説明

紙ウエブの水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置

【課題】 紙ウエブの水分プロファイルをより均一に制御することを可能にする、紙ウエブの水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明の紙ウエブの水分プロファイル制御方法は、紙ウエブ2がドライヤシリンダ3に巻き掛けられさらにその外周面からキャンバス4が押し当てられた状態におけるキャンバス4の外周面に水分供給することでキャンバス4を介して紙ウエブ2に水分を供給するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機のドライヤにおける紙ウエブの水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、抄紙機の乾燥工程に用いられるドライヤは、内部に蒸気を充満させて加熱した円筒状のドライヤシリンダが複数配置されており、プレス工程等の前工程から送られてきた紙ウエブをこのドライヤシリンダの円筒表面に順次押し当てつつ通過させることで紙ウエブの水分を蒸発、乾燥できるように構成されている。
このようなドライヤにより乾燥された後の紙ウエブの水分率は6%前後に調整されるが、その帯幅方向の水分率分布である水分プロファイルには1〜5%程度のばらつきが発生することがあった。この原因には抄紙過程での秤量変動、プレス工程での脱水のばらつき、ドライヤシリンダ表面の熱分布のばらつき等、が挙げられる。乾燥された後の紙ウエブの水分プロファイルにばらつきが発生すると、紙製品としての品質ムラや、巻き取り時の巻きずれや断紙等、多くの問題を引き起こす原因となる。
【0003】
そこで、ドライヤに入る前工程における塗工の際にその塗工液の液量を幅方向で制御したり、塗工の前に霧状の水分を直接紙ウエブにスプレーすることによって直接水分を供給したりすることによって、紙ウエブの水分プロファイルを調整したり(例えば特許文献1参照)、ドライヤの中間部あるいは出口部に設置されたドライヤシリンダに対して誘導加熱コイルを幅方向に複数配置してドライヤシリンダの表面を制御しつつ加熱し、乾燥のための熱量を幅方向で制御することで紙ウエブの水分プロファイルを調整するといったことがなされていた(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−209395号公報(第2頁)
【特許文献2】特公平8−26519号公報(第2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のように水分等を供給することによって水分プロファイルを調整する場合、水分を霧状としても紙ウエブにとっての水分供給量としては過剰であり、紙ウエブの水分率が30〜40%といったようなドライヤに入る前段階での高い水分率の紙ウエブでしか調整できなかった。そして結果的に水分プロファイルを調整した時の水分率とドライヤ出口での水分率とが大きく異なってしまい、紙ウエブの水分プロファイルを均一に制御することが困難となる場合があった。
また上記特許文献2のように、ドライヤの中間部あるいは出口部で加熱乾燥によって水分率分布を調整する場合、ドライヤ出口部での水分率に近い状態で調整できるが、紙ウエブ全体が過乾燥となり易く、製品としての品質を低下させる恐れがあった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、抄紙機のドライヤによる乾燥工程において紙ウエブの水分プロファイルをより均一に制御することを可能にする、紙ウエブの水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための第一の本発明は、加熱された円筒状の複数のドライヤシリンダに巻き掛け、さらにその外周面に吸水性繊維からなる帯状のキャンバスを押し当てることによって紙ウエブを乾燥させる抄紙機のドライヤで用いられる紙ウエブの水分プロファイル制御方法であって、前記紙ウエブの水分プロファイルを把握し、その把握した水分プロファイルに基づいて前記紙ウエブの帯幅方向の水分不足部分を特定し、前記紙ウエブが前記ドライヤシリンダに巻き掛けられかつその外周面から前記キャンバスが押し当てられた状態における前記キャンバスの外周面に水分供給し、水分が供給された前記キャンバスを介して前記紙ウエブの前記水分不足部分に水分を供給し、前記紙ウエブの水分プロファイルを一定に制御することを特徴としている。
【0007】
上記の第一の発明によれば、前記キャンバスの外周面に水分供給すると、その水分が前記キャンバスに吸収される。その後、前記キャンバスに吸収された水分が前記紙ウエブに達することで、前記紙ウエブに水分が供給される。このとき、供給された水分のうち余剰な水分は前記キャンバスに吸収されるので、前記紙ウエブに対する水分供給が過剰になることを防止できる。従って、前記紙ウエブの水分プロファイルのばらつき幅が大きくない場合であっても、前記紙ウエブの前記水分不足部分に対して適量の水分供給ができる。また、水分は一旦前記キャンバスに吸収されるため、例えば、前記紙ウエブ表面で水分が水滴等を作ることによって点在状態となることがなく、前記水分不足部分に対して水分を適度に分散した均一な状態で供給できる。
【0008】
上記目的を達成するための第二の発明は、加熱された円筒状の複数のドライヤシリンダに巻き掛け、さらにその外周面に吸水性繊維からなる帯状のキャンバスを押し当てることによって紙ウエブを乾燥させる抄紙機のドライヤに用いられる紙ウエブの水分プロファイル制御装置であって、前記紙ウエブの水分プロファイルを把握する水分プロファイル把握手段と、前記紙ウエブが前記ドライヤシリンダに巻き掛けられかつその外周面から前記キャンバスが押し当てられた状態における前記キャンバスの外周面に水分供給し、水分が供給された前記キャンバスを介して紙ウエブに水分を供給する水分供給手段と、前記把握した水分プロファイルに基づいて前記紙ウエブの水分プロファイルを一定にするための前記紙ウエブの帯幅方向の水分不足部分を特定し、水分プロファイルが一定となるように水分供給するように前記水分供給手段を制御する制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の第二の発明に係る水分プロファイル制御装置によれば、第一の発明に係る方法を用いて前記紙ウエブに水分を供給できるので、前記紙ウエブの水分プロファイルのばらつき幅が大きくない場合であっても、前記紙ウエブの前記水分不足部分に対して適量の水分供給を行うことができる。
【0010】
また、上記の本発明によれば、前記紙ウエブへの水分供給量を微量にできるので、乾燥が進行しほぼ完了している状態の前記紙ウエブ、すなわち水分率が3〜12%の範囲である前記紙ウエブに対して水分供給することができる。この場合、ほぼ乾燥完了状態の前記紙ウエブの水分プロファイルを調整することによって、その制御をより均一かつ精度よく行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る紙ウエブの水分プロファイル制御方法および水分プロファイル制御装置によれば、前記キャンバスを介して前記紙ウエブに水分供給するので、前記紙ウエブの水分プロファイルのばらつき幅が大きくない場合であっても適量の水分供給ができ、紙ウエブの水分プロファイルをより均一に制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る水分プロファイル制御方法を適用した水分プロファイル制御装置を備えたドライヤの概略を示す側面図である。
【0013】
図中のドライヤ1は、抄紙機の乾燥工程に用いられ、プレス工程あるいは乾燥工程内に配置されるサイズプレス等から送られてきた紙ウエブ2を乾燥するための装置である。このようなドライヤ1では、図中矢印Aに沿って前工程から送られてきた紙ウエブ2が入口部Sからドライヤ1内に入り、ドライヤ1内で乾燥された紙ウエブ2を図中出口部Eから次工程に送り出すようになっている。このドライヤ1は、複数のドライヤシリンダ3と、この紙ウエブ2をドライヤシリンダ3の表面に押し当てるためのキャンバス4と、このキャンバスの軌道を構成する複数のキャンバスロール5と、水分プロファイル制御装置としての水分供給装置6および紙ウエブ2の帯幅方向の水分率分布である水分プロファイルを測定するための水分プロファイル測定装置7と、制御部8とを備えている。
【0014】
ドライヤシリンダ3(以下、シリンダ3ともいう)は、鋳鋼などを用いて円筒形状に成形されており、その内部に蒸気を供給して表面を加熱するようになっている。これらシリンダ3は、円筒軸方向を紙ウエブ2の幅方向に対して平行にかつ、紙ウエブ2の進行方向に沿って上下二段に配列されている。紙ウエブ2はシリンダ3に対して上下段交互に巻き掛けられており、これらシリンダ3を所定の回転速度で回転させ、紙ウエブ2を出口部Eの方向へ送りつつ加熱されたシリンダ3の表面に接触させることで、紙ウエブ2を乾燥するように構成されている。
【0015】
キャンバス4は、木綿や合成繊維等、吸水性を有する繊維により無端帯状に形成されており、その帯幅はシリンダ3の円筒面長手方向の寸法と略同じに設定されている。そして、このキャンバス4は、シリンダ3表面の紙ウエブ2が巻き掛けられた部分に押し当てられており、紙ウエブ2をドライヤシリンダ3表面に密着するように保持すると同時にキャンバス4自体も水分を吸収し、均一かつ効率よく乾燥できるようにされている。また、キャンバス4は、前記のようにこのキャンバス4をシリンダ3表面に押し当てるように形成された複数のキャンバスロール5による周回軌道に架け渡されており、シリンダ3の回転速度と同期するように制御されてその軌道上を周回するしている。この周回軌道上において、キャンバス4が紙ウエブ2に接触しない部分には吸収した水分等を乾燥するための乾燥機(図示せず)等が配置されており、キャンバス4はその乾燥機により乾燥された後、再度紙ウエブ2と接触するようになっている。
【0016】
本実施形態に係る水分プロファイル制御装置は、図1中、出口部E寄りのシリンダ3の下部に配置された水分供給手段としての水分供給装置6と、出口部Eから送り出された紙ウエブ2における出口部Eの直後位置に配置された水分プロファイル把握手段としての水分プロファイル測定装置7と、制御手段としての制御部8とを備えている。
水分供給装置6は、出口部Eに最も近い下段のシリンダ3の下部に長手方向を紙ウエブ2の帯幅方向と平行になるようにかつ、シリンダ3に対して所定の間隔を空けて配置されている。そして、紙ウエブ2が巻き掛けられたシリンダ3に向けて霧状の水分を適宜スプレーすることにより紙ウエブ2に水分を供給する。図2は、水分供給装置6の外観を示す斜視図である。この水分供給装置6は、棒状のスプレーヘッダー6aと、このスプレーヘッダー6aの側面に長手方向に沿って一列に等配された多数のスプレーノズル6bとを備えている。
【0017】
この多数のスプレーノズル6bは、例えば水タンク9からポンプ等で所定の水圧を与えてスプレーヘッダー6aに供給される水を霧状にスプレーするものであり、すべてのスプレーノズル6bのスプレー方向が互いに平行にかつスプレーヘッダー6aの長手方向に垂直な方向を向くように取り付けられている。そして、スプレーする際の水の排出能力等は個々のスプレーノズル6bにおいて略同じとなるように、これらは実質的に同一のものを用いている。スプレーヘッダー6aは、シリンダ3の円筒面長手方向の寸法と略同じに設定されており、すべてのスプレーノズル6bから水分をスプレーした場合、シリンダ3の円筒面長手方向の略全体、すなわち、紙ウエブの帯幅方向の略全体に対して均等に水分供給できるようにされている。また、図1も参照して、スプレーヘッダー6aには、個々のスプレーノズル6bに対して水の供給を断続可能とする電磁弁6cが取り付けられている。なお、図1では、スプレーノズル6bと電磁弁6cとを一対示しているが、この電磁弁6cは同様の構成でスプレーヘッダー6aの長手方向に沿って等配された多数のスプレーノズル6b個々に対応して取り付けられている。そして、個々のスプレーノズル6bから水分をスプレーするか否かをそれぞれ個別的に制御できるように構成されている。すなわち、個々のスプレーノズル6bに対応する電磁弁6cを開閉制御することによって、紙ウエブ2の帯幅方向における選択した部分のみ部分的にスプレーさせることができる。
【0018】
水分プロファイル測定装置7は、紙ウエブ2の水分プロファイルを測定するための装置で、β線と赤外線とを紙ウエブ2の測定部分に透過させることでその測定部分の秤量(単位面積当たりの重量)と単位面積当たりの水分量とを同時に測定することができるように構成されたBM計(Basis Weight and Moisture Sensor)7aを備えている。すなわち、このBM計7aによればこれらの値から紙ウエブ2の単位面積当たりの水分率を算出することができる。また、このBM計7aは、紙ウエブ2を帯幅方向に走査できるようにされている。BM計7aによる水分率の測定はβ線等が照射されるごく限られた狭い範囲で行われるため、このBM計7自体を紙ウエブ2の帯幅方向に走査しつつ紙ウエブ2の水分量を測定することで、この水分プロファイル測定装置7は、紙ウエブ2の水分プロファイルを測定できるようにされている。
【0019】
制御部8は、水分プロファイル測定装置7と水分供給装置6とを制御するためのもので、例えばマイコン等を用いている。この制御部8には、水分プロファイル測定装置7と水分供給装置6とが接続されており、水分プロファイル測定装置7から送られてくる水分プロファイルの測定データに基づいて紙ウエブ2の帯幅方向の水分不足部分を特定し、紙ウエブ2の水分プロファイルが一定となるように水分供給装置6を制御している。
【0020】
上記のように構成されたドライヤ1に備えられた水分プロファイル制御装置は、以下に示す水分プロファイル制御方法によって紙ウエブ2の水分プロファイルを均一に制御している。
すなわち、水分プロファイル測定装置7によって紙ウエブ2の水分プロファイルを把握し、その把握した水分プロファイルに基づいて紙ウエブ2の帯幅方向の水分不足部分を特定し、水分供給装置6によって紙ウエブ2の水分不足部分に水分を供給し、紙ウエブ2の水分プロファイルを一定に制御している。
【0021】
ここで、紙ウエブ2に対する水分供給装置6の水分供給について以下に詳述する。図3は、水分供給装置6と、シリンダ3と、キャンバス4と、紙ウエブ2と、の配置の関係を模式的に示した側面図である。なお、図中では、これらの関係の理解を容易にするため、キャンバス4と紙ウエブ2との厚みを誇張して示している。
図中、シリンダ3の円筒表面には紙ウエブ2が巻き掛かけられている。そしてさらにその外周面である紙ウエブ2の表面にはキャンバス4が紙ウエブ2をシリンダ3に押し当てられている。シリンダ3の下部には、上述したように水分供給装置6が所定の間隔を空けて配置されており、そのスプレーノズル6bはシリンダ3の方向に向けられている。
【0022】
このとき、紙ウエブ2に水分を供給すべく水分供給装置6のスプレーノズル6bから霧状の水分をスプレーすると、スプレーされた水分がキャンバス4に吸収される。その後、キャンバス4に吸収された水分が紙ウエブ2に達することで、紙ウエブ2に水分が供給される。すなわち、紙ウエブ2に供給される水分は、キャンバス4を介して間接的に供給されることになる。このとき、水分供給装置6から供給された水分のうち余剰な水分はキャンバス4に吸収されるので、水分供給が過剰になることを防止できる。従って、紙ウエブの水分プロファイルのばらつき幅が大きくない場合であっても、紙ウエブ2の水分不足部分に対して適量の水分供給ができる。また、供給水分は一旦キャンバス4に吸収されるため、例えば、紙ウエブ2表面で水分が水滴等を作ることによって点在状態となることがなく、適度に分散した状態で均一に供給できる。
【0023】
このように、本実施形態に係る水分プロファイル制御方法における紙ウエブ2への水分供給は、紙ウエブ2がシリンダ3に巻き掛けられ、さらにその外周面からキャンバス4が押し当てられた状態の時にキャンバス4の外周面に水分供給することで、キャンバス4を介して適量の水分を紙ウエブ2に供給することができる。従って、ドライヤ1による乾燥工程において紙ウエブ2の水分プロファイルをより均一に制御することができる。
【0024】
また、水分供給装置6が設置されているドライヤ1の出口部Eに近いシリンダ3に巻き掛けられる紙ウエブ2は、ドライヤ1による乾燥がほぼ完了している状態にあり、その水分率は5〜10%の範囲にある。このような状態の紙ウエブ2に対して霧状の水分を直接供給した場合、過剰に水分を供給してしまい、その水分プロファイルを均一にすることはできない。
【0025】
本実施形態では、紙ウエブ2への水分供給量をキャンバス4を介することで適量にできるので、ほぼ乾燥完了状態の紙ウエブ2の水分プロファイルの調整を可能とし、その制御をより均一かつ精度よく行うことができる。
さらに、乾燥工程がほぼ完了している段階で紙ウエブ2の水分プロファイルを均一に調整するので、次工程へ送られるまでの間に紙ウエブ2の水分プロファイルに影響を及ぼす要因をほとんど無くすことができ、水分プロファイルが均一に調整された状態の紙ウエブ2を次工程に送ることができる。
【0026】
また、本実施形態に係る水分プロファイル制御装置は、上述したような水分プロファイル制御方法によって紙ウエブ2の水分プロファイルを制御できるので、ドライヤ1による乾燥工程における紙ウエブ2の水分プロファイルをより均一に制御することができる。
【0027】
また、本発明の水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置によれば、キャンバス4を介して水分供給を行うことによって紙ウエブ2に供給される水分を適量にすることができるので、水分供給に際してその水分量を精密に制御する必要がない。従って、既存の水分供給装置等を利用することができ、低コストで実施することができる。また、本発明では、水分供給により水分プロファイルをより均一に制御しており、前記従来例のように誘導コイル等を用いた乾燥手段による水分プロファイルの制御方法と比較して、電力等のランニングコストを低減することができる。
【0028】
なお、本発明の水分プロファイル制御方法およびそれを用いた水分プロファイル制御装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、水分プロファイル測定装置、水分供給装置の構成や配置位置等は、本発明の趣旨に基づいて適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る水分プロファイル制御装置を備えた抄紙機の乾燥工程に用いられるドライヤの概略を示す側面図である。
【図2】水分供給装置の外観を示す斜視図である。
【図3】水分供給装置と、前記シリンダと、キャンバスと、紙ウエブとの配置の関係を模式的に示した側面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ドライヤ
2 紙ウエブ
3 ドライヤシリンダ
4 キャンバス
6 水分供給装置
7 水分プロファイル測定装置
8 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された円筒状の複数のドライヤシリンダに巻き掛け、さらにその外周面に吸水性繊維からなる帯状のキャンバスを押し当てることによって紙ウエブを乾燥させる抄紙機のドライヤで用いられる紙ウエブの水分プロファイル制御方法であって、
前記紙ウエブの水分プロファイルを把握し、その把握した水分プロファイルに基づいて前記紙ウエブの帯幅方向の水分不足部分を特定し、前記紙ウエブが前記ドライヤシリンダに巻き掛けられかつその外周面から前記キャンバスが押し当てられた状態における前記キャンバスの外周面に水分供給し、水分が供給された前記キャンバスを介して前記紙ウエブの前記水分不足部分に水分を供給し、前記紙ウエブの水分プロファイルを一定に制御することを特徴とする紙ウエブの水分プロファイル制御方法。
【請求項2】
前記水分を供給する際の紙ウエブの水分率は3〜12%の範囲である請求項1記載の紙ウエブの水分プロファイル制御方法
【請求項3】
加熱された円筒状の複数のドライヤシリンダに巻き掛け、さらにその外周面に吸水性繊維からなる帯状のキャンバスを押し当てることによって紙ウエブを乾燥させる抄紙機のドライヤに用いられる紙ウエブの水分プロファイル制御装置であって、
前記紙ウエブの水分プロファイルを把握する水分プロファイル把握手段と、
前記紙ウエブが前記ドライヤシリンダに巻き掛けられかつその外周面から前記キャンバスが押し当てられた状態における前記キャンバスの外周面に水分供給し、水分が供給された前記キャンバスを介して紙ウエブに水分を供給する水分供給手段と、
前記把握した水分プロファイルに基づいて前記紙ウエブの水分プロファイルを一定にするための前記紙ウエブの帯幅方向の水分不足部分を特定し、水分プロファイルが一定となるように水分供給するように前記水分供給手段を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする紙ウエブの水分プロファイル制御装置。
【請求項4】
前記水分供給手段は、水分率が3〜12%の範囲である前記紙ウエブに水分を供給する請求項3記載の紙ウエブの水分プロファイル制御装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−2312(P2006−2312A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182492(P2004−182492)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】