説明

粘着ラベル付き包装体

【課題】内容物が液体や粉粒体等の流動体であっても開蓋状態において内容物がこぼれ出る虞がなく、開蓋状態にすることで内容物の匂いや香り成分等を放出して使用する包装体に好適に利用できる粘着ラベル付き包装体を提供する。
【解決手段】粘着ラベル付き包装体Aとして、基材層11の内面側に、部分的に離型コート層13を介してフィルム層12を積層した複合包装材料を表面シート10に用い、開口部形成領域2を画する切込み線3をフィルム層12を残して基材層11に形成し、開口部形成領域2と周辺領域を覆う粘着ラベル5を貼着し、粘着ラベル5の剥離操作により、切込み線3に沿って基材層11を破断してフィルム層12を残した開口部7を形成でき、かつ開蓋、閉蓋可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として流動性を有する芳香剤、消臭剤、吸着剤、防虫剤その他の匂いや香り成分等を放出する使用を目的とする内容物の包装に好適な包装体、特には開口部形成領域に貼着した粘着ラベルを剥離することで開口部を形成できる粘着ラベル付き包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、内容物として不織布に薬剤液を含浸させたウェットシートあるいはウェットティッシュであり、該シート等を包装して取り出し口から任意に取り出せるようにしたクリーナーやウェットティッシュの包装体が知られている(特許文献1)。
【0003】
かかる包装体においては、包装材の一部に取り出し口が打ち抜き形成されるとともに、該取り出し口を含む領域を外表面に貼着した粘着ラベルで覆い、該粘着ラベルの剥離、貼着操作により前記開口部を開蓋、閉蓋できるように構成されている。
【特許文献1】実用新案登録第3063070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の包装体の場合、粘着ラベルによる開蓋時には前記取り出し口が完全に開口した状態であるため、該文献1のように内容物のティッシュを取り出す使用においては問題はないが、内容物を取り出す必要がなく、開蓋状態にすることで、内容物の匂いや香り成分等を放出して使用する包装体には不適なものであった。例えば、これを各種薬液や薬剤を含む液体の包装に使用した場合には、前記のように開口させることで内容物の液体が零れ出る虞が多分にある。また、粘着ラベルを閉蓋した状態においても、粘着ラベルが気密に貼着されていないと、内容物の液体が貼着が不完全な部分の隙間から漏れ出る虞がある。
【0005】
また、前記取り出し口は、予め打ち抜き形成されて前記粘着ラベルの貼着により閉蓋されているものであるため、薬品類を含む液体を収納する包装体としての使用までの安全性に乏しいものである。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、内容物が液体や粉粒体等の流動性を有するものであっても開蓋状態において内容物がこぼれ出る心配がなく、開蓋状態にすることで内容物の匂いや香り成分等を放出して使用する包装体に好適に利用できる粘着ラベル付き包装体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する本発明は、内容物を収納し包装してなる粘着ラベル付き包装体であって、開口部形成領域を含む表面シートが、基材層と該基材層の内面側に積層された少なくとも1層のフィルム層との複合包装材料よりなり、前記表面シートには、開口部形成領域を画する破断用切込み線が前記フィルム層を残して前記基材層に形成されるとともに、該基材層の外表面に前記開口部形成領域及びその周辺領域を覆う粘着ラベルが貼着され、該粘着ラベルの剥離操作により前記切込み線に沿って前記基材層を破断して前記フィルム層を残した開口部を形成できることを特徴とする。
【0008】
この包装体によれば、前記粘着ラベルを剥離すると、表面シートの基材層が開口部形成領域を画する切込み線の個所で破断し、開口部形成領域の基材層部分が前記粘着ラベルとともに剥離されて、内面側の少なくとも1層のフィルム層を残して所定の形状の開口部が形成される。前記開口部は、前記粘着ラベルの剥離及び貼着操作により開蓋、閉蓋可能とすることができる。
【0009】
そして、前記の開蓋状態においては、前記開口部には少なくとも1層のフィルム層が存するため、内容物が液体や流動性のある粉粒体等であっても開口部から零れることがなく、安全に使用できる。例えば、内容物が揮発性の液体であって、包装体をテーブル等の上から不注意に落下させることがあっても零れることがない。また、幼児が内容物に触れる心配もない。そのため、前記フィルム層の持つ性質を活かした用途に好適に利用できる。例えば、内容物の匂いや香り成分等を透過し徐々に気中に放出できる性質を利用して、流動性を有する芳香剤、消臭剤、吸着剤、防虫剤等に好適に使用できる。
【0010】
前記の包装体において、前記開口部形成領域には、前記基材層の内面側に離型コート層を介して前記少なくとも1層のフィルム層が積層されてなるものとするのが好ましい。これにより、前記粘着ラベルの剥離操作により、開口部形成領域の基材層を内面側の前記フィルム層から容易に分離できて、該フィルム層を残して開口部を形成できる。
【0011】
前記の包装体において、前記少なくとも1層のフィルム層が、内容物の匂いや香り成分を透過できる非通液性のフィルムであるものとする。前記のフィルム層として、液体を通さない微細孔を有する有孔フィルムよりなるものとすることもできる。これにより、内容物が液体等の場合の液密性が良好に保持されるとともに、内容物の匂いや香りを徐々に放出できるので、前記のように、内容物を取り出さずに匂いや香り等の放出を利用する用途に包装状態のままで使用できる。
【0012】
前記の包装体において、前記切込み線は、剥離開始端側の切込み部分から左右に分かれて開口部形成領域の両側を画するように粘着ラベルの剥離方向に延びる切込み部分が、ミシン目状の切目列であってかつ各切目が前記剥離作用による破断方向の逸れを補正する形状をなして並列している変形ミシン目状の切目列よりなるものが好ましい。この場合、使用開始時の粘着ラベルの剥離操作により開口部形性領域の基材層を前記切目線の個所で逸れなく確実に破断でき、所定形状の開口部を形成することができる。
【0013】
前記の包装体において、前記開口部形成領域を画する切込み線が、前記粘着ラベルの剥離方向の終端側において切込みを有さない部分を残余させて形成され、開口部形成領域の基材層が前記残余部により他部分と連続しているものとすることができる。この場合、粘着ラベルを剥離方向に引っ張っても、前記残余部で開口部形成領域の基材層が他の領域部分と連続しているため、それ以上の破断に対する抵抗が大きくなり、過度の開口を規制でき、そのため所定形状の開口部を形成できる。
【0014】
また、前記開口部形成領域を画する切込み線が、前記粘着ラベルの剥離方向の終端側において幅方向の切込み部分が前記両側の切込み部分に連続して形成されてなるものとすることもできる。
【0015】
前記の包装体としては、前記複合包装材料よりなる袋体に内容物を収納し包装してなるものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の粘着ラベル付き包装体によれば、粘着ラベルの剥離操作により表面シートの基材層を破断して所定形状の開口部、特には少なくとも1層のフィルム層を残した開口部を容易に形成できる。さらに、該粘着ラベルの剥離及び貼着操作により前記開口部を開蓋及び閉蓋可能とすることもできる。
【0017】
そして、前記開口部の開蓋状態においては、内面側に少なくとも1層のフィルム層が存するために、内容物が液体や粉粒体等の流動体であっても開口部から零れ出る心配がなく、安全に使用できる。しかも、前記少なくとも1層のフィルム層の透過性を利用して、内容物の匂いや香り成分等が透過し放出されることで、芳香剤、消臭剤、吸着剤や防虫剤等の包装体に好適に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明の包装体の一部を切欠した略示斜視図、図2は同上の一部の開蓋状態の斜視図、図3及び図4は粘着ラベルを省略した開口部形成領域付近の平面図、図5は図1のV−V線の開口部形成領域付近の拡大断面図、図6は及び図7は図1のIV−IV線の開口部の開蓋前と開蓋後の拡大断面図である。図8は表面シートの層構造の1例を示す拡大断面図、図9は変形ミシン目状の切目列を例示する説明図である。
【0020】
図1〜図8は、液体等の内容物を収納して包装した袋体よりなる包装体Aの実施例を示している。この包装体Aの袋体1は、開口部形成領域(開口部を形成する領域)2を含む表面シート10が、基材層11と該基材層11の内面側に積層された少なくとも1層のフィルム層12との複合包装材料よりなる。図の場合、前記表面シート10により袋表裏を含む袋体1が形成され、内容物を収納した状態で液密にヒートシールされている。
【0021】
前記表面シート10には、袋体1の表面側の所定の個所に、前記開口部形成領域2を画する破断用切込み線3が、前記フィルム層12を残して前記基材層11を貫通するような形で形成されるとともに、該基材層11の外表面に前記開口部形成領域2及びその周辺領域を覆う粘着ラベル5が貼着されており、該粘着ラベル5の剥離操作により、前記切込み線3に沿って前記基材層11を破断し前記開口部形成領域2の基材層部分11aを粘着ラベル5とともに剥離して、前記フィルム層12を残した開口部7を形成でき、かつ、その後は粘着ラベル5により開蓋、閉蓋可能に構成されている。
【0022】
前記粘着ラベル5の剥離操作による前記基材層部分11aの前記フィルム層12に対する剥離を容易に可能にするために、前記表面シート10に用いる複合包装材料の前記基材層11と前記フィルム層12との積層構成において、前記開口部形成領域2に相当する部分においては、前記基材層11に対し離型コート層13を介して前記フィルム層12を積層して、該離型コート層13を有する領域内において前記切込み線3を形成して開口部形成領域2を画し、該切込み線3により前記形状を得る破断想定ラインに沿って破断し剥離できるようにする。これにより、前記粘着ラベル5の剥離操作により、前記基材層部分11aを前記フィルム層12に対して容易に剥離できるようになっている。
【0023】
前記粘着ラベル5は、基材シート51に合成樹脂フィルム等に対して剥離可能に繰り返し貼着できる粘着剤層52を設けてなるもので、前記切込み線3により画される開口部形成領域2に対応した形状で該開口部形成領域2よりやや広い範囲を覆うように形成される。該粘着ラベル5の剥離開始側の端部には、図のように前記粘着剤層52を有さない摘み部5aを形成しておくのが好ましい。
【0024】
前記開口部7の開蓋、閉蓋を実現するのであれば、前記基材シート51と前記粘着剤層52の間の接着強度は、前記粘着剤層52と前記基材層11(基材層部分11aを含む)の間の接着強度よりも強いことが望ましく、前記粘着剤層52と前記基材層部分11aの間の接着強度は、前記基材層部分11aと前記離型コート層13の間の接着強度もしくは前記フィルム層12と前記離型コート層13の間の接着強度よりも強いことが好ましい。
【0025】
前記開口部形成領域2の形状は、平面四角形のほか、円形、楕円形、ひし形その他種々の形状にでき、これを画するように前記切込み線3が形成され、又此に対応した形状の粘着ラベル5が貼着される。
【0026】
前記開口部形成領域2を画する切込み線3は、通常のミシン目状の切目列のみで形成されているものであってもよいが、図の場合は、平面四角形の開口部形成領域2を画するように、剥離開始端側の幅方向の連続した切込み部分31と、該切込み部分31の両端から左右に分かれて開口部形成領域2の両側を画するように粘着ラベル5の剥離方向に延びるミシン目状の切目の断続した切込み部分32とにより構成されている。特に、前記両側の切込み部分32は、ミシン目状の切目列であってかつ各切目3aが前記剥離作用による破断の方向の逸れを補正する形状をなして並列している変形ミシン目状の切目列よりなる。
【0027】
前記剥離開始端側の幅方向の切込み部分31についても、中央部の切込みから左右それぞれの方向に破断が可能な方向性を持ちかつ前記同様の破断方向の補正機能を持った変形ミシン目状の切目列とすることもできるが、粘着ラベル5の剥離による破断作用上、図のような横方向に連続した切込みとするのが好ましい。また、前記開口部形成領域2の平面形状が円形や楕円形あるいはひし形の場合にも、前記剥離開始端側の中央部から左右両側で剥離方向に延びる切込み部分を前記同様の破断方向の補正機能を持った変形ミシン目状の切目列とすることもできる。開封操作を容易にするのであれば、前記切込み部分31,32、33は基材層11に対して貫通していることが好ましい。
【0028】
前記開口部形成領域2を画する切込み線3については、図3のように、前記剥離方向の終端側の部分を残余させて形成し、開口部形成領域2の基材層部分11aが前記残余部14により他の領域部分と連続して形成しておくのが、粘着ラベル5を剥離操作の際に、前記残余部で開口部形成領域2の基材層部分11aが他の領域部分と連続していることで、破断に対する抵抗が大きくなつて、過度の開口を規制でき好ましい。前記切込み線3については、図4のように、前記粘着ラベル5の剥離方向の終端側において幅方向の切込み部分33を前記両側の切込み部分32,32に連続して形成しておき、前記粘着ラベル5の剥離操作により、開口部形成領域2の前記基材層部分11aを完全に切り離せるようにすることもできる。この場合も、前記粘着ラベル5の剥離、貼着操作により開蓋、閉蓋可能とすることができる。前記基材層部分11aを含む粘着ラベル5を基材層11から完全に切り離し開蓋した状態で使用することもできる。
【0029】
前記の切込み線3における変形ミシン目状の切目列としては、必ずしも図示する実施例のように、各切目3aが破断想定ラインを挟んで逆方向に傾斜した切目列で、該切目3aが対称の配置をなすもの〔図9の(a)〕には限らず、このほか、左右の切目3aの位置がずらされて並列するもの〔図9の(b)〕、平面Y形の切目3aが断続状に並列するもの〔図9の(c)(d)〕、円弧状もしくは略くの字状に屈曲した切目3aが破断想定ラインを挟んで向かい合わせに並列したもの〔図9の(e)(f)〕等、一つの切目からの引き裂き方向の逸れを次の切目で破断想定ライン上に誘導し補正できるものであれば、どのような切目形態をなすものであってもよい。
【0030】
前記の基材層11の内面側に積層する少なくとも1層のフィルム層12としては、通常内容物の匂いや香り成分を透過できる非通液性のフィルム、例えばポリエチレンフィルム等が用いられる。すなわち、液体は通さないが、内容物の匂いや香り成分を透過できる程度の適度の透過性を有するフィルム、例えばややガスバリア性の低いフィルムが用いられる。このほか、液体は通さないが、内容物の匂いや香り成分は透過できる微細孔を有する有孔フィルムを用いることもできる。
【0031】
なお、前記基材層11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の各種の合成樹脂フィルムの単層もしくは複層のシート材を用いるほか、合成樹脂フィルム、紙、セロハン、アルミ箔、コーティング層を適宜組み合わせた2層以上の複合材料が好適に用いられれる。その1例として、図8のように、中間層としてアルミ箔11aの上にPETフイルム11bをドライラミネートにより積層し、さらにその上に印刷層11cを介して表面層としてのPETフィルム11dをドライラミネートにより積層した複合包装材料とすることができる。前記の基材層11には、内面側(裏面側)の前記開口部形成領域2に相当する個所を少なくとも含む所要の範囲に離型コート層13を設けておいて、該離型コート層13が存する範囲内の所定の個所に、開口部形成領域2を画する前記ミシン目状の切目列等の破断用の切込み線3を基材層11を貫通するような形で入れておく。そして、内面層となる少なくとも1層のフィルム層12としてのポリエチレンフィルムを、前記基材層11の内面側にドライラミネートにより積層した複合包装材料とする。
【0032】
前記の複合包装材料を表面シート10に用いて袋体1を構成し、内容物を充填収納した後、気密にシールする。この後、前記切込み線3による開口部形成領域2の部分を覆うように前記粘着ラベル5を貼着して、図1で示す本発明の包装体Aを得る。
【0033】
前記の包装体Aの使用において、開口部7を形成するには、前記粘着ラベル5を図3の矢印方向に剥離する。すると、前記粘着ラベル5が剥離されるのに伴って、前記切込み線3により画された開口部形成領域2の基材層部分11aが、該粘着ラベル5に貼着された状態のまま該切込み線3で他の領域部分から破断しながら切込み線3が形成されていない前記フィルム層12から剥離され、前記フィルム層12を残した開口部7が形成される(図7)。
【0034】
特に、前記開口部形成領域2の基材層11の内面側に離型コート層13を介して前記フィルム層12が積層されていることで、前記粘着ラベル5の剥離操作に伴なう前記切込み線3からの破断とともに、前記基材層部分11が前記フィルム層12に対し容易に剥離され、前記フィルム層12を残した所定形状の開口部7が形成される。また、開口操作後は、前記粘着ラベル5の周縁部分が前記開口部7の周縁部分の基材層11に対する剥離、貼着操作により、該開口部7を繰り返し開蓋及び閉蓋できる。
【0035】
そして、前記の開蓋状態においては、前記開口部7には少なくとも1層のフィルム層12が存するため、内容物が液体や流動性のある粉粒体等であっても開口部7から零れ出ることがなく、安全に使用できる。例えば、内容物が揮発性の液体であって、包装体をテーブル等の上から不注意に落下させることがあっても零れることがない。また、幼児が内容物に触れる心配もない。そのため、前記フィルム層12の持つ性質を活かした用途、例えば、内容物の匂いや香り成分等を透過し徐々に気中に放出できる性質を利用して、流動性を有する芳香剤、消臭剤、吸着剤、防虫剤等に好適に使用できる。また、前記のように内容物が液体等であっても零れる心配がないため、振動や揺動を伴う車輌等での使用も問題なく可能になる。
【0036】
なお、上記した実施例においては、複合包装材料よりなる表面シート10により形成した袋体1に内容物を収納して包装した包装体Aの場合を示したが、本発明は、図10のように、容器本体15の開口を覆う蓋部材16をシールし被着した容器A1において、前記同様の基材層11と、その内面側に積層した少なくとも1層のフィルム層12とよりなる複合包装材料よりなる表面シート10を前記蓋部材16に用い、該表面シート10の一部に上記同様の開口部形成領域2を設定して、該領域2を画する破断用切込み線3を前記基材層11を貫通するような形で設けるとともに、該開口部形成領域2及びその周辺部分を覆うように前記同様の粘着ラベル5を貼着して実施することができる。この場合も、前記切込み線3による開口部形成領域2の内面側に離型コート層13を介して前記フィルム層12を積層し、粘着ラベル5の剥離による開口部形成領域2の基材層部分11aの剥離を容易にしておくのが好ましい。
【0037】
この実施例においても、粘着ラベル5の剥離操作により表面シート10の基材層11を破断して所定形状の開口部7を容易に形成できるとともに、該粘着ラベル5の剥離及び貼着操作により前記開口部7を開蓋及び閉蓋できる。そして、前記開口部の開蓋状態においては、内面側に少なくとも1層のフィルム層が存するために、内容物が液体や粉粒体等の流体であっても開口部から零れ出す心配がなく、安全に使用できる。しかも、前記少なくとも1層のフィルム層の透過性を利用して、内容物の匂いや香り成分等が透過し放出されることで、芳香剤、消臭剤、吸着剤や防虫剤等の包装体に好適に利用できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の包装体は、主として流動性を有する芳香剤、消臭剤、吸着剤、防虫剤その他の匂いや香り成分等を放出する使用を目的とする内容物の包装に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の包装体の一部を切欠した略示斜視図である。
【図2】同上の一部の開蓋状態の斜視図である。
【図3】粘着ラベルを省略した開口部形成領域付近の平面図である。
【図4】粘着ラベルを省略した開口部形成領域付近の他の例の平面図である。
【図5】図1のV−V線の開口部形成領域付近の拡大断面図である。
【図6】図1のIV−IV線の開口部の開蓋前の拡大断面図である。
【図7】同上の開蓋後の拡大断面図である。
【図8】表面シートの層構造の1例を示す拡大断面図である。
【図9】変形ミシン目状の切目列を例示する説明図である。
【図10】別の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
A…包装体、A1…容器、1…袋体、2…開口部形成領域、3…破断用の切込み線、3a…切目、5…粘着ラベル、5a…摘み部、7…開口部、10…表面シート、11…基材層、11a…開口部形成領域の基材層部分、12…フィルム層、13…離型コート層、14…残余部、15…容器本体、16…蓋部材、31,32,33…切込み部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納し包装してなる包装体であって、
開口部形成領域を含む表面シートが、基材層と該基材層の内面側に積層された少なくとも1層のフィルム層との複合包装材料よりなり、
前記表面シートには、開口部形成領域を画する破断用切込み線が前記フィルム層を残して前記基材層に形成されるとともに、該基材層の外表面に前記開口部形成領域及びその周辺領域を覆う粘着ラベルが貼着され、該粘着ラベルの剥離操作により前記切込み線に沿って前記基材層を破断して前記フィルム層を残した開口部を形成できることを特徴とする粘着ラベル付き包装体。
【請求項2】
前記基材層を破断して形成された開口部が、前記粘着ラベルの剥離及び貼着操作により開蓋、閉蓋可能である請求項1に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項3】
前記開口部形成領域には、前記基材層の内面側に離型コート層を介して前記少なくとも1層のフィルム層が積層されてなる請求項1又は2に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項4】
前記少なくとも1層のフィルム層が、内容物の匂いや香り成分を透過できる非通液性のフィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項5】
前記少なくとも1層のフィルム層が、液体を通さない微細孔を有する有孔フィルムよりなる請求項4に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項6】
前記切込み線は、剥離開始端側の切込み部分から左右に分かれて開口部形成領域の両側を画するように粘着ラベルの剥離方向に延びる切込み部分が、ミシン目状の切目列であってかつ各切目が前記剥離作用による破断の方向の逸れを補正する形状をなして並列している変形ミシン目状の切目列よりなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項7】
前記開口部形成領域を画する切込み線が、前記粘着ラベルの剥離方向の終端側において切込みを有さない部分を残余させて形成され、開口部形成領域の基材層が前記残余部により他部分と連続している請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項8】
前記開口部形成領域を画する切込み線が、前記粘着ラベルの剥離方向の終端側において幅方向の切込み部分が前記両側の切込み部分に連続して形成されてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き包装体。
【請求項9】
包装体が、前記複合包装材料よりなる袋体に内容物を収納し包装してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着ラベル付き包装体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−249029(P2009−249029A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103232(P2008−103232)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000122896)岡田紙業株式会社 (10)
【出願人】(000122900)岡田紙工株式会社 (7)
【Fターム(参考)】