12】弾性パッドの底表面が段付き輪郭を有する、本発明により製作した図1の床モップ用の別の好ましい弾性パッドの側断面図である。
【図13】本発明により製作した弾性パッド、クリーニングシート及び段付き挿入部材の部分側断面図である。
【図14】クリーニングシートが弾性パッドの先導縁と追従縁において嵩高である、弾性パッドとクリーニングシートの部分側断面図である。
【図15】図1の床モップと共に使用するのに適切なカップリングの斜視図である。
【図16】図15のカップリングの線16−16に沿って見る側断面図である。
【図17】図16のカップリングを挿入し、モップヘッドがハンドルに関連して第一の向きにある、図1の床モップの斜視図である。
【図18】モップヘッドがハンドルに関連して第二の向きにある、図17の床モップの斜視図である。
【図19】本発明の熱接着したクリーニングシートの第一の実施形態を示す斜視図である。
【図20】図19の線III−IIIに沿って見る断面図である。
【図21】図19に示す実施形態とは異なる、クリーニングシートの第二の実施形態を示す斜視図である。
【図22】これも図19に示す実施形態とは異なる、クリーニングシートの第三の実施形態を示す斜視図である。
【図23】これも図19に示す実施形態とは異なるブラシ状フィラメントを有する、クリーニングシートの第四の実施形態を示す斜視ディジタル写真である。
【図24】図23に示すようなクリーニングシートを製造する工程を示すダイアグラムである。
【図25】本発明の水流交絡クリーニングシートの、高坪量連続領域と複数の低坪量不連続領域とを示す写真(12倍)である。
【図26】シートの坪量差の説明を容易にするための、図25に示した水流交絡クリーニングシートの平面図である。
【図27】本明細書のセクションV.A.に記したテクスチャーアナライザー試験方法にて使用する、テクスチャーアナライザーの略図である。
【図28】本明細書のセクションV.A.に記したテクスチャーアナライザー試験方法により作られた、力(g)と距離(mm)の関係のグラフである。
【図29】ポリマー添加物を含む中央区域と2つの側区域を有する、本発明のクリーニングシートの平面図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2000年2月24日にウィルマン(K.W.Willman)他により出願された米国特許仮出願シリアル番号60/184,780の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、特に、ほこり、綿ほこり、毛、砂、食べ物屑、草などの捕捉と除去に適切なクリーニング器具、及びクリーニングシートに関する。
【背景技術】
【0003】
乾燥ほこり型の清掃に不織布シートを使用することは、当技術分野において既知である。かかるシートには典型的に、繊維を接着、交絡、又はその他の力で結合した繊維の複合材を利用する。例えば、米国特許第3,629,047号、第5,144,729号を参照のこと。耐久性のある拭きシートを形成するために、連続長繊維又はネットワーク構造の形態の強化手段を短フィラメントに組み合わせている。例えば、米国特許第4,808,467号、第3,494,821号、第4,144,370号を参照のこと。また、拭きプロセスの厳しさに耐えることができる製品を提供するために、以前の不織シートは上記力の1つ以上により強く結合した繊維を使用してきた。かかるクリーニングシートは、欧州特許出願第EP774,229A2号と第EP777,997A2号に記載され、熱融着線によりベースシートに結合した連続長フィラメントを利用している。耐久性のある材料を得ることはできるも、かかる強力な結合により、その材料の粒子汚れを収集して保持する能力に悪影響を与えることがある。この懸念に取り組む努力の中で、鉱物油からなる添加物が、比較的高いレベルでこのようなクリーニングシートに適用されてきた。しかし、鉱物油添加物は、このようなクリーニングシートにそのように高レベルで適用すると、かかるクリーニングシートで拭いた表面に魅力に欠ける残点を残す傾向があり、消費者に受け入れられない。
【0004】
1997年2月4日にコールラス(Kohlruss)他に発行された米国特許第5,599,550号には、生分解性のワックスを含浸させたダストクロスが記載されている。しかし、コールラスが開示したダストクロスは、天然繊維と比較的高レベルのワックスを利用しており、この2つはそのクロスのほこり吸引特性を減少する原因となっている。
感圧接着剤及び/又は粘着付与材料を含む様々な粘着クロスが開示されてきている。例えば、米国特許第5,198,292号、第3,658,578号、第3,208,093号を参照のこと。しかし、これら粘着クロスは典型的に、比較的高レベルの添加物又はクリーニングシートに特に家庭内表面清掃に使用するクリーニングシートに含ませるのは望ましくない添加物を、又はその両方を含有しており、一方消費者は、クリーニングシートの手触りや滑りなどの面を消費者が受け入れるために重要な点と考えている。
したがって、クリーニングシートの静電特性と滑りを維持すると共に、かかるクリーニングシートで拭いた表面に残る残留物の量を最小にして、ほこりを効果的に収集して保持する性能があるクリーニングシートを開発することが、当業者の願望となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかも、取り外し式クリーニングシートを利用する床モップなどのクリーニング器具は既知であるが、粒子汚れを収集及び/又は捕捉するクリーニングシート表面を最大にしてより良く利用する、クリーニング器具を提供することへのニーズがある。更に又、粒子汚れを収集して保持し、クリーニングシートの静電特性と滑りを維持し、拭いた表面に残る残留物量を最小にする、クリーニングシートと効果的に連携することができるクリーニング器具へのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ほこり、綿ほこり、毛、砂、食べ物屑、草などの粒子状物質を表面から除去して保持する一方、クリーニングシートで拭いた後に残る残留物量を最小にするクリーニングシートに関する。このクリーニングシートは添加物を含んでおり、添加物の型とレベルは、粒子物質を収集して保持するクリーニングシートの性能は向上するが、表面に残る残留物は最小となるように選択される。クリーニングシート上に含有される添加物は、添加物の型にもよるが、清掃面に異なる量の残留物を残すことがある。数多くの添加材料が、本発明のクリーニングシートに組み込むのに適切であり得る。本クリーニングシートに特に有用な本発明の好ましい添加物にはポリマー添加物があり、特に特定のタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比、糸引き値、Tg値、及び/又は分子量などの特定の粘着特性を有するものがある。本発明で任意選択のその他の添加材料には、ワックス、オイル、粉体、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。添加材料は、ほこり、綿ほこり、毛などの微細粒子物質と、特に、パン屑、どろ、砂、毛、食物砕片、草刈り屑、マルチなどの家庭内床及び表面に典型的に見られる大粒子物質の収集を改善するために選択される。しかも、添加材料の型と量は、清掃表面を容易に滑るクリーニングシートの性能を維持しながら、クリーニングシートの粒子収集を改善するために注意深く選定する。組み込んだ添加物の結果クリーニングシートが粘つきすぎる場合、クリーニングシートは表面を容易に滑らず消費者が満足しないことになる。
【0007】
本発明は更にクリーニング器具のモップヘッドに関するものであり、モップヘッドが弾力性底表面を有して、その一部は取り外し式クリーニングシートと係合する実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有するのが好ましい。
本発明は更に床モップに関するものであり、手拭きと床モップ拭きの両用の大きさにしたクリーニングシートを受けるように寸法決めしたモップヘッドを有する。
本発明は更にモップヘッド、又はクリーニングシートを含むキットに関するものであり、このシートはモップヘッドと共に使用するとき、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動又は旋回運動をもたらす前述の輪郭の1つを有する底表面を形成する。更に又、そのキットは好ましくはカップリングを含み、カップリングは、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも三つの、相互に角度をなす穴を有する。
本明細書は、本発明を特定して指し示し明白に請求する特許請求の範囲で結論とするも、添付図面と共になされる以下の記述により、更に良く理解されると考える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
I.定義
本明細書で使用する「含む」という用語は、本発明を実施する際、多様な構成要素、成分又はステップを連合して使用できることを意味する。それ故に「含む」という用語は、より限定的な「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」という用語を包含する。
本明細書で使用する用語「水流交絡」は、一般的に材料を作るプロセスを意味し、繊維(例えば、ポリエステル)材料の緩い層をパターン開口部材の上に支持し、個々の繊維を機械的に絡めるに十分大きい水圧差をかけて布を形成する。パターン開口部材は、例えば、織物スクリーン、穿孔金属プレートなどで形成することができる。
本明細書で使用する「Z次元」という用語は、本発明のクリーニングシート、又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。Z次元は通常、シートの厚さに対応する。
本明細書で使用する「X−Y次元」という用語は、クリーニングシート又はその構成要素の厚さに直交する平面についていう。X及びY次元は通常、シート又はシート構成要素の長さ及び幅にそれぞれ対応する。
【0009】
本明細書で使用する「層」という用語は、クリーニングシートの部材又は構成要素で、主次元がX−Y、すなわち長さと幅に沿うものをいう。「層」という用語は、かならずしも材料の単一の層又はシートに制限されるものではないことを理解いただきたい。したがって層は、必要とする型の材料の何枚かのシート又はウエブの積層体又は組み合わせを含むことができる。したがって「層」という用語は、「積層」及び「層化した」という用語を包含する。
本発明の目的において、クリーニングシートの「上側」層は、清掃表面から比較的遠くにある(すなわち、器具との関係では、使用中に器具ハンドルと比較的より近い)層である。「下側」層という用語は逆に、清掃表面から比較的近くにある(すなわち、器具との関係では、使用中に器具ハンドルと比較的より遠い)クリーニングシートの層を意味する。
本明細書で使用する「合計総合坪量」という用語は、シート全体として見たときの全クリーニングシートの平均坪量についていう。
【0010】
本明細書で使用する全ての百分率、比、及び比例は、他に指定がなければ重量基準である。引用した参照文献は他に記述がなければ、全て本願に参考として組み込んでいる。
本発明のクリーニング器具の好ましい実施形態について、ここから詳細に説明するが、その例は添付図により例示し、添付図において、同じ数字は全ての図で同じ要素を示し、下二桁が同じ要素(例えば、22と122)は類似の要素を示す。
【0011】
II.クリーニング器具
以降において更に詳しく説明するように、本発明の一態様は、そのもっと好ましい形態として、モップヘッドに取り付けた取り外し式クリーニングシートと共に使用するモップを対象とし、モップヘッドが弾力性のある下表面を有して、その一部が取り外し式クリーニングシートと係合する好ましくは実質的に滑らかな曲線輪郭又はクラウンを有する。本発明は、簡素化と明瞭化のために、ここでは床モップに関して説明するが、クリーニングシートを取り外し可能に固定する他の型のモップ及びクリーニング器具と共に使用できることを、理解されるであろう。
図1と2において、本発明により作成した特に好適な床モップ20を示す。床モップ20は、先導縁24と追従縁26(図3)を有する、モップヘッド22を備える。本明細書で使用する「先導縁」という用語は、モップヘッド22の最も遠い縁を指すことを意図し、使用者側から見て離れる方向に前進するときにモップヘッド22を先導する点である。同様に「追従縁」という用語は、モップヘッド22の最も遠い縁を指すことを意図し、使用者側から見て離れる方向に前進するときにモップヘッド22を追従する点である。ほとんどの床モップの場合、先導縁24と追従縁26は図1に示すようにモップ22の長手方向軸28と実質的に平行であり、ここで長手方向軸28はモップヘッド22の長さに沿う軸である。
【0012】
ユニバーサルジョイント30などの旋回可能な継手が、モップ20のハンドル32とモップヘッド22とを連結する。ユニバーサルジョイント30は、2つの回転可能な軸を有し、これによって、ハンドル32が方向36と38へ旋回することができる。ハンドル32は、連結点40でユニバーサルジョイント30と連結、好ましくはねじ方式で連結する。ハンドル32は、一体構造として供給することもでき、あるいは、1つ以上のセクションを、好ましくは3セクション34、36及び38を有することもでき、これらは相互に連結、好ましくはねじ方式で連結し、これにより床モップ20を便利な大きさのカートンに入れて輸送し、後で使用のために組み立てることができる。握り部38は、使用者が床モップ20を掴むのに適切な、弾性で弾力性の部分を備えることができる。モップヘッド22は又、複数の取り付け構造42を有する。取り付け構造42は、図2に示すように、使用中にクリーニングシート44をモップヘッド22の周りに受けて保持するように構成されている。取り付け構造42は、モップヘッド22の隅々に配置するのが好ましいが、この場所は、モップヘッド22の大きさと形に従って変更することができる。取り付け構造42を形成するに好ましい形態は、1999年8月13日にキングリー(Kingry)他を共同発明者として指名して出願された同時継続中の米国特許出願番号09/364,714に記載されており、この特許の主要点を本願に参考として組み込む。床モップ20は、使い捨てクリーニングシート44と組み合わせて使用するのが好ましく、クリーニングシート44はスリット付き取り付け構造42を使用してモップヘッド22に取り外し可能に取り付ける。クリーニングシートは、以降に更に完全に説明するように、織布又は不織布の形態で供給することができる。
【0013】
本発明の一態様によれば、図3と4において、特に好ましいモップヘッド22は、ユニバーサルジョイント30を取り付けたベース46と、ベース46に取り付けた好ましくは接着的に取り付けた弾性パッド48とを含み、モップヘッド22の先導縁24と追従縁26が、弾性パッド48の一部として形成されている。弾性パッド48の底表面50は、図4に示すように、使用中クリーニングシート44と、少なくとも一部で、より好ましくはかなりの部分で係合する。驚くべきことに、約50mm未満の幅53の接触表面52を有する弾性パッド48により、シートのクリーニング性能とシートの使用効率の向上が可能もたらされる(例えば、シートの下表面の使用が増加する)ことが判明した。どの理論にも縛られることは意図しないが、接触表面52の幅53により、モップ20は、どの1回の連続した前進及び/又は後退の清掃動作の間でも、接触表面52の周りを繰り返して「揺動」又は「旋回」又は「回転」することができ、これによって、シートの底表面は揺動動作のために固い清掃表面との係合と非係合を繰り返すので、シート44のより大きな割合の表面積に亘って、ほこりと粒子の収集の増加を実現できると考えられる。その上、接触表面52の周りの旋回は、以降において更に完全に説明するように、モップヘッド22の先導縁24及び/又は追従縁26のギャップ54、並びに下表面の断面輪郭形状によっても、更に援助されていると考えられる。本明細書で使用する「接触表面」という句は、下表面の頂点に接する直線56が接触するモップヘッド22又はクリーニングシート44の下表面の断面輪郭部分を指し、直線56はモップヘッド22の横断方向軸58に実質的に垂直である。モップヘッド又はクリーニングシートの底表面の断面輪郭は、モップヘッド又はクリーニングシートの全長手方向軸に沿って同じであることが望ましいが、接触表面を決定するのにどの断面輪郭でも使用することができる。本明細書での全ての測定は、使用によって変形する前の、モップヘッド及び/又はクリーニングシートの理論的あるいは真の形状と大きさに基づくことを離解されるであろう。本明細書で使用する「頂点」という用語は、モップヘッド22の頂部表面60から最も遠いモップヘッド22又はクリーニングシート44の下表面の部分を指すことを意図する。
【0014】
図5と6を参考に例として明瞭化すると、モップヘッドの接触表面152は、モップの弾性パッド148の曲線底表面150と、モップヘッドの横断方向軸158に実質的に垂直な直線156との、理論的な接点162である。同様に、図6の弾性パッド248の接触表面252は、モップヘッドの横断方向軸258に実質的に垂直な直線256に接触する、弾性パッド248の輪郭の実質的に直線の部分である。これと同じ技法が、モップヘッドに取り付けたクリーニングシートにも適用できる。例えば図7と8に示すように、クリーニングシート344の接触表面352は、クリーニングシート344の曲線底表面350の、モップヘッドの横断方向軸158に実質的に垂直な直線356に接触する、接触点362である。同様に、図7のクリーニングシート444の接触表面452は、クリーニングシート444の底表面輪郭の、モップヘッドの横断方向軸258に実質的に垂直な直線456に接触する、直線部分である。これまでに述べた図5〜8の接触表面は、実質的に滑らかな底表面に関して例示している。しかしながら本発明は、実質的に滑らかではなく、むしろその上に配置された表面構造を有する底表面と共に使用するように適合できることも考慮している。弾性パッド548の底表面上の代表的なピラミッド形表面構造74を、図9と10に示す。これらの例では、モップヘッドの様々な底表面についてこれまで述べてきた接触表面及び寸法及び輪郭は、図10に示すように、表面構造74の突き出し78の先端76に関して、それぞれの先端に接する理論的な底表面550を創造して決定する。次に、直線56を理論的な底表面輪郭550に関連して置いて、表面構造を設けた底表面の接触表面52の幅53を決定する。表面構造は、ランダムとすることも、繰り返しとすることもできる。その他の形の突き出し(例えば、円筒形)を有する表面構造を使用することもできる。
【0015】
再び図4を参照して、接触表面52の幅53は、好ましくは約50mm未満であり、より好ましくは約2〜50mmの間である。最も好ましくは、接触表面52の幅53は、約2〜20mmの間である。接触表面の大きさに加えて、前述の接触表面52の幅53と組み合わせたモップヘッド22及び/又はクリーニングシート44の底表面50の輪郭形状は、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動が達成されるかどうかに影響する。接触表面52の輪郭は、実質的に曲線(例えば、放物線、双曲線、及び他の曲線セグメント)であって、好ましくは凸形状であり、幅53は、前に説明したように理論的な接触点すなわち接点62であり、実質的に直線の接触表面の場合(例えば、図6参照)は、接触表面53の幅は約2〜50mmの間である。
【0016】
接触表面53が実質的に曲線輪郭の場合、図11に示すように、実質的に連続の曲率半径66を有する輪郭を形成して、より純粋な円弧を達成するのが望ましい。曲率半径66は、底表面の両末端70と底表面の接触表面52の接点62を通って一定の半径を有する弧を通すことにより、実質的に曲線の底表面に対して決定することができる。曲率半径66は、好ましくは少なくとも約300mmであり、より好ましくは少なくとも約1000mmである。最も好ましくは、曲率半径は、約300〜1200mmの間である。
【0017】
接触表面52の輪郭の形状(例えば、実質的に曲線又は実質的に直線)と接触表面52の幅53の組み合わせは、モップヘッド22の底表面又はクリーニングシート44の底表面の接触表面52を画定する直線56と、該底表面の両端末点70との間で形成される、ギャップ68と結びつくのが好ましい。言い換えれば、「ギャップ」という用語は、直線56と、モップヘッド22又はクリーニングシート44の底表面の端末点70との間の距離を指すことを意図する。十分なギャップにより、広い範囲の操作条件(例えば、ハンドルとモップヘッド間の操作角度、モップ動作速度、使用者によってかけられる力など)に亘って、モップヘッドが所望の揺動を確実に維持することができる。一般的にはモップヘッド22とクリーニングシート24に対して、端末点70は、図4に示すように先導縁24又は追従縁26により定められる。ギャップ68は、好ましくは少なくとも約1.5mmであり、より好ましくは約2〜10mmの間である。最も好ましくは、ギャップ68は、約2〜5mmの間である。したがって、ギャップ、接触表面の輪郭形状及び接触表面の幅は、変化の程度に相互関係があり、ここに示すように変化させて、モップヘッドのどの単一の連続的な前方向又は後方向の動きの間にでも、前方向及び/又は後方向に動かすときに繰り返し揺動するモップヘッドを有するモップを提供するようにすることができ、この揺動によりクリーニングシート44の清掃性能が有益に改善される。ギャップ68と底表面の曲線輪郭との間の相互作用は、曲率半径66対ギャップ68の比により表すことができ、その比は約0.5〜1000の間であるのが好ましい。より好ましくは、曲率半径66対ギャップ68の比は、約1〜600の間である。最も好ましくは、曲率半径66対ギャップ68の比は、約350〜600の間である。
【0018】
凸形に曲線である底表面を有するモップヘッド22が最も好ましいも、図12で示すものなどの段輪郭を有する底表面も又、直線56で画定される接触表面652の直線部分の幅653が少なくとも2mmであれば、所望の揺動を実現することができることも考慮のうちである。各段73は、壁75に隣接する長手方向に延びる平面部分74を有することが好ましい。複数の段73を設けて、クリーニングシートを使用中に十分に支持するのが好ましいが、単一の段72でも利用可能であることも考慮のうちである。
【0019】
説明してきたように、モップヘッド22の底表面は、使用中にモップヘッドの所望の揺動をもたらす、輪郭形状、輪郭大きさ及びギャップを備えることができる。しかし、クリーニングシートとモップヘッド22の底表面との組み合わせも又、前述のモップヘッド22の揺動をもたらすように適合させることができる。例えば図13を参照すると、複数の段73を有する積み重ね構造76は、実質的に滑らかな平面の底表面を有する弾性パッド748と組み合わせて使用することができ、積み重ね構造76がクリーニングシート44と隣接して配置又は組み込まれて、モップヘッド22の底表面に関して前述したと同じ大きさ及び/又は輪郭特性を有する、クリーニングシートの底表面を形成する。あるいは、クリーニングシート44は、曲線底表面を有する挿入部材を含んで、これによって前述の曲線輪郭の大きさ及び/又は形状の表面特性を有するクリーニングシート底表面を得ることもできる。したがって、モップヘッド22の底表面に関して前述した輪郭形状、大きさ、及びギャップは、クリーニングシート底表面に対して同様に適用できることを理解されるであろう。
【0020】
薄いクリーニングシートが本発明のクリーニング器具と共に使用するのに特に適切であるが、厚いクリーニングシートも使用できることは考慮のうちであり、この場合、厚さにより、モップヘッドの先導縁と追従縁でクリーニングシートの圧縮が可能になる(比較的薄いクリーニングシートの場合に、図7に示すように、モップの底表面の形状に単に沿うだけとは反対に)。この圧縮により、使用中にモップヘッドが揺動するためのギャップを作り出すことができる。クリーニングシートの厚さとモップヘッド22のギャップとの連繋は、図14に示すように、1枚のシートの厚さ対モップヘッド22のギャップ68の距離の比により、特徴づけることができる。本明細書で使用する用語「厚さ」及びその派生語は、ASTMD5729−95に従って、押し付け圧0.1psigで計るときの、クリーニングシートの厚さを指すことを意図する。好ましくは、1枚のシート厚さ対ギャップ距離の比は、約0.01〜0.65の間である。1枚のシートの厚さ対ギャップ距離の比は、更に好ましくは約0.1〜0.6の間であり、最も好ましくは約0.25〜0.6の間である。例えば、厚いシートを曲率半径を有する凸形曲線の底表面のモップヘッドと共に使用する場合、曲率半径対1枚のシートの厚さの比は、好ましくは約0.01〜1800の間であり、より好ましくは約1〜1400の間である。曲率半径対1枚のシートの厚さの比は、最も好ましくは約200〜1000の間である。
【0021】
本発明の更に別の態様により、手拭きと床モップ拭きの両用の大きさにしたクリーニングシートを受ける寸法のモップヘッドを有する床モップをこれから説明する。床モップ20と共に使用するに適切なクリーニングシート(例えば、この後の第3章で更に詳細に説明するものなど)は、様々な型のほこり及びその他の粒子を集めて保持するようになっている。例えば、クリーニングシートは、約1×10−4mmから高さが2mm以上にもなり得るまでの範囲の大きさの粒子を、集めて保持するのに特に好適である。したがって、これらクリーニングシートは、床モップ20などのクリーニング器具で使用するのに加えて、手で表面を拭くのに特に好適であり得る。クリーニング器具の使用者に最大の使用柔軟性をもたらすために、床モップ20のモップヘッド22は、床モップ20と手拭の両方で使用可能なクリーニングシートを、効果的に保持するように寸法決めするのが好ましい。
【0022】
このようなクリーニングシートは、手拭きと床モップの両方の用途において十分に粒子を捕捉できるように、床モップ20での床クリーニングの間並びに手拭きの間にシートを掴むのに十分な表面積と深さがあるように、長さ(すなわち最長寸法)対幅の比が約0.4〜1の間、シート厚さが少なくとも約0.6mmであるのが好ましい。より好ましくは、クリーニングシートの厚さは、約0.6〜5mmの間であり、最も好ましくは、約0.8〜3mmの間である。クリーニングシートは又、好ましくは少なくとも約400mmの長さを有し、より好ましい長さは、約400〜500mmの間である。したがって、モップヘッド22は、長さ(すなわち、モップヘッドの最長寸法)対幅(モップヘッドの最小寸法)の比が約0.3〜1の間であり、したがって、手拭き用クリーニングシートも十分に効果的にモップヘッド22の周りに保持することができる。より好ましくは、モップヘッド22は、少なくとも約400mmの長さを有する。上述の好ましいクリーニングシートとモップヘッドの寸法は、実質的に平らな底表面、又は本明細書で先述した表面構造、大きさ、及び形状を有するモップヘッドなど、様々な型の底表面を有するモップヘッドに結びつけることができる。
【0023】
本発明は更に、説明書一式と関連する上述の手拭シート(すなわち、クリーニングシート)を含む製造物品を包含し、この説明書はパッケージ、ボール箱、又はその他の容器と兼ねることもできる。ここで使用する「関連する」という句により、説明書一式を製造物品の消費者に通知するように、その説明書一式がクリーニングシートそのものに直接印刷されているか、あるいは、小冊子、印刷宣伝物、電子公告媒体、及び/又は口頭連絡を含む別の方法で提示されていることを意味するが、これには限定されない、。その説明書一式は、手拭き用の手拭きシートを使用すること、及び/又はハンドルとモップヘッドを有する床モップなどの、クリーニング器具と共に使用することの説明書を含むのが好ましい。説明書一式は更に、本明細書で先述した構成のモップヘッドを有する床モップで、手拭きクリーニングシートを使用することの説明書を含むことができる。例えば、その説明書により、凸形曲線の底表面のモップヘッドを有する床モップで、クリーニングシートを使用する説明をすることができる。その他の説明書により、床モップの組立てを完成するための、床モップのハンドル部分の組み立て使用法を説明することができる。その他の説明書により、クリーニングシートをモップヘッドに取り付けること、床モップを動かすこと、及び次にクリーニングシートをモップヘッドから取り外すことを、使用者に説明することができる。
【0024】
本発明の更に別の態様では、モップヘッド又はモップヘッドと共に使用するクリーニングシートを含むキットを提供し、使用中にモップヘッドの繰り返し揺動又は旋回運動をもたらす先述の輪郭の1つを有する底表面を形成する。更にそのキットは、少なくとも2つの、より好ましくは少なくとも3つの相互に角度を持つ穴88を有する、図15に示す特に好ましいカップリング86などの、カップリングを含むのが好ましい。少なくとも1つの穴88は、ハンドル32又はユニバーサルジョイント30の少なくとも一端部を、取り外し可能に受ける。より好ましくは、少なくとも1つの穴88は、ハンドル32の雄ねじと捻じ込み可能に係合する雌ねじ92を有し、一方残った2つの穴88は、ユニバーサルジョイント30の延長部94の端部を受けるのに適している。カップリング86の角度が付いた穴88により、ハンドル32のモップヘッド22に対する向きが再調整可能となる。例えば、ユニバーサルジョイント30の延長部94の長手方向軸は、図16に示すように、第一の向きではハンドル32の長手方向軸と実質的に同一線上にあることがあり、一方第二の向きでは、図17に示すように、ユニバーサルジョイント30の延長部94の長手方向軸は、ハンドル32の長手方向軸と角度をつけることがある。ハンドル32のユニバーサルジョイント30に対する向きの再調整により、壁と天井の境界部など届きにくい区域の清掃に改善した柔軟性提供する。
【0025】
モップヘッド22とユニバーサルジョイント26は、ABS型ポリマー(例えば、アクリロニトリルのターポリマー)、ポリプロピレン、又はその他のプラスチック材料から、射出成形により成形するのが好ましい。弾性パッド48は、ポリウレタンから射出成形で成形するのが好ましい。モップハンドル32は、アルミニウム、プラスチック、又はその他の構造材料から形成することができる。
【0026】
III.クリーニングシート
本発明は、清掃表面に残る残留物の量を最小にして、表面から粒子物質を収集して保持するのを強化するように選択した添加物を含むクリーニングシートを包含する。クリーニングシート上の添加物の型とレベルを注意深く選定しない場合、シートは清掃表面に残留物を残して、消費者に受け入れられない表面の膜と縞を生じることになる。
本発明のクリーニングシートは典型的に、合計総合坪量の、少なくとも約20g/m2、好ましくは少なくとも約40g/m2、より好ましくは少なくとも約60g/m2を有する。本クリーニングシートの合計総合坪量は典型的に、約275g/m2以下、好ましくは約200g/m2以下、より好ましくは約150g/m2以下である。
【0027】
本発明のクリーニングシートは、織布プロセスか不織布プロセスを使用して、あるいは、融けた材料を使用して枠上に特にベルトに置く形成操作により、及び/又は膜上で行なわれる機械的作用/修飾を含む形成操作により、作ることができる。その構造は、所望の特性が明らかにされれば、いずれかの数の方法(例えば、スパンボンド、メルトブローン、樹脂接着、熱接着、エアースルー接着、その他)により作られる。しかし、好ましい構造は不織布であり、特にそれは極めて望ましい開放構造を提供するので、当技術分野で周知の水流交絡及び/又は熱接着で形成した不織布である。したがって、好ましいクリーニングシートとして、本明細書で述べる特性を有する不織布構造がある。本発明の好ましい不織布クリーニングシートを形成するに特に適切な材料としては、例えば天然繊維、並びにポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(登録商標))、及びこれらのブレンドなど、のような合成繊維が挙げられる。同様に有用なのは木綿又はそのブレンドなどの天然繊維であり、様々なセルロース源からの誘導体であるが、これらは好ましくない。本発明のクリーニングシートを作るに好ましい出発材料は合成材料であり、これらはカード式、スパンボンド、メルトブローン、エアレイド、又はその他の構造の形態とすることができる。合成材料又は合成繊維を含むクリーニングシートは、典型的に望ましい静電特性を有しており、好ましい。特に好まれるのはポリエステルであり、特にカード処理したポリエステル繊維である。繊維の親水性又は疎水性の程度は、除去する汚れの型、添加する添加物の型、生分解性、入手可能性、及びこれら考慮事項の組合せなどのいずれかの点から、シートの所望の最終目的に従って最適化する。一般的には、生分解性材料であるほど親水性であるが、より効果的な材料は疎水性となりがちである。
【0028】
クリーニングシートは単一の繊維層から形成することができるが、好ましくは少なくとも2つの層の複合材である。上記のように、本発明の好ましいクリーニングシートは、熱接着クリーニングシート及び/又は水流交絡クリーニングシートなど、様々なクリーニングシート構造を含む。
本クリーニングシートは、添加物を含む。添加物の型とレベルは、クリーニングシートの静電特性を好ましく維持して、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物が最小となり、クリーニングシートが粒子状物質を効果的に収集して保持する性能を有するように選択する。したがって、陽イオン性添加物はクリーニングシートの静電特性を減少することがあるので、添加物は非陽イオン性であるのが好ましい。
【0029】
本発明で有用なクリーニングシートとして、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他が出願し同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349(ケース6664M)、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他が出願し同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,396(ケース6798M)、1996年6月11日にシズノ(Shizuno)他に発行された米国特許第5,525,397号、1997年5月21日に公開された欧州特許第774,229A2号、1997年6月11日に公開された欧州特許第777,997A2号、1997年9月2日に公開された日本特許第09−224,895号、及び1997年12月9日に公開された日本特許第09−313,416号とに記載されるものが挙げられるが、これらに限定するわけではない。またこれら全ての特許を参考として本明細書に組み込む。
【0030】
A.好ましい熱接着クリーニングシート
本発明の好ましい熱接着クリーニングシートは、少なくとも2つの坪量が異なる別個の領域を有するのが好ましい。好ましい実施形態では、本クリーニングシートは、坪量が異なる2つの別個の領域を有して、比較的高坪量の第一の坪量領域と比較的低坪量の第二の坪量領域とを含む。比較的高坪量の第一の領域は、典型的に坪量が少なくとも約80g/m2、好ましくは少なくとも約130g/m2、より好ましくは少なくとも約170g/m2、更により好ましくは少なくとも約200g/m2を有し、典型的に約300g/m2以下、好ましくは約275g/m2以下、より好ましくは約250g/m2以下、更により好ましくは約240g/m2以下である。この比較的高坪量の第一の領域は、図23に示すように、クリーニングシートY次元の中央部に配置するのが好ましい。比較的高坪量の第一の領域は、クリーニングシートの面積の、典型的には少なくとも30%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約45%、更により好ましくはすくなくとも約50%を占める。比較的高坪量の第一の領域は又、クリーニングシートの面積の、典型的には約90%以下、好ましくは約80%以下、より好ましくは約70%以下、更により好ましくは約60%以下を占める。クリーニングシートは又、図23に示すように典型的にはシートの両側部の間に分けられた、比較的低坪量の第二の領域を有するのが好ましく、第二の領域はクリーニング面積の典型的には約70%以下、好ましくは約60%以下、より好ましくは約55%以下、更により好ましくは約50%以下であり、またクリーニングシート面積の典型的には少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約30%、更により好ましくは少なくとも約40%である。本発明の別の態様では、高坪量材料を含む巨視的な坪量領域1つしかない。
【0031】
本クリーニングシートは、図23のクリーニングシートに示すように、又図24の工程に示すように、ブラシ状フィラメントを有するのが好ましい。ブラシ状フィラメントは、特に粒子収集と保持の補助とするために、クリーニングシートに取り付ける。ブラシ状フィラメントは、ポリエステル連続長フィラメントの束で形成するのが好ましい。
本明細書で記述するモップヘッドとハンドルを有する器具で使用するクリーニングシートに関しては、そのクリーニングシートで表面を拭く典型的なクリーニング方法の間に、比較的高坪量の領域がクリーニング表面に接触するように、比較的高坪量の領域をシート上に配設するのが好ましい。比較的低坪量の領域は、比較的低坪量の領域が器具のモップヘッドにある保持手段/把持手段と係合するように、シート上に配設するのが好ましい。
【0032】
好ましい熱接着クリーニングシートの製造プロセス
本発明で有用な熱接着クリーニングシートの製造プロセスを、図24に示す。このプロセスの間、幅210mmで坪量30g/m2を有するポリプロピレンで作られた連続第一ウエブ310が、工程図に示すように、左から右へ連続的に供給される。それと同時に、それぞれが2〜30デニールで、2,000〜100,000本のポリエステル連続フィラメント315の束を含むトウ312が、工程図に示すように、左から右へ供給される。トウ312は、一組のエクスパンドロール311により開かれてすなわち単繊維化して、所望の幅を有する連続第二ウエブを形成し、次に第一ウエブ310の上に乗せられる。第一ウエブ310と第二ウエブ312は、加熱エンボス機313に運ばれ、加熱下で一緒に圧縮されて一体に熱融着され、これにより横方向に延びる熱融着線316が作られて連続複合第三ウエブ314を形成する。熱融着線316は、第三ウエブの長手方向に測定する寸法dによって互いに離れるように形成され、すなわち、第三ウエブ314の長手方向に断続的に配置される。その次に、第二ウエブ312は、各対の隣接する熱融着線316の間で平行に延びる中間線に沿って、第一のカッター317にて切断されて2つになる。次に、第一ウエブ310は、第二のカッター318にて切断されて所望の長さになる。この方法により、個々のクリーニングシート1が、第三のウエブ314から得られる。このプロセスでは、個々のベーシックシート10は第一のウエブ310から得られ、ブラシ状フィラメントは第二のウエブ312から得られ、ブラシ状フィラメントの個々のフィラメント15は連続長繊維315から得られ、留め部16は熱融着線316により形成される。好ましくは、それぞれの熱融着線316は幅2〜10mmを有し、隣接する熱融着線から距離20〜200mmの差で離れている。ブラシ状フィラメント、すなわち第二のウエブ、すなわちこのブラシ状フィラメントを形成する前のトウ312は、本明細書で説明するように、プロセスの適当な段階において、添加物でスプレー又はロール塗布される。第二のカッター318で切断される第一ウエブ310の一部分では、隣接する熱融着線316の各対の間の距離Dは、距離dよりも長い寸法とし、比較的大きな周縁領域7(図19及び20に示すように)を得て、クリーニングシート1をクリーニング器具のモップヘッドに取り付け容易にすることができる。この場合、距離Dにより互いに離される2つの隣接した熱融着線の間にて決まる部分は、必然的に比較的長いブラシ状フィラメントを形成し、これらの長いブラシ上フィラメントを残りのブラシ状フィラメントに揃えた長さに切断する必要がある。図示のプロセスによれば,留め部16から垂れ下がる各フィラメント15の長さは、距離dの1/2から9/10に相当する。必要ならば、隣接する各対の融着線316の間で決まる第一のウエブ310の部分上に供給される第二のウエブ312の長さは、距離dの1/2よりも長いフィラメント15を得るために、距離dよりも長い寸法とすることもできる。
【0033】
本発明により熱接着クリーニングシートを製造するプロセスでは、ベースシート10及びブラシ状フィラメントとして使用される材料の特定の型は、相互に熱融着可能な限り決定的ではない。しかし一般的には、これら構成成分の材料として熱可塑性合成樹脂を使用するのが好ましい更に、熱可塑性合成樹脂で作られる第一のウエブ310及び第二のウエブ312には、レーヨンなどの非熱融着性長繊維を混ぜてもよい。かかる非熱融着性フィラメントは、それぞれの熱融着線316に沿って熱融着された材料に埋め込まれてそこに固定される。更に,連続プラスチックフィルムを、第一のウエブ310としての不織布の替わりに、使用することもできる。
このプロセスにおいて、熱融着可能なフィラメントを含むトウ又はウエブ、及び熱融着性質のベーシックシートは、相互に熱融着の後トウ又はウエブを横断方向に切断して前記クリーニングシートのブラシ状フィラメントを形成するので、ベースシートに植え込まれるブラシ状フィラメントの密度は、単にトウ又はウエブを構成するフィラメントの数を増すことにより、容易に改善することができる。
【0034】
B.好ましい水流交絡クリーニングシート
水流交絡クリーニングシートは、表面から粒子状物質を効果的に収集して保持する性能のために、本発明に特に有用である。特に水流交絡プロセスで作られた不織布クリーニングシートは、極めて効果的である。水流交絡プロセスは、米国特許第3,537,945号によく記載されている。水流交絡プロセスは典型的に、高圧水又は他の液体のジェットで繊維ウエブを処理することを含み、このジェットが、繊維を「交絡」する働きをもつ、すなわち繊維を整列した配置から個々の繊維が互いに様々な角度であって、物理的に絡まっている配置に変えて水流交絡シートを作る。水流交絡布は、例外的に強くて柔軟性があり、又繊維の物理的な結合の間に生じる空隙を含み、この空隙がほこりと粒子の収集と保持を補助するのに極めて効果がある。更に、水流交絡プロセスは、可視開口を有する水流交絡布を生産するように調整することができ、この開口もほこりと粒子の収集と保持を強化する。
【0035】
本発明は、水流交絡クリーニングシートの広範囲の様々な構造を包含する。クリーニングシートは、シートの全域に亘って比較的均一な坪量を有することができ、あるいはクリーニングシートは、異なった坪量の不連続の領域を有することもできる。その上、クリーニングシートは、比較的平らな表面を有してもよく、あるいは巨視的な三次元性を示してもよい。
本水流交絡クリーニングシートの一体性を強めるために、繊維材料と共に配置されるポリマーの網(本明細書では「スクリム」材料と呼ぶ)を含むことが好ましく、例えば水流交絡による接着剤などの熱的手段又は化学的手段による積層を介して配置される。本発明に有用なスクリム材料が、米国特許第4,636,419号に詳細に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み込む。スクリムは押出用成形型で直接形成することができ、又は押出フィルムから繊維化、又はエンボス加工、続いて延伸及び引裂きによって得ることができる。スクリムは、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、それらのコポリマー、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66などから得ることができる。スクリム材料は、種々の市販用製造業者から入手可能である。本発明において有用な好ましいスクリム材料として、ミネソタ州(Minneapolis,MN)のコンウェッド・プラスチックス(Conwed Plastics)より入手可能なポリプロピレン・スクリムがある。
【0036】
本発明に適切な水流交絡クリーニングシートとしては、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349号(ケース6664M)、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,396号(ケース6798M)、及び1996年6月11日にシズノ(Shizuno)他に発行された米国特許第5,525,397号とに記載されるものが挙げられる。
【0037】
i.任意選択の複数坪量
本発明で有用な水流交絡クリーニングシートは、坪量で区別される少なくとも2つの領域を有することができる。特にクリーニングシートは1つ以上の高坪量領域を含むことができ、坪量が約30〜120g/m2(好ましくは、約40〜100g/m2、より好ましくは約50〜90g/m2、更により好ましくは約60〜80g/m2)であり、又1つ以上の低坪量領域を含むことができ、低坪量領域では高坪量領域の坪量の約80%以下の坪量を有する。好ましいクリーニングシートはこの点に関して、連続した高坪量領域と連続した高坪量領域に囲まれた複数の不連続の領域とを含み、不連続の領域はランダムではない繰り返しパターンで配置され、連続領域の坪量の約80%以下の坪量を有する。
【0038】
クリーニングシートの低坪量領域は、高坪量領域の坪量の、好ましくは約60%以下、より好ましくは約40%以下、更により好ましくは約20%以下を有する。クリーニングシートは、総合坪量として約20〜110g/m2、より好ましくは約40〜100g/m2、更により好ましくは約60〜90g/m2を有する。低坪量領域に関しては、かかる領域でも坪量がゼロで巨視的な開口が存在するのではないのが好ましい。これは、よごれがクリーニングシートを完全に通過することが可能となり、そこに保持されないことになるからである。言い換えれば、かかる状況ではシートの捕捉レベルは最適化することができない。
【0039】
連続した高坪量領域が不連続の低坪量領域を囲む実施形態では、クリーニングシートの全表面積の少なくとも約5%は低坪量領域であるのが好ましい。より好ましくはクリーニングシート全表面積の少なくとも約10%、更により好ましくは少なくとも約15%、更により好ましくは少なくとも約20%、更により好ましくは少なくとも約30%は低坪量領域である。不連続の高坪量領域が連続した低坪量領域で囲まれる実施形態では、クリーニングシートの全表面積の少なくとも約5%は不連続の高坪量領域であるのが好ましい。より好ましくはクリーニングシート全表面積の少なくとも約10%、更により好ましくは少なくとも約15%、更により好ましくは少なくとも約20%、更により好ましくは少なくとも約30%は高坪量領域である。
不連続の低坪量領域を囲む連続した高坪量領域を有する好ましい実施形態では、不連続の低坪量領域は、X及びY方向のいずれか又は両方に、千鳥配置又は整列配置とすることができる。好ましくは、高坪量が基本的に連続のネットワークは、不連続の低坪量領域を取り囲むパターン化したネットワークを形成するが、記載のように、小さい遷移領域があってもよい。
【0040】
高坪量領域の坪量と低坪量領域の坪量の中間の坪量を有する小さな遷移領域がある可能性があること、この遷移領域そのものは隣接するいずれかの領域の坪量と異なる坪量を含むことを考慮するほど区域として重要でないことは、当業者にとり明白であろう。かかる遷移領域は、本発明に従い構造を製造するにおいて、既知であり固有の正常な製造上のばらつきの範囲内である。所与の領域(高坪量か低坪量か)内においても、かかる所与の領域が1つの坪量を有すると考えられるとき、通常の予測される坪量変動及びばらつきが起こり得ることも又認識されるであろう。例えば、もし微視的なレベルで繊維間の間隙で坪量を測定したならば、実際はかかる領域の坪量がゼロより大きい場合でも、見かけ上の坪量がゼロになるであろう。再び、かかる変動とばらつきは正常であり、製造プロセスの予測された結果である。
【0041】
図25は、不連続の低坪量領域を囲む連続した高坪量領域を有する、本発明の好ましい不織布シートの一部の写真である。呼称番号はないも、高坪量連続領域が明るい網部として、低坪量領域がより暗い不連続の領域として見られる。図26は,不織布シート3の一部の平面図であり、図25に示すシートのこの態様を更に図示する。特に図26では、不織布シート3は、連続高坪量領域5と不連続低坪量域4を有する。この代表的な図例では、任意選択のスクリム材料は示されていない。低坪量領域4は基本的に同じ大きさで単一のよく画定された形状であるとして示しているが、これら領域は、異なる大きさと形状の粒子の捕捉を促進するために異なる大きさであってもよい。また低坪量領域4の形状が、従って連続高坪量領域5の形状が、構造全体で変化してもよいことを認識するであろう。
【0042】
高坪量領域5と低坪量領域4との少なくとも20%の坪量の差(同一構造3内で)が重要であると考えられ、本開示の目的のために異なった領域を画定する。領域5と4のそれぞれの坪量を数値的に求めるために、したがってこれら領域5と4の間の差を数値的に求めるために、数値的な方法、例えば1994年1月11日にファン(Phan)他に発行された米国特許第5,277,761号にて開示された軟エックス線の画像解析などを利用することができ、この特許を参考として本明細書に組み入れる。この方法は、高坪量領域と低坪量領域が連続/不連続パターンで配置されていない場合にも適用可能である。
低坪量領域と高坪量領域の相関域は、画像解析手法を使って数値的に測定可能であり、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349(ケース6664M)に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み入れる。
【0043】
ii.任意選択の巨視的な三次元性
一実施形態では,クリーニングシートは巨視的に三次元であってもよい。これらのシートは、例えばペーパータオルと対照的に、比較的オープンな構造であるのが好ましい。かかる好ましい一実施形態では、目視的に三次元のクリーニングシートは、第一の表面と第二の表面とを有し、スクリム又は他の収縮性材料を含む。かかる好ましい一実施形態では、クリーニングシートは、第一の外側表面と第二の外側表面を有すると共に収縮性(好ましくはスクリム)材料を含み、少なくとも1つの外側表面の「平均ピーク間距離」は少なくとも1mmであるのが好ましく、その表面の「表面トポグラフィ指数」は約0.01〜5であるのが好ましい。「平均ピーク間距離」と「平均高さ差」の測定方法は、1998年5月20日にフェレシュテークホウ(Fereshtehkhou)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/082,349号(ケース6664M)にて詳細に記載され、この特許を参考として本明細書に組み入れている。
【0044】
クリーニングシートの構成にかかわらず、少なくとも1つの外側表面の「平均ピーク間距離」は、好ましくは少なくとも約1mmであり、より好ましくは少なくとも約2mmであり、更により好ましくは少なくとも約3mmである。一実施形態では、「平均ピーク間距離」は、約1〜20mmであり、詳しくは約3〜16mmであり、更に詳しくは約4〜12mmである。少なくとも1つの外側表面の「表面トポグラフィ指数」は、好ましくは約0.01〜10であり、好ましくは約0.1〜5であり、より好ましくは約0.2〜3であり、更により好ましくは約0.3〜2である。少なくとも1つの外側表面は、「平均高さ差」が好ましくは少なくとも約0.5mmであり、より好ましくは少なくとも約1mmであり、更により好ましくは少なくとも約1.5mmである。少なくとも1つの外側表面の「平均高さ差」は、典型的には約0.5〜6mmであり、より典型的には約1〜3mmである。
【0045】
C.不規則でない巨視的な三次元特性を有する開口なしクリーニングシート
本願にて好ましいクリーニングシートは、不規則でない巨視的な三次元特性を有する開口なしクリーニングシートをも含む。かかるクリーニングシートは、2000年11月30にウォン(Wong)他により出願され同時係属中の米国特許出願シリアル番号09/729,626にて詳細に記載され、この特許を参考として本明細書に組み込む。
【0046】
D.その他のクリーニングシート
本発明で有用なその他のクリーニングシートとしては、スパンボンド、メルトブローン、エアレイドなどによるものが挙げられる。
【0047】
IV.添加物
数多くの添加物材料を、本発明のクリーニングシートに適切に組み込むことができる。本クリーニングシートに特に有用な本発明の好ましい添加物には、ポリマー添加物があり、特に、特定のタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比、糸引き値、Tg値、及び/又は分子量などの特定の粘着特性を有するものがある。本発明において任意選択の他の添加物材料としては、ワックス類、オイル類、粉体類、及びこれらの混合物などが挙げられるが、これらには限定されない。添加物材料は、ほこり、綿ほこり、及び毛などの小粒子物質と、特に、パン屑、土、砂、毛、食物砕片、草刈切片、マルチなど、家庭内の床や表面に典型的に見られる大きな粒子物質の収集を改善するために選定する。しかも、添加物材料の型と量は、クリーニングシートが清掃表面を容易に滑る性能を維持しながら、クリーニングシートの粒子収集を改善するよう、注意深く選定する。組み込んだ添加物の結果としてクリーニングシートが粘つき過ぎる場合、クリーニングシートは表面を容易に滑らなくなり、消費者の不満足となる。
【0048】
A.ポリマー添加物
本発明は、様々な受容可能なポリマー添加物とそれらの混合物から選択した、ポリマー添加物を含浸した本クリーニングシートを包含する。適切なポリマー添加物としては、感圧接着剤、粘着性ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものが挙げられるが、これらには限定されない。適切な感圧接着剤は、接着剤ポリマーを含み、任意に、粘着付与樹脂、可塑剤、及び/又は任意構成成分と組み合わせる。適切な粘着性ポリマーとしては、ポリイソブチレンポリマー、N−デシルメタクリレートポリマー、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
滑り剤、例えば、天然又は合成の高融点ワックスの水エマルジョン、あるいは天然脂肪酸のエステル又はアミド(例えば、オレアミド、エウラカミド(euracamide)、ステアルアミド、もしくはアンモニウムステアレート)の水エマルジョンなどを、本ポリマー添加物に任意選択として組み込むことができ、それは1993年3月30日にラーナー(Lerner)他へ発行された米国特許第5,198,292号に記載されており、この特許を参考として本明細書に組み入れる。しかし、好ましい実施形態では、本ポリマー添加物には、基本的に滑り剤を入れない。
【0049】
ポリマー添加物は、ワックス及び/又はオイル型添加物と比較して、更により効果的な粒子収集をもたらす傾向があり、特に、パン屑、土、砂、食物砕片、草刈切片、マルチなど家庭内の床や表面に典型的に見られる大きな粒子状物質に関してその傾向がある。しかし、ポリマー添加物の型と量を注意深く選定していない場合、その結果得られるそのポリマーを含浸したクリーニングシートは粘つき過ぎて、消費者に受け入れられない手触りとなってしまうことがある。更に、ポリマー添加物を注意深く選定していない場合、クリーニングシートは過大な摩擦係数を生じて、クリーニングシートが清掃面を滑らかに滑る性能を減じてしまうこととなる。本クリーニングシートで家庭内の表面を清掃する平均的な消費者にとって、シートの滑りは、感覚的に非常に重要である。
【0050】
1.ポリマー添加物の粘着特性
本ポリマー添加物の粘着特性は、効果的な粒子収集性能と受容可能な表面滑り性能と感覚的な魅力(例えば、手触り)とを有する、クリーニングシートを作り出すために重要である。本ポリマー添加物の粘着特性は、テクスチャー・アナライザーを使用して測定することができる。適切なテクスチャー・アナライザーが、英国サリー ゴダルミング(Godalming,Surrey UK)のステイブルマイクロシステム社(Stable Micro Systems,Ltd.)から、商品名TA.XT2テクスチャー・アナライザーにて購入できる。粘着特性を測定する試験方法(「テクスチャー・アナライザー方法」)を、この後のセクションV.A.に記す図27に、このテスト方法で使用するテクスチャー・アナライザーを示す。
本願で測定する粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力、粘着力、凝集力/粘着力比、糸引き値を含む。本願で好ましいポリマー接着剤は、感圧接着剤及び/又は粘着性ポリマーを含み、受容可能な性能と感覚的魅力を有するクリーニングシートを実現するために、ある種の粘着特性を示す。
【0051】
a.粘着仕事値
本明細書で使用する「粘着仕事値」という用語は、本ポリマー添加物の粘着力と凝集力の両方の総合接着力についていう。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定された範囲内の「粘着仕事値」を有することが好ましい。粘着仕事値が高すぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、粘つきすぎる傾向があり、清掃表面を滑らかに滑らない。反対に、粘着仕事値が低く過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子物質の不充分な収集を示すことになり勝ちである。
粘着仕事値は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法により作られたカーブを示す。グラフで線111と113の間の曲線より下に示される全面積が、試験したポリマー添加物の粘着仕事値に等しい。粘着仕事値は、「力(グラム)×mm」で示す。
【0052】
b.タック値
本明細書で使用する「タック値」という用語は、ポリマー添加物の最大粘着力を指す。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内のタック値を有することが好ましい。「タック値」が高すぎる場合、粘着仕事値も高過ぎる傾向があり、その結果、粘つき過ぎて、清掃表面を滑らかに滑らないクリーニングシートとなる。反対に、タック値が低く過ぎる場合、粘着仕事値も低すぎる傾向があり、その結果、大きい粒子物質の収集が不充分になり勝ちなクリーニングシートとなる。
タック値は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28にテクスチャー・アナライザー方法で作られた曲線を示す。グラフ中の線114で表される最大力は、テストしたポリマー添加物の「タック値」に等しい。タック値は、力(グラム)で示す。
【0053】
c.凝集力/粘着力比
本明細書で使用する「凝集力/粘着力比」という用語は、ポリマー添加物の「凝集力」と「粘着力」の間の比を指す。「凝集力」は、それ自体に結合するポリマー添加物の性能を指す。「粘着力」は、その他の物質、例えばクリーニングシート、大きな粒子状物質などに結合する、ポリマー添加物の性能を指す。凝集力/粘着力比はこの2つの力のバランスに関係する。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力を有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内の凝集力/粘着力比を有することが好ましい。凝集力/粘着力比が高過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子の収集が不充分となり勝ちである。反対に、凝集力/接着力比が低過ぎる場合、ポリマー添加物の一部はクリーニングシートから清掃表面に移動する傾向があり、その結果、表面に残る残留物となり、クリーニングシートの滑り特性が劣ったものとなる。
【0054】
凝集力と粘着力は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法により作られたカーブを示す。グラフで最大力以降の曲線の下に示される面積、すなわち線112と113の間で曲線の下の面積は、試験したポリマー添加物の凝集力に等しい。グラフで最大力以前の曲線の下に示される面積、すなわち線111と112の間で曲線の下の面積は、試験したポリマー添加物の粘着力に等しい。凝集力/粘着力比は、単に凝集力を粘着力で割るだけで計算され、無単位比である。
【0055】
d.糸引き値
本明細書で使用する「糸引き値」という用語は、ポリマー添加物の弾性を示す。本発明のポリマー添加物は、効果的な性能と感覚的な魅力有するクリーニングシートを提供するために、指定範囲内の「糸引き値」を有することが好ましい。「糸引き値」が高すぎる場合、ポリマー添加物は清掃表面に展着する傾向があり、クリーニングシートの滑り性能が減少する。反対に、「糸引き値」が低く過ぎる場合、ポリマー添加物を含有するクリーニングシートは、大きい粒子物質の収集が不充分になり勝ちである。
「糸引き値」は、セクションV.A.のテクスチャー・アナライザー方法に従って、テクスチャー・アナライザーにより測定する。図28に、テクスチャー・アナライザー方法で作られたカーブを示す。グラフ中で線112で示されるテクスチャー・アナライザーのプローブが試験中のポリマー添加物と接触している距離は、そのポリマー添加物の糸引き値に等しい。糸引き値は、ミリメートルの条件で測定される。
【0056】
2.感圧接着剤
本発明で好ましいポリマー添加物として、感圧接着剤がある。本発明で適切な感圧接着剤は、一般に接着剤ポリマーを含み、任意に、粘着付与樹脂、可塑剤、及び/又は任意成分と組み合わせる。感圧接着剤は典型的に、接着剤ポリマー、接着剤コポリマー、又はこれらの混合物を含む。好ましい感圧接着剤は架橋ポリマーを含む。好ましい感圧接着剤は、架橋アクリレートポリマーを含み、基本的に、粘着付与樹脂、可塑剤、滑り剤、又はその他の樹脂を入れない。
【0057】
a.接着剤ポリマー及び/又はコポリマー
本発明のポリマー添加物として適切な感圧接着剤は、好ましくは、接着剤ポリマー、並びに、合成樹脂、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリル、ビニルアセテート、エチレンビニルアセテート、及びポリビニルアルコールのコポリマーを含む。
適切な接着剤ポリマーとしては、ポリスチレン端末ブロック、並びにポリイソプレン、ポリブタジエン、及び/又はポリエチレン−ブチレン中間ブロックを含有するブロックコポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、ポリイソプレン、及びポリエチレンプロピレンなどのポリオレフィン;エチレン−ビニルアセテートコポリマー;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム〔ポリシス−イソプレン〕;ポリアクリル酸、好ましくは2−エチルヘキシルアクリレート及びイソ−オクチルアクリレート(octlyacrylate)、並びにポリメタクリル酸、又はこれらの塩;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。好ましい感圧接着剤は架橋接着剤ポリマーを含む。好ましい感圧接着剤は、架橋アクリレート接着剤ポリマーを含み、基本的に、粘着付与樹脂、可塑剤、滑り剤、又はその他の樹脂を入れない。
【0058】
本発明で有用な接着剤ポリマーは更に、A−B−A三元ブロックコポリマー、A−B二元ブロックコポリマー、A−B−A−B−A−B多元ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー及びそのグラフト型、エチレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、プロピレンのホモポリマー、コポリマー及びターポリマー、並びにこれらの混合物などの熱可塑性ポリマーを含むことができる。ラジアルブロックコポリマーは、Y−ブロックポリマー及びスターポリマー、並びにその他の形状を含む。本発明で有用なA−B−Aブロックコポリマーには、1979年1月30日にコリンス(Collins)他に発行された米国特許第4,136,699号に記載されるものがあり、この特許を参考として本明細書に組み入れる。例には、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)からKraton(登録商標)Gシリ−ズとして入手可能なポリマー類が含まれる。入手可能な様々なグレードがあり、全て飽和のA−B二元ブロック/A−B−A三元ブロックとエチレン/ブチレン中間ブロックとの混合物であるKraton(登録商標)G−1726、Kraton(登録商標)G−1650、Kraton(登録商標)G−1651、Kraton(登録商標)G−1652、Kraton(登録商標)G−1657;高割合A−B二元ブロック線状スチレン−イソプレン−スチレンポリマーであるKraton(登録商標)D−1112;主としてA−B−A三元ブロック線状スチレン−イソプレン−スチレン・ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D−1107及びKraton(登録商標)D−1111;両者ともシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)から入手可能な、30質量%オイル含有の線状スチレン−イソプレン−スチレン「SIS」ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D4433X,及び高分子量スチレン−ブタジエン(buradiene)−スチレン「SBS」ブロックコポリマーであるKraton(登録商標)D1184;オハイオ州アクロン(Akron,Ohio)のファイアストン(Firestone)から入手可能なA−B−A−B−A−B多元ブロックSBSブロックコポリマーであるStereon(登録商標)840AとStereon(登録商標)841A;ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)のエニケムエラストマー(Enichem Elastomers)より入手可能な線状SISブロックコポリマーであるEuroprene(登録商標)Sol T−193B;両者共エニケムエラストマーから入手可能な、線状スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであるEuroprene(登録商標)Sol T−190、及びラジアルSBSブロックコポリマーEuroprene(登録商標)Sol T−163;テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な線状SBSブロックコポリマーVector(登録商標)4461−D;異なる質量%のスチレン端末基を含有する完全結合線状SISブロックコポリマーVector(登録商標)4111、4211及び4411;これもエクソンケミカル社から入手可能な、高度に結合した線状SISブロックコポリマーVector(登録商標)4113;並びに、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のデクスコポリマー(Dexco Polymers)から入手可能なラジアルSISブロックコポリマーDPX−550、DPX−551及びDPX−552を含む。このリストは他を制限するものではなく、様々な感圧接着剤、特にホットメルト感圧接着剤の供給元より入手可能な、数多くのグレードのブロックコポリマーがある。これらポリマーは単独で使用することもでき、あるいはどのような組合せでも使用できる。これらポリマーは、ポリマー組成の中の約5〜90質量%で有用である。
【0059】
その他の接着剤ポリマーとしては、一般的な構成A−B−Aを有する実質的に線状なコポリマーが挙げられ、ここでAブロックは、ポリスチレンとすることができ、Bブロックは、エチレン−ブチレン、エチレン−プロピレン、イソプレン、ブタジエン、又はこれらの混合物とすることができ、好ましくはBブロックはエチレン−ブチレン又はエチレン−プロピレンである。Kraton(登録商標)G−1651などのこの型の接着剤ポリマーには、これも感圧接着剤に使用されている、従来型スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(S−EB−S)ブロックコポリマーの2倍の分子量がある。このポリマーは、典型的には感圧接着剤の約2〜20質量%、好ましくは約5〜20質量%、存在する。
【0060】
その他の接着剤ポリマーとして、高分子量ブロックコポリマーと共に利用できる低分子量ブロックコポリマーが挙げられる。例としては、A−B−A三元ブロックコポリマー、A−B二元ブロックコポリマー、A−B−A−B−A−B多元ブロックコポリマー、ラジアルブロックコポリマー、及びシェルケミカル(Shell Chemical)のTKG−101及びRP−6912を含むこれらポリマーのグラフト型がある。このようなA−B−Aブロックコポリマーが、コリンス(Collins)他の米国特許第4,136,699号に開示されている。これらブロックコポリマーの一部は、S−EB−Sブロックコポリマーであるシェルケミカル社(Shell Chemical Co.)よりKraton(登録商標)Gシリーズとして購入可能である。
【0061】
その他の有用な接着剤ポリマーとしては、テキサス州ダラス(Dallas,Tex.)のレクセンプロダクツ社(Rexene Products Co.)より商品名Rextac(登録商標)RT−2280及びRT−2315及びRT2585などで入手可能なアタクチックなポリアルファオレフィンを挙げることができ、これらは様々な量のエチレンと均一な線状又は実質的に線状のエチレン・インターポリマーと少なくとも1つのC2〜C20のアルファオレフィンを有して、更に前記各インターポリマーが約2.5未満の多分散性を有することを特徴としており、その他には、ミシガン州ミッドランド(Midland,Mich.)のダウケミカル社(Dow Chemical Co.)から全て入手可能な、エチレン−ブテン・コポリマーExact(登録商標)5008、エチレン−プロピレン・コポリマーExxpol(登録商標)SLP−0394、エチレン−ヘキセン・コポリマーExact(登録商標)3031などのポリマーが挙げられる。これらポリマーは、Kraton(登録商標)G−1651のようなブロックコポリマーと共に利用する場合は、低濃度で使用して、相分離又は膠質のゲル状組成物を防いで適合性を維持しなければならない。これら濃度は、感圧接着剤の5重量%程度に低くすることができる。
【0062】
本発明の感圧接着剤に有用であり得るその他の接着剤ポリマーとしては、共にデラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のデュポンケミカル社(DuPont Chemical Co.)から入手可能な、14%ビニルアセテート/400メルトインデックス・コポリマーEvax(登録商標)410、及び28%ビニルアセテート/400メルトインデックス・コポリマーEvax(登録商標)210などのエチレンビニルアセテートコポリマー;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能なエチレンビニルアセテートコポリマーEscorene(登録商標)UL7505;オハイオ州シンシナティ(Cincinnati, Ohio)のクオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)U.S.I.ディビジョン(U.S.I.Division)から入手可能なUltrathene(登録商標)UE64904;及びノースカロライナ州シャーロッテ(Charlotte,N.C.)のATポリマーズアンドフィルム社(AT Polymers & Film Co.)から入手可能なAT1850Mなどが挙げられる。エチレン及びメチルアクリレート(メタクリレート並びにアクリレート)のコポリマーも有用であり、エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能なOptema(登録商標)TC−140、XS−93.04及びTC−221;ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia,Pa.)のElfアトケムノースアメリカ(Elf Atochem North America)から入手可能なLotryl(登録商標)28 MA 175及び35 MA 05 1000などが挙げられる。エチレンメチルアクリレートコポリマーも、シェブロン(Chevron)から商品名Emac(登録商標)で、クオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)から商品名Acrythene(登録商標)で入手可能である。エチレンとn−ブチルアクリレートのコポリマーも又、本発明の感圧接着剤に有用である。これらは、クオンタムケミカル社(Quantum Chemical Co.)からEA80808、EA89821及びEA89822を含む商品名Enathene(登録商標)にて;Elfアトケムノースアメリカ(Elf Atochem North America)から35 BA 900と35 BA 1000を含む商品名Lotryl(登録商標)にて;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)からXW−23.AH及びXW−22を含む商品名Escorene(登録商標)にて入手可能である。これら接着剤ポリマーは、Kraton(登録商標)G−1651などの一部ブロックコポリマーと共に低濃度で使用しなければならない。
【0063】
好ましい実施形態では、感圧接着剤は、アクリル及び/又はメタクリルの酸又はエステル、アミド及びこれらのニトリル誘導体に由来する広い様々なポリマー及びコポリマーから選択される、アクリル接着剤ポリマーである接着剤ポリマーを含む。異なるポリマー及びコポリマーの混合物も使用可能である。これらポリマー及びコポリマーは、約0℃未満のガラス転移点を有して、ポリマーのかたまりは室温で粘着性であるのが好ましい。有用なアクリレートベースの接着剤ポリマーの例としては、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、ノニルアクリレート及びブチルアクリレート、並びにこれらのアクリル酸とのコポリマーもしくはターポリマー、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリルを含むホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。例えばイソボルニルアクリレート(例えば、WO95/13,331及びWO95/13,328参照)などの、そのホモポリマーのTgが比較的高い非極性アクリルモノマーを組み込むことも又可能である。
【0064】
その他の接着剤ポリマーとしては、ポリアミド;ポリエステル;ポリビニルアルコール及びそのコポリマー;ポリウレタン;ポリスチレン;ポリエポキシド;ビニルモノマーのグラフトコポリマー及びポリアルキレンオキシドポリマー;並びにフェノール−アルデヒド、尿素−アルデヒド、メラミン−アルデヒドなどのアルデヒドを含有する樹脂が挙げられる。
【0065】
b.任意選択の粘着付与樹脂
適切な感圧接着剤は任意に、感圧接着剤の接着性を改善しタックを導入するために粘着付与樹脂を配合して、本発明で所望の粘着特性を達成することができる。かかる樹脂としては、その他の材料の中でも、(a)天然及び修飾樹脂、(b)ポリテルペン樹脂、(c)フェノール修飾炭化水素樹脂、(d)クマロン−インデン樹脂、(e)脂肪族及び芳香族石油炭化水素樹脂、(f)フタール酸エステル、(g)水素添加炭化水素、水素添加ロジン、及び水素添加ロジンエステルが挙げられる。ホットメルト接着剤の中の粘着付与樹脂として室温では固体であるが適用温度未満で溶けるものが好まれるのは、使用中の周囲温度では過度の流動性を有さないにもかかわらず、これら樹脂が適用の際の粘性を下げて、基質への接着剤の分配と固着を改善するからである。これら樹脂は、好ましくは約35〜200℃の間の融点を有し、より好ましくは約50〜150℃の間の融点を有する。
【0066】
粘着付与樹脂は、ホットメルト感圧接着剤中で使用するのが好ましいが、他の型の感圧接着剤中でも利用することができる。本発明で有用な粘着付与樹脂としては更に、脂肪族、環式脂肪族及び芳香族炭化水素、修飾炭化水素及び水素添加誘導体;テルペン、修飾テルペン及び水素添加誘導体;ロジン、変性ロジン及び水素添加誘導体;並びにこれらの混合物が挙げられる。これらは又、異なったレベルの水素添加で、あるいは通常使用される別の用語では飽和で入手可能である。有用な例としては、テネシー州キングスポート(Kingsport,Tenn.)のイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Co.)からのEastotac(登録商標)H−100、H−115、及びH−130が挙げられ、異なる硬度を有する部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂である。これらは、E等級、R等級、L等級、W等級で入手可能である。これらは、最も少ない水素添加レベルから最も多い水素添加レベルまで、様々なレベルの水素添加を有する。E等級は臭素価15を有し、R等級は臭素価5,L等級は臭素価3,W等級は臭素価1を有する。Eastotac(登録商標)H−142R樹脂も入手可能である。その他の有用な粘着付与樹脂としては、テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co)から全て入手可能な、脂肪族炭化水素樹脂1310LC、部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂Escorez(登録商標)5300とEscorez(登録商標)5400,部分水素添加した芳香族修飾石油炭化水素樹脂Escorez(登録商標)5600;オハイオ州アクロン(Akron,Ohio)のグッドイヤーケミカル社(Goodyear Chemical Co.)から入手可能な脂肪族芳香族石油炭化水素樹脂であるWingtack(登録商標)エクストラ;デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del)のハーキュレス(Hercules)から入手可能な部分水素添加した環式脂肪族石油炭化水素樹脂であるHercolite(登録商標)2100;及びフロリダ州パナマシティ(Panama City,Fla.)のアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能なd−リモネンから製造されたスチレン化テルペン樹脂であるZonatac(登録商標)105Liteが挙げられる。
【0067】
様々な水素添加レベルで利用可能な多くの型のロジン及び変成ロジンがあり、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジンが含まれる。いくつかの特定変成ロジンには、ウッドロジン及びトール油ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステルが含まれる。購入可能なグレードとしては、アリゾナケミカル社から入手可能なペンタエリスリトールロジンエステルSylvatac(登録商標)1103、ニュージャージー州ワイン(Wayne,N.J.)のユニオンキャンプ(Union Camp)から入手可能なペンタエリスリトールロジンエステルUnitac(登録商標)R−100Lite、アリゾナケミカル社から入手可能なトール油ロジンのグリセロールエステルZonester(登録商標)100、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)から入手可能なペンタエリスリトール変性ウッドロジンPermalyn(登録商標)305,及び入手可能な高度に水素添加されたペンタエリスリトールロジンエステルであるForal(登録商標)105、などが挙げられるがこれには限定されない。Sylvatac(登録商標)R−85は、融点85℃のロジン酸であり、Sylvatac(登録商標)295は、融点95℃のロジン酸であり、両方ともアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能である。Foral(登録商標)AXは、融点75℃の水素添加ロジン酸であり、ハーキュレス社(Hercules Inc.)から入手可能である。Nirez(登録商標)V−2040は、アリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能なフェノール修飾テルペン樹脂である。
【0068】
粘着付与樹脂の利用可能な多くの型と等級が多くの会社から入手可能であり、当業者は、このリストが他を制限するようなものではないことと、利用可能な粘着付与樹脂はここにリストするにはあまりに数が多いことを認識するであろう。様々な端末ブロック樹脂も、本発明の組成物に有用である。これらには、デラウエア州ウィルミントン(Wilmington,Del.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)にて製造される芳香族炭化水素Endex(登録商標)160、ハーキュレス社にて製造されるアルファメチルスチレン炭化水素Kristalex(登録商標)3100とKristalex5140、及びクマロンインデン樹脂も含まれる。これら粘着付与樹脂は、感圧接着剤において約0重量%〜65重量%のレベルで、好ましくは約10重量%〜65重量%のレベルで有用である。
【0069】
c.任意選択の可塑剤
感圧接着剤は、任意選択で可塑剤を含むことができる。本感圧接着剤で有用な可塑剤としては、鉱物ベース油及び石油ベース油、液体樹脂、液体エラストマー、ポリブテン、ポリイソブチレン、グリセロールトリヒドロキシオレイン酸エステルなどの官能化オイル及びその他脂肪油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。可塑剤は、例えば熱可塑性物質、ゴム、その他の樹脂を含むものなど、感圧樹脂に添加できる典型的な有機組成物として概略定義され、完成感圧接着剤における押し出し性、可撓性、作業性、及び伸縮性を改善する。周囲温度で流動して、そのブロックコポリマーと適合性のあるどの材料でも有用である。
最も普通に使用される可塑剤は、芳香族含有量が低くて物性がパラフィン性又はナフテン性である、主として炭化水素油であるオイルである。そのオイルは、揮発性が低くて透明であり、色と臭いができるだけ少ないものが好ましい。本発明では、オレフィンオリゴマー、低分子量ポリマー、植物油及びその誘導体、並びに同様な可塑化油の使用も又考慮している。
【0070】
本感圧接着剤で有用な可塑剤の例としては、インディアナ州インディアナポリス(Indianapolis,Ind.)のカルメットルブリカンツ社(Calumet Lubricants Co.)から入手可能なナフテン石油ベースオイルCalsol(登録商標)5120;ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)のウィトコ社(Witco Corp.)から入手可能なパラフィン鉱物油Kaydol(登録商標)White Mineral Oil;テキサス州ヒューストン(Houston,Tex.)のエクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な液体ブテンホモポリマーParapol(登録商標)1300;イリノイ州シカゴ(Chicago,Ill.)のアモコ社(Amoco Corp.)から入手可能な液体ブテンホモポリマーIndopol(登録商標)H−300;エクソンケミカル社(Exxon Chemical Co.)から入手可能な流動点20℃である液体芳香族石油ベース炭化水素樹脂Escorez(登録商標)2520;イリノイ州シカゴ(Chicago,Ill.)のハーキュレス社(Hercules,Inc.)から入手可能な流動点18℃である水素添加液体芳香族炭化水素樹脂Regalrez(登録商標)1018;及びフロリダ州パナマシティ(Panama City,Fla.)のアリゾナケミカル社(Arizona Chemical Co.)から入手可能な流動点5℃である変性ロジンエステルの液体樹脂Sylvatac(登録商標)5Nなどが挙げられる。当業者は、どの一般的な500秒又は1200秒ナフテンプロセス油でも、有用であることを認識し得る。可塑剤は、本感圧接着剤の約0重量%〜50重量%で有用である。
【0071】
d.その他の任意成分
本感圧接着剤での望ましい任意構成成分には、希釈剤を含み、例えば、液体ポリブテン又はポリプロピレン、パラフィン及び微結晶ワックスなどの石油ワックス、ポリエチレングリース、水素添加動物、魚及び植物油脂、ナフチオン又はパラフィン鉱物油などの炭化水素油などの鉱物油及び合成ワックスなどがある。
ホットメルト接着剤の希釈剤は周囲温度では個体であり、適用温度以下で溶けるものが好まれるが、これら希釈剤により適用時の粘度が下がり接着剤の基質への配分と固着が改善されるのは、周囲温度での使用中に過度に流動性を有することがないからである。これら樹脂は、好ましくは約35〜200℃の間の融点を有し、より好ましくは約50〜150℃の間の融点を有する。
その他の任意成分としては、安定剤、酸化防止剤、着色剤、及び充填剤が挙げられる。本感圧接着剤中の構成成分とその量は、本発明で所望の接着特性が得られるように選定する。
【0072】
安定剤又は酸化防止剤は又、感圧接着剤中で使用することができる。これら化合物は、熱、光、又は粘着付与樹脂など感圧接着剤の他の構成成分からの残留触媒などにより誘起されて酸素と反応することにより引き起こされる、感圧接着剤の劣化を防止するために添加することができる。かかる酸化防止剤は、ニューヨーク州ホーソン(Hawthorne,N.Y.)のチバ−ガイギーから購入可能であり、Irganox(登録商標)565とIrganox(登録商標)1010とIrganox(登録商標)1076を含み、全てヒンダードフェノール酸化防止剤である。これらは、遊離ラジカル捕集剤として作用する一次酸化防止剤であり、単独で使用してもよく、又はチバ−ガイギーから入手可能なIrgafos(登録商標)168のような亜リン酸塩酸化防止剤などの他の酸化防止剤と組み合わせて使用してもよい。亜リン酸塩酸化防止剤は、二次酸化防止剤とされており、主として過酸化物分解剤として使用され、単独で使用されることは一般ではなく、他の酸化防止剤と組み合わせて使用される。他の利用可能な酸化防止剤として、コネチカット州スタンフォード(Stamford,Conn.)のサイテック社(Cytec Industries)から入手可能なチオエーテル酸化防止剤Cyanox(登録商標)LTDP、ルイジアナ州バトンルージュ(Baton Rouge,La.)のアルベマール(Albemarle)から入手可能なヒンダードフェノール酸化防止剤Ethanox(登録商標)330がある。他の多くの酸化防止剤がそれ自体で使用する、又は他の酸化防止剤と組み合わせて使用するものとして利用可能である。これら化合物は、感圧接着剤に少量を、感圧接着剤の約2重量%までを添加し、感圧接着剤の粘着特性にはほとんど影響しない傾向である。
【0073】
同様に感圧接着剤に添加することができて、接着特性にほとんど影響しない傾向がある他の成分には、一部をいうだけでも、着色顔料、蛍光剤、臭いを隠すいずれかの化合物及び充填剤がある。
任意的な充填剤は、粒子状物質、繊維及び粉体の形態で供給され、あるいは感圧接着剤中の他の構成成分に干渉しないいかなる材料であってもよい。いくつかの例としては、炭酸カルシウム、セラミックス、ガラス、シリカ、石英、雲母、処理粘土、二酸化チタン、窒化ホウ素、黒鉛、カーボンブラック、金属、バリウム、硫酸塩、タルク及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
感圧接着剤の粘着特性
感圧接着剤は、粘着仕事値、タック値、凝集力/粘着力比及び糸引き値などの感圧接着剤の粘着特性に基づいて、本クリーニングシートに組み込むことを目的に選定する。これら粘着特性は、セクションIV.A.1にて記述してあり、セクションV.A.にて後述するテクスチャー・アナライザー方法に従って測定する。
好ましい感圧接着剤は5グラム圧力時の粘着仕事値として、典型的には約130〜1000、好ましくは約160〜750、より好ましくは約250〜650を示す。
感圧接着剤の5グラム圧力時タック値は、一般的には約100〜500、好ましくは約150〜400、より好ましくは約200〜350である。
本感圧接着剤の5グラム圧力時凝集力/粘着力比は、通常は約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約3.0〜6.0である。
本感圧接着剤は5グラム圧力時の糸引き値として、通常約2.5〜12.0、好ましくは約2.5〜8.5、より好ましくは約3.0〜5.0を有する。
【0075】
本発明のクリーニングシートで使用する好ましい感圧接着剤の例としては、フーラー社(H.B.Fuller Company)から商品名HL−1496、HM−1597、HM−1902、HM−1972、HM−2713などで購入可能な一連の感圧接着剤が挙げられるが、これには限定されない。その他の好ましい感圧接着剤としては、ロームアンドハース社(Rohm & Haas Company)から商品名ROBOND PS 75R、ROBOND PS 20、RHOPLEX VS、ACRONOL DS 3432、及びこれらの混合物として入手可能なものが挙げられる。
【0076】
3.粘着性ポリマー
本クリーニングシートに組み入れるポリマー添加物は、粘着性ポリマーとすることもできる。本明細書で使用する「粘着性ポリマー」という用語は、感圧接着剤に典型的に見られるものよりも高いタック値を有するポリマーを指し、例えば、タック値が少なくとも約300、好ましくは少なくとも約350を有するポリマーである(タック値はセクションIV.A.1.bにて、より詳しく前述した)。粘着性ポリマーは又、感圧接着剤組成物に任意成分として含まれることもある。本発明の好ましい一実施形態では、粘着性ポリマーは、それ自体が本発明のクリーニングシートに組み入れるに適切なポリマー添加物である。
本発明のクリーニングシート用のポリマー添加物として使用するに適切な粘着性ポリマーとしては、ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー(ただしアルキル基はC2〜C18、好ましくはC2〜C12)が挙げられるが、これには限定されない。好ましい粘着性ポリマーとして、ポリn−デシルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリn−ブチルアクリレート、及びこれらの混合物がある。本発明でより好ましい粘着性ポリマーは、ポリイソブチレンポリマーである。
【0077】
粘着性ポリマーの粘着特性
粘着性ポリマーは、粘着仕事値、タック値、凝集力/粘着力比、及び糸引き値を含む粘着性ポリマーの粘着特性に基づき、本クリーニングシートのポリマー添加物として組み入れるために選定する。これら粘着特性は、セクションIV.A.1にて前述しており、セクションV.A.で後述するテクスチャーアナライザー方法に従って測定する。粘着性ポリマーに望まれる粘着特性は、ポリマー添加物の型が異なるために、感圧接着剤とは多少異なることもある。
適切な粘着性ポリマーは、5グラム圧粘着仕事値として、典型的に約50〜1000、好ましくは約75〜250,より好ましくは約100〜150を示す。
粘着性ポリマーの5グラム圧タック値は、一般的には約300〜500であり、好ましくは約300〜450、より好ましくは約350〜400である。
典型的な本粘着性ポリマーの5グラム圧凝集力/粘着力比は、約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約3.0〜6.0である。
本粘着性ポリマーは、5グラム圧糸引き値として、通常約0.4〜12.0、好ましくは約0.8〜4、より好ましくは約0.8〜2.0を有する。
【0078】
本発明の粘着性ポリマー添加物は、ガラス転移温度「Tg」として、典型的には少なくとも約−150℃、好ましくは少なくとも約−100℃、より好ましくは少なくとも約−80℃を有する。更に、本粘着性ポリマーは、典型的に約0℃以下のTgを有し、好ましくは約−30℃以下、より好ましくは約−50℃以下を有する。粘着性ポリマーのTgが高すぎる場合、粘着性ポリマーは粘性が高すぎる傾向であり、粘着特性が悪化する。
また本粘着性ポリマーは、少なくとも約1000の分子量を有し、好ましくは少なくとも約2500、より好ましくは少なくとも約50,000を有する。更に本粘着性ポリマーは、典型的に約500,000以下のTgを有し、好ましくは約200,000以下、より好ましくは約150,000以下を有する。粘着性ポリマーの分子量が小さすぎる場合、粘着性ポリマーは粘性が低すぎる傾向であり、受け入れ難いほど低い粘着力及び/又は凝集力になる。逆にポリマー添加物が高すぎる分子量を有する場合、粘着性ポリマーは粘性が高すぎる傾向であり、あるいは固体となる。
【0079】
本発明のクリーニングシートに使用する好ましい粘着性ポリマーの例としては、ポリ(nヘキシルメタクリレート)、P−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ(ラウリルアクリレート)、ポリ(nブチルアクリレート)、ポリイソブチレン(「PIB」)、ポリ(1,4−ブチレンアジパート)、ポリ(nデシルメタクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルアクリレート)、ポリ(nブチルアクリレート)、ポリ(n−デシルメタクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
本発明の別の実施形態では、好ましい感圧接着剤は、低圧下では比較的低いタック値と粘着仕事値を有して手触りと滑りを向上するが、高い圧力では粘着性ポリマーと同様に作用して収集を向上する。これにより、添加物を含有する前記シートを使って床をモップで拭くのはより圧力を要するも、前記ポリマーを含有するシートの取り扱いは基本的に低圧プロセスであることが認識される。
本感圧接着剤は、5グラム圧粘着仕事値として約30〜150、好ましくは約40〜110、より好ましくは約40〜80を示し、15グラム圧粘着仕事値として約50〜1000、好ましくは約75〜250、より好ましくは約100〜150を示す。
【0080】
本感圧接着剤の5グラム圧タック値は、一般的には約50〜600、好ましくは約100〜400、より好ましくは約150〜300であり、15グラム圧タック値は、一般的には約300〜500、好ましくは約300〜450、より好ましくは約350〜400を示す。
典型的な本感圧接着剤の5グラム圧凝集力/粘着力比は、約0.2〜20、好ましくは約1.0〜6.0、より好ましくは約2.0〜6.0であり、15グラム圧凝集力/粘着力比は、典型的には約0.1〜10、好ましくは約0.2〜6.0、より好ましくは約0.2〜4.0を示す。
本感圧接着剤は、5グラム圧及び15グラム圧両方の糸引き値として、通常は約0.4〜12.0、好ましくは約0.8〜4、より好ましくは約0.8から2.0を有する。
好ましい感圧接着剤の例は、フーラー社(H.B.Fuller Company)から入手可能な商品名HL1500にて販売されている。
【0081】
本発明のポリマー添加物は、様々な溶液に溶解又は分散することができ、例えば、水;トルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン、及びテトラヒドロナフタレンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、及びノナンなどの5〜11炭素原子を含む脂肪族炭化水素;塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、及びペルクロロエチレンなどの塩素化炭化水素、並びにクロロベンゼンなどの塩素化芳香族炭化水素;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これには限定されない。
【0082】
本クリーニングシートに含浸するポリマー添加物の量は、受容可能な粒子収集と最小残留物と滑りを示すクリーニングシートを得る上で、別の重要な考慮点である。典型的に本ポリマー添加物は、本クリーニングシートに約10.0g/m2以下、好ましくは約6.0g/m2以下、より好ましくは約4.0g/m2以下、更により好ましくは約2.0g/m2以下のポリマー添加物のレベルで含浸する。クリーニングシートに添加するポリマー添加物の量には、ポリマー添加物を溶解するために使用する溶液の量は含まれないことに注意されたい。ポリマー添加物のレベルが高すぎる場合、クリーニングシートは粘つきが感じられ、その結果、家庭消費者には感覚的に受け入れ難い手触りとなる。ポリマー添加物のレベルが高すぎる場合は又、クリーニングシートは清掃表面を容易に滑らなくなり、表面に残留物を残す傾向となり、その結果、消費者には視覚上受け入れ難い膜及び/又は縞を表面に生じるようになる。また本ポリマー添加物は典型的に、本クリーニングシートに少なくとも約0.1g/m2、好ましくは少なくとも約0.2g/m2、より好ましくは少なくとも約0.4g/m2、更により好ましくは少なくとも約0.6g/m2のポリマー添加物のレベルで含浸する。ポリマー添加物を低すぎるレベルでクリーニングシートに含浸した場合、ポリマー添加物を含有しないクリーニングシートと比較して、粒子収集の著しい改善を示さない傾向となる。
【0083】
好ましい実施形態では、ポリマー添加剤は後述するように、クリーニングシートに区域で添加する。得られたクリーニングシートは次に、例えば図4、5、6に示すような、前述の弾力性パッドを含むモップヘッドを有する前述の床モップなどのクリーニング器具へ取り付けるのが好ましい。
【0084】
B.任意的なワックス及び/又はオイル添加物
本発明のどのクリーニングシートのクリーニング性能も、シートの繊維を処理することにより、特に界面活性剤や潤滑剤を含むシートの汚れ付着性を強化する様々ないずれかの添加物で表面処理することにより、更に強化することができる。かかる添加物を利用するときには、シートの汚れ付着性能を強化するに十分なレベルでクリーニングシートへ添加する。しかし、添加物の型とレベルは、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量が最小になるように選択しなければならない。かかる添加物はシートへの増加レベルとして、好ましくは少なくとも約0.01質量%、より好ましくは少なくとも約0.1質量%、より好ましくは少なくとも約0.5質量%、より好ましくは少なくとも約1質量%、さらにより好ましくは少なくとも約3質量%、さらにより好ましくは少なくとも約4質量%添加する。典型的に増加分レベルは、乾燥クリーニングシートの約0.1〜25重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%、より好ましくは約1〜15重量%、さらにより好ましくは約2〜10重量%、さらにより好ましくは約4〜8重量%、最も好ましくは約4〜6重量%である。添加物のレベルと型は、本クリーニングシートで拭く表面に残る残留物が最小となり、消費者が視覚的に受け入れられる表面が残るように注意深く選択しなければならない。
【0085】
好ましい添加物は、ワックス又はオイル(例えば、鉱物油その他)及びワックスの混合物である。適切なワックスには、種々の型の炭化水素と共に、ある種の脂肪酸エステル(例えば、飽和トリグリセリド)及び脂肪族アルコールが挙げられる。それらは天然資源(すなわち、動物、植物又は鉱物)に由来してもよいし、合成することもできる。これら種々のワックスの混合物も使用することができる。本発明で使用することができる代表的な動物ワックス及び植物ワックスの一部には、蜜蝋、カルナウバ、鯨蝋、ラノリン、セラック蝋、キャンデリラなどが挙げられる。本発明で使用することができる鉱物資源に由来する代表的なワックスには、パラフィン、ワセリン及び微晶性ワックスなどの石油を基にしたワックス、並びに白色セレシン蝋、黄色セレシン蝋、白色地蝋などの化石又は土壌ワックスが挙げられる。本発明で使用することができる代表的な合成ワックスとしては、ポリエチレンワックスなどのエチレン系ポリマー、「ハロワックス」など塩素化ナフタレン、フィッシャートロプシュ合成によって作られる炭化水素型ワックス、などが挙げられる。その他の好ましい添加物は、ペトロラタムなどワックスと油の混合物として供給される。かかる添加物は単独で使用することもでき、他のワックスとオイルと組み合わせて使用することもできる。
【0086】
好ましい添加物はワックス及び鉱油の混合物であるが、この混合物はクリーニングシートの表面から粒子状物質を収集して保持する能力を強化し、一方クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量を最小限にする。鉱油及びワックスの混合物を利用する場合、構成成分は、油対ワックスの重量比で、好ましくは約1:99〜7:3、より好ましくは約1:99〜3:2、さらにより好ましくは約1:99〜2:3で混合する。特に好ましい実施形態では、油対ワックスの重量比は約1:1であり、添加物は約5質量%の増加レベルとして添加する。好ましい混合物は、鉱油とパラフィンワックスの1:1混合物である。
【0087】
パラフィンワックスなどのワックス単独でも、本クリーニングシートの添加物として利用可能である。ワックスが唯一の添加物である場合、クリーニングシートは合成繊維で構成するのが好ましく、その結果クリーニングシートが依然として静電特性を維持でき、粒子状物質の収集及び保持の増強をもたらす。いずれにしても、クリーニングシートが天然及び/又は合成繊維を含む場合基本的にワックスからなる添加物は、クリーニングシートの追加分レベルとして、典型的には約4重量%以下、好ましくは約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下をクリーニングシートに添加する。これらレベルが好まれるのは、ワックス添加物を更に高いレベルでクリーニングシートに適用すれば、シートの静電特性が典型的に低減し、従ってシートの総合的な性能が低下するからである。
【0088】
鉱物油単独でも、本クリーニングシートの添加物として利用可能である。しかし、鉱物油だけを使用する場合、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物を最小にして、消費者から視覚的に受け入れられる表面を残すために比較的低い追加レベルでなければならない。基本的に鉱油からなる添加物は、クリーニングシートの追加分レベルとして、典型的には約4重量%以下、好ましくは約3重量%以下、より好ましくは約2重量%以下、さらにより好ましくは約1重量%以下をクリーニングシートへ添加する。
【0089】
これらの低いレベルが特に望ましいのは、添加剤を効果的なレベルで、好ましくはシートの少なくとも1つの孤立した連続領域に実質的に均一な方法で適用する場合である。好ましい低レベルの使用により、特に汚れのシートへの付着を改善する添加物を低いレベルで使用することにより、驚くべきほど良いクリーニング、空気中でのホコリの抑制、及び消費者の好ましい印象特に触覚的印象が得られ、更に香料、害虫制御成分、及び抗カビ剤を含む抗菌剤、並びに多数のその他の有益成分、特に添加物に可溶性又は分散性であるものを組み込み付着する手段が添加剤により得られる。これら利益は単に例示を目的としている。低レベルの添加物は、添加物が処理表面に目に見える残留物を残す虞がある場合に特に望ましい。その結果、選択した添加物の型とレベルは、クリーニングシートで拭く表面に残る残留物の量を最小にしながら、クリーニングシートの粒子収集と保持特性を強化するために典型的に重要である。
【0090】
C.任意選択の粉体
本クリーニングシートは又、様々な型の粉体を組み入れることができる。粉体は、クリーニングシートの滑り特性(すなわち、初期滑り値及び/又は使用中滑り値)向上のために、本クリーニングシートに、特にポリマー添加物を含有するものに組み入れが望ましいことがある。本発明で使用に適切な粉体としては、タルク、デンプン、炭酸マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群から選択するものが挙げられるが、これには限定されない。
粉体には、ポリマー添加剤を含有するクリーニングシートの粘つきを低減する、及び/又はクリーニングシート下面にある程度の潤滑性を付与する傾向がある。適切な粉体は典型的には、約0.01〜250ミクロンの粒子径を有する。この範囲の粒子径を有する粉体は、クリーニングシートと清掃中の表面との間の摩擦を減少する補助となる傾向がある。
粉体は、この後セクションIV.Dにて記述するように、ポリマー添加物を区域で好ましくは中心区域で含有するクリーニングシートに適用するのが好ましい。
【0091】
D.添加物のクリーニングシートへの適用
これら添加剤の適用手段は、添加剤の少なくともかなりの部分を、シート構造の「内側」である点に適用するのが好ましい。皮膚、及び/又は処理表面、及び/又は包装容器と接触する添加剤の量が制限されて、そうでなければ他の表面の機能に害を与える又は干渉するかもしれない材料がほとんど悪影響を及ぼさないことは、三次元構造及び/又は多重坪量の特に有利な点である。添加剤が内側構造にあることは、内側構造に付着した汚れが引き続く拭き動作で除去されにくいという点で、利点が非常に大きい。
添加剤は、クリーニングシートの静電特性を著しく減少しないことが好ましい。本発明のクリーニングシートは、粒子状物質、特に微細なホコリ状粒子物質の収集及び保持を促進するために、静電気特性を有することが好ましい。
【0092】
添加物は、種々の適用方法により、本クリーニングシートに適用することができる。かかる方法には、手動ローラー法、機械的ローラー法、細長隙間法、超音波スプレー、圧力スプレー、ポンプスプレー、ディッピングなどが挙げられる。添加物のクリーニングシートへの好ましい適用方法は、超音波スプレーである。添加物は、この方法でクリーニングシート上に均一にスプレーすることができる。
【0093】
添加物のクリーニングシートへの適用の別の好ましい方法は、機械的ローラー法である。クリーニングシートの製造工程の間に、シートは適用する添加物でコーティングした一組のローラーの間を通される。ローラーは、添加物を容れたパン又は液溜の中で回転することにより、添加物でコーティングすることができる。シートがローラーの間を通されると、添加物はローラーからクリーニングシートに移行する。添加物がワックスと鉱油の混合物の場合、特にワックス対鉱油の比が1:1の混合物の場合、添加物を液体状態に維持するために、約32〜98℃、好ましくは約40〜65℃の温度に、添加物を容れたパン又は液溜を加熱するのが好ましい。かかる状況では、ローラーも熱い液体状態添加物の温度に近い温度に加熱するのが好ましい。典型的に添加物混合物とローラーの温度は、添加物混合物の融点よりも少なくとも約5〜10℃高く維持する。
【0094】
本クリーニングシートの小規模製造の場合、添加物は手操作ローラー法でもクリーニングシートに塗布することができ、この方法は手持ちローラーを手に取ること、添加物でローラーをコーティングすること、及びクリーニングシートの表面全体にローラーを転がすことを含む。
同じく重要なことは、本添加剤によりカバーされるクリーニングシート表面の大きさである。クリーニングシートの遊離繊維は、特に水流交絡したクリーニングシート又はブラシ状フィラメントを有するクリーニングシートでは、小粒子収集のために特に重要である。ポリマー添加物は、大粒子収集のために特に重要である。ポリマー添加物は、本クリーニングシート表面域へ、均一に又は不均一に適用することができる。
【0095】
添加物の区域適用
本発明のクリーニングシートに添加物を適用すると、得られたクリーニングシートの粘着性が高すぎ、表面を滑るのが困難となり、消費者に受け入れられないことがある。クリーニングシートの静電特性を保存し、消費者に受け入れられるクリーニングシートの滑り値を維持するために、本ポリマー添加物は、クリーニングシート表面全域にポリマー添加物を均一に分配するのではなく、クリーニングシートの特定区域に適用することができる。別の実施形態では、ポリマー添加物はクリーニングシート全表面に均一に分配し、前述のような粉体及び/又はタルクなどの追加添加物を前記ポリマー添加物の上に、好ましくは特定区域に適用することができる。ここで使用する「区域」という用語は、クリーニングシート表面域の特定の部分を指す。
【0096】
ポリマー添加物は、クリーニングシートに好ましくは区域で適用して、各区域は異なるレベルのポリマー添加物を有し、特に、図1、4、5、及び6に示し前述したクリーニング器具と共にクリーニングシートを使用する場合に、大粒子収集性能とクリーニングシートが表面をなめらかに滑る性能の両方を最適化することができる。
好ましい実施形態では、本クリーニングシートは、中央区域と1つ以上の側区域との、少なくとも2つのポリマー添加物の区域を有する。図29に示すように、中央区域95は、クリーニングシート99の長さを亘るクリーニングシート99の範囲を含む。しかし、中央区域95がクリーニングシートの全長を亘る必要はないことを認識されたい。しかも、中央区域95は、クリーニングシート99の相対的な中心に配置することが好ましいが、このように配置する必要はない。
【0097】
中央区域95の幅は、一般的にクリーニングシート99そのものの幅によりほぼ決まる。また、かかるクリーニングシート99を、図1、4、5、及び6で前述した床モップ20などのクリーニング器具で使用する場合、中央区域95の幅は、床モップ20のモップヘッド22の弾性パッド48の接触表面52の幅によるのが好ましい。この場合中央区域95の幅は、少なくとも接触表面52のおよその幅と同じであり、好ましくは接触表面52の幅よりも大きいことが好ましい。典型的に中央区域95の幅は、クリーニングシート99の全幅の約2.5〜46%、好ましくは約8.7〜35%、より好ましくは約17.4〜23.2%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全幅約8.625インチの幅を有し、中央区域95は、クリーニングシート99の中央に配置されて、約0.25〜4インチの幅を、好ましくは約0.75〜3インチ、より好ましくは約1.5〜2インチの幅を有する。中央区域95の長さは、クリーニングシート99の全長の、典型的には約27〜100%に、好ましくは約54〜97.7%に、より好ましくは約86〜95.4%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全長11インチを有し、中央区域95も長さ11インチを有する。
【0098】
ここに記すクリーニングシートの中央区域に適用するポリマー添加物のレベルは、典型的に約0.02〜1.5g/m2、好ましくは約0.1〜1.0g/m2、より好ましくは約0.25〜0.75g/m2である。中央区域は、ポリマー添加物無しにすることもできる。
本クリーニングシートは中央区域に加えて、1つ以上の側区域などの区域を有することができる。好ましくは、クリーニングシートは2つの側区域を有し、図29に示すように、それぞれが中央区域のそれぞれの側に配置される。側区域96は、通常クリーニングシート99の長さを亘り、中央区域の長さ方向縁97からクリーニングシートの長さ方向縁98までの距離に等しい幅を有する。しかし、側区域96がクリーニングシート99の全長を亘る必要はなく、中央区域の長さ方向縁97からクリーニングシートの長さ方向縁98までの距離に等しい幅を有する必要もないことを認識されたい。
【0099】
側区域96の幅は、一般的にクリーニングシート99そのものの幅によりほぼ決まる。また、かかるクリーニングシート99を、図1、4、5、及び6で前述した、床床モップ20などのクリーニング器具で使用する場合、側区域95の幅は、中央区域の長手方向縁97と、床モップ20のモップヘッド22の上にクリーニングシートが折り込まれる点の長手方向縁98との間の距離によるのが好ましい。この場合中央区域95の幅は、中央区域の長さ方向縁97と、モップヘッド22に取り付けるために、床モップ20のモップヘッド22の上にクリーニングシートが折り込まれる点の長手方向縁との間の、少なくともほぼその距離に等しいのが好ましい。典型的に側区域96の幅は、クリーニングシート99の全幅の約2.5〜46%、好ましくは約5.8〜35%、より好ましくは約11.6〜23.2%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全幅が8.625インチであり、クリーニングシートの中央に配置された中央区域95を有してその幅が約0.25〜4インチ、好ましくは約0.75〜3インチ、より好ましくは約1.5〜2インチであり、又2つの側区域96を有して各側区域96の幅が約0.25〜4インチ、好ましくは約0.5〜3インチ、より好ましくは約1〜2インチである。各側区域96の長さは典型的に、クリーニングシート99の全長の約27〜100%、好ましくは約54〜97.7%、より好ましくは約86〜95.4%に等しい。好ましい実施形態では、クリーニングシート99は全長が約11インチであり、各側区域96も長さが11インチである。
【0100】
本明細書に記載するクリーニングシートの側区域に適用するポリマー添加物のレベルは、典型的に約0.1〜5.0g/m2、好ましくは約0.5〜3.0g/m2、より好ましくは約1.0〜2.0g/m2である。
中央区域と1つ以上の側区域の両方を有するクリーニングシートは、典型的にポリマー添加物をコート濃度差通常約1〜90%で含有し、好ましくは約10〜60%、より好ましくは約25〜40%であり;ここでコート濃度差は以下の式に従って計算する:
(中央区域における添加物レベル(g/m2))/(側区域における添加物レベル(g/m2))×100%
別の実施形態では,クリーニングシートは、クリーニングシートの少なくとも1つの又は両方の表面に均一に配分したポリマー添加物を有してもよい。この好ましい実施形態では、前述した任意選択の粉体は、クリーニングシートの清掃表面からの大粒子物質の収集性能を維持しながら、クリーニングシートの粘つき感を減少して滑りを改良するために、前述のようにクリーニングシートの中央区域に適用することができる。この実施形態では、粉体は、クリーニングシートの中央区域に、約0.1〜5.0g/m2、好ましくは約0.5〜3.0g/m2、より好ましくは約1.0〜2.0g/m2のレベルで適用する。
【0101】
本添加物を含有する本発明のクリーニングシートは、家庭内表面に、特にセラミックタイル、ビニルタイル、リノリウム、硬質木材床などの台所及び/又は風呂場の床に使用したとき、消費者に受け入れられる粒子収集、膜状況及び/又は縞状況、並びに滑りを示す。
【0102】
本クリーニングシートで表面を清掃するとき、大小両方の粒子状物質を収集する性能を有することが重要である。小粒子物質を測定する試験方法をセクションV.Bにて後述し、大粒子物質を測定する試験方法をセクションV.Cにて後述する。好ましくは、本クリーニングシートは小粒子収集として、最初に表面に存在した小粒子物質少なくとも約35重量%、好ましくは少なくとも約45重量%、より好ましくは少なくとも約55重量%、更により好ましくは少なくとも約60重量%を示す。更に本クリーニングシートは大粒子収集として(大粒子物質汚れは砂である)、最初に表面に存在した大粒子物質の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約30重量%、より好ましくは少なくとも約40重量%、更により好ましくは少なくとも約50重量%を示す。本クリーニングシートは大粒子収集として(大粒子物質汚れはマルチである)、最初に表面に存在した大粒子物質重量の少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、更により好ましくは少なくとも約80%を示す。
【0103】
またクリーニングシートの初期滑り値及び使用中滑り値は、クリーニングシートが清掃表面を滑らかに滑るのを可能にするために最小でなければならない。初期滑り値及び/又は使用中滑り値が高すぎる場合、消費者はクリーニングシートを清掃表面で滑らかに前後に動かすのに困難な時間を過ごすであろう。好ましくは本クリーニングシートは、初期滑り値約3.5以下、好ましくは約2.0以下、より好ましくは約1.5以下、更により好ましくは約1.0以下を有する。好ましくは本クリーニングシートは、使用中滑り値約2.5以下、好ましくは約1.5以下、より好ましくは約1.0以下、更により好ましくは約0.5以下を有する。初期滑り値及び使用中滑り値は、本明細書のセクションV.Dにて後述する試験方法に従って判定する。
【0104】
V.試験方法
A.テクスチャーアナライザー方法
タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値などの粘着特性は、セクションIV.A.3に記述したように次の試験方法に従って測定する。テクスチャーアナライザーを使用して、本明細書に記した所与の添加物の粘着特性を測定する。テクスチャーアナライザーが、英国サリー ゴダルミング(Godalming,Surrey UK)のステイブルマイクロシステム社(Stable Micro Systems,Ltd.)から、商品名TA.XT2テクスチャーアナライザー(Texture Analyser)で購入できる。TA.XT2テクスチャーアナライザーは図27に示され次の機構を組み込んでいる:計器プローブ腕101;静止板102;アクリルプローブ103、これは1.5インチ径アクリルプローブが好ましい;プローブ取り付け具104;サンプル保持器105;滑りスタンド106;変位変換器107;コントロールユニット108;及びパーソナルコンピューター109。パーソナルコンピューター109(例えば、IBM PC)はTA.XT2テクスチャーアナライザーの一部であり、ウインドウズソフトウエア用テクスチャーエクスパート(Texture Expert)を実行する。ウインドウズソフトウエア用テクスチャーエクスパートは、セクションIV.A.3に記述したタック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力値比及び糸引き値を自動的に計算する。
【0105】
ポリマー添加剤のサンプルは、TA.XT2テクスチャーアナライザーを使用して以下の手順に従って分析する。サンプルを直径5cmのサンプル保持器の中に深さ1.5〜1.75cmに準備する。サンプルがホットメルトの場合、正規グラム数をサンプル保持器105へ入れ、溶解して冷やす。サンプルが溶液中に溶解されている場合、正規量を固形物%に基づいて計算し、サンプル保持器105へ加えて完全に乾燥する。TA.XT2テクスチャーアナライザーは、使用前に取扱説明書に従って校正する。使用するアクリルプローブ103(例えば、1.5インチ径ドーム型アクリルプローブ)を清掃して、テクスチャーアナライザーのプローブ取り付け具104に確実に取り付ける。TA.XT2テクスチャーアナライザーの設定を以下のレベルに調節する:
前速度:2mm/s
後速度:2mm/s
トリガー:5.0〜20.0グラム
試験時間:5秒
トリガーは、アクリルプローブによってサンプルにかけられる初期押し下げ圧である。サンプル保持器105は、アクリルプローブ103が下降してサンプルに接触し、機械によりスタート点まで再び上げられるまで所定の場所に固く保持する。試験結果のグラフがパーソナルコンピューター109によって作られ、結果をグラフから計算する。
【0106】
B.小粒子収集性能試験
クリーニングシートの表面からの粒子状物質収集性能は、次の試験方法に従って測定する。この試験方法は、次のステップを実行することにより行われる:
1.家庭内表面で典型的に見られる粒子状物質を模擬する汚れを準備する。この試験で使用する汚れは次のものよりなる:真空掃除機汚れ0.50g(すなわち真空掃除機バッグから集めたゴミ)、ふわふわ状の汚れ0.50g(細紛セルロースと真空掃除機汚れを50/50混合で構成)ペットの毛0.02g。
2.次に、ビニル床張り試験表面域(約1.5メートル×21メートル)を、20%イソプロパノール溶液で予洗浄して、ビニル床張り表面を磨いて乾かし、試験のために準備する。表面が乾いた後に、市販のSwiffer(登録商標)器具と清潔なSwiffer(登録商標)シートで表面を拭き、表面の静電荷を標準化する。
3.汚れ(上記)を計量し、次に予洗浄したビニル張り表面域を約1.5メートル×21メートルの試験表面内に、均一に分散する。
4.試験するクリーニングシートを計量し、次にSwiffer(登録商標)器具などの、モップハンドルとパッドを器具に取り付ける。次に、ビニル床張りの表面を以下のパターンで清掃する:床を前後Sパターンで掃く。床幅の最初の3分の2は、左手前側から出発して右2/3側で終るように清掃する。サイクルの中間でモップヘッドを旋回し、先導縁を前から後に変えなければならない(すなわち、反転ステップ)。先導/追従縁を切り替えた後、汚れがシートから落ちるかもしれない。これが生じた場合、モップを落ちた汚れの上に走らせる。次いで、引き続いてSパターンの前後に追従して床を掃く。一旦表面終点に達したら、モップを真っ直ぐ前に押して試験表面の右後隅へ至る。モップヘッドを左に向けて、ベースボードの後を横切って押し続け後の三分の一を清掃する。隅に到達したら、モップヘッドを左に向けて、床張りの長さを横切って押す。表面の終わりに到達したら、モップヘッドを右に向けて、汚れの山を床張りの中間へ運ぶ。この清掃パターンを以下に図示する:
【0107】
【表1】
【0108】
6.ステップ1と2を完了の後、モップヘッドを床から持ち上げて、直接汚れの山の上に注意深く置く。中程度圧力で汚れの山に押し下げて持ち上げる(すなわち、スタンプ)。
7.クリーニングシートを化学てんびんで再計量しシート重量を記録する。
8.次の式を使用してデータを計算し報告する:
シート収集%=(最終シート重量−初期シート重量)/(汚れ重量)×100
試験を3回繰り返して、結果を平均し、「小粒子収集」として報告する。
【0109】
C.大粒子収集性能試験
この試験は、様々な大きさの粒子汚れの収集を個別に測定することを含む。各汚れはプラスチック計量ボートに入れて化学てんびんを使用して計る。様々な大粒子汚れの使用が可能であるが、次の汚れの型と量を使用することができる:
(1)砂1.5g(例えば、「Quikrete」(登録商標)砂)、710μm〜1.19mmに篩い分け;
(2)マルチ1.0g(Ohio Mulch(登録商標)黒ゴールドマルチ)、トレーに広げてフュームフード(fume hood)内で一日、乾燥器で一日乾燥、710μm〜6.3mmに篩い分け;
(3)Froot Loops(登録商標)シリアル0.75g、砕いて2.0〜4.0mmに篩い分け;又は
(4)組合せ汚れ2.0g、砂0.5g、マルチ0.5g、シリアル0.5g、真空掃除機汚れ(すなわち、真空掃除機バッグから集めたゴミ)0.5gで構成。
【0110】
床準備
6フィート×3フィート区分のビニル床張り(例えば、アームストロングシグニア(Armstrong Signia)集積床張り)を、20%イソプロピルアルコール溶液と紙タオルで全表面を拭いて洗浄する。汚れを散布する前に、表面を乾かす。汚れを計量ボートから直接配分することにより、床張りの表面に亘って均一に広げる。適切な重量の1つの型の汚れだけを各試験に対して適用する(前述の組合せ汚れの場合を除く)。各汚れに対する性能を望む場合、個別の試験(複数)を行う。
【0111】
一般手順(ダイアグラム参照)
1.床の試験準備ができたら、試験するシートを自重計量済のガラスビーカーに入れて化学てんびんにのせて計量し、重量を記録する。シートを適切なモップヘッド(ハンドル付き)に取り付け、6フィート×3フィート床の3フィート端部に立ち、モップヘッドを左下隅に置いて開始する。
2.縁Aを先導縁として使って(ダイアグラム参照)モップヘッドを前方へ押し、床の縁に沿って反対端部に到達するまで掃く。
3.停止し、モップを反転することなく右へ約6インチ滑らせ、縁Bを先導縁として使って、モップが出発した床の3フィート端部まで真っ直ぐな線で引き戻す。
4.停止し、モップを右に6インチ滑らせ、床の反対側端部まで真っ直ぐな線で再び前方へ押す。このプロセスを床を横切って5パスできるまで繰り返す。モップは、試験を開始した点に対して床の右上隅で終わらなければならない。
5.モップと床の接触を保ったまま左上隅に立ち、モップを左へ90°回し、モップを左隅に向かって引いて床の周辺部を掃き、隅で回して、床の周辺を回る残りを前方へ押していく。
6.モップ操作の後、シートから落ちるよごれができるだけ少なくなるように、注意してモップを引き上げる。汚れを内側にして注意深くシートを折り、再び計量済ビーカーへ入れて同じ化学てんびんの上で計量する。
7.次の試験を行う前に、床に残った汚れをブラシ又は真空掃除機を使って清掃する。床を20%IPA溶液できれいに拭く。
8.正確な結果を得るために、試験する同じシート又はモップヘッドを使って3〜6回各試験を繰り返し、平均をとる。
【0112】
【表2】
【0113】
計算
大粒子収集は次の式を使って計算する:
シート収集%=(最終シート重量−初期シート重量)/(汚れ重量)×100
この試験方法の結果(3回繰り返しの平均)を、後掲の表2の「大粒子収集」という項目の欄に示す。
【0114】
D.滑り値
次の試験方法を使用して、クリーニングシートが清掃する表面を滑らかに容易に滑る性能を反映する、2つの数値的な等級を導く。初期滑り値と使用中滑り値を、この試験方法に従って測定する。
クリーニングシートの初期滑り値を以下のように測定する。クリーニングシートを、床モップなどのクリーニング器具のモップヘッドに確実に取り付ける。床モップを、20%イソプロピルアルコール溶液と紙タオルで全表面を拭いて洗浄したビニル床張り(例えば、アームストロングシグニア(Armstrong Signia)集積床張り)の、掃き作業を開始する区域に下ろす。掃き作業を開始し、床モップをビニル床張りの表面を横切って前方に押す。次に操作者は、床モップとクリーニングシートが床張り表面を横切る動きに対して抵抗する程度と、床モップを初期出発点から床張り表面を横切って動かすのに必要な作用力とを、数値的に評価する。
【0115】
クリーニングシートの使用中滑り値は以下のように測定する。掃き動作の間、床モップとクリーニングシートが床張りを横切って動くとき、モップの動きに対する抵抗、すなわち抗力があり得る。次に操作者は、モップが床張りの表面を亘って通過するときと、手順の間で掃き動作が始まるときと終わるとき(1つのパスの終わりと次のパスの始まりとして)の、その滑りに対する抵抗の程度を数値的に評価する。
操作者は、以下の等級スケールを滑り値の定量化に使用する。上述した2つの滑り評価のそれぞれについて、そのシート又はコーティングの型に対して与えられる等級がある。スケールは、0〜8の整数又はその中間で与える。以下は、評価に使用する指針である。
【0116】
【表3】
【0117】
以下は、本発明のクリーニングシートとポリマー添加物の非限定な実施例である。
【実施例】
【0118】
実施例IA
この実施例は、本発明の様々なポリマー添加物の粘着特性を示す。各ポリマー添加物の粘着特性は、セクションV.A.にて前述したテクスチャーアナライザー試験方法に従って、圧力(すなわちトリガー)5.0グラムで測定する。測定及び/又は報告する粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値が含まれ、次表1Aにて報告する。
【0119】
【表4】
【0120】
実施例IB
本例は、圧力(すなわちトリガー)を増加したときの感圧接着剤の粘着特性への影響を、フーラー社(H B.Fuller Company)からHL1500の商品名で販売されているものに対して示す。粘着特性は、セクションV.Aにて記述したテクスチャーアナライザー試験方法に従って、表1Bに示すように圧力(すなわちトリガー)を変えながら測定する。測定した粘着特性には、タック値、粘着仕事値、凝集力/粘着力比及び糸引き値が含まれ、表1Bにて報告する。
【0121】
【表5】
【0122】
実施例II
次の「実施例シートA」にて、ポリマー添加物を含有する、本発明の熱接着クリーニングシートを例証する。表2Aと2Bに、ポリマー添加物(表2Aと2Bに記載)を含有する例証クリーニングシートの、大粒子収集性能試験(セクションV.C.にて前述)及び滑り値試験方法(セクションV.D.にて前述)の結果を示し、クリーニングシートは図1、4、5及び6で示し説明した弾性パッドを有するモップヘッドを持つクリーニング器具に取り付ける。表2Aに示す結果の場合、ポリマー添加物を、まず溶液に溶解又は分散し、次に溶液又は分散液を実施例シートAにスプレーして、溶液を蒸発させる。表2Bに示す結果の場合、ポリマー添加物を、ホットメルトスプレーにより実施例シートAに適用する。
【0123】
実施例シートA
本実施例では、図24のダイアグラムに示すようなクリーニングシート製造工程を記述する。この工程の間、幅210mmと坪量30g/m2を有するポリプロピレンで作られた連続第一ウエブ310は、ダイアグラムに見るように、左から右へ連続的に供給される。それと同時に、それぞれが2〜30デニールのポリエステル連続長繊維315の2,000〜100,000本の束を含むトウ312が、ダイアグラムに見るように、左から右へ連続的に供給される。トウ312は、一組のエクスバンドロール311で開かれてすなわち単繊維化され、所望の幅を有する第二の連続ウエブを形成して、その後第一のウエブ310上に配置される。第一のウエブ310と第二のウエブ312は、加熱エンボス機313へ移送され、この装置にて加熱下で共に圧縮されて一体に熱融着され、これにより横方向に延びる熱融着線316が形成されて第三の連続複合ウエブ314となる。熱融着線316は、第三のウエブ上で長手方向に測定した距離dだけ互いに離れるように形成され、すなわち第三のウエブ314上で長手方向に間欠的に配置される。その後第二のウエブ312は、隣り合う熱融着線316の各対の間でこれに平行に延びる中間線に沿って、第一のカッター317により切断されて2つになり、これにより全体構造から外側に延びるブラシ状フィラメントの房を形成する。次に、第一のウエブ310は、第二のカッター318により切断されて、所望の長さになる。このようにして、個々のクリーニングシート1が、第三のウエブ314より得られる。このプロセスでは、個々のベーシックシート10が第一のウエブ310から得られ、ブラシ状フィラメントが第二のウエブ312から得られ、ブラシ状フィラメントの個々のフィラメント15が連続繊維315から得られ、固定部分16が熱融着線316により形成される。好ましくは、熱融着線316のそれぞれは幅2〜10mmを有し、隣接した融着線から20〜200mmの距離dで間隔を置く。ブラシ状フィラメント、すなわち第二のウエブ、すなわちトウ312には、これらのブラシ状フィラメントを形成する前の工程の適当な段階において、表2に記述する本発明のポリマー添加物をコーティングする。第二のカッター318により切断される第一のウエブ310のセクションにおいて、隣接する熱融着線316の各対の間の距離Dを距離dよりも長くして、クリーニングシート1をホルダー2に取り付けることを容易にする、比較的大きな周辺領域7を得ることができる。この場合、距離Dにより互いに間隔を置く2つの隣接熱融着線の間で決まるセクションは、必然的に比較的長いブラシ状フィラメントを形成するので、これらのブラシ状フィラメントは、残りのフィラメントに合う長さに切断しなければならない。図示の工程によれば、固定部分16から垂れる各フィラメント15の長さは距離dの1/2に相当する。必要ならば、隣接する熱融着線316の各対の間で決まる第一のウエブ310のセクションの上に供給される第二のウエブ312の長さは、距離dよりも長く寸法決めして、距離dの半分よりも長いフィラメント15を得るようにすることもできる。
このプロセスから得られるクリーニングシートを、図23に示す。
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明と共に使用するに適切な床モップの斜視図である。
【図2】クリーニングシートをモップヘッドの周りに取り付けて示す、本発明と共に使用するに適切な床モップの斜視図である。
【図3】明瞭化のためにユニバーサルジョイントの上部部分とハンドルの全部を省略した、図1の線3−3から見る床モップの側断面図である。
【図4】図3の床モップの弾性パッドの拡大側断面図である。
【図5】接触表面が接点である、本発明により作成した好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図6】接触表面が実質的に真直である、本発明により作成した別の好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図7】クリーニングシートをパッドに隣接して配置した、図5の弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図8】クリーニングシートをパッドに隣接して配置した、図6の弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図9】弾性パッドの底表面がピラミッド状表面構造を有する、本発明により作成した弾性パッドの側断面図である。
【図10】図9の弾性パッドの表面構造の拡大部分側断面図である。
【図11】曲率半径を示す、図5の好ましい弾性パッドの拡大部分側断面図である。
【図12】弾性パッドの底表面が段付き輪郭を有する、本発明により製作した図1の床モップ用の別の好ましい弾性パッドの側断面図である。
【図13】本発明により製作した弾性パッド、クリーニングシート及び段付き挿入部材の部分側断面図である。
【図14】クリーニングシートが弾性パッドの先導縁と追従縁において嵩高である、弾性パッドとクリーニングシートの部分側断面図である。
【図15】図1の床モップと共に使用するのに適切なカップリングの斜視図である。
【図16】図15のカップリングの線16−16に沿って見る側断面図である。
【図17】図16のカップリングを挿入し、モップヘッドがハンドルに関連して第一の向きにある、図1の床モップの斜視図である。
【図18】モップヘッドがハンドルに関連して第二の向きにある、図17の床モップの斜視図である。
【図19】本発明の熱接着したクリーニングシートの第一の実施形態を示す斜視図である。
【図20】図19の線III−IIIに沿って見る断面図である。
【図21】図19に示す実施形態とは異なる、クリーニングシートの第二の実施形態を示す斜視図である。
【図22】これも図19に示す実施形態とは異なる、クリーニングシートの第三の実施形態を示す斜視図である。
【図23】これも図19に示す実施形態とは異なるブラシ状フィラメントを有する、クリーニングシートの第四の実施形態を示す斜視ディジタル写真である。
【図24】図23に示すようなクリーニングシートを製造する工程を示すダイアグラムである。
【図25】本発明の水流交絡クリーニングシートの、高坪量連続領域と複数の低坪量不連続領域とを示す写真(12倍)である。
【図26】シートの坪量差の説明を容易にするための、図25に示した水流交絡クリーニングシートの平面図である。
【図27】本明細書のセクションV.A.に記したテクスチャーアナライザー試験方法にて使用する、テクスチャーアナライザーの略図である。
【図28】本明細書のセクションV.A.に記したテクスチャーアナライザー試験方法により作られた、力(g)と距離(mm)の関係のグラフである。
【図29】ポリマー添加物を含む中央区域と2つの側区域を有する、本発明のクリーニングシートの平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニングシートにおいて:
(a)基材;並びに
(b)ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘着性ポリマー、感圧接着剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー添加物
を含み、前記ポリマー添加物が、中央区域と2つの側区域とを含む区域の前記基材に0.1g/m2から10.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記側区域が前記中央区域のそれぞれの側に配置され、前記中央区域における前記ポリマー添加物のレベルが0.02g/m2から1.5g/m2までであり、前記側区域における前記ポリマー添加物のレベルが0.1g/m2から5.0g/m2までであり、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が1%〜90%であることを特徴とするクリーニングシート。
【請求項2】
前記ポリマー添加物が、前記基材に0.3g/m2から6.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が10%〜60%であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項3】
前記ポリマー添加物が、前記基材に0.5g/m2から4.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が25%〜40%であることを特徴とする請求項2に記載のクリーニングシート。
【請求項4】
前記ポリマー添加物が感圧接着剤であって、前記感圧接着剤が:
(a)接着剤ポリマー;
(b)粘着付与樹脂;
(c)可塑剤;
(d)希釈剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される構成成分
を含む請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項5】
クリーニングシートであって:
(a)基材;並びに
(b)前記基材に組み込まれ、以下:
(i)接着剤ポリマー;
(ii)粘着付与樹脂;
(iii)可塑剤;並びに
(iv)希釈剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、及びこれら混合物からなる群から選択される構成成分
を含む感圧接着剤
を含み、前記感圧接着剤が、130から1000までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項6】
前記感圧接着剤が、160から750までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項7】
前記感圧接着剤が、250から650までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項6に記載のクリーニングシート。
【請求項8】
前記感圧接着剤が:
(a)100から500までのタック値;
(b)0.2から20までの凝集力/粘着力比;
(c)2.5から12.0までの糸引き値;及び
(d)これらの組合せ
からなる群から選択される追加粘着特性を有する請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項9】
前記接着剤ポリマーが:
ポリスチレン端末ブロック、並びに、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び/又はポリエチレン−ブチレン中間ブロック、を含有するブロックコポリマー;ポリオレフィン;エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリイソブチレン;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム〔ポリシス−イソプレン〕;ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸、又はこれらの塩;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;並びにこれらの混合物
からなる群から選択される請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、ポリイソプレン、もしくはポリエチレンプロピレンである請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項11】
前記ポリアクリル酸が、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソ−オクチルアクリレート(octlyacrylate)である請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項12】
前記接着剤ポリマーが、架橋アクリレートである請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項13】
クリーニングシートであって:
(a)基材;及び
(b)粘着性ポリマー
を含み、前記粘着性ポリマーが、50から1000までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項14】
前記粘着性ポリマーが、75から250までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項15】
前記粘着性ポリマーが、100から150までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項14に記載のクリーニングシート。
【請求項16】
前記粘着性ポリマーが、−150℃から0℃までのTgを有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項17】
前記粘着性ポリマーが、1000から500,000までの分子量を有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項18】
前記粘着性ポリマーが:
(a)300から500までのタック値;
(b)0.2から20までの凝集力/粘着力比;
(c)0.4から12.0までの糸引き値;及び
(d)これらの組合せ
からなる群から選択される追加粘着特性を有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項19】
前記粘着性ポリマーが、ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項20】
前記粘着性ポリマーが、ポリイソブチレンポリマーである請求項19に記載のクリーニングシート。
【請求項1】
クリーニングシートにおいて:
(a)基材;並びに
(b)ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘着性ポリマー、感圧接着剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー添加物
を含み、前記ポリマー添加物が、中央区域と2つの側区域とを含む区域の前記基材に0.1g/m2から10.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記側区域が前記中央区域のそれぞれの側に配置され、前記中央区域における前記ポリマー添加物のレベルが0.02g/m2から1.5g/m2までであり、前記側区域における前記ポリマー添加物のレベルが0.1g/m2から5.0g/m2までであり、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が1%〜90%であることを特徴とするクリーニングシート。
【請求項2】
前記ポリマー添加物が、前記基材に0.3g/m2から6.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が10%〜60%であることを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項3】
前記ポリマー添加物が、前記基材に0.5g/m2から4.0g/m2までのレベルで組み込まれ、前記中央区域と前記側区域とのコート濃度差が25%〜40%であることを特徴とする請求項2に記載のクリーニングシート。
【請求項4】
前記ポリマー添加物が感圧接着剤であって、前記感圧接着剤が:
(a)接着剤ポリマー;
(b)粘着付与樹脂;
(c)可塑剤;
(d)希釈剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される構成成分
を含む請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項5】
クリーニングシートであって:
(a)基材;並びに
(b)前記基材に組み込まれ、以下:
(i)接着剤ポリマー;
(ii)粘着付与樹脂;
(iii)可塑剤;並びに
(iv)希釈剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、及びこれら混合物からなる群から選択される構成成分
を含む感圧接着剤
を含み、前記感圧接着剤が、130から1000までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項6】
前記感圧接着剤が、160から750までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項7】
前記感圧接着剤が、250から650までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項6に記載のクリーニングシート。
【請求項8】
前記感圧接着剤が:
(a)100から500までのタック値;
(b)0.2から20までの凝集力/粘着力比;
(c)2.5から12.0までの糸引き値;及び
(d)これらの組合せ
からなる群から選択される追加粘着特性を有する請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項9】
前記接着剤ポリマーが:
ポリスチレン端末ブロック、並びに、ポリイソプレン、ポリブタジエン、及び/又はポリエチレン−ブチレン中間ブロック、を含有するブロックコポリマー;ポリオレフィン;エチレン−ビニルアセテートコポリマー、ポリイソブチレン;ポリ(ビニルエチレン−コ−1,4−ブタジエン);天然ゴム〔ポリシス−イソプレン〕;ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸、又はこれらの塩;ポリジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン;ポリビニルアルコール;並びにこれらの混合物
からなる群から選択される請求項5に記載のクリーニングシート。
【請求項10】
前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン、非晶性ポリプロピレン、ポリイソプレン、もしくはポリエチレンプロピレンである請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項11】
前記ポリアクリル酸が、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソ−オクチルアクリレート(octlyacrylate)である請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項12】
前記接着剤ポリマーが、架橋アクリレートである請求項9に記載のクリーニングシート。
【請求項13】
クリーニングシートであって:
(a)基材;及び
(b)粘着性ポリマー
を含み、前記粘着性ポリマーが、50から1000までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項1に記載のクリーニングシート。
【請求項14】
前記粘着性ポリマーが、75から250までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項15】
前記粘着性ポリマーが、100から150までの粘着仕事値を有することを特徴とする請求項14に記載のクリーニングシート。
【請求項16】
前記粘着性ポリマーが、−150℃から0℃までのTgを有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項17】
前記粘着性ポリマーが、1000から500,000までの分子量を有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項18】
前記粘着性ポリマーが:
(a)300から500までのタック値;
(b)0.2から20までの凝集力/粘着力比;
(c)0.4から12.0までの糸引き値;及び
(d)これらの組合せ
からなる群から選択される追加粘着特性を有する請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項19】
前記粘着性ポリマーが、ポリイソブチレンポリマー、アルキルメタクリレートポリマー、ポリアルキルアクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項13に記載のクリーニングシート。
【請求項20】
前記粘着性ポリマーが、ポリイソブチレンポリマーである請求項19に記載のクリーニングシート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2007−160122(P2007−160122A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2828(P2007−2828)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【分割の表示】特願2001−561204(P2001−561204)の分割
【原出願日】平成13年2月23日(2001.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【分割の表示】特願2001−561204(P2001−561204)の分割
【原出願日】平成13年2月23日(2001.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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