説明

糞便改質剤を含むおむつ

【課題】着用者にフィットすべき製品であって、製品に堆積された糞便または他の身体滲出物の一部またはすべてを物理的または化学的に改質するに効果的な濃度で利用し得る剤を含む製品を提供する。
【解決手段】製品内に有効な濃度で利用可能な糞便改質剤によって糞便物を改質することで、滲出物を製品内で受け取ることおよび/または保持することを改善して、糞便物がおむつ内で広がることを抑え、および/または糞便物が着用者の皮膚に付着する傾向を下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、おむつ、成人失禁用製品、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収製品を含む、身体滲出物を吸収および/または収容する製品に関する。より詳細には、本発明は、製品内に堆積され得る糞便その他の身体排泄物の物理特性を変える働きをする1またはそれ以上の剤を含む使い捨て吸収製品に関する。
【発明の背景】
【0002】
吸収製品例えばおむつおよび成人失禁用ブリーフの主な機能は、着用者と接触し得る衣類またはその他の製品例えば寝具類に、身体滲出物が染みを付け、濡らし、またはそうでなければ汚すことを防ぐことである。近年、使い捨ておむつ例えば米国特許5,151,092(Buellらに付与)に開示されているものが、その便利さおよび信頼性のために、非常に人気が出ており、丈夫な布地製の吸収製品に広く取って代わっている。しかし、このような使い捨て吸収製品は効果的であるにも拘らず、滲出物が漏れたり、おむつに蓄えられる結果身体滲出物が着用者の皮膚を汚しおよび/または皮膚に炎症を起こすことが未だに多い。加えて、身体滲出物は皮膚に強力に付着することが多いため、洗浄が難しくなり、汚れが慢性的に残りやすくなる。従来技術の吸収製品についてのこれらの問題および他の重要な問題の根本原因は、せん断応力を印加した状態での糞便の可動性(mobility)および糞便の粘着性である。
【0003】
漏れることおよび/または収容が適切でないこと、洗浄が難しいこと、および/または皮膚の汚れが残存することの望ましくない影響は、特におむつに堆積する糞便物について明らかである。おむつに収容される糞便は長時間に渡って着用者の皮膚に害を与え、おむつから漏れる糞便によって洗浄は殆ど例外なく不快で汚いものとなる。そのため、おむつにバリアー、ポケット、スペーサー、横断バリアー、開口部が設けられたトップシートなどの部材を加えて、糞便物がトップシートの反対側に移動することを抑制し、および/または糞便物をおむつ内により良好に封じ込める種々の試みがなされている。しかし、このような試みは、これらの問題の根本原因(すなわち糞便の特性)に取り組んでいないため、またそのコストおよび複雑さのために、あまり成功していない。また、糞便を隔離または収容する手段の多くは、ある種の物理特性(例えば粘度、水分含有量、および粒径)を有する糞便物に方向づけられていて、非常に狭い範囲を外れた物理特性を有する滲出物については効果的でない。
【0004】
米国特許4,790,836には、吸収性コアと水溶性フィルムとの間に配置された薬用パウダー層を備えるおむつが開示されている。この薬用パウダー用いて、着用者がおむつを濡らした後に幼児の皮膚を乾燥させることが促進される。しかし、後述する表2に示すように、この特許に開示される態様は、本発明の糞便改質の利益をもたらすようには機能しない。
【0005】
従って、糞便処理(management)特性が改善された吸収製品を提供することが望ましい。また、糞便その他の粘性のある身体排泄物の、着用者または介護者に対するマイナス効果を最小限にすることができる経済的な使い捨て製品を提供することが好ましい。さらに、糞便と化学的または物理的に相互作用するように、そして糞便の特性を変化させて糞便を製品内へ受け取ることおよび/または糞便を製品内で不動化することを改善しおよび/または糞便による着用者の皮膚の汚れを減らすようにデザインされた製品を提供することが好ましい。また、物理的または化学的に改質された糞便を、予想される使用時間の間じゅう着用者の皮膚および/または衣類から離れたところで安全かつ清潔に収容するのに十分な有効容量(effective capacity)または保持能力を有する製品を提供することが好ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上述した問題およびそうでなければ従来技術の吸収製品に見られる問題の少なくとも一部を解決することを容易にするために、製品内に堆積する糞便物その他の身体滲出物の一部または全部を物理的または化学的に改質するために有効な濃度で利用可能な糞便改質剤を含む製品を提供する。糞便物を改質することで、滲出物を製品内で受け取ることおよび/または保持することを改善して、糞便物がおむつ内で広がること抑え、および/または糞便物が着用者の皮膚に付着する傾向を下げることができる。また本発明は、排泄物が製品に吸収されるとすぐに着用者の皮膚の方へ再び移動する可能性を低くするように、滲出物をその改質された形態で受け取り、収容し、および/または不動化することができる吸収製品を提供し得る。その結果、本発明の吸収製品によって、着用者の皮膚に害を与える可能性、および/または普段排便に関わっている介護者に対する不便さを減らすことができる。
【0007】
本明細書は、本発明とみなされる主題を特に指摘して明瞭にクレームする特許請求の範囲で終わるが、添付の図面とともに与えられる以下の記載によって、説明をより良好に理解できるものと考えられる。図面では、実質的に同一の要素を示すために同様の名称を用いている。
【発明の詳細な記述】
【0008】
本明細書で用いる場合、用語「吸収製品」は、身体滲出物を吸収および収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に接してまたは近接して配置され、身体から放出される種々の滲出物を吸収および収容するデバイスを指す。用語「使い捨て」は、一般に、洗濯そうでなければ修復または吸収製品としての再使用が意図されない吸収製品を記述するように本明細書では用いる(すなわち、それらを一度使用した後に捨て、好ましくはリサイクルし、堆肥にし、そうでなければ環境的に共存できる方法で捨てることが意図される)。(本明細書で用いる場合、用語「配置される」は、おむつの部材が、おむつの他の部材との単一構造として、またはおむつの他の部材に結合された別個の部材として、特定の場所または位置に形成される(結合されるか置かれる)ことを意味するように用いられる。本明細書で用いる場合、用語「結合された」は、部材を他の部材に直接取付けることで部材が他の部材に直接固定される構成、および部材を中間の部材に取付けて中間部材を今度は他の部材に取付けることで、部材が他の部材に間接的に固定される構成を包含する)。「単一(unitary)」の吸収製品は、一体にされて調和物(coordinated entitiy)を形成する別個の部品から構成されるため、別個のホルダーおよびライナーのような別個の操作部品(manipulative parts)を必要としない吸収製品を指す。
【0009】
本発明の吸収製品の好ましい態様は、単一の使い捨て吸収製品、おむつ20(図1に示す)である。(本明細書で用いる場合、用語「おむつ」は、通常幼児および失禁者によって胴体の下部の辺りに着用される吸収製品を指す)。しかし本発明は、他の吸収製品例えば失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入物、おむつホルダーおよびライナー、女性用衛生用衣類、ワイプ、モップ、包帯などにも適用可能である。また本発明は、着用者の肛門周囲の領域に単独で適用できる吸収性または非吸収性の糞便収集デバイスにも適用可能である。
【0010】
図1は、平らにした本発明のおむつ20を示す平面図であり、おむつ20の構造をより明瞭に示すために構造の一部が切り取られている。着用者に向かうおむつ20の部分が、見る者の側に向けられている。図1に示すように、おむつ20は好ましくは以下のものを備える。液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート26、吸収性コア28(好ましくは、トップシート24の少なくとも一部とバックシート26との間に配置される)、サイドパネル30、伸縮性レッグカフス32、伸縮性ウエスト領域部材34、および全体として40と指定した締結システム。図1に示すおむつ20は、第1のウエスト領域36、第1のウエスト領域36と対置する第2のウエスト領域38、および第1のウエスト領域と第2のウエスト領域との間に位置するクロッチ領域37を有する。おむつ20の周囲は、おむつ20の外側エッジによって規定され、外側エッジでは、長手方向エッジ50がおむつ20の長手方向の中心線100とほぼ平行に延び、エンド側エッジ52が2つの長手方向エッジ50の間を、おむつ20の横方向の中心線110とほぼ平行に延びている。
【0011】
おむつの20のシャーシ22が、おむつ20のメインボディを備えている。シャーシ22は、吸収性コア28の少なくとも一部と、好ましくはトップシート24およびバックシート26を含む外部被覆層とを備える。吸収製品が別個のホルダーおよびライナーを備える場合には、通常シャーシ22がホルダーおよびライナーを備える。(例えば、ホルダーは、1または複数の材料層を備えて製品の外部カバーを形成しても良く、ライナーは、トップシート、バックシート、および吸収性コアを含む吸収性アセンブリを備えていてもよい。このような場合、ホルダーおよび/またはライナーは、使用時間の間ずっとライナーを所定の位置に保持するために用いられる締結部材を備えていてもよい)。単一の吸収製品の場合には、シャーシ22は、おむつのメイン構造と、メイン構造に付加されて複合おむつ構造を形成する他の部材とを備える。
【0012】
トップシート24、バックシート26、および吸収性コア28は、良く知られた種々の構成で作ることができるが、好ましいおむつの構成が以下の文献に概略的に記載されている。米国特許3,860,003の発明の名称「使い捨ておむつ用の収縮可能なサイドポーション」(Kenneth B.Buellに1975年1月14日に付与)、米国特許5,151,092(Buellに1992年9月9日に付与)、および米国特許5,221,274(Buellに1993年6月22日に付与)、および米国特許5,554,145の発明の名称「多重ゾーン構造の伸縮性様フィルムウェブ伸長性ウエスト領域部材を有する吸収製品」(Roeらに1996年9月10日に付与)、米国特許5,569,234の発明の名称「使い捨てプルオン型パンツ」(Buellらに1996年10月29日に付与)、および米国特許5,580,411の発明の名称「吸収製品用サイドパネルの無廃物製造方法」(Neaseらに10月3日に付与)。各文献は本明細書において参照により取り入れられている。
【0013】
バックシート26は、通常、吸収性コア28の衣類を向く側の面45に近接して配置されたおむつ20の部分であり、吸収性コア28に吸収され収容された滲出物が、おむつ20に接触し得る製品例えばベッドシーツおよび下着を汚すことを防ぐ。好適なバックシートフィルムには、Tredegar Industries社(Terre Haute、インディアナ)によって製造され、X15306、X10962、およびX10964の商標名で販売されているものが含まれる。他の好適なバックシート材料には、織りウェブ、不織ウェブ、複合材料例えばフィルムコートされた不織ウェブ、およびミクロ多孔質フィルム例えば三井東圧社(日本)によってESPOIR NOの名称で製造されるものおよびExxon Chemical社(Bay City、テキサス)によってEXXAIREの名称で製造されるものの、ような呼吸性材料、またはClopay社(シンシナティ、オハイオ)からHYTREL blend P18-3097の名称で販売されているもののようなモノリシックフィルムが含まれる。呼吸性複合材料のいくつかが、1995年6月22日に、E.I.DuPontの名義で公開されたPCT出願WO95/16746、1999年2月2日にCurroに発行された同時係属米国特許第5,865,823号および1996年11月5日にDobrinらに発行された米国特許第5,571,096号により詳細に説明されている。これらの引用文献のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。
【0014】
バックシート26またはそのどんな部分も、1または複数の方向に弾性的に伸長性である。1つの態様においては、バックシート26は、米国特許5,518,801の発明名称「弾性様の性質を示すウェブ材料」(Chappellらに1996年5月21日に付与)に記載されるように、構造的な弾性様フィルム(「SELF」)ウェブを備え得る。この文献は、本明細書において参照により取り入れられている。代替的な態様においては、バックシート26は、エラストマーフィルム、発泡体、ストランド、もしくはこれらの組み合わせ、または不織ウェブもしくは合成フィルムを有するその他の好適な材料を備え得る。
【0015】
トップシート24は、従順で、ソフトな感触で、着用者の皮膚に対して刺激的でないことが好ましい。さらに、トップシート24の少なくとも一部は液体透過性で、その厚みを通って液体が容易に浸透することができる。好適なトップシート24は、広範囲な材料例えば多孔質発泡体、網状発泡体、開口部が設けられたプラスチックフィルム、または天然繊維(例えば、木部もしくは綿繊維)もしくは合成繊維(例えば、ポリエステルもしくはポリプロピレン繊維)もしくは天然および合成繊維の組み合わせからなる織りウェブもしくは不織ウェブから製造することができる。トップシートが繊維を備える場合、繊維はスパンボンド、カーディッド、ウェットレイド、メルトブロウン、ハイドロエンタングルドされているか、そうでなければ当該技術分野において知られるように処理されていてもよい。ステープル長のポリプロピレン繊維のウェブを備える1つの好適なトップシート24が、Veratec.社のDivision of International Paper Company(Walpole、MA)によってP-8の名称で製造されている。
【0016】
好適な成形フィルムトップシートが、以下の文献に記載されている。米国特許3,929,135の発明名称「テーパーの付いた毛管を有する吸収性構造」(Thompsonに1975年12月30日に付与)、米国特許4,324,246の発明の名称「汚れに対して耐性のあるトップシートを有する使い捨て吸収製品」(Mullaneらに1982年4月13日に付与)、米国特許4,342,314の発明の名称「繊維様の特性を示す弾力性のあるプラスチックウェブ」(Radelらに1982年8月3日に付与)、米国特許4,463,045の発明名称「非光沢に見える表面および布地様触感の印象を示す巨視的に引き伸ばした3次元プラスチックウェブ」(Ahrらに1984年7月31日に付与)、および米国特許5,006,394「多層ポリマーフィルム」(Bairdに1991年、4月9日に付与)。他の好適なトップシート30が、米国特許4,609,518および4,629,643(Curroらにそれぞれ1986年9月2日および1986年11月16日に付与)に従って作製される。両文献とも本明細書において参照により取り入れられている。このような成形フィルムは、プロクターアンドギャンブル社(シンシナティ、オハイオ)から「DRI-WEAVE」として、またTredegar社(Terre Haute、インディアナ)から「CLIFF-T」として販売される。
【0017】
トップシート24を疎水性材料から作製するかまたは疎水性に処理して、着用者の皮膚を吸収性コア28に収容された液体から隔離してもよい。トップシート24を疎水性材料から作製する場合、好ましくはトップシート24の少なくとも上面は親水性に処理して、液体がトップシートをより速く通過するようにする。トップシート24を、界面活性剤によって処理するかまたは界面活性剤をトップシートに取り入れることで親水性にしてもよい。トップシート24を界面活性剤によって処理するかまたは界面活性剤をトップシート内に取り入れる好適な方法が、以下の文献に記載されている。米国特許4,988,344の発明名称「多層吸収性層を有する吸収製品」(Reisingらに1991年1月29日に付与)、および米国特許4,988、345の発明名称「急速捕捉性吸収性コアを有する吸収製品」(Reisingに1991年1月29日に付与)、およびUS法定発明登録H1670(Azizらの名義で1997年7月1日に公開)。これらの文献のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。
【0018】
トップシート24のどんな部分にも、当該技術分野で知られるローションを塗ってもよい。好適なローションの例には、以下の文献に記載されたものが含まれる。米国特許5,607,760の発明名称「エモリエントとポリオールポリエステル不動化剤とを含むローション付与されたトップシートを有する使い捨て吸収製品」(Roeに1997年3月4日に付与)、米国特許5,609,587の発明名称「液体ポリオールポリエステルエモリエントおよび不動化剤を含むローショントップシートを有するおむつ」(Roeに1997年3月11日に付与)、米国特許5,635,191の発明名称「ポリシロキサンエモリエントを含むローション付与されたトップシートを有するおむつ」(Roeらに1997年6月3日に付与)、および米国特許5,643,588の発明名称「ローション付与されたトップシートを有するおむつ」(Roeらに1997年7月1日に付与)。ローションは、単独でまたは他の薬品と組み合わせて、上述の疎水化処理として機能することができる。またトップシートは、抗菌剤を含んでまたは抗菌剤によって処理されていても良く、いくつかの例が、PCT出願WO95/24173の発明名称「臭い制御のために抗菌剤をトップシートに含む吸収製品」(1995年9月14日にTheresa Johnsonの名義で公開された)に開示されている。さらに、トップシート24、バックシート26またはトップシートもしくはバックシートのどんな部分にも、エンボス加工および/またはつや消し仕上げを施して、より布地様の外観にしてもよい。
【0019】
トップシート24、バックシート26互いに、吸収性コア2にまたはおむつのいずれか他の要素に、当該技術分野で知られる何らかのアタッチメント手段を用いて接合されていてもよい。例えば、好適なアタッチメント手段は、接着剤の均一連続層、接着剤のパターン化層、または接着剤の分離した線、スパイラルもしくはスポットのアレーを含み得る。あるいは、アタッチメント手段は、熱結合、超音波結合、動的機械結合または当該分野で知られているようないずれか他の好適なアタッチメントも側はこれらのアタッチメントの組み合わせを含み得る。
【0020】
吸収性コア28は、当該技術分野で知られるどんな吸収性材料を備えていてもよい。吸収性コア28は、様々なサイズおよび形状で製造されていても良く(例えば、矩形、砂時計、「T」形状、非対称など)、使い捨ておむつおよび他の吸収製品で普通に用いる様々な液体吸収性材料、例えば粉砕された木材パルプ(一般にエアーフェルトと言われる)を備えていてもよい。他の好適な吸収性材料の例には、以下のものが含まれる。クレープセルロースワディング、メルトブロウンポリマー(コフォームを含む)、化学的に硬化され、改質され、または架橋されたセルロース繊維、ティシュ(ティシュラップおよびティシュラミネートを含む)、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、または他の何れかの既知の吸収性材料もしくは材料の組み合わせ。
【0021】
吸収性コア28の構成および構造は、変化しているものであってもよい(例えば、吸収性コアまたは他の吸収性構造が、キャリパーが変化するゾーン、親水性の勾配、超吸収性の勾配、または平均密度および平均坪量がより低い捕捉ゾーンを有していても良く、または1もしくは複数の層または構造を備えていてもよい)。
【0022】
吸収性コアとして使用する典型的な吸収性構造が、以下の文献に記載されている。米国特許4,610,678の発明名称「高密度吸収性構造」(Weismanらに1986年9月9日に付与)、米国特許4,673,402の発明名称「二重層コアを有する吸収製品」(Weismanらに1987年6月16日に付与)、米国特許4,834,735の発明名称「密度および坪量がより低い捕捉ゾーンを有する高密度吸収性部材」(Alemanyらに1989年5月30日に付与)、米国特許4,888,231の発明名称「ダスティング層を有する吸収性コア」(Angstadtに1989年12月19日に付与)、米国特許5,137,537の発明名称「個別化された(Individualized)ポリカルボン酸架橋された木材パルプセルロース繊維を含む吸収性構造」(Herronらに1992年8月11日に付与)、米国特許5,147,345の発明名称「失禁を取り扱うための高効率吸収製品」(Youngらに1992年9月15日に付与)、米国特許5,342,338の発明名称「低粘性糞便物のための使い捨て吸収製品」(Roeに1994年8月30日に付与)、米国特許5,260,345の発明名称「水性の身体流体のための吸収性発泡体材料およびこのような材料を備える吸収製品」(DesMaraisらに1993年11月9日に付与)、米国特許5,387,207の発明名称「水性の身体流体のための濡れるまで薄い吸収性発泡体材料およびその製造方法」(Dyerらに1995年2月7日に付与)、米国特許5,625,222の発明名称「水性の流体のための、水と油の比が非常に高い高内部相エマルションからなる吸収性発泡体材料」(DesMaraisらに1997年7月22日に付与)。これらの特許のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。
【0023】
またおむつ20は、フィットおよび封じ込めの改善を促進するために、1または複数のウエスト領域部材34を備えていてもよい。弾性的なウエスト領域部材34は、以下の文献に記載されるものを含む多くの異なる構成で作ることができる。米国特許4,515,595(Kievitらに1985年5月7日に付与)、米国特許4,710,189(Lashに1987年12月1日に付与)、米国特許5,151,092(Buellに1992年9月9日に付与)、および米国特許5,221,274(Buellに1993年6月22日に付与)。他の好適なウエスト領域構成には、ウエスト領域キャップ部材例えば米国特許5,026,364(Robertsonに1991年6月25日に付与)および米国特許4,816,025(Foremanに1989年3月28日に付与)に記載されるようなものが含まれ得る。上述の引用文献はすべて、本明細書において参照により取り入れられている。
【0024】
またおむつ20は、締結システム40を備えていてもよい。いくつかの典型的な締結システムが、以下の文献に開示されている。米国特許3,848,594の発明名称「使い捨ておむつ用のテープ締結システム」(Buellに1974年11月19日に付与)、米国特許B1 4,662,875の発明名称「吸収製品」(Hirotsuらに1987年5月5日に付与)、米国特許4,846,815の発明名称「改善された締結器具を有する使い捨ておむつ」(Scrippsに1989年7月11日に付与)、米国特許4,894,060の発明名称「改善されたフック締結部分を有する使い捨ておむつ」(Nestegardに1990年1月16日に付与)、米国特許4,946,527の発明名称「感圧粘着性締結具およびその製造方法」(Battrellに1990年8月7日に付与)、および本明細書で前に引用した米国特許5,151,092(Buellに1992年9月9日に付与)、および米国特許5,221,274(Buellに1993年6月22日に付与)。また締結システムは、米国特許4,963,140(Robertsonらに1990年10月16日に付与)に開示されるように、製品を使い捨ての構成で保持する手段を与えてもよい。これらの特許のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。代替的な態様においては、衣類の対向する面(side)を縫い合わせるかまたは溶着(weld)してパンツを形成し、製品をプルオンタイプのおむつ例えばトレーニングパンツとして使用できるようにしてもよい。
【0025】
また、おむつ20は、何らかの好適な構成で作製されシャーシに結合されたサイドパネル30を備えていてもよい。伸縮性サイドパネルを有するおむつの例は、以下の文献に開示されている。米国特許4,857,067の発明名称「シャーリングを付けた耳部を有する使い捨ておむつ」(Woodらに1989年8月15日に付与)、米国特許4,381,781(Sciaraffaらに1983年5月3日に付与)、米国特許4,938,753(Van Gompelらに1990年7月3日に付与)、本明細書で前に参照した米国特許5,151,092(Buellに1992年9月9日に付与)、および米国特許5,221,274(Buellに1993年6月22日に付与)、米国特許5,669,897(LaVonらに1997年9月23日に付与)の発明名称「持続するダイナミックフィットをもたらす吸収製品」、EPO公開番号WO95/13775 A1(1995年5月26日に公開)の発明名称「多方向伸張性サイドパネルを有する吸収製品」。各文献は本明細書において参照により取り入れられている。
【0026】
好ましくは、おむつ20は、液体その他の身体滲出物を封じ込めることの改善を促進するために、さらにレッグカフス32を備える。レッグカフスは、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフス、または弾力性カフスと呼ばれることもある。米国特許3,860,003には、サイドフラップおよび1または複数の弾性部材を有することで伸縮性のレッグカフス(ガスケッティングカフス)を実現している収縮性のレッグ開口部が設けられた使い捨ておむつが記載されている。米国特許4,808,178および4,909,803(Azizらに、それぞれ1989年2月28日および1990年3月20日にissued)には、レッグ領域の封じ込めを改善する「スタンダップ」型伸縮性フラップ(バリアカフス)を有する使い捨ておむつが記載されている。米国特許4,695,278および4,795,454(1987年9月22日にLawsonに、および1989年1月3日にDragooに、それぞれ付与)には、ガスケッティングカフスとバリアカフスとを備えるデュアルカフスを有する使い捨ておむつが記載されている。ある態様においては、上述したように、レッグカフスの全部または一部をローションで処理することが好ましい場合がある。
【0027】
また本発明の態様には、排泄物を受け取って収容するためのポケット、排泄物用の空隙を与えるスペーサー、製品内の排泄物の動きを制限するバリアー、おむつ内に堆積した排泄物を受け取って収容するコンパートメントまたは空隙など、およびこれらの何らかの組み合わせが含まれる。吸収性製品内で使用するポケットおよびスペーサーの例が、以下の文献に記載されている。米国特許5,514,121(Roeらに1996年5月7日に付与)の発明名称「排除スペーサーを有するおむつ」、米国特許5,171,236(Dreierらに1992年12月15日に付与)の発明名称「コアスペーサーを有する使い捨て吸収製品」、米国特許5,397,318(Dreierに1995年3月14日に付与)の発明名称「ポケットカフスを有する吸収製品」、米国特許5,540,671(Dreierに1996年7月30日に付与)の発明名称「頂部(Apex)のあるポケットカフスを有する吸収製品」、およびPCT出願WO93/25172(1993年12月3日に公開)の発明名称「衛生吸収製品で使用するスペーサーおよびこのようなスペーサーを有する使い捨て吸収製品」、および米国特許5,306,266の発明名称「使い捨て吸収製品で使用するフレキシブルスペーサー」(Freelandに1994年4月26日に付与)。コンパートメントまたは空隙の例が、以下の文献に開示されている。米国特許4,968,312の発明名称「糞便を区分する使い捨ておむつ」(Khanに1990年11月6日に付与)、米国特許4,990,147の発明名称「排泄物を隔離する弾性ライナーを有する吸収製品」(Freelandに1991年2月5日に付与)、米国特許5,62,840の発明名称「使い捨ておむつ」(Holtらに1991年11月5日に付与)、および米国特許5,269,755の発明名称「使い捨て吸収製品用の三等分トップシートおよびこのような三等分トップシートを有する使い捨て吸収製品」(Freelandらに1993年12月14日1993に付与)。好適な横断バリアーの例が以下の文献に記載されている。米国特許5,554,142の発明名称「効果的な高さの多重横断パーティションを有する吸収製品」(1996年9月10日にDreierらの名義で付与)、PCT特許WO94/14395の発明名称「直立する横断パーティションを有する吸収製品」(Freelandらの名義で1994年7月7日に公開)、およびU.S.5,653,703「角張った直立する横断パーティションを有する吸収製品」(1997年8月5日にRoeらに付与)。上に引用した引用文献の全ては、本明細書において参照により取り入れられている。
【0028】
また、本発明の態様は、図5に示すような排泄物処理デバイス110を含み得る。排泄物処理デバイス110は、糞便、尿またはその両者を集めるために排泄物バッグ112を含み得る。排泄物バッグ111は、開口121と、好ましくは着用者の肛門周辺領域への接着性アタッチメントのために該開口を取り囲むフランジ112を有し得る。さらに、排泄物処理デバイス110は、衣類またはおむつ、好ましくは使い捨ておむつとともに用いられたとき特に有用で、有益であることが見いだされている。排泄物バッグ111を含むおむつ120の一例が図6に示されている。おむつ120または他の衣類と係合すると、排泄物バッグ111は、製品のいずれかの表面上に配置されるか結合させ得る。バッグ111は、ここに記載された結合またはアタッチ手段のいずれかおよび/または接着剤、フックとループファスナー、磁気、ベルト、タイ、ストラップ、スナップ等のような他の結合手段等を含むいずれかの知られた手段により製品に結合され得る。1つの態様において、排泄物バッグ111は、おむつ120のトップシート124に結合される。
【0029】
排泄物バッグ111は、好ましくは、排泄された糞便または尿の収容のための柔軟な容器である。かくして、排泄物バッグ111は、好ましくは、液体不透過性であるが、なお呼吸性であり得る。さらに、排泄物バッグ111は、座ることのような典型的な磨耗条件に耐えるに十分な強度のものとして設計される。
【0030】
排泄物バッグ111は、1または多層を含み得る。1つの態様において、排泄物バッグ111は、3層、好ましくは1つのフィルムと2つの不織層を備え得る。フィルム層のいずれかのために好適なフィルム材料は、熱可塑性材料を含む。熱可塑性材料は、ホットメルト接着剤、ポリオレフィン特にポリエチレン、ポリプロピレン、非晶質ポリオレフィン等;セルロース、木材パルプ、コットン、ジュート、ヘンプ等の天然繊維、ガラス繊維、レイヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリテトラフルオロエチレン金属、ポリイミドのような合成繊維、二成分高溶融/低溶融ポリマー、コポリマーポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート/クロライドコポリマー、コポリマーポリアミドのようなバインダー等の繊維またはポリマーバインダーを含む溶融性成分を含有する材料、構成材料のいくつかが溶融性でないブレンドを含む材料、バックシートに関して上に記載したもののようなミクロ多孔質フィルムおよびデュポンから入手し得るHYPATEL(登録商標)およびフランスのELFアトケムから入手し得るPebax(登録商標)のようなモノリシック呼吸性材料等の空気および蒸気透過性材料のすべてのタイプの中から選ぶことができる。
【0031】
排泄物バッグ111は、どのような形状またはサイズを有していてもよい。好ましい形状は、平坦な円形タイプのバッグ、円錐形状のバッグ、截頭円錐形状のバッグおよびピラミッド状または截頭ピラミッド状バッグ、および平坦T形状のバッグを含む。さらに、排泄物バッグ111は、材料の一体片、または同一または異なりえ、それらの周囲でシールされていてもよい材料の複数の別々の片から提供され得る。
【0032】
また、排泄物バッグ111は、吸収性材料を含有することができる。吸収性材料は、液体を吸収し、保持し得るいずれかの吸収性材料を含み得る。吸収性材料は、使い捨ておむつおよび他の吸収製品に普通に使用されている広範な液体吸収性材料を含み得る。いくつかの材料は、吸収性コアに関してここに記載されている。
【0033】
排泄物バッグ111は、開口121を備え、それによりバッグキャビティ内に貯蔵される前に身体から糞便または尿を受け取る。開口121は、好ましくは、フランジ112により囲まれ、そして円形、長方形、ハート形のようないずれの形状またはサイズでも提供され得、好ましくは開口は、縦(長手)方向または横(横断)方向のいずれかにおいて長い長方形状を有する。フランジは、着用者の肛門周辺領域、生殖器領域および/または尾てい骨領域にフィットするように設計された複数突起を有し得る。
【0034】
フランジ112は、肛門周辺または尿−生殖器領域へのフランジ112の設置を容易にするために、柔軟で、可撓性で、従順な材料で作るべきである。典型的な材料は、不織材料、織り材料、開放気泡熱可塑性フォーム、閉鎖気泡熱可塑性フォーム、開放気泡フォームの複合材料、伸縮性不織材料およびフィルムを含む。
【0035】
排泄物バッグ111は、好ましくは、該デバイスを着用者に固定させるための結合またはアタッチメント手段をさらに含む。そのような手段は、バッグ111は、ここに記載された結合またはアタッチ手段のいずれか、またはストラップ、フックとループファスナー、ピン、スナップおよび/または排泄物バッグ111またはフランジの着用者に面する部分適用された身体適合性接着剤のような他の結合手段等を含み得る。当該デバイスを着用者の肛門周辺または尿−生殖器領域に取り付けるために、ヒドロコロイド接着剤およびヒドロゲル接着剤のようないずれもの皮膚にやさしい耐水性感圧接着剤を使用することができる。比較的痛くない適用と除去を可能とする一方、敏感な肛門周辺領域で着用者の皮膚にフランジを固定するために所望の接着特性を提供する上で特に効果的な接着剤は、可塑剤とともにポリマーを架橋して3次元マトリックスを形成したものから生成される。
【0036】
また本発明の製品は、1または複数の糞便改質剤(「FMA」、「粘性身体排泄物改質剤」、「改質剤」、または「薬品」)を、身体排泄物例えば糞便およびメンスの化学的または物理的特性を改質できる有効な濃度で、含んでいてもよい。本明細書で用いる場合、「糞便改質剤」(またはFMA)は、糞便類似体もしくは好ましくは実際の糞便の硬さを、後述する硬度方法で測定したときに、少なくとも約100%だけ増加できる、または与えられた糞便類似体もしくは好ましくは実際の糞便の硬さを、少なくとも約25%だけ低減できるどんな化学的組成物をも指す。しかし、個々の製品のデザインおよび糞便のタイプに依存して、糞便の有効な粘性(effective viscosity)を増加または減少させる態様、糞便を脱水する容易さを増加または低減させる態様、糞便の粘着性(stickiness)を低減する態様、粘着特性(adhesion characteristics)を低減する態様、またはこれらのどんな組み合わせも意図される。本発明の糞便改質剤は固形糞便の特性を改質することができ得るが、FMAは、制御された応力レオメーター上で平行板を用いる制御された応力レオメトリー試験において、一般にせん断速度が1/sec(約35℃で)のときに粘度が約10cPを上回り約107cPを下回る糞便、より詳細にはせん断速度が1/sec(約35℃で)のときに約102cPないし約107cPの粘性流体糞便の特性を変えることにおいて、通常最も効果的である。(参考までに、水は20℃において約1.0cPであり、Jif Creamyピーナッツバター(プロクター&ギャンブル社(シンシナティ、オハイオ)から販売される)は、この同じせん断速度において25℃のときに約4×105cPである)。本明細書で用いる場合、粘度の測定方法は後述する試験方法で説明する。
【0037】
糞便に対する化学薬品の具体的な効果に関係なく、薬品はその機能を果たすために、糞便に対して利用可能で(available)なければならない。本明細書で用いる場合、FMAの場合(context)においては、用語「利用可能である」は、化学薬品が、製品内または着用者の皮膚上に堆積した糞便の少なくとも一部と直接接触するように、製品を普通に着用している間、製品内に配置されるかまたは製品もしくは製品の構成要素によって付与されることを示す。薬品を構造内部(例えば、トップシートの下の吸収性層内)に配置する場合、構造は、糞便によって実質的に浸透可能でなければならない。このような場合、薬品が「利用可能である」のは、構造の加圧下受け取り値が、後述する方法のセクションで説明する受け取り値測定方法で測定したときに、約0.50g/cm2/Jを上回る、好ましくは約1.0g/cm2/Jを上回る場合である。薬品がカプセル封入されている場合、薬品は、糞便が製品に付与(insult)されたとき、またはほぼそのときに、製品によって放出されなければならない。例えば、FMAを、尿または糞便水分と接触するとすぐにFMAを溶解して放出し糞便と接触させる水溶性フィルムによって、保持してもよい。
【0038】
FMAの「有効な濃度」は、本明細書で用いる場合、製品内の少なくとも一部の糞便の硬さに対して測定され得る効果(後述する硬度方法によって測定する)、または着用者の皮膚に対して測定され得る効果を有するのに必要な薬品の相対的な量を指す。「有効な濃度」を示すデータを以下に与える。好ましくは、FMAの濃度は処理すべき糞便の少なくとも約0.01重量%が望ましく、より典型的には、約0.1ないし約50重量%のFMAが糞便に対して利用可能であることが好ましい。例えば、おむつ内にロードされた25gの糞便の全体を処理(すなわち「バルク」処理)することを5重量%のレベルで行うためには、1.25gのFMAが糞便の塊(mass)に対して利用可能でなければならない(糞便の比重を1.0と仮定している)。従って、FMAは、製品の約0.001重量%ないし50重量%の濃度で製品内に存在することが好ましい。しかし典型的には、濃度は製品の約0.01ないし20重量%である。
【0039】
FMAは、好ましくは、室温(20ないし25℃)において、処理すべき糞便の約20重量%以下の濃度において、糞便類似体、好ましくは実際の糞便の硬さを約25%減少させるか、その硬度を約100%増加させ得る。より好ましくは、FMAは、処理すべき糞便の約10重量%の濃度以下において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約25%減少させるか、約100%増加させ得る。さらにより好ましくは、FMAは、処理すべき糞便の約5重量%の濃度以下において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約25%減少させるか、約100%増加させ得る。他の好ましい態様においては、FMAは、処理すべき糞便の約1重量%の濃度以下において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約25%減少させるか、約100%増加させ得る。さらに他の好ましい態様においては、FMAは、処理すべき糞便の約0.5重量%の濃度以下において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約25%減少させるか、約100%増加させ得る。典型的に、FMAは、処理すべき糞便の約0.1ないし約10重量%の濃度において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約25%減少させるか、約100%増加させ得る。
【0040】
好ましくは、硬さを上述で規定したように減少または増加させることを、糞便と接触した後、約30分間の間に、より好ましくは約15分以内に、さらにより好ましくは約5分以内に、さらにより好ましくは約3分以内に、そして最も好ましくは約1分以内に達成する。典型的に、望ましい硬度の変化は、約1分ないし約10分の間に達成される。より好ましい態様においては、硬さを上述で規定したように減少または増加させることを、処理すべき糞便の約5重量%以下のFMA濃度において約3分以内に、または処理すべき糞便の約1.5重量%以下のFMA濃度において3分以内に達成される。他の好ましい態様においては、FMAは、処理すべき糞便の約5重量%以下の濃度において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約3分以内に約200%増加させ得る。さらに他の好ましい態様においては、FMAは、処理すべき糞便の約5重量%以下の濃度において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約3分以内に約400%増加させ得る。
【0041】
他の好ましい態様において、FMAは、約5%以下の濃度において、糞便類似体または実際の糞便の硬度を約3分以内に約50%減少させ得る。
【0042】
2つの合成糞便類似体の参考硬度値を、表1に示す。(硬度は、糞便の複合的な係数(complex modulus)に密接に関係することが分かっている)。類似体Aは、典型的な「柔らかい」糞便の水分、硬度、および粘着特性を表し、一方、類似体Bは、典型的な「ペースト状の」糞便を表わす。FMAの機能をより良く例証するために、2つの硬さの糞便をシミュレートしている。類似体AおよびBの調製方法は、後述する試験方法のセクションで説明する。
【表1】

【0043】
糞便類似体AおよびBは、FMAの性能を評価するための繰り返し可能な手段である。しかし、実際の糞便は非常に複雑な物質である。ある種の化学処理においては、上述したどちらかの類似体よりも実際の糞便に対して、FMAの効果がより大きくあり得る。評価した薬品の1つについて、糞便類似体および実際の糞便に対する硬度変化に関する硬度データを示して、処理に対する相対的なレスポンスの類似性を示す。これらの実験で用いた実際の糞便は、複合的な「柔らかい(runny)」糞便試料および複合的な「ペースト状の」糞便試料の両方からなっていた。複合的な柔らかい糞便試料を溜めることは、母乳で育てられた2人の生後4ヶ月のアメリカ人男性幼児による複数の糞便(尿で汚れていない)を用いて行った。複合的な「ペースト状の」試料を溜めることは、2人のアメリカ人幼児(粉ミルクで育てられた生後4ヶ月の男性幼児と、母乳と食卓に出る食べ物との間の「変わり目の」食べ物を食べている生後12ヶ月の男性幼児)による複数の糞便(尿で汚れていない)を用いて行った。糞便を溜めることは、Seward Medical社(ロンドン、イギリス)によるSeward Stomacher 400 Lab Systemを用いて行った。参考までに、溜めた未処理の(すなわち収集時の)柔らかい糞便試料の硬度は28gであり、溜めた未処理のペースト状の糞便試料の硬度は297gであった いくつかの比較例を糞便類似体と混ぜた結果を、下表2に示す。比較材料はすべて、試料調製方法で後述するようにして糞便類似体と混ぜた。上述のデータから明らかなように、所望する硬度変化は比較材料を用いては実現しなかった。
【0044】
【表2】

【0045】
本発明の糞便改質剤は、糞便の液体部分(すなわち、水)を糞便の固体構造から分離するか、および/または糞便水の固体糞便成分に対する「結合」の程度を減少させ得る1種またはそれ以上の「水遊離(water liberating)」剤を含み得る。理論により拘束されることを望むものではないが、糞便は、いくつかの状態で水を含むものと信じられる。例えば、糞便は、遊離水、結合水(結合水は、ポリマー「ゲル」構造中に組織化された、または糞便マトリックス中の他の荷電要素と付随した、粒子の表面上に電気二重層を介して「コロイド」構造に保持され得る)、および捕捉水(例えば、バクテリアの内部)を含む。また、糞便の固体およびポリマー成分は、結合水を、遊離水または「未結合」水に比べてより高いエネルギー状態へと組織化するように作用する。(糞便の固体成分(可溶性および不溶性)は、一般に、未消化食物(例えば、繊維)、バクテリア、長鎖ポリサッカライド、脂肪、石鹸、タンパク球等)の1またはそれ以上を含む。糞便のような粘稠身体排泄物の水含有率は、比較的高く、重量で、一般に50%を超え、しばしば約60%〜約95%である。しかしながら、通常の吸収製品は、水の多くを糞便から分離することができない。(ここで用いる用語「糞便マトリックス」は、いずれもの固体およびバイオポリマーのような可溶性成分を含む全体としての糞便をいう。)かくして、糞便のほんのわずか(一般に、遊離水の一部のみ)しか実際には吸収されず適切に収容され得ない。
【0046】
糞便に対する吸収製品の効率を改善するために、本発明のFMAは、糞便マトリックスから結合水および/または捕捉水を分離するように作用する「水遊離剤」を含みえる。糞便または類似物に「遊離された水」は、糞便塊内に残って低下した糞便粘度をもたらすか、糞便を形成する2つの異なる相、すなわち水と残存糞便を完全に分離させ得る。水が完全に分離されるなら、残る糞便は有意により固くなる。糞便と接触する吸収剤の不存在下で、糞便マトリックスからの水の遊離は、糞便の液体部分をより自由に流動させることにより、全糞便の粘度を減少させる。しかしながら、遊離した水が糞便から完全に分離されるならば、残る糞便の粘度または硬度は増加する。さらに、水の除去は、マトリックス中に保持されているときよりも一般により強固に互いに会合する糞便固形分をより個別的な固体粒子に凝縮させることを補助する(粒子間反発力の減少は、粒子を凝縮させ、それらの間に保持されている水を放出されるものと信じられる)。糞便の粘度低下は、吸収性構造へのその浸透を促進する。そして、吸収性構造の浸透が大きいほど、吸収製品が排泄物を着用者の皮膚から離れて貯蔵および/または固定化する傾向を増大させる。従って、吸収製品の総体的な性能は有意に改善され得る。
【0047】
糞便のコロイドまたはゲル性質の不安定化により生じる水の遊離は糞便の粘度を低下させ、糞便が吸収性構造中を流れる能力を増大させるが、それは、また、処理された糞便と接触するいずれもの吸収性材料が糞便を脱水し、固定化する能力を増大させ得る。しかしながら、いくつかの態様において、糞便の固形フラクションがなお使用者に接触し得るので、吸収性構造の表面に固定化が生じることは望ましくないかもしれない。従って、糞便が、固定化のために、使用者から離れて当該吸収構造を所望の深さまたは場所まで浸透するまで粘稠な身体排泄物の吸収性媒体との接触を制限することが好ましくあり得る。そのような態様において、糞便の粘度は、吸収性構造の表面上にまたはそれと接触する前に、低下され、それが十分に当該構造を浸透したとき脱水されおよび/または固定化されることが好ましい。
【0048】
上記の糞便の粘度を低下させるように作用する糞便改質材剤は、有機および無機凝集剤(flocculant)等を含むがこれに限定されるものではない。無機凝集剤は、鉄、アルミニウム、カルシウムおよびナトリウム並びにそれらの混合物等であるがこれらに限定されるものではない2価および3価の金属塩を含むがこれらに限定されるものではない。そのような塩は、糞便のコロイド構造における粒状物質の荷電表面と係り合う(associate)加水分解生成物を形成し、凝集をもたらす(すなわち、上記機構のいずれかによる凝集)。いくつかの例は、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム(aluminum chloride hydroxide)、アルミン酸ナトリウム(sodium aluminate)、硫酸カルシウム、ポリアルミニウム−シリケート−スルフェート(ケベックのハンディー・ケミカルからPASSという商品名で入手可能)、硫酸第1鉄、炭酸カルシウム等を含む。
【0049】
有機凝集剤は、アルブミン、キサンタンガム、グアーガムのような天然物質を含むがこれに限定されるものではない。合成凝集剤は、一般に、未架橋の水溶性分子またはポリマーであり、アクリル酸およびアクリルアミド並びにそれらの誘導体(非常に低い濃度で(1重量%の2,3百分の1)、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリアミン、ポリエチレンオキサイド、およびアリルアミンポリマーを含み得る。好ましくは、これらはカチオン性ポリマー種である。(出願人は理論により拘束されることを望むものではないが、これらの剤は、糞便粒状フラクションの負荷電領域と係り合うことによりおよび総合的な粒子間反発電荷を減少させることにより機能するものと信じられる。)合成凝集剤のいくつかは、高濃度で使用された場合、水溶液の粘度を増加させるように作用し、以下、糞便増粘剤として説明される。また、有機凝集剤のいくつかが高すぎる濃度で使用される場合、それらの効果は逆転し得る。かくして、水は、これら剤が荷電粒子と係り合うに必要な量よりも過剰に使用された場合にゲルを形成する傾向により糞便によってより強固に保持され得る。
【0050】
理論により拘束されることを望むものではないが、凝集剤は、電荷中和、橋架け、静電放出(electrostatic patching)等の複数の機構により当該マトリックス中の成分粒子の集合化を増大させることによりコロイドを不安定化させるものと信じられる。電荷中和によるコロイド系の凝集は、上記剤が成分粒子の表面上に吸着し、電気二重層を減少させるときに生じる。上記剤は、理論上、マトリックス中の固体粒子の表面における安定化性反発表面電荷を粒子の荷電界面で蓄積させ、粒子を集合させることにより減少させるように作用する。かくして、マトリックス中に「結合」された状態で保持(すなわち、粒子間に保持)された水は、当該構造がつぶれるときに自由となる。「橋架け」は、長鎖ポリ電解質がコロイド状マトリックス中の粒子上に吸着し、マトリックスのバルク中に伸びるときに生じえ得るものと信じられる。マトリックスのバルクでは、マトリックス中の他の粒子の最も近いアプローチの距離をまたぐことができる。これにより、粒子の集合化と結合水の自由化が生じる。「静電放出」は、凝集ポリマーが完全に粒子上に吸着したときに幾何学的制限が完全な電荷中和を防止するときに生じ得る。これにより、正の「パッチ」または衝突により他の粒子上の負のパッチに付着する粒子上の領域の形成がもたらされる。また、これにより、粒子間の電気的反発の総体的な減少による粒子の集合化がもたらせられる。
【0051】
合成有機凝集剤(例えば、ポリアクリレート)またはその誘導体のいくつかの架橋誘導体は、超吸収性ポリマーとして当該分野において知られており、尿や月経のような非常に低い粘度の水性排泄物と接触すると水不溶性ゲルを精製するように機能する。しかしながら、これらの架橋種は、容易に解離(すなわち、溶解)し糞便内の粒状種に吸着し得ないので、凝集剤として機能しない。
【0052】
いくつかの体表的な水遊離剤の粘度減少性能を表IIIのデータに示す。この剤と糞便類似体または糞便との混合は、以下の試料調製方法に記載されている。
【0053】
【表3】

【0054】
上記糞便の粘度を低下させるように作用する糞便改質剤は、また、還元剤を含み得る。例えば、コロミン粘液(colonic mucous)が一般的に含む結腸粘液(ジスルフィド結合により結合された巨大分子糖タンパク)に見いだされるようなジスルフィド結合(−S−S−結合)を還元する剤は、高い粘液含有率を有する糞便の有意の粘度低下を行い得る。理論により拘束されることを望むものではないが、ムチンジスルフィド結合(これは、ムチンポリマー鎖間の架橋剤として機能する)の還元は、柔らかい糞便のような糞便中の糖タンパク構造の平均分子量をムチンの「ゲル点」より十分下のレベルまで有意に減少させる(すなわち、長距離構造が比較的小さいサイズの糖タンパクにより不可能となる)ものと信じられる。例示的な還元剤には、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび亜ジチオン酸ナトリウムのような亜硫酸塩(sulfite)、チオール類およびチオールアルコール類(例えば、2−メルカプトエタノール、ジチオトレイトールおよびジチオエリスリトール)、メルカプト酢酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオ乳酸、チオグリコアミド、グリセロールモノチオグリコレート、ボロ水素化物(例えば、ナトリウムボロ水素化物)、第3級アミン、ナトリウムチオシアネートのようなチオシアネート、チオ硫酸ナトリウムのようなチオスルフェート、シアン化ナトリウムのようなシアン化物、ナトリウムチオホスフェートのようなチオホスフェート、亜ヒ酸ナトリウムのような亜ヒ酸塩、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン類、チオフェノールやp−ニトロフェノールのようなフェノール類、ベタイン類、その他リチウムアルミニウム水素化物、塩化アルミニウム、グアニジン塩酸塩、塩化第1スズ(stannous chloride)、ヒドロキシルアミン、およびLiHB(C25)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
代表的な還元剤(以下の試験方法のセクションにおける試料調製方法に記載した糞便類似体および実際の糞便と混合)の粘度低下性能を表IVに詳しく示す。
【0056】
【表4】

【0057】
本発明の他の特に好ましい態様では、糞便の粘度を増加させその移動性を低下させるために、水結合度を増加させることによって糞便の構造を一般に増加させる改質剤が使用される。これは増粘剤を適切な濃度で使用することによって遂行できる。増粘剤は天然であっても合成であってもよく、例えばCMC(カルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸およびその誘導体類、カラギーナン、ポリアクリルアミドおよびその誘導体類、(ポリエチレン)イミン類、ガム類(キサンタン、グアー、カラヤ、アーガー、ローカストビーンガム、ペクチン、およびガッチガムもしくはそれらの混合物)およびその他の類似物質のような一般に水溶性の(典型的には非架橋)ポリマー類である。カチオン性ポリマー類は、糞便細菌およびバイオポリマーの表面がアニオン性であるために好ましい。増粘剤は、糞便中に遊離水を溶解させ、浸透圧的に水を「結合し」、それによって糞便の固体「構造」を増加させることによって糞便の粘度を増加させる。一般に、通常の超吸収体のような大きな不溶性の高分子電解質性ポリマー粒子は糞便遊離水中に溶解して分子レベルで糞便内に基質を作り出すことができない。一部のFMAは様々なタイプの糞便に相違する方法で遂行することができる(例えば、1つのタイプの糞便上では凝集剤として作用するFMAが、特定タイプの糞便の構造的特徴における変動のために別のタイプには増粘剤として作用できる場合がある)。これの1つの例は、柔らかな液状糞便類似体に対しては凝集剤として機能するが、柔らかい状糞便類似体に対しては同一濃度で増粘剤として機能する水酸化カルシウムである。
【0058】
表Vは、糞便類似体および/または糞便上に増粘剤として作用する様々なFMAの濃度の作用を示している。増粘剤と糞便類似体または糞便との混合については、下記の試料調製方法の部で記載されている。
【0059】
【表5】

【0060】
さらにまた別の好ましい態様では、改質剤はイオン性錯化剤(ionic complexing agent)を含む。イオン性錯化剤は、糞便内で構造および剛性の高い領域を形成するためにそれ自体もしくは水もしくは糞便中の他の化学的実体と合成する何らかの単一成分を含むことができる。結果として生じる錯体は、安定化させるため、または糞便内で水とより緊密に結合するために作用する。代表的なイオン性錯化剤には、ZnO、MgO、MnO、CaO、水酸化カルシウム、Al2O3、アルミニウム塩、酢酸亜鉛およびグルコン酸亜鉛のような亜鉛塩、ゼラチン、第四級アンモニウム塩、エタノールアミン類、アルギン酸、臭化アンモニウムセチルトリメチルおよびその他が含まれる)。あるいはまた、イオン性錯化剤は2種(もしくはそれ以上)の成分系を備えることができるが、このとき錯体(すなわち、長距離構造)は2種の添加された成分(例えば、アルミニウム、カルシウム、または亜鉛塩類+アルギン酸および/またはそれらの塩類)の相互作用によって作り出される。イオン性錯化剤は、水と合成したときに結晶水化物を形成する場合がある。一般に、カルシウム含有化合物もしくは系(例えば、CaO、水酸化カルシウム、およびアルギン酸カルシウム等)は最も有効な糞便改質剤のいくつかである。
【0061】
表VIは、様々なイオン性錯化剤が糞便類似体もしくは糞便の硬さに及ぼす作用を示している。(糞便類似体および/または糞便の混合は、下記の試料調製方法で既定されている通りに実施された。)
【表6】

【0062】
さらにまた別の好ましい態様では、FMAは糞便の成分上の官能基もしくはそれ自体と反応して糞便基質内で長距離構造を形成することのできる架橋剤を含む。この架橋作用は、長距離ネットワーク構造を形成するために糞便成分を多官能(例えば、二官能)改質剤によって一緒に結合される「モノマー類」として使用する。そうした改質剤は、アミン基類(例えば、ジアルデヒド類、アルデヒドジスターチ類)、ヒドロキシル基類(例えば、エピクロロヒドリン)、および/またはカルボキシル基類(例えば、ジアミン類)を標的とする場合がある。その他の代表的FMA架橋剤は、Kymene 557−H、557−LX、および2064(デラウェア州ウィルミントンに所在のHercules,Inc.から入手可能)である。表VIIは、代表的架橋剤が15分後に糞便類似体の硬さに及ぼす作用を示している(下記の試料調製方法の部で記載されているように、t=攪拌プロセスの開始後15分間)。
【0063】
【表7】

【0064】
ある態様においては、製品内の糞便の塊全体を処理(すなわち「バルク処理」)することが好ましいが、ある好ましい態様においては、糞便の一部のみをFMAによって処理する。これらの態様においては、FMAは比較的短い距離だけ糞便内に浸透し得るため、比較的硬くて粘り気のない改質された外部層が形成される。このことは、FMAを利用する観点から、またはFMAを糞便物中に混ぜる必要を省くために、好ましくあり得る。改質された外部層は、糞便の塊の表面またはその付近に位置する糞便の領域または層であり、糞便の塊の残りの部分とは異なる物理特性を有する。好ましくは、改質層は残りの糞便と比べて、より硬く(すなわち降伏点がより高く)、粘り気があまりなく、および/または糞便に含まれる揮発性分子の拡散に対する耐性がより高く、その結果、糞便の塊の拡散/可動性が低くなり、および/または着用者の皮膚に対する糞便の塊の粘着力が下がり、および/または糞便の臭いが弱まる。好ましくは、改質された外部層領域は厚みが約1ないし約1000ミクロンであり、糞便の塊の全部またはどの部分を覆っていてもよい。例としては、皮膚/糞便界面の糞便のみを処理することが(例えば、粘着力を低減しおよび/または洗浄を促進しまたは着用者の皮膚に広がることを低減するために、または吸収を促進するために、または製品内に広がることを低減するために)、好ましくあり得る。すなわち、厚み1mmの層の糞便物を30cm2の領域の皮膚または製品トップシート上で10重量%のレベルで処理するためには、糞便との接触領域内で0.30gのFMAが糞便に利用可能でなければならない(糞便の比重を1.0と仮定している)。
【0065】
種々の態様において、FMAは有機または無機、低分子量分子もしくはポリマー性質(in nature)であっても良く、および/または液体、固体(例えば、パウダー、繊維、フィルム、ウェブ)、または半固体、またはこれらの混み合わせであってもよい。FMAを、水/油もしくは油/水エマルション、懸濁液、または混合物で提供してもよい。FMAを、別個の分離された要素として(例えば、製品内のまたは製品に取付けた繊維バットまたは繊維層として)製品に配置してもよいし、またはキャリヤー媒体例えばローションもしくはスキンケア組成物(後述する)もしくはウェブの内部または表面に保持してもよいし、またはパケット、セル、もしくはエンベロープ(囲い)構造内で、放出可能にカプセル封入(包封)してもよい。
【0066】
FMAをスキンケア組成物によって配送する(deliver)態様においては、FMAはスキンケア組成物に対して可溶性であってもよいし、または懸濁液で保持してもよいし、もしくは単純な混合物として保持してもよい。大き目のFMA粒子(例えば、好ましくは最大寸法で約250μmを上回る)を、スキンケア組成物中に少なくとも部分的に埋め込むか、またはスキンケア組成物によって少なくとも部分的に粘着性保持してもよい。本発明の態様において使用できるスキンケア組成物において有用な典型的な材料には、処方箋なしで人が使用するスキン保護薬剤製品に関する米国連邦食品薬品局(FDA)の暫定的最終モノグラフによって規定されるカテゴリーIの活性剤(actives)が含まれ、現時点では、アラントイン(alantoin)、水酸化アルミニウムゲル、カラミン、カカオバター、ジメチコーン、たら肝油(組み合わせて)、グリセリン、カオリン、ペトロラタム、ラノリン、鉱油、サメ肝油、白ペトロラタム、タルク、局部的な(topical)デンプン、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛などが含まれる。その他の潜在的に有用な材料は、処方箋なしで人が使用するスキン保護薬剤製品に関する米国連邦食品薬品局(FDA)の暫定的最終モノグラフによって規定されるカテゴリーIIIの活性剤であり、現時点では、生きた酵母菌の誘導体、アルジオキサ、酢酸アルミニウム、ミクロ多孔質セルロース、コレカルシフェロール、コロイド状オートミール、塩酸システイン、デクスパンタノール(dexpanthanol)、ペルビアンバルサム油、蛋白質の加水分解産物、ラセミチオニン(racemethionine)、重炭酸ナトリウム、ビタミンAなどが含まれる。現在、FDAがモノグラフを書いたスキンケア成分の多くが、市販のスキンケア製品に使用されている。製品は、例えばA and DR軟膏、VASELINERワセリン、DESITINRおむつ発疹軟膏、およびDaily Care軟膏、GOLDBONDR薬用ベビーパウダー、AQUAPHORR治療軟膏、BABY MAGICRベビーローション、JOHNSON'S ULTRA SENSITIVERベビークリーム、Johnsonのベビーローション、リップクリームなどである。他の好適なスキンケア組成物が、米国特許5,643,588、米国特許5,607,760、米国特許5,609,587、および米国特許5,635,191に詳細に記載されている。これらの特許のそれぞれの開示は、本明細書において参照により取り入れられている。
【0067】
本発明において有用なスキンケア組成物の融解プロファイルは、好ましくは、スキンケア組成物が、着用者と接触する製品の表面上で室温において比較的動かずに局在化し、また体温で着用者に容易に移ることができ、それにも拘らず極限の貯蔵条件の下でも完全には液体とならないようなものである。好ましくは、組成物は、通常の接触、着用者の動き、および/または体温によって、皮膚に容易に移ることができる。
【0068】
好ましい態様においては、ここで有用なスキンケア組成物は、20℃において、すなわち周囲温度において、固体またはより多くの場合半固体である。「半固体」が意味するところは、組成物が、擬塑性または塑性液体に特有なレオロジーを有するということである。せん断応力を全く印加しない状態では、組成物は半固体のように見えるが、せん断速度の増加とともに流れるようにすることができる。これは、組成物は主として固体成分を含み得るが、少量の液体成分も含み得るためである。好ましくは、本発明の組成物のゼロせん断応力時の粘度は、約1.0×106センチポアズないし約1.0×108センチポアズである。より好ましくは、ゼロせん断応力時の粘度は、約5.0×106センチポアズないし約5.0×107センチポアズである。本明細書で用いる場合、用語「ゼロせん断応力時の粘度」は、プレートおよびコーンビスコメーター(好適な装置は、TA Instruments(New Castle、デラウェア)からモデルナンバーCSL 100として販売される)を用いて、非常に低いせん断速度(例えば1/sec)で測定した粘度を指す。当業者ならば、高融点成分以外の方法を用いて同様の粘度を実現できることが分かるであろう。例えば、ローションに、ゼロせん断応力時の粘度が高いが、せん断応力を印加するとすぐに崩壊して粘度が低下する構造を付与してもよい(このタイプの組成物は降伏値を有すると言われる)。このような構造は、ある種の粘土材料例えばベントナイト粘土またはモンモリナイト粘土によって、またヒュームドシリカによって付与することができる。特に好ましいのは、Cabot社、Cab-O-Sil Div.(Tuscola、イリノイ)からCAB-O-SILとして販売されるフュームドシリカである。また、当業者ならば、このような組成物のゼロせん断応力時の粘度は、粘度対せん断速度のプロットをせん断速度ゼロまで外挿して測定できることが分かるであろう。このような粘度測定は、約20℃の温度で行わなければならない。
【0069】
スキンケア組成物のキャリヤー媒体は、有用な活性成分例えば1または複数のスキン保護剤またはエモリエントを含んでいてもよい。本明細書で用いる場合、用語「エモリエント」は、皮膚を、濡れまたは炎症から保護し、柔らかくし、和らげ、柔軟にし、覆い、滑らかにし、潤いを与え、および/または洗浄する材料を指す。(「エモリエント」の用語を本明細書で用いる限り、モノグラフが書かれた上述の活性剤のいくつかは「エモリエント」であることが分かる)。好ましい態様においては、エモリエントは、周囲温度において、すなわち約20℃において、塑性または液体いずれかのコンシステンシーを有する。このようなコンシステンシーによって、組成物はソフトで滑らかでローション様の感触を示すことができる。
【0070】
本発明において有用な代表的なエモリエントには、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。石油(petroleum)ベースのエモリエント;スクロースエステル脂肪酸;ポリエチレングリコールおよびその誘導体;湿潤剤;脂肪酸エステルタイプ;アルキルエトキシレートタイプ;脂肪酸エステルエトキシレート;脂肪アルコールタイプ;ポリシロキサンタイプ;プロピレングリコールおよびその誘導体;グリセリンおよびその誘導体(C12−C28脂肪酸のグリセリド、アセトグリセリド、およびエトキシル化グリセリドを含む);トリエチレングリコールおよびその誘導体;鯨蝋その他の蝋;脂肪酸;脂肪アルコールエーテル、特に12ないし28の炭素原子を脂肪鎖中に含むもの、例えばステアリン酸;プロポキシル化脂肪アルコール;その他のポリヒドロキシアルコールの脂肪エステル;ラノリンおよびその誘導体;カオリンおよびその誘導体;モノグラフが書かれた上述の薬品の何れか;またはこれらのエモリエントの混合物。
【0071】
本発明において有用なスキンケア組成物キャリヤー媒体の他の好ましい成分は、処理された製品内または製品上の所望する場所において、組成物(好適なエモリエントおよび/または他のスキンコンディショニング剤、治療剤、保護剤、および/または組成物中に存在するFMAを含む)を不動化できる薬品である。不動化剤は、主に組成物を塗布した製品の表面または領域にエモリエントを留めることによって、エモリエントが移動するかまたは流れる傾向を弱めることができる。これは、不動化剤によって組成物の融点および/または粘度がエモリエントのそれを上回ることが、原因の1つであると思われる。不動化剤は、好ましくはエモリエントに対して混和性である(または適切な乳化剤の助けによってエモリエント中に可溶性となるかもしくは分散される)ため、不動化剤によって、製品の着用者と接触する面の表面または不動化剤が塗布される領域に、エモリエントが捕えられる。
【0072】
また不動化(固定化)剤を、着用者に接触する面または不動化剤が塗布される製品の領域で、「固定(lock)」することが有利である。これは、製品へ塗布するとすぐに急速に硬化(すなわち凝固)する不動化剤を用いることによって行うことができる。加えて、処理された製品をブロワー、ファン、コールドロール等を用いて外部冷却することで、不動化剤の結晶化を促進できる。
【0073】
不動化剤は、エモリエントに対して混和性である(または可溶性である)ことに加えて、その融解プロファイルが周囲温度で固体または半固体である組成物が得られるものであることが好ましい。この点に関して、好ましい不動化剤の融点は少なくとも約35℃である。このことによって、不動化剤が、移動するかまたは流れる傾向を有することが防がれる。好ましい不動化剤の融点は、少なくとも約40℃、より典型的には約50℃ないし約150℃である。
【0074】
本発明で使用する好適な不動化剤は、スキンケア組成物の好ましい特性によって本明細書で述べた皮膚に対する利益が得られる限り、多くの薬品のうちのどれからでも選ぶことができる。好ましい不動化剤には、通常、以下のものからなる群から選択される要素が含まれる。C14−C22脂肪アルコール、C12−C22脂肪酸、およびC12−C22脂肪アルコールエトキシレート(平均のエトキシル化度が2ないし約30)、およびこれらの混合物。好ましい不動化剤には、C16−C18脂肪アルコール、好ましくはセチルアルコール、スエテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される高融点結晶材料(crystalline high melting materials)が含まれる。(これらの材料の直線構造によって、処理された吸収製品における凝固が促進される)。他の好ましい不動化剤には、C16−C18脂肪酸、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。さらに他の好ましい不動化剤には、C16−C18脂肪アルコールエトキシレート(平均のエトキシル化度が約5ないし約20)が含まれる。好ましくは、脂肪アルコール、脂肪酸および脂肪アルコールエトキシレートは直線である。重要なことだが、これらの好ましい不動化剤例えばC16−C18脂肪アルコールは、組成物の結晶化速度を増加させて、組成物を基材(substrate)上に急速に結晶化させる。不動化剤として用いる好適な成分のさらに他のタイプ(単独または上述の不動化剤との組み合わせの何れか)には、蝋例えばカルナウバ、臭蝋、蜜蝋、カンデリラ、パラフィン、セレシン、エスパルト、オウリクリ(ouricuri)、レゾワックス(rezowax)、イソパラフィン(isoparaffin)、および他の既知の採掘(mined)および鉱蝋が含まれる。
【0075】
糞便改質剤は、FMAを糞便に移すことによって直接糞便に付与してもよいし、またはFMAを糞便に移す前に着用者の皮膚または製品の他の要素に最初に移してもよい。キャリヤー媒体は、使い捨て製品と一体となっていてもよいし、または別個の製品を構成するかもしくはその製品の構成要素となっていて、おむつ、トレーニングパンツ、その他の製品よりも先にまたはその代わりに着用者(好ましくは、少なくとも肛門周囲の領域)に付与されてもよい。
【0076】
FMAをキャリヤー媒体に結合させる方法には、当該技術分野において知られるどんな方法も含まれ得る。例えば、粘着剤(特に水溶性粘着剤)、水素結合、放出可能なカプセル封入、噴霧、コーティングなどである。FMAを基材に水素結合することは、FMAまたは少なくとも一部の基材の何れかを水でわずかに濡らすことによって行うことができる。乾燥するとすぐに、FMAは基材に放出可能に付着する(すなわち、その後の液体水との接触によって結合が切れる)。この効果は、濡れたときに「ゲル化」して粘着性になるFMA(例えば、CMC、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、および誘導体など)に対して強まる。濡らすことは、FMA、基材、または両方を、接触前または接触時に、高湿度の環境(例えば、80%RH以上)にさらすことによって行うことができる。その代わりに、水分を薬品または基材の何れかの少なくとも一部にスプレー、ミスト化、またはアトマイズ(噴霧)することを、それらが接触する前または接触時に行ってもよい。このような場合、構造は、製品に取り入れる前に乾燥していることが好ましい。
【0077】
FMAと糞便との接触は、製品の表面またはその付近であってもよいし(例えば、トップシート/糞便の境界面)、製品内であってもよいし(後述する排泄物処理部材120内でのように)、または糞便の塊の身体側表面であってもよい(すなわち、FMAを製品の平面上方の皮膚または他の表面に、最初に移しておく)。典型的に、FMAと糞便との接触は、着用者の肛門に関係付けられた製品の領域(例えば、おむつの場合のクロッチ領域)で起こる。その代わりに、糞便とFMAとの接触は、FMAが着用者の肛門またはその付近でオリフィス、フランジ、バルブなどを通過したときに起こるものでもよい。このような場合、FMAは、糞便が身体から押し出されるときに糞便が通過する圧力によって、オリフィスまたはバルブから(例えば容器から)放出されるかまたは引き出されてもよい。オリフィスには、身体からの糞便の出口場所に近接して配置されるFMAまたはFMA含有組成物を備えるシート、エンベロープ、パケットその他の構造における、スリット、スロット、または穿孔が含まれ得る。オリフィスは、糞便との接触によって溶解して薬品または組成物を放出する可溶性フィルムによって、最初にシールされていてもよい。その代わりに、オリフィスは、糞便の通過または圧力によって構造が変形したときに開口してもよい。身体の圧力および動きだけでなく、糞便の圧力によって、FMAがオリフィスを通過して糞便に放出されることが助けられてもよい。
【0078】
他の好ましい態様においては、FMAを、ガスケット例えばレッグカフス、ウエスト領域バリアー、ウエスト領域バンド、ウエスト領域ポケットと、または糞便スペーシング要素と関係付けてもよい。FMAをガスケッティング要素例えばレッグカフス、ウエスト領域バリアー、またはウエスト領域ポケットと関係付ける態様においては、FMAを、着用者からの排泄物の出口場所(例えば、糞便用の肛門)の最も近くに配置したガスケットの一部と関係付けるのが好ましい。ある好ましい態様においては、ガスケットと接触する糞便の処理を促進するために、FMAをガスケット表面に放出可能に付着させる。FMAをガスケット表面に放出可能に付着させることは、上述した何れかの手段、または当該技術分野において知られる他の何れかの手段によって行うことができる。他の態様においては、ガスケット表面の少なくとも一部においてまたはその付近で、FMAを放出可能にカプセル封入する。糞便スペーシング(feces spacing)要素を備える態様においては、スペーシング要素のどの部分も1または複数のFMAを備えていてもよい。スペーシング要素は、上述したように薬品によって放出可能に覆われていても良く、または(上述したように)水または糞便に可溶するフィルムによって少なくともある程度被覆された、薬品のセル、パケット、またはポーチを備えていてもよい。
【0079】
FMAを付与することは、消極的であってもよいし(例えば、普通の着用状態の間に、糞便が流れてFMAと接触する)、積極的であってもよいし(例えば、製品内の要素が、あるきっかけに応じてFMAを糞便に付与または放出する)、または二次的なキャリヤーを介してもよい(例えば、パウダーその他のスキンケア組成物を着用者の皮膚に最初に移す)。糞便へFMAを付与することは、糞便の押し出し圧力、重量、温度、酵素活性、水分含有量、および/またはpH、尿の存在(例えば、排便に応じてまたは排便の前に、尿がトリガーとなって薬品が放出される)、身体の動き、圧力、もしくは熱、または製品の着用サイクルの間の他の何らかのトリガーもしくは事象の結果、起こってもよい。
【0080】
FMAを、最初に製品または製品の何れかの部分の内部またはその表面に蓄えておき、その後に、本明細書で説明する何れかのトリガー事象によって放出してもよい。ある好ましい態様においては、FMAを放出可能にカプセル封入することをフィルムの下でまたはセル、パケット、エンベロープなどにおいて行って、製品に糞便が付与される前に薬品が移動および/または損失することを防ぎ、および/または使用中に糞便と接触するようにFMAを位置決めする。フィルム被覆、セル、パケット、その他の薬品用の「容器」は、少なくとも糞便と接触する容器の表面領域を覆う水溶性フィルムを備えていてもよい。尿、糞便からの水分、または糞便の他の部分がフィルムを溶解して薬品を放出し(すなわちトリガーによる放出)、糞便と接触させて処理する。本発明で有用な水溶性フィルムの例は、MONOSOL M703lとしてChris Craft Industrial products(South Holland、イリノイ)から販売されるか、またはHL1636としてH. B. Fuller社(St. Paul、ミネソタ)から販売されるポリビニルアルコールフィルムである。その代わりに、フィルムは、ある糞便酵素(トリプシンのような)の存在下においてのみまたは一定のpH範囲においてのみ、可溶性であってもよい。
【0081】
薬品の放出を急速に行って(例えば、尿または糞便の水分とガス放出性組成物との接触によって起こる爆発性ガス放出を用いる)、糞便を薬品で取り囲むかまたは覆ってもよい。ガス放出性組成物には、水と混合するかまたは水中で一緒にしたときにガスを放出する、粒子、小球などの1または複数の基材が含まれ得る(例えば、重炭酸ナトリウム、または重炭酸ナトリウムとクエン酸)。粒子は、水溶性の母体(例えばPVA)中に埋め込んでもよい。FMAを、フィルムの排泄物接触面の上に配置または付着させてもよいし、ガス放出性組成物と糞便接触面との間の水溶性フィルムに埋め込んでもよい。その結果、例えば、糞便中に存在する水分が水溶性フィルムを溶解したときに、ガス放出性組成物が活性化されて(すなわち、成分が水分と混合する)、ガスが急速に放出され、FMAと糞便との混合が押し進められる。粒子には、水分と混合すると急速に炭酸ガスを放出するクエン酸および重炭酸ナトリウムのような組み合わせが含まれ得る。その代わりに、ガス放出性組成物には、圧縮ガスおよびFMAを含む水溶性カプセルが含まれ得る。カプセルと接触する糞便からの水分は、フィルムを溶解してガスを爆発的に放出させ、再び、糞便への薬品の混合/埋め込みを押し進める働きをすることができる。他の組成物およびガス発生(evolving)または放出(releasing)システムも意図されており、この発明の範囲に含まれる。
【0082】
本発明の製品のある好ましい態様において、糞便改質剤は、応答システムにより、糞便、または他の排泄物、キャリヤー構造または着用者の皮膚に供給されるか、糞便のまたは他の排泄物の少なくとも一部と混合され得る。ここで使用される「応答システム」は、一般に、少なくとも1つのセンサー60と蓄積・貯蔵されたエネルギーを含む少なくとも1つのアクチュエーター70を備える。この文脈において、アクチュエーター70は、センサー60による標的入力信号の検出の際に、糞便改質剤の排泄物、キャリヤ構造または皮膚への配給もしくは輸送、または糞便改質剤の排泄物との混合を実行する。あるいは、応答システムは、糞便改質剤を含むキャリヤ構造(例えば、ウエブ、ブラシ構造またはここに記述した他のキャリヤ構造)または他の要素を排泄物または着用者の皮膚と接触させるかその近傍に置いて糞便改質剤の身体排泄物(例えば、糞便)との最終的な接触を促進するように移動させるように機能し得る。例えば、応答システムは、糞便改質剤(例えば、ブラシ要素と水素結合している)を含むブラシ構造を糞便塊中に貫通させて、糞便改質要素と糞便との混合を促進させ得る。
【0083】
1つの好ましい態様は、図4に示すように、水溶性ポリビニルアルコールフィルム下に圧縮状態に保持された成形圧縮ミクロ多孔質フォーム68を備える。フォーム68は、さらにFMA75を含む。糞便水との接触により、PVAフィルムの少なくとも一部の溶解が生じ、フォーム68に貯蔵された機械エネルギーの放出をもたらすとともに、FMAの糞便塊に向かうかその中への機械的輸送が生じる。ある態様において、混合は、ここに記述した製品中の機構(例えば、応答システム)、着用者の体重および/または動きからの機械的作用、および/または排便作用中またはその後の糞便の流れを介して生じ得、糞便塊のより大きな部分の処理を促進する。他の応答システムが、1998年6月29日にローらの名義で出願された「不連続応答システムを有する使い捨て製品」と題する同時係属米国出願シリアル番号09/106,424(P&Gケース7197)に詳しく説明されており、これを参照によりここに含めておく。
【0084】
本出願において使用される「センサー」は、事象(event)または事象に関連するパラメータを検出し得るデバイスをいう。事象に関連するパラメータは、当該システムの関係付けの枠(座標系)内における事象の発生と相関するいずれかの測定可能な信号(すなわち、排泄物、着用者、またはその成分により引き起こされる信号)である。センサーは、1またはそれ以上の入力に応答するものを含む。本発明のセンサーにより検出され得る入力の例には、姿勢(attitude)、圧力、動き、水分、酵素、バクテリア、pH、導電率、抵抗、静電容量、インダクタンス、または身体排泄物の他の化学的、生化学的、生物学的、機械的もしくは電気的性質およびまたは成分を含むが、これらの限定されるものではない。好ましくは、センサーは、排泄物、着用者またはその成分により引き起こされる入力を検出する代わりにセンサーを始動させる環境的条件の可能性を最小化することにより誤応答の数を最小化させるために、非熱的もしくは非相対湿度入力のような「非環境的」入力を検出する。1つの態様において、センサーは、着用者の体温に近くない温度を検出し得る。これにより、温度センサーの使用を可能とするが、なお着用者の体温が所望の入力の代わりにセンサーを始動させる可能性を最小化される。電気的または生物学的センサーは、例えば、排泄物の成分を検出することにより、排便、放尿または月経排出のような身体排泄物事象の除去を検出し得る。センサーは、1またはそれ以上の事象または事象に関連する1またはそれ以上のパラメータを検出し、アクチュエーターまたはコントローラーに入力を与え得る。さらに、本発明のセンサーは、また、可逆的もしくは不可逆的なものであり得る。溶解するフィルムまたはカプセルは、不可逆的センサーの一例であり、着用者の筋肉における電気的活動を検出する電気センサーは多重連続入力信号を受け取り得る(すなわち、可逆的である)。
【0085】
上に述べたように、本発明のセンサー60は、特定の入力に応答するものを含み得る。例えば、本発明のセンサー60は、化学的、機械的、電気的等であり得る。化学的センサーは、身体排泄物中に典型的に存在する酵素、pH、水のような化学的および/または生化学的入力、バクテリア、血液または糞便、尿、月経等の身体排泄物の1またはそれ以上の成分のような生物学的入力に応答し得る。化学的センサーは、検出手段として化学反応を使用し得、または対象の入力物に可溶の物質の溶解を含み得る。化学的または生物学的センサーの例には、特定の化学的、生化学的もしくは生物学的入力に、または特定のクラスの化学的、生化学的もしくは生物学的入力に応答して溶解または破裂する溶解もしくは破裂性フィルム、カプセル、セル、シール等が含まれる。機械的センサーは、また、動き、姿勢、圧力等に応答し得る。機械的センサーの一例は、乳児が当該センサー上に座ったときにその体重がベローを押し下げてセンサーの一部を膨張させるベロータイプのものである。機械的センサーは、また、予め規定された印加圧力の下で破壊または分離するセンサーまたは該センサーの一部を含み得る。電気的センサーは、また、水分、尿、糞便、月経、圧力、抵抗、静電容量、インダクタンス等に応答するために使用し得る。電気的センサーは、例えば、尿や糞便のような導電性入力が電気回路を完成させるセンサー、圧力や張力のような入力が電気接触を閉じて回路を完成するセンサー、着用者または着用者の一部(例えば、動きまたは筋肉の活動状態から)により誘起された圧力を介して信号を発生する圧電センサー、抵抗、静電容量またはインダクタンスがセンサーが応答する入力の存在下で変化するセンサー、または接触により着用者の身体から(例えば、皮下筋肉から)電気信号を受け取る、皮膚接触センサーのようなセンサーを含み得る。熱的センサーは、また、温度変化を検出するために使用し得る。場合により、センサーは、当該分野で知られているバイオセンサー(例えば、酵素センサー、オーガネラ(organella)センサー、組織センサー、微生物センサーまたは電気化学的センサー)であり得る。センサーは、1987年1月13日にケイジ・オガワらに発行された「トイレット装置」と題する米国特許第4,636,474号に記載されているような、蛋白、糖、バイル(bile)成分等を検出するように適合され得る。バイオセンサーは、バイオ認識システム、典型的には、物理化学的トランスデューサーの表面上に固定された抗体のような酵素もしくは結合蛋白を含み得る。バイオセンサーは、アンモニアやフェノールのような身体排泄物の成分を検出し得る(例えば、酵素電極を備えるバイオセンサーにより)。バクテリア株に拮抗する抗体を用いたバイオセンサーにより特定のバクテリア株を検出することができる。(例えば、尿や糞便中の)フェノールを検出するために使用し得る例示的酵素電極には、1997年10月14日にジョセフ・ワンらに発行された「遠隔電気化学的センサー」と題する米国特許第5,676,820号および1992年2月25日にアンソニーP.F.ターナーらに発行された「有機溶媒中で用いるための酵素電極」と題する米国特許第5,091,299号にそれぞれ記載されているチロシナーゼ系電極、またはポリフェノールオキシダーゼ酵素電極が含まれる。
【0086】
場合により、センサー60は、排便、放尿または他の身体排泄物の排出のような差し迫った事象の発生に直接関係するか、最低でもそれに相関するところの、着用者の身体内または上、製品内または排泄物内の変化または信号を検出し得る「プロアクティブセンサー(proactive sensor)」であり得る。例えばプロアクティブセンサーは、排便、放尿または排泄のような差し迫った事象またはそのような事象に相関するパラメータを検出し得る。差し迫った事象は、身体排泄物、着用者、製品またはその1成分または複数成分に関係付けられ得る。事象に相関するパラメータは、当該システムの関係付けの枠(座標系)内における事象の発生と相関するいずれかの測定可能な入力信号(すなわち、排泄物または着用者により引き起こされる信号)である。プロアクティブセンサーは、例えば、排便、放尿または身体排泄物の排出の発生を予報し得るか、または皮膚発疹(skin rash)もしくは刺激に先立つ信号を検出し得る。製品中のプロアクティブセンサーは、事象を予報するために多くの異なる入力を測定し得る。例えば、プロアクティブセンサーは、糞便および/または尿の放出に先立つ肛門括約筋の弛緩について外部肛門括約筋を、尻の開離を、腹部の圧力変化を、製品中のガス濃度を、または排便、放尿または身体排泄物の放出のような事象の発生を予報もしくは予期するために使用し得るいずれか他の指標をモニターし得る。あるいは、本発明のプロアクティブセンサーは、皮膚刺激に先立つ信号を検出し得る。例えば、センサーは、時間がたつと皮膚刺激に至り得る着用者の皮膚の残存糞便汚染(例えば、汚れたおむつをきれいにした後に残った糞便酵素残渣)を検出し得る。高pH、コンダクタンスにおける測定可能な増加をもたらす増加した皮膚水和(skin hydration)または皮膚のインピーダンスの減少の検出は、また、潜在的な皮膚刺激を予報するために使用することができる。プロアクティブセンサーのさらなる態様は、1998年6月29日に出願された「プロアクティブセンサーを有する使い捨て製品」と題する同時係属米国出願シリアル番号09/107,561に記載されており、これを参照によりここに含めておく。
【0087】
センサー60は、当該センサーが検出すべく設計されている入力にさらされる使い捨て製品のいずれかの部分内に配置され、および/またはそれに操作的に結合され得る。本発明の目的のために、用語「操作的に結合(接続)」は、センサー60が入力を検出するときセンサー60が製品20のある部分に信号し得るような連絡(通信)(communication)の手段をいう。センサー60は、センサー60の他の部分、他のセンサー60、アクチュエーター70、コントローラー80または製品20の他の部分もしくは成分から分離し、それに操作的に接続され得る。「操作的に結合(接続)」は、例えば、導電性ワイヤまたは部材による、ラジオ周波、赤外もしくは他の伝送周波通信のような伝送された信号による電気的接続のような連絡の手段を含む。あるいは、センサー60は、空気的または流体的接続のような機械的接続により操作的に接続され得る。
【0088】
例えば、製品20において、センサー60は、製品20の前面ウエスト領域36、背面ウエスト領域38、またはクロッチ領域37に配置され得、シャーシ22、トップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフス32、腰部部材34、締結システム40、長手方向エッジ50またはエンド側エッジ52等の一部と一体であり、それに隣接配置され、またはそれに接続され得る。センサー60は、製品20と一体であるか、または介護者または着用者により取り付けることができる。センサー60は、製品20のような製品内に完全に取り込まれるか、またはセンサーが所望の入力と接触するように製品内に配置された受信部分と製品内または製品外に配置された伝送部分のような他の部分を有し得る。センサー60は、製品20の外部にあってもなお、センサー60が製品20に対して外部の入力を検出し、信号をコントローラー80および/またはアクチュエーター70に与え得るように製品のある部分に操作的に接続され得る。いくつかの態様において、センサーは、製品とは分離している、例えば着用者のある部分に別に適用されるか、および/または製品とは分離した1またはそれ以上の成分を有し得る。
【0089】
センサー60は、さらに、それぞれが、同じまたは異なる源からの同じまたは異なる信号を検出し得る2つまたはそれ以上のセンサーを含む感知「システム」を備えることができる。この感知システムは、製品の内部、外部またはそれと分離して配置される成分を含むことができる。例えば、感知システムは、着用者の外部肛門括約筋における電気信号を検出する製品内部のセンサーと、着用者の腹部の動き、張力または筋肉活動を検出する製品外部のセンサーを含むことができる。感知システムは、また、または代わりに、感知要素以外の成分を製品内部、製品外部および/または製品から分離して含むことができる。感知システムは、例えば、製品外部にあり、信号を製品20に接続またはその中に配置された感知システムの他の部分に伝送するトランスミッタを含むことができる。
【0090】
製品20は、好ましくは、少なくとも1つのアクチュエーター70も含む。本出願に使用されている用語「アクチュエーター」は、「ポテンシャル」とこのポテンシャルを変換して「応答機能」を達成または活性化させる手段を含むデバイスをいう。アクチュエーター70のポテンシャルは、貯蔵(蓄積)されたエネルギーもしくは潜在エネルギー(potential energy)または蓄積された物質を含み得る。かくして、アクチュエーター70は、潜在エネルギーを運動エネルギーに変換することにより、または蓄積された物質を放出または配送することにより応答機能を達しするか活性化させ得る。「応答機能」は、本出願の目的では、身体排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に対して達成される機能として定義される。本発明の目的のために、ある機能は、その機能が感知された要素に対して達成され(例えば糞便と糞便に対する作用を感知し)、またはその機能が感知された要素が一体的な成分であるところの組成に対して達成される(例えば糞便酵素または糞便水分と糞便に対する作用を感知する)ならば、入力に対して達成されるとみなされる。しかしながら、ある事象が生じたことを指示する信号を単に提供するデバイスは、本出願の目的で定義された「アクチュエーター」とはみなされない。身体排泄物の成分には、例えば、水分、電解質、酵素、揮発性ガス、バクテリア、血液等が含まれ得る。着用者の成分には、また、皮膚、生殖器、肛門、肛門括約筋等が含まれ得る。製品の成分には、また、レッグカフス、腰部カフスまたは他の排泄物バリヤーおよび/または収容成分、サイドパネル、耳部、シャーシ、吸収性コア、獲得部材、締結システム、長手方向およびエンド側エッジ等が含まれ得る。潜在エネルギーは、機械的、電気的、化学的または熱的エネルギーとして貯蔵され得る。本出願に用いられる「運動エネルギー」は、仕事をするまたは上記応答機能または応答機能の組み合わせを達成するキャパシティーをいう(例えば、圧縮されたデバイスの膨張、撚られたデバイスの回転、相を変えながら動くゲル、皮膚または糞便の(例えば、糞便改質剤による)塗布または処理、酵素の阻害、pHの調節等またはその組み合わせ)。
【0091】
三次元構造の創出を促して排泄物を糞便改質剤で処理するか、排泄物を捕捉することは、例えば、製品の成分に対して、究極的には排泄物に対して達成される応答機能を含む。例えば、排泄物を処理すること(すなわち、それに糞便改質剤を配給し、またはそれと混合する)、排泄物を捕捉すること、着用者の皮膚を拭うこと、または皮膚をスキンケア組成物で処理することは、排泄物および/または着用者に対して達成される応答機能である。製品の(一次元、二次元または三次元における)形状または物性(例えば、曲げ弾性係数、結合構造等)を調節することは、製品に対して達成され得る応答機能の例である。使い捨て製品のアクチュエーターは、例えば、糞便改質剤、脱臭剤、酵素阻害剤、スキンケア組成物またはpH制御剤を放出、配給および/または混合し;身体排泄物を捕捉し、拭い、覆い、トラップし、固定化し、シールし、搬送しまたは貯蔵し;またはこれら機能または排泄物、着用者、製品またはその成分に対する他のいずれかの応答気のいうの1またはそれ以上を達成するように設計された構造または要素の放出または創出を促し得る。
【0092】
当該システム中の潜在エネルギーの放出(解放)の結果として生じるいずれかの機械的作用は、糞便改質剤を糞便または他の排泄物、キャリヤー構造または着用者の皮膚に送るために、または糞便改質剤を糞便その他の排泄物の少なくとも一部と混合させるために使用することができる。
【0093】
アクチュエーター70は、閾値レベルの入力により始動されて潜在エネルギーを放出して応答機能を達成し得るか、以下記述するように入力に対して連続的に応答し得る。例えば、圧縮されたフォーム(発泡体)は、圧縮性機械的潜在エネルギーを蓄積しており、それが解放されるときに機械的な運動エネルギーを提供し得る。捩じられたフォームは、歪性機械的潜在エネルギーを蓄積しており、これはそれが解放されるときに機械的な運動エネルギーすなわち回転を提供し得る。加えて、蓄積された化学的、電気的または熱的エネルギーは、電気的、機械的、化学的または熱的運動エネルギーを放出するために使用することができる。例えば使い捨て製品のアクチュエーターは、以下の1またはそれ以上を含み得る:貯蔵された糞便改質剤、ローション、酵素阻害剤、pHバッファ、染料、加圧ガス、捩じられたフォーム、ポンプ、閉鎖系液体輸送部材、電気感受性ゲル、pH感受性ゲル、塩濃度ゲル(salt concentration gel)等。
【0094】
潜在エネルギーは、それが必要となるまで、それを維持/拘束するに十分な様態で貯蔵することができる。その例を挙げると、電池、および/またはキャパシター、未反応試薬の形態にある、弾性的、歪的、圧縮的に応力がかけられた物質または構造、および物理的または化学的機能を達成し得る物質(例えば、吸収剤、エモリエント、pHバッファ、酵素阻害剤、糞便改質剤、圧縮ガス等)である。
【0095】
代替態様において、センサーおよび/またはアクチュエーターは、閉鎖系液体輸送部材を含み得る。「閉鎖系液体輸送部材」または「輸送部材」は、入口ポートと出口ポートを有し、入口ポートで少量でも液体を受けると、実際上直ぐに出口ポートで液体を放出する液体充填部材を含む。出口ポートから放出される液体は、センサーに対する入力信号として作用し得る。例えば、液体は、入口ポートで輸送部材が尿を吸収するときに放出され、シールを溶解して貯蔵された機械的エネルギーを解放して糞便空間を作る水であり得る。あるいは、輸送部材は、それ自体アクチュエーターを始動させ(例えば、剤と混合して化学反応を達成する)、あるいはアクチュエーター機能の少なくとも一部を達成し得る(例えば、放出された水は、特定の幾何学形状に配置され、膨潤し糞便ボイドボリュームを形成する超吸収ポリマーにより吸収される)。そのような輸送部材を通る液体輸送は、毛細管現象よりも直接的な吸引に基づく。液体は、有意な量の空気(または他のガス)が入り得ない領域を通って輸送される。液体がそのような部材を通って流れるための駆動力は、液体シンク(例えば、毛細管または浸透性吸収構造)または該部材と液体接続する源により生じ得る。かくして、液体輸送部材は、比較的高い液体透過性を持たなければならない。
【0096】
輸送部材内には、異なる気孔サイズを有する少なくとも2つの領域、すなわちより小さな気孔を有する1またはそれ以上のポート領域と一層大きな気孔サイズを有する内部領域が存在する。輸送部材の内部領域は、ポート領域の透過性と比較して相対的に高い透過性を有し(より高い液体透過性は、より少ない流れ抵抗を提供する)、これは、内部/バルク領域を取り囲む外部/壁領域の部分であり得る。内部領域としての使用に好適な高多孔質物質の非限定的例は、ポリオレフィン、PET、セルロース、およびセルロース系繊維を含む繊維質構造、並びに網状フォーム、セルローススポンジ、ポリウレタンフォーム、およびHIPEフォームのような開放セルフォームを含む。1つの態様において、内部領域のボイドは、本質的に非圧縮性の流体で本質的に完全に満たされている。用語「本質的に完全に」は、入口ポートと出口ポートの間に連続流れ経路が確立されるように内部領域の十分なボイドボリュームが液体で満たされている状況をいう。
【0097】
輸送部材のポート領域は、それらが輸送液体でぬれたときに、輸送液体には透過性であるが、周囲気体(空気のような)には透過性でない物質を含む。しばしば、そのような物質は、液体、ガスまたは液体またはガス中の粒子の懸濁物について透過性である領域として定義される膜として記述される。膜は、例えば、毛細管現象により液体透過性を提供するミクロ多孔質領域を含み得る。他の態様において、膜は、液体が拡散により輸送されるブロック共重合体を含むモノリシック領域を含む。ポート領域のための例示的膜は、1992年4月28日にホワイトに発行された「吸収製品のための膜」と題する米国特許第5,108,383号に開示されているようなセルロースアセテート膜、EP−A−0451797に開示されているようなPETフィルム、ニトロセルロース膜、硝酸セルロース膜、PTFE膜、ポリアミド膜、およびポリエステルを含む。他の好適な膜は、ドイツ国ゲルデルン−バルドベックのフェアザイタークまたはスイス国リュッシュリコンのSEFARから入手可能なもののようなポリアミドまたはポリエチレンメッシュのような編織ポリマーメッシュである。
【0098】
あるいは、アクチュエーター70は、電気的に感受性のゲルを含み得る。電気的に感受性のゲルは、水により少なくとも部分的に膨潤したとき、電流または電界の印加の下で体積および/または幾何学形状を変えるポリマーゲルネットワークである。例えば、ある種の部分的にイオン化したポリアクリルアミドゲルは、アセトンおよび水に浸漬したとき、弱い電界(例えば、0.5ボルト/cm)の下で約50%の異方性収縮を行う。他の電気感受性ゲルは、水および界面活性剤の存在下で電気的に誘導された曲げを受け得、または振動する電界に供されたとき、振動する波動を受け得る。電界内で正荷電界面活性剤分子を負荷電ゲルポリマーに集中させることにより、ゲルの一部、例えばゲル要素の1つの側部において局部的収縮が誘起されるものと信じられる。電界の強さおよび/または極性を変えることは、1つの側部が長さにおいて減少するのでゲル中に動きを誘起させる(例えば、ストリップ状に形成されたゲルはカールし得る)。電気感受性ゲルは、それらが体積および/または幾何学形状を変化させるにつれて、物質を放出するための弁を提供するため、身体排泄物を流通させるため、身体排泄物が流入することを防止するため、身体排泄物を包封するために、矩形、円形、網状グリッド等のパターンのような種々の幾何学形状を含み得る。例えばストリップ状に形成された電気感受性ゲルは、糞便水分が検出されたとき、曲がって糞便を輸送させることができる。例えば図7Aおよび図7Bにおいて、電気感受性ゲルのストリップが、糞便が接点485を橋架け、電気感受性ゲルに電流を流し試験リップを曲げるか、真っ直ぐにするところの回路内に示されている。あるいは、図8A、8Bおよび8Cに示されているように、網状グリッドパターンに形成された電気感受性ゲルは、尿が検出されたときに膨潤または収縮するように電気的に誘起されて、製品20の他の部分への尿の流れを可能とするかおよび/または防止する弁を形成し得る。例えば図8Aは、電気感受性ゲルの網状グリッドパターンを含む回路を示す。図8Bおよび8Cは、さらに、それぞれ収縮形態および膨潤状態にあるグリッドの顕微鏡的図である。例示的な物質は、弱く架橋されたPAMPゲル(ポリ(アクリルアミド−2−メチルプロパン)スルホン酸)である。このタイプのゲルは、糞便のためのボイド空間の創出、皮膚のぬぐい、科学的糞便改質剤の適用または配送、または物質を放出させる弁として機能する等種々の機能を達成し得る。他の例示的電気感受性ゲルは、1990年3月31日にタナカに発行された米国特許第5,100,933号およびWO9202005に開示されている。あるいは、それぞれ特定のpHまたは塩濃度で体積および/または幾何学形状を変化させるpH感受性ゲルまたは塩濃度感受性ゲルを本発明のアクチュエーターとして使用することができる。
【0099】
アクチュエーター70は、アクチュエーターを身体排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に対して応答機能を達成させる使い捨て製品のいずれかの部分内に配置されるかおよび/または該部分に操作的に接続され得る。例えば製品20において、アクチュエーター70は、製品20の前面ウエスト領域36、背面ウエスト領域38またはクロッチ領域37に配置され得、シャーシ22、トップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフス32、ウエスト部材34、ウエスト部材34、締結システム40、長手方向エッジ50またはエンド側エッジ52等の成分と一体に、それに隣接配置、またはそれと接続され得る。アクチュエーター70は、また、製品20のような製品内に完全に収容され得、製品内に配置された部分または製品の外側に配置された部分を有し得、または製品20に対して完全に外部であり得る。アクチュエーター70またはアクチュエーター70の一部は、1またはそれ以上のセンサー60、1またはそれ以上のコントローラー80、アクチュエーター70の他の部分または製品20の他の部分に操作的に接続され得る。さらに、アクチュエーター70は、製品20と一体であるか、または介護者または着用者により組み込まれ得る。
【0100】
製品20は、また、コントローラー80を含み得る。「コントローラー」は、本出願の目的で、センサーからの入力を受け、1またはそれ以上のアクションを取るべきか否かを決定するデバイスと定義される。コントローラーは、センサー60から信号を受け取り、アクチュエーター70が身体排泄物、着用者、製品またはその成分に対して機能を果たすように指示する。あるいは、アクチュエーター70は、センサー60から信号を直接受け取り、着用者、排泄物、製品またはそれらの成分に対して応答機能を達成し得る。コントローラーは、化学的または物理的変化を行う物質を含み得、センサー等からの情報を処理する化学的、機械的または電気的デバイスであり得る。例えば、水分可溶性バッグにより真空下で包封または圧迫された圧縮プラスチックフォームを有する製品において、センサー60は、その水分可溶性バッグを含み得る。フィルムが溶解する前にどの程度の入力が存在しなければならないかを決定するそのフィルムの物理的および化学的特性、すなわちポリマーの種類、厚さ等は、コントローラー80として作用し、コントローラー80がアクチュエーター70に貯蔵エネルギーを放出させて応答機能を達成させるようにする前に満足しなければならない入力の閾値レベルを決定する。アクチュエーター70は、圧縮フォームと圧縮フォームの貯蔵された機械エネルギーの放出を可能とさせる真空の損失との組み合わせである。この例において、コントローラー80は、一回限りスイッチとして作用する。しかしながら、着用者の筋肉の電気的活動のようなセンサー60からの信号を受け取る電気的コントローラー80は、多重電気信号を受け取り、アクチュエーターを繰り返し始動させ得る。コントローラーは、センサー成分と一体的、アクチュエーター成分と一体的、または当該システムの別成分であり得る。
【0101】
コントローラー80は、コントローラー80がセンサー60から信号を受け取り、アクチュエーター70に信号を提供するようにさせる使い捨て製品のいずれかの部分内に配置されおよび/またはそれと操作的に接続され得る。例えば製品20において、コントローラー80は、製品20の前面ウエスト領域36、背面ウエスト領域38またはクロッチ領域37に配置され得、シャーシ22、またはトップシート24、バックシート26、吸収性コア28、サイドパネル30、レッグカフス32、ウエスト部材34、ウエスト部材34、締結システム40、長手方向エッジ50またはエンド側エッジ52等の成分と一体に、それに隣接配置、またはそれと接続され得る。コントローラー80は、製品20と一体であるか、または介護者または着用者により組み込まれ得る。コントローラー80は、製品20のような製品内に完全に収容され得、製品内に配置された部分または製品の外側に配置された部分を有し得、または製品20に対して完全に外部であり得る。コントローラー80またはコントローラー80の一部は、1またはそれ以上のセンサー60、1またはそれ以上のアクチュエーター70、コントローラー80の他の部分または製品20の他の部分に操作的に接続され得る。例えばコントローラー80は、センサー60から信号を受け取り、例えばラジオ周波(rf)伝送により信号をアクチュエーター70に提供し得る。
【0102】
個別の構造要素がセンサー60、アクチュエーター70およびコントローラー80の機能を達成し得るが、本発明のセンサー60、アクチュエーター70および/またはコントローラー80の機能は、これら個別の構造要素により達成される必要はない。例えば、センサー60およびコントローラー80の機能は、身体排泄物と接触して溶解するフィルムのような同じ構造要素により達成され得る。この例において、フィルムは、センサーとして作用し、身体排泄物の入力成分に応答する。フィルムが溶解する前にどの程度の入力が存在しなければならないかを決定するそのフィルムの物理的および化学的特性、すなわちポリマーの種類、厚さ等は、コントローラーとして作用し、コントローラーがアクチュエーターに貯蔵エネルギーを放出させて応答機能を達成させるようにする前に満足しなければならない入力の閾値レベルを決定する。
【0103】
本発明の製品20は、好ましくは、フィードバックコントロールループを有するか有しない不連続応答システムを含む。しかしながら、その代わりに、応答システムは、フィードバックコントロールループを有する連続応答システムを含み得る。例えば、吸収製品は、製品が着用者により汚されたときに身体排泄物に対して作用する応答システムを含み得る。「応答システム」は、本出願の目的で、センサー60が適切な始動(trigger)入力を検出したときに身体排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に作用するセンサー60およびアクチュエーター70を含むシステムと定義される。所定の入力パラメータを感知すると、アクチュエーター70は貯蔵エネルギーまたは物質の放出を実行させて応答機能を達成する、すなわち身体排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に対して作用する。
【0104】
本発明の応答システムは、「連続」または「不連続」方式のいずれかで応答し得る。本出願に使用する「連続応答システム」は、出力が、入力に定量的に依存する、すなわち連続的に増加する量の出力を実行するために連続的に増加する量の入力が必要とされる、すなわち応答システムの出力が貯蔵物質の受動性放出(passive release)を含む、応答システムをいう。例えば製品の吸収性コア内に置かれた超吸収性ポリマーは、出力が入力の量に定量的に依存する連続応答を提供する。すなわち、増加する量の液体排泄物が超吸収性ポリマーと接触するとき、増加する量のポリマーがその液体をポリマーの能力が消耗されるまで収容する。化学量論的化学反応は、増加する出力に対して連続応答を有するシステムの他の例である。例えばA+過剰のB→Cという反応において、Cに変換される過剰Bの量は、化学量論的に、従って「連続的」に、当該系に利用し得るAの量と関係する。しかしながら、貯蔵物質を受動的に放出する応答システムは、一般に、当該物質自体がいかにして放出されるかにかかわらず、連続応答を提供する。それは、身体排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に対して達成される実際の応答機能は、当該物質の放出によるのではなく、当該物質により達成されるからである。かくして、物質が、所定の入力に応答して連続的に放出されるか、あるいは所定の入力が検出されたとき一回で不連続に放出されるかどうかは、放出された物質により達成される応答機能は、連続的に増加する量の入力が放出された当該物質が消耗されるまで連続的に増加する量の出力を実行するために必要とされるように達成される。
【0105】
しかしながら、「不連続」応答システムは、閾値レベルを超える入力の量とは本質的に独立している出力を有する応答システムをいう。例えば、所定の入力の1またはそれ以上の閾値レベルが満たされたとき、応答システムは、その蓄積したエネルギーのすべてまたは予め指定された一部を放出して特定の応答機能を達成し得る。本発明の理想的な態様において、出力機能は、図9Aに示すような「段階」機能を含む。この態様において、増加するレベルの入力に対する出力変化の割合(d(出力)/d(入力))、すなわち、出力関数f(X)の傾きまたは第1導関数f’(x)は、入力の量が閾値レベルを超えるか下回るときに、好ましくは本質的にゼロである。しかし、閾値レベルにおいて、変化の割合(d(出力)/d(入力))は、好ましくは、無限大に近づく。かくして、理想的な不連続応答において、ε→0のときの関数f(x−ε)の極限は、ε→0のときの関数f(x−ε)の極限に等しくない、すなわち、limf(x−ε)≠limf(x−ε)である。
【0106】
ε→0 ε→0。
【0107】
しかしながら、本発明は、物理世界において、閾値レベルでの理想的な瞬時の段階変化は必要でなく、多くの場合において可能ですらないことを認識している。好ましい態様においては、出力機能が閾値レベルの入力レベルでまたはその付近での非常に小さい入力変化で事実上の段階変化を有することだけが必要とされる。かくして、本発明は、出力機能が遷移領域における急峻さの少なくとも最少相対程度(minimum relative degree of steepness)を有するように十分に不連続な方式で遷移領域において応答する出力機能を有する本発明の不連続応答システムを企図している。不連続システムを記述しまたはモデル化する特定の方法に制限されることを望むものではないが、所定の出力機能が本発明の目的のために定義した通りに十分に不連続的な方式で作用するかを決定する好ましい方法においては、変曲点における出力曲線の傾きが、遷移領域の最初と最後の点の間の線の傾きと比較される。例えば、図10Aは、例示的出力関数f(x)のグラフを該例示的出力関数の第1導関数f’(x)、第2導関数F”(x)および第3導関数f”’(x)の整列させたグラフトともに示す。出力関数f(x)は、出力または応答(R(I))に対する入力(xまたはI)の影響を記述する。本発明の目的のために、遷移領域は、出力関数f(x)の第2導関数f”(x)の相対的極大R(I1)と極小R(I2)との間の領域と定義される。相対的極大R(I1)と相対的極小R(I2)は、第3導関数F”’(x)がゼロに等しくなる点である。変曲点I0は、第2導関数f”(x)がゼロに等しくなる繊維領域における点と定義される。すなわち、
【数1】

【0108】
変曲点における出力関数の傾きと、遷移領域の最初と最後の点の間の線の傾きとの比較は等式:
【数2】

【0109】
により記述され得る。
【0110】
この式において、変曲点におけるdR/dIは、該点における出力関数の第1導関数である。用語ΔITは、遷移領域の最初の点I1と最後の点I2との間の応答システムに対する入力の変化、すなわち、I2−I1であり、用語ΔRTは、遷移領域の最初の点I1と最後の点I2との間の応答機能の応答の変化、すなわちR(I2)−R(I1)である。係数kは、遷移領域の最初と最後の点の間の線の傾きと比べた、変曲点I0における出力関数の傾きの相対的急峻さを記述する比例定数である。応答システムが不連続出力機能を有するために、比例定数kは、少なくとも約2.0、好ましくは少なくとも約3.0、より好ましくは少なくとも約5.0、さらに好ましくは少なくとも約10.0でなければならず、少なくとも約100が最も好ましい。
【0111】
ある態様において、不連続応答システムの遷移領域における急峻さの相対程度は、また、等しい時間定数を有する一連の整数nの一次ラグ(a series of an integer number, n, first order lags)を有するコントロールシステムの伝達関数(transfer function)によりモデル化することができる。応答システムの伝達関数は、本発明の目的では、入力(擾乱変数)に対する出力(応答変数)のラプラス変換の比と定義される。ロバートH.ペリーとドン・グリーンの「ペリーのケミカル・エンジニヤーズ・ハンドブック」第6版、22章(マグロ−ヒル社、1984年)を参照のこと。図10Bに示すように、出力関数の急峻さの相対的程度は、式:KG(s)=K/(Ts+1)n(ここで、KG(s)は、伝達関数であり、Kは、比例要素であり、Tは、システムの時間定数であり、nは、一次時間ラグの整数である)により近似させることができる。この方法において、数nが増すにつれ、遷移領域における応答関数の急峻さが増加し、当該モデルは連続応答システムに近似し始める。本発明のある種の不連続応答システムは、nが約25以上であるときに上記式によりモデル化され得、nが約50以上であることがより好ましく、nが約100以上であることが最も好ましい。
【0112】
図9Aに示すように、本発明の応答システムは、応答システムがその貯蔵エネルギーのすべてを放出して特定の応答機能を達成する単一の閾値レベルを含むか、または該システムがその貯蔵エネルギーの予め指定された部分を放出して各閾値レベルで1またはそれ以上の応答機能を達成する多重閾値レベルを含むことができる。例えば単一の閾値レベルを有する態様において、当該応答システムは、閾値レベルに到達したときにその貯蔵エネルギーのすべてを放出して全応答機能を達成し得る。そのような単一閾値の態様では、この例において、不連続応答システムは、オンまたはオフのような2つの状態を有するシステムを含む。身体排泄物のような入力の閾値量が吸収性コアに存在するとき、応答システムは、排泄物、着用者、製品またはそれらの成分に対して、使用者の皮膚から離して排泄物を包む等の単一の機能を達成し得る。かくして、不連続応答システムは、閾値レベルの入力の存在下で1つの状態から他の状態に変化する一回限りの「スイッチ様」機能を達成し得る。
【0113】
あるいは、図9Bに示すように、応答システムは、各レベルが満たされたときシステムがエネルギーの所定の「量子(quanta)」を放出するか、ある量の物質を配送して特定の応答機能を達成する多重閾値レベルを有し得る。この態様において、各閾値レベルが満たされると、全応答機能の一部が達成され得るか、および/または異なる独立の応答機能が、満たされた異なる閾値レベルに応答して達成され得る。例えば、応答システムは、糞便酵素をモニターし得、各閾値酵素レベルが満たされたときに、等しいかまたは等しくない量の酵素阻害剤を配送し得るか、または製品の貯蔵部材を膨張させ、または拡大させ得るか、または第1の閾値レベルでpHバッファを配送し、第2の閾値レベルである量の酵素阻害剤を配送するような他の応答機能を達成し得る。各繊維領域において、応答システムは、上記の単一閾値態様における遷移領域と本質的に同じに応答する。
【0114】
応答システムは、また、「閉鎖ループ」または「開放ループ」システムを含むことができる。「フィードバックコントロールループ」システムともいわれる「閉鎖ループ」システムは、個別のセンサー60およびアクチュエーター70部品を含み、入力に対して応答機能を達成する。いくつかの好ましい態様において、システムは、また、入力に対して達成される応答機能の少なくとも1つのトリガーとして要素または出力条件のパラメータの検出または測定を用いることができる。出力条件は、アクチュエーター70が入力条件に対して応答機能を達成する機会を持った後の入力条件の状態であり得る。上に述べたように、フィードバックコントロールループシステムは、少なくとも2つの個別成分:センサー60とアクチュエーター70を含む。センサー60は、事象またはその事象と関連するパラメータを検出する。アクチュエーター70は、信号を受け取り、センサー60により検出された入力条件に対して応答機能を達成する。フィードバックコントロールシステムは、さらに、コントローラー80を含むことができる。この場合、センサー60は、コントローラー80に信号を提供し得、コントローラー80は、アクチュエーター70を入力条件に対して応答機能を達成させるように指令し得る。コントローラー80は、応答システムの別の成分であり得、またはコントローラー機能は、センサー60および/またはアクチュエーター70二より達成され得る。
【0115】
しかしながら、「開放ループ」システムは、フィードバックを用いずに入力に対して応答して応答機能を達成するシステムであり、すなわち出力は当該システムに入る感知された入力に対し何らの影響も持たない。開放ループシステムは、センサー60とアクチュエーター70の両方の機能を達成する単一デバイスを有する応答システムを含み得るか、またはアクチュエーターが入力以外のものに作用するところの、個別のセンサー60とアクチュエーター70を有し得る。例えば、使い捨て吸収製品の吸収性コア内に置かれた超吸収性ポリマーは、当該ポリマーがセンサー60とアクチュエーター70の機能を達成する単一デバイスのみを含むので、開放ループ応答を提供する。あるいは、開放ループ応答システムは、身体排泄物またはその排泄物の成分を検出するセンサー60と、センサー60により検出された入力以外のものに対して連続または不連続方式で応答機能を達成するアクチュエーター70を含み得る。
【0116】
本発明は、好ましくは、開放ループであれ、閉鎖ループであれ、不連続応答を提供する応答システムを含む。本発明は、好ましくは、また、連続応答を提供する応答システムを含み、およびまたフィードバックコントロールループ(すなわち、閉鎖ループシステム)を含む。これらのタイプの応答システムのそれぞれは、当該分野で知られている連続的開放ループ応答システムに対して別個の利点を提供する。
【0117】
本発明の1つの態様において、図13〜14Aに示すように、糞便改質配送デバイス90は、追加的に1またはそれ以上の糞便改質剤を含み、圧力差動デバイス91により圧縮状態に保持されている圧縮弾性物質94を備える。ここで用いる圧力差動デバイスは、弾性材料を圧縮状態に維持し得る(例えば、圧縮弾性物質94に圧迫圧力を掛けることによりエネルギーを貯蔵し得る)いずれかのデバイスまたは構造である。「圧縮状態」は、ある物質が、非圧迫で、ゼロ以下の印加圧力にあるときに有するであろうよりも小さな体積に維持される状態と定義される。弾性物質に関しては、圧縮状態は、一般に、該物質の表面に圧力を掛けることにより、または当該分野で知られているいずれか他の手段により達成され得る。圧力差動デバイスは、例えば、真空シールバッグ、または弾性物質を圧迫する弾性もしくは非弾性バンドもしくはストランド、ストリップ、フィルム、不織布、スクリムまたはフォームのようなテンションを掛けられた物質を含み得る。好ましくは、圧力差動デバイス91により維持された弾性物質の圧縮は、トリガー機構により少なくとも部分的に減少され得る(すなわち、圧縮された弾性物質94は、少なくとも部分的に膨張し得る)。トリガー機構は、入力に応答して圧力差動デバイス91中の圧力の均等化を行い、圧縮弾性物質94を少なくとも部分的に膨張させるところの、センサー、アクチュエーターまたはそれらの組み合わせのようないずれかの要素またはデバイスである。
【0118】
身体排泄物隔離デバイス90は、それが膨張されたとき糞便のような身体排泄物を捕捉し、着用者の皮膚から離れて排泄物を貯蔵し得るように、着用者の肛門に隣接して製品20内に置かれ得る。この態様において、可溶性バッグが糞便水分に応答し、身体排泄物隔離デバイスが糞便水分に応答して糞便を捕捉するならば、応答システムは、不連続閉鎖ループ応答システムを含む。該システムは、入力の閾値レベルが満たされたとき不連続方式で感知入力に作用するからである。しかしながら、可溶性バッグが尿に応答するならば、応答システムは、不連続開放ループシステムを含む。該応答システムは、入力以外のものに作用する、すなわち該システムは尿の代わりに糞便を捕捉するからである。あるいは、弾性物質94は、膨張するにつれて流体をそのボディに引き入れることによりポンプとして機能する吸収性物質であり得る。例えば図11A〜11Cに示されているように、上記したような高多孔質大気泡弾性フォーム394は、少なくとも可溶性部分392と不溶性バッキング393を有するフィルム、囲い、バッグまたはカプセル内に圧縮され収容され得る。図11Aは、本発明の機械ポンプの例を示す。図11Bは、当該構造上の糞便を示し、図11Cは、糞便が吸収された後の当該構造を示す。好ましくは、圧縮フォームを構成する各気泡は、個々に真空下に保持される。尿、月経または糞便水分のような液体が可溶性フィルムに接触すると、フィルムは溶解し、糞便により接触された気泡における圧縮フォームを膨張させ、それが膨張するにつれフォーム中に流体を引き入れさせる。1つの態様において、吸収性物質は、上に置かれる排泄物をもって吸引を維持するために、気泡壁399を介して個々に真空シールされた多重気泡を含み得る。この態様において、応答システムが可溶性物質により検出された流体をポンプ搬送するならば、応答システムは、不連続閉鎖ループ応答システムを含む。該システムは、センサーにより検出された入力に対して作用するからである。
【0119】
図13、13A、14および14Aに示された本発明の態様において、圧力差動デバイス91は、外形87と内部チャンバ88を含むバッグ92を備える。バッグ92の少なくとも一部は、好ましくは水溶性であり、トリガー機構89として機能する。好ましくは、弾性物質94は、真空圧縮下に、圧力差動デバイス91の内部チャンバ88内に保持される。すなわち、弾性物質94の少なくとも一部は、圧力差動デバイス91により少なくとも部分的に圧縮された状態に維持される。好ましい態様において、内部チャンバ88内の圧力は、周囲圧力よりも低く、それにより弾性物質94を少なくとも部分的に圧縮された状態に維持する手段を提供する。この態様において、周囲圧力は、大気圧である。入力の閾値レベルが到達されまたは感知されると、トリガー機構89は内部チャンバ88における圧力の上昇を行わせ、圧縮弾性物質の少なくとも一部をその非圧縮厚さの少なくとも一部までに膨張させる。例えば、閾値レベルの水分(すなわち、入力)が可溶性バッグ92の一部またはシールを溶解し、内部チャンバと周囲圧力の圧力差を均等化させると、弾性物質94は膨張する。
【0120】
弾性物質は、圧縮されたときまたは膨張したとき、いずれもの好適な敬称のものであり得る。例えば、弾性物質は、膨張したときに糞便を捕捉するに十分なった遺跡を有する成形されたボイドを有する弾性合成ポリマーまたはプラスチックフォームであり得る。あるいは、弾性物質94は、ミクロもしくはマクロ多孔質フォーム、ループ構造、ばね、弾性高ロフト不織材料、コイル状構造、またはより小さな体積の圧迫された幾何学形状に弾性的に変形された種々の形状の弾性物質を含み得る。さらに、弾性物質94は、同じまたは異なる材料を含み2またはそれ以上の弾性要素を含むことができる。例えば、弾性物質94は、ミクロおよびマクロ多孔質フォームのようなミクロ多孔質およびマクロ多孔質要素を含み得る。いずれの場合でも、弾性物質の個々の要素は、互いに少なくとも部分的に重合する、当接または非接触するか、完全に分離している等いずれかの好適な様式で形成され得る。
【0121】
図13、13A、14および14Aに示す身体排泄物隔離デバイス90の態様において、弾性物質94は、圧力差動デバイス91(例えば、バッグ92)内で圧縮され保持され得、また圧迫力の解放後にその初期高さの実質割合、好ましくは少なくとも約75%を回復し得るように好適な圧縮および回復特性を有するいずれかの弾性変形可能なフォームを含み得る。バッグ92の少なくとも一部は、可溶性領域または可溶性シールを備え得る。可溶性シールは、バッグ92と一体(例えば、バッグ92の材料の一部)であり得るか、または別の要素(例えば、バッグ92内の穴または透過性領域上に固定された可溶性物質)であり得る。可溶性領域またはシールは、水、尿、糞便酵素等により接触されたとき溶解し得る。バッグ92は、好ましくは、バッグ92の可溶性領域の一部が真空を、それにより圧縮された弾性物質94に貯蔵されたエネルギーを、不連続に放出するに十分に溶解する(すなわち、閾値レベルの水が検出される)まで弾性物質94を真空圧縮下に保持する。膨張したら、フォームは、また、好ましくは、乳幼児が当該デバイスに座ったときフォームが有意に圧縮されず(好ましくは約50%未満)、捕捉された排泄物を放出しないように十分に丈夫なものである。SIF/210PP1またはAquazone80Aとして表示されるペンシルベニア州エディーストーンのフォーメックス・コーポレーションから、またはMCI1900EVA2lb/ftとして表示されるMAのハイアニスのセンチネル・プロダクツ・コーポレーションから入手される例えばEVAフォーム、または1993年11月9日にデスマレーらに発行された「水性体液のための吸収性フォーム材料および該材料を含有する吸収製品」と題する米国特許第5,260,345号、1995年2月7日にダイヤーらに発行された「水性体液のための湿潤するまで薄い吸収性フォーム材料およびこれを製造するための方法」と題する米国特許第5,387,207号、および1997年7月22日にデスマレーらに発行された「高い水対油比を有する高内部相エマルジョンから作られた水性流体のための吸収性フォーム」と題する米国特許第5,625,222号に記述されているHIPEフォームが、糞便捕捉圧縮物質94として使用され得る。
【0122】
図13および13Aに示されているように、圧縮物質94は、弾性物質94が圧縮されているときに開放している開口96を含み得る。弾性物質94が膨張すると、図14および14Aに示されているように開口96は弾性物質94の周囲により囲まれ得る。これにより、排泄物が着用者の皮膚から離れて弾性物質の開口内部に捕捉または包封することが可能となる。あるいは、弾性物質94は、スペーサとして作用し、製品20内に堆積された身体排泄物を貯蔵するに十分な体積を有するボイド空間を提供する開放開港を有し得る。これにより、弾性物質94は、弾性部材が膨張した後、多重身体排泄物を受けることが可能となる。
【0123】
上に述べたように、弾性物質94は、同じか異なる材料を含む2またはそれ以上の個別の弾性要素を含むことができる。例えば、弾性物質は、ミクロ多孔質およびマクロ多孔質フォームのようなミクロ多孔質およびマクロ多孔質両方の弾性要素を含み得る。弾性物質94は、糞便貯蔵のための開口96と尿充填ゾーンへの延出部を有するマクロ多孔質網状ポリウレタンフォーム(例えば、OH、ハミルトンのPCFフォーム・コーポレーションからの、平方インチあたり20個の気孔を有するPG14848T20)を含むことができる。弾性物質94は、さらに、第2の弾性要素(例えば、上記米国特許第5,260,345号および5,625,222号に記載されたもののようなミクロ多孔質フォーム)を含み得る。好ましくは、第2の弾性要素は、一般に第1の弾性要素における開口96と同延の糞便用開口を有し、尿充填ゾーン内を除き、第1の弾性要素の着用者に面する側上に配置される。(しかしながら、第1の弾性要素が第2の弾性要素の着用者に面する側に配置される態様も企図されている。)第1の弾性要素は、可溶性バッグ92またはシールが溶解すると第2の弾性要素の少なくとも一部に空気フラックスを進めるように作用し得る。これは、好ましくは、内部圧力が周囲圧力と均等化するにつれ、少なくとも第2の弾性要素の迅速な膨張をもたらす。好ましくは、第1の弾性要素(例えば、マクロ多孔質フォーム)におけるより大きな気孔は、残存する部分的に溶解したバッグ材料により塞がれるようにならず、バッグおよび/または弾性物質94の残りにおいて迅速な圧力均等化のための明確な空気経路を提供する。
【0124】
弾性物質の種々の成分は、圧縮弾性率、曲げ弾性率、厚さ、気孔サイズ分布、化学的組成、気孔率および表面エネルギー等のいずれかの性質において互いに頃なり得る。1つの非限定的例において、第1および第2の弾性要素は、約1.0psiの加圧下で、それぞれ、約50%〜約80%、および約5%〜約50%の範囲内で収縮し得る。好ましくは、多重成分システムにおける成分の少なくとも1つが約1.0psiの加圧下で約25%以下収縮する。しかしながら、構成にかかわらず、弾性物質における開口96は、好ましくは、当該構造が(例えば、包封フィルムを溶解する水により)活性化されたとき、約0.1psiの加圧下で少なくとも約20立方センチメートルの有効体積を提供する。
【0125】
図15および15Aに示すように、本発明は、互いに分離しており、互いに接触せずまたは接続していないが、それぞれの少なくとも一部は両方とも真空圧縮下に保持されているところの2またはそれ以上の弾性要素294および296を含む身体排泄物隔離デバイス290を含み得る。弾性要素294および296は、好ましくは、圧力差動デバイス291内で真空圧縮下に保持される。圧力差動デバイス291は、好ましくは、外形と内部チャンバ288を含む。圧力差動デバイス291の外形287は、好ましくは、放尿や排便のような所定の事象が生じるまで内部チャンバ288を製品を取り巻く雰囲気の周囲圧力よりも低い圧力に保つ。さらに、身体排泄物隔離デバイス290は、好ましくは、圧力差動デバイス291の内部チャンバ288と周囲圧との圧力差を解放し、または圧力差を少なくとも減少させ得るトリガー機構289を含む。トリガー機構289は、ここに記述したセンサーまたはアクチュエーターのいずれかまたはアクチュエーターまたはセンサーのいずれかの成分を含むがそれらに限定されない、圧力差を解放または減少し得る当該分野で知られているいずれかの手段を含み得る。身体排泄物隔離デバイス290が尿により始動されるに適合された態様において、トリガー機構289は、好ましくは、放尿が生じる傾向にあるところ(すなわち、尿充填ゾーン)にそれが配置されるよう製品内に置かれるか、着用者が放尿するかさもなければトリガーを活性化させたときにトリガー機構が真空を解放し得るようにセンサーまたはアクチュエーターと操作的に接続される。
【0126】
図15〜15Aに示される態様において、第1の弾性要素296は、好ましくは、圧力差動デバイス291(例えば、バッグ292)が処置され真空が失われると圧力均等化のための低抵抗空気フラックス経路を提供する物質を含む。好ましい態様において、第1の弾性部材は、マクロ多孔質フォームを含むが、上記の弾性物質のような他の弾性物質も好適であり得る。弾性要素294および296はそれら要素の間の領域において圧力差動デバイス291において開放通路298を介して操作的に接続されているので、第1の弾性要素296に流入する空気は、第2の弾性要素に向かって流れることができ、第2の弾性要素294およびその周りのすべての空間を空気で満たすための手段を提供する。従って、第2の弾性要素294は、第1の弾性要素296近傍でバッグ292の少なくとも一部の溶解により膨張し得る。
【0127】
図16および16Aに示すように、他の態様において、本発明の製品は、互いに当接するか、少なくとも部分的に重合するように形成された第1の弾性要素296と第2の弾性要素294を含む。第1および第2の弾性要素は、好ましくは、上記のように、圧力差動デバイス291の内部チャンバ288内で真空圧縮下に保持される。第1の弾性部材296は、好ましくは、第1および第2の弾性要素のいずれもの重合部分から外側に配置される。上の通り、身体排泄物隔離デバイス290は、好ましくは、圧力差動デバイス291の内部チャンバ288と周囲圧力との間の圧力差を開放するか、その圧力差を少なくとも減少させ得るトリガー機構289を含む。トリガー機構289は、好ましくは、それが放尿が生じる傾向にあるところ(すなわち、尿充填ゾーン)に配置されるように製品内に配置されるか、または着用者が放尿しさもなければトリガーを活性化させたときにトリガー機構が真空を解放し得るように尿充填ゾーン内に配置されたセンサーまたはアクチュエーターと操作的に接続される。圧力差が除去されると、弾性要素294と296は、体積増加し得る。第1の弾性要素および第2の弾性要素の少なくとも一方が、空気の通過を容易に許容する開口を有し、しかも圧力差動デバイス291を構成する可溶性バッグ292またはシールの材料により例えばブロックされるようにならないところの物質を含むことが有利であることが見いだされている。好ましい態様において、そのような弾性物質は、マクロ多孔質フォームを含むが、上記弾性物質等の他の物質も好適であり得る。
【0128】
さらに他の態様において、図17に示すように、本発明の製品は、身体排泄物隔離デバイス290に操作的に接続された、上記閉鎖系液体輸送部材299を含むトリガーを含むことができる。閉鎖系液体輸送部材299は、好ましくは、入口ポート281、出口ポート282および液体283を含む。出口ポートは、好ましくは、可溶性バッグ292または可溶性シールのような圧力差動デバイス291の少なくとも一部に隣接して配置される。入口ポート281は、好ましくは、出口ポート282とは異なる場所に配置される。例えば、入口ポート292は、好ましくは、それが排泄物隔離デバイス290が組み込まれる製品の尿または他の排出ゾーン近傍またはそのゾーンに位置するように配置される。従って、着用者が放尿し、さもなければ流体を排出したとき、流体は入口ポート281中に受け入れられる。その結果、閉鎖系液体輸送部材299は、出口ポート282から幾分の液体を放出し、これが可溶性バッグ292またはシールの少なくとも一部の溶解をトリガー(始動)する。溶解すると、バッグ中の圧力差は減少するか除去され、弾性物質295は膨張し得る。
【0129】
可溶性バッグを利用する本発明の態様のいずれにおいても、可溶性バッグは、水、尿、糞便酵素、pHレベル等のような1またはそれ以上の異なるタイプの入力の存在下で溶解し得、また、バッグを溶解するために必要な入力の閾値レベルを設定するように設計され得る物理的および/または化学的特性(例えば、厚さ)を有し得る。例えば、可溶性バッグは、IL、サウス・ホーランドのクリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツによりMONOSOL M7031、M7030、M8630、M8534またはE6030フィルムとしてまたはMN、セント・ポールのH.B.フーラー社からHL1669−Xとして供給されるPVAフィルムのような水に可溶のプラスチックフィルムを含む。例えばフィルムの厚さは、所望の活性化を提供するために変更することができる。使用するフィルムは、また、例えば、約0.0005〜約0.0015インチの範囲内の厚さを有することができる。例えば、約0.001インチの厚さを有するHL1636フィルムは、立方インチ当たり約0.049グラムの水分含有率で活性化する。
【0130】
本発明のいくつかの態様において、身体排泄物隔離デバイスは、非変調性不連続応答システムとして操作され得る。例えば、可溶性バッグを使用した場合、バッグの可溶性部分は特定の入力に応答するセンサーとして作用する。このセンサーは、例えば、尿中の水または糞便中の酵素に対して応答性であり得る。バッグのいずれかの可溶性部分が閾値レベルの尿、糞便水分または糞便酵素と接触すると、バッグの可溶性部分は溶解し、圧縮物質を解放し、これが膨張して製品上に堆積された糞便を捕捉し、取り囲みまたは囲包する。バッグを形成するために使用する材料の物理的および化学的特性は、入力の閾値レベルを規定し、かつ圧縮物質が解放されるべき時点を決定するコントローラーとして作用する。バッグが溶解すると、真空の解放と圧縮物質の膨張が、アクチュエーターとして機能して身体排泄物を捕捉する。かくして、身体排泄物隔離デバイスは、閾値レベルの所定の入力が検出されたときに圧縮物質の貯蔵機械エネルギーを放出させる一回限りの不連続スイッチとして作用する。応答システムの有用なエネルギーは、(貯蔵エネルギー)−(ヒステリシス損失)を含む。使用される圧縮物質は、好ましくは、最小ヒステリシス損失と最大回収を有する。より好ましくは、圧縮ヒステリシス損失は、放出の際の回収が少なくとも約75%となるように、約25%以下である。
【0131】
本発明の他の態様において、上記例で記述したようなフォームまたは他の弾性物質を捩って捩り機械エネルギーを創出し、上記の可溶性フィルム囲い、バッグまたはカプセルのような上記圧力差動デバイスにより保持され得る。捩られた弾性物質は、真空化の可溶性フィルム、囲い、バッグまたはカプセル内の捩られた位置に保持され得る。この態様において、閾値の水分、pH等が検出されると、フィルムまたはカプセルは溶解し、真空を不連続的に解放し、フォームを解放する。貯蔵された捩り機械潜在エネルギーは、フォールが捩り戻されるようにし、糞便の糞便改質剤による処理または混合、糞便、尿または月経のような身体排泄物の貯蔵、捕捉またはトラップ、着用者の皮膚の拭い、着用者の皮膚への皮膚処理剤の適用等のような応答機能を達成し得る。
【0132】
さらに他の態様において、電気的センサーは、着用者の外部および括約筋の電気的活動の変化を検出して、切迫した放尿および/または排便を予報することができる(すなわち、プロアクティブセンサー)。筋肉の電気的活動の閾値信号変化を検出すると、センサーまたはコントローラーは、例えば、水を放出し、切迫した放尿および/または排便の排泄物の処理の準備のために上記真空圧縮状態にあり、糞便改質剤をさらに含む圧縮フォームを保持するバッグの水溶性部またはシールを溶解させるために弁の開放をトリガーし得る。あるいは、このスイッチは、糞便の皮膚との接触前に皮膚表面を処理するために糞便改質剤を含むスキンケア組成物の放出を実行させ得る。この態様において、応答システムは、着用者の外部および括約筋の電気的活動が閾値信号レベルに達したときにその電気的活動に応答する不連続システムを含む。この応答システムは、また、開放ループシステムを含む。このシステムは、電気的活動入力信号以外のものに作用する、すなわち糞便または製品に作用するからである。
【0133】
さらに他の態様において、十分量の水含有電解質(例えば、尿または糞便からの)は、電解水が回路を完成した(すなわち、スイッチとして)とき電気的センサーにより検出されて、電池のような貯蔵エネルギー源からの電流をして相遷移等のような化学反応を開始させるようにすることができる。例えば、電流は電気感受性ゲルに適用することができ、これにより、ゲルを形状変化させ、糞便改質剤を糞便に配送することができる。再び、この態様は、感知された入力が当該応答システムにより影響されるかどうかに依存して開放ループまたはフィードバックコントロールループであり得る不連続応答システムを含む。センサーが例えば尿中の水分を検出するなら、この応答システムは、糞便を受けるためのボイド空間を創出し、よって開放ループシステムである。しかしながら、センサーが糞便水分を検出するなら、応答システムはフィードバックコントロールループシステムを含む。該システムは感知されている入力に作用するからである。この例において、フィードバックコントロールループシステムは、ボイド空間が糞便とともに糞便水を捕捉するならば、変調システム(modulating system)を含み、水分は蒸発しまたはセンサー要素から離れて引かれ、それにより回路を開放し、コントローラーはセンサーが再び糞便水を検出したとき他のボイド空間を活性化させる。
【0134】
代替的な態様においては、吸収製品の他の要素と結合またはこれから分離された3次元構造に、FMAを配置しまたは関係付けてもよい。例えば吸収製品は、糞便との接触にFMAを利用可能にすることを容易にする突起部、隆起部、ループ部などを有する要素を備えていてもよい。1つの好ましい態様においては、糞便改質剤を備えるホットメルト樹脂の「毛」またはストランドを、基材82にプリントしてもよい。(FMAを備える毛を備える基材の例を、図3に示す)。薬品が毛の表面へ移動して糞便に対して利用可能となるように、改質剤を樹脂中に取り入れてもよい。その代わりに、上述した技術の何れかによって、改質剤を毛に放出可能に結合してもよい。好適な毛およびフックの例が、以下の文献でより詳細に説明されている。米国特許5,058,247(Thomasらに1991年10月22日に付与)、米国特許5,l16,563(Thomasらに1992年5月26日に付与)、米国特許5,326,415(Thomasらに1994年7月5日に付与)、および米国特許5,762,645(Peckらに1998年6月9日に付与)。これらの特許のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。
【0135】
さらに他の態様においては、FMAをブラシ構造によって糞便に与えてもよい。ブラシ構造の一例を図2に示す。ブラシ構造には、基材に付着させた実質的に一列に並べられた複数のストランド、繊維、より合わさった糸、紐、または他の糸状の材料が含まれ得る。基材は、平面でも、湾曲していても、リボン様でも良く、または複合的な湾曲を有していても良く、また多孔質でも非孔質でもよい。ブラシフィラメント62は好ましくは、排出の間に糞便が及ぼす力のもとで曲がることができて、糞便が容易にフィラメント62をまたはその間を通過することを可能にする。ブラシフィラメント62を、永続的にまたは脱離可能に基材に付着させてもよい。フィラメント62は、植物または動物を起源とするもの(例えば、コットンなど)、セルロース、または合成であっても良く、また長さは異なっていても同様であってもよい。FMAは放出可能にブラシ構造60のフィラメント62に付着していて、糞便が押されてブラシフィラメント62を通り過ぎるときに、薬品が放出されて糞便と混合するようになっている。ブラシ構造60は、製品と一体であってもよいし、着用者の肛門周囲の領域に独立に付与してもよいし、また任意に、着用者または製品に構造を粘着させるための粘着剤その他の結合手段を備えていてもよい。ブラシ構造60を、フィラメント62の下に空隙を有する(上述した)スペーサーの上に配置して、処理された糞便が占めるスペースを設けてもよい。
【0136】
またFMAの付与を、pH、水分含有量、および/または他の何かのトリガーの一定の変化に応答して相転移または幾何学的変化もしくは体積変化を経る「活発な(smart)」ゲルを使用して行ってもよい。また形状記憶材料(すなわち、温度が所定の閾値に達したときに事前にセットした幾何学形状(geometry)または形状(shape)に戻る金属合金またはプラスチック)を用いて、適切な温度変化のときに薬品を所定の位置に動かし、糞便と接触または混合してもよい。さらに、膨張可能な材料例えば超吸収性ポリマーまたは発泡体を用いて、糞便とFMAとの接触を促進してもよい。このような膨張可能な材料を含む構造は、糞便か尿かに拘らずそこからの水分を吸収するときに、構造の身体を向く面と関係付けられたFMAを糞便物の方へ輸送し、および/または糞便との混合を促進してもよい。また発泡体形成材料によってFMAを輸送して、製品内の糞便との接触を促進してもよい。この場合、発泡体形成材料がFMAを備え(または薬品と関係付けられ)、発泡体が放出されてその体積が増加するときに糞便物を覆う。
【0137】
またFMAを、後述するマクロ粒子要素170上またはその内部に保持してもよい。これらのマクロ粒子要素170は、トップシート、カフス、または製品の他の部材に(放出可能に、またはそうでなく)取付けられた排泄物取扱い要素120に収容してもよいし、または身体に独立に取付けた別個の製品内に固定せず(loose)にいてもよい。いくつかの典型的なマクロ粒子構造を図18〜21に示す。さらに、FMAを保持し、運搬し、付与し、または混合するどんな構造も、FMAと糞便との接触領域を増加しおよび/または混合を促進するように設計された突出部その他の3次元形状を備えていてもよい。
【0138】
好ましい態様においては、FMAを、吸収性構造または製品のトップシートと関係付ける。しかし、FMAをトップシートの下の層例えば捕捉層と関係付けてもよい。トップシートの下の層例えば排泄物取扱い要素120に、FMAを配置する態様では、糞便はトップシート、サブ層、その他のどんな上部構造も容易に浸透して、薬品が有効な濃度で利用可能とならなければならない。そのため、このような構造は、後の試験方法セクションで述べるように、加圧下受け取り値が少なくとも約0.50g/cm2/J、好ましくは少なくとも約1.0g/cm2/Jであることが好ましい。何れにせよ、薬品は、通常着用者の肛門周囲の領域と関係付けられている製品の領域の近くに配置することが好ましい。
【0139】
図18に示すように、本発明は排泄物取扱い(処理)要素(waste management element)120を備えていてもよい。排泄物取扱い要素120は、粘性流体の身体排泄物の受け取り、貯蔵し、および/または不動化することを取り扱うことを助けるように設計されている。排泄物取扱い要素120は、製品のどこの場所(例えばクロッチ領域または何れかのウエスト領域)に配置しても良く、またはどんな構造もしくは要素例えばコア28、レッグカフスなどと関係付けもしくはそこに含めてもよい。好ましい態様においては、排泄物取扱い要素120は、着用者の肛門周囲の領域近くの製品の領域に、着用時に配置される。こうすることで、放出されるわずかな排泄物も排泄物取扱い要素120の表面または付近に堆積することを保証することが助けられる。
【0140】
排泄物取扱い要素120は、粘性流体の身体排泄物を受け取り、貯蔵し、および不動化する構造が好ましいが、本発明のある態様においては、受け取り要素のみ、貯蔵要素のみ、または不動化要素のみを備えていても良く、または2つの要素の組み合わせを備えて3番目の要素を備えない形態でもよい。またある態様においては、1つの要素が2つ以上の機能を果たしてもよい(例えば、貯蔵要素が貯蔵および不動化機能の両方を果たしてもよい)。例えば、本発明の吸収製品が、受け取りおよび貯蔵要素を備えて、不動化要素それ自体は別個に有さずに、粘性流体の身体排泄物を取り扱ってもよい。
【0141】
受け取り要素150は、身体滲出物を受け取ることができるものならば、どんな材料または構造であってもよい。(本明細書で用いる場合、用語「受け取る」または「受け取り」は、構造に堆積した材料が構造へ浸透することを指す。浸透するとは、材料が堆積した構造の表面を材料が通過することと定義する。一様でない構造への浸透は、材料が堆積した表面を規定する平面を、材料が通過することとして規定することができる。受け取り要素150は、ただ1つの材料を備えていてもよいし、互いに作用的に(operatively)関係付けられた複数の材料を備えていてもよい。さらに、受け取り要素150は、おむつ20の他の要素と一体であってもよいし、おむつ20の1または複数の要素と直接または間接的に結合する1または複数の別個の要素であってもよい。さらに、必要に応じて、別個に廃棄するために、受け取り要素150の何れかまたは全てが吸収製品から取り外し可能であってもよい。
【0142】
受け取り要素150は、おむつ20のクロッチ領域37においてコア28の身体側表面47付近に少なくとも部分的に配置するのが好ましいが、代替的なある態様においては、受け取り要素150は、レッグカフス、ウエスト領域バンド、糞便排泄物封じ込めポケットなどの少なくとも一部を備えていても良く、またはこのような部材の何れかと作用的に関係付けられていてもよい。受け取り要素150の、使用中におむつ20の少なくとも着用者の肛門付近の領域に配置される部分は、構造の上部層例えばトップシート24によって塞がれないことが好ましい。従って、着用者の肛門近くに配置される予定の製品の領域内のトップシート24の一部を切り出して、受け取り要素150をその領域における身体側ライナーとして設けることが、好ましくあり得る。その代わりに、トップシート24の何れかまたは全てを、受け取り要素150として働くように作るかまたは処理してもよい。ある態様においては、図2に示すように、受け取り要素150がトップシート24の少なくとも一部を備えている。他の態様においては、受け取り要素150が、おむつの他の要素例えば吸収性コア28または貯蔵要素(後述する)の少なくとも一部を備えていてもよい。
【0143】
ある態様においては、おむつ20の異なる部分において異なる受け取り能力を、おむつ20に付与することが好ましくあり得る。これは、おむつ20の異なる領域に異なる受け取り要素を設けることによって、または受け取り特性が異なる領域を有するように製造または処理した1つの受け取り要素150を設けることによって行うことができる。さらに、放出された粘性流体の身体排泄物をより良好にコントロールするように、製品の身体を向く面の平面の上方に受け取り要素150を持ち上げてもよい。ある態様においては、受け取り要素150は、粘性の身体排泄物の源に近接する(例えば、肛門周囲の領域の)着用者の皮膚と接触していることが、好ましくさえあり得る。
【0144】
受け取り要素150として使用する好適な材料および構造は、吸収性または非吸収性であっても良く、また開口部が設けられた不織ウェブ、開口フィルム、開口成形フィルム、スクリム、織りウェブ、スクリム、網状物(netting)、マクロ多孔質の薄いフォームなどを備えていてもよい。特に好ましい材料の1つは、約27.3g/m2の坪量、約60%の有効開口面積および約5.0mm2の一次開口サイズを有するナイロン網状物である(有効開口面積および一次開口サイズは、米国特許第5,342,338号に記載された通りに測定)。そのような材料は、Toy Tub BagとしてDollar Tree Dist.(Norfolk、バージニア)から入手し得る。さらに、受け取り要素150またはそのどの部分も、受け取り要素の性能または他の特性を付加し、高め、または改質するローションまたは既知の他の物質で覆ってもよい。例えば、受け取り要素150は、疎水性もしくは親水性であってもよいし、またはどちらかに処理されていてもよい。
【0145】
上述したように、FMAを、着用者の肛門周囲の領域にあることが好ましい受け取り要素と関係付け(associated)てもよい。ある好ましい態様においては、上述した手段によって、受け取り要素にFMAを放出可能に付着させる。代替的な態様においては、薬品を、受け取り要素150の少なくとも一部と関係付けられた構造内で、放出可能にカプセル封入する。薬品は、水分、熱、または圧力/着用者の動きと接触した際に、糞便に放出されてもよい。代替的に、薬品を、糞便上に堆積させる前に、最初に着用者の皮膚または製品の他の部分(例えば、レッグカフス)に移してもよい。例えば、尿によって、放出可能にカプセル封入された薬品または組成物の放出が起きてもよい。薬品は、身体接触および/または圧力によって、着用者の皮膚に移ってもよい。その後に糞便と接触したときにすぐに、薬品は皮膚から糞便の表面に移る。
【0146】
粘性の身体排泄物がいったん排泄物取扱い要素120に浸透したら、排泄物を、着用サイクルの残りの間は着用者から離して、また着替える間は介護者から離して、貯蔵または保持することが好ましい。本明細書で用いる場合、用語「貯蔵する」は、おむつ内に堆積した材料を、製品の身体を向く面から物理的に分離して、着用者の皮膚に直接接触しないかまたは近づきやすくないようにすることを指す。漏れてしまう可能性、および粘性身体排泄物によって汚れる皮膚領域を減らすためには、貯蔵容量が十分であることが極めて重要である。それは、貯蔵された粘性身体排泄物が、構造の身体を向く面に対して利用可能となって、漏れたりまたは製品内を移動することは、それほどありそうにはないからである。
【0147】
貯蔵要素152は、おむつ20のどこに配置してもよい。しかし、受け取り要素150が受け取った粘性身体排泄物が貯蔵要素152に入ることができるように、貯蔵要素152は、受け取り要素150および/またはトップシート24(もしあれば)と操作的に関係付けられていることが好ましい。(おむつ20が、トップシート24も受け取り要素150も有さない態様が意図される。このような場合、身体排泄物は、上部構造を何ら通過せずに直接貯蔵要素142に入ってもよい)。何れにせよ、おむつ20を着用したときに、貯蔵要素152を着用者の肛門の近くに位置するおむつ20の領域に配置することが好ましい。従って、貯蔵要素152の少なくとも一部を吸収製品のクロッチ領域37に配置することが好ましい。しかし、ある代替的な態様においては、貯蔵要素152は、どちらかのウエスト領域、レッグカフス、ウエスト領域バンド、糞便排泄物封じ込めポケットなどの少なくとも一部を備えていても良く、またはこのような部材の何れかと作用的に関係付けられていてもよい。さらに、放出された粘性流体の身体排泄物をより良好にコントロールするように、製品の身体を向く面の上方に貯蔵要素152を持ち上げてもよい。ある態様においては、貯蔵要素152は、粘性の身体排泄物の源に近接する(例えば、肛門周囲の領域の)着用者の皮膚と接触することが、好ましくさえあり得る。
【0148】
貯蔵要素152の貯蔵能力は、おむつ20の至る所で一定であってもよいし、変化していてもよい。このように変化させることは、おむつ20に複数の貯蔵要素152を用いることによって、または貯蔵特性が異なる領域を有するただ1つの貯蔵要素152を設けることによって行うことができる。さらに、必要に応じて、別個に廃棄するために、貯蔵要素152の何れかまたは全てが吸収製品から取り外し可能であってもよい。
【0149】
貯蔵要素152は、上述したように、身体滲出物を貯蔵できるものならば、どんな材料または構造であってもよい。そのため、貯蔵要素152は、ただ1つの材料を備えていてもよいし、互いに作用的に関係付けられた複数の材料を備えていてもよい。さらに、貯蔵要素152は、おむつ20の他の要素と一体となっていてもよいし、おむつ20の1または複数の要素と直接または間接的に結合する1または複数の別個の要素であってもよい。1つの態様においては、図18に示したように、貯蔵要素152は、コア28から分離した構造を備えていてもよい。しかし、貯蔵要素152がコア28の少なくとも一部を備える態様が意図される。
【0150】
貯蔵要素152として使用する好適な材料には、以下のものが含まれ得る。大きな気泡が連続する発泡体、マクロ多孔質耐圧縮性不織ハイロフト、大きなサイズの粒子形状の連続および独立気泡発泡体(マクロおよび/またはミクロ多孔質)、高ロフト不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体または粒子、垂直に立てられた複数のループ状ストランドの繊維を備える構造、穿孔された孔または凹部を有する上述の吸収性コア構造など。(本明細書で用いる場合、用語「ミクロ多孔質」は、流体を毛管現象によって輸送できる材料を指す。用語「マクロ多孔質」は、細孔が流体の毛管輸送を生じるには大きすぎ、一般に細孔の直径が約0.5mmを上回り、より具体的には細孔の直径が約1.0mmを上回る材料を指す。ある態様には、XPL-7124として3M社(Minneapolis、ミネソタ)から販売される、非圧縮時の厚みが約1.5mmのメカニカル締結ループランディング要素が含まれる。他の態様には、Glit社(Wrens、ジョージア)から販売される、坪量が110g/m2、非圧縮時の厚みが7.9mm、6デニールのクリンプされ樹脂接合された不織ハイロフフトが含まれる。貯蔵要素152またはそのどんな部分にも、貯蔵要素の性能または他の特性を付加し、高め、または改質するローションまたは他の既知の物質を含ませるかまたはこれによって覆ってもよい。
【0151】
貯蔵要素152の代替的な態様には、複数の離散的な粒子172を備えるマクロ粒子構造170が含まれる。限定を何ら意味しない例を、図18〜21に示す。マクロ粒子172は好ましくは、公称サイズが好ましくは約1.0mmないし約25.4mm、より好ましくは2mmないし約16mmである。しかし、0.5mm以下の小さい粒子、および約25.4mmよりも大きい粒子が意図される。公称サイズが約1.0mm以上の粒子は、一般にUS規格No.18のメッシュのシーブスクリーンの表面に保持される粒子である。公称サイズが約25.4mm未満の粒子は、一般にUS規格25.4mmのシーブスクリーンを通過する粒子である。公称サイズが16mm以上の粒子は、一般にUS規格No.16mmのシーブスクリーンの表面に保持される粒子である。公称粒子サイズの測定を、粒子を貯蔵要素152内に取り入れて試験または使用する前に行う。公称サイズが8mm以上の粒子は、一般にUS規格8mmのシーブスクリーンの表面上に保持される粒子である。
【0152】
マクロ粒子構造170は、どんな数の粒子172を含んでいてもよい。また、粒子172を結合せずに構造170内で自由に動くようにしてもよいし、または既知の何らかの方法で互いに結合してもよい。その代わりに、構造170は外部サポート例えばメルトブローンホットメルト接着剤、ウェブ、網状織物、スクリム、スレッドまたはその他の粘着剤もしくは非粘着剤エンタングリングサポートを備えていてもよい。また何れの粒子172も、おむつ構造の他の何れかの部分例えばトップシートまたはコアと結合していてもよい。また粒子172を、パターン化された3次元領域例えばプリーツ、「ピロー」、およびポケットに閉じ込めてもよい。
【0153】
個々の粒子172は、吸収製品での使用に適していればどんな材料から作られていても良く、吸収性コア28または貯蔵要素152に関して上述した材料が含まれる。粒子172で用いる材料は、吸収性、非吸収性、ミクロ多孔質、マクロ多孔質、弾性、非弾性などであっても良く、または他の何らかの好ましい特性を有していてもよい。粒子172で使用する好適なマクロ多孔質吸収性材料の例には、ハイロフト不織布、連続気泡発泡体、繊維束、スポンジなどが含まれる。他の吸収性材料には、セルロースバット、毛管路(capillary channel)繊維、浸透性貯蔵材料例えば超吸収性ポリマーなどが含まれる。非吸収性粒子172には、プラスチック、金属、セラミック、ガラス、独立気泡発泡体、コラム充填材料、合成繊維、ゲル、カプセル封入ガスまたは液体などが含まれ得る。さらに、何れかまたは全ての粒子172が、臭い吸収剤、ローション、スキンケア配合物、抗菌剤、pH緩衝剤、酵素阻害剤などを含んでいてもよい。
【0154】
貯蔵要素152は、ただ1つのタイプの粒子172(サイズ、形状、材料など)を備えていても良く、または異なる粒子172からなる混合物を含んでいてもよい。混合物は、均質、不均質(特性の異なる粒子172を貯蔵要素152の特定の領域に配置する場合)、層状、またはその他のどんな好ましい構成であってもよい。ある態様においては、複数のタイプの混合物を用いてもよい(例えば、ある層内でマクロ多孔質および非吸収性粒子172が均質に混合されている一方で、他の層が吸収性粒子のみを含んでいてもよい)。異なる粒子層が互いに直接隣り合っていてもよいし、または1もしくは複数の材料例えば網状構造、スクリム、不織布、織りウェブ、フィルム、発泡体、粘着剤などによって分離されていてもよい。
【0155】
マクロ粒子構造170は、粒子172間のスペースによって規定される連続した隙間空隙スペース174を含むことが好ましい。粒子172のサイズおよび/または形状を変化させることで、隙間空隙スペース174をコントロールできる。粒子は、既知のどんな形状(例えば、球、扁球、矩形および多角形立体)であってもよい。
【0156】
貯蔵要素152は、その貯蔵機能に加えて、吸収製品20内の粘性身体排泄物をバックシート26の平面とほぼ平行な方向に輸送してもよい。輸送は、毛管その他の力によって粘性身体排泄物またはその成分(例えば自由水)を動かすような積極的なものであってもよい。他の態様においては、輸送は、粘性流体の身体排泄物またはその成分が外部から加えられた力(例えば、重力、着用者の圧力、または着用者の動き)の影響下で構造を通過するような消極的なものであってもよい。消極的な輸送の場合、粘性身体排泄物が最小限のエネルギー入力で容易に構造を通過できるように、貯蔵要素152は互いに連絡する比較的大きな経路などを有さなければならない。
【0157】
本発明のFMAを、例えばマクロ粒子構造である貯蔵要素152のどんな部分と関係付けてもよい。貯蔵要素152が隆起する領域を有する好ましい態様においては、FMAを要素の隆起する領域と関係付ける。受け取り要素に浸透する粘性身体排泄物が、FMAと接触したのちFMAを貯蔵要素152の「より低い」領域に運んで、混合を促進してもよい。例えば、ループタイプの貯蔵要素の隆起する最上部を僅かに濡らすか湿らせ、その後にFMAと接触させて隆起部分にFMAを放出可能に付着させ、その後に乾燥させてもよい。また、水溶性粘着剤を用いて放出可能に付着させてもよい。マクロ粒子の態様においては、マクロ多孔質粒子内に薬品を保持してもよい。代替的な態様においては、粒子要素の外表面に薬品を放出可能に付着させてもよい。糞便とFMAとの接触によって薬品が貯蔵要素から放出され、糞便と混合されることが好ましい。
【0158】
また、吸収製品が受け取るかまたは吸収製品に浸透する粘性の身体排泄物は、着用者から離れたところでおむつ内で保持することが好ましい。身体排泄物、特に粘性の身体排泄物を保持する好ましい方法の1つは、排泄物を着用者から離れた場所で不動化することである。本明細書で用いる場合、用語「不動化」は、材料または構造が、貯蔵した粘性の身体排泄物を印加圧力および/または重力の作用下で保持する能力を指す。
【0159】
不動化要素154を形成する材料または構造は、不動化要素154に浸透した粘性の身体排泄物がこの構造から離れる傾向を低くできるものならば、どんなものでもよい。従って、不動化要素154は、ただ1つの材料を備えていてもよいし、互いに作用的に関係付けられた複数の材料を備えていてもよい。さらに、不動化要素154は、おむつ20の他の要素と一体化されていてもよいし、おむつ20の1もしくは複数の要素と直接もしくは間接的に結合された1もしくは複数の別個の要素であってもよい。例えば、不動化要素154は、貯蔵要素152の下に配置される結合されていない材料層であってもよいし、または上述したように、粘性の身体排泄物を不動化し保持することができる貯蔵要素152の全部もしくは一部を備えていてもよい。何れにせよ、不動化要素154は、貯蔵要素152および受け取り要素150と作用的に関係付けられていることが好ましい。これは、製品によって受け取られおよび/または貯蔵された粘性の身体排泄物が、不動化要素154へ移りまたはこれと接触することを保証するために必要である。従って、製品のクロッチ領域37の少なくとも一部において、不動化要素154を貯蔵要素152および受け取り要素150の下に配置することが好ましくあり得る。しかし、上述したように、貯蔵要素152が輸送能力を有する場合には、受け取られおよび/または貯蔵された粘性流体の身体排泄物が不動化要素154に輸送されるように、不動化要素154をおむつ20内のどこに設けてもよい。さらに、受け取りおよび貯蔵要素150および152と同様に、おむつ20は均一または不均一の不動化能力を有していてもよい。従って、1または複数の不動化要素154を、不動化および/または保持性能が異なる領域を有する製品に取り入れてもよい。さらに、必要に応じて、別個に廃棄するために、不動化要素154の何れかまたは全てが吸収製品から取り外し可能であってもよい。
【0160】
不動化要素154で使用する好適な材料には、ミクロ多孔質発泡体、超吸収性ポリマー粒子または繊維、セルロース繊維、毛管路繊維、エンタングルド合成繊維バットなどが含まれる。ある好ましい材料には、発泡体吸収性材料例えば米国特許5,260,345、5,387,207および5,625,222に記載されたものが含まれる。他の好ましい材料には、吸収性ゲル化材料例えば米国特許5,147,345の発明名称「失禁を取扱うための高効率吸収製品」(Youngらに1992年9月15日に付与)に記載されたものが含まれる。これらの特許のそれぞれは、本明細書において参照により取り入れられている。
【0161】
FMAを不動化要素154と関係付けてもよい。これらの態様においては、改質剤が、糞便からの水分除去を促進することで不動化要素154の有効性および効率を高め、その結果、不動化処理のスピードを上げ、および/または糞便の残存する固形分の最終的な可動性を低くするように作用し得る。その代わりにFMAが、直接的な増粘メカニズムによって不動化中に糞便の粘度を上げる役目を果たしてもよい。FMAを、不動化要素とゆるく関係付けてもよいし、不動化要素154に放出可能に(すなわち、糞便の水分がFMAの放出を起こすように)付着していてもよい。
【0162】
好ましい態様
上述したように、本発明は多くのタイプの吸収製品例えば、おむつ、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、失禁用下着またはパッド、吸収性挿入物、おむつホルダーおよびライナー、女性用衛生用衣類、ワイプ、使い捨てモップ、包帯など、ならびに着用者の肛門周囲の領域に取付ける別個の製品に適用することができる。従って、本発明の好ましい態様の以下の例は、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0163】
本発明の好ましい態様の1つは、図18に示す吸収製品20である。吸収製品20は、第1のウエスト領域36、第2のウエスト領域38、および第1のウエスト領域36と第2のウエスト領域38との間に設けられたクロッチ領域37を有する。おむつ20は、トップシート24、バックシート26、およびトップシート24とバックシート26との間に配置された吸収性コア28を備える。トップシート24は、第1のウエスト領域36の少なくとも一部においてコア28の身体を向く面47の近傍に配置される。また、おむつ20は受け取り要素150を備える。受け取り要素150はトップシート24と接続され、トップシート24から離れるように、クロッチ領域37の少なくとも一部および第2のウエスト領域38の少なくとも一部を通って長手方向に延びている。受け取り要素150の例は、Tub Toy BagとしてDollar Tree Dist.(Norfolk、バージニア)から販売される網状織物である。
【0164】
おむつ20は、受け取り要素150とバックシート26との間に設けられた貯蔵要素152をさらに備えることが好ましい。貯蔵要素152は、クロッチ領域37の少なくとも一部および第2のウエスト領域38の少なくとも一部に設けられている。この態様では、貯蔵要素152は、粒子172を備えるマクロ粒子構造170を備えている。具体的には、マクロ粒子構造170の例は、米国特許5,260,345に記載されているように、坪量が45g/m2の発泡体吸収性材料のストリップの約0.35gと混合された約2gのスクラバー粒子である。(スクラバー粒子は、スクラビングパッド(例えば、Light Duty Scrubbers #00065としてLibman社(Arcola、イリノイ)から販売される)の研磨性不織ハイロフトサイドを切断して、約8mm×約7mm×約5mmの粒子にすることで、作製できる)。ストリップの寸法は、長さが約19mm、幅が約6.4mm、厚みが約2mmである。スクラバー粒子は、製品の長手方向軸に沿って配置された2.5インチ×6.4インチ(16平方インチ)の領域(この領域は、坪量が126g/m2で厚みが約0.8mmの「濡れるまで薄い」発泡体吸収性材料(本明細書において参照により取り入れられている米国特許5,387,207に記載されている)からなる)に分布している。スクラバー粒子は、吸収性発泡体ストリップと比較的均質に混合されており、「濡れるまで薄い」吸収性発泡体材料層によって範囲が限定された領域内で自由に動くことができる。粒子およびストリップは、網状構造トップシートまたはその他の何れの層にも接合されていないことが好ましい。FMAは好ましくは、本明細書で説明した何れかの方法によって、貯蔵層の粒子要素と関係付けられている。受け取り要素150は、「濡れるまで薄い」吸収性発泡体層の周縁の外側で、下部層に接続されている。
【0165】
他の態様においては、図21に示すように、本発明の吸収製品は、別個に着用者に付けるか、または着用者の下着、外部カバーの中に設けるための、挿入物21または生理用ナプキンなどであってもよい。つまり挿入物21は、通常はパンツの形状を取ることが意図されておらず、逆に挿入物21は、挿入物21を着用者の周りの所定の位置に保持するパンツまたはその他の構造と一緒に用いる。吸収性挿入物21は、中央領域137によって隔てられた1組の対置するエンド領域135を有し、吸収性コア28、受け取り要素150、貯蔵要素152、および/または不動化要素154を備え得る吸収性アセンブリ27を備える。また挿入物21は、使用中に挿入物21をパンツまたは外部カバー29の所定の位置に保持するための、1または複数のアタッチメント要素41を備えていてもよい。アタッチメント要素41は、吸収製品を下着に取付けるための粘着剤、付着剤(cohesive)、フック、スナップ、バックル、ボタン、タイ、磁気部品、電子部品、および/または他の何らかの既知の手段を備えていてもよい。
【0166】
試験方法
粘度
粘度は、制御された応力レオメーターを用いて測定することができる。好適なレオメーターは、T.A.Instruments社(New Castle、デラウェア)からモデルナンバーSC2100として販売される。レオメーターは、ステンレス製の平行プレート取り付け具を用いている。レオメーターは、試料が置かれる固定された第1プレート、および第1プレートの上に設けられた第2プレートを有する。第2プレートは、前記第2プレートの軸が第1プレートに対して垂直になるように設けられている。第2プレートは、直径が2または4cmである。2cmの平行プレートは、硬く、ペースト状の、または非常に粘液状の試料に使用し、4cmの平行プレートは非常に柔らかいまたは「水のような」糞便試料に使用する。第1および第2プレートは、測定作業の間は、2000ミクロン以下の間隔で離しておく。第2プレートは、軸の周りに回転させるためのドライブシャフトに接続されている。また、ドライブモーターおよび歪みセンサーがドライブシャフトに設けられている。
【0167】
試験する好適な類似体の試料(典型的に2ないし3g)を、第1プレートの中央に置いて、第2プレートの軸の下のほぼ中心にする。試験前に、未消化の大きな食物材料片(例えば種)を全て取り除く。第1プレートを所定の位置まで持ち上げる。第2プレートの直径の外にはみ出た余分な量の試料を、スパチュラを使って取り除く。次に、試料のエッジの周りに水を噴霧して、測定作業中の水分の損失が原因となるエッジ効果を防ぐ。ペースト状の硬い試料用にプログラムされた50ないし50000dynes/cm2のせん断応力の印加を、レオメーターによって試料に対して行う。柔らかくて水っぽい試料に対しては、代わりに5ないし5000dynes/cm2のせん断応力を用いた。データを、見かけ粘度=kj(n-1)のべき法則関数にフィットさせる。ここで、k=コンシステンシー(単位はcP×sec(n-1))、j=せん断速度(単位は1/sec)、またn=せん断指数(無次元)である。従って、j=1/secの場合、粘度=kである。(プレートは試験の間じゅう35℃に保つ)。
【0168】
硬度方法
硬度は、Stevens-Farnell QTS-25 Texture Analyzer、Model 7113-5kg、および486以上のプロセッサーを有するインテルベースの装置上で動かす関連ソフトウェアを用いて測定する。1/2インチのステンレス製の球形プローブおよび類似体の容器を用意する。好適なプローブは、Leonard Famell社(Hatfield、イギリス)から販売されるTA18プローブである。類似体の容器は、7mLの線状低密度ポリエチレンのシンチレーションバイアル(内径が0.55インチ±0.005インチ)を、約16mmの長さに切断することで作製することができる。好適なバイアルは、Kimble Glass社(Vineland、ニュージャージー)から#58503-7バイアルとして販売される。類似体の容器を、試験する類似体(後述するように類似体AまたはB)または糞便によって、一番上のエッジ(水位)まで満たす。改質剤を評価する場合には、試料は後述する試料調製方法によって調製する。バイアルを1/2インチのステンレス製球形プローブの下の中心に置く。プローブを下げて、バイアル内の類似体の表面とちょうど接触させる。プローブ162を、約100mm/分で下方に7mm動かしたのち止める。硬度は、プローブがその7mmのストロークで受けた記録された最大の抵抗力である。(部屋および類似体の温度は、測定作業の間、約65ないし75°Fでなくてはならない)。参考までに、硬度は、材料の複合的な係数(材料の粘度および弾性率の組み合わせ)に密接に関係することが分かっている。
【0169】
類似体Aの作製方法
1.5gのUltra Dawn食器用洗剤(プロクター&ギャンブル社(シンシナティ、オハイオ)から販売される)を空の金属製ミキシングボウルへ入れる。Feclone FPS-2およびFeclone FPS-4の各10gを、Dawnが入っているボウルに加える。(Felcone材料は両方とも、Siliclone Studios(Valley Forge、ペンシルベニア)から販売される)。次に、200°Fに加熱された200mLの蒸留水をミキシングボウルに加える。次に、こうして得られた混合物を、混合物に気泡が入らないようにゴムまたはプラスチック製のスパチュラを用いて手で注意深く攪拌して均一にする(通常約3ないし5分間)。適切に調製すれば、類似体Aの硬度は、上述の硬度方法で測定したときに約7ないし10gとなる。
【0170】
類似体Bの作製方法
Feclone FPS-4、Feclone FPS-6、およびFeclone FPS-7の各5gを、空の金属製ミキシングボウルに入れる。(Felcone材料は両方とも、Siliclone Studios(Valley Forge、ペンシルベニア)から販売される)。次に、0.67gのCarbopol 941(B.F. Goodrich社(Brecksville、オハイオ)から販売される)をボウルに加えた後、ゴムまたはプラスチック製のスパチュラを用いてこれらの4つの成分を均一に混ざるまで攪拌して、水と混ぜたときにこの粉末材料がすぐに十分に分散することを保証する。次に、200°Fに加熱された60mLの水をミキシングボウルに加える。こうして得られた混合物を手で混合した後、混合物に気泡が入らないようにゴムまたはプラスチック製のスパチュラを用いて注意深く攪拌して均一にする(通常約3ないし5分間)。適切に調製すれば、類似体Bの硬度は、約600ないし650gとなる。
【0171】
類似体Cの作製方法
類似体Cは、10gのCarbopol 941(B.F. Goodrich社(Brecksville、オハイオ)から販売される)または同等のアクリルポリマーを、900mLの蒸留水と混合することによって作製する糞便物類似体である。Carpobol 941および蒸留水を、別々に重さを量って測定する。直径2インチのパドルを有する3枚ブレードの舶用タイプのプロペラ(VWR Scientific Products社(シンシナティ、オハイオ)からカタログ# BR4553-64で販売され、3/8“の攪拌シャフトBR4553-52に取付けられている)を用いて、蒸留水を攪拌する。プロペラ速度は、混合中は450rpmで一定でなければならない。攪拌器は、水を跳ねることなく渦巻きを形成しなければならない。Carbopolをゆっくりとふるいにかけながら水の中に投じて、それが白い塊または「フィッシュアイ」を形成することなく渦巻きの中へ吸い込まれて混合されるようにする。混合物を、Carbopolを全て加えるまで、そしてその後2分間の間、攪拌する。均一な混合物にするために、必要に応じて、混合物が入っているボウルの側面をこすり落とさなければならず、かつボウルを回転させなければならない。(混合物はおそらく、気泡でわずかに曇る)。次に、100gの1.0規定の容積測定のNaOH溶液(J. T. Baker社(Phillipsburg、ニュージャージ)から販売される)を測定して、ゆっくりと混合物に加えた後、混合物を均一になるまで攪拌する。混合物はどろっとして透明になるはずである。混合物を、このアルカリ溶液を加えたのち2分間攪拌しなければならない。中和された混合物は、少なくとも12時間平衡させておかなければならず、その後96時間以内に加圧下受け取り値試験に用いなければならない。Carbopol混合物を使用する前に、この混合物を容器中で約1分間、低速(約50rpm)で攪拌して、均一であることを保証しなければならない。
【0172】
類似体Cは、正しく調製すれば、「硬度」の値が55ないし65gとなるべきである。硬度は、Stevens-Farnell QTS-25 Texture Analyzer、model 7113-5kg、および486以上のプロセッサーを有するインテルベースの装置上で動かす関連ソフトウェアを用いて測定する。1/2インチのステンレス製の球形プローブおよび類似体の容器を用意する。好適なプローブは、Leonard Famell社(Hatfield、イギリス)から販売されるTA18プローブである。類似体の容器は、7mLの線状低密度ポリエチレンのシンチレーションバイアル(内径が0.55インチ±0.005インチ)を、約15mmの長さに切断することによって作製することができる。好適なバイアルは、Kimble Glass社(Vineland、ニュージャージー)から#58503-7バイアルとして販売される。類似体の容器を、試験する類似体によって、一番上のエッジから2mm以内にまで満たす。バイアルを1/2インチのステンレス製球形プローブの下の中心に置く。プローブを、バイアル内の類似体の表面から約1mmの距離のところまで下げる。プローブ162を、100mm/分で下方に7mm動かしたのち止める。硬度は、プローブがその7mmのストロークで受けた記録された最大の抵抗力である。(部屋の温度および類似体は、測定作業の間、約65ないし75°Fでなくてはならない)。
【0173】
試料調製方法
250mLのPrecleaned VWRbrand TraceCleanジャー(VWR # 15900-196)をはかりの上に載せて、表示をゼロにする。化学薬品の所望する量を計り取ってこのカップの中に入れ、その正確な重量を記録する。化学薬品の重量を記録した後、再びはかりの表示をゼロにする。糞便または糞便類似体の所望する量を計り取って、化学薬品の入ったカップの中に入れる。糞便または糞便類似体の正確な量を記録した後、化学薬品および糞便または糞便類似体を、Standard Ayre Cervi-Scraper(VWR # 15620-009)のスパチュラエンドを用いて均一になるまでよく攪拌する(全体の攪拌時間は、通常約2分間である)。本方法の目的のために、攪拌プロセスの開始をt=0分として定義する。試料を混合した後、所望する反応時間の残りの間、試料を放置する。本明細書で示すデータの場合、この反応時間を、t=3分(攪拌プロセスの開始からの経過時間)に設定している。次に、Standard Ayre Crevi-Scraperのスパチュラエンドを用いて、試料を硬度方法で上述した16mmの容器に入れ、硬度試験を行う(上述したように、攪拌プロセスの開始から3分後に始める)。
【0174】
加圧下受け取り値
加圧下受け取り値は、図22に示す装置139を用いる以下の試験によって測定する。中空のプレキシガラスシリンダー140が、厚みが約9.5mmのステンレス製プレート142に取付けられている。プレート142は正方形で、約10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)である。シリンダー140とプレートとの組み合わせは、高さが7.6cm(約3.0インチ)、内径が5.08cm(約2.00インチ)、外形が6.3cm(約2.48インチ)である。シリンダー140の底部は、プレート142の下に約3.5mmの距離だけ出ている。へり143によって、指定した試験領域の外側へ試験流体166が漏れることを防いでいる。また、625gの重り156が2つ設けられていて、直径はそれぞれ5.08cm(約2.0インチ)である。
【0175】
円筒形状の24.6gのプレキシガラスの重り144が設けられている。おもり144の直径は5.08cm(約2.0インチ)であるので、おもり144はシリンダー140内部の公差に適合するが、シリンダー140の孔141の至るところを自由にスライドできる。この装置によって、約119パスカル(Pa)(約0.017ポンド/インチ2)の圧力、および約20.27cm2(約3.142インチ2)の試験領域が得られる。必要ならば、おもり144にハンドル145を取付けて、おもり144をシリンダー140に容易に挿入し、また取り出せるようにしてもよい。この場合、ハンドル145および円筒形状の重り144を組み合わせた質量は、24.6gに等しくなければならない。
【0176】
加圧下受け取り値特性を試験するための構造からなる試料146を用意する。試料146を既存のおむつから切り出してもよいし、おむつに形成されていない材料から作ってもよい。試料146は例えば、製品で用いるための構造そのまま、または評価する製品の構造そのままであり、一番上に層161を備えている。(上述の受け取り要素セクションで述べたように、別個の受け取り要素の加圧下受け取り値特性を測定するためには、何れかの下部構造または層の代わりに標準の貯蔵要素147を用いて、加圧下受け取り値試験を行う。ここで用いる標準の貯蔵要素147は、図23に示すように、153個の規則正しく配置された直径4.3mmの孔168のパターンが設けられた4インチ四方の厚み1.6mmのアルミニウムプレートを備える。1インチ2当たり約26個の孔が存在するように、孔は配置されている)。試料146を切断して、10.16cm×10.16cm(約4インチ×4インチ)の正方形にしなければならない。
【0177】
5層の高坪量の吸い取り紙149(4インチ×4インチ)を用意する。試料146の一番上の層161を取り去った後、試料146の残りの構成部分または層(複数の構成部分または層がある場合)と、5枚の吸い取り紙材料149との重さを、0.01gの位まで測る。そのため、試料146をおむつから切り出す場合、おむつの層例えばトップシート、第2のトップシート、捕捉層、吸収性コアなどは、重さをはかる前に分離しておかなければならない。(場合によっては、ただ1つの層が2以上の永続的に接続された構成部分を備える場合がある)。上述のようにする場合、試料146を破壊しないように、または試料146のどの部分についても意図しない著しい変形が生じないように、注意を払わなければならない。試料146の層を凍結させることによって、それらの層を試料146の隣接する層から分離することを助けてもよい。凍結は、Philips ECG社(Waltham、マサチューセッツ)が作製するPH 100-15循環用冷却剤を用いて行うことができる。
【0178】
試料146を、5層に積み重ねた吸い取り紙材料149の一番上に、最初の構成のように再び組み立てる。その際、試料146の着用者を向く面を上側にして、吸い取り紙材料149から離すようにしなければならない。吸い取り紙材料149は好ましくは、坪量が約90g/mのろ過グレード紙(Ahlstrom Filtration社(Mt. Holly Springs、ペンシルベニア)から#632-025として販売される)である。
【0179】
試料146と吸い取り紙材料149とを組み合わせたアセンブリを、Stevens-Farnell QTS-25 Model 7113-5kg Texture Analyzer160(Leonard Farnell社(Hatfield、イギリス)から販売される)の作業面(work surface)164の中央に置いて、プローブ162の下に位置させる。好適なプローブ162は端が平坦な100cmの円柱状のアルミニウム伸張ロッド「QTSM3 100」(Leonard Farnell社(Hatfield、イギリス)から販売される)である。シリンダー140を試料146の中央に置く。625gの2つの重り156を、プレート142の(対角線上の)対置するコーナーに置いて、プレート142を安定させる。約4ないし6mmの開口部を有する注射器を用いて、約10cm3の粘性流体の身体排泄物類似体166(後述するように類似体C)を、シリンダー140の孔141を通して、試料146の一番上へ付与する。
【0180】
適切な量の糞便類似体166(類似体C)を計り取ってシリンダー140の中に入れたらすぐに、24.6gの重り144を、シリンダー140の孔141の中にゆっくりと静かに挿入して類似体の表面に載せる。次に、おもり144を時計方向に静かに1回転させた後、反時計方向に1回転させる。両方の回転は、重りに下向きの力がわずかでも加わることを注意深く避けながら行う。Texture Analyzer160を作動させ、プローブ162によって円筒状のおもり144を10mm/分の速度で約144.6gの抵抗力に達するまで押し下げる。Texture Analyzer160は、144.6gの抵抗力に達したらすぐに下向きのストロークを停止するように設定する。記録器は、抵抗力が5gになったら始動するように設定する。(144.6gの最大抵抗力は、700パスカルまたは0.1ポンド/インチ2の印加圧力に相当する)。144.6gの抵抗力に達したらすぐに、プローブ162をその開始点まで引き上げる。
【0181】
重り144をシリンダー140から取り出した後、シリンダー140に残るわずかな類似体Cも試料に垂れないように気を付けながら、シリンダー140を試料146の表面から取り去る。次に、試料146の一番上の層161を、試料146の下部層から取り去る。これは、できればわずかな類似体Cも吸い取り紙に垂れないように気を付けながら、一番上の層161を下部層の表面と平行に引っ張ることによって行う。下部層と平行に引っ張ることでは一番上の層161を取り去るのが難しい構造の場合には、一番上の層161を試料146の下部層から剥ぎ取るかまたは上に引き離してもよい。試料146が、ただ1つの層のみを備える場合には、後述する標準の受け取り要素151を試料146の一番上の層161として用いる。次に、試料146の下部層と吸い取り紙材料149との重さを量る。試料146が受け取る試験類似体Cの重さは、試料146の下部層と吸い取り紙材料149との組み合わせ重量における増加に等しく、この増加は、単位面積ベースで単位実施仕事量(mJ)あたりに試料146の一番上の表面層を浸透する試験類似体Cによって生じる。力vs距離カーブにおける面積(単位仕事量の計算に用いる)を、下向きのストローク時にプローブに抵抗する力を、144.6gの最大の力が記録されるまでの全移動距離に渡って積分することによって計算する。単位となる仕事量を、次の式を用いて計算する。 単位仕事量(mJ)=力対距離カーブでの面積(g/mm)(9.81m/s2)/(1000mm/m)。
【0182】
本発明の特定の態様について例示し説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく種々の変形および修正を行えることが、当業者にとっては明らかである。従って、添付の特許請求の範囲においては、この発明の範囲に含まれるこのような全ての変形および修正を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】下部構造を見せるために一部が切り取られ、おむつの身体に向かう面が見る者の方を向いている本発明の吸収製品の態様を示す平面図。
【図2】本発明の他の態様の平面図。
【図3】本発明の態様の拡大断面図。
【図4】下部構造を見せるために一部が切り取られ、おむつの身体に向かう面が見る者の方を向いている本発明の吸収製品の態様を示す平面図。
【図5】本発明の排泄物バッグの態様の斜視図。
【図6】排泄物バッグを含む吸収製品の斜視図。
【図7A】電気感受性ゲルを含む本発明の応答システムの態様を示す図。
【図7B】電気感受性ゲルを含む本発明の応答システムの態様を示す図。
【図8A】電気感受性ゲルを含む本発明の応答システムの他の態様を示す図。
【図8B】電気感受性ゲルを含む本発明の応答システムの他の態様を示す図。
【図8C】電気感受性ゲルを含む本発明の応答システムの他の態様を示す図。
【図9A】単一信号閾値レベルを有する本発明の不連続応答システムの理想的な出力関数を示す図。
【図9B】多重信号閾値レベルを有する本発明の不連続応答システムの理想的な出力関数を示す図。
【図10A】本発明の不連続応答システムの例示的出力応答関数を出力関数の第1、第2および第3導関数とともに示す図。
【図10B】等しい時間定数を有する一連の一次ラグを有するコントロールシステムの輸送関数を示す図。
【図11A】本発明の機械ポンプを含む応答システムの態様の断面図。
【図11B】本発明の機械ポンプを含む応答システムの態様の断面図。
【図11C】本発明の機械ポンプを含む応答システムの態様の断面図。
【図12】構造をより明確に示すために一部を切り取って平坦に伸ばした状態における本発明のおむつである製品の平面図。
【図13】活性化前に圧縮された状態における本発明の身体排泄物隔離デバイスの斜視図。
【図13A】図13の線2A−2Aに沿った断面図。
【図14】活性化後の図13の態様の斜視図。
【図14A】図14の線3A−3Aに沿った断面図。
【図15】例示的身体排泄物隔離デバイスの拡大平面図。
【図15A】断面線15Aに沿った図15に示すデバイスの断面図。
【図16】例示的身体排泄物隔離デバイスの拡大平面図。
【図16A】断面線16Aに沿った図16に示すデバイスの断面図。
【図17】身体排泄物隔離デバイスの他の態様の断面図。
【図18】下部構造を見せるために一部が切り取られ、おむつの身体に向かう面が見る者の方を向いている本発明の吸収製品の態様を示す平面図。
【図19】断面線3−3に沿った本発明の吸収製品態様の断面図。
【図20】本発明の吸収製品の他の態様の断面図。
【図21】下の構造を見せるために一部を切り取った本発明の衛生ナプキンの態様の平面図。
【図22】ある構造の加圧下受け取り値特性の測定に使用可能な装置の概略的正面図。
【図23】図22に示す装置の一部品を示す平面図。
【符号の説明】
【0184】
20…おむつ
22…シャーシ
24…トップシート
26…バックシート
28…吸収性コア
30…サイドパネル
32…伸縮性レッグカフス
34…伸縮性ウエスト領域部材
36…第1のウエスト領域
37…クロッチ領域
38…第2のウエスト領域
40…締結システム
41…アタッチメント要素
47…身体側側面
50…長手方向エッジ
52…エンドエッジ
60…ブラシ構造
62…ブラシフィラメント
65…感応システム
66…センサー
67…アクチュエーター
68…マクロ多孔質発泡体
75…FMA
80…毛
82…基材
100…長手方向中心線
110…横方向中心線
120…排泄物取扱い要素
135…端部領域
137…中央領域
139…測定装置
140…シリンダー
141…孔
142…プレート
143…へり
144…重り
145…ハンドル
146…試料
147…貯蔵要素
149…吸い取り紙材料
150…受け取り要素
152…貯蔵要素
154…不動化要素
156…おもり
160…アナライザー
161…一番上の層
162…プローブ
164…作業面
166…試験流体
168…孔
170…マクロ粒子構造
172…粒子
174…隙間空隙スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のウエスト領域、該第1のウエスト領域と対向する第2のウエスト領域、該第1のウエスト領域と第2のウエスト領域との間に配置されたクロッチ領域を有する、糞便を受けるために適合した吸収製品であって、
液体透過性トップシート、
該トップシートの少なくとも一部に接続されたバックシート、
該トップシートの少なくとも一部と該バックシートとの間に配置された吸収性コア、
少なくとも1つのセンサーと少なくとも1つのアクチュエーターを含む応答システム、および
有効量の糞便改質剤
を備える吸収製品。
【請求項2】
糞便改質剤が、粘度低下剤である請求項1に記載の吸収製品。
【請求項3】
粘度低下剤が、還元剤である請求項2に記載の吸収製品。
【請求項4】
還元剤が、スルファイト類、チオール類、チオールアルコール類、メルカプト酢酸、ナトリウムチオグリコレート、チオ乳酸、チオグリコアミド、グリセロールモノチオグリコレート、ボロ水素化物類、第3アミン類、チオシアネート類、チオスルフェート類、シアン化物類、チオホスフェート類、亜ヒ酸塩類、ホスフィン類、フェノール類、ベタイン類、リチウムアルミニウム水素化物、塩化アルミニウム、グアニジン塩酸塩、塩化第1スズ、ヒドロキシルアミンおよびLiHB(C2 5 3 からなる群の中から選ばれる請求項3に記載の吸収製品。
【請求項5】
糞便改質剤が、糞便水遊離剤である請求項1に記載の吸収製品。
【請求項6】
糞便水遊離剤が、凝集剤である請求項5に記載の吸収製品。
【請求項7】
糞便水遊離剤が、無機凝集剤を含む請求項5に記載の吸収製品。
【請求項8】
無機凝集剤が、2価および3価の金属塩を含む群から選ばれる請求項7に記載の吸収製品。
【請求項9】
金属塩が、鉄、アルミニウム、カルシウムおよびナトリウムの塩並びにそれらの混合物からなる群の中から選ばれる請求項8に記載の吸収製品。
【請求項10】
金属塩が、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸第1鉄、水酸化塩化アルミニウムおよびポリアルミニウムシリケートスルフェートからなる群の中から選ばれる請求項8に記載の吸収製品。
【請求項11】
糞便水遊離剤が、有機凝集剤を含む請求項5に記載の吸収製品。
【請求項12】
有機凝集剤が、水溶性ポリアミドおよびその誘導体、ポリアクリルおよびその誘導体、ポリアミン、並びにポリビニルピロリドンからなる群の中から選ばれる請求項11に記載の吸収製品。
【請求項13】
糞便改質剤が、カルシウムベースの改質剤である請求項1に記載の吸収製品。
【請求項14】
糞便改質剤が、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよび塩化カルシウムからなる群の中から選ばれる請求項13に記載の吸収製品。
【請求項15】
糞便改質剤が、粘度増加剤を含む請求項1に記載の吸収製品。
【請求項16】
粘度増加剤が、増粘剤を含む請求項15に記載の吸収製品。
【請求項17】
増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ポリアクリル酸およびその塩、ポリアクリルアミド、およびポリエチレンイミンを含む群の中から選ばれる請求項16に記載の吸収製品。
【請求項18】
粘度増加剤が、イオン錯化剤を含む請求項15に記載の吸収製品。
【請求項19】
イオン錯化剤が、ZnO、MgO、MnO、CaO、水酸化カルシウム、エタノールアミン類、第4級アンモニウム塩、Al2 3 、アルギネート、亜鉛塩、アルミニウム塩およびそれらの組合せからなる群の中から選ばれる請求項18に記載の吸収製品。
【請求項20】
イオン錯化剤が、架橋剤を含む請求項18に記載の吸収製品。
【請求項21】
糞便改質剤が、約0.5重量%以下の濃度において、糞便の硬度を少なくとも約25%減少させる請求項1に項記載の吸収製品。
【請求項22】
糞便改質剤が、約0.5重量%以下の濃度において、糞便の硬度を約100%以上減少させる請求項1に項記載の吸収製品。
【請求項23】
糞便改質剤が、製品の約0.01重量%以上の濃度で存在する請求項1に記載の吸収製品。
【請求項24】
応答システムが、糞便改質剤を糞便に配給すること、糞便改質剤を着用者の皮膚に配給すること、糞便改質剤を糞便と混合させることからなる群の中から選ばれる1またはそれ以上の機能を達成する請求項1に記載の吸収製品。
【請求項25】
応答システムが、糞便改質剤を備えるキャリヤーを糞便と接触させるように移動させる請求項24に記載の吸収製品。
【請求項26】
アクチュエーターが、機械的アクチュエーターを包含する請求項1に記載の吸収製品。
【請求項27】
アクチュエーターが、
外形および少なくとも1つの内部チャンバを有し、該内部チャンバを周囲圧力よりも低い圧力に維持する圧力差動デバイス、および
該圧力差動デバイス内に配置され、真空圧縮下に保持される少なくとも2つの弾性要素
を備える請求項1に記載の吸収製品。
【請求項28】
内部チャンバの低い圧力を増加させ得るトリガー機構をさらに備える請求項27に記載の吸収製品。
【請求項29】
トリガー機構が、センサーまたはアクチュエーターからなる群の中から選ばれる請求項28に記載の吸収製品。
【請求項30】
着用者がそれに放尿する尿負荷ゾーンを含み、トリガー機構の少なくとも一部が該尿負荷ゾーン内に少なくとも部分的に配置される請求項27に記載の吸収製品。
【請求項31】
センサーが、電気的センサー、機械的センサー、化学的センサー、バイオセンサー、水溶性フィルム、水溶性pH感受性フィルム、および閉鎖系液体輸送部材からなる群の中から選ばれる請求項1に記載の吸収製品。
【請求項32】
センサーが、真空封止バッグを含み、該真空封止バッグの少なくとも一部が水溶性である請求項1に記載の吸収製品。
【請求項33】
応答システムが、不連続応答を果たす請求項1に記載の吸収製品。
【請求項34】
おむつ、トレーニングパンツ、衛生ナプキン、タンポンおよび成人失禁デバイスからなる群の中から選ばれるものである請求項1に記載の吸収製品。
【請求項35】
着用者から身体排出物を受け取るための使い捨て製品であって、
開口を含むバッグ、
該バッグを着用者に接続するための手段、
該バッグの少なくとも一部に操作的に付随し、少なくとも1つのセンサーと少なくとも1つのアクチュエーターを備える応答システム、および
有効量の糞便改質剤
を備える使い捨て製品。
【請求項36】
糞便改質剤が、粘度低下剤である請求項35に記載の吸収製品。
【請求項37】
糞便改質剤が、糞便水遊離剤である請求項35に記載の吸収製品。
【請求項38】
糞便改質剤が、カルシウムベースの改質剤である請求項35に記載の吸収製品。
【請求項39】
糞便改質剤が、粘度増加剤を含む請求項35に記載の吸収製品。
【請求項40】
糞便改質剤が、約0.5重量%以下の濃度において、糞便の硬度を少なくとも約25%減少させる請求項35に項記載の吸収製品。
【請求項41】
応答システムが、糞便改質剤を糞便に配給すること、糞便改質剤を着用者の皮膚に配給すること、糞便改質剤を糞便と混合させることからなる群の中から選ばれる1またはそれ以上の機能を達成する請求項35に記載の吸収製品。
【請求項42】
応答システムが、糞便改質剤を備えるキャリヤー構造を糞便と接触させるように移動させる請求項41に記載の吸収製品。
【請求項43】
アクチュエーターが、機械的アクチュエーターを包含する請求項35に記載の吸収製品。
【請求項44】
結腸瘻バッグまたは排泄物バッグからなる群の中から選ばれるものである請求項35に記載の吸収製品。
【請求項45】
着用者の下着中に置かれる挿入物であって、
第1の端部領域、
該第1の端部領域と対向する第2の端部領域、
該第1の端部領域と第2の端部領域を分ける中央領域、
該挿入物の少なくとも一部に操作的に付随し、少なくとも1つのセンサーと少なくとも1つのアクチュエーターを備える応答システム、および
有効量の糞便改質剤
を備える挿入物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図14】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図15】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図16】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2010−227591(P2010−227591A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−126557(P2010−126557)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2000−556817(P2000−556817)の分割
【原出願日】平成11年6月29日(1999.6.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】