紙葉類処理装置
【課題】 紙葉類処理装置において、挿入された紙葉類を一次保留し、その挿入された紙葉類を排出しようとする際に、誤った紙葉類を排出させない。
【解決手段】 本発明は、紙葉類を搬送する搬送路と、挿入紙葉類を取り込む紙葉類挿入部と、排出対象の紙葉類を排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類及び挿入紙葉類を一時的に保留する紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、一時的に紙葉類収納部に保留された挿入紙葉類を排出しようとする際に紙葉類収納部から繰出された紙葉類が挿入紙葉類であるか否かを判定し、挿入紙葉類だけを排出する手段、又は、紙葉類収納部内でステージ上に集積された収納紙葉類と収納壁との間に挿入紙葉類が入り込むことを防ぐ手段を有することを特徴とする。
【解決手段】 本発明は、紙葉類を搬送する搬送路と、挿入紙葉類を取り込む紙葉類挿入部と、排出対象の紙葉類を排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類及び挿入紙葉類を一時的に保留する紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、一時的に紙葉類収納部に保留された挿入紙葉類を排出しようとする際に紙葉類収納部から繰出された紙葉類が挿入紙葉類であるか否かを判定し、挿入紙葉類だけを排出する手段、又は、紙葉類収納部内でステージ上に集積された収納紙葉類と収納壁との間に挿入紙葉類が入り込むことを防ぐ手段を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置に関し、例えば、鉄道の定期券等を処理する装置に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道で使用される定期券や乗車券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置としては、特許文献1に記載されている発券装置がある。
【0003】
ここでは、例として、新幹線の定期券を持った乗客に対して指定席券を発行する処理に、特許文献1に記載されている発券装置を適用した例について説明する。なお、当該発券装置には、印字および磁気記録が行われていない定期券の原券を収納するホッパ部(特許文献1における「ホッパ部24」)が備えられており、新たな定期券を発券する場合には、上述のホッパ部に収納されている定期券の原券に印字及び磁気記録を行って、発券する。
【0004】
当該発券装置では、インサータユニットに乗客から定期券が挿入されると、その定期券の磁気データが磁気リード部に読み込まれ、問題が無ければ(例えば、残り回数や残り期間が正当であれば)、上述のホッパ部に、挿入された定期券が一時的に保留される。
【0005】
その後、乗客によるボタン操作等により指定席が確定すると、当該発券装置では、新たに指定席券が作成され(ロール紙に対して印字及び磁気データの付与を行って作成)、上述のホッパ部に保留された定期券とともにインサータユニットの排出口から排出される。その後乗客により排出口から指定席券と定期券が抜き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1における上述のホッパ部のように、定期券の原券を収納するユニットでは、通常、多数の定期券の原券を載せるステージが設けられ、そのステージの軌道に沿って収納壁が配置されている。そして、ステージを上昇させて、一番上に配置している券を、ステージの上方に配置されているピックアップローラに接触させることより、装置内の搬送路へ繰り出す構造になっている。
【0008】
そして、定期券を収納する収納壁と、定期券との間にステージが動作する際の負荷を低減するように隙間が設けられている。そのため、定期券が収納されているホッパ部に、乗客が挿入した定期券が一時保留のために送られた場合、上述の隙間に、挿入した定期券が入り込んでしまうおそれがある。
【0009】
例えば、乗客が挿入した定期券にカール(曲がり)等の変形があると、上述の隙間に入り込みやすくなり、挿入した定期券が、定期券の原券の上に正確に集積されなくなる恐れがある。この場合、次に、当該発券装置において、挿入された定期券をホッパ部から繰り出す動作を行ったときに、ピックアップローラが接触するのは、挿入された定期券ではなく、定期券の原券となり、定期券の原券を繰り出してしまう恐れがある。
【0010】
そのため、挿入された紙葉類を一次保留し、その挿入された紙葉類を排出しようとする際に、誤った紙葉類を排出させない紙葉類処理装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、(1−5)上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端と、上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁との間の隙間を軽減する隙間軽減部とを有することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、(1−5)上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁の方向に、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する押圧板と、(1−6)上記押圧板を、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧するように動作させる駆動機構とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部と、当該紙葉類処理装置内で、処理対象となる紙葉類の磁気記録領域に記録された磁気データを読み込む磁気データ読取部と、当該紙葉類処理装置の各部の動作を制御する制御部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁とを有し、(2)上記制御部は、(2−1)上記挿入紙葉類を、上記紙葉類収納部に一時的に保留させたあと、上記紙葉類収納部から上記挿入紙葉類を上記搬送路に繰出させて、上記紙葉類排出部により排出させる際に、上記紙葉類収納部から上記搬送路に繰出させた繰出紙葉類に対して、上記磁気データ読取部により、磁気データの読取りを行わせ、その読取り結果に応じて上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する判定手段と、(2−2)上記判定手段により、上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であると判定された場合にのみ、上記繰出紙葉類を上記紙葉類排出部から排出させる制御を行う繰出紙葉類処理制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙葉類処理装置において、挿入された紙葉類を一次保留し、その挿入された紙葉類を排出しようとする際に、誤った紙葉類を排出させない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る紙葉類処理装置の概略側面図である。
【図2】第1の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るホッパ部において収納壁と収納券との間に挿入券が入り込んだ場合の概略側面図である。
【図4】第1の実施形態に係る紙葉類処理装置における、挿入券の処理について説明したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図6】第2の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図7】第3の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図8】第3の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図9】第4の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図10】第4の実施形態に係るホッパ部において、券押圧板が収納券を押圧する場合の概略側面図である。
【図11】第5の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図12】第5の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図13】第6の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図14】第6の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である
【図15】第7の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図16】第8の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0017】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の紙葉類処理装置1の概略側面図である。
【0018】
紙葉類処理装置1は、図示しない自動券売機内に設けられており、普通乗車券や定期乗車券、指定席券等の券類を発行するものである。
【0019】
紙葉類処理装置1には、ホッパ部10、インサータユニット20、搬送路30、印字部40、ロール紙51、52、磁気部60が備えられている。
【0020】
紙葉類処理装置1は、ハードウェア的には、既存の発券装置とほぼ同様のものを適用することができる。例えば、ホッパ部10、インサータユニット20、搬送路30、印字部40、ロール紙51、52、磁気部60としては、上述した、特許文献1に記載のものを適用することができる。
【0021】
図1では図示を省略しているが、紙葉類処理装置1には、各構成要素の動作を制御する制御部が備えられており、その制御部の処理が、特許文献1に記載の発券装置とは異なっている。紙葉類処理装置1に搭載された制御部の処理の詳細については後述する。
【0022】
また、以下の説明においては、紙葉類処理装置1への券の挿入や、紙葉類処理装置1が排出した券を抜き取る等の操作を行う者を「操作者」と呼ぶものとする。
【0023】
次に、紙葉類処理装置1の各構成要素の説明をする。
【0024】
搬送路30は、制御部の制御に応じて、紙葉類処理装置1内で処理対象となる券を搬送するものである。
【0025】
インサータユニット20は、操作者から挿入された券を取り込んだり、操作者に対して券を排出したりするものである。インサータユニット20は、操作者から挿入された券を取り込んで、搬送路30に送り、操作者に排出する券が搬送路30から送られてくると、その券を操作者に排出する。
【0026】
印字部40は、制御部の制御に応じて、搬送路30上を搬送されている券に印字するものである。
【0027】
磁気部60は、制御部の制御に応じて、搬送路30上を搬送されている券の、磁気記録領域にデータを磁気記録したり、搬送路30上を搬送されている券の磁気記録領域に書き込まれたデータ(以下、「磁気データ」という)を読み込んだりするものであり、券に磁気記録する磁気ライト部61と、券の磁気データを読み込む磁気リード部62とが備えられている。
【0028】
ホッパ部10は、印字および磁気記録が行われていない定期券の原券が収納されており、制御部の制御に応じて、搬送路30上に定期券の原券を繰り出すものである。また、ホッパ部10は、制御部の制御に応じて、操作者がインサータユニット20に挿入した定期券を一時的に保留するために収納し、その後繰出す。
【0029】
以下の説明においては、ホッパ部10にもともと収納されている定期券の原券を収納券CSと呼ぶものとする。また、操作者がインサータユニット20に挿入し、一時的にホッパ部10に保留される定期券を挿入券CIと呼ぶものとする。また、この実施形態においては、収納券と挿入券は同じ形状、材質の定期券であるものとして説明する。
【0030】
ホッパ部10に収納される定期券の形状や材質は限定されないものであるが、この実施形態では、例として、既存の鉄道において定期券として用いられるPET(Polyethylene Terephthalate)等の材料を用いた、長方形の紙葉類であるものとして説明する。
【0031】
図2は、ホッパ部10の概略側面図である。
【0032】
ホッパ部10では、図示しない駆動源で上下方向に動作可能な、上面が長方形のホッパステージ104が配置されており、ホッパステージ104の上面には、1枚以上の収納券CSが集積されている。
【0033】
ホッパステージ104の軌道の周囲の各面には、それぞれ収納壁が配置されている。言い換えると、ホッパステージ104は、4つの収納壁により構成された四角筒の内側で、上下方向に動作する。図2において、ホッパステージ104の右側に収納壁105aを配置し、左側に収納壁105bを配置するように図示しているが、手前側及び奥側の収納壁の記載を省略している。なお、ホッパ部10において、収納壁は、ホッパステージ104の軌道の周囲の全ての面(4面)に設けて良いし、一部の面を券の落下を防ぐ棒形状等のものに置き換えても良い。
【0034】
また、ホッパ部10では、フィードローラ101、リバースローラ102、ピックアップローラ103により券の出し入れが行われる。
【0035】
以下の説明では、各ローラの回転方向について、ホッパ部10に券を収納する際の回転方向を「収納方向」と呼び、ホッパ部10から券を繰出す際の回転方向を「繰出方向」と呼ぶものとする。
【0036】
フィードローラ101とリバースローラ102は、図2に示すように対向するように配置されており、ホッパ部10において、挿入券CIや収納券CS等の券を挟みこんで出し入れするローラである。
【0037】
ホッパ部10では、搬送路30から送られてきた券を収納する際には、搬送路30から送られてきた券を、フィードローラ101とリバースローラ102との間で挟み込んで、収納方向に回転してホッパ部10内に取り込み、一番上の収納券CSの上に載せる。尚、ホッパ部10では、券収納時には、ホッパステージ104の一番上に載せられた券と、ピックアップローラ103との距離が所定の距離に保たれるように、ホッパステージ104の位置が調節されている。
【0038】
ホッパ部10では、ホッパ部10に収納された券を繰出すとき(以下、「券繰出時」という)には、ホッパステージ104上の一番上の券が、ピックアップローラ103に触れるまで、ホッパステージ104が上昇する。そして、ピックアップローラ103が繰出方向に回転して、フィードローラ101及びリバースローラ102の方向にホッパステージ104上の一番上の券を送り出す。そして、フィードローラ101は、繰出方向に回転し、ピックアップローラ103により送られてきた券を、リバースローラ102との間で挟み込んで搬送路30上に繰出す。
【0039】
なお、リバースローラ102は、収納方向にのみ回転可能であり、その逆の方向には回転しないようになされている。
【0040】
図2に示すように、左側にフィードローラ101、右側にホッパステージ104となる位置から見た場合には、ピックアップローラ103の繰出方向の回転は時計回りとなる。また、この場合、フィードローラ101における繰出方向の回転は時計回りとなり、収納方向の回転は反時計回りとなる。さらに、この場合、リバースローラ102における収納方向の回転は時計回りとなる。
【0041】
ホッパ部10では、ホッパステージ104が上下動する際に、収納壁と収納券CSの端との摩擦を軽減するために、隙間が生じるように収納壁の内壁の寸法は調節されている。このため、挿入券CIをホッパ部10に収納する際に、この隙間に挿入券CIの一部又は全部が入り込んでしまう場合がある。
【0042】
図3は、ホッパ部10において挿入券CIが、収納券CSと収納壁105aの間に入り込んだ場合のホッパ部10の概略側面図である。
【0043】
ホッパ部10において挿入券CIを収納するとき(以下、「券収納時」という)に、フィードローラ101とリバースローラ102との間で挿入券CIを挟みこんで取り込むため、挿入券CIは、フィードローラ101から見て奥側の収納壁105aの方向に向かって進入してくることになる。このため、挿入券CIは、収納券CSの上に正しく集積されずに、図3に示すように、収納壁105aと収納券CSとの間に生じた隙間に一部又は全部が入り込む場合がある。
【0044】
ホッパ部10では、図3に示すように、挿入券CIが、収納壁105aと収納券CSとの間に生じた隙間に落ちた状態で、次に、挿入券CIを繰り出そうとした場合には、ホッパステージ104が上昇しても、ピックアップローラ103に接触するのは、挿入券CIではなく、収納券CSであるため、収納券CSが搬送路30上に繰り出され、インサータユニット20から排出されてしまう。
【0045】
紙葉類処理装置1では、制御部の制御により、ホッパ部10に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、磁気部60の磁気リード部62により、ホッパ部10から繰出された券の磁気データの読取りを試み、その読取り結果に応じて、その繰出された券が、正しい券(挿入券CI)であるか間違った券(収納券CS)であるかを判定する。
【0046】
そして、紙葉類処理装置1の制御部では、ホッパ部10から繰出された券が、正しい券(挿入券CI)であると判定された場合には、排出する等の通常の動作を行い、間違った券(収納券CS)であると判定された場合には、排出せずに、操作者や係員等に、図示しないアラーム通知手段によりアラームを通知するようにしても良い。図1においては、図示を省略しているが、紙葉類処理装置1に、例えば、音声出力するスピーカ、ランプ、ディスプレイ表示等のアラーム通知手段を別途備えるようにしても良い。アラーム通知後は、操作者や係員等により手動でホッパ部10から挿入券CIの抜き取り作業等が必要となる。
【0047】
紙葉類処理装置1の制御部において、排出しようとする券が、挿入券CIであるか否かを判定する方法としては、例えば、磁気データの読取り可否に応じて判定するようにしても良い。挿入券CIは既に発行されている券なので何らかの磁気データが書き込まれているが、収納券CSは上述の通り原券であるので、まだ何の磁気データも書き込まれていない。したがって、紙葉類処理装置1の制御部では、排出すようとする券の磁気データが読取れればその券は、挿入券CIであり、読取れない場合は挿入券CIでない(すなわち、収納券CSである)と判定することができる。
【0048】
紙葉類処理装置1の制御部において、排出しようとする券が、挿入券CIであるか否かを判定する方法は、その他にも、収納する前に挿入券CIの磁気データを読取っておいて排出するときに以前に読取った情報と比較したりする等、その他の処理方法により判定するようにしても良い。
【0049】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の紙葉類処理装置における挿入券の収納及び排出の動作を説明する。
【0050】
図4は、紙葉類処理装置1が挿入券の処理を行う際の、紙葉類処理装置1の制御部が行う処理について説明したフローチャートである。
【0051】
まず、操作者からインサータユニット20に挿入券CIが挿入されると(S101)、紙葉類処理装置1の制御部の制御により、その挿入券CIが、搬送路30上を搬送され、ホッパ部10に到達し、フィードローラ101及びリバースローラ102により、ホッパ部10内に取り込まれ、一時的に収納される(S102)。
【0052】
挿入券CIの収納が完了すると、紙葉類処理装置1の制御部により、紙葉類処理装置1が搭載されている自動券売機の、図示しない制御部へ収納完了が通知され(S103)、その後、自動券売機の制御部から、紙葉類処理装置1の制御部に挿入券CIの排出命令が通知されたものとする(S104)。
【0053】
排出命令の通知があると、紙葉類処理装置1の制御部により、紙葉類処理装置1内の各構成要素が制御されて、ホッパ部10に一時的に保留された挿入券CIの排出動作が開始される。そして、ホッパステージ104が上昇し、ピックアップローラ103に触れた券が分離され、搬送路30上に繰り出される(S105)。この場合、上述のステップS102の時点で、挿入券CIが収納券CSの上に正しく載せられた場合には、ステップS105で繰り出される券は、挿入券CIとなる。一方、上述のステップS102の時点で、挿入券CIが、収納壁105aと収納券CSの端との間の隙間に落ちた場合には、ステップS105で繰り出される券は、収納券CSとなる。
【0054】
次に、搬送路30上に繰り出された券について、磁気リード部62により磁気の読み取りが試みられ(S106)、紙葉類処理装置1の制御部により、挿入券CIであるか否かの判定が行われる(S107)。
【0055】
上述のステップS107において、繰り出された券が、挿入券CIであると判定された場合には、その券は、インサータユニット20まで搬送され排出される等、所定の通常時の処理が行われる(S108)。
【0056】
一方、上述のステップS107において、繰り出された券が、挿入券CIでない券(すなわち、収納券CSである)と判定された場合には、券の排出を中止し、所定のアラーム通知手段により、操作者や係員等にアラームが通知されることになる(S109)。
【0057】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0058】
紙葉類処理装置1では、制御部の制御により、ホッパ部10に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、磁気部60の磁気リード部62により、ホッパ部10から繰出された券の磁気データの読取りを試み、挿入券CIと判定できた場合にのみ、その繰出された券を排出する。これにより、例えば、挿入券CIが、誤ってホッパ部内に残留してもエラーを検出することができ、収納券CSが排出されることはなく、信頼性の高い装置が期待できる。
【0059】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0060】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の紙葉類処理装置1Aの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0061】
第2の実施形態の紙葉類処理装置1Aは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Aに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0062】
図5は、ホッパ部10Aの概略側面図である。また、図6は、ホッパ部10Aにおいて、収納されている券の繰り出し時に、ステージ補助板106が上昇した場合の概略側面図である。
【0063】
ホッパ部10Aでは、フィードローラ101から見て、ホッパステージ104の奥側に、四角形の板であるステージ補助板106が収納壁105aと並行になるように配置されている。そして、ステージ補助板106の下端は、ホッパステージ104の上面に固定されている。
【0064】
そして、ステージ補助板106には、2枚の四角形の仕切り板107a、107bが、ホッパステージ104の上面と並行になるように配置され、仕切り板107a、107bの一端は、ステージ補助板106に固定されている。図5では、仕切り板107の枚数は2枚であるものとして説明しているが、枚数は限定されないものである。
【0065】
また、仕切り板107a、107bは、図6に示すようにホッパステージ104が上昇しても、ピックアップローラ103に触れない大きさや形状である必要がある。また、ステージ補助板106と収納壁105aとの間は、ホッパステージ104が上下に動作する際に妨げにならない程度の隙間を設けることが望ましい。
【0066】
ステージ補助板106、仕切り板107a、107bの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。
【0067】
ホッパ部10Aでは、券収納時に、フィードローラ101とリバースローラ102に挿入券CIが挟みこまれて進入してきた場合、収納券CSとステージ補助板106との間の隙間に挿入券CIの一部が入り込んでも、挿入券CIの端が仕切り板107a、107b、又はステージ補助板106のいずれかに当たり、それ以上入り込まない。そして、ホッパ部10Aでは、挿入券CIの端が、仕切り板107a、107b、又はホッパステージ104のいずれかに当たった状態でも、その後、券繰出時に、ホッパステージ104が上昇した際、挿入券CIがピックアップローラ103に触れるように、仕切り板107a、107bの位置が調節されている。
【0068】
ホッパステージ104の上面から仕切り板107bまでの上下方向の間隔、仕切り板107bから仕切り板107aまでの上下方向の間隔、仕切り板107aから一番上の収納券CSまで(最大枚数まで収納券CSが集積されている場合)の上下方向の間隔が、それぞれ所定の間隔以下となるように調節されていることが望ましい。例えば、仕切り板107aと収納券CSの端との間に、挿入券CIの一部が入りこみ、挿入券CIの端が仕切り板107に当たる状態になったとしても、その状態でホッパステージ104が上昇したときに、収納券CSがピックアップローラ103に触れるように、上述の間隔が調節されていることが望ましい。例えば、挿入券CI、収納券CSのそれぞれの長手方向の寸法が85mmであり、ピックアップローラ103が通常、収納券CS(挿入券CI)の中央付近に接触する場合には、上述の間隔はそれぞれ30mm以下とすることが望ましい。
【0069】
なお、図5、図6では、仕切り板107a、107bを用いているが、収納券CSとステージ補助板106との間の隙間を埋めることができれば、他の形状のもの(例えば、1又は複数の棒形状のもの等)を適用するようにしても良い。
【0070】
(B−2)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0071】
ホッパステージ104にステージ補助板106、仕切り板107を設けたことにより、挿入券CIが、収納券CSとステージ補助板106の隙間に入り込んでも、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になる。これにより、ホッパ部10Aでは、挿入券CIを繰出そうとする際に、誤って収納券CSが繰出されることを防ぎ、装置の信頼性を高めることができる。
【0072】
(C)第3の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0073】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態の紙葉類処理装置1Bの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0074】
第3の実施形態の紙葉類処理装置1Bは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Bに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0075】
図7は、第3の実施形態のホッパ部10Bの概略側面図である。
【0076】
ホッパ部10Bでは、券ストッパ機構108が備えられている点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0077】
券ストッパ機構108には、券収納時に収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、その隙間に落ちることを防ぐ四角形の板である券ストッパ108aと、券ストッパ108aを動作させるための駆動源としてソレノイド108b、スプリング108cが備えられている。また、券ストッパ機構108には、ソレノイド108b、スプリング108cの動作を、券ストッパ108aに伝えるためのリンク108d、108eが備えられている。
【0078】
なお、収納壁105aは、券ストッパ機構108の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0079】
券ストッパ108a、リンク108d、108eの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。
【0080】
券ストッパ108aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、券収納時に収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、その隙間に落ちることを防ぐことができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0081】
券ストッパ機構108では、図示しない制御部の制御に応じて、ソレノイド108bが通電して駆動すると、券ストッパ108aが収納券CSの方向に動作し、収納券CSとの間の隙間を埋める。一方、ソレノイド108bの通電が終了して駆動も終了すると、スプリング108cの収縮力により、券ストッパ108aが収納券CSから離れる方向に動作し、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにする。
【0082】
図7では、上述のような券ストッパ108aの動作を、ソレノイド108b及びスプリング108cを駆動源として実現するための構成例について示している。
【0083】
ソレノイド108bとスプリング108cとの間は、リンク108dを介して連結されている。また、図7においては、図示を省略しているが、ソレノイド108b及びスプリング108cの、リンク108dとは連結していない側の端は、紙葉類処理装置1B内のいずれかの部分に固定されている。
【0084】
ソレノイド108bが、図示しない制御部の制御に基づいて通電し駆動すると、リンク108dは、フィードローラ101から見て奥側に引き寄せられ、ソレノイド108bが通電していない状態では、リンク108dはスプリング108cの収縮する力で、フィードローラ101から見て手前側に引き寄せられる。
【0085】
そして、リンク108dと券ストッパ108aとの間は、L字型のリンク108eを介して連結されている。リンク108eのそれぞれの端に、リンク108e、券ストッパ108aが回転自在に連結されている。また、リンク108eは、L字型の角の部分が回転軸108fを中心として回転する。図7においては、図示を省略しているが、回転軸108fは、紙葉類処理装置1B内のいずれかの部分に固定されている。すなわち、リンク108eは、回転軸108fを中心として、リンク108dの動作に応じた方向に回転する。
【0086】
図8は、ホッパ部10Bが、券繰出時(ホッパステージ104が上昇する前の状態)である場合の概略側面図である。
【0087】
ソレノイド108bが通電して駆動すると、リンク108eは図7、図8における時計回りの方向に回転し、券ストッパ108aは、収納券CSの方向に動作する。一方、ソレノイド108bの通電が停止し駆動も終了すると、リンク108eは、図7、図8における反時計回りの方向に回転し、券ストッパ108aは、収納券CSから離れる方向に動作する。
【0088】
ホッパ部10Bでは、券収納時には、券ストッパ機構108におけるソレノイド108bを駆動し、券ストッパ108aを収納券CSの方向に動作させ、収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、挿入券CIがその隙間に落ちることを防ぐ。
【0089】
一方、券繰出し時にホッパ部10Bでは、券ストッパ機構108におけるソレノイド108bは通電させずに、券ストッパ108aを収納券CSとは逆の方向に動作させた状態にし、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにしている。
【0090】
なお、第3の実施形態では、券ストッパ機構108において、ソレノイド108b及びスプリング108cを、券ストッパ108aを動作させる駆動源として利用しているが、ソレノイド108bだけを用いるようにしても良い。上記では、リンク108d、108eを介して、券ストッパ108aにソレノイド108bの駆動力を伝達しているが、ソレノイド108bに直接券ストッパ108aを連結するようにしても良い。このように、券ストッパ機構108において、券ストッパ108aを駆動させる機構は、図7の例に限定されないものである。
【0091】
(C−2)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0092】
ホッパ部10B内にソレノイド108bにより動作する券ストッパ108aを設けたことにより、挿入券CIが、ホッパステージ104上に集積された収納券CSと収納壁105aの隙間に入り込まない。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0093】
(D)第4の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0094】
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
第4の実施形態の紙葉類処理装置1Cの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0095】
第4の実施形態の紙葉類処理装置1Cは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Cに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0096】
図9は、この実施形態のホッパ部10Cの概略側面図である。
【0097】
ホッパ部10Cは、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧して、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす券押圧部109を備える点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0098】
券押圧部109は、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧する四角形の板である券押圧板109aと、リバースローラ102の回転動作を利用して、券押圧部110を動作させる機構を備えている。
【0099】
券押圧部109の材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板109aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0100】
なお、収納壁105bは、券押圧部109の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0101】
券押圧部109は、券押圧板109aとリバースローラ102とを連結させるリンク部109bを有している。
【0102】
リバースローラ102には、リバースローラ102の回転軸からはずれた部分にリンクピン102aが設けられており、リンクピン102aを用いて、リバースローラ102と券押圧板109aのリンク部109bは回転自在に連結されている。
【0103】
このように、リバースローラ102と券押圧部109(リンク部109b)とが回転自在に連結されていることにより、リバースローラ102の回転に伴って、券押圧部109(券押圧板109a)を動作させる機構が構成されている。
【0104】
図10は、ホッパ部10Cにおいて、券押圧板109aが収納券CSを押圧する場合の概略側面図である。
【0105】
券押圧部109の券押圧板109aが、リバースローラ102の回転に伴って、収納券CSを押圧する方向への動作と、収納券CSから離れる方向への動作との往復動作を繰り返すことにより、図10に示すように収納券CSは収納壁105a側に押されて、収納壁105aに突き当てられ、券押圧板109aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなる。
【0106】
券押圧板109aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置や大きさを適用することが望ましい。
【0107】
上述の通り、リバースローラ102は、収納方向にのみ回転するため、券収納時に券押圧板109aの上述の往復運動が発生し、券押圧板109aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなるため、挿入券CIが、収納券CSの端と収納壁105aとの間の隙間に落ちることを防ぐことになる。
【0108】
一方、券繰出時には、リバースローラ102は回転しないため、券押圧板109aの往復運動は発生せず、ホッパステージ104の上昇の妨げにならない。
【0109】
なお、券押圧部109では、券押圧板109aの姿勢を、垂直な状態に保つように、券押圧板109aの下部分に重りを付けたり、券押圧部109全体の重心ができるだけ下になるように、券押圧板109aの長さやリンクピン102aと連結する位置を調節することが望ましい。
【0110】
(D−2)第4の実施形態の効果
第4の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0111】
ホッパ部10Cでは、券押圧部109を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0112】
(E)第5の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第5の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0113】
(E−1)第5の実施形態の構成及び動作
第5の実施形態の紙葉類処理装置1Dの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0114】
第5の実施形態の紙葉類処理装置1Dは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Dに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0115】
図11は、この実施形態のホッパ部10Dの概略側面図である。
【0116】
ホッパ部10Dは、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧して、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす券押圧部110を備える点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0117】
券押圧部110は、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧する四角形の板である券押圧板110aを有している。また、ホッパ部10Dでは、フィードローラ101の回転動作を利用して、券押圧部110(券押圧板110a)を動作させる機構を備えている。
【0118】
券押圧部110の材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板110aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0119】
券押圧部110(券押圧板110a)を動作させる機構には、3つのギヤ111、112、113、及びリンク114が用いられている。なお、ギヤ111、112、113は歯車であるが、図11においては説明を簡易にするため、歯車の歯の図示を省略している。
【0120】
なお、収納壁105bは、券押圧部110の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0121】
ギヤ111は、フィードローラ101と同じ回転軸で回転する歯車である。なお、図11では、フィードローラ101の図示を省略している。
【0122】
ギヤ112は、ギヤ111と対向し、ギヤ111の歯と噛み合うように配置されており、ギヤ111とギヤ112の回転軸の間は、リンク114により連結されている。
【0123】
リンク114の一端は、ギヤ111と同じ回転軸に回転自在に連結されており、他方の端は、ギヤ112と同じ回転軸に回転自在に連結されている。すなわち、ギヤ112は、リンク114とギヤ111の歯によってのみ支持されており、ギヤ111の回転方向に応じて、ギヤ111の周りを移動する。
【0124】
ギヤ113は、移動するギヤ112と接触し歯が噛み合っている間、ギヤ112の回転に伴って回転する歯車である。ギヤ113には、回転軸からずれた位置に、券押圧部110と連結するためのリンクピン113aが備えられている。また、図示は省略しているが、ギヤ113の回転軸は、紙葉類処理装置1D内のいずれかの部分に固定されているものとする。
【0125】
券押圧部110は、ギヤ113のリンクピン113aと回転自在に連結するリンク部110bも有している。
【0126】
このように、ギヤ113と券押圧部110(リンク部110b)とが回転自在に連結されていることにより、ギヤ113の回転に伴って、券押圧部110(券押圧板110a)が動作する。
【0127】
券押圧部110の券押圧板110aは、ギヤ113の回転に伴って、挿入券CIの方向への動作と、挿入券CIから離れる方向への動作の往復運動を繰り返す。券押圧板110aが、上述の往復運動することにより、収納券CSは券押圧板110aにより、収納壁105a側に押されて、収納壁105aに突き当てられ、券押圧板110aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなる。
【0128】
券押圧板110aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置に配置することが望ましい。
【0129】
図12は、ホッパ部10Dが券繰出時(ホッパステージ104が上昇する前の状態)である場合の概略側面図である。
【0130】
ギヤ112は、ギヤ111がフィードローラ101の繰出方向(図11、図12では、時計回り)に回転する力により発生する回転モーメントと図示せぬ負荷機構とにより、図12に示すようにギヤ111を中心としてギヤ113から離れる方向(図11、図12では、反時計回り)に動作する。また、ギヤ112は、ギヤ111がフィードローラ101の収納方向(図11、図12では、反時計回り)に回転すると、ギヤ111を中心としてギヤ113の方向(図11、図12では、反時計回り)に動作して、ギヤ112とギヤ113とは接触する。
【0131】
上述の通り、ギヤ113は、ホッパ部10Dの券収納時にのみ、ギヤ112と接触して回転するため、挿入券CIをホッパ部10C内に取り込む際に、券押圧板110aの往復運動が発生する。一方、券繰出時には、図12に示すようにギヤ113はギヤ112と接触せず回転しないため、券押圧板110aの往復運動は発生せず、ホッパステージ104の上昇の妨げにならない。
【0132】
このように、券押圧部110では、ギヤ112が、券収納時にのみギヤ111の回転動作をギヤ113に伝える切替機構として機能している。なお、上述のような切替機構としては、例えば、ギヤ112を電磁ソレノイドを用いて移動させる等、他の方法により実現するようにしても良い。
【0133】
なお、券押圧部110では、券押圧板110aの姿勢を、垂直な状態に保つように、券押圧板110aの下部分に重りを付けたり、券押圧部110全体の重心ができるだけ下になるように、券押圧板110aの長さやリンクピン113aと連結する位置を調節することが望ましい。
【0134】
(E−2)第5の実施形態の効果
第5実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0135】
ホッパ部10Dでは、券押圧部110を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0136】
(F)第6の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第6の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0137】
(F−1)第6の実施形態の構成及び動作
第6の実施形態の紙葉類処理装置1Eの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0138】
第6の実施形態の紙葉類処理装置1Eは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Eに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0139】
図13は、この実施形態のホッパ部10Eの概略側面図である。
【0140】
ホッパ部10Eでは、券押圧機構115が備えられている点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0141】
券押圧機構115には、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する四角形の板である券押圧板115aと、券押圧板115aを動作させるための駆動源として、ソレノイド115b、スプリング115cが備えられている。また、券押圧機構115には、ソレノイド115b、スプリング115cの動作を、券押圧板115aに伝えるためのリンク115d、115eが備えられている。
【0142】
券押圧板115a、リンク115d、115eの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板115aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0143】
なお、収納壁105bは、券押圧機構115の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0144】
券押圧機構115では、図示しない制御部の制御に応じて、ソレノイド115bが通電して駆動すると、券押圧板115aが収納券CSの方向に動作し、収納券CSを押圧する。一方、ソレノイド115bの通電が終了して駆動も終了すると、スプリング115cの収縮力により、券押圧板115aが収納券CSから離れる方向に動作し、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにする。
【0145】
なお、券押圧板115aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置や大きさを適用することが望ましい。
【0146】
図13では、上述のような券押圧板115aの動作を、ソレノイド115b及びスプリング115cを駆動源として実現するための構成例について示している。
【0147】
リンク115dの一端には、ソレノイド115bが連結されており、他方の端には、L字型のリンク115eの端が回転自在に連結されている。リンク115eの他方の端には、券押圧板115aが連結されている。そして、リンク115eのL字型の角の部分には、スプリング115cの一端が固定されている。
【0148】
また、図13においては、図示を省略しているが、ソレノイド115b及びスプリング115cの、リンクとは連結していない側の端は、紙葉類処理装置1E内のいずれかの部分に固定されている。すなわち、リンク115eは、ソレノイド115bの動作に伴って回転し、その回転により券押圧板115aを動作させる。
【0149】
ソレノイド115bが通電し駆動すると、リンク115dは、ソレノイド115bの側に引き寄せられ、L字型のリンク115eが図13における時計回りに回転して、リンク115eに連結された券押圧板115aは、収納券CSの方向に動作し、収納券CSを押圧する。
【0150】
一方、ソレノイド115bの通電が停止し駆動も終了すると、リンク115eは、スプリング115cの収縮力により引き寄せられ、L字型のリンク115eが図13における反時計回りに回転して、リンク115eに連結された券押圧板115aは、収納券CSから離れた方向に動作する。
【0151】
ホッパ部10Eでは、券収納時には、券押圧機構115におけるソレノイド115bを駆動し、券押圧板115aを収納券CSの方向に動作させ、収納券CSを押圧する。
【0152】
図14は、ホッパ部10Eが券繰出時である場合(ホッパステージ104が上昇する前の状態)の概略側面図である。
【0153】
一方、券繰出し時にホッパ部10Eでは、券押圧機構115におけるソレノイド115bは通電させずに、図14に示すように券押圧板115aを収納券CSとは逆の方向に動作させた状態にし、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにしている。
【0154】
なお、第6の実施形態では、券押圧機構115において、ソレノイド115b及びスプリング115cを、券押圧板115aを動作させる駆動源として利用しているが、ソレノイド115bだけを用いるようにしても良い。上記では、リンク115d、115eを介して、券押圧板115aにソレノイド115bの駆動力を伝達しているが、ソレノイド115bに券押圧板115aを連結するようにしても良い。このように、券押圧機構115において、券押圧板115aを駆動させる機構は、図13の例に限定されないものである。
【0155】
(F−2)第6の実施形態の効果
第6の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0156】
ホッパ部10Eにおいて、券押圧機構115を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0157】
(G)第7の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第7の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0158】
第7の実施形態の紙葉類処理装置1Fの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0159】
図15は、この実施形態のホッパ部10Fの概略側面図である。
【0160】
第7の実施形態の紙葉類処理装置1Fは、上述の第4の実施形態のホッパ部10Cにおいて、券押圧部109が券押圧部116に置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0161】
券押圧部116は、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する券押圧板116aと、券押圧板116aとリバースローラ102とを連結させるリンク部116bを有している。
【0162】
券押圧部116は、図示しないレールにより支持されており、上記レールにより、券押圧板116aが、垂直の姿勢を保ったまま、図15における左右方向にのみ動作する点で第4の実施形態の券押圧部109と異なっている。
【0163】
これにより、券押圧部116では、券押圧板116a等の姿勢を安定させ、確実に収納券CSを押圧することができ、さらに、ホッパステージ104等の他の構成要素の動作を妨げることを防ぐことができる。
【0164】
また、リバースローラ102の回転に伴って、リンクピン102aが、左右方向に動作すると共に、上下方向にも動作するが、券押圧部116では上記レールにより上下方向への動作が規制されている。リンク部116bでは、このリンクピン102aの上下方向の動作を吸収するために、リンクピン102aと連結するための孔として縦溝116cが備えられている点で第4の実施形態の券押圧部109と異なっている。
【0165】
これにより、リンクピン102aの上下動はこの縦溝116cの範囲内で行われ、券押圧部116にはリンクピン102aによる上下方向の力は制限され、スムーズに動作させることができる。
【0166】
(H)第8の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第8の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0167】
第8の実施形態の紙葉類処理装置1Gの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0168】
図16は、この実施形態のホッパ部10Gの概略側面図である。
【0169】
第8の実施形態の紙葉類処理装置1Gは、上述の第5の実施形態のホッパ部10Dにおいて、券押圧部110が券押圧部117に置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0170】
券押圧部117は、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する券押圧板117aと、券押圧板117aとギヤ113とを連結させるリンク部117bを有している。
【0171】
券押圧部117は、図示しないレールにより支持されており、上記レールにより、券押圧板117aが、垂直の姿勢を保ったまま、左右方向にのみ動作する点で第5の実施形態の券押圧部110と異なっている。
【0172】
これにより、券押圧部117では、券押圧板117a等の姿勢を安定させ、確実に収納券CSを押圧することができ、さらに、ホッパステージ104等の他の構成要素の動作を妨げることを防ぐことができる。
【0173】
また、ギヤ113の回転に伴って、リンクピン113aが左右方向に動作すると共に、上下方向にも動作するが、券押圧部117では上記レールにより上下方向への動作が規制されている。リンク部117bでは、このリンクピン113aの上下方向の動作を吸収するために、リンクピン113aと連結するための孔として縦溝117cが備えられている点で第5の実施形態の券押圧部110と異なっている。
【0174】
これにより、リンクピン113aの上下動はこの縦溝117cの範囲内で行われ、券押圧部117にはリンクピン113aによる上下方向の力は制限され、スムーズに動作させることができる。
【0175】
(I)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0176】
(I−1)上記の各実施形態において、本発明の紙葉類処理装置は、上述の通り自動券売機内に設けられているものであるため、処理対象となる紙葉類は、乗車券や定期券、指定席券等の券であるものとして説明しているが、その他の紙葉類の処理に適用するようにしても良い。例えば、紙幣、カード類、小切手等の有価証券が挙げられる。
【0177】
例えば、自動券売機以外の自動取引装置に本発明の紙葉類処理装置を適用した場合には、ホッパ部に予め収納している収納紙葉類と、操作者が挿入した挿入紙葉類を一時的にホッパ部に収納する処理があった場合、確実に挿入紙葉類と収納紙葉類とを区別して排出すことができる。
【0178】
(I−2)第1の実施形態では、紙葉類処理装置1に挿入券CIが挿入された場合と、排出しようとする場合で、同じ磁気部60(磁気リード部62)を用いているが、挿入券CIを排出しようとする際にのみ用いる別の磁気リード部(磁気リードヘッド)を設けるようにしても良い。例えば、図1において、搬送路30上のホッパ部10の出口付近に別の磁気リード部を設けるようにしても良い。
【0179】
これにより、例えば、紙葉類処理装置で、挿入券CIと共に、新たにロール紙から切り取った券に印字、磁気記録等を施してから排出しようとする場合(例えば、挿入された定期券と指定席券を排出しようとする場合)に、挿入券CIの処理や搬送路30上の運搬と、新たに発行する券の処理や搬送路30上の運搬とを、並行して行うことができる。これにより、紙葉類処理装置1における処理速度を向上させることができる。
【0180】
また、図1のように、紙葉類処理装置1で、磁気リード部62よりも磁気ライト部61の方が、ホッパ部10から見て搬送路30上の手前にある場合に、磁気リード部62で挿入券CIであるか否かの判定を行った後、磁気ライト部61による書込みも必要になると、搬送路30による搬送方向を逆転させる処理が必要になる。しかしながら、上述のように、別の磁気リード部(磁気リードヘッド)を設けるようにすれば、搬送路30による搬送方向の逆転は必要なくなるので、紙葉類処理装置1における処理速度を向上させることができる。
【0181】
(I−3)上記の各実施形態では、紙葉類処理装置において、制御部の制御により、ホッパ部に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、ホッパ部から繰出された券の磁気データの読取り結果に基づいて、挿入券CIと判定できた場合にのみ、その繰出された券を排出しているが、上述の制御部の処理については、第2〜第8の実施形態では行わないようにしても良い。
【0182】
(I−4)第2の実施形態において、仕切り板107は、ステージ補助板106に固定されているものとして説明したが、例えば、図示しないレールや溝をステージ補助板106に設けて、仕切り板107がステージ補助板106上で、上下に移動可能な構造で連結するようにしても良い。
【0183】
これにより、ホッパステージ104上に、収納券CSを補充する際に、仕切り板107の位置を補充作業者の所望の位置に移動させることができるので、補充作業にあたって仕切り板107が邪魔にならず、補充作業を容易にすることができる。
【0184】
(I−5)第2の実施形態において、仕切り板107の形状について、例えば、ホッパステージ104上に、収納券CSを補充する際に、補充作業者が収納券CSを補充する方向に向かって厚さが徐々に薄くなるテーパを設けるようにしても良い。例えば、図2に示すホッパ部10において、手前の方向から収納券CSを挿入して補充可能である場合には、仕切り板107に、手前の方向に向かって徐々に厚さが薄くなるテーパを設けるようにしても良い。
【0185】
これにより、補充作業者が収納券CSを補充する際に、仕切り板107の間ごとではなく、一度にまとめて補充しようとする場合に、仕切り板107が邪魔にならず、補充作業を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0186】
1…紙葉類処理装置、10…ホッパ部、101…フィードローラ、102…リバースローラ、103…ピックアップローラ、104…ホッパステージ、105a、105b…収納壁、20…インサータユニット、30…搬送路、40…印字部、51、52…ロール紙、60…磁気部、61…磁気ライト部、62…磁気リード部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置に関し、例えば、鉄道の定期券等を処理する装置に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道で使用される定期券や乗車券等の紙葉類を処理する紙葉類処理装置としては、特許文献1に記載されている発券装置がある。
【0003】
ここでは、例として、新幹線の定期券を持った乗客に対して指定席券を発行する処理に、特許文献1に記載されている発券装置を適用した例について説明する。なお、当該発券装置には、印字および磁気記録が行われていない定期券の原券を収納するホッパ部(特許文献1における「ホッパ部24」)が備えられており、新たな定期券を発券する場合には、上述のホッパ部に収納されている定期券の原券に印字及び磁気記録を行って、発券する。
【0004】
当該発券装置では、インサータユニットに乗客から定期券が挿入されると、その定期券の磁気データが磁気リード部に読み込まれ、問題が無ければ(例えば、残り回数や残り期間が正当であれば)、上述のホッパ部に、挿入された定期券が一時的に保留される。
【0005】
その後、乗客によるボタン操作等により指定席が確定すると、当該発券装置では、新たに指定席券が作成され(ロール紙に対して印字及び磁気データの付与を行って作成)、上述のホッパ部に保留された定期券とともにインサータユニットの排出口から排出される。その後乗客により排出口から指定席券と定期券が抜き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−318680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1における上述のホッパ部のように、定期券の原券を収納するユニットでは、通常、多数の定期券の原券を載せるステージが設けられ、そのステージの軌道に沿って収納壁が配置されている。そして、ステージを上昇させて、一番上に配置している券を、ステージの上方に配置されているピックアップローラに接触させることより、装置内の搬送路へ繰り出す構造になっている。
【0008】
そして、定期券を収納する収納壁と、定期券との間にステージが動作する際の負荷を低減するように隙間が設けられている。そのため、定期券が収納されているホッパ部に、乗客が挿入した定期券が一時保留のために送られた場合、上述の隙間に、挿入した定期券が入り込んでしまうおそれがある。
【0009】
例えば、乗客が挿入した定期券にカール(曲がり)等の変形があると、上述の隙間に入り込みやすくなり、挿入した定期券が、定期券の原券の上に正確に集積されなくなる恐れがある。この場合、次に、当該発券装置において、挿入された定期券をホッパ部から繰り出す動作を行ったときに、ピックアップローラが接触するのは、挿入された定期券ではなく、定期券の原券となり、定期券の原券を繰り出してしまう恐れがある。
【0010】
そのため、挿入された紙葉類を一次保留し、その挿入された紙葉類を排出しようとする際に、誤った紙葉類を排出させない紙葉類処理装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、(1−5)上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端と、上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁との間の隙間を軽減する隙間軽減部とを有することを特徴とする。
【0012】
第2の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、(1−5)上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁の方向に、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する押圧板と、(1−6)上記押圧板を、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧するように動作させる駆動機構とを有することを特徴とする。
【0013】
第3の本発明の紙葉類処理装置は、当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部と、当該紙葉類処理装置内で、処理対象となる紙葉類の磁気記録領域に記録された磁気データを読み込む磁気データ読取部と、当該紙葉類処理装置の各部の動作を制御する制御部とを備える紙葉類処理装置において、(1)上記紙葉類収納部は、(1−1)1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、(1−2)上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、(1−3)一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、(1−4)上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁とを有し、(2)上記制御部は、(2−1)上記挿入紙葉類を、上記紙葉類収納部に一時的に保留させたあと、上記紙葉類収納部から上記挿入紙葉類を上記搬送路に繰出させて、上記紙葉類排出部により排出させる際に、上記紙葉類収納部から上記搬送路に繰出させた繰出紙葉類に対して、上記磁気データ読取部により、磁気データの読取りを行わせ、その読取り結果に応じて上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する判定手段と、(2−2)上記判定手段により、上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であると判定された場合にのみ、上記繰出紙葉類を上記紙葉類排出部から排出させる制御を行う繰出紙葉類処理制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紙葉類処理装置において、挿入された紙葉類を一次保留し、その挿入された紙葉類を排出しようとする際に、誤った紙葉類を排出させない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る紙葉類処理装置の概略側面図である。
【図2】第1の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るホッパ部において収納壁と収納券との間に挿入券が入り込んだ場合の概略側面図である。
【図4】第1の実施形態に係る紙葉類処理装置における、挿入券の処理について説明したフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図6】第2の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図7】第3の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図8】第3の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図9】第4の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図10】第4の実施形態に係るホッパ部において、券押圧板が収納券を押圧する場合の概略側面図である。
【図11】第5の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図12】第5の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である。
【図13】第6の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図14】第6の実施形態に係るホッパ部が券繰出時である場合の概略側面図である
【図15】第7の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【図16】第8の実施形態に係るホッパ部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0017】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の紙葉類処理装置1の概略側面図である。
【0018】
紙葉類処理装置1は、図示しない自動券売機内に設けられており、普通乗車券や定期乗車券、指定席券等の券類を発行するものである。
【0019】
紙葉類処理装置1には、ホッパ部10、インサータユニット20、搬送路30、印字部40、ロール紙51、52、磁気部60が備えられている。
【0020】
紙葉類処理装置1は、ハードウェア的には、既存の発券装置とほぼ同様のものを適用することができる。例えば、ホッパ部10、インサータユニット20、搬送路30、印字部40、ロール紙51、52、磁気部60としては、上述した、特許文献1に記載のものを適用することができる。
【0021】
図1では図示を省略しているが、紙葉類処理装置1には、各構成要素の動作を制御する制御部が備えられており、その制御部の処理が、特許文献1に記載の発券装置とは異なっている。紙葉類処理装置1に搭載された制御部の処理の詳細については後述する。
【0022】
また、以下の説明においては、紙葉類処理装置1への券の挿入や、紙葉類処理装置1が排出した券を抜き取る等の操作を行う者を「操作者」と呼ぶものとする。
【0023】
次に、紙葉類処理装置1の各構成要素の説明をする。
【0024】
搬送路30は、制御部の制御に応じて、紙葉類処理装置1内で処理対象となる券を搬送するものである。
【0025】
インサータユニット20は、操作者から挿入された券を取り込んだり、操作者に対して券を排出したりするものである。インサータユニット20は、操作者から挿入された券を取り込んで、搬送路30に送り、操作者に排出する券が搬送路30から送られてくると、その券を操作者に排出する。
【0026】
印字部40は、制御部の制御に応じて、搬送路30上を搬送されている券に印字するものである。
【0027】
磁気部60は、制御部の制御に応じて、搬送路30上を搬送されている券の、磁気記録領域にデータを磁気記録したり、搬送路30上を搬送されている券の磁気記録領域に書き込まれたデータ(以下、「磁気データ」という)を読み込んだりするものであり、券に磁気記録する磁気ライト部61と、券の磁気データを読み込む磁気リード部62とが備えられている。
【0028】
ホッパ部10は、印字および磁気記録が行われていない定期券の原券が収納されており、制御部の制御に応じて、搬送路30上に定期券の原券を繰り出すものである。また、ホッパ部10は、制御部の制御に応じて、操作者がインサータユニット20に挿入した定期券を一時的に保留するために収納し、その後繰出す。
【0029】
以下の説明においては、ホッパ部10にもともと収納されている定期券の原券を収納券CSと呼ぶものとする。また、操作者がインサータユニット20に挿入し、一時的にホッパ部10に保留される定期券を挿入券CIと呼ぶものとする。また、この実施形態においては、収納券と挿入券は同じ形状、材質の定期券であるものとして説明する。
【0030】
ホッパ部10に収納される定期券の形状や材質は限定されないものであるが、この実施形態では、例として、既存の鉄道において定期券として用いられるPET(Polyethylene Terephthalate)等の材料を用いた、長方形の紙葉類であるものとして説明する。
【0031】
図2は、ホッパ部10の概略側面図である。
【0032】
ホッパ部10では、図示しない駆動源で上下方向に動作可能な、上面が長方形のホッパステージ104が配置されており、ホッパステージ104の上面には、1枚以上の収納券CSが集積されている。
【0033】
ホッパステージ104の軌道の周囲の各面には、それぞれ収納壁が配置されている。言い換えると、ホッパステージ104は、4つの収納壁により構成された四角筒の内側で、上下方向に動作する。図2において、ホッパステージ104の右側に収納壁105aを配置し、左側に収納壁105bを配置するように図示しているが、手前側及び奥側の収納壁の記載を省略している。なお、ホッパ部10において、収納壁は、ホッパステージ104の軌道の周囲の全ての面(4面)に設けて良いし、一部の面を券の落下を防ぐ棒形状等のものに置き換えても良い。
【0034】
また、ホッパ部10では、フィードローラ101、リバースローラ102、ピックアップローラ103により券の出し入れが行われる。
【0035】
以下の説明では、各ローラの回転方向について、ホッパ部10に券を収納する際の回転方向を「収納方向」と呼び、ホッパ部10から券を繰出す際の回転方向を「繰出方向」と呼ぶものとする。
【0036】
フィードローラ101とリバースローラ102は、図2に示すように対向するように配置されており、ホッパ部10において、挿入券CIや収納券CS等の券を挟みこんで出し入れするローラである。
【0037】
ホッパ部10では、搬送路30から送られてきた券を収納する際には、搬送路30から送られてきた券を、フィードローラ101とリバースローラ102との間で挟み込んで、収納方向に回転してホッパ部10内に取り込み、一番上の収納券CSの上に載せる。尚、ホッパ部10では、券収納時には、ホッパステージ104の一番上に載せられた券と、ピックアップローラ103との距離が所定の距離に保たれるように、ホッパステージ104の位置が調節されている。
【0038】
ホッパ部10では、ホッパ部10に収納された券を繰出すとき(以下、「券繰出時」という)には、ホッパステージ104上の一番上の券が、ピックアップローラ103に触れるまで、ホッパステージ104が上昇する。そして、ピックアップローラ103が繰出方向に回転して、フィードローラ101及びリバースローラ102の方向にホッパステージ104上の一番上の券を送り出す。そして、フィードローラ101は、繰出方向に回転し、ピックアップローラ103により送られてきた券を、リバースローラ102との間で挟み込んで搬送路30上に繰出す。
【0039】
なお、リバースローラ102は、収納方向にのみ回転可能であり、その逆の方向には回転しないようになされている。
【0040】
図2に示すように、左側にフィードローラ101、右側にホッパステージ104となる位置から見た場合には、ピックアップローラ103の繰出方向の回転は時計回りとなる。また、この場合、フィードローラ101における繰出方向の回転は時計回りとなり、収納方向の回転は反時計回りとなる。さらに、この場合、リバースローラ102における収納方向の回転は時計回りとなる。
【0041】
ホッパ部10では、ホッパステージ104が上下動する際に、収納壁と収納券CSの端との摩擦を軽減するために、隙間が生じるように収納壁の内壁の寸法は調節されている。このため、挿入券CIをホッパ部10に収納する際に、この隙間に挿入券CIの一部又は全部が入り込んでしまう場合がある。
【0042】
図3は、ホッパ部10において挿入券CIが、収納券CSと収納壁105aの間に入り込んだ場合のホッパ部10の概略側面図である。
【0043】
ホッパ部10において挿入券CIを収納するとき(以下、「券収納時」という)に、フィードローラ101とリバースローラ102との間で挿入券CIを挟みこんで取り込むため、挿入券CIは、フィードローラ101から見て奥側の収納壁105aの方向に向かって進入してくることになる。このため、挿入券CIは、収納券CSの上に正しく集積されずに、図3に示すように、収納壁105aと収納券CSとの間に生じた隙間に一部又は全部が入り込む場合がある。
【0044】
ホッパ部10では、図3に示すように、挿入券CIが、収納壁105aと収納券CSとの間に生じた隙間に落ちた状態で、次に、挿入券CIを繰り出そうとした場合には、ホッパステージ104が上昇しても、ピックアップローラ103に接触するのは、挿入券CIではなく、収納券CSであるため、収納券CSが搬送路30上に繰り出され、インサータユニット20から排出されてしまう。
【0045】
紙葉類処理装置1では、制御部の制御により、ホッパ部10に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、磁気部60の磁気リード部62により、ホッパ部10から繰出された券の磁気データの読取りを試み、その読取り結果に応じて、その繰出された券が、正しい券(挿入券CI)であるか間違った券(収納券CS)であるかを判定する。
【0046】
そして、紙葉類処理装置1の制御部では、ホッパ部10から繰出された券が、正しい券(挿入券CI)であると判定された場合には、排出する等の通常の動作を行い、間違った券(収納券CS)であると判定された場合には、排出せずに、操作者や係員等に、図示しないアラーム通知手段によりアラームを通知するようにしても良い。図1においては、図示を省略しているが、紙葉類処理装置1に、例えば、音声出力するスピーカ、ランプ、ディスプレイ表示等のアラーム通知手段を別途備えるようにしても良い。アラーム通知後は、操作者や係員等により手動でホッパ部10から挿入券CIの抜き取り作業等が必要となる。
【0047】
紙葉類処理装置1の制御部において、排出しようとする券が、挿入券CIであるか否かを判定する方法としては、例えば、磁気データの読取り可否に応じて判定するようにしても良い。挿入券CIは既に発行されている券なので何らかの磁気データが書き込まれているが、収納券CSは上述の通り原券であるので、まだ何の磁気データも書き込まれていない。したがって、紙葉類処理装置1の制御部では、排出すようとする券の磁気データが読取れればその券は、挿入券CIであり、読取れない場合は挿入券CIでない(すなわち、収納券CSである)と判定することができる。
【0048】
紙葉類処理装置1の制御部において、排出しようとする券が、挿入券CIであるか否かを判定する方法は、その他にも、収納する前に挿入券CIの磁気データを読取っておいて排出するときに以前に読取った情報と比較したりする等、その他の処理方法により判定するようにしても良い。
【0049】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の紙葉類処理装置における挿入券の収納及び排出の動作を説明する。
【0050】
図4は、紙葉類処理装置1が挿入券の処理を行う際の、紙葉類処理装置1の制御部が行う処理について説明したフローチャートである。
【0051】
まず、操作者からインサータユニット20に挿入券CIが挿入されると(S101)、紙葉類処理装置1の制御部の制御により、その挿入券CIが、搬送路30上を搬送され、ホッパ部10に到達し、フィードローラ101及びリバースローラ102により、ホッパ部10内に取り込まれ、一時的に収納される(S102)。
【0052】
挿入券CIの収納が完了すると、紙葉類処理装置1の制御部により、紙葉類処理装置1が搭載されている自動券売機の、図示しない制御部へ収納完了が通知され(S103)、その後、自動券売機の制御部から、紙葉類処理装置1の制御部に挿入券CIの排出命令が通知されたものとする(S104)。
【0053】
排出命令の通知があると、紙葉類処理装置1の制御部により、紙葉類処理装置1内の各構成要素が制御されて、ホッパ部10に一時的に保留された挿入券CIの排出動作が開始される。そして、ホッパステージ104が上昇し、ピックアップローラ103に触れた券が分離され、搬送路30上に繰り出される(S105)。この場合、上述のステップS102の時点で、挿入券CIが収納券CSの上に正しく載せられた場合には、ステップS105で繰り出される券は、挿入券CIとなる。一方、上述のステップS102の時点で、挿入券CIが、収納壁105aと収納券CSの端との間の隙間に落ちた場合には、ステップS105で繰り出される券は、収納券CSとなる。
【0054】
次に、搬送路30上に繰り出された券について、磁気リード部62により磁気の読み取りが試みられ(S106)、紙葉類処理装置1の制御部により、挿入券CIであるか否かの判定が行われる(S107)。
【0055】
上述のステップS107において、繰り出された券が、挿入券CIであると判定された場合には、その券は、インサータユニット20まで搬送され排出される等、所定の通常時の処理が行われる(S108)。
【0056】
一方、上述のステップS107において、繰り出された券が、挿入券CIでない券(すなわち、収納券CSである)と判定された場合には、券の排出を中止し、所定のアラーム通知手段により、操作者や係員等にアラームが通知されることになる(S109)。
【0057】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0058】
紙葉類処理装置1では、制御部の制御により、ホッパ部10に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、磁気部60の磁気リード部62により、ホッパ部10から繰出された券の磁気データの読取りを試み、挿入券CIと判定できた場合にのみ、その繰出された券を排出する。これにより、例えば、挿入券CIが、誤ってホッパ部内に残留してもエラーを検出することができ、収納券CSが排出されることはなく、信頼性の高い装置が期待できる。
【0059】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0060】
(B−1)第2の実施形態の構成及び動作
第2の実施形態の紙葉類処理装置1Aの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0061】
第2の実施形態の紙葉類処理装置1Aは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Aに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0062】
図5は、ホッパ部10Aの概略側面図である。また、図6は、ホッパ部10Aにおいて、収納されている券の繰り出し時に、ステージ補助板106が上昇した場合の概略側面図である。
【0063】
ホッパ部10Aでは、フィードローラ101から見て、ホッパステージ104の奥側に、四角形の板であるステージ補助板106が収納壁105aと並行になるように配置されている。そして、ステージ補助板106の下端は、ホッパステージ104の上面に固定されている。
【0064】
そして、ステージ補助板106には、2枚の四角形の仕切り板107a、107bが、ホッパステージ104の上面と並行になるように配置され、仕切り板107a、107bの一端は、ステージ補助板106に固定されている。図5では、仕切り板107の枚数は2枚であるものとして説明しているが、枚数は限定されないものである。
【0065】
また、仕切り板107a、107bは、図6に示すようにホッパステージ104が上昇しても、ピックアップローラ103に触れない大きさや形状である必要がある。また、ステージ補助板106と収納壁105aとの間は、ホッパステージ104が上下に動作する際に妨げにならない程度の隙間を設けることが望ましい。
【0066】
ステージ補助板106、仕切り板107a、107bの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。
【0067】
ホッパ部10Aでは、券収納時に、フィードローラ101とリバースローラ102に挿入券CIが挟みこまれて進入してきた場合、収納券CSとステージ補助板106との間の隙間に挿入券CIの一部が入り込んでも、挿入券CIの端が仕切り板107a、107b、又はステージ補助板106のいずれかに当たり、それ以上入り込まない。そして、ホッパ部10Aでは、挿入券CIの端が、仕切り板107a、107b、又はホッパステージ104のいずれかに当たった状態でも、その後、券繰出時に、ホッパステージ104が上昇した際、挿入券CIがピックアップローラ103に触れるように、仕切り板107a、107bの位置が調節されている。
【0068】
ホッパステージ104の上面から仕切り板107bまでの上下方向の間隔、仕切り板107bから仕切り板107aまでの上下方向の間隔、仕切り板107aから一番上の収納券CSまで(最大枚数まで収納券CSが集積されている場合)の上下方向の間隔が、それぞれ所定の間隔以下となるように調節されていることが望ましい。例えば、仕切り板107aと収納券CSの端との間に、挿入券CIの一部が入りこみ、挿入券CIの端が仕切り板107に当たる状態になったとしても、その状態でホッパステージ104が上昇したときに、収納券CSがピックアップローラ103に触れるように、上述の間隔が調節されていることが望ましい。例えば、挿入券CI、収納券CSのそれぞれの長手方向の寸法が85mmであり、ピックアップローラ103が通常、収納券CS(挿入券CI)の中央付近に接触する場合には、上述の間隔はそれぞれ30mm以下とすることが望ましい。
【0069】
なお、図5、図6では、仕切り板107a、107bを用いているが、収納券CSとステージ補助板106との間の隙間を埋めることができれば、他の形状のもの(例えば、1又は複数の棒形状のもの等)を適用するようにしても良い。
【0070】
(B−2)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0071】
ホッパステージ104にステージ補助板106、仕切り板107を設けたことにより、挿入券CIが、収納券CSとステージ補助板106の隙間に入り込んでも、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になる。これにより、ホッパ部10Aでは、挿入券CIを繰出そうとする際に、誤って収納券CSが繰出されることを防ぎ、装置の信頼性を高めることができる。
【0072】
(C)第3の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0073】
(C−1)第3の実施形態の構成及び動作
第3の実施形態の紙葉類処理装置1Bの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0074】
第3の実施形態の紙葉類処理装置1Bは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Bに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0075】
図7は、第3の実施形態のホッパ部10Bの概略側面図である。
【0076】
ホッパ部10Bでは、券ストッパ機構108が備えられている点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0077】
券ストッパ機構108には、券収納時に収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、その隙間に落ちることを防ぐ四角形の板である券ストッパ108aと、券ストッパ108aを動作させるための駆動源としてソレノイド108b、スプリング108cが備えられている。また、券ストッパ機構108には、ソレノイド108b、スプリング108cの動作を、券ストッパ108aに伝えるためのリンク108d、108eが備えられている。
【0078】
なお、収納壁105aは、券ストッパ機構108の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0079】
券ストッパ108a、リンク108d、108eの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。
【0080】
券ストッパ108aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、券収納時に収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、その隙間に落ちることを防ぐことができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0081】
券ストッパ機構108では、図示しない制御部の制御に応じて、ソレノイド108bが通電して駆動すると、券ストッパ108aが収納券CSの方向に動作し、収納券CSとの間の隙間を埋める。一方、ソレノイド108bの通電が終了して駆動も終了すると、スプリング108cの収縮力により、券ストッパ108aが収納券CSから離れる方向に動作し、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにする。
【0082】
図7では、上述のような券ストッパ108aの動作を、ソレノイド108b及びスプリング108cを駆動源として実現するための構成例について示している。
【0083】
ソレノイド108bとスプリング108cとの間は、リンク108dを介して連結されている。また、図7においては、図示を省略しているが、ソレノイド108b及びスプリング108cの、リンク108dとは連結していない側の端は、紙葉類処理装置1B内のいずれかの部分に固定されている。
【0084】
ソレノイド108bが、図示しない制御部の制御に基づいて通電し駆動すると、リンク108dは、フィードローラ101から見て奥側に引き寄せられ、ソレノイド108bが通電していない状態では、リンク108dはスプリング108cの収縮する力で、フィードローラ101から見て手前側に引き寄せられる。
【0085】
そして、リンク108dと券ストッパ108aとの間は、L字型のリンク108eを介して連結されている。リンク108eのそれぞれの端に、リンク108e、券ストッパ108aが回転自在に連結されている。また、リンク108eは、L字型の角の部分が回転軸108fを中心として回転する。図7においては、図示を省略しているが、回転軸108fは、紙葉類処理装置1B内のいずれかの部分に固定されている。すなわち、リンク108eは、回転軸108fを中心として、リンク108dの動作に応じた方向に回転する。
【0086】
図8は、ホッパ部10Bが、券繰出時(ホッパステージ104が上昇する前の状態)である場合の概略側面図である。
【0087】
ソレノイド108bが通電して駆動すると、リンク108eは図7、図8における時計回りの方向に回転し、券ストッパ108aは、収納券CSの方向に動作する。一方、ソレノイド108bの通電が停止し駆動も終了すると、リンク108eは、図7、図8における反時計回りの方向に回転し、券ストッパ108aは、収納券CSから離れる方向に動作する。
【0088】
ホッパ部10Bでは、券収納時には、券ストッパ機構108におけるソレノイド108bを駆動し、券ストッパ108aを収納券CSの方向に動作させ、収納壁105aと収納券CSとの間の隙間を埋めて、挿入券CIがその隙間に落ちることを防ぐ。
【0089】
一方、券繰出し時にホッパ部10Bでは、券ストッパ機構108におけるソレノイド108bは通電させずに、券ストッパ108aを収納券CSとは逆の方向に動作させた状態にし、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにしている。
【0090】
なお、第3の実施形態では、券ストッパ機構108において、ソレノイド108b及びスプリング108cを、券ストッパ108aを動作させる駆動源として利用しているが、ソレノイド108bだけを用いるようにしても良い。上記では、リンク108d、108eを介して、券ストッパ108aにソレノイド108bの駆動力を伝達しているが、ソレノイド108bに直接券ストッパ108aを連結するようにしても良い。このように、券ストッパ機構108において、券ストッパ108aを駆動させる機構は、図7の例に限定されないものである。
【0091】
(C−2)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0092】
ホッパ部10B内にソレノイド108bにより動作する券ストッパ108aを設けたことにより、挿入券CIが、ホッパステージ104上に集積された収納券CSと収納壁105aの隙間に入り込まない。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0093】
(D)第4の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0094】
(D−1)第4の実施形態の構成及び動作
第4の実施形態の紙葉類処理装置1Cの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0095】
第4の実施形態の紙葉類処理装置1Cは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Cに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0096】
図9は、この実施形態のホッパ部10Cの概略側面図である。
【0097】
ホッパ部10Cは、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧して、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす券押圧部109を備える点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0098】
券押圧部109は、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧する四角形の板である券押圧板109aと、リバースローラ102の回転動作を利用して、券押圧部110を動作させる機構を備えている。
【0099】
券押圧部109の材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板109aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0100】
なお、収納壁105bは、券押圧部109の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0101】
券押圧部109は、券押圧板109aとリバースローラ102とを連結させるリンク部109bを有している。
【0102】
リバースローラ102には、リバースローラ102の回転軸からはずれた部分にリンクピン102aが設けられており、リンクピン102aを用いて、リバースローラ102と券押圧板109aのリンク部109bは回転自在に連結されている。
【0103】
このように、リバースローラ102と券押圧部109(リンク部109b)とが回転自在に連結されていることにより、リバースローラ102の回転に伴って、券押圧部109(券押圧板109a)を動作させる機構が構成されている。
【0104】
図10は、ホッパ部10Cにおいて、券押圧板109aが収納券CSを押圧する場合の概略側面図である。
【0105】
券押圧部109の券押圧板109aが、リバースローラ102の回転に伴って、収納券CSを押圧する方向への動作と、収納券CSから離れる方向への動作との往復動作を繰り返すことにより、図10に示すように収納券CSは収納壁105a側に押されて、収納壁105aに突き当てられ、券押圧板109aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなる。
【0106】
券押圧板109aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置や大きさを適用することが望ましい。
【0107】
上述の通り、リバースローラ102は、収納方向にのみ回転するため、券収納時に券押圧板109aの上述の往復運動が発生し、券押圧板109aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなるため、挿入券CIが、収納券CSの端と収納壁105aとの間の隙間に落ちることを防ぐことになる。
【0108】
一方、券繰出時には、リバースローラ102は回転しないため、券押圧板109aの往復運動は発生せず、ホッパステージ104の上昇の妨げにならない。
【0109】
なお、券押圧部109では、券押圧板109aの姿勢を、垂直な状態に保つように、券押圧板109aの下部分に重りを付けたり、券押圧部109全体の重心ができるだけ下になるように、券押圧板109aの長さやリンクピン102aと連結する位置を調節することが望ましい。
【0110】
(D−2)第4の実施形態の効果
第4の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0111】
ホッパ部10Cでは、券押圧部109を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0112】
(E)第5の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第5の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0113】
(E−1)第5の実施形態の構成及び動作
第5の実施形態の紙葉類処理装置1Dの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0114】
第5の実施形態の紙葉類処理装置1Dは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Dに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0115】
図11は、この実施形態のホッパ部10Dの概略側面図である。
【0116】
ホッパ部10Dは、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧して、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす券押圧部110を備える点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0117】
券押圧部110は、収納券CSを収納壁105b側から収納壁105aの方向に押圧する四角形の板である券押圧板110aを有している。また、ホッパ部10Dでは、フィードローラ101の回転動作を利用して、券押圧部110(券押圧板110a)を動作させる機構を備えている。
【0118】
券押圧部110の材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板110aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0119】
券押圧部110(券押圧板110a)を動作させる機構には、3つのギヤ111、112、113、及びリンク114が用いられている。なお、ギヤ111、112、113は歯車であるが、図11においては説明を簡易にするため、歯車の歯の図示を省略している。
【0120】
なお、収納壁105bは、券押圧部110の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0121】
ギヤ111は、フィードローラ101と同じ回転軸で回転する歯車である。なお、図11では、フィードローラ101の図示を省略している。
【0122】
ギヤ112は、ギヤ111と対向し、ギヤ111の歯と噛み合うように配置されており、ギヤ111とギヤ112の回転軸の間は、リンク114により連結されている。
【0123】
リンク114の一端は、ギヤ111と同じ回転軸に回転自在に連結されており、他方の端は、ギヤ112と同じ回転軸に回転自在に連結されている。すなわち、ギヤ112は、リンク114とギヤ111の歯によってのみ支持されており、ギヤ111の回転方向に応じて、ギヤ111の周りを移動する。
【0124】
ギヤ113は、移動するギヤ112と接触し歯が噛み合っている間、ギヤ112の回転に伴って回転する歯車である。ギヤ113には、回転軸からずれた位置に、券押圧部110と連結するためのリンクピン113aが備えられている。また、図示は省略しているが、ギヤ113の回転軸は、紙葉類処理装置1D内のいずれかの部分に固定されているものとする。
【0125】
券押圧部110は、ギヤ113のリンクピン113aと回転自在に連結するリンク部110bも有している。
【0126】
このように、ギヤ113と券押圧部110(リンク部110b)とが回転自在に連結されていることにより、ギヤ113の回転に伴って、券押圧部110(券押圧板110a)が動作する。
【0127】
券押圧部110の券押圧板110aは、ギヤ113の回転に伴って、挿入券CIの方向への動作と、挿入券CIから離れる方向への動作の往復運動を繰り返す。券押圧板110aが、上述の往復運動することにより、収納券CSは券押圧板110aにより、収納壁105a側に押されて、収納壁105aに突き当てられ、券押圧板110aにより押された収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間が無くなる。
【0128】
券押圧板110aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置に配置することが望ましい。
【0129】
図12は、ホッパ部10Dが券繰出時(ホッパステージ104が上昇する前の状態)である場合の概略側面図である。
【0130】
ギヤ112は、ギヤ111がフィードローラ101の繰出方向(図11、図12では、時計回り)に回転する力により発生する回転モーメントと図示せぬ負荷機構とにより、図12に示すようにギヤ111を中心としてギヤ113から離れる方向(図11、図12では、反時計回り)に動作する。また、ギヤ112は、ギヤ111がフィードローラ101の収納方向(図11、図12では、反時計回り)に回転すると、ギヤ111を中心としてギヤ113の方向(図11、図12では、反時計回り)に動作して、ギヤ112とギヤ113とは接触する。
【0131】
上述の通り、ギヤ113は、ホッパ部10Dの券収納時にのみ、ギヤ112と接触して回転するため、挿入券CIをホッパ部10C内に取り込む際に、券押圧板110aの往復運動が発生する。一方、券繰出時には、図12に示すようにギヤ113はギヤ112と接触せず回転しないため、券押圧板110aの往復運動は発生せず、ホッパステージ104の上昇の妨げにならない。
【0132】
このように、券押圧部110では、ギヤ112が、券収納時にのみギヤ111の回転動作をギヤ113に伝える切替機構として機能している。なお、上述のような切替機構としては、例えば、ギヤ112を電磁ソレノイドを用いて移動させる等、他の方法により実現するようにしても良い。
【0133】
なお、券押圧部110では、券押圧板110aの姿勢を、垂直な状態に保つように、券押圧板110aの下部分に重りを付けたり、券押圧部110全体の重心ができるだけ下になるように、券押圧板110aの長さやリンクピン113aと連結する位置を調節することが望ましい。
【0134】
(E−2)第5の実施形態の効果
第5実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0135】
ホッパ部10Dでは、券押圧部110を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0136】
(F)第6の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第6の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0137】
(F−1)第6の実施形態の構成及び動作
第6の実施形態の紙葉類処理装置1Eの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0138】
第6の実施形態の紙葉類処理装置1Eは、第1の実施形態のホッパ部10がホッパ部10Eに置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0139】
図13は、この実施形態のホッパ部10Eの概略側面図である。
【0140】
ホッパ部10Eでは、券押圧機構115が備えられている点で、第1の実施形態のホッパ部10と異なっている。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0141】
券押圧機構115には、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する四角形の板である券押圧板115aと、券押圧板115aを動作させるための駆動源として、ソレノイド115b、スプリング115cが備えられている。また、券押圧機構115には、ソレノイド115b、スプリング115cの動作を、券押圧板115aに伝えるためのリンク115d、115eが備えられている。
【0142】
券押圧板115a、リンク115d、115eの材質は限定されないものであるが、例えば、プラスチック等の樹脂や金属等を用いることができる。券押圧板115aの形状は、上述のように四角形の板形状であっても良いが、収納券CSを押圧することができれば、その形状は、三角形の板等限定されないものである。
【0143】
なお、収納壁105bは、券押圧機構115の動作の妨げにならないように配置されているものとする。
【0144】
券押圧機構115では、図示しない制御部の制御に応じて、ソレノイド115bが通電して駆動すると、券押圧板115aが収納券CSの方向に動作し、収納券CSを押圧する。一方、ソレノイド115bの通電が終了して駆動も終了すると、スプリング115cの収縮力により、券押圧板115aが収納券CSから離れる方向に動作し、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにする。
【0145】
なお、券押圧板115aは、上述の往復運動が発生した際に、少なくとも一番上に配置されている収納券CSを押圧する位置や大きさを適用することが望ましい。
【0146】
図13では、上述のような券押圧板115aの動作を、ソレノイド115b及びスプリング115cを駆動源として実現するための構成例について示している。
【0147】
リンク115dの一端には、ソレノイド115bが連結されており、他方の端には、L字型のリンク115eの端が回転自在に連結されている。リンク115eの他方の端には、券押圧板115aが連結されている。そして、リンク115eのL字型の角の部分には、スプリング115cの一端が固定されている。
【0148】
また、図13においては、図示を省略しているが、ソレノイド115b及びスプリング115cの、リンクとは連結していない側の端は、紙葉類処理装置1E内のいずれかの部分に固定されている。すなわち、リンク115eは、ソレノイド115bの動作に伴って回転し、その回転により券押圧板115aを動作させる。
【0149】
ソレノイド115bが通電し駆動すると、リンク115dは、ソレノイド115bの側に引き寄せられ、L字型のリンク115eが図13における時計回りに回転して、リンク115eに連結された券押圧板115aは、収納券CSの方向に動作し、収納券CSを押圧する。
【0150】
一方、ソレノイド115bの通電が停止し駆動も終了すると、リンク115eは、スプリング115cの収縮力により引き寄せられ、L字型のリンク115eが図13における反時計回りに回転して、リンク115eに連結された券押圧板115aは、収納券CSから離れた方向に動作する。
【0151】
ホッパ部10Eでは、券収納時には、券押圧機構115におけるソレノイド115bを駆動し、券押圧板115aを収納券CSの方向に動作させ、収納券CSを押圧する。
【0152】
図14は、ホッパ部10Eが券繰出時である場合(ホッパステージ104が上昇する前の状態)の概略側面図である。
【0153】
一方、券繰出し時にホッパ部10Eでは、券押圧機構115におけるソレノイド115bは通電させずに、図14に示すように券押圧板115aを収納券CSとは逆の方向に動作させた状態にし、ホッパステージ104の上昇の妨げにならないようにしている。
【0154】
なお、第6の実施形態では、券押圧機構115において、ソレノイド115b及びスプリング115cを、券押圧板115aを動作させる駆動源として利用しているが、ソレノイド115bだけを用いるようにしても良い。上記では、リンク115d、115eを介して、券押圧板115aにソレノイド115bの駆動力を伝達しているが、ソレノイド115bに券押圧板115aを連結するようにしても良い。このように、券押圧機構115において、券押圧板115aを駆動させる機構は、図13の例に限定されないものである。
【0155】
(F−2)第6の実施形態の効果
第6の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0156】
ホッパ部10Eにおいて、券押圧機構115を備えることにより、券収納時に、収納券CSを収納壁105aに突き当て、収納券CSの端と、収納壁105aとの間の隙間を無くす。これにより、券繰出時にホッパステージ104が上昇しても、挿入券CIはピックアップローラ103に接触する状態になり、誤って収納券CSが繰出されることを防止し、装置の信頼性を向上させることができる。
【0157】
(G)第7の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第7の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0158】
第7の実施形態の紙葉類処理装置1Fの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0159】
図15は、この実施形態のホッパ部10Fの概略側面図である。
【0160】
第7の実施形態の紙葉類処理装置1Fは、上述の第4の実施形態のホッパ部10Cにおいて、券押圧部109が券押圧部116に置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0161】
券押圧部116は、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する券押圧板116aと、券押圧板116aとリバースローラ102とを連結させるリンク部116bを有している。
【0162】
券押圧部116は、図示しないレールにより支持されており、上記レールにより、券押圧板116aが、垂直の姿勢を保ったまま、図15における左右方向にのみ動作する点で第4の実施形態の券押圧部109と異なっている。
【0163】
これにより、券押圧部116では、券押圧板116a等の姿勢を安定させ、確実に収納券CSを押圧することができ、さらに、ホッパステージ104等の他の構成要素の動作を妨げることを防ぐことができる。
【0164】
また、リバースローラ102の回転に伴って、リンクピン102aが、左右方向に動作すると共に、上下方向にも動作するが、券押圧部116では上記レールにより上下方向への動作が規制されている。リンク部116bでは、このリンクピン102aの上下方向の動作を吸収するために、リンクピン102aと連結するための孔として縦溝116cが備えられている点で第4の実施形態の券押圧部109と異なっている。
【0165】
これにより、リンクピン102aの上下動はこの縦溝116cの範囲内で行われ、券押圧部116にはリンクピン102aによる上下方向の力は制限され、スムーズに動作させることができる。
【0166】
(H)第8の実施形態
以下、本発明による紙葉類処理装置の第8の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0167】
第8の実施形態の紙葉類処理装置1Gの概略側面図も図1を用いて示すことができる。
【0168】
図16は、この実施形態のホッパ部10Gの概略側面図である。
【0169】
第8の実施形態の紙葉類処理装置1Gは、上述の第5の実施形態のホッパ部10Dにおいて、券押圧部110が券押圧部117に置き換わっているだけであるため、その他の構成については説明を省略する。
【0170】
券押圧部117は、収納壁105b側から収納券CSの端の面を押圧する券押圧板117aと、券押圧板117aとギヤ113とを連結させるリンク部117bを有している。
【0171】
券押圧部117は、図示しないレールにより支持されており、上記レールにより、券押圧板117aが、垂直の姿勢を保ったまま、左右方向にのみ動作する点で第5の実施形態の券押圧部110と異なっている。
【0172】
これにより、券押圧部117では、券押圧板117a等の姿勢を安定させ、確実に収納券CSを押圧することができ、さらに、ホッパステージ104等の他の構成要素の動作を妨げることを防ぐことができる。
【0173】
また、ギヤ113の回転に伴って、リンクピン113aが左右方向に動作すると共に、上下方向にも動作するが、券押圧部117では上記レールにより上下方向への動作が規制されている。リンク部117bでは、このリンクピン113aの上下方向の動作を吸収するために、リンクピン113aと連結するための孔として縦溝117cが備えられている点で第5の実施形態の券押圧部110と異なっている。
【0174】
これにより、リンクピン113aの上下動はこの縦溝117cの範囲内で行われ、券押圧部117にはリンクピン113aによる上下方向の力は制限され、スムーズに動作させることができる。
【0175】
(I)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0176】
(I−1)上記の各実施形態において、本発明の紙葉類処理装置は、上述の通り自動券売機内に設けられているものであるため、処理対象となる紙葉類は、乗車券や定期券、指定席券等の券であるものとして説明しているが、その他の紙葉類の処理に適用するようにしても良い。例えば、紙幣、カード類、小切手等の有価証券が挙げられる。
【0177】
例えば、自動券売機以外の自動取引装置に本発明の紙葉類処理装置を適用した場合には、ホッパ部に予め収納している収納紙葉類と、操作者が挿入した挿入紙葉類を一時的にホッパ部に収納する処理があった場合、確実に挿入紙葉類と収納紙葉類とを区別して排出すことができる。
【0178】
(I−2)第1の実施形態では、紙葉類処理装置1に挿入券CIが挿入された場合と、排出しようとする場合で、同じ磁気部60(磁気リード部62)を用いているが、挿入券CIを排出しようとする際にのみ用いる別の磁気リード部(磁気リードヘッド)を設けるようにしても良い。例えば、図1において、搬送路30上のホッパ部10の出口付近に別の磁気リード部を設けるようにしても良い。
【0179】
これにより、例えば、紙葉類処理装置で、挿入券CIと共に、新たにロール紙から切り取った券に印字、磁気記録等を施してから排出しようとする場合(例えば、挿入された定期券と指定席券を排出しようとする場合)に、挿入券CIの処理や搬送路30上の運搬と、新たに発行する券の処理や搬送路30上の運搬とを、並行して行うことができる。これにより、紙葉類処理装置1における処理速度を向上させることができる。
【0180】
また、図1のように、紙葉類処理装置1で、磁気リード部62よりも磁気ライト部61の方が、ホッパ部10から見て搬送路30上の手前にある場合に、磁気リード部62で挿入券CIであるか否かの判定を行った後、磁気ライト部61による書込みも必要になると、搬送路30による搬送方向を逆転させる処理が必要になる。しかしながら、上述のように、別の磁気リード部(磁気リードヘッド)を設けるようにすれば、搬送路30による搬送方向の逆転は必要なくなるので、紙葉類処理装置1における処理速度を向上させることができる。
【0181】
(I−3)上記の各実施形態では、紙葉類処理装置において、制御部の制御により、ホッパ部に一時的に保留した挿入券CIを排出しようとする際には、ホッパ部から繰出された券の磁気データの読取り結果に基づいて、挿入券CIと判定できた場合にのみ、その繰出された券を排出しているが、上述の制御部の処理については、第2〜第8の実施形態では行わないようにしても良い。
【0182】
(I−4)第2の実施形態において、仕切り板107は、ステージ補助板106に固定されているものとして説明したが、例えば、図示しないレールや溝をステージ補助板106に設けて、仕切り板107がステージ補助板106上で、上下に移動可能な構造で連結するようにしても良い。
【0183】
これにより、ホッパステージ104上に、収納券CSを補充する際に、仕切り板107の位置を補充作業者の所望の位置に移動させることができるので、補充作業にあたって仕切り板107が邪魔にならず、補充作業を容易にすることができる。
【0184】
(I−5)第2の実施形態において、仕切り板107の形状について、例えば、ホッパステージ104上に、収納券CSを補充する際に、補充作業者が収納券CSを補充する方向に向かって厚さが徐々に薄くなるテーパを設けるようにしても良い。例えば、図2に示すホッパ部10において、手前の方向から収納券CSを挿入して補充可能である場合には、仕切り板107に、手前の方向に向かって徐々に厚さが薄くなるテーパを設けるようにしても良い。
【0185】
これにより、補充作業者が収納券CSを補充する際に、仕切り板107の間ごとではなく、一度にまとめて補充しようとする場合に、仕切り板107が邪魔にならず、補充作業を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0186】
1…紙葉類処理装置、10…ホッパ部、101…フィードローラ、102…リバースローラ、103…ピックアップローラ、104…ホッパステージ、105a、105b…収納壁、20…インサータユニット、30…搬送路、40…印字部、51、52…ロール紙、60…磁気部、61…磁気ライト部、62…磁気リード部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、
上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端と、上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁との間の隙間を軽減する隙間軽減部とを有する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
上記隙間軽減部は、
上記隙間に配置された板であって、下端が上記ステージの上面に固定されたステージ補助板と、
上記ステージの上面と並行になるように配置されており、一端が上記ステージ補助板に固定されている1又は複数の仕切板とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
上記隙間軽減部は、
上記隙間を埋める紙葉類ストッパと、
紙葉類収納時にのみ、上記紙葉類ストッパを、上記隙間の位置に移動させる駆動機構とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、
上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁の方向に、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する押圧板と、
上記押圧板を、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧するように動作させる駆動機構と
を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項5】
上記駆動機構は、電磁ソレノイドを用いて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
上記駆動機構は、搬出入ローラを構成するいずれかのローラの回転動作を利用して、上記押圧板を動作させることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
上記搬出入ローラを構成する第1のローラは紙葉類繰出時及び紙葉類収納時ともに回転し、上記第1のローラに対向する第2のローラは、紙葉類収納時にのみ回転するように規制されており、
上記駆動機構は、上記第2のローラの回転動作を、上記押圧板が上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する動作に変換する変換機構を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
上記搬出入ローラを構成する第1のローラは紙葉類繰出時及び紙葉類収納時ともに回転し、上記第1のローラに対向する第2のローラは、紙葉類収納時にのみ回転するように規制されており、
上記駆動機構は、
上記第1のローラの回転動作を、上記押圧板が上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する動作に変換する変換機構と、
上記変換機構を、紙葉類収納時にのみ動作するように切り替える切替機構とを有する
ことを特徴とする請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部と、
当該紙葉類処理装置内で、処理対象となる紙葉類の磁気記録領域に記録された磁気データを読み込む磁気データ読取部と、
当該紙葉類処理装置の各部の動作を制御する制御部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁とを有し
上記制御部は、
上記挿入紙葉類を、上記紙葉類収納部に一時的に保留させたあと、上記紙葉類収納部から上記挿入紙葉類を上記搬送路に繰出させて、上記紙葉類排出部により排出させる際に、上記紙葉類収納部から上記搬送路に繰出させた繰出紙葉類に対して、上記磁気データ読取部により、磁気データの読取りを行わせ、その読取り結果に応じて上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により、上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であると判定された場合にのみ、上記繰出紙葉類を上記紙葉類排出部から排出させる制御を行う繰出紙葉類処理制御手段とを有する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項10】
上記磁気データ読取部は、磁気データ読取ヘッドを複数備え、いずれかの上記磁気データ読取ヘッドは、上記判定手段により上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する際にのみ用いられることを特徴とする請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項1】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、
上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端と、上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁との間の隙間を軽減する隙間軽減部とを有する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
上記隙間軽減部は、
上記隙間に配置された板であって、下端が上記ステージの上面に固定されたステージ補助板と、
上記ステージの上面と並行になるように配置されており、一端が上記ステージ補助板に固定されている1又は複数の仕切板とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
上記隙間軽減部は、
上記隙間を埋める紙葉類ストッパと、
紙葉類収納時にのみ、上記紙葉類ストッパを、上記隙間の位置に移動させる駆動機構とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁と、
上記搬出入ローラから当該紙葉類収納部に上記挿入紙葉類が進入する方向の前方側にある上記収納壁の方向に、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する押圧板と、
上記押圧板を、上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧するように動作させる駆動機構と
を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項5】
上記駆動機構は、電磁ソレノイドを用いて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
上記駆動機構は、搬出入ローラを構成するいずれかのローラの回転動作を利用して、上記押圧板を動作させることを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
上記搬出入ローラを構成する第1のローラは紙葉類繰出時及び紙葉類収納時ともに回転し、上記第1のローラに対向する第2のローラは、紙葉類収納時にのみ回転するように規制されており、
上記駆動機構は、上記第2のローラの回転動作を、上記押圧板が上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する動作に変換する変換機構を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
上記搬出入ローラを構成する第1のローラは紙葉類繰出時及び紙葉類収納時ともに回転し、上記第1のローラに対向する第2のローラは、紙葉類収納時にのみ回転するように規制されており、
上記駆動機構は、
上記第1のローラの回転動作を、上記押圧板が上記ステージ上に集積された収納紙葉類の端を押圧する動作に変換する変換機構と、
上記変換機構を、紙葉類収納時にのみ動作するように切り替える切替機構とを有する
ことを特徴とする請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項9】
当該紙葉類処理装置内で、紙葉類を搬送する搬送路と、
操作者から挿入された挿入紙葉類を取り込んで、上記搬送路上に繰出す紙葉類挿入部と、
上記搬送路上を搬送されている排出対象の紙葉類を上記操作者に排出する紙葉類排出部と、
収納対象の収納紙葉類の収納、及び、操作者から挿入された挿入紙葉類の一時的収納を行う紙葉類収納部と、
当該紙葉類処理装置内で、処理対象となる紙葉類の磁気記録領域に記録された磁気データを読み込む磁気データ読取部と、
当該紙葉類処理装置の各部の動作を制御する制御部とを備える紙葉類処理装置において、
上記紙葉類収納部は、
1枚以上の紙葉類を集積し、上下動するステージと、
上記ステージの上方に配置されているローラであって、当該紙葉類収納部において、上記ステージ上に集積された紙葉類を上記搬送路上に繰出す紙葉類繰出時に、上記ステージが上昇して接触した紙葉類を、当該紙葉類収納部内で搬送するピックアップローラと、
一対のローラであって、当該紙葉類収納部において、上記搬送路上を搬送されている上記挿入紙葉類を収納する紙葉類収納時には、上記挿入紙葉類を挟みこんで取り込み、上記ステージに集積された収納紙葉類の上に載せ、紙葉類繰出時には、上記ピックアップローラにより搬送されてきた紙葉類を上記搬送路上に繰出す搬出入ローラと、
上記ステージが上下動する軌道に沿って配置された1又は複数の収納壁とを有し
上記制御部は、
上記挿入紙葉類を、上記紙葉類収納部に一時的に保留させたあと、上記紙葉類収納部から上記挿入紙葉類を上記搬送路に繰出させて、上記紙葉類排出部により排出させる際に、上記紙葉類収納部から上記搬送路に繰出させた繰出紙葉類に対して、上記磁気データ読取部により、磁気データの読取りを行わせ、その読取り結果に応じて上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により、上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であると判定された場合にのみ、上記繰出紙葉類を上記紙葉類排出部から排出させる制御を行う繰出紙葉類処理制御手段とを有する
ことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項10】
上記磁気データ読取部は、磁気データ読取ヘッドを複数備え、いずれかの上記磁気データ読取ヘッドは、上記判定手段により上記繰出紙葉類が上記挿入紙葉類であるか否かを判定する際にのみ用いられることを特徴とする請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−129043(P2011−129043A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289295(P2009−289295)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]