説明

紙幣入出金装置

【課題】紙幣の搬送経路を短縮することが可能な紙幣入出金装置を提供する。
【解決手段】本発明の紙幣入出金装置は、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第1の搬送路と、第1の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第2の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える1または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣入出金装置に関し、より詳細には紙幣入出金装置のユニット構成に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行業務等において用いられる紙幣入出金装置10は、例えば図14に示すように、複数のユニットから構成されている。図14に示す従来の紙幣入出金装置10は、接客ユニット1と、鑑別部ユニット2と、一時保留部ユニット3と、収納カセット4(4a〜4d)と、リジェクト媒体収納カセット5と、取忘れ媒体収納カセット6と、これらのユニットやカセットを接続する複数の搬送ユニット7(7a〜7e)とからなる。
【0003】
接客ユニット1は、ユーザから紙幣の入金を受け、また、ユーザに対して紙幣を出金するユニットである。接客ユニット1は、入金された紙幣を、搬送ユニット7aを介して鑑別部ユニット2あるいは一時保留部ユニット3へ搬送する。入金された紙幣は、搬送ユニット7aを介して鑑別部ユニット2に搬送され、さらに、一時保留部ユニット3に搬送される場合は、搬送ユニット7c、7d、7bを介して搬送される。また、各搬送ユニット7には紙幣の搬送先を切替えるための切替機構8が設けられている。
【0004】
鑑別部ユニット2は、紙幣の真偽、正損、金種、表裏の判別を行うユニットである。鑑別部ユニット2にて真券と判別された紙幣は、搬送ユニット7c、7dを介して収納カセット4へ搬送される。また、真券と判別された紙幣が、一時保留部ユニット3に搬送される場合は、搬送ユニット7a、7bを介して一時保留部ユニット3へ搬送される。また、鑑別部ユニット2は、ユーザの要求により紙幣を出金する際、収納カセット4に収納された紙幣を接客ユニット1の紙幣取引口へ搬送する前に紙幣の鑑別を行い、鑑別の結果正常と判定された紙幣を、搬送ユニット7a、7bを介して接客ユニット1へ搬送する。
【0005】
一時保留部ユニット3は、搬送ユニット7aを介して搬送されてきた紙幣を一時的に保管するユニットである。収納カセット4は、紙幣を収納する収納部であって、図14に示す紙幣入金装置10には4つの収納カセット4a〜4dが設けられている。搬送されてきた紙幣の種別に応じて搬送ユニット7dの切替機構8にて紙幣の搬送先を調整することにより、各収納カセット4a〜4dに紙幣を分類して収納することができる。このように複数の収納カセット4を設けることで、種別毎に紙幣の準備・回収を容易に行うことができる。
【0006】
リジェクト媒体収納カセット5は、鑑別部ユニット2にて異常と判別された紙幣を収納する。鑑別部ユニット2は、異常と判別した紙幣を、搬送ユニット7a、7b、7eまたは搬送ユニット7c、7d、7eを介してリジェクト媒体収納カセット5へ搬送する。取忘れ媒体収納カセット6は、ユーザが接客ユニット1の紙幣取引口から取忘れた紙幣を収納する。接客ユニット1は、紙幣取引口の紙幣が所定時間内に取り出されなかった場合、搬送ユニット7a、7c、7d、7eを介して当該紙幣を取忘れ媒体収納カセット6へ搬送する。
【0007】
このように、従来の紙幣入出金装置10は、機能毎にまとめられたユニットを搬送ユニットで接続して組み合わせることで構成されている。例えば、特許文献1には、収納カセットを縦位置として紙幣処理部の後方に縦列状に増設可能とした紙幣入出金装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−236542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図14に示した従来の紙幣入出金装置10は、装置を構成するユニットの数が多く搬送経路が長いため、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品数が多くなり、装置が高価になっていた。また、ユニットの数が多いため、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が多くなり、操作性が悪くなるという問題があった。さらに、搬送経路が長く搬送ユニットを構成する部品数が多いために、装置から発生する音が大きくなり騒音となってしまう問題もあった。
【0010】
また、ユニットの開閉作業やカセットの着脱操作性を考慮すると、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要があり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設けなければならず、装置を構成する部品数が多くなってしまっていた。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とを別々に設ける場合、基板間を接続するコードやコードガイド部材が必要となる。またユニットの引き出しを考慮してコード長が長くなり、これに伴いコードガイド部材も多くなり、装置が高価になるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、紙幣の搬送経路を短縮することが可能な、新規かつ改良された紙幣入出金装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第1の搬送路と、第1の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第2の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える1または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【0013】
本発明によれば、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。
【0014】
ここで、接客ユニットの切替機構は、接客口から繰出される紙幣の搬送路と接客口へ繰入れられる紙幣の搬送路とを分岐する第1の切替機構と、接客ユニットの鑑別部または収納カセットの厚みセンサにより異常が検知された異常紙幣がリジェクト取込みユニットの第1の収納庫へ搬送されるように搬送路を切替える第2の切替機構と、接客口から取り忘れられた紙幣がリジェクト取込みユニットの第2の収納庫へ搬送されるように搬送路を切替える第3の切替機構と、を備えてもよい。
【0015】
また、接客ユニットの鑑別部は、紙幣の真偽を判定し、搬送路を搬送される紙幣の重送を識別するための複数のセンサからなり、鑑別部を構成する複数のセンサは、データ処理に時間を要するセンサほど接客口側に配置されるようにしてもよい。
【0016】
さらに、接客ユニットと収納カセットとは、水平方向に隣接して配置してもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第1の搬送路と、第1の搬送路と収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第2の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える1または複数の収納カセットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【0018】
収納カセットのうち少なくとも1つは、当該収納カセットの切替機構が紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構であってもよい。
【0019】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える1または複数の収納カセットと、接客ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える1または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【0020】
搬送ユニットの搬送路と、接客ユニットの搬送路のうち接客口へ繰入れられる紙幣の搬送路とは、同一の駆動装置によって駆動してもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、隣接するユニットと接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、紙幣を収納する収納部と、収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える1または複数の収納カセットと、鑑別搬送ユニットと各収納カセットとの間を接続する搬送路と、搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える1または複数の切替機構と、収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、接客ユニットおよび収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置が提供される。
【0022】
搬送ユニットの切替機構のうち少なくとも1つは、紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、紙幣の搬送経路を短縮することが可能な紙幣入出金装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る紙幣入出金装置を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態に係る紙幣入出金装置の入金処理時における紙幣の流れを示す説明図である。
【図3】同実施形態に係る紙幣入出金装置の入金返却処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る紙幣入出金装置の出金処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【図5】同実施形態に係る紙幣入出金装置の、出金紙幣の取忘れ取込み処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示す概略構成図である。
【図8】同実施形態に係る紙幣入出金装置のモータ駆動範囲を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示す概略構成図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示す概略構成図である。
【図11】同実施形態に係る紙幣入出金装置の入金処理時における紙幣の流れを示す説明図である。
【図12】同実施形態に係る紙幣入出金装置の入金返却処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【図13】同実施形態に係る紙幣入出金装置の収納処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【図14】従来の紙幣入出金装置の一構成例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
<1.第1の実施形態>
[紙幣入出金装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る紙幣入出金装置の概略構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の構成を示す概略構成図である。
【0027】
本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、図1に示すように、接客ユニット110と、収納カセット120(120a〜120d)と、リジェクト・取込みユニット130とからなる。
【0028】
接客ユニット110は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットである。接客ユニット110は、図1に示すように、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口111を有しており、接客口111と収納カセット120、リジェクト・取込みユニット130とは搬送路112により接続されている。搬送路112の路上には、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構113a、113b、113cが設けられており、さらに、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117が設けられている。透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117をまとめて鑑別部ともいう。
【0029】
接客ユニット110の搬送路112は、図1に示すように、接客口111の紙幣繰出口から繰出される紙幣の搬送路と接客口111の紙幣繰出口へ繰入れられる紙幣の搬送路とがある。これらの搬送路は、接客ユニット110の搬送路112上に設けられた第1の切替機構113aにより、接客口111側で分岐し、収納カセット120側で合流している。接客ユニット110の搬送路112上には、第1の切替機構113aから収納カセット120側に向かって第2の切替機構113bと第3の切替機構113cとが設けられている。第2の切替機構113bは、接客ユニット110の鑑別部または後述する収納カセット120の厚みセンサ(符号124)により異常が検知された異常紙幣がリジェクト・取込みユニット130のリジェクト媒体収納庫132へ搬送されるように搬送路112を切替える。第3の切替機構113cは、接客口111から取忘れられた紙幣がリジェクト・取込みユニット130の取忘れ媒体収納庫134へ搬送されるように搬送路112を切替える。
【0030】
これらの切替機構113a〜113cによって紙幣の走行経路を切替えることができるので、搬送路112および搬送路112上に設けられる各センサの配置の自由度が増す。
【0031】
また、接客ユニットの鑑別部は、接客口111から収納カセット120に向かって、搬送路112上に配置された透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117からなる。透過型イメージセンサ114は紙幣の真偽判定処理を行う。厚みセンサ115は紙幣の重送を識別する。反射型イメージセンサ116は例えば紙幣の番号チェックを行い、この検出結果より現物を管理することができる。なお、本実施形態に係る鑑別部はこれらの4つのセンサから構成されるが、本発明はかかる例に限定されず、鑑別処理に応じて適宜変更することができる。鑑別部を構成する各センサは、データ処理に時間を要するセンサほど接客口111側に配置される。本実施形態では、紙幣の真偽判定に用いる透過型イメージセンサ114が最も接客口111側に配置される。これは、優先度の高いデータから順に取得して、紙幣の分岐判定処理前に当該処理を完了させることができるので、装置全体として搬送路の短縮化(最適化)を図ることができる。
【0032】
より詳細には、接客口111と第1の切替機構113aとの間(すなわち、接客口111から繰出される紙幣の搬送路)に透過型イメージセンサ114および厚みセンサ115が配置される。したがって、出金時等、接客口111へ繰入れられる紙幣は、透過型イメージセンサ114および厚みセンサ115により識別されないが、既に接客口111から繰出される紙幣の搬送路にて紙幣の真偽判定処理が行われているため、これらのセンサによる識別は不要である。また、第1の切替機構113aと第2の切替機構113bとの間に反射型イメージセンサ116が設けられる。そして、第2の切替機構113bと第3の切替機構113cとの間に磁気センサ117が設けられる。
【0033】
このように各センサを搬送路112上に配置することで、搬送処理に応じて必要なセンサを通過した時点で紙幣を所定の搬送経路に導くことができる。これにより、搬送路112を短縮し、簡素化することができる。
【0034】
このように、本実施形態に係る接客ユニット110は紙幣を鑑別する機能を備えているため、従来のように別途鑑別部ユニットを設ける必要がない。これにより装置を構成するユニット数を削減することができ、搬送経路も短縮することができる。
【0035】
収納カセット120は、紙幣を収納する収納部121と、紙幣を接客ユニット110や前後に配置されている収納カセット120との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第1の搬送路122と、収納部121から紙幣を繰出す繰出機構および収納部121へ紙幣を集積する集積機構を備える第2の搬送路123とを備える。また、収納カセット120は、入出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサ124と、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構125とを備える。本実施形態に係る紙幣入出金装置100には4つの収納カセット120a〜120dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット120a〜120dは同一に構成されている。ここで、厚みセンサ124は、紙幣の搬送状態(重送、連鎖、接近、スキュー等)を検出する走行センサと同一のセンサ、あるいは、異なるセンサのいずれかで構成することとしても良い。これらのセンサは、例えば、光学センサ、超音波センサ、または磁気センサ等のセンサ部品、あるいはこれらのセンサ部品とローラ等の厚み検出機構との組合せで構成される。
【0036】
なお、紙幣入出金装置100に設けられる収納カセット120の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット120a〜120dのうち少なくとも1つは、当該収納カセット120の切替機構125を紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【0037】
リジェクト・取込みユニット130は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫132と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫134とを備える。接客ユニット110の切替機構113b、113cによる切替によりリジェクト・取込みユニット130にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
【0038】
図1に示すように、本実施形態に係る紙幣入出金装置100では、例えば接客ユニット110の下部にリジェクト・取込みユニット130が配置され、接客ユニット110の下部側の一側面と収納カセット120aの上部側の一側面とが対向するように収納カセット120aが配置される。収納カセット120a〜120dは、上述したように水平方向に隣接して配置される。このように接客ユニット110、収納カセット120a〜120dおよびリジェクト・取込みユニット130を配置することで、接客ユニット110内で紙幣を搬送する過程で異常が検知された紙幣やユーザが取忘れた紙幣をリジェクト・取込みユニット130へ搬送することができるとともに、収納カセット120に収納可能な紙幣のみを収納カセット120へ搬送することができる。また、各収納カセット120a〜120dの上部側にて各カセットの第1の搬送路122を連結することで、別途の搬送ユニットを設けることなく、搬送されている紙幣を対応する収納カセット120に搬送し収納することができる。
【0039】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、例えば図14に示した従来の紙幣入出金装置10に設置されている一時保留部ユニット3も設置しないので、より少ないユニットで装置を構成することができる。
【0040】
さらに、本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、接客ユニット110に設けられた、紙幣の金種や真偽、厚み等を識別するためのセンサ114〜117と、各収納カセット120a〜120dに設けられた紙幣の厚みを識別するためのセンサ124とを別々に設けている。これにより、識別処理中に紙幣を走行させるための搬送路を、すなわち鑑別処理の判別結果に基づいて切替機構113b、113c、125を動作させ切替えることができ、必要な搬送路長を短くすることが可能となる。
【0041】
[紙幣入出金装置の動作]
次に、図2〜図5に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の動作について説明する。なお、図2は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の入金処理時における紙幣の流れを示す説明図である。図3は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の入金返却処理時の紙幣の流れを示す説明図である。図4は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の出金処理時の紙幣の流れを示す説明図である。図5は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の、出金紙幣の取忘れ取込み処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【0042】
(1)入金処理時
まず、図2に基づいて、入金処理時における紙幣入出金装置100の動作について説明する。接客ユニット110の接客口111から入金された紙幣は、図2の実線矢印で示す経路を搬送される。すなわち、紙幣入出金装置100は、接客口111に投入された紙幣を、搬送路上に設けられた接客ユニット110内の透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117により鑑別し、各センサの検出結果に基づいて金種を判別する。そして、紙幣入出金装置100は、判別した金種に対応する収納カセット120に当該紙幣が収納されるように、各収納カセット120の切替機構125を動作させる。例えば、図2に示す実線矢印は、接客口111から入金された紙幣が収納カセット120cに収納される経路を示している。
【0043】
一方、接客口111に投入された紙幣が、搬送路上に設けられた接客ユニット110内の透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117による検出結果より、偽券あるいは損券と識別された場合、紙幣入出金装置100は、搬送路の搬送機構を駆動するモータ(図示せず。)の駆動を停止する。そして、紙幣入出金装置100は、切替機構113aを切替えて、搬送機構を駆動するモータを逆回転させることにより、図2の破線矢印で示す経路で偽券あるいは損券と識別された紙幣を接客口111に搬送する。接客口111に戻された当該紙幣は、接客口111内に繰出されずに残っている紙幣の最後尾に集積される。
【0044】
その後、再び紙幣を繰出す方向にモータを駆動させることによって入金処理は再開され、繰出されずに接客口111に残っていた紙幣および偽券あるいは損券と識別された紙幣は、再び接客口111から繰出される。そして、所定回数の入金処理を実施しても偽券あるいは損券と識別され、収納カセット120へ搬送されずに接客口111に戻される紙幣があった場合には、紙幣入出金装置100は、接客口111のシャッタ(図示せず。)を開けてユーザへ当該紙幣を返却する。このとき、図2の破線矢印で示す経路を設けることにより、偽券あるいは損券と識別された紙幣を、接客口111内に繰出されず残っている紙幣の最後尾に集積することができる。したがって、偽券あるいは損券と識別された紙幣のみをユーザに返却することが可能となる。
【0045】
(2)入金返却処理時
次いで、図3に基づいて、入金返却処理時における紙幣入出金装置100の動作について説明する。ユーザが接客口111に投入した紙幣が図2の実線矢印の経路を搬送されて収納カセット120に収納された後に入金処理がキャンセルされた場合、紙幣入出金装置100は、入金された紙幣を収納カセット120(図3では収納カセット120c)から繰出し、図3の実線矢印の経路を搬送して接客口111に送入する。そして、接客口111のシャッタ(図示せず。)を開けてユーザへ当該紙幣を返却する。
【0046】
(3)出金処理時
出金処理時における紙幣入出金装置100の動作を、図4に基づき説明する。紙幣入出金装置100は、ユーザから出金指示を受けると、必要な紙幣を各収納カセット120(図4では収納カセット120c)から繰出し、図4に示す実線矢印の経路を搬送して接客口111に送入する。この際、紙幣入出金装置100は、紙幣を繰出した収納カセット120の厚みセンサ124で繰出す紙幣の厚さを識別する。その結果、重送を検出した場合には、図4の破線矢印で示すように、紙幣入出金装置100は接客ユニット110内の切替機構113bを切替えて、リジェクト媒体収納庫132へ送入する。このように、出金処理時にも紙幣の厚さを識別することで、紙幣が重送されて接客口111へ搬送されるのを防止することができる。
【0047】
(4)出金紙幣の取忘れ取込み処理時
最後に、図5に基づいて、出金紙幣の取忘れ取込み処理時における紙幣入出金装置100の動作について説明する。接客口111へ出金された紙幣をユーザが取忘れ放置された状態で所定の時間が経過すると、紙幣入出金装置100は、紙幣を接客口111から再度繰出し、図5に示す実線矢印の経路で接客ユニット110内を搬送し、切替えられた切替機構113cにより取忘れ媒体収納庫134へ送入する。
【0048】
このように、本実施形態に係る紙幣入出金装置100によれば、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。また、ユニット数を削減することで、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が少なくなり、操作性も向上させることができる。さらに、搬送路長を短くすることで、装置から発生する音も小さくすることができる。
【0049】
また、収納カセット120の上方にユニットが存在しないように各ユニットを配置することで、収納カセット120の脱着操作性が向上するだけでなく、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要がなくなり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設ける必要もなくなる。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とが別々に設けられている場合には、基板を一体にすることが可能となる。このため、機能が重複する電子部品や基板間を接続するコードやコードガイド部材を削除することができるので、装置の構成を簡略化することができ安価な装置を実現することができる。ユーザの要求に合わせて収納カセットを増設する場合に、軽微な変更で対応できるという利点もある。
【0050】
<2.第2の実施形態>
[紙幣入出金装置の構成]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る紙幣入出金装置の概略構成について説明する。なお、図6は、本実施形態に係る紙幣入出金装置200の構成を示す概略構成図である。本実施形態に係る紙幣入出金装置200は、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と比較して、各収納カセット120a〜120dに設けられていた厚みセンサ124を接客ユニット210内でひとつにまとめた点で相違する。以下では、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100との相違点について重点的に説明する。
【0051】
本実施形態に係る紙幣入出金装置200は、図6に示すように、接客ユニット210と、収納カセット220(220a〜220d)と、リジェクト・取込みユニット230とからなる。
【0052】
接客ユニット210は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、第1の実施形態に係る接客ユニット110と同様に、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口211と、接客口211と収納カセット220、リジェクト・取込みユニット230とを接続する搬送路212とを備える。また、接客ユニット210の搬送路212の路上には、切替機構213a、213b、213cと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ214、厚みセンサ215、反射型イメージセンサ216、磁気センサ217が設けられている。
【0053】
さらに、本実施形態に係る接客ユニット210は、隣接する収納カセット220aと切替機構213cとの間に、収納カセット220から出金された紙幣の厚みを識別する厚みセンサ218を備える。この厚みセンサ218により、各収納カセット220a〜220dから繰出された紙幣の厚みを識別することができるので、各収納カセット220a〜220dにそれぞれ厚みセンサを設ける必要がない。これにより、装置の部品数を削減することができ、より構成を簡略化できるとともに安価な装置を実現することができる。
【0054】
収納カセット220は、紙幣を収納する収納部221と、紙幣を接客ユニット210や前後に配置されている収納カセット220との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第1の搬送路222と、収納部221から紙幣を繰出す繰出機構および収納部221へ紙幣を集積する集積機構を備える第2の搬送路223とを備える。また、収納カセット220は、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構224を備える。本実施形態に係る紙幣入出金装置200にも4つの収納カセット220a〜220dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット220a〜220dは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置200に設けられる収納カセット220の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット220a〜220dのうち少なくとも1つは、当該収納カセット220の切替機構224を紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【0055】
リジェクト・取込みユニット230は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫232と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫234とを備える。リジェクト・取込みユニット230は、第1の実施形態に係るリジェクト・取込みユニット130と同様に構成することができる。
【0056】
[紙幣入出金装置の動作]
かかる紙幣入出金装置200も、図2〜図5に示した第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、紙幣の入金処理、入金返却処理、出金処理、出金紙幣の取忘れ取込み処理を行うことができる。このため、ここでは上記処理の詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施形態に係る紙幣入出金装置200も、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。また、ユニット数を削減することで、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が少なくなり、操作性も向上させることができる。さらに、搬送路長を短くすることで、装置から発生する音も小さくすることができる。
【0058】
また、収納カセット220の上方にユニットが存在しないように各ユニットを配置することで、収納カセット220の脱着操作性が向上するだけでなく、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要がなくなり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設ける必要もなくなる。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とが別々に設けられている場合には、基板を一体にすることが可能となる。このため、機能が重複する電子部品や基板間を接続するコードやコードガイド部材を削除することができるので、装置の構成を簡略化することができ安価な装置を実現することができる。ユーザの要求に合わせて収納カセットを増設する場合に、軽微な変更で対応できるという利点もある。
【0059】
さらに、本実施形態に係る紙幣入出金装置200では、収納カセット220から出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサを接客ユニット210に1つにまとめる構成としたため、装置の部品数をより少なくすることができ、簡略化された安価な装置を実現することが可能となる。
【0060】
<3.第3の実施形態>
[紙幣入出金装置の構成]
次に、図7および図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る紙幣入出金装置の概略構成について説明する。なお、図7は、本実施形態に係る紙幣入出金装置300の構成を示す概略構成図である。図8は、本実施形態に係る紙幣入出金装置300のモータ駆動範囲を示す説明図である。本実施形態に係る紙幣入出金装置300は、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と比較して、各収納カセット120a〜120dに設けられていた第1の搬送路122、厚みセンサ124および切替機構125を収納カセット120と別のユニットにまとめた点で相違する。以下では、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100との相違点について重点的に説明する。
【0061】
本実施形態に係る紙幣入出金装置300は、図7に示すように、接客ユニット310と、収納カセット320(320a〜320d)と、リジェクト・取込みユニット330と、搬送ユニット340とからなる。
【0062】
接客ユニット310は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、第1の実施形態に係る接客ユニット110と同様に、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口311と、接客口311と搬送ユニット340、リジェクト・取込みユニット330とを接続する搬送路312とを備える。また、接客ユニット310の搬送路312の路上には、切替機構313a、313b、313cと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ314、厚みセンサ315、反射型イメージセンサ316、磁気センサ317が設けられている。
【0063】
収納カセット320は、紙幣を収納する収納部321と、収納部321から紙幣を繰出す繰出機構および収納部321へ紙幣を集積する集積機構を備える搬送路322とを備える。本実施形態に係る紙幣入出金装置300にも4つの収納カセット320a〜320dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット320a〜320dは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置300に設けられる収納カセット320の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。
【0064】
リジェクト・取込みユニット330は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫332と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫334とを備える。リジェクト・取込みユニット330は、第1の実施形態に係るリジェクト・取込みユニット130と同様に構成することができる。
【0065】
搬送ユニット340は、接客ユニット310と各収納カセット320a〜320dとを接続し、双方向に紙幣を搬送する機構を有する。具体的には、搬送ユニット340は、図7に示すように、搬送路342と、切替機構344a、344b、344cと、厚みセンサ346とからなる。搬送路342は、各収納カセット320へ紙幣を繰入れ、または、各収納カセット320から繰出された紙幣を接客ユニット310へ搬送する。切替機構344a、344b、344cは、搬送路342を各収納カセット320a〜320dに選択切替する。なお、搬送ユニット340の切替機構344a、344b、344cのうち少なくとも1つを、紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
【0066】
ここで、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100では、入金時に接客ユニット110から紙幣を繰出し、搬送路を走行させて収納カセット120へ送入するためには、搬送モータ(図示せず。)によって搬送ローラを回転させている、この際、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117によって紙幣が偽券あるいは損券と識別された場合、搬送モータを逆回転させて紙幣を接客口111へ戻す処理が行われる。
【0067】
接客ユニット110の繰出しローラが上記搬送モータで回転されていると、接客口111から繰出された後接客口111に戻される紙幣のうち、接客口111内から繰出されずに残っている紙幣の先頭に集積される紙幣(接客口111の紙幣繰出口から切替機構113aの間に存在する、入金リジェクトとなった紙幣の後続紙幣であって、繰出し方向と逆向きに接客口111に搬送される紙幣)と、接客口111内に繰出されずに残っている紙幣の最後尾に集積される紙幣(接客口111の紙幣繰入れ口から繰入れられる入金リジェクトとなった紙幣)とを切り分けるための機構や処理が複雑になる。一方で、搬送ローラと繰出しローラとを回転させるモータを別々に搭載すると、接客ユニットが高価になってしまう。
【0068】
また、出金時に、収納カセット120から紙幣を繰出し、接客ユニット110または第1の搬送路122を介して接客ユニット110側に隣接配置された収納カセット120へ紙幣を受け渡すため、搬送ローラが搬送モータ(図示せず。)によって回転される。この際、収納カセット120の繰出しローラも搬送ローラを回転させるモータと同一のモータで回転させると、指定の金種ではない紙幣を収納カセット120から繰出してしまう恐れがあり、これを防止する機構や処理が複雑となる。一方で、搬送モータと繰出しローラとを回転させるモータを別々に搭載すると、収納カセット120が高価になってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態に係る紙幣入出金装置300は、図8に示すように、接客繰出しモータ352、搬送モータ354、およびカセット繰出しモータ356を設け、各モータによって駆動する範囲を区分している。接客繰出しモータ352は、接客ユニット310の繰出し部分の搬送路312の搬送ローラを駆動する。また、搬送モータ354は、接客ユニット310の戻り部分の搬送路312の搬送ローラおよび搬送ユニット340の搬送路342の搬送ローラを駆動する。接客ユニット310の搬送ローラと搬送ユニット340の搬送ローラとは、ジョイント機構(図示せず。)によって接続されている。そして、カセット繰出しモータ356は、各収納カセット320の搬送路322の搬送ローラを駆動する。このように各搬送路の搬送ローラを駆動することで、モータ数を大きく増加させることなく簡略な機構で各機能を実行させることが可能となる。
【0070】
[紙幣入出金装置の動作]
かかる紙幣入出金装置300も、図2〜図5に示した第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、紙幣の入金処理、入金返却処理、出金処理、出金紙幣の取忘れ取込み処理を行うことができる。このため、ここでは上記処理の詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施形態に係る紙幣入出金装置300も、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置300では、第1の実施形態および第2の実施形態に紙幣入出金装置100、200と同様の効果が得られるだけでなく、搬送ユニット340および少なくとも1つの搬送モータを追加することで以下の効果が得られる。すなわち、入金時には、偽券あるいは損券として識別された紙幣を接客口311へ戻す処理を行う際に、接客口311内から繰出されずに残っている紙幣の先頭に集積される紙幣と、接客口311内に繰出されずに残っている紙幣の最後尾に集積される紙幣とを切り分けるための機構や処理を容易にすることができる。
【0073】
さらに、出金時には、収納カセット320から繰出された紙幣を、搬送ユニット340を介して接客ユニット310へ受け渡す際に、搬送モータ354によって搬送ユニット340および接客ユニット310の一部を駆動し、指定されていない収納カセット320の搬送路322の搬送ローラを駆動させるカセット繰出しモータ356は停止させておくことができる。したがって、指定されていない金種の紙幣が収納カセット320から繰出されることがなくなる。
【0074】
また、搬送ユニット340を別途設けることで、収納カセット320から切替機構344a、344b、344cや搬送路342を切り出したことにより、収納カセット320を軽量化することができ、収納カセット320の移動を容易にすることができる。
【0075】
<4.第4の実施形態>
[紙幣入出金装置の構成]
次に、図9を参照して、本発明の第4の実施形態に係る紙幣入出金装置の概略構成について説明する。なお、図9は、本実施形態に係る紙幣入出金装置400の構成を示す概略構成図である。本実施形態に係る紙幣入出金装置400は、第3の実施形態に係る紙幣入出金装置300と比較して、接客ユニットの機能を2つに分離した点で相違する。以下では、第3の実施形態に係る紙幣入出金装置300と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、第3の実施形態に係る紙幣入出金装置300との相違点について重点的に説明する。
【0076】
本実施形態に係る紙幣入出金装置400は、図9に示すように、接客ユニット410と、収納カセット420(420a〜420d)と、リジェクト・取込みユニット430と、第1の搬送ユニット440と、第2の搬送ユニット450とからなる。収納カセット420、リジェクト・取込みユニット430および第1の搬送ユニット440は、収納カセット320、リジェクト・取込みユニット330および搬送ユニット340と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。
【0077】
本実施形態に係る接客ユニット410および第2の搬送ユニット450は、第3の実施形態に係る接客ユニット310に対応する。第3の実施形態の接客ユニット310は大きなユニットであることから、本実施形態では各種センサ等が故障し保守員によるユニット交換作業が発生した場合の保守作業性を向上すべく、接客ユニット310を2つのユニットに分離している。これにより、各種センサの調整作業のようにユニット単位で作業を行う場合に、調整に使用するユニットが小さくなるため、調整作業性を向上させることができる。
【0078】
具体的には、接客ユニット410は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口411と、接客口411と第2の搬送ユニット450とを接続する搬送路412とを備える。また、第2の搬送ユニット450は、紙幣を搬送する搬送路451と、搬送路451の路上に設けられた切替機構452a、452b、452c、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ453、厚みセンサ454、反射型イメージセンサ455、磁気センサ456とが設けられている。この際、接客ユニット410の接客口411の集積ローラの駆動伝達のため、接客口411の紙幣繰入口に接続される搬送路が接客ユニット410と搬送ユニット450とで分割される部分にジョイント機構(図示せず。)が追加されている。
【0079】
[紙幣入出金装置の動作]
かかる紙幣入出金装置400も、図2〜図5に示した第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、紙幣の入金処理、入金返却処理、出金処理、出金紙幣の取忘れ取込み処理を行うことができる。このため、ここでは上記処理の詳細な説明は省略する。
【0080】
本実施形態に係る紙幣入出金装置400も、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置400では、例えば第3の実施形態のように大きい接客ユニット310を、接客ユニット410と第2の搬送ユニット450とに分離し、ユニットの規模を小さくしている。これにより、各種センサ等が故障して保守員によるユニット交換作業が発生した場合でも容易にユニット交換を行うことができ、保守作業性を向上させることができる。また、ユニットの調整作業を行う場合にも、小さい単位でユニットの調整作業を行うことができるので、調整作業性も向上させることができる。
【0082】
<5.第5の実施形態>
[紙幣入出金装置の構成]
次に、図10を参照して、本発明の第5の実施形態に係る紙幣入出金装置の概略構成について説明する。なお、図10は、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の構成を示す概略構成図である。本実施形態に係る紙幣入出金装置500は、第1〜第4の実施形態に係る紙幣入出金装置と比較して、一時保留部ユニット560を備え、収納カセットまたは搬送ユニット内の少なくとも1つの切替機構が紙幣の走行を3方向に切替え可能である点で相違する。以下では、第4の実施形態に係る紙幣入出金装置400と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、第4の実施形態に係る紙幣入出金装置400との相違点について重点的に説明する。
【0083】
本実施形態に係る紙幣入出金装置500は、図10に示すように、接客ユニット510と、収納カセット520(520a〜520c)と、リジェクト・取込みユニット530と、第1の搬送ユニット540と、第2の搬送ユニット550と、一時保留部ユニット560とからなる。接客ユニット510、リジェクト・取込みユニット530および第2の搬送ユニット550は、接客ユニット410、リジェクト・取込みユニット430および第2の搬送ユニット450と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。また、収納カセット520は、第4の実施形態の収納カセット420より1つ少ないが、各収納カセット520a〜520cの構成は収納カセット420a〜420dと同一の構成・機能であるため、この説明も省略する。
【0084】
本実施形態に係る紙幣入出金装置500は、ユーザが取引中にジャムなどのトラブルが発生し、保守員が装置内に残留した紙幣を除去しなければならなくなった場合に、ユーザに返却する紙幣と、装置内の紙幣としてユーザに返却しない紙幣とを切り分ける処理を容易にするために、一時保留部ユニット560を備えている。一時保留部ユニット560は、図10に示すように、収納カセット420と同一の構成とすることができ、収納部561と搬送路562とを備える。そして、一時保留部ユニット560を収納カセット420とともに水平方向に配列し、最も接客ユニット510に近い側に設けることで、一時的に紙幣を収納するユニットとして容易に機能させることができる。
【0085】
また、一時保留部ユニット560を設けたことにより、第1の搬送ユニット540の切替機構のうち、一時保留部ユニット560へ紙幣を搬送する切替機構543のみ、第2の搬送ユニット550、一時保留部ユニット560および収納カセット520の3方向へ紙幣を移動できるように3方向切替機構となっている。他の切替機構544aおよび544bは少なくとも2方向に切替可能であればよい。その他の第1の搬送ユニット540の構成は、第4の実施形態に係る第1の搬送ユニット440の構成と同一である。
【0086】
[紙幣入出金装置の動作]
次に、図11〜図13に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の動作について説明する。なお、図11は、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の入金処理時における紙幣の流れを示す説明図である。図12は、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の入金返却処理時の紙幣の流れを示す説明図である。図13は、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の収納処理時の紙幣の流れを示す説明図である。
【0087】
(1)入金処理時
まず、図11に基づいて、入金処理時における紙幣入出金装置500の動作について説明する。接客ユニット510の接客口511から入金された紙幣は、図11の実線矢印で示す経路を搬送される。すなわち、紙幣入出金装置500は、接客口511に投入された紙幣を、第2の搬送ユニット550を介して、第1の搬送ユニット540の切替機構543により一時保留部ユニット560へ繰入れる。この際、第2の搬送ユニット550の搬送路上に設けられた透過型イメージセンサ553、厚みセンサ554、反射型イメージセンサ555、磁気センサ556により鑑別する。紙幣入出金装置500は、鑑別の結果より異常が検出されなかった紙幣のみ、図11に示す実線矢印の経路で一時保留部ユニット560へ繰入れる。
【0088】
なお、紙幣入出金装置500は、鑑別の結果より偽券あるいは損券と識別された紙幣があった場合には、モータ(図示せず。)の駆動を停止し、切替機構552aを切替えた後、モータを逆回転方向に駆動する。これにより、図11の破線矢印で示す経路で偽券あるいは損券と識別された紙幣を接客口511に搬送する。接客口511に戻された当該紙幣は、接客口511内に繰出されずに残っている紙幣の最後尾に集積される。
【0089】
その後、再び紙幣を繰出す方向にモータを駆動させることによって入金処理は再開され、繰出されずに接客口511に残っていた紙幣および偽券あるいは損券と識別された紙幣は、再び接客口511から繰出される。そして、所定回数の入金処理を実施しても偽券あるいは損券と識別され、収納カセット520へ搬送されずに接客口511に戻される紙幣があった場合には、紙幣入出金装置500は、接客口511のシャッタ(図示せず。)を開けてユーザへ当該紙幣を返却する。このとき、図11の破線矢印で示す経路を設けることにより、偽券あるいは損券と識別された紙幣を、接客口511内に繰出されず残っている紙幣の最後尾に集積することができる。したがって、偽券あるいは損券と識別された紙幣のみをユーザに返却することが可能となる。
【0090】
(2)入金返却処理時
次いで、図12に基づいて、入金返却処理時における紙幣入出金装置500の動作について説明する。ユーザが接客口511に投入した紙幣が図11の実線矢印の経路を搬送されて一時保留部ユニット560に収納された後に入金処理がキャンセルされた場合、紙幣入出金装置500は、入金された紙幣を一時保留部ユニット560から繰出し、図12の実線矢印の経路を搬送して接客口511に繰入れる。そして、接客口511のシャッタ(図示せず。)を開けてユーザへ当該紙幣を返却する。
【0091】
(3)収納処理時
収納処理時における紙幣入出金装置500の動作を、図13に基づき説明する。紙幣入出金装置500は、ユーザから入金確認指示を受け取引が成立したことを確認すると、第1の搬送ユニット540の切替機構543が、一時保留部ユニット560から収納カセット520へ紙幣を搬送するように切替えられる。そして、一時保留部ユニット560から繰出された紙幣は、図13の実線矢印で示す経路を搬送され、入金処理時の透過型イメージセンサ553、厚みセンサ554、反射型イメージセンサ555、および磁気センサ556による識別結果に基づいて、該当する収納カセット520へ繰入れられる。
【0092】
なお、紙幣入出金装置500の出金処理および出金紙幣の取忘れ取込み処理の動作は、図4および図5で示した動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0093】
以上、本実施形態に係る紙幣入出金装置500の構成とその動作について説明した。本実施形態に係る紙幣入出金装置500は、第1の実施形態に係る紙幣入出金装置100と同様に、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。紙幣入出金装置500では一時保留部ユニット560が追加されているものの、収納カセット520と同一構成であり、収納カセット520と同等に扱うことができるため、第4の実施形態に係る紙幣入出金装置400と比較してもユニット数は増加していない。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。
【0094】
また、本実施形態に係る紙幣入出金装置500では、第4の実施形態に係る紙幣入出金装置400と同様に、保守作業性を向上させることができ、調整作業性も向上させることができる。さらに、一時保留部ユニット560を設けることで、ユーザが取引中にジャムなどのトラブルが発生し、保守員が装置内に残留した紙幣を除去しなければならなくなった場合に、ユーザに返却する紙幣と、装置内の紙幣としてユーザに返却しない紙幣とを切り分ける処理を容易にすることができる。さらに、一時保留部ユニット560は、上述したように収納カセット520と同一の構成とすることにより、ユーザの要求に合わせて収納カセットとして使用するか一時保留部ユニットとして使用するか選択することができ、柔軟に装置の設定を変更することが可能となる。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
例えば、上記実施形態では、取り扱う媒体を紙幣としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記実施形態に係る紙幣入出金装置は紙葉状の媒体に対して用いることができ、紙幣以外にも例えば債権や証券等についても適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
100、200、300、400、500 紙幣入出金装置
110、210、310、410、510 接客ユニット
120、220、320、420、520 収納カセット
130、230、330、430、530 リジェクト・取込みユニット
340、440、540 搬送ユニット(第1の搬送ユニット)
450、550 第2の搬送ユニット
560 一時保留部ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第1の搬送路と、前記第1の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第2の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記収納部から繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える1または複数の収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項2】
前記接客ユニットの切替機構は、
前記接客口から繰出される紙幣の搬送路と前記接客口へ繰入れられる紙幣の搬送路とを分岐する第1の切替機構と、
前記接客ユニットの鑑別部または前記収納カセットの厚みセンサにより異常が検知された異常紙幣が前記リジェクト取込みユニットの第1の収納庫へ搬送されるように前記搬送路を切替える第2の切替機構と、
前記接客口から取忘れられた紙幣が前記リジェクト取込みユニットの第2の収納庫へ搬送されるように前記搬送路を切替える第3の切替機構と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の紙幣入出金装置。
【請求項3】
前記接客ユニットの鑑別部は、紙幣の真偽を判定し、前記搬送路を搬送される紙幣の重送を識別するための複数のセンサからなり、
前記鑑別部を構成する複数のセンサは、データ処理に時間を要するセンサほど前記接客口側に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙幣入出金装置。
【請求項4】
前記接客ユニットと前記収納カセットとは、水平方向に隣接して配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項5】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部と、前記接客口へ繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記接客ユニットおよび隣接する他のユニットとの間を接続する第1の搬送路と、前記第1の搬送路と前記収納部との間で双方向に紙幣を搬送する第2の搬送路と、紙幣の走行経路を切替える切替機構とを備える1または複数の収納カセットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項6】
前記収納カセットのうち少なくとも1つは、当該収納カセットの切替機構が紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙幣入出金装置。
【請求項7】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、前記接客口と紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える接客ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える1または複数の収納カセットと、
前記接客ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える1または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項8】
前記搬送ユニットの搬送路と、前記接客ユニットの搬送路のうち前記接客口へ繰入れられる紙幣の搬送路とは、同一の駆動装置によって駆動されることを特徴とする、請求項7に記載の紙幣入出金装置。
【請求項9】
ユーザとの紙幣の取引をするための接客口と、隣接するユニットと前記接客口とを接続する搬送路とを備える接客ユニットと、
前記接客ユニットと紙幣の収納先とを接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える切替機構と、前記搬送路を搬送される紙幣を鑑別する鑑別部とを備える鑑別搬送ユニットと、
紙幣を収納する収納部と、前記収納部に対して双方向に紙幣を搬送する搬送路とを備える1または複数の収納カセットと、
前記鑑別搬送ユニットと前記各収納カセットとの間を接続する搬送路と、前記搬送路を搬送される紙幣の収納先に応じて紙幣の走行経路を切替える1または複数の切替機構と、前記収納カセットから繰出される紙幣の厚みを識別する厚みセンサとを備える搬送ユニットと、
前記接客ユニットおよび前記収納カセットで保持されない紙幣を収納するリジェクト取込みユニットと、
を備えることを特徴とする、紙幣入出金装置。
【請求項10】
前記搬送ユニットの切替機構のうち少なくとも1つは、紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の紙幣入出金装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−238137(P2012−238137A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105910(P2011−105910)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】