説明

紙葉類処理システム及び紙葉類処理装置

【課題】安価に実現可能な紙葉類処理システムを提供すること。
【解決手段】紙葉類処理システムは、未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御手段(制御PC1)と、外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御手段の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送手段(画像転送PC2)と、前記転送手段により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理手段(認識・蓄積・打鍵PC3)とを備え、前記処理手段の夫々は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理(打鍵処理)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順次搬送される郵便物等の紙葉類の画像を認識し紙葉類を区分する紙葉類処理システム及び紙葉類処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、区分システムは、紙葉類の画像から認識する区分先を示す情報(区分情報)に基づいて紙葉類を区分する区分機と、区分機で区分情報が認識出来なかった紙葉類の区分先を示す情報を人手で入力するコーディングシステム(VCS)とを有している。上記区分機は、紙葉類上の画像を読み取ってオンラインOCRにて区分先を示す情報(区分情報)の認識処理を行い、この認識結果に基づいて紙葉類を区分する。このため、上記オンラインOCRでは、上記紙葉類の搬送時間に基づく所定時間に区分情報を認識する。また、上記オンラインOCRにより上記所定時間内に区分情報が認識できなった場合、当該紙葉類の画像は、ビデオコーディングシステムに送られる。上記ビデオコーディングシステムは、上記オンラインOCRにて区分情報が認識できなかった紙葉類の画像を一旦蓄積し、複数のビデオコーディングディスク(VCD)へ分配する蓄積分配装置を有している。このビデオコーディングシステムでは、蓄積分配装置に蓄積した画像をビデオコーディングディスクに分配し、各ビデオコーディングディスクでオペレータが区分情報の打鍵入力処理を行うようになっている。
【0003】
また、最近、上記蓄積分配装置にオフラインOCRを接続し、上記蓄積分配装置からビデオコーディングディスクとオフラインOCRとへ画像を分配するものがある。このようなオフラインOCRでは、上記オンラインOCRでの認識処理よりも多くの処理時間をかけることができるため、上記オンラインOCRよりも認識率が高い。このため、最近では、オペレータの負担を軽減することを目的として、ビデオコーディングディスクと並行してオフラインOCRを設置した区分システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−211095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のビデオコーディングシステムでは、上記したオフラインOCR、ビデオコーディングなどの各処理ごとに専用のPC(パーソナルコンピュータ)が用いられている。このため、蓄積分配装置の負荷が大きくなっている。つまり、蓄積分配装置のディスク保存負荷、ビデオコーディングディスクへの画像転送負荷などが、接続区分機数に比例して増大し、実現に多大なコストがかかる。また、それぞれの処理に専用PCを用意するので、保守性の悪化、現地保守部品のとして多様なPCを保持せねばならず、コストの増大につながる。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、安価に実現可能な紙葉類処理システム及び紙葉類処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の紙葉類処理システム及び紙葉類処理装置は、以下のように構成されている。
【0008】
(1)この発明の紙葉類処理システムは、未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御手段と、外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御手段の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送手段と、前記転送手段により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理手段とを備え、前記処理手段の夫々は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行する。
【0009】
(2)この発明の紙葉類処理装置は、転送手段により転送される未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識するオンライン認識処理と前記オンライン認識処理より認識処理の上限時間の長いオフライン認識処理、前記オンライン又は前記オフライン認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行可能に構成された紙葉類処理装置であって、前記オンライン認識処理及び前記オフライン認識処理を実行していない場合に受け取ったオフライン認識処理の指示に基づき、未認識の紙葉類画像を蓄積している場合には、蓄積された未認識の紙葉類画像に含まれる情報を前記オフライン認識処理により認識し、また、未認識の紙葉類画像を蓄積していない場合には、前記オンライン認識処理と前記オフライン認識処理、前記蓄積処理、及び前記入力処理を実行可能に構成された他の紙葉類処理装置により蓄積された未認識の紙葉類画像を受信し、受信した未認識の紙葉類画像に含まれる情報を前記オフライン認識処理により認識する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、安価に実現可能な紙葉類処理システム及び紙葉類処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施形態に係る集中判別システム(紙葉類処理システム)の概略構成を示す図である。
【図2】画像転送PCの動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】認識・蓄積・打鍵PCのオンライン認識処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】認識・蓄積・打鍵PCの打鍵処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】認識・蓄積・打鍵PCのオフラインの認識処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】認識・蓄積・打鍵PCの画像転送処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】制御PCによる割り当て処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】制御PCの打鍵画像指示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】制御PCによるオフラインの認識指示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、この発明の実施形態に係る集中判別システム(紙葉類処理システム)の概略構成を示す図である。図1に示すように、集中判別システムは、制御手段(制御端末)としての制御PC1、画像転送手段(画像転送端末)としての画像転送PC2、処理手段(処理端末)としての複数の認識・蓄積・打鍵PC3の三種類のPCを備えている。
【0014】
紙葉類処理システムは、順次搬送される紙葉類の画像を認識し紙葉類を区分するシステムである。制御PC1は、未認識の紙葉類画像の転送先を制御する。画像転送PC2は、区分機から未認識の紙葉類画像を順次受信し、制御PC1の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する。認識・蓄積・打鍵PC3は、画像転送PC2により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する。
【0015】
これら三種類のPCの動作について、図2〜図9を参照して説明する。
【0016】
最初に、図2及び図7のフローチャートを参照する。図2は、画像転送PCの動作の一例を示すフローチャートである。図7は、制御PCによる割り当て処理の一例を示すフローチャートである。
【0017】
図2に示すように、各区分機から送られてきた紙葉類の画像は、それぞれ専用の画像転送PC2に送られる。画像転送PC2は、これら紙葉類の画像を受信し(ST201)、制御PC1へ分配先の認識・蓄積・打鍵PC3を問い合わせる(ST202)。
【0018】
図7に示すように、制御PC1は、画像転送PC2により分配先の問合せを受信し(ST701)、オンライン認識処理(オンラインOCR処理)及びオフライン認識処理(オフラインOCR処理)をしていない認識・蓄積・打鍵PC3を検索し(ST702)、画像転送PC2に分配先を指示する(ST703)。例えば、オンライン認識処理及びオフライン認識処理をしていない認識・蓄積・打鍵PC3が見つかれば、この認識・蓄積・打鍵PC3を分配先として指示する。オンライン認識処理及びオフライン認識処理をしていない認識・蓄積・打鍵PC3が見つからなければ、オンライン認識処理及びオフライン認識処理が比較的早く終了する認識・蓄積・打鍵PC3を検出し、この認識・蓄積・打鍵PC3を分配先として指示する。
【0019】
なお、オンライン認識処理は、紙葉類の搬送時間に基づき決定される第1の認識時間を上限とする認識処理であり、比較的、認識精度は低い。これに対して、オフライン認識処理は、紙葉類の搬送時間とは関係なく、第1の認識時間より長い第2の認識時間を上限とする認識処理であり、比較的、認識精度は高い。
【0020】
図2に示すように、画像転送PC2は、制御PC1の指示により、画像を任意の認識・蓄積・打鍵PC3に送信する(ST203)。
【0021】
続いて、図3のフローチャートを参照する。図3は、認識・蓄積・打鍵PCのオンライン認識処理の一例を示すフローチャートである。
【0022】
図3に示すように、認識・蓄積・打鍵PC3は、画像を受信し(ST301)認識する(ST302)。認識・蓄積・打鍵PC3が、画像認識に成功すれば、認識結果を制御PCに通知し、認識された画像を削除する。認識・蓄積・打鍵PC3が、画像認識に失敗すると(完全に認識できなかった場合は)、画像を保存し(自PCのHDDに保存し)(ST303)、そのことを制御PC1に通知する(ST304)。例えば、認識結果リストとして認識エラー及び認識率が制御PC1に通知される。制御PC1は、認識率に基づき、各画像に対する処理優先度を決定する。例えば、認識率の比較的高いものに高い優先度を付与し、認識率の比較的低いものに低い優先度を付与する。
【0023】
続いて、図4、図6、及び図8のフローチャートを参照する。図4は、認識・蓄積・打鍵PCの打鍵処理の一例を示すフローチャートである。図6は、認識・蓄積・打鍵PCの画像転送処理の一例を示すフローチャートである。図8は、制御PCの打鍵画像指示処理の一例を示すフローチャートである。
【0024】
図4に示すように、認識・蓄積・打鍵PC3にオペレータがログインすると(ST401)、つまり認識・蓄積・打鍵PC3がオペレータのログイン操作を受け付けると、認識・蓄積・打鍵PC3は、制御PC1へ処理対象画像を問い合わせる(ST402)。以下、この認識・蓄積・打鍵PC3を、第1の認識・蓄積・打鍵PC3と称する。
【0025】
図8に示すように、制御PC1は、第1の認識・蓄積・打鍵PC3からの処理対象画像の問合せを受信する(ST801)。制御PC1は、認識結果リストから優先度の最も高い画像を検索する(ST802)。制御PC1は、最も高い優先度の処理対象画像が、第1の認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されているか否かを判別し(ST803)、最も高い優先度の処理対象画像が、第1の認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されている場合は(ST803、YES)、第1の認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されている最も高い優先度の処理対象画像を回答する(ST804)。逆に、最も高い優先度の処理対象画像が、第1の認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されていない場合は(ST803、NO)、つまり、第1の認識・蓄積・打鍵PC3と異なる第2の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている場合は、第2の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている最も高い優先度の処理対象画像を回答する(ST805)。この場合、制御PC1は、この第2の認識・蓄積・打鍵PC3に対して、第1の認識・蓄積・打鍵PC3へ最も高い優先度の処理対象画像を送信するように要求する。
【0026】
図6に示すように、第2の認識・蓄積・打鍵PC3は、制御PC1からの画像送信要求を受信し(ST601)、打鍵用画像LANを介して、第1の認識・蓄積・打鍵PC3へ最も高い優先度の処理対象画像を送信する(ST602)。
【0027】
図4に示すように、認識・蓄積・打鍵PC3は、制御PC1からの回答を受信し(ST403)、処理対象画像が保存されている場合には(ST403、YES)、そのまま処理対象画像を読み込む(ST404)。処理対象画像が保存されていない場合(ST403、NO)、つまり処理対象画像が第2の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている場合には、打鍵用画像LANを介して第2の認識・蓄積・打鍵PC3から送信される処理対象画像を受信する(ST405)。認識・蓄積・打鍵PC3は、読み込んだ処理対象画像又は受信した処理対象画像を表示し、オペレータによる打鍵処理を受け付け(ST407)、制御PC11に対して打鍵処理結果を送信する(ST408)。
【0028】
続いて、図5、図6、及び図9を参照する。図5は、認識・蓄積・打鍵PCのオフラインの認識処理の一例を示すフローチャートである。図9は、制御PCによるオフラインの認識指示処理の一例を示すフローチャートである。
【0029】
図9に示すように、制御PC1は、認識・蓄積・打鍵PC3の処理能力に余裕があると判断すると、制御PC1は、オフラインの認識処理の実行を決定する。例えば、制御PC1は、認識処理を実行していない認識・蓄積・打鍵PC3を検出し、認識処理を実行していない認識・蓄積・打鍵PC3が一定数以上あると判断すると(ST901)、これら認識処理を実行していない認識・蓄積・打鍵PC3をリストアップし、これら認識処理を実行していない認識・蓄積・打鍵PC3にオフラインの認識処理を指示する。この場合、制御PC1は、認識結果リストから優先度の最も高い画像を検索する(ST902)。制御PC1は、最も高い優先度の処理対象画像が、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されているか否かを判別し(ST903)、最も高い優先度の処理対象画像が、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されている場合は(ST903、YES)、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されている最も高い優先度の処理対象画像を回答する(ST904)。逆に、最も高い優先度の処理対象画像が、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3(HDD)に保存されていない場合は(ST903、NO)、つまり、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3と異なる別の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている場合は、別の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている最も高い優先度の処理対象画像を回答する(ST905)。この場合、制御PC1は、この別の認識・蓄積・打鍵PC3に対して、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3へ最も高い優先度の処理対象画像を送信するように要求する。
【0030】
図6に示すように、別の認識・蓄積・打鍵PC3は、制御PC1からの画像送信要求を受信し(ST601)、打鍵用画像LANを介して、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3へ最も高い優先度の処理対象画像を送信する(ST602)。
【0031】
図5に示すように、リストアップされた認識・蓄積・打鍵PC3、つまり認識処理を実行していない認識・蓄積・打鍵PC3は、制御PC1からのオフラインの認識処理の要求を受けて(ST501)、処理対象画像が保存されている場合には(ST502、YES)、そのまま処理対象画像を読み込む(ST503)。処理対象画像が保存されていない場合(ST502、NO)、つまり処理対象画像が別の認識・蓄積・打鍵PC3に保存されている場合には、打鍵用画像LANを介して別の認識・蓄積・打鍵PC3から送信される処理対象画像を受信する(ST504)。さらに、認識・蓄積・打鍵PC3は、読み込んだ処理対象画像又は受信した処理対象画像に対してオフライン認識処理を実行する(ST505)。認識・蓄積・打鍵PC3が、オフライン認識処理に成功すれば、認識結果を制御PC1に通知し(ST506)、認識された画像を削除する。認識・蓄積・打鍵PC3が、オフライン認識処理に失敗すると(完全に認識できなかった場合は)、画像を保存し(自PCのHDDに保存し)、そのことを制御PC1に通知する(ST506)。
【0032】
上記したように、制御PC1による、打鍵処理やオフラインの認識処理の対象となる画像の優先順位は、全ての未認識画像の中から優先順位でソートして、同一優先順位の中で、画像転送が不要な画像が存在する場合は、その画像を優先する。つまり、打鍵処理やオフラインの認識処理を実行しようとする認識・蓄積・打鍵PC3が保存している画像を優先する。
【0033】
なお、打鍵処理・認識処理は、同一の認識・蓄積・打鍵PC3内で同時並行に動作させることができる。また、打鍵処理を使用しない認識・蓄積・打鍵PCは、ディスプレイ、キーボードをはずすことにより、認識・蓄積処理のみを行うPCとして機能する。
【0034】
以下に、上記実施形態をまとめる。
【0035】
画像転送PCから、認識・蓄積・打鍵PCへの画像転送の割り当ては、負荷を分散するため、システム全体で均等になるように制御する。認識・蓄積・打鍵PCで、認識処理が完了しなかった画像は、自PC内のHDDに蓄積する。オンラインでの認識処理に余裕がある場合、自PC内のHDDにある画像を優先で、オフラインの認識処理を行う。オペレータがログインした場合は、同一優先レベルの場合は、自PC内のHDDにある画像の打鍵を優先する。認識・蓄積・打鍵PCに、打鍵機能を設けないPCがある場合は、ソフトウェア、PC本体のハードウェアの構成は同一で、キーボード、CRTをつけない状態にする。認識処理(オンライン、オフライン含む)は、打鍵処理と同時平行して行う。打鍵処理や、オフラインの認識処理で用いる画像を、他の認識・蓄積・打鍵PCから転送する場合は、LANの負荷を分散させるために、打鍵用画像LANを用いる。
【0036】
これにより、以下の作用効果が得られる。
【0037】
認識・蓄積・打鍵処理を、複数の認識・蓄積・打鍵PCに分散させ、かつ、それぞれPC内で完結させることにより、蓄積分配時の画像転送負荷、蓄積時のディスク保存負荷、VCDへの画像転送負荷を分散し、現在の技術で安価に実現できるシステムの構築を可能にすることができる。
【0038】
また、用途、構成の異なる複数のPCからなる従来システムに対して、本システムは同一の機能の複数のPCにより構成されるため、保守部品を共通化でき、保守性が向上する。
【0039】
打鍵処理は、CPUへの負荷が比較的少ないので、認識処理と同時並行で行うことにより、コストの削減が可能になる。
【0040】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0041】
以下、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0042】
[1]
未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御手段と、
外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御手段の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送手段と、
前記転送手段により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理手段と、
を備え、
前記処理手段の夫々は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行することを特徴とする紙葉類処理システム。
【0043】
[2]
前記処理手段の夫々は、前記認識処理による認識完了に基づき認識結果を前記制御手段へ通知し、認識済みの紙葉類画像を削除することを特徴とする[1]に記載の紙葉類処理システム。
【0044】
[3]
前記処理手段の夫々は、前記認識処理による認識未了に基づき未認識の紙葉類画像を蓄積し、未認識の紙葉類画像の蓄積を前記制御手段へ通知することを特徴とする[2]に記載の紙葉類処理システム。
【0045】
[4]
前記処理手段の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御手段により指定される未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御手段へ通知することを特徴とする[3]に記載の紙葉類処理システム。
【0046】
[5]
前記処理手段の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御手段により優先的に指定される前記蓄積した未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御手段へ通知することを特徴とする[3]に記載の紙葉類処理システム。
【0047】
[6]
前記処理手段の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御手段により指定され他の処理手段から転送される未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御手段へ通知することを特徴とする[3]に記載の紙葉類処理システム。
【0048】
[7]
前記制御手段は、前記複数の処理手段の動作状況に応じて、未認識の紙葉類画像の転送先を決定することを特徴とする[1]に記載の紙葉類処理システム。
【0049】
[8]
未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御手段と、
外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御手段の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送手段と、
前記転送手段により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理手段と、
を備え、
前記複数の処理手段に含まれる第1の処理手段は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行し、
前記複数の処理手段に含まれる第2の処理手段は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、及びこの認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理を実行することを特徴とする紙葉類処理システム。
【0050】
[9]
未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御端末と、外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御端末の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送端末と、前記転送端末により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理端末とを備えたシステムに適用される紙葉類処理方法であって、
前記複数の処理端末の夫々は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行することを特徴とする紙葉類処理方法。
【0051】
[10]
前記処理端末の夫々は、前記認識処理による認識完了に基づき認識結果を前記制御端末へ通知し、認識済みの紙葉類画像を削除することを特徴とする[9]に記載の紙葉類処理方法。
【0052】
[11]
前記処理端末の夫々は、前記認識処理による認識未了に基づき未認識の紙葉類画像を蓄積し、未認識の紙葉類画像の蓄積を前記制御端末へ通知することを特徴とする[10]に記載の紙葉類処理方法。
【0053】
[12]
前記処理端末の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御端末により指定される未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御端末へ通知することを特徴とする[11]に記載の紙葉類処理方法。
【0054】
[13]
前記処理端末の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御端末により優先的に指定される前記蓄積した未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御端末へ通知することを特徴とする[11]に記載の紙葉類処理方法。
【0055】
[14]
前記処理手段の夫々は、オペレータのログイン操作を受け付け、前記制御端末により指定され他の処理端末から転送される未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付け、入力結果を前記制御手段へ通知することを特徴とする[11]に記載の紙葉類処理システム。
【0056】
[15]
前記制御端末は、前記各処理端末の動作状況に応じて、未認識の紙葉類画像の転送先を決定することを特徴とする[9]に記載の紙葉類処理方法。
【0057】
[16]
未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御端末と、外部から供給される未認識の紙葉類画像を順次受信し、前記制御端末の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送端末と、前記転送端末により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理端末とを備えたシステムに適用される紙葉類処理方法であって、
前記複数の処理端末に含まれる第1の処理端末は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行し、
前記複数の処理端末に含まれる第2の処理端末は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、及びこの認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理を実行することを特徴とする紙葉類処理方法。
【符号の説明】
【0058】
1…制御PC、2…画像転送PC、3…認識・蓄積・打鍵PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未認識の紙葉類画像の転送先を制御する制御手段と、
外部から供給される未認識の紙葉類画像を受信し、前記制御手段の制御に基づき未認識の紙葉類画像を転送する転送手段と、
前記転送手段により転送される未認識の紙葉類画像を受信し、この未認識の紙葉類画像を処理する複数の処理手段と、
を備え、
前記処理手段は、未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、この認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理を実行することを特徴とする紙葉類処理システム。
【請求項2】
転送手段により転送される未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識するオンライン認識処理と前記オンライン認識処理より認識処理の上限時間の長いオフライン認識処理、前記オンライン又は前記オフライン認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行可能に構成された紙葉類処理装置であって、
前記オンライン認識処理及び前記オフライン認識処理を実行していない場合に受け取ったオフライン認識処理の指示に基づき、未認識の紙葉類画像を蓄積している場合には、蓄積された未認識の紙葉類画像に含まれる情報を前記オフライン認識処理により認識し、また、未認識の紙葉類画像を蓄積していない場合には、前記オンライン認識処理と前記オフライン認識処理、前記蓄積処理、及び前記入力処理を実行可能に構成された他の紙葉類処理装置により蓄積された未認識の紙葉類画像を受信し、受信した未認識の紙葉類画像に含まれる情報を前記オフライン認識処理により認識することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項3】
転送手段により転送される未認識の紙葉類画像に含まれる情報を認識する認識処理、前記認識処理により認識不能な未認識の紙葉類画像を蓄積する蓄積処理、及び蓄積された未認識の紙葉類画像に対するオペレータ入力を受け付ける入力処理を実行可能に構成された紙葉類処理装置であって、
オペレータのログイン操作の受け付けに対応して、未認識の最優先処理の紙葉類画像を蓄積している場合には、蓄積された未認識の最優先処理の紙葉類画像を処理対象画像とし、未認識の最優先処理の紙葉類画像を蓄積していない場合には、前記オンライン認識処理と前記オフライン認識処理、前記蓄積処理、及び前記入力処理を実行可能に構成された他の紙葉類処理装置により蓄積された未認識の最優先処理の紙葉類画像を受信し、受信した未認識の最優先処理の紙葉類画像を処理対象画像とし、処理対象画像に対するオペレータ入力を受け付けることを特徴とする紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−91175(P2012−91175A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−17128(P2012−17128)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【分割の表示】特願2006−80838(P2006−80838)の分割
【原出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】