説明

糖類発泡性組成物

【解決課題】本発明は、発泡性の製薬用および化粧用組成物に関する。
【解決手段】水、糖、全組成物重量の約0.2重量%から約5重量%の表面活性剤、生物接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤、および相転移剤から選択された約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤、および約3重量%から約25重量%の濃度における液化した、または圧縮したガス噴射剤を含む、種々の疾患の治療に使用する、糖を含有する発泡性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性の製薬用および化粧用組成物に関する。
【0002】
関連出願に対するクロスレファレンス
本出願は、本明細書に参照としてその全体が組み込まれている、吸湿性抗感染組成物の標題で2005年5月9日に出願された米国仮特許出願第60/679020号の35U.S.C.§119(e)の下での利益を請求する。
【0003】
本出願は、本明細書に参照としてその全体が組み込まれている、ポリオール形成媒体およびその製薬組成物の標題で2006年3月21日に出願された米国仮特許出願第60/784793号の35U.S.C.§119(e)の下での利益を請求する。
【背景技術】
【0004】
疾患の治療における薬剤の投与にとって、外部局所投与は重要な経路である。例えば、抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、麻酔剤、鎮痛剤、抗アレルギー剤、副腎皮質ステロイド、レチノイドおよび抗増殖剤などの多くの薬剤群が、一般に半固体製剤で投与される。クリームおよび軟膏などの半固体組成物は一般的に消費者に用いられているが、より良好な適用制御を達成する一方で、このような製品の有益な性質を維持するか、または皮膚に与えるために、新規な形態が望ましい。
【0005】
ユニークな治療特性を有し、皮膚および粘膜組織の治療を意図した、改善され、使用し易い、安定で非刺激性の泡状製剤が求められているが、まだ応えられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、改善された、外部局所投与手段の提供を意図している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(i)水、(ii)糖、(iii)全組成物の重量の約0.2重量%から約5重量%の表面活性剤、(iv)生物接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤、および相転移剤から選択された約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤、および(v)約3重量%から約25重量%の濃度における液化した、または圧縮したガス噴射剤を含む発泡性糖組成物が、本発明により提供される。
【0008】
本発明のさらなる実施形態により、糖は、糖、単糖、二糖、オリゴ糖および糖アルコール;ならびに蜂蜜などの天然糖混合物から選択される。
【0009】
本発明のさらなる実施形態により、該糖組成物は、長鎖脂肪族アルコールおよび長鎖脂肪酸の群から選択される発泡アジュバントをさらに含む。
【0010】
本発明のさらなる実施形態により、該糖組成物は、疎水性溶媒をさらに含む。
【0011】
本発明のさらなる実施形態により、該組成物は、水中油乳液の形態にあり、表面活性剤のHLBは、約9と約14との間である。
【0012】
本発明のさらなる実施形態により、該糖組成物は、角質溶解剤、および極性溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の成分をさらに含む。
【0013】
本発明のさらなる実施形態により、該糖組成物は、活性植物抽出物、ダニ駆除剤、老斑および角質除去剤、アレルゲン、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗座瘡剤、抗アレルギー剤、抗老化剤、抗菌剤、抗生物質、抗火傷剤、抗癌剤、抗フケ剤、抗欝剤、抗皮膚炎剤、抗浮腫剤、抗ヒスタミン剤、抗角質過剰溶解剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗脂肪血剤、抗微生物剤、抗糸状菌剤、抗増殖剤、抗酸化剤、抗しわ剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗酒さ剤、抗脂漏剤、防腐剤、抗腫脹剤、抗ウィルス剤、抗酵母剤、収斂剤、局所心血管剤、化学療法剤、副腎皮質ステロイド、ジカルボン酸、殺菌剤、殺カビ剤、毛髪成長調節剤、ホルモン、ヒドロキシ酸、免疫抑制剤、免疫調節剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、角質溶解剤、ラクタム、金属、金属酸化物、殺糸状菌剤、神経ペプチド、非ステロイド抗炎症剤、酸化剤、殺シラミ剤、光線力学的療法剤、レチノイド、殺疥癬虫剤、自己色素沈着剤、皮膚ホワイトニング剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミン、ビタミンD誘導体、創傷治癒剤およびいぼ除去剤の群から選択される少なくとも1種の活性剤をさらに含有する。
【0014】
本発明のさらなる実施形態により、該糖組成物は、吸湿性である。
【0015】
本発明のさらなる実施形態により、(1)約0.8と約0.9;(2)約0.7と約0.8;および(3)約0.7未満、の範囲から選択されるAw値の発泡性組成物を提供するように、該糖の濃度が調整される。
【0016】
本発明のさらなる実施形態により、該吸湿性製薬組成物は、治療的有効濃度の抗炎症剤をさらに含む。
【0017】
本発明のさらなる実施形態により、該抗感染剤は、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、酵母を抑制する薬剤、抗ウィルス剤および抗寄生虫剤の群から選択される。
【0018】
本発明のさらなる実施形態により、該抗生物質は、ベータラクタム抗生物質、アミノグリコシド、わなタイプの抗生物質、アントラキノン、アゾール、メトロニダゾール、グリコペプチド抗生物質、マクロライド、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ヌクレオシド抗生物質、ペプチド抗生物質、ポリミキシンB、ポリエン抗生物質、ポリエーテル抗生物質、キノロン抗生物質、ステロイド抗生物質、フシジン酸、ミューピロシン(mupirocin)、クロラムフェニコール、スルホンアミド、テトラサイクリン、金属抗生物質、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、酸化剤、ヨウ素、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、過マンガン酸塩、フリーラジカルおよび/または活性酸素を放出する物質、カチオン抗微生物剤、四級アンモニウム化合物、ビグアナイド、クロロヘキシジン、トリグアナイド、ビスビグアナイド、ポリマービグアナイド、天然抗生化合物ならびにそれらの類縁体、誘導体、塩、イオンおよび複合体よりなる群から選択される。
【0019】
本発明のさらなる実施形態により、該抗真菌剤は、皮膚真菌症、小胞子菌、白癬菌および表皮菌感染、カンジダ症、口腔カンジダ症(鵞口瘡)、酵母およびカンジダの感染の治療に有用である。
【0020】
本発明のさらなる実施形態により、該抗真菌剤は、ポリエン、ナタマイシン、ナイスタチン;アリルアミン、ナフチフィン、テルビナフィン;イミダゾール、ビフォナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、オキシコナゾール;ジアゾール、トリアゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、シクロピロックス、ウンデシレン酸、スルベンチン(sulbentine)、グリセオフルビン、アムホテリシンB、フルシトシン(5FC)、モルホリン化合物、アモロルフィン、および関連モルホリン類ならびにそれらの類縁体、誘導体および塩、ならびに治療的有効濃度におけるそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される。
本発明の第2の実施形態により、治療の標的部位に糖組成物を投与することからなる、皮膚、体表面、体腔または粘膜表面、鼻腔、口腔、眼、耳管、膣および直腸の障害を治療する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、種々の疾患の治療に使用するための、糖を含有する発泡性組成物に関する。本発明の1つまたは複数の実施形態により、該発泡性糖組成物は、
a.糖水溶液;
b.約0.2重量%から約5重量%の界面活性剤;
c.約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤;および
d.全組成物重量の約3重量%から約25重量%の濃度の液化された、または圧縮されたガス噴射剤

を含む。
【0022】
全ての%値は、重量(w/w)に基づいて提供されている。
【0023】
全質量が100%に達するように、水および任意の成分を加える。
【0024】
エアロゾル容器から放出されると、該発泡性組成物は、感染表面の治療ならびに皮膚、体表面、体腔または粘膜表面への投与に好適な膨張泡を形成する。
【0025】

糖は、3個から7個の炭素原子を含有する単純な糖からきわめて複雑なポリマーまで多様である。
【0026】
代表的な糖としては、限定はしないが、吸湿性を有する単糖、二糖、オリゴ糖および糖アルコールが挙げられる。
【0027】
単糖は、より小さな単位へ加水分解できない単純な糖である。実験式は(CHO)であり、サイズは、トリオース(n=3)からヘプトース(n=7)の範囲である。代表的な単糖化合物は、リボース、グルコース、フルクトースおよびガラクトースである。
【0028】
二糖は、スクロース、マルトースおよびラクトースなど、一緒に結合した2つの単糖から構成されている。
【0029】
糖アルコール(ポリオール、多価アルコール、またはポリアルコールとしても知られている)は、そのカルボニル基(アルデヒドまたはケトン、還元糖)が第1級または第2級ヒドロキシル基に還元された、糖の水素化形態である。それらは、食品中のスクロースの替わりに、低甘味に対抗するためにきわめて強い人工甘味料としばしば組み合わせて、一般的に用いられる。本発明による使用に好適ないくつかの代表的な糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールである。(マルチトールおよびラクチトールは、完全に水素化された化合物ではない−それらは、多価アルコールと組み合わせた単糖である)。
【0030】
本発明の一実施形態において、本発明の発泡性組成物における糖の濃度は、約20%と約80%との間である。一定の実施形態において、糖の濃度は、約50%と約80%との間である。本発明による好適な代表的糖溶液は、水中70%のソルビトールを含有する。他の例は、主に糖および水からなる蜂蜜である。平均的な蜂蜜は、約80%の糖および約17%の水を含有し、主な糖は、フルクトースおよびグルコースである。
【0031】
ポリマー剤
本発明の組成物は、ポリマー剤を含有する。ポリマー剤の存在は、加圧エアロゾルカンからの放出時に容易に崩壊しない微細な泡構造を有する泡の作出にとって望ましい。ポリマー剤は、発泡組成物を安定化させ、標的器官における薬剤の滞留を制御するのに役立つ。ポリマー剤は、生体接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤および相転移剤よりなる群から選択されることが好ましい。
【0032】
代表的なポリマー剤としては、限定はしないが、イナゴマメゴム、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲニンゴム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、ガーゴム、カチオン性ガー、ヒドロキシプロピルガーゴム、澱粉、などの天然ポリマー材料、キトサンなどのアミン担持ポリマー;アルギン酸およびヒアルロン酸などの天然源から得られる酸性ポリマー;化学修飾澱粉など、カルボキシビニルポリマー類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ポリマー類、ポリメタクリル酸ポリマー類、ポリビニルアセテートポリマー類、ポリビニルクロリドポリマー類、ポリビニリデンクロリドポリマー類などが挙げられる。
【0033】
さらに、代表的なゲル化剤としては、アクリル酸/エチルアクリレートコポリマーおよびカルボキシビニルポリマーが挙げられる。これらの樹脂は本質的に、ポリアリルスクロースまたはポリアリルペンタエリスリトールなどの架橋剤によって架橋されたアクリル酸のコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーからなる。例としては、Carbopol(登録商標)934、Carbopol(登録商標)940、Carbopol(登録商標)950、Carbopol(登録商標)980、Carbopol(登録商標)951およびCarbopol(登録商標)981が挙げられる。Carbopol(登録商標)934は、スクロースのポリアリルエーテルによって架橋されたアクリル酸の水溶性ポリマーである。
【0034】
さらなる代表的なポリマー剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびカチオン性セルロースなどのセルロースエーテルなどの半合成ポリマー材料が挙げられる。1000以上の分子量を有するポリエチレングリコール(例えば、PEG1,000、PEG4,000、PEG6,000およびPEG10,000)はまた、ゲル化能力も有し、それらは、本明細書に詳述されるとおり、「追加極性溶媒」として考慮されているが、ポリマー剤としても考慮されている。
【0035】
上記ポリマー剤の混合物が考慮されている。
【0036】
該ポリマー剤の濃度は、エアロゾルキャニスター内へ充填後、該組成物が流動性であり、キャニスター内で振とうできるように選択する必要がある。1つまたは複数の実施形態において、該ポリマー剤の濃度は、エアロゾルキャニスター内への該組成物の充填前に、該組成物の粘度が、12,000CPs未満、より好ましくは、10,000CPs未満であるように選択される。
【0037】
表面活性剤
本発明の組成物は、表面活性剤をさらに含有する。表面活性剤(「界面活性剤」とも称される)には、乳液の形態で該組成物中の油と水を結合させる任意の薬剤が含まれる。界面活性剤の親水性/親油性比(HLB)は、水または油に対する乳化剤の親和性を言う。HLBは、非イオン性界面活性剤に関して定義される。HLB比は、1(完全に親油性)から20(完全に親水性)の範囲にあり、10は、双方の特性の比が等しいことを表す。親油性の乳化剤は、油中水(w/o)乳液を形成し;親水性の乳化剤は、水中油(o/w)乳液を形成する。2種の乳化剤の混合物のHLBは、乳化剤Aの重量分率にそのHLB値をかけたものプラス乳化剤Bの重量分率にそのHLB値をかけたもの(重量平均)に等しい。
【0038】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、該表面活性剤は、たいていの油類および疎水性溶媒の必要なHLB(所与の油のO/W乳液を安定化させるために必要なHLB)である、約9と約14との間の親水性親油性比(HLB)を有する。したがって、1つまたは複数の実施形態において、該組成物は、約9と14との間のHLB値を有する単一の表面活性剤を含有し、また、1つまたは複数の実施形態において、該組成物は、1つ超の表面活性剤を含有し、それらのHLB値の重量平均は、約9と約14との間である。さらに、他の実施形態において、油中水乳液が望ましい場合、該組成物は、約2と約9との間のHLB値を有する1つまたは複数の表面活性剤を含有する。
【0039】
本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。可能な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween60)およびポリ(オキシエチレン)(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80)などのポリソルベート類;Myrj45、Myrj49、Myrj52およびMyrj59などのポリ(オキシエチレン)(POE)脂肪酸エステル;ポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)パルミチルエーテル、ポリエチレンオキシドヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、brij38、brij52、brij56およびbrijW1などのポリ(オキシエチレン)アルキリルエーテル;スクロースエーテル、ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンモノラウレートなどのソルビトールとその無水物の部分エステル;モノまたはジグリセリド、イソセテス−20、ならびにスクロースと脂肪酸とのモノ、ジおよびトリエステル(スクロースエステル)が挙げられる。
【0040】
ある一定の場合、該表面活性剤は、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、およびベタインなどのカチオン性、両性イオン性、両性および両性電解性界面活性剤の群から選択される。
【0041】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、該表面活性剤は、少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含む。イオン性界面活性剤は刺激物質であることが知られている。したがって、非イオン性界面活性剤は、特に感染または炎症状態にある場合、たいていの粘膜組織などに見られる感受性組織を含む適用に好ましい。驚くべきことに、非イオン性界面活性剤単独で、優れた質の、すなわち、本明細書で下記に検討される等級づけ尺度による「E」のスコアの泡が提供されることを、我々は見出した。
【0042】
したがって、好ましい一実施形態において、界面活性剤、該組成物は、単独の界面活性剤として、1種の非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤の混合物を含有する。しかし、さらなる実施形態において、該発泡性組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と少なくとも1種のイオン性界面活性剤の混合物を、約100:1から6:1の範囲の比率で含む。さらなる実施形態において、表面活性剤は、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との組み合わせを、1:1と20:1の間の比率で含んでなる。
【0043】
表面活性剤の濃度は、約0.1%と約5%との間である。
【0044】
疎水性溶媒
任意に、該発泡性担体は、少なくとも1種の疎水性溶媒をさらに含有する。本明細書に用いられる「疎水性溶媒」の同定には、何らかの特定の活性剤または該発泡性組成物の何らかの他の成分に対する溶媒の可溶化能力を特徴づける意図はなく、このような情報は、本明細書に記載された発泡性組成物の一部としての使用に好適な材料の同定を助けるために提供されている。
【0045】
本明細書に用いられる「疎水性溶媒」とは、周囲温度で蒸留水中、100mL当たり、約1gm未満、より好ましくは、100mL当たり、約0.5gm未満、最も好ましくは、100mL当たり、約0.1gm未満の溶解度を有する材料を言う。
【0046】
1つまたは複数の実施形態において、該疎水性有機担体は、鉱油、イソプロピルパルミテート、イソプロピルイソステアレート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルジメレート、マレイン酸大豆油、オクチルパルミテート、セチルラクテート、セチルレシノレエート、トコフェリルアセテート、アセチル化ラノリンアルコール、セチルアセテート、フェニルトリメチコーン、グリセリルオレエート、トコフェリルリノレエート、小麦胚芽グリセリド、アラキジルプロピオネート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、プロピレングリコールリシノレエート、イソプロピルラノレート、ペンタエリスリチルテトラステアレート、ネオペンチルグリコールジカプリレート/ジカプレート、イソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、ミリスチン酸ミリスチル、クエン酸トリイソセチル、オクチルドデカノーなどの油、オリーブ油、トウモロコシ油、大豆油、アブラナ油、綿実油、ココナツ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ルリヂサ種子油、シジギウムアロマチクム(syzigium aromaticum)油、麻実油、ニシン油、タラ肝油、サケ油、亜麻実油、小麦胚芽油、オオマツヨイグサ油などの不飽和または多価不飽和油;精油;ならびにジメチコーン、シクロメチコーン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン(ジメチコーン)およびポリ(ジメチルシロキサン)−(ジフェニル−シロキサン)コポリマーなどのシリコーン油などの油である。
泡アジュバント
【0047】
界面活性剤の発泡能力を増大させるために、および/または泡を安定化させるために、本発明の発泡性担体中に発泡アジュバントが含まれる。本発明の1つまたは複数の実施形態において、発泡アジュバントとして、セチルアルコールおよびステアリルアルコール(またはそれらの混合物)などの、炭素鎖に15以上の炭素を有する脂肪族アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールの他の例は、アラキジルアルコール(C20)、ベヘニルアルコール(C22)、1−トリアコンタノール(C30)、ならびにより長い炭素鎖(C50まで)を有するアルコールである。蜜蝋由来で、大部分がそれらの炭素鎖に少なくとも20の炭素原子を有するアルコールの混合物を含む脂肪族アルコールは、発泡アジュバント剤として特に好適である。泡系を支持する上で必要な脂肪族アルコールの量は、その炭素鎖の長さに逆相関する。本明細書に定義された発泡アジュバントはまた、該組成物の拡散性および吸収性の改善促進にも有用である。
【0048】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、該発泡アジュバント剤としては、ヘキサデカン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、オクタコサン酸(octacosanoic acid)(C28)、ならびにより長い炭素鎖(C50まで)を有する脂肪酸などの、炭素鎖に16以上の炭素を有する脂肪酸、またはそれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコールに関して、該泡系を支持する上で必要な脂肪酸の量は、その炭素鎖の長さに逆相関する。
【0049】
任意に、該脂肪族アルコールまたは脂肪酸の炭素原子鎖は、少なくとも1つの二重結合を有し得る。発泡アジュバント剤のさらなるクラスとしては、分枝状の脂肪族アルコールまたは脂肪酸が挙げられる。該脂肪酸または脂肪族アルコールの炭素鎖はまた、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシル基によって置換できる。
【0050】
角質溶解剤
本発明の一実施形態において、該糖組成物は角質溶解剤を含有する。本明細書において用語の「角質溶解剤」は、皮膚の角質層をほぐして除去するか、または皮膚の角質層の構造を変化させる化合物を意味するために用いられる。角質溶解剤は、ドライスキン、過剰角質形成(乾癬など)、皮膚そう痒(乾皮症など)、座瘡および酒さ性座瘡を含む多くの皮膚疾患の治療に用いられる。好適な角質溶解剤としては、限定はしないが、N−アセチルシステイン、アゼライン酸、クレゾール類、レゾルシノールおよびヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン化合物、乳酸およびグリコール酸などのアルファヒドロキシ酸、フェノール、ピルビン酸、レゾルシノール、イオウ、サリチル酸、レチノイン酸、イソレチノイン酸、レチノール、レチナール、尿素ならびにそれらの誘導体、エステル、塩および混合物が挙げられる。
【0051】
極性溶媒/浸透増強剤
本発明の一実施形態において、該糖組成物は、極性溶媒を含有する。1つまたは複数の実施形態において、該極性溶媒はポリオール、すなわち、その分枝構造内に少なくとも2つのヒドロキシ基を含有する有機物質である。ポリオールの例としては、プロピレングリコール(例えば、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコール)、ブタンジオール(例えば、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール)、ブタンジオール(例えば、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール)、ブチンジオール、ペンタンジオール(例えば、ペンタン−1,2−ジオール、ペンタン−1,3−ジオール、ペンタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ペンタン−2,3−ジオールおよびペンタン−2,4−ジオール)、ヘキサンジオール(例えば、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,3−ジオールおよびヘキサン−2,56−ジオール)、オクタンジオール(例えば、1,8−オクタンジオール)、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、グリセリン、ブタン−1,2,3−トリオール、ブタン−1,2,4−トリオールおよびヘキサン−1,2,6−トリオールが挙げられる。
【0052】
本発明の組成物中に含有できるさらなる極性溶媒としては、ジメチルイソソルビド、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテル(グリコフロール)、DMSO、ピロリドン類、(N−メチル−2−ピロリドンおよび1−メチル−2−ピロリドン)、エチルプロキシトール、ジメチルアセトアミド(DMAc)ならびに乳酸、グリコール酸およびポリエチレングリコールなどのアルファヒドロキシ酸が挙げられる。特に、上記に例示した極性溶媒は、一般に、皮膚浸透増強性を有する。
【0053】
追加成分
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、1つまたは複数の追加の成分を含む。、このような追加成分としては、限定はしないが、制汗剤、静電防止剤、緩衝剤、増量剤、キレート化剤、洗剤、着色剤、コンディショナー、脱臭剤、希釈剤、色素、皮膚軟化剤、芳香剤、ヘアーコンディショナー、湿潤剤、密封剤、油類、浸透増強剤、真珠箔補助剤、香料、透過増強剤、pH調整剤、保存剤、保護剤、皮膚浸透増強剤、軟化剤、可溶化剤、日焼け止め、日光遮断剤、無日光色素沈着剤、粘度調節材およびビタミン類が挙げられる。当業者に知られているように、いくつかの場合、特定の追加成分は、1つ超の活性、機能または作用を有し得る。
【0054】
本発明の一実施形態において、追加成分は、pH調整剤または緩衝剤である。好適な緩衝剤としては、限定はしないが、酢酸、アジピン酸、水酸化カルシウム、クエン酸、グリシン、塩酸、乳酸、アルミノメタケイ酸ナトリウム、リン酸、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ソルビン酸、コハク酸、酒石酸、ならびにそれらの誘導体、塩および混合物が挙げられる。
【0055】
本発明の一実施形態において、追加成分は、皮膚軟化剤である。好適な皮膚軟化剤としては、限定はしないが、鉱油、ラノリン油、ココナツ油、カカオ脂、オリーブ油、アロエベラ抽出物、ホホバ油、ヒマシ油、脂肪酸、脂肪アルコール、ジイソプロピルアジペート、ヒドロキシ安息香酸エステル、C9からC15アルコールの安息香酸エステル、イソノニルイソノナノエート、シリコーン油、ポリエーテル、C12からC15のアルキルベンゾエート、オレイン酸、ステアリン脂肪酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ならびにそれらの誘導体、エステル、塩および混合物が挙げられる。
【0056】
本発明の一実施形態において、追加成分は、湿潤剤である。好適な湿潤剤としては、限定はしないが、グアニジン、尿素、グリコール酸、グリコール酸塩、グリコール酸アンモニウム、グリコール酸四級アルキルアンモニウム、乳酸、乳酸塩、乳酸アンモニウム、乳酸四級アルキルアンモニウム、アロエベラ、アロエベラゲル、アラントイン、ウラゾール、ポリヒドロキシアルコール、ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール、糖、澱粉、糖誘導体、澱粉誘導体、アルコキシル化グルコース、ヒアルロン酸、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミンならびにそれらの誘導体、エステル、塩および混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の一実施形態において、追加成分は、保存剤である。好適な保存剤としては限定はしないが、C12からC15のアルキルベンゾエート、アルキルp−ヒドロキシベンゾエート、アロエベラ抽出物、アスコルビン酸、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、C9からC15アルコールの安息香酸エステル、ブチル化ヒドロキシトルエン、ヒマシ油、セチルアルコール、クロロクレゾール、クエン酸、カカオ脂、ココナツ油、ジアゾリジニル尿素、ジイソプロピルアジペート、ジメチルポリシロキサン、DMDMヒダントイン、エタノール、脂肪酸、脂肪族アルコール、ヘキサデシルアルコール、ヒドロキシ安息香酸エステル、ヨードプロピオニルブチルカーボメート、イソノニルイソノナノエート、ホホバ油、ラノリン油、メチルパラベン、鉱油、オレイン酸、オリーブ油、ポリエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ソルビン酸カリウム、シリコーン油、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ステアリン脂肪酸、ビタミンE、ビタミンEアセテート、ならびにそれらの誘導体、エステル、塩および混合物が挙げられる。
【0058】
本発明の一実施形態において、追加成分は、皮膚浸透増強剤である。好適な皮膚浸透増強剤としては、限定はしないが、アセトン、アシルラクチレート、アシルペプチド、アシルサクロシネート、脂肪酸のアルカノールアミン塩、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、硫酸アルキル、アニオン性表面活性剤、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリチレート、ブタン1,4−ジオール、ブチルベンゾエート、ブチルラウレート、ブチルミリステート、ブチルステアレート、カチオン性表面活性剤、クエン酸、ココアミドプロピルベタイン、デシルメチルスルホキシド、デシルオレエート、ジブチルアゼレート、ジブチルフタレート、ジベンジルセバケート、ジブチルセバケート、ジブチルスベレート、ジブチルスクシネート、ジカプリルアジペート、ジデシルフタレート、ジエチレングリコール、ジエチルセバケート、ジエチル−m−トルアミド、ジ(2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルアゼレート、N,N−ジメチルホルムアミド、1,5−ジメチル−2−ピロリドン、ジメチルセバケート、ジメチルスルホキシド、ジオクチルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、1,4−ジオキサン、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、ドデシルジメチルアミンオキシド、エチルカプレート、エチルカプロエート、エチルカプリレート、2−エチルヘキシルペラルゴネート、エチル−2−ヒドロキシプロパノエート、エチルラウレート、エチルミリステート、1−エチル−2−ピロリドン、エチルサリチレート、ヘキシルラウレート、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、イセチオネート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルパルミテート、ガーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘキサン−2,5−ジオール、ケリン、ラメポン、ラウリルアルコール、メイポン、脂肪酸の金属塩、メチルニコチネート、2−メチルプロパン−2−オール、1−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、メチルタウリド、ミラノール、非イオン性表面活性剤、オクチルアルコール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、オレイックエタノールアミド、プレイルアルコール、ペンタン−2,4−ジオール、フェノキシエタノール、ホスファチジルコリン、ホスフィンオキシド、ポリアルコキシル化エーテルグリコレート、ポリ(ジアリルピペリジニウムクロリド)、ポリ(ジプロピルジアリルアンモニウムクロリド)、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ:ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシプロピレン15ステアリルエーテル、ポリ(ビニルピリジニウムクロリド)、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、プロピレングリコールジペラルゴネート、ピログルタミン酸、2−ピロリドン、ピルビン酸、クオータニウム5、クオータニウム18、クオータニウム19、クオータニウム23、クオータニウム31、クオータニウム40、クオータニウム57、第四級アミン塩、四級化ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリル−エート)、四級化ポリ(ビニルアルコール)、塩酸サパミン、コカミノプロピオン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、糖エステル、スルホスクシネート、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフラールアルコール、トランスクトール、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンオレエート、尿素、水、ならびにそれらの誘導体、エステル、塩および混合物が挙げられる。
【0059】
噴射剤
好適な噴射剤の例としては、ブタン、プロパン、イソブタンおよび炭化フッ素ガス、またはそれらの混合物などの揮発性炭化水素が挙げられる。
【0060】
一定の実施形態において、オゾン非減損噴射剤である、クロロフルオロ炭素(CMCs)以外のフッ化炭化水素噴射剤が不燃性発泡性組成物の製造に特に有用である。
【0061】
このような噴射剤としては、限定はしないが、塩素原子を含有せず、したがって、クロロフルオロカーボンまたは他の塩素化炭化水素による成層圏オゾン層破壊についての心配が全く無いハイドロフルオロカーボン(HFC)噴射剤が挙げられる。本発明のこの態様による代表的な不燃性噴射剤としては、1,1,1,2テトラフルオロエタン(Dymel 134)、ならびに1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパン(Dymel 227)、1,1ジフルオロエタン(Dymel 152)および1,1,1,3,3,3ヘキサフルオロプロパンなどの登録商標、Dymelの下にDuPontにより製造された噴射剤が挙げられる。HFCsは、0.00のオゾン破壊指数を有し、したがって、エアロゾル製品中の噴射剤としての使用が許されている。
【0062】
該噴射剤は、該発泡性組成物の約5wt%〜25wt%を構成する。エアロゾル噴射剤は、発泡性組成物を泡として生成させて投与するために用いられる。噴射剤、発泡性組成物および任意の成分を含めた全体の組成物が発泡性組成物と称される。
【0063】
組成および泡の物理的特性ならびに利点
本発明の発泡性担体を用いて製造した製薬組成物または化粧用組成物は、きわめて使用し易い。哺乳動物、すなわち、ヒトまたは動物の体表面患部に適用した際、それは泡の状態にあり、流出することなく自由に適用することを可能にする。機械的な力、例えば、体表面への該組成物の擦りこみによるさらなる適用時に、それは該表面に自由に塗布され、迅速に吸収される。
【0064】
本発明の発泡性組成物は安定であり、加速安定性試験で明らかにされたように、周囲温度で少なくとも1年、または好ましくは少なくとも2年の承認できる使用期限を有する。有機担体および噴射剤は、乳液の安定性を損ない、加圧容器からの放出時に、安定な泡の形成を妨げる傾向がある。しかし、本発明による発泡性組成物は、驚くほど安定であることが観察されている。加速安定性試験の後、それらは望ましい肌理を示し、表面と接触した際にただちに壊れることのない微細な泡構造を形成し、処置領域上に容易に塗布され、迅速に吸収される。
【0065】
該組成物はまた、容器、例えば、エアロゾル容器の開口部を通って流出でき、許容できる泡を作出するために、自由流動性である必要がある。
【0066】
泡の品質は以下のとおりに等級づけされる:
グレードE(優秀):外観がきわめてこってりとクリーミーであり、気泡構造を示さないか、またはきわめて微細な(小さい)気泡構造を示し;急速に鈍化することがなく;皮膚に塗布した際、泡がクリーミーな性質を保ち、水っぽい外観にならない。
グレードG(良好):外観がこってりとクリーミーであり、きわめて小さな気泡サイズであり、優秀な泡よりは速く「鈍化」し、皮膚に塗布した際、クリーミー性を保ち、水っぽくならない。
グレードFC(かなり良好):中等度の量のクリーミー性が認められ、気泡構造が認められ;皮膚に塗布した際、該製品は急速に鈍化し、見かけの粘性はいくらか低下する。
グレードF(中ぐらい):クリーミー性はほとんど認められず、「かなり良好」な泡よりも気泡構造が大きく、皮膚に塗布した際、外観が希薄で水っぽい。
グレードP(不良):クリーミー性は認められず、気泡構造が大きく、皮膚に塗布した際、外観がきわめて希薄で水っぽくなる。
グレードVP(きわめて不良):潤いのない泡、大きなきわめて鈍化した気泡、皮膚への塗布が難しい。
【0067】
エアロゾル容器からの放出時、局所投与された泡は、典型的にEまたはGの品質である。該容器からの射出時に直ちに自然に崩壊することのない、安定な泡であることが小さな気泡によって示されている。微細な泡構造は、滑らかさが見られ、感じられ、したがって、その有用性および魅力を増している。
【0068】
泡のさらなる態様は破壊性である。破壊性の泡は熱的に安定であるが、シアー力下で破壊される。泡のシアー力破壊性は、熱誘導破壊性よりも明らかに有利である。熱感受性の泡は、皮膚温度に曝されると直ちに崩壊し、したがって、手に付けた後に患部領域に送達させることができない。
【0069】
本発明の泡は、国際公開第2004/071479号に記載されているような水性アルコール発泡組成物に比較して、いくつかの利点を有する:
(1)破壊性。本発明の泡は、熱的に安定である。先行技術の水性アルコール発泡組成物とは異なり、本発明の泡は、「急速破壊性」ではない。すなわち、体温環境に曝された際に急速に崩壊することがない。泡のシアー力破壊性は、適用を快適にし、標的領域への投与が良好に方向づけられるため、熱誘導破壊性よりも明らかに有利である。
(2)皮膚乾燥性および皮膚バリア機能。短鎖アルコールは、皮膚を乾燥させ、皮膚バリアの完全性を損なうことが知られている。対照的に、本発明の組成物中のフィルム形成剤などは、望ましくない皮膚バリア損傷を引き起こすことがない。
(3)刺激性。アルコールが存在しないことおよび皮膚バリア機能の改善により、刺激性が排除される。
【0070】
泡の他の性質は、エアロゾル缶からの放出時に測定された比重である。泡は典型的に、それらの組成および噴射剤濃度に依存して、0.12g/mL未満;または、0.10g/mL未満;または0.08g/mL未満の比重を有する。
【0071】
活性剤
本発明の一実施形態において、活性剤が該発泡性糖組成物に組み込まれる。
【0072】
好適な活性剤としては、限定はしないが、活性植物抽出物、ダニ駆除剤、老斑および角質除去剤、アレルゲン、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗座瘡剤、抗アレルギー剤、抗老化剤、抗菌剤、抗生物質、抗火傷剤、抗癌剤、抗フケ剤、抗欝剤、抗皮膚炎剤、抗浮腫剤、抗ヒスタミン剤、抗蠕虫、抗角質過剰溶解剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗脂肪血剤、抗微生物剤、抗糸状菌剤、抗増殖剤、抗酸化剤、抗しわ剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗酒さ剤、抗脂漏剤、防腐剤、抗腫脹剤、抗ウィルス剤、抗酵母剤、収斂剤、局所心血管剤、化学療法剤、副腎皮質ステロイド、ジカルボン酸、殺菌剤、殺カビ剤、毛髪成長調節剤、ホルモン、ヒドロキシ酸、免疫抑制剤、免疫調節剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、角質溶解剤、ラクタム、金属、金属酸化物、殺糸状菌剤、神経ペプチド、非ステロイド抗炎症剤、酸化剤、殺シラミ剤、光線力学的療法剤、レチノイド、サナティブ(sanatives)殺疥癬虫剤、自己色素沈着剤、皮膚ホワイトニング剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミン、ビタミンD誘導体、創傷治癒剤およびいぼ除去剤が挙げられる。当業者に知られているように、いくつかの場合、特定の活性剤は、1つ超の活性、機能または作用を有し得る。
【0073】
組成物の吸湿性
吸湿性の物質は、その周囲から速やかに水分を吸収する物質である。微生物は成長および繁殖のために水分を必要とし、したがって水分要件は、基質の水分活性に関して規定されることが最良である。溶液の水分活性は、Aw=P/Poとして表され、式中、Pは溶液の水分蒸気圧であり、Poは、同一温度における純水の蒸気圧である。微生物が増殖している水溶液に吸湿性物質を添加すると、Awを低下させる作用を有し、その結果、細胞増殖に影響を及ぼすことになる。全ての微生物が限界Awを有し、それ以下では増殖しない。例えば、連鎖球菌、クレブシエラ、大腸菌、ウェルチ菌、およびシュードモナス菌では、Aw値は、0.95である。黄色ブドウ球菌は最も耐性があり、0.86と低いAwで増殖することができる。
【0074】
製品の水分活性は、大気とサンプルが平衡にある場合、サンプルの周囲の大気の相対湿度から決定できる。この平衡が生じ得る閉鎖空間内にサンプルを置くことによって測定が実施される。一旦これが生じると、サンプルの水分活性と大気の相対湿度は等しくなる。平衡で行われた測定は、平衡相対湿度またはERHと称される。水分活性とERHとの間の関係は、以下の式に従う:
Aw=ERH/100
【0075】
種々のタイプの水分活性計器が市販されている。代表的なある機器では、冷却鏡露点法が用いられ、他の機器では、電気抵抗または電気容量を変化させるセンサーによって相対湿度が測定される。
【0076】
糖は水に対して高い親和性を有し、よって、それらは吸湿性を示し;糖の濃度により、担体のAwが決定される。したがって、該組成物への糖の添加は、Awに対して劇的な影響を及ぼし得る。1つまたは複数の実施形態において、糖は、発泡性組成物の0.9未満のAw値を提供する上で十分な濃度で本発明の組成物中に含有される。他の実施形態において、該組成物中の吸湿性物質の濃度は、(1)約0.8と約0.9;(2)約0.7と約0.8;(3)約0.7未満、の範囲から選択されるAw値を提供するように選択される。
【0077】
微生物の増殖を支持することのできる水分活性未満の水分活性を有する糖組成物を、表層性感染病態の局所的治療に使用することができる。
【0078】
糖組成物を加圧パッケージング内に提供することにより、これが使用直前まで環境から隔離され、該組成物のAwは維持される。対照的に、溶液、クリーム、ローション、軟膏などの他の剤形は、パッケージ閉包の反復開放を必然的に伴い、その結果、周囲環境からの水分の吸収、引き続いて、Awの上昇が生じる(そのため、製品の吸湿性が低下し、したがって、その抗感染能力が低下する)。対照的に、加圧パッケージングでは、製剤により湿気が吸収されることはあり得ず、したがって、該組成物の吸湿特性が損なわれることはあり得ない。
【0079】
抗感染剤の担体としての糖組成物
1つまたは複数の実施形態において、本発明の糖組成物は、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、酵母を抑制する薬剤、抗ウィルス剤および抗寄生虫剤の群から選択される抗感染剤をさらに含有する。脱水機構を介して作用する糖組成物の抗感染効果を、代替機構を介して作用する追加の抗感染剤と組み合わせることにより、相乗効果が生じ、結果として、治療の成功率が高まる。
【0080】
本明細書に用いられる用語の「抗菌」および「抗生」は、限定はしないが、細菌に対して破壊的であるか、または細菌の増殖を阻害する任意の物質、または細菌の増殖を阻害するか、または細菌を破壊する能力を有し、感染性疾患の治療に用いられる任意の物質を含む。1つまたは複数の実施形態において、抗生物質は、ベータラクタム抗生物質、アミノグリコシド、わなタイプの抗生物質、アントラキノン、アゾール、メトロニダゾール、グリコペプチド抗生物質、マクロライド、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ヌクレオシド抗生物質、ペプチド抗生物質、ポリミキシンB、ポリエン抗生物質、ポリエーテル抗生物質、キノロン抗生物質、ステロイド抗生物質、フシジン酸、ミューピロシン(mupirocin)、クロラムフェニコール、スルホンアミド、テトラサイクリン、金属抗生物質、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、酸化剤、ヨウ素、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、過マンガン酸塩、フリーラジカルおよび/または活性酸素を放出する物質、カチオン抗微生物剤、四級アンモニウム化合物、ビグアナイド、クロロヘキシジン、トリグアナイド、ビスビグアナイド、ポリマービグアナイド、天然抗生化合物ならびにそれらの類縁体、誘導体、塩、イオンおよび複合体よりなる群から選択される。
【0081】
本明細書に用いられる用語の「抗真菌」は、限定はしないが、真菌および酵母に対して破壊的であるか、またはそれらの増殖を阻害する任意の物質、または真菌および/または酵母の増殖を阻害するか、またはそれらを破壊する能力を有する任意の物質を含む。
【0082】
1つまたは複数の実施形態において、抗真菌剤は、皮膚の表層性真菌の感染、皮膚糸状菌症、小胞子菌、白癬菌および表皮菌の感染、カンジダ症、口腔カンジダ症(鵞口瘡)、皮膚ならびに性器粘膜のカンジダ症、爪ならびに爪床に感染する爪周囲カンジダ症、および性器ならびに膣に感染する性器ならびに膣カンジダ症の治療に有用な薬剤である。抗真菌剤を含有する糖組成物は、同一濃度の抗真菌剤を含んでなる吸湿性でない他の組成物よりも有効であることを、我々は予想外に発見した。さらに、皮膚糸状菌に対しては有効であるがカンジダ症に対しては有効でないことが知られている抗真菌剤が、本明細書に記載されたとおり、糖組成物中に含まれた場合は、カンジダ症に対して有効になることも我々は発見した。
【0083】
本発明の組成物中に使用される抗真菌剤に対して特に制限はない。例えば、好ましい好適な抗真菌剤は、ポリエン類、例えば、ナタマイシン、ナイスタチン;アリルアミン類、例えば、ナフチフィン、テルビナフィン;イミダゾール類、例えば、ビフォナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、オキシコナゾール;ジアゾール、トリアゾール類、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、シクロピロックス、ウンデシレン酸、スルベンチン、グリセオフルビン、アムホテリシンB、フルシトシン(5FC)、およびモルホリン類、例えば、アモロルフィン、および関連モルホリン類、ならびにそれらの類縁体、誘導体および塩、および治療的有効量におけるそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0084】
本発明の1つまたは複数の実施形態による泡組成物中に、治療的有効濃度における任意の公知の抗ウィルス剤を組み込むことができる。
【0085】
したがって、本発明の好ましい実施形態において、
(i) 糖水溶液;
(ii) 約0.2重量%から約5重量%の表面活性剤;
(iii) 生体接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤および相転移剤から選択された、約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤
(iv) 治療的有効濃度の抗感染剤;および
(v) 全組成物重量の約3重量%から約25重量%の濃度における液化したまたは圧縮したガス噴射剤
を含む製薬組成物が提供される。
【0086】
1つまたは複数の実施形態において、該製薬組成物は浸透増強剤をさらに含有する。
【0087】
応用分野
本発明の発泡性担体は、任意の感染表面の治療に好適である。1つまたは複数の実施形態において、発泡性担体は、皮膚、体表面、体腔または粘膜表面、例えば、鼻腔、口腔、眼、耳管、膣および直腸(個別に、および交換可能に、本明細書において「標的部位」と称される)への投与に好適である。
【0088】
好適な活性剤、または少なくとも2種の活性剤の組み合わせを選択することによって、本発明の発泡性組成物は、皮膚科学的痛み、皮膚科学的炎症、座瘡、尋常性座瘡、炎症性座瘡、非炎症性座瘡、電撃性座瘡、結節性丘疹膿胞性座瘡、集ぞく性座瘡、皮膚炎、細菌の皮膚感染、真菌の皮膚感染、ウィルスの皮膚感染、寄生虫の皮膚感染、皮膚腫瘍、皮膚新生物、プルーリティス、小胞炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚菌塊、壊死性皮下感染、熱傷様皮膚症候群、毛嚢炎、フランケル、汗腺膿瘍、よう、爪周囲感染、皮疹、紅色陰癬、膿か疹、膿瘡、酵母の皮膚感染、いぼ、伝染性軟属腫、皮膚の外傷または損傷、手術後または外科処置後の皮膚病態、疥癬、シラミ寄生症、皮膚爬行症、湿疹、乾癬、ばら色ひこう疹、扁平苔癬、毛孔性紅色ひこう疹、水腫、多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫、表皮壊死症、日焼け、光過敏症、天痘瘡、水疱性類天痘瘡、疱疹状皮膚炎、毛包角化症、仮骨、うおのめ、魚鱗癬、皮膚潰瘍、虚血性壊死、汗疹、多汗症、モール、カポジ肉腫、黒色腫、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平細胞癌、ツタウルシ、有毒オーク、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、酒さ、紫斑病、モニリア症、カンジダ症、禿頭症、脱毛症、ベーチェット症候群、コレステリン腫、ダーカム病、外胚葉異形成症、味覚性発汗、爪・膝蓋骨症候群、狼瘡、じんましん、脱毛、ヘーリー−ヘーリー病、化学的または熱的皮膚火傷、強皮症、老化皮膚、しわ、日光斑、壊死性筋膜炎、壊死性筋肉炎、壊疽、瘢痕、白斑などの種々の皮膚科障害のうちのいずれかに罹っている動物またはヒト患者の治療に有用である。
【0089】
同様に、本発明の発泡性組成物は、体腔または粘膜表面、例えば、鼻、口、耳、呼吸器、膣または直腸の粘膜の障害の治療に好適である。このような病態の非限定的例としては、クラミジア感染、淋菌感染、ヘルペス、HIV/AIDS、ヒトパピローマウィルス(HPV)、性器いぼ、細菌性膣疾患、カンジダ症、軟性下疳、鼠径肉芽腫、鼠径リンパ肉芽腫、粘膜膿性子宮頚管炎(MPC)、伝染性軟属腫、非淋菌性尿道炎(NGU)、トリコモナス症、外陰部疾患、バルボジニア(vulvodynia)、外陰部痛、酵母感染、外陰部ジストロフィー、外陰部上皮内腫瘍症(VIN)、接触皮膚炎、骨盤炎症、子宮内膜炎、耳管炎、卵巣炎、性器癌、頚部の癌、外陰部の癌、膣の癌、膣乾燥、異常性感、肛門および直腸の疾患、肛門菌塊/フィステル、肛門癌、裂肛、肛門いぼ、クローン病、痔疾、校門掻痒、肛門疥癬、肛門掻痒症、糞便失調、便秘、結腸および直腸のポリープが挙げられる。
【0090】
本発明の一実施形態において、該組成物は、感染の治療に有用である。1つまたは複数の実施形態において、該組成物は、細菌感染、真菌感染、酵母感染、ウィルス感染および寄生虫感染の群から選択される感染の治療に有用である。
【0091】
本発明の一実施形態において、該組成物は、創傷、潰瘍および火傷の治療に有用である。本発明の組成物は、損傷組織を被覆する薄い、半閉鎖性の層を作り出す一方、該組織からの浸出液の放出を可能にするため、この使用は特に重要である。
【0092】
本発明の組成物はまた、ホルモンによる治療に応答する任意の障害において、標的器官の組織内へホルモンを送達するために、皮膚への、または粘膜への、または体腔へのホルモンの投与に好適である。
【0093】
本発明を以下の実施例を参照にして説明する。本発明はこれらの実施例および実験に限定されない。多くの変型が提案され、添付の請求項の範囲内に入ることは十分意図されている。

【0094】
エアロゾル缶から放出されると、優れた品質の泡(きわめて小さな気泡)が形成される。皮膚上に置かれた際にこの泡は安定である。容易な擦りこみで、この泡は速やかに皮膚上に塗布され、急速に吸収される。

実施例2−活性剤を含有する発泡性糖組成物の比較
製剤SOR1、SOR2およびHON1内に、以下の活性剤を組み込んだ:
テルビナフィン 2%;
ミコナゾール 1%;
ヨウ素−ポビドン 5%;
酢酸ヒドロコルチゾン 0.1%;および
クリンダマイシン 1%

実施例3−使用性試験:本発明による泡と軟膏製品と間の比較
【0095】
本試験の目的は、コンパレーター軟膏と比較した泡製品「SOR1」の使用性を評価することであった。以下のパラメーターに関して、コンパレーター軟膏と比較した2つの泡製品の使用性を試験することが、パネリスト(n=12)に求められた:
・適用のし易さ
・均一な塗布
・正確な位置
・皮膚吸収
・油性残留物
・残留物の光る外観
・べとつき
【0096】
パネリストは、一連の使用性パラメーターを評価し、以下の尺度に従って各泡製品を等級づけするように指示された:
スコア3:泡よりも軟膏がはるかに良好(軟膏>>>泡)
スコア2:泡よりも軟膏が良好(軟膏>>泡)
スコア1:泡よりも軟膏がわずかに良好(軟膏>泡)
スコア0:泡は軟膏と同じ位に良好(泡=軟膏)
スコア+1:泡が軟膏よりわずかに良好(泡>軟膏)
スコア+2:泡が軟膏より良好(泡>>軟膏)
スコア+3:泡が軟膏よりはるかに良好(泡>>>軟膏)
【0097】
比較の平均結果は、以下の表に示されるように、全ての使用性パラメーターにおいて、泡が大いに好ましいことを示した:


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)水;
(ii)糖;
(iii)全組成物の重量の約0.2重量%から約5重量%の表面活性剤;
(iv)生物接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤、および相転移剤から選択される約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤;および
(v)約3重量%から約25重量%の濃度における液化した、または圧縮したガス噴射剤
を含む発泡性糖組成物。
【請求項2】
前記糖が、単糖、二糖、オリゴ糖および糖アルコールよりなる群から選択される請求項1に記載の糖組成物。
【請求項3】
前記糖が蜂蜜を含んでなる、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項4】
長鎖脂肪族アルコールおよび長鎖脂肪酸の群から選択される発泡アジュバントをさらに含有する、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項5】
疎水性溶媒をさらに含有する、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項6】
前記組成物が水中油乳液の形態にあり;表面活性剤のHLBが、約9と約14との間である、請求項5に記載の糖組成物。
【請求項7】
前記組成物が油中水乳液の形態にあり;表面活性剤のHLBが、約2と約9との間である、請求項5に記載の糖組成物。
【請求項8】
角質溶解剤、および極性溶媒の群から選択される添加物をさらに含有する、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項9】
活性植物抽出物、ダニ駆除剤、老斑および角質除去剤、アレルゲン、鎮痛剤、局所麻酔剤、抗座瘡剤、抗アレルギー剤、抗老化剤、抗菌剤、抗生物質、抗火傷剤、抗癌剤、抗フケ剤、抗欝剤、抗皮膚炎剤、抗浮腫剤、抗ヒスタミン剤、抗角質過剰溶解剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗脂肪血剤、抗微生物剤、抗糸状菌剤、抗増殖剤、抗酸化剤、抗しわ剤、抗掻痒剤、抗乾癬剤、抗酒さ剤、抗脂漏剤、防腐剤、抗腫脹剤、抗ウィルス剤、抗酵母剤、収斂剤、局所心血管剤、化学療法剤、副腎皮質ステロイド、ジカルボン酸、殺菌剤、殺カビ剤、毛髪成長調節剤、ホルモン、ヒドロキシ酸、免疫抑制剤、免疫調節剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、角質溶解剤、ラクタム、金属、金属酸化物、殺糸状菌剤、神経ペプチド、非ステロイド抗炎症剤、酸化剤、殺シラミ剤、光線力学的療法剤、レチノイド、殺疥癬虫剤、自己色素沈着剤、皮膚ホワイトニング剤、血管収縮剤、血管拡張剤、ビタミン、ビタミンD誘導体、創傷治癒剤およびいぼ除去剤の群から選択される少なくとも1種の活性剤をさらに含有する、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項10】
前記組成物が吸湿性である、請求項1に記載の糖組成物。
【請求項11】
(1)約0.8と約0.9;(2)約0.7と約0.8;および(3)約0.7未満、の範囲から選択されるAw値を提供するように、前記糖の濃度が選択される、請求項10に記載の糖組成物。
【請求項12】
治療的有効濃度の抗感染剤をさらに含有する、請求項10に記載の糖組成物。
【請求項13】
前記抗感染剤が、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、酵母を抑制する薬剤、抗ウィルス剤および抗寄生虫剤よりなる群から選択される、請求項12に記載の糖組成物。
【請求項14】
前記抗生物質が、ベータラクタム抗生物質、アミノグリコシド、わなタイプの抗生物質、アントラキノン、アゾール、メトロニダゾール、グリコペプチド抗生物質、マクロライド、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ヌクレオシド抗生物質、ペプチド抗生物質、ポリミキシンB、ポリエン抗生物質、ポリエーテル抗生物質、キノロン抗生物質、ステロイド抗生物質、フシジン酸、ミューピロシン(mupirocin)、クロラムフェニコール、スルホンアミド、テトラサイクリン、金属抗生物質、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、酸化剤、ヨウ素、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、過マンガン酸塩、フリーラジカルおよび/または活性酸素を放出する物質、カチオン抗微生物剤、四級アンモニウム化合物、ビグアナイド、クロロヘキシジン、トリグアナイド、ビスビグアナイド、ポリマービグアナイド、天然抗生化合物ならびにそれらの類縁体、誘導体、塩、イオンおよび複合体よりなる群から選択される、請求項13に記載の糖組成物。
【請求項15】
前記抗真菌剤が、皮膚真菌症、小胞子菌、白癬菌および表皮菌感染、カンジダ症、口腔カンジダ症(鵞口瘡)、酵母およびカンジダの感染の治療に有用である、請求項13に記載の糖組成物。
【請求項16】
前記抗真菌剤が、ポリエン、ナタマイシン、ナイスタチン;アリルアミン、ナフチフィン、テルビナフィン;イミダゾール、ビフォナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、フェンチコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、オキシコナゾール;ジアゾール、トリアゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、トルナフテート、シクロピロックス、ウンデシレン酸、スルベンチン(sulbentine)、グリセオフルビン、アムホテリシンB、フルシトシン(5FC)、モルホリン化合物、アモロルフィン、
および関連モルホリン類ならびにそれらの類縁体、誘導体および塩、ならびに治療的有効濃度におけるそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される、請求項13に記載の糖組成物。
【請求項17】
前記角質溶解剤が、尿素、アルファ−ヒドロキシ酸、乳酸、フェノール、レゾルシノール、サリチル酸、角質溶解性酵素、タンパク質分解性酵素およびパパインよりなる群から選択される、請求項8に記載の糖組成物。
【請求項18】
治療を必要とする標的部位へ、
(i)水;
(ii)糖;
(iii)全組成物の重量の約0.2重量%から約5重量%の表面活性剤;
(iv)生物接着剤、ゲル化剤、フィルム形成剤、および相転移剤から選択される約0.01重量%から約5重量%の少なくとも1種のポリマー剤;および
(v)約3重量%から約25重量%の濃度における液化した、または圧縮したガス噴射剤
を含んでなる糖組成物を投与することがを含んでなり、前記標的部位が、皮膚、体表面、体腔または粘膜表面、鼻腔、口腔、眼、耳管、膣または直腸よりなる群から選択される、標的部位の障害を治療する方法。
【請求項19】
前記障害が感染を含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記感染が、細菌感染、真菌感染、酵母感染、ウィルス感染および寄生虫感染よりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記障害が、創傷、潰瘍および火傷よりなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記障害が、皮膚科学的痛み、皮膚科学的炎症、座瘡、尋常性座瘡、炎症性座瘡、非炎症性座瘡、電撃性座瘡、結節性丘疹膿胞性座瘡、集ぞく性座瘡、皮膚炎、細菌の皮膚感染、真菌の皮膚感染、ウィルスの皮膚感染、寄生虫の皮膚感染、皮膚腫瘍、皮膚新生物、プルーリティス、小胞炎、急性リンパ管炎、リンパ節炎、丹毒、皮膚菌塊、壊死性皮下感染、熱傷様皮膚症候群、毛嚢炎、フランケル、汗腺膿瘍、よう、爪周囲感染、皮疹、紅色陰癬、膿か疹、膿瘡、酵母の皮膚感染、いぼ、伝染性軟属腫、皮膚の外傷または損傷、手術後または外科処置後の皮膚病態、疥癬、シラミ寄生症、皮膚爬行症、湿疹、乾癬、ばら色ひこう疹、扁平苔癬、毛孔性紅色ひこう疹、水腫、多形性紅斑、結節性紅斑、環状肉芽腫、表皮壊死症、日焼け、光過敏症、天痘瘡、水疱性類天痘瘡、疱疹状皮膚炎、毛包角化症、仮骨、うおのめ、魚鱗癬、皮膚潰瘍、虚血性壊死、汗疹、多汗症、モール、カポジ肉腫、黒色腫、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平細胞癌、ツタウルシ、有毒オーク、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、酒さ、紫斑病、モニリア症、カンジダ症、禿頭症、脱毛症、ベーチェット症候群、コレステリン腫、ダーカム病、外胚葉異形成症、味覚性発汗、爪・膝蓋骨症候群、狼瘡、じんましん、脱毛、ヘーリー−ヘーリー病、化学的または熱的皮膚火傷、強皮症、老化皮膚、しわ、日光斑、壊死性筋膜炎、壊死性筋肉炎、壊疽、瘢痕、白斑、クラミジア感染、淋菌感染、ヘルペス、HIV/AIDS、ヒトパピローマウィルス(HPV)、性器いぼ、細菌性膣疾患、カンジダ症、軟性下疳、鼠径肉芽腫、鼠径リンパ肉芽腫、粘膜膿性子宮頚管炎(MPC)、伝染性軟属腫、非淋菌性尿道炎(NGU)、トリコモナス症、外陰部疾患、バルボジニア(vulvodynia)、外陰部痛、酵母感染、外陰部ジストロフィー、外陰部上皮内腫瘍症(VIN)、接触皮膚炎、骨盤炎症、子宮内膜炎、耳管炎、卵巣炎、性器癌、頚部の癌、外陰部の癌、膣の癌、膣乾燥、異常性感、肛門および直腸の疾患、肛門菌塊/フィステル、肛門癌、裂肛、肛門いぼ、クローン病、痔疾、肛門疥癬、肛門掻痒症、糞便失調、便秘、結腸および直腸のポリープよりなる群から選択される、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2008−540511(P2008−540511A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510679(P2008−510679)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003628
【国際公開番号】WO2007/039825
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(506038039)フォーミックス エルティーディー. (7)
【Fターム(参考)】