説明

精留塔のスタートアップ方法

【課題】FT合成反応によって得られたFT合成炭化水素を分留する精留塔の暖機運転を行う際に、外部から入手した軽油相当の炭化水素を用いることなく暖機運転でき、硫黄(S)の混入のおそれがなく高品質な液体燃料を得ることができる精留塔のスタートアップ方法を提供する。
【解決手段】フィッシャー・トロプシュ合成反応により生成されたFT合成炭化水素を分留する精留塔のスタートアップ方法であって、前記フィッシャー・トロプシュ合成反応を行うFT反応器内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素を外部に取り出す工程S3と、取り出した前記軽質FT合成炭化水素を冷却して液化する工程S4、S5と、前記軽質FT合成炭化水素を前記精留塔に供給する工程S8と、前記軽質FT合成炭化水素を加熱するとともに前記精留塔に循環させる工程S9、S11と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応より生成されたFT合成炭化水素を分留する精留塔のスタートアップ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、天然ガスから液体燃料を合成するための方法の一つとして、天然ガスを改質し一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分とする合成ガスを生成し、この合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)により炭化水素を合成し、さらにこの炭化水素を水素化および精製することで、ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油、ワックス等の液体燃料製品を製造するGTL(Gas To Liquids:液体燃料合成)技術が開発されている。
【0003】
ここで、FT合成反応によって得られるFT合成炭化水素を原料とした液体燃料製品は、パラフィン含有量が多く、硫黄分をほとんど含まないため、例えば特許文献1に示すように、環境対応燃料として注目されている。
また、このFT合成炭化水素は、例えば特許文献2に示す精留塔に供給されて沸点に応じて分留され、精留塔の上部、中央部、下部にそれぞれ設けられた抜出口より、分留された炭化水素が得られる。
【特許文献1】特開2004−323626号公報
【特許文献2】特開昭61−167402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の精留塔においては、温度が低い状態で、融点の高い重質の炭化水素が供給されると、重質の炭化水素が固化して流動性が無くなり、分留を行うことができなくなってしまうことになる。このため、精留塔のスタートアップ時には、軽油相当(炭素数11〜20程度)の軽質の炭化水素を精留塔の内部に充填し、この炭化水素を精留塔の外部に設けられた熱交換器によって加熱するとともに精留塔内部へと循環させ、精留塔内部が所定の温度となるように暖機運転している。
【0005】
このように軽油相当の炭化水素を充填する場合、スタートアップ時のために軽油相当の炭化水素用のタンク等を設ける必要があった。また、一般的に入手される炭化水素は、少なくともppmオーダーの硫黄(S)を含有しており、分留されたFT合成炭化水素を精製する精製反応器内の触媒を被毒するおそれがあった。さらに、この軽油相当の炭化水素が製品に混入した場合、硫黄(S)が混入することになるため、この炭化水素を確実に廃棄する必要があった。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、FT合成反応によって得られたFT合成炭化水素を分留する精留塔の暖機運転を行う際に、外部から入手した軽油相当の炭化水素を用いることなく暖機運転でき、硫黄(S)の混入のおそれがなく高品質な液体燃料を得ることができる精留塔のスタートアップ方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る精留塔のスタートアップ方法は、FT合成反応により生成されたFT合成炭化水素を分留する精留塔のスタートアップ方法であって、前記FT合成反応を行うFT反応器内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素を外部に取り出す工程と、取り出した前記軽質FT合成炭化水素を冷却して液化する工程と、液化した前記軽質FT合成炭化水素を前記精留塔に供給する工程と、前記軽質FT合成炭化水素を加熱するとともに前記精留塔に循環させる工程と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記構成の精留塔のスタートアップ方法によれば、FT反応器内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素を取り出し、これを冷却・液化して精留塔に充填し、この軽質FT合成炭化水素を加熱しながら循環させるので、外部から入手した軽油相当の液体炭化水素を用いることなく精留塔の暖機運転を行うことができる。したがって、軽油相当の炭化水素用のタンク等を設ける必要がない。また、FT合成によって得られる軽質FT合成炭化水素は、硫黄分をほとんど含まないため、分留されたFT合成炭化水素を精製する精製反応器内の触媒を被毒するおそれがなく、ナフサ、軽油、灯油等の液体燃料を効率良く得ることができる。また、この軽質FT合成炭化水素は、そもそも水素化精製反応器の原料であり、水素化処理されれば、製品に混入しても全く問題のないものであるので、分離・廃棄する必要がない。
【0009】
ここで、前記FT反応器から前記軽質FT合成炭化水素を取り出す工程が、前記FT反応器内に液体として存在する重質FT合成炭化水素の抜き出しよりも前に開始される構成とすることが好ましい。
この場合、FT反応器から軽質合成炭化水素を取り出して精留塔の暖機運転をした後に、重質FT合成炭化水素が精留塔に供給されることになり、精留塔での分留を確実に、且つ、効率良く行うことができる。また、軽質FT合成炭化水素中に炭素数の多い重質FT合成炭化水素が混入することが抑制され、軽質FT合成炭化水素の流動性を確保することができる。
【0010】
また、前記FT反応器内の液面レベルを通常運転時よりも低く設定する構成とすることが好ましい。
この場合、FT反応器内の液面レベルが通常運転時よりも低く設定されることで、重質FT合成炭化水素が生成されてもFT反応器の通常運転時の液面レベルに到達するまで、重質FT合成炭化水素の抜き出しが開始されないが、ガス成分である軽質FT合成炭化水素は、FT反応の初期段階からFT反応器の上部の放出口から取り出されることになり、前記FT反応器からの前記軽質FT合成炭化水素の取り出しと、重質FT合成炭化水素の抜き出しとの間に時間差を生じさせることができる。なお、スタートアップ時の液面レベルは、精留塔への軽質FT合成炭化水素の張り込み必要量を考慮して下げておくことが好ましく、例えば、通常運転時の液面レベルの60〜70%程度とすることが好ましい。
【0011】
さらに、前記軽質FT合成炭化水素から前記FT反応器において未反応の原料ガスを除去し、この未反応の原料ガスを前記FT反応器へ還流させる構成を採用することが好ましい。
FT反応器内に気体として存在する前記軽質FT合成炭化水素の中には、FT反応器内で未反応の原料ガス(一酸化炭素及び水素の合成ガス)が混入している。この原料ガスをFT反応器に還流させることにより、FT合成による炭化水素の生産効率を向上させることができる。
【0012】
また、前記軽質FT合成炭化水素中に含まれる水分を除去する工程を有する構成を採用することが好ましい。
FT反応器の内部では、副生成物として水(水蒸気)が生成されるため、FT反応器内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素中には水分も含まれることになる。よって、水分を除去する工程を有することによって、精留塔内への水分の混入を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、FT合成反応によって得られたFT合成炭化水素を分留する精留塔の暖機運転を行う際に、外部から入手した軽油相当の炭化水素を用いることなく暖機運転でき、硫黄(S)の混入のおそれがなく高品質な液体燃料を得ることができる精留塔のスタートアップ方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態である精留塔のスタートアップ方法が用いられる液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)の全体構成及び工程について説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態にかかる液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。この液体燃料合成システム1は、合成ガス生成ユニット3と、FT合成ユニット5と、製品精製ユニット7とから構成される。
合成ガス生成ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを生成する。
FT合成ユニット5は、生成された合成ガスからFT合成反応により、液体炭化水素(FT合成炭化水素)を生成する。
製品精製ユニット7は、FT合成反応により生成された液体炭化水素(FT合成炭化水素)を水素化・精製して液体燃料製品(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)を製造する。以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
【0016】
合成ガス生成ユニット3は、脱硫反応器10と、改質器12と、排熱ボイラー14と、気液分離器16,18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。
脱硫反応器10は、水添脱硫装置等で構成され、原料である天然ガスから硫黄成分を除去する。
改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスを生成する。
排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。
気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。
気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。
脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。
水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。
ただし、上記脱炭酸装置20は場合によっては設ける必要がないこともある。
【0017】
FT合成ユニット5は、例えば、気泡塔型反応器(気泡塔型炭化水素合成反応器)30と、気液分離器34と、分離器36、気液分離器38と、第1精留塔40とを主に備える。
気泡塔型反応器30は、合成ガスを液体炭化水素(FT合成炭化水素)に合成する反応器の一例であり、FT合成反応により合成ガスから液体炭化水素(FT合成炭化水素)を合成するFT合成用反応器として機能する。この気泡塔型反応器30は、例えば、塔型の容器内部に、液体炭化水素(FT合成炭化水素)中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが収容された気泡塔型スラリー床式反応器で構成される。この気泡塔型反応器30は、上記合成ガス生成ユニットで生成された合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガス)とを反応させて液体炭化水素(FT合成炭化水素)を合成する。
気液分離器34は、気泡塔型反応器30内に配設された伝熱管32内を流通して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離する。
分離器36は、気泡塔型反応器30の内部に収容されたスラリー中の触媒粒子と液体炭化水素(FT合成炭化水素)とを分離処理する。
気液分離器38は、気泡塔型反応器30の上部に接続され、未反応合成ガス及びFT合成炭化水素のガス成分を冷却処理する。
第1精留塔40は、気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素(FT合成炭化水素)を蒸留し、沸点に応じて各製品留分に分留する。
【0018】
製品精製ユニット7は、例えば、WAX分水素化分解反応器50と、灯油・軽油留分水素化精製反応器52と、ナフサ留分水素化処理反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサスタビライザー72とを備える。
WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部に接続されており、その下流側に気液分離器56が設けられている。このWAX分水素化分解反応器50では、反応を促進するための触媒が用いられている。
灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されており、その下流側に気液分離器58が設けられている。この灯油・軽油留分水素化精製反応器52では、反応を促進するための触媒が用いられている。
ナフサ留分水素化処理反応器54は、第1精留塔40の上部に接続されており、その下流側に気液分離器60が設けられている。このナフサ留分水素化処理反応器54では、反応を促進するための触媒が用いられている。
第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素(FT合成炭化水素)を沸点に応じて分留する。ナフサスタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分の液体炭化水素(FT合成炭化水素)を精留して、ブタンより軽い成分はフレアガス(排ガス)側へ排出し、炭素数が5以上の成分は製品のナフサとして分離・回収する。
【0019】
次に、以上のような構成の液体燃料合成システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
【0020】
液体燃料合成システム1には、天然ガス田または天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず。)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH)が供給される。上記合成ガス生成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
【0021】
まず、上記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に供給される。脱硫反応器10は、当該水素ガスを用いて天然ガスに含まれる硫黄分を例えばZnO触媒で水添脱硫する。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び気泡塔型反応器30等で用いられる触媒の活性が硫黄により低下することを防止できる。
【0022】
このようにして脱硫された天然ガスは、二酸化炭素供給源(図示せず。)から供給される二酸化炭素(CO)ガスと、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された後で、改質器12に供給される。改質器12は、例えば、上述した水蒸気・炭酸ガス改質法により、二酸化炭素と水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。
【0023】
このようにして改質器12で生成された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12または他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
【0024】
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は気泡塔型反応器30に供給される。吸収塔22は、貯留している吸収液内に、合成ガスに含まれる炭酸ガスを吸収することで、当該合成ガスから炭酸ガスを分離する。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は、再生塔24に導入され、当該炭酸ガスを含む吸収液は例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、放散された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、上記改質反応に再利用される。
【0025】
このようにして、合成ガス生成ユニット3で生成された合成ガスは、上記FT合成ユニット5の気泡塔型反応器30に供給される。このとき、気泡塔型反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H:CO=2:1(モル比))に調整されている。
【0026】
また、上記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26は、上記のように圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスを分離する。当該分離された水素は、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、WAX分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化処理反応器54など)に、連続して供給される。
【0027】
次いで、上記FT合成ユニット5は、上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスから、FT合成反応により、液体炭化水素(FT合成炭化水素)を合成する。
【0028】
上記合成ガス生成ユニット3によって生成された合成ガスは、気泡塔型反応器30の底部から流入されて、気泡塔型反応器30内に収容されたスラリー内を上昇する。この際、気泡塔型反応器30内では、上述したFT合成反応により、当該合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応して、液体炭化水素(FT合成炭化水素)が生成される。さらに、この合成反応時には、気泡塔型反応器30の伝熱管32内に水を流通させることで、FT合成反応の反応熱を除去し、この熱交換により加熱された水が気化して水蒸気となる。この水蒸気は、気液分離器34で液化した水が伝熱管32に戻されて、気体分が中圧スチーム(例えば1.0〜2.5MPaG)として外部装置に供給される。
【0029】
このようにして、気泡塔型反応器30で合成された液体炭化水素(FT合成炭化水素)は、スラリーとして触媒粒子とともに分離器36に導入される。分離器36は、スラリーを触媒粒子等の固形分と液体炭化水素(FT合成炭化水素)を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒粒子等の固形分は、その一部が気泡塔型反応器30に戻され、液体分は第1精留塔40に供給される。また、気泡塔型反応器30の塔頂からは、未反応の合成ガスと、FT合成炭化水素のガス分とが気液分離器38に導入される。気液分離器38は、これらのガスを冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素(FT合成炭化水素)を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分については、未反応の合成ガス(COとH)は、気泡塔型反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用される。また、製品対象外である炭素数が少ない(C以下)炭化水素ガスを主成分とする排ガス(フレアガス)は、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
【0030】
次いで、第1精留塔40は、上記のようにして気泡塔型反応器30から分離器36、気液分離器38を介して供給されたFT合成炭化水素(炭素数は多様)を加熱して、沸点の違いを利用して分留し、ナフサ留分(沸点が約150℃未満)と、灯油・軽油留分(沸点が約150〜350℃)と、WAX分(沸点が約350℃より大)とに分留する。
この第1精留塔40の底部から取り出されるWAX分のFT合成炭化水素(主としてC21以上)は、WAX分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される灯油・軽油留分のFT合成炭化水素(主としてC11〜C20)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分のFT合成炭化水素(主としてC〜C10)は、ナフサ留分水素化処理反応器54に移送される。
【0031】
WAX分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の下部から供給された炭素数の多いWAX分のFT合成炭化水素(概ねC21以上)を、上記水素分離装置26から供給された水素ガスを利用して水素化分解して、炭素数をC20以下に低減する。この水素化分解反応では、触媒と熱を利用して、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。このWAX分水素化分解反応器50により、水素化分解された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器56で気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、灯油・軽油留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化処理反応器54に移送される。
【0032】
灯油・軽油留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である灯油・軽油留分のFT合成炭化水素(概ねC11〜C20)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化精製する。この水素化精製反応は、上記FT合成炭化水素の異性化及び不飽和結合に水素を付加して飽和させ、主に側鎖状飽和炭化水素を生成する反応である。この結果、水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
【0033】
ナフサ留分水素化処理反応器54は、第1精留塔40の上部から供給された炭素数が少ないナフサ留分のFT合成炭化水素(概ねC10以下)を、水素分離装置26からWAX分水素化分解反応器50を介して供給された水素ガスを用いて、水素化処理する。この結果、水素化処理された液体炭化水素を含む生成物(水素化ナフサ)は、気液分離器60で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサスタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、上記水素化反応に再利用される。
【0034】
次いで、第2精留塔70は、上記のようにしてWAX分水素化分解反応器50及び灯油・軽油留分水素化精製反応器52から供給されたFT合成炭化水素を蒸留して、炭素数がC10以下の炭化水素(沸点が約150℃未満)と、灯油(沸点が約150〜250℃)と、軽油(沸点が約250〜350℃)及びWAX水素化分解反応器56からの未分解WAX分(沸点が約350℃)とに分留する。第2精留塔70の塔底からは未分解WAX分が得られ、これはWAX分水素化分解反応器50の前にリサイクルされる。第2精留塔70の中央部からは灯油および軽油が取り出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、炭素数がC10以下の炭化水素ガスが取り出されて、ナフサスタビライザー72に供給される。
【0035】
さらに、ナフサスタビライザー72では、上記ナフサ留分水素化処理反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数がC10以下の炭化水素を蒸留して、製品としてのナフサ(C〜C10)を分留する。これにより、ナフサスタビライザー72の下部からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサスタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C以下)の炭化水素を主成分とする排ガス(フレアガス)が排出される。この排ガスは、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
【0036】
以上、液体燃料合成システム1の工程(GTLプロセス)について説明した。かかるGTLプロセスにより、天然ガスを、高純度のナフサ(C〜C10:粗ガソリン)、灯油(C11〜C15:ケロシン)及び軽油(C16〜C20:ガスオイル)等の液体燃料に転換される。
【0037】
次に、図2、図3を参照して、FT合成を行う気泡塔型反応器30、第1精留塔40及び第2精留塔70について説明する。
【0038】
上述した気泡塔型反応器30の塔頂部分には、気泡塔型反応器30内のガス成分を放出する放出路801が設けられている。また、気泡塔型反応器30の中央部(本実施形態では、図2に示すように、気泡塔型反応器30の全高の約2/3程度の位置)に、気泡塔型反応器30内の液体炭化水素(FT合成炭化水素)を抜き出す抜出路901が設けられている。この抜出路901は、気液分離器902を介して分離器36に接続されている。この分離器36で分離された液体炭化水素(FT合成炭化水素)が供給路903を通じて第1精留塔40に供給される。
【0039】
放出路801は、熱交換器802を介して1次タンク803に接続されている。1次タンク803の上部には連絡路804が設けられており、この連絡路804は、熱交換器805を介して2次タンク806に接続されている。2次タンク806の上部には、2次タンク806内のガス成分を気泡塔型反応器30の底部へと還流する還流路807が設けられている。なお、これら熱交換器802、1次タンク803、連絡路804、熱交換器805、2次タンク806は、図1における気液分離器38を構成している。
【0040】
1次タンク803及び2次タンク806は、配管808を介して分離槽810に接続されている。この分離槽810には水抜機構811が設けられている。そして、この分離槽810は、分離器36と第1精留塔40とを接続する供給路903に接続されている。
第1精留塔40には、その内部に貯留された液体を循環する第1循環路813と、循環路813内の液体を移送する第1ポンプ814と、循環路813内を流れる液体を加熱するための熱交換器815と、が設けられている。
また、この第1循環路813には分岐路816が設けられており、この分岐路816は、第2精留塔70へと接続されている。第2精留塔70には、その内部に貯留された液体を循環する第2循環路823と、循環路823内の液体を移送する第2ポンプ824と、循環路823内を流れる液体を加熱するための熱交換器825と、が設けられている。
【0041】
次に、上記構成とされた第1精留塔40、第2精留塔70のスタートアップ方法について説明する。
まず、FT合成を行う気泡塔型反応器30の内部に、液体炭化水素と触媒粒子とを混合したスラリーを導入する(S1)。このとき、通常の操業では、抜出路901を超える高さ(気泡塔型反応器30の全高の2/3程度)までスラリーが充填されることになるが、スタートアップ時には、気泡塔型反応器30の全高の4/9程度までとする。すなわち、スタートアップ時には、気泡塔型反応器30の内の液面レベル(スラリーレベル)を通常運転時よりも低く設定しているのである。
【0042】
この気泡塔型反応器30に合成ガスを導入し、FT合成反応によって炭化水素(FT合成炭化水素)を生成する(S2)。なお、このときの気泡塔型反応器30内の設定温度は、通常運転時の設定温度(210〜240℃)よりも低く設定されており、具体的には170〜225℃、さらに好ましくは170〜210℃とされている。
上記の温度条件で気泡塔型反応器30内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素が、放出路801を通じて気泡塔型反応器30の外部に取り出される(S3)。このとき、気泡塔型反応器30内に液体として存在する重質FT合成炭化水素は、抜出路901よりも下方側に位置することから外部に取り出されることはない。
なお、本実施形態においては、軽質FT合成炭化水素はC〜C20程度とされ、重質FT合成炭化水素はC15〜C100程度とされている。
【0043】
放出路801を通じて放出された軽質FT合成炭化水素は、熱交換器802によって例えば約110℃に冷却・液化され、1次タンク803に貯留される(S4)。
1次タンク803内に貯留された軽質FT合成炭化水素のうち、上記温度条件で気体として存在するガス成分は、連絡路804に設けられた熱交換器805によって約45℃に冷却されて液化・冷却され、2次タンク806に貯留される(S5)。
2次タンク806内のガス成分には、気泡塔型反応器30内で未反応の原料ガス(一酸化炭素及び水素の合成ガス)が混入しているので、還流路807を通じて未反応の原料ガスが気泡塔型反応器30へと還流される(S6)。また、製品対象外である炭素数が少ない(C以下)炭化水素ガスを主成分とする排ガス(フレアガス)は、外部の燃焼設備(図示せず。)に導入されて、燃焼された後に大気放出される。
【0044】
また、1次タンク803及び2次タンク806では、液化された軽質FT合成炭化水素に混入した水分を水抜機構を設けて分離除去してもよく、この軽質FT合成炭化水素が、分離槽810へと移送され、残存している水分がさらに分離除去される(S7)。ここで、分離槽810内では、液体の軽質FT合成炭化水素と水とが分離して存在しているため、分離槽810の底部に設けられた水抜機構811から水分のみを抜き出すことができる。
【0045】
分離槽810で水分を除去された軽質FT合成炭化水素は、供給路903を通じて第1精留塔40へと供給される(S8)。このとき、前記重質FT合成炭化水素は、抜出路901から抜き出されていないため、供給路903からは軽質FT合成炭化水素のみが第1精留塔40へと供給されることになる。
そして、第1ポンプ814によって第1循環路813内を軽質FT合成炭化水素が循環されるとともに、熱交換器815によって軽質FT合成炭化水素が150〜200℃に加熱される(S9)。これにより、第1精留塔40の暖機運転がなされ、第1精留塔40の内部が所定の温度(約320℃)まで加熱される。
【0046】
また、第1循環路813を循環する軽質FT合成炭化水素の一部が分岐路816を通じて第2精留塔70へと供給される(S10)。
そして、第2ポンプ824によって第2循環路823内を軽質FT合成炭化水素が循環されるとともに、熱交換器825によって軽質FT合成炭化水素が150〜200℃に加熱される(S11)。これにより、第2精留塔70の暖機運転がなされ、第2精留塔70の内部が所定の温度(約310℃)まで加熱される。
【0047】
このようにして、第1精留塔40、第2精留塔70が所定温度に加熱された後に、気泡塔型反応器30内の重質FT合成炭化水素の液面が上昇して抜出路901からスラリーが抜き出され、分離器36で触媒粒子が分離された重質FT合成炭化水素が、供給路903を通じて第1精留塔40へと供給され、第1精留塔40での分留及び第2精留塔70での分留が開始される。
【0048】
上述した構成とされた本実施形態に係る精留塔(第1精留塔40、第2精留塔70)のスタートアップ方法によれば、気泡塔型反応器30内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素を放出路801から抜き出し、これを熱交換器802、805で冷却・液化して、第1精留塔40及び第2精留塔70に導入し、この軽質FT合成炭化水素を熱交換器815、825で加熱しながら循環させているので、外部から入手した軽油相当の液体炭化水素を用いることなく、第1精留塔40及び第2精留塔70の暖機運転を行い、所定温度まで加熱することができる。
また、FT合成によって得られる軽質FT合成炭化水素は、硫黄分をほとんど含まないため、第1精留塔40で分留されたFT合成炭化水素を精製するWAX分水素化分解反応器50、灯油・軽油留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化処理反応器54に用いられている触媒を被毒するおそれがなく、ナフサ、軽油、灯油等の液体燃料を効率良く得ることができる。
さらに、この軽質FT合成炭化水素は、製品に混入しても全く問題のないものであるので、分離及び廃棄する必要がない。
【0049】
また、本実施形態では、スタートアップ時において、気泡塔型反応器30内の液面レベル(スラリーレベル)を通常運転時(気泡塔型反応器30の全高の2/3程度)よりも低く設定(気泡塔型反応器30の全高の4/9程度)しているので、重質FT合成炭化水素は、気泡塔型反応器30の抜出路901に到達するまで外部に抜き出されることがないが、ガス成分である軽質FT合成炭化水素は、FT反応の初期段階から気泡塔型反応器30の放出路801から取り出されることになる。すなわち、気泡塔型反応器30からの軽質FT合成炭化水素の取り出しの開始と、重質FT合成炭化水素の抜き出しの開始との間に時間差を生じさせることができるのである。
【0050】
これにより、気泡塔型反応器30から軽質FT合成炭化水素を取り出して第1精留塔40及び第2精留塔70の暖機運転をした後に、重質FT合成炭化水素がこれら第1精留塔40及び第2精留塔70に供給されることになり、第1精留塔40及び第2精留塔70での分留を確実に、且つ、効率良く行うことができる。また、軽質FT合成炭化水素中に炭素数の多い重質FT合成炭化水素が混入することが抑制され、軽質FT合成炭化水素の流動性を確保することができる。
また、気泡塔型反応器30のスタートアップ時には、外部から入手した液体炭化水素と触媒粒子とを混合させたスラリーを気泡塔型反応器30内部に充填することになるが、このスラリーを生成するために必要な液体炭化水素の使用量も低減することができる。
【0051】
また、本実施形態では、気泡塔型反応器30内の設定温度を170〜225℃、さらに好ましくは170〜210℃とし、通常運転時の設定温度(210〜240℃)よりも低く設定しているので、気泡塔型反応器30内において気体として存在する軽質FT合成炭化水素の沸点が下がることになり、さらに炭素数が少ない軽質FT合成炭化水素が得られることになる。したがって、軽質FT合成炭化水素の流動性が向上し、第1精留塔40及び第2精留塔70の暖機運転を良好に行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、2次タンク806に、軽質FT合成炭化水素から未反応の原料ガスを除去して、この未反応の原料ガスを気泡塔型反応器30へ還流させる還流路807が設けられているので、気泡塔型反応器30内で未反応の原料ガス(一酸化炭素及び水素の合成ガス)を再度気泡塔型反応器30内で反応させることができ、FT合成による炭化水素の生産効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、軽質FT合成炭化水素中に含まれる水分を除去する分離槽810が設けられているので、気泡塔型反応器30内の副生成物である水(水蒸気)を軽質FT合成炭化水素から除去することができ、第1精留塔40及び第2精留塔70内への水分の混入を防止することができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、第1精留塔40の第1循環路813に分岐路816を設けて、第2精留塔70に軽質FT合成炭化水素を供給する構成として説明したが、これに限定されることはなく、図4に示すように、分離槽810から直接、第2精留塔70に軽質FT合成炭化水素を供給する構成としてもよい。
また、第1精留塔40及び第2精留塔70の一方のみを軽質FT合成炭化水素で暖機運転する構成としてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、スタートアップ時の気泡塔型反応器30内の液面(スラリー面)を通常運転よりも低くすることによって、軽質FT合成炭化水素の取り出しと重質FT合成炭化水素の抜き出しとに時間差を設ける構成として説明したが、これに限定されることはなく、例えば、スラリーの抜出路901に貯留槽を配設し、軽質FT合成炭化水素の取り出しと重質FT合成炭化水素の抜き出しとに時間差を設けてもよい。
【0055】
また、放出路801から放出された軽質FT合成炭化水素を2つの熱交換器802、805で2段階に冷却するものとして説明したが、これに限定されることはなく、一つの熱交換器で冷却するものであってもよい。
さらに、分離槽810を設けたものとして説明したが、分離槽810を有していなくてもよい。但し、分離槽810を設けることで水分を除去でき、精留塔(第1精留塔40、第2精留塔70)の汚染を防止することが可能となるため、分離槽810を設けることが好ましい。
【0056】
さらに、本実施形態で例示した温度範囲に限定されることはなく、運転状況を考慮して適宜設定することが好ましい。ただし、循環路(第1循環路813、第2循環路823)においては、循環される軽質FT合成炭化水素が固化しない温度にまで加熱する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態に係る精留塔(第1精留塔、第2精留塔)を備えた液体燃料合成システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る精留塔(第1精留塔、第2精留塔)周辺の詳細説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る精留塔(第1精留塔、第2精留塔)のスタートアップ方法を示すフロー図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る精留塔(第1精留塔、第2精留塔)周辺の詳細説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 液体燃料合成システム(炭化水素合成反応システム)
30 気泡塔型反応器(FT反応器)
40 第1精留塔(精留塔)
70 第2精留塔(精留塔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシャー・トロプシュ合成反応により生成されたFT合成炭化水素を分留する精留塔のスタートアップ方法であって、
前記フィッシャー・トロプシュ合成反応を行うFT反応器内に気体として存在する軽質FT合成炭化水素を外部に取り出す工程と、取り出した前記軽質FT合成炭化水素を冷却して液化する工程と、液化した前記軽質FT合成炭化水素を前記精留塔に供給する工程と、前記軽質FT合成炭化水素を加熱するとともに前記精留塔に循環させる工程と、
を備えていることを特徴とする精留塔のスタートアップ方法。
【請求項2】
前記FT反応器から前記軽質FT合成炭化水素を取り出す工程が、前記FT反応器内に液体として存在する重質FT合成炭化水素の抜き出しよりも前に開始されることを特徴とする請求項1に記載の精留塔のスタートアップ方法。
【請求項3】
前記FT反応器内の液面レベルを通常運転時よりも低く設定することを特徴とする請求項2に記載の精留塔のスタートアップ方法。
【請求項4】
前記軽質FT合成炭化水素から前記FT反応器において未反応の原料ガスを除去し、この未反応の原料ガスを前記FT反応器へ還流させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の精留塔のスタートアップ方法。
【請求項5】
前記軽質FT合成炭化水素中に含まれる水分を除去する工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の精留塔のスタートアップ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−83999(P2010−83999A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254221(P2008−254221)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【出願人】(504117958)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (101)
【出願人】(509001630)国際石油開発帝石株式会社 (57)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【出願人】(000105567)コスモ石油株式会社 (443)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)