説明

系統連系システム

【課題】停電時のユーザの負担を軽減する。
【解決手段】電力変換部20は、太陽電池パネルから供給された直流電力を交流電力に変換する。出力部21は、系統電源と負荷50との間に挿入された分岐ブレーカ8を介して負荷50に交流電力を供給する。自立運転コンセント22は、ブレーカ14を介して負荷50に交流電力を供給する。監視部23は、系統電源から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力を監視する。切替部24は、系統電源から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、交流電力の出力先を出力部21から自立運転コンセント22に切替える。シーケンス部25は、系統電源から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、分岐ブレーカ8をオフする制御信号を出力し、ブレーカ14をオンする制御信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分散電源が系統電源と連系する系統連系システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、太陽電池パネルを分散電源として備える系統連系システムが開示されている。系統連系システムは、太陽電池パネルで発電された直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショニングシステム(以下、PCSと略称する)が設けられている。
【0003】
PCSは、太陽光発電用ブレーカ等を介して、系統電源に接続された契約ブレーカよりも負荷側の幹線に接続されている。PCSで変換された交流電力は、下段に接続された漏電ブレーカ及びそれに続く分岐ブレーカを介して各部屋のコンセントに供給される一方、余剰電力は契約ブレーカを介して系統電源の方へ供給される。このようにして、PCSは、系統電源との連系動作を行っている。このように動作しているときのPCSの動作モードを連系動作モードという。
【0004】
この連系動作モードの他に、系統電源から供給される電力の停止、すなわち停電時の動作モードとして、自立運転モードを備えるPCSが開示されている(例えば、特許文献1参照)。停電時には、感電防止や供給電力の信頼性の観点から制定された法令上又は技術上の制限により、PCSは、太陽電池パネルで発電された電力を幹線に送ることができない。
【0005】
このため、自立運転モードでは、PCSは、系統への交流電力の供給を停止するとともに、自立運転コンセントから太陽光発電による交流電力を出力する。自立運転コンセントは、家屋に設置された特定の非常用コンセントに接続されている。このため、停電により、系統電源からの電力の供給が停止すると、手動でPCSの動作モードを連系動作モードから自立運転モードに切り替えれば、非常用コンセントから太陽光発電による電力の供給を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−259170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、上記特許文献1に開示されたPCSでは、停電時には、手動で系統連系モードから自立運転モードに切り替える必要がある。また、停電中には、特定の非常用コンセントからしか電力を取り出すことができなくなるため、使用する電気機器のプラグを通常のコンセントから非常用のコンセントにつなぎかえる必要がある。このため、停電時に太陽電池パネルによって発電された電力を用いようとするユーザの負担が大きくなっていた。
【0008】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ユーザの負担を軽減することができる系統連系システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明に係る系統連系システムは、パワーコンディショニング装置を備える。パワーコンディショニング装置において、電力変換部は、分散電源から供給された直流電力を交流電力に変換する。第1の出力部は、系統電源と負荷との間に挿入された遠隔操作可能な第1のブレーカを介して負荷に交流電力を供給する。第2の出力部は、遠隔操作可能な第2のブレーカを介して負荷に交流電力を供給する。
【0010】
この系統連系システムにおいて、監視部は、系統電源から負荷へ第1のブレーカを介して供給される電力を監視する。切替部は、系統電源から負荷へ第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、電力変換部で変換された交流電力の出力先を第1の出力部から第2の出力部に切替える。シーケンス部は、系統電源から負荷へ第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、第1のブレーカをオフする制御信号を出力し、第2のブレーカをオンする制御信号を出力する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、系統電源から負荷側に流れる電力が低下すると、分散電源から供給され変換された交流電力を、第1のブレーカを介してではなく、第2のブレーカを介して負荷に供給することができる。このため、パワーコンディショニング装置における電力の出力先の切り替えを手動で行ったり、コンセントをつなぎ変えたりする必要がなくなるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る系統連系システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1のPCSの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1の系統連系システムの通常時の動作(その1)を示す図である。
【図4】図1の系統連系システムの停電時の動作(その2)を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係る系統連系システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3に係る系統連系システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図7】図6のPCSの内部構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態4に係る系統連系システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図9】図8のPCSの内部構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態5に係る系統連系システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1について説明する。
【0015】
図1には、この実施の形態1に係る系統連系システム100の概略的な構成が示されている。系統電源1から延びる主幹線は、買電用メータ2及び売電用メータ3を介して契約ブレーカ4と接続されている。契約ブレーカ4に接続された主幹線はさらに漏電ブレーカ5へと延びている。
【0016】
漏電ブレーカ5を経た主幹線は、複数の分岐幹線に分岐される。複数の分岐幹線のうち、分岐ブレーカ6と接続された分岐幹線は、コンセント7A、7Bと接続されている。また、遠隔操作可能な分析ブレーカ8と接続された分析幹線は、コンセント9A、9B、9Cと接続されている。
【0017】
コンセント7A、7Bは、通常時のコンセントとして用いられる。また、コンセント9A、9B、9Cは、通常時、非常時兼用のコンセントとして用いられる。
【0018】
一方、分散電源としての太陽電池パネル10は、ブレーカなどを備える接続箱11を介してPCS12と接続されている。PCS12は、太陽電池パネル10で発電された直流電力を交流電力に変換する。PCS12は、太陽光発電用ブレーカ13を介して、契約ブレーカ4と、漏電ブレーカ5の間の幹線に接続されている。PCS12で変換された交流電力は、契約ブレーカ4と、漏電ブレーカ5の間に供給される。
【0019】
図2には、PCS12の内部構成が示されている。図2に示すように、PCS12は、電力変換部20と、出力部21と、自立運転コンセント22と、を備える。
【0020】
電力変換部20は、接続箱11を介して太陽電池パネル10から供給された直流電力を交流電力に変換するインバータ回路である。
【0021】
第1の出力部としての出力部21は、太陽光発電ブレーカ13と、系統電源1と負荷50との間に挿入された遠隔操作可能な第1のブレーカとしての分岐ブレーカ8と、コンセント9Aとを介して負荷50等に交流電力を供給する。
【0022】
第2の出力部としての自立運転コンセント22は、遠隔操作可能な第2のブレーカとしてのブレーカ14と、コンセント9Aとを介して負荷50に交流電力を供給する。
【0023】
PCS12は、監視部23と、切替部24と、シーケンス部25とをさらに備える。
【0024】
監視部23は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力を太陽発電用ブレーカ13を介して監視する。より具体的には、監視部23は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して印加される電圧の最大レベルが、所定レベル(例えば、通常電圧の80%)を下回った場合に、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下したと判定する。また、監視部23は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して印加される電圧の最大レベルが、所定レベル(例えば、通常電圧の80%)を超えた場合に、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が回復したと判定する。
【0025】
切替部24は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、電力変換部20で変換された交流電力の出力先を出力部21から自立運転コンセント22に切替える。さらに、切替部24は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が回復した場合に、電力変換部20で変換された交流電力の出力先を自立運転コンセント22から出力部21に切り替える。
【0026】
シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、分岐ブレーカ8をオフする制御信号を出力し、ブレーカ14をオンする制御信号を出力する。また、シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が回復した場合に、ブレーカ14をオフする制御信号を出力し、分岐ブレーカ8をオンする制御信号を出力する。
【0027】
シーケンス部25は、分岐ブレーカ8、ブレーカ14のオンとオフの制御信号の出力タイミングを所定時間ずらす。例えば、シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、分岐ブレーカ8をオフする制御信号を出力した後、所定時間経過後に、ブレーカ14をオンする制御信号を出力する。一方、シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が回復した場合に、ブレーカ14をオフする制御信号を出力した後、所定時間経過後に、分岐ブレーカ8をオンする制御信号を出力する。
【0028】
しかしながら、シーケンス部25は、分岐ブレーカ8及びブレーカ14の一方のブレーカをオフする制御信号を出力し、その応答信号を受信した後に、他方のブレーカをオンする制御信号を出力するようにしてもよい。この場合、シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、分岐ブレーカ8をオフする制御信号を出力し、分岐ブレーカ8からその応答信号を受信した後に、ブレーカ14をオンする制御信号を出力する。一方、シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が回復した場合に、ブレーカ14をオフする制御信号を出力した後、ブレーカ14からその応答信号を受信した後に、分岐ブレーカ8をオンする制御信号を出力する。
【0029】
次に、この実施の形態に係る系統連系システムの動作について、図3、図4を参照して説明する。
【0030】
図3に示すように、系統電源1から交流電力の供給がなされている場合、切替部24は、電力変換部20で変換された交流電力を、出力部21から出力する。出力部21から出力された交流電力は、太陽光発電用ブレーカ13を経た後、さらに、漏電ブレーカ5、分岐ブレーカ6、8及びコンセント7A、7B、9A、9B、9Cを経て、負荷50等に送られる。
【0031】
図4に示すように、停電になると、系統電源1から交流電力が供給されなくなるので、監視部23で監視される電圧が所定レベルを下回る。このため、切替部24は、電力変換部20で変換された交流電力を、出力部21から自立運転コンセント22に出力する。さらに、シーケンス部25は、分岐ブレーカ8をオフする制御信号を出力した後、ブレーカ14をオンする制御信号を出力する。これにより、自立運転コンセント22から出力された交流電力は、ブレーカ14及びコンセント9A、9B、9Cを介して負荷50に送られるようになる。
【0032】
また、系統電源1から交流電力の供給が再開されると、監視部23で監視される電圧が所定レベルを上回る。このため、切替部24は、電力変換部20で変換された交流電力の出力先を、自立運転コンセント22から出力部21に切替える。さらに、シーケンス部25は、ブレーカ14をオフする制御信号を出力した後、分岐ブレーカ8をオンする制御信号を出力する。これにより、出力部21から出力された交流電力は、分岐ブレーカ8及びコンセント7A、7B、9A、9B、9Cを介して負荷50に送られるようになる。
【0033】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、系統電源1から負荷50側に流れる電力が低下すると、太陽電池パネル10から供給され変換された交流電力を、分岐ブレーカ8を介してではなく、ブレーカ14を介して負荷50に供給することができる。このため、PCS12における電力の出力先の切り替えを手動で行ったり、コンセントをつなぎ変えたりする必要がなくなるので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0034】
この実施の形態では、監視部23と、切替部24と、シーケンス部25とは、PCS12内に設けられている。切替部25は、監視部23で監視される電力に基づいて、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力の低下及び回復を認識する。シーケンス部25は、切替部24から出力された交流電力の出力先に関する情報を含む信号に基づいて、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8等を介して供給される電力の低下及び回復を認識する。監視部23と、切替部24と、シーケンス部25をPCS12内に組み込むようにすれば、システム全体を簡便なものとすることができる。
【0035】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
【0036】
図5には、この実施の形態に係る系統連系システム100の概略的な構成が示されている。図5に示すように、この実施の形態では、ブレーカ14と、コンセント9Aとの間に遠隔操作可能な第3のブレーカとしてのブレーカ15が挿入されている。
【0037】
本実施形態では、シーケンス部25は、太陽電池パネル10から供給される電力を測定可能である。シーケンス部25は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、太陽電池パネル10から供給される直流電力の大きさに応じて、ブレーカ14と、ブレーカ14とコンセント9Aとの間に挿入されたブレーカ15のオンオフを制御する。
【0038】
例えば、太陽電池パネルから供給される電力が、1000Wであれば、シーケンス部25は、ブレーカ15をオフして、使用可能なコンセントをコンセント9B、9Cのみとすることができる。
【0039】
その他の動作は、上記実施の形態1と同じである。
【0040】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、太陽電池パネル10から供給される電力の大きさに応じて、負荷全体の消費電力を調整することができる。これにより、太陽電池パネル10の電力を効率的に使用して、消費電力を低減することができる。
【0041】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。
【0042】
図6には、この実施の形態に係る系統連系システム100の概略的な構成が示されている。図6に示すように、この実施の形態では、シーケンサ16が設けられている点が、上記実施の形態1、2と異なる。シーケンス部としてのシーケンサ16は、PCS12外に設けられている。
【0043】
図7には、この実施の形態に係るPCS12等の内部構成が示されている。図7に示すように、この実施の形態では、監視部23と、切替部24が、PCS12内に設けられている。
【0044】
切替部24は、監視部23で監視される電力に基づいて、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8等を介して供給される電力の低下及び回復を認識する。そして、切替部24は、電圧の出力先を、出力部21と自立運転コンセントとの間で切替える。
【0045】
また、シーケンス部25は、自立運転コンセント22から出力される電力に基づいて、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力の低下及び回復を認識する。そして、シーケンス部25は、分岐ブレーカ8とブレーカ14との一方をオンし、他方をオフする。
【0046】
その他の動作は、上記実施の形態1と同じである。
【0047】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、シーケンサ16を導入するだけで、従前のPCS12を用いて、ユーザの負担を軽減することができる。
【0048】
なお、シーケンサ16は、分岐ブレーカ8内に設けられていてもよい。
【0049】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。
【0050】
図8には、この実施の形態に係る系統連系システム100の概略的な構成が示されている。図8に示すように、この実施の形態では、アダプタ17を備えている点が、上記各実施の形態と異なる。
【0051】
この実施の形態では、図9に示すように、切替部24が、PCS12内に設けられている。また、監視部23及びシーケンス部25は、PCS12外であって、アダプタ17内に設けられている。
【0052】
この実施の形態では、アダプタ17内の監視部23は、系統電源から供給される電力を監視し、電力の低下及び回復を判定している。PCS12内の切替部24及びアダプタ17内のシーケンス部25は、監視部23で監視される電力の低下及び回復の判定結果を含む信号に基づいて、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力の低下及び回復を認識する。
【0053】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、アダプタ17を導入するだけで、従前のPCS12を用いて、ユーザの負担を軽減することができる。
【0054】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。
【0055】
図10には、この実施の形態に係る系統連系システム100の概略的な構成が示されている。図10に示すように、この実施の形態では、負荷50として、空調機、冷蔵庫、IH調理器等を備えている。
【0056】
また、この系統連系システム100は、HEMS(home energy management system)のデマンド制御器としてのHEMSコントローラ18をさらに備える。HEMSコントローラ18は、負荷50と無線通信が可能であり、この無線通信を介して、負荷50を遠隔操作可能である。
【0057】
より具体的には、HEMSコントローラ18は、系統電源1から負荷50へ分岐ブレーカ8を介して供給される電力が低下した場合に、自立運転コンセント22に接続された全ての負荷50の消費電力が所定の電力(例えば1500W)以下となるように、負荷50のデマンド制御を行う。HEMSコントローラ18には、各負荷50の定格電力や各負荷50の電力制限の優先順位などが格納されている。HEMSコントローラ18は、各負荷50の定格電力の和が所定の電力を超える場合に、優先順位が最も低い負荷から電力を制限するような制御を行うことができる。
【0058】
例えば、負荷(エアコン)50と、負荷(冷蔵庫)50と、負荷(IHCH)50が動作中である場合、HEMSコントローラ18は、負荷(エアコン)50の冷房温度を高くするなどして、全体の消費電力が1500W以下となるように制御する。
【0059】
なお、HEMSコントローラ18は、無線通信ではなく、例えば電力線通信等の有線により、各負荷50を遠隔操作するようにしてもよい。
【0060】
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、太陽電池パネル10で発電した電力の消費量を一定電力以下に抑えることができるので、消費電力を低減することができる。
【0061】
なお、上記各実施の形態では、シーケンス部25は、無線通信ではなく、例えば電力線通信等の有線により、分岐ブレーカ8及びブレーカ14をオンする信号とオフする信号を送信するようにしてもよい。
【0062】
なお、上記各実施の形態では、太陽電池パネル10を分散電源とするシステムについて説明したが、本発明はこれには限られない。例えば、燃料電池等を分散電源とするシステムにも本発明を適用することができる。
【0063】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
この発明は、分散電源を用いて系統電源との系統連系制御を行うのに好適であり、特に太陽光発電システムでの系統連系制御に好適である。
【符号の説明】
【0065】
1 系統電源
2 買電用メータ
3 売電用メータ
4 契約ブレーカ
5 漏電ブレーカ
6 分岐ブレーカ
7A、7B コンセント
8 分岐ブレーカ
9A、9B、9C コンセント
10 太陽電池パネル
11 接続箱
12 PCS
13 太陽光発電用ブレーカ
14、15 ブレーカ
16 シーケンサ
17 アダプタ
18 HEMSコントローラ
20 電力変換部
21 出力部
22 自立運転コンセント
23 監視部
24 切替部
25 シーケンス部
50 負荷
100 系統連系システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散電源から供給された直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、
系統電源と負荷との間に挿入された遠隔操作可能な第1のブレーカを介して前記負荷に前記交流電力を供給する第1の出力部と、
遠隔操作可能な第2のブレーカを介して前記負荷に前記交流電力を供給する第2の出力部と、
を有するパワーコンディショニング装置を備える系統連系システムであって、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力を監視する監視部と、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、前記電力変換部で変換された交流電力の出力先を前記第1の出力部から前記第2の出力部に切替える切替部と、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、前記第1のブレーカをオフする制御信号を出力し、前記第2のブレーカをオンする制御信号を出力するシーケンス部と、
を備える系統連系システム。
【請求項2】
前記監視部は、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して印加される電圧の最大レベルが、所定レベルを下回った場合に、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が低下したと判定する、
請求項1に記載の系統連系システム。
【請求項3】
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が回復した場合に、
前記切替部は、
前記電力変換部で変換された交流電力の出力先を前記第2の出力部から前記第1の出力部に切り替え、
前記シーケンス部は、
前記第2のブレーカをオフする制御信号を出力し、前記第1のブレーカをオンする制御信号を出力する、
請求項1又は2に記載の系統連系システム。
【請求項4】
前記監視部は、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して印加される電圧の最大レベルが、所定レベルを超えた場合に、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が回復したと判定する、
請求項3に記載の系統連系システム。
【請求項5】
前記シーケンス部は、
前記第1、第2のブレーカのオンとオフの制御信号の出力タイミングを所定時間ずらす、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項6】
前記シーケンス部は、
前記第1、第2のブレーカの一方のブレーカをオフする制御信号を出力し、その応答信号を受信した後に、他方のブレーカをオンする制御信号を出力する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項7】
前記シーケンス部は、
無線で、前記第1、第2のブレーカをオンする信号とオフする信号を送信する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項8】
前記シーケンス部は、
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、前記分散電源から供給される電力の大きさに応じて、前記第2のブレーカと、前記第2のブレーカに接続された複数のコンセントのうちのいずれか1つのコンセントとの間に挿入された第3のブレーカのオンオフを制御する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項9】
前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力が低下した場合に、前記第2の出力部に接続された全ての前記負荷の消費電力が所定の電力以下となるように、前記負荷のデマンド制御を行うデマンド制御部をさらに備える、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項10】
前記監視部と、前記切替部と、前記シーケンス部とが前記パワーコンディショニング装置内に設けられ、
前記切替部は、
前記監視部で監視される電力に基づいて、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力の低下及び回復を認識し、
前記シーケンス部は、
前記切替部から出力された前記交流電力の出力先に関する情報を含む信号に基づいて、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力の低下及び回復を認識する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項11】
前記監視部と、前記切替部が、
前記パワーコンディショニング装置内に設けられ、
前記シーケンス部は、
前記パワーコンディショニング装置外に設けられ、
前記切替部は、
前記監視部で監視される電力に基づいて、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力の低下及び回復を認識し、
前記シーケンス部は、
前記第2の出力部から出力される電力に基づいて、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力の低下及び回復を認識する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の系統連系システム。
【請求項12】
前記切替部が、前記パワーコンディショニング装置内に設けられ、
前記監視部と、前記シーケンス部とが前記パワーコンディショニング装置外に設けられたアダプタに設けられ、
前記切替部及び前記シーケンス部は、
前記監視部から出力される前記監視部で監視される電力の低下及び回復の判定結果を含む信号に基づいて、前記系統電源から前記負荷へ前記第1のブレーカを介して供給される電力の低下及び回復を認識する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の系統連系システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−223072(P2012−223072A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90060(P2011−90060)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】