紙製品のトリミング支援システム、支援方法及び支援プログラム
【課題】トリミングパターンマスタを用いずに、高精度でユーザの意図に合致したトリミング結果が得られる紙製品トリミング支援システムを提供することを課題とする。
【解決手段】生産管理担当者端末5とデータベース管理システム8とがネットワーク7を介して接続されて構成され、生産管理担当者端末5は、外部システムから注文情報データを取得してデータベース管理システム8の生産依頼データ部12に登録し、注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め定められた採用優先度ポイントを付与し、採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べ、そのトリミングシミュレーション結果の一覧を出力する機能を有する。
【解決手段】生産管理担当者端末5とデータベース管理システム8とがネットワーク7を介して接続されて構成され、生産管理担当者端末5は、外部システムから注文情報データを取得してデータベース管理システム8の生産依頼データ部12に登録し、注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め定められた採用優先度ポイントを付与し、採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べ、そのトリミングシミュレーション結果の一覧を出力する機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製品のトリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムに関するものであり、より詳細には、抄紙機で製造される紙巻取から加工される、原反(カッターで裁断する前の中間製品)の製品の巾と長さを組合せることにより、注文情報に対してできるだけロスを少なくし、計画外製品の製造を最小限に抑え、且つ、加工における段取り時間を短縮するための紙製品のトリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抄紙機で製造される巾約3mほどの大きなロール(以下「ジャンボロール」という)から最終製品(平判製品又は巻取製品)を切り出すに際しては、先ず、ジャンボロールを顧客からの注文情報に基づいて、ワインダーによって所定の取巾及び流れ(長さ)の複数(2丁〜5丁)の小径ロールに加工して、中間製品(以下「原反」とする)を製造する。最終製品が巻取製品の場合は、この原反の段階で製品化し、平判製品の場合は更に、原反をカッターで裁断して平判化して最終製品とする(図10)。
【0003】
製品の受注は製品の量として行われる。例えば、巻取製品の場合の発注は、「75cm(巾)×4,000m(巻長)を何本」というようになされ、平判製品の場合は、「80cm(幅)×100cm(流れ)を何連(1連は100枚)」というようになされる。このような注文情報(製品量)に応じて、よりロスの少ない原反の製造と過抄(計画外として注文量を越えて製造すること)、及び、加工段取りを最小限に抑えるために行われる作業がトリミングである。
【0004】
このトリミングをより詳細に説明すると、例えば、抄紙機の最小最大巾が300〜328cmであるとして、「巻き製品:75cm×4,000m×3本」「巻き製品:85cm×4,000m×5本」「平判製品:80cm×100cm×400連」という注文があった場合を考えると、「巻75cm+平80cm+4cm(W取り耳巾分)+平80cm+巻85cm=324cm」となり、「卸巾:324cm 原反流れ:4000m 卸本数:3本」というトリミング結果となる(図11)。
【0005】
また、加工段取りを考慮し、同巾同流れを連続抄造する必要がある。そのため、卸数と卸m数の算出を行う。例えば、「80cm×100cmを400連」の注文については、先ず、総巻長を計算すると、400連は40,000枚であるので、100cm×40,000枚=40,000mとなるが、抄紙機には最大と最小の卸巾制約があり、その範囲内での抄造となる。よって、80cm巾×40,000mのジャンボロールを抄造することはできない。
【0006】
そこで、抄紙機の卸巾制約に合致させるためには、80cm×4丁(4列)=320cm(卸巾の最小巾が300cmで最大巾が328cmの場合)で、巻長10,000mとすればよいことが分かるが、ジャンボロールから原反を製造するためのワインダーで、このような長い巻長を巻くことはできない。ここでワインダー制約が最低巻きm数:3,500m・最大巻きm数:6,000mであるとすると、10,000m(巻長)÷6,000m(最大巻m数)=2卸(1.6の切り上げ)となり、10,000m(巻長)÷2卸=5,000m(卸m)となる。結果としては5,000m×2卸=10,000mという算出となる。6,000mの卸1本、4,000mの卸1本という計画も考えられるが、工程での段取り変更が発生するため、そのような計画は組まれない(図12における×印参照)。
【0007】
従来このトリミング作業は、専ら人手によって行われていたが、トリミングは、このように注文情報に応じて行う煩雑な作業であり、しかも、よりロスの少ない原反の製造と加工段取りを考慮するひつようがあり、また、過抄を最小限に抑えることが要請されるものであるところ、この要請を十分に満たしつつ迅速に行うには、多大な労力と時間(例えば、1ケ月のうち約90時間の人手がかかる)が必要となる。そこで、このトリミング作業を、効率よく迅速に行うことができる方法が求められていた。
【0008】
このような要請に応えるための紙製品のトリミング方法としては、同一条件の注文情報の集約と使用頻度の高いトリミングパターンのマスタ化を行い、パターンのマスタを軸として指定条件に沿ってトリミングを行う、バッチ式自動トリミング方法が知られている(図13)。
【0009】
しかし、この従来のバッチ式自動トリミング方法の場合、トリミングパターン及び適用優先度等のマスタ整備が必要不可欠であるので、多品種小ロットに適応させるには、頻繁なマスタ変更等、マスタ整備負荷が高くなるためにマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ち、自動トリミング結果の精度の低下を招くという問題があった。
【0010】
更に、バッチ式自動トリミング方式であるがために、コンピュータがトリミング結果を出す間は、ユーザのトリミング意図を介入させることができず、機械的にはじき出されたトリミング結果は、ユーザの想定しているトリミング結果と乖離するおそれがある、という問題もあった。
【0011】
また、個々の製品は考慮せずに各巾の組合せを絞り込む第1の最適化計算手段と、個々の製品の割り付けを行う第2の最適化計算手段とを有していて、第1段階において第1の最適化計算手段によって最適な幅の組合せを決定し、第2段階において第2の最適化計算手段によって最適な製品の割り付けを行うトリミング方法(装置)が提案されている(特許文献1:
特許第3426345号公報)。
【0012】
この方法は、上記2つの最適化計算手段を用いることで問題を単純化することを狙ったもので、真の最適性は失われるが、最適に近い解を得ることができるというものであり、コンピュータが自動で注文情報から最適なトリミング解を出すため、パターンマスタ整備の必要がなく、手作業の削減に非常に効果があるものと考えられる。
【0013】
しかしながら、この方法において精度の高いトリミング結果が得られるのは、例えば、注文品種の受注量の振れが少なく、寸法の組合せに余り変化がないとか、顧客(需要家)からの製品に対する加工条件がないというように、注文情報に対する制約が少ない少品種大ロッの場合に限られ、例えば、注文品種が不定期なものが多く、受注量も振れが大きいといった多品種小ロット条件下では、ユーザの想定しているトリミング結果が得られないという問題がある。
【0014】
また、小ロットの場合は、必然的に様々な他品種との加工組み合わせが発生し、過抄(計画外として注文量を越えて製造すること)せざるを得ない品種が多くなりがちであるが、その場合小ロット製品のため、在庫としたときに長期滞留品となる可能性がでてくる。更に、多品種ということで需要家からの加工要望等もあるため、寸法のみでの組み合わせではこれに対応することが困難であり、このような条件下においては、従来の方法によって精度の高いトリミング結果を得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第3426345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、従来のバッチ式自動トリミング方法の場合は、多品種小ロットに適応させるには、マスタ整備負荷が高いためにマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ちて、自動トリミング結果の精度低下を招くという問題があり、また、一貫したコンピュータによる自動トリミング方式のために、その場その場でのユーザのトリミング意図を反映することができず、得られたトリミング結果がユーザの想定しているトリミング結果と乖離するおそれがあった。また、特許文献1に記載の発明によっては、多品種小ロットの条件下において、精度の高いトリミング結果を得ることができなかった。
【0017】
本発明は、これら従来技術における問題点を払拭するためになされたもので、トリミングのパターン決定の部分にトリミングパターンマスタを用いることなく、トリミング結果の精度を向上させることができ、しかも、ユーザのトリミング意図を十分に反映させたトリミング結果を構築することができて、多品種小ロットのトリミングを行うのに好適な紙製品トリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記従来のバッチ式自動トリミング方法の場合、多品種小ロットに適応させるためには、マスタ整備負荷が高くなってマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ちて自動トリミング結果の精度低下を招いていたことに鑑み、トリミングのパターン決定の部分にトリミングパターンマスタを使わないことを前提にし、卸巾の最小巾・最大巾の定義と、トリミングの起点となる軸製品の設定を行い、その巾間に納まる最適なパターンを、寸法と需要家制約の両面から算出する方法を案出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0019】
また同時に、ユーザのトリミング意図(過抄判断や機械制約)を結果に反映するために、コンピュータに注文情報の集約、トリミングパターンの算出、採用優先度をポイント化したランキング結果の算出を担当させ、その結果に対し、その時々の情勢を加味しての注文情報の変更、計画外製品の追加、トリミングパターンシュミレーションと結果の選択を可能にする対話型方式を採用し、コンピュータによる演算機能と人的判断のハイブリッド化により、ユーザの意図を結果にストレートに反映させることができ、結果的にトリミング時間の短縮化を実現し、本発明を完成させたものである。
【0020】
即ち、上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムであって、前記生産管理担当者端末は、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得手段と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成手段と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与手段と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録手段と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段
とを備えて成り、トリミングの確定は、前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされることを特徴とする紙製品のトリミング支援システムである。
【0021】
また、上記課題を解決するための請求項13に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベースサーバーとが、通信ネットワークを介して接続されて構成されるシステムを用いた紙製品のトリミング支援方法であって、
‐前記データベースサーバーが、外部システムから注文情報データを取得する注文情報データ取得ステップと、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成して登録する生産依頼データ作成ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記生産依頼データを出力する生産依頼データ出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からトリミング開始要求を受け取るトリミング開始要求受取ステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成して登録する取合せパターン候補作成ステップと、
‐前記取合せパターン候補を参照して前記生産管理担当者端末から送られるトリミングシミュレーション結果を取得し、それに対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与する優先度ポイント付与ステップと、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて登録する集計ポイント順登録ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記集計ポイントの高い順に並べた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされる紙製品のトリミング支援確定ステップ
とを含むことを特徴とする紙製品のトリミング支援方法である。
【0022】
また、上記課題を解決するための請求項29に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムにおいて実行されるプログラムであって、該プログラムは、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得機能と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成機能と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成機能と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与機能と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録機能と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段と
を備えることを特徴とする紙製品のトリミング支援プログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上述したとおりのものであり、トリミングパターンマスタを使用しない構成であるため、マスタ整備が不要であって多品種小ロットに対応することができ、また、全トリミング作業を自動化することなく、一トリミング毎の対話方式を採用することで、すべて自動化のバッチ式と比べ、よりユーザの意図に沿った高精度のトリミング結果が得られる効果がある。
【0024】
また同時に、膨大なマスタ整備作業と、精度の低いバッチ式トリミング結果の手作業修正からユーザが解放されるため、トリミング作業を迅速且つ低コストにて行うことが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るトリミング支援システムの一実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係るトリミング支援システムの一実施形態の機能関連図である。
【図3】本発明に係るトリミング支援システムの取合調整画面イメージである。
【図4】本発明に係るトリミング支援システムの取合組合せ画面イメージである。
【図5】本発明に係るトリミング支援システムの生産管理担当者用処理のメインの流れを表すフローチャートである。
【図6】図10における、トリミングシミュレーション処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】図11における、優先度ポイント設定の設定内容である。
【図8】図7における、主要記憶装置の記憶項目一覧である。
【図9】本発明に係る方法により、好適なパターンを寸法と需要家制約の両面から算出する過程を示す図である。
【図10】本発明の背景技術における、基本的な製造工程を示す図である。
【図11】本発明の背景技術における、基本的なトリミング説明図である。
【図12】本発明の背景技術における、卸数と卸mの算出に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明するが、その説明に先立ち、本発明の内容の理解を助けるために、本明細書において用いられる主要な用語の定義及び説明をしておく。
【0027】
1)流れ : 製品の長さを指す。
2)卸巾 : 指図における抄紙ワインダーでの全列の幅寸法の合計。
3)別寸 : ユーザ専用寸法で規格寸法ではないものを指す。そのユーザ専用の寸法であって、他ユーザに転用ができないため、過不足なくトリミングを行う必要がある。軸列の決定に際しても、先ずはこの別寸をベースにトリミングが行われる。
4)過抄 : 注文量を超えて抄造すること。
5)未抄 : 抄造量が注文量に満たないこと。
6)換算巻m数 : 注文情報を銘柄・坪量・寸法別に集約した、製品抄造に必要な流れ合計。
7)換算巻m数(残): 注文情報を銘柄・坪量・寸法別に集約した、製品抄造に必要な流れ合計から、既にトリミング確定されている流れを引いた流れのこと。
8)取切取合せ : 注文明細について、全注文数量を全てトリミングし切るということ。
9)未抄許可m : 多品種小ロットのため、注文情報のみでトリミングを行うと、取り切れない端数の注文残が多く残る。そのため、未抄許可mを設定しておくことで、流れサイズに遊びを持たせ、他のサイズとの取合せ確率を向上させることが可能となる。
10)過抄許可m : 多品種小ロットのため、注文情報のみでトリミングを行うと、取り切れない端数の注文残が多く残る。そのため、過抄許可mを設定しておくことで、流れサイズに遊びを持たせ、他のサイズとの取合せ確率を向上させることが可能となる。
11)軸列の決定 : トリミングを行うに当り、卸巾に対して基準とする注文情報のこと。この軸列を決定した後、卸巾内に収まるように、その他の列に対して、他の注文情報を組み合わせて、パターンを抽出する。
12)巻始め赤テープ : 巻取製品の巻芯近くに全幅で貼られている赤色テープのこと。ワインダーで紙管に巻き付ける際、巻き始めてから10m程の箇所に貼る(貼った後は通常に巻いていく)。このテープの役割は、印刷機に巻取交換時期を知らせるためで、印刷機が印刷を進めていくにしたがい、巻取製品の残紙が短くなっていき、テープの場所まできて紙がなくなる、ということを自動感知できる。トリミング自体に影響を及ぼすものではないが、指図に製品仕様を連携させるために指定する。
13)W取り指定 : 巾が狭い製品は、ワインダーで切らずにWカッター(スリットとカット両方できる機械)で切るため、ワインダー上は1列であるが、注文情報の取合せとしては、2列分としてのトリミングとなること。
14)2丁取り : 意味1:列を指す。例えば、A列、B列、C列の3列であれば、3丁取りとなり、A列〜E列の5列であれば、5丁取りとなる。
意味2:複数ある列の中の、2列を指す。例えば、A列〜D列のB列、C列を指して2丁取りという。
意味3:Wカッターにてスリットを入れて、製品を2つ取ることを指す。
15)巻方指定 : 製品には、表巻製品と裏巻製品があり、その表巻、裏巻の指定を指す。表巻製品と裏巻製品は、同時に巻くことができないため、このようなトリミングが必要になる場合は、一方を逆巻きにし、サルベージワインダーで巻き返す必要がある。
16)鮫肌対策指定 : 鮫肌とは、塗工紙の表面が擦られ、着肉不良を起こすような品質になることを指す(塗工紙の表面を強く擦り合わせるとギラギラの強光沢になる。)。経験的に抄紙ワインダーで5000m前後の巻長とすると出にくくなるため、鮫肌対策としては、巻長を5000m前後にする対策が取られる。
【0028】
図1は、本発明に係る紙製品トリミング支援システムを含む、最終製品の製造までの生産管理システム全体の概略構成を表した図である。この全体システムは、受注出荷管理、製品在庫管理及び生産計画を司る上位生産管理システム1と、上位生産管理システム1から送られる注文情報データに基づいてトリミングを行う、本発明に係る紙製品トリミング支援システム2と、トリミング支援システム2からのトリミング結果(指図データ)の記憶域を有していて、工場に対する及び操業管理を司る製造管理システム3と、上記トリミング結果(指図データ)の記憶域を有していて、工場における工程設備の制御を司るFAシステム4とから成る。
【0029】
そして、トリミング支援システム2は、本システムを実施するためのアプリケーションが実装されている1又は複数の生産管理担当者端末(クライアント端末)5、6と、データベース管理システム8とが、WAN7等の広域通信ネットワークを介して接続されて構成される。
【0030】
生産管理担当者端末5、6においては、キーボード、マウス等の入力装置より、その実装アプリケーションに対して指定処理の要求がなされ、該アプリケーションは、指定された処理を実行し、ディスプレイ等の出力装置に結果を出力する。その処理に必要なデータは、WAN7経由にて、データベース管理システム8から抽出される。生産管理担当者端末5、6で処理された結果は、WAN7経由でデータベース管理システム8に送られ、対応するデータベースに登録される。
【0031】
データベース管理システム8は、注文情報を生産依頼として取り込む記憶域である生産依頼データ部12、生産依頼をトリミング用にグルーピングしたデータの記憶域である取合せ集計データ部13、トリミング結果候補の記憶域である取合せ組合せデータ部14、トリミング確定結果の記憶域である取合せ実績データ部15、及び、指図データ作成用の中間記憶域である取合せ情報データ部16を含むデータベースと、これを管理し、生産管理担当者端末5、6からの問合せを処理するデータベースサーバー9とで構成される。図8は、データベースの各記憶部における記憶項目例を示すものである。
【0032】
生産管理担当者端末5、6は、外部の上位生産管理システム1から注文情報データ11を取得して、データベース管理システム8の生産依頼データ部12に格納させる注文情報データ取得手段と、その取得した注文情報データ11を指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、生産依頼データ部12に格納させる生産依頼データ作成手段とを有する。
【0033】
生産管理担当者端末5、6は、また、生産依頼データ部12に格納された生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、取合せ集計データ部13に格納させる取合せパターン候補作成手段と、その取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、取合せ組合せデータ部14に登録する優先度ポイント付与手段とを備える。
【0034】
更に、生産管理担当者端末5、6は、前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を取合せ実績データ部15に格納させる集計ポイント順登録手段と、前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段とを備える。
【0035】
図2は、本実施形態の紙製品トリミング支援システムの機能関連を表した図である。そこに示されるように、トリミング支援システム2は、生産管理担当者端末5、6のトリミング支援画面31を基点として、紙製品のトリミング処理を行う機能を有していて、それぞれの機能においてトリミング処理が実行されることにより、最終的にユーザの意図が十分に反映された好適なトリミング結果が得られることになる。
【0036】
この図2を参照して本システムにおける処理の流れの概略を説明すると、先ず、システム起動を行い、生産管理担当者端末5、6においてトリミング支援画面31を開く。このトリミング支援画面31において、トリミングを行う基本情報の指定、即ち、抄造年月、生産銘柄、坪量の指定を行うと、この条件範囲内でのトリミングが実行される(ステップS001)。
【0037】
また、このトリミング支援画面31において、トリミング結果につき、依頼数量に対する取合せ結果数量及びその差異数量と達成率、担当調整巻m数、残巻m数の取合せ情報等を表示させることにより、トリミング結果の大きなレベルでの確認が可能となる。そして、引き続きこの画面から、トリミングに必要な処理の実行、及び、画面への遷移を行う。
【0038】
トリミング処理の開始に先立ち、生産依頼データ部12から、基礎となる生産依頼データの取込み処理がなされる。そして、注文情報ファイルを指定ディレクトリに配置し、トリミング支援画面31にて、生産依頼の取込み処理を実行させることで生産依頼データが作成される。作成された生産依頼データは、生産依頼データ部12に登録される(ステップS002)。
【0039】
次いで、生産依頼データ部12から生産依頼データが取込まれ、その生産依頼データの集計処理がなされる。これは、それぞれの生産依頼をグループ化することで、同種類製品をまとめて取合せするためである。トリミング支援画面31からこの依頼集計処理を実行させることで、生産依頼データから取合せ集計データが作成され、作成された取合せ集計データは、取合せ集計データ部13に登録される(ステップS003)。
【0040】
このようにしてトリミング処理の元となる取合せ集計データが作成されると、その取合せ集計データは、依頼集計変更入力画面32にて確認可能となる。この依頼集計変更入力画面32にて、銘柄・寸法・換算巻m数・残巻m数の確認が可能であるが、残巻m数が少な過ぎ、取合せに無理があることがトリミング前に把握できる場合は、この依頼集計変更入力画面32にて、残巻m数を修正しておくことができる(ステップS004)。また、トリミング途中であっても、その取り残しに対して修正を行うことで、取合せを成功させることも可能である。
【0041】
取合せ集計データが作成された後、トリミング処理が実行される。トリミング支援画面31から取合せ調整画面33を開くことができ、取合せ調整画面33では、例えば、図3に示されるように、上段に取合せ集計データ(生産依頼データ)が表示され、下段に取合せ済みのトリミング結果データが表示される。上段の取合集計データにおいて、トリミングを実行する組合せの明細が1つ以上選択されると、取合せ処理が実行される。そして、取合せ処理が実行されると、取合せ組合せ画面35が開き、該当トリミングパターン結果が、優先度が高い順に一覧表示される(ステップS005)。また、下段のトリミング結果データを解除し、上段の取合せ集計データへ差し戻すようにすることも可能である。
【0042】
取合せ調整画面33にて、トリミングを進める上で、相方が取れずに取り残される取合せ集計データがあり、その取り残された取合せ集計データが、相方データがありさえすれば取れそうな場合には、計画外の取合せ集計データが作成される。その場合には、取合せ調整画面33から計画外入力画面34を開き、計画外の取合せ集計データを作成する。作成された取合せ集計データは、取合せ集計データ部13に登録される(ステップS006)。
【0043】
取合せ調整画面33において、選択された取合せ集計データに対し、取合せ処理にてトリミングがなされ、想定し得る各トリミングパターンが算出される。その算出結果に対して、ポイントにて重み付けがなされ、上位数件(予め固定情報マスタにて、上位何件までを表示するかの設定をする)が、取合せ組合せデータとして取合せ組合せデータ部14に登録される(ステップS007)。
【0044】
この取合せ組合せデータは、取合せ組合せ画面35(図4参照)を開くことにより、画面出力させることができる。そして、取合せ組合せ画面35にて、最適と思われる組合せが選択されることで、取合せ実績データが作成され、トリミング結果の確定となる(ステップS008)。
【0045】
このようなトリミング処理が、取合せ調整画面33における、上段の取合せ集計データがなくなるまでなされた後、トリミング支援画面31にて、指図自動作成処理の実行指示がなされることで、製造管理システム3に対する製造指図データが作成される(ステップS009)。
【0046】
次に、上述した本トリミング支援システムによる処理の流れにつき、より詳細に説明する。図5は、本実施形態の紙製品トリミング支援システムによる生産管理担当者用処理のメインの流れを表すフローチャートであり、図6は、トリミングシミュレーション(下記ステップS104)の処理の流れを表すフローチャートであり、図7は、優先度ポイント設定(下記ステップS207)のポイント設定条件と、その設定定義を表すマトリクスである。
【0047】
本トリミング支援システムによる処理の流れを図5に依拠して説明するに、本トリミング支援システム利用に際しては、先ず、生産管理担当者が本システムのアプリケーションが実装されている生産管理担当者端末5、6もしくは同等の複数の端末から、WAN7を介してデータベース管理システム8に接続し、紙製品のトリミング処理を開始する。
【0048】
トリミング支援システム2においては、先ず、生産管理担当者端末5、6が備えるデータ取得手段により、当システム2外の上位生産管理システム1より注文情報データ11(例えば、銘柄、坪量、寸法、受注数量、中央列指定、特定銘柄設定、巻始め赤テープ、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定が入ったデータ)を取得し、当システム2に取り込み、一旦生産依頼データ部12に登録する(ステップS101)。
【0049】
取込んだ注文情報データに対し、生産管理担当者端末5、6が備える生産依頼データ作成手段において、銘柄、坪量、寸法、受注数量、中央列指定、特定銘柄設定、巻始め赤テープ、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定別に受注数量の集計が行われ、トリミング処理の元データとなる生産依頼データが作成され、生産依頼データ部12に登録される(ステップS102)。
【0050】
生産依頼データが作成された後、生産管理担当者は、生産管理担当者端末5、6の当システム画面にて、生産依頼データの一覧を確認することができる。トリミング処理を実施するに当たっては、その生産依頼データの一覧の中から、組合せをする生産依頼データを選択する(ステップS103)。
【0051】
この場合、全ての生産依頼データを選択すれば、必然的に全生産依頼データに対する自動でのトリミング処理が可能となるが、トリミング支援という観点から、生産管理担当者が状況によりある程度生産依頼データを絞り込み、その絞り込んだ生産依頼データの中だけでトリミング処理が行われるように選択可能にする。これにより、不必要にトリミングがなされることを防止できる。
【0052】
トリミング対象とする生産依頼データが選択された後、生産管理担当者は、生産管理担当者端末5、6の当システム画面にて、トリミング処理開始要求を当システムに指示する。それにより、当システムがトリミング処理を開始し、取合せパターン候補を結果として当システム画面にリターンする(ステップS104)。なお、取合せパターン候補は膨大な数になるため、そのすべてを表示させることなく、当システムでリターンできる件数を生産管理担当者が任意に設定できるようにしておくことが好ましい。その処理の詳細については、図6に基づいて後述する。
【0053】
当システムが該当する全トリミングパターンを算出した後、そのそれぞれのトリミングパターンに対して、優先度付けのためのポイント設定を行う。このポイント設定値が高いほど生産管理担当者の意図する結果に近づくことになり、当システム画面のトリミング結果一覧上に、その優先度値が高い順に表示させることで、生産管理担当者のトリミング結果パターン選択判断の支援の1つとなり得る。これにより、生産管理担当者の熟練度の程度によってトリミング結果に差異が生ずることを減ずることができ、業務の担当者依存リスクを減少させることが可能になる。なお、このポイント設定及びその定義については、図7を参照して後述する。
【0054】
上述した優先度順のトリミングシミュレーション結果から、その状況に応じ、生産管理担当者が、当システム画面にてトリミング結果の決定を行い、その結果を取合せ実績データとして、取合せ実績データ部15に登録する(ステップS105)。
【0055】
このようにして1つのトリミングパターンを決定した後、生産管理担当者が当システム画面において、未取合せの生産依頼データが存在するか否かの確認を行う。そして、未取合せの生産依頼データが存在する場合は、それがなくなり、且つ、取合せ実績データが納得できるものになるまで、引き続きトリミング処理を継続する(ステップS106:YES)。
【0056】
また、トリミング処理が完了し、未取合せ生産依頼データがなくなり、且つ、取合せ実績データが納得いくものである場合は、生産管理担当者が取合せ実績データをもとに、抄造現場への抄造指図データ作成指示を当システム画面にて行い、抄造指図データを作成する。これにより、現場に抄造指図がなされ、注文情報に対する抄造が指示されることとなる(ステップS106:NO)。
【0057】
1つのトリミングパターンを決定した後、生産管理担当者が当システム画面にて、未取合せの生産依頼データが存在するか否かの確認を行い、それが存在する場合は、その未取合せ生産依頼データにおいて、計画外の生産依頼データを追加した場合には好適なトリミング結果が得られる、と生産管理担当者が想定した場合、且つ、その計画外の生産依頼データを抄造してもよいと生産管理担当者が確証できた場合は、その計画外の生産依頼データを生産依頼データ部12に登録し、トリミング処理を継続する(ステップS107:YES、ステップS108)。
【0058】
また、計画外の生産依頼データを追加しても好適な結果が得られそうにない、あるいは、計画外の生産依頼データの追加が許されなかった場合には、別の条件変更から好適なトリミング結果が得られないかの確認を行う(ステップS107:NO)。
【0059】
計画外の生産依頼データの追加では好適なトリミング結果が得られない、もしくは,追加が許されない場合は、既に決定した取合せ実績データにおいて、その決定解除を行って生産依頼データに戻すことにより、再度トリミング対象とすることで、好適なトリミング結果が得られると生産管理担当者が想定した場合は、当システム画面にて、確定取合せ実績データの解除を行い、トリミング処理を継続する(ステップS109:YES)。
【0060】
確定取合せ実績データの解除をしても好適な結果が得られそうにない、あるいは、確定した取合せ実績データの解除はさせたくない場合、別の条件変更から好適なトリミング結果が得られないかの確認を行う(ステップS109:NO)。
【0061】
当システム画面にて、確定している取合せ実績データを確認し、解除する取合せ実績データを生産依頼担当者が選択、解除要求をすることで、データベース管理システム8の取合せ実績データ部15からの削除処理を行う(ステップS110)。
【0062】
確定取合せ実績データの解除では好適なトリミング結果が得られない、もしくは、解除が許されない場合、未取合せ生産依頼データにおいて、その換算巻m(残)を伸ばすことにより、好適なトリミング結果が得られると生産管理担当者が想定した場合、当システム画面にて、未取合せ生産依頼データの換算巻m(残)の修正を行い、トリミング処理を継続する(ステップS111:YES)。そして、換算巻m(残)の修正をしても好適な結果が得られそうにない、あるいは、換算巻m(残)の修正はしたくない場合、残りの未取合せ生産依頼データでトリミング処理を継続する(ステップS111:NO)。
【0063】
当システム画面にて、未取合せ生産依頼データを確認し、換算巻m(残)を修正する未取合せ生産依頼データを生産依頼担当者が選択、換算巻m(残)修正要求をすることで、データベース管理システム8の生産依頼データ部12に対して修正処理を行う(ステップS112)。
【0064】
続いて、本実施形態の紙製品トリミング支援システムのメイン処理であるトリミングシミュレーション処理の流れを、図6のフローチャートに従って説明する。
【0065】
そこにおいては先ず、生産管理担当者が、当システム画面にて、取合せ対象となる生産依頼データの選択を実施し、その選択された生産依頼データ内で、複数列から成る取合せパターンの軸となる軸列を決定する。軸列の決定手段としては、第1の通常取合せ手段と第2の通常取合せ手段があり、先ず第1の通常取合せ手段での処理を行い、その後、第1の通常取合せ手段で該当しなかった生産依頼データに対して、第2の通常取合せ手段を実施する(ステップS201)。
【0066】
この軸列を決定するための第1の通常取合せ手段は、生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定の有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する。
【0067】
軸列を決定するための第2の通常取合せ手段は、上記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する。
【0068】
かくして軸列が決定された後、軸列に対する2列目の抽出を行う。2列目の決定手段には、第1の通常取合せ手段と、第2の通常取合せ手段と、第1の取切取合せ手段とがあり、第1の通常取合せ手段、第2の通常取合せ手段、第1の取切取合せ手段の順に処理を行った後、前段の手段で該当しなかった生産依頼データに対し、次段を実施する(ステップS202)。
【0069】
2列目を決定するための第1の通常取合せ手段では、軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データ部12から抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が0(別寸)の場合には、別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0070】
2列目を決定するための第2の通常取合せ手段では、第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が0(別寸)以外の場合、別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データの生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0071】
2列目を決定するための第1の取切取合せ手段では、第2の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、又は、残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える、又は、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0072】
このようにして軸列及び2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、2丁取ができる全パターンを算出する(ステップS203)。また、軸列及び2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、3丁取ができる全パターンを算出する(ステップS204)。
【0073】
以下同様に、軸列、2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、4丁取ができる全パターンを算出し(ステップS205)、また、5丁取ができる全パターンを算出する(ステップS206)。
【0074】
このようにして2丁取りから5丁取りの全パターンを抽出した後、それぞれのパターンに対して、図7の優先度ポイント設定定義に準じて、優先ポイント値を設定する。また、図7における優先ポイントの設定条件は、その注文情報の状態や、企業方針により自由に設定が可能であるが、設定値において、一番ポイントが高くなる条件と一番低くなる条件は、以下のようにして決定される。
【0075】
即ち、一番ポイントが高く設定できる条件は、W取数のチェックである。W取りは同巾をワインダー時点では1丁として換算し、Wカッターでの2丁取りを行うものである。これにより、ワインダーにおいては、倍の量を処理でき、更にカッターでも倍の量を処理できる。これが、ワインダーにて1丁でシングルで取ると、ダブルで取るより当然倍の時間がかかる。また、シングルの原反が倍できるので、カッターには1丁ずつセットしなければならなくなり、非常に非効率な操業になる。よって、W取の組合せが多い取合せパターンが最優先される。
【0076】
逆に、ポイントが一番低く設定される条件は、軸となる製品の取合せ結果での製造量が過抄許可mを上回っている場合である。軸となる製品は、裏を返せば、必ず過不足なく取りたい製品である。ユーザ専用寸法のため、要は在庫を持ってしまうと、他のユーザへ転売が利かないためである。そのため、軸となる製品における過抄は一番に避けたい条件のため、ポイント値は一番低く設定される(ステップS207)。
【0077】
次いで、パターンに対して、卸m数、卸本数の再計算を行う(ステップS208)。
【0078】
軸になる生産依頼データがない場合は、再度別パターンとして、軸列の決定から再度トリミングシミュレーションを行う(ステップS209:YES)。軸になる生産依頼データがない場合は、トリミングシュミレーション完了とし、トリミング結果を当システム画面へリターンし、優先度ポイントの高い順に一覧表示する(ステップS209:NO)。
【0079】
本発明に係る方法によった場合は、例えば、抄紙機の最小最大巾が300〜328cmであるとして、「平判製品:80cm巾×100cm×600連、70cm巾×100cm×200連、90cm巾×100cm×200連」という注文に対しては、先ず、80cm巾の製品が軸製品(軸列)とされ、次いで、卸巾の最大最小巾内での軸列に対する残りの好適な注文が自動検出される(即ち、残りの列は80cm巾、70cm巾、90cm巾)。そして、需要化要望において80cm巾製品につき中央列指定がある場合は、70cm巾、80cm巾、80cm巾、90cm巾というトリミング結果となる(図9参照)。
【0080】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 上位生産管理システム
2 トリミング支援システム
3 製造管理システム
4 FAシステム
5 生産管理担当者端末
6 生産管理担当者端末
7 WAN
8 データベース管理システム
9 データベースサーバー
10 受注情報
11 注文情報データ
12 生産依頼データ部
13 取合せ集計データ部
14 取合せ組合せデータ部
15 取合せ実績データ部
16 取合せ情報データ部
17 製造指図記憶域
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製品のトリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムに関するものであり、より詳細には、抄紙機で製造される紙巻取から加工される、原反(カッターで裁断する前の中間製品)の製品の巾と長さを組合せることにより、注文情報に対してできるだけロスを少なくし、計画外製品の製造を最小限に抑え、且つ、加工における段取り時間を短縮するための紙製品のトリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
抄紙機で製造される巾約3mほどの大きなロール(以下「ジャンボロール」という)から最終製品(平判製品又は巻取製品)を切り出すに際しては、先ず、ジャンボロールを顧客からの注文情報に基づいて、ワインダーによって所定の取巾及び流れ(長さ)の複数(2丁〜5丁)の小径ロールに加工して、中間製品(以下「原反」とする)を製造する。最終製品が巻取製品の場合は、この原反の段階で製品化し、平判製品の場合は更に、原反をカッターで裁断して平判化して最終製品とする(図10)。
【0003】
製品の受注は製品の量として行われる。例えば、巻取製品の場合の発注は、「75cm(巾)×4,000m(巻長)を何本」というようになされ、平判製品の場合は、「80cm(幅)×100cm(流れ)を何連(1連は100枚)」というようになされる。このような注文情報(製品量)に応じて、よりロスの少ない原反の製造と過抄(計画外として注文量を越えて製造すること)、及び、加工段取りを最小限に抑えるために行われる作業がトリミングである。
【0004】
このトリミングをより詳細に説明すると、例えば、抄紙機の最小最大巾が300〜328cmであるとして、「巻き製品:75cm×4,000m×3本」「巻き製品:85cm×4,000m×5本」「平判製品:80cm×100cm×400連」という注文があった場合を考えると、「巻75cm+平80cm+4cm(W取り耳巾分)+平80cm+巻85cm=324cm」となり、「卸巾:324cm 原反流れ:4000m 卸本数:3本」というトリミング結果となる(図11)。
【0005】
また、加工段取りを考慮し、同巾同流れを連続抄造する必要がある。そのため、卸数と卸m数の算出を行う。例えば、「80cm×100cmを400連」の注文については、先ず、総巻長を計算すると、400連は40,000枚であるので、100cm×40,000枚=40,000mとなるが、抄紙機には最大と最小の卸巾制約があり、その範囲内での抄造となる。よって、80cm巾×40,000mのジャンボロールを抄造することはできない。
【0006】
そこで、抄紙機の卸巾制約に合致させるためには、80cm×4丁(4列)=320cm(卸巾の最小巾が300cmで最大巾が328cmの場合)で、巻長10,000mとすればよいことが分かるが、ジャンボロールから原反を製造するためのワインダーで、このような長い巻長を巻くことはできない。ここでワインダー制約が最低巻きm数:3,500m・最大巻きm数:6,000mであるとすると、10,000m(巻長)÷6,000m(最大巻m数)=2卸(1.6の切り上げ)となり、10,000m(巻長)÷2卸=5,000m(卸m)となる。結果としては5,000m×2卸=10,000mという算出となる。6,000mの卸1本、4,000mの卸1本という計画も考えられるが、工程での段取り変更が発生するため、そのような計画は組まれない(図12における×印参照)。
【0007】
従来このトリミング作業は、専ら人手によって行われていたが、トリミングは、このように注文情報に応じて行う煩雑な作業であり、しかも、よりロスの少ない原反の製造と加工段取りを考慮するひつようがあり、また、過抄を最小限に抑えることが要請されるものであるところ、この要請を十分に満たしつつ迅速に行うには、多大な労力と時間(例えば、1ケ月のうち約90時間の人手がかかる)が必要となる。そこで、このトリミング作業を、効率よく迅速に行うことができる方法が求められていた。
【0008】
このような要請に応えるための紙製品のトリミング方法としては、同一条件の注文情報の集約と使用頻度の高いトリミングパターンのマスタ化を行い、パターンのマスタを軸として指定条件に沿ってトリミングを行う、バッチ式自動トリミング方法が知られている(図13)。
【0009】
しかし、この従来のバッチ式自動トリミング方法の場合、トリミングパターン及び適用優先度等のマスタ整備が必要不可欠であるので、多品種小ロットに適応させるには、頻繁なマスタ変更等、マスタ整備負荷が高くなるためにマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ち、自動トリミング結果の精度の低下を招くという問題があった。
【0010】
更に、バッチ式自動トリミング方式であるがために、コンピュータがトリミング結果を出す間は、ユーザのトリミング意図を介入させることができず、機械的にはじき出されたトリミング結果は、ユーザの想定しているトリミング結果と乖離するおそれがある、という問題もあった。
【0011】
また、個々の製品は考慮せずに各巾の組合せを絞り込む第1の最適化計算手段と、個々の製品の割り付けを行う第2の最適化計算手段とを有していて、第1段階において第1の最適化計算手段によって最適な幅の組合せを決定し、第2段階において第2の最適化計算手段によって最適な製品の割り付けを行うトリミング方法(装置)が提案されている(特許文献1:
特許第3426345号公報)。
【0012】
この方法は、上記2つの最適化計算手段を用いることで問題を単純化することを狙ったもので、真の最適性は失われるが、最適に近い解を得ることができるというものであり、コンピュータが自動で注文情報から最適なトリミング解を出すため、パターンマスタ整備の必要がなく、手作業の削減に非常に効果があるものと考えられる。
【0013】
しかしながら、この方法において精度の高いトリミング結果が得られるのは、例えば、注文品種の受注量の振れが少なく、寸法の組合せに余り変化がないとか、顧客(需要家)からの製品に対する加工条件がないというように、注文情報に対する制約が少ない少品種大ロッの場合に限られ、例えば、注文品種が不定期なものが多く、受注量も振れが大きいといった多品種小ロット条件下では、ユーザの想定しているトリミング結果が得られないという問題がある。
【0014】
また、小ロットの場合は、必然的に様々な他品種との加工組み合わせが発生し、過抄(計画外として注文量を越えて製造すること)せざるを得ない品種が多くなりがちであるが、その場合小ロット製品のため、在庫としたときに長期滞留品となる可能性がでてくる。更に、多品種ということで需要家からの加工要望等もあるため、寸法のみでの組み合わせではこれに対応することが困難であり、このような条件下においては、従来の方法によって精度の高いトリミング結果を得ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第3426345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したように、従来のバッチ式自動トリミング方法の場合は、多品種小ロットに適応させるには、マスタ整備負荷が高いためにマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ちて、自動トリミング結果の精度低下を招くという問題があり、また、一貫したコンピュータによる自動トリミング方式のために、その場その場でのユーザのトリミング意図を反映することができず、得られたトリミング結果がユーザの想定しているトリミング結果と乖離するおそれがあった。また、特許文献1に記載の発明によっては、多品種小ロットの条件下において、精度の高いトリミング結果を得ることができなかった。
【0017】
本発明は、これら従来技術における問題点を払拭するためになされたもので、トリミングのパターン決定の部分にトリミングパターンマスタを用いることなく、トリミング結果の精度を向上させることができ、しかも、ユーザのトリミング意図を十分に反映させたトリミング結果を構築することができて、多品種小ロットのトリミングを行うのに好適な紙製品トリミング支援システム、支援方法及び支援プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記従来のバッチ式自動トリミング方法の場合、多品種小ロットに適応させるためには、マスタ整備負荷が高くなってマスタ整備が追いつかず、結果的にマスタ精度が落ちて自動トリミング結果の精度低下を招いていたことに鑑み、トリミングのパターン決定の部分にトリミングパターンマスタを使わないことを前提にし、卸巾の最小巾・最大巾の定義と、トリミングの起点となる軸製品の設定を行い、その巾間に納まる最適なパターンを、寸法と需要家制約の両面から算出する方法を案出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0019】
また同時に、ユーザのトリミング意図(過抄判断や機械制約)を結果に反映するために、コンピュータに注文情報の集約、トリミングパターンの算出、採用優先度をポイント化したランキング結果の算出を担当させ、その結果に対し、その時々の情勢を加味しての注文情報の変更、計画外製品の追加、トリミングパターンシュミレーションと結果の選択を可能にする対話型方式を採用し、コンピュータによる演算機能と人的判断のハイブリッド化により、ユーザの意図を結果にストレートに反映させることができ、結果的にトリミング時間の短縮化を実現し、本発明を完成させたものである。
【0020】
即ち、上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムであって、前記生産管理担当者端末は、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得手段と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成手段と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与手段と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録手段と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段
とを備えて成り、トリミングの確定は、前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされることを特徴とする紙製品のトリミング支援システムである。
【0021】
また、上記課題を解決するための請求項13に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベースサーバーとが、通信ネットワークを介して接続されて構成されるシステムを用いた紙製品のトリミング支援方法であって、
‐前記データベースサーバーが、外部システムから注文情報データを取得する注文情報データ取得ステップと、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成して登録する生産依頼データ作成ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記生産依頼データを出力する生産依頼データ出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からトリミング開始要求を受け取るトリミング開始要求受取ステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成して登録する取合せパターン候補作成ステップと、
‐前記取合せパターン候補を参照して前記生産管理担当者端末から送られるトリミングシミュレーション結果を取得し、それに対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与する優先度ポイント付与ステップと、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて登録する集計ポイント順登録ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記集計ポイントの高い順に並べた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされる紙製品のトリミング支援確定ステップ
とを含むことを特徴とする紙製品のトリミング支援方法である。
【0022】
また、上記課題を解決するための請求項29に係る発明は、1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムにおいて実行されるプログラムであって、該プログラムは、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得機能と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成機能と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成機能と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与機能と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録機能と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段と
を備えることを特徴とする紙製品のトリミング支援プログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は上述したとおりのものであり、トリミングパターンマスタを使用しない構成であるため、マスタ整備が不要であって多品種小ロットに対応することができ、また、全トリミング作業を自動化することなく、一トリミング毎の対話方式を採用することで、すべて自動化のバッチ式と比べ、よりユーザの意図に沿った高精度のトリミング結果が得られる効果がある。
【0024】
また同時に、膨大なマスタ整備作業と、精度の低いバッチ式トリミング結果の手作業修正からユーザが解放されるため、トリミング作業を迅速且つ低コストにて行うことが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るトリミング支援システムの一実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係るトリミング支援システムの一実施形態の機能関連図である。
【図3】本発明に係るトリミング支援システムの取合調整画面イメージである。
【図4】本発明に係るトリミング支援システムの取合組合せ画面イメージである。
【図5】本発明に係るトリミング支援システムの生産管理担当者用処理のメインの流れを表すフローチャートである。
【図6】図10における、トリミングシミュレーション処理の流れを表すフローチャートである。
【図7】図11における、優先度ポイント設定の設定内容である。
【図8】図7における、主要記憶装置の記憶項目一覧である。
【図9】本発明に係る方法により、好適なパターンを寸法と需要家制約の両面から算出する過程を示す図である。
【図10】本発明の背景技術における、基本的な製造工程を示す図である。
【図11】本発明の背景技術における、基本的なトリミング説明図である。
【図12】本発明の背景技術における、卸数と卸mの算出に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明するが、その説明に先立ち、本発明の内容の理解を助けるために、本明細書において用いられる主要な用語の定義及び説明をしておく。
【0027】
1)流れ : 製品の長さを指す。
2)卸巾 : 指図における抄紙ワインダーでの全列の幅寸法の合計。
3)別寸 : ユーザ専用寸法で規格寸法ではないものを指す。そのユーザ専用の寸法であって、他ユーザに転用ができないため、過不足なくトリミングを行う必要がある。軸列の決定に際しても、先ずはこの別寸をベースにトリミングが行われる。
4)過抄 : 注文量を超えて抄造すること。
5)未抄 : 抄造量が注文量に満たないこと。
6)換算巻m数 : 注文情報を銘柄・坪量・寸法別に集約した、製品抄造に必要な流れ合計。
7)換算巻m数(残): 注文情報を銘柄・坪量・寸法別に集約した、製品抄造に必要な流れ合計から、既にトリミング確定されている流れを引いた流れのこと。
8)取切取合せ : 注文明細について、全注文数量を全てトリミングし切るということ。
9)未抄許可m : 多品種小ロットのため、注文情報のみでトリミングを行うと、取り切れない端数の注文残が多く残る。そのため、未抄許可mを設定しておくことで、流れサイズに遊びを持たせ、他のサイズとの取合せ確率を向上させることが可能となる。
10)過抄許可m : 多品種小ロットのため、注文情報のみでトリミングを行うと、取り切れない端数の注文残が多く残る。そのため、過抄許可mを設定しておくことで、流れサイズに遊びを持たせ、他のサイズとの取合せ確率を向上させることが可能となる。
11)軸列の決定 : トリミングを行うに当り、卸巾に対して基準とする注文情報のこと。この軸列を決定した後、卸巾内に収まるように、その他の列に対して、他の注文情報を組み合わせて、パターンを抽出する。
12)巻始め赤テープ : 巻取製品の巻芯近くに全幅で貼られている赤色テープのこと。ワインダーで紙管に巻き付ける際、巻き始めてから10m程の箇所に貼る(貼った後は通常に巻いていく)。このテープの役割は、印刷機に巻取交換時期を知らせるためで、印刷機が印刷を進めていくにしたがい、巻取製品の残紙が短くなっていき、テープの場所まできて紙がなくなる、ということを自動感知できる。トリミング自体に影響を及ぼすものではないが、指図に製品仕様を連携させるために指定する。
13)W取り指定 : 巾が狭い製品は、ワインダーで切らずにWカッター(スリットとカット両方できる機械)で切るため、ワインダー上は1列であるが、注文情報の取合せとしては、2列分としてのトリミングとなること。
14)2丁取り : 意味1:列を指す。例えば、A列、B列、C列の3列であれば、3丁取りとなり、A列〜E列の5列であれば、5丁取りとなる。
意味2:複数ある列の中の、2列を指す。例えば、A列〜D列のB列、C列を指して2丁取りという。
意味3:Wカッターにてスリットを入れて、製品を2つ取ることを指す。
15)巻方指定 : 製品には、表巻製品と裏巻製品があり、その表巻、裏巻の指定を指す。表巻製品と裏巻製品は、同時に巻くことができないため、このようなトリミングが必要になる場合は、一方を逆巻きにし、サルベージワインダーで巻き返す必要がある。
16)鮫肌対策指定 : 鮫肌とは、塗工紙の表面が擦られ、着肉不良を起こすような品質になることを指す(塗工紙の表面を強く擦り合わせるとギラギラの強光沢になる。)。経験的に抄紙ワインダーで5000m前後の巻長とすると出にくくなるため、鮫肌対策としては、巻長を5000m前後にする対策が取られる。
【0028】
図1は、本発明に係る紙製品トリミング支援システムを含む、最終製品の製造までの生産管理システム全体の概略構成を表した図である。この全体システムは、受注出荷管理、製品在庫管理及び生産計画を司る上位生産管理システム1と、上位生産管理システム1から送られる注文情報データに基づいてトリミングを行う、本発明に係る紙製品トリミング支援システム2と、トリミング支援システム2からのトリミング結果(指図データ)の記憶域を有していて、工場に対する及び操業管理を司る製造管理システム3と、上記トリミング結果(指図データ)の記憶域を有していて、工場における工程設備の制御を司るFAシステム4とから成る。
【0029】
そして、トリミング支援システム2は、本システムを実施するためのアプリケーションが実装されている1又は複数の生産管理担当者端末(クライアント端末)5、6と、データベース管理システム8とが、WAN7等の広域通信ネットワークを介して接続されて構成される。
【0030】
生産管理担当者端末5、6においては、キーボード、マウス等の入力装置より、その実装アプリケーションに対して指定処理の要求がなされ、該アプリケーションは、指定された処理を実行し、ディスプレイ等の出力装置に結果を出力する。その処理に必要なデータは、WAN7経由にて、データベース管理システム8から抽出される。生産管理担当者端末5、6で処理された結果は、WAN7経由でデータベース管理システム8に送られ、対応するデータベースに登録される。
【0031】
データベース管理システム8は、注文情報を生産依頼として取り込む記憶域である生産依頼データ部12、生産依頼をトリミング用にグルーピングしたデータの記憶域である取合せ集計データ部13、トリミング結果候補の記憶域である取合せ組合せデータ部14、トリミング確定結果の記憶域である取合せ実績データ部15、及び、指図データ作成用の中間記憶域である取合せ情報データ部16を含むデータベースと、これを管理し、生産管理担当者端末5、6からの問合せを処理するデータベースサーバー9とで構成される。図8は、データベースの各記憶部における記憶項目例を示すものである。
【0032】
生産管理担当者端末5、6は、外部の上位生産管理システム1から注文情報データ11を取得して、データベース管理システム8の生産依頼データ部12に格納させる注文情報データ取得手段と、その取得した注文情報データ11を指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、生産依頼データ部12に格納させる生産依頼データ作成手段とを有する。
【0033】
生産管理担当者端末5、6は、また、生産依頼データ部12に格納された生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、取合せ集計データ部13に格納させる取合せパターン候補作成手段と、その取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、取合せ組合せデータ部14に登録する優先度ポイント付与手段とを備える。
【0034】
更に、生産管理担当者端末5、6は、前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を取合せ実績データ部15に格納させる集計ポイント順登録手段と、前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段とを備える。
【0035】
図2は、本実施形態の紙製品トリミング支援システムの機能関連を表した図である。そこに示されるように、トリミング支援システム2は、生産管理担当者端末5、6のトリミング支援画面31を基点として、紙製品のトリミング処理を行う機能を有していて、それぞれの機能においてトリミング処理が実行されることにより、最終的にユーザの意図が十分に反映された好適なトリミング結果が得られることになる。
【0036】
この図2を参照して本システムにおける処理の流れの概略を説明すると、先ず、システム起動を行い、生産管理担当者端末5、6においてトリミング支援画面31を開く。このトリミング支援画面31において、トリミングを行う基本情報の指定、即ち、抄造年月、生産銘柄、坪量の指定を行うと、この条件範囲内でのトリミングが実行される(ステップS001)。
【0037】
また、このトリミング支援画面31において、トリミング結果につき、依頼数量に対する取合せ結果数量及びその差異数量と達成率、担当調整巻m数、残巻m数の取合せ情報等を表示させることにより、トリミング結果の大きなレベルでの確認が可能となる。そして、引き続きこの画面から、トリミングに必要な処理の実行、及び、画面への遷移を行う。
【0038】
トリミング処理の開始に先立ち、生産依頼データ部12から、基礎となる生産依頼データの取込み処理がなされる。そして、注文情報ファイルを指定ディレクトリに配置し、トリミング支援画面31にて、生産依頼の取込み処理を実行させることで生産依頼データが作成される。作成された生産依頼データは、生産依頼データ部12に登録される(ステップS002)。
【0039】
次いで、生産依頼データ部12から生産依頼データが取込まれ、その生産依頼データの集計処理がなされる。これは、それぞれの生産依頼をグループ化することで、同種類製品をまとめて取合せするためである。トリミング支援画面31からこの依頼集計処理を実行させることで、生産依頼データから取合せ集計データが作成され、作成された取合せ集計データは、取合せ集計データ部13に登録される(ステップS003)。
【0040】
このようにしてトリミング処理の元となる取合せ集計データが作成されると、その取合せ集計データは、依頼集計変更入力画面32にて確認可能となる。この依頼集計変更入力画面32にて、銘柄・寸法・換算巻m数・残巻m数の確認が可能であるが、残巻m数が少な過ぎ、取合せに無理があることがトリミング前に把握できる場合は、この依頼集計変更入力画面32にて、残巻m数を修正しておくことができる(ステップS004)。また、トリミング途中であっても、その取り残しに対して修正を行うことで、取合せを成功させることも可能である。
【0041】
取合せ集計データが作成された後、トリミング処理が実行される。トリミング支援画面31から取合せ調整画面33を開くことができ、取合せ調整画面33では、例えば、図3に示されるように、上段に取合せ集計データ(生産依頼データ)が表示され、下段に取合せ済みのトリミング結果データが表示される。上段の取合集計データにおいて、トリミングを実行する組合せの明細が1つ以上選択されると、取合せ処理が実行される。そして、取合せ処理が実行されると、取合せ組合せ画面35が開き、該当トリミングパターン結果が、優先度が高い順に一覧表示される(ステップS005)。また、下段のトリミング結果データを解除し、上段の取合せ集計データへ差し戻すようにすることも可能である。
【0042】
取合せ調整画面33にて、トリミングを進める上で、相方が取れずに取り残される取合せ集計データがあり、その取り残された取合せ集計データが、相方データがありさえすれば取れそうな場合には、計画外の取合せ集計データが作成される。その場合には、取合せ調整画面33から計画外入力画面34を開き、計画外の取合せ集計データを作成する。作成された取合せ集計データは、取合せ集計データ部13に登録される(ステップS006)。
【0043】
取合せ調整画面33において、選択された取合せ集計データに対し、取合せ処理にてトリミングがなされ、想定し得る各トリミングパターンが算出される。その算出結果に対して、ポイントにて重み付けがなされ、上位数件(予め固定情報マスタにて、上位何件までを表示するかの設定をする)が、取合せ組合せデータとして取合せ組合せデータ部14に登録される(ステップS007)。
【0044】
この取合せ組合せデータは、取合せ組合せ画面35(図4参照)を開くことにより、画面出力させることができる。そして、取合せ組合せ画面35にて、最適と思われる組合せが選択されることで、取合せ実績データが作成され、トリミング結果の確定となる(ステップS008)。
【0045】
このようなトリミング処理が、取合せ調整画面33における、上段の取合せ集計データがなくなるまでなされた後、トリミング支援画面31にて、指図自動作成処理の実行指示がなされることで、製造管理システム3に対する製造指図データが作成される(ステップS009)。
【0046】
次に、上述した本トリミング支援システムによる処理の流れにつき、より詳細に説明する。図5は、本実施形態の紙製品トリミング支援システムによる生産管理担当者用処理のメインの流れを表すフローチャートであり、図6は、トリミングシミュレーション(下記ステップS104)の処理の流れを表すフローチャートであり、図7は、優先度ポイント設定(下記ステップS207)のポイント設定条件と、その設定定義を表すマトリクスである。
【0047】
本トリミング支援システムによる処理の流れを図5に依拠して説明するに、本トリミング支援システム利用に際しては、先ず、生産管理担当者が本システムのアプリケーションが実装されている生産管理担当者端末5、6もしくは同等の複数の端末から、WAN7を介してデータベース管理システム8に接続し、紙製品のトリミング処理を開始する。
【0048】
トリミング支援システム2においては、先ず、生産管理担当者端末5、6が備えるデータ取得手段により、当システム2外の上位生産管理システム1より注文情報データ11(例えば、銘柄、坪量、寸法、受注数量、中央列指定、特定銘柄設定、巻始め赤テープ、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定が入ったデータ)を取得し、当システム2に取り込み、一旦生産依頼データ部12に登録する(ステップS101)。
【0049】
取込んだ注文情報データに対し、生産管理担当者端末5、6が備える生産依頼データ作成手段において、銘柄、坪量、寸法、受注数量、中央列指定、特定銘柄設定、巻始め赤テープ、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定別に受注数量の集計が行われ、トリミング処理の元データとなる生産依頼データが作成され、生産依頼データ部12に登録される(ステップS102)。
【0050】
生産依頼データが作成された後、生産管理担当者は、生産管理担当者端末5、6の当システム画面にて、生産依頼データの一覧を確認することができる。トリミング処理を実施するに当たっては、その生産依頼データの一覧の中から、組合せをする生産依頼データを選択する(ステップS103)。
【0051】
この場合、全ての生産依頼データを選択すれば、必然的に全生産依頼データに対する自動でのトリミング処理が可能となるが、トリミング支援という観点から、生産管理担当者が状況によりある程度生産依頼データを絞り込み、その絞り込んだ生産依頼データの中だけでトリミング処理が行われるように選択可能にする。これにより、不必要にトリミングがなされることを防止できる。
【0052】
トリミング対象とする生産依頼データが選択された後、生産管理担当者は、生産管理担当者端末5、6の当システム画面にて、トリミング処理開始要求を当システムに指示する。それにより、当システムがトリミング処理を開始し、取合せパターン候補を結果として当システム画面にリターンする(ステップS104)。なお、取合せパターン候補は膨大な数になるため、そのすべてを表示させることなく、当システムでリターンできる件数を生産管理担当者が任意に設定できるようにしておくことが好ましい。その処理の詳細については、図6に基づいて後述する。
【0053】
当システムが該当する全トリミングパターンを算出した後、そのそれぞれのトリミングパターンに対して、優先度付けのためのポイント設定を行う。このポイント設定値が高いほど生産管理担当者の意図する結果に近づくことになり、当システム画面のトリミング結果一覧上に、その優先度値が高い順に表示させることで、生産管理担当者のトリミング結果パターン選択判断の支援の1つとなり得る。これにより、生産管理担当者の熟練度の程度によってトリミング結果に差異が生ずることを減ずることができ、業務の担当者依存リスクを減少させることが可能になる。なお、このポイント設定及びその定義については、図7を参照して後述する。
【0054】
上述した優先度順のトリミングシミュレーション結果から、その状況に応じ、生産管理担当者が、当システム画面にてトリミング結果の決定を行い、その結果を取合せ実績データとして、取合せ実績データ部15に登録する(ステップS105)。
【0055】
このようにして1つのトリミングパターンを決定した後、生産管理担当者が当システム画面において、未取合せの生産依頼データが存在するか否かの確認を行う。そして、未取合せの生産依頼データが存在する場合は、それがなくなり、且つ、取合せ実績データが納得できるものになるまで、引き続きトリミング処理を継続する(ステップS106:YES)。
【0056】
また、トリミング処理が完了し、未取合せ生産依頼データがなくなり、且つ、取合せ実績データが納得いくものである場合は、生産管理担当者が取合せ実績データをもとに、抄造現場への抄造指図データ作成指示を当システム画面にて行い、抄造指図データを作成する。これにより、現場に抄造指図がなされ、注文情報に対する抄造が指示されることとなる(ステップS106:NO)。
【0057】
1つのトリミングパターンを決定した後、生産管理担当者が当システム画面にて、未取合せの生産依頼データが存在するか否かの確認を行い、それが存在する場合は、その未取合せ生産依頼データにおいて、計画外の生産依頼データを追加した場合には好適なトリミング結果が得られる、と生産管理担当者が想定した場合、且つ、その計画外の生産依頼データを抄造してもよいと生産管理担当者が確証できた場合は、その計画外の生産依頼データを生産依頼データ部12に登録し、トリミング処理を継続する(ステップS107:YES、ステップS108)。
【0058】
また、計画外の生産依頼データを追加しても好適な結果が得られそうにない、あるいは、計画外の生産依頼データの追加が許されなかった場合には、別の条件変更から好適なトリミング結果が得られないかの確認を行う(ステップS107:NO)。
【0059】
計画外の生産依頼データの追加では好適なトリミング結果が得られない、もしくは,追加が許されない場合は、既に決定した取合せ実績データにおいて、その決定解除を行って生産依頼データに戻すことにより、再度トリミング対象とすることで、好適なトリミング結果が得られると生産管理担当者が想定した場合は、当システム画面にて、確定取合せ実績データの解除を行い、トリミング処理を継続する(ステップS109:YES)。
【0060】
確定取合せ実績データの解除をしても好適な結果が得られそうにない、あるいは、確定した取合せ実績データの解除はさせたくない場合、別の条件変更から好適なトリミング結果が得られないかの確認を行う(ステップS109:NO)。
【0061】
当システム画面にて、確定している取合せ実績データを確認し、解除する取合せ実績データを生産依頼担当者が選択、解除要求をすることで、データベース管理システム8の取合せ実績データ部15からの削除処理を行う(ステップS110)。
【0062】
確定取合せ実績データの解除では好適なトリミング結果が得られない、もしくは、解除が許されない場合、未取合せ生産依頼データにおいて、その換算巻m(残)を伸ばすことにより、好適なトリミング結果が得られると生産管理担当者が想定した場合、当システム画面にて、未取合せ生産依頼データの換算巻m(残)の修正を行い、トリミング処理を継続する(ステップS111:YES)。そして、換算巻m(残)の修正をしても好適な結果が得られそうにない、あるいは、換算巻m(残)の修正はしたくない場合、残りの未取合せ生産依頼データでトリミング処理を継続する(ステップS111:NO)。
【0063】
当システム画面にて、未取合せ生産依頼データを確認し、換算巻m(残)を修正する未取合せ生産依頼データを生産依頼担当者が選択、換算巻m(残)修正要求をすることで、データベース管理システム8の生産依頼データ部12に対して修正処理を行う(ステップS112)。
【0064】
続いて、本実施形態の紙製品トリミング支援システムのメイン処理であるトリミングシミュレーション処理の流れを、図6のフローチャートに従って説明する。
【0065】
そこにおいては先ず、生産管理担当者が、当システム画面にて、取合せ対象となる生産依頼データの選択を実施し、その選択された生産依頼データ内で、複数列から成る取合せパターンの軸となる軸列を決定する。軸列の決定手段としては、第1の通常取合せ手段と第2の通常取合せ手段があり、先ず第1の通常取合せ手段での処理を行い、その後、第1の通常取合せ手段で該当しなかった生産依頼データに対して、第2の通常取合せ手段を実施する(ステップS201)。
【0066】
この軸列を決定するための第1の通常取合せ手段は、生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定の有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する。
【0067】
軸列を決定するための第2の通常取合せ手段は、上記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する。
【0068】
かくして軸列が決定された後、軸列に対する2列目の抽出を行う。2列目の決定手段には、第1の通常取合せ手段と、第2の通常取合せ手段と、第1の取切取合せ手段とがあり、第1の通常取合せ手段、第2の通常取合せ手段、第1の取切取合せ手段の順に処理を行った後、前段の手段で該当しなかった生産依頼データに対し、次段を実施する(ステップS202)。
【0069】
2列目を決定するための第1の通常取合せ手段では、軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データ部12から抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が0(別寸)の場合には、別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0070】
2列目を決定するための第2の通常取合せ手段では、第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が0(別寸)以外の場合、別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データの生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0071】
2列目を決定するための第1の取切取合せ手段では、第2の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定を以て、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、又は、残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える、又は、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する。
【0072】
このようにして軸列及び2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、2丁取ができる全パターンを算出する(ステップS203)。また、軸列及び2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、3丁取ができる全パターンを算出する(ステップS204)。
【0073】
以下同様に、軸列、2列目が決定したら、卸巾の残と、残りの未取合せ生産依頼データから、4丁取ができる全パターンを算出し(ステップS205)、また、5丁取ができる全パターンを算出する(ステップS206)。
【0074】
このようにして2丁取りから5丁取りの全パターンを抽出した後、それぞれのパターンに対して、図7の優先度ポイント設定定義に準じて、優先ポイント値を設定する。また、図7における優先ポイントの設定条件は、その注文情報の状態や、企業方針により自由に設定が可能であるが、設定値において、一番ポイントが高くなる条件と一番低くなる条件は、以下のようにして決定される。
【0075】
即ち、一番ポイントが高く設定できる条件は、W取数のチェックである。W取りは同巾をワインダー時点では1丁として換算し、Wカッターでの2丁取りを行うものである。これにより、ワインダーにおいては、倍の量を処理でき、更にカッターでも倍の量を処理できる。これが、ワインダーにて1丁でシングルで取ると、ダブルで取るより当然倍の時間がかかる。また、シングルの原反が倍できるので、カッターには1丁ずつセットしなければならなくなり、非常に非効率な操業になる。よって、W取の組合せが多い取合せパターンが最優先される。
【0076】
逆に、ポイントが一番低く設定される条件は、軸となる製品の取合せ結果での製造量が過抄許可mを上回っている場合である。軸となる製品は、裏を返せば、必ず過不足なく取りたい製品である。ユーザ専用寸法のため、要は在庫を持ってしまうと、他のユーザへ転売が利かないためである。そのため、軸となる製品における過抄は一番に避けたい条件のため、ポイント値は一番低く設定される(ステップS207)。
【0077】
次いで、パターンに対して、卸m数、卸本数の再計算を行う(ステップS208)。
【0078】
軸になる生産依頼データがない場合は、再度別パターンとして、軸列の決定から再度トリミングシミュレーションを行う(ステップS209:YES)。軸になる生産依頼データがない場合は、トリミングシュミレーション完了とし、トリミング結果を当システム画面へリターンし、優先度ポイントの高い順に一覧表示する(ステップS209:NO)。
【0079】
本発明に係る方法によった場合は、例えば、抄紙機の最小最大巾が300〜328cmであるとして、「平判製品:80cm巾×100cm×600連、70cm巾×100cm×200連、90cm巾×100cm×200連」という注文に対しては、先ず、80cm巾の製品が軸製品(軸列)とされ、次いで、卸巾の最大最小巾内での軸列に対する残りの好適な注文が自動検出される(即ち、残りの列は80cm巾、70cm巾、90cm巾)。そして、需要化要望において80cm巾製品につき中央列指定がある場合は、70cm巾、80cm巾、80cm巾、90cm巾というトリミング結果となる(図9参照)。
【0080】
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 上位生産管理システム
2 トリミング支援システム
3 製造管理システム
4 FAシステム
5 生産管理担当者端末
6 生産管理担当者端末
7 WAN
8 データベース管理システム
9 データベースサーバー
10 受注情報
11 注文情報データ
12 生産依頼データ部
13 取合せ集計データ部
14 取合せ組合せデータ部
15 取合せ実績データ部
16 取合せ情報データ部
17 製造指図記憶域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムであって、前記生産管理担当者端末は、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得手段と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成手段と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与手段と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録手段と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段
とを備えて成り、トリミングの確定は、前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされることを特徴とする紙製品のトリミング支援システム。
【請求項2】
前記採用優先度ポイントは、W取りの組合せが多い取合せパターンが高く、軸となる製品が過抄となる場合が低く設定される、請求項1に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項3】
前記注文情報データは、少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む、請求項1又は2に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項4】
前記生産依頼データ作成手段は、前記少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む注文情報データに対して、少なくとも中央列指定の有無、特定銘柄指定の有無、巻始め赤テープ指定の有無、W取り指定の有無、巻方指定の有無、鮫肌対策指定の有無をチェックし、それぞれの指定内容に基づいて銘柄、坪量及び寸法別に注文数量を集計して前記生産依頼データを作成する、請求項3に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項5】
前記取合せパターン候補作成手段は、
‐前記生産依頼データに基づいて、中央列指定のある生産依頼データを、両端以外の列で最適な組合せ候補を作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、特定銘柄指定のある生産依頼データを、特定銘柄指定のない生産依頼データと組合せないようにし、あるいは、指定記号同士のみの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻始め赤テープ指定のある生産依頼データ同士のみの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、W取り指定のある生産依頼データに対して、同巾2丁取りの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻方指定のある生産依頼データに対して、表巻きと裏巻きとが混ざらないような組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、鮫肌対策指定のある生産依頼データに対して、鮫肌ができないように、一定の巻きm数以下での組合せを作成する手段
とを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項6】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ手段を含む、請求項5に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項7】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第2の通常取合せ手段を含む、請求項6に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項8】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の通常取合せ手段を含む、請求項6又は7に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項9】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸以外の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データの生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)にて、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第2の通常取合せ手段を含む、請求項6乃至8のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項10】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第2の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、あるいは、残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える又は寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の取切取合せ手段を含む、請求項6乃至9のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項11】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記通常取合せ手段及び取切取合せ手段を以て、処理時間短縮のため、軸列、2列目を個別に抽出することで抽出パターンを減らして抽出した後、残り列の全パターンの組合せを自動算出する手段を含む、請求項10に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項12】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐最初に組合せを決定し、その各列における換算巻きm数(残)と過抄許可mを足した合計巻m数を基準として、その最小の合計巻きm数を卸m数として算出する手段を含む、請求項5乃至11のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項13】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成されるシステムを用いた紙製品のトリミング支援方法であって、
‐前記生産管理担当者端末が、外部システムから注文情報データを取得して、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得ステップと、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記生産依頼データを出力する生産依頼データ出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からのトリミング開始要求を受け取るトリミング開始要求受取ステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成ステップと、
‐前記取合せパターン候補を参照して前記生産管理担当者端末から送られるトリミングシミュレーション結果を取得し、それに対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与して、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与ステップと、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べ、結果を、前記データベース管理システムの取合せ実績データベースに登録する集計ポイント順登録ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記集計ポイントの高い順に並べた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされるトリミングの確定ステップと
を含むことを特徴とする紙製品のトリミング支援方法。
【請求項14】
前記採用優先度ポイントは、W取りの組合せが多い取合せパターンが高く、軸となる製品が過抄となる場合が低く設定される、請求項13に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項15】
前記注文情報データは、少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む、請求項13又は14に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項16】
前記生産依頼データ作成ステップは、前記少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む注文情報データに対して、少なくとも中央列指定の有無、特定銘柄指定の有無、巻始め赤テープ指定の有無、W取り指定の有無、巻方指定の有無、鮫肌対策指定の有無をチェックし、それぞれの指定内容に基づいて銘柄、坪量及び寸法別に注文数量を集計して前記生産依頼データを作成するステップを含む、請求項15に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項17】
前記取合せパターン候補作成ステップは、
‐前記生産依頼データに基づいて、中央列指定のある生産依頼データを、両端以外の列で最適な組合せ候補を作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、特定銘柄指定のある生産依頼データを、特定銘柄指定のない生産依頼データと組合せないようにし、あるいは、指定記号同士のみの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻始め赤テープ指定のある生産依頼データ同士のみの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、W取り指定のある生産依頼データに対して、同巾2丁取りの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻方指定のある生産依頼データに対して、表巻きと裏巻きとが混ざらないような組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、鮫肌対策指定のある生産依頼データに対して、鮫肌ができないように、一定の巻きm数以下での組合せを作成するステップと
を含む、請求項15又は16に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項18】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せステップ
を含む、請求項15乃至17のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項19】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第2の取切取合せステップ
を含む、請求項18に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項20】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の通常取合せステップ
を含む、請求項18又は19に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項21】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸以外の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第2の通常取合せステップ
を含む、請求項18乃至20のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項22】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第2の通常取合手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、または残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える、あるいは、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の取切取合せステップ
を含む、請求項19乃至21のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項23】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記通常取合せステップ及び前記取切取合せステップを以て、処理時間短縮のため、軸列、2列目を個別に抽出することで抽出パターンを減らして抽出した後、残り列の全パターンの組合せを自動算出するステップ
を含む、請求項22に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項24】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐最初に組合せを決定し、その各列における換算巻きm数(残)と過抄許可mを足した合計巻m数を基準とし、その最小の合計巻きm数を卸m数として算出するステップ
を含む、請求項17乃至23のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項25】
前記生産依頼データにおけるトリミング結果確定データの差分から、再度トリミングシミュレーションを実行するステップを含む、請求項13乃至24のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項26】
前記トリミング結果確定データを確定解除し、生産依頼データとして、再度トリミング対象とするステップを含む、請求項13乃至25のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項27】
前記生産依頼データとして、過抄することで最適なトリミング結果が得られると判断される場合に、既存の生産依頼データの残長を変更登録するステップを含む、請求項13乃至26のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項28】
前記生産依頼データとして、過抄することで最適なトリミング結果が得られると判断される場合に、計画外の生産依頼データを追加登録するステップを含む、請求項13乃至27のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項29】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムにおいて実行されるプログラムであって、該プログラムは、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得機能と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成機能と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成機能と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与機能と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録機能と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段と
を備えることを特徴とする紙製品のトリミング支援プログラム。
【請求項1】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムであって、前記生産管理担当者端末は、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得手段と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成手段と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与手段と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録手段と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段
とを備えて成り、トリミングの確定は、前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされることを特徴とする紙製品のトリミング支援システム。
【請求項2】
前記採用優先度ポイントは、W取りの組合せが多い取合せパターンが高く、軸となる製品が過抄となる場合が低く設定される、請求項1に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項3】
前記注文情報データは、少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む、請求項1又は2に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項4】
前記生産依頼データ作成手段は、前記少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む注文情報データに対して、少なくとも中央列指定の有無、特定銘柄指定の有無、巻始め赤テープ指定の有無、W取り指定の有無、巻方指定の有無、鮫肌対策指定の有無をチェックし、それぞれの指定内容に基づいて銘柄、坪量及び寸法別に注文数量を集計して前記生産依頼データを作成する、請求項3に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項5】
前記取合せパターン候補作成手段は、
‐前記生産依頼データに基づいて、中央列指定のある生産依頼データを、両端以外の列で最適な組合せ候補を作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、特定銘柄指定のある生産依頼データを、特定銘柄指定のない生産依頼データと組合せないようにし、あるいは、指定記号同士のみの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻始め赤テープ指定のある生産依頼データ同士のみの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、W取り指定のある生産依頼データに対して、同巾2丁取りの組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻方指定のある生産依頼データに対して、表巻きと裏巻きとが混ざらないような組合せを作成する手段と、
‐前記生産依頼データに基づいて、鮫肌対策指定のある生産依頼データに対して、鮫肌ができないように、一定の巻きm数以下での組合せを作成する手段
とを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項6】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ手段を含む、請求項5に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項7】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第2の通常取合せ手段を含む、請求項6に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項8】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の通常取合せ手段を含む、請求項6又は7に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項9】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸以外の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データの生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)にて、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第2の通常取合せ手段を含む、請求項6乃至8のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項10】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第2の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を前記生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、あるいは、残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える又は寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の取切取合せ手段を含む、請求項6乃至9のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項11】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記通常取合せ手段及び取切取合せ手段を以て、処理時間短縮のため、軸列、2列目を個別に抽出することで抽出パターンを減らして抽出した後、残り列の全パターンの組合せを自動算出する手段を含む、請求項10に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項12】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐最初に組合せを決定し、その各列における換算巻きm数(残)と過抄許可mを足した合計巻m数を基準として、その最小の合計巻きm数を卸m数として算出する手段を含む、請求項5乃至11のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項13】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成されるシステムを用いた紙製品のトリミング支援方法であって、
‐前記生産管理担当者端末が、外部システムから注文情報データを取得して、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得ステップと、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記生産依頼データを出力する生産依頼データ出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からのトリミング開始要求を受け取るトリミング開始要求受取ステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成ステップと、
‐前記取合せパターン候補を参照して前記生産管理担当者端末から送られるトリミングシミュレーション結果を取得し、それに対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与して、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与ステップと、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べ、結果を、前記データベース管理システムの取合せ実績データベースに登録する集計ポイント順登録ステップと、
‐前記生産管理担当者端末からの要求に基づいて前記集計ポイントの高い順に並べた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力ステップと、
‐前記生産管理担当者端末において前記トリミングシミュレーション結果の一覧を参照してなされるトリミングの確定ステップと
を含むことを特徴とする紙製品のトリミング支援方法。
【請求項14】
前記採用優先度ポイントは、W取りの組合せが多い取合せパターンが高く、軸となる製品が過抄となる場合が低く設定される、請求項13に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項15】
前記注文情報データは、少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む、請求項13又は14に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項16】
前記生産依頼データ作成ステップは、前記少なくとも中央列指定、特定銘柄指定、巻始め赤テープ指定、W取り指定、巻方指定、鮫肌対策指定に関する情報を含む注文情報データに対して、少なくとも中央列指定の有無、特定銘柄指定の有無、巻始め赤テープ指定の有無、W取り指定の有無、巻方指定の有無、鮫肌対策指定の有無をチェックし、それぞれの指定内容に基づいて銘柄、坪量及び寸法別に注文数量を集計して前記生産依頼データを作成するステップを含む、請求項15に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項17】
前記取合せパターン候補作成ステップは、
‐前記生産依頼データに基づいて、中央列指定のある生産依頼データを、両端以外の列で最適な組合せ候補を作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、特定銘柄指定のある生産依頼データを、特定銘柄指定のない生産依頼データと組合せないようにし、あるいは、指定記号同士のみの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻始め赤テープ指定のある生産依頼データ同士のみの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、W取り指定のある生産依頼データに対して、同巾2丁取りの組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、巻方指定のある生産依頼データに対して、表巻きと裏巻きとが混ざらないような組合せを作成するステップと、
‐前記生産依頼データに基づいて、鮫肌対策指定のある生産依頼データに対して、鮫肌ができないように、一定の巻きm数以下での組合せを作成するステップと
を含む、請求項15又は16に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項18】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐生産依頼データにおいて、単独取合せを行うことができない別寸である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せステップ
を含む、請求項15乃至17のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項19】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記トリミングの軸列を自動算出する第1の通常取合せ後に、残った生産依頼データにおいて、寸法が計画外以外である生産依頼データと、換算巻m数(残)が未抄許可サイズを超える生産依頼データとを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列を自動算出する第2の取切取合せステップ
を含む、請求項18に記載の紙製品のトリミング支援システム。
【請求項20】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、別寸である生産依頼データと、平判製品、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸<規格判<計画外(降順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の通常取合せステップ
を含む、請求項18又は19に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項21】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記第1の通常取合せ手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、軸列が平判製品で寸法区分が別寸以外の場合に別寸はできるだけ別寸同士で組合せを作成するようにするため、換算巻m数(残)が最低巻きm以上、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、特定銘柄の指定有無(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)、巻方指定が表>裏(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第2の通常取合せステップ
を含む、請求項18乃至20のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項22】
前記取合せパターン候補作成手段は、更に、
‐前記第2の通常取合手段の残生産依頼データからの軸列の決定をもって、2列目を生産依頼データから抽出するに当たり、残があるデータ、または残を考えない計画外を対象とするため、換算巻m数(残)が0を超える、あるいは、寸法が計画外以外である生産依頼データを抽出し、巻製品>平判製品(昇順)、別寸>規格判>計画外(昇順)、換算巻m数(残)の多い生産依頼データ(降順)、取合せで使用された回数の多い生産依頼データ(降順)を処理順番の基準として、トリミングの軸列に対する2列目を自動算出する第1の取切取合せステップ
を含む、請求項19乃至21のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項23】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐前記通常取合せステップ及び前記取切取合せステップを以て、処理時間短縮のため、軸列、2列目を個別に抽出することで抽出パターンを減らして抽出した後、残り列の全パターンの組合せを自動算出するステップ
を含む、請求項22に記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項24】
前記取合せパターン候補作成ステップは、更に、
‐最初に組合せを決定し、その各列における換算巻きm数(残)と過抄許可mを足した合計巻m数を基準とし、その最小の合計巻きm数を卸m数として算出するステップ
を含む、請求項17乃至23のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項25】
前記生産依頼データにおけるトリミング結果確定データの差分から、再度トリミングシミュレーションを実行するステップを含む、請求項13乃至24のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項26】
前記トリミング結果確定データを確定解除し、生産依頼データとして、再度トリミング対象とするステップを含む、請求項13乃至25のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項27】
前記生産依頼データとして、過抄することで最適なトリミング結果が得られると判断される場合に、既存の生産依頼データの残長を変更登録するステップを含む、請求項13乃至26のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項28】
前記生産依頼データとして、過抄することで最適なトリミング結果が得られると判断される場合に、計画外の生産依頼データを追加登録するステップを含む、請求項13乃至27のいずれかに記載の紙製品のトリミング支援方法。
【請求項29】
1又は複数の生産管理担当者端末とデータベース管理システムとが、通信ネットワークを介して接続されて構成される紙製品のトリミング支援システムにおいて実行されるプログラムであって、該プログラムは、
‐外部システムから注文情報データを取得して前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する注文情報データ取得機能と、
‐取得した前記注文情報データを指定種別ごとに集計してトリミングの元データとなる生産依頼データを作成し、前記データベース管理システムの生産依頼データ部に登録する生産依頼データ作成機能と、
‐前記生産依頼データに基づいて取合せパターン候補を作成し、前記データベース管理システムの取合せ集計データ部に登録する取合せパターン候補作成機能と、
‐前記取合せパターン候補を参照して作成されるトリミングシミュレーション結果に対して予め合理的に定められた採用優先度ポイントを付与し、前記データベース管理システムの取合せ組合せデータ部に登録する優先度ポイント付与機能と、
‐前記付与された採用優先度ポイントを集計して前記トリミングシミュレーション結果を集計ポイントの高い順に並べて、結果を前記データベース管理システムの取合せ実績データ部に登録する集計ポイント順登録機能と、
‐前記集計ポイントの高い順に並べられた前記トリミングシミュレーション結果の一覧を出力するシミュレーション結果出力手段と
を備えることを特徴とする紙製品のトリミング支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−170623(P2011−170623A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33828(P2010−33828)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000231257)日本大昭和板紙株式会社 (18)
【出願人】(510045265)マーズコンピュータ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000231257)日本大昭和板紙株式会社 (18)
【出願人】(510045265)マーズコンピュータ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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