糸用蓄光器
【課題】通常の釣りを行いながら釣糸を自動的かつ効果的に励起でき、釣糸の蓄光機能を有しながらも、重量的違和感、糸からみや飛距離減などのトラブルがなく釣りができ、着脱・調整等の手間を省き、実用的な糸用蓄光器を提供することを目的とする。
【解決手段】
リール内のドラグノブ8のケース13内に光源の発光ダイオード14および電池15とを収納し、更に、電池15を取り出し可能にする開け閉め可能な蓋16を組み合わせて構成し、発光ダイオード14は糸巻き部3に近接させ、糸巻き部3は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部3内を伝い糸巻き部3に巻き付けされた蓄光釣糸6に光が照射されるよう構成する。
【解決手段】
リール内のドラグノブ8のケース13内に光源の発光ダイオード14および電池15とを収納し、更に、電池15を取り出し可能にする開け閉め可能な蓋16を組み合わせて構成し、発光ダイオード14は糸巻き部3に近接させ、糸巻き部3は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部3内を伝い糸巻き部3に巻き付けされた蓄光釣糸6に光が照射されるよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に魚釣りに使用する蓄光性釣糸に蓄光させる蓄光機能を有した糸用蓄光器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリアミドやフロロカーボンなどの合成樹脂モノフィラメントに蓄光性蛍光顔料などの蓄光剤を含有させてなる蓄光用蛍光釣糸が開発されている。前記、蓄光釣糸を夜間に使用する際には、断続的に蓄光釣り糸に光を照射することで蓄光剤を励起し、周囲が暗い状態で視認可能な自発光状態にする必要がある。
【0003】
そこで、近年では、釣竿またはリールに取り付けて、リールから放出中および巻き取り中の蓄光釣糸に対し光照射する糸用蓄光器が提案されている。例えば、キセノンランプからなる光源を内蔵した蓄光器本体とスイッチを備えた電源ボックスとを備えてなり、蓄光器本体の内部に蓄光性釣り糸を通過させる構成の蓄光器(特許文献1)や、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と蓄光釣糸を貫通する中空部とを収納する発光部ケースと、電源を備え、釣竿に取り付けて使用する蓄光器(特許文献2)などが公知となっている。
【特許文献1】特開2004−298048
【特許文献2】特開2006−94820
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、蓄光性釣り糸を励起発光させる蓄光器を外部より設けた釣用具である。特許文献1によると、蓄光器本体は、キセノンランプを用いるので、釣り糸を十分に励起するために、蓄光器本体は糸の巻き取り速度に応じて5cm〜50cmの長さが必要となる。機器がかなりの大型となり、釣りをするにあたり制限がある。また、特許文献2に示す蓄光器においては、発光部を釣竿の第一ガイドと第二ガイドの間に取り付け、場合によっては、釣竿の軸に沿って電源コードを這わせ、電源部を竿尻付近に取り付けて使用するものである。このような従来技術を用いた場合、以下のような不具合があった。
【0005】
まず、取付けた蓄光器が突起となり、その突起が、糸が通過する放出領域にあるので、糸がらみ等のトラブルが発生しやすい。特に夜釣りにおいては、昼間より糸がらみ等を解き難いことから、釣果に悪影響を及ぼすことがある。また、釣糸が、取り付けた蓄光器を通過する際に通過抵抗が増大し、疑似餌や仕掛けの飛距離が低下する。また、蓄光器を取り付けたことにより釣用具の重量バランスが著しく変化し、釣用具を持ったり釣竿を振った時に負担が大きいので、釣人の手・腕が疲れやすいこと、および指し餌や疑似餌に動きをつけるための、竿をしゃくる動作を妨げたり、狙った場所にうまく仕掛けを投入することができなくなることがある。また、蓄光器を着脱し道具毎に設置調整する手間がかかり、肝心な釣りの時間を制限するものである。
【0006】
本発明は、前記、従来の問題点に鑑みてなされたもので、通常の釣りを行いながら釣糸を自動的かつ効果的に励起でき、蓄光機能を有しながらも、重量的違和感、糸からみや飛距離減などのトラブルがなく釣りができ、着脱・調整等の手間を省き、実用的な糸用蓄光器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射することを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明の糸用蓄光器は、リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内の蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射している。この構成にし、リール内部で蓄光釣糸に光を照射すると、リール外部及び周辺においては、蓄光機能を付加したことに起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、糸巻き部に巻かれた糸に光を照射しているだけなので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離に影響が出ない。また、光源や配線、電源をリールに内蔵し、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べ重量増加は有るが、リールは竿の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴としている。この構成にし、リールを構成する一部分であるガイド部材によって蓄光釣糸に光を照射すると、リール外部及び周辺においては、蓄光機能を付加した事に起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、リールに最初から備えられているガイド部材にて光を照射するので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離に影響が出ない。また、光源や配線、電源をリールに内蔵し、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べ重量増加は有るが、リールは竿の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けている。この構成の蓄光用釣具は釣糸を釣竿内に通した、いわゆる「中通し竿」である。蓄光釣糸に 光を照射する照射部を釣竿内に設けているので、蓄光機能を付加した事に起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、中通し竿の釣竿内に釣糸を通す構造を利用して光を照射しているだけなので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離を落とさない。
【0015】
請求項4の発明によれば、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴としている。一般に、釣竿に備えられている糸ガイドは、その数が多いほど釣糸の接触摩擦が増すので、疑似餌や仕掛けの飛距離が落ちるが、この構成によると釣竿に元々ある糸ガイドと釣糸に光を照射する光照射部を兼ねて設置するため、糸ガイドの数を増やすことが無い。このため、蓄光機能を付加したことに起因する糸の通過抵抗の増大が無く、疑似餌や仕掛けの飛距離減が起こらない。また、元々備えられている糸ガイドが光照射部を兼ねるだけなので、糸ガイドは通常に糸を導く機能を果たし、不快な糸絡みは発生しない。
【0016】
請求項5の発明によれば、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴としている。
【0017】
この構成は、釣糸を巻いた糸巻き部をリール外部から照射するものである。釣竿またはリールの脚部より発光させると、糸の接触が懸念される放出領域に発光部突起を近づけることなく光を照射することができるため、蓄光機能を付加しながらも糸の通過抵抗の増大が無く、疑似餌や仕掛けの飛距離減・不快な糸からみが起こらない。光の照射範囲を制限する集光手段を備えているので、糸巻き部分に集中して光を照射でき、効率よく蓄光することができる。また、糸の照射範囲を調整する手段も備えており、糸巻き部分以外には光を散らさないので、釣り人にとって眩しくなく、周囲に光を散らさないので魚に違和感を与えることも無い。また、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べて重量増加は有るが、付加重量は釣用具の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射する構成の実施形態を示すもので、一般的な形状のスピニングリールに蓄光機能を付加したものである。
【0020】
スピニングリールは、スピニングリール本体部1より突出したメインシャフト2に糸巻き部3が装着され、スピニングリール本体部1に備えられたハンドル4を回すことにより、回転枠5が糸巻き部3周囲を回転し、回転枠5によって導かれた釣糸6が90度方向を変えて糸巻き部3に巻かれるリールである。メインシャフト2がハンドル4の回転に同期して軸心方向に往復運動することで、糸巻き部3が往復運動し、回転枠5より導かれる釣糸6が糸巻き部3上に均一に振り分けられる。糸巻き部3は、メインシャフト2の中ほどに固定設置された受け座金7により位置決めされ、メインシャフト2先端と螺合されるドラグノブ8により、ドラグワッシャ9を介して締め付けられ固定される。本実施例では、ドラグノブ8内に光源及び電源を内蔵した。ドラグノブ8は、ドラグワッシャ9と接する押さえ具10と、メインシャフト2と螺合されるナット11と、押さえ具10とナット11間に位置し糸巻きを押さえ付ける力を発生するドラグバネ 12とをケース13内に収納してなるものである。蓄光機能を付加するため、そのケース13内に光源の発光ダイオード14および電池15とを収納し、更に、電池15を取り出し可能にする開け閉め可能な蓋16を組み合わせて構成している。電池収納部に配置されたプラス接触片17とマイナス接触片18により電池15から給電され、発光ダイオード14を発光させる。発光ダイオード14は、指向角の狭い砲弾型の発光ダイオードが望ましく、糸巻き部3に近接させ、照射方向を糸巻き部3に向け設置する。電池15はドラグノブ8の外形が出来る限り外部に突出しないよう、薄型のコイン型電池を使用するのが望ましい。発光ダイオード14は紫外線発光ダイオードを使用し、点灯電圧を確保するため、コイン型電池15を2枚重ねて直列接続している。発光ダイオード14の前面は、糸巻き部3方向に光が抜けるようケース13に穴19が開けられている。この穴19は透明材料を嵌め込み代替しても良い。糸巻き部3は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部3における糸溜まり部の反対面の全面に反射鏡20を設置する。この構成により、ドラグノブ8と近接する面から入射した光は、透明である糸巻き部3内を伝い蓄光釣糸6に光が照射される。糸溜まり部の反対面の反射鏡20により、光漏れを最小限にし、蓄光釣糸6に効率良く光を照射することができる。なお、光源の発光ダイオード14を複数個使用すれば、より明るく光ると共に照射ムラをなくすことが可能である。
【0021】
このような一般的なスピニングリールにおいては、使用中に糸巻き部3とドラグノブ8は常に互いに近接した状態を保つため、光源の光を糸巻き部3上の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。ドラグノブ8内に光源の発光ダイオード14と電池15を内蔵するが、釣竿の持ち手付近に位置するリールの重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起はドラグノブ8前面に膨らみが付く程度であるため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0022】
図2は、図1の蓄光機能を付加したスピニングリールの、ドラグノブ8と糸巻き部3の分離状態を示した図である。このように、ドラグノブ8と糸巻き部3は、スピニングリール本体部1より簡単に分離可能で、ユーザーの手によっても簡単に交換が可能である。糸巻き部3とドラグノブ8を交換すれば、通常のリールに蓄光機能を付加することができるので、スピニングリール本体部1をそのまま生かしながら容易に蓄光機能付きリールを提供することができる。既に市販されているリールに適合するよう透明材料の糸巻きと光源を内蔵したドラグノブを設計すれば、ユーザーが、自身が既に所有するリールの一部のみを交換するだけで蓄光機能付きリールに変化させることができる。また、通常のリールにも簡単に戻すことができるのである。このように、手軽に使用できる蓄光機能付きリールを安価に提供することができるものである。なお、図示はしないが、スピニングリール本体部1のメインシャフト2近傍に光源の発光ダイオード14と電池15を収納し、糸巻き部3に向け光を照射する構成としてもよい。
【0023】
図3は、図1の実施形態と同じく、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射する構成の他の実施形態を示すもので、一般的な形状の両軸リールに蓄光機能を付加したものである。
【0024】
両軸リールは、回転軸22を有した糸巻き部23が、回転軸22両端を両軸リール本体部21に軸受けされ、両軸リール本体部21に備えられたハンドル24を回すことにより、糸巻き部23自体が回転し釣糸6を巻き取るリールである。また、釣糸6の放出時は糸巻き部23が逆回転する。蓄光機能を付加するため、両軸リール本体部21内に光源の発光ダイオード14および電池25とを収納している。電池収納部に配置されたプラス接触片26とマイナス接触片27により電池25から給電され、発光ダイオード14を発光させる。発光ダイオード14は、指向角の狭い砲弾型の発光ダイオードが望ましく、糸巻き部23側面に近接させ照射方向を糸巻き部23に向け設置する。発光ダイオード14は紫外線発光ダイオードを使用する 。電池25は小型軽量のものが望ましく、本実施例では一例として円筒形のカメラ用リチウム電池を使用している。糸巻き部23は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部23における糸溜まり部の反対面の全面に反射鏡20を設置する。この構成により、糸巻き部23側面より入射した光は、透明である糸巻き部23内を伝い釣糸6に光が照射される。糸溜まり部の反対面の反射鏡20により蓄光釣糸6に効率良く光を照射することができる。なお、糸巻き部23は、釣糸6の巻き取り・放出に伴い回転するので、均等に釣糸6に照射できる。この両軸リールの使用中は、糸巻き部23と、両軸リール本体部21内に設置された発光ダイオード14は常に近接した状態を保つため、光源の光を糸巻き部23上の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード14と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起は両軸リール本体部21側面に膨らみが付く程度であるため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0025】
図4は、リールにおいて蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射する構成の実施形態を示すもので、一般的な形状のスピニングリールに蓄光機能を付加したものである。
【0026】
スピニングリールは、図1の実施形態で述べた通り、スピニングリール本体部1に備えられたハンドル4を回すことにより、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材である回転枠5が糸巻き部3周囲を回転し、回転枠5によって導かれた釣糸6が糸巻き部3に巻かれるリールである。ハンドル4の回転に同期して糸巻き部3が往復運動し、回転枠5より導かれる釣糸6が糸巻き部3上に均一に振り分けられる。
【0027】
本実施例では、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材である回転枠5内に、光源及び電源を内蔵したものである。通常、回転枠5には、釣糸6の通過するラインローラー28とそのラインローラー28に釣糸6を導き入れるための円弧状のベイル29が備えられ、それらを糸巻き部3上に構成するためアームが台座部分より2本突出している。先端にラインローラー28の付いたアームA30とその180度反対側にアームB31が設けられている。本実施例では、この2つのアームより90度隔てた中間位置に、蓄光機能を付加するための光照射アーム32を設けている。光照射アーム32はベイル29の円弧が及ぶ側に突出させると糸絡みの原因になるため、その反対側に突出させる。なお、光照射アーム32を付加すると回転枠5の重量バランスが崩れ、リールのハンドルを回した時に振動が発生しやすい。このため、必要に応じ光照射アームの180度反対側に適当なバランサーオモリ33を設置する必要がある。
【0028】
光照射アーム32は、光源の発光ダイオード34及びプリント基板35、電池15を内蔵する。電池収納部に設けられたプラス接触片36とマイナス接触片37により電池15から給電され、各接触片はプリント基板35に接続され、プリント基板35上に実装された発光ダイオード34を点灯させる。光照射アーム32は、先端を糸巻き部3上まで伸ばし、先端を透明カバー38で形成している。発光ダイオード34は、透明カバー38部に位置し糸巻き部3方向に向け光を発する。
【0029】
本実施例では発光ダイオード34は、省スペース化のためチップ型の紫外線発光ダイオードを使用している。電池15も同じく省スペースと軽量化のため、コイン型電池を使用している。
【0030】
スピニングリール本体部1のハンドル4を回転されると、糸巻き部3に向けて発光する回転枠5が糸 巻き部3の周囲を回転し、同時に糸巻き部3が往復運動を繰り返すので、回転枠5から発せられた光は、糸巻き部3上の全域を満遍無く、しかも断続的に繰り返し照射することになり、蓄光釣糸6を常に明るい状態で使用できるものである。
【0031】
回転枠5へ光源および電池を収納するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、回転枠5に光照射アーム32などの追加はあるが糸の放出範囲への突起は無いため糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0032】
図5は、リールにおいて蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射する構成の他の実施形態を示すもので、一般的な形状の両軸リールに蓄光機能を付加したものである。
【0033】
両軸リールは、回転軸22を有した糸巻き部23が、回転軸22両端を両軸リール本体部21に軸受けされ、両軸リール本体部21に備えられたハンドル24を回すことにより、糸巻き部23自体が回転し釣糸6を巻き取るリールである。糸巻き部23前面には、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材のレベルワインダ39が設置され、釣糸6を通した糸通し筒40がハンドルの回転に応じてレベルワインダ軸41上を左右に往復し、釣糸6が糸巻き部23上に均等に振り分けられる。本実施例では、このレベルワインダ39より発光させ釣糸6に光を照射するようにした。蓄光機能を付加するため、レベルワインダ39内に光源の発光ダイオード34及びプリント基板42を内蔵し、レベルワインダ39の糸通し筒40を透明樹脂で形成し、発光ダイオード34の光を糸通し筒40内に向けて照射するよう設置する。両軸リール本体部21内に電池25を収納し、電池収納部に配置されたプラス接触片26とマイナス接触片27により給電し、コード43を介してレベルワインダ39内のプリント基板42に接続し、発光ダイオード34を発光させる。コード43は、レベルワインダ39の左右移動に応じ長さの余裕を持たせ、柔軟な素材のものを用いる。発光ダイオード34は、省スペースのため、チップ型の紫外線発光ダイオードが望ましい。
【0034】
釣糸6は、巻き取り・放出時に必ずレベルワインダ39を通過するため、通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。
【0035】
発光ダイオード34と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起はコード43のみであるが、図5のように糸の放出領域に出っ張らないよう配線すれば糸がらみも無く、最初からリールに備えられているレベルワインダ39を利用して光照射部を兼ねているので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0036】
図6は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けた糸用蓄光器の実施形態を示すものである。
【0037】
本実施形態は、一般的な「中通し竿」の構造を利用して容易に実施できる例である。一般的な中通し竿では、釣竿第一節44の先端付近に入口ガイド45が設置され、入口ガイド45直下に開けられた穴46より、リールから放出した釣糸6を釣竿内に導き入れている。更に釣竿内で、竿内糸ガイド47を通じて、第二節48、第三節49、第四節50、先端節51へと釣糸6が挿通される。本実施例では、蓄光機能の付加のため、釣竿第一節44に光源及び電源を内蔵した。外装筒52両端に発光部ユニット53と電源部54を 嵌合した竿尻節55を形成し、竿尻節55を第一節44に嵌合固定する。発光部ユニット53は、光源の発光ダイオード14とプリント基板56を収納する発光部ケース57とアクリル樹脂等の透明材料で形成されたレンズ58からなる。電源部54は電池25及びプラス接触片59、マイナス接触片60を収納する電池ケース61と、ネジ嵌合により着脱自在な電池蓋62からなる。発光部ユニット53と電源部54はコード63を介して接続され、電池25から給電して発光ダイオード14を発光させる。
【0038】
発光ダイオード14より発せられた光は、透明のレンズ58を通過し前方の釣糸6に向けて照射される。光照射される第一節44の内部空間の壁面および竿内糸ガイド47の糸通し穴周囲面には反射鏡20を設けている。反射鏡20による反射光が第一節44内に広がり、釣糸6が複数回にわたり光を照射されることになるため、より明るく蓄光することができる。
【0039】
釣糸6は、巻き取り・放出時に釣竿内を通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。発光ダイオード14と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量の増加を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起は無いため糸がらみも無く、既存の中通し竿の構造を使用して光照射を兼ねるので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない 図7は、図6の実施形態において、コード63を使用せず、発光部ユニット53と電源部54を一体化させた電池一体発光部ユニット64を、第一節44と竿尻節55の分割部より取り出し可能な構成としたものである。この場合、ユーザーが複数の竿で一つの電池一体発光部ユニット64を共用できることや、長いコード63を使用しないので、材料費、組立て工数も少なく済むなどの利点がある。
【0040】
図8は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部とした糸用蓄光器の実施形態を示すものである。
【0041】
糸ガイド65はアクリル樹脂等の透過性のある材料にて脚の突出したリング形状に形成され、突出した脚部を釣竿66内に差し込んでいる。糸ガイド65は、2つの保持片67と共に竿保持帯68により釣竿66に巻きつけ固定され、釣竿66に対し直立に保持される。釣竿66内に光源の紫外線発光ダイオード14を内蔵し、発光ダイオード14の砲弾型のレンズ部分を前記糸ガイド65の脚部に形成された凹穴69に嵌め込んだ構造である。発光ダイオード14から発せられた光は、糸ガイド65の内部を伝わるが、外周面が反射膜71で覆われているので、光は糸ガイド65の内側に向けて照射される。発光ダイオード14の端子にはコード70を接続し、釣竿66内に内蔵された電源部より給電して発光させる。電源部の内蔵方法は、図6において示したように竿尻に電池ケースと電池蓋からなる電源部54を配置する方法等に準ずるものとし、図示は省略する。
【0042】
釣糸6は、巻き取り・放出時に糸ガイド65を通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。釣竿66や糸ガイド65の外部には突起が無く、既存の糸ガイド構造を使用し光照射を兼ねるので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0043】
図9は、図8の実施形態において、糸ガイド65を複数発光させた例である。釣竿66内に光ファイバー72を配して、糸ガイド65の脚部に形成された凹穴69に光ファイバー72の一端を差し込んでいる。複数の光ファイバー72の、糸ガイド65側と反対の一方端を一つにまとめ、発光ダイオード14の光を入射させる受光部73を形成する。この構成 によると、一つの光源のみで複数の糸ガイド65を光らせることが可能になり、より明るく蓄光することができるものである。
【0044】
図10は、蓄光釣糸6を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の実施形態を示すもので、一般的なスピニングリール及びスピニングリール用竿に蓄光機能を付加したものである。
【0045】
本実施例では、蓄光機能の付加のため、釣竿に光源及び電源を内蔵した。釣竿のリール取り付け部74より少し前方のグリップ部75の一角に発光部ユニット76を配置し、竿尻に電源部54を配置した。発光部ユニット76は、光源の発光ダイオード34とプリント基板77を収納する発光部ケース78と集光レンズ79からなり、発光部ケース78の一方の角をグリップ部75との接続部とし、光照射方向を変化させる回転支点80を有している。電源部54は、図6で説明した通り、電池25及びプラス接触片59、マイナス接触片60を収納する電池ケース61と、ネジ嵌合により着脱自在な電池蓋62からなり、竿尻に嵌め込み固定されている。発光部ユニット76と電源部54はコード81を介して接続され、電池25から給電して発光部ケース78内の発光ダイオード34を発光させる。発光ダイオード34より発せられた光は、集光レンズ79により照射範囲を制限され、リールの糸巻き部3上のみを局所的に照射する。また、リールの大きさにより、糸巻き部3の位置は変わってくるため、発光部ケース78を、回転支点80を軸に任意の方向に傾けることで糸巻き部3の位置が変わっても簡単に照射位置を調整することができる。このような構成により、不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。
【0046】
また、光源の光を糸巻き部3の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード34や電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣道具外部への突起は殆ど無いため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。なお、発光部ユニット76から出る光に、蓄光顔料入りの疑似餌などを近づけて蓄光することもできる便利な一面も持ち合わせている。
【0047】
図11は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の他の実施形態を示すもので、一般的な両軸リール及び両軸リール用竿に蓄光機能を付加したものである。
【0048】
釣竿のリール取り付け台座82内に光源の発光ダイオード34を実装したプリント基板83を、竿の軸方向にスライド可能に配置し、竿尻には、図10の実施形態と同様に、電源部54を嵌め込み固定し、前記プリント基板83と電源部54は釣竿内に配した配線板84を介して接続し、電池25から給電して発光ダイオード34を発光させる。発光ダイオード34より発せられた光は、両軸リールの裏側より糸巻き部23上の釣糸6を照射する。前記プリント基板83は、図11上に示すようにプリント基板83aからプリント基板83bの範囲に可動で、取り付けるリールの大きさにより糸巻き23の位置がずれても柔軟に照射位置の調整ができる。このような構成により、確実に釣糸6に光を照射できると共に不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。糸巻き部23は釣糸6の巻取り・放出により断続的に回転するため、糸巻き部23の全周を満遍無く繰り返し照射することになり、蓄光釣糸6を常に明るい状態で使用できるも のである。発光ダイオード34や電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣道具外部への突起は無いため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0049】
図12は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の他の実施形態を示すもので、一般的なスピニングリールの脚部に発光部を設け、蓄光機能を付加したものである。
【0050】
本実施例では、蓄光機能の付加のため、スピニングリールの脚部85に、光源及び電源を内蔵した電源一体発光部ユニット86を設置した。電源一体発光部ユニット86は、光源の発光ダイオード34を実装したプリント基板77と電池15とを収納する発光部ケース87と集光機能を持ったレンズ79で構成されている。リールの脚部85に着脱自在に固定された取付アーム88と電源一体発光部ユニット86の一方の角を、光照射方向を変化させる回転支点80を有して接続している。電源一体発光部ユニット86の電池収納部にプラス接触片89、マイナス接触片90を有し、それぞれプリント基板77上に配線され、電池15より給電され発光ダイオード34が点灯する。発光ダイオード34より発せられた光はレンズ79により照射範囲を制限され、リールの糸巻き部3上のみを局所的に照射する。また、リールの大きさにより、糸巻き部3の位置は変わってくるため、発光部ケース87を、回転支点80を軸に任意の方向に傾けることで、糸巻き部3の位置が変わっても簡単に照射位置を調整することができる。このような構成により、不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。また、光源の光を糸巻き部3の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード34や電池15を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣糸6の放出領域(2点鎖線部)に係らない位置から照射を行うため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。なお、図示しないが、図12でリールの脚部85に設置している電源一体発光部ユニット86を釣竿のグリップ部75など、他の箇所に設置できる構成にしても同等の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明に係る糸用蓄光器は、自動的な糸蓄光機能を有しながらも、糸蓄光機能の付加に起因する糸絡みや重量バランスの崩れを無くし、通常の釣用具と同等に違和感なく釣りができ、かつ、着脱・調整等の手間を省くなど、実用的な効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の請求項1に係る第1実施形態を表す図で、蓄光機能を付加したスピニングリール示す側面断面図
【図2】図1と同じスピニングリールで、ドラグノブおよび糸巻き部の分離状態を示す側面断面図
【図3】本発明の請求項1に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した両軸リール示すもので、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図
【図4】本発明の請求項2に係る第1実施形態を表し、蓄光機能を付加したスピニングリール示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)を反転させ背面から見た側面図、(c)は上面図、(d)は下面図
【図5】本発明の請求項2に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した両軸リール示すもので、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図
【図6】本発明の請求項3に係る第1実施形態を表し、蓄光機能を付加した釣竿を示すも ので、(a)は側面断面図、(b)は上面図
【図7】本発明の請求項3に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した釣竿を示すもので、(a)は側面断面図、(b)は上面図
【図8】本発明の請求項4に係る第1実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿の糸ガイド部を示し、一部を断面した斜視図
【図9】本発明の請求項4に係る第2実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿の糸ガイド部を示し一部を断面した斜視図
【図10】本発明の請求項5に係る第1実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿とスピニングリールを組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【図11】本発明の請求項5に係る第2実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿と両軸リールを組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【図12】本発明の請求項5に係る第3実施形態を表すもので、蓄光機能を付加したスピニングリールと釣竿を組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【符号の説明】
【0053】
1:スピニングリール本体部
3、23:糸巻き部
4:ハンドル
5:回転枠
6:釣糸(蓄光釣糸)
8:ドラグノブ
14:発光ダイオード(砲弾型)
15:電池(コイン型電池)
21:両軸リール本体部
25:電池(円筒形電池)
32:光照射アーム
34:発光ダイオード(チップ型)
39:レベルワインダ
53:発光部ユニット(釣竿内)
54:電源部
55:竿尻節
64:電源一体発光部ユニット(釣竿内)
65:糸ガイド
66:釣竿
72:光ファイバー
73:受光部
76:発光部ユニット(釣道具外部からの照射手段)
79:集光レンズ(集光手段)
80:回転支点(照射方向の調整手段)
85:リールの脚部
86:電源一体発光部ユニット(釣用具外部からの照射手段)
88:取付アーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に魚釣りに使用する蓄光性釣糸に蓄光させる蓄光機能を有した糸用蓄光器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリアミドやフロロカーボンなどの合成樹脂モノフィラメントに蓄光性蛍光顔料などの蓄光剤を含有させてなる蓄光用蛍光釣糸が開発されている。前記、蓄光釣糸を夜間に使用する際には、断続的に蓄光釣り糸に光を照射することで蓄光剤を励起し、周囲が暗い状態で視認可能な自発光状態にする必要がある。
【0003】
そこで、近年では、釣竿またはリールに取り付けて、リールから放出中および巻き取り中の蓄光釣糸に対し光照射する糸用蓄光器が提案されている。例えば、キセノンランプからなる光源を内蔵した蓄光器本体とスイッチを備えた電源ボックスとを備えてなり、蓄光器本体の内部に蓄光性釣り糸を通過させる構成の蓄光器(特許文献1)や、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と蓄光釣糸を貫通する中空部とを収納する発光部ケースと、電源を備え、釣竿に取り付けて使用する蓄光器(特許文献2)などが公知となっている。
【特許文献1】特開2004−298048
【特許文献2】特開2006−94820
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、蓄光性釣り糸を励起発光させる蓄光器を外部より設けた釣用具である。特許文献1によると、蓄光器本体は、キセノンランプを用いるので、釣り糸を十分に励起するために、蓄光器本体は糸の巻き取り速度に応じて5cm〜50cmの長さが必要となる。機器がかなりの大型となり、釣りをするにあたり制限がある。また、特許文献2に示す蓄光器においては、発光部を釣竿の第一ガイドと第二ガイドの間に取り付け、場合によっては、釣竿の軸に沿って電源コードを這わせ、電源部を竿尻付近に取り付けて使用するものである。このような従来技術を用いた場合、以下のような不具合があった。
【0005】
まず、取付けた蓄光器が突起となり、その突起が、糸が通過する放出領域にあるので、糸がらみ等のトラブルが発生しやすい。特に夜釣りにおいては、昼間より糸がらみ等を解き難いことから、釣果に悪影響を及ぼすことがある。また、釣糸が、取り付けた蓄光器を通過する際に通過抵抗が増大し、疑似餌や仕掛けの飛距離が低下する。また、蓄光器を取り付けたことにより釣用具の重量バランスが著しく変化し、釣用具を持ったり釣竿を振った時に負担が大きいので、釣人の手・腕が疲れやすいこと、および指し餌や疑似餌に動きをつけるための、竿をしゃくる動作を妨げたり、狙った場所にうまく仕掛けを投入することができなくなることがある。また、蓄光器を着脱し道具毎に設置調整する手間がかかり、肝心な釣りの時間を制限するものである。
【0006】
本発明は、前記、従来の問題点に鑑みてなされたもので、通常の釣りを行いながら釣糸を自動的かつ効果的に励起でき、蓄光機能を有しながらも、重量的違和感、糸からみや飛距離減などのトラブルがなく釣りができ、着脱・調整等の手間を省き、実用的な糸用蓄光器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射することを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明の糸用蓄光器は、リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内の蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る発明の糸用蓄光器は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射している。この構成にし、リール内部で蓄光釣糸に光を照射すると、リール外部及び周辺においては、蓄光機能を付加したことに起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、糸巻き部に巻かれた糸に光を照射しているだけなので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離に影響が出ない。また、光源や配線、電源をリールに内蔵し、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べ重量増加は有るが、リールは竿の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴としている。この構成にし、リールを構成する一部分であるガイド部材によって蓄光釣糸に光を照射すると、リール外部及び周辺においては、蓄光機能を付加した事に起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、リールに最初から備えられているガイド部材にて光を照射するので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離に影響が出ない。また、光源や配線、電源をリールに内蔵し、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べ重量増加は有るが、リールは竿の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けている。この構成の蓄光用釣具は釣糸を釣竿内に通した、いわゆる「中通し竿」である。蓄光釣糸に 光を照射する照射部を釣竿内に設けているので、蓄光機能を付加した事に起因する外部突起が無くなり、釣り中に不快な糸絡みが生じることが無い。また、中通し竿の釣竿内に釣糸を通す構造を利用して光を照射しているだけなので、糸の放出、巻き取りにおいて、釣糸に新たな通過抵抗を生じることがなく、本来の釣具の持つ性能、すなわち疑似餌、仕掛けの飛距離を落とさない。
【0015】
請求項4の発明によれば、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴としている。一般に、釣竿に備えられている糸ガイドは、その数が多いほど釣糸の接触摩擦が増すので、疑似餌や仕掛けの飛距離が落ちるが、この構成によると釣竿に元々ある糸ガイドと釣糸に光を照射する光照射部を兼ねて設置するため、糸ガイドの数を増やすことが無い。このため、蓄光機能を付加したことに起因する糸の通過抵抗の増大が無く、疑似餌や仕掛けの飛距離減が起こらない。また、元々備えられている糸ガイドが光照射部を兼ねるだけなので、糸ガイドは通常に糸を導く機能を果たし、不快な糸絡みは発生しない。
【0016】
請求項5の発明によれば、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴としている。
【0017】
この構成は、釣糸を巻いた糸巻き部をリール外部から照射するものである。釣竿またはリールの脚部より発光させると、糸の接触が懸念される放出領域に発光部突起を近づけることなく光を照射することができるため、蓄光機能を付加しながらも糸の通過抵抗の増大が無く、疑似餌や仕掛けの飛距離減・不快な糸からみが起こらない。光の照射範囲を制限する集光手段を備えているので、糸巻き部分に集中して光を照射でき、効率よく蓄光することができる。また、糸の照射範囲を調整する手段も備えており、糸巻き部分以外には光を散らさないので、釣り人にとって眩しくなく、周囲に光を散らさないので魚に違和感を与えることも無い。また、蓄光機能を付加したことにより、蓄光機能を有しない通常の釣用具に比べて重量増加は有るが、付加重量は釣用具の持ち手付近に位置しているので釣用具を持った時に感じる重量負担は最小限に止めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射する構成の実施形態を示すもので、一般的な形状のスピニングリールに蓄光機能を付加したものである。
【0020】
スピニングリールは、スピニングリール本体部1より突出したメインシャフト2に糸巻き部3が装着され、スピニングリール本体部1に備えられたハンドル4を回すことにより、回転枠5が糸巻き部3周囲を回転し、回転枠5によって導かれた釣糸6が90度方向を変えて糸巻き部3に巻かれるリールである。メインシャフト2がハンドル4の回転に同期して軸心方向に往復運動することで、糸巻き部3が往復運動し、回転枠5より導かれる釣糸6が糸巻き部3上に均一に振り分けられる。糸巻き部3は、メインシャフト2の中ほどに固定設置された受け座金7により位置決めされ、メインシャフト2先端と螺合されるドラグノブ8により、ドラグワッシャ9を介して締め付けられ固定される。本実施例では、ドラグノブ8内に光源及び電源を内蔵した。ドラグノブ8は、ドラグワッシャ9と接する押さえ具10と、メインシャフト2と螺合されるナット11と、押さえ具10とナット11間に位置し糸巻きを押さえ付ける力を発生するドラグバネ 12とをケース13内に収納してなるものである。蓄光機能を付加するため、そのケース13内に光源の発光ダイオード14および電池15とを収納し、更に、電池15を取り出し可能にする開け閉め可能な蓋16を組み合わせて構成している。電池収納部に配置されたプラス接触片17とマイナス接触片18により電池15から給電され、発光ダイオード14を発光させる。発光ダイオード14は、指向角の狭い砲弾型の発光ダイオードが望ましく、糸巻き部3に近接させ、照射方向を糸巻き部3に向け設置する。電池15はドラグノブ8の外形が出来る限り外部に突出しないよう、薄型のコイン型電池を使用するのが望ましい。発光ダイオード14は紫外線発光ダイオードを使用し、点灯電圧を確保するため、コイン型電池15を2枚重ねて直列接続している。発光ダイオード14の前面は、糸巻き部3方向に光が抜けるようケース13に穴19が開けられている。この穴19は透明材料を嵌め込み代替しても良い。糸巻き部3は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部3における糸溜まり部の反対面の全面に反射鏡20を設置する。この構成により、ドラグノブ8と近接する面から入射した光は、透明である糸巻き部3内を伝い蓄光釣糸6に光が照射される。糸溜まり部の反対面の反射鏡20により、光漏れを最小限にし、蓄光釣糸6に効率良く光を照射することができる。なお、光源の発光ダイオード14を複数個使用すれば、より明るく光ると共に照射ムラをなくすことが可能である。
【0021】
このような一般的なスピニングリールにおいては、使用中に糸巻き部3とドラグノブ8は常に互いに近接した状態を保つため、光源の光を糸巻き部3上の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。ドラグノブ8内に光源の発光ダイオード14と電池15を内蔵するが、釣竿の持ち手付近に位置するリールの重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起はドラグノブ8前面に膨らみが付く程度であるため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0022】
図2は、図1の蓄光機能を付加したスピニングリールの、ドラグノブ8と糸巻き部3の分離状態を示した図である。このように、ドラグノブ8と糸巻き部3は、スピニングリール本体部1より簡単に分離可能で、ユーザーの手によっても簡単に交換が可能である。糸巻き部3とドラグノブ8を交換すれば、通常のリールに蓄光機能を付加することができるので、スピニングリール本体部1をそのまま生かしながら容易に蓄光機能付きリールを提供することができる。既に市販されているリールに適合するよう透明材料の糸巻きと光源を内蔵したドラグノブを設計すれば、ユーザーが、自身が既に所有するリールの一部のみを交換するだけで蓄光機能付きリールに変化させることができる。また、通常のリールにも簡単に戻すことができるのである。このように、手軽に使用できる蓄光機能付きリールを安価に提供することができるものである。なお、図示はしないが、スピニングリール本体部1のメインシャフト2近傍に光源の発光ダイオード14と電池15を収納し、糸巻き部3に向け光を照射する構成としてもよい。
【0023】
図3は、図1の実施形態と同じく、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射する構成の他の実施形態を示すもので、一般的な形状の両軸リールに蓄光機能を付加したものである。
【0024】
両軸リールは、回転軸22を有した糸巻き部23が、回転軸22両端を両軸リール本体部21に軸受けされ、両軸リール本体部21に備えられたハンドル24を回すことにより、糸巻き部23自体が回転し釣糸6を巻き取るリールである。また、釣糸6の放出時は糸巻き部23が逆回転する。蓄光機能を付加するため、両軸リール本体部21内に光源の発光ダイオード14および電池25とを収納している。電池収納部に配置されたプラス接触片26とマイナス接触片27により電池25から給電され、発光ダイオード14を発光させる。発光ダイオード14は、指向角の狭い砲弾型の発光ダイオードが望ましく、糸巻き部23側面に近接させ照射方向を糸巻き部23に向け設置する。発光ダイオード14は紫外線発光ダイオードを使用する 。電池25は小型軽量のものが望ましく、本実施例では一例として円筒形のカメラ用リチウム電池を使用している。糸巻き部23は全体をアクリル樹脂等の透過性の良い透明材料で成形し、糸巻き部23における糸溜まり部の反対面の全面に反射鏡20を設置する。この構成により、糸巻き部23側面より入射した光は、透明である糸巻き部23内を伝い釣糸6に光が照射される。糸溜まり部の反対面の反射鏡20により蓄光釣糸6に効率良く光を照射することができる。なお、糸巻き部23は、釣糸6の巻き取り・放出に伴い回転するので、均等に釣糸6に照射できる。この両軸リールの使用中は、糸巻き部23と、両軸リール本体部21内に設置された発光ダイオード14は常に近接した状態を保つため、光源の光を糸巻き部23上の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード14と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起は両軸リール本体部21側面に膨らみが付く程度であるため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0025】
図4は、リールにおいて蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射する構成の実施形態を示すもので、一般的な形状のスピニングリールに蓄光機能を付加したものである。
【0026】
スピニングリールは、図1の実施形態で述べた通り、スピニングリール本体部1に備えられたハンドル4を回すことにより、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材である回転枠5が糸巻き部3周囲を回転し、回転枠5によって導かれた釣糸6が糸巻き部3に巻かれるリールである。ハンドル4の回転に同期して糸巻き部3が往復運動し、回転枠5より導かれる釣糸6が糸巻き部3上に均一に振り分けられる。
【0027】
本実施例では、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材である回転枠5内に、光源及び電源を内蔵したものである。通常、回転枠5には、釣糸6の通過するラインローラー28とそのラインローラー28に釣糸6を導き入れるための円弧状のベイル29が備えられ、それらを糸巻き部3上に構成するためアームが台座部分より2本突出している。先端にラインローラー28の付いたアームA30とその180度反対側にアームB31が設けられている。本実施例では、この2つのアームより90度隔てた中間位置に、蓄光機能を付加するための光照射アーム32を設けている。光照射アーム32はベイル29の円弧が及ぶ側に突出させると糸絡みの原因になるため、その反対側に突出させる。なお、光照射アーム32を付加すると回転枠5の重量バランスが崩れ、リールのハンドルを回した時に振動が発生しやすい。このため、必要に応じ光照射アームの180度反対側に適当なバランサーオモリ33を設置する必要がある。
【0028】
光照射アーム32は、光源の発光ダイオード34及びプリント基板35、電池15を内蔵する。電池収納部に設けられたプラス接触片36とマイナス接触片37により電池15から給電され、各接触片はプリント基板35に接続され、プリント基板35上に実装された発光ダイオード34を点灯させる。光照射アーム32は、先端を糸巻き部3上まで伸ばし、先端を透明カバー38で形成している。発光ダイオード34は、透明カバー38部に位置し糸巻き部3方向に向け光を発する。
【0029】
本実施例では発光ダイオード34は、省スペース化のためチップ型の紫外線発光ダイオードを使用している。電池15も同じく省スペースと軽量化のため、コイン型電池を使用している。
【0030】
スピニングリール本体部1のハンドル4を回転されると、糸巻き部3に向けて発光する回転枠5が糸 巻き部3の周囲を回転し、同時に糸巻き部3が往復運動を繰り返すので、回転枠5から発せられた光は、糸巻き部3上の全域を満遍無く、しかも断続的に繰り返し照射することになり、蓄光釣糸6を常に明るい状態で使用できるものである。
【0031】
回転枠5へ光源および電池を収納するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、回転枠5に光照射アーム32などの追加はあるが糸の放出範囲への突起は無いため糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0032】
図5は、リールにおいて蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射する構成の他の実施形態を示すもので、一般的な形状の両軸リールに蓄光機能を付加したものである。
【0033】
両軸リールは、回転軸22を有した糸巻き部23が、回転軸22両端を両軸リール本体部21に軸受けされ、両軸リール本体部21に備えられたハンドル24を回すことにより、糸巻き部23自体が回転し釣糸6を巻き取るリールである。糸巻き部23前面には、釣糸6をリール内に導き入れるガイド部材のレベルワインダ39が設置され、釣糸6を通した糸通し筒40がハンドルの回転に応じてレベルワインダ軸41上を左右に往復し、釣糸6が糸巻き部23上に均等に振り分けられる。本実施例では、このレベルワインダ39より発光させ釣糸6に光を照射するようにした。蓄光機能を付加するため、レベルワインダ39内に光源の発光ダイオード34及びプリント基板42を内蔵し、レベルワインダ39の糸通し筒40を透明樹脂で形成し、発光ダイオード34の光を糸通し筒40内に向けて照射するよう設置する。両軸リール本体部21内に電池25を収納し、電池収納部に配置されたプラス接触片26とマイナス接触片27により給電し、コード43を介してレベルワインダ39内のプリント基板42に接続し、発光ダイオード34を発光させる。コード43は、レベルワインダ39の左右移動に応じ長さの余裕を持たせ、柔軟な素材のものを用いる。発光ダイオード34は、省スペースのため、チップ型の紫外線発光ダイオードが望ましい。
【0034】
釣糸6は、巻き取り・放出時に必ずレベルワインダ39を通過するため、通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。
【0035】
発光ダイオード34と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起はコード43のみであるが、図5のように糸の放出領域に出っ張らないよう配線すれば糸がらみも無く、最初からリールに備えられているレベルワインダ39を利用して光照射部を兼ねているので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0036】
図6は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けた糸用蓄光器の実施形態を示すものである。
【0037】
本実施形態は、一般的な「中通し竿」の構造を利用して容易に実施できる例である。一般的な中通し竿では、釣竿第一節44の先端付近に入口ガイド45が設置され、入口ガイド45直下に開けられた穴46より、リールから放出した釣糸6を釣竿内に導き入れている。更に釣竿内で、竿内糸ガイド47を通じて、第二節48、第三節49、第四節50、先端節51へと釣糸6が挿通される。本実施例では、蓄光機能の付加のため、釣竿第一節44に光源及び電源を内蔵した。外装筒52両端に発光部ユニット53と電源部54を 嵌合した竿尻節55を形成し、竿尻節55を第一節44に嵌合固定する。発光部ユニット53は、光源の発光ダイオード14とプリント基板56を収納する発光部ケース57とアクリル樹脂等の透明材料で形成されたレンズ58からなる。電源部54は電池25及びプラス接触片59、マイナス接触片60を収納する電池ケース61と、ネジ嵌合により着脱自在な電池蓋62からなる。発光部ユニット53と電源部54はコード63を介して接続され、電池25から給電して発光ダイオード14を発光させる。
【0038】
発光ダイオード14より発せられた光は、透明のレンズ58を通過し前方の釣糸6に向けて照射される。光照射される第一節44の内部空間の壁面および竿内糸ガイド47の糸通し穴周囲面には反射鏡20を設けている。反射鏡20による反射光が第一節44内に広がり、釣糸6が複数回にわたり光を照射されることになるため、より明るく蓄光することができる。
【0039】
釣糸6は、巻き取り・放出時に釣竿内を通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。発光ダイオード14と電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量の増加を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、リール外部への突起は無いため糸がらみも無く、既存の中通し竿の構造を使用して光照射を兼ねるので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない 図7は、図6の実施形態において、コード63を使用せず、発光部ユニット53と電源部54を一体化させた電池一体発光部ユニット64を、第一節44と竿尻節55の分割部より取り出し可能な構成としたものである。この場合、ユーザーが複数の竿で一つの電池一体発光部ユニット64を共用できることや、長いコード63を使用しないので、材料費、組立て工数も少なく済むなどの利点がある。
【0040】
図8は、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部とした糸用蓄光器の実施形態を示すものである。
【0041】
糸ガイド65はアクリル樹脂等の透過性のある材料にて脚の突出したリング形状に形成され、突出した脚部を釣竿66内に差し込んでいる。糸ガイド65は、2つの保持片67と共に竿保持帯68により釣竿66に巻きつけ固定され、釣竿66に対し直立に保持される。釣竿66内に光源の紫外線発光ダイオード14を内蔵し、発光ダイオード14の砲弾型のレンズ部分を前記糸ガイド65の脚部に形成された凹穴69に嵌め込んだ構造である。発光ダイオード14から発せられた光は、糸ガイド65の内部を伝わるが、外周面が反射膜71で覆われているので、光は糸ガイド65の内側に向けて照射される。発光ダイオード14の端子にはコード70を接続し、釣竿66内に内蔵された電源部より給電して発光させる。電源部の内蔵方法は、図6において示したように竿尻に電池ケースと電池蓋からなる電源部54を配置する方法等に準ずるものとし、図示は省略する。
【0042】
釣糸6は、巻き取り・放出時に糸ガイド65を通過する際に光を照射され、釣りを行っている間は断続的に蓄光され明るい状態を保つことができる。釣竿66や糸ガイド65の外部には突起が無く、既存の糸ガイド構造を使用し光照射を兼ねるので、新たに釣糸6の通過抵抗は増すことがなく、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0043】
図9は、図8の実施形態において、糸ガイド65を複数発光させた例である。釣竿66内に光ファイバー72を配して、糸ガイド65の脚部に形成された凹穴69に光ファイバー72の一端を差し込んでいる。複数の光ファイバー72の、糸ガイド65側と反対の一方端を一つにまとめ、発光ダイオード14の光を入射させる受光部73を形成する。この構成 によると、一つの光源のみで複数の糸ガイド65を光らせることが可能になり、より明るく蓄光することができるものである。
【0044】
図10は、蓄光釣糸6を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の実施形態を示すもので、一般的なスピニングリール及びスピニングリール用竿に蓄光機能を付加したものである。
【0045】
本実施例では、蓄光機能の付加のため、釣竿に光源及び電源を内蔵した。釣竿のリール取り付け部74より少し前方のグリップ部75の一角に発光部ユニット76を配置し、竿尻に電源部54を配置した。発光部ユニット76は、光源の発光ダイオード34とプリント基板77を収納する発光部ケース78と集光レンズ79からなり、発光部ケース78の一方の角をグリップ部75との接続部とし、光照射方向を変化させる回転支点80を有している。電源部54は、図6で説明した通り、電池25及びプラス接触片59、マイナス接触片60を収納する電池ケース61と、ネジ嵌合により着脱自在な電池蓋62からなり、竿尻に嵌め込み固定されている。発光部ユニット76と電源部54はコード81を介して接続され、電池25から給電して発光部ケース78内の発光ダイオード34を発光させる。発光ダイオード34より発せられた光は、集光レンズ79により照射範囲を制限され、リールの糸巻き部3上のみを局所的に照射する。また、リールの大きさにより、糸巻き部3の位置は変わってくるため、発光部ケース78を、回転支点80を軸に任意の方向に傾けることで糸巻き部3の位置が変わっても簡単に照射位置を調整することができる。このような構成により、不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。
【0046】
また、光源の光を糸巻き部3の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード34や電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣道具外部への突起は殆ど無いため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。なお、発光部ユニット76から出る光に、蓄光顔料入りの疑似餌などを近づけて蓄光することもできる便利な一面も持ち合わせている。
【0047】
図11は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の他の実施形態を示すもので、一般的な両軸リール及び両軸リール用竿に蓄光機能を付加したものである。
【0048】
釣竿のリール取り付け台座82内に光源の発光ダイオード34を実装したプリント基板83を、竿の軸方向にスライド可能に配置し、竿尻には、図10の実施形態と同様に、電源部54を嵌め込み固定し、前記プリント基板83と電源部54は釣竿内に配した配線板84を介して接続し、電池25から給電して発光ダイオード34を発光させる。発光ダイオード34より発せられた光は、両軸リールの裏側より糸巻き部23上の釣糸6を照射する。前記プリント基板83は、図11上に示すようにプリント基板83aからプリント基板83bの範囲に可動で、取り付けるリールの大きさにより糸巻き23の位置がずれても柔軟に照射位置の調整ができる。このような構成により、確実に釣糸6に光を照射できると共に不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。糸巻き部23は釣糸6の巻取り・放出により断続的に回転するため、糸巻き部23の全周を満遍無く繰り返し照射することになり、蓄光釣糸6を常に明るい状態で使用できるも のである。発光ダイオード34や電池25を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣道具外部への突起は無いため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。
【0049】
図12は、蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成とした糸用蓄光器の他の実施形態を示すもので、一般的なスピニングリールの脚部に発光部を設け、蓄光機能を付加したものである。
【0050】
本実施例では、蓄光機能の付加のため、スピニングリールの脚部85に、光源及び電源を内蔵した電源一体発光部ユニット86を設置した。電源一体発光部ユニット86は、光源の発光ダイオード34を実装したプリント基板77と電池15とを収納する発光部ケース87と集光機能を持ったレンズ79で構成されている。リールの脚部85に着脱自在に固定された取付アーム88と電源一体発光部ユニット86の一方の角を、光照射方向を変化させる回転支点80を有して接続している。電源一体発光部ユニット86の電池収納部にプラス接触片89、マイナス接触片90を有し、それぞれプリント基板77上に配線され、電池15より給電され発光ダイオード34が点灯する。発光ダイオード34より発せられた光はレンズ79により照射範囲を制限され、リールの糸巻き部3上のみを局所的に照射する。また、リールの大きさにより、糸巻き部3の位置は変わってくるため、発光部ケース87を、回転支点80を軸に任意の方向に傾けることで、糸巻き部3の位置が変わっても簡単に照射位置を調整することができる。このような構成により、不必要な光の分散が無くなるため、魚に違和感を与えることもなく、周囲の釣り人にも迷惑がかからない。また、光源の光を糸巻き部3の釣糸6に照射し続けることができる。長時間光を照射することで、蓄光釣糸6には十分な光エネルギーが蓄えられ、常に明るい状態で使用することができる。発光ダイオード34や電池15を内蔵するが、釣竿の持ち手付近の重量増加のため、釣り人は殆ど重量バランスの変化を感じず、快適に釣りを楽しむことができる。また、釣糸6の放出領域(2点鎖線部)に係らない位置から照射を行うため、糸がらみも無く、疑似餌・仕掛けの飛距離も損なわれない。なお、図示しないが、図12でリールの脚部85に設置している電源一体発光部ユニット86を釣竿のグリップ部75など、他の箇所に設置できる構成にしても同等の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明に係る糸用蓄光器は、自動的な糸蓄光機能を有しながらも、糸蓄光機能の付加に起因する糸絡みや重量バランスの崩れを無くし、通常の釣用具と同等に違和感なく釣りができ、かつ、着脱・調整等の手間を省くなど、実用的な効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の請求項1に係る第1実施形態を表す図で、蓄光機能を付加したスピニングリール示す側面断面図
【図2】図1と同じスピニングリールで、ドラグノブおよび糸巻き部の分離状態を示す側面断面図
【図3】本発明の請求項1に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した両軸リール示すもので、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図
【図4】本発明の請求項2に係る第1実施形態を表し、蓄光機能を付加したスピニングリール示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)を反転させ背面から見た側面図、(c)は上面図、(d)は下面図
【図5】本発明の請求項2に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した両軸リール示すもので、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図
【図6】本発明の請求項3に係る第1実施形態を表し、蓄光機能を付加した釣竿を示すも ので、(a)は側面断面図、(b)は上面図
【図7】本発明の請求項3に係る第2実施形態を表し、蓄光機能を付加した釣竿を示すもので、(a)は側面断面図、(b)は上面図
【図8】本発明の請求項4に係る第1実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿の糸ガイド部を示し、一部を断面した斜視図
【図9】本発明の請求項4に係る第2実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿の糸ガイド部を示し一部を断面した斜視図
【図10】本発明の請求項5に係る第1実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿とスピニングリールを組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【図11】本発明の請求項5に係る第2実施形態を表すもので、蓄光機能を付加した釣竿と両軸リールを組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【図12】本発明の請求項5に係る第3実施形態を表すもので、蓄光機能を付加したスピニングリールと釣竿を組み合わせ、一部を断面した釣用具全体図
【符号の説明】
【0053】
1:スピニングリール本体部
3、23:糸巻き部
4:ハンドル
5:回転枠
6:釣糸(蓄光釣糸)
8:ドラグノブ
14:発光ダイオード(砲弾型)
15:電池(コイン型電池)
21:両軸リール本体部
25:電池(円筒形電池)
32:光照射アーム
34:発光ダイオード(チップ型)
39:レベルワインダ
53:発光部ユニット(釣竿内)
54:電源部
55:竿尻節
64:電源一体発光部ユニット(釣竿内)
65:糸ガイド
66:釣竿
72:光ファイバー
73:受光部
76:発光部ユニット(釣道具外部からの照射手段)
79:集光レンズ(集光手段)
80:回転支点(照射方向の調整手段)
85:リールの脚部
86:電源一体発光部ユニット(釣用具外部からの照射手段)
88:取付アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射することを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項2】
リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項3】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けたことを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項4】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項5】
蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項1】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源をリールに内蔵し、リールの全体または一部を透明材料で形成し、リールの糸巻き部に巻かれた蓄光釣糸に光を照射することを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項2】
リールにおいて、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源を、糸をリールの糸巻き部に案内するガイド部材に内蔵し、前記ガイド部材の一部より放つ光を蓄光釣糸に照射することを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項3】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿内に蓄光釣糸を通し、蓄光釣糸に光を照射する照射部を釣竿内に設けたことを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項4】
蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と電源を釣竿内に収納し、釣竿の糸ガイドを略リング状の導光材料にて形成し、前記光源の光を前記糸ガイドに導き入れ、前記糸ガイドを蓄光釣糸に光を照射する照射部としたことを特徴とする糸用蓄光器。
【請求項5】
蓄光釣糸を巻いたリールと釣竿を用いる釣用具において、蓄光剤を励起しやすい波長を含む光源と前記光源から発する光の照射範囲を制限する集光手段、または、光の照射位置または方向を調整する手段を有した発光部を、釣竿またはリールの脚部に設け、リールの糸巻き部を外部から照射する構成としたことを特徴とする糸用蓄光器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−99582(P2008−99582A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283877(P2006−283877)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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