説明

紙葉類集積装置

【課題】複数の集積ポケットに紙葉類の道順組立を行う際、満杯リジェクトの発生を低減することができる紙葉類集積装置を提供すること。
【解決手段】n個のスタッカに集積する優先順位を設定する集積優先順位設定手段と、
この集積優先順位設定手段によって設定された集積優先順位に従ってn−1個のスタッカがそれぞれ満杯になったときに表示器に第1の表示を行い、前記集積優先順位が最も低いn番目のスタッカに紙葉類の集積を開始した際、抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器に前記第1の表示とは異なる第2の表示を行う表示手段と、前記集積優先順位がn番目のスタッカがプリフル状態で、かつ、前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器が前記表示手段により第2の表示を行っているにも関わらず当該スタッカの紙葉類が抜き取られていない場合は、紙葉類の供給を停止する制御手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
郵便物等の紙葉類を区分処理する紙葉類読取区分機では、紙葉類の住所あるいは郵便番号の画像をスキャナで読取り、この読取った画像を認識部で認識した住所又は郵便番号から配達区分情報に基づき紙葉類を集積部に区分集積している。この集積部には、上記配達区分情報に基づいて集積する複数のスタッカ(集積ポケット)が設けられている。
【0003】
近年、当該集積ポケットに集積する紙葉類を、当該紙葉類を配達する順番に集積する道順組立と言われる方法が知られている。この道順組立は、当該紙葉類を紙葉類読取区分機に2回(2パスともいう。)集積することによって道順に沿った紙葉類の集積を行う。
【0004】
この2回目の集積において、1回目(1パスともいう。)の紙葉類数(通数)情報を用いて区分用の集積ポケットを設定し満杯リジェクトが起こらないように処理している。
【0005】
しかしながら、2パス時に1パス時の紙葉類数情報を用いるが、紙葉類の厚さが厚いものが集中すると、想定よりも早く満杯となり、満杯リジェクトへと紙葉類が集積される。満杯リジェクトされた紙葉類に関しては、順序よりはじかれてしまったため再度区分する必要があった。なお、紙葉類の道順組立において、2回目の区分時に区分箱の通数を平均化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−70887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、2パス時に1パス時の紙葉類数情報に基づいて設定した集積ポケットが、当該紙葉類の厚みによって想定より早めに満杯になると、満杯リジェクトポケットに集積されてしまい、その分の道順が別扱いになり、効率が悪いという課題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、2パス時に複数の集積ポケットに集積するための優先順位を設定し、当該優先順位に従って優先順位の高い集積ポケットから順番に集積し、当該集積順位の最も低い集積ポケットに集積する際、優先順位の高い集積ポケットから抜き取ることを通知するようにすることにより、満杯リジェクトの発生を低減することができる紙葉類集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類集積装置は、紙葉類を供給し配達順序に従う道順組立に基づきn個のスタッカに集積する紙葉類集積装置において、前記n個のスタッカに集積する優先順位を設定する集積優先順位設定手段と、前記n個のスタッカに抜き取り優先順位を設定する抜き取り優先順位設定手段と、集積された紙葉類の状態を表示するために各スタッカごとに配置された表示器と、この集積優先順位設定手段によって設定された集積優先順位に従ってn−1個のスタッカに集積された紙葉類がそれぞれ所定量に達したときに当該スタッカに対応する前記表示器が所定量に達したことを表示する第1の表示を行い、前記集積優先順位が最も低いn番目のスタッカに紙葉類の集積を開始した際、前記抜き取り優先順位設定手段で設定された前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器に前記第1の表示とは異なる第2の表示を行う表示手段と、前記集積優先順位がn番目のスタッカがプリフル状態で、かつ、前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器が前記表示手段により第2の表示を行っているにも関わらず当該スタッカの紙葉類が抜き取られていない場合は、紙葉類の供給を停止する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施例に係る紙葉類集積装置
【図2】図1に示す紙葉類集積装置の集積方法を説明する図
【図3】本実施例に係る紙葉類集積方法を説明するフローチャート
【図4】図3に示す道順組立処理時のスタッカに対する集積順序を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施例に係る集積ポケットは、集積する紙葉類の区分情報に基づいて固定的に設定されるものではなく、例えば、1パス時に集積された紙葉類数が例えばn個(n通)の場合であって、配達する道順がm個の場合、1道順当たりn/m個の集積ポケットが最低限必要になる。集積ポケットが十分準備されている場合には、当該1道順当たり複数個の集積ポケットを割り当てることが可能になる。以下、本実施例を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本実施例に係る紙葉類集積装置の構成図である。図2は、図1に示す紙葉類集積装置の集積方法を説明する図である。
【0013】
紙葉類等を区分処理する紙葉類読取区分機は、供給された紙葉類を1通ずつ取り出して搬送路に供給する。搬送路は取り出された紙葉類を高速(例えば4m/S程度)に搬送して、当該紙葉類に記載された配達区分情報を読取るスキャナ部(図示しない)及び当該スキャナ部で読み取った画像を認識する認識する認識部(図示しない)に搬送する。
【0014】
この認識部で認識された配達区分情報は、紙葉類ごとに属性として1通ごと当該紙葉類に付与される。この付与された1通ごとの配達区分情報を有する紙葉類は図示した集積部に送られる。図1は配達区分情報を有する記紙葉類を集積する集積部100である。
【0015】
図1(1)に示す集積部100は、モジュールM1〜M4で示す4個のモジュールで構成された場合を示す。
【0016】
各モジュールは、4段(A段、B段、C段、D段)、4列からなる16個のスタッカ(集積ポケット)STK01〜STK16で構成される(モジュールM3参照)。
【0017】
上述した紙葉類の配達区分情報に基づいて集積すべき場所がA段搬送ライン10で、モジュールM3のスタッカSTK01(10a)、STK05(10b)、STK09(10c)、STK13(10d)に設定された場合を示す。
【0018】
なお、このモジュール数は、必要に応じて複数個連結できるように構成されている。従って、この集積部100はモジュール数に応じて数十メートルに達する場合もある。
【0019】
図1(2)は、上述した紙葉類の配達区分情報に基づいて集積すべき場所が道順10で、モジュールM3のスタッカSTK09(10a)、STK13(10b)、STK10(10c)、STK14(10d)に設定された場合を示す。
【0020】
また、集積すべきスタッカが満杯時に当該紙葉類を集積する満杯スタッカは、各段ごとに搬送ラインの終端に配置される。従って、A段の満杯スタッカ(満杯リジェクトポケット)はモジュールM4のスタッカSTK13が該当し、B段の満杯スタッカはモジュールM4のスタッカSTK14が該当し、C段の満杯スタッカはモジュールM4のスタッカSTK15が該当し、D段の満杯スタッカはモジュールM4のスタッカSTK16が該当する。
【0021】
図2は、図1に示す紙葉類集積装置の集積方法を説明する図である。図は、A段の一部を示す。以下、図1も参照しながら説明する。A段は、A段搬送ライン10及び複数のスタッカで構成される。
【0022】
A段搬送ライン10は、紙葉類を搬送するA段搬送ベルト6A、このA段搬送ベルト6Aによって搬送される紙葉類をスタッカに分岐するために各スタッカ前に配置されたゲート及びこのゲートによって分岐された紙葉類を各スタッカに搬送する分岐搬送路で構成される。なお、図1に示すB段、C段、D段も同様に構成される。
【0023】
図は、紙葉類7a、7b、7c及び7nがモジュールM3のA段搬送ベルト6Aによって搬送される状態を示す。各スタッカは共通に構成されており、例えばスタッカSTK1には、プリフルスイッチPF1、フルスイッチF1、バックアッププレートBK1、残留検知センサS1が配置されている。また、各スタッカの搬送上流に当該A段搬送ベルト6Aによって搬送される紙葉類を当該スタッカSTK1に集積するためのゲートG1が配置されている。このゲートG1は、上記認識部から出力された配達区分情報を入力した搬送・区分制御部(制御手段)5によって制御される。
【0024】
搬送・区分制御部5は、認識部から入力した配達区分情報が当該紙葉類をスタッカSTK1に集積することを要求している場合には、当該ゲートG1を開いて(右側に回動して)紙葉類がスタッカSTK1に搬送されるようにする。なお、配達区分情報がスタッカSTK5に集積することを要求している場合には、当該紙葉類が通過する直前のゲートを閉じ集積スタッカSTK5のゲートG5を開いて当該紙葉類を集積する。同様に、配達区分情報がスタッカSTK9に集積することを要求している場合には、当該紙葉類が通過する直前のゲートを閉じ集積スタッカSTK9のゲートG9を開いて当該紙葉類を集積する。他の段も同様である。
【0025】
プリフルスイッチPF1は、スタッカに集積された紙葉類が満杯100%に対して90%に到達したことを示すスイッチである。
【0026】
フルスイッチF1は、スタッカに集積された紙葉類が満杯に到達したことを示すスイッチである。プリフルスイッチPF1及びフルスイッチF1は、集積された紙葉類が増えるに従って、紙葉類を載置するバックアッププレートBK1が下方に移動し、積載量が上述した90%に達するとプリフルスイッチPF1がオンし、さらに紙葉類が集積され積載量が100%に達するとフルスイッチF1がオンするように構成されている。上述したプリフル状態及びフル状態は必ずしもこのような物理的なスイッチによらず、他の検知方法によって検出することが可能である。図2のスタッカSTK5は、プリフルスイッチPF5がオンしさらにフルスイッチF5がオン状態に到達している状態である。
【0027】
表示器14は、各モジュール内に配置された各スタッカに対応して各スタッカの上部に配置されている。実施例では、各モジュールごとにスタッカ群の上部に配置されているが、これに関わらず各スタッカごとにその近傍に配置してもよい。
【0028】
この表示器は、上述した各スタッカのフルスイッチがオン状態のときに満杯表示を操作員に通知するために表示する場合と、スタッカに集積された紙葉類の抜き去りを操作員に通知するために特殊点滅表示する場合がある。道順組立の場合にはスタッカに集積された紙葉類の抜き去り順序が重要であり、満杯表示されたスタッカが複数存在する場合にその抜き去り順序を通知するために、本実施例では、抜き去り優先順位の最も高いスタッカから順番に表示器の特殊点滅を行う。詳細は、後述する。
【0029】
バックアッププレートBK1は、紙葉類を積載する積載面を有し、紙葉類の積載方向に設けられた軸に沿って紙葉類の積載方向に移動可能に軸支される。バックアッププレートBK1は、紙葉類が集積されるに従って下降する際、当該バックアッププレートBK1の軸支部分が集積された紙葉類の積載量に応じて下降し、上記プリフルスイッチPF1又はフルスイッチF1の接点部分が押下されてスイッチがオンになる。
【0030】
搬送・区分制御部5は、上述した認識部による認識結果を入力し、当該認識結果に基づき、当該紙葉類を指定されたスタッカに搬送すると共に、指定されたスタッカに集積された紙葉類が上述したプリフルスイッチ又はフルスイッチのスイッチ状態に基づいて当該スタッカに集積された紙葉類の集積を制御(集積の停止、他のスタッカへ集積場所の変更、紙葉類の抜き取られ検知など)する。従って、以下に説明するフローチャートは、上記搬送・区分制御部5によって処理される。
【0031】
図3は、本実施例に係る紙葉類集積装置100の集積方法を説明するフローチャートであり、この処理は上述した搬送・区分制御部によって処理される。
【0032】
図1(1)では、道順組立された紙葉類を集積するスタッカとして4個設定した場合、これらのスタッカは、作業性のよい箇所に任意に設定することができるため、ここでは、これらの4個のスタッカに対して集積優先順位の高い方から集積ポケット10a→10b→10c→10dからなる集積ポケットが4個設定される。例えば、この4個の集積ポケットは、集積優先順位の高い方からA搬送ライン10上にスタッカSTK1→スタッカSTK5→スタッカSTK9→スタッカSTK13のように設定される(集積優先順位設定手段)。なお、この設定は、操作員が操作表示部(図示しない)から設定することにより、搬送・区分制御部(制御手段)5が、搬送される紙葉類を設定された集積優先順位に基づいてスタッカに集積することになる。
【0033】
図1(2)では、同様に4個のスタッカに対して優先順位の高い方から集積ポケット10a→10b→10c→10dからなる集積ポケットが4個設定される。この場合は、A搬送ライン上にスタッカSTK9→スタッカSTK13が設定され、さらにB搬送ラインからスタッカSTK10→スタッカSTK14が対応する。このように4個の集積ポケットに対して4個のスタッカを任意に設定することができる。
【0034】
以下、このフローチャートの説明においては、集積ポケット10a、10b、10c、10dを用いて動作を説明する。
【0035】
紙葉類の集積ポケットは、上述したように、操作員の設定に基づき、集積優先順位が集積ポケットに対して設定される(集積優先順位設定手段)。また、当該集積ポケットに対して抜き取り優先順位が設定される(抜き取り優先順位設定手段)。その結果、集積優先順位の高い方から順番に集積ポケット10a→集積ポケット10b→集積ポケット10c→集積ポケット10dが搬送・区分制御部5によって設定される。この設定された状態で、紙葉類(書状)を供給し処理を開始すると、紙葉類は集積ポケット10aに集積される(S01)。
【0036】
設定された集積ポケット10aが所定量(例えば、満杯)になるまで当該集積ポケット10aに集積する(S02)。以下、本実施例では、集積ポケットに集積された紙葉類が所定量に達した状態が満杯である場合として説明する。
【0037】
集積ポケット10aが満杯になると(S02のY)、集積ポケット10aの満杯を表示する表示器(例えば表示器14a、表示手段)を点灯(第1の表示)し、集積ポケット10aに搬送するゲートG1及び集積ポケット10bに集積するためのゲートG5を切り替えて集積ポケット10bに集積する。集積ポケット10bが満杯になるまで当該集積ポケット10bに集積する(S03)。
【0038】
集積ポケット10bが満杯になると(S04のY)、集積ポケット10bに搬送するゲートG5及び集積ポケット10cに集積するためのゲートG9を切り替えて集積ポケット10cに集積する(S05)。
【0039】
また、集積ポケット10cが満杯になると(S06のY)集積ポケット10dに集積を開始する(S07)。
【0040】
次に、抜き取り優先順位の最も高い集積ポケット10aの表示器14a(表示手段)を特殊点滅(第2の表示)し、満杯フラグをセット(Flag=1)する(S08)。
【0041】
最後の集積ポケット(集積ポケット10d)がプリフル状態でなく(S09のN)、ステップS08で特殊点滅した抜き取り優先順位の最も高い集積ポケット10aから紙葉類の抜き取りがあれば(S10のY)、当該表示器14aの特殊点滅を停止し、満杯フラグをリセット(Flag=0)する(S11)。この抜き取りは集積ポケット内に集積されている紙葉類を完全に抜き取ることを意味し、一部抜き取られた状態では、抜き取り処理が終了していないものと見なされ、表示器14aは消灯しない。
【0042】
道順組立処理においては、紙葉類を個別に配達する場合の順番が重要であるため、集積順番が指定された通りでない場合は道順組立の効果が発揮できないため、当該装置の操作員は、表示器の点滅に従って、抜き取り優先順位の最も高い集積ポケットから順番に(10a→10b→10cの順番に)、当該集積ポケットに集積されている紙葉類を全て抜き取り、その順番の入り繰りが発生しないように収納することが必要である。
【0043】
ステップS09において、最終集積ポケットがプリフル状態で(S09のY)、かつ、満杯フラグがセットしている場合(S12のFlag=1)、それ以上の集積が困難になるため、紙葉類の供給を停止し(S13)、操作表示部(図示しない)に満杯警告を表示する(S14)。操作員に抜き取り優先順位の最も高い集積ポケットから順番に紙葉類を抜き取ってもらうためである。
【0044】
上記満杯警告に基づき抜き取り優先順位の最も高い集積ポケットから紙葉類が抜き取られると(S15のY)、表示器の特殊点滅を停止し、供給を再開し、満杯フラグをリセットする(Flag=0)(S16)。この処理によって紙葉類が空になった集積ポケットに集積が再開される(S18)。
【0045】
以上の処理によってもさらに供給中の紙葉類があれば(S19のY)、ステップS08以降の処理を繰り返す。紙葉類がなければ処理を終了する。
【0046】
ステップS15において、操作表示部に抜き取りの警告表示を行ったにもかかわらず紙葉類が抜き取られない場合(S15のN)、一定時間抜き取りが行われたか監視する(S17のN―S15)。
【0047】
上記、一定時間内に抜き取りが行われた場合には、表示器の特殊点滅を停止し、供給を再開し、満杯フラグをリセットする(Flag=0)(S16)。この処理によって紙葉類が空になった集積ポケットに集積を再開する(S18)。
【0048】
一方、一定時間内に抜き取りが行われなかった場合には(S17のY)、異常状態として処理を終了する。これ以上、紙葉類を供給することはできないためである。異常処理の回復方法は、本発明の趣旨ではないため、ここでは詳細な記載を行わない。
【0049】
図4は、図3に示す道順組立処理時のスタッカに対する集積順序を説明する図である。図4(1)は、図3のステップS02に示す状態であり、道順組立情報に基づき紙葉類は集積ポケット10aが満杯になるまで集積される。この際、集積ポケット10b、集積ポケット10c及び集積ポケット10dには集積しない。
【0050】
図4(2a)は、集積ポケット10aが満杯になり、次の集積ポケット10bに集積している状態であり、ステップS03に示す状態である。このとき、集積ポケット10aの表示器14aが点灯する。
【0051】
図4(2b)は、上記表示器14aが点灯(第1の表示)したことにより、操作員が点灯した集積ポケッ10aの紙葉類を抜き去った状態を示す。この場合、紙葉類はこの抜き去った集積ポケット10aに集積するのではなく、集積ポケット10bに継続して集積している状態を示す。図示した→に×が記載されているのは集積ポケット10aが空になったからといってその集積ポケット10aに集積しないことを示す。
【0052】
図4(3)は、上述した集積ポケット10aから紙葉類を抜き去らなかったために、集積ポケット10a→集積ポケット10b→集積ポケット10cと順番に集積ポケットが満杯になり、各集積ポケットの表示器14b及び表示器14cが点灯する。続けて、集積ポケット10dに対する集積が開始した時点で、抜き取り優先順位の最も高い集積ポケット10aの表示器14aを特殊点滅(第2の表示)する。従って、集積ポケット10aの表示器14aは特殊点滅するが、他の集積ポケット(10b、10c)は点灯状態であり、図3のステップS08に示す状態である。
【0053】
図4(4)は、特殊点滅した集積ポケット10aの紙葉類を抜き取った状態を示す。この抜き取りにより、集積ポケット10aの特殊点滅は消灯する。図3のステップS11に示す状態である。
【0054】
図4(5a)は、最終集積ポケット10dがプリフルスイッチPF13に到達し、集積ポケット10aの紙葉類が抜き取られて空になっているため、この集積ポケット10aに集積が開始された状態を示す。この場合には、抜き取り優先順位の最も高い集積ポケットは集積ポケット10bに移るため、当該集積ポケット10bの表示器14bを特殊点滅する。当然集積ポケット10dの表示器14dは点灯する。図3のステップS18の状態である。
【0055】
図4(5b)は、図4(5a)で表示器14bが特殊点滅していることにより、当該集積ポケット10bの紙葉類が抜き取られて空になっても、継続して供給された紙葉類は、当該集積ポケット10bには集積せずに集積ポケット10aへの集積を継続する。
【0056】
以上説明したように、本実施例によれば、複数の集積ポケットに集積された紙葉類は道順組立の順番が狂うことなく、集積されると共に、この集積によって、課題であった満杯リジェクトに集積されるのを低減することができる。また、満杯リジェクトが低減することにより、処理効率がアップする。
【符号の説明】
【0057】
M1、M2、M3 モジュール
PF1、PF5、PF9、PF13 プリフルスイッチ
F1、F5、F9、F13 フルスイッチ
G1、G5、G9 ゲート
S1、S5、S9、S13 残留検知センサ
6A A段搬送ベルト
7a、7b、7c、7n 紙葉類(書状)
10 A段搬送ライン
10a、10b、10c、10d 集積ポケット
14a、14b、14c、14d 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を供給し配達順序に従う道順組立に基づきn個のスタッカに集積する紙葉類集積装置において、
前記n個のスタッカに集積する優先順位を設定する集積優先順位設定手段と、
前記n個のスタッカに抜き取り優先順位を設定する抜き取り優先順位設定手段と、
集積された紙葉類の状態を表示するために各スタッカごとに配置された表示器と、
この集積優先順位設定手段によって設定された集積優先順位に従ってn−1個のスタッカに集積された紙葉類がそれぞれ所定量に達したときに当該スタッカに対応する前記表示器が所定量に達したことを表示する第1の表示を行い、前記集積優先順位が最も低いn番目のスタッカに紙葉類の集積を開始した際、前記抜き取り優先順位設定手段で設定された前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器に前記第1の表示とは異なる第2の表示を行う表示手段と、
前記集積優先順位がn番目のスタッカがプリフル状態で、かつ、前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器が前記表示手段により第2の表示を行っているにも関わらず当該スタッカの紙葉類が抜き取られていない場合は、紙葉類の供給を停止する制御手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類集積装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記抜き取り優先順位の最も高いスタッカの表示器が前記第2の表示を行ったことに伴い、当該スタッカから紙葉類が抜き取られた場合には、当該表示器の表示を消去すると共に、次の抜き取り優先順位のスタッカの表示器に第2の表示を行うが、前記第1の表示を行う表示器のスタッカから紙葉類が抜き取られた場合には、当該表示器の表示を消灯するが前記抜き取り優先順位は変更しないことを特徴とする請求項1記載の紙葉類集積装置。
【請求項3】
前記第1の表示は、
前記表示器を点灯することにより当該スタッカが所定量に達していることを示し、
前記第2の表示は、
前記表示器を点滅表示することにより当該スタッカに紙葉類があり、かつ、抜き取り優先順位が最も高いスタッカであることを意味する請求項1乃至請求項2記載の紙葉類集積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−91013(P2013−91013A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233418(P2011−233418)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】