説明

紫外蛍光を使用して、分子種を検出し、検査し、分類するための方法および装置

本発明は、かなり長いスタンドオフ距離から、気体、固体、および液体の種ならびに濃度を判定するために、電磁スペクトルの紫外部分において蛍光分光分析を利用するシステムおよび方法を提供する。検査下の目標材料は、爆薬、薬剤、バイオエアロゾル、および麻酔薬等の制御物質を含む場合がある。基本測定システムは、コンピュータ、制御電子部品、および電力源とともに、光学部品、分光器、検出器、およびエネルギー源(「ヘッド」構成部品)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、物質および材料を検出し、検査し、かつ分類する分野に関する。特に、電磁スペクトルの紫外部分で動作し、長いスタンドオフ(standoff)距離で使用することが可能な、特定性および精度の高い蛍光検出システムを利用して、特定の個々の物質および物質の固有の混合物が識別される。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2002年11月21日に出願された米国仮特許出願第60/427,935号に対して米国特許法119条(e)の下で優先権を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の検討]
紫外(「UV」)蛍光分光分析は、化学物質および生体物質ならびに化合物を識別し、かつ特徴付けるのに使用される分析技法である。動作時、UV蛍光システムは、たとえば、反射性および/または屈折性光学部品を使用して、励起源から目標エリアへ、(高濃度光子の形態の)エネルギーを向ける。光子と試料材料との光電子相互作用は、検出可能な波長シフトした放出を生成し、その放出は通常、吸収された励起紫外光子より長い(可視光寄りの)波長である。
【0004】
波長シフトは、(適切な波長の)入射光子から目標材料へのエネルギー移動による。移動したエネルギーによって、試料の電子の一部が、飛び出して自由になるか、または、励起した(すなわち、より高い)エネルギー状態に入る。そのため、これらの励起電子は、調べられるそれぞれの特定の分子種ごとに異なる固有のエネルギー環境を占める。結果として、より高いエネルギー軌道状態からの電子は、「低い状態に下がり(drop down)」、励起電子によって空いた軌道を満たす。より高いエネルギー状態からより低いエネルギー状態へ移行する電子が失うエネルギーによって、それぞれの物質に固有の放出スペクトルが生じる。このプロセスが、短時間で、通常100ナノ秒以下で起こると、結果として得られる光子束は蛍光と呼ばれる。
【0005】
結果として得られる生成した放出スペクトルは、紫外分光器によって検出され、デジタル化され、分析(すなわち、波長識別)される。目標エリア内の異なる物質はそれぞれ、固有のスペクトルを生成し、この固有のスペクトルは、既知または未知の材料について、後で行う分析中に比較するために、選別されかつ記憶されることができる。
【0006】
UV蛍光分光分析は、いくつかの欠点を有する。第1に、UV蛍光分光分析は、干渉(または、クラッタ)によって影響を受けるおそれがある。干渉は、関心材料を識別することに直接寄与しない、検出器に到達する望ましくないUV束として規定される。たとえば、衣服上の違法な物質を検出しようと試みる時、クラッタは、目標エリア内の重要でない分子を励起すること、検出器/放出器領域に近い材料または(外部光源を含む)目標エリア外からの外部束を励起すること、および光経路内の空気および/または塵から散乱することから生じる可能性がある。そのため、本発明の1つの目標は、(特定のアルゴリズムおよびスペクトルフィルタリングを使用して)適切な分析システムと連携して、全てのこれらの、また、他の干渉源を効率的かつ正確に識別することを可能にすることである。
【0007】
UV蛍光システムはまた、感度距離に関して制限される。関心物質と、UV励起源および検出器との間の距離が長くなると、試料材料からより弱い戻り光子束(すなわち、もしあればより弱い蛍光)がもたらされる。本発明は、同期した光源/検出器システムおよび特定の関心物質に最適化されたスペクトル範囲の選択によって、信号の低下を補償する。範囲および感度に影響を与える因子は、積分時間、受け取り用光学部品の開口、光源出力、および紫外光が進む経路の特性を含む。
【0008】
従来の分光分析および検出技法は、とりわけ、中性子放射化分析、紫外吸収、イオン移動度分光分析、散乱分析、核共鳴蛍光、4重極共鳴、および種々の化学センサを含む。しかしながら、これらの方法はそれぞれ、欠陥を持つ。たとえば、中性子放射化分析は、原子成分(たとえば、水素、酸素、窒素、および炭素)の比を直接測定することが可能であるが、電力要求の大きい(加速器等の)大きなエネルギー源を必要とする。従来のUV吸収および散乱技法は、かなり大きな基準資源および有効な予測分析システムがなければ、不正確さ(すなわち、誤った警報および漏れ(omission))の程度が高くなる。散乱分析技法は同様な欠点を持つ。
【0009】
イオン移動度分光分析デバイスは、現在、「ワイピング」分析のために多くの空港で使用されているが、感度が低く、保守の必要性が高い。共鳴蛍光は、先端の、有望な技術であるが、動作のために、大きく複雑なエネルギー源を必要とする。4重極共鳴技法は、可搬性と精度のほどよい兼ね合いを提供するが、限られた数の材料についてのみ有効である(すなわち、4重極共鳴技法が確実にかつ正確に検出することができる材料の範囲が極端に小さい)。最後に、化学センサは、非常に正確であるが、動作が遅く、範囲が限られる。さらに、化学センサは、変動する環境状況(たとえば、高い湿度および適度の空気流)下で常に一貫した結果を生じるわけではない。
【0010】
[発明の概要]
本発明は、材料を検出し、検査し、かつ分類するためのシステムおよび方法に関する。特に、電磁スペクトルの紫外部分で動作し、長いスタンドオフ距離で使用することが可能な、特定性および精度の高い蛍光検出システムを利用して、特定の個々の物質および物質の固有の混合物が識別される(複雑な混合物における個々の化学種の遠隔のリアルタイム濃度測定を含む)。
【0011】
一般に、本発明は、紫外光源を利用して、目標エリア内で蛍光を生成する。一旦励起されると、目標物質内での電子崩壊(electron decay)によって、既知の材料に一意に一致する可能性があるUV波長の検出可能な放出が引き起こされる。そのため、システムは、目標材料の「指紋」識別を提供することができる。システムは、非貫入型であり、主に、表面担持材料を検出するだけである(UV透過材料が調べられている場合を除いて)。本発明はまた、一定の剤および物質について本発明によって検出された、既知のシグネチャスペクトルのデータベースを含む。好ましい実施形態は、精度および感度を向上させるために(すなわち、真のポジティブ識別を高め、偽のポジティブ識別を抑制するために)、マルチスペクトル励起を使用する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、放出光子の検出は、光学部品、分光器、および検出器アレイを含む受け取り器によって達成される。システムは、爆薬、違法な薬剤(および付随する副産物)、危険な化学薬品、および、人に有害なバイオエアロゾル等の特定の関心物質を識別する分析システムをさらに含むことができる。一実施形態では、本発明は、約240ナノメートル〜約540ナノメートルの紫外放射波長範囲内で動作することが好ましい(他の波長範囲を使用することもできる)。
【0013】
マルチスペクトル励起および/または検出は、本発明によって多くの方法で達成される。励起波長か、検出波長のいずれかの選択および制御は、とりわけ、各パルスに対応するデータ収集に関連するパルス駆動式電力源(たとえば、シーケンス−パルスレーザシステム)、異なる励起波長または検出波長を選択するか、または変えるためのスペクトルフィルタホイール(複数可)、およびそれらの組み合わせを使用して、達成されることができる。本発明の感度を、以下の図に説明するシャッタシステムを使用することによって、さらに向上させることができる。シャッタを使用することによって、外来光(ならびに、励起光および放射光)が検出器に達するのを選択的に制限することによって、外来光源が最小になる。たとえば、シャッタは、外来光源の干渉作用を制限するために、励起パルスに関連して離散的な期間(discreet period of time)の間、開くようにトリガされてもよい。
【0014】
特定の構成にかかわらず、システムの感度限界はいくつかの因子のいずれかに依存する場合がある。これらの因子は、エネルギー源の可用性、光電子吸収断面、経路長、検出器採取面積、検出器スペクトル分解能、検出器幾何的特性、積分時間、および検出器ノイズ限界を含む。これらの因子のネガティブな作用を最小にするために、多くの処置がとられてきた。
【0015】
本発明の別の実施形態では、検出システムは、励起スペクトルの特性を規定するために、狭帯域干渉フィルタ(複数可)および/または単色光分光器によって、連続出力の重水素紫外光源を使用する。こうした機構では、全出力電力で利用可能な出力密度は1mW/cmである。UV出力は、3cm面積のレンズによって採取され、目標エリアに向けられる。レンズは、約300mmのスタンドオフの目標上にて集中した照明スポット(〜100mm径)を生成する。
【0016】
この実施形態では、目標の断面は、目標エリア内のそれぞれの関心物質について必要とされる励起波長を提供するために、一定のスペクトルフィルタを選択することによって、または、単色光分光器を使用することによって、光電子吸収に対して最適化される。同時に、分光器および紫外感度が高い敏感な検出器を備える受け取り器は、目標エリアを検査する。その後、急速放出試料(または暴露)が記録され、結果として得られるスペクトルが既知の物質のデータベースと比較される。このシステムを使用して、12インチのスタンドオフ距離の4インチ径のエリアにおいて、100万分の100(100ppm)の感度が達成された。
【0017】
本発明はまた、液体、固体、または、気体の形態のいずれであっても、かなりのスタンドオフ距離の目標エリア内で物質を検出しかつ分析する能力を提供する。本発明は、(重要な構成部品の設置を含む)固有のシステムの構成、ならびに、個々の物質および物質の複雑な混合物についての固有のシグネチャのデータベースの作成および維持に適している。本発明は、高効率の電力機能および新規の光源光学部品設計を有する、検出器アレイに結合する小型分光器機器を利用することができる。本発明のハードウェアは、種々の入射出力安定化方法、パルス駆動式タイミングシーケンスに基づく試料評価を含む改良された分析、ならびに、日光と室内光環境での動作のためのパルス同期化モードを実施することができる。
【0018】
本発明の変更および変形は、上記説明に鑑みて可能であり想定される。したがって、特に説明される以外の方法で、添付した、詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲内で、本発明を実施してもよいことが理解されるべきである。
【0019】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、また、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0020】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
ここで、本発明の好ましい実施形態が詳細に参照されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に述べる実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。さらに、また、当業者が理解することになるが、本発明を、製品、方法、システム、またはプロセスとして具体化してもよい。
【0021】
図1は、数センチメートルから数キロメートルのスタンドオフ距離において物質を検出するのに適した、本発明の一実施形態による長距離UV吸収検出システム100の機能ブロック図を示す。図1は、規制薬物および他の危険物質(controlled and other dangerous substances)を検出するように構成されたUV蛍光検出システム100を示す。その残留物は、容器、スーツケース、靴、および着替え可能な衣服の表面上か、気体の形態で周囲空気内かのいずれかにある。システムは、測定および検出プロセス中に、望ましくない外来光源からの干渉を最小にするように、光を通さない格納容器内に収容されることが好ましい。
【0022】
図1では、励起光は光源112によって生成される。光源112は、とりわけ、調整可能なレーザ、適した輝度のフラッシュランプ、UV LED、または、固体UVレーザダイオードを含むことができる。励起光は、広範囲の波長を有し、約240nm〜540nmの範囲が好ましい。光源112からの励起光は、その後、スペクトルフィルタ111(オプションとして、とりわけ、励起波長選択用のフィルタホイールを含むことができる)、シャッタ110、および光学レンズ109を通過する。次に、光は、(検査下の試料および種(species)を含む)目標エリア101に向かってミラー103によって反射される。目標エリア101内の試料が、入射励起光に光電気的に反応する(すなわち、蛍光を発する)場合、蛍光は、UV波長スペクトルの特定帯域内の光束として現れる。したがって、光源112、フィルタ111、シャッタ110、および光学レンズ109は、識別されるべき物質を含む場合がある目標エリア101を照明しかつ励起させるのに役立つ。
【0023】
UV吸収検出システム100は、入力光学部品(複数可)102を通して、目標エリア101に配置される試料からの蛍光放出を収集する。入力光学部品102は、限定はしないが、軽量反射光学部品(複数可)または適切な屈折(レンズ)光学部品(複数可)である可能性がある。本発明による入力光学部品102は、所望の構成に応じてサイズが異なる可能性がある。たとえば、遠い距離にある物質を検出するためには、入力光学部品は、非常に大きい、たとえば、直径が1.4メートルである場合がある。一方、可搬型検出システムに関して以下で述べる入力光学部品102は、かなり小さい場合がある。入力光学部品102を通過した後、二色性(dichroic)ビームスプリッタ104は、放射光を、可視光成分とUV光成分とに分割する。可視光成分は、オプションとして、目標の目視検査と目標の照準合わせのためにカメラ108に向けられることができ、一方、UV光成分は、分光器シャッタ107、スペクトルフィルタ105(オプションとして、とりわけ、検出波長選択用のフィルタホイールを含む可能性がある)、および入力スリット106を通すように向けられる。シャッタ110および107はそれぞれ、とりわけ、外来光および埃からの干渉作用および散乱作用を最小にするために、選択的に開閉するように調整されることができることに留意されたい。たとえば、シャッタ110および107はそれぞれ、外来光源の干渉作用を制限するために、励起パルスと関連して、離散的な期間の間、開くようにトリガされることができる。入力スリット106を通過する光は、UV光ビームに光学的に整合する分光器114に入射する。
【0024】
分光器114内部の内部回折格子(図示せず)は、入力スペクトルを、入力スペクトルの個々の波長成分へ分離することを含むスペクトル分離を可能にする。分光器114内の内部光学部品(図示せず)は、その後、分離された入力スペクトルを、オプションで冷却してもよいCCDリニアアレイ検出器115上で再結像させる。CCD検出器115は、UV光成分を電気信号に変換し、電気信号は、その後、信号プロセッサ118によって処理され、取り付けられたコンピュータ117を使用して分析される。図4に関連して以下でさらに詳細に述べるが、コンピュータ117は、目標エリア101内で検出された材料(複数可)と既知の材料のデータベースとの比較に基づいて種々の出力データを提供する分析システムを含む。したがって、コンピュータ117は照合操作を実行し、それによって、CCDからの出力信号が、一定の化学化合物の既知のシグネチャスペクトルに対して照合される。
【0025】
コンピュータ117からのデータおよび分析結果は、ディスプレイデバイス113に提示され、ディスプレイデバイス113は、一定の物質が存在するか、または存在しないかを指示するコンピュータモニタまたは発光体(light)のセットを含むことができる。電力源116は、UV検出システム100の種々の構成部品に電力を供給する。電力源116は、とりわけ、AC主電源、電池、または、同様に適した電力供給源を含むことができる。
【0026】
図2は、靴、ブリーフケース等をチェックするセキュリティステーションで使用される等の、密閉容器内の物質を検出するのに適した、本発明の一実施形態による可搬型UV吸収検出システム200の機能ブロック図を示す。図2は、規制薬物および他の危険物質を検出するように構成されたUV蛍光検出システム200を示す。その残留物は、物体の表面上か、UV光を透過する物体の内部かのいずれかにある。
【0027】
図2では、UV検出システム200は、測定プロセスおよび検出プロセス中に、望ましくない外来光を最小にするように、光を通さない格納容器208内にあることが好ましい。励起光は光源212によって生成され、光源112は、とりわけ、調整可能なレーザ、適した輝度のフラッシュランプ、UV LED、または固体UVレーザダイオードを含むことができる。光源212からの光は、その後、光学レンズ209と、スペクトルフィルタ211(オプションとして、とりわけ、励起波長選択用のフィルタホイールを含むことができる)とを通過し、その光は、スペクトルフィルタ211から光ファイバカプラ210に向けられ、光ファイバカプラ210は、その光を光ファイバ202に沿って通過させる。光ファイバ202は、反射性球面207の内部に光を向ける。
【0028】
反射性球面207は、格納容器208内に収容される。格納容器208は、目標の物体またはエリア219上に、あるいはその中に配置される、分析すべき試料201を収容することができる物体を設置するのを容易にするために、2つの半球部分が現れるように分離する。励起光は、(もし存在すれば)試料201に衝突するまで、反射性球面207内で繰り返し反射される。試料201が、光電気的に入射励起光に反応する(すなわち、蛍光を発する)場合、蛍光は、UV波長スペクトルの特定帯域内の光束として現れる。
【0029】
蛍光が生じる場合、(ユニットを通って伝送される光全体の一成分としての)UV放出は、反射性球面207の壁で複数回反射した後、入力光ファイバ203によって連続して収集される。採取された光は、光ファイバ203に沿って、光ファイバカプラ204と、スペクトルフィルタ205(オプションとして、とりわけ、検出波長選択用のフィルタホイールを含むことができる)とを通過し、入力スリット206に入る。入力スリット206を通過する光は、UV光ビームに光学的に整合する分光器214に入る。
【0030】
分光器214内部の内部回折格子(図示せず)は、入力スペクトルを、入力スペクトルの個々の波長成分へ分離することを含むスペクトル分離を可能にする。分光器214内の内部光学部品(図示せず)は、その後、分離された入力スペクトルを、オプションで冷却してもよいCCDリニアアレイ検出器215上で再結像させる。CCD検出器215は、UV光成分を電気信号に変換し、その電気信号は、その後、信号プロセッサ218によって処理され、取り付けられたコンピュータ217に関連する分析システムを使用して分析される。図4に関連して以下でさらに詳細に述べるが、コンピュータ217は、目標エリア201内で検出された材料(複数可)と既知の材料のデータベースとの比較に基づいて種々の出力データを提供する分析システムを含む。したがって、コンピュータ217は、照合操作を実行し、それによって、CCDからの出力信号が、一定の化学化合物の既知のシグネチャスペクトルに対して照合される。
【0031】
データおよび分析結果は、ディスプレイデバイス213に提示され、このディスプレイデバイス213は、一定の物質が存在するか、または存在しないかを指示するコンピュータモニタまたは発光体のセットを含むことができる。電力源216は、UV検出システム200の種々の構成部品に電力を供給する。電力源216は、とりわけ、AC主電源、電池、または、同様に適した電力供給源を含むことができる。
【0032】
図3は、航空機の乗客のスクリーニングに利用されるものおよび手持ち式スキャナを必要とする他のシナリオに利用されるもの等の、比較的距離の近いところで、物体または人の上の物質を検出するのに適した、本発明の一実施形態による手持ち式および/または可搬型のUV吸収検出システム300の機能ブロック図を示す。図3は、規制薬物および他の危険物質を検出するように構成されたUV検出システム300を示す。その残留物は、要員、容器、ス−ツケース、靴、衣服等の表面上にある。特に重要なことには、図3の実施形態は、望ましくない外来光の作用を最小にするいくつかの手段を使用するので、光を通さない格納容器内に収容される必要はない。
【0033】
図3では、励起光は光源312によって生成される。光源312は、とりわけ、調整可能なレーザ、適した輝度のフラッシュランプ、UV LED、または固体UVレーザダイオードを含むことができる。光源312からの光は、その後、スペクトルフィルタ311(オプションとして、とりわけ、励起波長選択用のフィルタホイールを含むことができる)、シャッタ310および光学レンズ309を通過し、その光は、光学レンズ309から光ファイバカプラ304上に向けられる。光ファイバカプラ304は、励起光を、光ファイバケーブル302に沿って手持ち式スキャナ319に通過させる。その後、手持ち式スキャナ319を使用して、励起光を、(検査下の種を含む場合がある)目標エリア301へ向けて送ることができる。目標エリア301内の試料が、入射励起光に光電気的に反応する(すなわち、蛍光を発する)場合、蛍光は、UV波長スペクトルの特定帯域内の光束として現れる。したがって、光源312、フィルタ311、シャッタ310、光学レンズ309、光ファイバカプラ304、光ファイバケーブル302、および手持ち式スキャナ319は、識別されるべき物質を含む場合がある目標エリア301を照明し、かつ励起させるのに役立つ。
【0034】
蛍光が生じる場合、(ユニットによって検出される光全体の一成分としての)UV放出は、手持ち式スキャナ319内に配置された入力光入力ファイバ光学部品(複数可)302を通して収集される。図3に示すように、入力ファイバ光学部品(複数可)302は、先に説明した光ファイバ302に対応するが、それらは、別個の光学材料である可能性がある。採取された光は、入力ファイバ光学部品302(複数可)に沿って、光ファイバカプラ308、シャッタ307、スペクトルフィルタ305(オプションとして、とりわけ、検出波長選択用のフィルタホイールを含むことができる)を通過し、入力スリット306上に入る。シャッタ110および107はそれぞれ、とりわけ、外来光および埃からの干渉作用および散乱作用を最小にするために、選択的に開閉するように調整することができることに留意されたい。たとえば、シャッタ310および307はそれぞれ、外来光源の干渉作用を最小にするために、励起パルスと関連して、離散的な期間の間、開くようにトリガされることができる。入力スリット306を通過する光は、UV光ビームに光学的に整合する分光器314に入る。
【0035】
分光器314内部の内部回折格子(図示せず)は、入力スペクトルを、入力スペクトルの個々の波長成分へ分離することを含むスペクトル分離を可能にする。分光器314内の内部光学部品(図示せず)は、その後、分離された入力スペクトルを、オプションで冷却してもよいCCDリニアアレイ検出器315上で再結像させる。CCD検出器315は、UV光成分を電気信号に変換し、それらの電気信号は、その後、信号プロセッサ318によって処理され、取り付けられたコンピュータ317に関連する分析システムを使用して分析される。図4に関連して以下でさらに詳細に述べるが、コンピュータ317は、目標エリア301内で検出された材料(複数可)と既知の材料のデータベースとの比較に基づいて種々の出力データを提供する分析システムを含む。したがって、コンピュータ317は、照合操作を実行し、それによって、CCDからの出力信号が、一定の化学化合物の既知のシグネチャスペクトルに対して照合される。
【0036】
データおよび分析結果は、ディスプレイデバイス313に提示され、ディスプレイデバイス313は、一定の物質が存在するか、または存在しないかを指示するコンピュータモニタまたは発光体のセットを含むことができる。電力源316は、UV検出システム300の種々の構成部品に電力を供給する。電力源316は、とりわけ、AC主電源、電池、または、同様に適した電力供給源を含むことができる。
【0037】
図1〜図3では、分析システム(ならびに、機器(instrumentation)較正)は、運転効率において重要な役割を果たす。UV吸収検出システムを実行するコンピュータは、検出システムのためのコントローラユニットとして機能し、また、異なる用途について種々のパラメータ全てをカスタマイズする機能を提供する。
【0038】
蓄積されたデータは、標準コンピュータスクリーンおよび/またはカスタマイズされたディスプレイモジュールを有するコンピュータ上で表示されることができる。標準コンピュータスクリーンディスプレイは、結果として得られるスペクトルの評価および/または操作のための初期インタフェースの役割を果たし、ならびに、前もってセットされたシステムパラメータの対話的調整を可能にすることができる。こうした判定は、限定はしないが、一定の材料および物質が、存在するか、または存在しないかを識別することを含む。
【0039】
カスタマイズされたディスプレイモジュールはまた、図1〜図3に示す実施形態を含む本発明の任意の構成とともに利用されることができる。カスタマイズされたディスプレイモジュールは、照明されたLEDを使用することによって、サンプリングおよび検出結果を指示することが可能なデバイスを含むことができる。たとえば、カスタマイズされたディスプレイモジュールは、限定はしないが、「クリア」(関心物質が存在しない場合)、「物質発見」(予め選択した物質のタイプのうちの1つまたは複数が識別された場合)、「再測定」(分析システムが、物質(複数可)の存在を判定する時に確信がなかった場合)、「誤り」(監視されたシステムパラメータが適切に機能していない場合)、「準備完了」(システムが、別のデータポイント(data point)を取得する準備ができた場合)、および/または、「取得中」(システムが、データポイントの別のセットを取得するプロセス中である場合)を含む複数のメッセージを指示するように設計されることができる。
【0040】
本発明はまた、UV吸収検出システムによって生成されたデータの評価を可能にする。とりわけ、本発明は、限定はしないが、爆薬材料、麻酔材料(narcotics)、および市販薬を含む種々の材料が、存在すること、存在しないことを判定すること(および、それらを区別すること)ができる。本発明によるシステムは、前もってセットされた検出基準に基づいて、付随するハードウェア上での視覚出力および/または可聴出力を可能にする。さらに、システムは、異なる選択された試験状況または試験パラメータの下で、以前のデータを検索しかつ評価することによって、「何らかの状況を仮定した(what-if)」シナリオを展開することを考慮しかつ期待することが可能になる。
【0041】
本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムで使用するように構成されると、システムは、とりわけ、化学物質(たとえば、爆薬、薬剤等)の存在を判定するために、それぞれの蛍光走査サイクル後に、連続して、(UVスペクトルの形態の)試料データを繰り返し分析することができる。物質(複数可)が存在するか(または存在しないか)の判定は、生じる試料スペクトルと、既知の材料の固有のスペクトルシグネチャ(システムがアクセス可能なデータベースを構成する)とのアルゴリズムベースの比較に基づく。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、固有のスペクトルシグネチャは、割り当てられた名称およびタイプのストリング(string)である(したがって、それぞれのシグネチャについての離散的な(dicreet)容易な比較を可能にする)。それぞれのシグネチャにまた、その特徴的なスペクトルを規定する可変数の他のポイントとともに、基準ポイントとして使用するためのベースポイント(base point)を割り当てることができる。
【0043】
既知の化合物についてのシグネチャは、新しいシグネチャの追加または既存のシグネチャの変更を容易にするために、プレーンテキスト(plain text)ファイルで記憶される。記憶されると、個々の化合物のUVスペクトルは、順序付けられたチャネルのセットに記録されるカウントの配列(array)を含む(すなわち、個々の化合物のUVスペクトルは一連の数である)。初期化中に、システムは、記憶されたプレーンテキストの試料シグネチャを配列にロードする。配列の要素は、その後、取得される時に生じるスペクトルと比較される。
【0044】
シグネチャ照合は、とりわけ、高速であり、かつ、柔軟性を可能にする、曲線照合のための余弦関数の20次べき級数を使用して達成されることができる。既知のUVスペクトルについてのそれぞれのチャネルは、検出器に記録することができるUV放出波長の部分波長範囲に対応する。特定周波数のUV光は、分光計に入る時はいつでも、対応するチャネルに入り、これによって、そのチャネル用のカウンタが増分される。スキャンが終了すると、全てのチャネルについての増分したカウントは、整数の配列として戻される。
【0045】
一旦、入力データが整数の配列に蓄積されると、入力データは、最小2乗曲線当てはめルーチン(least-square curve-fitting routine)を使用して、スペクトル内のシグネチャと照合される。この最小2乗曲線当てはめルーチンは、測定されたスペクトルを、スペクトルに含まれる重要情報を記述するのに十分な、デジタル数の小さなセットに変換させる。この曲線の最適な当てはめは、24次式までを使用してもよい。
【0046】
シグネチャ照合アルゴリズムは、データベースに記憶された記述パラメータを比較することによって始まる。それぞれのパラメータは、パラメータの値が、データベース内の規定されたUVスペクトルに対応する範囲内にあるかどうかを調べるために次々とチェックされる。適切な範囲は、平均チャネル値の上と下の3つの標準偏差として規定されることができる。データベースに含まれるそれぞれの目標材料について、平均チャネル値および/または標準偏差値を使用して、比較を行うこともできる。
【0047】
全てのデータベースシグネチャがチェックされると、規定範囲内に入るシグネチャ(複数可)は一致として分類される。2つ以上のシグネチャ材料が一致と認定される時、システムは、その種々の可能性のある一致を試料材料と比較することを可能にする(とりわけ、スペクトルの重畳表示(overlay)を含む)。システムはまた、ユーザが検討するために全ての一致した材料の名称が表示されるIDENTIFICATIONモードを使用可能にする。システムはまた、視覚指示か、可聴指示のいずれか、または、その両方が、ポジティブおよび/またはネガティブな試料照合について戻されるVERIFICATIONモードを使用可能にする。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態に従って、測定された蛍光データを一定の化合物の既知のシグネチャスペクトルと照合するプロセスを示すフローチャートである。図4では、照合プロセスはステップS400で始まり、システムが初期化される。プロセスは、その後、ステップS410に移動し、ステップS410においてシステムは、システムがアクセス可能なデータベースに記憶されている既知の材料からのUVシグネチャにアクセスし、それをロードする。プロセスは、その後、ステップS420に移動し、試料スペクトルから生じるデータが取得されてシステムに供給される。たとえば、このステップは、図1に示すように、CCDおよび/または信号プロセッサからの処理された信号を受け取ることを含んでもよい。ステップS430にて、システムは、ステップS420で提供される、取得された試料データに対してアルゴリズムを適用する。このステップは、たとえば、曲線照合のための、余弦関数の20次べき級数の適用を含むことができる。次に、ステップS440にて、ステップS420およびS430からの操作された試料データが、ステップS410にてデータベースからロードされたUVシグネチャと比較される。ステップS440は、たとえば、24次方程式までを使用することを含む、測定されたスペクトルを、スペクトルに含まれる重要情報を記述するのに十分な、デジタル数の小さなセットに変換させる最小2乗曲線当てはめルーチンを使用することを含むことができる。ステップS450にて、システムは、ステップS440における比較手順に基づいて一致が存在したかどうかを判定する。一致は、たとえば、記憶されたスペクトルの平均値の上または下の3つの標準偏差等の、試料スペクトルからの値と記憶されたスペクトルの値の間の前もってセットされた標準偏差として規定されることができる。次に、ステップS460にて、システムは、一致の結果をすべて出力する。ステップS460は、ステップS470(このステップにおいて、システムは、操作者による目視検査のためにスペクトルの結果を提供する、かつ/または、生成したスペクトルの重畳表示を提供する)とステップS480(このステップにおいて、視覚アラームおよび/または可聴アラームが一致を指示する)のいずれか(または、両方)を含むことができる。
【0049】
図1〜図3に示す一般化したUV吸収検出システムの特定の実施形態は、TNT(米国)、TNT(ロシア)、RDX、PETN、C4、コカイン、ヘロイン、27種の市販薬を含む複数の材料について蛍光スペクトルを得るために使用されてきた。図5〜図8は、こうしたスペクトルを示し、かつ、例示の目的のためだけであり、適用の範囲を制限することを意図していないし、そのように解釈されるべきでもない。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたC4爆薬のUVスペクトルを示す。
【0051】
図6は、本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたコカインのUVスペクトルを示す。
【0052】
図7は、本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたTATP爆薬のUVスペクトルを示す。
【0053】
図8は、本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたTNT爆薬(米国)のUVスペクトルを示す。
【0054】
本発明は、限定はしないが、距離の長いスタンドオフの実施形態、手持ち式スキャナの実施形態、ならびに、車両/自動車に搭載される実施形態、および、固定して搭載される実施形態を含む種々の異なる方法で構成されることができる。特に、開示する実施形態は、大きなエネルギー源、予測的分析システム、または大きな電力消費といった不都合の無い状態で、疑わしい危険な材料から、遠く離れた、安全なスタンドオフ距離で動作することが可能な、信頼性の高い低電力システムを含む。距離が比較的短い(たとえば、1〜10cm)場合、十分な出力のレーザダイオードまたはLEDは、出力源として有効に利用されることができる。距離が長い(数キロメートルまで)場合、適切なビームエキスパンダを有する調整可能パルスレーザが、関心材料を励起するためのUV光子源として使用されることができる。無人の操作が可能であり、高速な反応時間は、他の手法より速い疑わしい物質の識別を提供する。同様に、開示した実施形態は、エネルギー要求が非常に小さい、好都合で、高精度のサンプル検出を提供する小型の手持ち式システムを含む。
【0055】
実験データに基づいて、本発明の一実施形態は、0.5メートルのスタンドオフ距離における一般的な爆薬材料について、100:1(またはそれより大きな)実効信号対雑音検出比を有する。(同様な積分時間、機器設定、および環境パラメータを仮定すると、)このレベルの感度が示すことは、本発明の、使用できる、商用の実施形態は、約5メートルの検出距離で有効であると思われることである。特に、試験によると、1024素子のCCDセンサを使用する一実施形態の場合、240〜540nmの間で、0.1nmの一次スペクトル分解能を示す。このレベルの分解能は、約35%の光学効率に変わる。
【0056】
より大きな光源電力および/またはより大きな採取光学部品を使用することにより、感度および精度を維持しながら、動作範囲が(たとえば、1.4メートル径のF/2採取光学部品(たとえば、ミラー)および250ミリジュールのレーザ光源を使用して、約2.2キロメートルまで)増加することになることがさらに想定される。改良された構成部品が入手可能になると、これらの範囲は、広がる場合があり、かつ/または、試料検出および分析時間が短縮される場合がある。
【0057】
本発明は、非常に多くの数の適用を有する。非網羅的な一覧は、限定はしないが、(化学産業、石油産業、および他の同様な産業における、内部汚染および汚染管理、外部汚染および汚染管理、違法薬剤の検出および監視、市販薬品質管理および配分検証、核廃棄物および核廃液の監視、空気基準の判定、爆薬監視および検出、半導体産業の廃液監視および管理、危険な廃棄物および放出の監視、半導体品質管理測定、半導体処理汚染監視および管理、プラズマ監視および管理、ごみ捨て場の監視および管理、核兵器、生物学的兵器、化学的兵器の副産物の監視、クリーンルームの監視および管理、クリーンルームのツールの監視、真空制御、層流制御および層流制御された環境等の)複数の化学化合物または成分についての遠隔の無侵襲検知を必要とする任意の産業、プロセス、および/または機器、(空港および輸送セキュリティ、急造爆発物(IED)の検出、軍事および民間の船および建物のセキュリティ、薬剤(違法および商用)のセキュリティ、爆薬、武器、およびバイオハザード製品の検出および貯蔵を含む)セキュリティの監視、(危険で毒性のある材料、化学物質、埋められた地雷、不発兵器、および他の爆破装置を含む)救済処置を含む。
【0058】
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明および本明細書で提供される特定の実施例において、種々の変更および変形を行うことができることが、当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明は、任意の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に入る本発明の変更および変形を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による長距離UV吸収検出システムの機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による可搬型UV吸収検出システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による手持ち式および/または可搬型UV吸収検出システムの機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って、測定された蛍光データを一定の化合物の既知のシグネチャスペクトルと照合するプロセスを示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたC4爆薬のUVスペクトルを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたコカインのUVスペクトルを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたTATP爆薬のUVスペクトルを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるUV吸収検出システムによって判定されたTNT爆薬(米国)のUVスペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光源と、
前記励起光源から励起光を受け取ることが可能な試料収容プラットフォームと、
誘導された蛍光エネルギーを受け取る紫外光検出器と、
前記誘導された蛍光紫外エネルギーを以前に判定したシグネチャスペクトルに対して照合する分析モジュールと
を備える紫外蛍光検出器。
【請求項2】
カメラプラットフォームをさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項3】
前記励起光を前記試料収容プラットフォームに向ける第1光学部品をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項4】
前記第1光学部品は、光学レンズ、シャッタ、フィルタ、ミラー、光ファイバカプラ、および光ファイバのうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項5】
前記フィルタはフィルタホイールである請求項4に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項6】
前記誘導された蛍光エネルギーを前記紫外光検出器に通す入力光学部品をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項7】
前記入力光学部品は、約1.0メートルを超える直径を有するF/2レンズである請求項6に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項8】
前記誘導された蛍光エネルギーを受け取る第2光学部品をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項9】
前記第2光学部品は、ミラー、レンズ、ビームスプリッタ、シャッタ、光ファイバ、光ファイバカプラ、フィルタ、および入力スリットのうちの少なくとも1つを含む請求項8に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項10】
前記フィルタはフィルタホイールである請求項6に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項11】
前記紫外光検出器は分光器を含む請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項12】
CCD検出器をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項13】
前記CCD検出器は冷却される請求項10に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項14】
前記分析モジュールはコンピュータを含む請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項15】
信号プロセッサをさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項16】
前記励起光源、前記試料収容プラットフォーム、前記紫外光検出器、および前記検出モジュールに電力を供給する少なくとも1つの電力源をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項17】
前記励起光源は、調整可能レーザ、フラッシュランプ、紫外LED、および固体紫外ダイオードのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項18】
前記励起光源は、約0.1〜約250ミリジュールのレーザ源を含む請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項19】
前記励起光源はパルス光源である請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項20】
検出された物質のスペクトルを安定化させるように前記励起光源を監視するコントローラをさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項21】
約240ナノメートル〜約540ナノメートルの間の紫外信号を検出する請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項22】
光を最小化する格納容器をさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項23】
前記光を最小化するものは反射性球面を含む請求項22に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項24】
手持ち式スキャナをさらに備える請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項25】
前記手持ち式スキャナは、光ファイバ材料を介して前記紫外蛍光検出器に接続される請求項24に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項26】
化学化合物からの紫外放出を検出することができる請求項1に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項27】
前記化学化合物は、薬剤、爆薬、生物剤、生化学剤、核物質、麻酔材料、石油材料、および廃棄材料のうちの少なくとも1つを含む請求項23に記載の紫外蛍光検出器。
【請求項28】
紫外蛍光を使用して化学物質を検出しかつ分析する方法であって、
励起光源を目標材料に向けるステップと、
前記目標材料から誘導蛍光エネルギーを受け取るステップと、
前記受け取った誘導蛍光エネルギーに基づいて、前記目標材料の性質を判定するステップと
を含む紫外蛍光を使用して化学物質を検出しかつ分析する方法。
【請求項29】
前記向けるステップは、光学レンズ、シャッタ、フィルタ、ミラー、光ファイバカプラ、および光ファイバのうちの少なくとも1つを含む第1光学部品を通すように励起光を向けることを含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記受け取った誘導蛍光エネルギーは、F/2ミラーを有し、直径が少なくとも約1.0メートルである光学部品を通過したものである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記判定するステップは、前記受け取った誘導蛍光エネルギーについてのパラメータ範囲を、所定の紫外パラメータと比較することと、
前記受け取った誘導蛍光エネルギーと所定の紫外パラメータの間の所定の標準偏差に基づいて一致を規定することと
を含む請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−507503(P2006−507503A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555552(P2004−555552)
【出願日】平成15年11月21日(2003.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/037292
【国際公開番号】WO2004/048947
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(505189903)シーデックス, インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CDEX, INC.
【住所又は居所原語表記】1700 Rockville Pike, Suite 400, Rockville, MD 20852, United States of America
【Fターム(参考)】