紙幣識別機の取付け構造
【課題】この発明は、ネジ止め式の取付け部を有する自動販売機等の機器筐体内に取付けられ、かつ紙幣識別機に破壊を目的とした外力が加わった際に、当該紙幣識別機を自動販売機の筐体内部へ逃がして、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させるようにした紙幣識別機の取付け構造を提供する。
【解決手段】紙幣識別機1に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、位置決め支承部6の取付け孔5周辺が変形もしくは破断するように位置決め支承部6に変形部31を形成し、これにより、紙幣識別機1に対し破壊を目的とした外力が加わった際に紙幣識別機を機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにした。
【解決手段】紙幣識別機1に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、位置決め支承部6の取付け孔5周辺が変形もしくは破断するように位置決め支承部6に変形部31を形成し、これにより、紙幣識別機1に対し破壊を目的とした外力が加わった際に紙幣識別機を機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は紙幣識別機の取付け構造に係り、特に自動販売機や両替機等の機器筐体内部に取り付け、盗難防止を図る紙幣識別機の取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図22で示すように、自動販売機や両替機等の機器筐体内に搭載された紙幣識別機1は、紙幣挿入口2より挿入された紙幣の真偽を識別した後、紙幣を紙幣収容部3内へ収納するものであり、自動販売機などの機器筐体内部の壁面(扉の内側の面を含む)に取付けられている。
【0003】
また図23の要部破断面図で示すように、自動販売機等の機器筐体10側には、紙幣識別機1の取付け位置に、開口部11が設けられており、紙幣識別機1を筐体10内部に取付けると、自動販売機の外部から開口部11を介して紙幣識別機1の紙幣投入口2が設けられた部分が露出するようになっている。
【0004】
そして、タイプやメーカーの異なる紙幣識別機と自動販売機同士が自由に取付けられるように自動販売機と紙幣識別機の取付け部分は、自動販売機業界で共通化されており、図22で示すように、自動販売機は内部壁面に紙幣識別装置をネジによって取付けられるよう、上下2箇所づつ、計4箇所に雌ネジ部が形成された断面L形状の板材からなるネジ止め式の取付け部12が設けられている。
【0005】
一方、紙幣識別機1には前記ネジ止め式の取付け部12に位置決め支承させて固定できるよう、図22で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には長孔の取付け孔5からなる位置決め支承部6が設けられ、下部取付け板7にはU字の切り込み8からなる位置決め固定部9が設けられており、図23のごとく紙幣識別機1を自動販売機等の機器筐体10内へネジ20を介して位置決め支承するようになっている。
【0006】
しかし、近年、自動販売機の筐体10の開口部11から紙幣識別機1の紙幣挿入口2へバールなどの工具を差し込んで、紙幣識別機1を破壊する悪戯が多発している。
【0007】
この問題を解決するため、紙幣識別機の紙幣挿入口に対して自動販売機等の機器筐体の内部方向へ外力が加わった場合に、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が各種提案されている。
【0008】
このような紙幣識別機の取付け装置として、特開平09-270039公報には、自動販売機の紙幣識別機取付け箇所に対して、紙幣識別機の下端を回動可能に枢着するとともに、自動販売機の紙幣識別機の上端部を取り付ける箇所には、紙幣職別機と係合し機器筐体の壁側へ紙幣誠別機の上部をバネのカで付勢するようにして紙幣識別機を係止する係留装置を設け、紙幣識別機の紙幣挿入口に対して筐体の内部方向へ外カが加わった場合に、紙幣識別機の上端と係留装置との係止が外れ、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようする紙幣識別機の取付装置が開示されている。
【0009】
また特開2004-213282公報には、自動販売機の紙幣識別機の上端部を取り付ける箇所と下端部を取り付ける箇所に、紙幣識別機を筐体の壁側へ付勢するように紙幣識別機を係止する板バネからなる係留装置を設け、紙幣職別機の紙幣挿入口に対して筐体の内部方向へ外カが加わった場合に、紙幣識別機の上端および下端と係留装置との係止が外れ、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が開示されている。
【0010】
また特開2004-295768公報には、自動販売機の紙幣識別機取り付け箇所と紙幣識別機の取付け板にネジが貫通する孔を設け、(一般的な自動販売機は、紙幣識別装置の取り付け部にネジ止め部があるが、特開2004-295768公報では単なるボルトやネジが貫通する孔になっている。)この自動販売機側の孔と紙幣識別機側の孔を重ね合わせ、ネジまたはボルトを嵌挿し、ネジ先端側からスペーサーをはめ込んで、ボルト又はネジの溝にスペーサーを食い込ませて紙幣識別機を自動販売機の筐体の壁面へ取付け、紙幣識別機の紙幣挿入口から筐体の内部方向へ外力が加わった場合に、スペーサーがボルトから外れることによって、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が開示されている、
【特許文献1】特開平09-270039公報
【特許文献2】特開2004-213282公報
【特許文献3】特開2004-295768公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前記特許文献1乃至3に開示された、自動販売機の筐体内部へ紙幣識別装置を逃がす為の取付け装置は、いずれも、自動動販売機等の機器筐体側へ該取付け装置を設けており、既に出荷されて市場にある従来の「ネジ止め式の取付部を有する自動販売機」に対して、前記各特許文献1乃至3に記載されたような、紙幣識別機の取付け装置を後付(追加)することが出来ない難点がある。
【0012】
このため、上記各特許文献に記載されたような従来の紙幣識別機の破壊防止対策は、市場の「ネジ止め式の取付け部を有する自動販売機」に対して実施出来ない問題があった。
【0013】
この発明は上述した事情に鑑み、従来からある、ネジ止め式の取付け部を有する自動販売機等の機器筐体内に取付けられ、かつ紙幣識別機に破壊を目的とした外力が加わった際に、当該紙幣識別機を自動販売機の筐体内部へ逃がして、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させるようにした紙幣識別機の取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本願の第1の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、取付け孔が形成された位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該取付け孔内を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部の取付け孔周辺が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に変形部を形成し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【0015】
また、本願の第2の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に別部品の変形部を配設し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【0016】
また、本願の第3の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記位置決め支承部を別部品とし、かつ該位置決め支承部を前記紙幣識別機の上下面に、外力が加わった際に変形あるいは脱落する変形部を介して取付け、これにより前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【発明の効果】
【0017】
上述した、本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造によると、紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、位置決め支承部の変形部により取付け孔周辺が変形もしくは破断し、これにより紙幣識別機を自動販売機等の機器筐体の内側へ退避可能にさせることができるから、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させ、これにより破壊を目的とした外力による紙幣識別機の損傷を可及的に防止することができる。
【0018】
また従来の自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部にネジ止めされる紙幣識別機の位置決め支承部に、変形もしくは破断する変形部を介在させるようにしたから、自動販売機等の機器筐体側を改造することなく、外力による損傷防止機能を有する紙幣識別機を取付けることができるため設備投資コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の一実施例を詳述する。
【実施例1】
【0020】
図1は本願の第1の発明に係る紙幣識別機の取付け構造を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図11と同一部分を同一符号で示す。
【0021】
図1に示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成されており、またこの位置決め支承部6には、取付け孔6から位置決め支承部6の上端に連通するスリット30により構成された変形部31が形成されている。
【0022】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。
【0023】
次に上述したスリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の作用を説明する。
【0024】
図2は、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6と、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって取付けた状態を示す概念図である。
【0025】
なお、図3は、紙幣識別機1の下部である、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体10のネジ止め式の取付け部12に取付けた状態を示す要部拡大断面図であって、スペーサー40を介してネジ20で取り付けた図であり、また図4は、紙幣識別機1の下部である、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体11のネジ止め式の取付け部12に取付けた状態を示す要部拡大断面図であって、スペーサー40を介さずに、そのままネジ20で取り付けた状態を示す要部拡大図である。
【0026】
なお本実施例に記載した紙幣識別機1が取り付けられる自動販売機の機器筐体10内には、紙幣識別機1を取り付けるスペースが確保されており、紙幣識別機1をこの機器筐体10内へ取り付けた際にも、紙幣識別機1の上部と後方部に若干の空問を有する。
【0027】
次に作用を説明する。
【0028】
図2に示すように、紙幣挿入口11ヘバール等の工具41を差し込んで紙幣識別機1を破壊しようとすると、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6のうち、変形部31のスリット30(図1参照)の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット30が脱落し、そのため紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離して位置決め支承状態から解除される。
【0029】
なお、図3に示すように、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体11のネジ止め式の取付け部12にスペーサー40を介してネジ20で取り付けた場合、スペーサー40は、紙幣識別機1の下部取付け板7の板厚より若干厚い幅(0.1ミリ程度)を有し、ネジ20で締め付けて取り付けた際に、ネジ20と機器筐体10の取り付け板10a側との問の距離が、紙幣識別機1の下部取付け板7の厚さより広くなり、このため紙幣識別機1の下部取付け構造は、自助販売機等の機器筐体10に完全に固着されるのではなく、遊びが出来ている。
【0030】
この図3のように紙幣識別機1の下部を取り付けると、図2に示すように、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6による紙幣識別機1の上部の取付けが解除されたときに、紙幣識別機1が筐体10の後方へ倒れ、バール等の工具により矢印A方向へ外力が加わると、紙幣識別機1全体が上方へ移動する(即ち紙幣識別機全体が上方へ浮き上がる)。これにより、容易に図3に示す紙幣識別機1の下部の取付け構造も解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へ落下することとなる。
【0031】
なお、図4に示すように、識別機1の下部をスペーサー40を介さずに、そのままネジ20で取り付けた場合、ネジ20の締め付けカが強いと、紙幣識別機1が機器筐体10内の後方へ倒れなくなったり、外部から外カが加わっても、紙幣識別機1の上部の取付状態が解除されない場合もあるので、ネジ20の締め付けカを弱くして、ネジ緩み防止剤等で固定するようにする。
【0032】
即ち、図2で示すように、紙幣識別機1の紙幣挿入口2ヘバール等の工具41を差し込んで破壊行為がなされた場合、まず、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6のうち、変形部31のスリット30(図1参照)の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット30が脱落し、そのため紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離して、位置決め支承状態から解除される。
【0033】
これにより、紙幣識別装置1全体が、その下部の部分を軸として後方へ傾斜する。
【0034】
次に、バール等の工具41を矢印A方向へさらに力を加えてさらに破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する (即ち紙幣識別機1全体が浮き上がる)。
【0035】
この時、紙幣識別機1の下部を構成する位置決め固定部9の取り付け状態が解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へと落下することとなる。
【実施例2】
【0036】
図5はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例2を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0037】
この実施例2に記載したものも、実施例1に記載したものと同一の作用効果を奏するが、実施例1と構造が異なるところは、変形部31を構成するスリットの形成方向が、実施例1のスリット30は取付け孔5から位置決め支承部6の上端に連通するように形成したが、実施例2のスリット50は、図5で示すように、取付け孔5から位置決め支承部6の側方端に連通するように形成した点が異なるのみである。
【0038】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点も実施例1と同一である。
【0039】
なお、上述した取付け孔5から位置決め支承部6の側方端に連通するように形成したスリット50を有する変形部31も、実施例1に記載したものと同様に、変形部31のスリット50の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット50が脱落するので、実施例1に記載したものと同一の作用効果を奏する。
【実施例3】
【0040】
図6はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例3を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0041】
この実施例3に記載したものは、実施例1、実施例2に記載した変形部31がスリット30,50を構成要素とするのに対し、図6で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成され、またこの位置決め支承部6の取付け孔5周辺には、当該取付け孔5周を囲むように上部取付け板4を貫通する破断案内孔60の変形部31が形成されている。
【0042】
なお、上述した取付け孔6周辺に形成された変形部31である破断案内孔60は、図6で示すようにL字状でもよく、また長孔形状、あるいはミシン孔でもよい。
【0043】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1、実施例2と同一である。
【0044】
この実施例3の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれて破壊されようとすると、その際、取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、図6に示す変形部31の破断案内孔60に沿って破断し、これにより紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離する(紙幣識別機1の上部の取り付け状態が解除される)。
【0045】
これにより、紙幣識別装置1全体が、その下部の部分(位置決め固定部9)を軸として後方へ傾斜する。
【0046】
次に、バール等の工具41を矢印A方向へさらに力を加えてさらに破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する (即ち紙幣識別機1全体が浮き上がる)。
【0047】
この時、紙幣識別機1の下部を構成する位置決め固定部9の取り付け状態が解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へと落下することとなる。
【実施例4】
【0048】
図7はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例4を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0049】
この実施例4に記載したものは、図7で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成されており、またこの位置決め支承部6には蛇行形成された板70からなる変形部31が形成されている。
【0050】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1乃至実施例3と同一である。
【0051】
この実施例4の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10内に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれ外力を受けて破壊されようとすると、図7で示す位置決め支承部6が、変形部31である蛇行形成された板70がその長手方向へ広がることによって弾性変形する。
【0052】
すると、紙幣識別機1は機器筐体10の内側へ逃げることとなって、これによりバール等の工具41が差し込まれる等の外力による影響を可及的に低減させて紙幣識別機1の損傷を可及的に防止することとなる。
【実施例5】
【0053】
図8はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例5を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0054】
この実施例5に記載したものは、図8で示すように、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、合成樹脂等の材質により別部品の変形部80として形成され、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に着脱自在に取付けられたものである。
【0055】
なお、図示は省略されているが、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1乃至実施例4と同一である。
【0056】
そして、図9で示すように、別部品の変形部80として形成された、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6は、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に形成された断面コの字形嵌挿部4aと側方部4bとに嵌挿して位置決め支承されている。
【0057】
図10は別部品の変形部80として形成された、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6の拡大斜視図で、変形部80の底部81は、図9に示すコの字形嵌挿部4aに嵌着支承される部分であり、側方に形成された溝部82は図9に示す上部取付け板4の側方部4bを嵌挿するものである。
【0058】
また底部81からは、一対の細い脚部83が立設され、この脚部83上の部分に取付け孔5が形成されている。
【0059】
この実施例5の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10内に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれ外力を受けて破壊されようとすると、図10で示す変形部80の一対の細い脚部83が弾性変形あるいは破断する。
【0060】
すると、紙幣識別機1は機器筐体10の内側へ逃げることとなって、これによりバール等の工具41が差し込まれる等の外力による影響を可及的に低減させて紙幣識別機1の損傷を可及的に防止することとなる。
【実施例6】
【0061】
図11は本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例6を説明する紙幣識別機1の概念背面図で、図1乃至図10と同一部分を同一符号で示す。
【0062】
この実施例6は本願の第2の発明として記載したもので、図11で示すように、ネジが嵌挿する位置決め支承部6、即ちネジが嵌挿する取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、両端に環状のリング91、92を有する金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90として形成されている。
【0063】
この金属製のコイルバネ93からなる変形部90は、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4と下部取付け板7に、それぞれ2箇所づつ合計4箇所に配設され、一方のリング92に嵌挿するネジ94により上部取付け板4と下部取付け板7とにそれぞれ螺着されている。
【0064】
なお、上述した金属製のコイルバネ93からなる変形部90は図11の要部破断面図で示す図12のように、コイルバネ93の中心軸方向に対して平行に環状のリング91、92が形成され、このうち、一方のリング92が螺着される位置の上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方には、前記ネジ94が螺着する雌ネジ部95が形成され、この雌ネジ部95に螺合する前記ネジ94により金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90は前記上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方に螺着され、そこに固定される。なお、図12は上部取付け板4に形成された雌ネジ部95を代表して示したものである。
【0065】
また、図13は、上述したネジが嵌挿する取付け孔5が形成された位置決め支承部6である、金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90を取付けた状態を示す紙幣識別機1の側面図である。
【0066】
この実施例6の場合は、図14で示すように、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、位置決め支承部6である変形部90の他方のリング91(図11参照)により形成された取付け孔5内にネジ20を嵌挿させて紙幣識別機1を取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41を差込み、これにより外力を受けて破壊しようとすると、位置決め支承部6である変形部90のコイルバネ93(図11)は、外力を受けると外力の方向へ上下左右に伸縮するので、紙幣識別機1は外カの加わった方向へ移動して、その外力を吸収するので、バール等の工具41による外カを破壊したい箇所に集中させにくくなり破壊行為を未然に防ぐことができる。また、外カによってコイルバネ93が破断した場合には、紙幣識別機1は自動販売機等の機器筐体10の内部へ脱落し、この場合も、紙幣識別機1が、自動販売機等の機器筐体10の開口部から紙幣挿入口2が離間して、バール等の工具41による破壊行為が出来なくなる。
【0067】
また、特に実施例6の場合は、、バール等の工具41による破壊行為において、その破壊カを集中させることが難しいので破壊行為に手間と時間がかかり、悪戯が未遂となる可能性が極めて高くなる。
【0068】
なお、上記実施例では、金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90を図12で示すように、コイルバネ93の両端に、コイルバネの中心軸方向に対して平行となるように一対の環状のリング91、92を形成するようにしたが、この発明に係る変形部90は上記実施例に限定されることなく、図11と同一部分を同一符号で示す図15、図15の側面図で示す図16、および図15の背面図で示す図17で示すように、コイルバネ93の一端に、当該コイルバネ93の中心軸方向に対して直角に形成された環状のリング部100(図16)と、コイルバネ93の他端に当該コイルバネ93の中心軸方向に対して平行なU字形状部101(図15,図17)を形成するようにしてもよい。
【0069】
この場合、変形部90の一方に形成された環状のリング部100は、上部取付け板4と下部取付け板7の両端に形成された各折れ曲がり部4a(7a)に形成された雌ネジ部(図示せず)に螺合するネジ94により、上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方に2箇所づつ合計4箇所に螺着する。
【0070】
そして、上記実施例では、コイルバネ93の中心軸方向に対して平行なU字形状部101に、図14で示すネジ20を嵌挿させて、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に取付けるようにする。
【0071】
なお、上記実施例の場合は、コイルバネ93の軸心方向に対して平行なU字形状部101にネジ20を嵌挿させて自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に取付けるので、図14に示すバール等の工具41による破壊行為において、U字形状部101にネジ20を嵌挿させて取付けているので、この部分が前述した環状のリング部91と比較して脱落しやすく、紙幣識別機1は自動販売機等の機器筐体10の内部へより一層簡単に脱落し、紙幣識別機1の損傷を可及的に保護することもできる。なお、上記実施例では、別部品の変形部90を金属製のコイルバネ93により構成したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、例えば金属製の板バネにより構成するようにしてもよい。
【実施例7】
【0072】
図18は本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例7を説明する紙幣識別機1の概念背面斜視図で、図1乃至図17と同一部分を同一符号で示す。
【0073】
この実施例7は本願の第3の発明として記載したもので、図18で示すように、ネジが嵌挿する位置決め支承部6、即ちネジが嵌挿する取付け孔5、およびネジが嵌挿するU字形状の溝8が形成された位置決め支承部6が、紙幣識別機1とは別体に形成され、かつ変形部200を介して前記紙幣識別機1の上面1aと下面1bとにそれぞれ着脱自在に取付けられた構造をしている。
【0074】
上述した位置決め支承部6は断面L字形状に形成され、また変形部200は、各位置決め支承部6の底面に突設されたフック部201であって、先端が二つ割れに形成され、かつ先端全体が略半球形に形成されたフック部201と、このフック部201が嵌着係合する前記紙幣識別機1の上面1aと下面1bとに形成された係合孔202とから構成されている。なお、前記フック部201は弾性があって変形しても復元する樹脂等で形成されている。
【0075】
なお、本願では、前記変形部200を構成するフック部201と係合孔202との組み合わせをスナップ手段210という。
【0076】
そして、図18の要部破断拡大図で示す図19のように、上述した変形部200を構成する紙幣識別機1の上面1aおよび下面1bの係合孔202にフック部201を矢印のように嵌着係合させることにより各位置決め支承部6を紙幣識別機1の上面1aと下面1bとに位置決め配置する。なお、図19に示すように、フック部201は、先端が半球状の突起形状となっており、中心部に切り込みがあり、また先端が鋭角になっているので、フック部201の弾性によって、当該フック部201が係合孔202内に人の手による弱い力で嵌着係合するが、係合を解除する場合には、一定以上の外力が必要となる。
【0077】
その後、図20で示すように、スナップ手段210を介して取付けた位置決め支承部6のU字形状の溝8(取付け孔5)を介してネジ20を嵌挿させ、そのネジ20をネジ止め式の取付け部12に螺着して、紙幣識別機1を自動販売機等の機器内に取付ける。
【0078】
この実施例7の場合は、図21で示すように、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、位置決め支承部6の取付け孔5内、およびU字形状の溝8内にネジ20を嵌挿させて紙幣識別機1を取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41を差込み、これにより外力を受けて破壊しようとすると、紙幣識別機1の上部の位置決め支承部6に配設された変形部200であるスナップ手段210(図20)へ外カが加わることで、当該スナップ手段210のフック部201が変形して、係合孔202から脱落して分離し、位置決め支承部6と紙幣識別機1との取り付け状態が解除される。
【0079】
これにより、紙幣識別機1全体が当該紙幣識別機1の下面1b配設された位置決め支承部6を軸として後方へ傾斜する。
【0080】
次に、パール等の工具41を矢印A方向へかけてさらに力を加え、紙幣識別機1を破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する(浮き上がる)。この時、紙幣識別機1の下部の位置決め支承部6に配設された変形部200であるスナップ手段110(図20)へ外カが加わることで、当該スナップ手段210のフック部201が係合孔202から脱落して分離し、紙幣識別機1全体が自動販売機の内部へと落下する。
【0081】
よって、自動販売機から紙幣識別機1の紙幣挿入口2が離れて、バール等の工具41による破壊行為が出来なくなる。
【0082】
なお、脱落した紙幣識別機1は、再ぴフック部201を係合孔202へ挿入することにより、機器10内に容易に取り付け直すことが可能である。
【0083】
従って、上記実施例7に記載したものでは、スナップ手段210のフック部201と係合孔202との嵌着係合、およびその解除を行うことにより自動販売機の筐体10に対する取付け状態を変化させることが可能なので、破壊行為が未遂に終わった後、部品交換を行うことなく、再び自動販売機に紙幣識別機1を取付けることが可能となる。
【0084】
なお、上記実施例では、先端が二つ割れに形成され、かつ先端全体が略半球形に形成されたフック部201とを使用するようにしたが、この発明は、上記実施例に限定されることなく、要はフック部201は係合孔202に対して嵌着係合と、その係合解除を行うことができればよいから、このような機能を満たすものであればその形状はいかなる形状でもよい。
【0085】
また、上記実施例では、位置決め支承部6にフック部201を設け、紙幣識別機1側に係合孔202を設けるようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、紙幣識別機1側にフック部201を設け、位置決め支承部6側に係合孔202を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本願発明は、破壊を目的とした外力が紙幣識別機に加わった際に、当該紙幣識別機を自動販売機の筐体内部へ逃がして、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させるようにした紙幣識別機の取付け構造に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造を適用した実施例1の紙幣識別機の概念斜視図。
【図2】図2はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図3】図3は図2の要部拡大断面図。
【図4】図4は図2の要部拡大断面図。
【図5】図5は本願の実施例2を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図6】図6は本願の実施例3を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図7】図7は本願の実施例4を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図8】図8は本願の実施例5を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図9】図9は本願の実施例5を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図10】別部品としての変形部の拡大斜視図。
【図11】図11は本願の実施例6を示す紙幣識別機の背面図。
【図12】図12は図11の要部破断拡大図。
【図13】図13は本願の実施例6を示す紙幣識別機の側面図。
【図14】図14は本願の実施例6に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図15】図15は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断正面図。
【図16】図16は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断側面図。
【図17】図17は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断背面図。
【図18】図18は本願の実施例7を示す紙幣識別機の概念組立斜視図。
【図19】図19は図18の要部拡大断面図。
【図20】図20は図18の要部拡大断面図。
【図21】図21は本願の実施例7に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図22】図22は従来の紙幣識別機の取付け構造を適用した紙幣識別機の正面図。
【図23】図23は従来の紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【符号の説明】
【0088】
1…紙幣識別機
5…取付け孔
6…位置決め支承部
10…自動販売機等の機器筐体
12…ネジ止め式の取付け部
20…ネジ
31,80、90、200…変形部
30,50…スリット
60…破断案内孔
70…取付け孔を有する蛇行形成された板
93…コイルバネ
91,92,100…ネジ嵌挿用のリング
101…ネジ嵌挿用のU字形状部
201…フック部
202…係合孔
210…スナップ手段
【技術分野】
【0001】
この発明は紙幣識別機の取付け構造に係り、特に自動販売機や両替機等の機器筐体内部に取り付け、盗難防止を図る紙幣識別機の取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図22で示すように、自動販売機や両替機等の機器筐体内に搭載された紙幣識別機1は、紙幣挿入口2より挿入された紙幣の真偽を識別した後、紙幣を紙幣収容部3内へ収納するものであり、自動販売機などの機器筐体内部の壁面(扉の内側の面を含む)に取付けられている。
【0003】
また図23の要部破断面図で示すように、自動販売機等の機器筐体10側には、紙幣識別機1の取付け位置に、開口部11が設けられており、紙幣識別機1を筐体10内部に取付けると、自動販売機の外部から開口部11を介して紙幣識別機1の紙幣投入口2が設けられた部分が露出するようになっている。
【0004】
そして、タイプやメーカーの異なる紙幣識別機と自動販売機同士が自由に取付けられるように自動販売機と紙幣識別機の取付け部分は、自動販売機業界で共通化されており、図22で示すように、自動販売機は内部壁面に紙幣識別装置をネジによって取付けられるよう、上下2箇所づつ、計4箇所に雌ネジ部が形成された断面L形状の板材からなるネジ止め式の取付け部12が設けられている。
【0005】
一方、紙幣識別機1には前記ネジ止め式の取付け部12に位置決め支承させて固定できるよう、図22で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には長孔の取付け孔5からなる位置決め支承部6が設けられ、下部取付け板7にはU字の切り込み8からなる位置決め固定部9が設けられており、図23のごとく紙幣識別機1を自動販売機等の機器筐体10内へネジ20を介して位置決め支承するようになっている。
【0006】
しかし、近年、自動販売機の筐体10の開口部11から紙幣識別機1の紙幣挿入口2へバールなどの工具を差し込んで、紙幣識別機1を破壊する悪戯が多発している。
【0007】
この問題を解決するため、紙幣識別機の紙幣挿入口に対して自動販売機等の機器筐体の内部方向へ外力が加わった場合に、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が各種提案されている。
【0008】
このような紙幣識別機の取付け装置として、特開平09-270039公報には、自動販売機の紙幣識別機取付け箇所に対して、紙幣識別機の下端を回動可能に枢着するとともに、自動販売機の紙幣識別機の上端部を取り付ける箇所には、紙幣職別機と係合し機器筐体の壁側へ紙幣誠別機の上部をバネのカで付勢するようにして紙幣識別機を係止する係留装置を設け、紙幣識別機の紙幣挿入口に対して筐体の内部方向へ外カが加わった場合に、紙幣識別機の上端と係留装置との係止が外れ、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようする紙幣識別機の取付装置が開示されている。
【0009】
また特開2004-213282公報には、自動販売機の紙幣識別機の上端部を取り付ける箇所と下端部を取り付ける箇所に、紙幣識別機を筐体の壁側へ付勢するように紙幣識別機を係止する板バネからなる係留装置を設け、紙幣職別機の紙幣挿入口に対して筐体の内部方向へ外カが加わった場合に、紙幣識別機の上端および下端と係留装置との係止が外れ、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が開示されている。
【0010】
また特開2004-295768公報には、自動販売機の紙幣識別機取り付け箇所と紙幣識別機の取付け板にネジが貫通する孔を設け、(一般的な自動販売機は、紙幣識別装置の取り付け部にネジ止め部があるが、特開2004-295768公報では単なるボルトやネジが貫通する孔になっている。)この自動販売機側の孔と紙幣識別機側の孔を重ね合わせ、ネジまたはボルトを嵌挿し、ネジ先端側からスペーサーをはめ込んで、ボルト又はネジの溝にスペーサーを食い込ませて紙幣識別機を自動販売機の筐体の壁面へ取付け、紙幣識別機の紙幣挿入口から筐体の内部方向へ外力が加わった場合に、スペーサーがボルトから外れることによって、紙幣識別機を後方へ(筐体の内側へ)逃がして紙幣識別機が破壊されないようにした紙幣識別機の取付け装置が開示されている、
【特許文献1】特開平09-270039公報
【特許文献2】特開2004-213282公報
【特許文献3】特開2004-295768公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前記特許文献1乃至3に開示された、自動販売機の筐体内部へ紙幣識別装置を逃がす為の取付け装置は、いずれも、自動動販売機等の機器筐体側へ該取付け装置を設けており、既に出荷されて市場にある従来の「ネジ止め式の取付部を有する自動販売機」に対して、前記各特許文献1乃至3に記載されたような、紙幣識別機の取付け装置を後付(追加)することが出来ない難点がある。
【0012】
このため、上記各特許文献に記載されたような従来の紙幣識別機の破壊防止対策は、市場の「ネジ止め式の取付け部を有する自動販売機」に対して実施出来ない問題があった。
【0013】
この発明は上述した事情に鑑み、従来からある、ネジ止め式の取付け部を有する自動販売機等の機器筐体内に取付けられ、かつ紙幣識別機に破壊を目的とした外力が加わった際に、当該紙幣識別機を自動販売機の筐体内部へ逃がして、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させるようにした紙幣識別機の取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本願の第1の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、取付け孔が形成された位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該取付け孔内を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部の取付け孔周辺が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に変形部を形成し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【0015】
また、本願の第2の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に別部品の変形部を配設し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【0016】
また、本願の第3の発明では、自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、前記位置決め支承部を別部品とし、かつ該位置決め支承部を前記紙幣識別機の上下面に、外力が加わった際に変形あるいは脱落する変形部を介して取付け、これにより前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしている。
【発明の効果】
【0017】
上述した、本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造によると、紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、位置決め支承部の変形部により取付け孔周辺が変形もしくは破断し、これにより紙幣識別機を自動販売機等の機器筐体の内側へ退避可能にさせることができるから、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させ、これにより破壊を目的とした外力による紙幣識別機の損傷を可及的に防止することができる。
【0018】
また従来の自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部にネジ止めされる紙幣識別機の位置決め支承部に、変形もしくは破断する変形部を介在させるようにしたから、自動販売機等の機器筐体側を改造することなく、外力による損傷防止機能を有する紙幣識別機を取付けることができるため設備投資コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の一実施例を詳述する。
【実施例1】
【0020】
図1は本願の第1の発明に係る紙幣識別機の取付け構造を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図11と同一部分を同一符号で示す。
【0021】
図1に示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成されており、またこの位置決め支承部6には、取付け孔6から位置決め支承部6の上端に連通するスリット30により構成された変形部31が形成されている。
【0022】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。
【0023】
次に上述したスリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の作用を説明する。
【0024】
図2は、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6と、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって取付けた状態を示す概念図である。
【0025】
なお、図3は、紙幣識別機1の下部である、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体10のネジ止め式の取付け部12に取付けた状態を示す要部拡大断面図であって、スペーサー40を介してネジ20で取り付けた図であり、また図4は、紙幣識別機1の下部である、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体11のネジ止め式の取付け部12に取付けた状態を示す要部拡大断面図であって、スペーサー40を介さずに、そのままネジ20で取り付けた状態を示す要部拡大図である。
【0026】
なお本実施例に記載した紙幣識別機1が取り付けられる自動販売機の機器筐体10内には、紙幣識別機1を取り付けるスペースが確保されており、紙幣識別機1をこの機器筐体10内へ取り付けた際にも、紙幣識別機1の上部と後方部に若干の空問を有する。
【0027】
次に作用を説明する。
【0028】
図2に示すように、紙幣挿入口11ヘバール等の工具41を差し込んで紙幣識別機1を破壊しようとすると、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6のうち、変形部31のスリット30(図1参照)の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット30が脱落し、そのため紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離して位置決め支承状態から解除される。
【0029】
なお、図3に示すように、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9をネジ20によって機器筐体11のネジ止め式の取付け部12にスペーサー40を介してネジ20で取り付けた場合、スペーサー40は、紙幣識別機1の下部取付け板7の板厚より若干厚い幅(0.1ミリ程度)を有し、ネジ20で締め付けて取り付けた際に、ネジ20と機器筐体10の取り付け板10a側との問の距離が、紙幣識別機1の下部取付け板7の厚さより広くなり、このため紙幣識別機1の下部取付け構造は、自助販売機等の機器筐体10に完全に固着されるのではなく、遊びが出来ている。
【0030】
この図3のように紙幣識別機1の下部を取り付けると、図2に示すように、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6による紙幣識別機1の上部の取付けが解除されたときに、紙幣識別機1が筐体10の後方へ倒れ、バール等の工具により矢印A方向へ外力が加わると、紙幣識別機1全体が上方へ移動する(即ち紙幣識別機全体が上方へ浮き上がる)。これにより、容易に図3に示す紙幣識別機1の下部の取付け構造も解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へ落下することとなる。
【0031】
なお、図4に示すように、識別機1の下部をスペーサー40を介さずに、そのままネジ20で取り付けた場合、ネジ20の締め付けカが強いと、紙幣識別機1が機器筐体10内の後方へ倒れなくなったり、外部から外カが加わっても、紙幣識別機1の上部の取付状態が解除されない場合もあるので、ネジ20の締め付けカを弱くして、ネジ緩み防止剤等で固定するようにする。
【0032】
即ち、図2で示すように、紙幣識別機1の紙幣挿入口2ヘバール等の工具41を差し込んで破壊行為がなされた場合、まず、スリット30により構成された変形部31を有する紙幣識別機1の位置決め支承部6のうち、変形部31のスリット30(図1参照)の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット30が脱落し、そのため紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離して、位置決め支承状態から解除される。
【0033】
これにより、紙幣識別装置1全体が、その下部の部分を軸として後方へ傾斜する。
【0034】
次に、バール等の工具41を矢印A方向へさらに力を加えてさらに破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する (即ち紙幣識別機1全体が浮き上がる)。
【0035】
この時、紙幣識別機1の下部を構成する位置決め固定部9の取り付け状態が解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へと落下することとなる。
【実施例2】
【0036】
図5はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例2を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0037】
この実施例2に記載したものも、実施例1に記載したものと同一の作用効果を奏するが、実施例1と構造が異なるところは、変形部31を構成するスリットの形成方向が、実施例1のスリット30は取付け孔5から位置決め支承部6の上端に連通するように形成したが、実施例2のスリット50は、図5で示すように、取付け孔5から位置決め支承部6の側方端に連通するように形成した点が異なるのみである。
【0038】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点も実施例1と同一である。
【0039】
なお、上述した取付け孔5から位置決め支承部6の側方端に連通するように形成したスリット50を有する変形部31も、実施例1に記載したものと同様に、変形部31のスリット50の部分は容易にその幅が拡大して変形し、若しくは破断するため、ネジ20から幅が拡大したスリット50が脱落するので、実施例1に記載したものと同一の作用効果を奏する。
【実施例3】
【0040】
図6はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例3を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0041】
この実施例3に記載したものは、実施例1、実施例2に記載した変形部31がスリット30,50を構成要素とするのに対し、図6で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4には、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成され、またこの位置決め支承部6の取付け孔5周辺には、当該取付け孔5周を囲むように上部取付け板4を貫通する破断案内孔60の変形部31が形成されている。
【0042】
なお、上述した取付け孔6周辺に形成された変形部31である破断案内孔60は、図6で示すようにL字状でもよく、また長孔形状、あるいはミシン孔でもよい。
【0043】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1、実施例2と同一である。
【0044】
この実施例3の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれて破壊されようとすると、その際、取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、図6に示す変形部31の破断案内孔60に沿って破断し、これにより紙幣識別機1の上部は機器筐体10から分離する(紙幣識別機1の上部の取り付け状態が解除される)。
【0045】
これにより、紙幣識別装置1全体が、その下部の部分(位置決め固定部9)を軸として後方へ傾斜する。
【0046】
次に、バール等の工具41を矢印A方向へさらに力を加えてさらに破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する (即ち紙幣識別機1全体が浮き上がる)。
【0047】
この時、紙幣識別機1の下部を構成する位置決め固定部9の取り付け状態が解除され、紙幣識別機1全体が機器筐体10の内部へと落下することとなる。
【実施例4】
【0048】
図7はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例4を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0049】
この実施例4に記載したものは、図7で示すように、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が形成されており、またこの位置決め支承部6には蛇行形成された板70からなる変形部31が形成されている。
【0050】
なお、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1乃至実施例3と同一である。
【0051】
この実施例4の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10内に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれ外力を受けて破壊されようとすると、図7で示す位置決め支承部6が、変形部31である蛇行形成された板70がその長手方向へ広がることによって弾性変形する。
【0052】
すると、紙幣識別機1は機器筐体10の内側へ逃げることとなって、これによりバール等の工具41が差し込まれる等の外力による影響を可及的に低減させて紙幣識別機1の損傷を可及的に防止することとなる。
【実施例5】
【0053】
図8はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例5を説明する紙幣識別機1の概念斜視図で、図1と同一部分を同一符号で示す。
【0054】
この実施例5に記載したものは、図8で示すように、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、合成樹脂等の材質により別部品の変形部80として形成され、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に着脱自在に取付けられたものである。
【0055】
なお、図示は省略されているが、紙幣識別機1のハウジングを構成する下部取付け板7には従来と同様に、U字の切り込み8からなる位置決め固定部9が形成されている。この点は実施例1乃至実施例4と同一である。
【0056】
そして、図9で示すように、別部品の変形部80として形成された、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6は、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4に形成された断面コの字形嵌挿部4aと側方部4bとに嵌挿して位置決め支承されている。
【0057】
図10は別部品の変形部80として形成された、ネジが嵌挿する長孔からなる取付け孔5が形成された位置決め支承部6の拡大斜視図で、変形部80の底部81は、図9に示すコの字形嵌挿部4aに嵌着支承される部分であり、側方に形成された溝部82は図9に示す上部取付け板4の側方部4bを嵌挿するものである。
【0058】
また底部81からは、一対の細い脚部83が立設され、この脚部83上の部分に取付け孔5が形成されている。
【0059】
この実施例5の場合は、図2で示すように、ネジ20で紙幣識別機1を機器筐体10内に取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41が差し込まれ外力を受けて破壊されようとすると、図10で示す変形部80の一対の細い脚部83が弾性変形あるいは破断する。
【0060】
すると、紙幣識別機1は機器筐体10の内側へ逃げることとなって、これによりバール等の工具41が差し込まれる等の外力による影響を可及的に低減させて紙幣識別機1の損傷を可及的に防止することとなる。
【実施例6】
【0061】
図11は本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例6を説明する紙幣識別機1の概念背面図で、図1乃至図10と同一部分を同一符号で示す。
【0062】
この実施例6は本願の第2の発明として記載したもので、図11で示すように、ネジが嵌挿する位置決め支承部6、即ちネジが嵌挿する取付け孔5が形成された位置決め支承部6が、両端に環状のリング91、92を有する金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90として形成されている。
【0063】
この金属製のコイルバネ93からなる変形部90は、紙幣識別機1のハウジングを構成する上部取付け板4と下部取付け板7に、それぞれ2箇所づつ合計4箇所に配設され、一方のリング92に嵌挿するネジ94により上部取付け板4と下部取付け板7とにそれぞれ螺着されている。
【0064】
なお、上述した金属製のコイルバネ93からなる変形部90は図11の要部破断面図で示す図12のように、コイルバネ93の中心軸方向に対して平行に環状のリング91、92が形成され、このうち、一方のリング92が螺着される位置の上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方には、前記ネジ94が螺着する雌ネジ部95が形成され、この雌ネジ部95に螺合する前記ネジ94により金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90は前記上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方に螺着され、そこに固定される。なお、図12は上部取付け板4に形成された雌ネジ部95を代表して示したものである。
【0065】
また、図13は、上述したネジが嵌挿する取付け孔5が形成された位置決め支承部6である、金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90を取付けた状態を示す紙幣識別機1の側面図である。
【0066】
この実施例6の場合は、図14で示すように、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、位置決め支承部6である変形部90の他方のリング91(図11参照)により形成された取付け孔5内にネジ20を嵌挿させて紙幣識別機1を取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41を差込み、これにより外力を受けて破壊しようとすると、位置決め支承部6である変形部90のコイルバネ93(図11)は、外力を受けると外力の方向へ上下左右に伸縮するので、紙幣識別機1は外カの加わった方向へ移動して、その外力を吸収するので、バール等の工具41による外カを破壊したい箇所に集中させにくくなり破壊行為を未然に防ぐことができる。また、外カによってコイルバネ93が破断した場合には、紙幣識別機1は自動販売機等の機器筐体10の内部へ脱落し、この場合も、紙幣識別機1が、自動販売機等の機器筐体10の開口部から紙幣挿入口2が離間して、バール等の工具41による破壊行為が出来なくなる。
【0067】
また、特に実施例6の場合は、、バール等の工具41による破壊行為において、その破壊カを集中させることが難しいので破壊行為に手間と時間がかかり、悪戯が未遂となる可能性が極めて高くなる。
【0068】
なお、上記実施例では、金属製のコイルバネ93からなる別部品の変形部90を図12で示すように、コイルバネ93の両端に、コイルバネの中心軸方向に対して平行となるように一対の環状のリング91、92を形成するようにしたが、この発明に係る変形部90は上記実施例に限定されることなく、図11と同一部分を同一符号で示す図15、図15の側面図で示す図16、および図15の背面図で示す図17で示すように、コイルバネ93の一端に、当該コイルバネ93の中心軸方向に対して直角に形成された環状のリング部100(図16)と、コイルバネ93の他端に当該コイルバネ93の中心軸方向に対して平行なU字形状部101(図15,図17)を形成するようにしてもよい。
【0069】
この場合、変形部90の一方に形成された環状のリング部100は、上部取付け板4と下部取付け板7の両端に形成された各折れ曲がり部4a(7a)に形成された雌ネジ部(図示せず)に螺合するネジ94により、上部取付け板4と下部取付け板7の各両側方に2箇所づつ合計4箇所に螺着する。
【0070】
そして、上記実施例では、コイルバネ93の中心軸方向に対して平行なU字形状部101に、図14で示すネジ20を嵌挿させて、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に取付けるようにする。
【0071】
なお、上記実施例の場合は、コイルバネ93の軸心方向に対して平行なU字形状部101にネジ20を嵌挿させて自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に取付けるので、図14に示すバール等の工具41による破壊行為において、U字形状部101にネジ20を嵌挿させて取付けているので、この部分が前述した環状のリング部91と比較して脱落しやすく、紙幣識別機1は自動販売機等の機器筐体10の内部へより一層簡単に脱落し、紙幣識別機1の損傷を可及的に保護することもできる。なお、上記実施例では、別部品の変形部90を金属製のコイルバネ93により構成したが、この発明は上記実施例に限定されることなく、例えば金属製の板バネにより構成するようにしてもよい。
【実施例7】
【0072】
図18は本願発明に係る紙幣識別機の取付け構造の実施例7を説明する紙幣識別機1の概念背面斜視図で、図1乃至図17と同一部分を同一符号で示す。
【0073】
この実施例7は本願の第3の発明として記載したもので、図18で示すように、ネジが嵌挿する位置決め支承部6、即ちネジが嵌挿する取付け孔5、およびネジが嵌挿するU字形状の溝8が形成された位置決め支承部6が、紙幣識別機1とは別体に形成され、かつ変形部200を介して前記紙幣識別機1の上面1aと下面1bとにそれぞれ着脱自在に取付けられた構造をしている。
【0074】
上述した位置決め支承部6は断面L字形状に形成され、また変形部200は、各位置決め支承部6の底面に突設されたフック部201であって、先端が二つ割れに形成され、かつ先端全体が略半球形に形成されたフック部201と、このフック部201が嵌着係合する前記紙幣識別機1の上面1aと下面1bとに形成された係合孔202とから構成されている。なお、前記フック部201は弾性があって変形しても復元する樹脂等で形成されている。
【0075】
なお、本願では、前記変形部200を構成するフック部201と係合孔202との組み合わせをスナップ手段210という。
【0076】
そして、図18の要部破断拡大図で示す図19のように、上述した変形部200を構成する紙幣識別機1の上面1aおよび下面1bの係合孔202にフック部201を矢印のように嵌着係合させることにより各位置決め支承部6を紙幣識別機1の上面1aと下面1bとに位置決め配置する。なお、図19に示すように、フック部201は、先端が半球状の突起形状となっており、中心部に切り込みがあり、また先端が鋭角になっているので、フック部201の弾性によって、当該フック部201が係合孔202内に人の手による弱い力で嵌着係合するが、係合を解除する場合には、一定以上の外力が必要となる。
【0077】
その後、図20で示すように、スナップ手段210を介して取付けた位置決め支承部6のU字形状の溝8(取付け孔5)を介してネジ20を嵌挿させ、そのネジ20をネジ止め式の取付け部12に螺着して、紙幣識別機1を自動販売機等の機器内に取付ける。
【0078】
この実施例7の場合は、図21で示すように、自動販売機等の機器筐体10の内部壁面に形成された4箇所のネジ止め式の取付け部12に、位置決め支承部6の取付け孔5内、およびU字形状の溝8内にネジ20を嵌挿させて紙幣識別機1を取付けた後、紙幣挿入口2にバール等の工具41を差込み、これにより外力を受けて破壊しようとすると、紙幣識別機1の上部の位置決め支承部6に配設された変形部200であるスナップ手段210(図20)へ外カが加わることで、当該スナップ手段210のフック部201が変形して、係合孔202から脱落して分離し、位置決め支承部6と紙幣識別機1との取り付け状態が解除される。
【0079】
これにより、紙幣識別機1全体が当該紙幣識別機1の下面1b配設された位置決め支承部6を軸として後方へ傾斜する。
【0080】
次に、パール等の工具41を矢印A方向へかけてさらに力を加え、紙幣識別機1を破壊しようとすると、工具41の外カにより、紙幣識別機1の全体が上方へ移動する(浮き上がる)。この時、紙幣識別機1の下部の位置決め支承部6に配設された変形部200であるスナップ手段110(図20)へ外カが加わることで、当該スナップ手段210のフック部201が係合孔202から脱落して分離し、紙幣識別機1全体が自動販売機の内部へと落下する。
【0081】
よって、自動販売機から紙幣識別機1の紙幣挿入口2が離れて、バール等の工具41による破壊行為が出来なくなる。
【0082】
なお、脱落した紙幣識別機1は、再ぴフック部201を係合孔202へ挿入することにより、機器10内に容易に取り付け直すことが可能である。
【0083】
従って、上記実施例7に記載したものでは、スナップ手段210のフック部201と係合孔202との嵌着係合、およびその解除を行うことにより自動販売機の筐体10に対する取付け状態を変化させることが可能なので、破壊行為が未遂に終わった後、部品交換を行うことなく、再び自動販売機に紙幣識別機1を取付けることが可能となる。
【0084】
なお、上記実施例では、先端が二つ割れに形成され、かつ先端全体が略半球形に形成されたフック部201とを使用するようにしたが、この発明は、上記実施例に限定されることなく、要はフック部201は係合孔202に対して嵌着係合と、その係合解除を行うことができればよいから、このような機能を満たすものであればその形状はいかなる形状でもよい。
【0085】
また、上記実施例では、位置決め支承部6にフック部201を設け、紙幣識別機1側に係合孔202を設けるようにしたが、この発明は上記実施例に限定されることなく、紙幣識別機1側にフック部201を設け、位置決め支承部6側に係合孔202を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本願発明は、破壊を目的とした外力が紙幣識別機に加わった際に、当該紙幣識別機を自動販売機の筐体内部へ逃がして、紙幣識別機に対する外力の影響を可及的に低減させるようにした紙幣識別機の取付け構造に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造を適用した実施例1の紙幣識別機の概念斜視図。
【図2】図2はこの発明に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図3】図3は図2の要部拡大断面図。
【図4】図4は図2の要部拡大断面図。
【図5】図5は本願の実施例2を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図6】図6は本願の実施例3を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図7】図7は本願の実施例4を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図8】図8は本願の実施例5を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図9】図9は本願の実施例5を示す紙幣識別機の概念斜視図。
【図10】別部品としての変形部の拡大斜視図。
【図11】図11は本願の実施例6を示す紙幣識別機の背面図。
【図12】図12は図11の要部破断拡大図。
【図13】図13は本願の実施例6を示す紙幣識別機の側面図。
【図14】図14は本願の実施例6に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図15】図15は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断正面図。
【図16】図16は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断側面図。
【図17】図17は、実施例6に係るバネの他の実施態様を示す紙幣識別機の要部破断背面図。
【図18】図18は本願の実施例7を示す紙幣識別機の概念組立斜視図。
【図19】図19は図18の要部拡大断面図。
【図20】図20は図18の要部拡大断面図。
【図21】図21は本願の実施例7に係る紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【図22】図22は従来の紙幣識別機の取付け構造を適用した紙幣識別機の正面図。
【図23】図23は従来の紙幣識別機の取付け構造を採用した紙幣識別機を機器筐体内に装着した状態を示す概念断面図。
【符号の説明】
【0088】
1…紙幣識別機
5…取付け孔
6…位置決め支承部
10…自動販売機等の機器筐体
12…ネジ止め式の取付け部
20…ネジ
31,80、90、200…変形部
30,50…スリット
60…破断案内孔
70…取付け孔を有する蛇行形成された板
93…コイルバネ
91,92,100…ネジ嵌挿用のリング
101…ネジ嵌挿用のU字形状部
201…フック部
202…係合孔
210…スナップ手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、取付け孔が形成された位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該取付け孔内を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部の取付け孔周辺が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に変形部を形成し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項2】
前記変形部は、前記取付け孔から前記位置決め支承部の上端に連通するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項3】
前記変形部は、前記取付け孔から前記位置決め支承部の側方端に連通するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項4】
前記変形部は、前記位置決め支承部の取付け孔の周辺を囲むように形成された破断案内孔であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項5】
前記変形部は、前記取付け孔を有する蛇行形成された板であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項6】
前記変形部は、前記紙幣識別機に着脱自在に装着され、前記取付け孔が形成された別部品であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項7】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に別部品の変形部を配設し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項8】
前記変形部は、前記位置決め支承部に着脱自在に装着されたバネであることを特徴とする請求項7に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項9】
前記バネは、両端に中心軸線に平行な環状のネジ嵌挿用のリングが形成されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項10】
前記バネは、一端に中心軸方向に対して直角に形成された環状のネジ嵌挿用のリングと他端に中心軸方向に対して平行なネジ嵌挿用のU字形状部が形成されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項11】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記位置決め支承部を別部品とし、かつ該位置決め支承部を前記紙幣識別機の上下面に、外力が加わった際に変形あるいは脱落する変形部を介して取付け、これにより前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項12】
前記変形部は、フック部と、該フックが嵌着係合可能で、しかも分離可能な係合孔とからなるスナップ手段であることを特徴とする請求項11に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項1】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、取付け孔が形成された位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該取付け孔内を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部の取付け孔周辺が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に変形部を形成し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項2】
前記変形部は、前記取付け孔から前記位置決め支承部の上端に連通するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項3】
前記変形部は、前記取付け孔から前記位置決め支承部の側方端に連通するスリットであることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項4】
前記変形部は、前記位置決め支承部の取付け孔の周辺を囲むように形成された破断案内孔であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項5】
前記変形部は、前記取付け孔を有する蛇行形成された板であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項6】
前記変形部は、前記紙幣識別機に着脱自在に装着され、前記取付け孔が形成された別部品であることを特徴とする請求項1に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項7】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に、前記位置決め支承部が変形もしくは破断するように前記位置決め支承部に別部品の変形部を配設し、これにより、前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項8】
前記変形部は、前記位置決め支承部に着脱自在に装着されたバネであることを特徴とする請求項7に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項9】
前記バネは、両端に中心軸線に平行な環状のネジ嵌挿用のリングが形成されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項10】
前記バネは、一端に中心軸方向に対して直角に形成された環状のネジ嵌挿用のリングと他端に中心軸方向に対して平行なネジ嵌挿用のU字形状部が形成されたコイルバネであることを特徴とする請求項8に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【請求項11】
自動販売機等の機器筐体内に配設されたネジ止め式の取付け部に、ネジが嵌挿する位置決め支承部を有する紙幣識別機を、該位置決め支承部を嵌挿するネジを用いて前記ネジ止め式の取付け部分に螺着して前記機器筐体内部に位置決め支承させるようにした紙幣識別機の取付け構造において、
前記位置決め支承部を別部品とし、かつ該位置決め支承部を前記紙幣識別機の上下面に、外力が加わった際に変形あるいは脱落する変形部を介して取付け、これにより前記紙幣識別機に対し破壊を目的とした外力が加わった際に前記紙幣識別機を前記機器筐体の内側へ退避可能にさせるようにしたことを特徴とする紙幣識別機の取付け構造。
【請求項12】
前記変形部は、フック部と、該フックが嵌着係合可能で、しかも分離可能な係合孔とからなるスナップ手段であることを特徴とする請求項11に記載の紙幣識別機の取付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2008−97552(P2008−97552A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284848(P2006−284848)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000152859)株式会社日本コンラックス (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000152859)株式会社日本コンラックス (24)
【Fターム(参考)】
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