説明

糖尿病のリスクを決定する方法

糖尿病のリスクを決定するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、a)患者から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbAIcのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、b)レベルならびに必要に応じて患者年齢および/または性別を使用して、患者についての糖尿病リスクスコアを計算するステップとを含む。参照集団に対してアッセイを実行することから得られた結果は、式Iを使用して得られたものに類似するまたはそれと同一である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
真性糖尿病は、血糖値を調節する能力の損失によって特徴付けられる重病である。American Diabetes Associationは、非特許文献1および非特許文献2において糖尿病の診断および分類について検討している。World Health Organization(WHO)は、世界中の1億8000万人以上が糖尿病を有すると推定する。この数は、2030年までに2倍以上になるであろう。2005年には、推定110万人が糖尿病で死んでいるが、糖尿病が、死因として列挙され得る心疾患および腎疾患などの他の疾患の一因となるので、この推定値は、おそらく、糖尿病によって引き起こされた死亡を、実際より少なく数えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0002】
【非特許文献1】Diabetes Care, 32巻(補足1):S62−S67(2009年)
【非特許文献2】Diabetes Care, 33巻(補足1):S62−S69(2010年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
糖尿病を発症するリスクにひんしている人を同定するための新しい方法についての必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
糖尿病リスクスコアを計算するための方法が提供される。一実施形態では、この方法は、a)ヒト患者から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、
b)患者についての数的なスコアを計算するステップまたはレベルならびに必要に応じて患者年齢および/もしくは性別を使用して、患者を分類するステップとを含む。この方法は、式Iまたはヒト参照集団に対するスピアマン分析もしくはカイ二乗分析によって決定されるように、式Iを使用して得られるものに類似するもしくはそれと同一の結果を提供する代替式を使用して実行されてもよい。
式I:
D=X+0.062*Age−0.636*Gender+1.621*GLUCOSE−3.370*ADIPOQ+0.600*CRP+0.699*FTH1+1.350*IL2RA+0.491*INSULIN+0.259*HBA1C
式中、
Xは、任意の符号の、0を含む任意の数であり、0、1、2、または2を超える小数位を有していてもよく、ある実施形態では、−23.114であってもよく、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、患者年齢であり、
0.636*Genderは、0.636を掛けた、女性=0および男性=1とした患者性別であり、
1.621*GLUCOSEは、1.621を掛けた、mg/dLの患者血糖のレベルの平方根であり、
3.370*ADIPOQは、3.370を掛けた、μg/mlの患者血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.600*CRPは、0.600を掛けた、mg/Lの患者血中CRPのレベルのlog10であり、
0.699*FTH1は、0.699を掛けた、ng/mlの患者血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.350*IL2RAは、1.350を掛けた、U/mlの患者血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.491*INSULINは、0.491を掛けた、uIU/mlの患者血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.259*HBA1Cは、0.259を掛けた、全血における全ヘモグロビンの百分率として測定される患者血中Hb1Acのレベルである。
【0005】
ある実施形態では、この方法は、a)ヒト被験体から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、前記複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、b)レベルならびに必要に応じて被験体年齢および/または性別を使用して、当該被験体についての糖尿病リスクスコアを計算するステップであって、計算は、
i)すべての前記バイオマーカーのレベルが、測定され、式Iと同一の第1の式を使用し、レベルを使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する第1の方法;ならびに
ii)前記少なくとも5つのバイオマーカーについて測定されたレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別を使用することを含み、第2の式を使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する際に使用される第2の方法
から成る群から選択される方法によって実行される、ステップとを含み、
第1および第2の方法の第1および第2の式が、第1および第2のリスクプロファイルを生成するために、ヒト参照集団について測定されたバイオマーカーレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別にそれぞれ適用される場合、第2のリスクプロファイルは、第1のリスクプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)について95%の信頼区間を有する。
【0006】
代替の実施形態では、糖尿病の状態を発症するリスクを分類するための方法が提供される。この方法は、a)ヒト被験体由来の血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つならびに必要に応じて、被験体年齢および/または性別を含む、ステップと、b)複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに被験体を分類するステップであって、規則的なリスク分類へのクラス分け(placement)は、
i)式Iを使用し、レベルを使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算し、被験体に分類別リスクアセスメントを提供するために、一範囲の糖尿病リスクスコアによってそれぞれ定義される、複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに、計算された糖尿病リスクスコアに基づいて被験体を分類することを含む第1の方法;ならびに
ii)被験体に分類別リスクアセスメントを提供するために、リスクプロファイルに従って、複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに被験体を分類するために、少なくとも5つのバイオマーカーについて測定されたレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別を使用することを含む第2の方法
から成る群から選択される方法によって決定される、ステップとを含み、
第1の方法(第1の糖尿病リスク分類)によって計算されたヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントは、第2の方法(第2の糖尿病リスク分類)によって計算されたヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントと比較される場合、第2の糖尿病リスク分類は、カイ二乗検定を使用すると、第1の糖尿病リスク分類と、95%の信頼をもって無関係ではなく、複数の規則的なリスク分類を定義する糖尿病リスクスコアの範囲は、第1の糖尿病リスク分類および第2の糖尿病リスク分類の両方についてのそれぞれのリスク分類におけるヒト参照集団からの個体の数が同一となるように、選択される。
【0007】
上記アルゴリズムの実行についての説明書を含むコンピュータ読取可能媒体およびそれを含有するキットもまた、提供される。
【0008】
前述の要約は、本発明のすべての態様を定義することを意図せず、さらなる態様が、発明を実施するための形態などの他のセクションに記載されている。文書全体が統合された開示として関連付けられることを意図し、特長の組合せが本文書の同じ文または段落またはセクション中に一緒に見つからない場合でも本明細書中に記載の特長のすべての組合せが企図されることを理解されたい。
【0009】
前述のものに加えて、本発明には、さらなる態様として、具体的に上述した変形よりも何らかの様式で範囲が狭い本発明のすべての実施形態が含まれる。属として説明した本発明の態様に関しては、すべての個々の種が個々に本発明の別々の態様としてみなされる。範囲として説明した態様に関しては、すべての部分範囲および個々の値が具体的に企図される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本開示の実施例の部において記載されるように、アルゴリズムAの使用についての記述統計を示す表を示す図である。
【図2】図2は、アルゴリズムAについてのROC曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
本開示の文脈における用語「バイオマーカー」は、限定を伴うことなく、被験体から得られる、体液、たとえば血液などのような生物学的試料における、任意の測定可能な分析物、たとえばタンパク質、核酸、脂質代謝産物を含む代謝産物を包含する。バイオマーカーはまた、突然変異タンパク質、突然変異核酸、スプライス変異体、および修飾タンパク質、たとえばグリコシル化またはリン酸化タンパク質をも含むことができる。アディポネクチン(ADIPOQ)、C−反応性タンパク質(CRP);グルコース(GLUCOSE);グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPTまたはALT);グリコシル化ヘモグロビン(HBA1C);熱ショック70kDaタンパク質1B(HSPA1B);インスリン様増殖因子結合タンパク質1(IGFBP1);インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2);インスリン(INS、INSULIN−M、プロインスリン、およびSCp)、レプチン(LEP)、ならびにトリグリセリド(TRIG)は、バイオマーカーの例である。バイオマーカーGPTは、GPTタンパク質レベルを測定するまたはアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)として酵素活性を測定することによって分析されてもよい。GPT酵素活性(ALT活性)は、当技術分野において公知の従来の方法を使用して測定されてもよい。これらのマーカーは、個々に公知である;個々のマーカーの説明については、それらの全体が本明細書において参照によって組み込まれるUS2007/0218519およびUS2007/0259377を参照されたい。
【0012】
用語「臨床パラメータ」または「CP」は、限定を伴うことなく、年齢(AGE)、人種または民族性(RACE)、性別(SEX)、拡張期血圧(DBP)および収縮期血圧(SBP)、家族歴(FHX、片親ではFHx1および両親ではFHx2が含まれる)、身長(HT)、体重(WT)、ウエスト(Waist)およびヒップ(Hip)周囲、ウエスト−ヒップの比(WHr)、体型指数(BMI)、妊娠糖尿病(GDM)の既往、ならびに安静時心拍数などの、被験体の健康状態または他の特徴の非試料または非分析物バイオマーカーをすべて包含する。
【0013】
本開示の文脈における用語「糖尿病」は、自己免疫性および特発性の両方の1型糖尿病ならびに2型糖尿病(本明細書において「糖尿病」または「T2DM」と呼ばれる)を包含する。World Health Organizationは、真性糖尿病について、空腹時血漿グルコース濃度の診断値を7.0mmol/l(126mg/dl)以上に(全血6.1mmol/lまたは110mg/dl)または11.1mmol/L以上(200mg/dl以上)の2時間グルコースレベルを定義した。6%を超える、たとえば≧6.5%のHbA1cレベルに基づいて、糖尿病を診断することもまた可能であり得る。真性糖尿病についての高いリスクを暗示するまたは示す他の値は、140/90mm Hg以上の動脈圧上昇;血漿トリグリセリド上昇(1.7mmol/L;150mg/dl以上)および/または低HDLコレステロール(男については<0.9mmol/L、35mg/dl;女は<1.0 mmol/L、39mg/dl);中心性肥満(男性:ウエスト対ヒップの比>0.90;女性:ウエスト対ヒップの比>0.85)および/または30kg/m2を超過する体型指数;ミクロアルブミン尿、20μg/分以上の尿中アルブミン排泄率または30mg/g以上のアルブミン:クレアチニン比)を含む。
【0014】
経口グルコース負荷試験(OGTT)は、試験血糖レベルが、妊娠の間にまたは疫学調査において不確かな場合、真性糖尿病の診断のために主として使用される(Definition, Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus and its Complications、第1部、World Health Organization、1999年)。OGTTは、少なくとも3日間の無制限の食事(1日に150gを超える炭水化物)および通常の身体活動後、午前中に施されなければならない。適度な(30〜50g)炭水化物を含有する食物は、試験前の晩に消費されなければならない。8〜14時間の一晩の絶食が、試験に先行しなければならず、この間に水は消費してもよい。いくつかの実施形態では、10時間以上の一晩の絶食が、試験に先行する。空腹時血液試料の収集後に、被験体は、5分間の経過にわたって、75gの無水グルコースまたは250〜300mlの水中の82.5gのグルコース一水和物を飲まなければならない。子供については、試験負荷量は、体重1kg当たり1.75gのグルコース〜合計75gのグルコースまででなければならない。試験のタイミングは、飲み始めからとする。血液試料は、試験負荷の2時間後に収集されなければならない。他の危険因子によって別段に高められない限り、そのような期間にわたる糖尿病;非選択の一般集団では、そのような期間の間の転換率は5〜6%、または年間で1%未満と推定されている。
【0015】
用語「妊娠性糖尿病」は、妊娠の間のグルコース不耐性を指す。この状態は、妊娠の間に始まるまたは最初に診断される高血糖をもたらす。
【0016】
本発明のコンテキストにおける「糖尿病性状態」は、I型およびII型の真性糖尿病、ならびに前糖尿病(本明細書中で定義)を含む。また、糖尿病関連状態には糖尿病および前糖尿病性状態(本明細書中で定義)が含まれることも、当分野で公知である。
【0017】
用語「式」、「アルゴリズム」、および「モデル」とは、任意の数学的方程式、アルゴリズム、分析もしくはプログラミングのプロセスと、または、1つもしくは複数の連続的もしくは分類別入力(本明細書中で「パラメータ」と呼ぶ)をとって、時折「指標」、「指標値」、「分類」もしくは「リスク分類」と呼ばれる出力値を計算する統計的技法と、互換性があるように使用される。「式」の非限定的な例には、和、比、および係数またはべき指数などの回帰演算子、バイオマーカー値の変換および正規化(それだけには限定されないが、性別、年齢、または民族などの臨床パラメータに基づいた正規化スキームが含まれる)、決定木、規則および指針、統計的分類モデル、ならびに歴史的集団で訓練した神経回路網が含まれる。被験体試料中で検出されたバイオマーカーのレベルと被験体の糖尿病のリスクとの間の関係性を決定するための、線形および非線形の方程式ならびに統計的分類分析が、バイオマーカーに特に有用である。パネルおよび組合せの構築では、とりわけ、相互相関、主成分分析(PCA)、因子回転、ロジスティック回帰(LogReg)、線形判別分析(LDA)、固有遺伝子線形判別分析(ELDA)、サポートベクターマシーン(SVM)、ランダムフォレスト(RF)、再帰的分割木(RPART)、ならびに他の関連する決定木分類技法、収縮(Shruken)重心(SC)、ステップAIC、第k最近傍、ブースティング、決定木、神経回路網、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシーン、および隠れマルコフモデル、直線回帰または分類アルゴリズム、非直線回帰または分類アルゴリズム、分散分析(ANOVA)、階層分析またはクラスタリングアルゴリズム、決定木を使用した階層アルゴリズム;カーネル部分最小二乗アルゴリズム、カーネル一致追跡アルゴリズム、カーネルフィッシャーの判別分析アルゴリズム、またはカーネル主成分分析アルゴリズムなどのカーネルに基づいた機械アルゴリズムなどの、確立された技法を含めたパターン認識特長を利用した、構造的および構文的な統計的分類アルゴリズムならびにリスク指標の構築方法が特に興味深い。これらの技法の多くは、順方向選択、逆方向選択、もしくは段階的な選択などの他の選択技法、所定の大きさのすべての潜在的なパネルの完全な列挙、遺伝的アルゴリズムと組み合わせて有用であるか、または、これら自体が、その技法自身中にバイオマーカー選択方法が含まれ得る。これらは、追加のバイオマーカーとモデルの改善との間のトレードオフを定量し、過剰適応の最小化を援助するために、赤池の情報量基準(AIC)またはベイズ情報量基準(BIC)などの情報量基準とカップリングさせ得る。生じる予測モデルは、1つ残す(Leave−One−Out、LOO)および10倍相互検証(10倍CV)などの技法を使用して、他の研究で妥当性確認するか、または、それらを元々訓練した研究で相互妥当性確認するか、公知の予測危険因子と相関し得る。「DRS式」とは、作成し、本明細書中に記載のバイオマーカー試験からの結果を含む入力から糖尿病リスクスコアを計算するために使用する式である。DRS式は、糖尿病リスクスコアを計算するために使用することができる。
【0018】
「測定すること」または「測定」とは、臨床もしくは被験体に由来する試料内の所定の物質の、そのような物質の定性的もしくは定量的な濃度レベルを導くことを含めた、存在、非存在、量(quantity)もしくは量(amount)(絶対量または相対量であることができる)を評価すること、または他の様式で被験体の臨床パラメータの値もしくは分類を評価することを意味する。
【0019】
「陰性予測値」または「NPV」とは、TN/(TN+FN)またはすべての陰性試験結果の真陰性の分数によって計算する。また、これは、試験することを意図する集団の疾患の有病率および試験前確率によっても本質的に影響を受ける。たとえば、試験、たとえば臨床的診断試験の特異度、感度、ならびに陽性および陰性の予測値を記述しているO’Marcaigh AS、Jacobson RM、「Estimating The Predictive Value Of A Diagnostic Test, How To Prevent Misleading Or Confusing Results」、Clin. Ped.、1993年、32巻(8号):485〜491頁を参照されたい。しばしば、連続的な診断試験測定を使用した2進病状分類手法では、感度および特異度は、Pepeら、「Limitations of the Odds Ratio in Gauging the Performance of a Diagnostic, Prognostic, or Screening Marker」、Am. J. Epidemiol、2004年、159巻(9号):882〜890頁に従って受信者動作特性(ROC)曲線によって要約され、曲線下面積(AUC)、または試験(もしくはアッセイ)のカット点の範囲全体にわたる試験、アッセイ、もしくは方法の感度および特異度の表示を単一の値のみで可能にする指標であるc統計によって要約される。たとえば、Shultz、「Clinical Interpretation Of Laboratory Procedures」、第14章、Teitz、Fundamentals of Clinical Chemistry、BurtisおよびAshwood(編)、第4版、1996年、W.B. Saunders Company、192〜199頁ならびにZweigら、「ROC Curve Analysis: An Example Showing The Relationships Among Serum Lipid And Apolipoprotein Concentrations In Identifying Subjects With Coronory Artery Disease」、Clin. Chem.、1992年、38巻(8号):1425〜1428頁も参照されたい。尤度関数、オッズ比、情報理論、予測値、較正(適合度が含まれる)、および再分類測定を使用した代替手法は、Cook、「Use and Misuse of the Receiver Operating Characteristic Curve in Risk Prediction」、Circulation、2007年、115巻:928〜935頁に従って要約されている。試験によって定義される被験体コホート内の危険率ならびに絶対的および相対的なリスクの比は、臨床的な精度および効用のさらなる測度である。この最後では、Vasan、「Biomarkers of Cardiovascular Disease: Molecular Basis and Practical Considerations」、Circulation、2006年、113巻:2335〜2362頁による参照限界、識別限界、およびリスクの閾値を含めた複数の方法が、異常または疾患の値を定義するために頻繁に使用されている。
【0020】
分析精度とは、測定プロセス自体の再現性および予測性をいい、変動係数、ならびに異なる時点、ユーザ、機器および/または試薬を用いた同じ試料または対照の一致および較正の試験などの測定値で要約し得る。また、新しいバイオマーカーの評価におけるこれらおよび他の検討事項も、Vasan、Circulation、2006年、113巻:2335〜2362頁に要約されている。
【0021】
「正常なグルコースレベル」とは、用語「血糖正常」および「正常」と互換性があるように使用され、American Diabetes Associationによって発行された定義を参照し、現在では110mg/dL未満の空腹時静脈血漿グルコース濃度である。この量は自由裁量であるが、正常なグルコース負荷が証明された被験体においてそのような値が観察されており、ただし、一部の者は経口グルコース負荷試験(OGTT)によって測定してIGTを有し得る。血糖正常を超えるグルコースレベルは前糖尿病性状態とみなされる。
【0022】
「性能」とは、診断的または予後的な試験の全体的な有用性および品質に関する用語であり、とりわけ、臨床的および分析的な精度、使用特徴(たとえば、安定性、使用の容易さ)、保健経済学的価値、および試験の構成要素の相対的費用などの他の分析およびプロセスの特徴が含まれる。これらの要因のうちの任意のものが、優れた性能、したがって試験の有用性の源であり得る。
【0023】
「陽性予測値」または「PPV」とは、TP/(TP+FP)またはすべての陽性試験結果の真陽性の分数によって計算する。これは、試験することを意図する集団の疾患有病率および試験前確率によって本質的に影響を受ける。
【0024】
本開示のコンテキストにおける「前糖尿病」または「前糖尿病性」とは、個体または集団における生理的状態、および正常より高い真性糖尿病への予想された疾患転換率を有する任意の規定された治療介入(食事、運動、薬学、または他の様式)の非存在を示す。また、前糖尿病とは、所定の期間(たとえば5、7または10年間)または時間的対象期間以内に、一般的な非選択の集団よりも高い率で2型真性糖尿病へと転換する、または転換すると予測される被験体もしくは個体、または被験体もしくは個体の集団をいうこともできる。また、これは、リスクの四分位数間の正常からの相対的リスクに関して、または本明細書に記載のものを含めた様々なバイオマーカーと指標スコアとの間の尤度比としても記述し得る。
【0025】
非選択の個体集団では、前糖尿病は、「前糖尿病性状態」に罹患しているすべての者と重複しているが、必ずしもその完全な上位集合、またはそれ内に含有されるサブセットではない。これは、所定の時間的対象期間中に糖尿病へと転換する者の多くは、現在は見かけ上健康であり、明らかな前糖尿病性状態に罹患しておらず、また、多くの者は前糖尿病性状態に罹患しているが、所定の時間的対象期間中に転換しないからである。これが診断的ギャップであり、本発明によって満たす必要がある。
【0026】
本発明の文脈における「糖尿病の状態」は、I型およびII型糖尿病ならびに糖尿病前症を含む(本明細書において定義される)。糖尿病関連性の状態は、糖尿病および前糖尿病性の状態を含むこともまた、当技術分野において公知である(本明細書において定義される)。
【0027】
「前糖尿病性状態」とは、正常なグルコースの恒常性および代謝と明白な真性糖尿病で見られる状態との中間の代謝状態をいう。前糖尿病性状態には、それだけには限定されないが、代謝症候群(「X症候群」)、耐糖能異常(IGT)、および空腹時高血糖(IFG)が含まれる。IGTとはグルコース調整の食後またはOGTT後異常をいう一方で、IFGとは絶食状態で測定される異常をいう。American Diabetes Associationは、空腹時血漿グルコース濃度としてのIFGについての値を4.4mmol/L(100mg/dl)以上、7.0mmol/L(126mg/dl)未満に定義する。全国コレステロール教育プログラム(NCEP)の基準による代謝症候群は、130/85mmHg以上の血圧、6.1mmol/L以上の空腹時血漿グルコース、ウエスト周囲>102cm(男性)または>88cm(女性)、1.7mmol/L以上のトリグリセリド、およびHDLコレステロール<1.0mmol/L(男性)または1.3mmol/L(女性)のうちの少なくとも3つを有するとして定義されている。前糖尿病性状態に罹患している多くの個体はT2DMへと転換しない。
【0028】
本開示のコンテキストにおける「リスク」とは、明白な糖尿病への転換などのように、特定の期間の間に事象が起こる確率に関し、被験体の「絶対的」リスクまたは「相対的」リスクを意味することができる。絶対的リスクは、関連する期間の測定後の実際の観察を参照して、または関連する期間の間追跡した歴史的コホートから作成した指標値を参照して、測定することができる。相対的リスクとは、低いリスクのコホートまたは平均の集団リスクのどちらかの絶対的リスクと比較した、被験体の絶対的リスクの比をいい、臨床的危険因子をどのように評価したかによって変動する場合がある。また、オッズ比、所定の試験結果陽性事象対陰性事象の割合も、転換なしに対して一般的に使用されている(オッズは式p/(1−p)に従い、pは事象の確率であり、(1−p)は事象なしの確率である)。本発明のコンテキストにおいて評価し得る代替の連続的測度には、糖尿病転換までの時間および治療的糖尿病転換のリスク低下の比が含まれる。
【0029】
本発明のコンテキストにおける「リスク評価」または「リスクの評価」には、事象または病状が起こり得る確率、オッズ、または尤度、事象あるいは1つの病状から別のものへの転換、すなわち、血糖正常状態から前糖尿病性状態もしくは前糖尿病へ、または前糖尿病性状態から前糖尿病もしくは糖尿病への転換の発生率を推定することが包含される。また、リスク評価は、絶対的または以前に測定した集団を参照した相対的な観点のどちらかで、将来のグルコース、HBA1cスコアまたは糖尿病の他の指標を予測することも含むことができる。本発明の方法は、2型糖尿病への転換のリスクの連続的または分類別の測定を行い得る。分類別のシナリオでは、本発明は、正常および前糖尿病の被験体コホートを識別するために使用することができる。他の実施形態では、本発明は、前糖尿病を糖尿病から、または糖尿病を正常から識別するために使用し得る。そのような様々な使用は、個体パネル、数学アルゴリズム、および/またはカットオフ点において異なるバイオマーカーの組合せを必要とし得るが、意図する使用のために同じ前述の精度測定の対象となり得る。
【0030】
本発明のコンテキストにおける「試料」とは、被験体から単離した生体試料であり、例として、かつそれだけには限定されないが、全血、血清、血漿、血液細胞、内皮細胞、組織生検、リンパ液、腹水、間質液(「細胞外液」としても公知であり、とりわけ歯肉溝滲出液を含めた、細胞間の空間に見つかる流体が包含される)、骨髄、脳脊髄液(CSF)、唾液、粘液、痰、汗、尿、または任意の他の分泌物、排泄物、もしくは他の体液が含まれることができる。「血液試料」とは、全血または血液細胞、血清および血漿を含めたその任意の画分をいう。
【0031】
「感度」とは、TP/(TP+FN)または疾患の被験体の真陽性の分数によって計算する。
【0032】
「特異度」とは、TN/(TN+FP)または非疾患または正常な被験体の真陰性の分数によって計算する。
【0033】
「統計的に有意な」とは、変更が、偶然単独(これは「偽陽性」の可能性がある)によって起こると予想され得るよりも高いことを意味する。統計的有意性は、当分野で公知の任意の方法によって決定することができる。一般的に使用される有意性の測度には、少なくとも所定のデータ点ほど極端な結果が得られる確率を表すp値が含まれ、データ点の想定は偶然単独の結果であった。結果は、しばしば、0.05以下のp値で高度に有意とみなされる。
【0034】
スピアマンの順位相関係数は、公知の統計的処理を使用して、たとえば、式:
【0035】
【数1】

を使用して計算され、
ここで、d=x−y=対応する値XおよびYの順位の間の差異であり、n=それぞれのデータセットにおける値の数である(両方のセットについて同じ)。スピアマン相関係数は、標準的な統計的方法であり、C. Spearman(「The proof and measurement of association between two things」Amer. J. Psychol.、15巻(1904年)72〜101頁)およびCorder(「Nonparametric Statistics for Non−Statisticians: A Step−by−Step Approach」、Wiley、2009年)において記載されている。
【0036】
カイ二乗分析は、下記において記載されるいずれかなど、公知の統計的処理を使用して実行される:Abramowitzら(「第26章」、Handbook of Mathematical Functions with Formulas, Graphs, and Mathematical Tables、New York: Dover、1965年 ISBN 0−486−61272−4)、NIST(Engineering Statistics Handbook − Chi−Square Distribution 2006年)、Johnsonら(Continuous Univariate Distributions(第2版、第1巻、第18章)、John Willey and Sons、1994年 ISBN 0−471−58495−9)、Moodら(Introduction to the Theory of Statistics 1974年 第3版、241〜246頁、McGraw−Hill. ISBN 0−07−042864−6)。
【0037】
本開示のコンテキストにおける「被験体」または「患者」とは、哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであることができるが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物を、真性糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態の動物モデルを表す被験体として使用することができる。被験体は雄または雌であることができる。被験体は、糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態に罹患していると以前に診断または同定されており、必要に応じて、糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態の治療介入を既に受けた、または受けている者であることができる。あるいは、被験体は、糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態に罹患していると以前に診断されていない者であることもできる。たとえば、糖尿病、前糖尿病、もしくは前糖尿病性状態の1つもしくは複数の危険因子を示す者、または糖尿病の危険因子を示さない被験体、または糖尿病、前糖尿病、もしくは前糖尿病性状態について無症候性である被験体であることができる。また、被験体は、糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態と診断された、それと診断されたもしくはそれを患っている、またはそれを発生するリスクがある者であることもできる。
【0038】
「伝統的な実験室危険因子」または「TLRF」とは、被験体試料から単離したまたはそれに由来し、臨床研究室で現在評価されており、Stern、Framingham、フィンランド糖尿病リスクスコア、ARIC糖尿病、およびアルキメデスなどの伝統的な全体的リスク評価アルゴリズムで使用されているバイオマーカーに対応する。被験体血液試料から一般的に試験される伝統的な実験室危険因子には、それだけには限定されないが、総コレステロール(CHOL)、LDL(LDL/LDLC)、HDL(HDL/HDLC)、VLDL(VLDLC)、トリグリセリド(TRIG)、グルコース(それだけには限定されないが空腹時血漿グルコース(グルコース(Glucose))および経口グルコース負荷試験(OGTT)が含まれる)ならびにHBA1c(HBA1C)のレベルが含まれる。
【0039】
経口グルコース負荷試験(OGTT)は、試験血糖レベルが、妊娠の間にまたは疫学調査において不確かな場合、真性糖尿病または前糖尿病性状態の診断のために主として使用される(Definition, Diagnosis and Classification of Diabetes Mellitus and its Complications、第1部、World Health Organization、1999年)。OGTTは、少なくとも3日間の無制限の食事(1日に150gを超える炭水化物)および通常の身体活動後、午前中に施されなければならない。適度な(30〜50g)炭水化物を含有する食物は、試験前の晩に消費されなければならない。8〜14時間の一晩の絶食が、試験に先行しなければならず、この間に水は消費してもよい。空腹時血液試料の収集後に、被験体は、5分間の経過にわたって、75gの無水グルコースまたは250〜300mlの水中の82.5gのグルコース一水和物を飲まなければならない。子供については、試験負荷量は、体重1kg当たり1.75gのグルコース〜合計75gのグルコースまででなければならない。試験のタイミングは、飲み始めからとする。血液試料は、試験負荷の2時間後に収集されなければならない。以前に注記したように、耐糖能異常(IGT)の診断は、WHOカットオフ点で使用した場合に、7.5年間の糖尿病への転換について50%の感度しかなく、>10%の偽陽性率を有すると注記されている。他の危険因子によって別段に高められない限りは、比較的高いリスクの民族でさえもそのような期間の間に10%の糖尿病への転換率しか有さないため、このことは試験の臨床的効用とって顕著な問題である。非選択の一般集団では、そのような期間の間の転換率は5〜6%、または年間で1%未満と推定されている。
【0040】
大まかに言えば、本明細書において記載される方法は、式Iの使用によって得られるものに非常に類似するまたはそれと同一の糖尿病リスクスコアを提供し、スコアの間の類似度は、より詳細に下記に記載されるように、ヒト参照集団に対するスピアマン検定またはカイ二乗検定を使用して評価される。
【0041】
式Iは、以下のとおりである:
D=X+0.062*Age−0.636*Gender+1.621*GLUCOSE−3.370*ADIPOQ+0.600*CRP+0.699*FTH1+1.350*IL2RA+0.491*INSULIN+0.259*HBA1C
式中、
Xは、任意の符号の、0を含む任意の数であり、0、1、2、または2を超える小数位を有していてもよく、ある実施形態では、−23.114であってもよく、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、患者年齢であり、
0.636*Genderは、0.636を掛けた、女性=0および男性=1とした患者性別であり、
1.621*GLUCOSEは、1.621を掛けた、mg/dLの患者血糖のレベルの平方根であり、
3.370*ADIPOQは、3.370を掛けた、μg/mlの患者血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.600*CRPは、0.600を掛けた、mg/Lの患者血中CRPのレベルのlog10であり、
0.699*FTH1は、0.699を掛けた、ng/mlの患者血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.350*IL2RAは、1.350を掛けた、U/mlの患者血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.491*INSULINは、0.491を掛けた、uIU/mlの患者血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.259*HBA1Cは、0.259を掛けた、全血における全ヘモグロビンの百分率として測定される患者血中Hb1Acのレベルである。
【0042】
大まかに述べると、式Iの実行により、患者である陽転者の群に属する50%の事前確率を仮定して、試料の集団成員性(たとえば患者または対照)と関係する線形予測因子、lpを生成する。このlpは、以下の等式を使用して、0〜10段階で、個々の被験体について、便利なスコアに変換することができる(DRS):
DRS=10*elp/(1+elp
このスコアは、指定の事前確率(50%の指定の確率を仮定し)での転換の絶対リスクと相関する。集団における「患者」の実際の百分率を反映する確率(その集団の疫学データに基づく)への、アルゴリズムを構築するために使用した事前確率の変更は、以下のように切片項(a)を変更することによって線形モデルを有効に変える。
a’=a+ln(p/p
a’は、新しい切片であり、aは、50%事前を仮定する切片であり、pは、患者である事前確率であり、pは、対照である事前確率である。残りの係数は、同じままとし、新しい線形予測因子、lp’が算出される。これから、リスクは、以下のように算出される。
リスク=elp’/(1+elp’)
リスクは、被験体が患者(陽転者)になる確率である。たとえば、25%のリスクは、類似するDRSを有する人々の25%が、5年以内に糖尿病に転換するであろうということを示す。
【0043】
ある実施形態では、この方法は、a)ヒト被験体から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、前記複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、b)レベルならびに必要に応じて被験体年齢および/または性別を使用して、前記被験体についての糖尿病リスクスコアを計算するステップであって、計算は、
i)すべての当該バイオマーカーのレベルが、測定され、式Iと同一の第1の式を使用し、レベルを使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する第1の方法;ならびに
ii)前記少なくとも5つのバイオマーカーについて測定されたレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別は、第2の式を使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する際に使用される第2の方法
から成る群から選択される方法によって実行される、ステップとを含み、
第1および第2の方法の第1および第2の式が、第1および第2のリスクプロファイルを生成するために、ヒト参照集団について測定されたバイオマーカーレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別にそれぞれ適用される場合、第2のリスクプロファイルは、第1のリスクプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)について95%の信頼区間を有する。
【0044】
一実施形態では、第1の方法が、第2の方法に類似する結果をもたらすかどうかを決定するために、ヒト参照集団が、選択され、2つのアッセイが、集団の被験体に対して実行されてもよい。大まかに言えば、糖尿病リスクスコアが、数的に(たとえば連続変数として)表現される場合、被験体はそれぞれ、2つのスコアを有し、たとえば、それぞれの方法についてのスコアは、集団中で順位付けされ、下記に記載されるようにスピアマン検定を使用して比較されてもよい。患者が、複数のリスク分類のうちの1つに分類される場合、たとえば、患者は、第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲が、互いに関して相互に排他的となり、第2の糖尿病リスクスコアの全範囲をカバーするように、分類に分類されてもよく、b.第2の複数の規則的なリスク分類の数は、第1の複数の規則的なリスク分類の数と等しく、c.第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲は、それぞれのリスク分類における患者の数が、第1の複数の規則的なリスク分類において、リスクが増加する順に、対応するリスク分類のそれぞれにおける患者の数と同一となるように選択される。分類は、次いで、下記に記載されるように、カイ二乗検定を使用して分析されてもよい。分類は、最初にリスクスコアを計算することによってまたはそのような計算がない状態で行われてもよい。
【0045】
ある実施形態では、この方法は、a)ヒト患者から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、b)レベルならびに必要に応じて患者年齢および/または性別を使用して、患者についての糖尿病リスクスコアを計算するステップ、ならびにc)紙または電子報告書の形態で、患者または患者の健康管理医に糖尿病リスクスコアを提供するステップとを含み、ステップa)およびb)は、ヒト参照集団に対して実行される場合、i.複数のヒト患者から得られた血液試料におけるグルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのレベルを測定し、ii.式Iを使用し、レベルを使用して、患者のそれぞれについての第2の糖尿病リスクスコアを計算することによって、複数のヒト血液試料から得られた糖尿病リスクスコアの第2のプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマン相関係数について95%の信頼区間の絶対値を有する、糖尿病リスクスコアの第1のプロファイルを提供する。
【0046】
代替の実施形態では、この方法は、a)ヒト被験体由来の血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つならびに必要に応じて、被験体年齢および/または性別を含む、ステップと、b)複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに被験体を分類するステップであって、規則的なリスク分類へのクラス分けは、
i)式Iを使用し、レベルを使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算し、被験体に分類別リスクアセスメントを提供するために、一範囲の糖尿病リスクスコアによってそれぞれ定義される、複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに、計算された糖尿病リスクスコアに基づいて被験体を分類することを含む第1の方法;ならびに
ii)被験体に分類別リスクアセスメントを提供するために、リスクプロファイルに従って、複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに被験体を分類するために、少なくとも5つのバイオマーカーについて測定されたレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別を使用することを含む第2の方法
から成る群から選択される方法によって決定される、ステップとを含んでいてもよく、第1の方法(第1の糖尿病リスク分類)によって計算されたヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントは、第2の方法(第2の糖尿病リスク分類)によって計算されたヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントと比較される場合、第2の糖尿病リスク分類は、カイ二乗検定を使用すると、第1の糖尿病リスク分類と、95%の信頼をもって無関係ではなく、複数の規則的なリスク分類を定義する糖尿病リスクスコアの範囲は、第1の糖尿病リスク分類および第2の糖尿病リスク分類の両方についてのそれぞれのリスク分類におけるヒト参照集団からの個体の数が同一となるように、選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、この方法は、a)ヒト患者から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、b)患者についての分類別リスクアセスメントを提供するためにレベルならびに必要に応じて患者年齢および/または性別を使用して、第1の複数の規則的なリスク分類のうちの1つに患者を分類するステップ;ならびにc)紙または電子報告書の形態で、患者の健康管理医に患者についての分類別リスクアセスメントを提供するステップとを含んでいてもよく、ステップa)およびb)は、ヒト参照集団に対して実行される場合、i.複数のヒト患者から得られた血液試料におけるグルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのレベルを測定すること;ならびにii.式Iを使用し、レベルを使用して、患者のそれぞれについての第2の糖尿病リスクスコアを計算すること;ならびにiii.上に記載されるように、それぞれの患者についての第2の分類別リスクアセスメントを提供するために、一範囲のリスクスコアによってそれぞれ定義される複数の規則的なリスク分類のうちの1つにそれぞれの患者を分類することによって、患者の分類と95%の信頼をもって、妥当なカイ二乗検定を使用して無関係ではない方法において、規則的なリスク分類の中でヒト参照集団の被験体を分類する。ある場合では、カイ二乗検定は、以下の条件を用いて実行される:a.第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲が、互いに関して相互に排他的となり、第2の糖尿病リスクスコアの全範囲をカバーする、b.第2の複数の規則的なリスク分類の数は、第1の複数の規則的なリスク分類の数と等しく、c.第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲は、それぞれのリスク分類における患者の数が、第1の複数の規則的なリスク分類において、リスクが増加する順に、対応するリスク分類のそれぞれにおける患者の数と同一となるように選択される。
【0048】
式Iを用いることなく、式Iの使用によって提供されるものに有効に非常に類似するまたは同一である(スピアマンまたはカイ二乗検定によって評価されるように)糖尿病リスクスコアを生成するための方法は、たとえば、a)式Iによって必要とされるもの以外の異なる単位を使用して、たとえば、ポンド/パイント、モル/リットル、もしくは濃度の他のある単位の任意の1つもしくは複数の以下のバイオマーカーを測定することによって:グルコース、アディポネクチン、CRP、フェリチン、IL2RA、インスリン、およびHb1Acまたはたとえば、日、月、もしくは時間の他のある単位の年齢を測定することによって、1つまたは複数の同じバイオマーカーまたは臨床パラメータのレベルを測定する方法;b)式Iにおいて列挙される係数と類似するが、同じではない係数を1つまたは複数の同じバイオマーカーレベルに掛ける方法(たとえば、式Iによって必要とされるように、患者の年齢に、0.062ではなく0.063を掛ける);c)1つまたは複数のマーカーが、異なる方法(たとえば、異なるアッセイキットを使用して)および/または異なる機器(たとえば、異なる分析器もしくはクロマトグラフィーシステムを使用して)によって測定されるという点を除いて、式Iによって必要とされるものと同じマーカーおよび臨床パラメータの使用;d)本明細書における実施例の部において記載されるキットによって使用されるものと異なる正規化対照を使用して、同じバイオマーカーのレベルを測定する方法;e)式Iにおいて列挙される1つまたは複数(たとえば1つまたは2つ)のマーカーが、等しい予後値の他のマーカーと置換される以外は、式Iによって必要とされるものと同じマーカーおよび臨床パラメータの使用;f)レベルまたはスコアを非線形的に変換する方法;g)式Iによって必要とされるものよりも多くのマーカーおよび臨床パラメータの使用、ここで、追加のマーカーは、予後値をほとんどまたは全く有していない:h)X、他の変数を正規化する切片についての異なる値の使用;i)結果として生じたリスクスコアが異なる段階にある以外は、式Iと、他の場合には同一の式の使用(たとえば、1〜10の段階とは対照的に1〜100の段階に、など)を含む。スコアの段階は、周知の数学的な手順を使用して、たとえば、式:
DRS=exp(D)/(1+exp(D))*Y
を使用して、導き出されてもよく、
式中、DRSは、糖尿病リスクスコアであり、Dは、式の出力であり、Yは、段階(たとえば5、10、100、1,000など)の上限である。
【0049】
特定の実施形態では、式Iにおいて列挙されないマーカーまたは臨床パラメータは、式Iの1つもしくは複数のマーカーもしくは臨床パラメータを置換するためにまたは式Iにおいて列挙されるマーカーおよび臨床パラメータに加えて、方法において用いられてもよい。方法において用いることができる例示的な臨床パラメータおよびバイオマーカーは、下記に続く表およびUS20090012716の表1において記載され、この表は、それらのバイオマーカーおよび臨床パラメータの開示について参照によって組み込まれる。
【0050】
【化1】

ある実施形態では、方法は、少なくとも4つの以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cの血液レベルを測定すること、たとえば、グルコース、アディポネクチン、CRP、およびHbA1cのレベルを測定し、さらに、たとえば、上記に示される表またはUS20090012716の表1から選択されてもよい1つ以上の他のバイオマーカーのレベルを測定することを含んでいてもよい。方法において測定されるバイオマーカーの総数は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、12超、15超、20まで、または20超であってもよい。同様に、方法は、必要に応じて、患者の年齢および/または性別ならびにある場合では、上記に示される表において列挙される臨床パラメータなどの、1、2、3、4、5、もしくは6以上、10まで、または20の臨床パラメータを用いてもよい。
【0051】
ある場合では、方法は、一範囲の係数および/または「調整係数」における係数を用いてもよい(つまり、式Iの係数に関する係数は、式Iにおいて列挙されるものとは異なる単位を使用して、測定バイオマーカーの効果を中立にするために調整される)。そのため、ある場合では、方法は、式II:
D=b+(a1*glucose)−(a2*adiponectin)+(a3*CRP)+(a4*ferritin)+(a5*IL2RA)+(a6*insulin)+(a7*Hb1Ac)
を使用してリスクスコアを計算することを含んでいてもよく、
式中、bは、−32.865〜−13.363の間にあり、
a1*glucoseは、0.911〜2.331の間の係数または血糖のレベルがmg/dLで測定されない場合、調整係数を掛けたmg/dLの血糖のレベルの平方根であり、
a2*adiponectinは、−5.419〜−1.321の間の係数または血中アディポネクチンのレベルがμg/mLで測定されない場合、調整係数を掛けたμg/mLの血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
a3*CRPは、−0.094〜1.294の間の係数または血中アディポネクチンのレベルがmg/Lで測定されない場合、調整係数を掛けたmg/Lの血中CRPのレベルのlog10であり、
a4*ferritinは、−0.077〜1.475の間の係数または血中フェリチンのレベルがng/mLで測定されない場合、調整係数を掛けたng/mLの血中フェリチンのレベルのlog10であり、
a5*IL2RAは、−1.132〜3.832の間の係数または血中IL2RAのレベルがU/mLで測定されない場合、調整係数を掛けたU/mLの血中IL2RAのレベルのlog10であり、
a6*insulinは、−0.772〜1.754の間の係数または血中インスリンのレベルがuIU/mLで測定されない場合、調整係数を掛けたuIU/mLの血中インスリンのレベルのlog10であり、
a7*Hb1Acは、−0.415〜0.933の間の係数または血中Hb1Acのレベルが百分率として測定されない場合、調整係数を掛けた全血におけるヘモグロビンの百分率として測定される血中Hb1Acのレベルである。
【0052】
ある場合では、患者年齢もまた、式IIへの入力として使用されてもよく、式は、項+(a8*AGE)をさらに含んでいてもよく、a8*AGEは、0.071〜1.107の間の係数を掛けた患者の年齢である。同様に、患者年齢もまた、式IIへの入力として使用されてもよく、式は、項+(a9*GENDER)をさらに含んでいてもよく、a9*GENDERは、−1.353〜0.081の間の係数を掛けた、男性=1および女性=0とした患者の性別である。
【0053】
上記に述べられるように、ヒト参照集団についての、対象の方法によって得られるリスクスコアおよび式Iを使用する方法の間の類似度は、スピアマン検定またはカイ二乗検定を使用して評価されてもよい。これらの検定(つまりスピアマン検定およびカイ二乗検定)のそれぞれにおいて、対象の方法を使用して得られた結果は、同じ患者に対して式Iを用いる方法を使用して得られた結果と比較される。ヒト参照集団は、結果が、基準に対して有意となることを可能にするサイズのヒト被験体の集団である(たとえば、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10,000以上の被験体)。ある場合では、ヒト参照集団の被験体は、多数のヒト被験体から選択されてもよい(たとえば、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも5000、少なくとも10,000、少なくとも10,000、少なくとも100,000以上の被験体)。ある実施形態では、ヒト参照集団の被験体は、検定から偏りを除去するために多数の患者から無作為に選択されてもよい。
【0054】
上記に述べられるように、ヒト参照集団における2つの方法の間の類似度がスピアマン検定を使用して評価される実施形態では、所望の信頼水準に対して有意な結果を提供するのに十分な、多くの被験体についての糖尿病リスクスコア(たとえば、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも200、少なくとも1,000、少なくとも10,000以上の患者についてのリスクスコア)は、連続変数として表現されてもよく(たとえば0、1、または2以上の小数点を有する数)、ヒト参照集団についての第1の糖尿病リスクスコアのプロファイル(つまり式Iの使用によって得られるリスクスコアのプロファイル)は、参照集団から得られる第2の糖尿病リスクスコアのプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)(たとえば、0.55の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.60の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.70の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.75の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.80の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.85の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.90の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.95の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.97の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.98の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、0.99の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)、1.0の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R))の95%の信頼区間を有していてもよく、第2の糖尿病リスクスコアは、代替であるが類似する方法を使用して、第1の糖尿病リスクスコアと同じ被験体から得られる。
【0055】
ヒト参照集団における2つの方法の間の類似度がカイ二乗検定を使用して評価される実施形態では、所望の信頼水準に対して有意な結果を提供するのに十分な、多くの被験体についての糖尿病リスクスコア(たとえば、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも200、少なくとも1,000、少なくとも10,000以上の患者についてのリスクスコア)は、それぞれの患者が、分類別リスクアセスメントに割り当てられるように(つまり「高」、「中」、または「低」など)、複数の規則的なリスク分類に患者を分類するために使用される(ある実施形態では、a)「高」および「低」リスク分類などの、2つの規則的なリスク分類;b)「高」、「中」、および「低」リスク分類などの、3つの規則的なリスク分類;c)「高」、「中−高」、「中−低」、および「低」リスク分類などの、4つの規則的なリスク分類;またはd)5つ以上の規則的なリスク分類がある)。本実施形態では、第1の糖尿病リスクスコアによる規則的なリスク分類の中での参照集団の分類は、有効なカイ二乗検定を使用すると、式Iを使用し、次いで、それぞれの患者についての第2の分類別リスクアセスメントを提供するために、一範囲のリスクスコアによってそれぞれ定義される第2の複数の規則的なリスク分類のうちの1つにそれぞれの患者を分類する同じ被験体の分類と、95%の信頼をもって、無関係ではなく(たとえば、96%の信頼をもって無関係でない、97%の信頼をもって無関係でない、98%の信頼をもって無関係でない、99%の信頼をもって無関係でない、または100%の信頼をもって無関係でない)、a.第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲が、互いに関して相互に排他的(つまり非重複)となり、第2の糖尿病リスクスコアの全範囲をカバーする、b.第2の複数の規則的なリスク分類の数は、第1の複数の規則的なリスク分類の数と等しく、c.第2の複数の規則的なリスク分類を定義するリスクスコアの範囲は、それぞれのリスク分類における患者の数が、第1の複数の規則的なリスク分類において、リスクが増加する順に、対応するリスク分類のそれぞれにおける患者の数と同一となるように選択される。言いかえれば、対象の方法の使用は、それぞれのリスク分類における複数の患者をもたらしてもよく、それぞれのリスク分類における患者の同一性は、式Iを使用して等価なリスク分類に分類される患者の同一性と同じであるまたはそれに非常に類似する。
【0056】
方法は、糖尿病のリスクにひんしていることが知られていてもよいまたは知られていなくてもよい無症候性患者に対して実行されてもよく、リスクは、年齢の増加、体型指数(BMI)、家族歴、高血圧、および異脂肪血症を含み、インスリン抵抗性である、改変されたベータ細胞機能を有する、または糖尿病の家族歴、低活動レベル、不十分な食事、超過体重(特にウエストのまわりの)、45歳を超える年齢、高血圧、高レベルのトリグリセリド、35未満のHDLコレステロール、以前に同定された耐糖能障害、妊娠の間の以前の糖尿病(妊娠糖尿病もしくはGDM)または体重9ポンドを超える乳児の出産、および民族性などの、公知の臨床パラメータまたは従来の検査危険因子に基づいて糖尿病を発症するリスクにひんしている患者を含む。
【0057】
バイオマーカーの測定
対象の方法において用いられる個々のバイオマーカーのレベルを測定するための方法は、公知であるか、または公知の方法から容易に適合される。たとえば、血糖は、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかを使用して、従来の方法を使用して測定されてもよい。アディポネクチンは、Cayman Chemical(Ann Arbor、MI)、Abnova Corporation(Taiwan) R & D systems(Minneapolis、MN)によって販売されるキットを含む、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかによって測定することができる。CRPは、ALPCO(Salem、NH)、Immuno−Biological Laboratories(Minneapolis、MN)、およびUSBIO(Swampscott、MA)のキットを含む、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかによって測定することができる。FTH1は、Immuno−Biological Laboratories(Minneapolis、MN)によって販売されるキットを含む、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかによって測定することができる。IL2RAは、ALPCO(Salem、NH)およびBender MedSystems(Vienna、Austria)によって販売されるキットを含む、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかによって測定することができる。HBA1Cは、Afinion(Oslo、Norway)およびDiazyme(Poway、CA)によって販売されるキットを含む、いくつかの市販で入手可能なキットのいずれかによって測定することができる。
【0058】
バイオマーカーは、一般に、予測可能な被験体および分析の変動性を達成するように設計された、いくつかの技術を使用する際に測定されてもよい。被験体の変動性については、上記のバイオマーカーの多くは、空腹状態で、最も通例では、午前中に測定されてもよく、食料消費および代謝ならびに日内変動の両方による被験体の変動性のレベルの低下をもたらす。
【0059】
マーカーのレベルの実際の測定値は、当分野で公知の任意の方法を使用したタンパク質レベルで決定することができる。そのような方法は当分野で周知であり、たとえば、遺伝子によってコードされているタンパク質に対する抗体、アプタマーもしくは分子刷り込みに基づいた免疫アッセイまたは他の親和性試薬が含まれる。任意の生体物質をタンパク質またはその活性の検出/定量に使用することができる。あるいは、分析するそれぞれのタンパク質の活性に応じて、適切な方法を選択して、バイオマーカー遺伝子によってコードされているタンパク質の活性を決定することができる。
【0060】
バイオマーカーは、任意の適切な方法において検出することができ、ある実施形態では、被験体由来の試料を、バイオマーカーに結合する抗体と接触させ、次いで、反応産物の存在または不在を検出することによって、検出されてもよい。抗体は、上記に詳述した前述のもののモノクローナル、ポリクローナル、キメラ、または断片であってよく、反応生成物を検出するステップは、任意の適切な免疫アッセイで実施し得る。被験体からの試料は、上述の生物学的流体、たとえば血液であり得、上述の方法を実施するために使用したものと同じ生物学的流体の試料であり得る。
【0061】
免疫アッセイは、均一または不均一であり得る。均一アッセイでは、免疫学的反応は、通常、特異的抗体(たとえば抗バイオマーカー抗体)、標識した分析物、および被験体の試料を含む。標識から生じるシグナルは、抗体と標識した分析物とが結合した際に、直接または間接的に改変される。免疫学的反応およびその程度の検出はどちらも、均一溶液中で実施することができる。用い得る免疫化学的標識には、フリーラジカル、放射性同位元素、蛍光色素、酵素、バクテリオファージ、または補酵素が含まれる。
【0062】
不均一アッセイ手法では、試薬は、通常は、試料、抗体、および検出可能なシグナルを生じさせるための手段である。上述の試料を使用し得る。抗体をビーズ(タンパク質Aおよびタンパク質Gアガロースビーズなど)、プレートまたはスライドなどの支持体に固定し、抗原を含有することが疑われる検体と、液相中で接触させることができる。その後、支持体を液相から分離し、そのようなシグナルを生じさせるための手段を用いて、支持体相または液相のどちらかを検出可能なシグナルについて検査する。シグナルは、試料中の分析物の存在に関連する。検出可能なシグナルを生じさせるための手段には、放射性標識、蛍光標識、酵素標識の使用または測定可能なシグナルを生成するレポーター反応が含まれる。たとえば、検出する抗原が第2の結合部位を含有する場合、その部位と結合する抗体を検出可能な基とコンジュゲートさせ、分離ステップの前に液相反応溶液に加えることができる。固体支持体上の検出可能な基の存在は、試験試料中の抗原の存在を示す。適切な免疫アッセイの例には、それだけには限定されないが、オリゴヌクレオチド、免疫ブロッティング、免疫沈降、免疫蛍光方法、化学発光方法、電気化学発光(ECL)または酵素連結免疫アッセイが含まれる。
【0063】
当業者は、本明細書中に開示した方法の実施に有用であり得る数々の具体的な免疫アッセイ様式およびその変形に精通しているであろう。一般にE. Maggio、Enzyme−Immunoassay、(1980年)(CRC Press, Inc.、Boca Raton, Fla.)を参照されたい。また、Skoldらの米国特許第4,727,022号、表題「Methods for Modulating Ligand−Receptor Interactions and their Application」、Forrestらの米国特許第4,659,678号、表題「Immunoassay of Antigens」、Davidらの米国特許第4,376,110号、表題「Immunometric Assays Using Monoclonal Antibodies」、Litmanらの米国特許第4,275,149号、表題「Macromolecular Environment Control in Specific Receptor Assays」、Maggioらの米国特許第4,233,402号、表題「Reagents and Method Employing Channeling」、およびBoguslaskiらの米国特許第4,230,767号、表題「Heterogeneous Specific Binding Assay Employing a Coenzyme as Label」も参照されたい。
【0064】
抗体は、受動結合などの公知の技法に従って、診断アッセイに適した固体支持体(たとえば、タンパク質Aまたはタンパク質Gアガロースなどのビーズ、ラテックスまたはポリスチレンなどの材料から形成されたミクロスフェア、プレート、スライドまたはウェル)とコンジュゲートさせることができる。同様に、本明細書中に記載の抗体は、公知の技法に従って、放射標識(たとえば、35S、125I、131I)、酵素標識(たとえば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、および蛍光標識(たとえば、フルオレセイン、Alexa、緑色蛍光タンパク質、ローダミン)などの検出可能な標識または基とコンジュゲートさせ得る。
【0065】
また、抗体は、チロシンリン酸化、スレオニンリン酸化、セリンリン酸化、グリコシル化(たとえばO−GlcNAc)などの、バイオマーカーの翻訳後修飾の検出にも有用である場合がある。そのような抗体は、被験体のタンパク質または複数のタンパク質中のリン酸化されたアミノ酸を特異的に検出し、本明細書中に記載の免疫ブロッティング、免疫蛍光、およびELISAアッセイに使用することができる。これらの抗体は当業者に周知であり、市販されている。また、翻訳後修飾は、反射型マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間質量分析(MALDI−TOF)において準安定イオンを使用することによっても決定することができる(Wirth, U.ら(2002年)Proteomics、2巻(10号):1445〜51頁)。
【0066】
酵素活性を有することが公知のバイオマーカーでは、活性は、当分野で公知の酵素アッセイを使用してin vitroで決定することができる。そのようなアッセイには、多くのもののうちとりわけ、それだけには限定されないが、キナーゼアッセイ、ホスファターゼアッセイ、レダクターゼアッセイが含まれる。酵素活性の動力学の変調は、ヒルプロット、ミカエリス−メンテン式、ラインウィーバー−バーク分析などの直線回帰プロット、およびスキャッチャードプロット等の公知のアルゴリズムを使用して、速度定数KMを測定することによって決定できる。
【0067】
バイオマーカーを測定するための試験は、様々な診断試験システムに実装することができる。診断試験システムとは、典型的には試験結果を生体試料から得る手段が含まれる装置である。そのような手段の例には、試験(たとえば、生化学的、免疫学的、核酸検出アッセイ)を自動化するモジュールが含まれる。一部の診断試験システムは複数の生体試料を取り扱うように設計されており、それぞれの試料で同じまたは異なる試験を実行するようにプログラミングすることができる。診断試験システムには、典型的には、それぞれの試料の試験結果を、通常はデータ構造またはデータベースで収集、記憶および/または追跡するための手段が含まれる。例には、周知の物理的および電子的なデータ記憶装置(たとえば、ハードドライブ、フラッシュメモリ、磁気テープ、紙の印刷物)が含まれる。また、診断試験システムには試験結果を報告する手段が含まれることが典型的である。報告手段の例には、目に見える表示、データ構造もしくはデータベースとのリンク、またはプリンターが含まれる。報告手段は、試験結果をデータ構造、データベース、ビジュアルディスプレイ、またはプリンターなどの外部装置に送信するためのデータリンクでしかない場合がある。
【0068】
本発明の一実施形態は、糖尿病を発生するリスクがある個体の同定を援助するために適合された診断試験システムを含む。試験システムは、本明細書中の説明に従ってバイオマーカーパネルから測定されたバイオマーカーのレベルが含まれる入力に式を適用する手段を用いる。ある場合では、本発明のバイオマーカーパネルからの試験結果は、式を用いてプログラミングしたコンピュータまたはマイクロプロセッサへの入力として役割を果たす。入力に糖尿病リスクスコアの関連するバイオマーカーのすべての測定が含まれる場合は、診断試験システムには、報告された試験結果中のスコアが含まれる場合がある。システムで試験されたバイオマーカー以外のいくつかの要因を使用して最終リスクスコアを計算する場合には、その後、これらの要因を診断試験システムに供給して、リスクスコアの計算を完了させることができる、または、式が、報告され、外部で他のデータと合わせられて、最終リスクスコアを計算するための指標スコアを生じることができる。
【0069】
いくつかの診断試験システムが、本発明を実装し、本発明を実施するためのさらなる手段を例示するために利用可能である。1つのそのような装置は、高スループットで完全に自動化された臨床的化学分析器である、Abbott Architect(登録商標)システムである(ARCHITECTは、医療診断学の分野で使用するためのコンピュータハードウェアおよびソフトウェアからなるデータ管理および実験室自動化システムの、Abbott Laboratories、米国イリノイ州Abbott Park、60064の登録商標である)。Architect(登録商標)システムは、URL World−Wide−Web.abbotdiagnosics.com/pubs/2006/2006_AACC_Wilson_c16000.pdf(Wilson, C.ら、「Clinical Chemistry Analyzer Sub−System Level Performance」、American Association for Clinical Chemistry Annual Meeting、Chicago, Illinois、2006年7月23〜27日、およびKisner HJ、「Product development: the making of the Abbott ARCHITECT」、Clin Lab Manage Rev.、1997年11月〜12月;11巻(6号):419〜21頁;Ognibene Aら、「A new modular chemiluminescence immunoassay analyser evaluated」、Clin Chem Lab Med.、2000年3月;38巻(3号):251〜60頁;Park JWら、「Three−year experience in using total laboratory automation system」、Southeast Asian J Trop Med Public Health.、2002年;33巻補遺2:68〜73頁;Pauli Dら、「The Abbott Architect c8000: analytical performance and productivity characteristics of a new analyzer applied to general chemistry testing」、Clin Lab.、2005年;51巻(1〜2号):31〜41頁に記載されている。別の有用なシステムは、他のAbbottシステムと共にURL World−Wide−Web.abbotdiagnosics.com/Products/Instruments_by_Platform/に記載されている、Abbott AxSYM(登録商標)およびAxSYM(登録商標)Plusシステムである。
【0070】
バイオマーカーを測定する試験の実装に有用な他の装置は、Johnson & Johnson Vitros(登録商標)システム(VITROSは、医学的機器、すなわち、病院、研究室、診療所および医院において専門家が血液および他の体液から診断試験結果を生成するために使用する化学分析装置の、Johnson & Johnson Corp.、米国ニュージャージー州New Brunswickの登録商標である、URL World−Wide−Web.jnjgateway.com/home.jhtml?loc=USENG&page=menu&nodekey=/Prod_Info/Specialty/Diagnostics/Laboratory_and_Transfusion_Medicine/Chemistry_Immunodiagnosticsを参照);Dade−Behring Dimension(登録商標)システム(DIMENSIONは、体液を分析するための医療診断分析器、ならびに分析器の操作に使用し、分析器によって生成されたデータの分析に使用するコンピュータハードウェアおよびコンピュータソフトウェアの、Dade Behring Inc.、米国イリノイ州Deerfieldの登録商標である。URL diagnostics.siemens.com/webapp/wcs/stores/servlet/PSGenericDisplay〜q_catalogId〜e_−111〜a_langId〜e_−111〜a_pageId〜e_94489〜a_storeId〜e_10001.htmを参照)である。
【0071】
バイオマーカー試験は、米国の臨床実験改善修正法(合衆国法典第42巻、第263(a)条)、または臨床目的のために試料を分析する研究室の運営を統治する任意の国、州、もしくは省の他の連邦、国家、州、省、もしくは他の法律の下で認定されたものなどの研究室で実施することができる。そのような研究室には、たとえば、本部が358 South Main Street、ノースカロライナ州Burlington、27215、米国にあるLaboratory Corporation of America;本社が3 Giralda Farms、ニュージャージー州Madison、07940、米国にあるQuest Diagnostics;ならびに病院基盤の参照研究室および臨床化学研究室が含まれる。適切な研究室には、ポイントオブケア(point of care)研究室も含まれる。
【0072】
バイオマーカーの検出のための抗体についての適切な供給源は、たとえば、Abazyme、Abnova、Affinity Biologicals、AntibodyShop、Biogenesis、Biosense Laboratories、Calbiochem、Cell Sciences、Chemicon International、Chemokine、Clontech、Cytolab、DAKO、Diagnostic BioSystems、eBioscience、Endocrine Technologies、Enzo Biochem、Eurogentec、Fusion Antibodies、Genesis Biotech、GloboZymes、Haematologic Technologies、HyTest Ltd.、Immunodetect、Immunodiagnostik、Immunometrics、Immunostar、Immunovision、Biogenex、Invitrogen、Jackson ImmunoResearch Laboratory、KMI Diagnostics、Koma Biotech、LabFrontier Life Science Institute、Lee Laboratories、Lifescreen、Maine Biotechnology Services、Mediclone、Mercodia、MicroPharm Ltd.、ModiQuest、Molecular Innovations、Molecular Probes、Neoclone、Neuromics、New England Biolabs、Novocastra、Novus Biologicals、Oncogene Research Products、Orbigen、Oxford Biotechnology、Panvera、PerkinElmer Life Sciences、Pharmingen、Phoenix Pharmaceuticals、Pierce Chemical Company、Polymun Scientific、Polysiences, Inc.、Promega Corporation、Proteogenix、Protos Immunoresearch、QED Biosciences, Inc.、R&D Systems、Repligen、Research Diagnostics、Roboscreen、Santa Cruz Biotechnology、Seikagaku America、Serological Corporation、Serotec、SigmaAldrich、StemCell Technologies、Synaptic Systems GmbH、Technopharm、Terra Nova Biotechnology、TiterMax、Trillium Diagnostics、Upstate Biotechnology、US Biological、Vector Laboratories、Wako Pure Chemical Industries、およびZeptometrixなどの、市販で入手可能な供給源を含む。しかしながら、当業者は、方法において用いられるバイオマーカーのいずれに対しても、ルーチン的に、抗体を作製することができる。
【0073】
レポート
本開示の方法は、本開示の方法に由来するリスクスコアを提供するレポートの準備に適している。本明細書において記載される「レポート」は、リスクアセスメントおよびその結果に関係する、被験体の情報を提供するレポートエレメントを含む、電子または有形の文書である。被験体のレポートは、患者が糖尿病になる可能性に関して少なくとも1つのリスクアセスメント、たとえば指標を含む。被験体のレポートは、完全にまたは部分的に、電子的に生成することができる、たとえば、電子ディスプレイ(たとえばコンピュータモニタ)上に示すことができる。レポートは、1つまたは複数の:1)試験施設に関する情報;2)サービス供給者情報;3)患者データ;4)試料データ;5)a)指標;b)1つまたは複数の、被験体の遺伝子の正規化レベルを含むことができる試験データを含む様々な情報を含むことができる、説明的なレポート、および6)他の特徴をさらに含むことができる。
【0074】
本開示は、したがって、レポートを作成するための方法およびそれに由来するレポートを提供する。レポートは、患者の血液におけるバイオマーカーのレベルの概略を含んでいてもよい。レポートは、糖尿病のリスクを示す一範囲のスコアの範囲内のスコアを含んでいてもよい。レポートは、電子フォーマットにおいてまたは紙上で示されてもよく、患者または患者の医療提供者に提供されてもよい。
【0075】
ある実施形態では、本明細書において開示される方法は、被験体の応答可能性アセスメントの結果を提供するレポートを生成するまたは出力するステップをさらに含むことができ、レポートは、電子媒体(たとえばコンピュータモニタ上に電子表示)の形態でまたは有形の媒体(たとえば紙もしくは他の有形の媒体上に印刷されたレポート)の形態で提供することができる。
【0076】
患者が糖尿病を発症する可能性に関する情報を含むレポートは、ユーザ、たとえば患者または医療提供者に提供されてもよい。レポートを準備する人または団体(「レポートジェネレーター」)はまた、リスクアセスメントを実行してもよい。レポートジェネレーターはまた、1つまたは複数の:試料収集、試料処理、およびデータ生成を実行してもよい、たとえば、レポートジェネレーターはまた、1つまたは複数の:a)試料収集;b)試料処理;c)試験バイオマーカーのレベルを測定すること;d)参照バイオマーカーのレベルを測定すること;およびe)試験バイオマーカーの正規化レベルを決定することを実行してもよい。その代わりに、レポートジェネレーター以外の団体が、1つまたは複数の試料収集、試料処理、およびデータ生成を実行することができる。
【0077】
ある実施形態では、たとえば、方法が、単一のコンピュータ上で完全に実行される場合、ユーザまたはクライアントは、データ入力およびデータ出力の評価を提供する。「ユーザ」は、医療従事者(たとえば臨床医、検査技師、医師(たとえば腫瘍学者、外科医、病理医)など)とすることができる。
【0078】
ユーザが方法の一部を実行するのみの実施形態では、本発明の方法によるコンピュータ処理されたデータの処理後に、データ出力を評価する(たとえば、完全なレポートを提供するための公表前の結果または「不完全な」レポートを評価し、手作業の介入および説明的なレポートの完成を提供する)個体は、本明細書において「評論家」と呼ばれる。評論家は、ユーザに対して遠隔の場所に位置してもよい(たとえばユーザが位置していてもよい医療設備から離れて提供されるサービス)。
【0079】
政府規制または他の制限が適用される場合(たとえば健康法、医療過誤、または責任保険による必要条件)、すべての結果は、全体としてまたは部分的に電子的に生成されるかどうかに関わらず、ユーザへの公表前に品質管理手順を受けさせてもよい。
【0080】
本開示によって提供される方法はまた、全体においてまたは一部分自動化されてもよい。
【0081】
コンピュータベースシステムおよび方法
本明細書において記載される方法およびシステムは、多数の方法において実現することができる。特定の対象の一実施形態では、方法は、通信インフラストラクチャー、たとえばインターネットの使用を含む。いくつかの実施形態が、下記に議論される。本方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、プロセッサ、またはその組合せの様々な形態において実現されてもよいこともまた、理解されたい。本明細書において記載される方法およびシステムは、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せとして実現することができる。ソフトウェアは、プログラムストレージデバイス上で明確に具体化されたアプリケーションプログラムとしてまたはユーザのコンピューティング環境(たとえばアプレットとして)においておよび評論家のコンピューティング環境上で実行されるソフトウェアの異なる部分として実行することができ、評論家は、関連する遠隔サイトに(たとえばサービス供給者の設備に)位置していてもよい。
【0082】
たとえば、ユーザによるデータ入力の間にまたはその後に、データ処理の一部は、ユーザ側のコンピューティング環境において実行することができる。たとえば、ユーザ側のコンピューティング環境は、可能性「スコア」を示すために定義された試験コードを提供するようにプログラムすることができ、スコアは、1つまたは複数のアルゴリズムの続く実行のために、試験コードの形態において、処理されたまたは部分的に処理された応答として、評論家のコンピューティング環境に伝送されて、評論家のコンピューティング環境において結果を提供するおよび/またはレポートを生成する。スコアは、数的なスコア(数値を表す)または数値もしくは数値の範囲を表す非数的なスコアとすることができる(たとえば、90〜95%の可能性の結論を表す「A」;応答の50%(またはいくつかの他の選択される、可能性の閾値)を超える可能性を表す「高」;応答の50%(またはいくつかの他の選択される、可能性の閾値)未満の可能性を表す「低」;およびその他同種のもの。
【0083】
本明細書において記載されるアルゴリズムを実行するためのアプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを含むマシンによって、アップロードされ、実行されてもよい。一般に、マシンは、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および入力/出力(I/O)インターフェイス(複数可)などの、ハードウェアを有するコンピュータプラットフォームを含む。コンピュータプラットフォームはまた、オペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードをも含む。本明細書において記載される様々なプロセスおよび機能は、オペレーティングシステムを介して実行されるマイクロ命令コードの一部またはアプリケーションプログラムの一部(またはその組合せ)であってもよい。さらに、追加データ記憶デバイスおよび印刷デバイスなどの、様々な他の周辺機器が、コンピュータプラットフォームに接続されてもよい。
【0084】
コンピュータシステムとして、システムは、一般に、処理装置を含む。処理装置は、情報を受信するように作動し、これは、試験データ(たとえば、応答指示遺伝子産物(複数可)のレベル;参照遺伝子産物(複数可)のレベル;応答指示遺伝子産物(複数可)の正規化レベル)を含むことができ、また、患者データなどの、他のデータをも含んでいてもよい。受信されたこの情報は、データベースにおいて少なくとも一時的に記憶することができ、データは、上記に記載されるように、レポートを生成するために分析することができる。
【0085】
入力および出力データの一部またはすべてはまた、電子的に送信することもでき、ある種の出力データ(たとえばレポート)は、電子的にまたは電話で(たとえば、たとえばファックス返信などの、デバイスを使用して、ファックスによって)送信することができる。例示的な出力受信デバイスは、表示エレメント、プリンター、ファックスデバイス、およびその他同種のものを含むことができる。伝送および/または表示の電子的形態は、電子メール、双方向テレビ、およびその他同種のものを含むことができる。特定の対象の実施形態では、入力データのすべてもしくは一部および/または出力データのすべてもしくは一部(たとえば、通常、少なくとも最終のレポート)は、典型的なブラウザを用いるアクセス、好ましくは機密性のアクセスのためにウェブサーバー上に維持される。データは、所望されるように、アクセスされてもよいまたは医療従事者に送信されてもよい。最終のレポートのすべてまたは一部を含む入力および出力データは、医療施設の機密性のデータベース中に存在してもよい患者の診療記録のデータを読み込むために使用することができる。
【0086】
本明細書において記載される方法において使用されるシステムは、一般に、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(たとえば、方法全体が、単一のサイトで実行される場合)またはネットワーク接続した少なくとも2つのコンピュータプロセッサ(たとえば、データがユーザ(本明細書において「クライアント」とも呼ばれる)によって入力され、分析のために、第2のコンピュータプロセッサに、遠隔サイトに伝送されることになっており、第1および第2のコンピュータプロセッサは、たとえばイントラネットまたはインターネットを介して、ネットワークによって接続されている)を含む。システムはまた、入力のためのユーザコンポーネント(複数可)ならびにデータの評価、生成されるレポート、および手作業の介入のための評論家コンポーネント(複数可)を含むことができる。システムの追加のコンポーネントは、サーバーコンポーネント(複数可)およびデータを記憶するためのデータベース(複数可)を含むことができる(たとえば、レポートエレメント、たとえば説明的なレポートエレメントのデータベースまたはユーザによるデータ入力およびデータ出力を含むことができるリレーショナルデータベース(RDB)においてのように。コンピュータプロセッサは、パーソナルデスクトップコンピュータ(たとえばIBM、Dell、Macintosh)、ポータブルコンピュータ、メインフレーム、ミニコンピュータ、または他のコンピューティングデバイスにおいて典型的に見つかるプロセッサとすることができる。
【0087】
ネットワーク接続されたクライアント/サーバーアーキテクチャは、所望されるように選択することができ、たとえば、典型的な2または3層クライアントサーバーモデルとすることができる。関係データベース管理システム(RDMS)は、アプリケーションサーバー構成要素の一部または個別の構成要素(RDBマシン)として、データベースへのインターフェイスを提供する。
【0088】
一実施例では、アーキテクチャは、データベース中心のクライアント/サーバーアーキテクチャとして提供され、クライアントアプリケーションは、一般に、必要とされるように、様々なレポートエレメント、特に説明的なレポートエレメント、特に見解テキストおよび警戒を有するレポートのデータを読み込むように、データベース(またはデータベースサーバー)に対する要求を作製するアプリケーションサーバーからのサービスを要求する。サーバー(複数可)(たとえばアプリケーションサーバーマシンの一部または個別のRDB/関係データベースマシンとして)は、クライアントの要求に応答する。
【0089】
入力クライアント構成要素は、アプリケーションを起動するためのパワーおよび機能の全範囲を提供する完全独立パーソナルコンピュータとすることができる。クライアント構成要素は、通常、あらゆる所望のオペレーティングシステム下で作動し、通信エレメント(たとえばモデムまたはネットワークに接続するための他のハードウェア)、1つまたは複数の入力デバイス(たとえばキーボード、マウス、キーパッド、または情報もしくはコマンドを転送するために使用される他のデバイス)、記憶素子(たとえばハードドライブまたは他のコンピュータ読取可能、コンピュータ書き込み可能な記憶媒体)、および表示エレメント(たとえば、ユーザに情報を伝達するモニタ、テレビ、LCD、LED、または他の表示デバイス)を含む。ユーザは、入力デバイスを通して、コンピュータプロセッサに入力コマンドを入力する。一般に、ユーザインターフェイスは、ウェブブラウザアプリケーション用に書かれたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)である。
【0090】
サーバー構成要素(複数可)は、パーソナルコンピュータ、ミニコンピュータ、またはメインフレームとすることができ、データ管理、クライアントの間の情報共有、ネットワーク管理、およびセキュリティを提供する。使用されるアプリケーションおよび任意のデータベースは、同じまたは異なるサーバー上のものとすることができる。
【0091】
メインフレームなどの、単一のマシン、多数のマシン、または他の適切な構成上での処理を含む、クライアントおよびサーバー(複数可)についての他のコンピューティング配置が、企図される。一般に、クライアントおよびサーバーマシンは、本発明の方法の処理およびレポートを達成するために相互に作動する。
【0092】
使用される場合、データベース(複数可)は、通常、データベースサーバー構成要素に接続され、データを保持するであろう任意のデバイスとすることができる。たとえば、データベースは、コンピュータのために任意の磁気または光学的記憶デバイスとすることができる(たとえばCDROM、内部ハードドライブ、テープドライブ)。データベースは、サーバー構成要素に対して遠隔に(ネットワーク、モデムなどを介してのアクセスを伴う)またはサーバー構成要素の近くに位置することができる。
【0093】
システムおよび方法において使用される場合、データベースは、データ項目の間の関係に従って構成され、アクセスされる関係データベースとすることができる。関係データベースは、一般に、複数の表(エンティティ)から構成される。表の行は、レコード(個別の項目に関する情報の集り)を表し、列は、フィールド(レコードの特定の属性)を表す。その最も単純な概念では、関係データベースは、少なくとも1つの共通フィールドを通して互いに「関係する」データエントリーの集りである。
【0094】
コンピュータおよびプリンターを装備した追加のワークステーションは、所望される場合、データを入力し、いくつかの実施形態では、適切なレポートを生成するためにサービスのポイントで使用されてもよい。コンピュータ(複数可)は、所望されるように、データエントリー、伝達、分析、レポート受信などの開始を容易にするために、アプリケーションを開始するためのショートカット(たとえばデスクトップ上に)を有することができる。
【0095】
コンピュータ読取可能記憶媒体
本開示はまた、コンピュータ環境において実行された場合、本明細書において記載される方法の結果のすべてまたは一部を実行するためにアルゴリズムの実現を提供するプログラムをそれに記憶している、アクセス可能で、コンピュータ読取可能記憶媒体(たとえばCD−ROM、メモリキー、フラッシュメモリカード、ディスケットなどの、物理的なメディア)をも企図する。コンピュータ読取可能媒体が、本明細書において記載される方法を実行するために完全なプログラムを含有する場合、プログラムは、出力を収集し、分析し、かつ生成するためのプログラム命令を含み、一般に、本明細書において記載されるように、ユーザと対話し、分析情報に関連してそのデータを処理し、そのユーザに固有の印刷媒体または電子媒体を生成するための、コンピュータ読取可能コードデバイスを含む。情報を含有するファイルは、コンピュータ読取可能媒体上に「記憶され」てもよく、「記憶」は、それがコンピュータによって、後日、アクセス可能で、回収可能となる記録情報を意味する。
【0096】
ある実施形態では、コンピュータ読取可能媒体は、変数の入力後に、式Iまたは上記に記載されるように、式Iを使用して得られるものに類似するもしくはそれと同一である結果を提供する代替の式の実行のためのプログラミングを含有していてもよい。
【0097】
記憶媒体が、本明細書において記載される方法の一部(たとえば、方法のユーザ側の側面(たとえばデータ入力、レポート受信能力など))の実現を提供するプログラムを提供する場合、プログラムは、遠隔サイトのコンピュータ環境への、ユーザによるデータ入力の伝達を提供する(たとえば、インターネットを介して、イントラネットを介してなど)。データの処理または処理の完了は、レポートを生成するために遠隔サイトで実行される。完全なレポートを提供するための、レポートの評価およびあらゆる必要な手作業の介入の完了後に、次いで、完全なレポートは、電子文書または印刷文書(たとえばファックスまたは郵送の紙レポート)としてユーザに伝送される。本発明によるプログラムを含有する記憶媒体は、適切な基板に記録された命令(たとえばプログラムインストール、使用などのための)またはそのような命令が得られてもよいウェブアドレスとパッケージにすることができる。コンピュータ読取可能記憶媒体はまた、応答可能性アセスメントを実行するための1つまたは複数の試薬と組み合わせて提供することができる(たとえば抗体、支持体、プライマー、プローブ、アレイ、または他のそのようなキット構成要素)。
【0098】
コンピュータ読取可能媒体に関して、「固定記憶」は、永久の記憶を指す。固定記憶は、コンピュータまたはプロセッサへの給電の停止によって消去されない。コンピュータハードドライブROM(つまり仮想記憶として使用されないROM)、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、およびDVDは、固定記憶のすべての例である。ランダムアクセスメモリ(RAM)は、非永久的な記憶の例である。固定記憶におけるファイルは、編集可能で、再書き込み可能であってもよい。
【0099】
「コンピュータベースのシステム」は、本発明の情報を分析するために使用されるハードウェア手段、ソフトウェア手段、およびデータ記憶装置手段を指す。本明細書において記載されるコンピュータベースのシステムの実施形態の最小のハードウェアは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、およびデータ記憶手段を含有する。当業者は、現在利用可能なコンピュータベースのシステムのいずれか1つが、本発明において使用するのに適切であることを容易に認識することができる。データ記憶手段は、上記に記載されるように、本発明の情報の記録を含む任意の製品またはそのような製品にアクセスすることができるメモリアクセス手段を含んでいてもよい。
【0100】
「プロセッサ」は、それが必要とする機能を実行するであろう任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアの組合せを参照する。たとえば、本明細書における任意のプロセッサは、電子制御器、メインフレーム、サーバー、またはパーソナルコンピュータ(デスクトップもしくはポータブル)の形態で利用可能なものなど、プログラム可能なデジタルマイクロプロセッサであってもよい。プロセッサがプログラム可能である場合、適切なプログラミングは、遠隔地からプロセッサに通信することができるまたはあらかじめ、コンピュータプログラム製品中に保存することができる(磁気、光学的、またはソリッドステートデバイスベースであるかどうかに関わらず、ポータブルまたは固定コンピュータ読取可能記憶媒体など)。たとえば、磁気媒体または光ディスクは、プログラミングを運び、その対応するステーションでそれぞれのプロセッサと通信する適切なリーダーによって読み取ることができる。
【0101】
ある実施形態では、プロセッサは、操作可能に連結されているであろう、つまり、前述のデバイスの一部分であろうまたはそれにネットワーク接続されているであろう、また、そのアクティビティーを指示することができるであろう。
【0102】
キット
本明細書において記載されるある種の方法を実施する際に使用されるキットもまた、提供される。ある実施形態では、キットは、バイオマーカーのレベルを測定するための試薬、たとえば、固体支持体に結合されてもよいまたはされなくてもよい抗体、陽性対照、陰性対照、標識試薬、および/または試験ストリップなどならびにある場合では、上記に記載されるコンピュータ読取可能媒体を含んでいてもよい。ある実施形態では、キットは、対象の方法を実施するための命令または命令を得るための手段をさらに含み(たとえば、命令を提供するウェブページにユーザを導くウェブサイトURL)、これらの命令は、基板上に印刷されてもよく、基板は、1つまたは複数の:添付文書、包装、試薬容器、およびその他同種のものであってもよい。対象のキットでは、1つまたは複数の構成要素は、便利なまたは望ましいように、同じまたは異なる容器中に存在する。
【0103】
有用性
本明細書において記載される方法は、糖尿病への転換のリスクの継続的または分類別測定を行うために使用され、したがって、前糖尿病性であるとして決定された被験体を診断し、その分類のリスクスペクトル決定してもよい。
【0104】
前糖尿病性被験体の同定は、その被験体が糖尿病状態へと転換することを遅延させる、低下するまたは予防するための、様々な治療介入または治療レジメンの選択および開始を可能にする。また、有効量のバイオマーカーのレベルは、糖尿病、前糖尿病または前糖尿病性状態の処置過程が監視されることも可能にする。本方法では、生体試料は、糖尿病の治療レジメンまたは治療介入、たとえば薬物処置を受けている被験体から提供することができる。そのような治療レジメンまたは治療介入には、それだけには限定されないが、運動レジメン、食事の改変、栄養補給、肥満外科的処置、薬物の投与、および糖尿病、前糖尿病、または前糖尿病性状態が診断または同定された被験体において使用される治療剤または予防剤を用いた処置が含まれることができる。所望する場合は、生体試料は、処置の前、その間、またはその後の様々な時点で被験体から得られる。
【0105】
また、方法は、任意の数の設定において患者または被験体の集団をスクリーニングするためにも使用することができる。たとえば、健康維持機構、公衆衛生団体または学校保健プログラムが、上述の介入を必要とする者を同定するため、または疫学的データを収集するために、被験体群をスクリーニングすることができる。保険会社(たとえば、健康、生命、または身体障害)は、申請者を補償範囲もしくは価格設定の決定プロセスにおいて、または既存の顧客を潜在的な介入についてスクリーニングし得る。そのような集団スクリーニングで収集されたデータは、特に糖尿病などの状態への任意の臨床的進行と関係している場合に、たとえば、健康維持機構、公衆衛生プログラムおよび保険会社の運営において価値があるであろう。そのようなデータのアレイまたはコレクションは、機械読取可能媒体中に記憶させ、任意の数の健康関連データ管理システムで使用して、改善された医療サービス、対費用効果の高い医療、改善された保険運営などを提供することができる。たとえば、米国特許出願、米国特許出願第2002/0038227号、米国特許出願US2004/0122296号、米国特許出願US2004/0122297号、および米国特許第5,018,067号を参照されたい。そのようなシステムは、本明細書中にさらに詳述するように、データを内部データ記憶から直接、または1つもしくは複数のデータ記憶サイトから遠隔でアクセスすることができる。したがって、被験体または集団が糖尿病性状態を発生するリスクが、糖尿病の危険因子を分析することを含む、健康関連データ管理システムでは、本発明は、本明細書中に定義したバイオマーカー測定値および/またはこれらのバイオマーカー測定値から生じるリスクの評価を包含するデータアレイの使用を含む改善を提供する。
【実施例】
【0106】
以下の実施例は、本発明を成し、かつ使用するための方法について、完全な開示および説明を当業者らに提供するために記載され、発明者らが発明者らの発明としてみなすものの範囲を限定するようには意図されないまたはそれらは、下記の実験が、実行されたすべての実験であるまたは実行された実験のみであることを表すように意図されない。使用した数(たとえば量、温度など)に関しての正確性を保証するための努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が考えられるはずである。その他に示されない限り、割合は、重量による割合とし、分子量は、重量平均分子量とし、温度は、摂氏度とし、圧力は、大気中のまたは大気の近くのものとする。
【0107】
(実施例1)
ワークフローおよび試料収集
下記に記載される糖尿病リスク試験は、5年以内に2型糖尿病を発症する患者のリスクのアセスメントを援助するように意図される定量的診断試験である。試験は、糖尿病のリスクがある患者について血液試料に対して実行される。
【0108】
糖尿病リスク試験によって提供される情報は、有効な糖尿病予防プログラムを開発するために、他の臨床指示に関連して医師によって使用されてもよい。糖尿病リスク試験は、他の診断および臨床手順に取って代わるのではなく、それらを補足するための付属の試験として使用するように指示されてもよい。
【0109】
糖尿病リスク試験は、糖尿病のリスクにひんしていることが知られている個体において使用するように推奨されてもよい。リスクは、年齢の増加、体型指数(BMI)、家族歴、高血圧、および異脂肪血症を含む。5年以内に糖尿病を発症した30〜60歳の個体および無作為選択の対照由来のベースライン試料は、糖尿病リスクスコアを開発し、非依存的に検証するために使用した。
【0110】
糖尿病リスク試験は、血液収集前に最低10時間の空腹を必要とする。
【0111】
血液は、8〜10mLの上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。糖尿病リスク試験用の血清は、2〜8℃で、7日までの間、安定している。
【0112】
全血検体は、EDTAを含有する壊れにくい収集チューブ中に収集する。糖尿病リスク試験用の全血試料は、2〜8℃で、7日までの間、安定している。
試料容量(好ましい):4〜6mLの全EDTA血液チューブおよび3〜5mLの血清
試料容量(最低):2.0mLの全EDTA血液チューブおよび1.0mLの血清
試料は、翌日配達を使用して、収集の日に発送されなければならない。試料は、輸送および保管の間に2〜8℃以下で維持されなければならない。7日間の安定期間内に試料を試験することができることを保証するために、試料は、月曜日から木曜日まで、夜のうちに発送されなければならず、業務時間(8am〜5pmの太平洋標準時)の間、月曜日から金曜日まで、試験のために受諾されるであろう。
【0113】
以下の個々の試験は、より詳細に下記に記載する。
機器 アッセイ
Randox Daytona グルコース、hsCRP
Immulite 1000 IL2Ra、フェリチン、インスリン
Bio−Rad D−10 ヘモグロビンA1c
SpectraMax ELISA アディポネクチン
アルゴリズム計算 DP−PreDx
(実施例2)
グルコースアッセイプロトコール
本実施例は、グルコースについて、Randox Daytona自動化化学分析器を使用して、患者試料を試験するための手順を記載する。グルコース試験は、血清中のグルコース濃度のin vitro決定用に意図される。
【0114】
血清中のグルコースの測定は、ヘキソキナーゼ(HK)およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6P−DH)の両方を使用する、酵素によるものとする。
【0115】
【化2】


NADHは、340nmで測定し、試料中のグルコースの量に正比例する。
【0116】
検体収集および取り扱い
患者準備:空腹時グルコースについては、患者は、最低10時間、空腹でなければならない。
【0117】
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。2〜8℃で血清を保管し、発送する。血清グルコースは、2〜8℃では、7日間までの間、−20〜−60℃で凍結させた場合には、1年間まで安定である。
【0118】
試料容量(好ましい) 0.5mL
試料容量(最低) 0.2mL
手順
血糖は、GL 3816 Instructions for Use Revised 09Oct06およびRandox Daytona Operator Manual Version 1.6 Rev. 2005年5月に従って、グルコース(GLUC−HK)ヘキソキナーゼ法キット カタログ番号GL 3816(Randox Laboratories Ltd、Oceanside、CA)を使用して測定する。
【0119】
結果
血糖の基準範囲は、70〜125mg/dLとする。
【0120】
500mg/dLの危険高閾値は、LIMSにおいて警戒を引き起こすであろう。500mg/dL以上のグルコース結果は、プロバイダーに直ちに電話で知らせられ、Orchard Harvest LIMSにおいて文書化される。
【0121】
45mg/dLの危険低閾値は、LIMSにおいて警戒を引き起こすであろう。45mg/dL以下のグルコース結果は、プロバイダーに直ちに電話で知らせられ、Orchard Harvest LIMSにおいて文書化される。
【0122】
レポート単位:mg/dL
レポートすべき範囲(連続範囲)27mg/dL〜630mg/dL
(実施例3)
アディポネクチンアッセイプロトコール
アディポネクチンは、Cayman Chemical(Ann Arbor、MI)、Abnova Corporation(Taiwan)、R & D systems(Minneapolis、MN)、Mercodia(Sweden)、または他によって提供されるキットを使用して分析されてもよい。
【0123】
アディポネクチンは、およそ30kDa(28〜30kDa)の分子量を有する244アミノ酸を含有する、脂肪細胞分泌ホルモンである。それは、ヒト血液において最も豊富なタンパク質の1つであり、循環濃度は、0.5〜30μg/mlであり、これは、全血漿タンパク質のおよそ0.01%を占める。いくつかの製造者は、血清または血漿中のヒトアディポネクチンの定量のための方法を提供している。
【0124】
使用するアディポネクチンELISAは、固相2部位酵素イムノアッセイである。それは、2つのモノクローナル抗体がアディポネクチン分子上の別々の抗原決定基に向けられるサンドイッチ法に基づく。インキュベーションの間に、試料中のアディポネクチンは、マイクロタイタープレートウェルに結合した抗アディポネクチン抗体と反応する。洗浄後に、ペルオキシダーゼコンジュゲート抗アディポネクチン抗体を追加し、第2のインキュベーションおよび非結合酵素標識抗体を除去する簡単な洗浄ステップ後に、結合したコンジュゲートは、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)との反応によって検出する。反応は、分光光度的に読み取られる比色定量エンドポイントを与えるために酸を追加することによって停止させる。試料中のアディポネクチンの濃度は、試料を用いて作成した検量線から決定する。
【0125】
検体収集および取り扱い
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。2〜8℃で血清を保管し、発送する。血清アディポネクチンは、2〜8℃で、14日までの間、安定している。長期の保管については、−20℃以下に保つ。
試料容量(好ましい) 0.2mL
試料容量(最低) 0.1mL
手順
アディポネクチンは、以下のプロトコールを使用して測定する。
a.下記の表1に従って、酵素コンジュゲートバッファーを用いて酵素コンジュゲート11×を希釈することによって、酵素コンジュゲート希釈標準溶液を調製する。穏やかに混合する。希釈した酵素コンジュゲートは、2カ月の間、2〜8℃で保管することができる。
【0126】
【表1】

b.40mL洗浄バッファー21×に800mL脱イオン水を追加することによって、洗浄バッファー希釈標準溶液を調製し、よく混合する。希釈した洗浄バッファーは、2カ月の間、2〜8℃で保管することができる。
c.50mLの試料バッファー2×に50mL脱イオン水を追加することによって、試料バッファー希釈標準溶液を調製し、よく混合する。希釈した試料バッファーは、2カ月の間、2〜8℃で保管することができる。
d.プレート地図に従って、必要とされる数の8ストリップマイクロタイターチューブまたは等価物に0.5mL試料バッファーをピペットで移す。
e.試料の1:101希釈液および対照を以下のように調製する:プレート地図に従って、0.5mL試料バッファーを含有するそれぞれのウェルまたはチューブに5μL試料を追加する(1:101希釈液)。プレートを密閉し、Eppendorf thermomixer上で15秒間、1350rpmで混合し、希釈液を完全に混合する。希釈した試料は密閉し、14日までの間、2〜8℃で保管することができる。
f.プレート地図に従って、対をなすウェルへ25μL標準物質およびブランクをピペットで移す。
g.プレート地図に従って、対をなすウェルへ25μL希釈試料および対照をピペットで移す。
h.それぞれのウェルへ100μLアッセイバッファーをピペットで移す。プレートシーラーを用いてプレートを密閉する。
i.プレート振盪機にプレートを移動し、700rpmに調節する。1時間、振盪しながら、室温(18〜30℃)でプレートをインキュベートする。
j.インキュベーションの間に、洗浄バッファーを用意することによって、BioTekプレート洗浄機を準備する。
k.1時間のインキュベーションの終わりに、プレートからシーラーを取り外し、BioTekプレート洗浄機に移動する。洗浄プログラムを選択する:ELISA洗浄6×。十分な洗浄バッファーが正確な容器中にあることを確認する。STARTを押し、BioTek洗浄サイクルを開始する。
l.それぞれのウェルに100μL酵素コンジュゲートをピペットで移す。プレートシーラーを用いてプレートを密閉する。
m.プレート振盪機にプレートを移動し、700rpmに調節する。振盪しながら室温で1時間プレートをインキュベートする。
n.1時間のインキュベーションの終わりに、プレートからシーラーを取り外し、BioTekプレート洗浄機に移動する。洗浄プログラムを選択する:ELISA洗浄6×。十分な洗浄バッファーが正確な容器中にあることを確認する。STARTを押し、BioTek洗浄サイクルを開始する。
o.それぞれのウェルに200μL基質TMBをピペットで移す。プレートを密閉し、室温(18〜25℃)で15分間、インキュベートする。
p.プレートからシーラーを取り外し、それぞれのウェルに50μL停止液をピペットで移す。5秒間、手によってプレートを穏やかに振盪し、混合する。ウェルの内容物が混ざり合わないようにする。
q.Molecular Devicesプレートリーダーにプレートを移し、30分以内に450nmで光学濃度(OD)を読み取る。TP−018:SpectraMax Operation and Maintenance for SpectraMax plate reader instructionsを参照されたい。
r.SpectraMaxプレートリーダーが、μg/mLで、試料(複数可)中のアディポネクチンの濃度を計算する。
【0127】
結果
結果は、μg/mLでレポートする。レポートすべき範囲(連続範囲)は、1.4μg/mL〜33.2μg/mLとする。
【0128】
(実施例4)
CRPアッセイプロトコール
本実施例は、高感度C−反応性タンパク質(hs−CRP)について、Randox Daytona自動化化学分析器を使用して、患者試料を試験するための手順を記載する。
【0129】
hs−CRP試験システムは、血清中のC−反応性タンパク質(CRP)の定量的in vitro決定用に意図される。C−反応性タンパク質は、0〜5mg/Lの間のレベルで正常な個体の血清中に存在する。正常レベルのまたはその近くのCRPレベルは、心血管イベントリスクのアセスメントのために使用することができる。正常範囲内のまたはその近くのCRPレベルは、多くの様々な因子によって影響されるかもしれず、病歴と共に解釈されなければならない。
【0130】
試料は、バッファーおよび抗CRPコーティングラテックス粒子と反応する。抗体−抗原複合体の形成は、混濁度の増加をもたらし、この程度は、570nmで吸収される光の量として測定される。標準物質の吸収度から標準曲線を構築することによって、試料のCRP濃度を決定することができる。
【0131】
検体収集および取り扱い
患者準備:空腹時hsCRPについては、患者は、最低10時間、空腹でなければならない。非空腹時hsCRPについては、準備は、必要ではない。
【0132】
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。2〜8℃で血清を保管し、発送する。血清hsCRPは、2〜8℃では、7日間までの間、−10〜−30℃で凍結させた場合には、6カ月まで安定である。再凍結しないこと。
試料容量(好ましい) 0.5mL
試料容量(最低) 0.2mL
手順
CRPは、150μLの最低容量を使用して、hsCRP(GLUC−HK)免疫比濁法キット カタログ番号CP 3885(Randox Laboratories Ltd、Oceanside、CA)を使用して測定する。
【0133】
結果
製造者の基準範囲は、成人について0〜5mg/Lである。結果は、mg/Lでレポートされ、レポートすべき(連続)範囲は、0.1mg/L〜9.9mg/Lとする。
【0134】
(実施例5)
フェリチンアッセイプロトコール
本実施例は、フェリチンについて、Immulite 1000自動化化学分析器を使用して、患者血清試料を試験するための手順を記載する。
【0135】
Immulite 1000フェリチンは、固相2部位化学発光免疫測定アッセイである。試料は、マウスモノクローナル抗フェリチン抗体をコーティングした1つのビーズを含有する試験ユニットに追加する。インキュベーション後に、ヤギポリクローナル抗フェリチンにコンジュゲートされたアルカリホスファターゼを追加する。インキュベーションおよび洗浄に続いて、化学発光基質を追加し、光出力を測定する。測定される光の量は、試料中のフェリチンの濃度に正比例する。
【0136】
このアッセイは、鉄欠乏および鉄過剰の臨床診断における援助としての血清中のフェリチンの定量的測定用に意図される。
【0137】
フェリチン分子は、タンパク質シェル(MW450,000)および鉄のコアを含有する。高濃度は、肝細胞においてならびに肝臓、脾臓、および骨髄の赤血球リサイクリングセンター(RE細胞)において見つけられる。これらの組織では、フェリチンは、体の過剰な鉄のための主要な貯蔵庫として役立ち、過剰な毒作用に対して防御し、赤血球生成のために容易に動員される蓄えを維持する。
【0138】
検体収集および取り扱い
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。2〜8℃で血清を保管し、発送する。血清フェリチンは、2〜8℃では、7日間までの間、−10℃〜−30℃で保管した場合には、2週間まで安定である。
試料容量(好ましい) 0.5mL
試料容量(最低) 0.2mL
手順
フェリチン(ferretin)は、Immulite 1000分析器(Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)で、Immulite/Immulite 1000フェリチン カタログ番号LKFE1(100回の試験)またはLKFE5(500回の試験)(PILKFE−8,2006−12−29;Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)アッセイを使用して測定する。
【0139】
結果
製造者基準範囲:成人男性:28〜397ng/mL、成人女性:6〜159ng/mL。
【0140】
レポート単位は、ng/mLとし、レポートすべき範囲(連続範囲)は、1.5ng/mL〜1,500 ng/mLとする。
【0141】
(実施例6)
IL2RAアッセイプロトコール
本実施例は、インターロイキン2受容体アルファ(IL2RaまたはIL2RA)について、Immulite 1000自動化化学分析器を使用して、患者血清試料を試験するための手順を記載する。
【0142】
Immulite 1000 IL2Raは、固相2部位化学発光免疫測定アッセイである。試料は、マウスモノクローナル抗IL2Ra抗体をコーティングした1つのビーズを含有する試験ユニットに追加する。インキュベーション後に、ウサギポリクローナル抗IL2Raにコンジュゲートされたアルカリホスファターゼを追加する。インキュベーションおよび洗浄に続いて、化学発光基質を追加し、光出力を測定する。測定される光の量は、試料中のIL2Raの濃度に正比例する。
【0143】
サイトカインインターロイキン2(IL−2)の受容体は、免疫応答の調節において重大な役割を果たす。Tリンパ球の表面上のその受容体(IL2R)へのIl−2の結合は、休止T細胞の活性化および増殖をもたらし、最終的に、免疫反応を媒介するヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、および細胞傷害性T細胞の生成をもたらす、一連の細胞内シグナル伝達イベントを引き起こす。
【0144】
IL−2受容体は、少なくとも3つの別個の膜構成要素から構成される:α鎖(IL2Rα)、β鎖(IL2Rβ)、およびγ鎖(IL2Rγ)。これらの3つの構成要素の様々な組合せは、IL2Rの様々な形態の生成を起こし、それぞれ、IL2への様々な結合親和性を示す。
【0145】
ほとんどの休止T細胞、B細胞、大型顆粒リンパ球、および単球は、それらの表面上に、この受容体をそれほど発現しない。活性化に際して、受容分子は、細胞の表面上に発現され、膜結合タンパク質よりも約10kDa小さい可溶性形態(sIL2Ra)が、放出される。
【0146】
検体収集および取り扱い
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。凍結した血清を保管し、発送する。血清IL2Rは、2〜8℃で、2日までの間、安定しており、長期の保管については、−20℃以下に保つ。
試料容量(好ましい) 0.5mL
試料容量(最低) 0.2mL
手順
IL2Raは、Immulite 1000分析器(Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)を使用し、Immulite/Immulite 1000 IL2Rアッセイ カタログ番号LKIPZ(50回の試験)LKIP1(100回の試験)LKIP5(500回の試験)(Immulite/Immulite 1000 IL2R)(PILKIP−16、2007−04−10; Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)を使用して測定する。
【0147】
結果
結果は、50U/mL〜7,500U/mLのレポートすべき範囲(連続範囲)において、U/mLでレポートする。
【0148】
(実施例7)
インスリンアッセイプロトコール
本実施例は、インスリンについて、Immulite 1000自動化イムノアッセイシステムを使用して、患者血清試料を試験するための手順を記載する。
【0149】
Immulite 1000インスリンは、固相2部位化学発光免疫測定アッセイである。このアッセイは、糖尿病の管理のための血清中のインスリンの定量的測定用に意図される。
【0150】
試料は、モノクローナルマウス抗インスリンをコーティングした少なくとも1つのビーズを含有する試験ユニットに追加する。インキュベーション後に、ポリクローナルヒツジ抗インスリンにコンジュゲートされたアルカリホスファターゼを追加する。インキュベーションおよび洗浄に続いて、化学発光基質を追加し、光出力を測定する。測定される光の量は、試料中のインスリンの濃度に正比例する。
【0151】
ヒトインスリンは、膵臓のベータ細胞に起源を持ち、炭水化物の貯蔵および産生のための主要なレギュレーターとして果たすポリペプチドホルモンである。その分泌は、循環中のグルコースの量の増加によって通常刺激される。これは、より高いインスリンレベルおよびグルコースのより迅速な組織同化に至り、その後に、グルコースレベルが正常な高さに下がるにつれて、インスリンレベルの低下が続く。
【0152】
検体収集および取り扱い
上部が赤色の血清チューブまたは血清分離チューブ(SST)中に血液を収集する。収集の1時間以内に凝固させ、かつ血清を分離する。2〜8℃で血清を保管し、発送する。血清インスリンは、2〜8℃で、7日間および−20℃で、3カ月までの間、安定している。
試料容量(好ましい) 1.0mL
試料容量(最低) 0.5mL
手順
インスリンは、Immulite 1000分析器(Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)を使用し、immulite 1000インスリンアッセイカタログ番号LKIN1(100回の試験)またはLKIN5(500回の試験)(Siemens Medical Solutions Diagnostics Los Angeles、CA)を使用して測定する。
【0153】
結果
製造者基準範囲は、8.9μIU/mL〜28.4μIU/mLとする。
【0154】
結果は、μIU/mLでレポートし、レポートすべき範囲(連続範囲)は、2〜300μIU/mLとする。
【0155】
(実施例8)
HBA1Cアッセイプロトコール
本実施例は、Bio−Rad D−10自動高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析器を使用して、ヘモグロビンA1c(HbA1c)について患者試料を試験するための手順を記載する。
【0156】
D−10ヘモグロビンA1cプログラムは、イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の原理を利用する。試料は、自動的に、D−10上で希釈され、分析カートリッジに注入される。D−10は、増加性のイオン強度のプログラム化バッファー勾配をカートリッジに対して実行し、ヘモグロビンは、カートリッジ物質とのそれらのイオン相互作用に基づいて分離される。次いで、分離したヘモグロビンは、フィルター光度計のフローセルを通過し、415nmでの吸収度の変化が測定される。
【0157】
D−10ソフトウェアは、それぞれの分析からの生データの整理を実行する。2レベルのキャリブレーションをHbA1c値の定量化のために使用する。A1c面積は、A1cピーク面積から不安定A1cおよびカルバミル化ピーク面積を除外する指数関数修正ガウス(EMG)アルゴリズムを使用して計算される。
【0158】
Bio−Rad D−10ヘモグロビンA1cプログラムは、ヒト全血中のヘモグロビンA1cのパーセントの決定のために使用する。
【0159】
HbA1cのレベルは、平均グルコース濃度および循環中の赤血球の寿命の両方に比例する。
【0160】
検体収集および取り扱い
全血検体を、EDTAを含有する壊れにくい収集チューブ中に収集する。2〜8℃で全血を保管し、発送する。全血試料は、2〜8℃で、7日までの間、保管されてもよい。
試料容量(好ましい):4〜6mL 全EDTA血液チューブ
試料容量(最低):2.0mL 全EDTA血液チューブ
手順
HBA1Cは、Biorad D−10ヘモグロビンA1cアッセイ、カタログ番号220−0101(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)を使用して分析する。
【0161】
結果
EDTA全血(妊娠していない個体)における製造者基準範囲:
HbA1c(%) グルコース制御
>8 処置が提案される
<7 目標(American Diabetes Association)
<6 非糖尿病レベル
(実施例9)
糖尿病リスクスコアアルゴリズムの検証
本実施例は、糖尿病リスクスコア(DRS)アルゴリズムを検証するために使用した試験および分析の結果である。
【0162】
研究目的
CLIA−001研究の主目的は、個体におけるバイオマーカーのパネルから糖尿病を発症する5年間のリスクを推定することができるアルゴリズムを開発し、検証することである。アルゴリズムは、バイオマーカーの濃度値ならびに個体データ(年齢および性別など)を含み、グルコースのみを用い、隔離データセットに基づいて検証したモデルに対して著しく改善された適合を示す。
【0163】
検証の概略
アルゴリズムは、検証研究において評価した。アルゴリズムについては、それらの係数が、研究のトレーニング部分で、90%の信頼水準をもってゼロと統計的に異なっていたので(ブートストラップ再サンプリングを使用して推定)、マーカーを選択した。これらのマーカーは、年齢、性別、空腹時血漿グルコース、C−反応性タンパク質(CRP)、アディポネクチン(ADIPOQ)およびフェリチン(FTHI)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、インスリン、ならびにインターロイキン受容体2アルファ(IL2Ra)とする。
【0164】
アルゴリズムが糖尿病転換のリスクを予測する性能は、空腹時グルコースの性能のみと比較した。最終的な検証について、第1のエンドポイントは、尤度比検定によって評価されるように、適合の改善であった。第2のエンドポイントは、受信者動作特性(ROC)曲線によって評価されるように、判別の改善であった。
検証のためのアルゴリズムAは、
D=−23.114+0.062*Age−0.636*Gender+1.621*GLUCOSE−3.370*ADIPOQ+0.600*CRP+0.699*FTH1+1.350*IL2RA+0.491*INSULIN+0.259*HBA1C
(性別については、女性=0および男性=1)
DRS=(exp(D)/(1+exp(D))*10
とした。
【0165】
上記のモデルは、尤度比検定を使用して、空腹時グルコースのみに基づくモデルと比較した。検証データについての逸脱は、トレーニングデータの10,000ブートストラップ反復実験から推定された以下のモデルを用いて計算した。
Glucose_Score=−23.227+2.291*GLUCOSE
アルゴリズムは、モデルにおいて、自由度について調整した尤度比検定に基づいて、グルコースのみのモデルよりも、著しくよく(p<0.025)、データに適合しなければならない。
【0166】
結果の概略
アルゴリズムは、第1および第2のエンドポイントを満たした。第1のエンドポイントは、尤度比検定に基づく、グルコースのみより優れた適合であった。第2のエンドポイントは、ROC曲線の比較であった(R統計コンピュータ言語についてのucRパッケージにおいて実行されるDeLong、DeLongおよびClarke−Pearsonの方法による)。
【0167】
詳細な結果
a.データ排除
ALTの合計686の測定値は、アッセイの定量の限界未満であった。ALTは、続く分析から取り除いた。800の試料はすべて、CRPにおける範囲からの34およびFTH1における範囲からの1つの例外を伴って、残りの4つのアッセイを介して定量的に検出した。検出限界の値を限界値に設定した。試料ID 89992477(PID 097075)および試料ID 89992478(PID 097145)以外の試料はすべて、続く分析に含めた。
【0168】
b.アルゴリズム検証
データ準備
変換した値の分布が、正規分布により密接に近づいた場合、予測値は、生の濃度のログ、平方根、または二乗をとることによって変換した。予測因子の非依存性は、互いに対するそれらの相関に基づいて評価し、統計分析計画において決定されるように、どれも高度に相関しなかった(R>0.7)。さらに、線形評価を実行し、定量的計量すべてが直線的に見え、転帰に著しく関係した。
【0169】
モデルパラメータの決定
加重(転換の事前確率=50%)ロジスティク回帰モデルを、感度および特異度の平衡を保つために使用した。係数は、10,000のブートストラップ反復実験に基づいて選択マーカーについて推定した。アルゴリズムは、これらの反復実験の中央値を利用する。
【0170】
スコアは、DRS=exp(lp)/(1+exp(lp))*10(lpは、それぞれのバイオマーカーの生成物の線形和であり、そのそれぞれの係数である、として計算する。
【0171】
リスクは、以下のように計算する。
Ipは、等式:
lp’=lp+log(p/(1−p))
ここで、pは、試験集団における期待される5年間の陽転者の割合である
リスク=exp(lp’)/(1+exp(lp’)
D=lp
を使用する前に、試験集団に対して、50%事前から調節する。
【0172】
尤度比検定
DRSアルゴリズムは、尤度比検定を使用して、空腹時グルコースのみのモデルと比較した。
【0173】
ROC曲線の比較
ROC曲線は、それぞれのアルゴリズムおよび空腹時グルコースのみについて計算した。これらの結果を図2に示す。
【0174】
データ変換
分布の対称性を改善するために、log10変換を、インスリン、IL2Ra、ADIPOQ、CRP、およびFTHIに使用した。グルコースは、平方根を用いて変換し、年齢は、生のままとした。性別は、0=女性、1=男性とコード化した。
【0175】
結論
下記に示すアルゴリズムA:
D=−23.114+0.062*Age−0.636*Gender+1.621*GLUCOSE−3.370*ADIPOQ+0.600*CRP+0.699*FTH1+1.350*IL2RA+0.491*INSULIN+0.259*HBA1C
は、判定基準をすべて満たした。具体的には、アルゴリズムAは、尤度比検定の結果に基づいて、空腹時グルコースのみよりもよく(p<1e−5)機能した。アルゴリズムAは、30〜60歳の間の人々において、糖尿病のリスクの正確な予測を提供するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト被験体についての糖尿病リスクスコアを計算するための方法であって、
a)ヒト被験体から得られた血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、前記複数のバイオマーカーは、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つを含む、ステップと、
b)前記レベルならびに必要に応じて被験体年齢および/または性別を使用して、前記被験体についての糖尿病リスクスコアを計算するステップであって、前記計算は、
i)すべての前記バイオマーカーのレベルが測定され、第1の式:
D=X+0.06*Age−0.64*Gender+1.62*GLUCOSE−3.37*ADIPOQ+0.60*CRP+0.70*FTH1+1.35*IL2RA+0.49*INSULIN+0.26*HBA1C
[式中、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、被験体年齢であり、
0.64*Genderは、0.64を掛けた、女性=0および男性=1とした被験体性別であり、
1.62*GLUCOSEは、1.62を掛けた、mg/dLの被験体血糖のレベルの平方根であり、
3.37*ADIPOQは、3.37を掛けた、μg/mLの被験体血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.60*CRPは、0.60を掛けた、mg/Lの被験体血中CRPのレベルのlog10であり、
0.70*FTH1は、0.70を掛けた、ng/mLの被験体血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.35*IL2RAは、1.35を掛けた、U/mLの被験体血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.49*INSULINは、0.49を掛けた、uIU/mLの被験体血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.26*HBA1Cは、0.26を掛けた、血中の全ヘモグロビンの百分率として測定される被験体血中Hb1Acのレベルであり、
Xは、任意の数である]
を使用し、前記レベルを使用して、前記被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する第1の方法;ならびに
ii)前記少なくとも5つのバイオマーカーの測定レベルならびに必要に応じて年齢および/または性別を使用することを含み、第2の式を使用して、被験体についての糖尿病リスクスコアを計算する際に使用される第2の方法
から成る群から選択される方法によって実行される、ステップとを含み、
前記第1および第2の方法の第1および第2の式が、それぞれ第1および第2のリスクプロファイルを生成するために、ヒト参照集団について測定されたバイオマーカーレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別に適用される場合、前記第2のリスクプロファイルは、前記第1のリスクプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)について95%の信頼区間を有する、方法。
【請求項2】
前記ヒト参照集団は、少なくとも25の被験体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒト参照集団の被験体は、より大きな集団のヒト被験体から無作為に選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
必要な変数の入力に際しての第1の式または第2の式の実行のためのプログラミングを含むコンピュータ読取可能媒体であって、前記第1の式は、
D=X+0.06*Age−0.64*Gender+1.62*GLUCOSE−3.37*ADIPOQ+0.60*CRP+0.70*FTH1+1.35*IL2RA+0.49*INSULIN+0.26*HBA1C
[式中、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、被験体年齢であり、
0.64*Genderは、0.64を掛けた、女性=0および男性=1とした被験体性別であり、
1.62*GLUCOSEは、1.62を掛けた、mg/dLの被験体血糖のレベルの平方根であり、
3.37*ADIPOQは、3.37を掛けた、μg/mLの被験体血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.60*CRPは、0.60を掛けた、mg/Lの被験体血中CRPのレベルのlog10であり、
0.70*FTH1は、0.70を掛けた、ng/mLの被験体血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.35*IL2RAは、1.35を掛けた、U/mLの被験体血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.49*INSULINは、0.49を掛けた、uIU/mLの被験体血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.26*HBA1Cは、0.26を掛けた、血中の全ヘモグロビンの百分率として測定される被験体血中Hb1Acのレベルであり、
Xは、任意の数である]であり、
前記第1および第2の式が、第1および第2の糖尿病リスクプロファイルを生成するために、ヒト参照集団について測定されたバイオマーカーレベルならびに必要に応じた年齢および/または性別にそれぞれ適用される場合、前記第2のリスクプロファイルは、前記第1のリスクプロファイルとの0.5の相関値を全く上回るまたは含むスピアマンの順位相関係数の2乗(R)について95%の信頼区間を有する、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータ読取可能媒体を含むキット。
【請求項6】
ヒト被験体において糖尿病の状態を発症するリスクを分類するための方法であって、
a)ヒト被験体由来の血液試料における複数のバイオマーカーのレベルを測定するステップであって、前記複数のバイオマーカーが、以下のバイオマーカー:グルコース、アディポネクチン、CRP、IL2RA、フェリチン、インスリン、およびHbA1cのうちの少なくとも5つならびに必要に応じて、被験体年齢および/または性別を含む、ステップと、
b)複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに前記被験体を分類するステップであって、前記規則的なリスク分類へのクラス分けは、
i)式:
D=X+0.06*Age−0.64*Gender+1.62*GLUCOSE−3.37*ADIPOQ+0.60*CRP+0.70*FTH1+1.35*IL2RA+0.49*INSULIN+0.26*HBA1C
[式中、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、被験体年齢であり、
0.64*Genderは、0.64を掛けた、女性=0および男性=1とした被験体性別であり、
1.62*GLUCOSEは、1.62を掛けた、mg/dLの被験体血糖のレベルの平方根であり、
3.37*ADIPOQは、3.37を掛けた、μg/mLの被験体血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.60*CRPは、0.60を掛けた、mg/Lの被験体血中CRPのレベルのlog10であり、
0.70*FTH1は、0.70を掛けた、ng/mLの被験体血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.35*IL2RAは、1.35を掛けた、U/mLの被験体血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.49*INSULINは、0.49を掛けた、uIU/mLの被験体血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.26*HBA1Cは、0.26を掛けた、血中の全ヘモグロビンの百分率として測定される被験体血中Hb1Acのレベルである]
を使用し、前記レベルならびに年齢および性別を使用して、前記被験体についての糖尿病リスクスコアを計算し、
前記被験体に前記分類別リスクアセスメントを提供するために、一範囲の糖尿病リスクスコアによってそれぞれ定義される、前記複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに、前記計算された糖尿病リスクスコアに基づいて前記被験体を分類することを含む第1の方法;ならびに
ii)前記被験体に前記分類別リスクアセスメントを提供するために、リスクプロファイルに従って、前記複数の相互に排他的な規則的なリスク分類のうちの1つに前記被験体を分類するために、前記少なくとも5つのバイオマーカーならびに必要に応じた年齢および/または性別について前記測定されたレベルを使用することを含む第2の方法
から成る群から選択される方法によって決定され、前記第1の方法(第1の糖尿病リスク分類)によって計算されたヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントは、前記第2の方法(第2の糖尿病リスク分類)によって計算された前記ヒト参照集団からの複数の分類別リスクアセスメントと比較される場合、前記第2の糖尿病リスク分類は、カイ二乗検定を使用すると、前記第1の糖尿病リスク分類と、95%の信頼をもって無関係ではなく、前記複数の規則的なリスク分類を定義する前記糖尿病リスクスコアの前記範囲は、前記第1の糖尿病リスク分類および前記第2の糖尿病リスク分類の両方についてのそれぞれのリスク分類における前記ヒト参照集団からの個体の数が同一となるように、選択される、方法。
【請求項7】
規則的なリスク分類の数は、少なくとも3である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
規則的なリスク分類の数は、少なくとも4である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記規則的なリスク分類は、高いリスク、中程度のリスク、および低いリスクを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記被験体は、前記被験体の血液中のグルコース、アディポネクチン、CRP、およびHbA1cのレベルならびに被験体年齢を少なくとも使用して、前記リスク分類のうちの1つに分類される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒト参照集団は、少なくとも25の被験体を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒト参照集団の被験体は、より大きな集団のヒト被験体から無作為に選ばれる、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
必要な変数の入力に際しての第1の式または第2の式の実行のためのプログラミングを含み、前記第1の式は、
D=X+0.06*Age−0.64*Gender+1.62*GLUCOSE−3.37*ADIPOQ+0.60*CRP+0.70*FTH1+1.35*IL2RA+0.49*INSULIN+0.26*HBA1C
[式中、
0.062*Ageは、0.062を掛けた、被験体年齢であり、
0.64*Genderは、0.64を掛けた、女性=0および男性=1とした被験体性別であり、
1.62*GLUCOSEは、1.62を掛けた、mg/dLの被験体血糖のレベルの平方根であり、
3.37*ADIPOQは、3.37を掛けた、μg/mLの被験体血中アディポネクチンのレベルのlog10であり、
0.60*CRPは、0.60を掛けた、mg/Lの被験体血中CRPのレベルのlog10であり、
0.70*FTH1は、0.70を掛けた、ng/mLの被験体血中フェリチンのレベルのlog10であり、
1.35*IL2RAは、1.35を掛けた、U/mLの被験体血中IL2RAのレベルのlog10であり、
0.49*INSULINは、0.49を掛けた、uIU/mLの被験体血中インスリンのレベルのlog10であり、
0.26*HBA1Cは、0.26を掛けた、血中の全ヘモグロビンの百分率として測定される被験体血中Hb1Acのレベルであり、
Xは、任意の数である]であり、
前記第1の式によって計算されるヒト参照集団からの分類別リスクアセスメントが、前記第2の式によって計算される前記ヒト参照集団からの分類別リスクアセスメントと比較される場合、第2の糖尿病リスク層別化は、カイ二乗検定を使用すると、前記第1のリスク層別化と、95%の信頼をもって無関係ではなく、前記第1の複数の規則的なリスク分類の数が、前記第2の複数の規則的なリスク分類の数と等しく、前記第1の複数の規則的なリスク分類を定義する前記リスクスコアの範囲は、それぞれのリスク分類における前記被験体の数が、第2の複数の規則的なリスク分類において、リスクが増加する順に、対応するリスク分類のそれぞれにおける前記被験体の数と同一となるように選択される、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータ読取可能媒体を含むキット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−509587(P2013−509587A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537023(P2012−537023)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/054397
【国際公開番号】WO2011/059720
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(506053674)テシス バイオサイエンス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】