説明

素麺束収納用合成樹脂製容器

【課題】 素麺束を多列、多段に収納する合成樹脂製容器であって、素麺束の収納、取り出しが円滑に行えると共に素麺束の麺単子の折損や変形の発生を殆どなくし得るように、安定した積み重ね状態に収納できる容器を提供する。
【解決手段】 容器Aの底壁板部1の両側端部に凹溝部5を設けると共にこの底壁板部1の両側端間の幅を、素麺束Bの長さよりも僅かに幅広くして素麺束Bをその両端部が上記凹溝部5、5上に位置するように収納することで、容器Aの両側隅部での素麺束Bの両端部の屈曲変形をなくして素麺束Bを全長に亘り直状に収納できるようにすると共に、容器Aを傾けても素麺束Bの荷崩れをなくし、さらに、これらの凹溝部5、5の外側端縁から両側壁板部3、3を上端に向かって外側に緩傾斜させて容器Aの開口幅を素麺束Bの収納、取り出しが容易に行える幅に形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数十本の麺単糸を結束帯で束ねている素麺束を、多列、多段に収納する合成樹脂製容器に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業者によって製造された素麺は、数十本の麺単糸を結束帯で束ねて素麺束とし、この素麺束を大容量の箱状容器内に多列、多段に箱詰めしたのち、この素麺束収納容器を組合等に搬送し、該容器内から所定本数の素麺束を取り出して一定大きさの木箱や紙箱等内に収納して市販に供している。このような素麺束の収納用容器としては、例えば、特許文献1の従来例に記載されているように、木箱や紙箱が採用されているが、紙箱の場合には湿気の吸収によって内部の素麺が変質等を生じる虞れがあると共に耐載荷重が小さいために積み重ねが困難であり、製造元で多数の素麺束を多列、多段に収納する大容量の箱として採用し難いといった問題点がある。
【0003】
一方、木箱においては、外力に対して十分な強度を有していると共に大容量の箱に形成することができるが、木箱は底板材や四方の周壁を形成するための前後左右の側板材を別々に形成しておき、これらの板材を組み立てて容器を製造しなければならないために、製造工程が煩雑化するばかりでなく、価格が高くつくといった問題点がある。また、底板材四方端縁から前後左右の側板材を直角に起立させた状態で組み立てられるので、底部の四方内隅部が直角の屈折した隅角部となり、従って、その内隅部に塵埃等が付着した場合にきれいに拭き取ることが困難となって、衛生上、問題点があった。
【0004】
さらに、木箱内に素麺束を多列、多段に安定した収納形態となるようにするため、その底板材の横幅を素麺束の長さよりも僅かに幅広くして素麺束の両端面を、この底板材の両側端から上方に起立している上記両側壁板の対向内側面に近接状態となるように収納させ、取扱時や運搬等において、振動や衝撃力、或いは、傾きが生じても、素麺束の端面を側板材に当接、受止させて荷崩れが発生するのを防止しているが、両側板材間の幅が全高に亘って底板材の横幅に等しく形成されているため、木箱の開口端の幅も底板材の横幅と等しくなって、木箱内への素麺束の収納時や木箱内からの素麺束の取り出し時においては、素麺束の両側端部が開口端や両側板材に不測に当接する虞れがあってこれらの作業が円滑に行えなくなるばかりでなく、当接した場合には麺単糸が折損し、商品価値が低下するといった問題点があった。
【0005】
上記のような紙箱や木箱以外に、例えば、特許文献2に記載されているように、合成樹脂製の麺収納用容器が開発されている。合成樹脂製の容器によれば、木箱と同様に外力に対して十分な強度を有していると共に大容量の箱に形成することができるばかりでなく、成形によって得られるので容易に多量生産が可能となり、その上、成形時における離型を容易にするために、その四方周壁板部を底壁板部側から開口端に向かって一定の抜き角度でもって外方に緩傾斜させてあり、そのため、素麺束の端部が開口端等に当接するのを防止しながら収納や取り出し作業が円滑に行うことができるといった利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3086191号公報
【特許文献2】特開2006−182446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、合成樹脂製の成形容器は、上記のように一定の抜き角度でもって四方周壁板部を下端から上端に向かって外方に緩傾斜させていると共に、図6に示すように、底壁板部21の四方端縁部に連なる上記周壁板部22の下端部においても、内側から外側に向かって円弧状に湾曲した湾曲面23に形成されているため、底壁板部21の幅を素麺束Bの長さよりも僅かに大きい幅にして素麺束Bの両端が両側壁板部22a 、22a の対向内側面に近接するように収納可能な形状に形成すると、底壁板部21上に横列状態に収納する一段目の素麺束Bにおいては、その両端下部が凹円弧状に湾曲している上記湾曲面23上に載せられてこの湾曲面23によって強制的に屈曲させられると共に、この一段目の素麺束列上に重ねられる上段側の素麺束Bの端部もその影響を受けて湾曲させられ、麺単糸が折損する虞れがあるばかりでなく、商品価値が著しく低下するといった問題点がある。
【0008】
このような問題点は、容器の幅を広くして素麺束Bの両端が上記湾曲面23上に載置されることなく収納し得る大きさに形成しておくと解消し得るが、そうすると、素麺束Bの両端面と容器の両側壁板部22a 、22a との対向面間の隙間が必要以上に大きくなって、取扱い時や運搬時等の振動や傾動によって素麺束Bの積み重ね形態が大きく変動し、素麺束Bの端面が側壁板部22a に強く当接したり上下に隣接する素麺束列同士が互いに擦り合ったりして損傷するといった問題点が生じることになる。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、素麺束の収納、取り出しが円滑に行えると共に、素麺束の両端部を変形させたりすることなく、且つ、折損などを殆ど生じさせることなく、多列、多段に正確に積み重ねた状態で収納しておくことができ、その上、取扱時や運搬等において、振動や衝撃力、或いは、傾きが生じても、素麺束が大きく妄動するのを阻止して安定した積み重ね形態を保持した状態で収納し得る素麺束収納用合成樹脂製容器を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の素麺束収納用合成樹脂製容器は、請求項1に記載したように、素麺束を多列、多段に収納する合成樹脂製容器であって、一束の素麺束を長さ方向に向けた状態で収納できる幅とこの素麺束を多数本、横列状態に並設し得る長さを有する長方形状の底壁板部の四方に、素麺束を多段に収納できる一定高さを有する前後並びに両側壁板部を一体に設けていると共に、両側壁板部の下端に連なる上記底壁板部の長辺側の両側端部を全長に亘って凹溝部に形成してあり、この凹溝部の外側端縁から上記側壁板部を容器の上端開口部が拡開する方向に斜め外側方に傾斜した傾斜側壁板部に形成した構造を有している。
【0011】
このように構成した素麺束収納用合成樹脂製容器において、請求項2に係る発明は、上記凹溝部の溝底部を凹円弧状の湾曲溝底部に形成して、この溝底部の内側端に連なる内側溝壁部を平坦な底壁板部の外側端からこの溝底部に向かって緩やかに傾斜した緩傾斜面に形成している一方、凹円弧状溝底部の外側端を側壁板部の下端に、直接、連設させた形状としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、合成樹脂製容器において、一束の素麺束を長さ方向に向けた状態で収納できる幅とこの素麺束を多数本、横列状態に並設し得る長さを有する長方形状の底壁板部の四方に、素麺束を多段に収納できる一定高さを有する前後並びに両側壁板部を一体に設けていると共に、両側壁板部の下端に連なる上記底壁板部の長辺側の両側端部を全長に亘って凹溝部に形成しているので、この容器内に素麺束を収納して底壁板部上に横列状に配置した場合に、素麺束の両端部を底壁板部の両側端部に形成している凹溝部上に配設することができ、従って、素麺束の両端部は底壁板部側から何ら変形させられるような圧力を受けることなく直状形成を保持した状態で収納しておくことができ、商品価値の高い素麺束を提供することができる。
【0013】
その上、素麺束の両端面は、凹溝部上を通じて容器の両側壁板部の内側面に極めて近接した状態で収納しておくことができ、取扱い時や運搬時等の振動や傾動によって素麺束が長さ方向に妄動しようとしても直ちにその端面を側壁板部の内側面に当接、受止させることができ、また、素麺束Bの一方の端面B1を対向する側壁板部の内側面に当接させた状態で整然と収納しておくことができ、従って、形崩れを生じさせることなく、さらには折損などを生じさせることなく、多列、多段に正確に積み重ねた形態を保持して安定した状態で収納しておくことができる。
【0014】
さらに、本発明の素麺束収納用合成樹脂製容器は、底壁板部の両側端部と両側壁板部の下端部との連設部分に形成している上記凹溝部の外側端縁からその側壁板部を容器の上端開口部が拡開する方向に斜め外側方に傾斜した傾斜側壁板部に形成していると共に、底壁板部を、該底壁板部上に横列した素麺束列の両側端面が上述したように凹溝部上を通じて両側の傾斜側壁板部の内側面に対してそれぞれ僅かな隙間を介して近接、或いは、一方の端面を対向する側壁板部の内側面に当接させ、他方の端面を対向する側壁板部の内側面から僅かに離間させた状態となるように収納し得るように形成しているので、上段に行くに従って徐々に大きくなる素麺束の端面と傾斜側壁板部との間の隙間を、容器の開口端においては素麺束の端部を該開口端や傾斜側壁板部に不測に当接せることなく極めて円滑に収納、取り出し作業が行える開口幅に形成しておくことができる。また、底壁板部上の塵埃等をこの底壁板部の両側の上記凹溝部内に集積させて容易に除去することができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、上記凹溝部の溝底部を凹円弧状の湾曲溝底部に形成しているので、塵埃等を除去する際に、湾曲溝底部の凹円弧面上に集積させて拭き取り等により容易に且つ確実に除去することができると共に、この溝底部の内側端に連なる内側溝壁部を平坦な底壁板部の外側端からこの溝底部に向かって緩やかに傾斜した緩傾斜面に形成しているので、この緩傾斜面に沿って塵埃等を底壁板部に向かって掻き寄せるようにしながら拭き取ることにより、きれいに能率よく除去することができる。また、上記凹円状溝底部の外側端を側壁板部の下端に、直接、連設させた構造としているので、底壁板部上に横列させた素麺束の端面を溝の凹円弧状面に対向させることなく、側壁板部の平坦な内側面に確実に対向させた状態となるように収納することができ、従って、上述したように、素麺束の端部を湾曲させたり素単糸を折損させたりすることなく、安定した積み重ね形態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明素麺束収納用合成樹脂製容器の一部切欠斜視図。
【図2】その縦断正面図。
【図3】要部の拡大縦断正面図。
【図4】別な実施形態を示す拡大縦断側面図。
【図5】素麺束を多列、多段に収納した容器の蓋の一部を除去した斜視図。
【図6】従来例を示す要部の拡大縦断正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1、図2において、素麺束収納用容器Aは、硬質の合成樹脂材からなる成形品であって、一定の肉厚を有する平面長方形状の底壁板部1における四方端縁に一定高さを有する周壁を一体に設けてなるもので、この周壁は、底壁板部1における前後の互いに平行な短辺縁と、両側の互いに平行な長辺縁とに、上方に向かって一定高さの前後壁板部2、2と両側壁板部3、3とをそれぞれ突設してなり、前後壁板部2、2と両側壁板部3、3との対向端は、互いに直角に連なって周方向に連続した矩形枠形状に形成されている。
【0018】
容器Aの上記底壁板部1の幅、即ち、両側底壁板部3、3の下端における対向する内側面間の幅は、一定長さを有する一束の素麺束Bを上記底壁板部1の幅方向にその長さ方向を向けた状態で配設した時に、該素麺束Bの両端面B1、B1とこれらの両端面B1、B1がそれぞれ対向する両側壁板部3、3の下端部との間の隙間が、数mm以下の極く僅かな隙間となるように、具体的には、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、特に好ましくは1mm以下となるように配設される幅寸法に形成されていると共に、前後方向の長さは多数の素麺束Bを横列状態で配設できる長さ寸法に形成されている。
【0019】
一方、容器Aの周壁、即ち、上記前後および両側の壁板部2、3の高さは、容器A内に素麺束Bを多段に積み重ね可能な高さ寸法に形成されていると共に、両側壁板部3、3の対向する内側面は、一定の抜き角度(5°以下の角度)でもって成形されていて、下端から上端に向かって外側方に緩やかに傾斜した緩傾斜面3a、3aに形成されてあり、従って、容器Aの横幅は下端から上端にゆくに従って緩やかに拡幅している。なお、前後壁板部2、2は底壁板部1に対して略直角となるように設けられているが、両側壁板部3、3と同様に下端から上端に向かって僅かに外方に傾斜させておいてもよい。
【0020】
さらに、両側壁板部3、3の下端に連なる上記底壁板部1の長辺側の両側端部には、前後壁板部2、2間の全長に亘って一定幅と一定深さを有する凹溝部5が形成されている。この凹溝部5は図2、図3に示すように、その溝底部を凹円弧状に湾曲した湾曲溝底部5aに形成していると共に底壁板部2の平坦な水平面の側端縁に連なる凹溝部5の内側溝壁部5bは、上記湾曲溝底部5aの内側端から底壁板部1の上記側端縁に向かって斜め上方に緩やかに傾斜した平坦な傾斜面に形成されている。一方、凹溝部5の外側溝壁部5cは、その下部を上記湾曲溝底部5aと同一の湾曲度でもって湾曲した湾曲面5c1 に形成していると共に上部を壁板部3の平坦な面の下端に面一状に連続した平坦面5c2 に形成している。なお、外側溝壁部5cにこの平坦面5c2 を設けることなく、全体に亘って上記湾曲溝底部5aと同一の湾曲度でもって湾曲した湾曲面に形成しておいてもよい。
【0021】
なお、容器Aの周壁を形成している前後壁板部2、2と両側壁板部3、3との外面には補強リブ6を設けていると共に容器Aの開口端には一定幅を有する口縁7を外方に向かって水平状に突設してあり、さらに、底壁板部1の下面には図2に示すように、一定高さを有する短い脚片8を突設している。一方、容器Aの開口端を閉止する蓋体9(図5にその一半部分を示す)には、その外周縁に容器Aの口縁7に係脱自在に係止する下向きに開口した断面U字状の凸縁部10を設けてあり、容器Aを積み重ねる際に、下段の容器Aの蓋体9における凸縁部10で囲まれた平坦な上面上に上段の容器Aの上記脚片8を受止させ且つ凸縁部10の内周面に該脚片8を係合させて上段の容器Aが前後左右に妄動するのを阻止した状態に積み重ねるように構成している。
【0022】
このように構成した素麺束収納用合成樹脂製容器Aに一定長さを有する多数束の素麺束Bを多列、多段に収納するには、まず、素麺束Bを収納する前に容器Aを洗浄しておく。この際、両側壁板部3、3の下端に連なる底壁板部1の両側端部には凹溝部5、5が設けられてあり、これらの凹溝部5、5は、その底部を凹円弧状に湾曲した湾曲溝底部5aに形成していると共に該湾曲溝底部5aから底壁板部1の両側端と両側壁板部3、3の下端とに連なる溝側面も角部などが存在しない滑らかな面に形成しているので、塵埃等を残すことなくきれいに拭き取ることができる。
【0023】
この容器A内の底壁板部1上に、まず、多数束(30〜50束)の素麺束Bを横列状態に敷き並べる。この際、素麺束Bの長さ方向を底壁板部1の幅方向に向けた状態で底壁板部1上に配列するものであり、このよう配列すると、素麺束Bの長さ方向の両端部が底壁板部1の両側端部に設けている凹溝部5、5上に設けられた状態となって、従来の素麺束収納容器のようにその底壁板部の円弧状に湾曲した両側隅部上に載せられることによる湾曲変形などが生じることなく、素麺束Bを全長に亘って真っ直ぐな形態に保持しておくことができる。
【0024】
なお、通常は、素麺束Bの長さ方向の一方の端面を容器Aの両側壁板部3、3における一方の側壁板部3に当接させ、他方の端面を他方の側壁板部3から僅かに離間させた状態で収納するものであり、このようにすると一方の側壁板部3の内側面を基準(配列ガイド面)として正確に横列させることができる。また、容器Aはその両側壁板部3、3の対向する内側面間の幅を、下端から上端に向かって徐々に拡幅させていて、容器Aの開口端が底壁板部1の大きさよりも拡開しているので、素麺束Bの収納、配列作業が円滑に行うことができる。
【0025】
このように、底壁板部1上に全長に亘って一段目の素麺束列を設けたのち、この一段目の素麺束列上に、上記同様にして多数束の素麺束Bを横列状態に配設することにより、二段目の素麺束列を形成し、以下、同様に下段の素麺束列上に上段の素麺束列を積み重ねて図5に示すように、容器A内に多数束の素麺束Bを多列、多段に収納する。
【0026】
容器A内に積み重ねられた素麺束Bは、容器Aの両側壁板部3、3は上述したように、下端から上端に向かうに従って外側方に僅かな傾斜角度でもって緩傾斜しているので、上方に積み重ねていくに従って、図3に示すように、素麺束Bの端面B1とこの端面B1が対向とする側壁板部3の内側面との間の隙間が徐々に大きくなるが、底壁板部1の幅、即ち、両側壁板部3、3の下端間の幅を素麺束Bの長さよりも僅かに数mm程度、広い幅となるように形成しているので、容器Aの上端の開口幅が、該容器A内への素麺束Bの収納や容器Aからの取り出しが円骨に行うことができる大きさを有することになると共に、素麺束収納容器の取扱時や運搬等において、振動や衝撃力、或いは、傾きが生じても、内部の素麺束が大きく妄動するのを阻止して安定した積み重ね形態を保持しておくことができる。
【0027】
なお、以上の実施例においては、底壁板部1の両側端部に設けている凹溝部5の形状として、凹円弧状に湾曲した湾曲溝底部5aと、該湾曲溝底部5aから底壁板部1の側端に向かって滑らかに上傾斜した傾斜面とからなる形状に形成しているが、このような傾斜面を形成することなく、図4に示すように、凹溝部5を断面半円形状に形成しておいても、本発明を満足させることができる。その他の構造については、上記実施例と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0028】
A 素麺束収納用合成樹脂製容器
B 素麺束
1 底壁板部
2、2 前後壁板部
3、3 両側壁板部
5 凹溝部
5a 湾曲溝底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素麺束を多列、多段に収納する合成樹脂製容器であって、一束の素麺束を長さ方向に向けた状態で収納できる幅とこの素麺束を多数本、横列状態に並設し得る長さとを有する長方形状の底壁板部の四方に、素麺束を多段に収納できる一定高さを有する前後並びに両側壁板部を一体に設けていると共に、両側壁板部の下端に連らなる上記底壁板部の長辺側の両側端部を全長に亘って凹溝部に形成してあり、この凹溝部の外側端縁から上記側壁板部を容器の上端開口部が拡開する方向に斜め外側方に傾斜した傾斜側壁板部に形成していることを特徴とする素麺束収納用合成樹脂製容器。
【請求項2】
凹溝部はその溝底部を凹円弧状の湾曲溝底部に形成していると共に、この溝底部の内側端に連なる内側溝壁部を平坦な底壁板部の外側端からこの溝底部に向かって緩やかに傾斜した緩傾斜面に形成している一方、凹円弧状溝底部の外側端を側壁板部の下端に、直接、連設させていることを特徴とする請求項1に記載の素麺束収納用合成樹脂製容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−195434(P2010−195434A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43661(P2009−43661)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(390033112)積水テクノ成型株式会社 (48)
【Fターム(参考)】