説明

紙パック専用取っ手

【課題】 紙パックの形状の共通する構造原理を応用して、紙パックの上部にある屋根状になっている部分と、その下部にある三角錐状の空間とを利用して、紙パックの規格に合った専用の取っ手を作ることで、広く使用されている紙パックの取り扱いを容易にすることが本発明の課題である。
【解決手段】 紙パックの上端開口部の左右一対の対向壁と45度の内折り線で内側に折り込んで折り重ね部を形成し、上縁と前後一対の対向壁の上縁を一体に接合して前記左右一対の対向壁側に三角錐状雌部を形成した紙パックに取り付ける取っ手であって、前記雌部に挿入する三角錐状雄部と、雄部との間に前記折り重ね部を挟みつける翼片部とよりなる取っ手本体に、ハンドル部を取り付けて構成した紙パック専用取っ手。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙パックの取り扱いを容易にする紙パック専用取っ手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙パックを取り扱う場合、紙パック本体は四角柱の形をしており、滑りやすい材質でできているために手で持つときに直接胴体部分を掴む、または紙パックの上縁部分を指で摘み上げる方法でしかなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この方法には次のような欠点があった。紙パック本体は紙に防水加工を施してある素材で作られているために表面が滑りやすく、紙パックを手で持ち上げたり、胴体部分を掴んでコップに飲料を注ぐときに誤って滑り落としてしまうことがあり、それで、滑り落とさないようにと無用の力で掴んでしまったりと、非常に不便さを感じることが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る紙パック専用取っ手は、上記問題点を解決するためになされたもので、上端開口部の左右一対の対向壁を45度の内折り線で内側に折り込んで折り重ね部を形成し、その上縁と前後一対の対向壁の上縁を一体に接合して前記左右一対の対向壁に三角錐状雌部を形成した紙パックに取り付ける取っ手であって、前記雌部に挿入する三角錐状雄部と、雄部との間に前記折り重ね部を挟みつける翼片部とよりなる取っ手本体にハンドル部を取り付けて構成したものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の取っ手によれば、紙パックを冷蔵庫から取り出すときに、上縁部を直接指で摘み上げることもなく、摘み形ハンドルを設けることで、紙パックを指で簡単に摘み上げたり、また、摘み形ハンドルのリング状になっている部分に指を入れて引っ掛けて冷蔵庫から取り出すことができ、さらに、握り形ハンドルを設けることにより、紙パックの胴体部分を直接手で掴むこともなく、グリップ状になっているハンドルを握ることで、片手で楽に飲料をコップに注ぐことができる。また、これらの方法によって、いままで紙パックを摘み上げにくかったり、掴むことに不向きな手の小さな子供や、握力の弱っている高齢者の人などにたいして、摘み形及び握り形ハンドルの付いた専用の取っ手を使用することで、多くの人に紙パックを容易に取り扱ってもらえることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0006】
Tは、紙パックPに着脱可能に取り付ける取っ手である。
【0007】
上記紙パックPは、広く使用されているもので、図6,7に示す形状に作られている。すなわち、紙パックPは、上部開口部の左右一対の対向壁a,bを45度(パックPの出隅部に対し45度)の角度で設けた内折線c,dで内側に折り込んで折り重ね部e,fを形成し、その上縁と前後一対の対向壁h,iの上縁を接合して前記左右一対の対向壁a、bに三角錐状雌部g、を形成したものである。
【0008】
上記取っ手Tは、前記三角錐状雌部gに挿入する三角錐状雄部2と、この雄部2との間に前記折り重ね部e,fを挟みつける翼片部3とより構成される取っ手本体1に、ハンドル4,5を取り付けたものである。
【0009】
ハンドル4は、取っ手本体1の紙パックPへの取り付け状態において、三角錐状雄部2の三角錐状雄部の側壁部7に取り付けた握り形ハンドル4である。
【0010】
ハンドル5は、同じく取り付け状態において、翼片部3に取り付けられた摘み形ハンドル5である。
【0011】
前記取っ手本体1に取り付ける取っ手は、握り形ハンドル4と、摘み形ハンドル5と両方を実施例では設けたが、どちらか片方の取っ手だけでもよい。
【0012】
この紙パック専用取っ手4,5は、実施例では、合成樹脂で試作したが、金属製、紙製、木製など、その他ある程度の硬度を有した材質であれば、製作になんら問題はない。
【0013】
次に装着方法を説明する。まず、翼片部3と三角錐状雄部の側壁部7を指で支え、紙パックPの左右一対の対向壁h,iに取っ手本体1の翼片部3の裏面を合わせ、取っ手本体1を前方にゆっくりとスライドさせ、折り重ね部f,gを翼片部3と三角錐状雄部2の隙間に挟み込みながら押し込むようにして、三角錐状雄部2が三角錐状雌部eに完全に嵌まり込む位置まで押し込むことで取っ手Tは固定された状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 実施例の取っ手の正面図である。
【図2】 実施例の取っ手の背面図である。
【図3】 実施例の取っ手の斜視図である。
【図4】 実施例の取っ手の底面図である。
【図5】 実施例の取っ手の装着状態を示す側面図である。
【図6】 紙パック上端開口部を閉じる前の状態を示す斜面図である。
【図7】 紙パック上端開口部を閉じた状態を示す斜面図である。
【符号の説明】
【0015】
T 取っ手
1 取っ手本体
2 三角錐状雄部
3 翼片部
4 握り形ハンドル
5 摘み形ハンドル
6 上縁部
7 三角錐状雄部の側壁部
P 紙パック
a 左右一対の対向壁
b 左右一対の対向壁
c 内折線
d 内折線
e 三角錐状雌部
f 折り重ね部
g 折り重ね部
h 前後一対の対向壁
i 前後一対の対向壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端開口部の左右一対の対向壁を45度の内折り線で内側に折り込んで折り重ね部を形成し、その上縁と前後一対の対向壁の上縁を一体に接合して前記左右一対の対向壁に三角錐状雌部を形成した紙パックに着脱可能に取り付ける取っ手であって、前記雌部に挿入する三角錐状雄部と、雄部との間に前記折り重ね部を挟みつける翼片部とよりなる取っ手本体に、ハンドル部を取り付けて構成することを特徴とする紙パック専用取っ手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−208841(P2009−208841A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95526(P2008−95526)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(508099438)
【Fターム(参考)】