説明

粘性材料吸引装置

【課題】容易かつ確実に粘性材料への空気の混入を抑制することができる粘性材料吸引装置を提供すること。
【解決手段】貫通孔21を有する吸引部材2と、貫通孔21に連結した吸引パイプ11を介して粘性材料Sを吸引するポンプ3とを有する粘性材料吸引装置1。ポンプ3は、粘性材料Sを掻き揚げる掻揚部4と、掻揚部4を上下駆動するポンプ駆動部5とを有する。ポンプ駆動部5のピストン52は、シリンダ51の上方空間511に駆動用気体を導入することにより下降し、下方空間512に駆動用気体を導入することにより上昇する。駆動用気体の供給源60とシリンダ51との間に設けた切替弁61は、下降側切替用気体と上昇側切替用気体とを、下降用パイロットバルブ62と上昇用パイロットバルブと63を介して導入する。上昇側切替用気体の切替弁61への供給経路には上昇側切替用気体の供給を遮断する供給遮断バルブ64が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に収容された粘性材料を吸引する粘性材料吸引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の製造ライン等においては、各種シーラやグリス等のペースト状で粘性を有する粘性材料を自動車ボデーのフランジ部や窓枠部あるいは窓ガラス等のワークに塗布する工程がある。そのため、そのラインサイドには、粘性材料を収容した容器から粘性材料を吸引して吐出ノズルへ送るための粘性材料吸引装置が設置されている。そして、粘性材料吸引装置のポンプを、必要に応じて作業者が操作し、或いは自動制御して、ノズルから粘性材料を吐出してワークに塗布する。
【0003】
このような粘性材料吸引装置として、粘性材料が収容された容器の内壁に気密的に接触する外形を有すると共に上下に貫通する貫通孔を有する吸引部材と、該吸引部材の上記貫通孔に連結した吸引パイプを介して粘性材料を吸引するポンプとを有するものがある(特許文献1)。
【0004】
この粘性材料吸引装置は、吸引部材を容器内に挿入し、その下面を収容されている粘性材料の上面に当接させるとともに、吸引部材と粘性材料との間の空気を抜きながら圧入して、ポンプにより粘性材料を吸引するものである。この吸引により容器内の粘性材料の上面が徐々に降下するが、吸引部材もそれに追従しながら吸引を続ける。
【0005】
そして、一つの容器における粘性材料の吸引が終了した後、吸引部材を容器から引き出して、粘性材料が充満された別の容器と取り替えて、これに吸引部材を挿入して、上記と同様に粘性材料を吸引する。
【0006】
【特許文献1】特開2005−52795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のごとく、容器を取り替えて、吸引部材を新たな容器に挿入する際に、吸引部材の内部に空気が取り込まれてしまうことがある。空気が残された状態で粘性材料をワークに塗布すると、ノズルから粘性材料が途切れながら吐出されることとなり、塗布不良を招くおそれがある。
【0008】
そこで、容器を取り替えた直後においては、空気が混入した可能性のある分だけ、粘性材料を廃棄していた。
ところが、混入する空気の量が多いと、廃棄しなければならない粘性材料の量も多くなり、生産コストが高くなり、また、エア抜き時間を長く要するために生産効率も低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、容易かつ確実に粘性材料への空気の混入を抑制することができる粘性材料吸引装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、粘性材料が収容された容器の内壁に気密的に接触する外形を有すると共に上下に貫通する貫通孔を有する吸引部材と、該吸引部材の上記貫通孔に連結した吸引パイプを介して粘性材料を吸引するポンプとを有する粘性材料吸引装置であって、
上記ポンプは、上記吸引パイプ内を上下動することにより上記粘性材料を掻き揚げる掻揚部と、該掻揚部を上下駆動するポンプ駆動部とを有し、
該ポンプ駆動部は、シリンダと該シリンダの内壁に気密的に接触する外形を有すると共にロッドを介して上記掻揚部と連結されたピストンとを有し、
該ピストンは、上記シリンダ内における上記ピストンの上側の上方空間に高圧の駆動用気体を導入することにより下降し、上記ピストンの下側の下方空間に上記駆動用気体を導入することにより上昇するよう構成されており、
上記駆動用気体の供給源と上記シリンダとの間には、上記駆動用気体の導入先を上記上方空間と上記下方空間との間で切り替える切替弁を設けてあり、
該切替弁は、上記駆動用気体を上記上方空間へ導く側へ切り替えるための高圧の下降側切替用気体と、上記駆動用気体を上記下方空間へ導く側へ切り替えるための高圧の上昇側切替用気体とを、それぞれ上記ピストンの位置に応じて開閉する下降用パイロットバルブと上昇用パイロットバルブとを介して導入するよう構成されており、
上記上昇側切替用気体の上記切替弁への供給経路には、上記上昇側切替用気体の供給を遮断するための供給遮断バルブが設けてあることを特徴とする粘性材料吸引装置にある(請求項1)。
【0011】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記粘性材料吸引装置においては、上記上昇側切替用気体の上記切替弁への供給経路に、上記供給遮断バルブが設けてある。そのため、上記ポンプを停止させる際には、まず供給遮断バルブを閉じることにより、ポンプ駆動部のピストンを確実に下死点において停止させることができ、掻揚部を確実に下死点において停止させることができる。
【0012】
すなわち、上記供給遮断バルブを閉じることにより、上昇用パイロットバルブが開放された状態における切替弁への上昇側切替用気体の供給圧力が低下する。一方、下降用パイロットバルブが開放された状態における切替弁への下降側切替用気体の供給圧力は低下しない。そのため、切替弁が、駆動用気体を下方空間へ導く側(以下、適宜「上昇側」という。)から上方空間へ導く側(以下、適宜「下降側」という。)へ切り替わることができても、その逆、すなわち駆動用気体を上方空間へ導く側(下降側)から下方空間へ導く側(上昇側)へ切り替わることができなくなる。その結果、確実にピストンが下死点で停止する。
【0013】
ピストンを確実に下死点で停止させることができることにより、掻揚部を下死点で停止させることができる。この状態において、容器から吸引部材を抜き出したとき、吸引パイプ及び吸引部材の内部に残る粘性材料は、掻揚部の部分まで存在することとなるため、最も低い位置まで粘性材料が残った状態となる。
【0014】
それ故、粘性材料が充満された新たな容器に上記吸引部材を挿入する際に、吸引パイプ及び吸引部材に空気が介入することを防ぐことができ、或いは介入する空気の量を確実に抑制することができる。
その結果、新たな容器から粘性材料を吸引し始める際に、粘性材料中に混入した空気を抜くために粘性材料を廃棄する必要がなくなり、或いは、その廃棄する粘性材料の量を低減することができる。
そのため、粘性材料の塗布工程等において生産コストを低減し、また、エア抜き工程を不要とし、或いはエア抜き時間を短縮することができるために生産効率も向上する。
【0015】
以上のごとく、本発明によれば、容易かつ確実に粘性材料への空気の混入を抑制することができる粘性材料吸引装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明(請求項1)において、上記上昇用パイロットバルブは、例えば、上記ピストンが下死点に達したときに閉塞状態から開放状態へ切り替わるよう構成され、上記下降用パイロットバルブは、例えば、上記ピストンが上死点に達したときに開放状態から閉塞状態へ切り替わるよう構成されている。
【0017】
また、上記粘性材料としては、例えば、各種シーラやグリス等のペースト状で粘性を有するものとすることができる。
また、駆動用気体、下降側切替用気体、上昇側切替用気体としては、それぞれ、例えば、高圧空気を用いることができる。また、空気に限らず、窒素等他の気体を用いることもできる。
【0018】
また、上記吸引部材は、該吸引部材と上記容器内の粘性材料との間の空間に存在する空気を外部へ抜くための空気抜き口を設けてなり、該空気抜き口における上記吸引部材側の内側開口部は、上下動する上記掻揚部の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に配置していることが好ましい(請求項2)。
【0019】
この場合には、粘性材料が充満された新たな容器に上記吸引部材を挿入する際に、吸引部材の内側の空気を上記空気抜き口から充分に抜くことができる。すなわち、交換前の容器から吸引部材を抜き取ったとき、上記のごとく、上記掻揚部は下死点に位置しているため、吸引パイプ内において、粘性材料は掻揚部の下死点の位置まで充填されている。そのため、この掻揚部の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に空気抜き口の内側開口部を設けておくことにより、交換前から吸引部材に充填されていた粘性材料と、新たな容器から吸引される粘性材料との間に介在する空気を空気抜き口から充分に排出することができる。その結果、吸引部材内に空気が混入することを充分に防ぐことができる。
【0020】
また、上記空気抜き口の上記内側開口部は、その上端を、下死点の位置にある上記掻揚部の上面と同等もしくはそれよりも上方位置に配置していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、より確実に、吸引部材内の空気を抜くことができる。すなわち、上記掻揚部の上面と同等もしくはそれよりも上方位置に上記空気抜き口の内側開口部の上端を配置することにより、掻揚部の側面部分に空気が介在していたとしても、その空気を空気抜き口から抜くことが可能となる。
【0021】
なお、空気抜き口の内側開口部の下端は、上記掻揚部の上面よりも下方位置にあることが好ましい。これにより、吸引部材の内部の空気をより容易に、空気抜き口から抜くことができる。
仮に、空気抜き口の内側開口部の下端が上記掻揚部の上面よりも上方位置にある場合、容器の交換前から吸引部材内に残っていた粘性材料を空気が押し退けながら空気抜き口から排出されることとなる。この場合、エア抜きを円滑に行うことが困難となるおそれがある。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる粘性材料吸引装置につき、図1〜図11を用いて説明する。
本例の粘性材料吸引装置1は、図1に示すごとく、粘性材料Sが収容された容器8の内壁81に気密的に接触する外形を有すると共に上下に貫通する貫通孔21を有する吸引部材2と、該吸引部材2の貫通孔21に連結した吸引パイプ11を介して粘性材料Sを吸引するポンプ3とを有する。
【0023】
ポンプ3は、吸引パイプ11内を上下動することにより粘性材料Sを掻き揚げる掻揚部4と、掻揚部4を上下駆動するポンプ駆動部5とを有する。
ポンプ駆動部5は、シリンダ51と該シリンダ51の内壁に気密的に接触する外形を有すると共にロッド31を介して掻揚部4と連結されたピストン52とを有する。
【0024】
ピストン52は、シリンダ51内におけるピストン52の上側の上方空間511に高圧の駆動用気体を導入することにより下降し、ピストン52の下側の下方空間512に駆動用気体を導入することにより上昇するよう構成されている。
図1、図5に示すごとく、駆動用気体a1の供給源60とシリンダ51との間には、駆動用気体a1の導入先を上方空間511と下方空間512との間で切り替える切替弁61を設けてある。
【0025】
切替弁61は、駆動用気体a1を上方空間511へ導く側(下降側)へ切り替えるための高圧の下降側切替用気体a2と、駆動用気体a1を下方空間512へ導く側(上昇側)へ切り替えるための高圧の上昇側切替用気体a3とを、それぞれピストン52の位置に応じて開閉する下降用パイロットバルブ62と上昇用パイロットバルブ63とを介して導入するよう構成されている。
上昇側切替用気体a3の切替弁61への供給経路Gには、上昇側切替用気体a3の供給を遮断するための供給遮断バルブ64が設けてある。
【0026】
上昇用パイロットバルブ63は、ピストン52が下死点に達したときに閉塞状態から開放状態へ切り替わるよう構成され、下降用パイロットバルブ62は、ピストン52が上死点に達したときに開放状態から閉塞状態へ切り替わるよう構成されている。
【0027】
また、また、図2、図10、図11に示すごとく、吸引部材2は、吸引部材2と容器8内の粘性材料Sとの間の空間(図11の符号P)に存在する空気を外部へ抜くための空気抜き口22を設けてなる。空気抜き口22における吸引部材2側の内側開口部220は、上下動する掻揚部4の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に配置している。
図2に示すごとく、空気抜き口22の内側開口部220は、その上端221を、下死点の位置にある掻揚部4の上面41と同等もしくはそれよりも上方位置に配置している。
また、空気抜き口22の内側開口部220の下端222は、上記掻揚部4の上面41よりも下方位置にある。
【0028】
本例において、容器8は、円筒形の内壁81を有する。そして、吸引部材2は、この円筒形の内壁81に気密的に接触する外形を有する円環状の円環プレート23と、該円環プレート23の上面に固定されたホロプレート24とからなる。円環プレート23の端縁部とホロプレート24の端縁部との間には、シール部材25が嵌入されており、該シール部材25が容器8の内壁81に密着することにより、吸引部材2が容器8の内壁81に気密的に接触する。
【0029】
ホロプレート24は、その中央部に上方へ略円錐状に立ち上がる隆起部241と、該隆起部241から更に上方へ立ち上がる円筒状の円筒部242とを有する。円筒部242の内側に上記貫通孔21が形成されている。また、隆起部241と円筒部242との境界部付近に、空気抜き口22の内側開口部220が形成されている。空気抜き口22は、円筒形状を有し、斜め上方へ向かって立設していると共に、その側面に側面開口部223が形成されている。
【0030】
そして、空気抜き口22の内側には該空気抜き口22の開閉を行うためのエアコック224が螺合されている。このエアコック224を内側開口部220側へ前進させることにより、エアコック224によって側面開口部223を塞ぎ、エアコック224を後退させることにより、側面開口部223を開放する。
吸引部材2を容器8から抜く際、或いは挿入する際に、エアコック224を後退させて側面開口部223を開放し、粘性材料吸引装置1を稼働して粘性材料Sを吸引する際には、エアコック224を前進させて側面開口部223を閉じておく。
【0031】
上記ホロプレート24の円筒部242には、その上方へ延設された吸引パイプ11が接続されている。図1に示すごとく、吸引パイプ11は、その上端部付近において粘性材料Sを導出する導出パイプ12が接続され、さらに導出パイプ12は、二つの分岐パイプ121、122に分岐している。一方の分岐パイプ121は、粘性材料Sをワークに塗布するためのノズルへ繋がる。
【0032】
図1、図2に示すごとく、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側には、ポンプ駆動部5のピストン52に一端が固定されたロッド31の他端に接続された掻揚部4が上下動可能に配設されている。掻揚部4は、吸引ポンプ11の内側及び吸引部材2の内側の一部との間にわたって上下動する。
【0033】
掻揚部4は、図3に示すごとく、上下に貫通する複数の連通孔421を有する掻揚本体部42と、該掻揚本体部42の上面に配されて連通孔421を塞ぐ蓋部43とからなる。掻揚本体部42の外径は、吸引パイプ11の内径と略同等であるが、蓋部43の外径は、掻揚本体部42の外径よりも小さく、吸引パイプ11の内径よりも小さい。それゆえ、蓋部43と吸引パイプ11の内壁との間には、例えば2〜3mmの隙間が形成される。
【0034】
そして、掻揚本体部42と蓋部43とは、互いに固定されておらず、蓋部43は、ロッド31に対して遊嵌された状態となっている。そのため、図3に示すごとく、掻揚部4が上昇する際には、蓋部43が掻揚本体部42の上面に接触してその連通孔421を塞ぐが、図4に示すごとく、掻揚部4が下降する際には、蓋部43は掻揚本体部42から分離して、両者の間に隙間が生じ、連通孔421が開放される。これにより、掻揚部4よりも下方の粘性材料Sが連通孔421を介して掻揚本体部42の上方へ移動し、さらに、蓋部43の端縁と吸引パイプ11の内壁との間から蓋部43の上方へ移動する。
【0035】
また、図2に示すごとく、掻揚部4とピストン52との間のロッド31には、逆止弁を内蔵した逆止部32が取り付けられている。この逆止部32は、吸引パイプ11の内径と略同等の外径を有している。そして、ロッド31が下降する際すなわち逆止部32が下降する際に、粘.性材料Sが、逆止部32の下部に設けられた下部入口321から内部に導入され、内蔵された逆止弁32を通って、逆止部32の上部に設けた上部出口322から排出される。
一方、ロッド31が上昇する際すなわち逆止部32が上昇する際には、逆止弁の作用によって、上部出口322から下部入口321へ粘性材料Sが逆流することを防いでいる。
【0036】
掻揚部4を上下駆動するポンプ駆動部5は、図5に示すごとく、ロッド31の上端部に固定されたピストン52とそれを内部に収容するシリンダ51とからなる。
シリンダ51には、その上端部と下端部とに、それぞれ高圧の駆動用気体a1を導入するための導入経路A、Bが接続されている。導入経路A、Bは、それぞれ切替弁61に接続されている。切替弁61は、高圧気体の供給源60とレギュレータ651を介して接続された供給経路Cと接続されている。切替弁61は、供給経路Cの連通先を、導入経路Aと導入経路Bとの間で切り替えるよう構成されている。
【0037】
すなわち、切替弁61は、ハウジング611と、該ハウジング611の内部空間612に、摺動可能に保持されたスプール613とからなる。スプール613は、内部空間612の内径と同等の外径を有する3個の大径部614とこれらの間に形成される2個の小径部615とからなる。内部空間612の両端部は、下降側切替用気体a2を導く導入経路Dと、上昇側切替用気体a3を導く導入経路Eとにそれぞれ接続されている。導入経路Dは、下降用パイロットバルブ62を介して、供給経路Fに接続され、供給経路Fは、高圧気体の供給源60に接続されている。導入経路Eは、上昇用パイロットバルブ63を介して、供給経路Gに接続され、供給経路Gは、高圧気体の供給源60に接続されている。
【0038】
下降用パイロットバルブ62は、シリンダ51の上端部に固定され、ピストン52が上死点に達したとき、供給経路Fと導入経路Dとの間を閉塞状態から開放状態に切り替えるよう構成されている。すなわち、ピストン5が上死点に達したとき、下降用パイロットバルブ62の移動子621を押し上げることにより、移動子621が供給経路Fと導入経路Dとの間を塞いでいたボール622を後退させ、供給経路Fと導入経路Dとの間を連通させる。
【0039】
上昇用パイロットバルブ63は、シリンダ51の下端部に固定され、ピストン52が下死点に達したとき、供給経路Gと導入経路Eとの間を閉塞状態から開放状態に切り替えるよう構成されている。すなわち、ピストン5が下死点に達したとき、上降用パイロットバルブ63の移動子631を押し下げることにより、移動子631が供給経路Gと導入経路Eとの間を塞いでいたボール632を後退させ、供給経路Gと導入経路Eとの間を連通させる。
【0040】
なお、供給経路Cには、レギュレータ651の下流側において、間欠運転用のソレノイドバルブ652が設けてあり、該ソレノイドバルブ652の下流側には、通常開放しておくボールバルブ653が設けてある。粘性材料吸引装置1を所定のコンピュータプログラムに沿って自動運転させる際に、制御信号に基づいてソレノイドバルブ652を開閉することにより、ポンプ3を所定のタイミングで間欠運転させる。
【0041】
また、供給経路Cには、ソレノイドバルブ652の上流側からボールバルブ653の下流側までの間にバイパスHが並列接続されている。バイパスHには、通常閉止しておくボールバルブ654が設けてある。このボールバルブ654は、例えば、粘性材料吸引装置1のメンテナンス時等において手動運転する際に開放して用いる。
【0042】
そして、供給経路Gには、切替弁61への上昇側切替用気体a3の供給を遮断するための供給遮断バルブ64が設けてある。該供給遮断バルブ64は、手動で開閉可能なボールバルブからなる。
【0043】
なお、本例において、粘性材料Sは、車体パネルの継ぎ目や端面等に塗布するためのプリキュアシーラとすることができる。
また、駆動用気体a1、下降側切替用気体a2、上昇側切替用気体a3としては、それぞれ、高圧空気を用いることができる。また、本例においては、駆動用気体a1、下降側切替用気体a2、上昇側切替用気体a3を、同一の供給源60から供給しているが、それぞれ異なる供給源から別経路で供給することもできる。
【0044】
次に、本例の粘性材料吸引装置1の作動方法につき具体的に説明する。
ここでは、ソレノイドバルブ652及びボールバルブ653は常時開放、ボールバルブ654は常時閉止、という状態にあることを前提に説明する。また、供給遮断バルブ64も、粘性材料吸引装置1を停止させるまでは、開放しておく。
【0045】
まず、高圧気体の供給源60から供給される高圧気体は、レギュレータ651によって所定の圧力に減圧され、駆動用気体a1として供給経路Cを通って切替弁61に到達する。また、供給源60から供給される高圧気体は、それぞれ下降側切替用気体a2及び上昇側切替用気体a3として、供給経路F、Gを通って、下降用パイロットバルブ62及び上昇用パイロットバルブ63へ到達する。
【0046】
図5に示すごとく、切替弁61のスプール613が供給経路Cと導入経路Aとを連通させる下降側(図5における下側)にある場合、供給経路Cを通ってきた駆動用気体a1は、切替弁61を通過して導入経路Aを通じてシリンダ51の上方空間511に導入される。これにより、ピストン52が下方へ押し下げられる。これに伴い、ロッド31の下端の掻揚部4(図2〜図4)が、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側において下降する。
【0047】
図6に示すごとく、ピストン52が下死点に達すると、ピストン52が上昇用パイロットバルブ63の移動子631を押し下げることにより、移動子631がボール632を後退させて供給経路Gと導入経路Eとが連通する。
これにより、供給経路Gを通ってきた上昇側切替用気体a3が導入経路Eを通って、切替弁62の一端に導入され、スプール613を他端側へ移動させる。すなわち、図7に示すごとく、スプール613が供給経路Cと導入経路Bとを連通させる上昇側(図7における上側)へ移動する。
すると、供給経路Cを通ってきた駆動用気体a1は、導入経路Bを通じてシリンダ51の下側空間512に導入される。これにより、図8に示すごとく、ピストン52が押し上げられ、掻揚部4(図2〜図4)が、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側において上昇する。
【0048】
そして、ピストン52が上死点に達すると、ピストン52が下降用パイロットバルブ62の移動子621を押し上げ、移動子621がボール622を後退させる(図示略)。これにより、供給経路Fと導入経路Dとが連通して、切替弁62が供給経路Cと導入経路Aとを連通させる側に切り替える。そのため、駆動用気体a1がシリンダ51の上方空間511へ導入され、ピストン52が再び下降する。
【0049】
このようにして、供給源60から供給される高圧気体が、駆動用気体a1としてポンプ駆動部5のピストン52を動かすと共に、下降側切替用気体a2及び上昇側切替用気体a3として切替弁61のスプール613を動かすことにより、上記のようなピストン52の上下動を繰り返す。
【0050】
また、このピストン52の上下動に伴って、ポンプ3の掻揚部4が上下動することにより、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側に充填されている粘性材料Sが順次汲み上げられ、導出パイプ12及び分岐パイプ121を介してノズルへ供給されることとなる。
また、吸引部材2は、容器8内において、下方へ押圧された状態にあるため、容器8内の粘性材料Sが減少するに従い、ポンプ3と共に徐々に下降する。
【0051】
そして、容器8内の粘性材料Sが少なくなり、容器8を、粘性材料Sが満たされた新たな容器8に交換する際には、一旦、粘性材料吸引装置1を停止させる。
このとき、まず、図9に示すごとく、供給遮断バルブ64を閉止する。これにより、高圧気体の供給源60から供給経路Gを通って供給される上昇側切替用気体a3は、供給遮断バルブ64の下流側には供給されなくなる。
【0052】
すなわち、供給経路Gにおける供給遮断バルブ64の下流側の圧力が低下する。供給遮断バルブ64の下流側の圧力が低下しても、その圧力(残圧)がある程度残っていれば、供給遮断バルブ64を閉じた後も、上昇用パイロットバルブ63の開放時(ピストン52が下死点にある時)に上昇側切替用気体a3によって切替弁61を切り替えることができる。しかし、供給遮断バルブ64の下流側の残圧が低下して所定の圧力を下回ったとき、上昇用パイロットバルブ63が開放しても、切替弁61を切り替えることができなくなる。
一方、供給経路Fにおいては、常に下降側切替用気体a2が供給されているため、ピストン52が上死点に達したときには、必ず切替弁61を、下降側に切り替えることができる。
【0053】
その結果、導入経路E及び供給経路Gにおける供給遮断バルブ64の下流側の残圧の残り方によってピストン52の上下動の回数は異なるが、供給遮断バルブ64を閉止した後、ピストン52は数回上下動し、その後、必ず下死点において停止する。これに伴い、ポンプ3の掻揚部4も、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側において、必ず下死点で停止する。
【0054】
ピストン52の停止後、エアコック224を後退させて、空気抜き口22を開放する。次いで、吸引部材2を容器8から抜く。このとき、空気抜き口22から吸引部材2の内側に空気が導入される。そして、図10に示すごとく、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側の粘性材料Sのうち、掻揚部4よりも下側の粘性材料Sは、落下する。一方、掻揚部4の上方にある粘性材料Sは、吸引パイプ11及び吸引部材2の内側に残る。
【0055】
この状態から、図10、図11に示すごとく、吸引部材2を新たな容器8に挿入して、容器8内の粘性材料Sに押し付けていく。これにより、吸引部材2の隆起部241の内側において、粘性材料Sの液面S1が上昇する。そして、図2に示すごとく、容器8中の粘性材料Sは、吸引部材2の内側において、下死点に位置する掻揚部4の位置まで到達し、掻揚部4の上方に残っていた粘性材料Sと合体する。また、吸引部材2と容器8中の粘性材料Sとの間の空間Pに存在していた空気は、空気抜き口22から外部へ排出される。
そのため、空気が混入することなく、吸引部材2の内側に粘性材料Sが充填される。
【0056】
その後、エアコック224を前進させて、空気抜き口22を閉塞し、次いで、供給遮断バルブ64を開放して、ポンプ3を再稼働させる。これにより、上記と同様に、容器8内の粘性材料Sを吸引する。
【0057】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記粘性材料吸引装置1においては、上昇側切替用気体a3の切替弁61への供給経路Gに、供給遮断バルブ64が設けてある。そのため、ポンプ3を停止させる際には、まず供給遮断バルブ64を閉じることにより、ポンプ駆動部5のピストン52を確実に下死点において停止させることができ、掻揚部4を確実に下死点において停止させることができる。
【0058】
すなわち、供給遮断バルブ64を閉じることにより、上昇用パイロットバルブ63が開放された状態における切替弁61への上昇側切替用気体a3の供給圧力が低下する。一方、下降用パイロットバルブ62が開放された状態における切替弁61への下降側切替用気体a2の供給圧力は低下しない。そのため、切替弁61が、駆動用気体a1を下方空間512へ導く側(上昇側)から上方空間511へ導く側(下降側)へ切り替わることができても、その逆、すなわち下降側から上昇側へ切り替わることができなくなる。その結果、確実にピストン52が下死点で停止する。
【0059】
ピストン52を確実に下死点で停止させることができることにより、掻揚部4を下死点で停止させることができる。この状態において、容器8から吸引部材2を抜き出したとき、吸引パイプ11及び吸引部材2の内部に残る粘性材料Sは、掻揚部4の部分まで存在することとなるため、最も低い位置まで粘性材料Sが残った状態となる。
【0060】
それ故、粘性材料Sが充満された新たな容器8に吸引部材2を挿入する際に、吸引パイプ11及び吸引部材2に空気が介入することを防ぐことができ、或いは介入する空気の量を確実に抑制することができる。
その結果、新たな容器8から粘性材料Sを吸引し始める際に、粘性材料S中に混入した空気を抜くために粘性材料Sを廃棄する必要がなくなり、或いは、その廃棄する粘性材料Sの量を低減することができる。
そのため、粘性材料Sの塗布工程等において生産コストを低減し、また、エア抜き工程を不要とし、或いはエア抜き時間を短縮することができるために生産効率も向上する。
【0061】
また、図2に示すごとく、吸引部材2に設けた空気抜き口22の内側開口部220は、上下動する掻揚部4の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に配置している。そのため、粘性材料Sが充満された新たな容器8に吸引部材2を挿入する際に、吸引部材2の内側の空気を空気抜き口22から充分に抜くことができる。
【0062】
すなわち、交換前の容器8から吸引部材2を抜き取ったとき、上記のごとく、掻揚部4は下死点に位置しているため、吸引パイプ11内において、粘性材料Sは掻揚部4の下死点の位置まで充填されている。そのため、この掻揚部4の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に空気抜き口22の内側開口部220を設けておくことにより、交換前から吸引部材2に充填されていた粘性材料Sと、新たな容器8から吸引される粘性材料Sとの間に介在する空気を空気抜き口22から充分に排出することができる。その結果、吸引部材2内に空気が混入することを充分に防ぐことができる。
【0063】
また、空気抜き口22の内側開口部220は、その上端221を、下死点の位置にある掻揚部4の上面41と同等もしくはそれよりも上方位置に配置している。そのため、より確実に、吸引部材2内の空気を抜くことができる。すなわち、掻揚部4の上面41と同等もしくはそれよりも上方位置に空気抜き口22の内側開口部220の上端を配置することにより、掻揚部4の側面部分に空気が介在していたとしても、その空気を空気抜き口22から抜くことが可能となる。すなわち、容器8の交換時において、粘性材料S中への空気の混入をなくすことが可能となる。
【0064】
以上のごとく、本例によれば、容易かつ確実に粘性材料への空気の混入を抑制することができる粘性材料吸引装置を提供することができる。
【0065】
(実施例2)
本例は、図12に示すごとく、空気抜き口22の内側開口部220が下死点にある掻揚部4よりも下方に位置する粘性材料吸引装置1の例である。
その他は、実施例1と同様である。
この場合には、容器8の交換時に、掻揚部4の上方に残った粘性材料Sと新たな容器8中の粘性材料Sとの間に、若干の空気が残った状態となるため、わずかに粘性材料S中に空気が混入することとなる。
しかしながら、後述する比較例1に比べて、混入する空気の量を大幅に抑制することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0066】
(比較例1)
本例は、図13に示すごとく、掻揚部4が確実に下死点において停止するように構成されていない粘性材料吸引装置9の例である。
すなわち、本例の粘性材料吸引装置9は、実施例1において示した供給遮断バルブ64(図5等)を備えてない。
また、本例の粘性材料吸引装置9においては、空気抜き口22の内側開口部220の位置は、上記実施例2と同様に、掻揚部4の下死点よりも下方に位置する。
その他は、実施例1と同様である。
【0067】
この場合には、ポンプ3を停止する際、掻揚部4の停止位置が定まらない。そのため、場合によっては、図13に示すごとく、上死点やそれに近い位置において掻揚部4が停止することもある。この状態で容器8を交換する際には、吸引部材2における空気抜き口22の内側開口部220から、吸引パイプ11内における掻揚部4までの間に、大量の空気が残ってしまう。
そのため、この空気が粘性材料Sに混入してしまうこととなる。
【0068】
(比較例2)
本例は、図14に示すごとく、空気抜き口22は掻揚部4の下死点の位置と同等かそれよりも上方の位置にあるが、掻揚部4が確実に下死点において停止するように構成されていない粘性材料吸引装置90の例である。
その他は、実施例1と同様である。
【0069】
この場合には、ポンプ3の停止時に、掻揚部4が下死点において停止すれば、粘性材料Sへの空気の混入を防ぐことができるが、掻揚部4の停止位置を制御できない。そのため、図14に示すごとく、掻揚部4が上死点やそれに近い位置において停止した場合には、比較例1と同様に、大量の空気が粘性材料S中に混入することとなる。
【0070】
(実施例3)
本例は、図15〜図17に示すごとく、実施例1に示した本発明の粘性材料吸引装置1の効果を確認した例である。
すなわち、比較例1の粘性材料吸引装置9(図13)を用いた場合と、実施例1の粘性材料吸引装置1(図1〜図11)を用いた場合とで、容器8の1回の交換時における、空気の混入量と、必要となる粘性材料Sの廃棄量と、容器8の交換に要する時間とを、それぞれ比較した。
【0071】
ここで、容器8は、内径が285mmの円筒形容器であって、その内容量は20kgである。
また、用いた粘性材料Sは、プリキュアシーラ(アイシン化工株式会社製)である。
なお、上記容器8の交換に要する時間とは、粘性材料吸引装置を停止させてから、再稼働させるまでの時間である。
【0072】
空気の混入量の比較を図15に、必要となる粘性材料Sの廃棄量の比較を図16に、停止時間の比較を図17に示した。各測定は、それぞれ20回行い、その平均値と、最大値、最小値を各図に表した。
これらの図からわかるように、実施例1の粘性材料吸引装置によれば、空気の混入量及び粘性材料Sの廃棄量は、いずれもゼロとすることができた。
また、容器8の交換に要する時間も、大幅に短縮することができた。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施例1における、粘性材料吸引装置の全体説明図。
【図2】実施例1における、吸引部材周辺の粘性材料吸引装置の説明図。
【図3】実施例1における、上昇時の掻揚部の断面説明図。
【図4】実施例1における、下降時の掻揚部の断面説明図。
【図5】実施例1における、ピストン下降時の高圧気体の経路説明図。
【図6】実施例1における、ピストン下死点到達時の高圧気体の経路説明図。
【図7】実施例1における、切替弁が上昇側へ切り替わった直後の高圧気体の経路説明図。
【図8】実施例1における、ピストン上昇時の高圧気体の経路説明図。
【図9】実施例1における、ピストン停止時の高圧気体の経路説明図。
【図10】実施例1における、吸引部材を新たな容器に装着する直前の状態の説明図。
【図11】実施例1における、吸引部材を容器内の粘性材料に押し付ける過程の説明図。
【図12】実施例2における、吸引部材を新たな容器に装着した直後の状態の説明図。
【図13】比較例1における、吸引部材を新たな容器に装着した直後の状態の説明図。
【図14】比較例2における、吸引部材を新たな容器に装着した直後の状態の説明図。
【図15】実施例3における、容器の交換時の空気の混入量を示す線図。
【図16】実施例3における、容器の交換時の粘性材料の廃棄量を示す線図。
【図17】実施例3における、容器の交換に要する時間を示す線図。
【符号の説明】
【0074】
1 粘性材料吸引装置
11 吸引パイプ
2 吸引部材
21 貫通孔
3 ポンプ
31 ロッド
4 掻揚部
5 ポンプ駆動部
51 シリンダ
511 上方空間
512 下方空間
52 ピストン
60 供給源
61 切替弁
62 下降用パイロットバルブ
63 上昇用パイロットバルブ
64 供給遮断バルブ
8 容器
81 内壁
S 粘性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性材料が収容された容器の内壁に気密的に接触する外形を有すると共に上下に貫通する貫通孔を有する吸引部材と、該吸引部材の上記貫通孔に連結した吸引パイプを介して粘性材料を吸引するポンプとを有する粘性材料吸引装置であって、
上記ポンプは、上記吸引パイプ内を上下動することにより上記粘性材料を掻き揚げる掻揚部と、該掻揚部を上下駆動するポンプ駆動部とを有し、
該ポンプ駆動部は、シリンダと該シリンダの内壁に気密的に接触する外形を有すると共にロッドを介して上記掻揚部と連結されたピストンとを有し、
該ピストンは、上記シリンダ内における上記ピストンの上側の上方空間に高圧の駆動用気体を導入することにより下降し、上記ピストンの下側の下方空間に上記駆動用気体を導入することにより上昇するよう構成されており、
上記駆動用気体の供給源と上記シリンダとの間には、上記駆動用気体の導入先を上記上方空間と上記下方空間との間で切り替える切替弁を設けてあり、
該切替弁は、上記駆動用気体を上記上方空間へ導く側へ切り替えるための高圧の下降側切替用気体と、上記駆動用気体を上記下方空間へ導く側へ切り替えるための高圧の上昇側切替用気体とを、それぞれ上記ピストンの位置に応じて開閉する下降用パイロットバルブと上昇用パイロットバルブとを介して導入するよう構成されており、
上記上昇側切替用気体の上記切替弁への供給経路には、上記上昇側切替用気体の供給を遮断するための供給遮断バルブが設けてあることを特徴とする粘性材料吸引装置。
【請求項2】
請求項1において、上記吸引部材は、該吸引部材と上記容器内の粘性材料との間の空間に存在する空気を外部へ抜くための空気抜き口を設けてなり、該空気抜き口における上記吸引部材側の内側開口部は、上下動する上記掻揚部の下死点の位置と同等もしくはそれよりも上方位置に配置していることを特徴とする粘性材料吸引装置。
【請求項3】
請求項2において、上記空気抜き口の上記内側開口部は、その上端を、下死点の位置にある上記掻揚部の上面と同等もしくはそれよりも上方位置に配置していることを特徴とする粘性材料吸引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−233523(P2009−233523A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80647(P2008−80647)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【Fターム(参考)】