紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置
【課題】利用者が投入口に投入される紙葉類の数量に応じて、投入口の開口量を変更できるようにする。
【解決手段】本発明は、投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置である。上記投入口は、紙葉類を支持する支持部材と、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材とを有して形成されている。本発明の紙葉類取込装置は、利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段とを備える。
【解決手段】本発明は、投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置である。上記投入口は、紙葉類を支持する支持部材と、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材とを有して形成されている。本発明の紙葉類取込装置は、利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置に関するものである。例えば、本発明は、金融機関、駅、店舗などに設置される自動取引装置、及び、自動取引装置が有する投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来の自動取引装置が有する紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。図2に示すように、従来の紙幣取込装置は、開閉可能なシャッタ15を有しており、このシャッタ15が開くと、紙幣を投入する投入エリア13が出現する。この投入エリア13の投入口は接客口ともいわれており、投入エリア13は紙幣を受け入れるバケット形状をしている。
【0003】
投入エリア13に紙幣が投入されると、投入検知センサ14は正常に紙幣が投入されたことを検知する。そして、正常に投入されたと判断されると、シャッタ15が閉まり、ビルプレス11はステージ12の側に移動する。これにより、紙幣はビルプレス11及びステージ12に挟み込まれた状態となる。
【0004】
その後、ビルプレス11及びステージ12が紙幣を挟み込んだまま、投入エリア13全体がローラ16、17、18の位置まで回動する。そして、ローラ16、17、18が紙幣を1枚ずつ巻き取り、紙幣は鑑別部(図示しない)に送られる(この処理を分離ともいう)。紙幣は、鑑別部により紙幣の真偽や金種等が判別され、図示しない紙幣カセット部に収納される。
【0005】
なお、例えば出金する紙幣や利用者に返却する紙葉類は、搬送経路(図示しない)を経由して、ローラ20〜23により投入エリア(バケット)13に送られる(この処理を集積ともいう)。その後、シャッタ15が開き、投入エリア13内の紙葉類は利用者に受け取られる。
【0006】
従来、紙幣が投入エリア13に投入される際、まず、シャッタ15が開き、投入エリア13が出現する。このとき、ビルプレス11はステージ12から離れた位置に退避されており、投入エリア13はビルプレス11とステージ12で囲まれた空間となっている。従来、この投入エリア13の大きさは一定のサイズとなっている。
【0007】
また、特許文献1には、出金するとき、紙幣のばらつきを防止するために、支持部材(ステージ)を移動させて、投入エリアの大きさを変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−127050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、紙幣を投入エリアに投入するとき、利用者が投入する金額や紙幣の枚数にかかわらず、投入エリア13の投入口(接客口)のサイズは一定サイズである。
【0010】
投入エリア13に紙幣が投入される際、自動取引装置におけるその後の動作で異常が生じないようにするため、なるべく紙幣を揃えて投入され、紙幣が立った状態で投入されることが望ましい。
【0011】
多数枚の紙幣が投入されたときには、紙幣が投入エリア13に立った状態になりやすい。しかし、少数枚の紙幣が投入されたときには、投入エリア13内での紙幣の状態にばらつきが生じやすく、更に紙幣が立った状態にならないことがある。
【0012】
そのため、本来であれば紙幣を再度整えることが必要であるが、そのまま取引処理が進行してしまい、それ以後の分離を行うときに、紙幣の繰り出し不良が生じ得、投入異常、入金リジェクト等を誘発させるおそれがある。
【0013】
また、このような場合、投入が正常と判断され、一度シャッタ15が閉まり、自動取引装置が紙幣を受け付けたように見せておきながら、紙幣の再投入を利用者に要求することになるので、利用者に煩わしさを感じさせることになる。さらに、自動取引装置に不用意な障害も生じることにもなる。
【0014】
更に、特許文献1には、出金時に、紙幣の枚数に応じて支持部材を移動させて接客口のサイズを変える技術は記載されている。出金時においては、自動取引装置は出金に係る紙幣の枚数を認識している。そのため、自動取引装置が紙幣の枚数に応じて接客口のサイズを変えることはできる。
【0015】
しかし、紙幣が投入されるときには、自動取引装置は利用者が投入する紙幣の枚数を認識することができない。そのため、特許文献1の記載技術をそのまま適用することは困難である。
【0016】
例えば、図3〜図9は、紙幣が投入エリア13に投入されたときの従来の動作を説明する説明図である。
【0017】
図3及び図4は、多数枚の紙幣が投入された場合の例である。一方、図5〜図9は、少数枚の紙幣が投入された場合の例である。
【0018】
図3の例は、正常に紙幣が投入された場合である。すなわち、図3(A)に示すように、全ての紙幣が立った状態であり、図3(B)に示すように、全ての紙幣が揃って投入されたときである。
【0019】
これに対して、図4(A)では、多数枚の紙幣は立った状態で投入されるが、図4(B)に示すように、紙幣が揃っていない。この場合、投入検知センサ14は紙幣の投入の異常を検知する。これを受けて、自動取引装置は、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを利用者に要求することができる。
【0020】
図5の例は、少数枚の紙幣が正常に投入された場合である。すなわち、投入された紙幣の少数枚であるが、図3の例と同様に正常に動作する。
【0021】
図6の例は、図4の例と同様に、紙幣は立った状態で投入されたが、紙幣が揃って投入されていない場合である(図6(A)及び(B))。この場合も、図4の例と同様に、投入検知センサ14が紙幣の正常に投入されておらず異常を検知し、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを要求することができる。
【0022】
図7の例は、図7(A)に示すように、少数枚であるので、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っている状態であるが、図7(B)に示すように、紙幣は揃った状態で投入されている。この場合、投入検知センサ14は正常と判断する。そして、シャッタ15が閉まった後、ビルプレス11が移動して紙幣を押圧することになる。このとき、ビルプレス11に紙幣がもたれ掛かっているので、ステージ12との間で紙幣を挟み込むことができるので、正常に動作し得る。
【0023】
これに対して、図8の例は、図8(A)に示すように、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っており、図8(B)に示すように、紙幣が揃った状態で投入されていない場合である。本来、紙幣が揃っていないので、異常検知されるべきものであるが、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っているので、投入検知センサ14が異常を検知できず、正常と判断してしまう。この場合、その後の動作で繰り出し不良等が生じ得る。
【0024】
さらに、図9の例は、図9(A)に示すように、紙幣がカール状に湾曲して倒れている状態である。この場合も、本来、異常検知されるべきものであるが、カール状に湾曲に倒れているので、投入検知センサ14が異常を検知できず、正常と判断されてしまう。従って、この場合も、その後の動作で繰り出し不良等が生じ得る。
【0025】
上記の例のように、少数枚の紙幣が投入されたときに、本来ならば異常検知をされるべきものが、異常検知できず、シャッタ15を閉じた後に、繰り出し不良等の異常が生じ得る。
【0026】
なお、上記では、紙幣取込装置の課題を中心に説明したが、紙幣も含めた紙葉類を取り込む紙葉類取込装置においても同じ課題が生じ得る。
【0027】
そこで、本発明は、紙葉類を取り込む際に、紙葉類の枚数を推定し、その推定した紙葉類の枚数に応じて、投入エリアの投入口の大きさを変更することができる紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の紙葉類取込装置は、投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置において、(1)投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、(2)投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材と、(3)利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、(4)投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、支持部材及び又は押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
第2の本発明の開口量制御プログラムは、投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材とを有する紙葉類取込装置の投入口の開口量を制御する開口量制御プログラムにおいて、コンピュータを、(1)利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段、(2)投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、支持部材及び又は押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
第3の本発明の自動取引装置は、(1)利用者により取引に関する情報を取り込む操作手段と、(2)利用者が投入口に投入した紙葉類を取り込む紙葉類取込手段とを備え、利用者により選択された取引処理を行う自動取引装置において、紙葉類取込手段が、第1の本発明の紙葉類取込装置に相当するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、紙葉類を取り込む際に、投入され得る紙葉類の数量を推定し、その推定した紙葉類の数量に応じて、投入エリアの開口量を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態の紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。
【図2】従来の紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。
【図3】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(多数枚ケース1)。
【図4】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(多数枚ケース2)。
【図5】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース1)。
【図6】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース2)。
【図7】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース3)。
【図8】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース4)。
【図9】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース5)。
【図10】第1の実施形態の自動取引装置の外観構成例を示す外観構成図である。
【図11】第1の実施形態の自動取引装置の主な内部機構の構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施形態の自動取引装置における紙幣取込装置の内部構成及びその周辺構成を示すブロック図である。
【図13】第1の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【図14】操作表示部が表示するメニュー画面例を示す図である。
【図15】第1の実施形態の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース1)。
【図16】第1の実施形態の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース2)。
【図17】第2の実施形態の自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
【図18】第2の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【図19】変形実施形態の操作表示部のメニュー画面例を示す図である。
【図20】変形実施形態の操作表示部に表示される投入口の広さを選択する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
第1の実施形態は、例えば、金融機関等に設置される自動取引装置及び当該自動取引装置が備える紙幣取込装置に、本発明を適用した実施形態を例示する。
【0035】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)自動取引装置の構成
図10は、第1の実施形態の自動取引装置の外観構成例を示す外観構成図である。
【0036】
自動取引装置1は、例えば、金融機関、駅、小売店舗(例えばデパート、コンビニエンスストア等)等に設置されるものであり、利用者操作により金融取引を行うものである。自動取引装置1が行う金融取引の種類は、特に限定されないが、例えば、出金、入金、振込み、両替、預入等がある。
【0037】
図10において、第1の実施形態の自動取引装置1は、紙幣取込装置10、操作表示部50を少なくとも備えるものである。
【0038】
紙幣取込装置10は、利用者が投入した紙幣を取り込む装置である。紙幣取込装置10は、入出金装置を適用することができる。例えば、入金、預入、振込み、両替等の取引を行うときに、利用者は紙幣取込装置10に紙幣を取り込む。
【0039】
操作表示部50は、自動取引装置1が行う金融取引に係る操作画面を表示したり、表示画面を見て利用者が取引操作を行ったりするものである。この実施形態では、操作表示部50は、例えば、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル等を想定して説明するが、タッチパネルに限定されるものではなく、操作部と表示部とを分離した構成でもよい。
【0040】
図11は、自動取引装置1の主な内部機構の構成を示すブロック図であるである。図11において、自動取引装置1は、紙幣取込装置10、鑑別部91、一時保留部92、リジェクト庫96を有し、紙幣カセット部は少なくとも1個以上を有する(図11では、3個の紙幣カセット93、94及び95を備える場合を例示する)。
【0041】
鑑別部91は、紙幣取込装置10から分離された紙幣の金種、真偽、表裏等を判別するものである。鑑別部91は、入金又は出金された紙幣の金種を判別するものである。入金のときには、鑑別部91により判別された紙幣は、金種別の紙幣カセット部93〜95に搬送される。また、鑑別部91は、真偽判別で偽とする紙幣を一時保留部92に一時的に保留するものである。
【0042】
紙幣カセット部93、94、95は、入金又は出金のために、紙幣を収納する収納部である。紙幣カセット部93、94、95は、金種別に紙幣を収納する。
【0043】
一時保留部92は、鑑別部91により真と判別された紙幣を一時的に保持するものである。一時保留部92において一時的に保留された紙幣のうち、再利用にそぐわない券(例えば損券等)である紙幣は、リジェクト庫96に搬送させる。
【0044】
リジェクト庫96は、再利用不可能と判断された紙幣を収納する収納部である。
【0045】
(A−1−2)紙幣取込装置10の構成
次に、紙幣取込装置10の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0046】
図12は、第1の実施形態の紙幣取込装置10の構成を示すブロック図である。また、図1は、第1の実施形態の紙幣取込装置10を側面から見た機構を示す図である。なお、紙幣取込装置10の機構は、後述するように、ビルプレス11とステージ12のいずれ、又は双方の位置を移動制御することができれば、既存の入出金装置と同じである。
【0047】
図12に示すように、紙幣取込装置10は、操作表示部50、制御部51、記憶部52、通信インタフェース部53、紙幣取込機構54を少なくとも有する。
【0048】
操作表示部50は、制御部51の制御の下、画面を表示するものである。また、操作表示部50は、利用者により選択された情報を取り込み、その情報を制御部51に与えるものである。
【0049】
制御部51は、取引処理や紙幣取込機構54の動作を制御するものである。制御部51は、操作表示部50、紙幣取込装置10、記憶部52、通信インタフェース部53と接続するものである。
【0050】
また、制御部51の主な機能は、取引制御部511、枚数推定部512、駆動制御部513を少なくとも有する。これらの機能は、例えばソフトウェア処理により実現することができる。例えば、制御部51は、記憶部52に格納される処理プログラムを読み出し、必要なデータを用いて処理プログラムを実行することで、上記機能を実現することができる。
【0051】
取引制御部511は、各取引の処理を制御するものである。取引制御部511は、操作表示部50から利用者により選択された取引について、取引に必要なデータや紙幣の入金又は出金等の処理を制御するものである。取引制御部511が制御する取引の種類は、特に限定されるものではなく、入金、出金、両替、振込み等の様々な取引がある。
【0052】
例えば、取引制御部511は、操作表示部50から利用者が選択した取引の情報を受けると、その選択された取引の操作を進行させる画面を操作表示部50に表示させたり、上記画面を通じて必要なデータを取得したり、通信インタフェース部53を通じて取引サーバ(図示しない)との間で取引のためのデータを送受信したりする。
【0053】
枚数推定部512は、取引の種類が紙幣を取り込むものである場合に、利用者に投入される紙幣の枚数を推定するものである。枚数推定部512が実行する取引の種類は、利用者が投入エリア13に紙幣を取り込む取引であればよく、例えば、入金、両替、振込み、預入等がある。
【0054】
ここで、枚数推定部512による紙幣の枚数の推定方法は、種々の方法を適用することができる。例えば、枚数推定部512による紙幣の枚数推定方法としては、枚数推定部512は、利用者が選択した取引の種類を確認し、その取引の種類に基づいて、記憶部52に記憶される取引種類と推定枚数との対応テーブルを参照し、当該取引種類に対応する紙幣の枚数を推定する方法を適用することができる。
【0055】
例えば売上入金等を含む「入金」を行う場合には、利用者が投入する紙幣の枚数は比較的多い。これに対して、例えば「両替」を行う場合には、投入される紙幣の枚数は比較的少ない。このように、枚数推定部512は、利用者が希望する取引の種類に応じて、投入される紙幣の枚数を推定することができる。
【0056】
第1の実施形態において、枚数推定部512が推定する紙幣の枚数は、投入される紙幣の具体的な枚数を推定するのではない。投入された紙幣が、立った状態で、投入エリア13に収まる程度の枚数か否かを推定するものとする。例えば、第1の実施形態では、閾値(例えば、3枚、5枚等)よりも大きい「多数枚」であるか又は閾値以下の「少数枚」であるか否かを、枚数推定部512は推定する。なお、上記閾値は、1個とする場合を例示するが、2個以上としてもよい。
【0057】
駆動制御部513は、取引制御部511が制御する取引処理に基づいて、自動取引装置1の機構の駆動制御を行うものである。
【0058】
また、駆動制御部513は、枚数推定部512により推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11を駆動するビルプレス駆動部25の動作を制御するものである。これにより、紙幣を取り込む際に、投入される枚数に応じて、ビルプレス11の位置を変化させることができる。すなわち、紙幣取込装置10の投入口(接客口)のサイズを広くしたり又は狭くしたりすることができる。
【0059】
記憶部52は、処理プログラムや必要なデータを記憶するものである。記憶部52は、例えば、自動取引装置1として機能する各金融取引に係る処理プログラム、金融取引の種類に応じた機構動作に係る処理プログラム、枚数推定処理に係る処理プログラム、取引種類と推定枚数とを対応付けた対応テーブル、投入される紙幣の枚数に応じてビルプレス11を変動させる処理プログラム等を記憶するものである。
【0060】
通信インタフェース部53は、図示しない通信網との間でデータの送受信を行うものである。通信インタフェース部53は、制御部51の指示に従って、金融機関の取引サーバとの間で取引情報の送受信を行う。そして、通信インタフェース部53は、受信した情報を制御部51に与える。
【0061】
紙幣取込装置10の紙幣取込機構54の構成は、図1に例示する。上述したように、紙幣取込装置10の機構構成は、ビルプレス11及び又はステージ12の位置を移動させることがでれば、既存装置に適用することができる。
【0062】
また、紙幣取込機構54は、図12に示すように、ビルプレス11、ステージ12、シャッタ13、投入エリア13、投入検知センサ14、ビルプレス駆動部25、ステージ駆動部26、シャッタ駆動部27、投入エリア駆動部28を少なくとも有する。
【0063】
シャッタ駆動部27は、制御部51の制御を受けて、シャッタ15を駆動するものである。
【0064】
シャッタ15は、シャッタ駆動部27に駆動されて開閉動作を行う開閉体である。シャッタ15は、例えばスライドして開閉するものである。紙幣の取り込みの際又は紙幣の取出しの際に、シャッタ15は開状態となる。また、シャッタ15が開状態となると、投入エリア13が露出する。
【0065】
ビルプレス駆動部25は、制御部51の制御を受けて、ビルプレスを駆動するものである。ビルプレス駆動部25は、例えばモータ等の電動機を有するものである。
【0066】
ビルプレス11は、投入された紙幣を、ステージ12との間で押圧する押圧部材である。ビルプレス11は、ビルプレス駆動部25に駆動されて、ステージ12に近くづく方向又は離れる方向に移動可能なものである。
【0067】
シャッタ15が開くと投入エリア13が露出する。例えば、投入エリア13の空間は、利用者から見ると、手前側にビルプレス11があり、奥側にステージ12があり、両端は壁であるバケット形状をしている。なお、底部は、例えば硬貨等の異物が落下できる構成となっている。
【0068】
ビルプレス11は、ステージ12との間で、投入エリア13の投入口の空間を形成する。すなわち、ビルプレス11の位置が投入エリア13の投入口の大きさを変化させることができる。例えば、ビルプレス11がステージ12に近づくにつれ、投入口の大きさを小さくなり、逆に、ビルプレス11がステージ12から離れるにつれ、投入口の大きさが大きくなる。
【0069】
ステージ駆動部26は、制御部51の制御を受けて、ステージ12を駆動するものである。ステージ駆動部26は、例えばモータ等の電動機を有するものである。
【0070】
ステージ12は、投入された紙幣を支持する支持部材である。ステージ12は、ステージ駆動部26の駆動を受けて、ビルプレス11に近づく方向に移動したり又は離れる方向に移動したりするものである。
【0071】
投入検知センサ14は、投入口付近に設置されており、投入エリア13に紙幣が投入されたことを検知するセンサである。投入検知センサ14は、例えば、1対の送光器及び受光器からなり、受光器が受光できないときに投入異常とする者を適用することができる。なお、投入検知センサ14は、紙幣の受け取りときに、利用者の手が挿入されたことを検知する手挿入検知センサと兼用することができる。
【0072】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の自動取引装置1における紙幣取込方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0073】
以下では、ビルプレス11の位置を移動させることで、投入エリア13の投入口の大きさを調整する場合を例示する。
【0074】
勿論、ビルプレス11に代えてステージ12の位置を移動させて、投入口の大きさを変更してもよい。また、ビルプレス11及びステージ12の両方を移動させて、投入口の大きさを変更してもよい。
【0075】
図13は、第1の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【0076】
まず、自動取引装置1の操作表示部50には、メニュー画面が表示されている。利用者は、操作表示部50に表示されているメニュー画面から、希望する取引の取引ボタンを選択する(S101)。
【0077】
図14は、操作表示部50に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。図14に例示するメニュー画面には、例えば「いらっしゃいませ ご希望のお取引を押してください」と記載された操作案内部60、入金ボタン61、出金ボタン62、通常記帳ボタン63、両替ボタン64、定期預金ボタン65、照会ボタン66、振込みボタン67、届出内容変更ボタン68がある。
【0078】
図14に例示するメニュー画面のうち、利用者が希望する取引の取引ボタンを選択すると、操作表示部50は、その選択された取引の選択情報を制御部51に与える。制御部51は、その選択された取引を実行する操作画面を操作表示部50に与え、操作表示部50はその操作画面を表示する。そして、利用者は、操作表示部50に表示された画面に従って取引操作を行う。
【0079】
操作表示部50は、当該利用者により入力されたIDを取得する(S102)。利用者のIDの取得方法としては、例えば、キャッシュカード等のカードや通帳などを挿入させ、カードや通帳等に格納されているIDを取得する方法や、また例えば、表示画面にID入力部を表示させ、利用者にIDを直接入力させるようにしてもよい。
【0080】
次に、制御部51では、枚数推定部512が選択された取引の種類を確認する(S103)。枚数推定部512は、記憶部52に記憶される対応テーブルを参照して、選択された取引種類に対応する紙幣の枚数を推定する。
【0081】
例えば、利用者により選択された取引種類が「入金」の場合、枚数推定部512は、最大限度枚数(すなわち、多数枚)と推定する(S104)。これは例えば売上入金等のように入金取引を行う場合には、多数枚の紙幣が投入されることがあるので、枚数推定部512は多数枚の紙幣が投入されると推定する。
【0082】
また例えば、利用者により選択された取引種類が「両替」の場合、枚数推定部512は、少数枚と推定する(S105)。これは、例えば1万円札を千円札に両替するような場合、投入される紙幣の枚数は1枚となり、比較的少数枚であることがわかる。そこで、このような取引の場合、枚数推定部512は少数枚の紙幣が投入されると推定する。
【0083】
さらに例えば、利用者により選択された取引種類が「入金」、「両替」のいずれでもない「その他」の場合、枚数推定部512は、最大限枚数と推定する(S106)。
【0084】
枚数推定部512により投入される紙幣の枚数が推定されると、駆動制御部513は、推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11の位置決めを行い、ビルプレス駆動部25に対して駆動制御信号を与える(S107)。
【0085】
ここで、「多数枚」と推定された場合、駆動制御部513は、従来と同様に、ステージ12から離れた位置にビルプレス11を退避させるようにする。
【0086】
これに対して、「少数枚」と推定された場合、駆動制御部513は、ビルプレス11の位置がステージ12側に移動させた位置となるように制御する。例えば、「少数枚」のときのビルプレス11の位置を予め設定しておき、駆動制御部513は、ビルプレス11がその位置に移動するように駆動制御信号を出力する。
【0087】
ビルプレス駆動部25は、駆動制御部513からの駆動制御信号に基づいて、ビルプレス11を移動させる(S108)。「少数枚」のときのビルプレス11とステージ12との距離は、「多数枚」のときのそれよりも短くなる。従って、「少数枚」のときの投入エリア13の空間は、「多数枚」のときのそれよりも狭くなる。
【0088】
その後、シャッタ15が開き、利用者は紙幣を投入エリア13に投入する(S109)。それ以後の処理は、従来と同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0089】
図15及び図16は、紙幣が投入エリア13に投入されたときの動作を説明する説明図である。図15及び図16は、いずれも少数枚の紙幣が投入される場合を示す。
【0090】
図15及び図16に示すように、ビルプレス11がステージ12側に移動される。そのため、投入エリア13の空間が規制され、また投入口も小さくなる。従って、少数枚の紙幣が投入されても、紙幣は立った状態となり得る。
【0091】
図15の例は、紙幣にばらつきがある状態で投入された場合を示す。この場合でも、投入エリア13が狭くなるから紙幣が立った状態となるから、投入検知センサ14が紙幣の投入が完了されていないと判断し、異常を検知する。そのため、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを利用者に要求することができる。
【0092】
また、図16の例は、紙幣が揃った状態で投入された場合を示す。この場合も、投入エリア13が狭くなり紙幣は立った状態となり、投入検知センサ14も正常に投入されたと判断するので、シャッタ15は閉まり、正常に動作する。
【0093】
このように、ビルプレス11がステージ12側に移動することで、投入エリア13の空間が狭くなることで、紙幣が立った状態となり、投入エリア13において、紙幣のばらつきが少なくなったり、倒れが少なくなったりする。その結果、その後の動作を正常に行うことができる。
【0094】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、取引種類の情報に基づいて、ビルプレス及び又はステージの位置を移動させ、投入エリアの空間を規制することができる。
【0095】
これにより、従来のように、投入された紙幣の枚数が少数枚であり、ばらつきのある状態で投入された場合でも、正常投入と判断され、その後の動作で、繰り出し不良や、投入異常、入金リジェクト等を誘発させることを回避できる。
【0096】
その結果、利用者に再投入をさせる等の煩わしさを感じさせていたものを未然に回避することができる。さらには、装置自身も不要に取引を増やさず、紙幣を繰り返し通過させないことで、信頼性を向上させることができる。
【0097】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の紙葉類取込装置、紙葉類取込プログラム及び自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0098】
第1の実施形態では、取引の種類に基づいて投入される紙幣の枚数を推定して、ビルプレス等の位置を移動させる場合を説明した。
【0099】
これに対して、第2の実施形態では、利用者IDに基づいて、当該利用者が行った過去の取引内容に基づいて、投入される紙幣の枚数を推定して、ビルプレス等の位置を移動させる場合を説明する。
【0100】
(B−1)第2の実施形態の構成
図17は、第2の実施形態の自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。図17において、第2の実施形態の自動取引システム5は、ネットワーク4を介して、自動取引装置1、取引サーバ2、利用者情報管理データベース(DB)3を少なくとも有して構成される。
【0101】
なお、図17では、1台の自動取引装置1のみを記載しているが、1台に限定されるものではなく、複数台備えるようにしてもよい。
【0102】
取引サーバ2は、金融取引サービスを提供するサーバである。例えば、取引サーバ2は、金融機関等の金融取引管理サーバである。
【0103】
利用者情報管理データベース3は、利用者情報を保持するデータベースである。利用者情報管理データベース3は、例えば、利用者のIDに、利用者の氏名及び住所、過去の取引種類、取引日時情報、取引曜日、取引額等を対応付けて管理するものである。
【0104】
自動取引装置1は、第1の実施形態で説明した自動取引装置1である。自動取引装置1は、第1の実施形態と同様に紙幣取込装置10を備える。この紙幣取込装置10の構成は、図12と同じであるので、第2の実施形態でも図12を用いて説明する。
【0105】
図12において、取引制御部511は、第1の実施形態で説明した機能に加えて、利用者IDを取得すると、その利用者IDを取引サーバ2に与える、当該利用者IDに対応する利用者の過去の取引内容を受け取るものである。
【0106】
枚数推定部512は、取引制御部511から取得した利用者の過去の取引内容に基づいて、利用者が投入する紙幣の枚数を推定するものである。
【0107】
駆動制御部513は、第1の実施形態で説明したものと同様に、枚数推定部512が推定した紙幣の枚数に基づいて、自動取引装置1はビルプレス11の位置を移動させる。
【0108】
(B−2)第2の実施形態の動作
図18は、第2の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【0109】
図18において、利用者が操作表示部50のメニュー画面から取引ボタンを選択し(S101)、自動取引装置1が利用者IDを取得する(S102)までの手順は、第1の実施形態と同じである。
【0110】
自動取引装置1の制御部51では、取引制御部511が、取得した利用者IDを、通信インタフェース部53を介して取引サーバ2に与える。取引サーバ2は、利用者情報管理データベース3を参照して、受信した利用者IDに対応する利用者情報を検索して自動取引装置1に与える。このようにして、取引制御部511は、利用者IDに対応する利用者情報を取得する。
【0111】
次に、枚数推定部512は、利用者により選択された取引の種類を確認する(S202)。
【0112】
このとき、利用者が選択した取引の種類が、「両替」のときは、第1の実施形態と同様に、枚数推定部512は投入される紙幣の枚数は少数枚と推定する(S105)。また、入金及び両替以外の「その他」であるときも、第1の実施形態と同様に、枚数推定部512は投入される紙幣の枚数は最大限枚数と推定する(S106)。
【0113】
これに対して、利用者が選択した取引の種類が「入金」の場合、枚数推定部512は、利用者IDに対応する過去の取引内容に基づいて、当該利用者が過去に投入した入金額に基づいて投入される紙幣の枚数を推定する。
【0114】
例えば、枚数推定部512は、当該利用者IDに対応する過去の利用者情報のうち、今回の取引と同じ曜日、ほぼ同じ時間帯に「入金」したデータを検索する。そして、枚数推定部512は、過去に入金した入金額を検索し、その入金額からおおよその紙幣枚数を推定する。
【0115】
これは、例えば売上入金等の取引は、規則性を持って行われる傾向がある。そのため、当該利用者の過去の取引状況を利用して、枚数推定部512は、今回の取引で投入される紙幣の枚数を推定することができる。これにより、第1の実施形態の場合よりも、きめ細かく、投入される紙幣の枚数を推定することができる。
【0116】
すなわち、第1の実施形態では、最大限枚数(多数枚)と少数枚の2段階に区分して、枚数推定部512が投入される紙幣の枚数を推定した。しかし、第2の実施形態では、前回の取引で、例えば、50万の入金額があったとすると、50枚以上の紙幣が投入される等のように、具体的な枚数を枚数推定部512は推定することができる。
【0117】
なお、枚数推定部512は、過去の所定回数で入力された入金額の平均を求め、その平均額から、今回投入される紙幣の枚数を推定するようにしてもよい。
【0118】
また、上記の例では、過去の利用者情報から、同じ曜日及び同じ時間帯のデータを検索する場合を例示したが、同じ曜日のみ、同じ時間帯のみであってもよい。さらに、例えば20日、25日等のように、いわゆる五十日(ごとおび)に取引した入金額に基づいて紙幣の枚数を推定するようにしてもよい。
【0119】
枚数推定部512により投入される紙幣の枚数が推定されると、駆動制御部513は、推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11の位置決めを行い、ビルプレス駆動部25に対して駆動制御信号を与える(S107)。
【0120】
ここで、例えばビルプレス駆動部25はモータ等の電動機を適用できる。また例えば、駆動制御部512は、紙幣1枚当たりの厚さを認識している。従って、駆動制御部512は、ビルプレス駆動部25を回転させるパルス数を調整することで、具体的な枚数の紙幣が投入されるときでも、ビルプレス11の位置決めをすることができる。
【0121】
ビルプレス駆動部25は、駆動制御部513からの駆動制御信号に基づいて、ビルプレス11を移動させる(S108)。そして、その後、シャッタ15が開き、利用者が紙幣を投入エリア13に投入する(S109)。それ以後の処理は、従来と同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0122】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、利用者の過去の取引内容に基づいて、今回の取引で当該利用者が投入する紙幣の枚数を推定することができる。
【0123】
その結果、入金取引の場合でも、利用者が投入しようとする紙幣の枚数に応じて、投入エリアの投入口の位置を適正な位置にすることができ、装置自身もさらに不要に取引を増やさず、紙幣を繰り返し通過させないことで、信頼性を向上させることができる。
【0124】
(C)他の実施形態
(C−1)上述した第1及び第2の実施形態では、金融機関等に設置される自動取引装置の入出金装置に本発明を適用する場合を例示した。しかし、本発明は、自動取引装置の入出金装置に限定されるものではなく、自動機器(例えば、コンビニエンスストアATM、売上入金機等)、小切手やチケット等の紙媒体を取り扱う装置にも適用できる。
【0125】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、自動取引装置が1個の紙幣取込装置を備える場合を例示したが、2個以上であってもよい。
【0126】
さらに、上述した第1及び第2の実施形態において、紙幣取込装置は、シャッタが開くことで投入エリアが露出するような構成を例示したが、これに限定されるものではない。
【0127】
(C−2)第1及び第2の実施形態では、利用者が選択した取引の種類に応じて、投入される紙幣が少数枚であるか、又は、多数枚(最大限枚数)であるかを推定する場合を説明した。
【0128】
しかし、取引前に、自動取引装置は入力枚数を知りえない。従って、取引前に、自動取引装置が認識することができる方法であれば、上記の方法に限定されない。
【0129】
例えば、図19に示すように、操作表示部のメニュー画面に、少額入金70ボタンを設けるようにしてもよい。これにより、自動取引装置は、取引前に、投入される紙幣の枚数が少数枚であること推定でき、それに応じて投入口の大きさを制御できる。
【0130】
また別の方法としては、操作表示部を用いて、利用者が投入する紙幣の枚数を具体的に入力させるようにしてもよい。
【0131】
(C−3)第1及び第2の実施形態では、自動取引装置が、推定した紙幣の枚数に応じてビルプレス等の位置を移動させ、投入エリアの投入口の大きさを調整するようにした。
【0132】
しかし、利用者の好みに応じて、ビルプレス等の位置を移動させて投入口の大きさを選択できるようにしてもよい。
【0133】
例えば、図20に例示するように、投入口の広さを選択することができる操作画面を表示させ、制御部51が、その操作情報に応じてビルプレス等の位置を移動させるようにしてもよい。
【0134】
図20の操作画面例では、「投入口の広さをご指定ください」の操作案内71と、投入口の大きさを狭くするボタン72と、広くするボタン73とを有する。そして、例えば、制御部は、ボタン72が押し続けられると、その間、ビルプレスとステージとが近くなるように、ビルプレス等を移動させる。逆に、ボタン73が押し続けられると、その間、制御部は、ビルプレスとステージとが離れるように、ビルプレス等を移動させるようにしてもよい。これにより、利用者の好みに応じた投入口の大きさを設定することができる。
【0135】
さらに、制御部は、利用者により設定された投入口の大きさに相当するビルプレス等の位置を、利用者IDに対応付けて、利用者情報管理データベースに保存させるようにしてもよい。これにより、次回に当該利用者が取引を行うときに、制御部は、利用者IDに対応付けたビルプレス等の位置にすることで、利用者の好みの投入口の大きさにすることができる。
【符号の説明】
【0136】
1…自動取引装置、2…取引サーバ、3…利用者情報管理データベース、
10…紙幣取込装置、11…ビルプレス、12…ステージ、13…投入エリア、
14…投入検知センサ、15…シャッタ、
25…ビルプレス駆動部、26…ステージ駆動部、27…シャッタ駆動部、
50…操作表示部、51…制御部、511…取引制御部、512…枚数推定部、
513…駆動制御部、52…記憶部、53…通信インタフェース部、
54…紙幣取込機構。
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置に関するものである。例えば、本発明は、金融機関、駅、店舗などに設置される自動取引装置、及び、自動取引装置が有する投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来の自動取引装置が有する紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。図2に示すように、従来の紙幣取込装置は、開閉可能なシャッタ15を有しており、このシャッタ15が開くと、紙幣を投入する投入エリア13が出現する。この投入エリア13の投入口は接客口ともいわれており、投入エリア13は紙幣を受け入れるバケット形状をしている。
【0003】
投入エリア13に紙幣が投入されると、投入検知センサ14は正常に紙幣が投入されたことを検知する。そして、正常に投入されたと判断されると、シャッタ15が閉まり、ビルプレス11はステージ12の側に移動する。これにより、紙幣はビルプレス11及びステージ12に挟み込まれた状態となる。
【0004】
その後、ビルプレス11及びステージ12が紙幣を挟み込んだまま、投入エリア13全体がローラ16、17、18の位置まで回動する。そして、ローラ16、17、18が紙幣を1枚ずつ巻き取り、紙幣は鑑別部(図示しない)に送られる(この処理を分離ともいう)。紙幣は、鑑別部により紙幣の真偽や金種等が判別され、図示しない紙幣カセット部に収納される。
【0005】
なお、例えば出金する紙幣や利用者に返却する紙葉類は、搬送経路(図示しない)を経由して、ローラ20〜23により投入エリア(バケット)13に送られる(この処理を集積ともいう)。その後、シャッタ15が開き、投入エリア13内の紙葉類は利用者に受け取られる。
【0006】
従来、紙幣が投入エリア13に投入される際、まず、シャッタ15が開き、投入エリア13が出現する。このとき、ビルプレス11はステージ12から離れた位置に退避されており、投入エリア13はビルプレス11とステージ12で囲まれた空間となっている。従来、この投入エリア13の大きさは一定のサイズとなっている。
【0007】
また、特許文献1には、出金するとき、紙幣のばらつきを防止するために、支持部材(ステージ)を移動させて、投入エリアの大きさを変更する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−127050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、紙幣を投入エリアに投入するとき、利用者が投入する金額や紙幣の枚数にかかわらず、投入エリア13の投入口(接客口)のサイズは一定サイズである。
【0010】
投入エリア13に紙幣が投入される際、自動取引装置におけるその後の動作で異常が生じないようにするため、なるべく紙幣を揃えて投入され、紙幣が立った状態で投入されることが望ましい。
【0011】
多数枚の紙幣が投入されたときには、紙幣が投入エリア13に立った状態になりやすい。しかし、少数枚の紙幣が投入されたときには、投入エリア13内での紙幣の状態にばらつきが生じやすく、更に紙幣が立った状態にならないことがある。
【0012】
そのため、本来であれば紙幣を再度整えることが必要であるが、そのまま取引処理が進行してしまい、それ以後の分離を行うときに、紙幣の繰り出し不良が生じ得、投入異常、入金リジェクト等を誘発させるおそれがある。
【0013】
また、このような場合、投入が正常と判断され、一度シャッタ15が閉まり、自動取引装置が紙幣を受け付けたように見せておきながら、紙幣の再投入を利用者に要求することになるので、利用者に煩わしさを感じさせることになる。さらに、自動取引装置に不用意な障害も生じることにもなる。
【0014】
更に、特許文献1には、出金時に、紙幣の枚数に応じて支持部材を移動させて接客口のサイズを変える技術は記載されている。出金時においては、自動取引装置は出金に係る紙幣の枚数を認識している。そのため、自動取引装置が紙幣の枚数に応じて接客口のサイズを変えることはできる。
【0015】
しかし、紙幣が投入されるときには、自動取引装置は利用者が投入する紙幣の枚数を認識することができない。そのため、特許文献1の記載技術をそのまま適用することは困難である。
【0016】
例えば、図3〜図9は、紙幣が投入エリア13に投入されたときの従来の動作を説明する説明図である。
【0017】
図3及び図4は、多数枚の紙幣が投入された場合の例である。一方、図5〜図9は、少数枚の紙幣が投入された場合の例である。
【0018】
図3の例は、正常に紙幣が投入された場合である。すなわち、図3(A)に示すように、全ての紙幣が立った状態であり、図3(B)に示すように、全ての紙幣が揃って投入されたときである。
【0019】
これに対して、図4(A)では、多数枚の紙幣は立った状態で投入されるが、図4(B)に示すように、紙幣が揃っていない。この場合、投入検知センサ14は紙幣の投入の異常を検知する。これを受けて、自動取引装置は、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを利用者に要求することができる。
【0020】
図5の例は、少数枚の紙幣が正常に投入された場合である。すなわち、投入された紙幣の少数枚であるが、図3の例と同様に正常に動作する。
【0021】
図6の例は、図4の例と同様に、紙幣は立った状態で投入されたが、紙幣が揃って投入されていない場合である(図6(A)及び(B))。この場合も、図4の例と同様に、投入検知センサ14が紙幣の正常に投入されておらず異常を検知し、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを要求することができる。
【0022】
図7の例は、図7(A)に示すように、少数枚であるので、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っている状態であるが、図7(B)に示すように、紙幣は揃った状態で投入されている。この場合、投入検知センサ14は正常と判断する。そして、シャッタ15が閉まった後、ビルプレス11が移動して紙幣を押圧することになる。このとき、ビルプレス11に紙幣がもたれ掛かっているので、ステージ12との間で紙幣を挟み込むことができるので、正常に動作し得る。
【0023】
これに対して、図8の例は、図8(A)に示すように、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っており、図8(B)に示すように、紙幣が揃った状態で投入されていない場合である。本来、紙幣が揃っていないので、異常検知されるべきものであるが、紙幣がビルプレス11にもたれ掛っているので、投入検知センサ14が異常を検知できず、正常と判断してしまう。この場合、その後の動作で繰り出し不良等が生じ得る。
【0024】
さらに、図9の例は、図9(A)に示すように、紙幣がカール状に湾曲して倒れている状態である。この場合も、本来、異常検知されるべきものであるが、カール状に湾曲に倒れているので、投入検知センサ14が異常を検知できず、正常と判断されてしまう。従って、この場合も、その後の動作で繰り出し不良等が生じ得る。
【0025】
上記の例のように、少数枚の紙幣が投入されたときに、本来ならば異常検知をされるべきものが、異常検知できず、シャッタ15を閉じた後に、繰り出し不良等の異常が生じ得る。
【0026】
なお、上記では、紙幣取込装置の課題を中心に説明したが、紙幣も含めた紙葉類を取り込む紙葉類取込装置においても同じ課題が生じ得る。
【0027】
そこで、本発明は、紙葉類を取り込む際に、紙葉類の枚数を推定し、その推定した紙葉類の枚数に応じて、投入エリアの投入口の大きさを変更することができる紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の紙葉類取込装置は、投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置において、(1)投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、(2)投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材と、(3)利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、(4)投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、支持部材及び又は押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
第2の本発明の開口量制御プログラムは、投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持部材との間で押圧する押圧部材とを有する紙葉類取込装置の投入口の開口量を制御する開口量制御プログラムにおいて、コンピュータを、(1)利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段、(2)投入数量推定手段による推定結果に基づいて、紙葉類の投入前に、支持部材及び又は押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
第3の本発明の自動取引装置は、(1)利用者により取引に関する情報を取り込む操作手段と、(2)利用者が投入口に投入した紙葉類を取り込む紙葉類取込手段とを備え、利用者により選択された取引処理を行う自動取引装置において、紙葉類取込手段が、第1の本発明の紙葉類取込装置に相当するものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、紙葉類を取り込む際に、投入され得る紙葉類の数量を推定し、その推定した紙葉類の数量に応じて、投入エリアの開口量を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施形態の紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。
【図2】従来の紙幣取込装置の構成を側面から見たときの構成図である。
【図3】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(多数枚ケース1)。
【図4】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(多数枚ケース2)。
【図5】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース1)。
【図6】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース2)。
【図7】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース3)。
【図8】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース4)。
【図9】従来の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース5)。
【図10】第1の実施形態の自動取引装置の外観構成例を示す外観構成図である。
【図11】第1の実施形態の自動取引装置の主な内部機構の構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施形態の自動取引装置における紙幣取込装置の内部構成及びその周辺構成を示すブロック図である。
【図13】第1の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【図14】操作表示部が表示するメニュー画面例を示す図である。
【図15】第1の実施形態の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース1)。
【図16】第1の実施形態の紙幣が投入エリアに投入されたときの動作を説明する説明図である(少数枚ケース2)。
【図17】第2の実施形態の自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。
【図18】第2の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【図19】変形実施形態の操作表示部のメニュー画面例を示す図である。
【図20】変形実施形態の操作表示部に表示される投入口の広さを選択する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の紙葉類取込装置、開口量制御プログラム及び自動取引装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0034】
第1の実施形態は、例えば、金融機関等に設置される自動取引装置及び当該自動取引装置が備える紙幣取込装置に、本発明を適用した実施形態を例示する。
【0035】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)自動取引装置の構成
図10は、第1の実施形態の自動取引装置の外観構成例を示す外観構成図である。
【0036】
自動取引装置1は、例えば、金融機関、駅、小売店舗(例えばデパート、コンビニエンスストア等)等に設置されるものであり、利用者操作により金融取引を行うものである。自動取引装置1が行う金融取引の種類は、特に限定されないが、例えば、出金、入金、振込み、両替、預入等がある。
【0037】
図10において、第1の実施形態の自動取引装置1は、紙幣取込装置10、操作表示部50を少なくとも備えるものである。
【0038】
紙幣取込装置10は、利用者が投入した紙幣を取り込む装置である。紙幣取込装置10は、入出金装置を適用することができる。例えば、入金、預入、振込み、両替等の取引を行うときに、利用者は紙幣取込装置10に紙幣を取り込む。
【0039】
操作表示部50は、自動取引装置1が行う金融取引に係る操作画面を表示したり、表示画面を見て利用者が取引操作を行ったりするものである。この実施形態では、操作表示部50は、例えば、操作部と表示部とが一体となったタッチパネル等を想定して説明するが、タッチパネルに限定されるものではなく、操作部と表示部とを分離した構成でもよい。
【0040】
図11は、自動取引装置1の主な内部機構の構成を示すブロック図であるである。図11において、自動取引装置1は、紙幣取込装置10、鑑別部91、一時保留部92、リジェクト庫96を有し、紙幣カセット部は少なくとも1個以上を有する(図11では、3個の紙幣カセット93、94及び95を備える場合を例示する)。
【0041】
鑑別部91は、紙幣取込装置10から分離された紙幣の金種、真偽、表裏等を判別するものである。鑑別部91は、入金又は出金された紙幣の金種を判別するものである。入金のときには、鑑別部91により判別された紙幣は、金種別の紙幣カセット部93〜95に搬送される。また、鑑別部91は、真偽判別で偽とする紙幣を一時保留部92に一時的に保留するものである。
【0042】
紙幣カセット部93、94、95は、入金又は出金のために、紙幣を収納する収納部である。紙幣カセット部93、94、95は、金種別に紙幣を収納する。
【0043】
一時保留部92は、鑑別部91により真と判別された紙幣を一時的に保持するものである。一時保留部92において一時的に保留された紙幣のうち、再利用にそぐわない券(例えば損券等)である紙幣は、リジェクト庫96に搬送させる。
【0044】
リジェクト庫96は、再利用不可能と判断された紙幣を収納する収納部である。
【0045】
(A−1−2)紙幣取込装置10の構成
次に、紙幣取込装置10の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0046】
図12は、第1の実施形態の紙幣取込装置10の構成を示すブロック図である。また、図1は、第1の実施形態の紙幣取込装置10を側面から見た機構を示す図である。なお、紙幣取込装置10の機構は、後述するように、ビルプレス11とステージ12のいずれ、又は双方の位置を移動制御することができれば、既存の入出金装置と同じである。
【0047】
図12に示すように、紙幣取込装置10は、操作表示部50、制御部51、記憶部52、通信インタフェース部53、紙幣取込機構54を少なくとも有する。
【0048】
操作表示部50は、制御部51の制御の下、画面を表示するものである。また、操作表示部50は、利用者により選択された情報を取り込み、その情報を制御部51に与えるものである。
【0049】
制御部51は、取引処理や紙幣取込機構54の動作を制御するものである。制御部51は、操作表示部50、紙幣取込装置10、記憶部52、通信インタフェース部53と接続するものである。
【0050】
また、制御部51の主な機能は、取引制御部511、枚数推定部512、駆動制御部513を少なくとも有する。これらの機能は、例えばソフトウェア処理により実現することができる。例えば、制御部51は、記憶部52に格納される処理プログラムを読み出し、必要なデータを用いて処理プログラムを実行することで、上記機能を実現することができる。
【0051】
取引制御部511は、各取引の処理を制御するものである。取引制御部511は、操作表示部50から利用者により選択された取引について、取引に必要なデータや紙幣の入金又は出金等の処理を制御するものである。取引制御部511が制御する取引の種類は、特に限定されるものではなく、入金、出金、両替、振込み等の様々な取引がある。
【0052】
例えば、取引制御部511は、操作表示部50から利用者が選択した取引の情報を受けると、その選択された取引の操作を進行させる画面を操作表示部50に表示させたり、上記画面を通じて必要なデータを取得したり、通信インタフェース部53を通じて取引サーバ(図示しない)との間で取引のためのデータを送受信したりする。
【0053】
枚数推定部512は、取引の種類が紙幣を取り込むものである場合に、利用者に投入される紙幣の枚数を推定するものである。枚数推定部512が実行する取引の種類は、利用者が投入エリア13に紙幣を取り込む取引であればよく、例えば、入金、両替、振込み、預入等がある。
【0054】
ここで、枚数推定部512による紙幣の枚数の推定方法は、種々の方法を適用することができる。例えば、枚数推定部512による紙幣の枚数推定方法としては、枚数推定部512は、利用者が選択した取引の種類を確認し、その取引の種類に基づいて、記憶部52に記憶される取引種類と推定枚数との対応テーブルを参照し、当該取引種類に対応する紙幣の枚数を推定する方法を適用することができる。
【0055】
例えば売上入金等を含む「入金」を行う場合には、利用者が投入する紙幣の枚数は比較的多い。これに対して、例えば「両替」を行う場合には、投入される紙幣の枚数は比較的少ない。このように、枚数推定部512は、利用者が希望する取引の種類に応じて、投入される紙幣の枚数を推定することができる。
【0056】
第1の実施形態において、枚数推定部512が推定する紙幣の枚数は、投入される紙幣の具体的な枚数を推定するのではない。投入された紙幣が、立った状態で、投入エリア13に収まる程度の枚数か否かを推定するものとする。例えば、第1の実施形態では、閾値(例えば、3枚、5枚等)よりも大きい「多数枚」であるか又は閾値以下の「少数枚」であるか否かを、枚数推定部512は推定する。なお、上記閾値は、1個とする場合を例示するが、2個以上としてもよい。
【0057】
駆動制御部513は、取引制御部511が制御する取引処理に基づいて、自動取引装置1の機構の駆動制御を行うものである。
【0058】
また、駆動制御部513は、枚数推定部512により推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11を駆動するビルプレス駆動部25の動作を制御するものである。これにより、紙幣を取り込む際に、投入される枚数に応じて、ビルプレス11の位置を変化させることができる。すなわち、紙幣取込装置10の投入口(接客口)のサイズを広くしたり又は狭くしたりすることができる。
【0059】
記憶部52は、処理プログラムや必要なデータを記憶するものである。記憶部52は、例えば、自動取引装置1として機能する各金融取引に係る処理プログラム、金融取引の種類に応じた機構動作に係る処理プログラム、枚数推定処理に係る処理プログラム、取引種類と推定枚数とを対応付けた対応テーブル、投入される紙幣の枚数に応じてビルプレス11を変動させる処理プログラム等を記憶するものである。
【0060】
通信インタフェース部53は、図示しない通信網との間でデータの送受信を行うものである。通信インタフェース部53は、制御部51の指示に従って、金融機関の取引サーバとの間で取引情報の送受信を行う。そして、通信インタフェース部53は、受信した情報を制御部51に与える。
【0061】
紙幣取込装置10の紙幣取込機構54の構成は、図1に例示する。上述したように、紙幣取込装置10の機構構成は、ビルプレス11及び又はステージ12の位置を移動させることがでれば、既存装置に適用することができる。
【0062】
また、紙幣取込機構54は、図12に示すように、ビルプレス11、ステージ12、シャッタ13、投入エリア13、投入検知センサ14、ビルプレス駆動部25、ステージ駆動部26、シャッタ駆動部27、投入エリア駆動部28を少なくとも有する。
【0063】
シャッタ駆動部27は、制御部51の制御を受けて、シャッタ15を駆動するものである。
【0064】
シャッタ15は、シャッタ駆動部27に駆動されて開閉動作を行う開閉体である。シャッタ15は、例えばスライドして開閉するものである。紙幣の取り込みの際又は紙幣の取出しの際に、シャッタ15は開状態となる。また、シャッタ15が開状態となると、投入エリア13が露出する。
【0065】
ビルプレス駆動部25は、制御部51の制御を受けて、ビルプレスを駆動するものである。ビルプレス駆動部25は、例えばモータ等の電動機を有するものである。
【0066】
ビルプレス11は、投入された紙幣を、ステージ12との間で押圧する押圧部材である。ビルプレス11は、ビルプレス駆動部25に駆動されて、ステージ12に近くづく方向又は離れる方向に移動可能なものである。
【0067】
シャッタ15が開くと投入エリア13が露出する。例えば、投入エリア13の空間は、利用者から見ると、手前側にビルプレス11があり、奥側にステージ12があり、両端は壁であるバケット形状をしている。なお、底部は、例えば硬貨等の異物が落下できる構成となっている。
【0068】
ビルプレス11は、ステージ12との間で、投入エリア13の投入口の空間を形成する。すなわち、ビルプレス11の位置が投入エリア13の投入口の大きさを変化させることができる。例えば、ビルプレス11がステージ12に近づくにつれ、投入口の大きさを小さくなり、逆に、ビルプレス11がステージ12から離れるにつれ、投入口の大きさが大きくなる。
【0069】
ステージ駆動部26は、制御部51の制御を受けて、ステージ12を駆動するものである。ステージ駆動部26は、例えばモータ等の電動機を有するものである。
【0070】
ステージ12は、投入された紙幣を支持する支持部材である。ステージ12は、ステージ駆動部26の駆動を受けて、ビルプレス11に近づく方向に移動したり又は離れる方向に移動したりするものである。
【0071】
投入検知センサ14は、投入口付近に設置されており、投入エリア13に紙幣が投入されたことを検知するセンサである。投入検知センサ14は、例えば、1対の送光器及び受光器からなり、受光器が受光できないときに投入異常とする者を適用することができる。なお、投入検知センサ14は、紙幣の受け取りときに、利用者の手が挿入されたことを検知する手挿入検知センサと兼用することができる。
【0072】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の自動取引装置1における紙幣取込方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0073】
以下では、ビルプレス11の位置を移動させることで、投入エリア13の投入口の大きさを調整する場合を例示する。
【0074】
勿論、ビルプレス11に代えてステージ12の位置を移動させて、投入口の大きさを変更してもよい。また、ビルプレス11及びステージ12の両方を移動させて、投入口の大きさを変更してもよい。
【0075】
図13は、第1の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【0076】
まず、自動取引装置1の操作表示部50には、メニュー画面が表示されている。利用者は、操作表示部50に表示されているメニュー画面から、希望する取引の取引ボタンを選択する(S101)。
【0077】
図14は、操作表示部50に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。図14に例示するメニュー画面には、例えば「いらっしゃいませ ご希望のお取引を押してください」と記載された操作案内部60、入金ボタン61、出金ボタン62、通常記帳ボタン63、両替ボタン64、定期預金ボタン65、照会ボタン66、振込みボタン67、届出内容変更ボタン68がある。
【0078】
図14に例示するメニュー画面のうち、利用者が希望する取引の取引ボタンを選択すると、操作表示部50は、その選択された取引の選択情報を制御部51に与える。制御部51は、その選択された取引を実行する操作画面を操作表示部50に与え、操作表示部50はその操作画面を表示する。そして、利用者は、操作表示部50に表示された画面に従って取引操作を行う。
【0079】
操作表示部50は、当該利用者により入力されたIDを取得する(S102)。利用者のIDの取得方法としては、例えば、キャッシュカード等のカードや通帳などを挿入させ、カードや通帳等に格納されているIDを取得する方法や、また例えば、表示画面にID入力部を表示させ、利用者にIDを直接入力させるようにしてもよい。
【0080】
次に、制御部51では、枚数推定部512が選択された取引の種類を確認する(S103)。枚数推定部512は、記憶部52に記憶される対応テーブルを参照して、選択された取引種類に対応する紙幣の枚数を推定する。
【0081】
例えば、利用者により選択された取引種類が「入金」の場合、枚数推定部512は、最大限度枚数(すなわち、多数枚)と推定する(S104)。これは例えば売上入金等のように入金取引を行う場合には、多数枚の紙幣が投入されることがあるので、枚数推定部512は多数枚の紙幣が投入されると推定する。
【0082】
また例えば、利用者により選択された取引種類が「両替」の場合、枚数推定部512は、少数枚と推定する(S105)。これは、例えば1万円札を千円札に両替するような場合、投入される紙幣の枚数は1枚となり、比較的少数枚であることがわかる。そこで、このような取引の場合、枚数推定部512は少数枚の紙幣が投入されると推定する。
【0083】
さらに例えば、利用者により選択された取引種類が「入金」、「両替」のいずれでもない「その他」の場合、枚数推定部512は、最大限枚数と推定する(S106)。
【0084】
枚数推定部512により投入される紙幣の枚数が推定されると、駆動制御部513は、推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11の位置決めを行い、ビルプレス駆動部25に対して駆動制御信号を与える(S107)。
【0085】
ここで、「多数枚」と推定された場合、駆動制御部513は、従来と同様に、ステージ12から離れた位置にビルプレス11を退避させるようにする。
【0086】
これに対して、「少数枚」と推定された場合、駆動制御部513は、ビルプレス11の位置がステージ12側に移動させた位置となるように制御する。例えば、「少数枚」のときのビルプレス11の位置を予め設定しておき、駆動制御部513は、ビルプレス11がその位置に移動するように駆動制御信号を出力する。
【0087】
ビルプレス駆動部25は、駆動制御部513からの駆動制御信号に基づいて、ビルプレス11を移動させる(S108)。「少数枚」のときのビルプレス11とステージ12との距離は、「多数枚」のときのそれよりも短くなる。従って、「少数枚」のときの投入エリア13の空間は、「多数枚」のときのそれよりも狭くなる。
【0088】
その後、シャッタ15が開き、利用者は紙幣を投入エリア13に投入する(S109)。それ以後の処理は、従来と同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0089】
図15及び図16は、紙幣が投入エリア13に投入されたときの動作を説明する説明図である。図15及び図16は、いずれも少数枚の紙幣が投入される場合を示す。
【0090】
図15及び図16に示すように、ビルプレス11がステージ12側に移動される。そのため、投入エリア13の空間が規制され、また投入口も小さくなる。従って、少数枚の紙幣が投入されても、紙幣は立った状態となり得る。
【0091】
図15の例は、紙幣にばらつきがある状態で投入された場合を示す。この場合でも、投入エリア13が狭くなるから紙幣が立った状態となるから、投入検知センサ14が紙幣の投入が完了されていないと判断し、異常を検知する。そのため、シャッタ15が閉まる前に、セットし直しを利用者に要求することができる。
【0092】
また、図16の例は、紙幣が揃った状態で投入された場合を示す。この場合も、投入エリア13が狭くなり紙幣は立った状態となり、投入検知センサ14も正常に投入されたと判断するので、シャッタ15は閉まり、正常に動作する。
【0093】
このように、ビルプレス11がステージ12側に移動することで、投入エリア13の空間が狭くなることで、紙幣が立った状態となり、投入エリア13において、紙幣のばらつきが少なくなったり、倒れが少なくなったりする。その結果、その後の動作を正常に行うことができる。
【0094】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、取引種類の情報に基づいて、ビルプレス及び又はステージの位置を移動させ、投入エリアの空間を規制することができる。
【0095】
これにより、従来のように、投入された紙幣の枚数が少数枚であり、ばらつきのある状態で投入された場合でも、正常投入と判断され、その後の動作で、繰り出し不良や、投入異常、入金リジェクト等を誘発させることを回避できる。
【0096】
その結果、利用者に再投入をさせる等の煩わしさを感じさせていたものを未然に回避することができる。さらには、装置自身も不要に取引を増やさず、紙幣を繰り返し通過させないことで、信頼性を向上させることができる。
【0097】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の紙葉類取込装置、紙葉類取込プログラム及び自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0098】
第1の実施形態では、取引の種類に基づいて投入される紙幣の枚数を推定して、ビルプレス等の位置を移動させる場合を説明した。
【0099】
これに対して、第2の実施形態では、利用者IDに基づいて、当該利用者が行った過去の取引内容に基づいて、投入される紙幣の枚数を推定して、ビルプレス等の位置を移動させる場合を説明する。
【0100】
(B−1)第2の実施形態の構成
図17は、第2の実施形態の自動取引システムの全体構成を示す全体構成図である。図17において、第2の実施形態の自動取引システム5は、ネットワーク4を介して、自動取引装置1、取引サーバ2、利用者情報管理データベース(DB)3を少なくとも有して構成される。
【0101】
なお、図17では、1台の自動取引装置1のみを記載しているが、1台に限定されるものではなく、複数台備えるようにしてもよい。
【0102】
取引サーバ2は、金融取引サービスを提供するサーバである。例えば、取引サーバ2は、金融機関等の金融取引管理サーバである。
【0103】
利用者情報管理データベース3は、利用者情報を保持するデータベースである。利用者情報管理データベース3は、例えば、利用者のIDに、利用者の氏名及び住所、過去の取引種類、取引日時情報、取引曜日、取引額等を対応付けて管理するものである。
【0104】
自動取引装置1は、第1の実施形態で説明した自動取引装置1である。自動取引装置1は、第1の実施形態と同様に紙幣取込装置10を備える。この紙幣取込装置10の構成は、図12と同じであるので、第2の実施形態でも図12を用いて説明する。
【0105】
図12において、取引制御部511は、第1の実施形態で説明した機能に加えて、利用者IDを取得すると、その利用者IDを取引サーバ2に与える、当該利用者IDに対応する利用者の過去の取引内容を受け取るものである。
【0106】
枚数推定部512は、取引制御部511から取得した利用者の過去の取引内容に基づいて、利用者が投入する紙幣の枚数を推定するものである。
【0107】
駆動制御部513は、第1の実施形態で説明したものと同様に、枚数推定部512が推定した紙幣の枚数に基づいて、自動取引装置1はビルプレス11の位置を移動させる。
【0108】
(B−2)第2の実施形態の動作
図18は、第2の実施形態の紙幣取込方法の動作を説明するフローチャートである。
【0109】
図18において、利用者が操作表示部50のメニュー画面から取引ボタンを選択し(S101)、自動取引装置1が利用者IDを取得する(S102)までの手順は、第1の実施形態と同じである。
【0110】
自動取引装置1の制御部51では、取引制御部511が、取得した利用者IDを、通信インタフェース部53を介して取引サーバ2に与える。取引サーバ2は、利用者情報管理データベース3を参照して、受信した利用者IDに対応する利用者情報を検索して自動取引装置1に与える。このようにして、取引制御部511は、利用者IDに対応する利用者情報を取得する。
【0111】
次に、枚数推定部512は、利用者により選択された取引の種類を確認する(S202)。
【0112】
このとき、利用者が選択した取引の種類が、「両替」のときは、第1の実施形態と同様に、枚数推定部512は投入される紙幣の枚数は少数枚と推定する(S105)。また、入金及び両替以外の「その他」であるときも、第1の実施形態と同様に、枚数推定部512は投入される紙幣の枚数は最大限枚数と推定する(S106)。
【0113】
これに対して、利用者が選択した取引の種類が「入金」の場合、枚数推定部512は、利用者IDに対応する過去の取引内容に基づいて、当該利用者が過去に投入した入金額に基づいて投入される紙幣の枚数を推定する。
【0114】
例えば、枚数推定部512は、当該利用者IDに対応する過去の利用者情報のうち、今回の取引と同じ曜日、ほぼ同じ時間帯に「入金」したデータを検索する。そして、枚数推定部512は、過去に入金した入金額を検索し、その入金額からおおよその紙幣枚数を推定する。
【0115】
これは、例えば売上入金等の取引は、規則性を持って行われる傾向がある。そのため、当該利用者の過去の取引状況を利用して、枚数推定部512は、今回の取引で投入される紙幣の枚数を推定することができる。これにより、第1の実施形態の場合よりも、きめ細かく、投入される紙幣の枚数を推定することができる。
【0116】
すなわち、第1の実施形態では、最大限枚数(多数枚)と少数枚の2段階に区分して、枚数推定部512が投入される紙幣の枚数を推定した。しかし、第2の実施形態では、前回の取引で、例えば、50万の入金額があったとすると、50枚以上の紙幣が投入される等のように、具体的な枚数を枚数推定部512は推定することができる。
【0117】
なお、枚数推定部512は、過去の所定回数で入力された入金額の平均を求め、その平均額から、今回投入される紙幣の枚数を推定するようにしてもよい。
【0118】
また、上記の例では、過去の利用者情報から、同じ曜日及び同じ時間帯のデータを検索する場合を例示したが、同じ曜日のみ、同じ時間帯のみであってもよい。さらに、例えば20日、25日等のように、いわゆる五十日(ごとおび)に取引した入金額に基づいて紙幣の枚数を推定するようにしてもよい。
【0119】
枚数推定部512により投入される紙幣の枚数が推定されると、駆動制御部513は、推定された紙幣の枚数に応じて、ビルプレス11の位置決めを行い、ビルプレス駆動部25に対して駆動制御信号を与える(S107)。
【0120】
ここで、例えばビルプレス駆動部25はモータ等の電動機を適用できる。また例えば、駆動制御部512は、紙幣1枚当たりの厚さを認識している。従って、駆動制御部512は、ビルプレス駆動部25を回転させるパルス数を調整することで、具体的な枚数の紙幣が投入されるときでも、ビルプレス11の位置決めをすることができる。
【0121】
ビルプレス駆動部25は、駆動制御部513からの駆動制御信号に基づいて、ビルプレス11を移動させる(S108)。そして、その後、シャッタ15が開き、利用者が紙幣を投入エリア13に投入する(S109)。それ以後の処理は、従来と同じであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0122】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、利用者の過去の取引内容に基づいて、今回の取引で当該利用者が投入する紙幣の枚数を推定することができる。
【0123】
その結果、入金取引の場合でも、利用者が投入しようとする紙幣の枚数に応じて、投入エリアの投入口の位置を適正な位置にすることができ、装置自身もさらに不要に取引を増やさず、紙幣を繰り返し通過させないことで、信頼性を向上させることができる。
【0124】
(C)他の実施形態
(C−1)上述した第1及び第2の実施形態では、金融機関等に設置される自動取引装置の入出金装置に本発明を適用する場合を例示した。しかし、本発明は、自動取引装置の入出金装置に限定されるものではなく、自動機器(例えば、コンビニエンスストアATM、売上入金機等)、小切手やチケット等の紙媒体を取り扱う装置にも適用できる。
【0125】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、自動取引装置が1個の紙幣取込装置を備える場合を例示したが、2個以上であってもよい。
【0126】
さらに、上述した第1及び第2の実施形態において、紙幣取込装置は、シャッタが開くことで投入エリアが露出するような構成を例示したが、これに限定されるものではない。
【0127】
(C−2)第1及び第2の実施形態では、利用者が選択した取引の種類に応じて、投入される紙幣が少数枚であるか、又は、多数枚(最大限枚数)であるかを推定する場合を説明した。
【0128】
しかし、取引前に、自動取引装置は入力枚数を知りえない。従って、取引前に、自動取引装置が認識することができる方法であれば、上記の方法に限定されない。
【0129】
例えば、図19に示すように、操作表示部のメニュー画面に、少額入金70ボタンを設けるようにしてもよい。これにより、自動取引装置は、取引前に、投入される紙幣の枚数が少数枚であること推定でき、それに応じて投入口の大きさを制御できる。
【0130】
また別の方法としては、操作表示部を用いて、利用者が投入する紙幣の枚数を具体的に入力させるようにしてもよい。
【0131】
(C−3)第1及び第2の実施形態では、自動取引装置が、推定した紙幣の枚数に応じてビルプレス等の位置を移動させ、投入エリアの投入口の大きさを調整するようにした。
【0132】
しかし、利用者の好みに応じて、ビルプレス等の位置を移動させて投入口の大きさを選択できるようにしてもよい。
【0133】
例えば、図20に例示するように、投入口の広さを選択することができる操作画面を表示させ、制御部51が、その操作情報に応じてビルプレス等の位置を移動させるようにしてもよい。
【0134】
図20の操作画面例では、「投入口の広さをご指定ください」の操作案内71と、投入口の大きさを狭くするボタン72と、広くするボタン73とを有する。そして、例えば、制御部は、ボタン72が押し続けられると、その間、ビルプレスとステージとが近くなるように、ビルプレス等を移動させる。逆に、ボタン73が押し続けられると、その間、制御部は、ビルプレスとステージとが離れるように、ビルプレス等を移動させるようにしてもよい。これにより、利用者の好みに応じた投入口の大きさを設定することができる。
【0135】
さらに、制御部は、利用者により設定された投入口の大きさに相当するビルプレス等の位置を、利用者IDに対応付けて、利用者情報管理データベースに保存させるようにしてもよい。これにより、次回に当該利用者が取引を行うときに、制御部は、利用者IDに対応付けたビルプレス等の位置にすることで、利用者の好みの投入口の大きさにすることができる。
【符号の説明】
【0136】
1…自動取引装置、2…取引サーバ、3…利用者情報管理データベース、
10…紙幣取込装置、11…ビルプレス、12…ステージ、13…投入エリア、
14…投入検知センサ、15…シャッタ、
25…ビルプレス駆動部、26…ステージ駆動部、27…シャッタ駆動部、
50…操作表示部、51…制御部、511…取引制御部、512…枚数推定部、
513…駆動制御部、52…記憶部、53…通信インタフェース部、
54…紙幣取込機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置において、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を支持する支持部材と、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を上記支持部材との間で押圧する押圧部材と、
利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、
上記投入数量推定手段による推定結果に基づいて、上記紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段と
を備えることを特徴とする紙葉類取込装置。
【請求項2】
利用者から受け取った利用者識別情報に基づいて、当該利用者識別情報に対応する利用情報を利用情報記憶手段から取得する利用情報取得手段を更に備え、
上記投入数量推定手段が、上記利用情報取得手段により取得された上記利用情報に含まれる過去の利用情報に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類取込装置。
【請求項3】
投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を上記支持部材との間で押圧する押圧部材と
を有する紙葉類取込装置の上記投入口の開口量を制御する開口量制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段、
上記投入数量推定手段による推定結果に基づいて、上記紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段
として機能させることを特徴とする開口量制御プログラム。
【請求項4】
利用者により取引に関する情報を取り込む操作手段と、
利用者が投入口に投入した紙葉類を取り込む紙葉類取込手段と
を備え、利用者により選択された取引処理を行う自動取引装置において、
上記紙葉類取込手段が、請求項1又は2に記載の紙葉類取込装置に相当するものであることを特徴とする自動取引装置。
【請求項1】
投入口に投入された紙葉類を取り込む紙葉類取込装置において、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を支持する支持部材と、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を上記支持部材との間で押圧する押圧部材と、
利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段と、
上記投入数量推定手段による推定結果に基づいて、上記紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段と
を備えることを特徴とする紙葉類取込装置。
【請求項2】
利用者から受け取った利用者識別情報に基づいて、当該利用者識別情報に対応する利用情報を利用情報記憶手段から取得する利用情報取得手段を更に備え、
上記投入数量推定手段が、上記利用情報取得手段により取得された上記利用情報に含まれる過去の利用情報に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類取込装置。
【請求項3】
投入口を形成するものであって、投入された紙葉類を支持する支持部材と、
上記投入口を形成するものであって、投入された上記紙葉類を上記支持部材との間で押圧する押圧部材と
を有する紙葉類取込装置の上記投入口の開口量を制御する開口量制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
利用者に選択された動作種類に基づいて、投入される上記紙葉類の数量を推定する投入数量推定手段、
上記投入数量推定手段による推定結果に基づいて、上記紙葉類の投入前に、上記支持部材及び又は上記押圧部材の位置を移動制御する移動制御手段
として機能させることを特徴とする開口量制御プログラム。
【請求項4】
利用者により取引に関する情報を取り込む操作手段と、
利用者が投入口に投入した紙葉類を取り込む紙葉類取込手段と
を備え、利用者により選択された取引処理を行う自動取引装置において、
上記紙葉類取込手段が、請求項1又は2に記載の紙葉類取込装置に相当するものであることを特徴とする自動取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−190245(P2012−190245A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53030(P2011−53030)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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