説明

純水製造装置及び純水製造装置の制御方法

【課題】被処理水のTOC濃度の高低に応じて、ポンプによる被処理水の濾過部への供給
水圧を効率的に制御することにより、省エネルギー効果を奏する純水製造装置及び純水製
造装置の制御方法の提供。
【解決手段】純水製造装置1は、濾過部30通過前の被処理水のTOC濃度を検知する第
1TOC濃度検知部40と、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃
度の高低に応じて、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を制御するポン
プ制御部50とを有し、ポンプ制御部50が、第1TOC濃度検知部40で検知された被
処理水のTOC濃度が高いときは、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧
を高くし、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度が低いときは、
ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を低くするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置及び純水製造装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超純水製造装置において、この超純水製造装置を構成する紫外線照射装置、膜処
理装置などを循環する純水(以下、被処理水という)の流量を、循環ポンプ(以下、ポン
プという)からの吐出流量を検出して、ポンプの回転数の制御を行うことで制御する超純
水製造装置の制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭64−38185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の超純水製造装置(以下、純水製造装置という)などにおいて、被処理
水(市水などの原料水または1次処理水など、何らかの浄化処理が施される水)に河川水
を用いた場合には、季節的要因によって被処理水の水質評価基準の一つであるTOC(To
tal Organic Carbon:全有機体炭素)濃度が大きく変動する。
詳述すると、春及び秋は、比較的に穏やかな天候により、河川水の流量が安定し、流域
から汚泥などの流入が少ないことから、河川水の汚濁が少なく濾過処理前の被処理水のT
OC濃度が低めに推移する。
【0005】
一方、夏及び冬は、渇水、台風、融雪剤散布に伴う融雪などにより、河川水の流量が大
きく変動し、流域から汚泥、融雪剤などが流入しやすいことから、河川水の汚濁が頻繁に
発生し、濾過処理前の被処理水のTOC濃度が高めに推移する。
このように、被処理水に河川水を用いる場合、季節的要因によって濾過処理前の被処理
水のTOC濃度が大きく変動することから、純水製造装置には、濾過処理前の被処理水の
TOC濃度の変化に応じた流量などの制御が求められることになる。
【0006】
しかしながら、上記の純水製造装置の制御方法によると、この純水製造装置では、被処
理水の流量の制御が、ポンプからの吐出流量に基づいて行われている。
特許文献1によれば、上記の純水製造装置では、膜処理装置(以下、濾過部という)の
前段における被処理水のTOC濃度の変化に応じた流量となるような、被処理水の濾過部
への供給水圧の制御までは行われておらず、濾過部通過前の被処理水のTOC濃度の高低
に関係なく、濾過部への供給水圧が制御されていると考えられる。
したがって、上記の純水製造装置では、濾過部通過前の被処理水のTOC濃度が低い場
合でも、TOC濃度が高いときと同じ水圧で、濾過部への供給水圧が制御されていると推
測される。
【0007】
ところで、発明者らの調査によれば、濾過部通過前の被処理水のTOC濃度が低いとき
は、そのときのTOC濃度の値に応じて、濾過部への供給水圧を低くしても、濾過部通過
後の被処理水のTOC濃度の規制値をクリアできることが確認されている。
これによれば、上記の純水製造装置は、濾過部通過前の被処理水のTOC濃度が低い場
合において、ポンプによる被処理水の濾過部への供給水圧が、本来必要な水圧より高くな
っていることから、本来使用されるエネルギーより過剰なエネルギーが使用されている虞
がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形
態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]本適用例にかかる純水製造装置は、被処理水を供給するポンプと、前記ポ
ンプから供給された前記被処理水を濾過して前記被処理水のTOC濃度を低下させる濾過
部とを備えた純水製造装置であって、前記濾過部の前段に設けられ、前記濾過部通過前の
前記被処理水のTOC濃度を検知する第1TOC濃度検知部と、前記第1TOC濃度検知
部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて、前記ポンプによる前記被
処理水の前記濾過部への供給水圧を制御するポンプ制御部とを有し、前記ポンプ制御部が
、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度が高いときは、
前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を高くし、前記第1TOC
濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度が低いときは、前記ポンプによる
前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を低くするように構成されていることを特徴
とする。
【0010】
これによれば、純水製造装置は、ポンプ制御部が、第1TOC濃度検知部で検知された
被処理水のTOC濃度が高いときは、ポンプによる濾過部への供給水圧を高くし、第1T
OC濃度検知部で検知された被処理水のTOC濃度が低いときは、ポンプによる濾過部へ
の供給水圧を低くするように構成されている。
この結果、純水製造装置は、第1TOC濃度検知部で検知された被処理水のTOC濃度
が低いときは、ポンプによる濾過部への供給水圧が低くなることから、従来のような、被
処理水のTOC濃度が低くても、TOC濃度が高いときと同じ水圧となるように、濾過部
への供給水圧が高く制御されている場合と比較して、ポンプの駆動に要する使用エネルギ
ーが少なくて済む。
したがって、純水製造装置は、従来の純水製造装置と比較して、省エネルギー効果を奏
することができる。
【0011】
[適用例2]上記適用例にかかる純水製造装置は、前記ポンプ制御部が、前記第1TO
C濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて、前記ポンプに
よる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧の高低を、過去における、前記被処理水
の前記濾過部通過前の前記TOC濃度と前記濾過部通過後の前記TOC濃度との相関関係
データと、過去における、前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧と前記濾過部通過
後の前記TOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御するように構成されているこ
とが好ましい。
【0012】
これによれば、純水製造装置は、ポンプ制御部が、ポンプによる被処理水の濾過部への
供給水圧の高低を、過去における、被処理水の濾過部通過前のTOC濃度と濾過部通過後
のTOC濃度との相関関係データと、過去における、被処理水の濾過部への供給水圧と濾
過部通過後のTOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御するように構成されてい
る。
したがって、純水製造装置は、過去の実績値に基づいて、ポンプによる被処理水の濾過
部への供給水圧の高低が制御されていることから、第1TOC濃度検知部で検知された被
処理水のTOC濃度の高低に応じて、濾過部通過後の被処理水のTOC濃度の規制値を確
実にクリアしつつ、効率的なポンプの制御を行うことができる。
【0013】
[適用例3]上記適用例にかかる純水製造装置は、前記濾過部の後段に設けられ、前記
濾過部通過後の前記被処理水のTOC濃度を検知する第2TOC濃度検知部をさらに備え
、前記ポンプ制御部が、前記第2TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TO
C濃度が所定の濃度になるように、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記
供給水圧を調製する調整機能を有することが好ましい。
【0014】
これによれば、純水製造装置は、ポンプ制御部が、第2TOC濃度検知部で検知された
被処理水のTOC濃度が所定の濃度になるように、ポンプによる被処理水の濾過部への供
給水圧を調製する調整機能を有する。
この結果、純水製造装置は、被処理水の過剰濾過及び濾過不足を回避できることから、
被処理水を、より効率的に及びより確実に濾過することができる。
【0015】
また、純水製造装置は、例えば、第2TOC濃度検知部で検知された被処理水のTOC
濃度が、所定の濃度(規制値)を下回っている場合、ポンプ制御部が、ポンプによる被処
理水の濾過部への供給水圧を低くして、上記TOC濃度を上昇させ、上記TOC濃度が所
定の濃度になる(一致する)ように調整する。
これにより、純水製造装置は、上記適用例の純水製造装置と比較して、ポンプの駆動に
要する使用エネルギーが更に少なくて済む。
したがって、純水製造装置は、上記適用例の純水製造装置及び従来の純水製造装置と比
較して、更なる省エネルギー効果を奏することができる。
【0016】
[適用例4]上記適用例にかかる純水製造装置は、前記濾過部が、逆浸透膜を用いて前
記被処理水を濾過するように構成されていることが好ましい。
【0017】
これによれば、純水製造装置は、濾過部が、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Memb
raneともいう)を用いて被処理水を濾過するように構成されていることから、逆浸透膜の
特性により、有機物などの不純物を効率的に濾過し、被処理水のTOC濃度を低くするこ
とができる。
【0018】
[適用例5]本適用例にかかる純水製造装置の制御方法は、被処理水を供給するポンプ
と、前記ポンプから供給された前記被処理水を濾過して前記被処理水のTOC濃度を低下
させる濾過部とを備えた純水製造装置の制御方法であって、前記純水製造装置が、前記濾
過部の前段に設けられ前記濾過部通過前の前記被処理水のTOC濃度を検知する第1TO
C濃度検知部と、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度
の高低に応じて、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への供給水圧を制御するポ
ンプ制御部とを有し、前記ポンプ制御部により、前記第1TOC濃度検知部で検知された
前記被処理水の前記TOC濃度が高いときは、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過
部への前記供給水圧を高くし、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前
記TOC濃度が低いときは、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水
圧を低くするように制御することを特徴とする。
【0019】
これによれば、純水製造装置の制御方法は、ポンプ制御部により、第1TOC濃度検知
部で検知された被処理水のTOC濃度が高いときは、ポンプによる濾過部への供給水圧を
高くし、第1TOC濃度検知部で検知された被処理水のTOC濃度が低いときは、ポンプ
による濾過部への供給水圧を低くするように制御する。
この結果、純水製造装置の制御方法は、第1TOC濃度検知部で検知された被処理水の
TOC濃度が低いときは、ポンプによる濾過部への供給水圧を低くすることから、従来の
ような、被処理水のTOC濃度が低くても、TOC濃度が高いときと同じ水圧となるよう
に、濾過部への供給水圧を高く制御する場合と比較して、ポンプの駆動に要する使用エネ
ルギーが少なくて済む。
したがって、純水製造装置の制御方法は、従来の純水製造装置の制御方法と比較して、
省エネルギー効果を奏することができる。
【0020】
[適用例6]上記適用例にかかる純水製造装置の制御方法は、前記ポンプ制御部により
、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて
、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧の高低を、過去における
、前記被処理水の前記濾過部通過前の前記TOC濃度と前記濾過部通過後の前記TOC濃
度との相関関係データと、過去における、前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧と
前記濾過部通過後の前記TOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御することが好
ましい。
【0021】
これによれば、純水製造装置の制御方法は、ポンプ制御部により、ポンプによる被処理
水の濾過部への供給水圧の高低を、過去における、被処理水の濾過部通過前のTOC濃度
と濾過部通過後のTOC濃度との相関関係データと、過去における、濾過部への被処理水
の供給水圧と濾過部通過後のTOC濃度との相関関係データとに基づいて制御する。
したがって、純水製造装置の制御方法は、過去の実績値に基づいて、ポンプによる被処
理水の濾過部への供給水圧の高低を制御することから、第1TOC濃度検知部で検知され
た被処理水のTOC濃度の高低に応じて、濾過部通過後の被処理水のTOC濃度の規制値
を確実にクリアしつつ、効率的なポンプの制御を行うことができる。
【0022】
[適用例7]上記適用例にかかる純水製造装置の制御方法は、前記純水製造装置が、前
記濾過部の後段に設けられ、前記濾過部通過後の前記被処理水のTOC濃度を検知する第
2TOC濃度検知部をさらに備え、前記第2TOC濃度検知部で検知された前記被処理水
の前記TOC濃度が所定の濃度になるように、前記ポンプ制御部によって、前記ポンプに
よる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を調製することが好ましい。
【0023】
これによれば、純水製造装置の制御方法は、第2TOC濃度検知部で検知された被処理
水のTOC濃度が所定の濃度になるように、ポンプ制御部によって、ポンプによる被処理
水の濾過部への供給水圧を調製する。
この結果、純水製造装置の制御方法は、被処理水の過剰濾過及び濾過不足を回避できる
ことから、被処理水を、より効率的に及びより確実に濾過することができる。
【0024】
また、純水製造装置の制御方法は、例えば、第2TOC濃度検知部で検知された被処理
水のTOC濃度が、所定の濃度を下回っている場合、ポンプ制御部によって、ポンプによ
る被処理水の濾過部への供給水圧を低くして、上記TOC濃度を上昇させ、上記TOC濃
度が所定の濃度になるように調整する。
これにより、純水製造装置の制御方法は、上記適用例の純水製造装置の制御方法と比較
して、ポンプの駆動に要する使用エネルギーが更に少なくて済む。
したがって、純水製造装置の制御方法は、上記適用例の純水製造装置の制御方法及び従
来の純水製造装置の制御方法と比較して、更なる省エネルギー効果を奏することができる

【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態の純水製造装置の要部の概略構成を示す模式図。
【図2】被処理水の濾過部通過前のTOC濃度と濾過部通過後のTOC濃度との相関関係の一例を表すグラフ。
【図3】被処理水の濾過部への供給水圧と濾過部通過後のTOC濃度との相関関係の一例を表すグラフ。
【図4】第2の実施形態の純水製造装置の要部の概略構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、純水製造装置及び純水製造装置の制御方法の実施形態について図面を参照して説
明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の純水製造装置の要部の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、純水製造装置1は、河川水、地下水、市水などの原料水または前処
理により一定の不純物が除去された1次処理水など、何らかの浄化処理が施される水であ
る被処理水を貯留する貯水槽10と、貯水槽10から搬送された被処理水を加圧して供給
するポンプ20と、ポンプ20から供給された被処理水を濾過して被処理水のTOC濃度
を低下させる濾過部30とを備えている。
【0028】
また、純水製造装置1は、濾過部30の前段である貯水槽10とポンプ20との間に設
けられ、濾過部30通過前の被処理水のTOC濃度を検知する第1TOC濃度検知部40
と、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度の高低に応じて、ポン
プ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を制御するポンプ制御部50とを有して
いる。
【0029】
被処理水は、図1に示すように、貯水槽10から図示しない搬送用ポンプにより、矢印
A方向に搬送され、ポンプ20、濾過部30、図示しない脱気部、2次処理部などを通過
する。
これにより、被処理水は、所定の純度、例えば、比抵抗が18MΩ・cm以上に到達し
た状態で、図示しないユースポイントとしての半導体、液晶表示パネル、精密微細加工部
品などの製造工場などにおける1箇所または複数個所の洗浄処理設備などに純水として供
給される。
なお、濾過部30通過後の被処理水の流量は、3方弁などの調整弁60によって所定の
流量に調整されている。所定の流量を超えた被処理水は、リターン水として調整弁60か
ら矢印B方向に搬送され、貯水槽10に戻される。
【0030】
ポンプ20には、例えば、搬送されてくる被処理水を、回転する羽根車により加圧する
ターボ型ポンプが用いられている。ポンプ20は、羽根車を回転させるモーターに供給さ
れる電力の電圧及び周波数がインバーターにより制御され、モーターの回転数が任意に変
えられる。
これによって、ポンプ20は、例えば、供給水圧を高くするときは、モーターの回転数
を高くし、供給水圧を低くするときは、モーターの回転数を低くする、というように、搬
送されてくる被処理水の濾過部30への供給水圧の高低が、モーターの回転数によって、
制御される構成となっている。
なお、ポンプ20は、モーターの回転数が高いときには、モーターの回転数が低いとき
より、多くのエネルギーを使用する。
【0031】
濾過部30は、逆浸透膜を用いて被処理水を濾過するように構成されている。濾過部3
0は、この逆浸透膜の特性により、水以外のイオン成分、微生物、有機物などの不純物を
効率的に濾過し、被処理水のTOC濃度を低くすることができる。
なお、濾過部30では、濾過されたイオン成分、有機物などの不純物を含む濃縮水(ブ
ラインともいう)が、破線矢印で示すように連続的に排出される。
また、濾過部30では、逆浸透膜を用いて被処理水を濾過するために、ポンプ20によ
る供給水圧が、被処理水の浸透圧以上の圧力となっている。
【0032】
なお、逆浸透膜には、例えば、中空糸膜状、スパイラル膜状、チューブラー膜状などの
構造が採用可能であり、濾過部30の構成、被処理水に対するTOC濃度規制値などに応
じて、適宜選択される。
また、逆浸透膜の材質には、例えば、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニル
アルコール、ポリスルホンなどを、単独または複合させて用いることが好ましい。
【0033】
第1TOC濃度検知部40は、例えば、取水した被処理水中の有機体炭素を、紫外線照
射または紫外線照射と酸化剤とを併用して二酸化炭素に変え、この二酸化炭素を用いて被
処理水中に導電性イオンを生成させ、被処理水の導電率の上昇分を計測することによって
TOC濃度を検知する公知の構成となっている。なお、TOC濃度の検知方法については
、これに限定するものではなく、公知の非分散型赤外線吸光法などを用いることもできる

第1TOC濃度検知部40は、後述するポンプ制御部50の指示などにより、連続的ま
たは断続的に被処理水のTOC濃度を検知する。
【0034】
ポンプ制御部50は、マイクロコンピューターなどを備え、第1TOC濃度検知部40
で検知された被処理水のTOC濃度の高低に応じて、インバーターを用いてモーターの回
転数を制御し、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を制御する構成とな
っている。
詳述すると、ポンプ制御部50は、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水の
TOC濃度が高いときは、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を高くし
、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度が低いときは、ポンプ2
0による被処理水の濾過部30への供給水圧を低くするように構成されている。
【0035】
ここで、純水製造装置1の制御方法としてのポンプ制御部50の制御動作について説明
する。
上述したように、ポンプ制御部50は、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理
水のTOC濃度の高低に応じて、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTO
C濃度が高いときは、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を高くし、第
1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度が低いときは、ポンプ20に
よる被処理水の濾過部30への供給水圧を低くするように、インバーターを用いてモータ
ーの回転数を制御し、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧の高低を制御
する。
【0036】
この際、ポンプ制御部50は、図示しない記憶部に記憶されている、過去における、被
処理水の濾過部30通過前のTOC濃度と濾過部30通過後のTOC濃度との相関関係デ
ータと、過去における、被処理水の濾過部30への供給水圧と濾過部30通過後のTOC
濃度との相関関係データとに基づいて、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給
水圧の高低を制御することが好ましい。
なお、上記の各相関関係データは、常に最新のデータに更新されていることが好ましい

【0037】
ここで、上記の相関関係データについて図面を参照して説明する。
図2は、被処理水の濾過部通過前のTOC濃度と濾過部通過後のTOC濃度との相関関
係の一例を表すグラフであり、図3は、被処理水の濾過部への供給水圧と濾過部通過後の
TOC濃度との相関関係の一例を表すグラフである。
【0038】
両図とも、発明者らによって今までに蓄積された過去の実績データに基づいて作成され
ている。
図2に示すように、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度と濾過部30通過後のT
OC濃度とは、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度が高くなるに連れて、被処理水
の濾過部30通過後のTOC濃度が高くなっていく略正比例の相関関係にある。
また、図2によれば、被処理水の濾過部30通過後のTOC濃度は、濾過部30通過前
のTOC濃度に対して略1/10に低下する。なお、図2における被処理水の濾過部30
への供給水圧は、約0.75MPaである。
また、図3に示すように、被処理水の濾過部30への供給水圧と濾過部30通過後のT
OC濃度とは、ある程度の供給水圧までは、被処理水の濾過部30への供給水圧が高くな
るに連れて、濾過部30通過後のTOC濃度が低くなっていく略反比例の相関関係にある

【0039】
ここで、図3により、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度が高い場合の一例とし
て30.5ppbの場合と、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度が低い場合の一例
として30.0ppbの場合とを比較してみる。
なお、ここでは、被処理水の濾過部30通過後のTOC濃度の規制値を3.00ppb
とする。
【0040】
被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度が30.5ppbの場合には、規制値3.0
0ppbをクリアするために、被処理水の濾過部30への供給水圧を、マージンを含めて
0.75MPa程度とする必要がある。
一方、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度が30.0ppbの場合には、規制値
3.00ppbをクリアするために、被処理水の濾過部30への供給水圧を、マージンを
含めても0.65MPa程度とすればよいことが分かる。
【0041】
これらの相関関係データに基づき、ポンプ制御部50は、第1TOC濃度検知部40で
検知された被処理水のTOC濃度が高いとき、例えば、TOC濃度が30.5ppbのと
きは、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を高く、例えば、0.75M
Paとする。
そして、ポンプ制御部50は、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTO
C濃度が低いとき、例えば、TOC濃度が30.0ppbのときは、ポンプ20による被
処理水の濾過部30への供給水圧を低く、例えば、0.65MPaとする。
【0042】
このポンプ制御部50の制御動作により、純水製造装置1は、第1TOC濃度検知部4
0で検知された被処理水のTOC濃度が低い(30.0ppb)ときは、TOC濃度が高
い(30.5ppb)ときと比較して、ポンプ20のモーターの回転数を低くして、ポン
プ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を、例えば、0.1MPa低くすること
ができる。
【0043】
なお、上記のTOC濃度の数値、ポンプ20による供給水圧の数値は一例であり、純水
製造装置1は、第1TOC濃度検知部40で検知されるTOC濃度の数値に応じて、上記
相関関係データに基づき、ポンプ制御部50がポンプ20による供給水圧の数値を適宜設
定する。
【0044】
上述したように、純水製造装置1は、ポンプ制御部50が、第1TOC濃度検知部40
で検知された被処理水のTOC濃度が高いときは、ポンプ20による濾過部30への供給
水圧を高くし、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度が低いとき
は、ポンプ20による濾過部30への供給水圧を低くするように構成されている。
この結果、純水製造装置1は、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTO
C濃度が低いときは、ポンプ20による濾過部30への供給水圧が低くなることから、従
来のような、被処理水のTOC濃度が低くても、TOC濃度が高いときと同じ水圧となる
ように、濾過部30への供給水圧が高く制御されている場合と比較して、ポンプ20の駆
動に要する使用エネルギーが少なくて済む。
したがって、純水製造装置1は、従来の純水製造装置と比較して、省エネルギー効果を
奏することができる。
【0045】
また、純水製造装置1は、ポンプ制御部50が、ポンプ20による被処理水の濾過部3
0への供給水圧の高低を、過去における、被処理水の濾過部30通過前のTOC濃度と濾
過部30通過後のTOC濃度との相関関係データと、過去における、被処理水の濾過部3
0への供給水圧と濾過部30通過後のTOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御
するように構成されている。
したがって、純水製造装置1は、過去の実績値に基づいて、ポンプ20による被処理水
の濾過部30への供給水圧の高低が制御されていることから、第1TOC濃度検知部40
で検知された被処理水のTOC濃度の高低に応じて、濾過部30通過後の被処理水のTO
C濃度の規制値を確実にクリアしつつ、効率的なポンプ20の制御を行うことができる。
【0046】
また、純水製造装置1は、濾過部30が、逆浸透膜を用いて被処理水を濾過するように
構成されていることから、逆浸透膜の特性により、イオン成分、有機物などの不純物を効
率的に濾過し、被処理水のTOC濃度を低くすることができる。
【0047】
また、純水製造装置1の制御方法は、ポンプ制御部50により、第1TOC濃度検知部
40で検知された被処理水のTOC濃度が高いときは、ポンプ20による濾過部30への
供給水圧を高くし、第1TOC濃度検知部40で検知された被処理水のTOC濃度が低い
ときは、ポンプ20による濾過部30への供給水圧を低くするように制御する。
この結果、純水製造装置1の制御方法は、第1TOC濃度検知部40で検知された被処
理水のTOC濃度が低いときは、ポンプ20による濾過部30への供給水圧を低くするこ
とから、従来のような、被処理水のTOC濃度が低くても、TOC濃度が高いときと同じ
水圧となるように、濾過部30への供給水圧を高く制御する場合と比較して、ポンプ20
の駆動に要する使用エネルギーが少なくて済む。
したがって、純水製造装置1の制御方法は、従来の純水製造装置の制御方法と比較して
、省エネルギー効果を奏することができる。
【0048】
また、純水製造装置1の制御方法は、ポンプ制御部50により、ポンプ20による被処
理水の濾過部30への供給水圧の高低を、過去における、被処理水の濾過部30通過前の
TOC濃度と濾過部30通過後のTOC濃度との相関関係データと、過去における、濾過
部30への被処理水の供給水圧と濾過部30通過後のTOC濃度との相関関係データとに
基づいて制御する。
したがって、純水製造装置1の制御方法は、過去の実績値に基づいて、ポンプ20によ
る被処理水の濾過部30への供給水圧の高低を制御することから、第1TOC濃度検知部
40で検知された被処理水のTOC濃度の高低に応じて、濾過部30通過後の被処理水の
TOC濃度の規制値を確実にクリアしつつ、効率的なポンプ20の制御を行うことができ
る。
【0049】
なお、上記実施形態では、ポンプ制御部50が、被処理水のTOC濃度に基づいてポン
プ20による被処理水の濾過部30への供給水圧の高低を制御する構成としたが、これ以
外に、ポンプ制御部50が、被処理水の比抵抗の高低に基づいて、ポンプ20による被処
理水の濾過部30への供給水圧の高低を制御する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、濾過部30における被処理水の濾過を、逆浸透膜を用いて行
っていたが、これ以外に、濾過部30における被処理水の濾過を、限外濾過膜などを用い
て行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1TOC濃度検知部40を、貯水槽10とポンプ20との
間に設けたが、これに限定するものではない。第1TOC濃度検知部40は、濾過部30
の前段の位置であれば、図示しない原料水を貯留する受水槽の前段または後段、前処理部
内の任意の位置、貯水槽10の前段などに設けてもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
ここで、第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図4は、第2の実施形態の純水製造装置の要部の概略構成を示す模式図である。なお、
上記第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施
形態と異なる部分を中心に説明する。
【0051】
図4に示すように、純水製造装置101は、濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度
を検知する第2TOC濃度検知部41が、濾過部30の後段である、濾過部30と調整弁
60との間に設けられている。
なお、第2TOC濃度検知部41の構成は、第1TOC濃度検知部40と同様であるの
で説明を省略する。また、第2TOC濃度検知部41は、調整弁60の後段に設けられて
いてもよい。
第2TOC濃度検知部41による濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度の検知は、
ポンプ制御部150の指示などにより、連続的または断続的に行われる。
【0052】
純水製造装置101は、ポンプ制御部150が、第1の実施形態のポンプ制御部50の
構成に加えて、第2TOC濃度検知部41で検知された被処理水のTOC濃度が所定の濃
度(規制値)になるように、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を調製
する調整機能を有している。
【0053】
ここで、純水製造装置101の制御方法としてのポンプ制御部150の制御動作につい
て説明する。
上述したように、ポンプ制御部150は、第2TOC濃度検知部41で検知された被処
理水のTOC濃度が所定の濃度(規制値)になるように、ポンプ20による被処理水の濾
過部30への供給水圧を調製する。
【0054】
以下、一例を挙げて、時系列的に詳述する。なお、ここでは、被処理水の濾過部30通
過後のTOC濃度の規制値を3.00ppbとする。
【0055】
[ステップ1]
まず、ポンプ制御部150は、貯水槽10から搬送されてくる被処理水の、第1TOC
濃度検知部40で検知された濾過部30通過前のTOC濃度30.0ppbに基づき、ポ
ンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を、一旦、0.65MPaに設定する

【0056】
[ステップ2]
ついで、ポンプ制御部150に、第2TOC濃度検知部41から、第2TOC濃度検知
部41で検知された濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度2.70ppbが伝達され
る。
【0057】
[ステップ3]
ついで、ポンプ制御部150は、第2TOC濃度検知部41で検知された濾過部30通
過後の被処理水のTOC濃度2.70ppbと、規制値3.00ppbとを比較して不一
致を確認し、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を調整し、供給水圧を
0.65MPaから0.60MPaに下げて、濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度
を上昇させる。
【0058】
[ステップ4]
ついで、ポンプ制御部150に、第2TOC濃度検知部41から、ステップ3による供
給水圧調整後の、第2TOC濃度検知部41で検知された濾過部30通過後の被処理水の
TOC濃度3.00ppbが伝達される。
【0059】
[ステップ5]
ついで、ポンプ制御部150は、第2TOC濃度検知部41で検知された濾過部30通
過後の被処理水のTOC濃度3.00ppbと、規制値3.00ppbとを比較して一致
を確認し、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を0.60MPaで維持
する。
【0060】
以降、ポンプ制御部150は、この制御動作を連続的または断続的に繰り返し、第2T
OC濃度検知部41で検知される濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度が、規制値の
3.00ppbになるように、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を調
整する。
なお、ステップ3〜5については、段階的に供給水圧を下げて行き、その都度、第2T
OC濃度検知部41で検知される濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度と規制値とを
比較して一致、不一致を確認しながら行う。
【0061】
なお、ポンプ制御部150は、仮に、第2TOC濃度検知部41で検知された濾過部3
0通過後の被処理水のTOC濃度が、規制値を超える数値、例えば、3.30ppbであ
る場合、上記と同様のステップを踏んで、濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度3.
30ppbが、規制値の3.00ppbになるように、ポンプ20による被処理水の濾過
部30への供給水圧を高くする。
具体的には、ポンプ制御部150は、供給水圧を0.65MPaから0.70MPaな
どに上げて、濾過部30通過後の被処理水のTOC濃度を下降させ、規制値と一致させる

【0062】
上述したように、第2の実施形態の純水製造装置101は、ポンプ制御部150が、第
2TOC濃度検知部41で検知された被処理水のTOC濃度が規制値になるように、ポン
プ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を調製する調整機能を有している。
この結果、純水製造装置101は、被処理水の過剰濾過及び濾過不足を回避できること
から、被処理水を、より効率的に及びより確実に濾過することができる。
【0063】
また、純水製造装置101は、例えば、第2TOC濃度検知部41で検知された被処理
水のTOC濃度が、規制値(3.00ppb)を下回っている場合、ポンプ制御部150
が、ポンプ20による被処理水の濾過部30への供給水圧を低くして(0.65MPa→
0.60MPa)、上記TOC濃度を上昇させ、上記TOC濃度が規制値(3.00pp
b)と一致するように調整する構成となっている。
この結果、純水製造装置101は、上記第1の実施形態と比較して、ポンプ20の駆動
に要する使用エネルギーが、例えば、0.05MPa分、少なくて済む。
したがって、純水製造装置101は、上記第1の実施形態及び従来の純水製造装置と比
較して、更なる省エネルギー効果を奏することができる。
【0064】
また、純水製造装置101の制御方法は、第2TOC濃度検知部41で検知された被処
理水のTOC濃度が規制値になるように、ポンプ制御部150によって、ポンプ20によ
る被処理水の濾過部30への供給水圧を調製する。
この結果、純水製造装置101の制御方法は、上述した純水製造装置101と同様の作
用効果により、被処理水の過剰濾過及び濾過不足を回避できることから、被処理水を、よ
り効率的に及びより確実に濾過することができる。
【0065】
また、純水製造装置101の制御方法は、上述した純水製造装置101と同様の作用効
果により、上記第1の実施形態の純水製造装置1の制御方法と比較して、ポンプ20の駆
動に要する使用エネルギーが更に少なくて済む。
したがって、純水製造装置101の制御方法は、上記第1の実施形態の純水製造装置1
の制御方法及び従来の純水製造装置の制御方法と比較して、更なる省エネルギー効果を奏
することができる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態における被処理水のTOC濃度の数値、TOC濃度の規制値
、ポンプ20による供給水圧の数値は一例であり、純水製造装置101は、第2TOC濃
度検知部41で検知されるTOC濃度の数値及びTOC濃度の規制値に応じて、ポンプ制
御部150がポンプ20による供給水圧の数値を適宜調整する。
【符号の説明】
【0067】
1…純水製造装置、10…貯水槽、20…ポンプ、30…濾過部、40…第1TOC濃
度検知部、50…ポンプ制御部、60…調整弁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を供給するポンプと、前記ポンプから供給された前記被処理水を濾過して前記
被処理水のTOC濃度を低下させる濾過部とを備えた純水製造装置であって、
前記濾過部の前段に設けられ、前記濾過部通過前の前記被処理水のTOC濃度を検知す
る第1TOC濃度検知部と、
前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて
、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への供給水圧を制御するポンプ制御部とを
有し、
前記ポンプ制御部が、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TO
C濃度が高いときは、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を高
くし、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度が低いとき
は、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を低くするように構成
されていることを特徴とする純水製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の純水製造装置において、前記ポンプ制御部が、前記第1TOC濃度検
知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて、前記ポンプによる前記
被処理水の前記濾過部への前記供給水圧の高低を、
過去における、前記被処理水の前記濾過部通過前の前記TOC濃度と前記濾過部通過後
の前記TOC濃度との相関関係データと、
過去における、前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧と前記濾過部通過後の前記
TOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御するように構成されていることを特徴
とする純水製造装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の純水製造装置において、前記濾過部の後段に設けられ、前記
濾過部通過後の前記被処理水のTOC濃度を検知する第2TOC濃度検知部をさらに備え

前記ポンプ制御部が、前記第2TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TO
C濃度が所定の濃度になるように、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記
供給水圧を調製する調整機能を有することを特徴とする純水製造装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の純水製造装置において、前記濾過部が、逆浸透膜
を用いて前記被処理水を濾過するように構成されていることを特徴とする純水製造装置。

【請求項5】
被処理水を供給するポンプと、前記ポンプから供給された前記被処理水を濾過して前記
被処理水のTOC濃度を低下させる濾過部とを備えた純水製造装置の制御方法であって、
前記純水製造装置が、前記濾過部の前段に設けられ前記濾過部通過前の前記被処理水の
TOC濃度を検知する第1TOC濃度検知部と、
前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて
、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への供給水圧を制御するポンプ制御部とを
有し、
前記ポンプ制御部により、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記
TOC濃度が高いときは、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧
を高くし、前記第1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度が低い
ときは、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧を低くするように
制御することを特徴とする純水製造装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の純水製造装置の制御方法において、前記ポンプ制御部により、前記第
1TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度の高低に応じて、前記ポ
ンプによる前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧の高低を、
過去における、前記被処理水の前記濾過部通過前の前記TOC濃度と前記濾過部通過後
の前記TOC濃度との相関関係データと、
過去における、前記被処理水の前記濾過部への前記供給水圧と前記濾過部通過後の前記
TOC濃度との相関関係データとに基づいて、制御することを特徴とする純水製造装置の
制御方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の純水製造装置の制御方法において、前記純水製造装置が、前
記濾過部の後段に設けられ、前記濾過部通過後の前記被処理水のTOC濃度を検知する第
2TOC濃度検知部をさらに備え、
前記第2TOC濃度検知部で検知された前記被処理水の前記TOC濃度が所定の濃度に
なるように、前記ポンプ制御部によって、前記ポンプによる前記被処理水の前記濾過部へ
の前記供給水圧を調製することを特徴とする純水製造装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−75912(P2010−75912A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163386(P2009−163386)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】