説明

紙幣判定装置

【課題】紙幣の金種を表わす凹凸形状に基づいた金種判定の信頼性を向上し、さらに装置の小型化、簡易化を実現すること。
【解決手段】紙幣判定装置において、紙幣を狭持搬送する一対の搬送ローラ5,6のうち一方の搬送ローラ5の軸方向の両端部にフィルム状の感圧センサ5,6を設ける。感圧センサ5,6によって搬送ローラ5,6間を狭持搬送される紙幣に形成された識別マークM1,M2、金額凸印刷文字C1,C2を検出する。識別マークM1,M2、金額凸印刷文字C1,C2の凹凸形状の読み取り信号を制御ユニット20に取り込み、紙幣判定部11において金種判定及び偽造判定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の金種(金額)又は偽造(真偽)を判定する紙幣判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2004年11月より新たに発行される新札には、目の不自由な方が指で触って識別できるように、深凹版印刷による識別マークが付されている。識別マークは紙幣表側の左下隅及び右下隅にそれぞれ付されている。10000円札の識別マークは「L」字、5000円札の識別マークは「正8角形」、1000円札の識別マークは「−」、の形状をしている。
【0003】
従来、目の不自由な方が金種を判別するために紙幣に付した円環状の凹凸部を、光学的に読み取って金種を判別するようにした紙幣判定装置がある(例えば特許文献1参照)。かかる紙幣判定装置は、紙幣表面に形成された凹凸部の有無を透過型光センサが光透過率の変化によって検出し、凹凸部の数から金種を判定していた。
【0004】
【特許文献1】特開平6−28545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紙幣の金種を表わす凹凸パターンを透過型光センサで検出する場合、凹凸部の有無及び数に基づいて判別するので、紙幣の状態によっては誤判定の可能性がある。また、新札に用いられる各金種の識別マークは旧札に比べて透過型光センサの出力信号の形状が似ているので、装置の信頼性を維持するためにはセンサの設置数を増加するなどの改良が必要になる。さらに透過型光センサは凹凸の形成位置を検出するだけであるので紙幣の特徴点を検出して偽造判定を行う用途に用いるのは困難であった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、紙幣の金種を表わす凹凸形状に基づいた金種判定の信頼性を向上できると共に偽造判定の機能も容易に追加でき、さらに装置の小型化、簡易化を実現できる紙幣判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の紙幣判定装置は、紙幣の少なくとも検査領域を押圧する押圧部材と、前記押圧部材の押圧面に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から少なくとも紙幣の種別を判定する紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、感圧センサが紙幣の検査領域の凹凸形状を面状に検出するので、1点又はラインで凹凸形状を検出する場合に比べて、紙幣表面に形成した金種又は金額を表す凹凸形状を正確に検出でき、金種判定の信頼性を向上できると共に偽造判定の機能も容易に追加できる。
【0009】
本発明の紙幣判定装置は、紙幣を狭持搬送する一対の搬送ローラと、前記一対の搬送ローラのうち少なくとも一方の外周面に設けられたフィルム状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から少なくとも紙幣の種別を判定する紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、搬送ローラの外周面にフィルム状の感圧センサを設けているので、感圧センサの設置スペースが不要であり、しかも一対の搬送ローラの押圧力を利用するので押圧機構が不要となることから、装置の小型化が可能である。
【0011】
本発明の紙幣判定装置においては、前記感圧センサで、紙幣表面に深凹版印刷又は凸印刷された識別マーク又は金額文字の少なくとも一方を検出することが好ましい。また、本発明の紙幣判定装置においては、識別マーク又は金額凸印刷文字の少なくとも一方から特徴点を抽出することが好ましい。
【0012】
本発明の紙幣判定装置においては、前記搬送ローラの軸方向の2箇所に前記感圧センサを設け、各々対応する感圧センサで前記識別マークと前記金額凸印刷文字とを別々に検出することが好ましい。
【0013】
このように、搬送ローラの軸方向の2箇所に感圧センサを設けることにより、紙幣表の上隅(左右)に金額文字が形成されていて、下隅(左右)に識別マークが形成されているので、効率よく金額文字及び識別マークの凹凸情報を読み込むことができる。
【0014】
本発明の紙幣判定装置は、装置本体を構成するグリップ部と、前記グリップ部の下端面に回転自在に保持されたローラと、前記ローラの外周面に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から紙幣の真偽を判定する偽紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、1個のローラを備えれば良く、しかもローラを駆動する駆動機構も動力を不要な簡易型の紙幣判定装置を構成できる。
【0016】
本発明の紙幣判定装置は、平坦な紙幣載置面を有する紙幣載置台と、前記紙幣載置台に対して着脱自在に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバー内面又は前記紙幣載置台の一方に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から紙幣の真偽を判定する偽紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、ローラのような回転部材を備える必要が無くなり極めて簡易な構成を実現できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、紙幣の金種を表わす凹凸形状に基づいた金種判定の信頼性を向上できると共に偽造判定の機能も容易に追加でき、さらに装置の小型化、簡易化を実現できる紙幣判定装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
本実施の形態においては、本発明に係る紙幣判定装置を自動販売機に適用した場合について説明する。なお、本発明は、自動販売機の紙幣判定装置に限定されるものではなく、金種又は偽造の判定を行う各種装置に広く適用可能である。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態として自動販売機に備えた紙幣判定装置の概略的な構成を示す図である。図1に示す紙幣判定装置は、紙幣の挿入口近傍に上下一対の搬送ローラ1,2を備え、紙幣の排出口近傍に上下一対の排出ローラ3,4を備える。挿入口近傍に設置した一対の搬送ローラ1,2が紙幣を紙幣判定装置内に取り込み、排出口近傍に設置した一対の排出ローラ3,4が判定後の紙幣を受け取り自動販売機側に設置した紙幣収容部へ送出する構成となっている。
【0022】
本実施の形態では、挿入口近傍に設置した一方の搬送ローラ1の軸方向の両端部付近に感圧センサ5,6を設けている。感圧センサ5,6は、可撓性フィルムで構成されていて、被測定物(紙幣)の微細な凹凸を二次元的な広がりを持った面で検出するセンサである。可撓性フィルムで構成された感圧センサ5,6が搬送ローラ1の外周面に巻き付けて固定されている。感圧センサ5,6の搬送ローラ1上における取り付け位置は、紙幣の表面に形成された識別マークM(M1,M2)及び金額凸印刷文字C(C1,C2)に合わせている。すなわち、紙幣表面の右下隅及び左下隅に形成された識別マークM1,M2又は金額凸印刷文字C1,C2の各通過領域と対向する位置に感圧センサ5,6を設けている。感圧センサ5,6の周方向の寸法は、識別マークM1,M2及び金額凸印刷文字C1,C2の搬送方向の長さよりも長く設定する。搬送ローラ1の外周長は感圧センサ5,6の周方向の長さと同じかそれよりも長いことが前提となる。感圧センサ5,6の周方向の長さを、搬送ローラ1の外周長よりも短くした場合(図1に示す例)、常に感圧センサ5,6の先端(開始位置)が識別マークM及び金額凸印刷文字Cの先端(開始位置)に来るように、搬送ローラ1の初期位置を調整するものとする。
【0023】
一対の搬送ローラ1,2間の押圧力は、感圧センサ5,6が紙幣表面の微細な凹凸を検出でき、かつ紙幣を搬送可能な適切な値に設定されている。搬送ローラ2は駆動源となるモータ7からの回転力を直接受けて回転する駆動ローラであり、搬送ローラ1は駆動ローラから回転力を受けて回転する従動ローラである。一対の排出ローラ3,4は、排出ローラ4がモータ8から回転力を直接受ける駆動ローラであり、排出ローラ4が従動ローラとなっている。なお、搬送ローラ1,2と排出ローラ3,4とを別々の駆動源(7,8)で駆動しているが、ギヤ及びクラッチなどを組み合わせた伝達機構により一つの駆動源から回転力を分配するように構成することもできる。
【0024】
また、本装置の紙幣挿入口に紙幣の挿入を検知する紙幣検知センサ9を設置している。搬送ローラ1と排出ローラ3との間に紙幣検知センサ10を設置している。紙幣検知センサ10の設置位置は、紙幣先端部が排出ローラ3,4間に挟まれた状態となり、紙幣後端が搬送ローラ1,2間を通過した状態となったことを検知できる位置であることが好ましい。なお、モータ7,8としてパルスモータを用い、パルス数によって紙幣位置を把握するように構成した場合は紙幣検知センサ10を除去することもできる。
【0025】
感圧センサ5,6の出力信号は紙幣判定部11に入力する。紙幣判定部11は、感圧センサ5,6の出力信号に示される面圧分布データを使用して金種判定を行う部分である。データ記憶部12には偽造判定のための特徴点データが金種毎に格納されている。紙幣判定部11は、金種の判別だけでなく同時に偽造判定も行い、偽造判定された紙幣は返却するように制御する。
【0026】
紙幣検知センサ9,10の出力信号は駆動制御部13に入力する。駆動制御部13は、紙幣検知センサ9,10の出力信号及び紙幣判定部11からの制御信号に基づいてモータ7,8の回転を制御する。
【0027】
図2は、本紙幣判定装置における電気系のハードウエア構成図である。制御ユニット20は、CPU21、ROM22、RAM23、駆動制御回路24、入出力部25がバス26を介して接続されている。CPU21がROM22に格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、紙幣判定部11及び駆動制御部13の機能を実現する。RAM23には感圧センサ5,6の出力信号から得られる読み取りデータが格納されたり、紙幣判定などの処理を実行する際の作業エリアとなったりする。ROM22又はRAM23が図1に示すデータ記憶部12を構成する。駆動制御回路24は、CPU21からの制御信号に対応してモータ7,8を駆動する駆動信号を生成する。駆動信号には正逆回転を制御する信号も含む。入出力部25は感圧センサ5,6からの出力信号及び紙幣検知センサ9,10からの出力信号を取り込む部分である。これらセンサからの信号はRAM23の所定エリアに格納されるようにしている。なお、自動販売機の場合、商用交流電源を電源として使用する場合が多いが、そのような形態であれば電源27は商用交流電源を直流電源に変換する電力変換器で構成されることとなる。
【0028】
上記したように、感圧センサ5,6は、可撓性フィルムで構成されていて、被測定物(紙幣)の微細な凹凸を二次元的な広がりを持つ面で検出することのできるセンサである。このようなセンサの構成について詳細に説明する。
【0029】
図3は感圧センサ5,6の等価回路の構成を示す図であり、図4は感圧センサ5,6の要部拡大断面図である。図4に示すように、感圧センサ5,6は、スペーサ38を介して一定間隔の隙間を開けて対向配置された行配線部31と列配線部32とを備えている。
【0030】
行配線部31は、ローラ表面に巻き付け可能なフレキシブル基板33と、このフレキシブル基板33上を第1方向Xに多数平行に配列された行配線34と、この行配線34を覆う絶縁膜35とを有する。行配線34は、例えば厚さ3,000Å以下のAl膜から構成され、フレキシブル基板33上に、例えばピッチ50μmで256本形成されれば良い。絶縁膜35としては、例えばSi層を積層させたものを用いることができる。それぞれの行配線34は、静電容量を検出する容量検出回路42に接続されている。
【0031】
列配線部42は、可撓性フィルム基板36と、この可撓性フィルム基板36上を第2方向Yに多数平行に配列された列配線37とを有する。可撓性フィルム基板36は、表面に識別マーク又は金額凸印刷文字などの数μm程度の凹凸面が押し付けられた際に、この凹凸形状に倣って撓む程度の柔軟性があればよく、例えば、厚さ2〜50μm程度のポリエステルフィルムが好適に用いられる。列配線37は、例えば厚さ3,000Å以下のAl膜で構成され、可撓性フィルム基板36上に、例えばピッチ50μmで256本形成されれば良い。それぞれの列配線37は、列選択回路43に接続されている。こうした列選択回路43は、静電容量の測定時に選択された列配線37以外を全てグランド側に接続する。
【0032】
スペーサ38は、こうした行配線部31と列配線部32の周縁を巡るように形成され、対向する行配線部31と列配線部32との隙間の空気を密封して空気層39を形成する。こうした空気層39は、可撓性フィルム基板36の表面に微細な凹凸面が押し付けられた際に、密閉された空気によって可撓性フィルム基板36を凹凸面に倣って撓ませる役割を果たす。なお、行配線部31と列配線部32との隙間の空気層は密閉されなくても良く、列配線37が絶縁膜35に密着するまで押し付けられることによって、凹凸の間に空気が密閉されることになり、空気層を密閉した場合と同等の役割を果たす。
【0033】
感圧センサ5,6は、上述したような構成によって、図3に示す等価回路に示すように、行配線34と列配線37とが交差している交差部41の離間距離の変化に応じた静電容量の変化を容量検出回路42で検出することができる。こうして、可撓性フィルム基板36の表面に微細な凹凸面が押し付けられた際に発生する、多数の交差部41の静電容量の変化を検出することによって、被測定物の凹凸面の形状を信号データとして出力することが可能になる。
【0034】
容量検出回路42は、測定時には列選択回路43で選択されている列配線37以外は全てグランド側に接続されるとともに、同一の行配線34上の測定対象外の静電容量は全て寄生容量として測定系に並列に入力されるが、寄生容量の反対側の電極がグランド側に接続されていることにより、キャンセルすることが可能になっている。こうした構成によって、微細な凹凸面の検出、即ち微小な静電容量の変化を精度良く検出することが可能になる。
【0035】
なお、本実施形態では、可撓性フィルム基板36に列配線37を形成しているが、可撓性フィルム基板36に行配線34を形成しても良い。しかし、静電気の影響を受けにくいという関係から低出力インピーダンスである列選択回路43と接続している列配線37を可撓性フィルム基板36側に形成するほうがより好ましい。
【0036】
次に、上記構成を有する紙幣判定装置の動作について説明する。
図5は本紙幣判定装置の動作内容を示すフロー図である。ユーザが自動販売機の紙幣挿入口に紙幣先端を挿入すると、紙幣検知センサ9が挿入された紙幣を検知する(ST1)。紙幣検知センサ9は紙幣を検知している間は出力信号をアクティブにする。図2に示すように、紙幣検知センサ9の出力信号は入出力部25でデジタル信号に変換されてRAM23の所定エリアに格納される。CPU21はRAM23の当該エリアに格納されている紙幣検知データをチェックすることにより、紙幣が挿入されたことを検知できる。CPU21は、紙幣が挿入されるとモータ7,8を正転させるように駆動制御回路24に指令を与える。駆動制御回路24は、CPU21から正転指令を受けてモータ7,8に正転駆動信号を与えて搬送ローラ1,2及び排出ローラ3,4を正転させる。この結果、紙幣挿入口に挿入された紙幣は、搬送ローラ1,2間に挟まれて所定の押圧力で矢印A方向(図1に図示)に狭持搬送される。
【0037】
具体的には、紙幣挿入口に挿入された紙幣の挿入端が搬送ローラ1,2間に挟まれて搬送方向に引き込まれる。紙幣右下隅に形成した識別マークM1の先端(搬送方向の先端)が搬送ローラ1,2間に挟まれたところで、搬送ローラ1に取り付けた感圧センサ5の先端部が押圧される。搬送ローラ1の回転に従って識別マークM1の凹凸面に対して感圧センサ5が押し付けられ、識別マークM1の後端(搬送方向の後端)が搬送ローラ1,2間から脱した時点で、識別マークM1の全体が感圧センサ5の全面に押圧されたことになる。感圧センサ5は、可撓性フィルム基板36の表面に識別マークM1の微細な凹凸面が押し付けられた際に、可撓性フィルム基板36が凹凸面に倣って撓み、行配線34と列配線37とが交差している交差部41の離間距離の変化に応じた静電容量の変化が容量検出回路42で検出される。多数の交差部41の静電容量の変化を検出した検出結果は、感圧センサ5の出力信号として取り出される。
【0038】
一方、紙幣の右上隅に形成されている金額凸印刷文字C1に関しても感圧センサ6が金額凸印刷文字C1の微細な凹凸面が押し付けられた際に、可撓性フィルム基板36が凹凸面に倣って撓み、行配線34と列配線37とが交差している交差部41の離間距離の変化に応じた静電容量の変化が容量検出回路42で検出される。
【0039】
ただし、紙幣が裏返しの状態で挿入された場合は、識別マークM及び金額凸印刷文字Cの形成位置の裏面に対して感圧センサ5,6が押し付けられる。したがって、紙幣が裏返しであった場合は識別マークM及び金額凸印刷文字Cの凹凸情報を含まない出力信号が感圧センサ5,6から出力される。
【0040】
さらに紙幣が搬送されると、紙幣の左下隅に形成した識別マークM2が感圧センサ5に押圧され、紙幣の左上隅に形成した金額凸印刷文字C2が感圧センサ6に押圧される。その結果、感圧センサ5からは識別マークM2の凹凸形状に応じた出力信号が出力され、感圧センサ6からは金額凸印刷文字C2の凹凸形状に応じた出力信号が出力される。
【0041】
なお、紙幣が図1に示す状態ではなく上下逆の状態で挿入された場合は、感圧センサ5が金額凸印刷文字C1,C2の凹凸形状に応じた出力信号を出力し、感圧センサ6が識別マークM2の凹凸形状に応じた出力信号を出力する。
【0042】
感圧センサ5,6から出力される出力信号は、図2に示す入出力部25でデジタル信号に変換されてRAM23の所定エリアに格納される。
【0043】
紙幣判定部11は、紙幣検知センサ10の出力信号から挿入紙幣の後端が搬送ローラ1,2間を脱したことを認識すると、RAM23の所定エリアから感圧センサ5,6の出力信号が示す識別マークM、金額凸印刷文字Cの読み取りデータを読み出し(ST2)、挿入された紙幣の表面が搬送ローラ1側に向いているか否か判定する(ST3)。識別マークM、金額凸印刷文字Cの凹凸データが格納されている場合は「表」と判断し、凹凸データが格納されていない場合は「裏」と判断できる。表裏判定の結果、「裏」と判定された場合は紙幣を裏返して挿入し直すために、紙幣を紙幣挿入口から返却する返却処理を実行する(ST8)。このために、紙幣判定部11から駆動制御部13に対して返却指示を与える。返却指示を受けた駆動制御部13がモータ7,8を逆回転させて紙幣を逆方向に移動させる。この結果、紙幣は紙幣挿入口から返却される。なお、紙幣を裏返して再挿入することを促す音声又は表示を行うように構成しても良い。
【0044】
一方、上記ステップST3の表裏判定において「表」と判定した場合、識別マークMの読み取りデータに基づいて今回挿入された紙幣の金種を判定する(ST4)。図6(a)〜(c)に示すように、新札の一万円札に付された深凹版印刷による識別マークM1(図6(a))と、新札の五千円札に付された深凹版印刷による識別マークMM1と、新札の千円札に付された深凹版印刷による識別マークMMM1と、ではその形状が大きく異なることは前述した通りである。感圧センサ5,6の出力信号は、識別マーク自体の凹凸形状を示すパターンデータとなっている。例えば、凹部は“0”、凸部は“1”となる二次元ビットパターンで表される。
【0045】
紙幣判定部11は、感圧センサ5,6の出力信号が示すビットパターンを分析して金種を判定する。例えば、「L」字形状のビットパターンであれば「一万円」と判定し、「8角形」のビットパターンであれば「五千円」と判定し、水平方向に伸びる「−」形状のビットパターンであれば「千円」と判定することができる。
【0046】
このように、本実施の形態は、感圧センサ5,6が二次元状に広がりを持った面で紙幣の識別マークを検出しているので、従来の透過型光センサにより点で検出した凹凸形状に基づいて金種判定をする場合に比べて情報量が多く金種判定の信頼性を格段に向上することができる。また感圧センサ5,6は可撓性フィルムで構成することができ、当該フィルム状の感圧センサ5,6を搬送ローラ1に巻き付けて固定しているので、紙幣の凹凸を検出するためのセンサの設置スペースが不要であり、装置全体の小型化を図ることができる。
【0047】
また本実施の形態では、ステップST4において金種判定をした後、さらに金額凸印刷文字Cの読み取りデータまでも加味して今回挿入された紙幣の金種の正誤判定を行う(ST5)。図6(a)に示すように、新札の一万円札に付された金額凸印刷文字C1は「10000」の文字からなり、この数字部分が周辺よりも盛り上がった状態となっている。図6(b)に示すように新札の五千円札に付された金額凸印刷文字CC1は「5000」の数字部分が周辺よりも盛り上がった状態であり、図6(c)に示すように新札の千円札に付された金額凸印刷文字CCC1は「1000」の数字部分が周辺よりも盛り上がった状態となっている。感圧センサ5,6の出力信号は、金額凸印刷文字自体の凹凸形状を示す二次元パターンデータとなっている。例えば、盛り上がっている数字部分は“1”、その周辺は“0”となる二次元ビットパターンで表される。
【0048】
本実施の形態では、金額を表す数字部分から特徴点を抽出し、予め金種別に格納している特徴点データと比較して正誤(偽造)を判定する。例えば、図7に示すように紙幣の金額を示す数字のうち後ろ2つの「0」から特徴点を抽出する。最後尾の「0」の右端から最後尾から2番目の「0」の左端までの距離P1と、最後尾の「0」の中心から最後尾から2番目の「0」の中心までの距離P2と、の比(P1/P2)を用いることができる。他の金額の紙幣(五千円、千円)についても同様の手法で得られる特徴点を用いる。
【0049】
紙幣判定部11は、RAM23から取り込んだ金額凸印刷文字のビットパターンから画像処理により特徴点を計算する一方、ステップST4で判定した金種の特徴点データをデータ記憶部12から読み出して比較する。なお、特徴点データのデータ量が小さい場合は、データ記憶部12に記憶せずに制御プログラム中に記述しておくようにしても良い。紙幣判定部11は、特徴点を比較した結果、両者が一致又は誤差が閾値以下であれば、ステップST4で判定した金種を今回挿入された紙幣の金額として確定する(ST6)。確定した紙幣金額をあらわす金種データは自動販売機のつり銭計算などの処理を行う処理系に与えられる。そして、紙幣判定部11から駆動制御部13に紙幣収納指令を与え、紙幣収納指令を受けた駆動制御部13が紙幣を紙幣排出口から排出するようにモータ7,8を駆動させる制御信号を駆動制御回路24に与える(ST7)。一方、ステップST5において「誤」判定された場合は、ステップST8へ分岐して返却処理を実行する。
【0050】
このように、感圧センサ5,6の出力信号から金額凸印刷文字の二次元的なビットパターンを取得して、該ビットパターンから詳細な特徴点を取得して正誤判定を行うようにしたので、識別マークだけで判定するよりも信頼性の高い判定が可能になる。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態においては、本発明に係る紙幣判定装置を偽紙幣判定装置に適用した場合について説明する。
【0052】
図8は本実施の形態に係る偽紙幣判定装置の概略的な構成を示す図である。なお、図8において、図1と同一の部分には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施の形態は、紙幣の判定結果を表示する表示部51と警報音を出力するスピーカ52とを備える。
【0053】
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様にして金額凸印刷文字Cに関して特徴点を定めると共に、識別マークに関しても特徴点を予め定めておく。これらの特徴点データは金種毎にデータ記憶部12に格納しておく。
【0054】
図9は本実施の形態に係る偽紙幣判定装置の動作内容を示すフロー図である。図9におけるステップST10〜ST13、ST17は、前述した図5におけるステップST1〜ST4、ST8と実質的に同じ処理であるので説明を省略する。ステップST14における偽造判定では、感圧センサ5,6の出力信号から得られる識別マークM及び金額凸印刷文字Cの二次元的ビットパターンを分析して、予め決めている規則に従って特徴点を抽出する。そして、ステップST13で判定した金種の特徴点データをデータ記憶部12から読み込む。この記憶していた特徴点データは識別マークに関する特徴点と金額凸印刷文字Cに関する特徴点を組み合わせたものとするが、第1の実施の形態と同様に金額凸印刷文字Cに関する特徴点だけを用いるようにしても良い。
【0055】
今回抽出した特徴点データと記憶していた特徴点データを比較して一致しているか否か判断する。双方の特徴点データが一致していれば又は誤差が閾値以下であれば偽造されていない「真」と判定する(ST15)。一方、双方の特徴点データが異なる場合には偽造されている可能性がある「偽」と判定する(ST15)。
【0056】
ステップST15において「偽」判定した場合、表示部51に偽造されている可能性があることを示す表示を行うと共に、スピーカ52から警報音を出力する(ST16)。
【0057】
このように本実施の形態によれば、紙幣を搬送する搬送ローラ1に、フィルム状の感圧センサ5,6を巻き付けて使用するので、紙幣の特徴点を検出するための構成を簡素化できるとともに安価に製造することができる。
【0058】
(実施の形態3)
次に、簡易型偽紙幣判定装置に関する実施の形態について説明する。
図10(a),(b)は本実施の形態に係る簡易型偽紙幣判定装置の側面図及び正面図である。本体を構成するグリップ部61の下端面にローラ62が回転自在に取り付けられている。ローラ62の外周面に感圧センサ63が設けられている。グリップ部61の下端部両側面に一対のローラ支持フレーム64を設け、そのローラ支持フレーム64がローラ62の軸方向の両端部を軸支している。グリップ部61の上部側面にはLED65,66が設けられている。また警報音を発するスピーカ67を備える。
【0059】
感圧センサ63は、前述した第1の実施形態における感圧センサ5,6と同様の構成を有している。すなわち、可撓性フィルムで構成されていて、被測定物(紙幣)の微細な凹凸を二次元的な広がりを持つ面で検出することのできるセンサである。
【0060】
図11は本実施の形態に係る簡易型偽紙幣判定装置における電気系のハードウエア構成図である。制御ユニット70は、CPU71、ROM72、RAM73、入出力部74がバス75を介して接続されている。CPU71がROM72に格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、紙幣判定手段の機能を実現する。RAM73には感圧センサ63の出力信号から得られる読み取りデータが格納されたり、紙幣判定などの処理を実行する際の作業エリアとなったりする。ROM72又はRAM73に紙幣判定に使用する特徴点データを格納する。電源76はバッテリーで構成されていて、制御ユニット70の各部に電源を供給する働きをする。
【0061】
次に、上記構成を有する簡易型偽紙幣判定装置の動作について説明する。
図12は本実施の形態に係る簡易型偽紙幣判定装置を用いた偽紙幣判定に関するフロー図である。最初に、紙幣の表面にローラ62を所定の押圧力で押し当て、ローラ62を転がして識別マークMの上を通過させる。例えば、図13に示すように、グリップ部61を持って識別マークM1の上をローラ62が通過するように操作する。これにより、ローラ62周面に設けた感圧センサ63で識別マークMの凹凸を面圧分布として検出することができる(ST20)。
【0062】
CPU71はRAM73から今読み取った識別マークMの二次元ビットマップデータを読み出して、マーク形状から金種を判定する(ST21)。CPU71は金種判定結果をLED65の点灯色で表示する。例えば、10000円の場合であれば「赤」色を点灯させ、5000円の場合は「緑」色を点灯させ、1000円の場合には「黄」色を点灯させる。なお、金種の表示方法はこのような方法に限定されるものではなく、例えば数字をディスプレイに表示させるようにしてもよい。
【0063】
次に、操作者は紙幣の表面にローラ62を所定の押圧力で押し当て、ローラ62を転がして金額凸印刷文字Cの上を通過させる。例えば、図13に示すように、グリップ部61を持って金額凸印刷文字C1の上をローラ62が通過するように操作する。これにより、ローラ62周面に設けた感圧センサ63で金額凸印刷文字Cの凹凸を面圧分布として検出することができる(ST23)。
【0064】
CPU71はRAM73から今読み取った金額凸印刷文字Cの二次元ビットマップデータを読み出して分析し、予め決めている規則にしたがって特徴点データを取得する。一方、ROM72又はRAM73から予め格納している特徴点データを読み出して両者を比較する(ST24)。双方の特徴点データが一致するか又は誤差が閾値以下であれば偽紙幣ではないと判定する(ST24)。逆に、一致しなかった場合は偽紙幣と判定する(ST24)。
【0065】
CPU71はLED66を点灯させて判定結果を表示する(ST25)。例えば、「偽紙幣」と判定した場合はLED66を赤色で点灯させると共にスピーカ67から警報音を出力する。また偽紙幣でないと判定した場合はLED66を青色で点灯させ、警報音は鳴らさない。
【0066】
このように本実施の形態によれば、ローラ62の外周面にフィルム状の感圧センサ63を設けるだけの極めて簡易な構成で簡易型偽紙幣判定装置を構成することができる。
【0067】
(実施の形態4)
次に、開閉式の簡易型偽紙幣判定装置の実施の形態について説明する。
図14は本実施の形態に係る簡易型偽紙幣判定装置の外観図でありカバーを開いた状態を示す図であり、図15はカバーを閉じて紙幣を挟んだ状態を示す図である。図14,15に示すように、この簡易型偽紙幣判定装置は、平坦面を有する紙幣載置台81と、この紙幣載置台81に対して着脱自在に取り付けられた開閉カバー82と、この開閉カバー82の内面に設けられた感圧センサ84とを備えている。なお、本例ではヒンジ83を介して紙幣載置台81と開閉カバー82とを連結することにより開閉カバー82を開閉自在に支持する構成となっている。また、開閉カバー82を紙幣載置台81に対して着脱自在となるようにヒンジ83を構成している。また、開閉カバー82の外面には金種を表示するLED85、紙幣判定結果を表示するLED86を備える。なお、図示されていないが、前述した実施の形態と同様に紙幣判定手段を構成するCPU、ROM、RAMを備えた制御ユニットを備える。実施の形態1〜3と異なる点は制御ユニットにローラなどの駆動系を制御するブロックが不要なことである。
【0068】
感圧センサ84は紙幣の幅に対応した長さの間口を有し、識別マーク及び金額凸印刷文字の長さに対応した奥行きを有する。図15に示すように、本例では紙幣載置台81と開閉カバー82との間に挟まれた紙幣から同方向の端部(左側又は右側)に形成された識別マーク(M1)、金額凸印刷文字(C1)を同時に読み取れるサイズに設定している。なお、少なくとも識別マーク(M1)又は金額凸印刷文字(C1)を一つずつ読み取れる面積があれば必ずしも2つ同時に読み取る必要はない。
【0069】
以上のように構成された簡易型偽紙幣判定装置において、開閉カバー82を開いて紙幣載置台81に識別マークなどが形成された面を上(感圧センサ84側)にして載置する。次に開閉カバー82を閉じて所定の押圧力で紙幣載置台81側に押圧する。この結果、識別マークM及び金額凸印刷文字Cの凹凸形状が感圧センサ84で読み取られる。図示していない制御ユニットでは読み取った凹凸形状から金種及び特徴点を抽出し、予め記憶している該当金種の特徴点データと比較して偽紙幣判定を行う。そして、LED85には金種に対応した色で点灯させ、LED86には偽紙幣判定結果を表示する。
【0070】
このような本実施の形態によれば、ローラのような可動部材を排除して開閉ノート型としたので、さらに構造を簡易にすることができる。
【0071】
本発明は上記実施の形態1〜4に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1において、一方の搬送ローラ1にだけ感圧センサ5,6を設けているが、もう一方の搬送ローラ2にも感圧センサ5,6を設けるようにしても良いし、搬送ローラ1の一方の端部にだけ感圧センサを設けるようにしても良い。また、実施の形態4において、紙幣載置台81側に感圧センサ84を設けるようにしても良い。また、紙幣表面に設けられる識別マークを深凹版印刷ではなく例えば凸印刷したり、金額文字を凸印刷ではなく深凹版印刷した場合であっても本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態1に係る紙幣判定装置の概略的な構成図である。
【図2】図1に示す紙幣判定装置に備えた制御ユニットの構成図である。
【図3】図1に示す紙幣判定装置に備えた感圧センサの等価回路図である。
【図4】図1に示す紙幣判定装置に備えた感圧センサの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る紙幣判定装置の動作内容を示すフロー図である。
【図6】各金種での識別マーク及び金額凸印刷文字を示す模式図である。
【図7】特徴点を抽出する手法の一つを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る偽紙幣判定装置の概略的な構成図である。
【図9】図8に示す偽紙幣判定装置の動作内容を示すフロー図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る簡易型偽紙幣判定装置の概略的な構成図である。
【図11】図10に示す簡易型偽紙幣判定装置の制御ユニットの構成図である。
【図12】図10に示す簡易型偽紙幣判定装置の動作内容を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施の形態3においてローラの通過位置を示す概念図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る開閉式の簡易型偽紙幣判定装置の開状態の外観図である。
【図15】図14に示す簡易型偽紙幣判定装置の閉状態の外観図である。
【符号の説明】
【0073】
1,2 搬送ローラ
2,3 排出ローラ
5,6,63,84 感圧センサ
7,8 モータ
9,10 紙幣検知センサ
11 紙幣判定部
12 データ記憶部
13 駆動制御部
20 制御ユニット
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 駆動制御回路
25 入出力部
61 グリップ部
62 ローラ
M1,M2 識別マーク
C1,C2 金額凸印刷文字

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣の少なくとも検査領域を押圧する押圧部材と、前記押圧部材の押圧面に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から少なくとも紙幣の種別を判定する紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする紙幣判定装置。
【請求項2】
紙幣を狭持搬送する一対の搬送ローラと、前記一対の搬送ローラのうち少なくとも一方の外周面に設けられたフィルム状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から少なくとも紙幣の種別を判定する紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする紙幣判定装置。
【請求項3】
前記感圧センサで、紙幣表面に深凹版印刷又は凸印刷された識別マーク又は金額文字の少なくとも一方を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙幣判定装置。
【請求項4】
前記紙幣判定手段は、識別マーク又は金額文字の少なくとも一方から特徴点を抽出して偽紙幣判定を行うことを特徴とする請求項3記載の紙幣判定装置。
【請求項5】
前記搬送ローラの軸方向の2箇所に前記感圧センサを設け、各々対応する感圧センサで紙幣表面に深凹版印刷又は凸印刷された識別マーク及び金額文字を別々に検出し、前記紙幣判定手段が識別マーク又は金額文字の少なくとも一方から特徴点を抽出して偽紙幣判定を行うことを特徴とする請求項2記載の紙幣判定装置。
【請求項6】
装置本体を構成するグリップ部と、前記グリップ部の下端面に回転自在に保持されたローラと、前記ローラの外周面に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から紙幣の真偽を判定する偽紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする紙幣判定装置。
【請求項7】
平坦な紙幣載置面を有する紙幣載置台と、前記紙幣載置台に対して着脱自在に取り付けられた開閉カバーと、前記開閉カバー内面又は前記紙幣載置面の一方に設けられた面状の感圧センサと、前記感圧センサの出力信号から紙幣の真偽を判定する偽紙幣判定手段と、を具備することを特徴とする紙幣判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−323715(P2006−323715A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147613(P2005−147613)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】