説明

粘着テープ繰り出し機構とそれを備えたテープ巻き装置

【課題】伸長性や粘着性の高い粘着テープを用いた場合でも、粘着テープの伸びや剥がれ難さを解消して、電線等の被結束体に粘着テープをスムーズ且つ綺麗に巻回させる。
【解決手段】粘着テープリール16を回動自在に支持する軸部27と、軸部を中央に設けた回転板19と、回転板の外周寄りに突設され、粘着テープリールから解かれた粘着テープ17の非粘着面を沿わせる一方向ベアリング20と、一方向ベアリングを自転させつつ回転板19と共に回転させる手段とを備える粘着テープ繰り出し機構5を採用する。回転板19の外周寄りに、一方向ベアリング20から粘着テープ17を受けるガイド部材21を配設した。一方向ベアリング20を自転させつつ回転させる手段を、一方向ベアリングの軸部22に設けた小歯車23と、小歯車に歯合する固定歯車24とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープをテープリールの状態から繰り出して電線等の被結束体に巻回させるための粘着テープ繰り出し機構とそれを備えたテープ巻き装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4(a)は、従来の粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
【0003】
粘着テープ繰り出し機構51は、一対の繰り出しローラ52と、一対の繰り出しローラ52を同方向に回転させる駆動歯車53と、一方の繰り出しローラ52に接して粘着テープ54を案内するガイドローラ55と、両繰り出しローラ52に接して粘着テープ54を摺接させるテープ押さえ板56とを備えたものである。
【0004】
粘着テープ54は合成樹脂材で形成され、ロール状に巻かれて内側のテープの外面(非粘着面)に外側のテープの内面(粘着面)が密着したものである。
【0005】
テープ巻き装置50は、粘着テープ繰り出し機構51から粘着テープ54を供給させる回転ドラム57と、回転ドラム57を駆動する一対の歯車58と、回転ドラム57とテープ押さえ板56との間で粘着テープ54を切断する可動側のカッタ59と固定側のカッタガイド60とを備えている。
【0006】
図4(b)の如く、回転ドラム57は径方向の切欠部61を有し、切欠部61内にブラシ62を対向して有している。
【0007】
切欠部61の開口61aに粘着テープ54の端部が供給され、粘着テープ54の粘着面に接しつつ複数本の電線63がテープ54と共に切欠部61内に挿入され、リミットスイッチがそれを検知してカッタ59を駆動して粘着テープ54を切断し、回転ドラム57が駆動歯車58を介してモータ又はラック・ピニオン(図示せず)で回転され、複数本の電線64の外周にブラシ62の摩擦力で粘着テープ54が巻回される。
【特許文献1】特開平9−183413号公報(図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の粘着テープ繰り出し機構51にあっては、粘着テープ54をロール状に巻いた状態から繰り出しローラ52で強く引っ張るために、特に伸長性や粘着性の高い粘着テープの場合に、粘着テープ54が伸びやすく、また、剥がれ難く(ロール状の粘着テープリールから粘着テープ54を解き難く)、電線63へのテープ巻きがスムーズ且つ綺麗に行われ難いという問題があった。この問題は、電線63に代えて、電線63を覆うコルゲートチューブ(ハーネス保護チューブ)や、電線以外の線条体等を被結束体として用いた場合でも同様に生じ得るものである。
【0009】
本発明は、伸長性や粘着性の高い粘着テープを用いた場合でも、粘着テープの伸びや剥がれ難さを解消して、電線等の被結束体に粘着テープをスムーズ且つ綺麗に巻回することのできる粘着テープ繰り出し機構とそれを備えたテープ巻き装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る粘着テープ繰り出し機構は、粘着テープリールを回動自在に支持する軸部と、該軸部を中央に設けた回転板と、該回転板の外周寄りに突設され、該粘着テープリールから解かれた粘着テープの非粘着面を沿わせる一方向ベアリングと、該一方向ベアリングを自転させつつ該回転板と共に回転させる手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成により、粘着テープリールが回転板に対してリール周方向回動自在に支持される。粘着テープリールが回転板に固定されないで自由に回動するから、テープ解き時に粘着テープリールが解き出し方向(テープ引張方向)に回動して、粘着テープの引張力を軽減させる。また、粘着リールテープが自在に回動することで、一方向ベアリングと粘着テープリールとの間で粘着テープが粘着テープリールの外周面にほぼ直交する方向(法線方向)に解かれることで、粘着テープの引張力(引き剥がし力)が軽減され、且つ粘着テープの剥がし力(解き出し力)が軽減される。これらによって、粘着テープの解き時の伸びや剥がし難さが解消される。回転板はモータ等の駆動手段で回動する。
【0012】
請求項2に係る粘着テープ繰り出し機構は、請求項1記載の粘着テープ繰り出し機構において、前記回転板の外周寄りに、前記一方向ベアリングから前記粘着テープを受けるガイド部材が配設されたことを特徴とする。
【0013】
粘着テープリールから解き出された粘着テープは、回転板の回動角度に応じて一方向ベアリングからガイド部材に沿って略ループ状に配索される。ガイド部材としては複数のガイドローラが好適である。
【0014】
請求項3に係る粘着テープ繰り出し機構は、請求項1又は2記載の粘着テープ繰り出し機構において、前記一方向ベアリングを自転させつつ回転させる手段が、該一方向ベアリングの軸部に設けられた小歯車と、該小歯車に歯合する固定歯車とで構成されることを特徴とする。
【0015】
上記構成により、回転板の回動に伴って小歯車が固定歯車に沿って自転しつつ自転とは反対方向に公転し、一方向ベアリングも小歯車と同方向に一体に回動(自転及び公転)する。一方向ベアリングの自転に伴う粘着テープの非粘着面との摩擦力で粘着テープが粘着テープリールからスムーズに巻き挙げられる(解き出される)。固定歯車としてはリング状の内歯車が好適である。
【0016】
請求項4に係る粘着テープ繰り出し機構は、請求項1〜3の何れかに記載の粘着テープ繰り出し機構において、前記粘着テープリールから解いた前記粘着テープを固定させるロック手段を備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成により、粘着テープリールから解き出された粘着テープがロック手段で固定され、粘着テープリール方向への逆戻りやそれに伴うテープの弛み等が阻止される。
【0018】
請求項5に係る粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置は、請求項1〜4の何れかに記載の粘着テープ繰り出し機構を備え、前記粘着テープリールから解かれた前記粘着テープを回転ドラムの切欠部内で被結束体に巻回させることを特徴とする。
【0019】
上記構成により、電線等の被結束体が粘着テープと共に回転ドラムの切欠部内に挿入され、その状態で回転ドラムが駆動手段で回転することで、粘着テープが切欠部の内面側との摩擦力で被結束体に巻き付き、被結束体が粘着テープで結束される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明によれば、粘着テープリールが回転板に対して回動自在であり、且つ一方向ベアリングで粘着テープリールからほぼ法線方向に引き出されるから、伸長性や粘着性の高い粘着テープを用いた場合でも、粘着テープに作用する引張力や粘着テープリールからの粘着テープ引き剥がし力が軽減され、粘着テープの伸びや剥がし難さが解消される。これにより、電線等の被結束体に粘着テープをスムーズ且つ綺麗に確実に巻回することができる。また、粘着性の高い粘着テープを用いることで、被結束体の結束力を高めて、経時的な電線等のばらけを確実に防止することができる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、回転板の回動に伴って粘着テープを一方向ベアリングからガイド部材に沿って伸び等なく綺麗に且つ安定に支持することができ、その状態から被結束体の巻回に要する長さの粘着テープをスムーズに供給することができる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、小歯車と固定歯車との噛み合い動作で一方向ベアリングを省スペースでスムーズ且つ確実に自転及び公転させることができ、粘着テープ繰り出し機構の小型化と粘着テープ繰り出しの確実化が図られる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、ロック手段で粘着テープの逆戻りが阻止されることで、粘着テープの弛みやそれに伴う粘着テープ同士の不意な接着が防止され、粘着テープを綺麗な状態で被結束体側に供給することができる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、回転ドラム内に粘着テープを伸びなく綺麗な状態でスムーズに供給して、回転ドラムで電線等の被結束体を粘着テープでしっかりと且つ綺麗に結束することができる。これによりワイヤハーネス等の商品価値が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1(a)(b)は、本発明に係る粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置の一実施形態、図2(a)(b)は、同じく粘着テープ繰り出し機構の一実施形態をそれぞれ示すものである。
【0026】
図1(a)(b)の如く、このテープ巻き装置1は、ケース2の前半側にテープ巻き部3と駆動部4を有し、後半側に粘着テープ繰り出し機構5を有している。
【0027】
テープ巻き部3は、回転ドラム6と、回転ドラム6の外周面に沿って進退自在に配置された円弧状のテープ切断帯7と、回転ドラム6の切欠部8の片側又は両側に配置された電線チャック(図示せず)とを備えている。
【0028】
駆動部4は、回転ドラム6を駆動する手段と、切断帯7を駆動する手段と、粘着テープ繰り出し機構5を駆動する手段とを備えている。以下に説明する駆動部4の構造はあくまでも一例であり、駆動部4の構造は必要に応じて適宜設定される。
【0029】
回転ドラム6に一体に歯車9が設けられ、歯車9の上下に駆動用の一対の歯車10,11が歯合し、一対の歯車10,11はベルト12等を介してモータ13で同方向に回動され、何れか一方の歯車(10又は11)が回転ドラム6の切欠部8の位置に関係なく常時回転ドラム6を図1で反時計回りに駆動する。
【0030】
切断帯7は一体にギヤ(図示しない円弧状ラック)を有し、ギヤに歯車14が歯合し、歯車14はモータ15で反時計回りに例えば90゜程度駆動される。各モータ13,15はケース2に固定されている。
【0031】
図2(a)(b)にも示す如く、粘着テープ繰り出し機構5は、粘着テープリール16を保持する大径の軸部27と、大径の軸部27を貫通してテープリール16と共に回動自在に支持する小径の中心軸18と、中心軸18を貫通固定した円形の回転板19と、回転板19の外周側に突設されたローラ柱状の一方向(ワンウェイ)ベアリング20及び複数の小径のピン状のガイドローラ(ガイド部材)21と、一方向ベアリング20の軸部22に設けられた小歯車23と、小歯車23に歯合する大径のリング状の内歯車(固定歯車)24とを備えている。
【0032】
内歯車24はケース2(図1)に固定され、一方向ベアリング20の軸部22は回転板19の回転中心を貫通し、軸部22の周囲にアウタローラ25が一方向のみ回動自在に支持されている。アウタローラ25は、例えば軸部22に設けたストッパ突起(図示せず)に押されて小歯車23と一体に一方向(図2(a)の矢印方向)にのみ回転する。ストッパ突起は例えばばね(図示せず)で突出方向に弾性付勢されて進退自在な鋸歯状のものである。一方向ベアリング20は市販品である。
【0033】
図2(a)の矢印Aの如く一方向ベアリング20は反時計回りに自転し、内歯車24に沿って矢印Bの如く時計回りに公転する。内歯車24はリング部24aとその内周側に形成されたギヤ24bとで構成されている。
【0034】
ガイドローラ21は一方向ベアリング20の公転方向の近傍を除いて複数等配に且つ周方向回転自在に設けられている。粘着テープリール16を回転板19に対して回動自在に支持する軸部27はベアリング等で形成されることが好ましい。中心軸18は回転板19に固定され、中心軸18に対して軸部27が粘着テープリール16と共に回動自在となっている。
【0035】
粘着テープリール16とは紙筒26の外側に粘着テープ17を多数層に螺旋状に巻いたものを言う。紙筒26の内側に軸部27が圧入気味に挿入される。粘着テープリール16において外側の粘着テープ17の内面の粘着面が内側の粘着テープ17の外面の非粘着面に接着されている。
【0036】
内歯車24の裏側において中心軸18に歯車(プーリ)28(図1)が固定され、歯車28に歯付きベルト29が歯合し、ベルト29は減速ベルト30を介してモータ31で駆動される。この駆動部の構成も必要に応じて適宜設定可能である。
【0037】
図2の如く、回転板19が時計回り(公転方向)に回転し、小歯車23が内歯車24に沿って回転し、一方向ベアリング20が小歯車23と一体に回転しつつ回転板19と共に公転して、粘着テープ17をテープリール16から繰り出して(解いて)、前方のテープロック手段32を経て矢印Cの如く回転ドラム6(図1)の方向へ供給する。
【0038】
一方向ベアリング20の外周面には粘着テープ17の非粘着面が接触する。一方向ベアリング20が公転とは逆方向に自転しながら、ベアリング外周面との摩擦力で粘着テープ17をテープリール16から巻き上げる(解き出す)。粘着テープ17はテープリール16の外周面にほぼ直交する方向に(正確には公転方向に少し傾斜した角度で)解かれる。
【0039】
このように、回転板19に対して粘着テープリール16が回転自在(固定されずにフリー)な状態において、粘着テープ17が一方向ベアリング20の回転動作で、テープ解き出し方向(引張方向)に回動し、テープリール16の外周面にほぼ直交する法線方向(ほぼテープリール中心を通る線上)に解かれることで、粘着テープ17に強い引張力が作用せず、粘着テープ17の伸びが防止され、強い粘着力の粘着テープ17でも伸びることなく確実且つスムーズにテープリール16から解き出される。
【0040】
例えば、図2でテープ供給方向(前方すなわちテープリール16の外周面に対して接線方向)から粘着テープ17を引っ張った場合は、粘着テープ17に強い引き剥がし力(引張力)が作用し(強い引き剥がし力を必要とし)、粘着テープ17の伸びを生じてしまい、電線等の被結束体33(図1)へのテープ巻きをスムーズ且つ綺麗に行うことはできない。
【0041】
上記の粘着テープ繰り出し機構5によって、粘着力の大きな粘着テープ17であっても、粘着テープ17を伸ばさずに、且つ粘着テープリール16からスムーズに解き出して、被結束体33にスムーズ且つ綺麗に巻回させることができる。
【0042】
図2の如く新品の粘着テープリール16の外周面と一方向ベアリング20の外周面とは近接しており、使用修了間近の粘着テープリール(16)の外周面も一方向ベアリング20の外周面に比較的近接して位置する。このように粘着テープリール16と一方向ベアリング20との間の距離が短いことによっても、解き出し時の粘着テープ17の伸びが最小限に抑えられる。
【0043】
図2(a)において最上部に位置する一方向ベアリング20が矢印B方向に公転した際に、各ガイドローラ21は回転板19と一体に矢印B方向に移動して、ガイドローラ外周面で粘着テープ17を安定に支持する。例えば一方向ベアリング20が回転板19と共に矢印B方向に下側まで180゜程度公転した際に、粘着テープ17は複数のガイドローラ21で略ループ状(正確にはガイドローラ21の数の角形状)に支持され、最上部のガイドローラ21から供給方向(前方)に導出される。
【0044】
回転板19の一回転ないしそれ以下の回転角度で、被結束体33への一度のテープ巻きに要する長さの粘着テープ17が繰り出される。回転板19は一回転以上することはなく、それ以下のテープ長さは回転板19の回転角度を適宜設定することで規定される。
【0045】
図2(a)に示すテープロック手段32は、カム34と押さえ部35とで構成され、例えばカム34は歯車(図示せず)に一体に設けられ、一体の歯車はテープ切断帯7(図1)の円弧状ギヤ(図示せず)で回動されてカム34のロック位置を規定する。押さえ部35は板状に限らない。
【0046】
ロック手段32が解除された状態で粘着テープ17がテープリール16から繰り出されて回転ドラム6に供給され、ロック手段32がロックした状態(図2(a)のカム34の起立位置)で切断帯7による粘着テープ17の切断が行われる。ロック手段32は、テープ繰り出し機構5で解かれた粘着テープ17が一方向ベアリング20の方向に逆戻りしないように作用する。
【0047】
以下に、図3(a)〜(e)を用いて粘着テープ17の切断と巻付の一例を簡単に説明する。
【0048】
図3(a)の如く、ロック手段32(図2)が解除された状態で、粘着テープ17の先端部分17aが回転ドラム6の切欠部8の前端の開口8aに沿って垂れ下げられる。粘着テープ17の粘着(接着)面は外側に位置する。
【0049】
図3(b)の如く、作業者が複数本の電線(被結束体)33を粘着テープ17と共に切欠部8内に挿入する。電線33が挿入されたことをセンサ(図示せず)が検知して、図3(c)の如く、回転ドラム6が矢印D方向に略半回転し、電線の外周に粘着テープ17が一次巻きされる。それと同時にセンサ(図示せず)の作用で、又は回転ドラム6に連動する起動部4(図1)のギヤ機構で粘着テープ繰り出し機構5(図2)が作動し、粘着テープ17が繰り出される。この際、テープロック手段32(図2)は解除されている。
【0050】
図3(d)の如く、駆動部4(図1)の動作でテープ切断帯7が前方に回動することにより、切断帯7の先端(テープ押さえ)が粘着テープ17を下方に押して、回転ドラム6の外周の環状部35の下方のエッジ(固定刃)36により粘着テープ17を切断する。この際、テープロック手段32(図2)はロックされている。
【0051】
図3(e)の如く、再度、回転ドラム6が矢印D方向に回転して、切欠部8内で電線33に粘着テープ17が完全に巻回され、電線33が束ねられる。
【0052】
なお、上記実施形態において、上記テープ切断帯7に代えて、従来例(図4)で示したようなカッタを用いたり、切断帯7の駆動手段としてギヤに代えてベルトを用いたり、テープロック手段32としてエアシリンダ等の押圧力を用いたりすることも可能である。また、環状部35のエッジ(固定刃)36に代えてテープ押さえを形成し、切断帯7の先端のテープ押さえに代えて可動刃を形成することも可能である。
【0053】
また、図2の内歯車24に代えて、固定歯車として小歯車23の内側に位置するリング状又は円板状の外歯車を使用することも可能である。また、これら固定歯車24や小歯車23に代えて、一方向ベアリング20を回転板19と共に公転させる手段として、ベルトとプーリ等(図示せず)を用いたりすることも可能である。
【0054】
また、回転板19を駆動するモータ31(図1)に代えて、駆動手段としてエア式のロータリアクチュエータやエアシリンダとラック・ピニオン等を用いることも可能である。また、図2のガイドローラ21に代えて、テープガイド部材として、回転しないガイドピンや円弧状のガイド板等(図示せず)を用いることも可能である。また、本発明の構成は、テープ巻き装置1としてのみならず、粘着テープ繰り出し機構5を用いたテープ巻き方法としても有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置の一実施形態を示す、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図2】同じく粘着テープ繰り出し機構の一実施形態を示す、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】(a)〜(e)は、電線に粘着テープを巻回する状態を作用順に示す正面図である。
【図4】従来の粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置の一形態を示す、(a)は正面図、(b)は回転ドラムの正面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 テープ巻き装置
5 粘着テープ繰り出し機構
6 回転ドラム
8 切欠部
16 粘着テープリール
17 粘着テープ
19 回転板
20 一方向ベアリング
21 ガイドローラ(ガイド部材)
22 軸部
23 小歯車
24 内歯車(固定歯車)
27 軸部
32 テープロック手段
33 電線(被結束体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープリールを回動自在に支持する軸部と、該軸部を中央に設けた回転板と、該回転板の外周寄りに突設され、該粘着テープリールから解かれた粘着テープの非粘着面を沿わせる一方向ベアリングと、該一方向ベアリングを自転させつつ該回転板と共に回転させる手段とを備えることを特徴とする粘着テープ繰り出し機構。
【請求項2】
前記回転板の外周寄りに、前記一方向ベアリングから前記粘着テープを受けるガイド部材が配設されたことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ繰り出し機構。
【請求項3】
前記一方向ベアリングを自転させつつ回転させる手段が、該一方向ベアリングの軸部に設けられた小歯車と、該小歯車に歯合する固定歯車とで構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ繰り出し機構。
【請求項4】
前記粘着テープリールから解いた前記粘着テープを固定させるロック手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の粘着テープ繰り出し機構。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の粘着テープ繰り出し機構を備え、前記粘着テープリールから解かれた前記粘着テープを回転ドラムの切欠部内で被結束体に巻回させることを特徴とする粘着テープ繰り出し機構を備えたテープ巻き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−168928(P2008−168928A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4144(P2007−4144)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(592129774)株式会社FDKエンジニアリング (11)
【Fターム(参考)】