説明

紙おむつ

【課題】排泄検知材をおむつの所定位置に置いた従来の技術は、その排泄検知材がその位置からずれたり抜けてしまったりし、排尿や排便をした場合に検知しないことが生じるおそれがある。
【解決手段】吸水性の内側皮膜と遮水性の外側皮膜の間に吸水層がある紙おむつにおいて、芳香成分を封入した水分によって溶解する弾性膜製のカプセルを前記吸水層中もしくは吸水層の内側皮膜側に散在させた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぬれることによって芳香を発生する発香性の紙おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
幼児、病人および介護老人用のすべてのおむつは、吸水素材を内蔵しており、極めて高い吸水性を有している。そのために、その排泄を看護する者が気が付かないことがある。
そこで、香料を水溶性のカプセルで被覆し、このカプセルを、円筒感応超吸水変色紐の円筒状内部空間内に連続的に配置した排泄感知伝導紐を、先端を残して不透水性透明柔軟鞘内に挿入した排泄検知材の技術があり、この排泄検知材の先端部をおむつ内に位置させて取り付ける技術があり(例えば、特許文献1参照)、これによると、この排泄検知材のカプセルが排泄物の水分によって溶けて香りが発せられ、看護人等が排泄のあったこと知ることできる。
【特許文献1】特開2002−48778公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の技術においては、排泄検知材をおむつの所定位置に置いてもその位置からずれたり抜けてしまったりし、排尿や排便をした場合に検知しないことが生じるおそれがある。
また、カプセルを入れた円筒状の排泄検知材とおむつとは全く製造工程が異なる製品であり、それら両方の製造および保管の管理が必要となり、流通工程においても困難さがある。
【0004】
本発明は、このような問題を解決することを課題とするもので、内側皮膜と外側皮膜の間の吸水層に芳香性の油脂系成分を封入したカプセルを散在させることによってぬれたときに確実に芳香を発するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、吸水性の内側皮膜と遮水性の外側皮膜の間に吸水層がある紙おむつにおいて、芳香成分を密封した水分によって溶解する弾性膜製のカプセルを前記吸水層中もしくは吸水層の内側皮膜側に散在させてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、使用者が排尿や排便をすると、その水分によってカプセルが溶解し、封入されている油脂系成分の芳香が発せられるもので、吸水層にカプセルを散在させたことにより、排尿、排便によって確実にカプセルが溶解することになり、その芳香成分によって直ちに介護人等に報知できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明による実施例を説明する。
【実施例】
【0008】
図1は実施例を示す説明図、図2は拡大断面説明図である。
図において、1は紙おむつであり、幼児用、大人用に限らないものであり、また、その形状も立体タイプやフラットタイプ等どのような形状のものでもよい。
紙おむつは、吸水性の内側皮膜2と遮水性の外側皮膜3の間に吸湿剤や吸湿性の紙(パルプ)による吸水層4がある。
【0009】
5は、その吸水層4の中に散在させたカプセルである。このカプセル5は、ゼラチンやグリセリン等の水分や温水等によって膨潤溶解する弾性膜製であり、その中に植物性、動物性の油脂系等の芳香成分(精油)、例えば、ラベンダーやかんきつ類等のような芳香を発する成分を封入したものである。このカプセルは、排尿は排便等の水分で膨潤溶解するものであり、その大きさや形状は、全く任意であって例えば、偏平体、球形体、星型であってその直径は2〜10mm程度である。
【0010】
また、封入される芳香成分は任意であり、植物性や動物性の油脂系の芳香成分の単体ばかりでなく、適宜に配合したものでもよく、芳香を発散するばかりでなく、消臭やその他の効果が得られるようにするとよい。また、カプセルごとに異なる芳香成分を封入しておき、カプセルの色や形状によって識別できるようにしておくとよく、それらを混合して用いてもよい。
【0011】
さらに、芳香成分は、必ずしも植物性や動物性等の天然成分である必要はなく、化学合成による芳香成分であってもよい。
このようにしたカプセル5を、吸水層4中もしくは吸水層4の内側皮膜2側に散在させてある。
このカプセル5の散在状態は、吸水層4の全面に均等に配置しておいてもよいが、主に排尿や排便が当たる付近に重点的に配置するとよい。
【0012】
上述した構成によると、使用者が排尿や排便をすると、その水分によってカプセル5が溶解し、封入されている芳香成分の芳香が発せられることになる。
この芳香によって、排尿や排便があったことを看護や介護をしている者に報知することになり、介護人等はおむつの交換の必要を知ることができる。また、その交換時にも芳香があるために作業がし易く、周囲にも悪臭がたちこめることがない。
【0013】
このように、吸水層にカプセルを散在させたことにより、排尿、排便によって確実にカプセルが溶解することになり、その芳香成分によって直ちに介護人等に報知できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例を示す説明図
【図2】拡大断面説明図
【符号の説明】
【0015】
1 紙おむつ
2 内側皮膜
3 外側皮膜
4 吸水層
5 カプセル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性の内側皮膜と遮水性の外側皮膜の間に吸水層がある紙おむつにおいて、
芳香成分を封入した水分によって溶解する弾性膜製のカプセルを前記吸水層中もしくは吸水層の内側皮膜側に散在させてあることを特徴とする紙おむつ。
【請求項2】
請求項1において、カプセルを主に排尿や排便が当たる付近に重点的に配置したことを特徴とする紙おむつ。













【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−283008(P2007−283008A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116165(P2006−116165)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(597129229)チェスト株式会社 (31)
【Fターム(参考)】