説明

紫外線硬化型粘接着剤組成物

【課題】粘接着特性、硬化性、柔軟性、弾性、耐衝撃性、応力緩和、可撓性、靭性に優れた紫外線硬化型粘接着剤組成物を提供する。
【解決手段】以下の(1)〜(3)成分を含むことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物により達成できる。(1)光重合性単量体100重量部と、(2)光重合開始剤0.01〜10重量部と、(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下であるアクリル系ブロック共重合体であって、メタクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)0.1〜200重量部とからなる組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル系重合体ブロックとアクリル系重合体ブロックからなるアクリル系ブロック共重合体を含有することを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粘着シートに用いられる粘着剤としては、アクリル酸エステルなどの単量体成分を溶液重合することにより調製されたものをベースポリマーとして用いてきたが、近年では、大気汚染や環境問題等を考慮して、紫外線などの活性エネルギー線の照射により単量体成分を硬化させて粘着層を形成させる硬化型粘着剤組成物も利用されている(特許文献1、2)。硬化型粘着剤組成物は、アクリル酸エステルなどの単量体を主成分とした無溶剤型組成物であり、特に安全面、環境面で有利である。
【0003】
この紫外線硬化型粘着剤組成物を利用した粘着シートの粘着層は、一般的には、単量体成分を塗工に適した粘度に調整したもの(粘度を高めたシロップ)を、基材上に塗工し、紫外線照射により硬化させることにより形成される。単量体成分をシロップにする方法としては、単量体成分に増粘用ポリマーを溶解させる方法、単量体成分を部分的に重合して重合率数%から数十%の部分重合物とする方法、単量体成分に疎水性シリカなどの粉末を添加する方法が用いられる。前記増粘用ポリマーとしては、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、アクリロイルモルホリン等を共重合したアクリル系ポリマーや、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリルゴム、ポリウレタン、ポリエステル等を用いることができるが、増粘用ポリマーによって、タックが低下するなど粘着特性を調整が困難となる問題や、紫外線の透過性が低くなり硬化性が低下する問題、高硬度化や応力集中、弾性の消失などの問題が生じる場合があった。
【0004】
一方で、近年、リビング重合によって合成される、メタクリル系重合体ブロックとアクリル系重合体ブロックからなるアクリル系ブロック共重合体が提案されている(特許文献3)。このようなアクリル系ブロック共重合体は、リビング重合に由来する優れた構造の制御と狭い分子量分布をもちながら、アクリル系重合体が本来有する高い耐候性、耐光性を保持する特徴を有する。また、各重合体ブロックを構成する単量体を適宜選択することで様々な特性を発揮でき、粘着剤として様々な用途への展開が期待される(特許文献4)。
【0005】
しかしながら、アクリル系ブロック共重合体を紫外線硬化型粘着剤の改質剤として用いられた例はなかった。
【0006】
また、一般に、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化する接着剤としては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系などが広く用いられている。しかしながら、これらの紫外線硬化型接着剤は、硬化収縮や硬化物の線膨張などによる接着面での剥離などが問題となったり、靭性や可撓性が不足するために亀裂(クラック)などが問題となる場合があった。これらの課題を解決するため、カルボキシル変性アクリロニトリルブタジエンゴム(CTBN)、アミン変性アクリロニトリルブタジエンゴム(ATBN)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エポキシ変性スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン系ブロック共重合体(SBS、SIS、SEBS、SIPS)などが用いられている(特許文献5〜7)。また、硬化前の接着剤組成物に粘着性や柔軟性を付与するために粘着付与剤などが、塗工性などを改善するために可塑剤などが用いられている(特許文献7)。しかし、これらの改質効果は充分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−182557号公報
【特許文献2】特開2004−169023号公報
【特許文献3】WO2003/068836号公報
【特許文献4】特開2003−105300号公報
【特許文献5】特開2001−115126号公報
【特許文献6】特開平11−148064号公報
【特許文献7】特開2007−077203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、アクリル系ブロック共重合体を紫外線硬化型粘接着剤組成物として用いることにより、粘接着特性、硬化性、可撓性、靭性、柔軟性、弾性、耐衝撃性、応力緩和に優れた紫外線硬化型粘接着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、光重合性単量体と光重合開始剤と特定のアクリル系ブロック共重合体からなる組成物が、上記課題を効果的に解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(3)成分を含むことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物:
(1)光重合性単量体100重量部と、
(2)光重合開始剤 0.01〜10重量部と、
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下であるアクリル系ブロック共重合体であって、メタクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)0.1〜200重量部、に関する。
【0011】
好ましい実施態様としては、アクリル系ブロック共重合体(A)が、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有することを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0012】
好ましい実施態様としては、光重合性単量体が、アクリル系単量体であることを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0013】
好ましい実施態様としては、光重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を含むことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0014】
好ましい実施態様としては、光重合開始剤が、アセトフェノン類もしくはベンゾフェノン類であることを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0015】
好ましい実施態様としては、アクリル系ブロック共重合体(A)におけるメタクリル系重合体ブロック(a)の割合が10〜50重量%であることを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0016】
好ましい実施態様としては、アクリル系ブロック共重合体(A)が、トリブロック体またはジブロック体、もしくはその混合物であることを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0017】
好ましい実施態様としては、アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含むことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【0018】
好ましい実施態様としては、アクリル系ブロック共重合体(A)が、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、Fe、Ru、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種類を中心金属とする金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法により製造されたことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、粘接着特性、硬化性、柔軟性、弾性、耐衝撃性、応力緩和、可撓性、靭性、に優れた紫外線硬化型粘接着剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明につき詳細に説明する。
【0021】
<アクリル系ブロック共重合体>
本発明の粘接着剤組成物を構成するアクリル系ブロック共重合体(A)は、メタクリル酸エステルを主成分とするメタクリル系重合体ブロック(a)およびアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)である。アクリル系ブロック共重合体(A)の構造は、線状ブロック共重合体、分岐状(星状)ブロック共重合体のいずれか、またはこれらの混合物であってもよい。このようなブロック共重合体の構造は、必要とされるアクリル系ブロック共重合体(A)の物性に応じて適宜選択されるが、コスト面や重合容易性の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。
【0022】
線状ブロック共重合体は、いずれの構造のものであってもよいが、線状ブロック共重合体の物性および組成物の物性の点から、メタクリル系重合体ブロック(a)をa、アクリル系重合体ブロック(b)をbと表現したとき、(a−b)n型、b−(a−b)n型および(a−b)n−a型(nは1以上の整数、たとえば1〜3の整数)からなる群より選択される少なくとも1種のアクリル系ブロック共重合体からなることが好ましい。これらの中でも、加工時の取り扱い容易性や組成物の物性の点から、a−b型のジブロック共重合体、a−b−a型のトリブロック共重合体、またはこれらの混合物が好ましい。
【0023】
本発明の粘接着剤組成物を構成するアクリル系ブロック共重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、紫外線硬化型粘接着剤組成物として必要とされる特性に応じて適宜設定することができるが、10,000〜300,000が好ましい。数平均分子量が10,000より小さいと増粘効果に劣る傾向があり、数平均分子量が300,000より大きいと加工性や流動性が低下する傾向がある。なお、前記数平均分子量は、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算によって測定された値を示す。
【0024】
アクリル系ブロック共重合体(A)をGPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は特に限定されないが、1.8以下であることが好ましく、1.7以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましく、1.4以下であることがもっとも好ましい。Mw/Mnが1.8を超えると粘接着特性が悪化することがある。Mw/Mnが小さいと、低分子量成分による糊残りなどの問題、高分子量成分による加工性低下や外観不良などの問題を低減することができる点で好ましい。
【0025】
アクリル系ブロック共重合体(A)における、メタクリル系重合体ブロック(a)の割合は、10〜50重量%が好ましい。メタクリル系重合体ブロック(a)の割合が10重量%より少ないと、増粘効果が低く、また糊残りが発生する傾向がある。また、形状が保持されにくくハンドリング性に劣る傾向がある。メタクリル系重合体ブロック(a)の割合が50重量%より多いと、柔軟性が低下したり、粘着力が低下する傾向がある。
【0026】
<メタクリル系重合体ブロック(a)>
メタクリル系重合体ブロック(a)は、メタクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックである。ここで、主成分とは、メタクリル系重合体ブロック(a)を構成する単量体のうちの50重量%以上がメタクリル酸および/またはメタクリル酸エステルであることを意味する。
【0027】
メタクリル酸エステルとしては、たとえば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸脂環式炭化水素エステル;メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸アラルキルエステル;メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイルなどのメタクリル酸芳香族炭化水素エステル;メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸3−メトキシブチルなどのメタクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル;メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸トリフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、メタクリル酸2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロエチル、メタクリル酸パーフルオロメチル、メタクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、メタクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのメタクリル酸フッ化アルキルエステルなどがあげられる。これらの中でも、メタクリル酸メチルが好ましい。これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
メタクリル系重合体ブロック(a)は、メタクリル酸エステルを主成分とするが、これと共重合可能なメタクリル酸エステル以外のビニル系単量体を50〜0重量%を含んでいてもよい。前記共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
【0029】
アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸脂環式炭化水素エステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイルなどのアクリル酸芳香族炭化水素エステル;アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸アラルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチルなどのアクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステル;アクリル酸トリフルオロメチルメチル、アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、アクリル酸2−パーフルオロエチル、アクリル酸パーフルオロメチル、アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどのアクリル酸フッ化アルキルエステルなどをあげることができる。
【0030】
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。
【0031】
シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。
【0032】
共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。
【0033】
ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。
【0034】
ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができる。
【0035】
マレイミド系化合物としては、たとえば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。
【0036】
<アクリル系重合体ブロック(b)>
アクリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エステルを主成分とする単量体を重合してなるブロックである。主成分とは、アクリル系重合体ブロック(b)を構成する単量体のうちの50重量%以上がアクリル酸エステルであることを意味する。
【0037】
アクリル酸エステルとしては、前記メタクリル系重合体ブロック(a)に用いられるアクリル酸エステルと同様のものを用いることができる。これらの中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
アクリル系重合体ブロック(b)は、アクリル酸エステルを主成分とするが、これと共重合可能なアクリル酸エステル以外のビニル系単量体50〜0重量%を含んでいてもよい。共重合可能な異種のビニル系単量体としては、上述の、メタクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
【0039】
<官能基>
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物を構成するアクリル系ブロック共重合体(A)は、少なくとも一方の重合体ブロック中に官能基を有することができる。官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基からなる群より選択することができ、一種または複数からなることができる。
【0040】
これらの官能基は、メタクリル系重合体ブロック(a)、アクリル系重合体ブロック(b)のどちらに含まれていてもよく、求められる特性に応じて選択することができる。例えば、耐熱性が求められる場合にはメタクリル系重合体ブロック(a)に含まれることが好ましく、弾性が求められる場合にはアクリル系重合体ブロック(b)に含まれることが好ましい。
【0041】
アクリル系ブロック共重合体に官能基を導入する方法としては特に限定されず、該官能基を有する単量体を共重合させる方法、該官能基の前駆体となる官能基を有する単量体を共重合させた後、公知の化学反応にて該官能基を生成させる方法、などがある。
【0042】
カルボキシル基を有する単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸化合物、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸化合物およびそのモノエステル化合物などが挙げられる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味するものとする。
【0043】
また、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸トリメチルシリル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸α,α−ジメチルベンジル、(メタ)アクリル酸α−メチルベンジルなどが挙げられる。これらの単量体を重合させた後、加水分解や酸分解、熱分解などによりカルボキシル基を生成させることができる。
【0044】
酸無水物基を有する単量体としては、たとえば、無水マレイン酸などが挙げられる。
【0045】
また、酸無水物基の前駆体となる官能基を有する単量体としては、たとえば、上記カルボキシル基を有する単量体や、カルボキシル基の前駆体となる官能基を有する単量体などが挙げられる。これらの単量体を重合させた後、脱水反応や脱アルコール反応などにより酸無水物基を生成させることができる。
【0046】
ヒドロキシル基を有する単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0047】
エポキシ基を有する単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,3−エポキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸とエポキシ基を含有するアルコールとのエステル;4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2エポキシドなどのエポキシ基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0048】
<アクリル系ブロック共重合体(A)の製法>
アクリル系ブロック共重合体(A)を製造する方法としては、特に限定されないが、制御重合法を用いることが好ましい。制御重合法としては、リビングアニオン重合法(特開平11−335432)、有機希土類遷移金属錯体を重合開始剤として用いる重合法(特開平6−93060)、連鎖移動剤を用いたラジカル重合法(特開平2−45511)、リビングラジカル重合法などが挙げられる。
【0049】
リビングラジカル重合法としては、たとえば、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いる重合法、コバルトポルフィルン錯体を用いる重合法、ニトロキシドを用いる重合法(WO2004/014926)、有機テルル化合物などの高周期ヘテロ元素化合物を用いる重合法(特許第3839829号)、可逆的付加脱離連鎖移動重合法(RAFT)(特許第3639859号)、原子移動ラジカル重合法(ATRP)(特許第3040172号)などが挙げられる。本発明において、これらのうちいずれの方法を使用するかは特に制約はないが、制御の容易さの点などから原子移動ラジカル重合法が好ましい。
【0050】
原子移動ラジカル重合法を用いてアクリル系ブロック共重合体(A)を製造する方法としては、たとえば、WO2004/013192に挙げられた方法などを用いることができる。
【0051】
特に本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物に使用されるアクリル系ブロック共重合体(A)としては、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、Fe、Ru、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種類を中心金属とする金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法により製造されたものが好ましい。
【0052】
<光重合性単量体>
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物を構成する光重合性単量体としては、光重合が可能な単量体であれば特に限定されず、ラジカル重合性単量体、カチオン重合性単量体などが用いられる。
【0053】
ラジカル重合性単量体としては、スチレン誘導体、ビニルエステル基を有する化合物、アクリル系単量体を挙げることができる。スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、インデン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。ビニルエステル基を有する化合物としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどを挙げることができる。アクリル系単量体として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及び7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記単官能アクリレートは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
また、上記多官能アクリレートとして具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1 ,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA ジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2− ヒドキシエチル) イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル) イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA のジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記多官能アクリレートは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
カチオン重合性単量体としては、1分子中に少なくもと1つのカチオン重合性基を有する化合物である限り特に限定されない。例えば、ビニロキシ基、スチリル基、エポキシ基、オキセタニル基などのカチオン重合性基を有するカチオン重合性単量体を用いることができる。好ましくは、接着性及び耐久性に優れているため、カチオン重合性基としてエポキシ基を有する化合物が好適に用いられる。より詳しく例示すると、ビニロキシ基を含む化合物として、例えば、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等を挙げることができるが、特に限定されるものではない。スチリル基を含む化合物として、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができるが、特に、限定されるものではない。また、エポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、グリシジルエステル系化合物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化SBS(SBSは、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体を示す)などが挙げられるが、特に限定されるものではない。上記エポキシ化合物は、硬化後に高い接着性及び耐久性を発現する。また、カチオン重合性単量体は、1種のみを用いてもよく、複数種併用してもよい。さらに、複数の異なるカチオン重合性基を一分子中に持つ化合物を用いてもよい。
【0056】
これらのうち、粘接着特性や光重合性、またアクリル系ブロック共重合体(A)の溶解性が高く、また相容性がよいため透明な組成物が得られる点などから、アクリル系単量体を主成分とすることが好ましい。ここで主成分であるとは、アクリル系単量体が50重量%以上であることを意味する。アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体が好ましい。
【0057】
<光重合開始剤>
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物を構成する光重合開始剤としては、特に限定されず、以下のものを使用することができる。
【0058】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類(例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等)、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン等)、ミヒラケトン類(例えば、ミヒラケトン等)およびベンゾイン類(例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等)等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、チオキサンソン類(例えば、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン等)等の硫黄化合物、およびアゾ化合物(例えば、アゾビスイソブチルニトリル等)等が挙げられ、好ましくは、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンが挙げられる。また、1種の光ラジカル重合開始剤を用いてもよく、複数種併用してもよい。これらの中でも、アセトフェノン類もしくはベンゾフェノン類であることが好ましい。
【0059】
光カチオン重合開始剤としては、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体/シリルエーテルなどから選ばれるが、特に限定されるものではない。また、1種の光カチオン重合開始剤を用いてもよく、複数種併用してもよい。
【0060】
また、必要に応じて増感剤を使用してもよく、増感剤としては、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿酸、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられ、好ましくは、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミンが挙げられる。
【0061】
光重合開始剤と増感剤との混合物において、光重合開始剤と増感剤の重量比率は、20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/30である。
【0062】
光重合開始剤の量としては、光重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未満の少量では硬化性が不足する可能性があり、また10重量部を超える多量では硬化速度が速過ぎるため、得られる重合体が低分子量となり、耐熱性が不足する傾向がある。
【0063】
<紫外線硬化型粘接着剤組成物>
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物は、上記の光重合性単量体、光重合開始剤、アクリル系ブロック共重合体(A)からなり、以下の(1)〜(3)成分を含むことを特徴とする:
(1)光重合性単量体100重量部と、
(2)光重合開始剤0.01〜10重量部と、
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下であるアクリル系ブロック共重合体であって、メタクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)0.1〜200重量部。
【0064】
アクリル系ブロック共重合体(A)はそれ自体が粘着性を有する高分子であるため、硬化前の組成物に対しては増粘効果を発揮しながら、適度な粘着力を付与し、仮止め性やリワーク性を向上させる。
【0065】
アクリル系ブロック共重合体(A)の配合量は、光重合性単量体100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、5〜100重量部がさらに好ましく、10〜50重量部がより好ましい。0.1未満では、改質剤としての効果が十分発揮されず、また200重量部を超えると、粘度が高くなり塗工性が低下することがあるため、好ましくない。
【0066】
アクリル系ブロック共重合体(A)は、光硬化に際して反応性であってもよく、非反応性であってもよい。これらは目的に応じて選択することができ、必要に応じてアクリル系ブロック共重合体(A)中の官能基や光重合開始剤を設定することができる。硬化後の粘着剤組成物の粘着性やタックが求められる場合には、アクリル系ブロック共重合体(A)は非反応性であることが好ましく、硬化後の粘着剤組成物の耐熱性や凝集力が求められる場合には、アクリル系ブロック共重合体(A)は反応性であることが好ましい。
【0067】
また、アクリル系ブロック共重合体(A)は軟質で弾性を有することから、硬化後の粘接着剤組成物に柔軟性、耐衝撃性、可撓性、靭性、を付与することができ、塗工物や被着物の収縮や変形に対する追随性を高めたり、衝撃吸収、応力緩和などに効果を発揮する。
【0068】
さらに、光重合性単量体としてアクリル系単量体を用いた場合には、アクリル系ブロック共重合体(A)との相容性が良いことから、硬化後にも透明な粘接着剤組成物が得られ、特に視認性が求められる用途や光学用粘着テープ、封止材などに好適に使用できる。
【0069】
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物には、任意成分として、液状ポリマー(シロップ)、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤、顔料、染料などの従来公知の各種の添加剤を、その硬化性を著しく阻害しない範囲内で適宜配合する事ができる。
【0070】
液状ポリマー(シロップ)としては特に限定されないが、アクリル系ブロック共重合体(A)との相容性がよいことから、アクリル系単量体を重合させたアクリル系シロップであることが好ましい。
【0071】
粘着付与剤としては特に限定されないが、例えば、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、C5系またはC9系の石油系樹脂、クマロン樹脂などが用いられる。なかでも、アクリル系ブロック共重合体(A)との相容性が良いことから、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂が好ましい。
【0072】
<紫外線硬化型粘接着剤組成物の加工方法>
本発明の紫外線硬化型粘接着剤組成物は、シート状としてもよく、あるいは基材の少なくとも一面及び一部に積層してなる紫外線硬化型粘接着剤シートとしてもよい。上記基材としては、レーヨン系もしくはセルロース系などの各種不織布、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、セロハン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの各種合成樹脂よりなるフィルムもしくはシート、発泡ポリエチレン、発泡ウレタン、発泡塩化ビニルなどの各種発泡体、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル、ABS、ポリプロピレン、硬質塩化ビニル、ポリカーボネートなどの各種合成樹脂よりなる合成樹脂板、鋼、ステンレス、アルミニウム、銅、メッキ鋼板などの各種金属からなるシートもしくは板、ガラス、セラミックス、木材、紙、布などを用いることができ、特に限定されるものではない。また、基材の形状についても、シート状や板状などの薄いものに限られず、角柱状、棒状、非球面表面を有する形状など任意である。
【0073】
本発明の紫外線硬化型粘接着剤を硬化させる紫外線の波長範囲は、通常150〜500nm、好ましくは180〜460nm、更に好ましくは200〜400nmである。また、上記紫外線の積算光量は10〜20000mJ/cm、好ましくは50〜5000mJ/cm、更に好ましくは500〜4000mJ/cmとすることができる。10mJ/cmより少ないと硬化性が不十分となり、20000mJ/cmより多いと組成物が劣化する恐れがある。
【0074】
<紫外線硬化型粘接着剤組成物の用途>
本発明にかかる紫外線硬化型粘接着剤組成物は、粘着剤組成物としても、接着剤組成物としても使用できる。
【0075】
粘着剤組成物としては表面保護用、マスキング用、結束用、包装用、事務用、家庭用、ラベル用、接合用、シーリング用、防食・防水用、電気絶縁用、電子機器保持固定用、半導体製造用、光学表示フィルム、電磁波シールド用、医療・衛生用、装飾・表示用、ガラス飛散防止用のテープやフィルム等に用いられる粘着材として使用可能である。
【0076】
表面保護用としては、金属用、塗料面用、プラスチック用、ゴム用、木材用、金属の塑性加工や深絞り加工用、自動車部材用、光学部材用等が挙げられる。自動車部材としては、塗装外板、ホイール、ミラー、ウィンドウ、ライト、ライトカバーなどが挙げられる。光学部材としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等の各種画像表示装置、偏光子、偏光子保護フィルム、偏光板、位相差板、導光板、拡散板、偏光板、DVD等の光ディスク構成フィルム、電子・光学用途向け精密ファインコート面板などが挙げられる。
【0077】
マスキング用としては、プリント基板・フレキシブルプリント基板用、メッキ、ハンダ、車両・建築物の塗装、捺染、自動車、土木・工事用、見切り用などが挙げられる。
【0078】
結束用としては、ワイヤーハーネス用、電線用、ケーブル用、ファイバー用、パイプ用、コイル用、巻線用、鋼材用、ダクト用、ポリ袋用、食品用、野菜用、花卉用などが挙げられる。
【0079】
包装用としては、重量物梱包、輸出梱包、段ボール箱の封緘、缶シールなどが挙げられる。
【0080】
事務用としては、事務汎用、家庭用、封緘、書籍の補修、製図用、メモ用などが挙げられる。
【0081】
ラベル用としては、価格、商品表示、荷札、POP、ステッカー、ストライプ、ネームプレート、装飾、広告用などが挙げられる。
【0082】
接合用としては、各種接着分野、自動車、電車、電気機器、印刷版固定、建築、銘板固定、一般家庭用、粗面、凹凸面、曲面への接着用などが挙げられる。
【0083】
シーリング用としては、断熱、防振、防水、防湿、防音、防塵用などが挙げられる。
【0084】
防食・防水用としては、ガス、水道管の防食、大口径管の防食、異形部の防食、土木・建築物の防食用などが挙げられる。
【0085】
電気絶縁用としては、コイルの保護被覆、モータ・トランスなどの層間絶縁、コイルの絶縁、結束用などが挙げられる。
【0086】
電子機器保持固定用としては、キャリアテープ、パッケージング、ブラウン管の固定、スプライシング、FD、リブ補強用などが挙げられる。
【0087】
半導体製造用としては、シリコーンウエハーの保護用等が挙げられる。
【0088】
医療・衛生用としては、絆創膏、救急絆創膏、サージカルドレッシング、手術用縫合テープ、サリチル酸絆創膏、パップ剤、消炎鎮痛プラスター、経皮吸収薬、固定テーピング、脱毛、防塵、害虫捕獲用などが挙げられる。
【0089】
装飾・表示用としては、危険表示シール用や、ラインテープ、配線マーキング、蓄光テープ、反射シート用等が挙げられる。
【0090】
接着剤組成物としては、建築材料用:木材用接着剤(合板用、パーティクルボード用、ハードボード用、集成材用及び木工用接着剤)及びその他建築材料用接着剤(コンクリート用、モルタル用、壁紙用、床材料用及びタイル用接着剤)、繊維材料用:繊維材料用接着剤( 不織布用、植毛用、接着布用、接着縫製用及びカーペット裏糊用接着剤)、その他材料用:プラスチック用接着剤( 硬質塩化ビニル管用、軟質塩化ビニル用及び発泡プラスチック用接着剤)、ゴム用接着剤、皮革用接着剤、セラミックス用接着剤(複層ガラス用、光学レンズ用及び研磨材料用)、生体接着剤( 歯科用、外科手術用及び貼り薬用接着剤)、(家庭用品用接着剤(紙用など)、段ボール用接着剤、製本用接着剤並びに電化製品用、電子部品用接着剤などに好適に使用できる。
【実施例】
【0091】
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0092】
<分子量測定法>
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
【0093】
<重合反応の転化率測定法>
本実施例に示す重合反応の転化率は以下に示す分析装置、条件で測定した。
使用機器:(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−14B
分離カラム:J&W SCIENTIFIC INC製、キャピラリーカラムDB−17、0.35mmφ×30m
分離条件:初期温度50℃、3.5分間保持
昇温速度40℃/min
最終温度140℃、1.5分間保持
インジェクション温度250℃
ディテクター温度250℃
試料調整:サンプルを酢酸エチルにより約10倍に希釈し、アセトニトリルを内部標準物質とした。
【0094】
<紫外線の照射>
紫外線照射装置LIGHT HAMMER6(FUSION UV SYSTEMS社製、ランプ;Hバルブ水銀灯タイプ)を用いて紫外線をサンプルに対して所定量照射した。照射量は3600mJ/cmであった。
【0095】
<粘接着特性評価用サンプルの調整>
粘接着テープを、JIS Z−0237に準じてステンレス板に幅25mm×長さ125mmとして貼り付け、試験片とし、粘接着力試験を実施した。
【0096】
<粘接着力試験>
ステンレス板に粘接着テープを貼り付けた試験片を、雰囲気温度23℃、剥離角度180°、引張速度300mm/分の条件で剥離させるのに要する力を剥離力として測定した。
【0097】
<保持力試験>
粘接着テープを貼り付けた試験片を用いて、JIS Z−0237に準じて保持力試験を実施した。試験温度は23℃、荷重は1kgfとした。試験には保持力試験機145−DT(安田精機製作所製)を用いた。
【0098】
<硬化性評価>
紫外線硬化型粘接着剤組成物0.5gに紫外線を照射し、サンプルの重量を測定後、トルエン溶液に浸した。12時間経過後、サンプルを取り出し、真空乾燥機にて残存トルエンを除去した。乾燥後のサンプルの重量を測定し、試験前後での重量保持率をゲル分率とした。ゲル分率が高いほど硬化性が良好である。
【0099】
(製造例1)アクリル系ブロック共重合体1の製造
窒素置換した500L反応器に、アクリル系重合体ブロックを構成する単量体として、BA80.9kgおよびTBA2.1kgを仕込み、続いて臭化第一銅580gを仕込んで攪拌を開始した。その後、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル583gをアセトニトリル7.3kgに溶解させた溶液を仕込み、ジャケットを加温して内温75℃で30分間保持した。その後、ペンタメチルジエチレントリアミン70gを加えて、アクリル系重合体ブロックの重合を開始した。重合開始から一定時間ごとに、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約100gを抜き取り、サンプリング溶液のガスクロマトグラム分析によりBAの転化率を決定した。ペンタメチルジエチレントリアミンを随時加えることで重合速度を制御した。
【0100】
BAの転化率が97%に到達したところで、トルエン82.5kg、塩化第一銅400g、ペンタメチルジエチレントリアミン70g、およびメタクリル系重合体ブロックを構成する単量体として、MMA35.6kgを加えて、メタクリル系重合体ブロックの重合を開始した。MMAの転化率が90%に到達したところで、トルエン120kgを加えて反応溶液を希釈すると共に反応器を冷却して重合を停止させた。
【0101】
得られたアクリル系ブロック共重合体の溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25重量%とした。この溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物を1.6kg加え、反応器内を窒素置換し、150℃で4時間撹拌し、TBAのt−ブチル基をカルボキシル基に変換した。その後、濾過助剤として昭和化学工業製ラヂオライト#3000を2.3kg添加し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機を用いて0.1〜0.4MPaGにて加圧濾過し、固体分を分離した。
【0102】
得られた酸性の溶液を再び500L反応器に投入し、固体塩基として協和化学製キョーワード500SHを3.4kg加え、30℃で1時間撹拌した。その後、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機を用いて0.1〜0.4MPaGにて加圧濾過して固体分を分離し、目的とするカルボキシル基含有のアクリル系ブロック共重合体1の溶液を得た。得られた重合体溶液に、イルガノックス1010(チバジャパン製)を重合体の重量に対して0.6重量部加えた後、SCP100((株)栗本鐵工所製、伝熱面積1m2)を用いて溶媒成分を蒸発した。重合体はφ4mmのダイスを通してストランドとし、水槽で冷却後ペレタイザーにより重合体ペレットを得た。
【0103】
得られたアクリル系ブロック共重合体1のGPC分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)が109,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.34であった。
(製造例2)アクリル系ブロック共重合体2の製造
アクリル系重合体ブロックを構成する単量体として、BA83.0kgを用い、メタクリル系重合体ブロックを構成する単量体として、MMA35.6kgを用いた以外は製造例1と同様の操作により重合をおこなった。
【0104】
得られたアクリル系ブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25重量%とした。この溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物を1.6kg加え、反応器内を窒素置換し、30℃で3時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液が無色透明になっていることを確認して、昭和化学工業製ラヂオライト#3000を2.3kg添加した。その後、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機を用いて0.1〜0.4MPaGにて加圧濾過し、固体分を分離した。
【0105】
この重合体溶液を製造例1と同様の操作により乾燥して、目的とするアクリル系ブロック共重合体2のペレットを得た。得られたアクリル系ブロック共重合体2のGPC分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)が109,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.31であった。
【0106】
(実施例1)
製造例1で得られたアクリル系ブロック共重合体1(1g)に、光重合性単量体として2−エチルヘキシルアクリレート(4g)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(0.15g)を加え、加温してから混合した。その後、光重合開始剤として2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(チバジャパン製:Darocure1173)(0.15g)を加えて混合し、紫外線硬化型の粘接着剤組成物を得た。次いで、厚さ50μmの透明ポリエステルフィルムの一方の面にスリット隙間200μmのコーターを用いて該粘接着剤組成物を塗布した。次に紫外線を照射することで目的とする粘接着テープが得られた。紫外線硬化型の粘接着剤組成物を用いて硬化性の評価を、粘接着テープを用いて粘接着力試験と保持力試験を実施した。結果を表1に示す。
【0107】
(実施例2)
アクリル系ブロック共重合体1をアクリル系ブロック共重合体2に変更した以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型粘接着剤組成物を作製し、塗布の後に紫外線照射により目的とする粘接着テープを得た。紫外線硬化型の粘接着剤組成物を用いて硬化性の評価を、粘接着テープを用いて粘接着力試験と保持力試験を実施した。結果を表1に示す。
【0108】
(比較例1)
アクリル系ブロック共重合体1を用いず、2−エチルヘキシルアクリレートを5gとした以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型粘接着剤組成物を作製し、塗布の後に紫外線照射により目的とする粘接着テープを得た。紫外線硬化型の粘接着剤組成物を用いて硬化性の評価を、粘接着テープを用いて粘接着力試験と保持力試験を実施した。結果を表1に示す。紫外線硬化型粘接着剤組成物は粘度が低く、テープとした際に粘接着性を示さなかった。
【0109】
(比較例2)
アクリル系ブロック共重合体1の代わりにアクリル系重合体ARUFON UP−1000(東亞合成製)、を用いた以外は実施例1と同様にして紫外線硬化型粘接着剤組成物を作製し、塗布の後に紫外線照射により目的とする粘接着テープを得た。紫外線硬化型の粘接着剤組成物を用いて硬化性の評価を、粘接着テープを用いて粘接着力試験と保持力試験を実施した。結果を表1に示す。
【0110】
【表1】

【0111】
(実施例3)
製造例1で得られたアクリル系ブロック共重合体1(20g)に、光重合性単量体としてイソボルニルアクリレート(100g)、2−エチルヘキシルアクリレート(25g)、および光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバジャパン製:イルガキュアー651)(5g)を加えて混合し、紫外線硬化型の接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物を、被着体である50μm厚の透明ポリエステルフィルム上に厚さ50μmになるように塗布した後、塗布面にもう一枚の透明ポリエステルフィルムを密着させた。次に紫外線照射装置で紫外線を照射することで透明ポリエステルフィルムを接着させた。照射量は3600mJ/cm2であった。
【0112】
(実施例4)
製造例2で得られたアクリル系ブロック共重合体2(100g)を用いた以外は実施例3と同様にして紫外線硬化型接着剤組成物を作製し、紫外線照射により透明ポリエステルフィルムを接着させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(3)成分を含むことを特徴とする紫外線硬化型粘接着剤組成物:
(1)光重合性単量体100重量部と、
(2)光重合開始剤0.01〜10重量部と、
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した数平均分子量(Mn)が10,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.8以下であるアクリル系ブロック共重合体であって、メタクリル系重合体ブロック(a)とアクリル系重合体ブロック(b)からなるアクリル系ブロック共重合体(A)0.1〜200重量部。
【請求項2】
アクリル系ブロック共重合体(A)が、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項3】
光重合性単量体が、アクリル系単量体であることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項4】
光重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジルからなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項5】
光重合開始剤が、アセトフェノン類もしくはベンゾフェノン類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項6】
アクリル系ブロック共重合体(A)におけるメタクリル系重合体ブロック(a)の割合が10〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項7】
アクリル系ブロック共重合体(A)が、トリブロック体またはジブロック体、もしくはその混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項8】
アクリル系重合体ブロック(b)が、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。
【請求項9】
アクリル系ブロック共重合体(A)が、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、Fe、Ru、Ni、Cuから選ばれる少なくとも1種類を中心金属とする金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法により製造されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の紫外線硬化型粘接着剤組成物。

【公開番号】特開2011−26551(P2011−26551A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117566(P2010−117566)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】