説明

粘度制御された食品香味システム

【課題】本発明により、自立複合食品生成物の提供可能部分に提供可能食品アイテム部分を接触して、風味およびテキスチャーを付けた提供可能食品アイテム部分を形成し、および風味およびテキスチャーをつけた食品アイテムの組合せを加熱して、提供するための風味およびテキスチャーをつけた食品アイテムを調製する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ゼラチン、卵白、変性ワックスでんぷん、乳漿タンパク質濃縮物、変性ジャガイモでんぷん、ゲル状ガムおよびレニン酵素カゼインから必要に応じ選択されたゲル化剤および脱脂粉乳、バター、酵素変性チーズ、バーベキュー調味料混合物、チェダーチーズ、砂糖、牛乳タンパク濃縮物、酢、および部分水素添加大豆油から必要に応じて選択された、全体に均一に分散した香味料および/またはテキスチャー成分、複合体の残りの部分が基本的に水を有する複合食品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料品分野に関する発明である。特に本発明は消費可能食品の風味およびテキスチャーを増加するのに用いられ得るゲルベース生成物に関する。
【背景技術】
【0002】
可逆的な風味をつけたゲルは、食品産業においてはさまざまな特許出願が知られている。いくつかの関係のある特許公報(年代順ではない)は以下に述べられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2,561,333号明細書
【特許文献2】米国特許第4,016,278号明細書
【特許文献3】米国特許第4,427,704号明細書
【特許文献4】米国特許第4,676,976号明細書
【特許文献5】米国特許第5,567,454号明細書
【特許文献6】米国特許第5,681,602号明細書
【特許文献7】米国特許第5,690,990号明細書
【特許文献8】米国特許第5,858,426号明細書
【特許文献9】米国特許第6,322,841号明細書
【0004】
特許文献1は、大豆から生成した可逆的ゲルを公開している。大豆原料、例えば大豆フレークは処理されて油とアルコール溶解物を抽出する。アルコール溶解物は、大豆フレーク中の非ゲル化因子であると言われている。アルコール抽出されたタンパク性の残物は、その後水で抽出されて、水溶液中に懸濁したタンパク性物質を得る。不溶性繊維物質は続いて分離され、残留相は濃縮乾燥される。その残留物質は、アルコール付加に加えることにより可逆的ゲルを形成することができる。可逆的ゲルの提案された用途は、他の香味料と同様、ワイン、コニャック、その他である。およそ30℃もしくはそれ以下の温度で安定なゲルを形成する。そのゲルは、再加熱すれば液体になる。
【0005】
特許文献2は、乳化脂質(水を含む)および特有の中和カゼインのモッツァレラチーズのような代用物について記載している。形成されたゲルは、20°Fから130°Fの温度で繊維質コンシステンシーへと再溶融することができる。この特許は従って、可逆的ゲルがタンパク質乳化物、即ち特有の中和カゼインで形成できることが教示されている。しかしこの組成物は、かなり高い脂肪比率のものである。
【0006】
特許文献3は、アルギン酸塩やガムを含む多種のゲル化剤を基にした種々のゲルを記載している。特にこの特許の発明はグルコマンナンとカラギーナンの組合せを基にしている。
【0007】
特許文献4は、コンニャクマンナンとキサンタンガムで形成された可逆的ゲルに関する。もちろんその他のガムについても記載している。可逆的ガムは風味をつけることができ、溶融可能チーズの特性を含む幅広い特性を示し得る。
【0008】
特許文献5は、ナッツバター(ピーナッツバター)とスライスゼリー食品を開示する。ピーナッツバターはゼリーの層の間に含まれており、ゼリーは標準的なゲル化剤、例えばペクチン、ゼラチンおよび寒天でゲル化されているので、それは粘着性がなくなり、容易に指で取り扱うことができる。
【0009】
特許文献6は、ピザ生地に応用できる熱可逆性ゲル化した円盤型ピザソースを開示する。この円盤は常温またはそれ以下の温度で固体であるが、ピザが高い温度で熱せられると流動する。記載されているゲル化剤の範疇にはタンパク質が入り、これらのゼラチンが好ましいゲル化剤である。
【0010】
特許文献7は、ゲル化された香辛料含有混合物であって、混合物中でゲル化剤がカゼインだけでなく標準的なガムやゼラチンであり得るものが示されている。香辛料は組成物中にカプセル封入され、さまざまな食品生成物に風味を供給するために用いられる。
【0011】
特許文献8は、調味料を食品へ適用するための、または食品のためのソースとして提供するための溶解可能食品生成物について開示する。その生成物は食品が調理される際に起こる溶融時に、調味料を食品に適用するように作られている。その生成物はゲルのような粘度を持ち、水分、固定化剤、食品ベースや生成物中に組み込まれた調味料が含まれている。生成物の形成方法や使用方法についてもまた記載されている。
【0012】
特許文献9は、ガム、でんぷんおよび乳製品液を含むチーズのような乳製品ゲルであって、テキスチャー、コンステンシーおよびチーズのような口あたりを持つゲルに関する。特に乳製品ゲルの特定の例において、ゲルは本質的には脂肪分がなく、カテージチーズ、リコッタ、クリームチーズ、アメリカンチーズ、プロセスチーズ、パルメザンチーズ、ベーカーズチーズ、チェダーチーズ、およびフェターチーズから選択されたものである。
【0013】
それら開示のすべてに特徴づけられる特色のひとつは、各々のゲル化された生成物の用途に特徴的な性質である。消費可能食品の風味および/またはテキスチャーを高めるために、ゲルベース生成物への広範かつより柔軟なアプローチについて、いまだ満たされていない必要性が存在する。
【0014】
(発明の概要)
本発明は、全体に均一に分散した1またはそれ以上の香味料および/またはテキスチャー成分を持つ食用ゲルを含む自立複合生成物を供給する。本発明の生成物は実質上、常温で固体であり、昇温下に液状化またはテキスチャーにおいて別の状態に変化する。
【0015】
本発明の生成物のための有効な態様は、缶詰のゼリー状クランベリーソースと類似した大きさおよびコンステンシーを有する円筒型である。他の態様では、本発明の生成物はチーズスライスの形状とコンシステンシーを持ってもよい。両態様において、生成物の薄片は紙かプラスチックの層によって互いに分離され、取り扱いを促進してもよい。これらの生成物はこれらの分離層上に最初から形成されないか、または形成される必要はない。
【0016】
本発明の複合生成物は、固形分20−85重量%および水もしくは他の食用液体15−80重量%を含むことが望ましい。脂質は任意成分であるが、存在するときには通常は40重量%を超えない。ガムの含有量も任意であるが、存在するときにはおよそ1までの範囲が最良である。本発明の生成物を含むpHの最適条件は、pH3から7である。低いpHでの生成物は注意して使用すべきである。タンパク質含有量の範囲は3−12重量%が望ましく、でんぷん含有量は3−20重量%が望ましい。これらの範囲は本発明の絶対的な限定ではなくむしろ最適もしくは好ましいものである。
【0017】
本発明は、ゼラチン、卵白、卵白タンパク質、アルブミン、小麦タンパク質、乳漿タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、でんぷん、変性食物でんぷん、ゲル化ガム、ペクチン、アルギニン、コラーゲン、カラギーナン、寒天およびメチルセルロースおよび組合せてゲルを形成する成分の混合物から成る群から選択された少なくとも一種のゲル化剤0.3−20%(重量/重量)、および
加水分解タンパク質、香辛料、調味料、酢、抽出物、フルーツジュース、野菜ジュース、砂糖、食塩、果汁濃縮物、ココア、ココアバター、チョコレートリカー、チーズ、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム、バター、燻製、麦芽、グルタミン酸モノナトリウム、酵素変性チーズ、乳製品濃縮物、天然香味料、人工香味料および高濃度性甘味料から成る群から選択された少なくとも一種の香味料成分および/またはでんぷん、変性食物でんぷん、クラスタマメガム、イナゴマメガム、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、麦芽デキストリン、セルロースガム、トウモロコシシロップ固形物、乳漿タンパク質、牛乳タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、プラズマタンパク質、脂肪類、油類、デキストリン類、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、レクチンおよび砂糖から成る群から選択された少なくとも一種のテキスチャー成分0.1−60%(重量/重量)を含有することを特徴とする自立複合食品生成物を提供する。香味料および/またはテキスチャー剤が食塩や砂糖のような基本成分であるとき、付加的な香味料成分および/またはテキスチャー成分を、本発明の組成物に配合してもよい。
【0018】
本発明の複合食品はさらに大豆、牛乳、ココナッツ、綿実、トウモロコシ、ひまわり、キャノーラ、ヤシ、ピーナッツ、タロー、ラード、およびバターから成る群から選択された少なくとも一種の脂肪および/または油5−40%(重量/重量)を含んでもよい。この成分が存在する時、部分水素付加大豆油は10−30%(重量/重量)が最も望ましい。
【0019】
本発明は、提供するための香味料および/または制御されたテキスチャー食品の調製方法についても提供する。本発明の方法は、任意に調理された食品の提供可能部分を提供する段階、請求項1記載の自立複合食品生成物の提供可能部分を提供する段階、および上記の提供可能な自立可能食品生成物部分と提供可能食品部分とを接触して風味をつけたおよび/またはテキスチャーをつけた食品化合物を形成する段階を含む。その方法はさらに、風味およびテキスチャーをつけた食品の組合せを加熱して提供するための風味およびテキスチャーをつけた食品を得る段階を含んでいる。
【0020】
(発明の詳細な説明)
本明細書中において生成物に用いられる用語「自立」は、外部からの支持手段を必要としない生成物を意味する。これにより、本発明の生成物と、食用でない表面または物質上に形成されるということが教示されている米国特許第5,681,602号明細書に記載のピザソース円盤とを区別する。用語「全体に均一に分散した」とは、生成物サンプルのある部分から取ったサンプルが、他の同じサンプルの他の部分から取ったサンプルとほぼ同じ組成を有するであろうことを意味する。従って本発明は、米国特許第5,858,426号明細書に示されている、シート状の溶解性生成物およびラップとも異なっている。その生成物中では、半固体状混合物上に振りかけられているので、上表面近傍に存在する。一方、本発明では、香味料および/またはテキスチャー剤は、実質上生成物全体に均一に分散されている。用語「機能的量」とは、結果を得るのに十分な量、(例えば本生成物の消費者として認識できる風味やテキスチャー)を意味する。ある場合には、一つの成分が、二つまたはそれ以上の風味および/またはテキスチャー上および/またはゲル上で認識できる影響を持ちうるということを注目すべきである。
【0021】
(ゲル化)
本発明の生成物は、常温で生成物の一部もしくはすべてのゲル化を引き起こし、かつ本発明の生成物でトッピングされた食品が熱された時に、ゲル構造の溶解を可能にする食用の熱可逆的ゲル化剤を含むことができる。本発明の生成物中で使用されるゲル化剤は、生成物中で熱可逆的ゲル構造を形成することができる種々の適当な物質、例えばタンパク質、ガム、多砂糖、でんぷん類等のいずれかから選択され得る。
【0022】
しかしながら本発明の他の態様では、熱可逆的ゲルは要求されていない。例えば、本発明の生成物がチーズバーガーと類似の生成物の調整のためのチーズのような調味料として使用される場合に、バーガーの準備段階、および供給段階での温度で溶解する、より軟化する生成物を供給するように、ゲル化剤および他の成分を選択する。同様に、発明の生成物が揚げたモッツァレラチーズスティックと類似するときには、生成物は溶けるよりもむしろ軟化する。従って、本生成物において、一般的に常温以上に熱することはテキスチャーの制御された変化をもたらす。
【0023】
(ゲル化剤)
本明細書中において、用語「ゲル化剤」は本明細書中に記載された固体または半固体状マトリックスを形成する成分を意味する。ゲル化剤は水と相互作用する単独成分であってよく、複数の成分から構成されてもよいが、それら自体水とゲルを形成する必要は必ずしもないが、組合せ使用した時にゲル化するものであってよい。本明細書中のゲル化剤のレベルは、少なくとも部分的に水和した、および部分的に官能性であってもよいと理解する。
【0024】
本発明の生成物は一般的に水15−80重量%および少なくとも一種の機能的ゲル化剤0.3−20重量%を含む。ゲル化剤は一般的に生成物のほかの成分中に容易に分散して、実質的に均一な混合物を形成する。生成物がゲル化する時、ゲル化剤は、得られる化合生成物中に所望のコンシステンシーおよび形成強度を提供する筈である。
【0025】
(成分)
本発明の複合物中で使用される脂肪の種類は、存在するけれども、特に限定的ではない。脂肪の溶融温度は複合生成物へのゲル化剤の混合によっては特に重大な問題ではない。最適の脂肪の融点は、90−115°Fの範囲である。同様に、この脂肪の風味は本発明の生成物の風味レベルにおいては重大ではない。本発明の使用に適した典型的な食用油脂は、大豆、牛乳、ココナッツ、綿実、トウモロコシ、ひまわり、キャノーラおよびヤシから誘導されるものを包含する。
【0026】
ゲル化型タンパク質、例えばゼラチン、コラーゲン、プラズマタンパク質、加水分解食肉タンパク質、卵タンパク、エンドウタンパク質、小麦タンパク質および乳漿タンパク質は、本発明の化合物を生成するために使用することができる。ゲル化しないタンパク質、例えば大豆、牛乳、および米タンパク質もまた、ここで使用されることができる。
【0027】
ゲル化型でんぷん、例えば高アミロースでんぷんおよび変性でんぷん(例えば:変性ワックスでんぷんおよび変性ジャガイモでんぷん)は、同様に本発明の複合生成物を形成するために使用されることができる。ゲル化剤でないでんぷんもまた、系の粘度システムに寄与することができる。でんぷんによる粘度の寄与は、でんぷんの型や使用されるときの濃度や生成過程の状態の濃度に依存する。高粘度でんぷんは、香辛料や微粒子の流動化や沈殿を防ぐことができる。この型の有用なでんぷんは、ジャガイモ、タピオカ、変性タピオカ、トウモロコシ、変性デントでんぷんを含む。
【0028】
でんぷんとタンパク質の組合せは、本発明のゲル化剤として重要であり得る。タンパク質、例えば、小麦、卵、米、エンドウ、および食肉タンパク質と変性デント、変性ジャガイモ、小麦、または米でんぷんと組合せて用いることは、ゲル化剤として極めて有用である。
【0029】
ゲル化剤であるガムもまた、使用することができる。例えば寒天を主たるゲル化剤として使用してもよい。ゲル化剤でないガムは、粘度システム全体に寄与することができる。媒体に高熱粘度を付与するガム、例えばキサンタン、クラスタマメ、およびイナゴマメガムやそれらの混合物は、懸濁香味料および/またはテキスチャー剤の安定性を維持するのに重要である。
【0030】
従って、適当なゲル化剤の具体例は、ゼラチン、でんぷん(例えば、変性食物でんぷん)、アルギン酸食塩エステル、ペクチン、コラーゲン、カラギーナン、寒天、メチルセルロース、およびガムの組合せ、(例えばキサンタンやイナゴマメガム)を包含する。適当なタンパク質は、プラズマタンパク質、加水分解食肉タンパク質、卵タンパク質、エンドウタンパク質、小麦タンパク質、および乳漿タンパク質濃縮物を包含する。最後に、上述のように、ゲル化剤の組合せもまた用いられる。本発明に使用されることができる良いゲル化剤の具体例は:ゼラチン、変性ワックスでんぷんおよびレンネットカゼインである。
【0031】
本発明で使用されることができる香味料成分の具体例は:脱脂粉乳、バター、酵素変性チーズ、食塩、ガーリックパウダー、酢、人工甘味料カリウム、砂糖、乳酸、バーベキュー調味料混合物、チェダーチーズ、自己分解イースト抽出物およびスターター蒸留物である。単純香味料、例えば食塩および/または砂糖を用いる時には、それらは一般的に付加的な香味料剤との組合せで使用される。
【0032】
本発明中で使用されることができるテキスチャー成分の具体例は:牛乳タンパク濃縮物、脱脂粉乳、クラスタマメガム、キサンタンガム、モノ-およびジ-グリセリン、タピオカデキストリン、ナトリウムカゼイン、バター、砂糖、チェダーチーズおよび部分水素添加大豆油である。
【0033】
(具体的化合物)
本発明の具体的化合物は以下成分を含み得る。
【表1】

【0034】
しかしながら、ここに示したシステムの有用性のひとつは、一種もしくはそれ以上の全体的に均一に分散した香味料成分および/またはテキスチャー成分を所有する食用に適したゲルを含む複合物を広範に形成するために、組成上の成分の性質および量を大きく変更し得ることであると、当業者は認識するであろう。
【0035】
(複合物の製造)
典型的な生成プロセスでは、ゲル化剤を他の成分と適当な量で混合し、混合物をゲル化剤の融点にまで加熱して活性化する。成分の付加順序は、配合中に含まれ得るでんぷん、タンパク質およびガムの機能的な量を水和反応するようあらかじめ計画しておくべきである。
【0036】
本発明の生成物は、すべての成分と組合せるため、およびエマルジョンの安定化のために攪拌を必要とする。これは低ホット粘度を持つ生成物にとって特に重要である。広範囲にわたる通常の攪拌装置を使用することができる。すべてのタイプの配合に最も適した処理は、LIKWIFIER製のバッチ処理攪拌機のような高剪断混合装置により与えられる。処理温度で低〜中程度の粘度を持つ配合はコロイド粉砕機を連続的またはバッチ操作で使用して加工する。バルブホモジナイザー(所望のエマルジョンに達するのに十分な圧力を持つ)は希薄配合に使用され得る。香辛料または他の微粒子を持つ生成物の剪断量や攪拌量は高剪断力でそれらの成分を劣化する可能性があるため、注意して制御すべきである。
【0037】
処理温度は、複合配合物中のでんぷんおよび/またはタンパク質の官能量を水和するのに十分高くしなければならない。低音滅菌温度は微生物による影響を受けやすい生成物の処理に必要な最低限の処理温度であるべきである。加熱装置のタイプはこのシステムにとっては特に限定的ではない。しかしながら、より低湿度システムは湿度の付加がそれらの生成物において限界があるので、直接蒸気加熱を用いて処理することができない。低湿度生成物は、生成物が燃焼の影響を受けやすい場合を除き、間接加熱が最適である。処理中の冷却は、成分の層状化を防ぐのに用いられることができる。
【0038】
加熱された混合物は、適当な温度に冷却して三次元生成物の形成を行う。この自立ゲル生成物は他のゲル類やInstron model 4201のような装置を使用して測定したゲル類と比較して、中程度の硬度、低〜中程度の脆性および中〜高弾性を持つことが好ましい。ゲルの硬度は、圧縮中にゲルの破壊を引き起こすために必要な力を測定することにより測定する。脆性はゲルを圧縮に破壊するまでの量の測定である。弾性は、ゲルが圧縮された後に戻る量の測定である。いったん望ましいゲル構造が達成されると、複合性生物を生成物の保存期間を延長するために袋詰めしたり、缶詰にしたり、冷凍したりする。
【0039】
(化合物の使用)
本発明の別の面は、提供のための風味をつけた食品および/またはテキスチャーをつけた食品の調製方法を包含する。本発明の方法は:(a)任意に調理された食品の提供可能部分の供給段階、(b)提供可能部分、例えば、上記の自立可能食品生成物の円板またはキューブを食品から除去する段階、(c)提供可能食品部分を提供可能食品アイテム部分と接触して、通常は食品アイテムの上部に生成物を配置した風味および/またはテキスチャーをつけた食品組合せを形成する段階、および(d)例えば電子レンジ中で、前記風味および/またはテキスチャーを付けた食品アイテム組合せ体を加熱してサービス用の食品アイテムを形成する段階、を含む。発明方法は公開されている米国特許第5,858,426号明細書に記載の、(丸ごと)鶏肉のような食品に香味料を付与するための溶融性食品生成物とは大きく異なっている。
【0040】
段階(a)の食品部分が調理するのに十分な熱を保持する場合には段階(d)は必ずしも必要ではない。調理された食品からの熱が、本発明の自立食品のテキスチャーを変性するのに必要なエネルギーを供給することができる。段階(b)の代わりに、本発明の自立可能食品生成物の提供可能部分は、円盤状もしくはキューブ状に最初から形成してもよい。上記 「キューブ」の用語は本明細書中では、方形切断操作の三次元生成物という意味で使用されている。正確に長さ、幅、高さが等しい物体を示すという意味ではない。
【実施例】
【0041】
以下の非限定的な例は本発明のさまざまな面を説明する目的だけに示される。

(実施例1:バターガーリック)
【表2】


(実施例2:バーベキュー)
【表3】


(実施例3:角切りチェダーチーズ)
【表4】

【0042】
本発明は特定の態様を用いて詳細に記載されている。しかしながら、多くの改良や変更が本発明の精神および範囲内においてなし得ると、当業者は理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温で実質上固体である食用ゲルから成る自立複合食品生成物であって、該生成物が全体に均一に分散された少なくとも一種の香味料成分および/またはテキスチャー成分を含有し、該生成物が:
ゼラチン、卵白、卵白タンパク質、アルブミン、小麦タンパク質、乳漿タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、でんぷん、変性食物でんぷん、ゲル化ガム、ペクチン、アルギニン、コラーゲン、カラギーナン、寒天およびメチルセルロースおよび組合せてゲルを形成する成分の混合物から成る群から選択された少なくとも一種のゲル化剤0.3−20%(重量/重量)、および
加水分解タンパク質、香辛料、調味料、酢、抽出物、フルーツジュース、野菜ジュース、果汁濃縮物、ココア、ココアバター、チョコレートリカー、チーズ、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム、バター、燻製、麦芽、グルタミン酸モノナトリウム、酵素変性チーズ、乳製品濃縮物、天然香味料、人工香味料および高濃度性甘味料から成る群から選択された少なくとも一種の香味料成分および/またはでんぷん、変性食物でんぷん、クラスタマメガム、イナゴマメガム、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、麦芽デキストリン、セルロースガム、トウモロコシシロップ固形物、乳漿タンパク質、牛乳タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、プラズマタンパク質、脂肪類、油類、デキストリン類、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、およびレクチンから成る群から選択された少なくとも一種のテキスチャー成分0.1−60%(重量/重量)を含有することを特徴とする自立複合食品生成物。
【請求項2】
三次元形態を有する、請求項1記載の複合食品生成物。
【請求項3】
円柱、円盤、薄片、キューブまたは細い断片状を有する、請求項2記載の複合食品生成物。
【請求項4】
さらに大豆、牛乳、ココナッツ、綿実、トウモロコシ、ひまわり、キャノーラ、ヤシ、ピーナッツ、獣脂、ラードおよびバターから成る群から選択された少なくとも一種の油成分および/または脂肪成分5−40%(重量/重量)を含む請求項1記載の複合食品生成物。
【請求項5】
前記のゲル化剤、香味料および/またはテキスチャー成分および油および/または脂肪成分、および水15−80%(重量/重量)を含有する固形分20−85%(重量/重量)を含み、pH3−8を有する請求項4記載の複合食品生成物。
【請求項6】
部分水素添加大豆油10−30%(重量/重量)を含有する請求項5記載の複合食品生成物。
【請求項7】
常温で実質上固体である食用ゲルから成る自立複合食品生成物であって、該生成物が全体に均一に分散された少なくとも一種の香味料成分および/またはテキスチャー成分を含有し、該生成物が:
ゼラチン、卵白、卵白タンパク質、アルブミン、小麦タンパク質、乳漿タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、単独もしくは組合せから成る群から選択された少なくとも一種のゲル化剤0.3−20%(重量/重量)、および
加水分解タンパク質、香辛料、調味料、酢、抽出物、フルーツジュース、野菜ジュース、果汁濃縮物、ココア、ココアバター、チョコレートリカー、チーズ、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム、バター、燻製、麦芽、グルタミン酸モノナトリウム、酵素変性チーズ、乳製品濃縮物、天然香味料、人工香味料および高濃度性甘味料から成る群から選択された少なくとも一種の香味料および/またはでんぷん、変性食物でんぷん、クラスタマメガム、イナゴマメガム、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、麦芽デキストリン、セルロースガム、トウモロコシシロップ固形物、乳漿タンパク質、牛乳タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、プラズマタンパク質、脂肪類、油類、デキストリン類、モノ-グリセリド、ジ-グリセリドおよびレクチンから成る群から選択された少なくとも一種のテキスチャー成分0.1−60%(重量/重量)を含有することを特徴とする自立複合食品生成物。
【請求項8】
前記ゲル化剤3−12%(重量/重量)を含有する請求項7記載の複合食品生成物。
【請求項9】
常温で実質上固体である食用ゲルから成る自立複合食品生成物であって、該生成物が全体に均一に分散された少なくとも一種の香味料成分および/またはテキスチャー成分を含有し、該生成物が:
でんぷん、変性食物でんぷん、ゲル化ガム、ペクチン、アルギン酸エステル、コラーゲン、カラギーナン、寒天、およびメチルセルロース、単独または組合せから成る群から選択された少なくとも一種のゲル化剤0.3−20%(重量/重量)、および
加水分解タンパク質、香辛料、香味料、酢、抽出物、フルーツジュース、野菜ジュース、果汁濃縮物、ココア、ココアバター、チョコレートリカー、チーズ、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム、バター、燻製、麦芽、グルタミン酸モノナトリウム、酵素変性チーズ、乳製品濃縮物、天然香味料、人工香味料、高濃度性甘味料から成る群から選択された少なくとも一種の香味料および/またはでんぷん、変性食物でんぷん、クラスタマメガム、イナゴマメガム、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、麦芽デキストリン、セルロースガム、トウモロコシシロップ固形物、乳漿タンパク質、牛乳タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、プラズマタンパク質、脂肪類、油類、デキストリン類、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、およびレクチンから成る群から選択された少なくとも一種のテキスチャー成分0.1−60%(重量/重量)を含有することを特徴とする自立複合食品生成物。
【請求項10】
前記のゲル化剤3−20%(重量/重量)を含有する請求項9記載の複合食品生成物。
【請求項11】
常温で実質上固体である食用ゲルから成る自立複合食品生成物であって、該生成物が全体に均一に分散された少なくとも一種の香味料成分および/またはテキスチャー成分を含有し、該生成物が:
イナゴマメガムおよびカラギーナンの組合せ単独もしくは第二ゲル化剤との組合せである少なくとも一種のゲル化剤0.3−20%(重量/重量)、および
加水分解タンパク質、香辛料、調味料、酢、抽出物、フルーツジュース、野菜ジュース、果汁濃縮物、ココア、ココアバター、チョコレートリカー、チーズ、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム、バター、燻製、麦芽、グルタミン酸モノナトリウム、酵素変性チーズ、乳製品濃縮物、天然香味料、人工香味料、高濃度性甘味料から成る群から選択された少なくとも一種の香味料および/またはでんぷん、変性食物でんぷん、クラスタマメガム、イナゴマメガム、キサンタンガム、カラギーナン、アラビアガム、麦芽デキストリン、セルロースガム、トウモロコシシロップ固形物、乳漿タンパク質、牛乳タンパク質、カゼイン、大豆タンパク質、小麦タンパク質、食肉タンパク質、プラズマタンパク質、脂肪類、油類、デキストリン類、モノ-グリセリド、ジ-グリセリド、およびレクチンから成る群から選択された少なくとも一種のテキスチャー成分0.1−60%(重量/重量)を含有することを特徴とする自立複合食品生成物。
【請求項12】
水25−75%を含み、pH3−6を有する請求項12記載の複合食品生成物。
【請求項13】
水40−75%を含み、pH3−5を有する請求項12記載の複合食品生成物。
【請求項14】
水25−75%を含み、pH5−8を有する請求項12記載の複合食品生成物。
【請求項15】
水40−75%を含み、pH5.5−7.5を有する請求項12記載の複合食品生成物。
【請求項16】
任意に調理された食品の提供可能部分を提供する段階、請求項1記載の自立複合食品生成物の提供可能部分を提供する段階、および上記の提供可能な自立可能食品生成物部分と提供可能食品部分とを接触して風味をつけたおよび/またはテキスチャーをつけた食品化合物を形成する段階を含む提供するための風味および/または調整されたテキスチャーの食品を調製する方法。
【請求項17】
さらに前記風味およびテキスチャーをつけた食品の組合せを加熱して提供するための風味およびテキスチャーをつけた食品を得る段階を含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
自立できる食品生成物の提供可能部分が非提供可能な自立食品生成物からまたは非食用自立物質とから分離された円盤状もしくはキューブ状である請求項16記載の方法。

【公開番号】特開2010−273688(P2010−273688A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−176972(P2010−176972)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2003−520308(P2003−520308)の分割
【原出願日】平成14年8月13日(2002.8.13)
【出願人】(500386909)ケリー・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】