説明

紙サイジング用添加剤、その調製方法、およびその使用

本発明は、少なくとも30重量%がα−オレフィンである1つまたは複数のオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を、担体上にアルカリ金属を含む触媒と接触させることによって二重結合異性化ステップに供するステップ、および、得られる異性化されたオレフィン系C〜C28炭化水素を不飽和ジカルボン酸の環状無水物と反応させてアルケニル置換環状無水化合物を形成するステップを含む、アルケニル置換環状無水化合物を調製する方法に関する。さらに、本発明は、このようにして得られたアルケニル置換環状無水物および紙用添加剤としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の紙サイジング用添加剤、α−オレフィンを異性化した後、不飽和ジカルボン酸の環状無水物と反応させることによってアルケニル置換環状無水物を調製する方法、ならびに紙および板紙の製造に関連するその使用に関する。さらに、本発明は、不飽和ジカルボン酸の環状無水物およびアルカリ金属触媒を使用して異性化された内部オレフィンから紙用のサイジング剤を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルケニル置換環状無水物は、上質紙、リサイクルされたライナーボード、および石膏ボードを含む紙の特性を改善するための紙サイジング用添加剤として製紙業界において広く使用されている。アルケニル無水コハク酸(ASA)化合物は、最も一般的に使用されているアルケニル置換環状無水物である。ASA化合物は、セルロース繊維に共有結合すると考えられる反応性官能基、および繊維から離れる方向に配向された疎水性尾部を有する。この疎水性尾部の性質および配向によって、繊維は水をはじく。ASA化合物に基づく市販のサイジング剤は、典型的には無水マレイン酸と1つまたは複数の適当なα−および/または内部オレフィン、例えばC16内部オレフィンおよび/またはC18内部オレフィンとから調製される。
【0003】
内部オレフィンは通常、直鎖状α−オレフィンのオレフィン二重結合を末端から内部位置に向かって異性化することによって作られる。直鎖状α−オレフィンは図1中に示される構造を有する。
【0004】
【化1】

式中、Rは脂肪族炭化水素基である。
【0005】
しかし、ASA化合物に要求される適当な鎖長を有する実質的に純粋な直鎖状α−オレフィンは、市場に出ているものは極めて少なく、比較的高価である。実際には、市場に出ているα−オレフィンの大部分は、図2中に示される構造を有するであろう。
【0006】
【化2】

およびR基は脂肪族炭化水素基、いわゆるビニリデンオレフィンである。α−オレフィンにおけるビニリデン含有量および分岐の度合いは、異なるα−オレフィン供給業者によって実施されるエチレンオリゴマー化法に強く依存している。これらの製造方法は実質的に互いに異なる(例えば、Industrial Organic Chemicals: Starting Materials and Intermediates、Wiley−VCH Verlag GmbH、1999、第5巻、Chapter 2.1 タイトル Monoolefins、2870〜2873ページを参照)。
【0007】
概して、ビニリデンオレフィンを少なくとも10重量%含むα−オレフィン混合物は、実質的に純粋な直鎖状α−オレフィンより簡単に利用可能であり(これらは例えばIneosおよびNizhnekamskneftekhimから得ることができる)、安価であり、原料として容易に入手できる。これは、利用可能な直鎖状α−オレフィンが直接または異性化ステップの後にASA業界に大量に販売されていることによるところが大きい。それ故に、実質的な量のビニリデンオレフィンを含むα−オレフィンに基づく、紙用添加剤として許容できるから良好な性能を有するアルケニル置換環状無水化合物を作ることができれば経済的に魅力的であろう。
【0008】
US6,231,659は、紙サイジング剤として使用するためのアルケニル無水コハク酸であって、そのアルケニル無水コハク酸が、アルケニル基が炭素原子を約6個〜約40個の範囲で有し、アルケニル基の少なくとも97重量%がα炭素原子上で2つに分岐していて、2つの分岐はいずれも炭素原子を2個以上有するようなアルケニル無水コハク酸の混合物であるものを開示している。これらのアルケニル無水コハク酸は無水マレイン酸から調製され、直鎖状もしくは実質的に直鎖状の内部オレフィンで構成される、またはこれらのアルケニル無水コハク酸はビニリデンオレフィンと混合した直鎖状もしくは実質的に直鎖状のオレフィンで構成される。これらのアルケニル無水コハク酸はまた、対応するα−オレフィンを鉄ペンタカルボニルを触媒として使用して異性化することによっても得られる。
【0009】
この均一系プロセスの欠点は、異性化ステップを比較的高い温度でしか実行できず、また、望ましくない触媒の残渣および(触媒および触媒の分解生成物によって引き起こされる)着色を除去するために、得られたオレフィンを蒸留によって清浄にしなければならなず、その後に得られたオレフィンを無水マレイン酸と反応させてASA化合物を形成することができるという点である。さらに、紙サイジング剤として使用する場合に、鉄ペンタカルボニルを触媒として使用して異性化させたビニリデンオレフィンを含むα−オレフィンに基づくASA化合物の性能は、異性化された直鎖状α−オレフィンに基づくASA化合物を使用する場合より有意に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、アルケニル置換環状無水化合物の改良された調製方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、ビニリデン異性体を比較的高い割合で有するα−オレフィンを出発原料として使用することができ、得られるアルケニル置換環状無水化合物の紙サイジング性能が許容できるから良好であるような、アルケニル置換環状無水化合物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的は、
(i)少なくとも30重量%がα−オレフィンである1つまたは複数のオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を、担体上にアルカリ金属を含む触媒と接触させることによって二重結合異性化ステップに供するステップ、および
(ii)得られる異性化されたオレフィン系C〜C28炭化水素を不飽和ジカルボン酸の環状無水物と反応させてアルケニル置換環状無水化合物を形成するステップ
を含む、本発明に従うアルケニル置換環状無水化合物の調製方法によって実現される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に従う方法において出発原料として使用することができる化合物は、炭素原子6〜28個の鎖長を有するオレフィン性不飽和炭化水素である。オレフィン性不飽和炭化水素は、C〜C28オレフィン性不飽和炭化水素の任意の混合物であることもできる。好ましくは、C16〜C24オレフィン性不飽和炭化水素またはそれらの混合物が使用される。最も好ましくは、C16もしくはC18オレフィン性不飽和炭化水素、またはオレフィン性不飽和C16およびC18炭化水素の混合物が使用される。
【0013】
これらのオレフィン性不飽和炭化水素の少なくとも30重量%はα−オレフィンである。好ましくは、これらのオレフィン性不飽和炭化水素の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%がα−オレフィンである。本発明に従う方法の利点は、以前に記載された先行技術における均一系触媒を使用する方法と比較して、本発明に従う不均一系触媒を使用する場合には着色が有意に少ない、さらには着色が全くないため、得られたオレフィンを無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の環状無水物と反応させてアルケニル置換環状無水化合物を形成することができる前に、得られたオレフィンを蒸留によって清浄にする必要は必ずしもないという点である。さらに、炭素骨格の再編成が起こることにより著しい分岐が生じるであろう既知の酸触媒による異性化とは異なり、本発明に従う方法を使用した場合にはこのような分岐は生じない。好ましくは、上記α−オレフィンの少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも25重量%、最も好ましくは少なくとも35重量%がビニリデン異性体である。
【0014】
本発明に従う方法において使用される担体上にアルカリ金属を含む触媒およびそれを調製するための方法は、例えばGB1416317、GB1,492,059、US2,952,719、およびUS3,897,509に記載されている。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される。これらのアルカリ金属の中では、より豊富に出回っていてより安価なナトリウムおよびカリウムを単独でまたは両者の混合物として用いることが好ましい。
【0015】
異性化触媒のアルカリ金属構成要素は、多種多様の担体上に担持されていてもよい。担体は無水物でなければならない、すなわち水を含まないまたは実質的に水を含まないものでなければならない。これは、担体を予備か焼することによって成し遂げることができる。この予備か焼は通常、比較的高い温度、例えば400〜700℃で、担体から吸着したまたは結合した水を実質的に除去するのに十分な時間にわたって実施される。担体は不活性でなければならない、すなわち担体はアルカリ金属と化学反応してはならない。使用することができる担体の例は、酸化アルミニウム(ガンマ−、エータ−、またはシータ−)、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ボーキサイト、粘土、軽石、活性炭、およびモレキュラーシーブである。使用できる担体の例は、より好ましくは酸化アルミニウム担体(一般的にはアルミナとも称される)である。好ましくは、担体は、25m/gより大きい、より好ましくは100m/gより大きい比表面積を有する(BET法によって決定される)。最も好ましくはガンマ−酸化アルミニウムである。
【0016】
アルカリ金属は、任意の適切な手法で担体上に固着させることができる。特に有利であることが見いだされている1つの手法は、アルカリ金属を気化させてその蒸気を担体の上に通過させるものである。このプロセスは比較的低い温度で実施される。例えばナトリウムは約97℃で融解することから、選択された担体にナトリウムを含浸させる際には、選択された担体にナトリウムを100〜150℃の範囲の温度で含浸させることまたは配置することが好ましい。これは、例えば、ナトリウムを融解させ、融解したナトリウムを担体の上に落とすことによって、または、接続された冷却もしくは加熱手段で所望の温度に維持された別個の区域内に配置された選択された担体の層の上で、窒素もしくはアルゴン等の不活性ガスの流れを、融解したナトリウムに通過させることによって成し遂げることができる。カリウムは約62℃で融解するため、選択された担体に対するカリウムの含浸は更に低い温度で実施することができる。
【0017】
本発明に従う担体上にアルカリ金属を含む触媒を調製する別の方法は、アルカリ金属を担体と共に上記アルカリ金属の融解温度より高い温度で不活性雰囲気下で撹拌する形態をとる。
【0018】
上記調製方法において特定の添加剤を使用することによって、空気および水に対する安定性が改善された触媒を得ることができる。より具体的には、触媒は、好ましくは、上述のアルカリ金属の炭酸塩、硫酸塩、水酸化物または酸化物を添加剤として使用して調製される。アルカリ金属ハロゲン化物を添加剤として使用することは推奨されず、その理由は、担体は概して、これらの化合物がナトリウムまたはリチウムと反応する温度(約800℃)に耐えることができないためである。炭酸塩が添加剤として使用された場合に非常に適切な温度は160〜200℃である。水酸化物が添加剤として使用された場合には、触媒は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、およびアルミナをアルカリ金属の融点より高い温度で加熱することによって調製される。金属を2種以上のアルカリ金属からなる合金の形態において使用することもできる。このような合金の典型的な例は、ナトリウム−カリウム合金である。アルカリ金属水酸化物の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、および周期表の第I群の他の金属の水酸化物である。1種または複数のこれらの水酸化物を使用することができる。使用されるアルカリ金属およびアルカリ金属水酸化物は、例えば、リチウムおよび水酸化リチウム、ナトリウムおよび水酸化ナトリウム、カリウムおよび水酸化カリウム、またはルビジウムおよび水酸化ルビジウム、ナトリウムおよび水酸化カリウム、またはリチウムおよび水酸化カリウムであってよい。加熱の間に他のアルカリ金属化合物に変換される化合物を含有する溶液から開始することもまた可能である。例えば、加熱の間にいずれも炭酸塩に変換される重炭酸塩またはギ酸塩を使用することができる。しかし、ギ酸塩はそれほど好ましくない。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、触媒は、NaCO、KCO、NaOH、KOH、NaHCO、およびKHCOからなる群より選択される添加剤を使用して調製される。最も好ましくは、NaCO、KCO、NaOH、またはKOHが使用される。
【0020】
触媒粒子の形状はそれほど重要ではなく、触媒は粉末、薄片、球体、ペレット、環、押出物の形態において、または任意の他の適切な形態において使用することができる。触媒粒子は、広い範囲の寸法で、例えば、直径1〜5mmのペレットとして、または粒子の粒のサイズが15〜35メッシュ(最大の直径が約13〜0.5mm)、30〜80メッシュ(最大の直径が約0.595〜0.177mm)または100〜325メッシュ(最大の直径が0.15〜0.04mm)である粉末として使用してもよい。概して、触媒粒子が小さいほど二重結合の移行が速く進行する。
【0021】
触媒を調製するためにアルカリ金属水酸化物以外の添加剤が使用される場合には、アルカリ金属は、好ましくは、担体の重量に基づいて1重量%を超える量、より好ましくは1.5重量%を超える量、最も好ましくは2重量%を超える量で触媒中に存在する。好ましくは、アルカリ金属は、担体の重量に基づいて70重量%を超えない量、より好ましくは30重量%を超えない量、最も好ましくは15重量%を超えない量で存在する。調製においてアルカリ金属水酸化物が添加剤として使用される場合には、アルカリ金属は、好ましくは、添加剤の量に対して1モル%を超える量、より好ましくは2モル%を超える量、最も好ましくは3モル%を超える量で触媒中に存在する。好ましくは、アルカリ金属は、添加剤の量に対して100モル%を超えない量、より好ましくは40モル%を超えない量、最も好ましくは20モル%を超えない量で存在する。添加剤は、好ましくは、担体の重量に基づいて少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、最も好ましくは少なくとも2重量%の量で使用される。添加剤は、好ましくは、担体の重量に基づいて上限100重量%、より好ましくは上限70重量%、最も好ましくは上限30重量%の量で使用される。
【0022】
本発明に従う方法において使用するために適切なアルカリ金属触媒をどのように調製するかについての詳細は、GB1416317、GB1,492,059、US2,952,719、およびUS3,897,509を参照のこと。
【0023】
本発明に従う方法のステップ(i)、C〜C28α−オレフィンの異性化ステップは、好ましくは、不活性雰囲気において10〜200℃の温度、より好ましくは15〜100℃の温度、最も好ましくは20〜60℃の温度で実施される。異性化ステップは、液相または蒸気相において実施することができる。好ましくは、異性化は大気圧で実施される。ステップ(i)で得られた異性化されたオレフィンは、精製することなくステップ(ii)で使用することができる。α−オレフィンを本発明に従う触媒と当技術分野で公知の任意の手法において接触させることができる。反応は、例えば、バッチ反応として、またはオレフィンの流れが充填層反応器を通過するようにすることによって実施することができる。
【0024】
異性化されるオレフィンの総量に対する使用される触媒の量は、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも4重量%である。好ましくは、異性化されるオレフィンの量に対して50重量%を超えない、より好ましくは40重量%を超えない、最も好ましくは20重量%を超えない触媒が使用される。
【0025】
本発明に従う方法のステップ(ii)において、ステップ(i)で得られるオレフィン系C〜C28炭化水素を、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の環状無水物と、図3中に示すアルケニル置換環状無水化合物を提供できる十分な温度および十分な時間反応させる。
【0026】
【化3】

およびR基は脂肪族炭化水素基である。これはいわゆるエン反応である。エン反応には比較的高い温度が必要とされ、その理由は、その活性化エネルギーが高い、すなわち約20kcal/モルであるためである。反応の反応速度もまた、温度との相関関係において強く増加し、したがって生成物が少なくとも十分な反応速度において形成されるように比較的高い反応温度を用いることが好ましい。反応は、当技術分野で公知の任意の手法において、例えばWO97/30039中に記載されるように実行することができる。
【0027】
本発明に従う方法において、エン反応は、好ましくは、少なくとも150℃、より好ましくは少なくとも180℃、最も好ましくは少なくとも200℃の温度において実行される。好ましくは、エン反応は、300℃以下、より好ましくは250℃以下の温度において、最も好ましくは230℃以下の温度において実行される。反応時間は、好ましくは0.5〜24時間で変動する。より好ましくは、反応時間は2〜14時間である。最も好ましくは、反応時間は5〜9時間である。オレフィンと不飽和ジカルボン酸の環状無水物との比率は、好ましくは0.8〜2.0:1である(すなわち80〜200モル%のオレフィンが使用される)。より好ましくは、オレフィンと不飽和ジカルボン酸の環状無水物との比率は1.0〜1.5:1である(すなわちオレフィン100〜150モル%)。最も好ましくは、上記比率は1.1〜1.3:1である(すなわちオレフィン110〜130モル%)。
【0028】
オレフィン系炭化水素と不飽和ジカルボン酸の環状無水物との反応を無極性有機溶媒の存在下で実行することができる。しかし、これはそれほど好ましくなく、その理由は、溶媒の使用における欠点として、後に別個のステップで溶媒を除去しなければならないためである。それ故に、最も好ましくは、この方法は溶媒の非存在下で実施される。しかし、オレフィン系炭化水素の粘度が高すぎる場合、容易に除去できる低級アルカン等の無極性溶媒を添加することが推奨される。
【0029】
好ましい実施形態において、ステップ(ii)はラジカルスカベンジャーの存在下で実施される。このラジカルスカベンジャーは、ステップ(ii)の間に形成される可能性のある副生成物、特に高分子量の付加物、特にオレフィン−無水物−オレフィン付加物の全般的な量を低減するために働く。
【0030】
適切なラジカルスカベンジャーは、ヒドロキシル芳香族化合物およびアミノ芳香族化合物である。このようなヒドロキシル芳香族化合物の例は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモール、カルバクロール、デュレノール、イソデュレノール、ジ−t−ブチルヒドロキノン、2−、3−および4−アミノフェノール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、チモヒドロキノン、オリベトール、4−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、および4−メトキシフェノールである。適切なアミノ芳香族化合物の例は、フェノチアジン、ジフェニルアミン、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)、テトラメチルチウラムジスルフィド、2−アミノジフェニルアミン、4−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−ヒドロキシジフェニルアミン、3−ヒドロキシジフェニルアミン、4−ヒドロキシジフェニルアミン、ジ−2−トリルアミン、ジ−3−トリルアミン、ジ−4−トリルアミン、3,4−ジトリルアミン、1−ナフチルフェニルアミン、2−ナフチルフェニルアミン、1−ナフチル−2−トリルアミン、1−ナフチル−4−トリルアミン、2−ナフチル−2−トリルアミン、2−ナフチル−4−トリルアミン、および9,10−ジヒドロフェナジンである。
【0031】
より好ましくは、ラジカルスカベンジャーはアミノ芳香族の化合物である。最も好ましくは、ラジカルスカベンジャーはフェノチアジンである。
【0032】
本発明に従う不飽和ジカルボン酸の環状無水物は、図4中に描かれた一般式の化合物である。
【0033】
【化4】

は、任意に置換されたC〜Cアルケニル基である。C〜Cアルケニル基上の可能性のある置換基は、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはアラルケニル基を含む。不飽和ジカルボン酸の環状無水物は、好ましくは、無水マレイン酸、無水イタコン酸、および無水シトラコン酸からなる群より選択される。最も好ましくは、不飽和ジカルボン酸の環状無水物は無水マレイン酸である。
【0034】
少なくとも30重量%がα−オレフィンであり、上記α−オレフィンの少なくとも15重量%がビニリデン異性体であるオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を担体上にアルカリ金属を含む触媒を使用して異性化させた、本発明に従う方法によって得ることができるアルケニル置換環状無水物は、原材料は同一であるが先行技術の異性化プロセスによって調製されたアルケニル置換環状無水物とは物理的に見分けることができる。より具体的には、これらのアルケニル置換環状無水物は、ビニリデン異性体の量は同一であるが先行技術の異性化方法によって異性化された、異性化されたC〜C28直鎖状αオレフィンから調製されたアルケニル置換環状無水物、およびC〜C28不飽和炭化水素から調製されたアルケニル置換環状無水物とはアルケニル鎖の性質が異なる。より具体的には、これらのアルケニル置換環状無水物は、このアルケニル鎖上の置換基の性質が互いに異なる。構造におけるこの差異は、例えば改善された紙サイジング性能から明白である。
【0035】
さらに本発明は、不飽和ジカルボン酸の環状無水物、好ましくは無水マレイン酸を、1つまたは複数の内部オレフィン性不飽和C〜C28炭化水素と反応させる、紙サイジング用添加剤を調製する方法であって、上記内部オレフィン性不飽和C〜C28炭化水素が、少なくとも30重量%がα−オレフィンである1つまたは複数のオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を担体上にアルカリ金属を含む触媒の存在下で異性化ステップに供することによって調製された方法に関する。反応条件および好ましい実施形態は上述の通りである。
【0036】
上述の紙サイジング用添加剤は、紙および板紙の製造に関連して使用することによって撥水性を導入する際に適切である。アルケニル置換環状無水化合物は疎水性の特質を有し、その故に水等の貧溶媒中には容易には溶解しない。したがって、サイジング剤を紙の湿材料に添加する前に、アルケニル置換環状無水化合物を水性媒体中に分散させる。しかし、アルケニル置換環状無水化合物は水の存在下で分解することによりそのサイジング能力を失う傾向があるため、好ましくは、アルケニル置換環状無水化合物を含むサイジング用分散体を、調製後かなり迅速に使用する。好ましくは、サイジング用分散体を、使用が意図される位置の近くで、すなわち製紙工場において配合する。
【0037】
紙またはボール紙の妥当なサイジングを達成するために、分散体中に含有されているアルケニル置換環状無水化合物の粒子のサイズは特定の値より小さくなければならない。アルケニル置換環状無水化合物の粒子のサイズを小さくするためには、高い圧力単位を使用することによって分散体を形成する際に高い剪断力を導入する。調製は、例えばホモミキサーまたはホモジナイザー内でカチオン化デンプン等の水溶性ポリマー化合物またはポリオキシアルキレンアリールエーテル等の界面活性剤を使用して実行される。
【0038】
アルケニル置換環状無水化合物を、実際のASAが使用されるものと類似する適用において、例えば油中の添加剤としておよび腐食阻害剤として部分的に使用される多様なエステル、アミド、イミド、および他の誘導体を調製するために使用することもできる。
【0039】
本発明に従うプロセスを下記の非限定的な例によって更に例示する。
【実施例】
【0040】
実施例1および比較例A
出発原料として、Ineosからの、分枝状の出発原料を多量(ビニリデン異性体の約43重量%)に含むC18α−オレフィンを使用した。
【実施例1】
【0041】
実施例1において、この出発原料をナトリウムアルミナ触媒を使用して異性化させた。より詳細には、KCO 22g(0.159モル)を脱イオン水49ml中に溶解させた。撹拌しながら、溶液を、γ−Al(メルク(Merck)、表面120〜190m/g)100g(0.981モル)に添加した。含浸させたAlを3時間30分、120℃で乾燥させ、続いて3時間20分、500℃でか焼した。後に、油ポンプによって真空にし、大量の窒素を一時に流し込んだガラス製容器の中に担体の材料を移した。担体の材料を、使用するまでの間窒素下で保管した。
【0042】
続いて、Al、KCO担体材料24.97gを、真空(油ポンプ)下で160℃で、マグネティック撹拌子を備えた二口のガラス製容器の中で2時間撹拌した。大量の窒素を一時に流し込んだ後、担体の材料を室温まで冷却し、窒素気流中でナトリウム(Na)1.290g(0.056モル)を添加した。ナトリウムを添加し終わった後、担体を更に90分間、160℃で撹拌し、触媒の発生を完了させた。触媒が紺青色/灰色の粉末として得られた。
【0043】
後に、触媒を室温まで冷却し、C18α−オレフィン(Ineosから)374.87g(1.485モル)を窒素気流中で添加した。続いて、反応混合物を62℃まで加熱し、この温度で3時間保持した。反応を冷却し、異性化生成物を反応器から除去した。以下の比較例A中における鉄ペンタカルボニル(Fe(CO))の場合に記載されるように、異性化生成物に対して更に手を加える必要はなかった。
【0044】
次に、アルケニル無水コハク酸を下記手法において調製した。異性化されたC18オレフィン126.76g(0.502モル)を反応容器に窒素気流下で添加した。オレフィンを50℃まで加熱し、この温度において無水マレイン酸(MSA)薄片40.96g(0.418モル)を窒素気流下で添加した。MSAが融解した後(約53℃)、真空にし(油ポンプ)大量の窒素を一時に流す(3回)ことによって反応混合物を不活性化させた。
【0045】
続いて温度を15分間以内に200℃に上げ、MSAの還流を開始した後、温度を1時間30分以内に230℃まで上げた。
【0046】
この温度を更に5時間30分保持し、後に、過剰なオレフィンおよび未反応のMSAを減圧(油ポンプ)した状態で蒸留した。アルケニル化された無水コハク酸(ASA)が、褐色がかった透明な液体として得られた。
【0047】
比較例A
比較例Aでは、実施例1で使用したものと同一の出発原料を、均一系触媒として鉄ペンタカルボニルを使用し、US4,587,374中に記載されるものと同一の手法において異性化した。異性化生成物を減圧下で蒸留することによって、異性化生成物を濃く暗いオレンジがかった褐色に着色化させた均一系触媒およびその残留物を分離した。このステップは、蒸留の性質のため、異性化されたオレフィン(生成物)の減少を伴うが、得られるASAの色に対する悪影響を防止するためには必要であった。
【0048】
対応するアルケニル無水コハク酸を、異性化されたC18オレフィン154.10g(0.610モル)および無水マレイン酸(MSA)薄片49.85g(0.508モル)を窒素気流下で反応容器に添加することによって調製した。懸濁液を53℃まで加熱し、MSAが融解した後、真空にし(油ポンプ)大量の窒素を一時に流す(3回)ことによって反応混合物を不活性化させた。続いて温度を15分間以内に200℃に上げ、MSAの還流を開始した後、温度を1時間30分以内に230℃まで上げた。この温度を更に5時間30分保持し、後に、過剰なオレフィンおよび未反応のMSAを減圧(油ポンプ)した状態で蒸留した。アルケニル化された無水コハク酸(ASA)が、褐色がかった透明な液体として得られた。
【0049】
実施例1および比較例A サイジング性能
実施例1および比較例Aによって得られたASAのサイジング性能をそれぞれ、Cobb60値(g/m)(探針による水の吸収)としてEN20535(旧DIN53132)中に記載されるように測定した。サイジング試験を、硬材/軟材の80/20配合物(36° SRろ水度)の完成紙料を使用して実行した。増量剤としては15重量%炭酸カルシウム(ハイドロカーボ(Hydrocarb)50BG、Omya)を使用し、歩留りシステムとしては、コンポジル(Compozil)をカチオン化ジャガイモデンプン(ライサミル(Raisamyl)142)0.5重量%およびシリカゾル(silicasol)Eka NP442(Eka Chemicals)0.3重量%と共に使用した。硫酸アルミニウムを0.15重量%の量で使用した結果、ヘッドボックス中のpHが7.8になった。紙75g/mを試験的な抄紙機において2m/分で調製した。
【0050】
サイジング剤として使用されるASAエマルションを、ASA15gおよびデンプン溶液(固形分4%)185gをキッチン用ブレンダー(Osterizer)を使って乳化することにより調製した。Cobbが低いほどサイジング性能が良好であることを意味し、逆の場合も同じである。
【0051】
表1から推論できるように、不均一異性化によるオレフィンに基づくASAは、均一異性化に基づくASAより著しく良好な性能を有する。
【0052】
【表1】

【0053】
実施例2〜4
出発原料として、少量の分枝状の出発原料(ビニリデン異性体の約8重量%)を含むC18α−オレフィン(Chevronから)を使用した。
【実施例2】
【0054】
出発原料をナトリウムアルミナ触媒を使用して異性化した。この触媒のAl、KCO担体材料を、実施例1に記載された方法によって調製した。続いて、Al、KCO担体材料26.67gを、真空(油ポンプ)下で160℃で、マグネティック撹拌子を備えた二口のガラス製容器中で2時間撹拌した。大量の窒素を一時に流し込んだ後、窒素気流中でナトリウム(Na)1.373g(0.060モル)を添加し、担体を更に90分間160℃で撹拌し、触媒の発生を完了させた。触媒が紺青色/灰色の粉末として得られた。
【0055】
後に、触媒を室温まで冷却し、C18α−オレフィン394.5g(1.563モル)を窒素気流中で触媒に添加した。続いて、反応混合物を60℃まで加熱し、この温度で3時間保持した。反応を冷却し、異性化生成物を反応器から除去した。異性化生成物に対して更に手を加える必要はなかった。
【0056】
次に、アルケニル無水コハク酸を下記手法において調製した。異性化されたC18オレフィン123.72g(0.490モル)を反応容器に窒素気流下で添加した。オレフィンを50℃まで加熱し、この温度において無水マレイン酸(MSA)薄片40.04g(0.408モル)を窒素気流下で添加した。MSAが融解した後(約53℃)、真空にし(油ポンプ)大量の窒素を一時に流す(3回)ことによって反応混合物を不活性化させた。続いて温度を15分間以内に200℃に上げ、MSAの還流を開始した後、温度を90分間以内に230℃まで上げた。
【0057】
この温度を更に5時間30分保持し、後に、過剰なオレフィンおよび未反応のMSAを減圧(油ポンプ)した状態で蒸留した。アルケニル化された無水コハク酸(ASA)が、褐色がかった透明な液体として得られた。
【実施例3】
【0058】
実施例3において、出発原料を、実施例2中に記載するように、ナトリウムアルミナ触媒を使用して異性化した。
【0059】
次に、アルケニル無水コハク酸を下記手法において調製した。異性化されたC18オレフィン125.87g(0.499モル)を反応容器に添加した。次いで、真空にし(油ポンプ)大量の窒素を一時に流す(3回)ことによってオレフィンを不活性化させた。続いて、オレフィンを反応温度230℃に加熱した。反応温度に到達した際に、融解したMSA40.74g(0.415モル)をオレフィンに2時間以内で滴下した。MSAを添加し終わった後、230℃の温度を更に5時間保持した。後に過剰なオレフィンおよび未反応のMSAを減圧下で蒸留した。アルケニル化された無水コハク酸(ASA)が、褐色がかった透明な液体として得られた。
【実施例4】
【0060】
実施例4において、出発原料を、実施例2中に記載するように、ナトリウムアルミナ触媒を使用して異性化した。
【0061】
次に、アルケニル無水コハク酸を下記手法において調製した。異性化されたC18オレフィン111.10g(0.440モル)を反応容器に添加した。続いて、フェノチアジン6.5mg(0.03310−3モル、MSAのモル量に対して0.009モル%)をオレフィンに添加した。次いで、真空にし(油ポンプ)大量の窒素を一時に流す(3回)ことによってオレフィン/フェノチアジン混合物を不活性化させた。続いて、混合物を反応温度230℃に加熱した。反応温度に到達した際に、融解したMSA35.96g(0.367モル)を混合物に2時間以内で滴下した。MSAを添加し終わった後、230℃の温度を更に5時間保持した。後に過剰なオレフィンおよび未反応のMSAを減圧下で蒸留した。アルケニル化された無水コハク酸(ASA)が、褐色がかった透明な液体として得られた。
【0062】
ゲル浸透クロマトグラフィーによる上記実施例の生成物の分析は、フェノチアジンを添加することによって副生成物の量、特にオレフィン−無水マレイン酸−オレフィン付加物(OMO)の量が減少したことを示す(表2参照)。
【0063】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも30重量%がα−オレフィンである1つまたは複数のオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を、担体上にアルカリ金属を含む触媒と接触させることによって二重結合異性化ステップに供するステップ、および
(ii)得られる異性化されたオレフィン系C〜C28炭化水素を不飽和ジカルボン酸の環状無水物と反応させてアルケニル置換環状無水化合物を形成するステップ
を含む、アルケニル置換環状無水化合物を調製する方法。
【請求項2】
不飽和ジカルボン酸の環状無水物が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、および無水シトラコン酸からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記α−オレフィンの少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも25重量%がビニリデン異性体である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ラジカルスカベンジャーがステップ(ii)中に存在し、前記ラジカルスカベンジャーがヒドロキシル芳香族化合物およびアミノ芳香族化合物から選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
オレフィン性不飽和炭化水素が、オレフィン性不飽和C14〜C24炭化水素、好ましくはオレフィン性不飽和C16〜C22炭化水素、最も好ましくはオレフィン性不飽和C16もしくはC18炭化水素またはオレフィン性不飽和C16およびC18炭化水素の混合物である請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
触媒がアルカリ金属としてナトリウムまたはカリウムを単独でまたは他の金属の化合物との組合せで含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
担体が、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ボーキサイト、粘土、軽石、活性炭、およびモレキュラーシーブからなる群より選択される請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
アルカリ金属が担体の重量に基づいて1〜30重量%の量で触媒中に存在する請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
アルミナ担体が、好ましくは少なくとも100m/gの比表面積を有する、ガンマ−アルミナである請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
異性化ステップが、不活性雰囲気下で、10〜200℃、好ましくは20〜60℃の温度で実施される請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(ii)が150℃〜300℃の温度で実行され、オレフィンと不飽和ジカルボン酸の環状無水物との比率が0.8〜2.0:1である請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項3から11のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるアルケニル置換環状無水物。
【請求項13】
環状無水物が無水コハク酸である請求項12に記載のアルケニル置換環状無水物。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるアルケニル置換環状無水物の、紙および板紙の製造に関連する紙サイジング用添加剤としての使用。
【請求項15】
不飽和ジカルボン酸の環状無水物、好ましくは無水マレイン酸を、1つまたは複数の内部オレフィン性不飽和C〜C28炭化水素と反応させる、紙サイジング用添加剤を調製する方法であって、前記内部オレフィン性不飽和C〜C28炭化水素が、少なくとも30重量%がα−オレフィンであり、前記α−オレフィンの少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも25重量%がビニリデン異性体である1つまたは複数のオレフィン性不飽和C〜C28炭化水素を、担体上にアルカリ金属を含む触媒の存在下で異性化ステップに供することによって調製された方法。
【請求項16】
触媒が、アルカリ金属として、ナトリウムまたはカリウムを単独でまたは他の金属の化合物との組合せで含み、担体が、酸化アルミニウム(ガンマ−、エータ−、またはシータ−)、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ボーキサイト、粘土、軽石、活性炭、およびモレキュラーシーブからなる群より選択される請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2011−519366(P2011−519366A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506662(P2011−506662)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054931
【国際公開番号】WO2009/133021
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(390009612)アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ (132)
【氏名又は名称原語表記】Akzo Nobel N.V.
【Fターム(参考)】