紙葉類識別装置
【課題】紙幣識別装置1全体のコストの増加を伴わずに、搬送方向の直角方向に対する紙幣6の傾斜が0に近い場合でも、搬送パルスの周期より細かい精度で搬送方向の検知ができる紙幣識別装置1を提供する。
【解決手段】紙幣6を搬送する搬送路3と、該搬送路3上で複数の受光素子アレイを搬送幅方向に一列に配列した光学ラインセンサ23と、該光学ラインセンサ23で読み取った二値画像Bに基づいて前記紙幣6を識別する識別処理部35とを備えた紙幣識別装置1について、前記受光素子アレイの配列方向を前記搬送路3の搬送幅方向に対して傾斜させた。
【解決手段】紙幣6を搬送する搬送路3と、該搬送路3上で複数の受光素子アレイを搬送幅方向に一列に配列した光学ラインセンサ23と、該光学ラインセンサ23で読み取った二値画像Bに基づいて前記紙幣6を識別する識別処理部35とを備えた紙幣識別装置1について、前記受光素子アレイの配列方向を前記搬送路3の搬送幅方向に対して傾斜させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば搬送されてきた紙幣などの紙葉類を識別するような紙葉類識別装置に関し、特に光学ラインセンサを用いて、取得した紙葉類のイメージデータから紙葉類の種類及び真偽を識別するような紙葉類識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣識別装置には、紙葉類の通過する位置と搬送方向に対する傾斜の検知に、光学センサが用いられている。この紙幣識別装置は、光学センサの出力の変化のタイミングにより紙葉類の通過の位置を検知し、センサ素子の間の変化の時間差により紙葉類の傾斜を検知する。
【0003】
このような検知を行う装置として、搬送路の全幅をカバーする光学ラインセンサを搬送路の搬送方向と直角の方向に取り付けた装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置には、搬送が少し進むごとに一定の周期で搬送パルスを生成するロータリエンコーダと、搬送パルスに合わせて光学ラインセンサの出力を二値化して取り込むフレームメモリと、フレームメモリに取り込んだデータをデジタル処理する画像処理部とが備えられている。この装置は、搬送パルスに合わせて搬送路を搬送方向と垂直に走査することにより、フレームメモリに、紙葉類の2次元の二値画像を得る。例えば、光学素子が1mm間隔の光学ラインセンサを用い、搬送が1mm進むごとにパルスを生成するロータリエンコーダを用いる場合には、画素の大きさが1mm四方の二値画像を得る。その二値画像に画像処理を適用することにより、紙葉類の四辺の位置と傾斜を算出する。
【0004】
しかし、このような装置は、搬送している紙葉類の傾斜が0に近い場合に、量子化誤差の影響により、紙葉類の位置や傾斜の検知精度が低くなる。例えば、搬送パルスが1mm周期である場合、紙葉類の傾斜が1mm未満であれば、紙葉類の辺が平らに写ることになる。このように紙葉類の辺の傾斜が0に近く平らに写っている場合には、搬送パルス間のどの位置に紙葉類が存在しても同一に検知してしまい、最大0.5mmの誤差が生じる。
【0005】
特に紙幣を識別する紙幣識別装置においては、紙幣の真贋の識別にて贋物の微妙な違いを見逃さないことが重要であるから、上述した誤差による識別性能の低下を極力防止することが望ましい。
【0006】
識別性能を向上する方法としては、搬送パルスの周期を細かくし、走査の回数を増やすことが考えられる。これによると、紙葉類の傾斜の大きさによらずに搬送方向の検知精度が向上し、傾斜が0に近い場合の検知精度も向上する。例えば、搬送パルスの周期が0.5mmのロータリエンコーダを用いた場合、1mmのロータリエンコーダを用いるよりも、搬送方向の検知精度が倍になる。ただし、この場合には、1mmのロータリエンコーダを用いる場合より、高速な光学ラインセンサ、大容量のフレームメモリ、および高性能の画像処理部が必要になり、装置全体のコストが上がる。
【0007】
【特許文献1】特開平8−212417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述した装置全体のコストの増加を伴わずに、搬送方向の直角方向に対する紙葉類の傾斜が0に近い場合でも、搬送パルスの周期より細かい精度で搬送方向の検知ができる紙葉類識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、紙葉類を搬送する搬送路と、該搬送路上で複数の検出素子を搬送幅方向に一列に配列したラインセンサと、該ラインセンサで読み取った前記紙葉類のイメージデータに基づいて前記紙葉類を識別する識別手段とを備えた紙葉類識別装置であって、前記検出素子の配列方向を前記搬送路の搬送幅方向に対して傾斜させた紙葉類識別装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、装置全体のコストの増加を伴わずに、搬送方向の直角方向に対する紙葉類の傾斜が0に近い場合でも、搬送パルスの周期より細かい精度で搬送方向の検知ができる紙葉類識別装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態は、紙葉類としての紙幣を搬送して該紙幣を識別する紙幣識別装置に関するものである。ここで、紙幣を識別するとは、紙幣の種類(例えば日本の場合、旧千円札、新千円札、二千円札等)の判別(金種判別)及び紙幣の真贋の鑑別を行うことを指す。また、単に紙幣と記述した場合は、本物の紙幣、贋物の両方を指し、これ以降も同等の意味で使用する。また、この紙幣識別装置は、例えば銀行の金融機関などに設けたATMなどに組み入れられ、紙幣を識別するための装置である。
【0012】
まず、図1の紙幣識別装置1の斜視図と図2の紙幣識別装置1の下側ユニット4の平面図を用いて、紙幣識別装置の概略を説明する。
紙幣識別装置1は、搬送路3を挟んで上下に配設された上側ユニット2と下側ユニット4とで構成されている。紙幣識別装置1の下側ユニット4の上面には、搬送幅Lの全幅に渡って、光学ラインセンサ23の投光部23aが搬送幅方向(図2の左右方向)より搬送方向(図2の上下方向)に角度θだけ傾斜して取り付けられている。
【0013】
ここで、搬送幅方向とは、搬送方向に対して直角の方向を指す。この搬送幅方向に対して光学ラインセンサ23を角度θだけ傾斜させることで、光学ラインセンサ23に対して紙幣を常に傾斜した状態で通過させることができる。
【0014】
下側ユニット4の上面には、紙幣を搬送する複数の搬送ローラ22、および前記光学ラインセンサ23以外の各種センサ21が設けられている。上側ユニット2の下面には、前記光学ラインセンサ23の受光部(図示省略)が前記投光部23aと上下方向に対向して取り付けられている。したがって、光学ラインセンサ23の受光部は、投光部23aと同様に角度θだけ傾斜して取り付けられている。
【0015】
搬送路3は、紙幣6が矢印Aに示す方向へ搬送される通路である。
下側ユニット4には、ATMに設けられている各種機器類を接続する。
ギア5は、ATM内のモータと紙幣識別装置1の搬送ローラ22とを連結してATM内のモータの駆動力により搬送ローラ22を回転させる。
各種センサ21は、各種センサ21に応じた波形等の入出力を行う。
搬送ローラ22は、紙幣6を挟んで回転するローラであり、ATM内のモータとギア5で連結されて、一定の速度で紙幣を搬送する。
光学ラインセンサ23は、光学的パターンのイメージの読み取りを行う。
【0016】
図3は、紙幣識別装置1の構成を示すブロック図である。
紙幣識別装置1は、搬送ローラ22、ロータリエンコーダ31、光学ラインセンサ23、光学ラインセンサ駆動部32、フレームメモリ33、画像処理手段としての画像処理部34、および識別手段としての識別処理部35を備えている。
【0017】
搬送ローラ22は、紙幣6を挟んで搬送方向に回転するローラであり、複数設けられている。各搬送ローラ22は、ATM内のモータ(図示しない)とギア5で連結され、一定の速度で紙幣6を搬送する。
ロータリエンコーダ31は、搬送ローラ22の回転軸の1つに取り付けられており、搬送が少し進むごとに一定の周期で搬送パルスを生成する。
【0018】
光学ラインセンサ23は、投光部23aに一列に複数等間隔に配置された投光素子と、受光部に一列に複数等間隔に配置された検出素子としての受光素子アレイとからなる。投光素子と受光素子アレイは、搬送路3を挟んで上下対称に取り付けられている。投光部23aと受光部は、いずれも搬送幅方向から傾斜角θだけ傾斜させて上下に平行に取り付けられている。このように構成された光学ラインセンサ23は、搬送路3の全幅をカバーし、1回の操作で搬送路3の1次元の画像をキャプチャする機能を有する。一般的には、搬送方向に直角に取り付けられているが、本発明では、傾斜角θだけ斜めに取り付けられている。この傾斜角θは、搬送路3で搬送する紙幣6のスキューを許容する傾斜許容角度としてのスキュー許容角度よりも大きい角度に構成されている。
【0019】
光学ラインセンサ駆動部32は、ロータリエンコーダ31の搬送パルスに合わせて、光学ラインセンサ23の出力を二値化して取り込み、フレームメモリ33に書き込む機能を有する。光学ラインセンサ駆動部32が1次元の二値データをフレームメモリ33に次々に書き込むことにより、フレームメモリ33上に、紙幣の2次元の二値画像を生成する。この二値画像は、紙幣の全面における光学パターンのイメージデータである。
【0020】
フレームメモリ33は、紙幣の2次元の二値画像を、一定期間、保持する機能を有する。このフレームメモリ33は、画像処理部34が処理を実行する間、二値画像を記憶する。
【0021】
画像処理部34は、フレームメモリ33内の紙幣の二値画像を読んで、紙幣の四辺の位置と傾き(傾斜角度)を算出(推定)する機能を有する。この画像処理部34は、紙幣の傾斜角度を算出するときに傾斜角度算出手段として機能し、四辺の位置を算出するときに外形検出手段として機能する。画像処理部34で算出した紙幣の四辺の位置と傾きは、後段に設けられた識別手段としての識別処理部35に渡される。
識別処理部35は、紙幣の四辺の位置と傾きに基づいて、紙幣6の金種判定および真偽判定を行い、紙幣6を識別する。
【0022】
このように構成された紙幣識別装置1は、次のように動作して、紙幣の四辺の位置を求める。
まず、図示省略するATMのモータにより搬送ローラ22が回転させられると、搬送ローラ22が紙幣6を搬送し、この搬送ローラ22の軸の1つに取り付けられているロータリエンコーダ31が、搬送パルスを生成する。この搬送パルスに合わせて、光学ラインセンサ駆動部32が、光学ラインセンサ23の出力を二値化して取り込み、フレームメモリ33に書き込む。この1次元の二値データが次々にフレームメモリ33に書き込まれることによって、図4のイメージデータの説明図に示すように、フレームメモリ33上に紙幣6の2次元の二値画像B(イメージデータ)を生成できる。
【0023】
画像処理部34は、このフレームメモリ33内の紙幣6の二値画像Bを読んで、「紙幣の四辺の位置」を算出する。「紙幣の四辺の位置」の算出は、搬送方向の物理座標をY’座標、このY’座標に垂直な搬送幅方向の物理座標をX’座標とする座標空間において、y’=ax’+bとなる直線の係数a,bを紙幣の四辺について求めればよい。これは、紙幣の上辺、下辺、左辺、右辺のそれぞれについて、2値化したデータの最も外側の点列をX’Y’座標空間に置き換えて、最小二乗法を用いれば求まる。このようにアナログデータをデジタルデータに変換して、適当な計算処理を施すことで「紙幣の四辺の位置」が求まる。
【0024】
一方、光学ラインセンサ23は傾斜させて配置されているため、フレームメモリ33上の二値画像Bは、図4に示すように、角度θだけ傾斜されたイメージ上に正しい長方形として表れる。このため、フレームメモリ座標を(X,Y)とすると、物理座標X’Y’は、次の数1に示す行列式を用いて座標変換することで求められる。
【0025】
【数1】
なお、この行列式の右辺に「物理座標の単位/フレームメモリ座標の単位」を乗算すれば、単位の変換も合わせて行うことができる。
【0026】
次に識別処理部35による「紙幣の識別」と「紙幣の四辺の位置」の関係について説明する。光学ラインセンサ23を含めた各種センサ21で紙幣6を識別する場合、予め識別したい特定の部位があれば、その部位を紙幣6の中心や角等の特定の位置からの相対位置で決めておく。そして、実際に搬送路3を通過した紙幣6の「紙幣の四辺の位置」と「予め決めておいた相対位置」から、紙幣6の識別したい部位を特定する。この特定した部位について、光学ラインセンサ23や各種センサ21で特徴量を処理し、紙幣6を識別することができる。つまり、「紙幣の四辺の位置」の精度が、紙幣6における識別したい部位の位置の精度に直結し、特定部位で識別したい場合には、これが紙幣6の識別精度に大きく影響する。
【0027】
本実施形態では、図4に示したように紙幣6の左手前角6aが搬送パルスP6列に位置し、右手前角6bが搬送パルスP2列に位置して、タイミングの異なる搬送パルスで読まれている。このため、左手前角6aと右手前角6bを結ぶ直線(紙幣6の下辺)は、フレームメモリ33上の複数の搬送パルスPに跨って存在することになる。従って、同一の搬送パルスP上に左手前角6aと右手前角6bの両方が位置することを回避でき、量子化誤差を小さくして高精度に紙幣6の位置を検知することができる。
【0028】
次に、この量子化誤差について、図5(A)に示す光学ラインセンサ23に対して紙幣6の傾斜がない場合の説明図と、図5(B)に示す光学ラインセンサ23に対して紙幣6の傾斜がない場合の説明図とともに説明する。本実施形態では光学ラインセンサ23を傾斜配置しているため、正確には図4に示したように傾斜したイメージとなるが、ここでは説明の便宜上光学ラインセンサ23を搬送幅方向にまっすぐ取り付けた例で説明する。
【0029】
各画素40は、搬送パルスの周期と光学ラインセンサ23の光学素子の間隔で決まる。アナログ画像外形41は実際の紙幣6の外形で、デジタル画像42はデジタルで見た場合の紙幣6として認識できる部分である。デジタル画像外形43はデジタル画像42から紙幣6の外形を求めたものである。
【0030】
図5(A)のように光学ラインセンサ23に対して紙幣6が傾いていない状態で、紙幣6が搬送された場合、搬送パルスの周期と光学素子の間隔で決まる1画素40以上の精度での位置の特定はできず、四辺の位置特定をするのに大きな誤差となって表れる。それに対して図5(B)のように光学ラインセンサ23に対して傾きがある状態で紙幣6が搬送された場合、二値画像Bの各辺が階段状に表れるので、これらの画素40に対する回帰直線(最小二乗法で求まる)を引けば、より高い精度で四辺の位置が特定できることがわかる。例えば搬送方向に1段の階段があり、それに垂直な方向に10画素分の直線を引く場合、搬送方向に対する精度は1画素の10倍となる。
【0031】
このように検知できる位置精度が向上することについて説明する。図6は、搬送方向に対して垂直に取り付けられた光学ラインセンサ23を具備する紙幣識別装置1について、光学ラインセンサ23に対して1度未満の傾きで紙幣6を搬送させた場合と、1度以上の傾きで紙幣を搬送させた場合の紙幣6の短手長さ(搬送方向の長さ)の度数分布を示すグラフ図である。この図を見ると、傾きが大きい場合(1度以上の傾き)は、短手長さの度数分布は平均を中心としたなだらかなものとなっているが、傾きが小さい場合(1度未満)は、分布が割れている。このことから、傾きが大きくなるだけで短手の精度が高くなることがわかる。本発明により、この紙幣6の傾きを、予め光学ラインセンサ23を搬送方向に対して傾けて取り付けるため、必ず紙幣6が光学ラインセンサ23に対して傾斜し、紙幣6の位置の精度向上を図ることができる。
【0032】
このように、光学ラインセンサ23を斜めに取り付けることにより、紙葉類の傾斜の大きさによらずに、搬送方向の位置と傾斜を高い精度で検知できるため、識別精度が向上した紙幣識別装置1を提供することができる。
【0033】
光学ラインセンサ23の傾斜角度を、紙幣識別装置1がスキューを許容する範囲内以上に傾斜させたため、紙幣6がどのようにスキュー(傾斜)していても、二値画像Bを、紙葉類の四辺の内、前後二辺が常に階段状に写るようにできる。
【0034】
これにより、紙幣6が常に階段状に写り、搬送方向の位置や傾斜を、常に、搬送パルスより細かく検知できる。光学ラインセンサ23を搬送方向A(図1参照)と直角に取り付ける場合と比較すると、各部のハードウェアに必要な性能が変わらず、コスト増となることを防止できる。
【0035】
また、光学ラインセンサ23により検知できる画素40よりも細かい精度で紙幣6の外形を検知でき、低コストで高精度な紙幣識別装置1を提供できる。
また、光学ラインセンサ23で読み取る搬送パルスの間隔を細かくするよりも、イメージデータの処理に必要なスペックを低くすることができるため、低下コストで高速処理できる紙幣識別装置1を提供できる。
【0036】
なお、二値画像Bの画素40は、搬送方向と搬送幅方向の長さが同じ四角形の画素となるように構成しているが、これに限らず搬送方向と搬送幅方向の長さが異なる四角形の形状に形成してもよい。この場合でも、縦横全体で紙幣6の外形を把握することができる。
【0037】
また、光学ラインセンサ23を搬送幅方向に対して角度θだけ傾斜させて取り付けたが、光学ラインセンサ23のユニット自体は搬送幅方向に平行に取り付け、内部の投光素子および受光素子アレイの配列を角度θだけ傾斜させる構成にしてもよい。
【0038】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】紙幣識別装置の斜視図。
【図2】紙幣識別装置の下側ユニットの平面図。
【図3】紙幣識別装置の構成を示すブロック図。
【図4】フレームメモリ内のイメージデータの説明図。
【図5】量子化誤差の説明図。
【図6】紙幣の搬送方向の長さの度数分布を示すグラフ図。
【符号の説明】
【0040】
1…紙幣識別装置、3…搬送路、6…紙幣、23…光学ラインセンサ、31…ロータリエンコーダ、33…フレームメモリ、34…画像処理部、B…二値画像
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば搬送されてきた紙幣などの紙葉類を識別するような紙葉類識別装置に関し、特に光学ラインセンサを用いて、取得した紙葉類のイメージデータから紙葉類の種類及び真偽を識別するような紙葉類識別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙幣識別装置には、紙葉類の通過する位置と搬送方向に対する傾斜の検知に、光学センサが用いられている。この紙幣識別装置は、光学センサの出力の変化のタイミングにより紙葉類の通過の位置を検知し、センサ素子の間の変化の時間差により紙葉類の傾斜を検知する。
【0003】
このような検知を行う装置として、搬送路の全幅をカバーする光学ラインセンサを搬送路の搬送方向と直角の方向に取り付けた装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置には、搬送が少し進むごとに一定の周期で搬送パルスを生成するロータリエンコーダと、搬送パルスに合わせて光学ラインセンサの出力を二値化して取り込むフレームメモリと、フレームメモリに取り込んだデータをデジタル処理する画像処理部とが備えられている。この装置は、搬送パルスに合わせて搬送路を搬送方向と垂直に走査することにより、フレームメモリに、紙葉類の2次元の二値画像を得る。例えば、光学素子が1mm間隔の光学ラインセンサを用い、搬送が1mm進むごとにパルスを生成するロータリエンコーダを用いる場合には、画素の大きさが1mm四方の二値画像を得る。その二値画像に画像処理を適用することにより、紙葉類の四辺の位置と傾斜を算出する。
【0004】
しかし、このような装置は、搬送している紙葉類の傾斜が0に近い場合に、量子化誤差の影響により、紙葉類の位置や傾斜の検知精度が低くなる。例えば、搬送パルスが1mm周期である場合、紙葉類の傾斜が1mm未満であれば、紙葉類の辺が平らに写ることになる。このように紙葉類の辺の傾斜が0に近く平らに写っている場合には、搬送パルス間のどの位置に紙葉類が存在しても同一に検知してしまい、最大0.5mmの誤差が生じる。
【0005】
特に紙幣を識別する紙幣識別装置においては、紙幣の真贋の識別にて贋物の微妙な違いを見逃さないことが重要であるから、上述した誤差による識別性能の低下を極力防止することが望ましい。
【0006】
識別性能を向上する方法としては、搬送パルスの周期を細かくし、走査の回数を増やすことが考えられる。これによると、紙葉類の傾斜の大きさによらずに搬送方向の検知精度が向上し、傾斜が0に近い場合の検知精度も向上する。例えば、搬送パルスの周期が0.5mmのロータリエンコーダを用いた場合、1mmのロータリエンコーダを用いるよりも、搬送方向の検知精度が倍になる。ただし、この場合には、1mmのロータリエンコーダを用いる場合より、高速な光学ラインセンサ、大容量のフレームメモリ、および高性能の画像処理部が必要になり、装置全体のコストが上がる。
【0007】
【特許文献1】特開平8−212417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述した装置全体のコストの増加を伴わずに、搬送方向の直角方向に対する紙葉類の傾斜が0に近い場合でも、搬送パルスの周期より細かい精度で搬送方向の検知ができる紙葉類識別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、紙葉類を搬送する搬送路と、該搬送路上で複数の検出素子を搬送幅方向に一列に配列したラインセンサと、該ラインセンサで読み取った前記紙葉類のイメージデータに基づいて前記紙葉類を識別する識別手段とを備えた紙葉類識別装置であって、前記検出素子の配列方向を前記搬送路の搬送幅方向に対して傾斜させた紙葉類識別装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明により、装置全体のコストの増加を伴わずに、搬送方向の直角方向に対する紙葉類の傾斜が0に近い場合でも、搬送パルスの周期より細かい精度で搬送方向の検知ができる紙葉類識別装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態は、紙葉類としての紙幣を搬送して該紙幣を識別する紙幣識別装置に関するものである。ここで、紙幣を識別するとは、紙幣の種類(例えば日本の場合、旧千円札、新千円札、二千円札等)の判別(金種判別)及び紙幣の真贋の鑑別を行うことを指す。また、単に紙幣と記述した場合は、本物の紙幣、贋物の両方を指し、これ以降も同等の意味で使用する。また、この紙幣識別装置は、例えば銀行の金融機関などに設けたATMなどに組み入れられ、紙幣を識別するための装置である。
【0012】
まず、図1の紙幣識別装置1の斜視図と図2の紙幣識別装置1の下側ユニット4の平面図を用いて、紙幣識別装置の概略を説明する。
紙幣識別装置1は、搬送路3を挟んで上下に配設された上側ユニット2と下側ユニット4とで構成されている。紙幣識別装置1の下側ユニット4の上面には、搬送幅Lの全幅に渡って、光学ラインセンサ23の投光部23aが搬送幅方向(図2の左右方向)より搬送方向(図2の上下方向)に角度θだけ傾斜して取り付けられている。
【0013】
ここで、搬送幅方向とは、搬送方向に対して直角の方向を指す。この搬送幅方向に対して光学ラインセンサ23を角度θだけ傾斜させることで、光学ラインセンサ23に対して紙幣を常に傾斜した状態で通過させることができる。
【0014】
下側ユニット4の上面には、紙幣を搬送する複数の搬送ローラ22、および前記光学ラインセンサ23以外の各種センサ21が設けられている。上側ユニット2の下面には、前記光学ラインセンサ23の受光部(図示省略)が前記投光部23aと上下方向に対向して取り付けられている。したがって、光学ラインセンサ23の受光部は、投光部23aと同様に角度θだけ傾斜して取り付けられている。
【0015】
搬送路3は、紙幣6が矢印Aに示す方向へ搬送される通路である。
下側ユニット4には、ATMに設けられている各種機器類を接続する。
ギア5は、ATM内のモータと紙幣識別装置1の搬送ローラ22とを連結してATM内のモータの駆動力により搬送ローラ22を回転させる。
各種センサ21は、各種センサ21に応じた波形等の入出力を行う。
搬送ローラ22は、紙幣6を挟んで回転するローラであり、ATM内のモータとギア5で連結されて、一定の速度で紙幣を搬送する。
光学ラインセンサ23は、光学的パターンのイメージの読み取りを行う。
【0016】
図3は、紙幣識別装置1の構成を示すブロック図である。
紙幣識別装置1は、搬送ローラ22、ロータリエンコーダ31、光学ラインセンサ23、光学ラインセンサ駆動部32、フレームメモリ33、画像処理手段としての画像処理部34、および識別手段としての識別処理部35を備えている。
【0017】
搬送ローラ22は、紙幣6を挟んで搬送方向に回転するローラであり、複数設けられている。各搬送ローラ22は、ATM内のモータ(図示しない)とギア5で連結され、一定の速度で紙幣6を搬送する。
ロータリエンコーダ31は、搬送ローラ22の回転軸の1つに取り付けられており、搬送が少し進むごとに一定の周期で搬送パルスを生成する。
【0018】
光学ラインセンサ23は、投光部23aに一列に複数等間隔に配置された投光素子と、受光部に一列に複数等間隔に配置された検出素子としての受光素子アレイとからなる。投光素子と受光素子アレイは、搬送路3を挟んで上下対称に取り付けられている。投光部23aと受光部は、いずれも搬送幅方向から傾斜角θだけ傾斜させて上下に平行に取り付けられている。このように構成された光学ラインセンサ23は、搬送路3の全幅をカバーし、1回の操作で搬送路3の1次元の画像をキャプチャする機能を有する。一般的には、搬送方向に直角に取り付けられているが、本発明では、傾斜角θだけ斜めに取り付けられている。この傾斜角θは、搬送路3で搬送する紙幣6のスキューを許容する傾斜許容角度としてのスキュー許容角度よりも大きい角度に構成されている。
【0019】
光学ラインセンサ駆動部32は、ロータリエンコーダ31の搬送パルスに合わせて、光学ラインセンサ23の出力を二値化して取り込み、フレームメモリ33に書き込む機能を有する。光学ラインセンサ駆動部32が1次元の二値データをフレームメモリ33に次々に書き込むことにより、フレームメモリ33上に、紙幣の2次元の二値画像を生成する。この二値画像は、紙幣の全面における光学パターンのイメージデータである。
【0020】
フレームメモリ33は、紙幣の2次元の二値画像を、一定期間、保持する機能を有する。このフレームメモリ33は、画像処理部34が処理を実行する間、二値画像を記憶する。
【0021】
画像処理部34は、フレームメモリ33内の紙幣の二値画像を読んで、紙幣の四辺の位置と傾き(傾斜角度)を算出(推定)する機能を有する。この画像処理部34は、紙幣の傾斜角度を算出するときに傾斜角度算出手段として機能し、四辺の位置を算出するときに外形検出手段として機能する。画像処理部34で算出した紙幣の四辺の位置と傾きは、後段に設けられた識別手段としての識別処理部35に渡される。
識別処理部35は、紙幣の四辺の位置と傾きに基づいて、紙幣6の金種判定および真偽判定を行い、紙幣6を識別する。
【0022】
このように構成された紙幣識別装置1は、次のように動作して、紙幣の四辺の位置を求める。
まず、図示省略するATMのモータにより搬送ローラ22が回転させられると、搬送ローラ22が紙幣6を搬送し、この搬送ローラ22の軸の1つに取り付けられているロータリエンコーダ31が、搬送パルスを生成する。この搬送パルスに合わせて、光学ラインセンサ駆動部32が、光学ラインセンサ23の出力を二値化して取り込み、フレームメモリ33に書き込む。この1次元の二値データが次々にフレームメモリ33に書き込まれることによって、図4のイメージデータの説明図に示すように、フレームメモリ33上に紙幣6の2次元の二値画像B(イメージデータ)を生成できる。
【0023】
画像処理部34は、このフレームメモリ33内の紙幣6の二値画像Bを読んで、「紙幣の四辺の位置」を算出する。「紙幣の四辺の位置」の算出は、搬送方向の物理座標をY’座標、このY’座標に垂直な搬送幅方向の物理座標をX’座標とする座標空間において、y’=ax’+bとなる直線の係数a,bを紙幣の四辺について求めればよい。これは、紙幣の上辺、下辺、左辺、右辺のそれぞれについて、2値化したデータの最も外側の点列をX’Y’座標空間に置き換えて、最小二乗法を用いれば求まる。このようにアナログデータをデジタルデータに変換して、適当な計算処理を施すことで「紙幣の四辺の位置」が求まる。
【0024】
一方、光学ラインセンサ23は傾斜させて配置されているため、フレームメモリ33上の二値画像Bは、図4に示すように、角度θだけ傾斜されたイメージ上に正しい長方形として表れる。このため、フレームメモリ座標を(X,Y)とすると、物理座標X’Y’は、次の数1に示す行列式を用いて座標変換することで求められる。
【0025】
【数1】
なお、この行列式の右辺に「物理座標の単位/フレームメモリ座標の単位」を乗算すれば、単位の変換も合わせて行うことができる。
【0026】
次に識別処理部35による「紙幣の識別」と「紙幣の四辺の位置」の関係について説明する。光学ラインセンサ23を含めた各種センサ21で紙幣6を識別する場合、予め識別したい特定の部位があれば、その部位を紙幣6の中心や角等の特定の位置からの相対位置で決めておく。そして、実際に搬送路3を通過した紙幣6の「紙幣の四辺の位置」と「予め決めておいた相対位置」から、紙幣6の識別したい部位を特定する。この特定した部位について、光学ラインセンサ23や各種センサ21で特徴量を処理し、紙幣6を識別することができる。つまり、「紙幣の四辺の位置」の精度が、紙幣6における識別したい部位の位置の精度に直結し、特定部位で識別したい場合には、これが紙幣6の識別精度に大きく影響する。
【0027】
本実施形態では、図4に示したように紙幣6の左手前角6aが搬送パルスP6列に位置し、右手前角6bが搬送パルスP2列に位置して、タイミングの異なる搬送パルスで読まれている。このため、左手前角6aと右手前角6bを結ぶ直線(紙幣6の下辺)は、フレームメモリ33上の複数の搬送パルスPに跨って存在することになる。従って、同一の搬送パルスP上に左手前角6aと右手前角6bの両方が位置することを回避でき、量子化誤差を小さくして高精度に紙幣6の位置を検知することができる。
【0028】
次に、この量子化誤差について、図5(A)に示す光学ラインセンサ23に対して紙幣6の傾斜がない場合の説明図と、図5(B)に示す光学ラインセンサ23に対して紙幣6の傾斜がない場合の説明図とともに説明する。本実施形態では光学ラインセンサ23を傾斜配置しているため、正確には図4に示したように傾斜したイメージとなるが、ここでは説明の便宜上光学ラインセンサ23を搬送幅方向にまっすぐ取り付けた例で説明する。
【0029】
各画素40は、搬送パルスの周期と光学ラインセンサ23の光学素子の間隔で決まる。アナログ画像外形41は実際の紙幣6の外形で、デジタル画像42はデジタルで見た場合の紙幣6として認識できる部分である。デジタル画像外形43はデジタル画像42から紙幣6の外形を求めたものである。
【0030】
図5(A)のように光学ラインセンサ23に対して紙幣6が傾いていない状態で、紙幣6が搬送された場合、搬送パルスの周期と光学素子の間隔で決まる1画素40以上の精度での位置の特定はできず、四辺の位置特定をするのに大きな誤差となって表れる。それに対して図5(B)のように光学ラインセンサ23に対して傾きがある状態で紙幣6が搬送された場合、二値画像Bの各辺が階段状に表れるので、これらの画素40に対する回帰直線(最小二乗法で求まる)を引けば、より高い精度で四辺の位置が特定できることがわかる。例えば搬送方向に1段の階段があり、それに垂直な方向に10画素分の直線を引く場合、搬送方向に対する精度は1画素の10倍となる。
【0031】
このように検知できる位置精度が向上することについて説明する。図6は、搬送方向に対して垂直に取り付けられた光学ラインセンサ23を具備する紙幣識別装置1について、光学ラインセンサ23に対して1度未満の傾きで紙幣6を搬送させた場合と、1度以上の傾きで紙幣を搬送させた場合の紙幣6の短手長さ(搬送方向の長さ)の度数分布を示すグラフ図である。この図を見ると、傾きが大きい場合(1度以上の傾き)は、短手長さの度数分布は平均を中心としたなだらかなものとなっているが、傾きが小さい場合(1度未満)は、分布が割れている。このことから、傾きが大きくなるだけで短手の精度が高くなることがわかる。本発明により、この紙幣6の傾きを、予め光学ラインセンサ23を搬送方向に対して傾けて取り付けるため、必ず紙幣6が光学ラインセンサ23に対して傾斜し、紙幣6の位置の精度向上を図ることができる。
【0032】
このように、光学ラインセンサ23を斜めに取り付けることにより、紙葉類の傾斜の大きさによらずに、搬送方向の位置と傾斜を高い精度で検知できるため、識別精度が向上した紙幣識別装置1を提供することができる。
【0033】
光学ラインセンサ23の傾斜角度を、紙幣識別装置1がスキューを許容する範囲内以上に傾斜させたため、紙幣6がどのようにスキュー(傾斜)していても、二値画像Bを、紙葉類の四辺の内、前後二辺が常に階段状に写るようにできる。
【0034】
これにより、紙幣6が常に階段状に写り、搬送方向の位置や傾斜を、常に、搬送パルスより細かく検知できる。光学ラインセンサ23を搬送方向A(図1参照)と直角に取り付ける場合と比較すると、各部のハードウェアに必要な性能が変わらず、コスト増となることを防止できる。
【0035】
また、光学ラインセンサ23により検知できる画素40よりも細かい精度で紙幣6の外形を検知でき、低コストで高精度な紙幣識別装置1を提供できる。
また、光学ラインセンサ23で読み取る搬送パルスの間隔を細かくするよりも、イメージデータの処理に必要なスペックを低くすることができるため、低下コストで高速処理できる紙幣識別装置1を提供できる。
【0036】
なお、二値画像Bの画素40は、搬送方向と搬送幅方向の長さが同じ四角形の画素となるように構成しているが、これに限らず搬送方向と搬送幅方向の長さが異なる四角形の形状に形成してもよい。この場合でも、縦横全体で紙幣6の外形を把握することができる。
【0037】
また、光学ラインセンサ23を搬送幅方向に対して角度θだけ傾斜させて取り付けたが、光学ラインセンサ23のユニット自体は搬送幅方向に平行に取り付け、内部の投光素子および受光素子アレイの配列を角度θだけ傾斜させる構成にしてもよい。
【0038】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】紙幣識別装置の斜視図。
【図2】紙幣識別装置の下側ユニットの平面図。
【図3】紙幣識別装置の構成を示すブロック図。
【図4】フレームメモリ内のイメージデータの説明図。
【図5】量子化誤差の説明図。
【図6】紙幣の搬送方向の長さの度数分布を示すグラフ図。
【符号の説明】
【0040】
1…紙幣識別装置、3…搬送路、6…紙幣、23…光学ラインセンサ、31…ロータリエンコーダ、33…フレームメモリ、34…画像処理部、B…二値画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を搬送する搬送路と、
該搬送路上で複数の検出素子を搬送幅方向に一列に配列したラインセンサと、
該ラインセンサで読み取った前記紙葉類のイメージデータに基づいて前記紙葉類を識別する識別手段とを備えた紙葉類識別装置であって、
前記検出素子の配列方向を前記搬送路の搬送幅方向に対して傾斜させた
紙葉類識別装置。
【請求項2】
前記ラインセンサが搬送幅方向に対して傾斜する傾斜角度を、前記搬送路で前記紙葉類の傾斜を許容する傾斜許容角度よりも大きい角度に構成した
請求項1記載の紙葉類識別装置。
【請求項3】
前記紙葉類として長方形の紙葉類を用い、
搬送幅方向に対する前記紙葉類の傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段と、
算出した傾斜角度に基づいて前記紙葉類の外形を検出する外形検出手段とを備えた
請求項1または2記載の紙葉類識別装置。
【請求項4】
前記ラインセンサを、前記搬送路の搬送幅のほぼ全体に渡って設けた
請求項1、2または3記載の紙葉類識別装置。
【請求項5】
前記紙葉類の搬送速度に対応した一定の周期でパルスを発生するロータリエンコーダと、
該パルスにあわせて前記ラインセンサからイメージデータを取り込むフレームメモリと、
該フレームメモリに取り込んだ前記イメージデータを画像処理する画像処理手段とを備えた
請求項1から4のいずれか1つに記載の紙葉類識別装置。
【請求項1】
紙葉類を搬送する搬送路と、
該搬送路上で複数の検出素子を搬送幅方向に一列に配列したラインセンサと、
該ラインセンサで読み取った前記紙葉類のイメージデータに基づいて前記紙葉類を識別する識別手段とを備えた紙葉類識別装置であって、
前記検出素子の配列方向を前記搬送路の搬送幅方向に対して傾斜させた
紙葉類識別装置。
【請求項2】
前記ラインセンサが搬送幅方向に対して傾斜する傾斜角度を、前記搬送路で前記紙葉類の傾斜を許容する傾斜許容角度よりも大きい角度に構成した
請求項1記載の紙葉類識別装置。
【請求項3】
前記紙葉類として長方形の紙葉類を用い、
搬送幅方向に対する前記紙葉類の傾斜角度を算出する傾斜角度算出手段と、
算出した傾斜角度に基づいて前記紙葉類の外形を検出する外形検出手段とを備えた
請求項1または2記載の紙葉類識別装置。
【請求項4】
前記ラインセンサを、前記搬送路の搬送幅のほぼ全体に渡って設けた
請求項1、2または3記載の紙葉類識別装置。
【請求項5】
前記紙葉類の搬送速度に対応した一定の周期でパルスを発生するロータリエンコーダと、
該パルスにあわせて前記ラインセンサからイメージデータを取り込むフレームメモリと、
該フレームメモリに取り込んだ前記イメージデータを画像処理する画像処理手段とを備えた
請求項1から4のいずれか1つに記載の紙葉類識別装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2007−323501(P2007−323501A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154863(P2006−154863)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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